第39話・本当に救いようのない馬鹿だ
「グハハハハハハハハ。グハハハハハハハハ。第一王子、お前。グレンに。あのグレンに負けるとか弱すぎだろ。グハハハハハハハハ」
何か闘技場の奥の方から不愉快な笑い声が聞こえる。
これはまさかまさかまさか。馬鹿第二王子じゃね?
「よう。グレン。次は俺と戦おうぜ。もちろん俺が勝ったらイトは俺の物だ」
そんな馬鹿なことを言って登場してきたのは案の定の馬鹿第二王子だった。
うん。コイツは馬鹿だ。
それも救いようがない程の馬鹿だ。
やっぱりさっきの言葉、前言撤回を前言撤回するわ。
絶対に第二王子の方が王にしたらヤバい。一日で国が崩壊する気しかしないわ。常識的に考えて天魔であるイトに向かってしていい態度じゃない。
分かってるのか?イトはこの場にいる人間全員を瞬殺できる存在だぞ。そもそも何故こいつは勝手に話に入ってきて勝手に物事を進めているんだ。馬鹿だろ。救いようのない馬鹿だろ。
頭の中にウジ虫湧いてるんじゃないの?
「ハア。面倒くさい。いいよ。じゃあかかってこいよ」
俺は馬鹿第二王子を挑発してやる。すると馬鹿は単純なんで簡単に乗って従者からしっかりと刃の付いた剣を受け取り俺に斬りかかって来る。この時点でアウトだ。
「死に晒せ~~~~~」
俺はそれに対して一瞬だけ。ほんの一瞬だけ。馬鹿第二王子だけを狙って殺気を出した。
「グヒャアアアアあ。ハハハハハハ。ああああ。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。ああああ。ヒャアアアア。ああああ。ハ」
ジョワワワワワワ
気が狂ったようにというか実際に俺の殺意に当てられて発狂して、そのまんま失禁した。
一応最低限の手加減はしたし。
オールオッケかな。
ちなみにその様子を見ていた周りはポカンとしている、まあ、それはそうだよなって話だ。はたから見ればいきなり馬鹿第二王子がいきなり発狂して失禁したような感じだからな。
まあ、わけわからないわな。ただ騎士団長だけ俺のほうに熱い視線を送ってきてる気がする。まあ。あくまで気がするだし。うん気にしないでおくか面倒だし。
「さてと。じゃあイト、ナナ部屋に戻るか」
「「はい」」
「あ。そうだ。おい馬鹿第二王子の不倫相手この失禁してる馬鹿をちゃんと連れ帰れよ」
俺はわざと大きな声でそういう。
因みに不倫相手がいることは確認済みだ。そんでもってどう出るか見てるわけだ。
いやなんだ?軽くネズミ眷属に不倫相手のことを調べさせたのだが驚くべき結果がでたんだ。
まず彼女は幼少期から鍛錬に励み並外れた力を獲得した後、まるで未来でも知ってるかのように人の悪事を暴いたり犯罪を止めたり人を助けたりして聖女と周りから讃えられていたとある伯爵家の令嬢らしい。ついでに言えば美少女である。
それが何をとち狂ったか馬鹿第二王子の愛人となるっていうね。
うん?マジでこの不倫相手の狙いが分からない?
さてと不倫相手はどんな反応を取るかな?ここで見捨てたら多分何かしらの狙いがあって馬鹿第二王子の愛人になっていると思う。
ここで助けに行ったら本当に心から馬鹿第二王子を惚れていると思う。
さあ?どうなるかな?
・・・・・・・・・・
でまあ。誰も来なかった。
うん。どうやら見捨てる方向で固めたらしいかな。まあ、確かにこんな人がいっぱいいる場所で滅茶苦茶に醜態を晒した第二王子を不倫相手が回収ってそれは中々の地獄だな。
ぶっちゃけ馬鹿第二王子気を失ってるからな、ここで見捨てても馬鹿第二王子の好感度は下がらなそうだしな。
後でどうとでも言い訳できるからな。
そうなるとこの不倫相手は何かしらの狙い、ないし目的があって馬鹿第二王子に愛人となってるってわけか。まあ、この情報はそこそこ大きな収穫であるな。
そんなわけで俺は失禁してる第二王子に俺に負けて自信喪失してへたり込んでる第一王子を完璧に無視しながらイトとナナと一緒に周りからの視線も全部無視して堂々と部屋に戻った。
まあ、引き止めよとしてくる馬鹿はイトが威圧したから誰も止めに入らなかったてのはあるがな。
部屋に戻ったら三人で仲良く高級フルーツでもいただきますか。あれは凄く美味しいかったしね。
俺はこれであの時感じた面倒ごとは終わったと思っていた。これで解放されると思っていた。でもそれは勘違いであり幻想であり。
まだまだ面倒ごとは続いていると。
その時に俺は一切気が付いていなかった。何なら気が付かずに美味しく高級フルーツ食べてました。
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補足説明
イトは天魔になり周りからの態度は変わりましたがイト自身は自分の力で天魔になったわけではないので基本的には第一王子には前と同じように様付けをしてますし、国王も国王様と言ってます。
ただ。主がその場にいて。呼び捨てにしたほうがいいと判断した場合は呼び捨てにしてます。
因みに現在の騎士団長とイトはそこそこ交流があり仲が良かったです。
ただイトが天魔となったことで少し疎遠気味です。
ただイトはまだ仲が良い友人と思っているそうです。
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