第128話・落ち着いて考えろ天魔ってめちゃくちゃ凄いからな

 

 俺が復讐とか言ってやらかしまくってから何だかんだで1週間が過ぎた。

 この1週間の間、俺はいつもの様に変わらずのグウタラ怠惰な生活を繰り広げていたが、俺が以外は割と色々あった。

 まず、一つ目は俺の部屋の両隣がイトとカレーヌの部屋になって、向かいの部屋がナナの部屋とマリアの部屋になった件についてだ。

 といっても、ナナもマリアもほとんど俺の部屋にいるし、イトもカレーヌもほとんど俺の部屋でチョメチョメしてるから、何というか、せっかく部屋を用意させたけど、荷物置き&ナナに良い子は見せられない現象を見せない為に移動する場所みたいな感じになってはいる。

 一応俺のベットも全員が寝れるようにただでさえ広くて大きなベットだったのに俺が万能の天魔の力を使って改造してあほ程大きくしかたらな。

 割かし、全員で同じベットで寝てるってのがある。

 まあでも、イトとカレーヌにナナにマリアがすぐ近くの部屋にいるってのは割と便利ではあるし、デメリットなんてもないから結構気に入っている。

 ありがとう父上。


 で、次二つ目はカレーヌが騎士団長に復帰したことだ。

 といっても、騎士団長やめる言って、すぐに復帰したから、周りからは少しだけ休暇をとったみたいな扱いされてて、復帰?になってるのはご愛嬌って所だ。

 天魔に覚醒して優秀になったカレーヌは騎士団長としての仕事を割とすぐに終わらせて俺に部屋でまったり過ごしてるのもご愛嬌って所だな。

 日によっては1時間で全部の仕事を終わらせてきた時はびっくりしたわ。


 三つ目、これはイトのことだ。

 イトが第一王子と第二王子の師匠をやめました。

 いや~、それはもう盛大にやめたね。まあでも当たり前の話だ。元々第二王子の方はクソだったから、なんならもう既にやめていたようなものなのだから一旦置いておこう。

 で、件の第一王子の方はマリアの件がある、何だかんだでイトとマリアは気が合うのかかなり仲が良い、よく女子トークしてるし、本の好みも割とあっている、まだ出会って日は浅いと思ったが、まるで10年以上一緒にいる親友ってレベルで仲が良い。そんなマリアを将来拷問した後、殺すとかいう残虐極まりないことする第一王子の師匠をイトがやりますかって、するわけがないよねって話だ。

 むしろ、師匠をやめる程度で済んで偉いと思うわ。怒りに任せて殺しても全然おかしくなかったからな。

 という訳で、第一王子と第二王子の師匠をやめたイトは割と時間に余裕が出来るようになった訳だ。

 俺のお世話に集中出来てハッピーですって言ってた。うん。良かった良かった。


 で、最後の4つ目、れこが一番重要なのだが、俺の留学していた兄が帰ってくることになった。

 ソルティー国と友好関係を結び、ヤマダ王国からソルティー国の文化を学び交友を深めるという名の元留学をしていた第三王子。

 ソルティー国と友好関係を結ぶため、何て言ったら聞こえはいいが、実際の所、天魔が【探知の天魔】しかおらず、辛うじて大国と言える程度の力しかなかったヤマダ王国がソルティー国という天魔を3人も抱えている、格上の国と争わない為の人質として、絶対に敵対はしないという意思表示で第三王子を留学させられているわけだ。

 まあ、弟である俺から見ても可哀想ではあると思う。

 でもそれが王子ってものだ。王子としての責務を果たしているわけだから立派だと思うよ。

 え?俺?俺は怠惰でいいんだよ。それをするだけの力があるからさ。


 さて、話を戻そう。

 じゃあ、何でその人質として送られているはずの第三王子が戻ってくるかと言うと。

 ズバリ、ヤマダ王国が天魔を抱え過ぎてしまったのと、第一王子と第二王子が王になれないことが確定してしまったからだ。


 俺の周りに天魔が溢れすぎて天魔の価値が下がっている気がしなくもないが、この世界において天魔というのは文字通り最強にして絶対にして至高の存在だ。

 この世界に100人といない化け物であり、たった一人で何万何十万という兵を虐殺出来る力を持っている存在。

 それが天魔だ。

 たった一人で戦場を塗りつぶすことが出来る化け物。ありとあらゆる全てを土台から崩壊させれれる存在。どれだけ知略を巡らせようが兵を集めようが天魔という存在はそれを嘲笑いながら全て力で塗りつぶすことが出来る。


 【剣舞の天魔】であるイトは当たれば即死の斬撃を数十キロ先まで無数に飛ばせる力を持っていて、立った一人で戦場に立って遠距離から斬撃を踊るように飛ばしてるだけでたいていの軍隊は文字通り全滅するだろう。

 【察知の天魔】であるカレーヌもその力で敵陣の全ての作戦に配置に敵の強さ、そして自分は味方をどのようにして使えば戦いに圧勝出来るのかを察知出来るという実質、無敗の軍隊を作れる力を持ってるし。そもそも論としてカレーヌが化け物強いしね。

 【直感の天魔】であるディスラーはその直感に従ってたった一人で敵陣に突っ込んで無傷かつ敵陣営にとって最も甚大なダメージが出るように攻撃出来るし、その直感を使った実質的な未来予知はカレーヌと同じように無敗の軍隊を作れてしまう。

 【探知の天魔】は我が国を支えて来た偉大なる天魔であり、普通に化け物強い。幾度となく実践を繰り返し、直属の兵たちの中には準英雄・英雄クラスの猛者がいると言われており、というかネズミ眷属使って確認したらいたし、戦場に出ればこれまた無双間違いなしだ。


 で、更にここで大切なのが、ヤマダ王国は他の国と比べて魔物との討伐経験が豊富かつ良質な武器防具に身を包んだ屈強な兵士がいるということだ。

 イトは例外としてもカレーヌとディスラーと【察知の天魔】は兵を率いてこそ真の力を発揮できる。そんでヤマダ王国はその兵の質が非常に高い。


 ここで質問だ。


 ヤマダ王国が弱いですか?

 弱いわけがないよねって話だ。


 で、ここが一番大切なのだが、この天魔4人全員が一応は王家に忠誠を誓っているということだ。

 イトはヤマダ王国の第五王子である俺の専属メイドであり、俺に心の底からの忠誠を誓っている。で、その俺は腐っても第五王子という王家に所属する者、つまり=でイトは王家に忠誠を誓っているということに建前上なっている。

 カレーヌは騎士団として長年王家に使えてきているし、数々の功績も打ち立てている。

 ディスラーに至っては先代国王の時から王家に忠誠を誓っている将軍だし、【察知の天魔】なんてのは言わずもがなだ。何ならネズミ眷属から聞いたのだが父上とかなり仲が良いらしい。


 このように普通ならば最強の力を持つが故に自由奔放で制御が不可能といってもいい天魔が4人も王家にひいては国に対して忠誠を誓っていると。

 まあ、控えめに言ってエグイ状況やな。


 更に言えば俺と言う世界最強の天魔にナナにマリアという天魔がいるからな。

 国として過剰戦力にも程があると思う。

 まあ、いいや、で、そんな天魔が3人も増えて、計4人の天魔を抱えているヤマダ王国がわざわざソルティー国に弱点になりかねない第三王子を置いておきますか?


 置くわけがないよな。


 下手に文字通りの人質になっても困るし、ソルティー国はむしろヤマダ王国に人質をゲフンゲフン、留学をさせる必要があるということだ。


 という訳で第三王子がヤマダ王国に戻ってきます。

 ついでに、公爵令嬢が一人、人質じゃなかった、留学してくるらしい。ネズミ眷属に探らせたらまさかの第三王子が公爵令嬢と濃厚なキスをしてましたという情報が初手に来たので。何というか兄の情事を詳しく探るのはアレだから詳しくは調べてない。

 まあ、何があれば俺の優秀な眷属が対処してくれるし大丈夫やろ。知らんけど。


 以上。

 1週間の報告はこんなものかな。


 さて、俺は眠くなってきたし寝ますか。


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