第75話・三大将軍

 突然だがヤマダ王国には三大将軍というのがいる。


 ただ、これは建国者であり初代国王である山田国王が何となくカッコイイからという理由で作った制度であり、今現在は名誉ある称号という形に落ち着いており。三大将軍は一人を除き。将軍とは別の役職で呼ばれている。


 ただ、それでも将軍というのは地位と名誉のある物であり。将軍に与えられる権利というのはこと戦争時では国王をも上回る。


 将軍に与えられる権利は主に3つ。


 一つ目は万の兵を率いる権利。


 二つ目は戦争時・緊急時において軍を自由に使える権利。


 三つ目は戦争時・緊急時において自由に予算を使える権利。


 もちろん他にも細々とした権利があるが、基本的にはこの三つの権利を持っており。特に一つ目の万の兵を率いる権利というのが重要であり、今現在、ヤマダ王国では万の兵を率いることの出来るのは王族と三大将軍だけである。


 そんな三大将軍を順に説明していくと。


 一人目は現在公爵様当主にして【探知の天魔】主に魔の森の防衛にあたっており。ヤマダ王国では少し前までは唯一の天魔であった存在。

 代々王家に対して忠誠を誓っており。王位継承戦では基本的には中立を守っている。


 将軍としているが。基本的には魔の森の守護が主な仕事であり。彼自身が魔の森の守護から出て他国との防衛戦等を行ったことはほとんどない為、将軍として実際に万の兵を動かして大きな功績を立てたことはない。

(ある意味では魔の森の守護というのが一番の功績であるが、代々ずっとそれを行ってきたため、極一部の超大規模の魔物暴走を除きもはや功績としてカウントされていない)


 中立を保っているのもあり影響力は天魔ということを加味すれば思いの外少ない。


 かなりの愛妻家の純愛主義者であり、妻との間に4人の子供を授かっている。


 二人目は王立騎士団長・カレーヌ・今現在【察知の天魔】であり。数々の功績を上げている。

 元々様々な功績を上げており、カレーヌによって命を救われた貴族が多い中、天魔となった今、国王に匹敵する、下手をしなくとも国王以上の権力を持つ存在。


 今現在は第五王子・グレンと結婚しており、権力欲等は消えたように見えるが、それでもその影響力は計り知れない。


 将軍となった経緯は元々三大将軍の一人であった前騎士団長がグレンに心を折られてやめてから、その穴埋めという形で一時的に三大将軍の地位を与えられた。

 あくまで一時的であり、より相応しい者が現れればその者に与えられる予定であった。


 だがしかし。その探知能力・察知能力・更には指揮能力の高さが認められて、戦闘力こそ当時は低かったものの将軍として万の兵を率いらさせれば、ほとんど犠牲者を出させずに圧倒的な戦果を挙げた。


 その功績を認められて3年程ですぐさま将軍の地位を正式に与えられた。


 三人目は辺境伯にして今現在ヤマダ王国・軍部の最高権力者・将軍・ディスラ―・カルマ・年齢は78とかなり高齢だが、能力で言えば英雄クラスの戦闘力と英雄クラスの指揮能力を持った存在であるため、その肉体はほとんど老化を感じさせない程に鍛え上げられており、ぱっと見の年齢は40代程である。


 ヤマダ王国においては最も天魔に近い男と言われていた男でもある。


 基本的に他国の侵略への防衛や、国内の治安維持を行っている。

 数々の功績を立てており、影響力だけで言えばカレーヌをも超える程あり、先代国王の頃から仕えており、ヤマダ王国について国王よりも知っている存在。


 周りからは将軍と呼ばれている。

 【探知の天魔】とは違いハーレム主義者であり。英雄色を好むのといのを見事に体現している存在。

 妻が28人おり。子供は100人以上いると言われている。(本人も正式な数を把握していない)


 因みに将軍という地位であり。更には英雄として様々な功績を立てた上に妻と共に商売にも手を出し大成功を収めているため。財力的には国内でもトップクラスである。


 そんな三大将軍なのだが。今。崩壊の危機を迎えていた。


 理由は簡単であるカレーヌが結婚をしたからだ。

 

 初代国王である山田国王は将軍という地位を作る際にいくつかのルールを定めた。

 そのうちの一つに現在将軍職についている女性が結婚をした場合は、子供・育児のことを考えて将軍の職を辞めてもいいというルールだ。


 基本的に将軍という地位は偉大なものであり、自分勝手に辞めますというのは出来ない。だけど山田国王は性について非常に寛容であり理解があり。そして優しかった。


 だから将軍職という辞めにくい職だが。結婚の際には辞めてもいいというルールを定めたのだ。

 もちろんカレーヌはそれを行使した。


 当然の流れだ。

 将軍としているということは、1年に1度のペースである万の兵士を動かさなければ解決出来ないような問題に強制的に駆り出されるということなのだから。


 そしてそうなった時解決までには大きな時間を要する。

 もちろんカレーヌが広範囲殲滅が可能な天魔・もしくはイトのような戦闘型の天魔であれば、一人で行って解決というのも出来ただろう。

 だけど。カレーヌは補助型の天魔であり、直接的な戦闘力はどうしても低くなるし。広範囲殲滅の力もない。


 自分が将軍として駆り出されてから、その問題を解決するのにかかる時間、自分の愛するグレンに会えないということを考えたら、将軍をやめるというのは至極当然のことであった。


 その事実に今現在お腹を痛めていた人物がいた。


 その人物はもちろん結婚をさせる際に全て面倒事を解決させると言ってしまった国王・ダラン・アスモート・ヤマダ、その人であった。


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ようは魔の森の守護・【探知の天魔】

城の守護・カレーヌ

国境線での防衛・ディスラー・カルマ

って感じです。


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皆おいらに星とハートを分けておくれ~~~~~~。

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