第63話・断罪
俺がマリちゃんとナナの感動の再会に軽く涙していたら、それをチャンスと見計らったのか、【星光の天魔】が逃げ出そうとする。
「おいおい、逃げるなよ。虚無結界」
俺は【星光の天魔】を虚無結界内に閉じ込める。
一応虚無結界は空間から遮断する力を持ってるし、最強の天魔である俺が作った結界なんだ。流石に破壊とは出来ないだろう。
正味最初っから結界に閉じ込めればよかったな。そっちの方が楽だし。
反省反省っと。
「さてと。ナナ、せっかく感動の再開が出来たことだし。ナナは暫くここにいてもいいよ」
「じゃあ。お願いするなの。でも、その前に一つやりたいことがあるなの?」
「ん?やりたいこと?別にナナの好きにしていいよ」
「ありがとなの。ご主人様。光線」
その瞬間手足が宙を舞った。
「ギャアアアアアアアア」「いてえええええええ」
両手足をナナの光線によってぶった切られたシスターと司祭から叫び声が上がる。
「ちょっと、タンマ。え?何してるのナナ?」
「何って、災いの目を潰しただけなの?あ、後ここの貴族も殺さないと駄目なの」
俺はナナの言葉を理解しようと試みて、ナナ経由で入ってきた記憶の断片を確認する。
そして理解した。
マリちゃんとナナが豪華な部屋にて裸のデブに捉えられ、マリちゃんが殺されている様子と金銀財宝を手にして高笑いを上げてるシスターと司祭の記憶を見て。
ようは。多分このシスターと司祭は人身売買をしてたのだ。
そしてナナはその復讐を果たしたと。
なるほどね。なるほどね。一応サクッと鑑定眼でシスターと司祭の心を見たが真っ黒だった。
うん、確実だな。
「なるほどね。理解したよ。ナナ。でもここで殺したら孤児施設の運営はどうする?それにマリちゃんとナナは良いけど。他の皆はいきなりの事態に戸惑い泣いちゃってるよ」
「それは・・・どうしようなの」
「答えは簡単だよ。洗脳すればいい。治癒魔法・接合」
俺は二人の四肢を治癒魔法で接合させて回復してあげる。
でも、痛覚はそのままなので、まだ激痛は走ってると思う。それは知らん。
「さて。セリカ。この二人を洗脳させて一生孤児施設にて子供たちの為に働かせといて」
「神様の仰せの通りに」
セリカは俺に礼をし、そう言ってからシスターと司祭の元に近づいてシスターと司祭の頭の上に手をのせる。
「【洗脳の天魔】であるセリカが命じる。二人は一生この孤児施設の為に子供たちの為に働き、数多の子供たちを幸せに立派に育て上げろ」
「「はい」」
天魔ですらない。一般人がセリカの洗脳に逆らえるわけがなく、綺麗に洗脳される。
これで良いかな。
「ナナ。これで完璧だ。さて後は変態貴族も始末した方がいいかな?」
「はいなの。だからカレーヌお姉ちゃん、探知お願いなの」
「分かったよナナ。そういうと思って、もうすでに探知は完了してるわ。ナナの記憶を元に変態貴族の居場所を突き止めたわ。今情報を共有させたから、後はナナの好きなようにしなさい」
「ありがとなの」
当たり前のように今の状況を理解して、把握して最適解を取るカレーヌ、何だろうカゲウスの時もそうだったけどさあ、カレーヌ状況把握能力高くね。
もしかしたら探知の力が優れてるから。空気的なものを探知、いや察せれるのかな?
まあ。どちらにせよいいことだな。
「あのう。ご主人様の力で変態貴族を細胞の一つも残さずに消滅させて欲しいなの」
一瞬洗脳を考えたが。まあ。面倒に感じたので消滅の方が楽だなという結論に至る。
「まあ、そうだな。よしじゃあ消滅させるか。遠隔消滅」
俺はカレーヌから共有して貰った位置情報を使って変態貴族を消滅させた。
一応、消滅させる前に魂を覗いたが真っ黒というか少し紫がかってる気持ち悪い色だったので、一切のためらいなく消滅させた。
いや~。良いことしたな。
「これで変態貴族は完璧に消滅されたよ。さて、じゃあ今度こそ【星光の天魔】を連れて転移するわ。ナナはマリちゃんと遊んどいていいよ、もし何かあったら念話しろよ」
「分かったなの」
俺は虚無結界を解除して今だに逃げる隙を伺ってる【星光の天魔】を怠惰の力で逃げる気力を怠惰にさせてから、髪を引っ張り、ナナを除くメンバーで元の応接室に集団転移した。
―――――――――――――――――――――
「まあ。取り敢えず、セリカ今の状態で洗脳は可能か?」
「試してみます。神様」
・・・・・・・・・・・
暫くセリカが【星光の天魔】を洗脳しようと色々と試していたが、どれも上手くいかずに抵抗されてしまった。
「まあ、流石に天魔を簡単に洗脳は無理か。一番簡単なのは全ての記憶を消滅させて真っ白な人間にすることだけど、どうする?」
俺のその言葉に「ヒィ」という情けない声をあげる【星光の天魔】、でもまあ無理はない。
だってそれは=死、いや下手をしたらそれよりも恐ろしい地獄のような状況なのだから。
今の自分を形成している記憶が全て消滅され、残った肉体だけが洗脳されて酷使され続けられる。
考えただけでも悪魔みたいな所業だ。
まあ、俺は悪魔よりも恐ろしい天魔だけど。
「神様、大変身勝手だと思いますが。それはせずに洗脳させたいです。私は記憶のある状態のこいつを洗脳させて。自由意思を奪って永遠に酷使させて死よりも恐ろしい目に合わせたいのです」
セリカの怒りがヤバいな。怖すぎるだろ。まあいいけど。
やられたことを考えたら妥当だし。
「オッケー。分かった。じゃあ本格的にバキバキに心を折るか」
「はい。ありがとうございます。神様」
「というわけだから、コイツを裸にして、【私はロリコンの変態です】ってお腹に【私はショタコンの変態です】って背中に文字を焼いて、人のいい感じでいる広場にでも貼り付けにするか」
「ハハハハハハハハハハ。最高ですね。神様。本当に最高ですね神様」
「セリカ。流石に笑い過ぎですよ。グレン様に迷惑です」
「ああ。いいよ。イト。別にそこまで気にしてはない。まあセリカの笑う気持ちも分からなくはないからな。さて、じゃあカレーヌは良さげな広場を探知しといて。イトはこいつの体にさっき言った言葉を斬って入れて、俺がそれを上から焼くから」
「分かりました。第五王子様」「分かりました。グレン様」
「じゃあ。神様、私はこの屑の苦しむさまを見ていますね」
「ああ、そうしてくれ、まあすぐ出番はくるけどな」
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イトの華麗なる剣さばきであっという間に【星光の天魔】の服は切り刻まれ、背中と腹に文字が切り刻まれる。
それを俺が火魔法に追加で様々な補助効果を【万能の天魔】を最大限に使い重ね掛けして焼く。
そうして出来上がった屈辱感で心バキバキの天魔に。力を使われると厄介なので。俺とセリカで協力して一定期間の間一切力を使えなくなるかなり強力な呪いをかける。
これでこいつは一般人程度の力しか持てないけど再生能力だけは天魔クラスにあるという。悲しき的の完成だ。
後はカレーヌが見つけた良い感じの広場に転移してつるして心をへし折って洗脳して終わりかな。
うん。中々に上手くいてるね。後は他の二人の天魔が戻ってくるまで40分程。サクッと終わらせて迎え撃つ準備をしなきゃだな。
面倒だけど。まあしょうがない。
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皆~~~。おいらに星を分けとくれ~~~~~~~~。
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