第118話・外伝・ナナの学園生活とこれから絶対苦労しそうなショウ先生
中々に混沌とした状態となっていたクラスであったが。ナナの力により全員がその記憶を強制的に忘れさせられた、リセットされた。
そして、皆何事もなかったかのように席に戻った。
当たり前だが誰も何があったかは覚えていない。覚えているのはナナのみ。そのナナも面倒事だから、このことは自分の胸の中に仕舞って、また同じ事態が起こらないように阻止するつもりである。
つまりカレンはナナがいる限りフウカ経由で真実を知る機会はある意味で永遠に訪れなくなったということだ。
ガラガラ
皆が綺麗に席に到着したのを見計らったように、一人の男性がドアを開ける。
「お。全員きちんと揃ってるな。よしお前ら、俺は今日からこのクラスの担任をする、ショウイランテツって者だ。長い名前だから皆からはショウ先生と呼ばれている。よろしくな」
自己紹介をした男は身長は180センチ程、年齢は30代、体型は細身であり橙色の長髪に赤色の目を持った、何処か中性的な男性であった。
パッと見た感じは余り強そうには見えないがナナだけはその男の実力を正確に見抜いていた。
強さとしては英雄レベル、それもバリバリの肉弾戦を得意とする脳筋スタイルでありひたすらに戦闘を重ねて強くなった、所謂戦闘狂の類の人間であった。
少なくともこんなところで教師をやるような人物ではない。
「ショウ先生はどうして先生をやってるのなの?」
ナナは何故この人が教師をやっているのか気になったので、ドストレートに質問をした。
天魔であり、世界最強の天魔という後ろ盾があるナナにとって遠慮という概念は存在しなかった。
「お。どうしてか?なるほど、良い質問だな。まあ、そうだな。・・・一言で言えば疲れたって奴だ。ひたすらにひたすらにずっとずっと続く長い長い闘争って奴にな」
少しカッコを付けるようにショウ先生はそう呟く。
ナナ以外の生徒は軽い冗談だと思ったが、ナナだけはそれが真実だと分かると共に、共感が出来た。
魔王討伐の為にひたすらに戦って戦って戦い抜いたナナはこのショウ先生の言葉が心の底から理解出来た。
「それはお疲れ様ですなの」
ナナは屈託のない可愛らしい笑顔でそう労う。
その姿を見てショウ先生は嬉しそうな顔を見せながら笑って言う。
「ありがとうな。なんか少し救われた」
「それなら良かったなの」
「さて、少し話が脱線をしてしまったな。まあ、ようは俺は今日からこのクラスの担任になるって訳だ。というわけでこれから1年よろしくな」
「「「よろしくお願いします」」」
少し戸惑いつつも、そこは何だかんだで純粋な少年少女達、しっかりと挨拶をする。
「おう。元気があって素晴らしい。因みに俺はこの学校全体の戦闘科・実践ってのを担当することになっている。ぶっちゃければお前らが余程優秀じゃない限り、俺の授業を受けるのは大分先の話になる。一応これでもこの国では天魔っていう規格外の存在を除けばトップクラスに強いからな」
軽く魔力と覇気のような形でオーラを放出する。
それだけで素人でもこのショウ先生がどれだけ強いかというのが分かった。
「お~。スゲー」「確かに凄い力だわ」「これが先生ってこの学園レベルが高過ぎるよ」「戦ってみたいけど、今の俺じゃあ簡単に殺されるな」「いつかこのレベルまで強くなりてぇ」「私も頑張らなきゃ。あの先生よりかは強くなろう」
生徒それぞれ十人十色の反応をする。まだ基本10歳程度の子供だけど中々に戦闘狂ちっくな発言が多かったが、まあそこはある意味ご愛嬌というものであろう。
「おお、皆、いい心がけだ、目指すならば目標は高く持て、それこそ天魔という最強のレベルまで目指してみるのもいいと思うぞ。一応俺も天魔を目指しているしな」
ナナは何となく気になったのでショウ先生が天魔になるに足る器かどうか魂の容量を確認してみる。
結果は不足、他の人よりも魂容量は大きいけれど、天魔に至るには少々足りていない。つまりシュウ先生は天魔に至るということは出来ないということだ。
それに気が付いたナナは親切心から無邪気にこう告げる。
「シュウ先生は天魔にはなれないなの。どれだけ努力しようと戦いに明け暮れようと絶対に不可能なの」
空気が固まった。
それもそうだ。
一生徒がいきなり英雄レベルの力を持った担任の先生に対して、それはもうかなり生意気な口をきいたのだから。
「ちょっと。ナナちゃん」
マリちゃんは慌ててナナちゃんに誤るように促す。
「いや、別にいいよ。ナナだったな。それは確かにそうだ。俺は天魔になれる器じゃねえ。それは俺が一番よく分かっている。ただまあ少し昔の夢をまだ根に持ってるってだけだ」
生徒達は知らないが、ショウ先生はひたすらに戦いに明け暮れて、明け暮れて、ある時一定のラインから強くなれなくなったという過去がある。
それ以来、強さを求めるのを諦めた。だから教師になった。
「そうだったなの」
「ああ。そういうことだ。さて、なんか少し変な空気になった気はするが、まあいいや。取り敢えず今からこの学校のルールとか諸々の説明始めるからよく聞けよ」
そうしてショウ先生からの説明が始まり、1時間程で終わり。
クラス全員の自己紹介となり、ナナが自らを天魔と言ったり、カレンが少し暴走しかけてそれをナナとマリがなだめたり。
クラスメイトの個性が強すぎて先生が何度か自己紹介がてらといって生徒に襲われて逆に返り討ちにしたりと少々のさん悶着はあったものの、怪我人とかは出ずに特に大きな問題は起こらずに自己紹介は終わった。
自己紹介が終わったら、今日が初日ということで解散となり。ナナの初めての学園生活は終わりましたとさ。
めでたしめでたし
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正直書いてて少々面倒に思えて来て最後めちゃくちゃ適当になった。
反省はしている。
昨日更新できなくても本当に申し訳ございません。
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