第143話・外伝(半分本編)・第一王女様の日記
〇月〇日
今日から俺は日記を書き始めることを決めた。
理由はそこまで大したものではない。
ただ、何故か国王にされた俺の愚痴を書くためだ。
いや。何で俺国王やってるんだろ?
本当だったら逃げ出したいのに、後ろにグレンにそのハーレムメンバーである天魔がいるし、自分の半分の年も行ってないであろう幼女にフルボッコにされるし。
何というか泣きたい。
いや、マジで。何とかしてこの場から逃げ出したいけど逃げ出せない、やりたくもない国王の仕事をやらされる。
まだ国王になって初日な筈なのに、割と馬鹿な量の仕事をさせられるし、この国、国王に頼り過ぎだろ。馬鹿だろ。この仕組み考えた奴馬鹿だろ。絶対に頭おかしいだろ。
あ、俺のご先祖様か、まあでもヤマダ王国の仕組み上、国王に対して権力が集中しているし、国民も貴族に対する信頼は少ないけど国王に対する信頼はあるからな。まあうん、しょうがないというやつだ。
だって、王族はこの国を一から創り上げた偉大なる初代国王の血を引き、初代国王亡き後もただの一度も失策をすることなく、この国のことを思い、国を守り続けた存在になるからな。
それは国民から信頼されるよ。信頼されまくるよ。
少なくとも民主主義とかしても、確実に国王に支持が99%集まるだろうしな。
もしも信頼されなくなるようなことをするって話になれば、それこそ、愚策をしまくったり、国民を煽るような発言を連発したり、クソの役にも立たない無能貴族を要職につかせたり、理由のない大幅増税とかせん限りはないと思う。
まあ、そのレベルのことをしようとしたら、確実に周りの貴族や大臣に全力で止められるし、強硬しようものなら、速攻で国王の座を下ろされるだろうから、意味はないか。
ハア、憂鬱だ。本当に心の底から憂鬱だ。
逃げたい。
嗚呼、俺の父もこんな気持ちだったのかな。それは逃げるわな。
〇月〇日
馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。
仕事多すぎだろ。
マジで馬鹿だろ。
何で国王にこんな仕事させるねん。
まずは、書類仕事これが多すぎる。パッと目を通してサインするだけの書類仕事なのだが、これがマジで馬鹿。
量が多すぎる。
何で、地方の税収やら税金の使い道やらの書類にまで目を通してサインさせるの?
いやまあ初代国王が不正を見逃さないためにこうしたらしいけど、うん。馬鹿だろ。
量考えろよ。
何してんだろ俺のご先祖様はよぉ。
ほんで、月一のペースで行われる。
参勤交代って行事。これがもう馬鹿。マジで大変過ぎるくらいに大変。
内容は至ってシンプル。
毎月ランダムで選ばれた地方の貴族が王城まで特産品やらを持参して直接出向かうという行事。
一応、これを行う理由は初代国王曰く、楽しそうだからと、地域活性化と経済活性化らしいけど。
いや、する必要ないだろ、何でこれ残ってるの?まあ、別に確かにお祭りみたいな感じで民は盛り上がるし、地域活性化してるし、経済も回るから良い事は多いけど。
純粋に俺の仕事が増える。
ハア、まあずっと続けた伝統ある行事だし終わらせることは出来ないけど。初代国王馬鹿だろ。マジで馬鹿だろ。
他にも色々仕事あるし、今は聖教国が何故か同盟を結ぶって件で困ってるし。なんか同盟の条件がヤマダ王国に都合が良すぎて怖い。
絶対裏あるやろ。ナニコレ?もはや軽い属国レベルだぞ。
聖教国に何があったんだよ。
〇月〇日
おい、グレン~~~~~~~~~~。
クソ、グレンが~~~~~~~~。マジでお前もう、お前、もう、ねえ、本当にグレン~~~~~~~~~~~~。
ハア、聖教国の聖女様がグレンの愛人いやハーレムメンバーだった件について。
我が弟ながら、何というか、一回グーで本気で殴った方が良いと思う。まあグレン最強だからそんなことは出来ないけど。それでも報連相はしっかりとしろ。
そんで、面倒だからって全部私に投げるな。ほんで。あの聖女の皮被った性女をどうにかしてくれ、グレン~~~~~。マジでアイツ本当に、ハア、逃げたい。心の底から逃げたい。
父上よ。貴方の苦労が今心の底から分かりました。
〇月〇日
めちゃくちゃ今更国王就任式典をやって件について。
俺が国王になってからもう既に1月立ってるぞ。何で今した?
え?仕事が終わってなかったから。
ああ、そうだよ。その通りだよ。仕事が多すぎるんだよ。馬鹿野郎。
しかも腹が立つことに大臣の一人がお父上様であればこの程度の仕事徹夜して3日で終わらせてるのにって嫌味いってくるし。マジで腹立つ。
そもそも論として俺が今国王やってるのは父上が逃げたからだよ。マジでふざけるなよ。何様のつもりだよ。この大臣俺の剛剣で斬り殺してやろうか。
ハア、まあいいんだけど。しょうがない、俺は今の所、国王をやるしか選択肢はないのだから。グレンがいなければ全員斬り殺して逃げてると思う。本当に。マジで。
〇月〇日
国王就任式典2日目
クソ生意気な令嬢がいたから斬り殺してやった。
後悔はしていないし、すっきりした。
だって、アレだぞ。
俺が国王をやってることに対して「あんな戦場で血を浴びて来たような野蛮人が国王をやるのは相応しくない」って笑ったんだぞ。
俺がどんな気持ちで必死に国王してるか知らないで、本人が影口のつもりで俺には聞こえてないと思ったのだろうが、俺は聞こえてたからな、ストレス発散含めで、土魔法で剣作って斬り殺してやった。
割とすっきりした。
これで絶対に問題になるし、国王の座から降ろされればバンバンザイって奴だ。
因みに令嬢を斬り殺した後、俺は全部無視して部屋に逃げている。日記書き終えたら寝る。ふて寝してやる。
〇月〇日
何故か俺が令嬢を斬り殺した件が問題にならなかった件について。
え?もしかしなくてもこの国って頭おかしい?
あ、そうか頭おかしいわ。多分正気の沙汰じゃないわ。
因みに俺が令嬢を斬り殺した件がオッケーになってた理由は父上もよく国王に対して批判的な発言をした貴族を自分の手で斬り殺してたらしいかららしい。
うん。やっぱりこの国頭おかしいわ。
は?たんま、父上、貴族を自分の手で斬り殺してたの。それ色々と大丈夫なの。
まあ、大丈夫だから俺も大丈夫になってるんだけど。うん。やっぱりこの国は馬鹿だわ。ああ、もう駄目だ。意味が分からない。
逃げたい。
ああ、心の底から逃げたい。
〇月〇日
仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事仕事書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類書類。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~
〇月〇日
戦いたい。
ああ、そうだ、何て俺はこんなことしてるんだろう。
俺は戦いたい。血沸き肉踊る戦いがしたい。
書類と仕事の山を必死に減らしながら禿と胃潰瘍を気にしながら仕事をこなすのは間違ってる。
だから、そうだ、逃げよう。全部捨てて逃げ出そう。
明日。明日俺は逃げるぞ。
〇月〇日
天魔がいるのに逃げられるわけがなかった。
グレン、アイツは悪魔だ。マジでどうしようか。
誰か、誰か助けてくれ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(以降の文字は汚くて読めなくなっている)
〇月〇日
マリア様万歳
マリア様万歳
マリア様万歳
マリア様万歳
マリア様万歳
マリア様万歳
ありがとうマリア様
〇月〇日
マリア様のおかげで俺は国王をやめることが出来た。
国王という仕事のせいで、一応英雄レベルで体は丈夫なはずの俺がやつれて行っているのを見て、マリア様が声をかけてくださったのだ。
そしてマリア様はグレンと共に話をしてくださり、国王の仕事を変わってくれた。いや、国王の仕事ではない生贄を変わってくれたのだ。
因みにマリア様は一応公爵令嬢であり、王家の血を引いてはいるが、薄く、また年も若く、国王を出来るのかという疑問の声が上がりまくったが、天魔に覚醒してて、天魔という圧倒的な力で物理的に全てを黙らせてたのだ。
嗚呼、マリア様、マリア様、マリア様。
本当にありがとうございます。
〇月〇日
マリア様のおかげで俺は今日国王をやめる。
皆に惜しまれるとかはなかったけど、俺としてはハッピーな気分でいっぱいです。
後、少し面白かったのが、マリア様が天魔とはいえ王族ではないので、国民から疑問視する声が上がったが、グレンと結婚することで解決させやがった。
いや、グレンは怠惰のグウタラ王子だけどいいの思ったし、国民もグレンが怠惰王子だと知ってる筈なのに、何故か王族であるグレン様と結婚するのならば大丈夫かみたいな感じで受け入れられた。
解せぬ。
まるで何か目に見えない不思議な力、それこそ天魔レベルの力が働いたような。・・・・・・。
おっと、これ以上はいけないな。
まあ、俺の知ったことじゃないし、とっとと剛剣担いで戦場で暴れますか。
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え~、何で更新が遅れたかといいますと。
ペルソナ4をやってたからですね。後は、ピッコマ大賞に応募する為に小説をかいたけど、微妙に文字数が足りなくて、応募できなかった悲しき残骸を書いてたからです。
因みにその悲しき残骸こと、【元女王で悪役令嬢は女王になりたい】は絶賛連載中ですのでよろしければ読んでみてください。一応キリの良い所まで書いてますので、安心して読んでください。
私的に結構面白いと思う。多分。多分。
まあ、ペルソナ4の方が面白いけど。ペルソナ4は神ゲーです。
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