モブですが、オタゲーやってたおかげで一軍に昇格した件について

plutoniumプルトニウム

第1話


 キラキラしたギャル共がクラスの宝石、言わば王子様プリンスである五将軍を囲っている。


 一人目は山崎ヤマザキ 亜土夢アトム。キラキラネームは不細工が多いというド偏見を覆した英雄であり、このクラスの学級委員でもある。亜土夢は地毛で赤っぽい髪であり、校則に沿いながらもマンガのようなイケメンを演出している。


 二人目は江戸川エドカワ 淳大ジュンタ。「ジュンタ」という名は犬にでもつきそうな名前だが、その通り、彼はもはや「犬」である。


 甘え方や接し方、全てが犬のようで可愛い。あざといという言葉ワードを全て越えてくようなその見た目や仕草は、本当に生まれつきの才能であるのだろう。


 三人目は雅楽川ウタガワ 大悟ダイゴ。名前は江戸時代にでもいそう名前だが、雅楽川家は古くから伝わる名家らしく、確かに、坊っちゃんや貴族を思わせるような性格である。


 そして、しっかり容姿もその性格に合うように出来ていて、完璧なキャラクターが完成しているのである。


 四人目は、高岸タカギシ ツトム。少年らしさが売りのイケメン男子。野球が趣味で、彼のいる試合はいつも学校関係なく女子で満席になってしまう。坊主な頭のクセしてめちゃんこモテる彼には男子らもやっかんだ。


 そして最後に五人目、上水ウエミズ 悠馬ハルマ。スポーツ万能、勉強万能、性格万能、容姿万能の神様が生んだ完璧な男子パーフェクト・ボーイ。彼に勝るものが見当たらず、スポーツや部活に打ち込む体育会系や、勉強に全てを捧げたガリ勉系を陥れるかのような才能の持ち主。


 だが、その完璧な容姿から、憎むことも出来なかった。


 以上が、学校の五将軍の紹介だ。


 ん?私のことについての紹介?


 する意味はないと思うが、しておこう。


 私の名前は兼山カネヤマ 貞子サダコ。まず注目すべきは名前。なんだこのホラー映画にでも出てきそうな名前は。そして勉強やスポーツは?勉強は普通。スポーツは小学生レベル。(いや、むしろ小学生の方が凄いかも)

 趣味はオタゲー。そして容姿と性格は?


 ブスな陰キャ。もう、懲り懲りだ。


 というか、オシャレに興味は無い。言い訳のように聞こえるが、ギャル達のようにオシャレに努力した覚えはない。どうせお金は凄い掛かるだろうし、まるで「自分って可愛い!」なんて痛いアピールをしているようだからである。


 っていうか、どうせ私なんかはオシャレしたところでただの痛い奴。可愛くないに決まっている。


 こうやって、授業は一言も喋らずに、休み時間はスマホのオタゲーで過ごすような、真面目な人になっていた方が、何百倍も楽でよい。あんなにチャラチャラしたって、疲れるだけだ。


 (やった!リマ様が出た!)


 私がやってるのはオタゲーである【コンサート・ミー!】である。略して【コンミー】というのだが(それはどうでもよいのだが)、これはガチャ機能や音ゲー機能があって最高に面白い。キャラクターもアイドルのようで可愛いし。ん?チャラチャラした女は嫌いじゃないのか?確かにそうだが、【コンミー】のキャラクターだけは嫌いじゃない。大好きだ。


 オタクだからであろう。


 というか、ギャル達の発情期のような声がうるさい。思春期なのは分かるが、周りの迷惑も考えてほしい。ほら、あそこにいる細田ホソダさんも凄い嫌そうだ。彼女は細田ホソダ 知世子チヨコ。私と同じようなモブである(凄い失礼だが)。


 やはり、最後に「子」がついている女子は、ジンクス的にモブになってしまうのだろうか(全国の○○子さんに凄く失礼だが)。


 しかし、そのジンクスは違う。何故なら、あのギャルのトップの名前は矢田ヤタ 志万子シマコ。文字通り、名前の最後に「子」があるのだが、一軍どころかヒロインである。


 さてさて、私事ではあるが、今、「シマコちゃん」がゲームのガチャから出た。憎い名前だが、あそこにいる志万子シマコよりも可愛く、性格が最高だから、ゲームこっちの世界のシマコは愛してやまないのである。


 


 

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モブですが、オタゲーやってたおかげで一軍に昇格した件について plutoniumプルトニウム @tarusyo

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