「小悪魔とのデート」
なぜか分からないが萩野さんと放課後遊ぶことになった僕は、デパートに来ていた。
流石は大都会と言ったところか。
山をも越えんと
「ところでどうしてこんなところに来たんだい?萩野さん」
「え?普通に遊びに来たんだよ?言ったでしょ?」
そう言ってまた可愛げに笑って見せる。
なんだか子供を相手にしている気分だよ…
しかしその顔は整っていて道行く人たちが萩野さんの顔を見ている。
横にいるだけでも胃がキリキリする…
「それじゃまず映画を見に行こう!今日はとことん遊ぶぞ~!」
「さすがに夜中までいるのは僕も厳しいからな?」
「大丈夫だって!7時には家に帰れるよ!」
今の時刻は3時。まだ入学したてなので学校が終わるのが早い。
「明日が休みだからよかったよ…」
隣で可愛らしく笑う萩野さんに僕は断る事が出来なかった。
「なんの映画を観る?!あ!あの映画新作出てるよ!」
映画館についた僕たちは観る映画を決めていた。
「僕はなんでもいいけど…この「また君に出会う。」ってやつ面白そうじゃない?」
「うわぁ…西宮くんって結構ロマンチストなんだね…」
「な、なんだよ。悪いかよ!」
「そんなに怒んなくてもいいじゃん~じゃあそれ観よ!」
そうしてチケットを買った僕らはポップコーンなどを買うためにレジに並んだ。
そういえばさっきからやけに後ろ騒がしいな…
まるで天使がそこにいるかのような…
まさか柚月が?そんなわけないよね。
映画を観をわった僕らは、フードコートに来ていた。
「さっきの映画面白かったね!まさか引っ越した幼馴染と再会して結婚するなんて!」
「あはは…そうだね…」
なんかやけにリアル感のある映画だったが、気にしないぞ!
「やっぱり、西宮くんもそういうのって憧れる?」
「そうだね、僕にはあんな主人公みたいにかっこよくもないし勇気もないけど、憧れるよ。」
「そうなんだね…ねぇ…?」
弱弱しく質問する萩野さんに一瞬たじろいだが、
「どうした?」
そうして意を決したように萩野さんは
「あの
下を向き言う萩野さんの言ってることがよく分からなかったが、
「そんなことないと思うよ。少なくとも僕にはどっちとも魅力的に見えた。」
そう言って心なしか少し笑顔になった萩野さんはテーブルにあるポテトを食べて、
「そうだよね!私も絶対にあきらめないから!!」
萩野さんはそう宣言した。
午後7時頃になり辺りも暗くなりはじめた公園のベンチに僕たちは座っていた。
「いや~今日は楽しかったね!」
「そうだね、久しぶりにはしゃげたよ。」
あれから僕たちは写真を撮ったり、洋服を見るなどして遊んだ。
「あの映画の主人公たちもこんな風に遊んでいたね~」
街灯に照らされ、そう呟く萩野さんに僕の視線が捕まった。
「あのね、お願いっていうか提案なんだけど…私たち下の名前で呼び合わない?」
急な提案にデジャブを感じた僕だったが、笑顔でその提案に賛同する。
「そうだね、下の名前で呼んだ方が友達感がもっとでるよね!」
そう言うと少し
「それじゃ突然だけど目を瞑ってくれる?10秒だけでいいから!」
「いいけど、へんなことはしないでくれよ?」
「わかったって、絶対にいいって言うまで目を開けないでね?」
そう言って目を閉じた。が
急に鼻腔をかすめる甘く優しい匂いが鼻を通り、頬に柔らかいものが当たった。
「10秒たったよ!もう目は開けていいよ」
目を開けるとそこには頬を赤く染め笑顔でこっちを向く小悪魔がいた。
「さっき何を…」
「だーめ。何をしたかは教えませーん。」
僕の予想が正しければ颯希はさっき...
でも颯希がそんなことするわけがない。うん。そうだ。
そう思っていると不意に後ろで走り去る靴の音が聞こえた。
「そ、それじゃあ今日は解散!また今度ね!」
「お、おう。また今度な!」
「さっきの足音って…」
そうして僕は走り去った何者かを追いかけた。
「ごめんね。けど私もだまっていい子にしているあの映画の
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次の話は視点がごっちゃになります。
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