第6話    小 僧 蕎 麦

 船頭修行の一方で、喜市は香具師の元締めである親父と共に、着なれぬ羽織を着て普請奉行さまのお屋敷を訪ねたり、普請方の与力や同心と言われる人達を招いての宴会を催したりと忙しく動いていた。所謂、根回しというやつである。

近江屋からもらった礼金の一部で、喜市は喜の字組の手拭を作ることにした。

歌舞伎の役者が、自分の名前を図案化した浴衣や手拭を作って売ったり配ったりしているのを真似て、喜の字を四角く図案化、これを石畳模様にして、蘇芳色となす紺、それに榛色の三食をそれぞれ百本づつ染めさせた。

これを一本一本、喜の字組と記した奉書紙で包み、お武家には茄子紺を、商家には蘇芳色、大家や番屋などには榛色をと使い分けて、挨拶代わりに配った。

そんな中、実際普請場を取り仕切る下っ端役人たちと顔つなぎの宴会を催したとき、役人の一人がいやに親しげに寄ってきて、

「守銭奴の誓いとやらを立てている喜市というはその方か」

と、声を潜めながら、面白そうに笑った。

「宗助の奴がお世話になってますんで?」

こちらも小声で答えると、

「守銭奴はよいが、小桜組のような阿漕な真似はするなよ」

と肩を叩いて、役人はくすくす笑った。

宗助の奴、あっちこっちで言い触らしてやがるとむかっ腹をたてたが、その木島と言う同心が実務を担当しているようで、小桜組の杜撰な仕事ぶりも調査の上、早速梅雨明けに予定されている普請を任せてもらえることになった。

近江屋という大看板を背負った宗助の”根回し”もあったかもしれない、

“根回し”と言うのがとにかく大事だと聞いてはいたが、さすがに観音屋の元締め、小桜組の頭はもちろん、その後ろ盾である赤不動の寅蔵にも筋を通したし、普請場の辺りを取り締まっている岡っ引きや担当の定街回り同心、近辺の町役人に町年寄り、石や材木を置かせてもらう空地の大家はもちろん周囲の家々にまで、手拭はもちろん手土産やらお捻りを携えて挨拶に回る。

「あっしが毎日出張りゃあいいんですが、何しろ寄る年波で・・」

などと笑わしておいて、さりげなく喜市が現場を仕切ると紹介する。その狸親父ぶりに喜市は舌を巻いた。


そんなこんなで船頭修行はすっかり疎かになっていた。今日も親父と一緒に帰ってくると観音屋の戸口の辺りからボロを着た十ばかりの小僧が中を覗っている。

「誰かに用かい?」

荷物持ちの若い衆が声をかけると、喜市に言伝だという。

「船頭の粂二さんが明日朝五つ、小屋まで来いって。そういえば分かるって」

「わかった。ご苦労だったな」

と懐から駄賃を出そうとすると、

「明日って爺さん言ったけど、すぐ行ったほうがいいと思うよ。腰を痛めたみたいで、もう何日も食べてないんじゃないかなあ」

ぎょっとした。あの寒々しい小屋に粂爺ぃは一人で住んでいる。腰を痛めて動けなくなっていれば大変なことになる。

「親父・・」

「うむ、すぐに行け。源の字はいるか?」

奥から源兄いが顔を出した。

「粂爺ぃが腰を痛めてるって」

「いっしょに行け」

親父の一言で、喜市と源兄いは駆け出した。

途中、気付いて、喜市は戻って言伝の小僧の手を引いた。

名を竹という小僧は、はしっこく、よくついて走った。


粂爺ぃは小屋の中で干乾びていた。いや、干乾びたように横になっていた。

あれほど船の手入れに熱心だったのに杭に舫ったまま何日も放置されているたようで。茣蓙も汚れたのを敷いたまま。

「粂さん」

「すまねえ粂爺ぃ」

抱き起すと粂爺ぃ、ひび割れた口でニッと笑って一言、水、と言った。

喜市が汲んできた水を旨そうに飲み干し、お代りと言った頃には粂爺ぃ、少し元気になっていた。

「なに、このままおっ死んでもよかったんだが明日は二十日、板橋まで行かにゃあならねえ。で。竹に言伝頼んだのよ」

「ありがとうな、竹。家は近所なのかい?」

源兄いが尋ねると、粂爺ぃが答えた、

「竹は気まぐれ同居人だ。ふらっと来て泊まって行く」

「爺さんが呼んでるような気がして来てみたらこのザマだ。まったく」

竹は偉そうに腕組みして胸を張った。

どうやら家も家族もないようだ。

「お礼に美味い物を食わせてやる。附いてきてくれ」

「どこへ・・」

竹は及び腰になった。普段、かっぱらいや置き引きなんかしているのだろう。

「心配するな。粂さんを医者に診せる、それから飯だが、粂さんは粥からだな。竹は何が好きだ?」

「おいらは・・えーと、えーと」

竹が考え込んでいる間に、源兄ぃが粂爺ぃを背負い、喜市が壊巻らしきものを抱え上げる。

小屋の中を見回すと、隅に置いた小盆の上に位牌替わりか、石が二つ乗せてあった。

「竹、粂爺ぃの着替え・・はいいや。それ、これに包んで持って来い」

と、懐から出した赤い手拭を手渡した。

喜市は源兄ぃを追い抜いて、船に壊巻を敷いた。それから雪駄を脱いで懐から出した草鞋に履き替え、船に乗る。粂爺ぃを抱き取って、壊巻に包んだ。

粂爺ぃが鼻先で笑った。


観音屋は通りに面して四間ほどと大きくはないが、存外奥が深い。店を兼ねる二階建ての母屋の向かって左端に若い衆が寝泊まりするやはり二階建ての棟が奥まで続いている。

中庭を挟んで、向かい側には蔵を挟んで棟割の四軒長屋が一棟、母屋の中庭を挟んだ正面には左側の若い衆の棟から渡り廊下で行ける離れが二棟建っている。

正月の獅子舞や三河万歳、越後獅子など地方から出てくる香具師たちはそれぞれ宿をとるのが原則だが、川止めなどで出てくるのが遅れ、宿が満員になってしまうことがある。また、宿代も無く知人もいない門付の芸人などを一時保護するための長屋であった。

また、旅の絵師や俳諧の師匠、ちょっと訳ありの{たとえば仇討など}お武家などは離れにお泊めすることもある。

そんな離れに粂爺ぃを担ぎ込み、医者を呼んだ。

竹は・・痩せ細った手足が日焼けと汚れで真っ黒なのが、牛蒡娘を思い出させ、放っておけなかった。

喜市は自分の小さいころの着物と真新しい下着を取り出すと、帰りに蕎麦でも食って来いと若い衆に銭を託して湯屋へ連れて行ってもらった。離れに上げるのも躊躇われたからだ。

生きのいい若い衆が多い観音屋では、湯屋も医者も月極めで金を払っている。

嫌な顔一つ見せずに駆けつけた医者は、粂爺ぃを(ぎっくり腰)と診たて、膏薬と痛み止めを処方して帰った。

まずは、と薄い粥を出したら粂爺ぃ。

「白飯がいいなぁ、それと酒だ」

と嘯いた。

それでも痛み止めが効いたのか、粥を食べるとすぐ眠ってしまう。

竹は頭の先から爪先までぴかぴかになって帰ってきた。

「こいつ、おいらが笊一枚手繰ってる間に、天麩羅蕎麦三杯も平らげたんですよ」

と若い衆が竹のおでこをピンと弾いた。

「あんな温かくて旨えもん、初めて食った」

と、初めての天麩羅蕎麦に感無量の態だったが、今一つ元気がない。

どうした、と聞くと

「夢中で食っちまったけど、最後の一杯は残しといて、みんなに食わしてやりたかった」

と言う。

「みんなって何人で、どこにいる?」

「増えたり減ったりするけど、いつもいるのは・・チビ入れて五人。今日はたぶん天神さんの床下に居る」

と、指を折りながら答えた。

「よし、竹。お前ぇ、今夜粂爺さんの看病しろ。厠へ行くってったら連れてくんだぞ。そんで、明日はおいらと板橋だ。五つには出るから寝てる暇はねえ。そしたら、五人まとめておいらが天麩羅蕎麦食わしてやる」

「お・・おいらみたいに三杯食っても?」

「おうっ。三杯でも四杯でも、食えるだけ食わせてやるよ」

「こ・・これから行って知らせてやってもいいかな」

「ついでに、ここへ連れて来い」

「い・・いいのかい?」

と、いうわけで、その日のうちに、真っ黒な五人、一人はまだ二才ばかりで負ぶわれていたから、四人とおまけが一人、観音屋の中庭にやってきた。

「湯屋も蕎麦屋ももう仕舞っちまったから、明日のお楽しみだ。今夜は残り物で悪いが雑炊だ。雑炊ならチビも食えるだろ」

四棟長屋の一部屋に有り合わせの壊巻を寄せ集めて、真ん中に雑炊の鍋を置いた。

「熱いから、火傷するなよ」

鍋を運んできた若い衆が、これも寄せ集めの箸と茶碗を配る。

すると、一番年かさに見える・・といっても十二・三か・・少年が下からねめつけるような嫌な目つきで、

「こんなことして、俺たちに何させようってんだ?」

すかさず喜市が返す。

「何ができる?」

「俺たちゃ女・子供を守らにゃならねえ。危ねえこたあごめんだぜ」

喜市は鍋やら壊巻やらを用意した若い衆に

「聞いたかみんな。こんな立派なセリフ、お前ぇに言えるか?」

すると年かさの少年が怒り出した。

「馬鹿にするな。おいらたちゃ乞食でも物乞いでもねえ。竹が来いってえから来てみたが食い物で釣って、おいらたちを好きに使おうってんならまっぴら御免だ。みんな、帰るぞ」

喜市は少年の前に膝をついて頭をさげた。

「すまねえ。おいらの悪ふざけが過ぎた」

そして、名を名乗った。

「おいらぁ喜市という。お前ぇは?」

「シゲだ。このころころしてんのがトラで、女がハルとユキ。ハルの背負ってるのがショウタ」

「あ、粂爺ぃの亡くなった坊と同じ名か」

粂爺ぃを知っているのかと、口々に言う。

自分は粂爺さんの船頭の弟子で、爺さんは向こうの離れにぎっくり腰で寝ていると言うと、ようやく信用してもらえた。

そのころになると、雑炊も旨い具合に冷めていて、みんなで一しきり掻き込む音がした。

「またシゲが怒るのを承知で聞くぞ。お前ぇら何ができる?」

喜市は真剣な顔で問うた。


翌朝、竹はむくんだ顔で現れた。

「寝過ごして来ねえかと思った」

「一宿一飯の恩義ってやつだ」

仏頂面して言う。

「難しい言葉、知ってんだな」

「ガキだと思って甘くみるなよ。シゲが胡散臭え仕事なら隙見て逃げろっていったけど、まあ湯屋にもつれていってもらったし、旨えもん食わせてもらったしなあ」

ともったいぶって頷いた。

「板橋まで女の人を送り迎えするんだ。汚い恰好じゃまずいだろう」

すると竹、訳知り顔に頷いて小指を立て

「兄ちゃんのコレか」

で、頭をぽかりと叩いてやった。


板橋では竹は存外大人しかった。運び込まれた大量の花と枝、それを仕分けるお涼さんの手際に目を見張っていた。

一軒目の腰乃家、二軒目の平清でもそうだったが、三軒目の山善でも明らかにいつもとは様子が違っていた。仲居さんと言うのか女中さんというのか、入れ替わり立ち代わり姿を見せる女の人が前よりも多いのだ。それも何人かで固まって、喜市と竹が花を運んだり、お涼が手桶に分けたりするのを囁き交わしながら眺めている。

「何でしょう、薄気味悪い」

お涼も気にしている。

「竹のことですかね」

それぐらいしか思いつかない。

次の常葉楼でも同様で、最後の船宿。風舞でとうとうお涼が、訳を聞きに行った。

すると、

「あの若い船頭さん、おなまえは?どこの船宿の船頭さん?」

反対に聞き返されてしまった。

お涼が呆気にとられていると、若い仲居は懐から大事そうに紙を取り出し、広げて見せた。

江戸職人尽くし絵。大工や鳶、纏持ちなど江戸で人気の粋な男を描いた錦絵だ。

そこには明らかに日本橋近くの舟寄せで、竿を掴んですっくと立つ船頭が描かれていた。

「首に巻いた赤い手拭い、あの人よね」

「ねえ、どこに行けばあの人の舟に乗れるの?」

「さ、さあわかりません」

お涼が這う這うの体で逃げてくると、竹がすいと後ろについて、

「兄ちゃん、すんだみたいだよ」

と大声をあげ、振り向いて赤んべえをした。


赤い手拭を首に巻いた若い船頭は、その後川筋から消えた。



 神田明神の門前町はかなり広い。

東に少し行けば霊雲寺、そして湯島天神があり、さらにその先には不忍池があって、日中は人通りが絶えることがない。

そこを、五人の子供たちを引き連れて喜市が歩いている。

「ここで店を出している人たちにお前ぇらの名と顔を覚えてもらわなくちゃならねえ」

「何でだ?」

シゲが訊く。

「信用してもらうためだ。かっぱらいや置き引きはしねえ。万引きもしねえ。喧嘩もいざこざも起こさねえ、と思ってもらう」

「そいつはどうかな?」

と、今度は竹。

「観音屋は御救い小屋じゃねえ。役に立たねえ者を只で泊めて食わすわけにゃいかねえ。トラ、お前ぇならどうする?」

「や・・役に立ちゃいいんだろ?ううんと、うんと、掃除してやる」

「掃除か、なるほどな」

喜市は大きく頷いてやる。

「掃除なら店の人がやるぜ、手前ぇんちの前だけだけどよ」

「その通りだ。それに大勢でほうき使ったら埃がたってしょうがねえ」

「朝一で水撒きしたらどうかしら」

ハルがおずおずと口を挟む。

「そりゃあいいな。天気のいい日は朝だけじゃなく、昼と夕方、三度の水撒きはいい。で、大きな声で名前を呼び合うんだ。そしたら名と顔を覚えてもらえる」

「うへっ、水汲みが大変だ」

竹が首をすくめる。

「そうだな、何かうまい方法を考えよう。皆も考えてくれ。それと雨の日はどうするかもな」

長屋の一室に竹やシゲ達が住み着いて十日になる。

竹は粂爺ぃの腰がよくなるまで、源兄ぃと一緒にお涼と花の送迎に出かけるという仕事があったが、他のものはたまに若い衆の手伝いをするくらいで、何もすることがなかった。

シゲとトラには、竹と同じく喜市のお下がりを、ユキとハルとショウタには古着を買ってやり、湯屋で、若い衆三人がかりで擦り上げて何とか身なりは整えたものの、いつまでもただ飯喰わせておくわけにはいかなかったのだ。

そこで喜市が考えたのが、門前町で名前と顔を売って、初手は何でも屋。使いっぱしり。それから食い物屋のお運びさんや下働き、上手く行けば包丁の使い方も学べるかも知れない、という筋書きだった。

「まずは挨拶だ。大きな声で元気よく。覚えられるならお店の名前、主や女将さんの名前を呼ぶと、もっといい。言葉にしなくとも、いつもお世話になってますと心の中で言うんだ。それが顔やら言葉に表れる」


離れで寝ている粂爺ぃにその話をしたら、手押し車に桶を乗せて、引いて歩いたらどうだと案を出してきた。観音屋の若い衆の中には手先の器用な者もいて、手ごろな桶を乗せて引いて歩ける車つきの台を三つ作ってくれた。

女の子二人には目についたゴミを拾って歩く、竹箸と竹かごが用意された。

観音屋の身内ではないから半纏は着せてやれないが、代わりに首に榛色の手拭を巻かせた。


朝一の門前町に水撒き隊が出動。埃っぽい道がしっとり湿るほどに水を撒く。

若い衆が教えたのだろう、柄杓を低い位置から降りながら撒く。こうすると、通りかかった人に水が掛かりにくいのだそうだ。

境内から鳥居前と、通りの両端から水撒きし大声で名前を呼び合いながらすれ違って、もう一度水を撒く

雨の日は水たまりに砂を撒いたり、板を渡したりした。挨拶も忘れない。

喜市の思惑とは裏腹に、一番に声がかかったのはのは年端もいかないユキだった。

門前の水茶屋で、お運びの口がかかったのだ。

ユキはおへちゃだが愛嬌がある。浅草辺りでは錦絵になった茶屋娘が人気を呼んでいたが、ここでは単なるお運びさんだ。

ついで、正太を負ぶったままでいいからと、境内の茶屋からハルにも声がかかった。

ここで、ぎっくり腰の癒えた粂爺ぃが動いた。

五人の親代わりを町役人に申し出て、明神下の裏長屋を借りたのだ。

近江屋からもらった礼金で、女房と子供の墓を建て、永代供養を頼んだ残りの金があったらしい。

「去年の暮だよ、俺っちが休んでると土手の上からガキの泣く声がしてな」

お腹すいたのは姉ちゃんも一緒だよ、泣かないでおくれよ、とあやしていたのがおハル。

そして、“そんなに泣くなら川に捨てるよ、正太”

「正太って言ったんだ、正太って」

鉄砲水で死んだ息子と同じ名前だった。

なけなしの銭をやったのが五人と知り合ったきっかけだった。

物貰いや乞食じゃねえ、と胸を張ったシゲもあのボロ小屋に寝泊まりする粂爺ぃには自分たちと同じ匂いを感じたのか、時々くれる銭や食い物目当てに顔を出すようになったという。

そのシゲが思いつめた顔で喜市の前に膝をそろえた。

「いつも行く湯屋で、釜焚きにならないかと言われた」

「ほう、見込まれたんだな」

「けど、おいら、断ったんだ。おいら、なりたいものができちまって・・」

「なんだ、なりたいものって」

「蕎麦屋・・」

ふふっと喜市は笑った。

「竹も同じこと言ってたそ」

二人とも、よほど天麩羅蕎麦がお気に召したようだ。

「観音屋のおいらが口きいたら雇ってもらえるかもしれねえが、そいつはお義理だ。本気で蕎麦屋になりてえんだったら、給金はいらねえ、下働きでいいから働かせてくれって飛び込んでみねえ。それでな・・」

「それで?」

「盗んで来い」

「へ?」

「かっぱらいはお手のもんだろうが。蕎麦打ちの仕方、出汁の取り方、具材のあれこれ、横目で盗め」

シゲはにやりと笑って頷いた。

シゲが去った後、喜市も立ち上って、庭に向かった。

「さてと、蕎麦打ちの道具、あったかな」

観音屋の蔵は、玉手箱だ。

金はあまり入ってないが、引退した香具師が置いて行った曲芸のたねや、道具、店仕舞いした食い物屋のあれこれ、売っても幾らにもならない物が詰まっている。

今日来て、すぐにでも店を始めたい者に貸し出すのだ、もちろん、鍋釜、布団などの所帯道具もある。ちょっとした損料屋だった。


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