第05話 拾いモノ
10年くらい前の話
夜中に取材してきた実話怪談のまとめていた時の事。
右の人差し指に痛みが走る、何か刺された痛みだ。
指の使い過ぎかと思い、指を見るが外傷は無い、変だなと思い指を見ていると気づいた。
人差し指の第一関節と第二関節の間が痛い、其の部分だけをペンチか何かで挟まれた痛さだ。
結局痛みに作業は中止せざるを得なくなり、寝ようと思ったら頭に「塩」って言葉が出てきた。
良く解らないけど、取り敢えず塩の袋に指を突っ込んで塩洗いして就寝。
翌日取材が早くに上がり、帰りに墓参りに菩提寺に行くと山門の所で身軽に成りました。
どうやら面倒なのが乗ってたみたいです。
実家と本家の墓を参り、住職に挨拶をして、御隠居の処へ伺ったら開口一番
「また厄介なの憑けてるね」と
満面の笑みの裏側の鬼の面が視えて、肝が冷えた次第です。
「お前さん指痛いんだろ?それもここ数日だね」
何で判ったのですか?と聞くと
「長い爪で赤いマニキュアの指だね」
ギョっと驚いた、だってそれって怖いものの代名詞じゃないですか。
「お前さんの人差し指の第一関節と第二関節の間に巻き付いてるよ」
げぇぇぇぇ、確かに何か締め付けれる感はあったけども、本当の事だったのか。
がっくりしてたら御隠居が言われました。
「趣味でも仕事でも、興味持って行くのは構わんが、お土産は持ち帰らないように」
いつも通りのお小言を頂きました。
「それ処置しておいたから、次来る時はマシなもの持って来なさい」
と、何時までも頭が上がりませぬ。
そんな御隠居も鬼籍に入られ久しい、御隠居とは先代の住職様です。
因みに、今は変なモノが憑いたかな?と思ったら、遠回りしても某事務所へ行きます。
中へ入れば、あらスッキリ霧散してくれますので、強力な(個人的には敵対されている)のいますので。
今回はこの辺で
了
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