第100話記念・外伝・もしもグレンが怠惰でなくなったら?
皆様の応援もありこの作品は100話を到達しました。
文字数も30万文字を超えて、大体単行本3冊分ほどの分量となりました。
ここまで応援して下さった皆様に心の底から感謝を。
というわけでせっかくですので100話を記念しまして外伝を書くことにしました。
外伝内容としましてはタイトル通り「もしもグレンが怠惰ではなかったら?」という内容になります。
この作品のタイトルを真っ向から否定する内容ですが、まあ外伝ですので許してください。
正確に言えば17歳の今のグレンが18歳ぐらいになった時に自力で怠惰を克服して、怠惰じゃなくなったからという設定です。
本編ではそんなことしませんのでご安心ください。
後は普通に作者こと私、ダークネスソルトが書きたかったってのもありますね。
というわけで楽しんでいただけると幸いです。
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※グレンの年齢は20歳です。
この世界は現在、2年前からとある一つの国が完璧なる完全なる絶対的な支配をしている。
その国の名前はヤマダ王国
【万能の天魔】【怠惰の天魔】【消滅の天魔】【虚無の天魔】にして、怠惰の力を自らの意思で抑え込み、完璧に我が物として、怠惰という副作用を完璧に消し去った正真正銘の世界最強の天魔であるグレン国王が統治、支配する国。
グレン国王の戦闘能力はそれこそ高位の神にすら迫るものであり、神ですらグレンという最強の天魔に対して下手に干渉を行えない程の力を持っている。
そんなグレンは今、情事に更けていた。
何故ならグレンは17歳の時に流されてイトとカレーヌ二人と初めて致してから、正に行為というものに、それこそドはまりしており、面倒という欲求がほとんどなくなった今、積極的に行っていたのだ。
また子供が出来ても一切問題ない平和な世界だったので、そこら辺の諸々も気にする必要がなかったのもグレンの情事に拍車をかけていた。
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グレンはその圧倒的な力と天魔連盟という最大の協力者を味方につけて、世界を征服した。
統治も【万能の天魔】を持つグレンにとっては非常に容易いものであり、またグレンとしては必要最低限の税で良いと考え、民への税的負担は非常に少ない物となっていた。
誰も反乱を起こそうなどという愚かなことは考えない。
また、グレンが眷属にした【人形の天魔】と共に創り出した自立型ゴーレム(英雄クラス)が何万体も存在しており、治安維持のほぼ全てを担っている。
そのおかげで全ての地域の治安は非常に良く、安定している。
考えてみれば当たり前という話だ。
誰が英雄クラスの力を持って犯罪者を捕らえる場合によって殺すという点のみしか行動しない化け物が跋扈する世界で犯罪を犯すというのだ。
犯罪を行った瞬間に捕まるか殺されるかの二択しかなくなるのだ。
また、戦争というのも国が一つに統一されているのでなくなり、危険な思想を持ってたりグレンに敵対する天魔は全員仲良くグレンの手によって消滅させられ、残っているのはグレンとグレンの眷属と天魔連盟のメンバー、後は極一部のスローライフ主義の天魔のみとなっている。
つまりこの世界のほぼ全ての天魔がグレン陣営という訳である。
だから危険というのがほとんどない世界、問題というのが起こりようのない世界。
それが今の状況なのだ。
さて、更に話を進めていこう。
当たり前だが各地を統治している領主は存在している。
ヤマダ王国この世界の全ての国を統治したのだ。それ即ち、世界の全ての民を管理することとななったというわけだ。
その人口は5億人以上という軽く眩暈すら覚える数となっている。
だから地区ごとに分けて、領主を置くのは当たり前の話だった。
そんな領主の人数は数百人、下手をしなくても1000人以上存在している。
領主は全員人間であり。グレンの眷属であったり、強大な力を持ってたりというのはない。そんな領主が1000人以上もいるのだ。
それは間違いも犯すし、場合によって民に対して重い税を課したり好き勝手しだす。
だから、そうならないように領主を統括する大領主というのが10人定められており、この10人は全員グレンの眷属かつ天魔となっている。
つまり、グレンを絶対に裏切らない人智を超えた寿命を持つ天魔という化け物がそれぞれで領主が好き勝手しないか監視しているというわけだ。
これにより、もしも馬鹿なことを考えて好き勝手しだす領主がいればすぐさま大領主の手によって罰せらて代わりが用意されるのだ。
完璧なシステムである。
ただどれだけ完璧なシステムを作ろうが、普通の人間だったらば寿命というのが存在し、2代目、3代目と続いていって、段々と衰退していくのが世の常であった。
しかしながらヤマダ王国の国王含め側近も大領主も正妻も側室も全員が天魔であり、人智を超えた寿命を持っている。
つまりそういう心配がないというわけだ。
だからヤマダ王国はこれから、それこそ巨大隕石が落ちてこようがグレンの虚無の力によって虚無の空間にポイ出来るし。
雨が一切降らないという異常事態が起こっても、雨雲生成の魔法を莫大な魔力を持つ天魔達で作り出して雨を降らせればいいし。
大噴火が各地で起きようが、天魔という力で無理やり抑え込むもよし、そのまま消滅させても、氷魔法で凍らせても、空間魔法で何処からの空間にポイして解決させればいいし。
悪魔界から悪魔が進行してこようが、グレン筆頭に天魔全員でこれでもかとフルボッコにして返り討ちにすればいいし。
神が介入して世界を滅ぼそうとしても、最上位神でさえなければ返り討ちに出来るだけの力があった。否、最上位神でさえも天魔全員で力を合わせれば返り討ちに出来るだけの力があった。
ようは完璧な平和。
恒久的な平和。
約束された平和になったのだ。
盗賊等の犯罪者は自立型ゴーレムによって殲滅され、各地のダンジョンは【迷宮の天魔】の手によって全て支配され、魔物暴走の恐怖もない。
他、暴れていた魔物も【調教の天魔】の手により調教されてすっかりと人間に飼いならされた。
本当にこれでもかという程、様々な恐怖の要因が取り除かれた世界となったのだ。
だからグレンはある意味怠惰に情事に耽っていた。
怠惰でなくなったグレンにとって情事は非常に楽しく、そして子供が出来るという喜びを感じられるようになっていたのだから。
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今ヤマダ王国は恐ろしい速度で発展を遂げている。
何故?
と聞かれれば、戦争を行わなくなり魔物と戦わなくなったからだ。そのおかげで人的余裕が生まれたから。その上で異世界からもたらされた未来の知識が存在していたから進んだ技術が部分的にだが存在していたからだ。
この世界は元々中世ヨーロッパ程度しか発展していなかった。
しかし、一部、例えば食においては非常に発展していたし、魔石を使った魔石家電というものも理論上は設計されていた。
ただ、魔石家電をつくるくらいだったら、魔石を利用して魔物を倒したり、戦争に流用した方がいいと判断されていたから、設計だけされて放置されていた。
しかし平和になった今はそういった魔石の使い道がなくなったので、魔石家電が作られるようになった。
作られるようになったら、より良い物にしようとするのが人間というもの、魔石家電はドンドン発展していった。
その過程で天魔連盟創設者である真希の手によってPCという魔石家電の設計図がもたらされて、より大きな発展を始める。
PCはあっという間に開発されて、ヤマダ王国完全統治から2年後には完璧なるPCが生み出されて量産体制も整っていた。
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グレン25歳
グレンには6人の子供が出来て、今の趣味はネットサーフィンとなっていた。
ヤマダ王国全域でPCは爆発的に広がり、天魔連盟創設者である真希やその他の転生者達の情報を元にPCには様々な機能が追加されて、様々なサイトが生み出された。
ネットゲームというものは開発されて、かなりの人がこのネットゲームに夢中である。
建物も大きく形を変えて、【人形の天魔】や【商人の天魔】に【土鉄の天魔】が力を合わせて、タワーマンションを各地に建てられた。
そしてそれを元に小さいながらも、しかし元の平屋と比べると大きな建物が各地で建てられていった。
これの理由としては平和になったことによるベビーブームと今までは魔物討伐や戦争などで死んでいた人たちが死ななくなったことによる人口爆発があげられた。
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グレン50歳
中世ヨーロッパからあっという間に今の日本の科学と同レベルまで発展し、皆がスマホを携帯し、何処でもゲームが出来て連絡が出来て何でも調べられる世界となった。
教育機関も発展を遂げて、誰もが過ごしやすい世界というのを掲げて人に迷惑をかけていない限りは、様々な趣味嗜好を認めるようになった。
グレンの子供も大人となり、家を出て家庭を築いたり、プロゲーマーになったり、お花屋さんになったり、パティシエの道に進んだり、演劇の道に進んだり、俳優になったりと。
皆それぞれの道を歩み、それをグレンは親として眷属であり妻である、イト、カレーヌ、セリカ、ナナ、【ネタバレになるので一旦なし。本当はまだまだいます】と一緒に微笑ましく見守るのが楽しみになっていた。
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グレン100歳
グレンが60歳の時に真希から聞いた、核と呼ばれる恐ろしき兵器が偶然の産物により生まれてしまったのをきっかけに、一部の発展を禁止されてグレンの手により、核を生み出しそうな人の記憶の一部を消滅させると共に、新しく一部の科学技術研究を禁止する法令を発行した。
現在発展が許されている科学技術の範囲としては食料面とゲーム面のみとなっている。(医療技術面は治癒魔法を使った方が早いし衛生面も生活魔法・清潔がある)
その為、食料面とゲーム面の二つが非常に大きく発展を遂げた。
食料面では魔法と化学肥料を利用した1日で育つ野菜や、魔物の再生機能と回復魔法と回復力増強剤を利用した無限肉回収、幻覚魔法と魔力入りの特性餌を利用した養殖だけど限りなく天然に近い環境と精神状態で育成された魚等々が生み出された。
ゲーム面では仮想現実世界への実現が可能となり、VRMMOが生み出されて爆発的ヒットを遂げた。もちろんグレンもVRMMOにドはまりしている。
ただ、そんな幸せなグレンの日々に一つの陰りが見える。
それは寿命だ。
誰の?となった時、それはグレンの子供だった。
グレンの子供の年齢は気が付いたら80歳近くになっており、医療技術は整っているし、無理やり延命治療と魔法を施せば150歳ぐらいの延命ならば簡単に行えたが、しかし、グレンの子供達は皆、それを拒否する。
拒否をした上で皆が口をそろえてこう言った。
「自分の人生は幸せであった。お父さんのおかげで平和な国で子供達に孫に、そしてお父さんとお母さんに看取られて生を終えられて良かった」
と。
そうして幾度となく別れを経験しつつも、グレンは自らの手で作った真の平和が実現した国で、否世界で、沢山の妻と共にいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
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更新が遅れてしまい大変申し訳ございません。
一応100話記念ということで少しでも面白いと思っていただけましたら、星やいいねを入れていただけると嬉しい限りです。
次回は久しぶりにグレンサイドでお送りいたします。
なお。今回の話に出て来ていたグレンの子供はほぼ全員、天魔に至れるだけの器と才能がありましたが、脅威が一切存在しない平和な世界、その才能を鍛えるようなことはなく。俗にいう宝の持ち腐れ的な感じで、特に才能が開花することはなく終わってます。
というわけでこの世界線では天魔に至る存在は極端に少ないというかグレンによる恒久的平和が実現してからは誰一人として天魔に至っていません。
それだけ平和ということです。
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