第168話・修羅と天魔ロワイヤルとかいうカードゲーム
全部綺麗に終わったと、割とすっきりとした気持で自分の部屋に転移してから気が付く。
あれ?修羅いるやん。
と。
「おお。ここがマイベストフレンドの部屋か」
「いや。マイベストフレンドの部屋か、じゃねえよ。なんでお前がここにいるんだよ」
「いや?何だ、せっかく転移をするらしいし、俺もついていこうかなと」
「何でだよ。今すぐ帰れ面倒くさい」
「おいおい、そんな悲しいことを言うなよ。俺達はマイベストフレンドじゃないか」
「いや。そういうのいいから。帰ってくれ。面倒くさい」
「そう言われた余計に居たくなるじゃないか。マイベストフレンド」
「ハア。意地でも帰らないつもりか」
「ハハハ、まあ流石に夜になった帰るよ。夫婦の営みの邪魔をしちゃ悪いからね。ハハハ」
何がおかしいのやらやら。まあでも説得する方が面倒だし夜まで付き合ってあげるか。
「そうですか。ハア、まあ夜になったら帰れよ」
「もちろんだとも。マイベストフレンド」
「それで?何をするつもりだ?俺は今から飯食って寝るつもりだが」
「そうだな。ゲームはこの世界にないし、戦いは大陸が壊れるし・・・一緒に将棋でもやらないか?マイベストフレンド」
「将棋?また何とも絶妙なチョイスをしてきたな」
(異世界人が広めてるので将棋もチェスもオセロもありますが、そこまでメジャーではありません。因みに【読書の天魔】と【商人の天魔】が共同で実際の国やら天魔やらをモチーフにカードゲームを作ってます。因みに天魔の名前を使用する件は天魔に友人の多い【読書の天魔】と天魔に賄賂を贈ってる【商人の天魔】だから許されているのであって、普通の商会がやったら冗談抜きで物理的に首が飛びます)
「まあ、本当は天魔ロワイヤルの方が良いんだがな。マイベストフレンドはやってないだろ」
「天魔ロワイヤル?・・・ああ、確か【商人の天魔】が出してるカードゲームか、そんなんあったな。一応【商人の天魔】が俺の眷属の名前を使わせてくれ少し前に言ってきて許可した際にカードのフルコンプセット貰ってるからデッキは組めるぞ。まあ、面倒だからずっと異空間に放置してたけど」
「マジか。やってるのかよ。マイベストフレンド。流石俺のマイベストフレンドだ。じゃあ一緒にやろうぜ」
「それで満足するなら。ただ、勝負事だ。負けてやるつもりはないぞ」
「ハハハ。もちろんだとも。さあ、かかってこいマイベストフレンド」
「という訳だから今速攻でデッキを組むから、少し待ってて」
異空間からカードを取り出す。
カードは数千枚とあり、この中かから40枚とリーダーカードを1枚選ぶ形らしい。
速読の力でカードの効果を読みって、あれ?なんかとんでもないチートカードあるやん。というか俺やん。
こんなの絶対に負けなくね?
俺を軸にデッキを組んでみるか。
「ああ、そうだな。よかったら俺がアドバイスしてあげようか」
「いや、俺はこれでも【万能の天魔】だぞ。アドバイスなんて面倒なことしなくても大丈夫だっと。よしデッキ組めたぞ」
「おお。速いな。流石マイベストフレンドだぜ」
「じゃあ、サクッと一試合目やりますか」
「ああ。そうだな」
「「天魔ロワイヤル・スタート」
天魔ロワイヤルのゲームルールは非常に簡単だ。
まず最初にデッキ40枚とリーダーカード1枚を用意する。
リーダーカードは最初から場に存在してるカードであり、このリーダーカードに係れたシールド枚数分攻撃を受け、シールドが破壊された上でリーダに直接アタックされたら負けというゲームだ。
このシールドの枚数はリーダカードごとにことなり、また、リーダカードはそれぞれ固有の能力を持っている。
初期手札は5枚、基本的に天魔カードと呼ばれる天魔をモチーフにしたカードは1ターンに1枚しか使用できないが、それ以外のカードはいくらでも使用できるという形だ。
天魔カードはどれもこれでも化け物強いが、1ターンに1枚しか使えないので、あまり入れすぎると事故って何も出来なくなるし、逆に毎ターン天魔カードを出せないと相手側に大きなアドバンテージを与えることになるので、デッキの天魔カードとそれ以外のカードのバランスが非常に重要になってくる割とよく出来たゲームだ。
「マイベストフレンドよ。先攻後攻はどうする?」
「面倒出してお前が決めていいよ」
「ふむ。じゃあ俺が先行を貰おうか。では俺のターンだ。俺のリーダカード呈示・俺のリーダーカードは地獄から這い上がりし天魔・修羅だ。
効果でシールドを山札の上から5枚セットだ。
更にターン1効果発動・手札を5枚墓地へを送り、山札から修羅の名前の付く天魔を自由に選んでから相手に公開をして場に出すぜ。
来い、俺のキーカード・【戦闘の天魔】修羅、攻撃力はこのゲームでもトップの10万だ。他にも諸々効果はあるが、最初のターンは相手に攻撃が出来ないのでこれでターンエンドだ」
「じゃあ。次は俺のターンなって。まあ、正直俺の勝ちだよ」
「何を言っている。後攻1ターン目でこの状況を返すなんで無理だぞ。マイベストフレンドよ」
「それが違うんだよな。面倒だし、サクッと決着をつけてやるよ。取り敢えずドローっと、次に俺のリーダーカード呈示・【万能の天魔】にして【怠惰の天魔】にして【消滅の天魔】にして【虚無の天魔】。
効果でシールドを山札の上から10枚セット」
「シールド10枚だと。このゲームの最大シールドセット枚数ではないか」
「あ?そうなんだ。もちろんこれだけでは終わらないよ。効果でこのリーダーカードの眷属であるカードは天魔カードであって1ターンに何枚でも使用が可能になる」
「は?何じゃそれは、チートだろ。チート。ぶっ壊れチートだろ」
「俺もそう思う。という訳だから、俺は手札から【剣舞の天魔】イト・【察知の天魔】カレーヌ・【直感の天魔】ディスラー・【闇染の天魔】・マリアを召喚。そしてイベントカード・総攻撃を使用。このカードの効果により、敵と戦う際に自分の場にいる味方の全てを攻撃状態にする代わりに、場の味方全ての攻撃力の合計値でダメージを与える。
もちろん攻撃をするのは【戦闘の天魔】修羅だ」
「分かった。破壊されよう。しかし、まだ俺にはシールドが5枚ある」
「そんで、【剣舞の天魔】イトの効果により、敵を倒したのでシールドを強制的に1枚ブレイクをする。【剣舞の天魔】イトは敵を倒せばもう一度行動ができるので、もう一回攻撃で更にシールドをブレイク。この時、【察知の天魔】の効果により、相手のシールドをブレイクする際に全て表向きにしてシールド効果を確認することができる」
「分かった。これが俺のシールドの効果だ」
修羅のシールドにはトリガーカードと呼ばれる、シールドを破壊した際に強力な効果を発揮するカードはなかった。
「じゃあ。俺の勝ちだ。俺は手札から道具カード【剣舞の天魔】の剣を発動、【剣舞の天魔】は自分の場にいる天魔カードの枚数×1攻撃が出来る。4枚場にはカードがあるので。更に3回攻撃で、シールドを全て破壊、残る1回でダイレクトアタックだ」
「負けたって。何このクソゲー。終わってやがる」
「正直俺もそう思う。このデッキ強すぎるわ」
「いや。そんなチートカード俺初めて見たって。何だよ?意味が分からないよ」
「そういえばグレン様【商人の天魔】がグレン様の為に特別にカードを用意したと言ってましたね?」
「そうなんだ。ヤベエ、面倒くさくてアイツの話聞いてなかったわ」
「相変わらずのグレン様ですね」
「そうだな。ハハハ」
「じゃねえよ。面白くないな。もう一回だ。今度はそのチートカードなしで戦え」
「面倒だが、まあいいだろう。またフルボッコにされても文句言いうなよ」
「上等じゃねえか。来い。マイベストフレンドよ」
「じゃあ、ナナもやるなの。イーディアちゃんとプレイしてるナナの【真なる勇者】デッキを見せつけてやるなの」
「では、私もやりましょうか。一応【剣舞の天魔】デッキは組んでるんですよ」
「じゃあ、俺もやるか。イーディアにねだられて一通りはプレイしてるからな。俺の【影の実力者】デッキを見せてやる」
「騎士団でブームになってましたからね。私も少しだけ触ったことあるんですよ。私の【山田王国騎士団】デッキ見せつけてあげるわ」
「妻の一人が商品開発の協力しててな。俺の【直感の天魔】デッキを強いぞ」
「グレン師匠。私は国の雑務に取り掛からないといけないので。申し訳ございませんがこの場を離れさせていただきます」
「ああ。すまんすまん。頑張ってくれ」
「はい。では失礼します」
マリア以外はまさかの皆天魔ロワイヤルユーザーだった。
「皆何だかんだてやってるのかよ。じゃあ、せっかくだし皆でワイワイ楽しくやるとしますか」
「ハハハ。そうだなそうだな。素晴らしいぞ。マイベストフレンドよ」
かくして皆で天魔ロワイヤルで遊びました。
割と楽しかったですマル。
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ユニオンアリーナとかいうカードゲーム(絶賛過疎中)に感化されて書きました。
後悔はしてないです。
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