第165話・四天王って最近かませ犬になりがちだよな
魔王城の奥の方からいきなりこれでもかと禍々しい、魔力を感じた。
「旦那様、今のは魔王の魔力です。おそらく魔王が暴走をしています」
【察知の天魔】であるカレーヌがそう察知をした。
つまり、ほぼ確定ということだ。
「そうか、魔王が暴走か。クソ、どっかの馬鹿が魔王を刺激しやがったな。やるなら最後までやれよ。暴れられて城が破壊されたら面倒だ。今すぐ暴走した魔王を始末しに行くぞ」
「「「かしこまりました(なの)」」」
【察知の天魔】であるカレーヌを先頭に魔王の下に向かっていく。
偶に出てくる魔族や魔物をぶっ飛ばしたり消滅させたりしながら進んでいった時だった。
カレーヌが立ち止まった。
「ストップです。天魔に匹敵する力を持った強大な敵が4人向かってきます」
カレーヌの言葉に俺含め皆がある程度、臨戦態勢をとる。
少し周りを警戒していた時だった。
目の前に天魔に匹敵する力を感じる魔族4人が現れた。
「ここは通さないよ」
「ああ。その通りだ」
「魔王様の元へは行かせぬ」
「我が剣の錆となるがいい」
非常に威勢の良い声をあげる4人組の魔族。しかも割と息ぴったりだ。
「ご主人様、あれは四天王なの。ナナが倒した筈なのになんで生きてるなの?」
ナナの驚きの声が上がる。そういえばナナは勇者として四天王を倒してたな。確かにそうなると不思議だな?
「四天王は魔王の力を直接分け与えられた魔族をさし、例え殺されたとしても魔王が生きている限りは時間経過で復活をします」
カゲウスが情報を伝えてくれた。
流石カゲウス、頼りになるわ。しっかし天魔に匹敵する化け物を4体だけどはいえ蘇生可能って魔王ってやっぱり化け物だな。
いや。4体だけって表現は適切じゃないは、4体もだわ。天魔に匹敵する魔族だぞ。それって=で国4つ分と同じだろ。それが蘇生可能でこき使えるとか。ヤバすぎワロタ。
「ありがと、カゲウス。納得したわ」
「ありがとうございます」
「おい、待て、何故?何故今この場に勇者がいる。それに何だ?お前らから感じる圧倒的な力は・・・もしかして、いや、もしかしなくてもお前らは全員天魔なのか・・・」
「いや、全員天魔ではないよ、まあ天魔みたいなもんだけどな。面倒だしサクッと処理するか。取り敢えず怠惰になれ」
俺の力によって四天王を怠惰にする。
といっても天魔に匹敵する力を持った四天王だ。怠惰にした程度ではそこまでおおきなダメージは負わない。
それでもある程度は動きを阻害出来るだろう。
「グレン様の為です。死んでください。死の剣舞」
【剣舞の天魔】であるイトが彼に踊るように一人の四天王に近づき、その四天王の体を全て切り裂いて最後は首を落として始末した。
「ククク、まさか今の一瞬でアイツを倒すとは、しかしアイツは四天王の中でも最弱、我が力を見ろ。破滅の収縮砲」
「消滅しろ」
お約束の台詞を放って無駄な放出攻撃をした馬鹿がいたので、攻撃を消滅させる。
「神様に攻撃をするとは。万死に値する。呪い死ぬが良い。呪殺真羅」
セリカの呪いの効果によって、俺に攻撃をした四天王は死んだ。
「じゃあ、ナナもなの。ナナの力を刮目するなの。光よ光、かの邪悪なる魔族を滅するなの。破滅光線」
破滅光線って、名前がまんま過ぎるやろって、あ、四天王に当たった。そのまま頭部が溶ける様に消えて死んだ。
うん。破滅光線強すぎワロタ。
流石ナナだわ。
「じゃあ、せっかくだし最後は俺がやろうか。マイベストフレンドよ。これが俺の力だ」
修羅が四天王の最後の一人の頭を掴みそのまま力任せに握りつぶした。
かくして四天王は全滅した。
余りにもあっけなさ過ぎて笑えてくる。
まあ、でもそれもそうかもしれないな。四天王ってのは天魔に匹敵する力を持った存在だが、あくまで天魔に匹敵する力を持ったである。
本当の天魔の方が格として上だ。
それはもちろん、戦闘型でない【商人の天魔】や【察知の天魔】であるカレーヌや【直感の天魔】であるディスラーなんかが1対1で戦えば手こずるしかなりの激戦になった可能性はあるが、戦闘型の天魔となれば話は別だ。
そんでもって四天王は俺の怠惰の力で弱体化済みと、それはまあ、圧勝出来るに決まってるわな。
「さて、邪魔者も排除したし先に進みますか。という訳でカレーヌ先導の方をよろしく」
「もちろんです。旦那様。では行きますね」
てくてくてくてく
件の四天王を最後に特に魔族も魔物も襲い掛かってくることはなく、あっという間に魔王がいるであろう部屋の前にいた。
「さて。じゃあ、魔王とご対面しますか」
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更新が遅れてごめんなさいなの。
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