第106話・俺のメイド全員最強クラスの力を持った天魔なんだが?


「し、師匠、私を眷属にしてください」


「眷属って?ああ、そういえば未来?では俺はお前の師匠となり、お前を眷属にするのか」


「はい。そうです。だからお願いします。私を眷属にしてください」

 眷属にしたら天魔になれるのは未来が証明しているからな、それは眷属になりたいわな。


「じゃあ一応聞くが俺に忠誠を誓えるか?俺に対して絶対服従でいられるか?」


「はい。もちろんです。師匠の為ならこの命捧げて見せましょう」

 噓感知を行う。

 もちろん真実と出た。


 どうやら本気みたいだ。

 全くもって何でここまで盲目的に俺に忠誠を誓えるのやらやら?

 未来?では傷を癒して師匠となって天魔にしてあげて復讐の手伝いをしたらしいし納得は出来ないこともないけど。


 しかし眷属か?

 う~ん。どうしようかな?眷属にするかしないか。


 ・・・・・・・・・


 アレだな、なんかこう今更だな。

 何を悩んでいるのだ俺よ。イトにナナにセリカにカレーヌにディスラー、後・・・、えっと・・・あ、思い出したカゲウスを眷属にしてるというのに。


 だからまあ問題はないやろ。

 最悪何かあっても全部丸投げすればいいし。俺は知らん。面倒事は全部俺の眷属が解決してくれるやろ。知らんけど。


「よし。分かった。いいよ眷属にしてあげるよ」


「ほ、本当ですか。ありがとうございます。師匠」


「という訳だから、こっちに来い」


「え。あ、はい」

 マリアは不思議そうに俺の近くによる。

 

 マリアが俺の目の前に来たら、一切の迷いなく立ち上がってキスをする。

 口移しで唾液を送り込んでやる。

 

「ちょっと。師匠。い、いきなり何をするんですか」

 顔を真っ赤にして俺を突き飛ばすマリア。


 どうやら照れているらしい。中々に可愛いらしいな。まあ精神年齢でいえば俺の倍以上あるだろうけど。肉体的にも年上だし。

 後一応ついさっき俺の妾がどうとか言ってたのにキス程度でそんな赤面するなよ、面倒くさい。まあいいけど。


「自分の力を見てみろ?天魔に覚醒してるだろ?」


「え?あ、本当だ。この圧倒的な力。体の奥底から永久に溢れ続ける魔力に何でもできそうな万能感。天魔に覚醒してる」


「まあ、そういうことだ。おめでとう。これでマリアも天魔だ。何の天魔に至ったかは分からないけど感じからして闇の魔力を司ってそうだな」


「師匠・・・ありがとうございます」

 感極まったのか嬉しそうな顔で俺の思いっきり抱き着くマリア。

 キスにあれだけ赤面してたくせして抱き着くのに躊躇いはないんだな。まあいいけど。


「それは良かった。さてじゃあ俺は読書でもしてるわ」


「えっと。あのう師匠・・・私とエッチしませんか?」

 あれ?眷属にした影響で頭のねじが飛んで行った?


 何を言ってるんだ?


「いや今はないだろ。せめて諸々の問題事が解決にしてからにしろ」


「諸々の問題・・・そうですね。でもいつ終わるかな・・・」


「まあ。一応天魔であるイトが出張ってる訳だし、すぐ終わるだろ」


「確かにそうですね。すみません。私が軽率でした。さっきの発言は忘れてください。楽しみは後に取っておかないといけませんからね」


「楽しみって、まあそうしてくれ」


「師匠?でもどうやってイトさんはこの問題を解決するんですかね?」


「どうやってって、さあ?まあ全部イトに投げたから俺は知らん」


「そうですか。でも一応私の抱えている問題って婚約破棄問題に王子殺し未遂・パーティー会場にて貴族にて闇の波動を放った件・未来?の記憶、それに第一王子と第二王子の派閥問題と。結構色々ありますけど。それに私の地位だって一応公爵令嬢ですし、父が私が第五王子のメイドになることを認めてくれるかどうか」

 

「ハア。阿保かお前は、そんなの杞憂だよ。杞憂。いいか、俺は世界最強の天魔だ。マリア、お前も天魔だ。イトも天魔だ。カレーヌも天魔だ。ナナも天魔だ。セリカも天魔だ。ディスラーも天魔だ。俺の眷属だけど6人の天魔がいる。俺を含めれば7人だ。この面子で好き勝手出来ないことなどない。別に問題事を綺麗に収める必要なんてないんだよ。天魔である俺達は好き勝手に自分の思うように行動すればいい。ただそれだけだ」


「確かにそうですね。じゃあ師匠、今から第一王子拷問してきていいですか」


「おい。何故その結論に至った。いやまあ好き勝手に自分の思うように行動すればいいって言ったけど、そういう訳じゃない。今せっかくイトが穏便に済ませようとしてるんだ。それを台無しにするな。俺は面倒事が嫌いなんだよ」


「え~。じゃあ、ちょこっとだけ、ちょこっとだけ殺していいですか?」


「いや。何だよそのちょこっとだけ殺していいって?いやちょこっとでも殺してんじゃないか。駄目に決まってるだろ」


「そうですね。ハハハ。すみません。少しふざけたこと言っちゃいました」


「ふざけたこと、ねぇ、・・・・・・・・・そうだな。機会だ」

 俺はわざとらしく指を立てる


「え?」


「いつか可能だったら。機会を与えてやろう。マリアが望むままに第一王子を蹂躙できる機会をな。それでいいか?」


「師匠・・・ありがとうございます」


「まあいってことだ。じゃあそれまでは、怒り怠惰」

 怠惰の権能を使いマリアの中にある第一王子に対する怒りを怠惰にさせる。

 感情魔法を無詠唱で使って分かったのだが。マリアの怒りは半端じゃなかった。普通にいつかリミッターが外れて蹂躙殺戮をやらかしそうなレベルの怒りが渦巻いていた。今よく耐えているなと思うレベルだ。

 だから怠惰にしてやる。

 これは俺なりの優しさだ。


「あ。怒りが消えた・・・。もしかして怠惰にさせましたか?」


「一応言っておくが解除はしないぞ」

 魂を変質させる程の激しい怒りを怠惰にするということは、魂に影響を及ぼすということと何ら変わりはない。

 もしかしたらマリアはそれが嫌かもしれない。ただマリアが蹂躙殺戮をやらかしたら面倒なので例え嫌だろうが解除するつもりはない。


「・・・ありがとうございます」

 どうやらマリアは思った以上に優しい人間だな。

 多分心のどこかで第一王子を殺したくないという想いがあったんだろう。もしその想いがなかったら例え怒りが消えたとしても他の感情を持ってして第一王子を殺しに行ってたからだろうからな。

 まあ、そしたらそれはそれでその感情を怠惰にさせるだけだけど。


「そうか。それならいい。じゃあ俺は読書でもするよ」


「じゃあ。師匠。私も読書するんでお勧めの本貸してください」


「ああ。もちろんだとも」

 そうして俺はマリアと一緒に本を読み始めた。


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