第43話・新しく騎士団長(天魔)が眷属になったよ
今俺は廊下を一人で歩いて勇者パーティー歓迎会に向かっている。
まあ、何で一人で歩いてるかというと。まずイトは王の護衛に回っている。ぶっちゃけた話、勇者パーティーに【洗脳の天魔】という化け物がいるからな。ないとは思うが父上が洗脳されたらマジで超絶面倒だ。それの回避のためというか見張りだ。
それに勇者自身も偽物勇者ではあるが英雄クラスの強さを持ってるからな。
何かしらの狙いがあって、父上が殺されたり。危害が加えられて寝たきりとかになったりしても死ぬほど面倒だからな。
今の国には父上は必要不可欠であり。父上にもしもがあれば内乱が起きて確実に俺の今の素晴らしい生活に支障が出るからな。
それは避けたいという話だ。
そんなわけでイトを護衛につけさせた。もちろん父上に頼まれたってのはあるが。
当たり前だがナナは普通にお留守番だ。
俺の力を使えばナナの容姿もいじれるが。相手は洗脳の天魔と偽物勇者、その他のパーティーメンバーだって準英雄ないし英雄クラスの力を持ってるんだ。
何かの拍子に見破られたりしたら最悪だ。面倒ごと待ったなしだ。
というわけで部屋でお留守番をさせている。
今頃俺の勧めた本でも読んでると思う。一応俺の読んだ本の中でもかなり面白い本を進めたから夢中になってると思うわ。
そんな理由で二人はいないというわけで俺一人で廊下を歩いて向かってるというわけだ。
まあ、でも特に何もないだろう。
別にパーティー会場に向かうだけだからな。
なんてことを考えながら歩いていた時だった。
死角から剣が飛び出してきた。
そしてその剣は俺に刺さろうとしたその瞬間に消滅した。
「うお。珍しいな。俺の自動消滅が発動するとは。で?俺になんの用だ?騎士団長さん?いきなり剣で切りつけに来るって」
俺の視線の先には相変わらず恍惚とした表情の騎士団長がいる。
うん。普通に危ないな。俺じゃなかったら死んでるぞ。まあ別に無事だし面倒だしとやかく言うつもりは一切ないが。
「ああ。素晴らしい。凄い力だ。今の攻撃に対して剣ごと消滅させた。やっぱり第五王子様の力は本物だ。ああ。ああ。ああ。興奮する。是非是非是非に私を抱いて」
恍惚とした笑みで俺に抱き着いてくる。
避けようと思えば避けれたかもしれないが、思った以上にエロくてそのまま抵抗せずに抱き着かれてしまう。
思いっきり柔らかいおっぱいが当たる。
中々どうしていいものだな。
「私。強い人が大好きです。だから私を抱いてください。そして側にいさせて下さい」
恍惚とした表情のまま俺に抱き着いて縋るように耳元でそう囁いてくる。
正直結構揺れている。
でも。ここで衝動的なアレで彼女を抱いたら訪れるだろう面倒ごとを考えると萎える。凄く萎える。ないな。俺は面倒は嫌だ。嫌いだ。
「何故そんなに悩むのですか?私は側室でも構いません。都合のいい女で構いません。直して欲しいところがあるのならば言ってください。どんな要求にも答えて見せます」
滅茶苦茶必死にそう縋ってくる。しかも少し涙目で。なんか俺が悪いことしてるみたいで少し罪悪感が湧くな。
俺は何一つ悪くないけど。
「ああ。そうだな。俺は面倒が嫌いなんだよ。今ここで騎士団長を抱いたら起こるであろう面倒事とか。騎士団長が俺の専属メイドになったらば起こりそうな面倒事とか考えたら本当に面倒なんだよ」
「じゃあ。絶対にバレないように会いに行きます。騎士団長の任は続けます。何があっても第五王子様には迷惑はかけません。だからお願いします。私を私を抱いてください。もしくは側にいさせて下さい。繋がりを下さい」
うん。それは揺らぐな。可愛いし尽くしてくれそうだし。取り敢えず一旦落ち着いて俺のメリットデメリットを考えてみよう。
俺のメリットを考えてみよう。
まず最初に俺に対して絶対の忠誠を誓う部下が出来る。能力的にも俺が眷属化させれば多分天魔になると思う。
そんでもって天魔になったら探知系統の能力が鍛えられるだろうから。探知に優れた天魔となるだろう。それは俺のグウタラ怠惰生活に凄く役に立つと思う。
だってそれを使えば事前に察知して面倒事を避けられるのだから。
二つ目は本を読みながらでも寝ながらでも性欲が処理出来る。いやまあ。ぶっちゃけ話。今現在17歳という思春期の体なわけで性欲は溜まる。
溜まらないわけがない。
それをいつも一人でサクッと本を使って終わらせていたが。それでも時間は取られるし。煩わしさは感じていた。
もちろん。消滅の力を使えば性欲を消滅出来るが。出来るのだが。流石に三大欲求のうちの一つを消滅させるってのは恐ろしすぎて出来ていない。
どんな副作用があるか分かったもんじゃないからな。
でも、それを頼めばサクッと手伝って終わらせてくれるだろう。
後は童貞を卒業という貴重な経験?が出来る。少々面倒には感じるが興味はある。本でしか知識はないからな。面倒だったらやめればいいだけだしな。
逆にデメリットは何だ?
まず新しく天魔という存在が眷属になる。ぶっちゃけ二人から三人に増えるのは。そんな問題ない気がしてきた。
後はバレたときに面倒ってのも全力で隠してくれるだろうし、天魔になったらその隠すというのは更に容易になるだろう。
ぶっちゃけ同じ天魔もしくは神器保持者、後はワンちゃん英雄クラスなら気が付くかなってくらいだ。まあ常識的に考えて普通の人は分からないな。
一応探知の天魔がいるが。あの人とは知り合いだから。どうとでも言い訳はできる。
・・・・・・・・・
デメリットなくね?
「分かった。じゃあ騎士団長いやカレーヌ。俺に一生の忠誠を誓えるか?」
俺は眷属化の条件を満たすための質問をする。もちろん【万能の天魔】を使って嘘か本当かは確認中だ。
「はい。もちろんです」
本当だな。うん。これならば眷属にして大丈夫かな。
俺はカレーヌにキスをした。
前イトにやったのと同じ方法だ。血を分け与えてもよかったが。薄皮消滅少しは痛いからあまり好きじゃないんだよな。後こっちの方が早い。
「ああ。ここで私は初めてを」
唇を離すと相変わらずの恍惚とした笑みでそう満足げに呟くカレーヌ。
「いや。別に今はしないよ。今から勇者パーティー歓迎パーティー?歓迎会?どうでもいいか。それに行かないと行けないからね。まあでも取り敢えず。天魔にはしといたから。必要な時は俺の方から念話で伝えるわ」
「私が天魔ですか?」
イトを天魔にした時と全く同じことを言うカレーヌ。うん流石イトの友人というべきか。仲良しだな。
「ああ。そうだよ。正真正銘の天魔だ。見た感じ天魔としての力は察知かな?まあここら辺は真希が判断するだろ。でも取り敢えずカレーヌはありとあらゆる全ての事柄を察知する力を手に入れたわけだ。かなり便利そうだな」
あくまで予想ではあるが天魔ということも加味すれば半径100キロ程度ならば余裕で探知できると思う。
そして。それに俺の空間魔法と組み合わせれば半径100キロを自由自在に行き来が出来ると思う。
うん。凄く便利そうだな。
連続で転移をすれば大陸の端にある行ったこともない場所にも簡単に行けるな。
「本当だ。全てが分かる。全てが探知出来る。凄いこれが天魔の力なのか。ああ、でも天魔になったからこそ分かる第五王子様の力が。何という圧倒的な力だ。全てが出来る万能の力。全てを消滅させる消滅の力。全てを怠惰にする怠惰の力。全てを支配する支配の力。全てを虚無の彼方にする虚無の力。ああ。ああ。凄すぎる。私の想像以上だ。なんてなんて凄いんだ」
「まあ、そうだな。一応これでも世界最強だからな」
少しだけカッコつけてそう言ってみた。まあノリだ。
「世界最強ですか。ああ。嬉しい。それは凄い凄い凄すぎる。凄すぎます。私はそんな人の眷属になったのですか。そしてそんな人に抱いて貰えるのですか。側にいることが出来るのですか。ああ、素晴らしい。素晴らしい最高に嬉しいで。ああ。もう本当に最高です」
自分で自分の体を抱きしめながら恍惚とした笑みで喜ぶカレーヌ。うん。そんなに喜んでもらえるとはこちらとしても嬉しくなるな。少し変態ちっくな気はするが。まあいいか面倒くさい。
「まあ。でも。取り敢えずは今から勇者歓迎会に行かなければならないのでな。変に遅れて悪目立ちはゴメンだし。向かうわ」
「なるほど分かりました。ではまた後程」
「ああ。そうだな。じゃあまた」
―――――――――――――――――――――
補足説明
自動消滅・・・主人公ことグレンが常に発動させている能力。効果としては自分の体を傷つけるほどの威力のある攻撃が向かってきたときに自動的に消滅させるというもの。
基本的にこの自動消滅を破るのは不可能に近く、破るとしたならば。自動消滅に力が回せなくなるほどにグレンに消滅の力を使わせる。(島一つ消滅させてもそこそこ疲れたで終わらせれるグレン相手に出来るか?)
【封印の天魔】や【消耗の天魔】等の力を使って消滅の力を消耗もしくは封印させる(それをするとしたらば滅茶苦茶に力を使う上にその他の力はノータッチなんで。すぐに怠惰の力で怠惰にさせられて終わり)
特殊な神器を使う。(使う前に消滅させられる)
まあ。つまり無理というわけです。
だから主人公最強なんですよ。(作者としても主人公強すぎだと思います)
もちろん自動消滅はグレンを傷つけることの出来ないような威力の低い攻撃、具体的には超一流クラスまでの攻撃はグレンにとってそよ風のようなものなので発動はしません。
グレン強すぎワロタ。
まあ。一応設定としては【万能の天魔】の中にある頑丈や肉体強化、完璧な筋肉に魔法耐性や物理耐性等々があるので。そういう防御系統だったりの力も全て超一流以上あるのでそれは硬いって話です。
そもそもの魔力量や身体能力がいくつも天魔を持ってる時点で下手な天魔の何倍もある正真正銘の化け物ですからね。
準英雄クラスの攻撃だとしてもせいぜい、薄皮を切り裂けるくらいです。
―――――――――――――――――――――
星の数だけ作者は強くなる。多分。多分。そんな気がする。
という訳で少しでも面白いと思って頂けましたらハートや星を頂けると最高に嬉しい限りです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます