第02話 やれば出来る

これは自分の体験談


動画サイトの心霊物件の奴で【幽霊って殴れる】のを

友人達は半信半疑だったので、自分が若い頃に体験した話を一つしよう。



20代後半頃の話

その場所は関東北部の作業場兼営業所。

事務所側に部屋を作ってあり、食事と睡眠はそちらだった。

曜日は忘れたけど、夜中から何やら布団の周りをぐるぐる周り、この時点で金縛りで全身動かない。

床面が畳敷なので、そこを足を引きづる音も聞こえていた。

何時頃だったか外が明るくなり掛けた時に、

足の方で奴は止まった、両足のくるぶし辺りに片脚を踏み込む気配(実体は無いから気配のみ)


布団が捲れる訳もなく、踏み潰しているのに重さを感じない、物理貫通している感じ。

そいつは人のふくらはぎの間で、左右の足を入れ替え始めた

さすがにね、その場で足踏むやってるイメージ。

繰り返しやられると苛つく訳ですよ、

(朝早くから夜遅くまで作業しているのに、睡眠時間の邪魔すんじゃねぇよ!)と。

怖いより怒りが勝ちましてね、金縛りも初めてでは無かったのもありまして。


『コノヤロウ2回目死んでこい』と気持ちが昂り、

自然と肝が座りましてね、拳握りしめたら体が動いたんですよ。

金縛り解けました、動けるならこっちのもの、死者より生者の方が強いんだよ!


不意打ち的に急に起き上がり、そのままぶん殴ってやった。

殴った感触的には、米俵の米が抜け落ちた、柔らかそうで芯のある感触。

後で気づいたのは蕎麦殻の枕の感触だった。

部屋にはそんな枕は無い、有るのは綿入りの枕だけですから。


殴ったら見えないイメージの人型が、多分体をくの字に折り曲げて、そのまま悶て消えたよ。


なんで?と思いで考えた。

私の座高、腕の位置…………幽霊は男だった様だ。

振りかぶった先はソイツの急所だった模様、

つまり…考えるとなんとも言えない気分でしたよ。


そのまま起きていたら、日が昇り職人達がやってきた。

ぼけーっとした顔を見た連中が聞くので答えたら、

『そりゃあいつの命日だから出てきたんだろうよ』と

ついでに『刃物扱うんだから危ないから寝とけ』と全員一致で部屋に戻されたのでした。


そんな話が有りましたよ



※多少改編しましたが、漫画の方でネタが切れる場合は、

これに似た話が出るかも知れませんね

(他にも多数提供しているので無いと思うけど念の為)


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