第9話 業務開始日にマニュアルが無い

クライアントとどのような契約を結んでいるかにもよるとは思うけれども。

大原則として、請負業務を発注する側は、最低限の手順書(つまり、それが無いと業務の遂行が完結できない)は、発注先に渡す義務がある。

当たり前と言えば、当たり前のこと。

請負業務とは、業務を請け負った会社が、、独立して業務を完結し納品しなければならないのだから。


ということはもう、何年もの間、口を酸っぱくして我らがクライアントにはお伝えしているのだがねぇ。


我らの業務の中でも一大イベントとなる年次業務が、一部システム移行するということでガラリと手順が変わるため、こちらの準備期間も含めて『5ヶ月前までには手順書をいただきたい』旨を1年以上前からお伝えしていたにもかかわらず、業務開始日当日になっても確定した手順書がいただけない業務があった。

『期限までに手順書を準備します』とか、言ってたくせに。


これ、もうブチ切れてもいいレベルよだよねっ?!

まぁ当然、何度もブチ切れた訳ですけど。


結局、クライアントから『都度指示』を受けて業務を遂行するという、明らかに『偽装請負』な状態で業務を行うハメになった。

コンプライアンスを高らかに宣言している会社が、聞いて呆れる。

おまけに、どれだけ抗議の声を上げたところで、クライアントは謝るだけ。

・・・・謝るだけまだマシなのか?


ただ。

これ、今回が初めてじゃあないんだよね。

何回繰り返せば気が済むのか。


1つなんてもう、呆れて物も言えないくらいに酷くて。

当時のクライアントの課長(もう、色々メチャクチャにした人なので、私はその人を【クラッシャー】と呼んでいる。なので、ここでも以下【クラッシャー】と呼ぶ)は、我らが何度も『●●までに必ず大まかな作業手順を決めてください』とお願いしていたにも関わらず、担当者へ全く伝えておらず。

当人なんて涼しい顔で


「そんなこと聞いていない」


なんて言い出す始末。

それでも、我らは確実に何人も聞いているし、ふざんけんなっ!と不満を露わにし始めると


「その時はその時」


などと、訳の分からない事まで言い出して。


一体どうなってんだ、あのクラッシャーの頭の中は?!

(ちなみにこのクラッシャーは部下を潰すのも得意なようで。私が知っているだけでも2人は潰されている)


当時の我らとクライアントの関係は、史上稀に見るほどの最悪な関係だった。

見かねたクライアント側の担当者が、課長であるクラッシャーを通さずに、我らに直接謝りに来たくらい。

担当者が悪い訳じゃないのに。だって、担当者はクラッシャーから、何も聞かされていなかったのだから。


そして、もう1つ。

これも、3年も前からクラッシャーに


「業務を発注する際には、手順書と作業スケジュール表を作成してから発注してください」


とお願いしていたにも関わらず、


「手順書を作成する時間が無いので作業スケジュール表だけでお願いします」


と無理やり業務を下ろしてきやがった。


お前らこの3年なにやっとったんじゃっ!


と、私個人としては突き返したい思いでいっぱいだったが、会社として受けてしまったんだよねぇ・・・・下請け会社の辛いところよのぅ。

私も会社員なんでね。

仕事なら仕方がないからやりますけど。

なんせまぁ、その作業スケジュールも超いい加減で、結果的に作業全容を把握するまでに、何度も確認が必要になったという。

ほんとにお前らこの3年、一体なにやってたんだよ・・・・


本当に、信じられないくらいのゴリ押しクラッシャーだった。

そのクラッシャーは異動して今はもういないから、少しはマシになったけど。

でも、クラッシャーが来る前に、少しずつみんなで頑張って積み重ねて来た信頼関係は、跡形もなく崩れ去ったように思う。

少なくとも私は、今のクライアントは100%信用してない。できる訳がない。


ほんとにさぁ。

謝るくらいなら、金払えや。

そんで、できもしない約束、すんなや。


とか。

言いたくもなるっつーの・・・・

(もちろん言わないけどね。でもこれが私の本音)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る