佳子。
「はいっ!」
パスが回ってきた。
「うっ、、」
っ、危ない、突き指しかけた。下手くそだから突き指するんだよ。
いつもの調子で部活は無事終わった。
帰りは、女バスの次期キャプテン(たぶん)の
佳子は、とても部活熱心だ。きっと、先輩より。
最近は、先輩の愚痴まで漏らすようになった。休憩時間が長い、ダラダラしすぎ、もっと声出して欲しいとか。私にはどうすることもできない。バスケのことになると、佳子はちょっと、いや、結構人格が変わるのだ。
帰り道。そんな佳子とも、普通の女子トークはする。好きな人ができないのか、とか。絶賛、二人ともフリーだ。好きな人はおろか、気になる人はいない。青春時代を謳歌できていない。
「彼氏ほしー、好きな人ほしー!!!」
「それなー!!!」
いつまで経っても見つからない。
「ねぇ、
「んー、クソみたいな話だよ?」
「いいからいいからー」
「しょうがないなぁ」
泰斗。そう。私の元カレ、というやつだ。中一の入学したてに付き合ったのだ。
私は、泰斗のことが、小学生の頃から好きだった。人気というほどでもないが、誰にでも優しく、話をしていて面白い。男女問わず仲良くしてくれて背も高い。私も仲良くさせてもらっていた。何度か泰斗が好きという噂を聞いたことがあるほどだ。そんな理想的な男子・泰斗。正直言って、もう関わる気はない。
「好きです。付き合ってください」
こんな、ありきたりな言葉で、よくあの泰斗と付き合えたものだ。ずっと心の奥に秘めていた気持ちをやっと、言葉にして本人に伝えることができた。
「…俺でいいの?」
はぁ。ここで断っておけばよかった。しかし、この頃の私は、天にも昇る勢いでもちろん、と言ってしまった。
とても充実していた。これまで以上によく喋るようになったし、手も繋いだ。目が合う度にドキドキした。
そんな幸せもつかの間。完全なる浮気が始まった。男子が必ずと言っていいほど一度は好きになる女子・
泰斗は、舞波と、二人っきりで帰っていた。
しかも、手を繋いで。
私は怒った。なぜそんなことをしたのか聞いた。だが、泰斗の口から出てきたのは、
「俺は悪くないと思うけど、一応謝っとくわ」
だった。心底幻滅した。キッパリと別れを告げた。「メンヘラ」とも言われた。とんだクズ男だ。
と、いう感じで、泰斗とは今後一切関わる気はない。それから好きな人はできたことがない。悔しい。さっさと彼氏作ってリア充になるつもりだったのに。
「ひっどい話だね。泰斗のこと見損なったわ」
時々相槌を打ちながら、佳子は静かに話を聞いてくれた。話すとスッキリした。
「だよねー、私が本当にメンヘラだったらどうしようって思ってた」
「んなわけないよ。泰斗が悪いね」
「ありがとね」
「じゃあ、また明日ー」
「うん、今日は金曜だけどね」
「あそっか、また月曜日ー」
「ばいばーい」
佳子と過去の話で盛り上がってしまった。
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
☆作者より☆
おはこんにちこんばんは! はじめまして! お久しぶりです!
#にっく622です。更新めっちゃくっちゃ遅れました。
読んでいただいて、ありがとうございます♪
いかがだったでしょうか?短編の予定で書いてます。と、いうか、衝動で書いちゃってます( ^ω^ )なので短編じゃないかもしれません(笑)
もし、面白そう! 続きが読みたい!
などと、思ってくだされば、評価やフォロー、お願いします(^_-)-♡
では、ばいにっく★
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