第20話・ネズミの眷族化
「グレン様、ネズミ貰ってきましたよ」
イトは大きな籠というかゲージを担ぎながらそう言ってきた。
ゲージを見ると中には15匹ほどのネズミが入っていた。しかもどのネズミも健康かつ丈夫そうだった。流石姉上動物好きなだけあってネズミの管理も凄いな。
というかネズミもこのレベルで育成してるって。いや、まあ何というか俺が言えた義理じゃないけど王女として大丈夫なのか?王族としてええのか?
まあ。俺はそれに助かってるわけだしいっか。
「さてとじゃあ、早速眷属化していきましょうか。方法は超簡単。まずは調教だ」
俺はネズミを軽く睨み付けた。
それだけでネズミはピシッと俺の方を向き頭を下げる。
まあ万能の天魔だからなこれくらいは簡単だって話だな。
まあ。もちろん動物調教の技能は超一流クラスで止まってるのだがな。それでも大丈夫か。いやまあ多少特訓すれば準英雄クラスにそこそこ特訓したら英雄クラスまで行くのだが、そこまでするのは非常に面倒だ。うんしなくていいや。
その後はゲージから出して一列に整列させる。
俺がそうしろと念じながら睨めば簡単にネズミたちは行動をしてくれたんで結構楽だ。
「さて、これでネズミは俺に完璧に忠誠を誓ってくれたかな?じゃあ、血を与えて眷属化させますか。薄皮消滅」
俺は自ら指の手の皮を消滅させて血をネズミたちに向かって垂らしていく。
そしてそれを舐めるネズミ達。
その瞬間ネズミの体が発光し、明らかに力が溢れ出す。
「我が忠誠を誓いますチュウ陛下」
全部のネズミに血を与えて眷属にし終わったらネズミ達が自らの足で立ちやけに甲高い声で人間のように敬礼ををしてきた。
うん。眷属化は完璧に成功したかな。多分能力的には一流クラスはありそうかな。強いね。
「さてと。ネズミ達よ。お前らに命令を下す。取り合えず仲間を集めろ、まあ、数は100でいいや。ネズミの中でも優秀そうなネズミを100俺の前に連れてこい。連れてこれる準備が終わったら俺に念話で伝えろ」
「分かりましたでチュウ。陛下。その任務この命に変えましても達成してみませますでチュウ」
「いや。別に命に変えなくてもいいから、まあ程々に頑張ってくれ。というわけでサッサと行け」
「はいでチュウ。陛下」
そうしてネズミ達は何処かに駆けていった。
「さてと。じゃあイト、お腹が減ってきたからご飯頼む」
「分かりました。グレン様。今すぐに準備致しますので10分ほどお待ちください」
「はいよ。じゃあそれまで寝てるわ。お休み」
スピースピースピー。
10分後
「ご飯が出来ましたよグレン様」
イトの用意してくれたご飯を見たら普通に美味しそうなオムライスだった。
「おお。ありがとうイト。じゃあ自分で食べるの面倒だから食べさせてくれ」
「もう。しょうがないですね。グレン様は。じゃあ。はい、あ~ん」
少し顔を赤らめながらやけに嬉しそうなイトを見ながら俺は黙々とイトにあ~んしてもらってオムライスを食べさせて貰うのだった。
普通に美味しかったです。
それと、自分で食べるのが面倒だからと食べさせて貰ったが。
まあ結論を言えば普通に一人で食べた方が早いです。うん。
確かに楽ではあったが、時間的効果を考えたら今度からは一人で黙々と本片手に食べるわ。
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