「美少女小悪魔登場!」

体育が終わり体操服から制服に着替え昼休みになった僕らは美味しいと話題の食堂に行った。


「ここの食堂の学食、めっちゃ美味いな!!」

「そうだね、ここのかつ丼は特に美味しいらしいからね。」

「そうだな!衣がサクサクしてて、肉はジューシー!まじでうめぇ!」

僕たちは学年で美味しいと話題になっているかつ丼を食べて舌鼓を打っていた。

ふと顔を上げると、柚月と目があった。

「「あ、」」

柚月が持っていたのはかつ丼だった。そしてその隣にいる女の子もかつ丼を持っている。


「あのね、お願いがあるんだけど…一緒に食べちゃだめかな?」

なんだこの可愛い生き物!!まさしく天使!!

今の時間帯はいっぱい人がいるもんな!空いてる席がここしかないなら仕方ないね!ちょうどここ四人席だし。

べつに、一緒にかつ丼食べれてラッキーとか思ってないから…うん。

「全然いいよ、一緒に食べよう。」

「ありがとう蓮くん!じゃあ隣に失礼するね。」

そういって隣に座る柚月。めっちゃ良い匂いするな~

「ところで橘さん、この子は誰だ?」

そういって箸を突き出す一馬。きたねーなおい。

「私は萩野颯希はぎのさつきっていいまーす。ゆーちゃんとは中学校からの友達だよ。よろしくねー」

そういう萩野さんは誰もが二度見をするレベルの美少女だった。

実際に周りの男子の視線がここに集まっている。

しかないよ、天使と美少女がいるんだから。

萩野さんが柚月とは真逆で茶色いショートカットが似合う美少女だ。

学園の天使と名高い柚月がいなかったら余裕で天下をとれていただろうな。


「ねね!君が噂の西宮くんかな?」

噂の?確かに西宮だがどうしたんだろう。

「なんのことかよくわかんないって顔してるね!やっぱり噂通りだね!」

「僕って噂になるようなことしたんですか?」

「えぇぇ!だって入学成績全体の2位で、入学初日でサッカー部ボコボコにして、

足の速さは上位0,2%なんでしょ!噂にならない方がおかしいよ!」

「そ、そうだね…」

直接褒められるのはちょっと恥ずかしいな…

しかもその噂は全部事実なので、なんとも言えない…

「くー!やっぱりかっこいいね!さすがはゆーちゃんが「かっこいい!かっこいい!」って言うだけわあru」

「ちょっとー!何言ってるのさつきー!それは言わないでって言ったよねー!」

「俺は何を見せられているんだ…」

さっきからどうしたんだ?柚月と萩野さんは騒いでいるし、一馬は呆れているし。

それにさっきから通り過ぎていく人たちの視線が痛い…

「二人とも、一体なにをやっているんだ?」

すると二人がこっちを向いて食堂全体に聞こえる声で叫んだ。


「「この、無自覚ハイスペックがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」




騒がしい昼食と午後の授業を終えた僕は帰る準備をしていると、萩野さんがやってきた。

食堂だったから分からなかったけど身長差結構あるな。頭一個分くらい違う。

萩野さんは150後半くらいだろう。

「ねね!西宮くん!この後用事とかってあったりする?」

今から帰るつもりだったので放課後に用事は特にない。

そう言って可愛らしくしたからのぞき込んでくる。

柚月が学園の天使なら萩野さんは小悪魔的ポジションだな。

そのあどけなさの残る笑顔に僕は釘付けにされていた。


「なーにじっと見てるの~?もしかして見惚れてた?」

そう言って僕をからかってくる。が、心を無にして質問する。

「そんなことないよ、それよりもどこに行くの?」

すると一瞬後ろを見て、笑顔になって答えた。

「それは行ってからのお・た・の・し・み!だよ!」

そう言い、手を腕に絡ませてくる。

「な、なにやってるんだよ…」

柚月ほどではないが立派な柔らかい物が腕にあたっている。

心を無にするんだ!耐えろ僕!


「うっしっし~、別に腕に手を絡ませただけじゃん?早く行こ!」

強引に手を引っ張られた僕はそのまま学校を後にした。

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