第03話 回廊の物件
先日怪異の取材を伺った方Mさんから、
「実家の近所に面白い物件があるのでどうでしょうか?」との話を聴いた。
それが出来てから、近辺で不快な気分や不穏な空気・犯罪が増したそうです。
場所と物件の名称を聞いて驚きました。
今から二十年程前の事。
その物件は、知り合いの不動産屋から手伝いを依頼された物件だった。
図面を見た感じでは、普通の木造平屋建ての建物で、中庭に面し回廊がある。
その外周に、個室形式で生活空間がある造り。
何かの意図を持ち設計された空気感を持つ物件でした。
障子で廊下と部屋を仕切る、雨戸で中庭と廊下を仕切る。
玄関を開けると真正面に庭が視える。
□□□□□
□ 庭 □
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□
玄関
簡単に書くとこんな感じ
建築途中は、冗談だと思ってたんだけど事実だった事が一つ。
自称呪術師の方がデザインされたとか、作業中に気配を感じて振り返ると、
敷地のあちこちに何か呟きながら埋めてたのが気になる。
庭にも私らが休日の内に何か埋めた気配もあった。
(所々土の色変わってて丸わかり)
建物完成までは、庭の中心は盛土だけであった。
この盛土、視ると黒っぽい霧みたいのが噴き出してた。
(この当時は変なモノが見えてました)
完成までは色々あり、例えば平日であれ呪術めいた事を行う日は現場へ来るなと言わる。
工程表を見て、この日とこの日からここまでは縁起が悪いと、工事の停止を言いつけられる。
作業に遅延が出るが、上の言うことを聞くしか無いので、そんな感じで作業は続く。
そして本来の工期を大幅に過ぎて完成した。
そんな懐かしくも不気味な建物へ案内してくれると云うMさん。
折角なので乗ってみた。
外から見せてもらった、中は怖くて入れないですよ。
不法侵入になりますしね、ある意味心霊スポットですよね。
なのでカメラ持った人々がロープ乗り越えて入っていく姿を近所の方が見ているそうです。
その建物は見ているだけで不快感しか無い、土地の所有者はご高齢でしたので、既に鬼籍に入られてました。
跡を継いだ方は甥っ子らしく、別の場所に住んでいる様子ですが、それ以降誰も姿を見ていないとか。
近所でもイタズラされたら困るけど、手は出せませんからね、皆困ってるんですよ。
と苦言がね、(言われても何も出来ませんがな)
正直なところ中の構造を知っているだけに、変わり果てた姿を見て外回りは傷み激しい、
中も雨漏りから破壊行為等で酷いかと予測される。
居た堪れなくなり、Mさんに御礼を伝え帰ることにしました。
その時建物側から『…………』と空耳かな何か聞こえた気がしたのを覚えています。
この仕事の後に、似たような建物、コミカライズされている宗教施設の話に続きます。
当時、この手の仕事が増えていてました。
栄枯盛衰を見てた気がします。
了
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