第52話・新たなハーレムメンバーセリカ参戦

 チュパチュパチュパチュパ


 うん。洗脳の天魔?なんかずっと俺の指咥えてくるのだが。そんでもってずっと舐めてくるのだが。


 ・・・・・・・・・


 新手の変態ですか?


 え、なんかマジで反応の困るのだが。久しぶりだぞ俺がここまで困る事態ってある意味で凄いぞ。


 ・・・・・・・・・


 どうしようか?面倒だし。無視でいいか。


「さてと。じゃあ洗脳の天魔ってのは言いにくくて面倒だな、名前はなんていうの?」


「名前ですか?今の私に名前はありません」


 俺の指から口を離すとそう当たり前のように言い切った。


 確かに考えてみれば名前はなくて当たり前かもな。

 名前というのはそれだけその人の自我を保つ指標となりやすいしからな。それはまあ聖教国の腐ったやり方を考えたら一番最初に消すわな。


「じゃあ名乗りたい名前はあるか?」


 俺は名前がないと不便だと考えて質問をする。


「名乗りたい。名前ですか?そうですね・・・グレン様が、いえ。神様が付けてくれませんか?」


「いや待て、何故俺の事を神様と呼ぶ?」


 俺に名前を付けてくれということよりもそのことに驚きがいき、つい突っ込みを入れてしまう。


「私は幼い頃から母親に貴方は神様に仕えるのよと育てられてきました。つまり私の主であるグレン様は神様です」


 あ~、なるほどね納得したわ。うわ聖教国の闇が出てるな。まあでも認めてあげるか。別に俺に害はないし。


「分かった。俺の事を神様と呼ぶは理解できたよ。でも、俺に名前を決めろってのは面倒だ」


「そういわずに私に名前を付けてください。そして私を神様の永遠の僕に。ハアハアハア」


 何だろうやっぱり思ってたの違う。

 新手の変態じゃん。


 ・・・・・・・・


 まあいいか。俺に対する忠誠心はマックスっぽいし。便利だし。そういうのを考えるのは面倒だ。変態は無視が一番だ。何かの本にも書いてあったしな。多分・・・多分。知らんけど。


 さて名前どうしようか?


 まあ適当に洗脳の天魔やから、最初の文字はセにして。後はセから始まる感じで似合いそうな名前。そうだな。セリカ。うん決めたセリカにしよう。


 別に特段理由ない。ただ何となくそれが一番最初に頭に浮かんだだけだ。


「分かった。じゃあお前の名前は今からセリカだ。これからはセリカと名乗れ。分かったか」


「セリカですか。いい名前をありがとうございます。神様。私の髪の毛一本からつま先の爪まで。全てを捧げてこのセリカ、神様に永遠の忠誠を誓います」


 俺に跪き首を垂れるセリカ。


 うん。どうやら気に入ってくれたみだいな。いやはや良かった良かった。にしてもうん忠誠心の値バクってるるな。まあいいけどさ。


「取り敢えず顔をあげろセリカ。今からお前に命令を下す。内容は簡単だ。そしてセリカも望んでる内容だ。聖教国にいる屑どもを全員洗脳してこい。一応補佐にカゲウスと俺のネズミ眷属を付ける。セリカの好きなように使え、もし他の天魔が表れて邪魔をして来たら念話で呼べ、イトとナナと俺の3人の天魔という過剰戦力で対処してやる」


「あ。ありがとうございます。神様。その任務。この命をかけましてでも遂行させて見せます」


「いや。別に命はかけなくていい。そんなのは望んでいない。それでセリカが死んだ方が面倒だ。本当に危ないと思ったら逃げろ」


 ぶっちゃけセリカに死なれて洗脳の天魔という汎用性の塊みたいな戦力を失うのはマジで困る。非常に面倒だ。


「何とお優しい。分かりました。神様。決して無茶は致しません」


「ああ。それでいい」


「では今すぐ行ってまいります」


 セリカがそう言ってそのまま一人で聖教国に向かおうとしたので慌てて止める。


「違う。そんなことしら目立つだろ。普通に勇者パーティーについて行って。いつもの感じで聖教国の上層部に接触して洗脳してこい。何、勇者パーティーのメンバーの洗脳はもう既に俺が解いたし、勇者いや偽物勇者の方の力も今からナナの為にも奪う、いや取り返すつもりだ。」


「ようは俺が偽物勇者の力をゼロにするからその危機を知った聖教国上層部は原因究明の為に絶対に偽物勇者を呼び返すだろう。そんでもってセリカが洗脳から解放されたのは聖教国上層部は確実に気が付くと思う」


「だから敢えて、解けたが聖教国に忠誠をまだ誓ってる振りをして、偽物勇者の力を奪い私の洗脳を解いたのは山田王国に忍び込んでいた魔王の配下の四天王という話をしてこい、そうして勇者の力はその四天王が魔王城に宝玉として封じ込めて転移させたとでも言ってこい」


「そうすればセリカは多少は怪しまれるだろうが、それ以上の大きな問題の前に人は意識をそっちに割かれて、そんなに気に留められないだろうからな。その間に洗脳しまくって復讐をしてこい」


「なるほど。流石神様でございます。今の一瞬でそのような策略を練るとは」


「別に策略なんてたいしたものではないよ。あ、それと今のままだと流石に力が増えたことに気が付く強者がいるかもしれないから、オーラ消滅。取り敢えずこれで1週間程は強者のオーラを前と同レベルまで消滅させておいたから大丈夫だろ」


「ありがとうございます。神様。ではそのように」


「うん、よろしくね。じゃあ今周りにかけてる幻覚魔法とくから、俺に忠誠を誓うような不自然な態度は避けろよ」


「分かりました。神様」


「じゃあ。解除っと。取り敢えず俺は勇者の力を奪って、いや取り返しにいってくるわ」

 そう言って俺は偽物勇者の元に向かった。


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 補足説明という名前の軽いネタバレ?

 聖教国の上層部は自分の信じたいことを信じる傾向にあります。

 また、聖教国が偉大な国であり。そんな聖教国に人間は無条件で従うと信じて疑っていない。ヤバい奴らです。

 ですが今回はそれが功を奏して。洗脳を施し、呪いをかけたセリカもとい洗脳の天魔が洗脳と呪いが解けても忠誠を誓ったというのを当たり前のことだと受け止めます。

 ですので怪しんだりとかされずにセリカは簡単に聖教国に入り込めます。


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