「紅白戦でのラッキー?」
騒々しい一日を終えた僕は、サッカー部の練習を一馬と一緒に見学にきていた。
「なぁー、やっぱりここの人たちへたくねぇか?」
「やめろよ一馬。僕たちは見学に来ているんだぞ?」
「へいへい、了解ですよー」
まったく、一馬はほんとに良くない。僕たちみたいな一般な高校生が二年生や三年生の先輩たちより上手いわけがない。
「どーして蓮はそんなに卑屈になるんだかなーお前みたいな規格外の天才シューターがそうやすやすといたら俺みたいな一般人はどうすりゃいいんだよ」
「僕はそんなにサッカーがうまいわけじゃないよ。いつも言ってるでしょ?一馬がいいパスを出してくれるおかげだって」
「はいはい、そういうことにいしておきますよっと」
そんな会話をきいていたのか、先輩が話しかけてきた。
「お前ら、見学者か?今、ウチには即戦力が欲しくてよ。お前らも混じって紅白戦をしないか?」
突然の誘いにびっくりした僕だったが、一馬は落ち着いた様子で言った。
「いいですけど、俺と蓮は一緒のチームにしてください。あと、その紅白戦でお眼鏡にかなったら、次の大会に俺たちをスタメンでだしてください。」
「いいだろう。俺はキャプテンの島崎だ、お前らは相手チームの白に入ってくれ。」
僕が驚いているうちに次々に決まっていく、それをみたのか一馬は、
「大丈夫だって、俺と蓮がいたら、全国優勝も夢じゃないって!」
一馬が僕を説得しているのを横で聞きながら僕はある人を見つけた。
橘さん?どうしてここにいるんだ?僕たちのほうを見ているのか?
ならちょうどいい、委員会決めのときは好感度が下がってしまったからね、
ここで好感度を上げておくのも悪くないかも。
「わかったよ、やればいいんだろ?」
僕がそう答えると一馬はうれしそうにして
「おう!先輩たちの度肝を抜かそうぜ!」
そうして始まった紅白戦。
僕たちは先輩たちを圧倒した。
試合は前半だけで4対0。一馬のアシストのおかげで僕は4点のシュートを決めることができた。
試合前に橘さんがいたところを見ると、橘さんはそこにはいなかった。
僕が落胆しているとき、後ろから強い衝撃がやってきた。
「蓮くん蓮くん!やっぱり蓮くんは運動神経がとてもいいですね!私かっこよすぎて思わず来ちゃいました!」
周りの男子たちは口を開けている。多分僕もだろう。
なにせ、橘さんの柔らかいものが僕の背中に当たっているのだ。
その様子を見ている一馬はニヤニヤしている。
僕はしばらくの間惚けていた。
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