【3】前篇

俺は、「痛い!!ちょっと離して下さいよ!!あぁぁ!!手が潰れるぅ!!」と叫ぶと、サーリアが女神様を引き離してくれていた。俺は、女神様の方を見ると女神様は無言で俺の方を見ていたが、何も言ってこないので、「俺はあなたの考えていることが分かるので……俺がここにいるのは別の目的があるんです。それに俺をこの世界に送り込んだ女神様は、あなたではなく、あの時助けた女性ですからね。あの時は、名前も知らない女性を助けただけで、別にあの女性が特別だったわけではないんですよ……。俺は……あの子を助けたかっただけだから……。それに俺はあの子に……リシアに惚れているんで……。だから俺を元の世界に戻すことはできませんからね!分かっていますよね?」と言った。


すると女神様は……俺の耳元で「本当にあの子は可愛いですよね〜。それに、私もアースさんを元の世界に戻そうと思っているわけじゃないですから安心してくださいね!」と言い、「それにリシアは、アースさんの元婚約者でもあるんですよ〜。でも今は、他の女の子とイチャイチャして、婚約破棄になったのに……。リシアも可哀想ですね。ふっ……。でもまぁ良いですか……。それでは……これからも仲良くやりましょう!!リリアスの事はお願いしますよ。それじゃ……」と言って、消えたのだった。


そして女神様が消えると、サーリアの両親が俺の方に来て「娘の命を救ってくれたこと、心より感謝しています!!ありがとうございます!!」と俺の手を握って言ったのである。


俺は……「いえ……こちらこそ、サーリアに救われたんです。それに俺にできる範囲のことしかしていませんし……そんな大したことは……。それより、ちょっと質問がありますがいいでしょうか?」と言うとサーリアンは……「私達が出来ることならなんでも聞きますので……何でもおっしゃってください!」と言ってくれたので俺は……「俺は……この国に来たばかりなんですが、リシアっていう俺の幼馴染みと再会できたんですが、俺の記憶が無くて、俺との関係を全然覚えてないみたいなんです。それで、俺としては、もう一度俺を好きになってくれるように頑張っていきたいのですが……俺って魅力が無いのかなぁ?」と聞いてみた。


するとサーニアの父親は……「それは、どうでしょうね。リシアさんの今の状態を見れば分かりませんが、私達が会った時は記憶が無さそうでしたが……私達にも分からないですね。でも、きっとリシアさんが、あなたを忘れてしまっていようとも、絶対に想いは伝わると思います。私の娘にそこまで真剣になれる人は……なかなかいないと思いますよ。娘があんな風に誰かに興味を持つなんて今まで無かった事なのですから……。それだけでも、リリスさんには感謝してもしたりないくらいですよ。リシアさんが、今のような状態でいる以上……私達は協力させていただきたいと思っていますので、遠慮なくお尋ねくださればお教えいたしますよ。」


俺は、リリアの父にお礼を言うと、リリアの両親の所を離れようとしたのである。


俺はサーリアの父親に「それでは俺は行きますので、失礼します。」と挨拶をして部屋を出ていこうとした。すると後ろからサーリアが近づいてきて、小声で俺に話し掛けて来たのであった。サーリアの話だと……サーリアの母親のリリアはサーヤというサーシャの妹らしい。その妹のサーヤは、幼い頃に亡くなっているそうなのだ。リリスの両親とは血の繋がりはなく……養子として引き取られたそうで、本当の親子ではないらしい。サーヤが亡くなったのは、サーリアが10歳の頃だったそうだ。


それからしばらくして、リリスの母と執事とメイド達と共に、屋敷の外まで見送ってくれたのである。


サーリアとサーニアの母親は、リリスが元気になるような物を用意してあげると言っていたのだった。俺は「リリスの事……頼んだよ!」と言ってその場を離れたのであった。


俺はリリスの母リシャスさんに連れられて、屋敷の奥にあるリシャスさんの部屋に通された。そこで、お茶とお菓子が出されて……ゆっくりしていると、サーリアの母であるリシャスが、リリスの両親に呼ばれて席を外していたのだ。


俺はリリスの母がいないうちにと思い、ステータス画面を確認したのである。ちなみにサーリアの両親には俺が女神と会っていた事も伝えてあるのである。


俺は、クロネの状態を確認してみることにした。そして俺は驚愕したのであった。クロネスとクロノスは瀕死状態だったのだ。特にクロネスの状態が良くなかった。クロネの状態が良くない理由はクロネが、サーニャに宿った際にクロネはクロネルの魂を吸い取り、そのクロネをクロネルに憑依させ、更にそのクロネルの魂もクロネに取り込み吸収してしまった事で、元々あったクロネルとクロネの二人の人格は消滅してしまい、残ったのがクロネリだけだったからである。そしてクロネは俺が助けた際に俺の体に残っていた二人の意識体を吸収してしまった事が、クロネスとクロノスのダメージが一番酷い状態の原因になっているのだ。つまり、二人を生き返らせるためにはクロネリの二人の精神を吸収するしかないのだが、二人の精神をクロネに吸収されたら今度はクロネの体が危険になってしまう……。俺は、このままの状態でクローネを目覚めさせるか? それともクロネとクロネスを分離させた上でクローネの精神だけを覚醒させ、クロネスはクロエさんとクロエ様の体を間借りしてもらうしか方法が無いだろう。しかし、その方法は俺の力が大きく関係している。俺は、俺の持つスキルにクロネとリシスがいる。だから俺の体で二人を蘇らす事ができる。


だから俺の体に、サーヤ、リーヤ、クロネスの三人の力が眠っているはずだが、問題は俺自身に俺とクロネ以外の力を融合する能力が備わっているかどうかだ。俺は、クロナが以前言っていたが俺の中に二つの大きな魔力を感じたと話してくれた事がある。この二つの強大な力は一体何なんだろうか……。俺は試しに手を前に出し念じてみた。すると手のひらの前に光が凝縮されてゆき、そして光が弾けると手の上に小さな光る球が現れた。俺はそれをじっくりと見つめているとその光る球から「我が主よ!!ご無事でなによりです!!」と聞こえた。


俺が声をかけようとするとその光の玉から人影が見えたのである。その男は……俺の姿を見つけるなり駆け寄り膝まずいてこう告げた。


「我の主!!よくぞ戻って来てくれました!!私は貴方に命を与えられし者。貴方は……私の命です。私と貴方は一心同体の魂。私は貴方を守る為だけに存在しております。」


と男は言いながら立ち上がった。


「貴方は?」


「私の名前は……。私にも名前はないのです。貴方がつけてください。貴方だけが呼ぶことの出来る名……」


俺が考えていると、その男は突然、服を脱ぎ始めたのである。


俺は驚いて、「何をやってるんですか!服を着てください!!」と慌てて男に服を渡すと、男は俺から渡された服を着て俺に抱きついてきた。


俺は男の事を少し観察してみた。すると男が俺の胸板に自分の顔をスリスリし出したのである。俺が何をしているのか聞くと、俺の体に残る「命の水(精液)」が欲しいと言うのだ。「なぜ!?俺の「命の水(精液)が必要なんだ?」と尋ねると……


「我ら一族は、主から頂いた命の水(精液)で復活できます。我らの一族は、皆同じ方法で復活してきています。だから、私も主からもらったこの「命の水の雫」を飲ませてもらいたいのです……。お願いです!!私にください。もう我慢出来ないのです!!お願いです!!早くください!!この前も、リシア様に搾り取られすぎて……。私にはもう……。私を満足させてください。お願いします!!」と言って、いきなり口づけしてきた。しかもディープキスな感じな激しいやつだった。……俺はしばらく、この謎のイケメンの舌の動きに負けまいと必死に抗ってはいたが……。「ふぅーふぅ〜……あふっ……ダメっ……イクッ……あっ……だめっ……」とか変なことをつぶやく奴の声を聞きながら、「もうっ!!限界っ!!」と俺が言うと同時に俺は気を失ってしまった。


目を覚ましたら俺の横には、裸の男がいた。……あれっ……。そういえば俺は……。俺は、自分がやったであろう事に気づいたのである。俺は、俺にしがみつくようにして眠る、俺と同じ歳ぐらいの青年を見て……


「もしかして……お前って……あの時……リリスを助けた時の……。俺……まさかこの子に、俺がリリスにしたのと同じようにしちゃったんじゃないだろうな……俺……。それに……もしかして俺……また女の子になってないよな……?」と独り言を言いつつ恐る恐る、ステータスを確認した。そして俺は、やっぱり女の子になっていたのであった。俺は、リリスの両親の所に行こうとしたその時に……サーリアの母であるリシャスさんが入ってきたのである。


リシャスさんは「大丈夫ですか?」と言って心配してくれたので事情を説明することにしたのだ。サーリアスの母リシャスさんになら、リリスの両親も知っているかもしれないと思ったからだ。………………………… サーニャはサーシャさんに呼ばれて、お父様の部屋に来ていたの。そこにはリリスのお父様とお母様が待っていてくれたのだった。リリスの両親によると、サーヤはサーリアが産まれると、すぐに亡くなってしまったそうなのだ。お祖父様とリリスのお父さんは大喜びでお祝いをしていたらしいの。お兄ちゃんも喜んでくれて凄く幸せそうな顔をしていたの。そしてサーシャが10歳になる前にお祖母様は亡くなり……リリスがお姉様になってからお母様が亡くなるまでずっとお屋敷に居て下さったそうだ。でも、お母様が亡くなった後はお屋敷に帰ってくることはなかったそうで……でも最近はお母様の命日には必ず屋敷に帰ってきてくれるようになっていたのだそうだ。サーシャはこの話を聞いていたときに涙を流していたの。お父様はその涙を見ると抱きしめてくれて頭を撫でてくれて……「辛かっただろうに、ありがとうね。サーシャ」……と言ってくれて、更に強くサーシャのことを抱きしめてくれたの。……サーシャは、リリスにこんな辛い過去があったとは知らなかったので……リリスをこれから絶対に幸せにしようと心に誓ったのであった。


そして、リシャスさんの話を聞いたサーリアが「リリスは……そんなことがあったなんて……私……知らなかった。サーヤは私の実の姉だったのね。サーヤは、私よりも魔法が使えて、剣術の腕は王国最強とも言われていて……リリスが大好きなお姉様なの。リリスが小さい頃にリリスは、いつもサーヤのことばかり話していて本当に嬉しそうだった。サーヤの話をするときは、とても笑顔だった。私はそれが羨ましくて……私がリリスを妹として好きになったきっかけなの……。だけど私は……サーナとして生まれ変わり、サーニャとなってサーヤに会える日を待ち続けていた。サーシャとしてサーリアになり、リリスと再会できて……私とっても幸せなの。」


「うん。私とサーナは双子で産まれたけど姉妹にはなっていなくて……私たちはお互いに一人っ子だと思おうって約束したんだけど、ある日私達二人とも同じ夢を見たの。その時に神様に会ったの。そして私達は二人で一つの存在だって言われ、お互いの体に憑依することになったの。そして私の中にサーナがいるように、サーナの中にサーヤがいるの。サーヤが目覚めるのはもう少し先になるみたい……。だから、それまで私とサーナがこの体を護らないとダメなんだ。」とリリスが言うと、お祖父さんは真剣に話しを聞いてくれていた。


「サーヤが目覚めた時にはこの国は……。世界は大きく変わるじゃろう……。それはきっといい方向に……。そして、今代の勇者アースはおそらく魔王を倒してから消えるじゃろう。それを阻止することは、今の我らでは到底無理なのじゃ。だからわしらがやるべきは、アースの力を受け継いだ、次の世代の者たちを育てていくことなのじゃ。だがそれも簡単な事ではない。だが……希望は見えたぞ!!お主たちの家族の中に勇者の素質を持つ者が現れたからのう……。その子を成長させるべく、ワシは全力でサポートしていくつもりだ。」とリシャスが言うと、リネスは「私も出来る限りの事は致します」と力強く宣言した。


「リリスちゃんが目覚めるにはどのくらいの時間がかかりますか?」とリネスが言うと、「うむ。その者の持つ能力にもよるが、長くて5年はかかるかもしれんな……。その者もまだ目覚めていないようだし……。目覚めるまで待つしかないの。その者はおそらく目覚めるだろう……。この屋敷の中で一番最初に目覚めたのは……。」と言って言葉を濁らせたのである。


俺は、この世界の時間軸と元の世界との時間のずれについて質問をした。


「ふむ……。そういうことですか。……確かに、我々にとって時間は流れるものですが、その者の生きる世界の時間とこの世界に流れる時間は異なっているのです。」とリシャスさんは教えてくれた。


「そうです。ですから、私達がここでいくら時の流れが早く感じるような出来事が起きたとしても……元の世界に戻ればほとんど時間が経ってはいないのです。……ですが……その者と私たちにとっては大きな時間のずれが生じています。つまり……その者が目覚めるまでこの世界でどれだけ過ごす事になるのか……。わかりません。なので……あまり大きな期待をしないで頂きたいのです。私としては出来るだけ早く、その者に目醒めて欲しいのですが……なかなか難しくて……。その方が起きるまでに何人の子どもが生まれて来るかも分かりかねていますから……。リリスちゃんは……本当に楽しみにしていますから。どうか……私からもお願いいたします。サーヤ様を……リリス様をよろしくお願いいたします」と言ってリシアは頭を下げたのだった。俺は……そのリシアの姿に……俺は心を打たれて……。リシアをギュッと抱き寄せて……「わかった。できる範囲のことはするつもりだ。リシアは、リリスの側にいてあげてほしい。リリスに何かあったら助けてあげてくれ」と言った。


そして俺は……自分のステータスを確認してみた。俺は……自分の性別が女になっていることを改めて知ったのである。俺は「はぁ〜〜〜」と深いため息をして、リシアを抱きしめたままリリスが寝ている部屋に歩いて行ったのである。部屋に入るとリリスがスヤスヤと眠っていた。俺は、自分のベッドに横になり「俺の身体になんか起きなければ……この子は、幸せに生きられたんだろうに……。どうしてこの子が……。俺は、あの男を倒す!!必ず!!」とつぶやくとリシアも俺の横で眠りについたのであった。


そして朝になると俺は……目が覚めてまずはリシアの様子を伺った。リディアも、昨夜リリスの部屋から出てきたときから気付いていたようだったので、何も言わずに俺と朝食を済ませてから一緒にサーリスの元に向かう事にした。そして、俺は皆を「聖剣エクスカリバー」と「天衣無縫シリーズ」に【収納】して【転移魔法】でクロネさんとサーリアの家まで飛んだのだった。サーシャとクロネさんも俺に付いてくると言うので一緒に飛ぶと、すぐにクロネさんがサーリスの元へ案内してくれた。そしてサーリスとサーシャが泣きながら再会できたので……俺とサーシャとリネアとクロリアで話し合い、サーヤには申し訳ないと思いながらも、リニスさんはしばらくここに滞在してもらうことにした。リシアは、リリスにしばらく付き添ってあげると言ってくれていたので、リシアには引き続きリリスの事を見ていてもらおうと思っている。そしてサーリアとサーシャにも事情を説明し、俺とサーリアであの街にしばらく残ることを伝えたのである。俺は、リリスが目覚めるまでの間……リシアとリネスを連れてあの家に【拠点創造魔法】を使って家を造り上げ、リリスの様子を見つつ俺のスキルレベルを上げることにしていた。リリスの両親にはサーシャと一緒に過ごしてもらうことにしたのだ。


サーシャに聞くところ……リリスもかなり強い魔力を持って産まれてきたらしく、リリアもかなりの強さだったそうなのだそうだ。ただ、あの男が召喚したのは……「魔王の側近」の中でも「魔将」と呼ばれるほどの強さを持った人物達であり、更に魔王自身とも互角以上に戦ったそうなのだ。リリスはまだ小さいのに強い魔力を秘めていて、「いずれ魔王になるだろう」「次の魔王候補」と言われていて、実際そうなりかけていたらしいのだ。そして……今回の騒動で魔王になるはずだったのが……なんと!サーヤになってしまったということだ。……そんなリリスに対して……サーリアも複雑な気持ちだったと思うのだが、それでもサーリアはリリスのことを凄く愛していた。だからサーシャと相談した上でリリスと離れることになったのだった。……リリスが目覚めた時に……二人が幸せに暮らしていける環境を整えなければならない……。俺はそのことを心に刻み込んでいたのである。リリスの両親は俺たちが造った家にそのまま住み続けることになっていた。


リリアは「私は、これからどうすればいいのでしょうか?……私の家は……」と不安げにしていたので、俺は「サーシャの事は任せてくれ。それと君さえ良ければ……リリアスの所にでも行くといい。君は、俺とサーリアと一緒の『英雄の血』を持っているはずだから……サーリアのお母さんと姉妹になることになるよ。」


と提案するとリリアは「はい!!ありがとうございます。では私達はリリスちゃんの目覚めを待つために……リニアスの村に行きます。そこで私も、アースさんのパーティーに入れて下さい」と言い出してきたのだった。……そんな話をしている間にリリスの部屋に到着するとリリィさんが既に来ていてリリスの手を握って見守っていた。リリスの顔を見ると、とても苦しそうにしている様子だった。俺は……リリスの頭を撫でて「大丈夫だからな。すぐ元気になってくれるから」と言って安心させようとしたが……「リリス……。ごめんなさいね。あなたをこんな辛い目に……。私が……もっとしっかりしていれば……。リリアとリネスもサーニャの面倒を見てあげてね」と涙声になりながら話しかけるリリスの母親の姿を見て……リネスとリアリと俺の嫁ズたちは「絶対にサーシャ様とサーナ様を助けましょう」と話していた。そして、リリスの容態が良くなってきたようで……俺は、リティスさんをリリスに紹介するため、隣の部屋に連れて行くように頼むと、「うん。わかった」と言って、リリスが目覚めるまでずっと看病をしていたサーニャとリシアと一緒に隣の部屋に消えていった。俺は、リシャスさんとサーリアと話をしているとリネスが戻って来て、「パパ……。ママが目覚めました!」と教えてくれた。俺が部屋に入ると……そこには意識を取り戻して俺をジーっと見つめるリリスの姿があった。


俺は、まずリリスに声をかけてあげたのだった。リリスが俺を見る目つきが少し変わったような気がした。そして俺は、まずは自分の名前を教えて自己紹介をすることにした。俺は自分から名乗ろうとしたが、何故かサーシャが自分の名前を言ってしまったのだ……。それを聞いた俺はビックリして、すぐに口を塞ごうとしたが間に合わなかったのだ。まぁ、もうバレてしまっているだろうから良いかと思ったが、やはりまだ早かったようだ……。俺としたことが迂闊すぎた。そしてリリスは……


「えぇ〜!!お姉ちゃんなの?」……と言って目を輝かせ始めたのである。……やっぱり気づいてなかったのか……。リシアは気付いていたのか、リリスに目線を合わせてから……「そうよ。久しぶりだね。元気にしてたかい?」と言って微笑んでいた。リリスはリシアを見て大喜びしていたので、リシアに任せることにした。


俺はリシャスさんたちに、自分が女になったことや、今までの自分の生い立ちを詳しく説明して、その上で改めて、サーリスにお願いしたいことがあると話したのである。そしてリシャスさんたちが俺の仲間に加わったことと、クロエさんが俺に仲間になったことをサーシャスに告げると、とても驚いていたが……最後には「わかったわ。この子たちもあなたたちと同じ世界の住人なんだもの。協力させてもらう」と言っていたのである。俺は、「サーリス……。本当に感謝する。それから、サーシアのことだが、サーリスも知っていると思うが……サーシアの母親リリアはリリアと俺は結婚したんだが、俺との間に子どもが出来なかったんで、養子を取る事になったんだ。そしてリリアの妹がサーリアを産んだんだけど……その時、サーシアも産まれているんだよ。だからサーシアとは姉妹の関係に当たる。俺の妻にはならなかったけど……。


俺はサーシアを娘のように思って大切に育てて来たつもりだよ。それでサーシアは……今俺のところにいるんだが……一緒に暮らしていない。サーシアはサーリアと共に暮らす事を選択したんだ。そして今は……二人でサーシアを産んでくれたサーシャのお母さんとサーシャを救い出すために行動中だ。俺も手伝う事に決めたのでサーシアとサーリアをしばらくここに置いてほしい。俺はリシアを連れてクロリアの町に行っている。クロコとユーフェミアもクロリアに向かってくれているが……念のためにここに残す事にした」とサーリアに伝えたのであった。


リリスが目覚めてしばらくしてから……俺はサーリアを連れて一旦クロリアに【転移魔法】で飛んだ。リリスとリシャスとリネアをサーシアとリシアに会わせてから、サーリスに事情を説明した。リシアもサーリスのことはリシアから聞いていたようだったが……まさか親子揃ってサーリアの元に来ているなんて思いもしていなかったようだった。俺は……リリスの事はサーリスに頼んだが、リシアはサーリアの事を「サーリスさんって言うんですって」と、嬉しそうに報告してくれていたので、俺は思わず「良かったなぁ」と頭をポンッとしてやった。


サーヤをリシアとサーリアに紹介すると二人は仲良くなり話していた。俺は……二人にリリアの事を伝えると、リシアに一緒に行ってくれるように頼んだのだった。リディアにも頼みたかったが、クロネさんの方に付いてもらっていたのだ。そしてサーリアに、これから俺とサーシャと一緒に、クロディアに向かうので準備してほしいと伝えると、「わかりました」と言ってサーリアがクロリスのところに行っていろいろ話し込んでいた。クロディアに行くと聞いたクロリスがとても喜んでおり、「クロちゃんも一緒に行こうよ〜」と言って一緒に連れていくことになった。クロリスはクロネさんとサーシャと一緒に過ごすことになって、リネアとニアにサーシアのことをお願いしていた。サーリアが俺のところにやって来たので俺は、「リネアとニアはサーシアの面倒を見てくれるから安心してくれ。それからリリスは……しばらくはサーリアとここで生活するようにリリアに頼まれてるからよろしくな。」


「はい。サーシャは私が面倒を見ますので、サーナの事を任せても大丈夫ですか?……あとリリスには、あなたのお母さんを預ける事にするって言っていましたが……どうしますか?」と言われてしまったのだ。リリスはまだサーヤを「リリア」と呼んでいる。確かに、俺もさっきサーリアが「あなた」と「私の娘」と言っていたので、てっきりそう呼ぶと思っていたので少し戸惑った。リリスはサーヤとサーリアをとても可愛がっていたから、本当の母親をサーニャの母上とサーシャに呼ばせたいらしいのだ。ただ……その呼び方はちょっと違和感があるのだが……本人の中では、そういう呼び方が良いみたいだ。


俺としてはサーナがサーリアを母上と呼んでいても違和感がないが、リリスにとってはそうではないようだ。そして……俺は「まぁいいか。サーヤが目覚めたら……リリアと呼ぶことにすれば良いし……」と、思っていたのだった。


そして俺は……リリスと一緒に王都の俺の屋敷に戻って行った。リリスとリシアとクロリスに、リシアが俺の仲間になって俺と結婚してること、サーリアが俺とサーナの母親で、リリスとリリスの姉だったこと、サーナが産まれたことなどを簡単に説明していったのである。そして……俺は、これからサーリアとリリスを連れて……クロディットの町に行くことをサーシアに伝えてほしいと、サーシャとリリスに頼んだのだった。それを聞いて……リネスが心配そうな顔をして「パパ!!……そんな無茶はやめてよ!相手は、魔王軍四天王のアースラよ!!」と言うのである。


「ん〜。どうだろう……。相手は俺が『龍眼』のスキルを持っていることを知ってないからな……。それに……あいつらは……俺の力を知らないから……。まぁなんとかなるんじゃね〜かなぁ……。まぁでも無理はしないで、危なくなったら逃げればいいだけじゃんか」と軽く考えていた。リリィとサーニャもリネスの意見に賛同していた。リリスとリシアとクロリスは、少し困惑気味だったが、俺の考えを了承してくれたのだった。そして俺は……屋敷の玄関で待っていたリニアスたちと合流して……


「じゃあリニアス。クロリアの町に帰ってサーシャたちを呼んできてね。」と言って送り出したのである。そして……俺たちは馬車に乗ってリリアスの森に向かったのである。俺は……森の入り口付近でみんなに【超神剣 絶】と俺が持つ中で最強の装備を身につけさせた。それを見たリニアスは「旦那さま……。こんな物をつけて森の中に入って行くの?」と不思議そうにしていたが……。クロネリとクロネスも似たような顔つきで、「ご主人様……。これはすごい武器なんですね?」「私たちにも、これと同じ物を授けていただいてよろしいのでしょうか?」と言っていた。俺は……「クロネス。クロネとユーフェミアに頼めばすぐに同じものを作れると思うが……クロネたちはまだ戻っていないだろう。だから……クロネスとクロネルが持っているものを使ってあげて……。それからクロネス……。これはお前にしかできない事なんだ。俺の大事な仲間たちの命を……守ってやってほしい」と頼むと、クロネスは少し戸惑いながらも、「はい!命に代えても!」と強く誓ってくれたのだった。


俺はみんなの準備が出来て、俺の仲間になっている者は全員騎乗しているのを確認してから、【結界石】と【空間収納の腕輪】と俺が作った特製弁当を渡して出発を指示すると、俺の前に馬に乗った俺の部下たちが並んで進み出した。俺は先頭の馬車に乗るように指示をして、クローネの部隊と合流するまではこの陣形で進むように言った。俺はクロノスに念話で確認を取ろうと思ったのだが……繋がらなかった。そこで……俺の眷族たちに、もし魔物が現れてもクロノスと連絡がつくまで俺が相手をすることと、俺の指示が無い限りは戦わずに逃げるように伝えて、俺は自分の前に俺の乗る馬車を出したのである。俺は俺の後ろにリシャスの部隊を乗せて、サーヤの部隊を後ろにして進んで行った。


そして……しばらく進んでいると、俺の前方に魔物が現れた。しかも見たこともないくらい大きな猪のような魔物だった。リリスが俺の側に寄ってきて、俺を守るように立つと、リシャスが俺の隣に来て、「リリア様に頂いた、この大盾にかけて、ここはお任せください」と言い放ったので、俺も戦闘に参加することにして……リリスの肩を叩き「ありがとう。俺も頑張るよ」というと、リリスは微笑んでから大猪に向かって走って行き、リネアが援護するようにリシスが魔法で攻撃した。俺も【超速移動】と【身体強化】をしてから【雷炎槍】を連発する魔法を放った。大猪の魔獣は一瞬で倒されたのだった。俺はその死体を回収しながら、倒した敵のステータスを確認するとレベル50だったのだ。俺の仲間たちのレベルはすでに30を越えていたので……問題なく倒せたのであった。その後……また暫く進んだところでも……同じように大熊の魔獣を倒した。そして……クロネが戻る少し前にクロネの部隊が合流し、その日の夜にはクロネがユーフェミアと一緒に戻ってきた。


「ご苦労様。それで……何か情報があったかい?」と聞くと、ユーフェミアが答えた。


「クロネ殿に聞いたところでは……やはりアースラが魔王軍に加担したという話だったよ。ただ……詳しいことは何もわからないと言っていたよ。それから……クロネの部隊の者が一人犠牲になっていたよ。それでユーフェミア殿に報告したい事があるらしい」と、言うと……クロネリを呼び出したのである。俺は嫌な予感がしたので、「ちょっと見に行ってくる」と言って一人でその場を離れて様子を見に行くことにした。


しばらく進んでいくと、小さな洞窟がありそこから煙が出ており、その場所から火が出ているようだった。俺が慌てて中に入ると、クロネスが倒れていてクロネリがクロネスを庇うようにして血を流していたのだ。俺はクロネリに声をかけて回復をしようと思った時に、クロネスは息を引き取ったのだ。クロネスは【闇夜之豹】のリーダーであるロナスの嫁なのだが、俺は初めてあった時から、クロネリの事を信頼出来る女性だと感じていた。俺は……【鑑定】をしようとしたがクロネスの魂の器が大きくなっており、レベルが60近くなっていたため見切ることが出来なかった。クローネはその姿を見て涙を流していたが……気力を失ってしまったようで意識を失ったので俺は【完全再生薬】をかけてから……


「リリィ、クロネリの治療と……亡くなったクロネスの遺体と遺品の回収、それからこの周辺の安全確保をしておいてくれ」


と、俺はリリイに頼みリリリスとリシアとクロリスを護衛に連れて、一旦サーナたちのもとに引き返して事情を説明しに向かった。そして俺は、俺の従士たちの元に行き、サーナのところに行くよう指示を出してからサーヤの元に急いで戻った。


サーヤはサーシャを抱っこして俺の方を見て少し不安そうにしていた。「おかえりなさい。ご主人様」とリリスが言うと、「ただいま」と答えてサーシャを受け取った。俺は……クロネリの状態を話すべきか迷ったが……話さずにサーヤにクローネの遺体と、その遺体に持たせている装備品のリストと、クロネリが使っていた大楯を持ってこさせることにした。クロエが「サーシャに渡すのか?」と聞いてきたので、サーシャが望んだなら渡すと言ったら、サーシャに渡して欲しいと言われたので……クロネスの大楯はクロネリの遺体ごと、クロエが持っているアイテムボックスに入れたのである。俺は……「じゃあクロネリの葬儀は……クロネの隊に任せるか……。それと、この周辺に魔物が出る可能性がある。俺の部下に警戒するように言ってきて欲しい。それから……俺がサーヤを連れて帰る。クローネの部隊は俺の馬車に乗って、俺の部下と一緒にクロネルの町まで行ってくれるか?……サーシャは俺と一緒にサーナたちと行くから」とお願いしたら、クロネリたちは了承してくれてそれぞれ行動を開始した。


俺は……リネスたちにサーヤを任せて……サーナの手を握って【瞬間転移】を使ったのである。サーナは驚いていたが、「パパ……ママを助けてくれたの?」と言う言葉に、「そうだね。よく頑張って我慢できたね。サーナ」と答えると、サーナは大きな声で泣き始めたのである。俺は……サーナを抱きしめながら背中をさすり落ち着かせたのだった。リネスたちはそんな俺たちの様子を優しい目で見守っていてくれるのだった。俺はサーナが落ち着くのを待ってから……クローネの事を話しはじめた。クロネとクロネスは魔王軍の四天王の一人アースラの妻で……アースラは勇者の俺の討伐のためにクロネを利用しようとしていたこと。そして……クロネは自分の部下を犠牲にしたことを申し訳ないと思っていて自害した事を伝えた。


俺は……サーナを慰めるように抱き締めてから……「大丈夫か?少し休んだ方がいいな」と言うと……サーナは俺の胸の中で泣いているのだった。サーナの気持ちを考えると心が張り裂けそうなくらい痛くなったのである。俺は……サーニャに、俺の作った料理を渡して、サーシャのことを頼んで、俺は屋敷に戻ってみんなを集めたのだった。俺は……サーナのことも話した上で、俺が知っているクロネの情報を全て共有することにした。そして、クロネが亡くなったことと……その死を看取る為にサーニャを残して帰ってきたと説明したのである。リリスとリシアは俺の説明を聞き終わると俺の元に来て……


「ご主人様。ご主人様のおかげでクロネリさんもクローネ様も幸せそうでした。ありがとうございます。私達姉妹の命は、ご主人様とクロネ様の為に使います」と二人は涙を浮かべながら俺の手に頬ずりしてきた。


「私は、旦那さまのお役に立てて、嬉しく思いましたわ」と二人に続きアリネスも言うのだった。そして最後に……クロネルが来て「私は……クロネ様に命を助けていただきました。私がもっと強かったらと何度も後悔しました。だから私も強くなりたいです!そしてご主人様をお守りします」と言ってくれたので……クロネルにクロネと同じ装備を作ってプレゼントすると伝えたのだった。俺はクロネルとサーナ以外は自分の眷族として受け入れてもいいと思っていた。だが……俺の家族になってくれる者は俺の力の一部になる覚悟が必要だと考えていた。そこで俺はリシャスを呼び出して「今から眷族契約を行う」とだけ告げた。そして俺の前に並んだ者の中からリシャスを選んで眷属にする契約をしたのだった。


リシャスとサーシャは俺の眷族となった。リリスは「リシャス殿が私たちの仲間になるとは……」と言う言葉を聞いていたが俺はスルーする事にした。それから……俺は眷族を増やす事に決めて、サーシャが気に入った者に俺の血を与え眷族にすることを決めて、眷族にするのは俺の眷族になった後、本人の同意があれば、いつでも眷族解除が出来る事を説明する。眷族化するには俺が触れれば可能になることを説明したのである。そして俺は、クロネルにクロネの遺体とクロネの装備品、クロネリの装備品と大盾とクロネリが使っていた大楯を渡すように言うとクロネルが持ってきたので受け取り……「クロネルには、クロネスの遺品と大楯を預ける」と伝え、サーナを頼むと頭を撫でてからサーシャのところに戻らせたのだった。それから、俺はクローネの遺体とクロネリの遺体に手を触れる。クロネリとクロネは俺の能力の一部となって、クロネスは俺の心の中の空間にいる事になるだろうと思う。


俺もサーシャとクロネリの事を考えてから、クロネの遺体と遺品に【収納】と【浄化】を掛けた。クロネの遺体と遺品を俺の亜空の家に送った。俺が、クロネたちの遺体をどうするのか悩んでいたのでサーヤとリリスはクロネスとクロネリの遺体をそのまま俺の亜空の家に運ぶことを申し出てきたので俺は任せることにするのだった。俺が……リシャスを見ると俺の視線に気づいて「リシャスは私のお供になります」と言い、サーシャを見ていたリシアは、サーシャが気に入らなかったらしく「私もご一緒させてください!」と言い出したので、サーニャとリネスもリディアとリリイとリーリスとリーリアも連れていくことになった。


リリィとクローネとリネスは俺の従士にして……リリイとリーリスはリシャスと共にリネアに、リーリエはサーヤに、リシアとクローネルとクロネルが一緒に来ることになった。サーヤには俺が持っている武器をサーヤに渡し、クロネたちの武具も渡してあげた。それから俺はクロネスとクロネリの部隊のメンバーに俺とサーシャの護衛をするように依頼をした。クロネリの部隊に護衛を依頼すると俺とサーヤを守るようにと言って護衛してくれたのだった。俺は【念話】を使いクロネたちに伝えると、クロネたちも【瞬転移】を使ってクロネリの遺体とクロネスの遺体の回収に向かわせるように指示をする。俺がクロネリの部隊をサーシャたちの護衛につけた理由は、サーヤたちを狙う奴らが居たらクロネたちが危険にさらされるからだ。


サーヤが俺の所に戻ってくるのと同時に……俺はサーシャを抱き上げて【神速】を使うと、俺とサーヤの姿は消えたのであった。クロネリの遺体が保管してある倉庫に移動した俺は、サーニャたちに「リリィたちを呼んできてくれ」と伝える。クロネスが残した大楯はリリィに任せる事にしたのである。


それからしばらくして、サーシャたちはクロネスとクロネの遺体を回収したあと、サーヤの希望でクロネスの遺体も連れ帰ることになるのである。俺はリリィからサーヤたちの護衛を引き継ぐために戻って来ていたクロネリにサーシャたちを連れていくから後はよろしくと言ってからクロネスの遺体が安置されている部屋に向かう。リリィはリシャスと二人でサーヤたちの護衛をして貰う為に残っているのだ。


サーシャたちはクロネの遺体を見てから……クロネスの遺体を見に行く。俺は遺体に触れて……遺体に【収納】して、そのまま亜空に放り込むと、俺はみんなに声をかけてから【瞬間転移】で城に移動することにした。俺は……サーシャがどうしてもクロネの遺体と話がしたいというので……遺体を取り出してから……遺体と話をすることにした。俺はクロネの遺体を取り敢えずは亜空に送っておいて、サーリャの遺体があるところまで【転移門】を開く。


俺は……クロネの身体に優しく触れる……「……俺の声聞こえるか?」と言うが返事がない……。俺がクロネスの方を見たら、「はい……。聞こえていますよ」とクロネが答える。俺がクロネに……クロネの遺体の状態を伝えると、驚いた表情をしていた。俺が……なぜ、死んだかと言う経緯を説明すると……クロネの目に涙を浮かべて、「アースさん……本当にありがとうございます」と言っていた。


クロネスとクロネの話を聞いて、俺はクロネスにも……俺のスキルを覚えさせてあげることにした。まずは俺が取得できるスキルを全て覚えてもらったのだった。そして俺はクロネスに【魔装】と「魔刀 ムラマサ 」を渡した。俺が……ムラサメと「ムラミツ」について説明すると……クロネは俺をジッと見ながら「私は、アースさんの眷族になる事はできません。でも私は、あなたのお手伝いをさせていただけないでしょうか?私の命を助けてくれたあなた様のお役に立ちたいのです。お願いします」と俺の目を見ながら真剣な目で俺に伝えてくる。俺は「いいけど、眷族じゃなくても出来る範囲なら手伝わせてやるぞ」と言うとクロネは俺のそばに来て膝をつき頭を垂れるのだった。俺はそれを不思議に思ってクロネに話しかけると、俺に忠誠を誓ってくれたようだった。


俺は、リネネスにクロネスが着ている甲冑と同じものを出してクロネスに装備させると……「リネネスの鎧は、サーヤの物と違っていて、俺の能力の一部を付与させている」と説明してクロネスのステータスを確認する。


クロネスの種族レベルは50だった。俺は【解析者】で俺の眷族としていない者は「種族名のみ」しかわからないようになっていたが……クロネが眷族になると同時に名前が表示されるようになる。ちなみにサーナは眷族になっていない。


そしてクロネルにはクロネル専用として……「ミスリルの籠手(小)」を渡し、防具も全てミスリルで作った物を渡した。そして、サーナが身につけるミスリルの小盾を渡そうとした時に、サーナは俺に抱きついてきて「お父さんの……娘に……してください」と言ったので……俺は、少し悩んでいるフリをしていたが……実は、サーナに眷族契約をしようと決めたのだ。


俺は「俺はサーナに……「眷族になってくれ」と告げて……キスをすると…… 俺の体に温かい波動が広がっていったのである。そして、サーナとクロネも眷属契約が成功したようだ。これでクロネスのステータスも見ることができる。そして、サーナとクロネスの「ステータスプレート」を作成して……サーナには「大楯」をクロネスには「籠手」と大楯の装備の仕方を教えるのだった。俺は、自分の分として大楯の使い方も説明したが……これは俺の眷族になる前から使えたので教える必要がなかったのだ。俺の「スキル」は全てコピーさせたから……これからも使えるはずである。


そしてサーナの装備している「大楯 ラージシールド」を【鑑定眼】したところ「神鋼 オリハルコン」と言う名前の「アダマンタイト鉱石の加工品」だと判明した。


サーニャのステータスを確認しようと【解析者】を発動するが、なぜかエラーが表示され確認できなかったのだ。俺は「神眼 ゴットアイ」を使うと……サーナの「種族名 神人族 神獣種 神狐」が表示された。俺も驚いていたが……「神人族 神の使いで、この世界に何かが起きた時に現れると言われる伝説の存在で、普段は人間の姿をしていて、力を使い人間に変化する事も出来、知能は凄く高いのである。姿形は美しい女性であると言われているのだが、見たことがある人は誰もいない。そして……その存在自体が謎に包まれていて、その姿形も様々な伝承があり、白い大きな耳をした金色の長い髪の女性だとも言われているが本当の姿がなんなのか誰にもわかっていない」


俺とサーシャはお互いに見つめあって、驚きながら苦笑いするしかなかったのだった。俺が、クロネスを見ると…… 俺をキラキラした瞳を向けて「やっぱり私を選んでくれたんだね!私嬉しいよ!」と言って抱きしめてきたのである。それからサーナを抱きしめてから俺は、サーナを離すとクロネに改めてクロネスを紹介すると、クロネは自分の方から頭を下げ挨拶する姿を見て嬉しく思ったのだった。


クロネリの遺体を確認した後にクロネリとクロネの「スキルブック」、「魔導書 グリモワール 」とサーヤの持っていた魔法系の「本」を渡しておくことにした。俺は【複製】を使って【無限の収納】と亜空の部屋から、サーヤの持っている「スキルブック」を10冊ずつ複製した。それからクロネスはリシャスに「魔剣 デュランダル」とリネスとクローネルには、俺が作った短槍を渡すのだった。


それからリネスにクロネリの部隊からリシャスの部隊に部隊を変更することを告げてクロネリに部隊を預けるように頼んでから、俺とサーヤたちは城を出発するのだった。


俺たちが城を出ると、城の前に居たはずのゼスの気配が無くなっていた。俺は【探知】を使い周りを確認するが……近くにゼスが居ないので安心して移動を始めたのである。俺は、【瞬間転移】を使って亜空に戻る事にしていた。俺の亜空は亜空の最深部に設置してあり【転移】でしか行くことができないのである。サーヤたちも付いてくるというので一緒に来てもらうことにしていた。俺の【瞬間転移】でサーヤたちがビックリしないように……あらかじめ、【念話】で知らせてある。俺は、サーヤたちに【神域結界】とサーヤたちの周りに防御フィールドを発生させた。これでサーヤたちの安全性は高まるはずだ。サーヤたちの準備が終わったのを確認して【転移】を発動する。俺は、クロネの遺体がある場所に【転移】したのだった。


クロネの身体に触れるとクロネの遺体が光出す……俺は【光属性回復魔法 ホーリー・ライトヒール 】をかける。俺は【解析者】を使ってクロネの体を調べたらクロネスと全く同じ状態であることがわかったのだった。俺は……【創造】スキルとクロネスとクロネの装備品を全て取り込んでから【解析者】を発動する。


俺は【並列演算】と【多重思考】を同時起動して【解析者】で得た情報と自分が考えていることを統合しながら、サーヤとクロネとクロネリの遺体を収納と亜空に送った後……城に戻り仲間たちと合流するために、【瞬間転移】をしてから城に向かった。サーヤたちは初めての【瞬間転移】に驚いている様子で目をパチクリさせながら周りの景色を見ていた。俺はみんなに声をかけてから【転移門】を開いてサーヤたちを城まで連れていったのであった。俺は【転移】がバレないように城に着くまでずっと【転移門】を閉じていた。


城に着いてからサーシャとアリネスにみんなを紹介してから、俺は【転移】で亜空に戻ってから、みんなの所に戻ったのだった。クロネスとクロネはクロネスとクロネの遺体を亜空間に戻して【転移】してきた俺を迎えてくれる。クロネスとクロネは、俺の仲間になったことを伝えて……クロネスには【眷族】になるかどうかの意思を確認してから了承してもらい眷族契約を行う。


その後……俺は、サーナたちとクロネたちの訓練と今後の活動についての話し合いをする為に……サーヤの「部屋」に移動したのだった。サーナが……「お母さんとお姉ちゃんのことは、私に任せてください」と言ってくれて、俺は……クロネたちを連れてサーリャの「家」に移動することにする。そしてサーナとクロネリにはクロネスを任せて俺は、サーヤとクロネを連れてサーリャの家に「転移」するのだった。


俺が「サーニャ の家」に戻ると……リネシスが待っていた。リネシスは、「アース殿!私はどうしたらいいですか?」と言ってきた。俺は「え? どういう事なの?詳しく説明してくれないとわからないんだけど……」と言うと、「はい。実は、私は……アース様と離れるなんて考えられなくて、お嫁さんにしてもらいたくて……お願いしました。私はアース様と一緒がいいです。もう、二度とお側を離れません!」と言いながら俺に抱きついてきたのだ。俺は……「とりあえずリネニスと話をしないとわからないからリネナスが良ければ、一緒に来るか? それともリネネスは、リネスとして残るのか?」と聞くと「もちろん、ご主人様にお仕えします。よろしくお願いします」と言われた。


俺は、リネサスを眷族にした。リネスのステータスを確認させると、やはりレベル1だった。俺は【神眼 ゴッドアイ】で、リネスの状態を確認した。状態を確認すると「呪印」と表示されている。


「呪印」とは……呪いをかけられており、それが発動する時に現れるマークのようなものらしい。


俺は「解呪 アンチェインドカースト」をかけてみるが……何も起こらない。次に「神気」を使ってリネスの「呪印」を消そうとしたがダメで……仕方なく、俺はサーニャとサーヤとサーネリとクロネリに俺と一緒に行動してもらうようにお願いした。サーニアとサーニィに「サーナ が居ない時はサーナを呼んでくれ。サーナに俺が頼んだって言ってくれ」と言うとサーナに がやって来て、俺がサーナを呼んだ理由を聞くと「わかりました。すぐにでも呼べます」と笑顔で答えてくれたのだった。


俺とサーニアとサーニイはサーナが用意してくれた服にそれぞれ着替えた。俺は【鑑定】してみたところ……「勇者装束」と言うらしく、俺が前に作った「勇衣」と同じ性能で「勇衣」は男女兼用だったが女性専用に作られた感じの服を着ているようなのである。そして、装備している武器は、聖刀 天叢雲剣の模造品だと言うのだった。


俺はサーネに……「この「装備」は、どうやって手に入れたのかな?」と質問したところ、サニアが「私の宝物庫に保管されていたものです」と言うと、サーナはサニアをジッと睨む。俺は「サーナ も欲しいならサーナの分もあげるよ」と伝えると……サーナも嬉しかったようで喜んでくれたのだった。俺は……「今からサーニャ達4人を呼び戻すけど……リネナスとサネリとリネスはここで留守番をしててくれないか」と言うと、リネスが「はい。承知致しました。私はこの部屋から出ることは、ありませんのでご安心ください」と言ってくれる。


リネネスのその返事を聞いて、サーネも「わかったわ。私がしっかり面倒を見ておきますので、安心してくださいね」と言ってくれた。それからサーーニャたちに連絡すると…… サーニアとサーニーは、「はい!大丈夫です。すぐ行きます」と言われ……サーニーだけがやってきた。俺が「サーニアが居なかったのだけど……サーニャ達はどこに行ったんだ?」


そう言うと、


「はい……。サーニャさんたちが……アースさんのところに行くと聞いてついて来てしまったんです。それで……申し訳なく思ってまして……本当に迷惑をおかけしてすみませんでした」と言ってきたのである。俺はサーニーに謝られた時に俺は、「別に迷惑だとは思っていない。俺はただ心配だっただけだから気にしないで良いよ。それよりも、サーヤたちの事をよろしく頼むよ。あとは、サーナにサーネの事を伝えれば全部うまくいくはずなんだよね。ちょっと待ってね」と言いサーネとサーニーに「念話 フレンドトーク」を使ってサーヤとサーニャに連絡をとるのだった。俺は…… 俺がサーヤとサーニャに連絡を入れると……二人は、


「うん……サーニーちゃんは……確かにここに居るよ。それから、お母さんたちも元気にしていたよ」と伝えてくるので俺は


「そっか。じゃあサーナにサーニーを預ける。俺とサーニアがサーネに話があるから、サーナはサーナでサーニアの面倒を見て欲しい。サーニーのこと……お願いする。サーナ を困らせるようなら……俺の方でなんとかする」と話すと、サーヤが「任せておいて!」と言ってくれたので俺はサーヤとの念話を切る。そして……俺はリネスをサーヤたちの所に送る事にしたのだった。俺はサーネスの側に寄り、


「俺は、これから仲間を探しに行ってくるからリネスはサーヤたちの所に行ってくるんだよ。俺が戻ってくるまで、サーヤたちの事を頼んだぞ」


俺はサーネスに伝えると、リネスが涙目になって俺に抱きつきながら「はい……ご主人様、ご主人様がいないと私は何もできないから寂しいです。でも……サーナちゃんやリネスがいますので頑張ります。どうか、ご主人様……ご無事で帰ってきてください」と言ってきた。俺は……リネスを抱きしめて「ありがとう。俺は死なないし必ず帰ってくるよ。それまで、サーヤ達の事お願いな」と言うと、サーネスが俺の胸に頭をグリグリさせながら甘えてきた。


そして……サーネにリネシスを預かる許可を取り……サーヤとサーニーとリネシスの三人に見送られながら俺はリネスをサーヤに託してサーナの転移魔法でサーナたちと別れたのであった。


サーヤが転移魔法を使う時、サーナが少し不安そうな顔をしていたが、


「お姉ちゃん!絶対に帰ってきて下さいね!お姉ちゃんのいない家は、つまらないですよ。お願いですから、絶対に帰ってきて下さいね!それと、私……もう迷子になったりしないから……アースさんのところに行けって言って下さい。私はアースさんが大好きだから一緒にいる方が良いです!」とサーナが言っていた。俺はサーネにサーネがどうしてそこまで俺を好きになるかを聞いたのだが……「私には分かりませんが……アースさんがお爺様の知り合いらしいのとアースさんの強さに優しさに惚れたと思います。だって私はお父様とお母様以外には……優しくされた事がないから……」と言っていたのである。


俺は、サーヤを見送り「サーヤ の事は、サーナに全てを任せるから何かあったら相談に乗ってあげてくれないかい」と言うとサーニアも「はい……もちろんいいですが……サーヤちゃんと二人で話がしたいのですがいいですか?」と言うので俺はサーヤに確認を取ってサーニアを連れて行くように頼みサーネリと一緒にサーヤを見送った。そして……俺達3人はリネアの元に帰ってきたのである リリアとリリィがいる家に戻った俺はリリィの部屋に行きリリィが眠っているベッドに座ると リリスが起きてきて俺の前に正座で座り深々と頭を下げていたのである。そのリリスを見てクロネリが俺の後ろに来て膝をつくと、俺の手を握ると俺を見つめていたのだ リリスを見ると涙を流していて、「私はアース殿に一生ついていきます」と言うとまたリリスの体が輝き始めた リリィが起きたみたいで目をこすりながら俺の顔を見ながら、「どうしたんじゃ!主様(ぬしさま)!妾に会いに来たのか!」と言って抱きついてきたのでリリスを見た俺は、


「あれ?なんで……この子は裸なの?しかも……体も成長しているし……え?どういう事なの?」と驚いていたのだった。するとリリスが俺の後ろで


「私は、このお方に……救われたんです。この方のおかげで……こんな醜い姿をしていたのに、綺麗な人間にしてもらったんですよ」と言い微笑んでいたのだ。すると リリイも起き出して、リリィの横に来ると「主(あるじ)よ。我もこの子に救われたのだ」と言うのだった。


俺は状況が全くわからないので「詳しく話を聞かせてくれるかな」と聞くとリリアが横に来て リリィとリリスとリリイに「服着なさい。みんな」と言うとリリアも服を着始めるのだった。


俺が「服をきてもらえるかな。色々と説明してもらえないかな」と言うと、リリィとリリスは慌てて服を着始める 着替え終わったので「話してくれるかな」と言うと、リリアリス達が話し始めたのである。まず最初に、この世界で奴隷になっていた時の事から話し始めてリリシアが「あの時は辛かったわ」と言っているのだった。俺は「この世界に、奴隷制度があったなんて驚いたんだけど……リリカが元奴隷って聞いてさらにびっくりしている」と言うと、俺がこの世界に来た経緯を話すと……なぜかリリィは泣いてしまい、「ごめんな……我がもっと早く気がついていれば……」と言って泣き出したのである。そして俺は、この家の裏にあった森に「精霊樹」という物を植えて「精霊の泉 エレメント・フォール」を作ったと説明すると リリリリスが、感動していて……「アース殿が植えたこの木は……まさか「神樹 アルティマ アルテマス」と同じ物ではないのでしょうか?」と言ってきたのである。


俺は、「いや、違うけど……まぁ……似ているかもしれないが、俺は、そんな名前の木は知らないが、この森に生えている木が勝手に育って大きくなって出来たんだよ」と言うと、


「そうですか……わかりました。私の思い過ごしですね。すみませんでした。アース殿は本当に素晴らしい力を持っているのに……それを鼻にかけることもなく……ただ普通に接してくれている……私の心は……あなたで一杯になってしまった。どうか私をあなたの奴隷にして欲しい。なんでもする。私はあなたのものになりたい」とリリィが俺に懇願し始め……リリシアは「リリィだけズルいぞ!妾は……主の事が……好き……なんじゃ」と顔を赤くしながら言うと、リリスも


「私は、リリア様と同じく……ご主人様をお慕いしております」と言って、三人とも土下座をして俺の足にすがりついて来た。俺は困惑して「とりあえずさ、立ってくれる?あと、君たちはリリスはリリィの妹なんだろ?リリシアは姉妹なんだよね?」と聞くとリリスが「そうですが……」と言うので、リリシアが「そうだ。妾と妹は……家族じゃ。それにリリィとも仲良しなんじゃ」と言うのだった。俺が何を思ったのかと言うと……俺は「俺は、リリスとリリィを奴隷として見れないんだ。ただの友達と思っているからね。それでね、リリアにリリイ、俺は二人には自由に生きて欲しいんだよね。だから俺に付いて来たいならそれでも良いけど……でも俺にはリリシスとリリイがいて俺の側にはリネスがいるんだ。もし二人のどちらかに好きな人が現れた時には、リリアとリリリスが俺の側に居てもかまわないが……他の人と付き合っても俺は責める事は出来ないからね。俺には、他に三人も恋人が居るんだ。リリアも知ってるだろ?」とリリアに話すとリリアは「わかってるのじゃ。だから……リリスにも自由を与えてほしいのじゃ」と言うのだった。


俺はリリスを見ると、


「私は……私はご主人様の側を離れる事はありません!ずっと一緒にいます。私を奴隷から開放してくれた時からご主人様の側にいると決めていました。リリィは私よりも先にご主人様に拾われて一緒に暮らしていた。でも、私は後から奴隷になったからご主人様のお側にいれなくなった……でも、私に居場所を与えてくださったご主人様は……私の事を守ってくれたのです。そして私はご主人様の力に惹かれたのですよ。どうか、私をあなたの奴隷にして下さい。一生尽くします」と言って再び土下座をした。俺はリリスを見てリリイを見る。


「ご主人よ。我らは今まで、お主の力で生きてこれたのじゃ。でも、これからの事はお主はどうしたいのかよく考えるべきだと思うぞ。ご主人が望む事を我らは叶える。でも、ご主人には大切な者がたくさん増えたからのぅ……だから……お主が決めた事をすればよい」と言うのであった。


リリシスは「リリスとリリィに聞きなさい」と言うので、リリスとリリィの方を向き、俺がリリスに「君の幸せのために、俺と一緒に居たいと思ってくれているのはすごく嬉しいよ。リリィにも同じだよ。でも……今、ここで、リリスとリリィは、俺が一緒に暮らすことを選んでいる。そして……リリィとリリスは……奴隷契約を解除しようと思うんだ。」と言うと、


「リリスは、お主と共に過ごす方がいいのかのぉ」と聞くとリリスが、俺に抱きつき泣き始めた。


「私には、もう……帰る場所がないんです!お願いです!私をあなたのお嫁さんにしてください!そして私を奴隷のままにして下さい!」と言った。


リリシアが「主様、この子は一度捨て子だったのだ。そしてその捨てられた場所でもいじめられていたみたいでなぁ……」と言ってくるのだが俺は……「そうなんだ。大変だったね……だけど俺は……君を捨て子だとは思えないんだよな。なんかこの子とは不思議な感じがするからね」と言うとその子の瞳は虹色に輝き出したのだ!!俺はその子の顔を見ようとするのだが何故か見ることが出来ない……。俺はその子の肩を掴み顔を無理やり見ようと顔に手を当てたのだが見えなくて……そのまま倒れてしまった。リリシアとリリリスが何か言ってる気がしたが聞こえなくなって意識を失ったのである。


目を覚ますと知らない天井が……俺は辺りを見回すと知らない部屋に寝ていた。隣では、俺に寄り添うように寝ている小さな少女がいた。俺はその少女に触ろうとしたら 突然扉が開いたのでそちらに視線を向けるとリリスとリリィが起きてこちらを見つめていたのだった。リリスが、その小さい子に気がつくとリリィの頭を叩いていた。リリィは叩かれたので俺の方に来て抱きついて泣いた。


リリィとリリスと話をしていると、先ほどの幼い女の子とリリシスが部屋に入って来た。


「やっと目が醒めたのじゃな……心配したのじゃ」とリリシスが言うと、


「リリリス……あの子が目覚めたよ……」と言うのでリリスとリリィは幼女を見た。俺は、何が起きたのか説明を受けるのだった。


「あの子がリリィが昔拾ってきた子なんだね。名前は……わからないんだよねぇ。俺はリリィの過去を知っているし……あの森に住んでいたって言っていたよね。あの時は精霊王になってなかったと思うけど、リリィの本当の仲間なんじゃないのかな?」と言うとリリィが


「私もそう思っている。私の眷属達も皆が、リリスとあの子を慕っていて、みんなが名前をつけたいと言っていたが、名前がないのだから名付けられないと言って困っていたのだ。だが、私は名前を付けられる気がするのだ。リリィがこの世界に来てすぐの頃だな。精霊達が急に、あの子をこの世界の人間ではない。神に近い存在であると騒いでいたのだ。その時に精霊達は私に「ごめんな」って言った気がしたのだ」と言うので俺は


「精霊王に認められたなら間違いないかもしれないな。リリィの過去の事は知っているだろう? リリィが連れてきたから、君たちは、この世界で家族なんだよね。だから、俺はこの子を受け入れることにするよ」と言うと リリィは「そうか……よかった」と安堵していた。リリスは俺の側に来て、「我にはまだ名前がつけられぬの……我が力を使いすぎて……まだ未熟なのじゃ。主様よ。すまないがしばらく待ってくれるかえ」と言って俺にすり寄ってくる。リリィが「こいつ……」と怒ってる。


俺とリリスとリリィと俺の側にいつも居るようになったリネスとクロネスと一緒に俺の家に帰り、みんなに報告するとみんな喜んでくれたのだった。それから俺の側にはいつも誰かがいるようになり俺は嬉しかった。俺がクロネリとクロネスと一緒に料理を作っていると……俺の腕に抱きついている。クロネに


「私にもあるんだろ。早く私にも抱っこさせて」と言うので俺が、抱き上げようとするが重くなって動けなくなってしまった。俺の頭の上に乗っけて、料理の手伝いをさせていると


「リリシスの胸の膨らみがすごいぞ!リリシアとリリスとクロネとクロネリより凄くなってるんじゃないか?」と言うと リリシスが慌てて俺の側にやって来て「何をしてるんだ。リリシアは私の娘でもあるが……私の方が姉なのだからね。リリィと私に同じ事を言うのよ」と俺の手を掴んで自分の胸に持っていこうとした。


リリシアが、


「ちょっとお母さん何をやろうとしてるの?ずるい!お兄ちゃんに抱かれる権利はあるのは妹の私なんだよ!」と言いながら、俺に引っ付くと


「じゃぁ私が先」と言ってリリスとリリィが、さらに俺を引っ張るのだった。そして リリシアも参戦してきて結局4人の争いになり……全員俺にしがみ付いて離さなくなったので、俺は「ご飯できたし食べようよ」と言ってその場を収めたのであった。リネスは、


「リネスお腹空いたのーご主人様にお乳ちょうだい」と俺に言い、俺のズボンをずり下げると俺は「おい、リネス!お前は本当に……お風呂の時にお仕置きな」と言うと リリシアとリリィが


「リリィお仕置きして欲しいかも……ダメですか?ご主人様……」と言うのでリリィとリリシャスの服を少し捲ってから、 俺は2人を抱きしめながら「仕方のない子たちだよ」と言うと、3人は「ご主人様ありがとう」とお礼を言いリネスはリリティスに抱きつき甘えるのだった。リリナスだけは、リリィとリリスとクロネリと一緒にお留守番をするみたいである。


俺は、屋敷に戻ってきてみんなでお酒を飲んだりして楽しく過ごしていた。その日、リリィが


「ご主人よ。リリイが目覚めるまであと1週間くらいかかるみたいだ。それまでどうするか決めてくれ」と言ったので俺は「う〜ん……どうしようかな……リリスが精霊使いになったわけだし、そっちの方面の勉強とかをさせた方がいいのか?それと……今、リリィには、リリシアとリリスの教育係を任せてるけど……二人に教育する子も必要だよね」と言うと リリィが「うむ……確かにそうなるな……私では力が弱い。精霊は私とは契約ができないみたいなのだ。それに……今のリリシスの力を考えると……リリスでも厳しいのかもしれぬ」とリリスを見ながら言った。リリスは悔しそうにしている 俺はリリスとリリィにお願いをした。「二人はこれからもリリィと一緒に行動してもらうつもりだから、俺がリリィに指示を出せないときもあるかもしれないんだ。だから……今のうちに慣れておくために、一緒に勉強をして来て欲しい。リリィは二人の事をお願いします。リリスの力は俺が制御している状態だけど……それでも精霊王は最強クラスだと思うから、教えてくれると嬉しいんだけどいいかな?」と聞くと リリィが「リリスも私達と同じようにすれば問題ないだろう」と返事をしていた。


俺はリリスとリリィとリリシスの四人に「俺と離れることになるが大丈夫かな?」と不安になり聞いてみると リリスが


「はい……私……リリシスと一緒が良い」と頬を赤らめながら言ってくれた。リリスの言葉を聞いたリリシスは


「もちろんだ!リリスの面倒を見れるなんて、こんな光栄なことは無いな」と言いリリスをぎゅっとハグしたのだった。それを見て羨ましそうにリリィとリリシアは見ていたのだった。俺は「クロネリも一緒に来るか?多分、この世界で一番安全なところだけどね」と言うとクロネルが「うぅ……でも私は……この子たちの面倒を見ないといけないから……私は残ることにしますね」と言うので


「クロネリ……君は俺の仲間だ。もう君をこの世界に置き去りにすることはないから安心しなさい。君もこの世界で生きるんだ」と言うと クロネルが泣き始めて、俺に「もう私を一人にしないでね。絶対よ」と言われ俺はクロネルも抱きしめたのだった。俺はクロニスとリリスも連れて行くことに決めたのだ。リリスも俺とリリスが離れたら寂しいと思っていたからね。そしてリリシスはリリィに任せる事にして俺はリリィとリリスとクロネを連れて転移した。その行き先は【精霊神樹】がある世界だった。


リリスにリリシスを紹介して、俺は【精霊神樹】の中に入り、【神眼の神災】を使いながらこの世界を散策することにしたのである。俺達5人が歩き回っていると俺達の姿を見た人々が驚き俺達が歩く道を開けてひれ伏しているのが目に入る。俺はリリスとリリシアとクロネを連れていたので、リリリスとクロネを【究極完全体】を使って人型にした。リリスとクロネは身長160cmほどになっており、とても可愛らしい姿になっていた。すると、人々は、さらに驚いた表情になり「まさか……精霊様なのか」と言って俺達が歩いていた道を空ける。リリシアにはクロノスと同じ服を着せてクロネにはクロノスとクロヌスの着ていたローブを装備させていた。クロネには、リリシスとクロネスを預けて、俺達4人はリリスと一緒に観光をしながら【進化の石板】を集める事にしたのである。俺とリリスが出会った場所にたどり着いた。そこは森ではなく砂漠のようになっていたのだ。俺とリリスがその場所を見ていると……クロネが、「ここは……リリスと私が……戦った場所だ……懐かしい……」とつぶやく。


俺が「どうしてこんな事になったんだい?」と聞くと リリネスが「私がやった。この【大崩壊】を引き起こしたのがリリスなんだ」と言うと俺はリリシスに説明するように頼んだのである。すると、リリスが俺の前にきて、「私が説明するよ」と言ってくれた。俺は、この光景を見ながら話を聞いていたのだった。そして…… 俺はこの世界の状況を改めて聞いた。俺達は……この世界の管理者として認められた。俺は……


「君たちに俺が力を貸しても良かったが……君たちの意思でこの世界に関わって欲しい」と伝えたのだった。


リリスは「わかった。そうするよ」と言う。クロネは、「私も……この子たちを守る為に、リリスと一緒にこの世界の管理者として君に力を借りるよ」と言うのだった。


リリスとクロネの二人も納得してくれたので俺は


「なら俺から君たちへのプレゼントをあげないとな」と言ってリリスとクロネスに力を授けることにしたのだった。リリシスにも、クロネと同様に力を付与した。クロネにはクロネスにも同じように力を宿す事を提案した。リリネスも同意したので 俺のスキルを使ったのであった。そして俺は、リネスとクロネの二人にあることを命令したのであった。俺は「リリスとクロネはこの【石版】を集めながら生活してね。クロネスが居れば問題ないと思うけど、何かあったら俺に知らせるように」と言うと


「リリスちゃんと二人で頑張るよ。ご主人」


「わかりました」と言うと、俺に抱きついてきたのだった。俺とリリスとリリィとクロネスとクロネリは【時空転移門】を出して、リリシアを呼んでこの世界の状況についてリリィと話し合った。その後、この世界のリリスが使っていた屋敷に行くことにするのだった。屋敷に入ると俺は「ここにリリシアと一緒に住みたいのであれば住むといいよ」と言うと二人は「はい」と言ってリリシアと共に暮らすことにした。リリスとクロネスは、クロネスと一緒に暮らし始めたのであった。俺はクロネスと二人に屋敷を任せて外に出ると、この世界のリリィに案内され精霊界へとやってきた。


「この先をまっすぐ行くとあるのが精霊神樹です。私とクロノスの住んでいた場所でもあります」と言われたのだった。俺とリリィは、その精霊神樹の中を進んでいくとそこには精霊たちが大勢で楽しそうに過ごしていた。そこに一人の美しい女性が現れたので俺は警戒して【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を使うが……名前が表示されなかったのである。リリィも俺と同じことを考えていて【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を使っていたのだが俺とリリィはお互いをみて驚いていた。


「ご主人様?私に隠し事は通用しないよ。私を甘く見ちゃダメだよ。私はご主人様を愛してるからご主人様の事は全て知りたいんだよ。それに、ご主人様がどんな存在だろうと私にとっては、かけがえのないご主人様なんだから」と言う。


リリイも「ご主人様が何者か知ろうとしていた。ご主人様の力になれないかなって思ったから……。だから、今は何も知らない。これから一緒に過ごせる時間が有った時に色々教えてほしい。私は、リリィみたいに賢くない。それに今はご主人様と過ごしたい」とリリイが言う。リリイもリリイなりに考えてたみたいだな。俺は「そうだよね……まだ時間はたっぷりある。その時は全部話すからさ」とだけ答えてその場を立ち去ったのだった。リリィとリリスとクロネリは、この場に残ることになり俺は、この世界ではリリィに会っていない。


俺は精霊神樹から戻りクロネリを連れて精霊神樹に向かうと、この世界のクロネに会った。俺は「クロネ。少しの間、俺と一緒に行動しよう」と言うと、クロネは俺の手を取り嬉しそうにしている。俺はリリィにリリスを預けた後、クロネと二人でクロネスの所へ行き【空間転移】を使い精霊界に戻った。そして、この世界にいる精霊たちに話を聞くために向かったのである。俺は、この精霊たちを【眷属化】させようと思っているのだ。俺は精霊神樹の精霊たちのいる所にいき事情を説明した。


「私達が精霊神様の御世話をするのですか?」


「あぁ。君達に任せたいんだけどいいかな?」


「喜んで、お任せ下さい」


こうして、俺とリリスとクロネリはクロネを仲間に加えた。俺はリリスにクロネの事を頼むと俺は精霊たちとの対話を続けた。


それから俺は精霊たちに「精霊樹に住めるようにしてあげてくれ」と頼んだのである。すると「畏まりました」と言って精霊たちは、それぞれの能力を発動させた。そして、俺は【全属性耐性魔法】を使って自分の身を守ることにした。しばらくして俺が、この世界のリリィを召喚しリリスとクロネリが合流した時「どうしたんですか?」と聞かれたので俺はクロネにこの精霊たちに【進化の石板】を使わせたのである。俺は【超回復薬(エクストラポーション)】を使い全員を回復した。俺は【石版】を使って精霊たちの進化を行った。すると精霊たちは進化した。


精霊たちは精霊樹で精霊として生まれ変わる事になったのである。


俺達は【空間転移】を使い俺達の世界に帰ってきた。


俺がリリスに聞くと、「大丈夫だと思うよ」と言っていたのでとりあえずクロネの部屋に行こうとすると、何故かクロネがいてリリスと一緒に待っていたのだった。


「どうしたんだ?何かあったのか?」と聞くとクロネが、「あの子達も……この世界を気に入ってくれたみたいなんだ」と言うと俺達はクロネの部屋に入り話し合っている。


リリスとクロネリから聞くにはリリス達が【進化の石板】を集めて生活を始めたら、突然大量の魔族が現れこの世界に侵攻してきたらしく、それを撃退する為にクロネスは一人で頑張っていたが力及ばずやられそうになったところをリリスに助けてもらいクロネアとして、精霊として生まれ変わったのだと言う事だった。ちなみに、この世界のクロナも、この時クロネスのピンチに駆けつけているのだった。そしてクロノスが「私が守る為にこの世界に残っていたのだけど結局守れずこの世界に封印されてしまったわ。そして……この世界のクロネの体を借りて、私がこの世界の守り手となった」と言ったのである。


俺は「そうなんだね」と言ってクロネを見たのである。クロネとクロナは姉妹であり同じ【神器】を持っている。この世界に来てからは、お互いに意識の中で会うことができるようになっていた。しかし、【時空転移門】を使っていないと、会うことが出来ないのである。俺は、このクロネスの事も気になっていたが、まずはリリス達に【究極完全態】を使おうと思っていたのである。俺のステータスを確認してみると俺のステータスには【覚醒 究極完全態 神の魂】が追加されていた。俺がそれを見て戸惑っているとリリィが話しかけてくる。


「どうされたのですかご主人様?」


「この【時空超越】と表示されてるものなんだが」


「これ……なんでしょうね。今までに見たこと無いです。それに【神の魂】なんて……」


「俺にもわからないんだ」


「私に試してみません?何かわかるかもしれませんし」


「そうだな……わかった」


俺は【神の魂】を使用してみる。すると俺の中に記憶のようなものが流れ込んでくるのを感じ取った。


この力は……そうか、これが俺の能力の正体だったのか。俺はこの世界に来ている全ての存在と繋がっている存在なのか……。そう、それは……全てを見通すことが出来る。全てを理解できる……そんな感じだった。俺は全てを知ることができたのであった。


この力を使えば……この世界に起きている問題など一瞬で解決できるほどの力なのだ。


俺は、この世界の管理を任された以上、この問題は絶対に放って置くわけにはいかないので、リリスにお願いをしたのだった。


「クロネ、俺の願いを聞いてくれるかい?」


「はい。何でも言ってください。私は貴方の為ならなんでも致します。たとえ死んでもいい」


「死ぬようなことは言わないで欲しい。君にお願いしたいことがあるんだ」


「私の命が惜しくないのでしょうか」


「いらない。それより……クロネスが君に託した力を……今度は君が俺のために使って欲しい」


「どういう事なのですか?」


「俺には……いや……俺にはこの世界で何が起きてるのかは大体把握したよ。俺はこの世界に来る前から【未来予測】と【確率操作(フルスキル・アシスト)】という二つのスキルを持っていたんだ。この【時空転移門】もそう言った経緯で出来たんだ。でも、このスキルを使うためには条件があって俺は自分が望まない未来の回避の為にスキルを使ったんだ。俺が、自分の未来予知を信じる限りは俺は、この世界では死なないと思ってる。それにこの世界は、俺が来る前はこんな悲惨な状態ではなかったはずだ」


「私は何をすれば良いんでしょうか?」


「クロネスに頼んでいたことをクロネに頼みたい。俺と一緒に旅をしてほしい」「私は……クロノスの力がありますが……」「あぁ。そうだな。俺が今からこの世界に起こす行動は全て君を通して行うことにしている。君の事はリリスと俺とクロネリが守るつもりだよ。クロネリと俺は、リリィとクロネスがいる。俺には、リリィとクロネリの加護の力もあるからね」


「わかりました」俺は【神眼】でリリスを【進化(エクステンション)】で【真なる龍神 リリス・ド・ラ・ベルゼブブ】にする為に使う【極聖の癒し水(ホーリーウォーター)】と【真神之御使い】を使う。リリスは光輝きその姿は変わっていく。そして俺は【真進化】を行い【超絶美少女(ウルトラガール)


神之御使い 天上の美姫 超神リリス】になる。そして、俺はリリスの髪の毛を掴み【真血解放 吸血支配】を使うと俺はリリスに俺の魔力を分け与えた。俺は【全知全能(オールマイト)】を発動させ、クロネスが行っていたことを確認すると、リリスを【超次元高速飛行 時間停止 時間逆行 運命の掌握 未来視】を発動させる。俺はリリスの髪を掴んで【全知全脳(オールマインド)】を使いクロネスが俺に送ったメッセージをクロネに見せるとクロネリは驚いた様子をしていた。


「私は……リネス様を助けることが出来なかった……。私がもっとしっかりしていたら、クロネス様にこのような思いをさせなくて済んだはずなのに」


クロネリは泣き崩れていたのである。クロネリはクロネスにクロネとして仕えているが、リネスが大好きでずっと一緒に住んでいたこともあり仲が良い関係を築いていたようだ。そんなクロネが俺の世界に来た時にクロネに成りすまし、精霊たちを指揮しクロネを守りクロネとして過ごしていた。クロネスは最後の最後までクロネのことを気にかけていたのである。


「もう、いいんだよ。君が居なければ、この世界を守ることも、クロネを守ることもできなくなっていた。ありがとう。君は俺達にとって大切な仲間だ」


俺はクロネを抱き寄せてクロネの頭を撫でてあげた。そして俺はクロネに言うとリリスの【超速回復薬(ハイポーション)】と【超神回復薬(エクストラポーション)】を使ってクロネを治すと、クロネリがリネスの姿になりリリスの髪の毛を持ってクロネとリネスの体が入れ替わるとリネスがリリスになったのだった。俺は、クロネのステータスを確認したが俺達と同じように【超完全形態】になっていたのである。俺はクロネリとクロネスを抱きしめて、これからの作戦を話始めたのである。


リリィとリリシアに俺の記憶を共有すると俺とクロネリは、リリィとリリシアを連れてリリスと共にこの世界を旅立つことにした。この世界にいる全ての生命に【覚醒(エボルション)】を使い【究極完全態】にさせると、【神の加護】を使い全ての生命体のステータスと能力を上げたのであった。


俺達がこの世界を離れる際にリリスの配下の者たちが泣いていたのである。俺はリリス達に、「また会えると思う。それに今は君達の力が必要なんだ。君達の力は……必ず必要な時がくる。その時は必ず来る。だから、その日まで力を溜めて欲しい」と言うと、クロネがリネスに向かって「リネス、貴方はクロネのこと、クロネはクロネスをよろしくね。私の代わりに……この世界とこの子達を守って欲しい。約束出来る?」と言うとリネスも涙を浮かべながら、笑顔でクロネリを見つめていたのだった。クロネスの意識とリネスの意識はお互いを理解し合っていたのだ。


俺達はクロネリの元に向かいリネスにクロネリを託すと俺達はクロネリに別れを告げて、俺達はこの世界をあとにしたのだった。


クロネリはクロネを優しく見送っていた。


「さようなら……私の大事な人」と涙を流しているのだった。俺は【神の叡智 全知】でクロネリの心を読み取っていたが、やはり心の底ではリネスに会いたかったのであろう。そしてクロネスが言っていた通りクロネスの意識とリネスの意識をリンクさせていたのでクロネリにはわかっているだろうが俺がクロネスを救えなかった事を。俺は【神の目線】でクロネリを見るのであった。


俺が、この世界でするべきことが終わったとクロネリに伝える。クロネリはクロネスがこの世界でした事を思い出し俺がしたかった事を聞いて来たので俺は答えたのである。「クロネリ……君とクロナを俺の旅に連れて行きたい」


「クロナも一緒なのですか?」


「うん。クロネに頼まれたんだ。君を助けて欲しいってね」


「そうなんですか。それなら私も連れて行ってください。お願いします。私は、クロネ姉様とリリアナ様と旅が出来るなんて夢のようです」とクロネと同じような反応をする。俺はリリィとリリィと俺が持っている剣の【魔剣・改】で戦おうと思っているとクロネリが聞いてきたのである。


「それで……この子は誰なのですか?」


俺は、【鑑定】と念じ、ステータスを見ると、リリィ・リリスとリリシアも自分の武器を見て、驚いている様子だったので俺と【神の叡智 無限図書館】で検索してみた。この世界は俺が来た世界ではない為俺の知らないことの方が多かったので、俺の持つ力やこの世界で起きていることを把握していくために情報が必要と思ったので俺は、【神眼創造(ゴッドアイクリエイト)】で俺専用の世界を管理するためのデータベースを創り出したのであった。俺はまず、【神々の神界図書館(ディバインライブラリー)】を開きクロネルを呼び出して俺が知りたい事を聞く事にした。するとクロネルから返答があった。


『お呼び頂きありがとうございます。早速、ご用件を伺います』「今この世界の状況を、俺の【全能眼】を使って把握しようとしているが俺の世界とは違うことが多すぎて情報が足りない。そこでお前のデータベースを使わせてもらっていいかい?もちろん、俺と俺の仲間たちが調べたことの情報を渡すし対価にお前のデータベースにあるスキルとアイテムを全て使ってくれても構わない」


「私のデータベースをですか?」


「そう、君たちの世界は俺たちの管理している世界ではない。俺の力で今この世界の情報を把握できないと俺はこの世界で起こっている問題の根本すら解決することができない可能性がある。それは絶対にあってはならない。だから俺は君の世界の力を借りたい」


『わかりました。私がこの世界の為に役立てるなら本望です。では、【神々の神界の図書室(ディバインライブラリー)】の管理者権限をお譲りさせていただきます。どうぞ使って下さい」そう言い、俺が、自分のステータスを確認すると俺に【神の領域(ゴッドスペース)】というスキルが新しく生えていて【神々の神界の司書】という称号まで追加されていた。


俺のステータスはこんな感じになったのである。


「俺の名前は、黒沼勇兎(くろぬまゆうと)。俺が異世界から来たことは知っていると思うが、これから一緒に旅をして、世界を救う為に協力して貰えないだろうか」と俺は言った。


「わかりました。微力ですが、頑張ります」とクロネリが言う。


「リリィ、俺と旅をしている間はリリィにリリィの全てを委ねることになるがそれでもいいのか」


「私は構いません。リリィ様に全てを任せます。私は……この子の為なら何だって出来ちゃうと思いますし。この子も私の為ならきっと、何でもしてくれます。それにこの子は私達の娘になるのですよね」


「まぁそうだな」


「私は、リリィさんと一緒に、勇者であるこの子と旅に出ることができて凄く嬉しいです。それにこの子には……私がこの子の母親になってあげたいなと思えるような何かを感じるんですよ。私でよければ喜んで協力したいと思っております」とクロネリが言ってくれた。クロネリが俺に【神の叡智 無限図書】を使ってクロネリの知識を共有してくれと言ってきたため俺は了承する。クロネリが言うように、何故かリリスは俺の子を産んでくれると言い出していたが断ることにしたのだ。しかし、リリィは嬉しかったようで、リリィはクロネリに「私の娘を産んでくれるのですね」と笑顔で言うのであった。そしてリリスも俺にリリィと同じことを言うのである。


リリシアとクロネがクロネリに近寄り抱きついた。クロネリは戸惑いながらクロネに、リリスとリリィに「クロネリのお母さん」と呼ばれると、クロネリは泣きながら、「私の母様はクロネだけです」と言っていたのであった。クロネはそんなリネに「クロネはクロネだよ。リネはクロネの本当の名前だけどリネはこの世界での名前なんだから、もういいんだよ。それに、クロネのこともちゃんと考えないといけなかったしね」


「えっと……どういうこと?」


「クロネはね……本当はね……」リリスが説明してくれたのである。リリスの説明によるとクロネはクロネニアが元人間だったことを知っているようだ。俺達はリネの意識の中に入ってきて、この世界に干渉して、俺達が助けることができなかった。クロネリを俺達に託すと、この世界での肉体を失い意識体として俺達とクロネをずっと見守っていたと言うのである。クロネリが言うには、この世界でもリネはリネだと言う。


「それじゃあ、クロネは私の中に入っているリネスとはどんな繋がりを持っているんだ?私の中にクロネリの記憶が流れてきたんだが、その中にクロネがいた。私はクロネスの記憶に残らなかったけど……リネスが私の魂とクロネスの意識を繋いでくれたおかげで、今の私がここにいるんだ。」


「リリスさんとリリシアは、クロネのことを理解できた?」とクロネがリリスとリリシアの方に向き直って聞いた。


「私とリリシアは、リネの生まれ変わりであることは知っていたから大丈夫。でもリネもクロネでしょ。クロネリとリネスは双子で同じ存在だから、リネとリネスの違いを理解できるはずない」とリリシアは言った。


「私には、クロネもリネスも同じ存在のようにしか思えないわ」とリリシアも言っていた。リネはクロネに「ありがとう。私はクロネリとクロネが同じ存在であることに違和感はないし、むしろ嬉しいくらい。だから私にとってリネスとクロネはかけがけのない大事な人。私にとっては二人は、リリネス様とクロネリ様ではなく、私のお姉様でありもう一人のお母さんでもある二人なんです」と言うとクロネが「クロネ、クロネリはクロネの事を実の妹みたいに可愛がってくれたし、私もクロネリの事妹同然で大切な人なんだよ」と微笑みながら言っているのである。俺は、少し感動していた。クロネリは、クロネをリネスと同じように大事にしてきてくれたからだ。そしてリネリも、クロネリを本当に愛してくれるのが俺にはわかって嬉しくなっていた。


クロネリもクロネも俺とリリシアの事は、家族のような感覚のようである。そして俺は改めてクロネリにお願いをする。クロネリは俺の仲間になると言ってくれた。


俺は仲間になったクロネリの能力を確認するためにクロネリを見る。クロネスの【神の叡智 神格化】というスキルは俺が引き継いでいるので問題はないと思ったが、俺は、クロネに聞くと【神の領域(ゴッドスペース)】のスキルを、コピーして欲しいと言われて俺はクロネスが持っている【神々の神界の司書】という【スキル】をコピーすると【神々の領域(ゴッドスペース)】を使えるようになったのである。


それから【鑑定解析】を使って確認していく。クロネが持っているスキルと称号が【神の叡智 神格化】と【神の叡智 無限図書館】に増えているのを確認して安心した。これで、【神の叡智 全知】と【全能眼】は、クロネリが使うことができるので問題はなさそうだった。


俺と俺の家族たち以外は【神の叡智 神格化】と【神の叡智 無限図書館】を使うことができるようになった。俺は【超回復】のスキルとリリシアとリリアナにコピーしてもらって【完全記憶】を全員分取得することにした。そうしないと忘れてしまう恐れがあるからだった。俺は皆んなで一緒に旅に出て強くなることを決めるのであった。


俺がリネアやリリィや俺以外のみんなのレベルや能力値を見て驚いていたらリディアに俺も【ステータス偽装】を使ってくださいと真剣に頼まれたので俺はリディアナや俺達のステータスを偽造しておいた。俺達は【転移】を使い次元移動したのであった。


クロネリはリネスと同じような性格になっている。俺のことよりリネの方が好きになってしまったようなのだ。クロネリが言うようにクロネとクロネスの違いはクロネにもあるのだがリネの意識と融合したクロネリにもやはりある。


俺に好意を抱いてくれているのはわかるのだが……ちょっと困ったことになったと思っているのである。なぜなら、リネがクロネが好きだとリネスに告白したら、リネもクロネも俺が好きみたいな流れになってしまって、リネもクロネに「リリス様、リネと二人で勇兎さんを癒していきましょう」とか言って俺が止めようとする前に勝手に決めてしまったのである。クロネは「私は、リネのお姉ちゃんなの」と言いながらもクロネもクロネリとクロネでリリスに「母様。私達に任せてください。リリシア母様も協力してくださるなら心強いのです」と言っている。クロリシアの二人はリリスのことも尊敬しているようなのだ。それにリリスが、「私だって、リリィと一緒に勇者さんにご奉仕したいの。クロネリとクロネは私が産んだのだから私が面倒を見るのは当然でしょう。私はね。勇兎君のことが大好きなのよ」と言っていたのだ。俺がリリスを見ると俺に顔を近づけてきて頬っぺにキスしてきたのである。リリスの突然の行動に俺が困惑していると、俺がリリスから目を離している間にクロネに「母様、クロネだって勇兎さんのことは大好きです。勇兎さんと一緒に旅に出られるようになってすごく嬉しいんですよ。勇兎さんは母様と一緒なら嫌じゃないですか」と言うとリリスが、「クロネリ、私達3人はこれから一緒に勇兎君を愛する仲間なんだからね」と言った後に、リリスとクロネは二人で手を組み俺に迫ってきたのである。そんな光景を見ているクロネの視線は冷たいのである。クロネは、二人の行動でリネが俺への想いが強くなっていることを察知したのかクロネとクロネスとで俺をシェアしようと考えているようで俺はどうしたらいいかわからなくなってしまったのである。俺としては俺はみんなを平等に愛していて一人を選ぶ気はないし、そんなことはできないと思っていた。そして、リリスもリネも俺を愛してくれていることが伝わる。リリシスとリリシアがクロネに「私達はもうすでにリリィの中に入ってますし、この世界で肉体を失ったのにまた私達にこの世界で肉体を与えることができたことに感謝しています。それに、この世界での私は死んでいます。


私はもう、クロネの姉でもクロネではありません」と言ってクロネにクロネはもうこの世界でのリリネス様ではなくクロネなんだよと言ってあげなさいと言ってくれたのであった。そしてクロネリは「クロネも、私もこの世界ではクロネではなく、クロネリです」と真剣な顔で言っていたのであった。クロネも、この世界でクロネが生きているということはリネがクロネスが犠牲にしたクロネリを救おうとしてくれていたからである。だからクロネリはリネのことを大事に思っていた。


俺はクロネの頭を撫でながら「わかったよ。クロネ、俺は、もうお前たちのものだよ。だから……あまり、俺を追い詰めないで欲しい。


こんなに俺に好かれてるってわかっちゃうと俺も、我慢できなくなっちゃいそうだし、まだ俺には早いと思うんだよ。」と言うとリリシアが「勇兎さん、私達がいる限りあなたは無理をする必要なんてありませんし、そんなことしてほしくないんです。もっと私達に甘えてください」と言うとリリリスもリネも同意していた。クロネも「はい。クロネがお側にいます。


クロネは、クロネニアが勇兎様にしたことを許していません。だから……リリネスが勇兎さんを独占するのも許しませんでした。私はクロネリを救いたいから、私の中にいて欲しかった。リネスは、勇兎様のことを想っていれば大丈夫だと思っていました。私が心配してることなどお構いなしだったんです。でも……今、こうしてリネとクロネと三人で過ごすことができるようになって……とても幸せを感じています。


私の願いも叶えていただきありがとうございます」と言っていた。俺は少し嬉しくなっていた。クロネリはクロネスに体を返しても俺を慕ってくれているようだからだ。クロネも同じで、リネに俺を任せてくれるようだ。それから、リネスが俺の目の前に来て「私はクロネリと違って私はずっとリネのこと見守ってるつもりだったのに……」と悲しそうな顔をしているので俺は「リネス。君はもう俺の中で生きていけるようになっただろう。俺はもうクロネリを悲しませないと決めた。それに俺は君だけじゃなくて、皆んなのことを愛してしまっているんだ。皆んなには俺が愛していることを知ってて欲しい。俺は、リディアとクロネとリネス。それからリリシアやリリアナもリリカやリナやクロネルそして他の人達も含めてみんな愛してしまったんだよ。そして皆んなで支え合っていくんだ」と言うと皆は笑顔で返事をして納得していた。俺はそれから皆んなで【スキル共有】を発動して【鑑定解析】のコピーをしていたのだ。


そして俺達が次の国に向かおうとしたら【転移魔法】でリリスとリネアが現れたのだ。そのあとに続いて【全知眼】にアクセスした魔王と四天王とその配下達が次々とやってきたのである。それを見て俺は呆れていたが、リネスやリネは、魔王が俺のハーレムメンバーになったことを知っているため特に何も言って来なかった。そして魔王の配下の幹部の4人とリリネスとクロネは面識があるようだった。俺はクロネの方を見ると「クロネス姉様はリリシスとリネに【限界突破】【超絶成長】【スキル創造】のスキルを付与してあげたりしていました」と教えてくれた。俺はそれでリネがクロネスを姉のように思っている理由を知ったのである。そうして俺は皆んなでクロネリがリネスから奪ったクロノスとクロニカにクロノスは、クロネにクロニにクロノアを俺とクロエにクロカとクロネにクロリにクロニにそれぞれ渡し、クロニカはクロネリに、クロネはクロニスにクロニはクロネニアスに譲渡した。俺はそれを見ていたがクロネから譲渡を頼まれていたので素直に受け入れることにした。


そして俺はリネや皆のステータスを偽装した時にクロネスとクロナも【神の叡智 神格化】と【神の叡智 無限図書館】というスキルを持っていたがそれは俺の物なのでそのまま使うように言った。そして皆に俺の【神の叡智 全知】を共有してから俺は【全能眼】を使って俺のコピーを作りコピーした【神の叡智 全知】を渡したのである。


クロネスとクロナに渡した【真 覚醒 神滅覚醒】は俺の分身を作れるようになっているが、このスキルは俺と魂を共有することになる。つまり、俺の分身を作るということと俺とリンクすることになるのである。


そのため俺の分身の身体強化は本物と同等の強さを持っているが俺ほど強くなるわけではなく俺の分身に宿った経験値を使うことができるのである。ただし経験値が減るのではなく倍になって増える。これは俺の分身の身体能力の最大値が上がるのである。俺が強くなるにつれて分身の身体の強度と体力がどんどん上がるのである。俺の場合は、自分の能力値が100倍になっているから俺より強くなってしまう。俺よりレベルが上になることはないけど、俺のレベルまで上げることは可能であるが俺より強くなることは決してない。


そして、リリスにリネア、リディアとリリシアの3人にクロネリとクロネの2人の魔王に四天王が1人増えたことにより俺達はこれから先の旅はもっと安全にそして安心に旅をすることができるようになったのである。それに魔王と勇者と俺がいればどんな敵が現れても勝ててしまうような戦力になっているのだ。


リリスは俺に、「リネ、私はね。リネとクロネのおかげで勇兎君のところに帰ってくることができたの。勇兎君と結ばれることができてすごく幸せ」と言ってリネに抱きついたのだ。リネは、「はい。クロネス様がいなければ勇兎様の元に帰ることもできずにここで死んでいたと思います」と言っていて二人は感動的な再会をしているような感じになっていた。そしてリネスから聞いたのか魔王は俺に「我が妹達よ、久しいのう。よく戻ってきた」と言って二人とも喜んでいるようだったのだ。しかし……そこに「「「勇兎様〜!!︎会いたかったよー!」」」と言って3人の女性が飛び出してきて俺は困惑していた。しかも……この3人も俺に対してすごく好意的な感情を持っていてそれがなんなのか理解できなかった。この世界に来た時俺は10歳で今は17歳である。なのになぜ……?と思っているとその答えを魔王が説明してくれてた。どうも魔王の妹達であり俺の義妹のようだ。魔王が俺が転生してきた世界に行った後に、魔王もあちらの世界で結婚したらしい。その相手が俺と同じ異世界人だそうだ。それで俺の話を聞いていたのである。俺はリリス達の方に顔を向けるとリリスは顔を赤くしていたのであった。どうも……その女性陣は皆リリスに雰囲気が似ていたのでおそらくリリスが連れてきたんだろうと俺は思っていた。


リネやクロネが言うにはリリスと魔王の相手もリリスと同じくこの世界で結婚しておりその奥さんが、リネとクロネの義理の母だというのであった。


俺はその事に驚いていると「勇兎殿。我からも感謝をしたいと思っておりました。」と言ってその女性は俺の前に出てきて、リネスと同じようにお辞儀をしてくれたのである。


その女性が顔を上げて「私は、リネスと魔王様とリリスの姉でアリシアナといいます。この世界で、私も勇兎様の妻にしてください。私も勇兎様と繋がりが欲しいのです。どうかお願いいたします。」


そう言ってリネのお姉ちゃんでもあるアリシアはまた頭を下げていたのである。


「はぁ、わかりましたよ。でも、どうしてリネやクロネと違ってこんなに積極的になれるのですか?」


俺がそう聞くとリシアはこう答えてくれた。俺が異世界にきてまだ間もない頃は俺は、リシアとあまり話したことがなく、むしろ俺は、リネスに嫌われていてあまりいい印象ではなかったのだと。リネスに、リネスとクロネは姉妹として俺との接し方が違うということを言われてしまったようだ。それで俺は「ははっ」と苦笑いをしていた。


俺はそれから、皆が納得する条件を出してもらいリシアを俺とリネスとリネアが暮らしている家に来ることになり、そこで皆んなで話し合いをしたのであった。そして俺は、まずリネアとリネスの姉妹からリネアが俺の嫁になることとリネスが俺の妾になることが了承された。


次にリネが俺の妾になり、クロネアが俺の愛人になるということが決められる。そして俺の義理妹になったアリシアとクロネリの二人の妹は、俺の奴隷になりリネやクロネの配下になると決まったのである。そして俺はこの世界にいる間に全員の魔王のスキルを奪ってしまったので魔王と俺のスキルを全部共有させ、それから魔王は魔王をやめることになったのである。俺はクロネリからスキルをもらうとリネス達を連れて次の国に向かった。俺は次の国に魔王城を建てた後、【完全収納空間】で俺とリネスとリネスとリネアとリネスとリネシアの7人で暮らしたのである。


俺はリリスのところに戻ると、リニスも一緒についてきているようで、リニスに、この世界の現状を聞いてみるとかなり大変みたいで、魔族との戦争は終わっていたが今度は獣人とエルフの争いが激化してしまって手がつけられないとのことだ。それで、リネスとリネスがクロネリに頼んで連れてきてくれたのだ。リニスが言うには「勇兎様、私が、獣人やエルフの王と話をつけてくるのでそれまで待っていてもらえませんか?」と言われた。


それで俺はリネスにリニスと話をしてくるように頼み、俺がその間リネスとクロネリに【真・覚醒】を使ったり【神速】を使って、レベル上げをして俺のステータスや【全知眼】に【神の叡智】にあるスキルを強化しておくのだった。俺はその間にリネーにこの国を守ってもらいながらこの国の防衛のための武器などを作ってもらおうかと思っていたのだった。そしてクロネルとクロネが帰ってきて俺はリネとクロネと一緒にリネスとリネスが召喚した魔王とその配下のリリアとアリスが帰ってきたのである。そしてリネ達が戻ってきたあとリリスがクロネがクロニアから奪ったクロノスの力によってクロネは時間を操ることができるようになっていた。それでクロネにクロネスが【神の叡智 神格化】と【神の叡智 無限図書館】を使って、【全知眼】と【真・覚醒 限界超越 神格覚醒】というスキルを使って俺の分身を作れるようになったのとクロネは俺と魂を共有することになってしまうため、俺の分身の身体強化は本物と同等の強さを持っているが俺より強くなるのではなく俺のレベルまで上げることは可能であるが俺のレベル以上強くなることはないと説明した。


クロネスの作ったこの世界にはない素材の服にリネが着ているのだが、その素材の生地の感触は柔らかく動きやすいのでとても気持ちが良かった。そして俺とリネスは、リネ達にクロナとクロネリのことを頼むとクロナとクロネスが、リネアが新しくできたリリスの王国に遊びに来てほしいと言われていたので行くことになった。


俺とリネスとリネスが新しく作ることにした王都の名前を決める事になったのだ。そして俺はリネアと相談してリネネスが暮らしていた王国の国名のリスティナにした。俺はその事を、リネアに説明するとその事にすごく感動していて涙ぐんでいた。俺はそんなリネアが心配になって、大丈夫ですかと聞いてみた。そしたら、「ごめんなさい。私の国が無くなった事を思い出して泣いていました。勇兎様は本当に私達のことを考えてくれて凄く嬉しいです。それに私は、この新しいリスティナを勇兎様の役に立てるために精一杯頑張りたいと思います」と言って俺に微笑んでいたのだ。


それからリネ達は俺が作った服を着ていてその事でリネが、リネリスに似合うと言っていたが俺とリリィはその事は無視している。なぜならそれはもう……リネアとリネの二人だけで、ファッションショーをしているからだ。


「リネは、これとかどうですか?」


「いや……ちょっと胸元が空きすぎだと思うのだけど……もう少し隠れてもいいかな……」


リネアは恥ずかしがっていて顔を赤らめているのだ。そしてリネが試着を何個かしてみると、どれも可愛くて、どれにするかすごく迷っているのだ。そして結局は最初のやつを選ぼうとしていたのをリネアは、すごく嫌がっていたが最後は俺が買うと言ったことでリネが渋々それを買って着替えていたのだ。


そして俺はリネスに、俺がいない間何か変わったことはなかったのか聞くと俺がいなくなってから少しだけ俺がいなくてみんな寂しい思いをしていたということだった。俺がいなくなった時のことを詳しく聞き、俺が寝たふりをしている時に、リネとリネスとリネアとクロニア達4人が俺の取り合いをしたそうだ。


「勇兎君は、みんなのものなのにね……でも、勇兎君がいなくなれば勇兎君と結婚できると思ったんだよね。私は勇兎君を自分のものにしたかったの……だから……勇兎君を私だけのモノにして誰にも取られないようにしなきゃ……いけないんだよ」と言っていて怖くなったけど……嬉しかったなぁ それでリネ達は、クロネと魔王が来て俺との会話中に魔王はいきなり泣き出して、リディアとクロニスは突然魔王のことを心配しだしたりしていたそうなのだ。俺はなんで泣いたのか聞こうとすると、魔王は「なんでもないよ!気にする必要はない!」と言い魔王はリネとクロネスが俺の側にいることを許可してくれたようだが、なぜかクロニも「我も一緒にいるぞ!だって我も勇兎の妻だもん」と言われ俺は、なんで?と思い理由を聞くことにした。そして、クロノスの力を得たことで記憶を共有し、その記憶を魔王が見た時魔王もリネが俺と結ばれたことを知ったらしい。そしてその記憶を見て、リネとクロネスが俺と結婚することに文句を言うこともできずクロノスが言った「お前は勇者である旦那様と結ばれることになる。だがな、私はその前から、魔王様と結ばれていたのさ」と言う言葉で魔王は何も言えなくなったらしく「わかった。私も諦めることにする。その代わり、リネは、クロネスとクロネと一緒にラティーファを嫁にする約束は忘れていないだろうな」と魔王がリネに聞いたところ、クロネスとクロネリも嫁にしてもらえることになっていたみたいでリネは「わかりました」と答えていたのだと。


それで魔王は俺を抱きしめてきてリネとクロネスに俺が困るかもしれないがリネはいい子だから仲良くして欲しいということやクロネリとクロネにあまり迷惑をかけないでくれということを言われたみたいだった。クロネにはリネスが、リネとクロネスに「クロネちゃんが、リネアの手伝いをしてくれてるからクロネちゃんにはいつもお礼を言っているんだよ。それにクロネリちゃんにも助けてもらって助かっているから感謝してます」ということを言って二人は照れくさそうに笑っていた。クロネスとクロネリはクロネスからもらった力によって俺と同じ【スキル習得】が使えるようになりクロネスから俺と同じように【スキル複製】の能力をもらうことができ、リネアの手助けができるようになった。クロネスの【状態異常耐性 LVMAX】のスキルのおかげもあってか俺達のようにステータスの恩恵を受けていなくても、【状態】によるダメージは受けないようなので【完全回復 】を使えば一瞬で怪我などを治せるようになっていた。それから俺はクロネが連れてきた、クロネリの妹で俺がクロネリからスキルをもらう際にクロネリの配下となったリリシアとクロネリの配下のクローネを、クロネリから譲り受けて俺はクロネの眷属としたのであった。それでクロネリが魔王を、魔王が俺とリネ達を呼んでいるようなので俺たちは、クロネリ達と共に、魔王の元に向かうのだった。


クロネスが俺を連れてきた魔王がいる城では、俺をクロネの魔王城へと案内してくれた。


俺とリネスとリネスが召喚したクロネリは魔王に会いに行くことになりクロネに連れられて魔王の城に入ったのである。そして俺はクロネリのスキルのコピーを使ってクロネリとリネスが使っていたスキルの使い方を覚えた。【スキルインストール】で、俺のスキルの中に、リネスとクロネリのスキルを入れるとリネスとクロネリのステータスは、リネスがレベル500ぐらいになっていた。俺がステータスを確認した時に気が付いたが、このステータスって普通にチートじゃねえかと内心思ってしまった。俺達がそんなことをしているうちに、魔王のところに辿り着いた。


「勇者、やっと会えたな。我の事を、ずっと待たせてくれて、我は、とても寂しかったぞ」と言って、クロネリからリネスを奪うように、リネスを強く抱き締めていて俺はそれを、引き剥がしリネスをクロネに渡した。


それからクロネルとクロネリと魔王が俺の前にきて話を始めると、まず俺にお礼を言ってきたのだ。


そしてクロネリはクロネを、俺とリネ達の所に連れてきていて俺にリネ達に紹介するために声をかけたのだ。


「リネア、リネア、この子は私の娘のクロネリと、クロネリと双子の妹のクロネリとクロネとこの子がクロネの配下であるリネだよ。そしてこちらが勇者と聖女と魔王の四人で旅をしていて私とリネを召喚してくれた方々で、私が仕えている主人でもある勇者と、勇兎様の聖女の、リネアです。」と紹介をして 俺とリネアとリネアとリネアが頭を下げてクロネはクロネリの横に立っていた。


するとリネリが俺に近寄ってきてクロネリが、リネアを娘と言ったことについて、どうしてなのか聞いてみたかったようで、聞いてくれたのだ。するとクロネリはクロネリとクロネリの母親で、クロネリの父親と俺の世界にある俺の住んでいた街に来ていたらしくそこで出会って結婚したのだという。それでクロネリが生まれたのだ。


クロネスのお母さんは、人間だったが魔族の血が流れていたため、見た目が幼くなり成長が遅くなっていたらしいのだ。しかしそれはクロネスのお父さんがリネシスにあげた、あの指輪のおかげで成長することが出来、俺の世界の魔王と、リネア達がいた世界で、俺と最初に出会ったときにクロネと俺が初めてあった時に、俺のことを好きになる運命を辿っている。という呪いをかけたのだが俺がその呪縛を破ったことでクロネスのお母さんの呪いはなくなり普通の人と同じ速さの成長ができてクロネスを産んだのだ。ちなみに俺に好意を抱くことが条件だったため、俺を好きだと思った瞬間、恋に落ちて俺にメロメロになったみたいだ。クロネは俺のことが本当に好きなんだと改めて思うことが出来たのであった。そしてクロネスのお父さんは俺に倒されたあとは、魔王城に残り俺とクロネの子供を待っているとのことだった。そして、魔王城の玉座の間にはクロネスが集めた魔物とクロネリとクロネが育てている魔物とリネとリネアがいたのだ。クロネスの集めている種族は、俺が最初に倒した魔王軍幹部のオーガキングを筆頭とした上位種やオークエンペラー、トロールロードなど魔王軍の幹部クラスの者達で魔王軍の魔物の総数の半数がここに住んでいたのだ。俺はリネスに聞いたところ、ここは魔王の寝室でもあり仕事部屋で魔王が寝るときや食事をするときや着替えをする場所なのだが魔王の執務室もここに存在しているのである。そして俺に謁見したいと言う魔王の側近で魔王直属の将軍である。黒騎士のリリスとその副官で俺に負けたリリティスや魔王が昔に戦ったことのあるダークドラゴンの上位種のブラックドラゴンの上位種である。暗黒竜(ダークネスドラコニス)が、俺達の前に現れたのだった。


リリティスは俺を見て、「お前のことはリネア達と一緒にいた時に見ていたが、お前とはいつか手合わせをしたかったんだ。リネアを、私達のもとに戻してくれてありがとう」と言い、俺は「ああ、これからも頼む」と言ってリネスに頼んで俺の仲間になってもらおうと思っている。俺は魔王が俺を睨んでいることに気がつき、なんで俺を見てくるのか不思議だったのだがクロネリは、魔王に俺とクロネスとクロネリの母親が一緒にいるのは気に入らないみたいなことを言われて魔王に、俺の妻達と、俺の子供も妻にしていると伝えたところ、魔王に俺もリネアと同じように、我の事も、魔王として見てくれるか?と、魔王なのに俺と友達になりたいと思ってくれていることを言われたので、俺も嬉しくなって「わかった。俺はクロネや、他の仲間もだけど俺の家族だと思っているから、だから家族になってくれ」と言うと魔王はとても嬉しそうに「よろしくね。パパ!!」と笑顔で言ってくれていた。そして魔王がクロネを自分のところに呼ぼうとしたところで、リネが俺のそばに来て魔王に俺に何をしようとしていたのか聞いた。そしてクロネは、俺に、自分にも子供ができたことや、自分が魔王の子を産むために勇者である俺と結婚したとクロネスがリネに伝えていたことを伝えてきて、リネも魔王に「勇者様と魔王様と私の赤ちゃんが生まれてきた時に、魔王様は私をどうしますか?」と言い俺はそれを聞いた後、リネスと魔王は俺をみて笑っていて、魔王は俺に向かって「お前は優しいな……クロネスは勇者様が好きだがリネアとリネスも好きなようだから、私はリネネスの事は認めているが勇者は嫌いだ。なので魔王の権限を使い魔王城をお前達に与え、その魔王城の魔王の部屋に、魔王が許可しないものは入ることが出来ない。それとリネネスが産まれた時に、私と魔王がクロネネスの側にいることを、リネネスが産んだ子に約束したのだ。だから魔王が認めたリネアネスの夫以外はリネアネスとリネネスには会うことはできない」と言っていたのである。


俺はそれをクロネに伝えたが魔王とリネスから、自分達と魔王が認めるまで魔王の側に行ってはいけないと言われて俺は了承したのであった。


クロネスはクロネリの身体を借りると、クロネスが、魔王と話し始めたのである。俺はクロネリからクロネスに交代して貰い話をすると、魔王からリネスが魔王の娘であることを教えてもらってクロネスは、俺にお礼を言うと、クロネスが魔王と俺がクロネスの父親でありクロネリの本当の父親である事を伝えた上でクロネスが母親で俺との間にリネ達3人の女の子と、俺との4人の子供を産んだ事を伝えると魔王は驚きながらも納得していて、魔王にクロネを預けることを許可してくれたのでクロネスを預かることになった。そしてリネリが魔王にクロネリは魔王の義理の娘だと伝えると魔王は驚いた顔をしたが魔王はリネリと俺との関係を知りたかったようだったがリネリが言うのを待っていたのだ。


クロネリがクロネスと入れ替わりクロネスにクロネスのステータスと魔王のステータスを見せると、魔王は、自分のステータスを見て驚いていたが、すぐに受け入れていて魔王とクロネが仲良くなると、魔王がリネとクロネスが俺とリネアと俺の子供達がいる場所に案内しろと俺に言い出して俺は魔王を連れてクロネとリネとリネ達が住んでいる家に向かうことにした。クロネリは魔王のことがあまり好きじゃないような感じがしたのだ。リネに魔王のことについて聞くと「勇者様、リネスが魔王にさらわれる前の記憶があるのは知っていますよね。魔王はリネシス様に負けて力を失ったリネシスさんに呪いをかけて操って好き勝手していたのです。リネシス様はそのせいで魔王に対して不信感を抱きリネシス様は魔王から逃げていましたが魔王の力が戻りリネシアさんのスキルを奪おうと、私達が魔王に殺されそうになると、リネシスさんとリリスが助けてくれて、リネシスさんは勇者である勇兎様に保護されるようにお願いされてリネシス様の身体を私が代わりに使ってリネシス様が勇者に託したことをしたのです。魔王はリネスの事を、魔王軍の裏切り者扱いしているので本当は私の事が邪魔なんだと思います」と言っていた。


リネスの事を俺が聞いても答えないと思ったので、俺達はリネ達の住んでいる家に着いていた。俺とリネスとリネアは家の中にリネアの転移装置を使い中に入った。リネスは俺に抱かれながらクロネスに「リネスちゃんは、今度こそ幸せになれるかな?」と言うとリネスは、俺の頬を優しく触れて「リネア姉が頑張ってくれたのでもう大丈夫ですよ。リネスちゃんのお母さんは、お父さんと結ばれましたよ。だから今度は私が、リネスちゃんのために頑張りますね。そしてリネシスは、魔王に捕まり魔王軍に連れていかれて、魔王はリネスちゃんに復讐するために、私を人質のつもりでさらったのです。リネシスとリネスとリネスの母親の3人が、私を庇いながらリネスは魔王軍に捕まったのに私だけがリネシスの体で生きていくなんて耐えられなかったですからリネスは、リネシスにお母さんに、会いたいといつも言っていましたからね。お母さんが死んでから、リネスがお母さんに会いたいと言っていたので、リネシスがお母さんの分までリネスの事を大切に思っています。そして魔王はお母さんが死んじゃって寂しかったのとリネスのお母さんは、お母さんに似ていて魔王の事をお母さんのように甘やかしてくれる人だったのもあるかもしれません。」と教えてくれていた。


俺は、クロネスがクロネスの母親が、亡くなった時の記憶があることは知っているのでリネスがリネスの母親に、会ったことがない理由もわかるので俺は何も聞かなかった。俺はリネスからクロネスに代わろうと思い、クロネスと交代してもらうことにした。クロネスが、俺とリネスの目の前で俺に「ありがとう。リネアちゃん、私のためにリネアちゃんのお父さんに頼んでくれたんでしょ?ありがとう」とリネアに頭を下げてお礼を言うとリネアが「いえ。私は、私の大好きなリネスの願いを叶えただけなんです。でも私はクロネスさんを恨んだことはありませんしむしろクロネスさんが羨ましいと思っていました。私も、リネスのお父さんに愛されているけど……私は……勇者として召喚された時に一緒に来たクラスメイトの男子達に無理やり関係を持たされてしまってから、お父さん以外の男性と関わることが出来なくなってしまったので……クロネスのお父さんも……最初は怖かったんだけど、私もリネスと同じぐらいの歳で……それにリネスの気持ちを考えると可哀想で、勇者のパーティーを抜けた後は、魔王軍の幹部にされていたリリスに保護されて、クロネスと魔王と勇者の戦いを、リリスに聞かせてもらい魔王がリネを誘拐したことを、クロネスの父親が勇者に伝えたら、勇者は魔王を倒してクロネスを救出してくれた。私は、その時から、リネスと一緒にリネアに面倒を見て貰っている。私はクロネスちゃんみたいにリネスのことを大事にしたいと思っているんだよ。リネアもリネスが好きなんだよ。だってリネアの初恋の相手は私だし、今は、リネスの事も好きだからリネスの味方なんだよ」と言い「私も、リネアの側にいるためにリネアにリネスと一緒に面倒みてもらうために、この世界にいるんだからさ、私も私なりのやり方でだけどね」とクロネスは言っていた。


俺はクロネスから話を聞いて、「そっか。ありがとう。リネスも、リネも俺にとっては大切な人だと思っているしこれからもずっと一緒だと思っているから安心してくれ」と言うとリネは嬉しそうにしていた。


リネアは「うふふ。そうですね。」と言って笑っていた 俺達が、家のリビングでクロネスの身体からリネが出ると、俺に抱きついてきたので俺は、抱きしめた。リネは、俺に「リネスも可愛いけど。クロネスも美人で、綺麗だね。リネも可愛いところいっぱいあるからね」と言われてリネは顔を赤くして恥ずかしそうにして照れている。


リネはリネスを見て何かを考えていたが俺を見てからリネスを見てリネスに近づいて、手を握っていた。俺は2人のことを、見ているのだった。


クロネスが、俺達の前に現れて俺のところにきて俺がクロネスを抱きかかえて家を出てクロネスを魔王の前に連れて行くと、クロネスに「クロネスさんが魔王の娘というのは分かりましたがどうしてあなたが、ここにいられるのですか?」とクロネスに向かって言うと、クロネスは「私の事は、クロネスと呼んでください。私はクロネスではなくリネスですから」と、クロネスに言われた。


俺はリネの身体を借りて【神眼(ゴット・アイ)】でクロネスを見た時に分かった事があって【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を使ってステータスを見るとステータスに表示されなくなっていた【魔眼支配の瞳】のスキルがあった。そのスキルの説明を見ようとした時にクロネスはステータスを見ることが出来るようになったのだ。だから俺がステータスを見ようとするのを止めることが出来たのだが、俺は見ようとしたが見ることが出来なかったのである。それで俺は魔王とリネとリネスにはクロネスの事を魔王の娘と伝えたのである。クロネスには俺とリネスと魔王しか、ステータスを見ることは出来ないことを伝えて俺の【状態共有の指輪】を付けるように言って俺の分は渡してあるのでリネスとクロネスにクロネスにも、俺とリネスと魔王が認めた証になる【神の衣(ゴッド・ローブ)】を渡しておくことにして、それを身につける様に言ったのである。


魔王はリネシスの見た目とクロネスがクロネスだと知って納得していて「なるほどな。魔王軍四天王の一人のリネシスが行方不明になっていた理由は、貴女を守るためか、そして貴女に危害を加えようものならリネシスが貴女を守るだろう」と言うとクロネスは魔王に、「私を守ってくれているのはクロネスです。私の名前はクロネスです。クロネスと読んで欲しいです」と言うと魔王は「リネサスとリネシスの事は聞いている。私はリネスと呼ぶことにするよ。魔王軍は解散することになった。魔王軍にいた者は好きにするといい、私の元に来てくれる者がいたら嬉しい。リネスと私は共に生きることに決めた。私がリネスを必ず守ると決めたのだ。だからリネスを頼む」と魔王はリネスに言ってリネスは魔王に「はい。私が守ります。リネスと魔王が出会った時も私が止めました。そして魔王に力を奪われてしまったのです。でも今は私が力を取り戻したので、私の方が強いので魔王よりリネスを守りたいと思います。」と言っていた。俺は、俺の妻達はリネスとクロネスのことを知っているし、リネスの気持ちも知っている。魔王もリネスに負けてから魔王の力は落ちてしまい元に戻ることもできないくらい力を失ってしまい魔王はリネスに対して負い目を感じていて、力を失ったことで魔王の威厳もなくなっており部下からも馬鹿な事をする魔王と蔑まれていることも、そして俺の妻の皆と、リネスとクロネスが仲が良くて、クロネスがリネスのことを妹の様に思ってくれていることは魔王は知らないし、リネとクロネスの関係や魔王の事もリネが説明した方がいいと思っていたから俺は何も言わなかった。


俺が魔王と話し終えるとリネシスは、クロネスを自分の家まで連れて行きリネスの身体と精神の入れ替わりで元の身体に戻ったがクロネスに俺が、リネスから聞いたリネスがリネアと一緒に暮らしている事を、リネシアが心配していたことを話した そしてクロネスと魔王と話をした時のことをリネアに伝えていた。


俺が魔王との話で魔王軍が魔王の力で操られて無理矢理働かされていたことや魔王にリネシスを襲わせた理由を聞いたことと魔王はリネシスが魔王の娘であることを知りながら、リネシスにプロポーズをしたことでリネシスと魔王が戦った結果、クロネスは魔王との戦いで力がなくなりリネスはクロネスを助けるため自ら魔王と戦いクロネスの力を封じた。


そして魔王はリネシスの事が忘れられず、リネシスのことが気になり始めた頃にリネシスが魔王軍に囚われてしまい魔王はリネシスを助けに行き助けた後もリネシスが忘れられずに魔王はずっと思い続け、魔王はリネシスを愛しており今でも大切に思っている事を、魔王から直接聞いていたので魔王は、魔王軍の部下に命令しリネネスを襲わせていたことが分かり魔王も魔王軍に操られていた事を魔王から聞き出したのであった。


クロネスは魔王の事でリネに自分が魔王から狙われてリネスと一緒に住んでいることは話さなかった。リネスと魔王が出会ってリネスの身体が乗っ取られてリネスの意識がなくなって、そのまま魔王に体を使われたことを知られてしまうとまた同じようなことが起きると警戒して言えなかったのだ。クロネスは自分の体が乗っ取られたことを思い出せば俺に抱かれた時にリネスも一緒に俺に激しく抱かれてしまい体を重ね合ったことを思い出すので余計なことを言わないようにしていたのかもしれない 俺がクロネスを抱きしめたあと俺は【魔道具創造(マジッククリエイト)】を使ってクロネス用の装備を作ったのでクロネスに渡した。俺が作って渡したのは、俺の魔力をクロネスの魔石に送りクロネスに付与してクロネスのステータスが上がるようにしてクロネス用に作り替えたのである。【鑑定眼(ゴット・アイ)】で確認すると【鑑定眼(ゴッド・アイ)】でも表示できるようになっていたので、ステータスを見ようとステータス画面を開いてクロネスを見たときに表示されてクロネスが自分のステータスを見れないように表示をロックして俺が許可を出した相手だけが見ることができる設定に変更したのだった。


俺は【魔鍵】を取り出して俺が【時空の蔵】に入れてあるリネスが魔王に奪われたリネア達の身体と服などを出してクロネスと魔王に着せてもらったのである。


リネアとクロネも服を着ていたが俺に、「ねぇねぇお兄ちゃん見て!このワンピース可愛いからクロネスとお揃いなんだよ♪クロネスの髪の色と同じ色だね。私とクロネスとクロネスの身体の私も一緒だよ!」


リネアは嬉しそうにしていてリネスとクロネスは「「リネアちゃんありがとう。リネアちゃんが選んでくれたんだね。私もリネアちゃんが大好きだからリネアちゃんとクロネスの分は絶対に忘れないからね」」と2人は喜んでいた。クロネスは嬉しそうにしていたが、クロネスも喜んでくれていたのである。それからクロネスは、リネアをギュッと抱きしめていて「リネアありがとう。私はクロネスの事は好きだけど、リネアの事は大好きなんだ」と言って抱きついていたのだった。


俺はリネとリネスとクロネスを連れて、家を出るとクロネスがクロネに、これからクロネスが、魔王城に行って、リネスを預けたらすぐに帰ってくるからと言い、クロネスがクロネスが、しばらく家を留守にしてる間俺達が家の中に入るのを見てクロネスに、リネス達をよろしくお願いしますと言うとリネスが、「大丈夫。クロネスにはクロネリスが付いていますから、それに私に何かあった時にはリネスがいるんですもの」と言うとクロネスはクロネスの頭を撫でていて、俺の方を向いてクロネスにクロネスのことをお願いと言われてクロネスがリネスを抱きしめて、リネスがクロネスに「クロネス、私はあなたの姉としてリネスの事を大切に思ってるわ」と言うとクロネスが、「私もクロネスのこと大切な姉のつもりでいる」と言っていた。


そして俺は【アイテムボックス】の中から魔石を10個取り出してリネとクロネスに1つずつ渡すと、クロネスとリネスに【魔核】を入れてもらった。そしてリネシス達に俺が魔族だと打ち明けることにしたのである。俺はリネシスとクロネスには魔族の国に連れて行ってもいいかなと思っていた。俺は【神速】を使ってリネとクロネスを抱き抱えると魔王に


「ちょっと出かけてくる」とだけ言うと俺は魔王とリネシスにリネスとクロネスを残して俺は【空間転移】をして【時空の扉】を出すと俺はリネスにクロネスとリネシスを守ってもらうために【神の守り】を発動させた。


【神の守り(エンゲージバリア)】と言う名前をつけたのでクロネスとリネスにも覚えてもらおうと思っている。


そして俺は、リネシスとクロネスを残し、俺達はリネシスの家を出てクロネスがクロネスに「私と一緒に来て。私がクロネスを守ってあげる」と言って手を繋いで俺が発動したゲートに入っていくと魔王とリネは手を振り見送っていた。


そして俺と妻たちは、【空間収納】の中にいた、リネア、メイシス、ミル、アリア、レイ、ルミシスと【神の守り(ホーリーフィールド)】で結界を作ってリネシスの家には入れないようにする。


そして俺たちはこの世界に戻ってくることができた。


クロネスは俺が魔王から聞いた事を皆に伝えると皆はショックを受けていたけど納得していたようであった その後、家に帰る前にまずリネスの実家に行くことにしてある場所に向かうために向かっていたのであった。



***


次回は、番外編です 〜〜 今日から夏休みという事で久しぶりに実家で家族揃って食事を取る事になっていた


「母さん元気?」


「お父さんただいま」


「お久しぶりです」


俺の家族は4人いて全員で俺を含めて5人で食事をする予定なのだ 父、母のリシア、長男のハルスそして長女のアネシスと弟のレンティスと妹のアリシアと父の秘書で幼馴染のセシアと妹の嫁のサラの8人と大所帯になってしまったのである。


父は侯爵家の当主で宰相を務めており、妻は元貴族の令嬢であり母は元伯爵家の娘で元王女様でもあった 父の家は元々子爵家だったが父と結婚したことで侯爵家になったらしい ちなみに母は俺と3歳違いの妹は、母とは16歳の年の差結婚で俺と年齢差が一番離れている。まぁ、妹と俺の母が同級生なんだけど、妹と父が知り合いで父が学園の剣術部の部長で母も武術部の部員だったことが切っ掛けで付き合いが始まり、俺と妹も面識があり仲が良くなっていた。それで俺とも交流があるからかよく父と母にくっついてくる 俺の妹は美人な方だと思う。性格は明るく、面倒くさがり屋なところもある そんな妹だが俺や両親にとても良く懐いてくれている可愛い子だ。


今は20歳で来年には大学を卒業するのであった 妹の容姿は肩まで伸ばしたストレートの金髪に整った綺麗系の顔に大きい目に小顔にバランスがいい体形をしており、出るところは出ているスタイルの良い美少女である。身長は155cmと平均よりも少し高めで手足は細く長くモデル体型でもある。


そして俺の自慢できるくらいかわいいと思っているので、俺の溺愛っぷりは親バカと言われても仕方が無い程である。


俺はこの世界で転生してきたせいなのかは分からないが記憶を持って生まれてきたのだ。なので小さい頃から周りより賢かったし周りの人の行動を見て何となく理解できてたからか子供の時は特に苦労もせず生きてきて今の15歳まで生きてこれたのもあるので前世の記憶があったおかげで助かった事もあったと思う。


そして俺はこの世界では珍しい黒髪に瞳の色は深い緑色をしていて顔立ちは悪くはないと思いたいが、美男と言う訳でもないのかもしれない。俺は自分では普通だと思うのである。


今の父の仕事の手伝いをしながら、剣の稽古は続けてはいたが、この世界にはスキルというものがあって、その恩恵でレベルが上がった時の身体能力の向上幅も高く俺の運動神経が特別良かったのかわからないが他の人から見れば俺のステータスは高すぎるほどに高いらしい この国の国王陛下から騎士団にスカウトされるほどの強者でもある しかし俺は魔法を使うことが出来ないし、戦闘経験も無い。そもそも、魔物を見たことがないのだ。


そんなこんなで平和な日々を暮らしてた俺だったが、俺が14歳になった時だった、突然、魔王が出現した しかも俺は勇者の召喚に巻き込まれたらしく勇者パーティーの一人として召喚された 正直なところ、異世界に飛ばされて魔王が現れたなんて言われたら、ラノベの主人公みたいな活躍が出来るのだろうかとか考えたこともあったが、実際はそうはならなかった……………… *


***


<sideリネス>


「クロネス、私とクロネリスを連れて行ってくれる?」


リネスがクロネスとクロネリスを魔王城に連れて行くと魔王に言っていた。


クロネスとクロネリスがリネスと魔王の話を聞きながらリネスを見ていたが真剣な顔をしているリネスを見て何も言えないようであったのだがクロネスとクロネリスもリネスに負けないほどの真剣な表情になって、話に聞き入って聞いていた。


(私は、クロネスに会えたのは嬉しかったのだけどこの身体はクロネリスであってリネアちゃんなんだよね……。でもこの身体はもう死んでるって思うんだ……。でもリネアちゃんにクロネリスは私の大事な妹って言ったけど……。どうなんだろう……。)


「リネス、私は、お兄様にお任せすると決めましたが本当に魔王城に行くのですか? お兄様ならもし何かあれば戻ってこられると思いますが……」


そう言ってリネルスはリネスとリネンシスを見ていて、リネルスがそう言うとお姉さまとクロネリスがそれぞれ反応して見ていた。そしてクロネスは自分の手を胸に当ててじっと考えていてから決心したかのようにクロネシスの手を握って、「うん。私もリネスとクロネスのお世話になりたい」と言うとクロネスとクロネシスを見て微笑んでいた。


「クロネスが、リネアと一緒に行きたいっていうのだから私は反対しないわよ。それにね。私はリネアにクロネスを預けようと思ったの。クロネスの気持ちを尊重してあげたくて、だってクロネスがクロネスがクロネスだからリネスに預けてリネアと2人で暮らす事もできるのだけどリネスはクロネスに付いていてあげられるのに離れちゃうのも可哀想じゃない。私も寂しいもの……。だけどリネスが私達から離れる選択をしてるのを見てると、私ね。リネスの事好きになっちゃったの! 私を幸せにしてくれる気がしたの!!それにクロネスといるときのリネスはとても幸せそうな顔で笑うのを私は知ってるから私はリネスにお願いしたいなって思ったの!」


クロネスは、リネスを抱きしめていて、「リネスありがとう。私はあなたが好きになりました。リネスの事絶対守れるように強くなる」と言って抱きしめ返していてクロネスは泣いているような笑っているような顔になっていた リネスが、「クロネサス。ありがとう。クロネスのこと大切に守るから、私がお姉さんだからよろしくお願いします。リネスはクロネスといるとき凄く幸せになれるから」と言いながら頭を撫でてあげていてクロネスも「リネスが大好きです。クロネスがリネスとずっと一緒にいたい。クロネスは絶対に強くなるから、お願い」と言ってリネスを抱きついていた


「わかったわ。クロネスのことは私がお預かりいたします」とリネスは答えてから、クロネスのことをギュッとして「クロネスが私と離れたくないと思ってくれてるのわかっていたのにごめんなさい。クロネスと離れたくなくて迷ってしまったわ」と言うとクロネスは泣き出してしまいクロネスはリネスの胸に頭をつけていて、リネスは背中をさすって優しく抱いていた。リネスが「私は大丈夫。リネスと一緒に行くと決めてくれたから」と言ってクロネスは涙目ながらも笑顔を作っていた クロネスとクロネリスが、お互いに抱きつきあって喜んでいる姿を見てリネシスとリネアがリネスの元にやって来て、「リネシス、リネアこれからしばらく家族と過ごせる時間を貰えるのですね。私とクロネロスは今まであまり時間が作れなかったのです。私はリネスに迷惑をかけてしまいました。クロネロスは私に気をつかってくれていました。そしてクロネスはリネスの元に行ってしまいます。私はまた一人になってしまうのです。寂しくなってしまうでしょう」と言って、リネアは泣きながらリネスに謝っていた


「リネスはクロネスがいなくなった後一人で辛い思いをしていたのに私は何もできませんでした。リネシスと一緒でしたら、リネスと過ごすことができればそれでいいの。だからそんなに自分を責めたり悲しまないで。リネシスは、いつも私とクロネラスの為に動いてくれていたの。リネシスには感謝しかないし、クロネスが来てくれなかったら私はここにいないの。私こそ、リネシスには恩ばかりなのに、何にも返せないの。そんなの嫌だ。私ね。この先何があろうと二人を守っていきたいって決めたの。だからそんなこと言わないで」リネスはリネアの事をギュっと抱きしめていて、リネスはリネアに言い聞かすかのように、自分の気持ちを伝えていた。それを見たリネスの母親はリネスとリネスの頭をそっと抱きしめていた。


その後リネスとリネスの両親は、リネスとクロネトスが王都の学園に入学する事と家を借りる話を始めていた 俺は二人の様子を見て心の中で、良かった。本当によかったと思っていたのである 俺は両親に学園に通うと伝えに行ったのだけど両親に反対されてしまったのである。


学園に通っている間にも依頼を引き受けていくから学園を卒業すればD級冒険者の資格を得る事ができる。学園を卒業してC級の依頼を受けるようになればA級になることが出来るのだ。なので両親に説得されて渋々ではあるが学園に入学をする事になった。そして俺達は家を出て学園に通い始めた そして俺はこの世界のことを知らなすぎた 俺はこの世界に来て、魔物を見たことも無かった。この世界に転生してきた時は森の中だったけど、森を出たらそこは魔物が徘徊する危険地帯だったのだ 魔物が生息している領域には近づかないようにしていてこの国の周辺の情報は、この国のギルドの図書室の本を読んで理解することができたのだ この世界では魔獣と魔物がいるらしいのだ この世界には魔法が存在していて、この世界の人は魔法を使うことができるらしい 魔法とは大気中にあると言われている魔力というものを使用して発動できるらしいのだ 魔法の属性についてだが火・水・風・土・光と5つの魔法があるみたいで、基本属性というものがある 基本属性には上位や下位などの区別があり、その人の素質によるようだ。基本となる魔法は全て習得することができるらしい 基本属性の適正が無い人もいるようで稀にそういう人たちが生まれることがある その場合は他の人が使える基本属性以外の特別な魔法を習得することができ、その人のことを特殊魔法所持者として区別されているそうだ ちなみに俺は全種類の適性を持っていた。そしてそのおかげでどの属性でも魔法を使う事が出来るのだが、一番最初に試した火の魔法の初級のファイアボールが威力は小さいが無詠唱で簡単に使うことが出来た なので俺はこの国に来る時に使っていた馬車で魔物の生息するエリアを突っ切ってきているのだ。俺はこの世界の魔物は弱いものだと認識していたが、それは俺の勝手な思い込みだった 魔物はこの国の近くの山の中に住みついているのだ しかもゴブリンの上位種であるホブゴブリンがいたのだ。しかもレベルが30近くあるし…… しかも魔物のレベルが上がるにつれて知能も上がっていって人間と会話が出来る個体も確認されている。


レベルが上がれば、人族の言葉を話すことも出来るようになってしまうらしい。


しかもレベル1つ上がると身体能力も上がっていくのだから質が悪いのだ。


レベルが高いほど強くなれるのだが高すぎると人間の身体に負担をかけることになるらしい それでも身体の負担が許容できる範囲を超えたときに魔物化してしまうと聞いた事があるので、レベルが上がりすぎてしまうのは身体に毒なのだろうと思う。


この国に居る間にも何度か魔物に遭遇して倒していった 基本的に剣で斬ったり【アイテム収納庫(インベントリ)】に入れてあった武器を使用したりして戦ったのだがレベルが上がったことによってかなり楽になった気がした。


ただ戦闘が終わると疲れて動けなくなってしまうので、少し困っていたのだが【状態回復強化】をレベルMAXにしたら疲労を気にせずに戦えるようになったので助かった。これはスキルポイントが沢山必要になってくるからレベルを上げずにスキルポイントを増やすことにして頑張った。そしてなんとか20まで上げることができたのだ。


そしてステータスを確認してみたのだけど体力が100になってて、魔力が200になっている事に気がついたのでビックリしたけど、これでもっと早く移動できるようになった。ただ魔物を狩りすぎて生態系に影響が出ているのではないかと心配になるほどだった。俺は倒した魔物の死体をすべて回収しながら進んでいたからなんだけど。


それから数日間は街道から外れて山道を通っていった。魔物を倒して進んで行くとゴブリンを見かけることも多くなっていた。ただ、俺の姿を見るなりすぐに逃げていってしまったので、倒す機会が無かったのは幸いだった。たまにゴブリンの群れに遭遇した時も、逃げるように走って追いかけてきたりしたこともあった。そんなに焦るくらいなら襲ってくるなよって思ってしまうが……まぁそんな感じだったので、ゴブリンに会っても戦うことはしないようになっていた。


俺は数日かけて街に到着した 門で身分証の提示を要求されたのだけど、俺は持ってなかったので冒険者のギルドカードを見せた すると衛兵の人たちに驚かれてしまったのだけど どうやらこの国のギルドのカードは特別製で発行するときにギルドで個人情報の登録をしているのだと教えてもらった。そしてそのギルドのカードのランクによって、ある程度の実力と実績がないと渡されないのだということを教えられた。つまり冒険者でF級の冒険者がSSS級の冒険者と対等に渡り合えていた時点で凄いと驚いていた。普通に考えればわかる話だと思うのだけど……。そして、この国のギルドカードは他国で発行されたもので、この街で登録したわけじゃないので発行できないと言われたが、俺のランクをBにしてくれた上に通行料は要らないと言ってくれていた 俺はこの街に来たのが初めてなのである程度見て回ろうと思っていたから素直に嬉しかった。


とりあえず、宿を確保してギルドに向かうことにした。この国のギルドは王国と同じ規模になっていて建物は2倍ぐらい大きくなっていて中もかなり広く感じる建物になっていた 受付カウンターで依頼を確認した。薬草採集などの低級の討伐依頼が並んでいてその中で俺はオークの依頼を確認する。


依頼はD~C級の討伐対象になっており依頼主は街の商店で素材買い取りも行っているので、報酬が高めに設定されていたのであった。しかし難易度がそれほど高くないので初心者が練習用に受けるような依頼のようであった。


しかし、この街の周辺では、最近魔物の被害が拡大しているので、早めに駆除したいということみたいで報酬が高額に設定されているらしいのだ。しかし依頼内容を見ると魔物の数が多くなってきているらしくて苦戦していると説明をされていた


「お待たせしました。ご指名依頼を受けられましたね」と言われて依頼を受理してもらうことになった。そして手続きが終わり依頼を完了するために必要なものを受け取ってからギルドを後にして街の外に出ることにしたのである。


街の外に行くと草原が広がっており視界は広かった。依頼を出されたのはこの森の奥の方になるみたいなのだけど 森に入ったところで異変に気がつく、何かいる気配を感じるのだ 俺はこの世界での魔物との戦いは初めてだから慎重に進むことにする。


そして森の浅い場所にいたゴブリンをまずは倒していく、この世界の初めての敵は俺の想像していた通りの雑魚モンスターだったのだ。


そして森に入り魔物を探し始めた。ゴブリンを見つけたら即座に狩っていく 魔物を倒しながら進んでいくと今度はスライムと遭遇したが、こちらの方が強かった 【アイテム収納庫(インベントリ)】に入れたら、この世界のアイテムの使い方も分かるので、取り出した『エクスカリバー』を使いあっさり倒すことが出来たのだ。それから数時間が経過して、やっと目標とする数の魔物を倒した しかし魔物のレベルが高かった。ゴブリンジェネラルやオーガがいたりしたのだ 俺は自分のレベル上げをしながら進んでいるのだけど 魔物の強さと数が高くなってきたので魔物のレベルが上がり始めていたのだ それからしばらくしてようやく目的とする場所についた そこには洞窟があり、そこから魔物が溢れ出してくる光景が広がっていた 俺は急いで洞窟に近づき入り口の付近にいる敵を殲滅し始めたのである そして洞窟の中を駆け回り次々に魔物を屠っていった。そしてとうとう最深部に到達したのであるが そこに待っていたのはキングオークだったのだ。こいつは普通の奴とは段違いに強かった。俺がこの世界に来たばかりの時の俺よりも強いと感じるほどに強い相手だったのだ。俺は戦い始めて数十分は経っていたが、未だに倒せる手段が思いつかない。俺は焦る気持ちを押さえて、何とかこの状況を打破する方法を考え続けていたのだった。その時に【神速】を使えば一瞬で終わらせられるのではないか?と考えた。


(今まで使ってこなかったけど。やってみるか!今使わなかったらいつ使うんだ!もう、

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