第152話・帝国とバジリスク連合国と魔王が手を組んだ件について、いや、魔王って人類の敵だろ。何でだよ意味が分からん


「それで、マリア、帝国とバジリスク連合国と魔王が手を組んだってどういうことだ?俺が寝てる間に何があった」


「はい。では順を追って説明させていただきます」


「オッケー。よろしく頼むわ」


「師匠のお父上であり、前国王、そして【透明の天魔】が帝国に所属する【雷鳴の天魔】を殺したのはご存じですよね」


「ああ。それは知っている」


「では、その経緯は知っていますか?」


「経緯?いや知らないけど」


「それが、どうやらいつもの様に帝国によってとある小国が滅ぼされようとしていた所、戦いに飢えていた【透明の天魔】が小国側に参戦、そこで天魔の力を活かしてこれでもかと暴れ回った結果、帝国は壊滅的な被害を受けて、そこで小国から手を引けばいい物を意地になり、【雷鳴の天魔】を使って全てを無に返そうとしたら、そのまま【透明の天魔】と【雷鳴の天魔】で殺し合って【透明の天魔】が勝ったという形です」


「あ~なるほどね。それはそれは、あれ?待て、そういえば帝国って今、穏健派と過激派みたいなのがなかったけ?」


「はい。あります。ただ、ここで最悪なのが【雷鳴の天魔】が死んだことで、一体どこの化け物が【雷鳴の天魔】を殺したんだと調べられました。そして、すぐさま【透明の天魔】であると発覚、その上で何ともあほらしいことに【雷鳴の天魔】と戦う際に自分の名前を明かしていたそうで、そこからヤマダ王国前国王だと発覚、後はもう簡単です。過激派がこれはヤマダ王国からの宣戦布告だと騒ぎ立て始めて、穏便派も中立派もかなりの人数がそれに同調しだして、そのまんま流れは攻められる前に攻めろ~~~、戦争だってなっていきました」


「あ~、なんか凄く想像がつくな。うわ、大変そう。それで、バジリスク連合国は、まあ天魔を5人、いや父上も入るから6人保有しているヤマダ王国が怖いだろうし帝国と同盟を組んで滅ぼそうってなるのは分かるけど、どうして魔王なんていう人類の敵であり、最凶最悪の化け物が人間なんかと手を組むようなことになった」


「それが分からないのです」


「分からないか。まあ、そうだよな。俺も分からないわ。ネズミ眷属には調査させたか」


「はい。もちろん調査させています。結果は魔王に近づけさせただけでネズミ眷属が殺されてしまうです」


「なるほどね。それはそうか。となると魔王を調査するのは難しそうだな」


「はい。難しそうです。一応今カゲウスに調査を頼んでいますが。そちらはもう少し時間がかかりそうです」


「カゲウスだったら、割とちゃんと結果を出してくれそうだな。まあ無理はしないようにと伝えといてくれ。死んだら元も子もないしな」


「かしこまりました」


「それで、気になったのだが、今の所、帝国・バジリスク連合国・魔王の同盟軍は何処まで侵攻している?というか、いつ同盟なんて組んだんだ?」


「同盟を結んだのはつい先ほど1時間程前くらいです。その上で、この3つの国が同盟を結んだという情報はまだ極一部の関係者しか知っていませんし。具体的にいつヤマダ王国を攻め入るか等も決まっていません」


「何その適当な同盟?それでいいのかよ」


「まあ、いいんじゃないですか?知りませんけど。あ、今ネズミ眷属から報告がきました。どうやら1月後に帝国からは天魔2人、バジリスク連合国からも天魔を2人、魔王は魔王軍全勢力を持ってヤマダ王国に攻め入るそうです」


「なるほど。あれ?待て、ネズミ眷属から報告って、その三国の会議場所にネズミ眷属がいるの?」


「正確に言えば。魔法通信を使って会談を行っている帝国にネズミ眷属を忍ばせている形です。魔法通話なので、魔王に存在がバレていませんし。特に今の所は問題は起きていません」


「なるほどね。流石俺のネズミ眷属だな」


「そうですね。流石師匠のネズミ眷属です」


「まあ、いいや。でも攻めてくるのが後一月もあるなら、その間になんとか対策は立てられるやろ。いやまあ、もちろん、全部それがブラフで監視されていると知っていて俺達を騙す為に通信をしていた可能性も無きにしも非ずだけど。そこはきっとカゲウスがなんとかしてくれる。マリアはまだ情報も少ない段階だし、下手に動かずに国王の仕事を頑張ってくれ」


「かしこまりました。師匠。ではそのようにしますね。また何か進展がございましたらご報告します」


「オッケー」

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