第6話 パワハラ相談
私が常駐しているのは、J会社の『人事部』。
『人事部』のなかでも色々な『課』に分かれている。
まぁ、ある程度大きな会社であれば、そう珍しい事ではない。
私が所属しているのは、『給与厚生課』。
その名のとおり、給与社保関連、福利厚生関連の業務を執り行っている課だ。
決して、セクハラやパワハラの相談窓口ではない。
それはまた、別の課の仕事。
だいたい。
社員からのセクハラやパワハラの相談窓口を、全くの素人集団の他社に請負発注するとか、それこそアリエナイだろうし。
ただ。
J会社の社員からしてみれば、『人事部』の中でも、『給与厚生課』は割と身近な課なのだろう、とは思う。
(私からしたら、人事部自体がもう恐れ多くて敬遠してしまう部なので、自ら自分の会社の人事部にコンタクトを取った事なんて、一回もないけれども)
割と、他の課が担当している業務に関する照会が、『給与厚生課』に入ってきてしまう。
それもなぜか、J会社社員の方ではなく、常駐して業務を請け負っているだけの、他社の我らの方に。
先日、私1人だけが宛先に設定されたメールを受信した。
冒頭に、
『パワハラについての相談窓口は、こちらでよろしいでしょうか?』
と記載しつつ、その後続けて相談内容が詳細に書かれていて。
思わず最後まで読んでしまい、気持ちが ズーン と重たくなった・・・・
つーかさっ!
『よろしいでしょうか?』って聞いてるならまず、私の返信待ってくれないかなぁっ?!
私、J会社の社員でも、ましてや相談窓口でもなんでもない、全くの赤の他人よ?
めっちゃ部外者よっ?!
そんな、どこの馬の骨とも分からない奴に、こんなセンシティブなメール、いきなり送り付けちゃダメじゃないのーっ!!(+_+)
そのメール。
もちろん、その方から見た一方的な視点で書かれた内容なのだけど。
あー、ひでー上司・・・・
って、思いました・・・・そして、そんな上司なんてJ会社には履いて捨てる程いるんだろうな、っていうのも想像に難くないし、実際に近しいJ社員から聞いた事もある。
とはいえ、私は完全なる部外者。
なので。
J会社の人事部 給与厚生課の偉い人に、そのままメールを転送したのでした。
ま、我らの請負業務対象外、ってことで。
その後どうなったかなんて、もちろん私に報告なんてないし、別に教えて欲しい訳でもないけど。
・・・・なんだかねぇ。
あんなメール貰っちゃうとさ。
気にはなっちゃうよねぇ。
コッソリここだけで概要をバラすとね(別に人を特定してないから守秘義務違反には当たらないだろう。ついでに会社だって特定していないからな)。
●自分がやった仕事の成果を上司に横取りされた
●物申したら、窓際部署に飛ばされ、体調を崩して退職を余儀なくされた
なんか、ドラマとかではよくある設定だけど、まさか本当にあるとはね。
実際に、私にメールをくれた人は、メールをくれた月の月末に退職してしまったんだ。
まだ引退する年ではなかったと思うから。
次はよい上司に巡り合えるといいなぁ、なんて思っていたりする。
相手の上司?
うん、どうでもいい。
私の会社の人じゃないから(笑)。
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