第15話 3.11震災の時のこと

最近、あまりにおかしなJ会社社員の話を見たり聞いたり、実際に接したりするもので。

ふと、3.11のあの震災の時の事を思いだしました。


あの時、わたしはやっぱり今の部署にいて、確か四国の社員(もちろん、J会社の社員です)と電話をしていたのです。


グラグラっと揺れたと同時に、フロア中に鳴り響く緊急地震速報。

それはきっと、電話の向こうの社員にも聴こえていたはず。

ものすごい揺れで、椅子に座っている事でさえ怖くて、とりあえず机の下に身を隠そうと、わたしは相手の方へ状況をお伝えしました。


「申し訳無いのですが、今ものすごい地震がきていまして・・・・」

「へぇ、そうなんだ?それでね」


・・・・相手のそいつは、そのまま話を続ける気満々のようでしたが。


「すみません、一度切ります!」


強制的に電話を終了し、とりあえず、ヘルメットを被って机の下に入り、身を護る事に。

その後も揺れは断続的に続きましたが、一旦落ち着いた頃を見計らって、わたしは先ほどの人へ電話を掛けました。


「先ほどは申し訳ありませんでした。お電話の件ですが」

「そうそう、あのね・・・・」


そいつは最後まで、【地震大丈夫だったの?】の言葉を発しなかったのです。



・・・・思えばあの頃からもう既に、わたしの中にJ会社への不信感は芽生えていたのだなぁと。

あれだけ甚大な被害が出ている災害で、まぁ、四国の方だったから、情報の伝わり方は遅かったのかもしれないですけど。

私が電話をかけ直した時点では、色々なメディアで、それこそ携帯の速報でも情報は既に入っていたはず。

にもかかわらず、相手への気遣いが皆無とか、有り得ないなぁと。


・・・・やっぱり、わたしは辞め時を逃したんだなぁと、今さらながらに思います。

あれから10年以上。

とっとと辞めればよかったなぁ・・・・



まぁね。

一応ね。

J会社の名誉(ほんとはどーでもいいけど)の為に言うならば、もちろんこんな社員ばかりじゃないですよ?

まぁまぁ大きな会社なんで、義援金だって相当額集まったでしょうしねぇ。

災害応援?みたいな人材も派遣しているような事も聞き及んでいます。


それもね。

穿った見方をしてしまうとね。


どうせ、世間体気にしているだけでしょ。


とか、思ってしまうのだなぁ・・・・いかんいかん。


J会社の社員の中にも、親しくさせていただいている方は数人いらっしゃって、その方達は本当に良い方です。

だから、良い方の方が、おそらく大半を占めているのでしょう。

わたしの楽観的希望かもしれないですけど、そう思っていないとやっていられないのですよ。

ただ。

記憶に残りやすいのって、悪い印象の方が圧倒的に多いのですよね、残念ながら。


信頼を築くのにはものすごい時間がかかるけれども。

その信頼が壊れるのは一瞬だ。

っていうのは、的を射た言葉なのですね。本当に。

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