学校。

 「行ってきます」


そう言って、今日も家を出た。家族内で、挨拶だけはしている。


おはよう

おやすみ

いただきます

ごちそうさま

ありがとう

ごめんなさい


「行ってらっしゃい」


お母さんの声が返ってきた。お父さんは毎日朝早くから仕事。毎週日曜日が休みだ。お母さんはパートをしている。どっかのカフェの。


しばらく歩いていると、少しぬるい風が吹いた。さすが5月。すずめが鳴いている。

今日も苦しい。怖い。気持ち悪い。ネガティヴ感情に支配される。


こんなに普通の朝なのに。

みんなは笑っているのに。

でも不幸なのは私だけじゃない。


「きゃっ」


男の人とぶつかった。

反射的に声が出る。

それと同時にびっくりするぐらいの量の冷や汗が吹き出してくる。


「すみません」


そう言って、男の人はすぐに朝の人混みに消えていった。


「っ………」


落ち着け自分。何もされていない。誰にも危害を加えられていない。緊張して強張った足の筋肉を緩めて、ゆっくりと歩き出す。

でもやっぱり気持ち悪くなって、少し狭い道に入る。そして背負っていたリュックを下ろして座り込む。呼吸が落ち着いてきたら水を取り出して勢いよく飲んだ。


「っぷは…」


冷や汗はおさまった。腰を上げて少しめまいがするけどいつもの事。学校に行かなくちゃ。



「おはようっ!」


「あ!おはよう!」


「今日も湿気がすごいねぇー」


「蒸し暑いよね、5月なのに。」


「本当に。嫌になっちゃう」


彼女は谷崎たにさき帆希ほまれ

結構仲の良い友達。恋愛から愚痴まで、色々なことを相談できる仲。普通の友達より、心友という感じ。思っているのは私だけかもしれないけれど。


そんな帆希とほのぼのガールズトークをしていると、


「おっはよーっ!あー、なんかお尻汚れてるよー?」


やってきた。糸川いとかわみつき。さっっぱり明るくて、キラキラした1軍系女子という感じの。誰とでも仲良くなれる子だ。部活は、私とみつきとバスケ部で私は、1軍(?)ではないわりには仲が良い。


「え、私?」


「そー。はらってあげるね」


「うん、ありがと」


ぱっぱっ、というスカートとみつきの手が擦れる音がする。ちょっとふざけてみようか。


「ちょっとみつき、お尻触んないでよ〜」


「えーっ、みつきそんな人だったのー?」


「いやいや、2人とも妄想激しい」


朝からノリが良い3人は大きな声で笑う。楽しいな。みつきは見ての通りイジられ愛されキャラ。帆希はバシッとツッコミ役。私はおふざけを仕掛ける役。。このメンツでいることが結構多い。でも、みつきは1軍系のところにいることがあるので、大体帆希とおしゃべりしている。


「もう中3の5月って早すぎない?」


「わかる。最近入学したつもりだったんだけど」


「それは昔すぎでしょ」


「え、そうかな?」


また3人で大笑い。「もー、変なみつきー!」とか、楽しい会話で溢れた朝。

と、チャイムが鳴り出す。「やば急げっ」とか「ギリ遅刻じゃなかった」とか、いつも通りの朝。2年4組のみんなが席に着いたところで、朝礼が始まる。起立、礼、着席!。そこから担任のイシトシ先生が時間割や今日の課題を確認。(ほぼ聞いている人はいない)


1時間目から6時間目まで、何の異変もなく部活の時間に入った。


「みつき、部活行こう!」


「はいはーい」


そう言って、2人で体育館へ向かう。


1時間もない、平日の部活。強いクラブではない。むしろ、底辺に近い弱さのクラブだ。私はそんなに部活を本気でやろうとは思っていないので、弱いだろうが強いだろうが、正直関係ない。まあ、日頃の軽い運動、という感じだ。本気でやっている人には申し訳ないが。そもそも私は運動音痴。なぜバスケ部に入ったのだろうか。


と、たまに思う。






✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄


 ☆作者より☆

おはこんにちこんばんは! はじめまして! お久しぶりです!

#にっく622です。 読んでいただいて、ありがとうございます♪

いかがだったでしょうか?短編の予定で書いてます。と、いうか、衝動で書いちゃってます( ^ω^ )なので短編じゃないかもしれません(笑)


 もし、面白そう! 続きが読みたい!

などと、思ってくだされば、評価やフォロー、お願いします(^_-)-♡


 では、ばいにっく★


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