第124話・復讐~それは国が簡単に崩壊するレベルである
今日ヤマダ王国に存在する2割の貴族が突如謎の死ないし再起不能レベルの重症を負った。
その謎の死及び再起不能レベルの重症というのは多岐に渡り、ある者はまるでこの世界に初めからいなかったかのように消失、否、消滅し、ある者はぐちゃぐちゃの肉塊として存在していたり、ある者は発見当初は生きていたものの両手両足に両目両耳が切断されており、そのままストレスで発狂死をしてしまったり、またある者は50センチくらい箱に生きたまま箱ずめされていたり、またある者は生きてはいるものの下半身が文字通り消滅してしまったりしていた。
そのあまりの惨状にその様子を見たある者は吐き、ある者は失禁をし、またある者は発狂をしてしまった。それ程までの惨状であった。
しかも恐るべきはこの惨状はほとんど時間を空けずに連続して起こったということである。
とある貴族が肉塊になったと思ったらその次には別の貴族が消失し、また次に別の貴族が肉塊となる。
どれだけ場所が離れていようとまるでありとあらゆる場所に自由に転移が出来るかのようにそのナニカは貴族共を肉塊にしたり消滅したりしていった。
一体、そんな悍ましいことを誰がしたと言えば他でもない世界最強の天魔、グレンである。
グレンが件のノートに書いてあった人物の場所に直接転移してその者の魂の罪によってそれ相応の報いを受けさせられたのである。それをひたすらに短期間で繰り返した結果である。
以上、別にグレンとしては大事にするつもりとかはない、ただ前々から機会があればやるつもりではあったことをやっただけである。
今回の件を端的に表そうとすれば復讐という至極単純にして簡単にして明解な2文字で表すことが出来る。否、出来てしまう。
しかし、その復讐によって出た被害は恐ろしい物であり、国内の2割という貴族ひいては強大な権力を持ち第二王子派閥の最大の支援者であった、とある公爵家当主及び腹心が消失したのは非常に大きな問題である。
少なくともこれにより第二王子派閥は大きな弱体化を免れないし、何なら第二王子派閥というそのものがなくなる可能性すらある。
となると第一王子派閥がこの王位継承戦に勝つのかという話になるのだが、そういう訳でもない、第二王子派閥と第一王子派閥だと、亡くなった貴族の数で言えば圧倒的に第二王子派閥の方が多い、多いがしかしながら第二王子派閥の一部強硬派の貴族は亡くなっており、決して第一王子派閥も被害がゼロという訳ではない。
現在両方の派閥共に謎の死を遂げた貴族の穴埋めに翻弄されており、また、次は自分ではないかと怯えて家に籠ってしまったりしている。
おかげで王城は大混乱の大混乱。
国王は禿散らかし、大臣は胃潰瘍となり、貴族共は責任転換の擦り付け合いを行っている。
そんな中、やはり上がったのは誰がこの惨状を引き起こしたかである。
腐っても大国であり、謎の死を遂げたのは貴族である。
そんな貴族のほとんどは護衛がしっかりとついた安全性の非常に高い自分の屋敷の部屋や王城にいた。
だけど全てを嘲笑うかのように惨殺は行われている。
これ即ち敵は天魔であるという証明である。
少なくとも今回の犯人は手口が同じないし類似している上に惨殺された貴族のほとんどが脛に傷のある、黒に分類される貴族であるという共通点から同一犯による犯行であると断定でき、また仮に同一犯とした場合は犯人は少なくともありとあらゆる全ての場所に一瞬で移動できる転移能力と一瞬でその場にいた護衛を殺害ないし記憶を消した上で外へと転移させられる実力を持っている。
こんな物語に出てくるような力を持った化け物は天魔以外にはあり得ない。
じゃあ、その天魔は誰かと議論とり、一番最初に容疑者候補に挙がったのは【剣舞の天魔】イトであった。
過去に貴族によって濡れ衣を着せられて殺されかけた過去を持っている、動機は充分にあった。
しかしながら、犯行が行われたであろう時間に彼女が王城の調理場にて嬉しそうに鼻歌を歌いながらケーキを作っている姿が目撃されていた上に、もしも彼女が犯人ならば全員剣によって斬殺すると考えたので犯人ではないという結論に至った。
では、誰かとなるが、誰も思いつかなかった。
結局会議は何の結論も出ないままただただ無意味に時間だけが過ぎていく、そもそも全員勘違いをしているのが仮に天魔が犯人だとして、天魔でない自分たちは他の天魔の力に協力を仰がない限りは事件の解決が不可能であるし、今、ヤマダ王国には天魔はいるが、【探知の天魔】以外は全員グレンの味方であり、協力というのはしない、むしろ場合によっては敵対する存在である。
つまり何が言いたいかというとこの会議は全くもって何一つ意味のないただただ時間を浪費するだけの無意味極まりない物なのだ。
それでも、会議は続く。
責任の擦り付け合いやら、会議をして自分たちは頑張ってますよというのをアピールする為に無意味な会議は続く。
自分達の王はひたすらに後始末に追われて禿散らかし、優秀な一部の大臣も同じように禿散らかしたり胃潰瘍になりながら翻弄する中、大部分のさして優秀ではない、もしくは無能はひたすらに無意味な会議を続けていく。
続けていくのだった。
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グレンの復讐下っ端編書いてたのですが。書いてたら、ただひたすらにおなじことを延々と繰り返す、クソみたいな文章になったので思い切ってやめてみました。
次回はグレンサイドに移ります。
後、更新が遅れた件は100%私が悪いので。申し訳ございませんの一言です。
本当に申し訳ございませんでした。
正直バイトが思った以上にきつかった、バイト入って速攻で6連勤組まされて、昨日とか何故か夕方の5時から深夜の1時30まで入ってた。
生活習慣が死ぬ。帰ってきたら2時、家族が全員寝てる中一人、真っ暗な牛乳飲んでたらなんか悲しくて泣きそうになった。
小説書いて安定して広告収益入ればバイト辞めれるので、安定した収益目指して頑張って書いていこうって思いになりました。
以上。作者の愚痴でした。
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どうでもいいかもだけど一応補足説明
国王様ノートにどうせならと始末しようと思ってた要らない貴族に適当に罪でっちあげて書いてます。
本当ならばこんなに犠牲者は出ていません。2割も貴族が死んでるのは国王様が原因です。
グレンは基本的に魂を見て殺しているので国王様から始末認定されてる貴族は大体、黒なので特に問題なく、グレンも違和感を抱くことなくキリリングしてます。
つまり国王様はこの絶体絶命の機会を利用して邪魔な貴族のほとんどをキリリングしたということです。
ただでは転ばぬとは正にこのことですね。流石我らの国王様です。
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