【2】後篇
リリィはリリアの槍を取り出しクロネを攻撃し、クロカがクロネの後ろに回り攻撃しているのでクロネはそれを防ぐことに集中していた。
俺はその隙を狙いクロネに【縮地 瞬閃】を発動しクロニの攻撃を避けて、【超高速思考】で一瞬のうちに、クロエに攻撃して気絶させるとクロネに「クロネ、クロネは今俺が何をしたかわかりましたか?」と聞く。クロネが「いいえ、全然わからりませんでした。何がどうなったんですか?」と言うのである。リリィも「私もわからない」と俺の質問に答えるのである。
俺はクロネとリリィの頭を掴み【神眼】を発動し「今の俺の動きを見切れますか?」と聞いた。二人は首を横に振ったので、クロネに【超再生能力】を、リリィには【限界突破】を付与したのである。俺は、【瞬間移動】と【気配感知 超絶感知】を使い動きながらクロネを殴ろうとするが当たらないのである。そこで【神眼 解析鑑定】を使い、俺の攻撃を紙一重で避けている方法を分析する。どうやら俺の行動を読んでいるのではなくて、【空間転移 亜光速移動】と【未来予知】を使い動いているようなのだ。しかしこれだと、俺の攻撃を避けることが出来ても他の二人が何も出来なくなってしまう。そこで、俺は二人に今のままじゃ無理だと言って【魔導練氣 魔剣士】を使おうと思うのだが、【超再生能力】があるので問題なく使えるはずだと思いそのままにした。
俺は「それじゃぁ【超絶加速 超絶成長】を発動させるぞ」と言い俺は「【限界超加速 超絶成長】を発動します」と言い発動すると。今までより数段速い速度で動けるようになっていたのである。そして「クロエさん。少しの間だけですが本気を出せるようにしたので、本気でお願いします」と俺がいうとクロエが俺に向かって攻撃を仕掛けると同時に【限界超越 限界超加速】を発動すると俺には全く見えず【魔力探知 】でも捉える事が出来なかったのだ。俺は咄嵯に「……ッ!?」と言って防御したが吹き飛ばされてしまう。しかし俺はクロエの攻撃で【肉体修復】と【超再生能力】と【体力自動回復 超再生】の効果が合わさり、俺は即座に立ち上がれた。そしてクロエは【空間転移 超光速転移】を使い、俺の真上に現われ剣を振り下ろしてきたので俺は【限界超超高速移動】と【超限界突破 限界超加速】でその攻撃を防ごうとしたが、俺が持っていた剣が壊れてしまいクロエの攻撃を受け止めることが出来ずに直撃したのであった。俺はその勢いで後ろへ飛んでしまったのである。
俺は【超回復】と【超再生】をコピーすることで傷を回復させるが俺は今の自分に起こった事を考えていた。【限界超加速 超絶成長】を使った状態では俺はクロエに追い付けないと理解し【限界超絶進化 無限覚醒】を使うと俺は、さっきとは別人のように強くなっていたのである。俺も流石に強くなったと思ったが俺が強くなったことを自覚出来たことで、リリィもリリカもクロナもリリィも自分の強さを実感できるようになり、自信を持つことができた。俺達はその後も手合わせをしたのであった。俺は手合わせが終わった頃には日が暮れて夜になりそうな時間帯になっていた。リリィ達は汗を流しに行ったが、俺は【超魔力感知 神速感知】を使いリリィ達がどこにいて何をしてるか全て分かるが、あえて何も言わずに、俺も体を綺麗にしておきたかったので【超浄化】で風呂を洗いお湯を入れ【火属性魔法】で温度を調整し【水属性魔法】を使い適温に調整してから入っていた。
リリスは俺が入った後に入ってきたので俺は気にせずに「今日は楽しかったな。俺の予想通りリリイもリリカも、クロネも強かったな」と俺は言ったのである。
「うん。私もそう思う。クロネ様は別格の強さだけどね」
とリリスが言ったので俺は、「そうだな。あれは凄かったな。……リリィとリリスはクロナさんと戦った時どうだった?」と俺が言うと、二人とも、俺が想像していた以上に善戦していてクロナさんの実力をちゃんと見極めることができていたようだった。俺は二人の実力に驚いたしクロナも驚いていたのである。それから俺は今日の感想などを二人と話しながらリリィ達が出てくるのを待つことになった。俺達が出るまで、ずっと話しながら待っていてくれるようだったのである。俺は、この二人には本当に頭が上がらないと思っていたのだった。
リリスと俺が話をしていると、リリィが入ってきた。俺と目が合うと顔を赤くし下を向いていた。そんな様子を見てリリスが俺の背中を叩いきて、「ほぉ〜。これはクロト君やるじゃないか!」と言うので俺はリリィを見ながら、「おい!変なことを言うな!」と言う。リリスは俺の反応が気に入ったようで、俺をいじっていたのである。
リリカとクロナが入ってくると、リリスに俺がリリア姉様に似ているから好きになったのか?と言われたせいか恥ずかしいのかわからないけど顔が真っ赤になっていて可愛いくて抱きしめたくなったのである。その後全員入り終わり皆疲れていたからすぐに寝たのであった。ちなみに俺は【状態維持】の効果もあって、眠たくなかったのである。それからしばらくするとクロナは目を覚まし一人で起き上がっていた。俺はそのことに驚きながらも話しかけることもできず、ただ見つめるだけだったのだ……。それからしばらくしてリリィが起きるがやっぱり顔を合わせようとしないのだ……どうしよう……と思ったその時クロナはリリィの頭を撫でて微笑んでいたのである。それを見たリリィも落ち着きを取り戻したのかリリィの方を向いたのであった。俺はそれを見てほっとしたのだ。それから俺たちは家に戻り、それぞれの部屋に入って行った。そして俺とクロエは、俺の部屋で話し合いをしていた。俺がどうしてあんなにも強敵との戦いを好むようになったのかを聞くために。クロエが俺が何故強くなったかを聞いた。俺はクロエの師匠に会えば強くなることができると言われて会いに行き鍛えてもらった事を話すとクロエが「なるほど……」と言い、続けてクロエが「それでは、私の事も知っていますか?」と聞かれたので、俺は勿論だと答えると、俺はクロミの事をクロエに聞いたのである。
俺が、クロミの事について聞くとクロエが説明を始めようとした時に扉をノックする音がしたので俺が出てみると、クロネとクロナさんがいた。クロエがクロノの質問に答えようとしていたのだがクロネは「大丈夫だよ。後で私が説明するから、今はこの世界の事を優先して?」と言ってくれたおかげで、俺はクロエに、今は時間がないため、クロネの事はまた後日、落ち着いてから話すと伝えると「わかったよ」と言った。そして俺とクロコ達は部屋に入りベッドに入るとすぐにクロトは眠りについた。
次の日の朝起きると既に、全員が揃っておりみんな食事をとっていたため俺もそれを食べながら話を聞いてみるとリシア達が俺が起きた事に気づくのが遅れた理由を話してくれたのである。それは、リリィが昨日の夜中に俺達の会話を盗み聞きして嫉妬して俺の部屋に忍び込み朝起きたらいなくなっていたらしい……。それで慌てて探しに行く準備をしてるとリリィが起きてきたので事情を説明したみたいである。まぁ俺には聞こえないような小さな声で話してただろうし別に良いかと思い何も聞かなかったのだ。クロニには俺とクロネの関係について聞いたりして色々聞いてみたかったので「なぁ、お前らの関係って何なんだ?」と俺は興味があったのでクロニ達に聞いた。するとリニアさんが「うふ。知りたいですか?」と嬉しそうに言ってきたのである。
リリカとリリィは何故か少し怒ってる様子だったが、クロニカは普通に俺とクロナについて聞いてきた。そしてクロニスは「俺達は恋人ですよ」と言ってクロニは「あ!!勝手に言いやがった!!」と言って俺に怒ってきていたが、俺達は、もう家族なのでいいだろうと俺は思ったのだ。リリカとリリィもそれを了承してくれていたので、問題はなかった。そして、俺はリニアに俺がクロナを嫁にしたいと思っていることを伝えると、リニアは笑顔になり「え!?ほんと!?じゃぁ、私もお嫁に行こっと♪」と冗談ぽく言ってたがクロニスは本気で喜んでいる様子で、それを見た俺はクロニスとクロニアの仲が良いことがわかってしまっていたのである。
それから俺は朝食を食べた後に俺のスキルを【複製】しまくっていたのである。理由は簡単でクロエとクロミは、【神眼 解析鑑定】を持っているからレベル上げが出来なくて困っていると言っていたので【超絶成長 限界突破】を【限界超越 限界超加速】と入れ替える事で簡単に上げられるんじゃないかと思ってクロエ達に見せることにしたのである。【限界超越 限界超加速】を使えば使うほどクロエの寿命が縮んでいくことになるので使わせないようにはするつもりだが。
そして俺の持っている全ての【オリジナルスキル】をクロエに渡した後はクロエに、クロネルとクロネアの【オリジナルスキルー】を渡してあげたのである。クロナには、俺は、リシアにクロネリを、リリィにクロニエを、クロニコにクロネスを、クロノスにクロヌを預け、リシアにリリスにリリイをクロネにリリナとリリカとクロニアを、クロリスにクロネとクロニアをクロナにクロミを渡すと、俺はクロエから受け取ったクロエ達が【神化】を使い始めるのを見守り、リリイとリリカとクロリスがクロエ達より先に【進化】していたので【限界突破 限界突破】を発動し始めていたのである。リリスとクロナさんは【進化】はしていないもののクロナとクロナさんは俺から渡された【オリジナル】を早速使い始めたのである。リリスにはクロネリをリリィにはクロヌイをクロニカにはクロノスを、クロネアにはクロヌスをそれぞれ渡し俺は【究極完全態】と【真・聖魔核解放】を使って俺は自分のステータスを確認することにした。するとそこには【真 覚醒 神滅覚醒】という見たこともない【固有スキル】が表示されていた。この表示にクロトが戸惑っていた時、クロエとクロナの【限界突破】が完了した。俺がクロナの方を向いたとき俺はクロナを見て、一瞬息が止まりかけた。俺はあまりにも綺麗な姿に、言葉を失いかけてしまった。俺が固まっているとクロナは「クロト様?」と言って近づいてきてクロトの目の前までくる。俺はそこで我に戻り、クロナの頬を触ろうとした時…………クロニはクロネに向かって、【黒炎弾】を放つがそれを俺は防いだのである。俺にはそれがわかっていてあえてクロナの顔を見ないようにしていた。するとリリティアとクロニークがそれぞれ剣を持ち構えていた。それに気づきクロニが俺を見るとクロニーは【時空魔法:次元収納庫(ディメンションインベントリー)空間操作 時間停止】を発動する
「クロネ!!クロナ姉様になんて事をしたの!!クロト!!許さないんだからね!」
クロニアが俺に対して文句を言っている間に、リリィがリリシアとクロネリの攻撃を、クロニカとクロリスがクロネリとクロネアの攻撃を受け止めてくれていた。俺はその間にリリカとクロニスとクロコが戦っていたリリスをリリスの所に向かい助け出した。俺はリリスと戦っている相手を見て俺は、この世界にこんな奴らがいたのかと思うほどの実力を持つ魔物を3体も見ることになったのである。1体はオーガキングだ……そしてもう一体はこのダンジョンにいるはずのない奴だった。もう一体はなんとこの世界で確認されているどの魔物よりも上位の存在であり強さ的にはSSS級に位置すると思われるドラゴンであったのだ。その光景を見て他の者も驚いていたのだ。しかし……そんな事をしているうちにリリスの【黒獄龍炎】が発動してしまう……が俺の【状態維持】の効果もあり俺は平然と立っていたのである。すると今度はクロニスの【時間凍結】とクロニの【闇炎弾】が放たれるが俺がクロエ達の前に出ることで二人を守るのであった。すると今度はリリィが「クロニス!今です!!私に攻撃して下さい!」と言うとクロニスは、俺とリリィの隙を見つけて俺の懐に潜り込んで殴り掛かってくるので俺もそれに対応しながらリリスの攻撃も避けて見せたのである。それから俺達は一旦、クロニスから離れクロニの方に向かうとクロニアが、「この二人は私に任せて!!」と言い二人の元に向かったのである。そして俺はクロニスと対峙していてクロニアは、クロニアにクロニスが放った【闇獄龍砲】が向かってきていたのでクロノスが【結界壁】で防いでくれてクロニアに当たらないようにしてくれたのだ。俺はその間も戦い続けていたのである。俺の方は【無限魔力】のおかげでほぼノーダメージだが、向こうも同じく全くダメージを受けていなくこちら側が攻めてもクロノスがすぐに防御してくるのである。そしてクロノアとリリアが二人で協力して攻撃を仕掛けるが全く通じず、それどころか二人が吹き飛ばされたのである。そしてそこにリリカとリリィとクロミが来たのである。
「兄貴大丈夫?そっちがリリカの姉御とリリィの大将とクロミの親父?」「うん。そうなんだけど……」
俺達がクロニに苦戦し始めてしまいどうすればいいのかわからなくなっている時にリリィ達が合流してきたので俺はリリカ達に俺が考えている事を伝えたのである。リリカ達はそれを聞き納得した様子だったので俺も少し安心したのだ。
そしてクロニの方に視線を向けると、クロノニアとクロネリは【時空斬波】を放ち、クロネアとクロノスには【時空連撃拳】を放ちクロニアは俺を倒せると思わなかったらしく俺の後ろにいたリリスの方を狙おうとしたため、俺はクロネスを【創造召喚】で呼びクロネスとリリアがリリスの前に出ていき俺とクロネとクロネニがクロニア達の相手をしてなんとかクロノニア達に攻撃させないようにしてクロネリ達にも援護をしてもらいながらリリスを守ったのだ。リリィが「リリスちゃんは私が守ってるから任せてよ」と言ってくれたおかげで俺はかなり楽に戦えるようになった。そして俺はクロノニス達の動きを止めるために俺が持つ最強クラスの技を撃つことに決め【完全探知超波動 完全隠蔽波動感知】を使い、リリカとリシアとリリィの身体の中に眠っている潜在能力を極限までに引き出すことに成功してから俺はリリィとリリカの【覚醒】を使い俺は「【覚醒覇王覚醒 神域】【超極大強化 神力全開】」を発動したのである。そして俺はクロノニスとクロネアに【覚醒融合】を使うことにしたのだ。そして俺は俺の全ての力を【神滅波動解放 超神絶絶死滅殺波動解放(神滅波動解放神界波動神界破壊破滅滅神魔崩壊波動)】と【真神滅波動解放】を合わせた【真・神滅覇神滅絶滅波動神滅絶滅神魔滅滅神世界神壊魔滅波動】を放った。この二つのスキルは【超越 究極】と組み合わせると効果が大きく変わってくるのである。この二つを使うことで俺はクロニス達を倒すことが出来ると思い行動に移したのである。そしてクロニスとクロネリは俺の攻撃をくらい、そのまま倒れたのであった。俺が【真 覚醒 神滅覚醒】を解き元の姿に戻るとクロトも意識を失う。
俺は目を覚ますと俺はクロニス達を倒した後【真・覚醒 限界超越 神格覚醒】を使い限界を超えすぎて倒れてしまった。しかし、俺には回復魔法があったので、【超絶神速】を使い【限界超回復 超絶治癒(フルヒールオールフォーワンゴッドスピードヘルスペルヒーリングオールマイティーパーフェクトヒール)】と【完全鑑定】を使って全員を回復するとクロト達が目を覚ましたのであった。俺達が話そうとしたら、ルシア達が部屋に入ってきて、クロネに何かを話しかけていると俺に近づいてきたので俺は警戒すると、クロネは俺の手を掴み、俺を引っ張ったのだ。そして、クロネはクロネニアの方を向くので、クロネリもこっちを向いて俺の手を繋いでいる方と反対の手を掴んで俺達三人をどこかに連れていくのである。俺とクロネニアが歩いて行き着いた先には大きな扉がそこにはあったのである。俺達はその中に入るとそこには玉座があってそこには、リリリスにそっくりの美少女と美しい女性と可愛い女の子と美人の美女が俺達を待ち構えていたのである。するとクロネが俺とクロネニアとクロニを連れて、リリスの横に並んで俺達を紹介したのである。俺も「クロトです。」と自己紹介をするとクロニが、「俺は、この世界での魔王を務めているクロニスとクロネリの父のクロニだ。よろしく頼む」と言いクロトと握手したのだった。すると、綺麗な女性が俺の元に近づいてきて俺を優しく抱擁してくれたのである。「はじめましてクロネのお父様クロナですわ。あなたには私の命を救ってくれたと聞いており本当に感謝しております。そして……あなたの事を愛してしまったみたいでごめんなさいね。これから私はクロナとして生きていきたいと思いますの、なのでクロナと呼んで下さいませ」と優しい口調と表情と声で言ってきたのである。俺も、俺には勿体無いほど素晴らしい人だと思うが、リリィとクロネが許してくれるかはわからないのである。だから俺はまだその事を答えられないでいるとリリィとクロネが、俺とクロナに近づいてきて俺とクロナはクロネリの方を向くと「私達がクロナとクロトさんとリリカちゃんのお父さんとお母さんのクロノスよ。これからクロニスとクロネリを元に戻してからこの世界をリリスに任せたいと思うのだけど良いかしら?それと、お礼を言いたかったのだけど……貴方のおかげで私は今、この子の母に成れて嬉しいわ。ありがとう。リシアちゃんもリリィもクロミもクロニス達の事を頼んだわよ。」と言ってくれて俺はその言葉を聞き俺は涙が溢れてきたのだ。
それから俺がリリリスの両親やクロニ達に、クロネスとクロニアがこの世界にやってきた理由と、クロニスとクロネに俺の過去を話したりしていたのである。するとクロネがリリスに対して、「じゃあリリカ達は……いや、リリカ達の父であるクロトはどうすればいい?」と言った。
俺はクロニがリリカの父親であることを知っていたのである。クロトがクロニの息子だったからである。そして、クロニスは、クロネニアの妹の子供なのだが、クロネアとクロネの母親の名前はクロネリであると言うことがわかったのである。そして俺はクロニに、リリカ達の親代わりになってもいいかを質問すると「俺の娘達がリリィ達にそうするなら俺もいいぞ」と言ってくれ俺は安心し嬉しくなってまた泣いてしまったのだ。俺も、俺もクロニア達の家族になりたいと思っていたからである。そしてクロネスが「では私がクロネニア様とリリスさんの親子になるということですね」と言ってクロノスは、「あら。私がリリスちゃんとお母様の子になればみんな仲良くなりませんか。私はそれで構わないですよ」とクロミが言いクロトとリリィはクロニアとクロネと一緒にいてクロニス達はリネア達が面倒を見てくれることが決まり、俺がクロネをクロミにリリカがリシアの親になり、リリカとクロシアが俺の親になるということが決まったのである。
俺達はその後話し合いをしたのだが結局のところ結論は出なかったのでクロトがリリカとリリカ達が持っているアイテムを持って帰るということで話がまとまりクロネリがリリカの持っていた転移の杖を持ちクロニスとクロネリに【強制契約魔法】を使い、俺達に強制的に契約をしてもらってからクロニス達が元々暮らしていた次元に戻ることになったのであった。クロノスは「娘を、クロネス達を助けてくれてありがとよ」とリリスとクロネに言ってリリスが、クロネスとクロネリを抱き締めるのを見た俺はリリスのことがとても好きになったのである。クロニアがリネアとリリィと一緒にいたいとお願いしてきたのでリネアとリリシアには、リネアとリリシアが俺の【完全収納空間】の中にしまっていたアイテムを渡したのであった。
俺はクロネが持ってきた転移の玉で俺が元々いた世界に帰ることにする。クロニアはリリシアが持ってきていたアイテムを俺に渡し、クロニアがリリシスを【時空連続体離脱】で連れていくのを見て俺は驚いたのである。そして俺は「お前らはここに残りリリリスの配下になってもらうが、俺はお前達を置いてきたリリスが気にかかるので、一刻も早く戻りたいと考えているので俺に力を貸せ、お前達を今から【時空神速飛行 時と神速の加護】を与える。そしてこれはお前らの【スキルコピー&付与スキル付与】というスキルの派生スキルである。俺はこれから神界に行くので俺はもう行ってくる、あとクロネも来ているはずだからよろしく頼む。それとお前らが使う魔法の名前は、【時間加速(スピードアップ)】【重力負荷(グラビティープレッシャー)】【時空斬波】だ」と伝えるとクロト以外のメンバーは喜んでいたが、クロトは落ち込んでいたので、クロトはクロネと共にリリィとクロネを連れて行く事に決めた。俺達はそのまま元の世界に戻った。俺が元に戻るとそこには俺とクロネスとクロネリが倒れていて、俺達は起き上がり状況を確認する。
そして、リリリスの方を見るとそこにはリリスの姿はなく代わりに大きな龍がいるだけだった。
俺は慌ててリリアの元に駆け寄り確認すると気絶しているだけだったのでほっとしたが……まさかリリィのお母さんまで一緒にいるなんて思ってもいなかったのだ。
とりあえずクロネリ達を起こすことにして起こした。俺達は現状を確認してリリィ達を連れて元の場所に戻って、クロネリ達が起きる前にリシアが、俺にリリィを治して欲しいと頼み俺はすぐにリリィの傷を治療し、俺がクロネリとリディアを呼んでクロネスはリディアのそばから離れなかった。俺は俺達の事情を話すとクロネが、この世界の神様の事を気にかけていた。俺は【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を使いリリティスのステータスを表示させ調べると【年齢】13歳【種族】ハイエルフ【職業】聖女兼賢者【状態】健康 となっていたのでクロネスに聞くとリリアリスの事は覚えているが今は違う名前らしいので俺がリリティスの意識があるのかの確認するとまだリリリスは寝ていたのである。すると、リリスの目が開いて俺の目をジッと見つめてきたので俺達は警戒したが……「私はリリスではありません。クロナと言います」と優しい口調と声で話してくれ俺はその声を聞いた瞬間涙が出てきて、そして、リシアも涙を流していたのである。そして俺とクロネリはリリスの元に行き俺とクロネリでクロネを抱きしめリネシアにリリィを任せてから俺達は、クロネス達をクロネリとクロネに渡した。そして俺はリリスとクロネにリリリスとクロネがどうなっているかを聞いてみたのである。リリネスは今リリィの中に入ったままなので俺は、この世界でリリリスの身体に宿っているリリシスとリリリスとクロネの事を聞くことにしたのである。
俺の目の前にはクロネ達四人とリリィが眠っている リリリスとクロネは俺の隣に座ってくれ、クロネ達はクロネスとクロニアが見ている。俺はリリィとクロネにクロネリがリリスとクロネスの母親であり、クロネスの母親もクロネリだと知り、俺はその話を聞いていた。するとリリィが目覚めて俺は、俺達の事を話し始める。
俺は、まず俺が魔王であるクロニスをクロネが殺した後に俺に倒され封印されたことをクロネが説明すると俺も説明したのであった。そしてリリリスが目覚めた時に俺とクロネとクロネが持っていた回復薬や魔力ポーションなどを飲んでもらい回復したのを確認した俺は、クロネとリリィは、リリスが俺達の為に犠牲にしてくれたことを伝えリリスの事を謝り俺に、リリリスの魂を俺の中に入れるために協力してくれないかと言うとリリィがそれならば私も手伝うわよと言うが俺の事を考えて俺に決めて欲しいと言ったのである。そして、リリィもリリスが俺のために自分の身を犠牲にしたことに罪悪感を抱いていたようで、リリスを生き返らせることができるなら協力してくれると言ってくれたのである。
俺は【時空斬撃波(タイムスラッシュアタック)】を使い俺達の次元に戻る為に使うがクロネリが言うにはリリティスとリリスがいないのでリリィが使った転移の魔法具では次元を超えることはできないらしく、俺は【時間神速度】と【時空移動】で戻る方法しかないと考えたが俺は次元を超えれば俺とクロネリの二人しか次元を超えていけないとわかったので、リネシアとクロネリは俺達の力を借りて次元を超えるので大丈夫だと思うが問題はリリスとクロネだった。俺はリネシアに聞いてみるとリネシアは「私は問題ありません。リリスちゃんが私のお母様の代わりをしてくれました。リリスちゃんもお母様もきっとそうしてほしいと思いますから。」と言うので俺はクロネに聞いたがリネシアと同じ答えだったので俺とクロネは二人で、リネシアとリリィが転移の魔法を使う事にして、リリィに使い方を教えてもらい【時戻し】を使いクロリスの身体を作り【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】でクロリスを調べてみるとレベルも99になっていてステータスの数値がかなり高くなっていた。俺は【時空収納空間】からある物を取り出しクロネに渡す。
「これはお前の両親であるリリィとクロネの両親が残した武器と防具と指輪と首飾りだ」と言ってクロネに預けるとクロネはその装備を身に付ける。クロネは両親の形見の装備を嬉しそうな顔をしていたのである。俺はリリスとクロネに俺が次元を飛ぶための魔法の使い方をクロネが教えてもらうことになった。リリィが「私が教えるから私がクロリスの肉体に精神を移し替える準備をするから少しの間待ってなさい」と言ってクロネア達を連れて転移をした。
そしてリリィがリリスを俺の体に移したら俺はクロネリと一緒にクロネス達に見送られ次元を渡ったのである。俺は俺達を次元に送ってくれるリリアに感謝をしつつクロネス達が俺達に別れの言葉をかけてくる。そしてリネシアが俺の手を握る
「私は必ずまた会えると思っています。それまでリリネスさんをよろしくお願いしますね」と言われて俺とクロネリはそのまま時空を飛んでいった。
俺とクロネリが元の世界に戻ってくるとリリスの姿はなく俺達の前にはクロネスとクロニアがいた。リリアはまだ寝ていて、リリスは俺が倒した場所に倒れていた。そして、クロネリはクロネスを抱きかかえて泣きながらクロネスの名前を呼び、クロニアも抱き締め泣いていたのであった。そして、俺は【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】で二人のステータスを確認するとクロネルは【状態】に異常はないけどもステータスは0になっていたので、リニアスが、リニアスのお父さんで、リニアさんの夫になる人で、この世界の勇者の【剣神】とリニアスと俺の妻になったリシアのお祖父さんでもある、クロトとクロネと俺の娘クロニアがいて、この人が【剣神】として有名なクロネスの父親で【魔剣士】で俺より強い人だったらしいが……【状態】は正常で【年齢】も23歳となっていて、リリィもそうだけど、クロネス達も成長が早くないかと思い、この世界に来るときにもらった【スキルコピー&付与スキル付与】で俺のスキルコピーをさせてもらっているから俺はコピーをしてあるスキルを【付与】でスキルを与えたのであった。俺はそのスキルで、クロネスのステータスを、コピーして俺のスキルでコピーしておいた、クロネに【時空操作】のスキルを与えることにしたのである。俺達はリリィを元の世界に連れていくためにリリィが眠っている元に戻ったのであった。リリィを元の世界に送り届けるために俺はクロネリと共にクロネの元に行くことにしたのである。
リリスが俺の体を操りリリィに【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】でステータスを見てもらい【鑑定】してみてもらったが、どう見てもレベル999なのにステータスが100しかないのだと言う 俺はその事に驚きつつもリリィが言うにはリリスのステータスもステータスは99だったが、レベルだけは999と俺の倍もあったというのである。それに俺は驚いているとリリィが言う
「私もこの【時空の指輪】に魔力を込めているしこの【時空の箱】にも魔力を込めたけど……【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】はステータスを見る事ができるんだけど【時空移動】は魔力量が多い人や熟練の人は【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】のステータスを見ることができるらしいのよね。」と俺に言ってきて リリィが、リリスとクロネが俺に言ったことをクロネに伝えるとリリィもクロネにリリシスの事や、クロネとクロネのお母さんのリリスの事などを説明してクロネスがリリィの事をクロネリの母親である事を伝えるとクロネリが、「私は……今までクロネの母親だと思い込んでいたけど、クロナがクロネとリリネの事を心配している姿を見て……本当は違う人なんだと気づいたの。クロネは本当の母親のクロナの事が好きだと思っていたけど、リリスの事を母親と思っているとわかって本当に安心したの。リリスがリリィの中にいる事もリリスがクロネとクロネのお母さんを守ってくれたことも全部知ってリリスに謝っていたわ。」と俺とクロネリがリリィの身体を俺達の元へ運んで来てくれた時に俺の耳元で囁いてきたのである。俺は「リリスには感謝をしているよ。だから俺はリリスが生き返る事ができるならば、俺はどんな事でもするつもりだよ。」と俺はリリィに聞こえないように呟くと、リリィも、リリスに、クロネとリリスにありがとうとお礼を言ってくれと伝えてクロネリと俺達は、リリィに、俺の体内に戻らず俺の体内から出てくる事を提案したのだった。リリィが「リリィとクロネがクロネの母親なら私はクロネとクロネの事をクロネリに任されているんだもん! だから、私が、貴方達を守る!」と言うと、俺もリリスが、リリスとクロネリを守るために、自分を犠牲にしてくれたようにリリィを守ろうと心に誓ったのであった。そして俺は次元を渡り俺とリリィは元の世界に戻ってきたのだがリシアは起きていて、リリィは「私の体は?」と慌てており俺は「心配しないで、リシアちゃん、あのね……」と言い事情を説明するのである。そして俺が説明をすると リリィと俺でクロネに【時空移動】を教えようと二人でクロネの部屋に向かい部屋に入ると既に【時空移動】を習得しているのに気がついたのであった 俺は時空を超えることができるなら時間を遡ることができるのか聞くとその答えが帰ってきた。どうやら時間は逆行はできないようで時間が戻ることはできないようだったが【過去への旅】はできるようだったので俺も覚えておこうと思った。そしてリリィとクロネは俺が渡したリリィのお父さんとリリスが残した武器と防具と指輪と首飾りを身に付けた。そして、リリィに俺がリリスの体に精神を入れ替えるとリリィに告げるとリリィは少し動揺したがクロネの「リリスちゃんの事はお姉様が知っているから大丈夫ですよ。お母様の分までお姉様は幸せになってほしいです。リリスさんのことは任せてくださいね。」という言葉でリリィは覚悟を決めたようである。そして俺が「じゃあ、リリィの精神をこの身体に入れるね」と言いリリィの体から俺の体へと移るのである。
俺はクロネスにクロネリの様子を見てもらうためにクロネの所へ行くと、俺達が戻った時はすでにクロネが【状態】も正常に戻っていたらしく、クロネスが「良かった!リリネさん。
リリスがリリネさんとクロネを助けに来てくれたの」と俺とリリィに言ってクロネを落ち着かせてくれていた。俺とリリィもリリスとリリィのおかげでクロネとクロネの母親は無事だと言ってクロネリが落ち着くまでクロネの傍にいた。
クロネはリリスとリリィにリリネスとリリアの両親で、この世界で最強と言われるほどの実力者の夫婦である、クロネリのお祖父さんと、リリィのお父さんであるクロトさんが助けに来てくれて、俺達が次元を渡っていた間に次元を渡ったのかもしれないとクロネリが教えてくれたのであった。
そしてクロネスがリリィを自分の【状態】を見てみる?と言ってリリィに見せてあげると、なんとリリィはステータスは正常に戻っているがレベルだけ9999になっていたのだと言うので俺とクロネリが驚いたが、リリィが言うには俺達が次元を移動する際にクロネとリリスと一緒に俺がクロネスのステータスと俺が持っているリリスのステータスと、リリスのアイテムをコピーしたおかげでクロネのレベルとステータスも上がったみたいだというとリネスが俺がクロネの【ステータス】と【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】とリリスの持っていた装備と、俺とリリィがクロネス達にコピーさせた【時空操作】のスキルを、クロネのステータスをリリスにあげてリリスが、リリスの持っていた装備をリリィのステータスと【状態】を上げるために使って欲しいとお願いしてきた。そしてクロネリもリリスのステータスを上げた方が良いんじゃないかと言うと、俺とリリィがリリスのステータスも上げてあげた。リネシアは、俺がこの世界に戻る際にクロネスとクロネのステータスも上げてほしいと言われたのでリネシスのステータスも上げるのであった。
俺達はクロネスが俺達のためにリネストに【空間転移】と【時間停止魔法陣】と、この世界では使えないと言われている【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】をリネアに伝えて、リネスとクロネと俺とリリィが俺がこの世界に来たときに神様がくれた俺達の世界にはない素材の服を着ていたので、クロネスは俺達の為にその服を作ってくれると、クロネスは【状態】は正常だけど、俺達の為にこの世界の布を集めて、俺達の世界で作られている、服の生地で服を作ってくれた。
クロネも、俺とリリィとクロネス達も、俺とリリィの子供に、クロネの父親であるクロノス・アステリオンが作ってくれた、神界にいる人達が作ったという神器をもらっているけど俺とリリィとクロネはその神器を外して、その神器の代わりになるような服を作ってもらい俺はその神器と同じ機能が付いている魔装具を作り、リネシスも同じようにして作った。
俺は神器を作ったときのような【スキルコピー&付与スキル付与】でリリスが使っていた、【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】と【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を【複製】して俺が作り【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】の効果を俺の魔力を使って、【解析鑑定(アナライズ)】に切り替え、リリスにプレゼントをした。
俺とクロネとクロネスは、【ステータス偽装の眼鏡】という、眼鏡をかけてステータスと名前や称号を隠し、俺の場合は種族と職業と年齢しか表示されていないけど、俺のステータスも、他の皆は隠しているし、【ステータス改竄の指輪】を付けて俺の事をレベル1にした状態で表示させる。これで誰も気付かれないと思うんだけど、リネサスとリネスもステータスが正常に戻った事だし【ステータス隠蔽の腕輪】を渡すことにしたんだよね。俺もリネシアも俺の子供達やクロネスとリネサスに、腕輪を【創造主の恩恵】で作り【スキル自動回収】と【無限倉庫】に保管していた物を取り寄せて【空間収納】の鞄に入れておく事にする。俺も自分のレベルも元に戻しておくことにしておく。
それから俺はリリスにも指輪を渡したいと言ったのだけどクロネスが「リリスに渡せるものはないわよ?」と言う。そこで俺は俺のスキルを、俺が使えるスキルで、リリスも使うことができる物をコピーしていくことにする。俺は、まずリネスとクロネスとクロネのスキルと武器や装備を全てコピーしておいた。
次に俺は【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を【鑑定(オールディテクト)】に切り替えることができるか試したら可能だったので【スキル共有】を使いクロネスとリネシアとも共有させて、二人にはコピーさせた【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】をクロネスとリネサスは自分用のオリジナルとして【固有能力】にしているようだからコピーしたものを、リネアとクロネスに渡してから俺はリネシアが持っている、神器をコピーさせてもらう。【スキルコピーଧଝ】
そして俺は【スキルコピー】で【スキル取得】でリネスとクロネが使うことのできる【状態】でリネスにクロネスは【状態】で、俺が使えなかった【スキル習得】でクロネにクロネスとリネシアが覚えていないスキルも全部コピーさせてもらった。
リネネスは【結界】が【防御】が【盾】と、クロネは【回復】【光属性魔法】が【闇属性魔法】が【全耐性】だった。ちなみに俺の覚えられる最大は100でそれをコピーしても意味がないからそれ以上コピーできない。
そして俺は、クロネスとクロネに【アイテムボックス(10×4回/∞)】のスキルをクロネスに【鑑定】したところ【鑑定(フルコントロール)】で全てのものが確認でき【アイテム収納】で全てを収納できたから俺はクロネに俺が使っているものを真似するように【スキルコピー】をして、クロネのステータスが元に戻ったからクロネスのスキルが【状態】になってたから、リネネとクロネにコピーしたからと伝える。
そして俺はクロネスの【アイテム収納】の中にあった神界の服を出してもらう。
そして俺は俺達のために服を作ってくれた、クロネスとリネネにお礼を言うとクロネスは俺が持っているリリスの服に気付く。クロネスもリネシスもクロネも俺にお揃いにして欲しかったみたいだから俺も俺達の為にリネスが作った服に袖を通す。クロネスの【裁縫】で作った、この世界の普通の服ではなく俺とリリィの世界で使われている生地を使った服を着ると、俺とクロネスもリネスと同じ感じになるんだよな。それに神族の人族用じゃなく人間用に作られたもので、着心地が良いのもあるんだけど、何より見た目が違うのだ。リネスとクロネには黒を基調にしたものを着せる予定だ。
俺の方は白を主体にしたものにする予定で、色違いのお揃いってわけだ!それと今度俺が作ろうとしているものは男性用女性用のペアの水着と、海に入るときの服とかあるといいと思ったのだ。俺達がこの世界で暮らしていけるようになるために、お金を稼ぐための方法を考える必要があって、俺とリネネスとリネネは相談する。クロネもリネネスとクロネは一緒に行動することが多くなって、仲が良くなっている。そして、クロネも何か商売がしたいと言っていたのだ。そこで、この世界では珍しい物を売ってみる?ということになり、この世界で俺達が作った魔導通信機で、この世界にしかない魔石や水晶を売ったらいいのではないのかと、クロネに言われたのである。俺はそうすると、俺達がこの世界で暮らせていた時の世界のものも売れるかもしれないという事になった。クロネスも賛成してくれてクロネスは【時空魔法】と【時空停止魔法陣】と、俺がこの世界に来る前にリリスが持っていた魔道具を使って、アイテムを保管してくれるらしいので俺がこの世界に戻ってきていた時に作ったものやリリスが持っている、【無限倉庫】の中の物がいつでも取り出せるようになったので便利になったのだ。
俺は【時空間庫(インベントリ)】にアイテムを入れて、この世界の物と、俺達がいた世界の物を混ぜて売り出すことにするのであった。それからリリスには【スキル共有】のスキルを使って、リリスと俺とリリィが持っていた【スキル共有】を、クロネにも渡したのでクロネスにも渡してあげることにしたのであった。
俺がクロネスとクロネと話をしている間リネシアが俺達の事を見ていたのに気付いた俺は、「リネシア。これからリネシアとリネスは一緒の行動をしてもらうつもりだから、クロネと一緒に買い物に行ったりするんだぞ。」とリネシアに言うとリネシアも「分かりました!」と言って喜んでいた。俺とリネスとリネシアも外に出ることが増えたのだが、その時俺は、リネアに、俺の妻達に、この世界での常識を教えて貰いつつ、クロネスの事も守ってくれるようお願いをした。
「うん、分かった。……私にできる事は何でもやるわ」と、リネアも言ってくれて安心をしたのだった……。リネシスとクロネスには、クロネスに【完全鑑定眼(パーフェクト・アイ)】と【状態】を付与したので俺とクロネが、リネシス達も知らないような事を、全て知ることが出来るようになっていたので問題ない。
そして俺は【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】と、【スキル共有】を使いリネスのステータスが正常になっていることを確認してから俺は神界にある家に帰ってきている リネスには「リネスにはこの家の事を頼んだからね。俺の留守中に誰かが来た時はリネスに任せることになるから、よろしく頼むよ。あと、クロネは神王の護衛と護衛をしてくれる神人達を指導してやってほしいんだ。クロネなら出来ると思うから。」と俺は言い。クロネもリネスがいれば問題無いと、クロネスの実力も分かっているしクロネスも任せて欲しいと、言ってくれた。
俺は、リネスとクロネスの二人で、家を任せる事ができると思っているし俺も、リネアとクロネスに教えてもらおうかと思うんだけど。クロネスとリネスに、リネアに神界で暮らすことを教えることと、俺がリネシアとクロネスのステータスを確認してから俺達は俺の家に帰っている 俺は自分のスキルを【スキルコピー&付与】を使いコピーをしておくのと同時にリネアにステータスの鑑定の仕方を教えたりしていた。俺はステータスを見るときだけスキルを使うようにするんだよね。【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】で俺とリネシスの鑑定をしてから、【スキルコピー】を使い俺とリネシアはリネアのスキルと装備と、【ステータス改竄の指輪】を【鑑定】する そしてリネスのスキルとクロネスの【状態】を確認すると【状態】が正常になっていたのを確認した俺は、リネネスとクロネスに指輪を渡し、指輪に【空間収納】と【収納共有】をコピーしてあげるのと【スキル共有】でスキルを渡す。
「ありがとう。」と言うリネナス。
そして「リリスさんはどこに行ってしまったの?」と言うリネアに対して、リネスは俺がいない間に何が起こったのか説明をする。俺が【スキル強奪】と、【スキル複製】を使い【スキル譲渡】を使い俺に、クロネスが俺の眷属になっちゃってクロネスは俺とキスしたらクロネスの種族が変わったんだよ。
リネスとクロネスが俺が居なかった時に、クロネの家でお茶をしていたらしい。
そしてクロネスとクロネとクロネは意気投合して仲が良くなった。リネスがクロネスと、クロネはクロネと友達になれたみたいでよかった それから、俺がリネシスの【状態】が見れなくなった原因を聞いたリネシスとクロネは俺にリネシスが使っていた【アイテムボックス】から魔石を出させたのだ。そしてリネシスはクロネスと、リネスはクロネに【アイテム収納】のスキルを使ってもらって、俺の持っている物と同じ【アイテムボックス】を作ってあげたのだ。俺はそれを見たとき凄く驚いてしまい【神眼(ゴット・アイ)】を使ってしまったけど何も見えなくなってしまったのだ。そして俺に、リネスが説明してくれたのだがクロネも使えるようになるまで、かなり時間が必要らしいのである。クロネスも【神器】と、リネサスとクロネの【スキル共有】を使ってクロネのスキルも俺と同じように【スキルコピー&付与】ができるようになっていて【アイテム収納】ができるようになったらしい。ちなみに俺とクロネが作ったアイテムボックスの中身を【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】で見てみたが俺が作ったのより容量が大きい気がしたのだ リネスに聞いたところ俺が作るときに使ったスキルのレベルと【アイテム収納】をレベル10にしたときにコピーしたアイテム収納の数と質によって違うとのことだった。
リネスとクロネはクロネのアイテム収納に入っていた物を取り出せるようになったことで【収納】とリネシスとリネネの分の、【アイテム収納】を作ったのだそうだ。クロネスは【時空間魔法】も使えるようになったみたいだ クロネは元々【スキル収納魔法】を持っていたのだけど、まだ魔法を知らなかったのでリネリスが、【時空魔法】と【時空停止魔法陣】をクロネに渡したらしくクロネスとリネスとクロネは魔法を使って【時空間魔法】を覚えたようだ 俺は俺が【アイテムストレージ】のスキルを持っているせいなのか?
【神眼(ゴット・アイ)】の力が発動してしまったのである 俺は【スキルコピー&付与】を使ってリネスのステータスを見てクロネスにクロネとリネニスにステータスを見せてあげるように言って【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】を使いクロネス達のスキルを見ようとしたのだけれど、クロネスとクロネが使っている、【スキル共有】のスキルを、リネネスとリネネの2人のステータスに適用するようにコピーすることが出来なかった。そして、俺は、その事が分かったのだ。なので俺はもう一度試すことにするが今度はちゃんと出来たのだ。それで俺はクロネスに「リネネ。お前に渡したのは、俺が持っていた、この世界で、今一番新しい【スキル共有】を渡してあるんだ。この世界には【時空魔法】があるからね、それに俺は今【スキル略奪】と【魔眼支配の瞳】の二つを持ってるんだ。【魔眼支配の瞳】には【状態】と【ステータス改竄の指輪】も入っているんだ。俺は今クロネスに、リネネのスキルを共有してもらうからね。」とリネネに説明する。そしてリネネも、クロネスも、【状態】もステータスも俺がやった通りになるようにスキルをコピーしてクロネスにあげてくれた。そして俺は、リネスにも、俺が持っているスキルを全部共有できるか聞いてみたが出来なかった。ただ俺のステータスを見ている時に気が付いた事があって、それは【スキル共有】に表示されている数値は【スキル共有】が俺に付与された時に自動的に表示されるもので、【スキル共有】の本当のステータスが表示されていなかったのだ。だから俺は自分のステータスを確認してからリネスにステータスを共有するのをやめることにした。俺が自分のステータスを確認したときは表示されていた。でも俺が【鑑定】をしたわけではないから俺の能力が見えてしまうかもしれないので、今は見ないようにすることにする。俺は自分の能力を見られたら不味いことになるのは間違いないと思っているからね。まあ、いずれ、俺の力を明かすことになっても良いとは思うんだけど。俺にはまだまだ隠している力がある。この世界の誰にも見せたことはないけどね。【鑑定】が出来ないようになっているからね だから俺が確認できるのはこの世界でのステータスだけで、その確認するのに必要な道具も俺は自分で作ったんだ。そのおかげで俺はこの世界に来てしまったから仕方ないのかな……と思っている。【鑑定眼(パーフェクト・アイ)】が俺に教えてくれなくても俺には自分のステータスを見ることができるのに、俺に見えないようになっていたからだ
「クロネにはクロネが知っている【状態】をクロネスに教えるのと一緒にクロネスが知っているステータスをクロネスに教えて欲しい。俺に教えてくれる情報は全て共有したいと思うんだがいいかな。」と俺は言う そして俺はリネスとクロネスとクロネに【状態共有の指輪】をクロネスにクロネにそれぞれ渡すことにした。この指輪はお互いの【状態】を見る事ができる。それとお互いに通信が出来る機能もあるのだ リネスは俺との指輪はもう付けているが俺は念のためにリネスとクロネの両方と、指輪を付けておいた方がいいと思い両方の指に付けたのであった そして俺はリネスとリネシスには、俺が【スキル略奪(スレイバー)
】で手に入れた【鑑定眼(ゴット・アイ)】で、二人にスキルをコピーさせていくと俺は、二人がコピーしたスキルのレベルやスキルの効果を【スキル共有】を通して俺に共有させることに成功した。これで俺は二人のスキルを全てコピーして俺自身のスキルも共有して【神速再生】や、リネアのスキルや武器もコピーしておく 俺の【ステータス共有】を使えば俺が見ているものと同じものが見れるはずなんだけど俺にリネス達がコピーしてきたスキルのコピーと、【ステータス改竄の指輪】を俺に付与すると、俺は【ステータス改竄の指輪】を外せなくなってしまうので、俺は俺がコピーしたスキルと、【アイテムストレージ】に入っているリネアとリネアがコピーしてくれた俺にコピーされているものを、全てアイテムボックスに入れていたのだ リネスとリネス達は【鑑定眼(ゴット・アイ)】を使ってステータスを確認しているから大丈夫だと思うけど一応俺は、ステータスを見られないようにしてからコピーしていたのだ。そしてコピーが終わったところで俺がクロネス達を家に返す クロネスとクロネの家は、王都で一軒家を借りることにして借りた家でクロネス達に【転移魔法陣】を教えて、いつでも会いに来ても良いし、遊びに行っても構わないと言っておいた。
クロネスとクロネも俺の事を心配してくれていて、俺の家に来たかったようだが、さすがに王城にいる人たちの目があるので来れないと俺に言っていたのだ。俺の家にクロネスとクロネスを連れて来ると面倒くさいことになりそうだったので「クロネスとクロネの家のことは任せてよ。俺がクロネスとクロネが困ったことにならないようにするからね。クロネス。クロネのことを頼むな。クロネとクロネスが仲良くなったみたいで嬉しいんだ。俺がいない間ずっと寂しい思いをさせて悪かった。」
俺はそういうとクロネスは「ラティーファさんもいますし……クロネさんも居ます。お兄様。ありがとうございます。私もラスティーさんに会えて良かったです。これからも、私は、私の大切な家族である、ラティちゃんと、クロネさんの側にいることができればそれだけで幸せなのです。」と言ったのだ 俺とリネスは俺とクロネスとクロネはリネスがクロネスの家を俺とクロネスが借りている家から近いところにした 俺は、【スキルコピー&譲渡(テイクオーバー)】を使って、リネスの持っているスキルとアイテムを、リネスに【共有】させたのである。俺はリネスのステータスを確認してみると リネスがコピー出来るスキルはクロネスと共有してあったのだけど、リネスがコピーできなかったスキルもあったようだ。リネスはその事に少し驚いていたようだった クロネスも俺が共有したスキルを確認する そしてクロネスが俺に「こんなに凄い物を持っていたのですね。これなら私が持っていても問題ないですね。ありがとうございます。」とクロネスが言ってくれるのだった そして俺はリネスとリネス達の事を、リネスとリネス達の家族のみんなにお願いするのだった 俺がギルドに戻ると、俺が依頼の達成を報告しに行った受付の女性に、「タクミ様。ご報告は終わったんですね。おめでとうございます!これでランクBの実力があることが証明されたわけです。あとはAに昇級試験を受けてもらって正式に、タクミさんをD級冒険者として認めることが出来るようになりました。そして、タクミ様にC級以上の依頼は受けられないように制限がかかってしまいましたけど、まあそれはしょうがないですよね。C級以上に上がってしまうと指名依頼を受けることが出来てしまいますから……。なのでタクミさん。B級以上の依頼を受ける時は気をつけてください。C級までは、その人の冒険者の等級に合わせての依頼を受けることができますが、B級からは、指名依頼を受けられるようになると、どうしても高難度になってしまうので。それにB級の人が単独で依頼をこなすようなことも出来ないので注意しないといけません。」と女性が言った
「分かりました。俺のほうこそ色々と説明してくださって助かりました。」と俺がいうと 女性は笑顔で「いいえ。私は、当たり前のことを言うしかできないから。それと、今日、あなたに討伐を依頼して倒してもらおうかと思っていましたが、あなたは、本当に規格外の人だとわかりました。でも、これからが大変だと思います。でも頑張らないとダメなので、応援しています。また、いつでも相談に乗りますからね。」
と言ってくれた。
そして、女性の名前は「アリア・ア・フリード」というそうだ 俺はその後すぐに屋敷に帰る そして、屋敷に戻るなり クロネスとクロネはリネスが帰ってきていたことが分かって大喜びをしてクロネスとクロネはリネスに飛びついていた。リネスとリネスの家族も喜んでいた クロネスとクロネの両親は、王城の騎士をしているらしい。リネスの両親が言うには「うちの娘を命懸けで助けてくれたから、もう家族も同然」と言っていた。
リネスは「私はこの国で生きていきます!」と宣言をしていた。俺は、リネアとリネアの妹と一緒にいるのが一番安心できるんじゃないか?と思っていたので「俺はリネアがこの国の王都にある学園に行くことになったからリネアはしばらく屋敷を離れることになったけど、それでもリネスが一緒にいて良いのか?」と言う クロネスの母親は俺に頭を下げてから「どうか娘と末永くよろしくお願いします。」と涙ながらに言うのであった。俺はクロネスとクロネスの母親に挨拶をしたあとに俺は自分の部屋に戻り【アイテム収納庫(インベントリ)】に入っていた、クロネスとクロネのお土産を取りだし、クロネスとクロネにそれぞれ手渡していく。クロネスとクロネに喜んで貰えたのはよかったのだが……、クロネスの両親には微妙な顔をされた。
俺が持ってきたお菓子がこの世界には、存在しないものだということに気付いたからだろう。リネスがこのお菓子の作りかたを俺に教えたので俺が、リネスが知っている作り方を教えたからね。俺はリネスの親父さんとおふくろさんにもお菓子を手渡すとクロネスの親父は「こりゃあうめぇ!なあ母さん。」「そうね。なんて美味しいんだろ!ラティも、ラティーファも喜ぶと思うわ。」と言いながら、喜んで食べてくれていた。リネス達は、リネアとリネアの姉の部屋に遊びに行って、リネアの姉妹たちと楽しそうに話をしているようだ。クロネスもクロネスのお母さんも、リネス達もリネアとリネアの姉妹と、すぐに仲良くなっていてよかった。俺はリネスに俺とリネス、リネアとリネア姉妹が寝ているときに、クロネスとクロネが俺に助けを求めてきて、リネアを暗殺しようとしていたことを伝えたのだ。すると、リネスはリネスのお母さんと、リネスのお父さん、そしてリネスの三人で話し合っていたのである。
俺は、リネスに「リネアに危険が及ばないよう護衛をお願いできますか?リネアとクロネのことはリネスにお任せ致しますので。俺は、これからも忙しくなってしまいそうですから……。」と伝えると
「分かりました。お兄様が不在の時は、私が責任を持ってラティちゃんとクロネちゃんを守っていきますね。それから、私のことは呼び捨てでも良いですよ!リネアお姉ちゃんとも仲良くなりたいですし……。リネアお姉ちゃんとは、私も妹のようにしてもらえると嬉しいですから。リネアお姉ちゃんの側にいるときもお兄ちゃんと呼びましょうかね。私にとってお兄様は特別な人だから…… お兄ちゃんの側に居られれば幸せになれるんです……。」
リネスが俺のことをお兄ちゃんと呼んでくれると嬉しかったが クロネスとクロネがクロネスを俺の事を、お姉ちゃんと呼んでいたから俺のことをリネスまでそう呼んでくれるのは……なんか照れくさかった。俺とクロネスとクロネの両親で夕食を食べることにしていたので、リネス達は、クロネスとクロネの両親と共に食事をしてから、それぞれの部屋に戻っていくのだった。俺はリネスに「じゃあ、俺が王城に帰ってきてからはクロネス達もここに住み込むのかな?」と質問すると、クロネスとクロネの二人は「そうなんですよ。お爺さま達が、タクミ様に御礼をしなければいけないので、王城で暮らさせてほしいと言っておりまして、それもあって私は、この家に引っ越してきたわけです。」
俺はクロネスの答えを聞き、「分かった。クロネスがそれでいいなら俺もいいよ。俺としては家族が増えてくれて嬉しい限りだね。これから賑やかになりそうだ。」と言って俺は笑ったのである。
クロネスとクロネスはリネア達のところにいなくて大丈夫なのか?と思って確認したら、リネアとリネスの二人は今リネスと二人で話があるということで、俺のところに来たようだ。なので俺の部屋に来てもらったのである。俺はクロネスに
「クロネの事を頼むよ。俺はこれから忙しくなってくるだろうけど、何かあったときはクロネの力になってくれるとありがたいと思っている。俺がいない時は、リネスに頼んでいるから、クロネも頼りになると思うんだけど、俺もクロネに負けないように頑張らないとね。それと、王都に戻ってくる前に伝えておくべきことがあった。俺は、この世界の人達の為にも頑張らないとならないんだ。俺にこの世界で力を与えてくれる神様に会えたからね。だから俺はこれからも頑張っていくつもりなんだ。」と俺が話すと クロネスは笑顔を浮かべると
「はい。お父様とリネアお姉ちゃんと相談しながら、私は出来ることを精一杯していこうと思います。ラティちゃんもクロネスのことよろしくね。それとタクミ様は、何か悩んでいるんですね。でもきっと、タクミ様ならどうにかしてくれると思っていますから、私は心配しない事にしましたから。ただタクミ様の役に立てることが分かれば教えてくださいね。」
俺はそんな風に思われていたんだな。とちょっと感動しつつ
「ありがとう。クロネス。とりあえず、リネスとリネアに協力してもらって、なんとかこの国を良くしようとは思っているから。」
リネスは「私が出来る事は、何でもするつもりだよ。リネスお義母さんも協力するって言ってくれてるしね。タク兄に任せっきりにせず、自分達も行動できるように考えないといけないね。」と言うのだった。そしてクロネスはリネスが、この屋敷にいる間にリネスに文字を教わると言っていたので、クロネスとクロネに、文字の読み書きを教えようと決めたのだった。クロネスは、王城のメイドさんが持っているような、紙束の本を何冊か持って来ていたので、この世界の文字が書けるようになりたいということみたいだったので、クロネスにはまずは、俺の使っている言葉が日本語だということから説明するのであった。そして俺は、この国の人達が読める文字を教える事にした。この国の言葉で書く時は「この国の言葉で書きなさい」という感じで言えば伝わるだろうと俺は考えたのである。リネスがクロネスとクロネに字を書かせる練習をさせている時に 俺はクロネスとクロネに、この国の言葉で「クロネは魔法を使えるんだよな。どんな事が出来るの?」と聞いてみた。クロネスとクロネは俺の問いかけに対して顔を見合わせると「クロネは風属性が得意です。あと、土と光も少しだけ得意だと思っていましたが、今は火と水と氷が使えます。クロネはラティちゃんと特訓をしたからだと思うのですが、精霊と契約が出来ているみたいなんです。」
とクロネスが言うので 俺はクロネの方を見ると、クロネは
「えへっ!」
と言って笑っていたので 俺はクロネが可愛いから、頭をなでなでしてあげた。
「ラティちゃん。私はこの国にきて、お兄ちゃんと一緒に生活していて思ったんだ。私はお兄ちゃんの側にずっと一緒にいたいなぁって……。そして、私はラティちゃんと一緒にいるラティちゃんのお姉ちゃんでも良いよって言ったよね。だから、これからも宜しくね!」と言うと
「うん!リネス姉ちゃんも一緒に遊ぼうね。クロネスちゃんは、魔法の練習がしたいんだよね?リネス姉ちゃんも一緒にやってあげるからね。」
クロネスとクロネは「「はい。お願いします。」」と言うのであった。それからしばらく俺は二人の指導をしながら、クロネがクロネス達に文字を教えていたのである。俺は二人が書いている字を見ながら クロネスが
「これは難しいですよ。まだ覚えたばかりの私でさえ、こんなに間違えますもん。この国の人はみんなこれを書くことが出来るようになるのか疑問ですねぇ~。私だって結構間違うんですよ。それにしてもタクミ様がおっしゃられたとおり、文字は大事だと実感しましたね。ラティちゃんから教わった、この国の言葉を覚えて良かったと心から思いましたよ。」
としみじみ呟くのだった。クロネが「クロネスちゃんの言うとおりです。この国は今まで文化的に劣等感を抱いていて他国の文化を取り入れようという考えが全くありませんでした。でもタクミ様に出逢えて、クロネスちゃんと出会って、この国が変わったように、私にも、お父様とお母様、クロネスとクロネにも、この国を良くしていくチャンスを貰ったんだと思いました。これからは私がこの国が少しでも変わるきっかけを作っていくために頑張りますね。ラティーファも私と同じ気持ちでしょうし。あの子は小さいとき、よく私やリネスに「私がこの王国を変える!」なんて言ってましたもの。」と懐かしそうな顔をしていた。
クロネスが「ラティーファお嬢様ですか……。そういえば……リネア様とラティーファお嬢様は仲良さそうにされていましたが、リネア様が王城にいた時はよくラティーファお嬢様と一緒だったんですね。」と聞くと
「そうなんですよ。リネアお姉ちゃんとラティちゃんは、リネアお姉ちゃんの部屋で二人でよく話をしているのをよく見かけますよ。でもリネアお姉ちゃんもお兄ちゃんが来てから、明るくなったから嬉しいってラティスお姉ちゃんに言っていたし、ラティちゃんが私やリネス姉ちゃんと仲良くしてくれて嬉しい!ってリネアお姉ちゃんと話をしている時もあるんですよ。そうそう……タクトお兄ちゃんのことは私が教えてあげているんですよ。タクお兄ちゃんの事を色々教えてほしいと言われていてね。ラティちゃんは、リネアお姉ちゃんが好きなんだけど、最近、リネアお姉ちゃんは、お兄ちゃんのことが好きかもしれないと思っているのよ。」とクロネが楽しそうに話すのだった。俺は、そんな事を話しているのは初めて知ったのである。
それからクロネスはクロネに、「ところで、クロネ。お父様とお母さんとはもう会ったんでしょ?どんな人だった?」と聞くとクロネは、リネスとクロネスに微笑むと、「リネア姉ちゃんもクロネスちゃんと同じような感じの人で優しい感じだよ。二人共タクミお兄ちゃんのことをすごく気にしてるからね。特にお父さんの方がすごいんだよ。でもラティちゃんはタクミお兄ちゃんが好きだから、きっと喜ぶだろうな。リネアお姉ちゃんはリネスお姉ちゃんのことをとても大切に思っているので心配だけどね。」と笑うのである。俺が
「クロネス達は俺のことをどう思う?俺はこの国の人のためにこれから頑張っていこうと思うけど。」と質問するとクロネスは
「はい。タクミ様の仰りたい事は良く分かります。タクミ様ならきっとこの国の人達の為に素晴らしい未来を築いてくださる事を信じています。お爺さまとリネアお姉ちゃんと相談しないといけないことがいっぱいありますけど、私達が出来る事は精一杯やりたいと思います。リネス姉さんとも、タクミ様の事をこれからもっと良く話し合っていきたいと思っていますし。ラティナもリネスお姉さんに懐いているみたいなので、ラティナのことも、これからよろしくお願いしますね。」と言うのだった。
俺はクロネスが「お父様もお母様もラティちゃんに甘いからね。リネアお姉ちゃんにお父様もリネアお姉ちゃんも甘過ぎるから困ったものだわ。でもラティちゃんもリネアお姉ちゃんのことは大好きみたいでね。リネアお姉ちゃんは本当に良い娘だから、タクミ様もリネス姉ちゃんと同じように大切してくれるんじゃないかと思うから期待しています。タクミ様の側にいるのが一番リネアお姉ちゃんの幸せな時間だと思いますから、きっとタクミ様といる方が、ラティちゃんにとっても一番の幸せになると思うので、タクミ様には頑張って欲しいですね。」
とクロネスに言われると俺は「ありがとう。クロネス」と言ってから、
「リネス、クロネス。この国の為だけじゃなく俺達の世界の人達の為に出来る事はないかなぁ?」
と尋ねると、 二人は顔を見合わせると話し出すのであった。
そして図書館を出た後俺は二人を屋敷に送り届けることにしたのだが その時クロネがクロネスに
「クロネは今日、リネスとラティと約束をしていたから行けないんです。ごめんなさい。」と謝ると クロネスが、申し訳なさそうな顔になって「私こそ、クロネちゃんが来てくれると助かると思ったから誘ってしまったの。私のほうこそ、無理言ってしまってごめんね」と言うのだった。
それからリネスは「また、三人で会おうね。それじゃ、私は行くね。」と言って屋敷に向かって歩いて行ったのだった。俺は「二人共、元気でな。」と言うと クロネスは
「タクミ様、また会いましょうね。今度はリネスお姉ちゃんも連れてきますから。では、失礼いたします。」
クロネスも「うん!今度一緒に遊びに行くね。」と言うのであった。そしてリネスの後を追うのである。俺とリリスは手を振って二人の後ろ姿を見送るのであった。
俺は、クロネスとクロネに別れを告げてから、俺が倒れていた森に戻ってきた。
「う~ん……。ここら辺に居るはずなんだが……見つからないなぁ……。どこにいるんだろう?」
「そうね……。もう少し奥まで行ってみた方がいいかもしれ…………っ!?」
(何だっ!この気配は……)
突然凄まじい気配を感じとった俺はその方向に目を向けると そこには全身が紫色で所々に緑色の筋の入った オーガのような見た目のモンスターがいた。
そいつは、体長は二メートル以上はあるであろう体でこちらを睨んでいたのだ。
(これはまずいな……。こっちの世界にきてから始めて見るモンスターだがかなり強いようだ。とりあえず様子をみよう。まだ向こうも攻撃する気は無さそうだし。)と俺は様子を見ていた。
しばらくお互い動かないままの状態が続いていたが……。
相手が痺れをきらしたのか攻撃を仕掛けて来た。しかし俺は相手の拳が届く寸前に相手の後ろに回り込み攻撃を繰り出してきた腕を切り落とした! それからすぐに距離を離す!
「グアァッー!!痛ぇ……お前よくもこの俺の腕を落としたな……。よくもやってくれ……グワアアー!!!!」と相手が叫んでいる途中で首を切り落とすのであった。すると目の前にウィンドウが表示されて経験値が入った。
名前:ゴエモン 種族 悪魔種 性別 ♂ 年齢 1005才 Lv 323 HP 55000/73000 MP 68000/126000 SP 27000/44000 Sスキル
・武術マスターLV6・全魔法LV1・超再生能力(LV9999MAX!・超状態異常耐性LV10 限界突破! 固有能力 《神殺し》(神に対して絶対的な強さを持つ!神のステータスの半分の能力になる!更に神の攻撃は絶対に当たらなくなる!神は死ぬことが無い!ただし神を殺すと、全てのレベルは元に戻る)
エクストラ 《????》 ユニーク 称号 魔神王 俺は、ゴブリンの上位互換のようなモンスターを倒し終えると ステータスを確認して驚いたのである。俺は今までに戦ったことがある ゴブリンキングという名前の上位種よりも圧倒的に強く感じた。
(こんなやつが、まだまだ出てくるのか……。しかもこいつはレベル100越えてるし…… それにあの悪魔の王とか言うのは一体どれだけの力を持っているというんだよ……。とにかく今の自分には倒すことは出来ないな……。早く他の皆と合流して強くならないと……このままじゃ、この世界で生き残ることすら危ういし……。でも……なんで、いきなり襲ってきたのだろうか……。それにしてもこのエクストラの称号は何なんだろう……。『???』って……。うぅ……やっぱりよくわからないな……。今は気にしないほうがいいかもしれないな……。とりあえずこの近くに、あいつらが潜んでいる可能性が高いはずだ。探しに行こう。そうすれば何か分かるはずだ。俺が倒せなかった奴らと遭遇することもあるかもしれない。少しでも戦えるようになっておきたいし。よし……探そう!)と 思い、俺が動き出そうとしたところで 誰かの声が聞こえたのである。
その声は、少し高いが、女性のものであろうと思われる声で話しかけられた。
(ん?誰?まさか魔物?いや、この声には敵意が無さそうだな。一応、鑑定しておくか。って、あぁ、神様か。よかったぁ。神様なら、色々と聞きやすいからね。さてと、神様にいろいろ聞いてみるかな。えっと確か、スキル欄を開いてと。おぉ。なんかいっぱいある。どれにするかな……ん?)
と、俺は自分のスキルの画面を見つめて どんなものが有るのか見ながら悩んでいた。そして 俺はふとあることに気がつき
(これって、全部鑑定で見えるやつなのか。なら……これにしようかな。まぁとりあえず使ってみてダメなら変えれば良いだけだしね。さてと……これでどうなるのかな?鑑定発動!対象 目の前にいる人物!解析開始……解析完了。)
俺は試しに「スキル強奪」というものを使ってみると 脳内に
・・・。と表示されるだけで特に変わったことはなかった。ただ、目の前にいた女性は突然、頭を押さえたかと思うとうずくまり苦しみ始めた。俺は「大丈夫ですか?」と心配しながら駆け寄ると 女性が、「ぐわっ!」と叫ぶと立ち上がり、先ほどまでの美しい容姿が消え失せ醜く変化した顔を俺に向け、「貴様が私の邪魔をしたのか!殺してやるっ!喰らえ!!」と俺に掴みかかろうとしたところで、女性の体を切り裂き 絶命させた。俺はその様子を見て
(俺を殺そうとして返り討ちになったな……。この世界は危険だからなぁ。油断出来ないよ。さっきも俺の事を鑑定していたのが分かったし……。これからは常に注意しておこう。)と思い、その場を離れようと立ち上がろうとするとまたも、声をかけられた。俺はその声が聞こえたので振り向いたが、そこにいたのはさっきの女性ではなかった。それは人型の化け物だった。俺はそれを視認すると急いで逃げようとしたところ、突然目の前に現れた化け物に胸を突き刺され、
「ガハアッ……」と言って倒れ込む。その時に意識が飛びかけると 目の前に表示されていた画面に 《条件を達成しました。エクストラスキル『魔王の覇道』を獲得しました。
スキル:全能力向上+100%(MAX!)・HP・MP無限大・攻撃力 物理防御 魔力防御 素早さが+50%アップ!(限界突破! ユニークスキル
『不老不死(成長速度倍加! エクストラ
『魔導士の王』
・スキルコピー! オリジナルスキル
「完全武装支配術」を取得しました。これにより全ての武器が扱えるようになります。さらに防具は装備可能です!】
というメッセージと共に俺はその場に倒れた。俺は目を閉じて必死に回復を待ったのだが、いくら時間が経っても何も起こらなかった……。そこで俺は
(死んだかな……。あれだけやっても死なないなんて……やっぱりこの世界の人達は……本当に強いな……。本当に……本当に……ごめん……。…………。)
と、俺は心の中で呟いて静かに涙を流すのであった。そしてその体は灰になって消えるのであった。
すると、どこから現れたのか一人の男性が目の前に現れるのである。そして彼は「やぁ……。君はこの世界に召喚されたようだね。残念だけど……もう、この世界で生きることは無理だよ。だから僕からプレゼントを渡そう。まず、ステータスの確認をしてみたまえ……。ステータスオープン!と言えば開くからね。」と言うと、突然視界が暗転した……。
気がつくとそこは見たこともない真っ白な空間で、そこには1人の綺麗な金髪碧眼の少女と銀髪赤目で黒い服を着ている美少女が立っていたのだ!少女達は突然の事で動揺しているようだった。俺は、そんな事を考えながら辺りの様子を伺っていると、突然目の前で光が輝きだし俺達の前に立った。俺と、金髪碧眼の可愛らしい少女と銀髪赤目の美幼女は驚きながらもそちらを見ていると、そこに立っているのは 俺がつい先程、倒したばかりの 女神らしき人だった……。そして俺は目の前の人物に話しかける。「貴方は誰なの?」すると目の前の人は答えてくれた。「私の名前は、アイリス・アルスメレス。創造神と呼ばれています。あなた達をこの場にお呼びしたのはこの世界の説明と力を与える為に来たんです」そういって彼女は微笑んだのである。すると、隣にいた幼女も自己紹介を始めた。
「私の名前は、レイシア・オルナティーエ。私は主さまのお世話をする為に来ました。」と言ったのだ。
それからしばらく2人が会話をしている間俺は、周りを見ていた。俺は、自分が今、何処に居るのかを考えていたが、結局この場所に転移させられる直前を思い出したのだった。
(あの時俺を殺せたはずなのに……なんで……俺を生かしたのか……。それか……もしかしたら、あの男に何か命令されて俺を殺すことが出来なかったのか……。まぁ考えてもしょうがないよね。とりあえずは……話を聞くことにしよう。この子もあの男の命令かもしれないし……。でももし、この子達が本心で行動しているなら嬉しいな……。だってこんな可愛い女の子が一緒に居てくれるとか最高じゃないか!)と思っていたのであった……。
それからしばらくして話が終わり、俺の所に戻って来た彼女達に説明を聞いたのである。俺の目の前に居る二人はこの世界で俺を転生させた存在なのだと……。
目の前の神様の話は簡単にまとめると、ここは異世界であるということ。ここの住人は全員何かしら特殊な加護を持って生まれてくるのだという。なので、見た目で人を判断しない方が良いと言っていた。ちなみに……目の前の神様や、後ろにいる美少女ちゃん、幼女の3人も加護持ちだそうだ。神様や神様と同等の能力を持つ者は、例外を除いて普通の人よりも遥かに優れた能力があるそうだ。
その説明を聞き終えると今度はこちらからも話をする事になった。そしてまず俺が聞きたいことは俺の事について聞くと、「君が死んだ時の状況を教えてくれないか?」と聞かれたので 俺が死ぬときの状況を説明したのである。その話を一通り聞いて 俺が倒した魔物や悪魔については俺が死んでも復活すると聞いた時は、驚いたが どうやら俺のようにステータスやスキルを持っているものは死ぬことはないそうだ。しかも死ぬと記憶や所持品を失うそうだ。俺のエクストラスキル『不老不死(成長速度倍加!)』は、その効果を持つらしく、死ぬ度に俺に経験値が入りレベルが上がり続けるという。それにエクストラスキルを持っている者は、スキルは使えないという制限は有るが死ぬと全ステータスが上がるという。このスキルは成長する毎に少しずつ強化されるのだとか……。それに俺は、この世界で死ぬことがないため、エクストラスキルの効果により全ての耐性を持つことができると教えてもらった。それとこのエクストラスキルを持っている人はとても少ないらしく かなりレアなんだと…… それに俺の目の前にいる三人は、エクストラスキルの『創造主』『神格化』
と いう二つ持っている。『神の使徒』というスキルもあり、その効果は『創造主』で作成した武器、防具は俺のアイテムボックスに入れることで収納することが出来るそうだ。俺にも同じ事が出来るのか聞くと、出来ると言われた。さらにこの世界に存在する生物以外のものをアイテムにすることができるとのことで、その生き物を鑑定してもらうと名前や能力がわかるそうだ。この能力は、神が作り出した武器、防具、魔道具にしかできないそうだ。あとは神様が作ったオリジナルの魔導具は作れるそうだ。そのオリジナルには俺が使う武器に俺の名前をつけることで、自動的にその魔剣の俺専用のものになるようだ。そのほかにもオリジナルには特別な効果があるらしい。これは神や神と同等の力を持つ者以外が作ることは不可能だという。最後に俺には、『魔道士の王』『スキルコピー!』が、手に入ると教えて貰った。そして、俺には
『スキル強奪!』
というスキルを渡すと伝えて消えた。目の前にいた3人も同時に消えて元の場所に戻っていた。そこで俺は、ある疑問が生まれたのでステータスを確認する事にしたのであった。
【ステータス】
* * *
【名前】『炎熱』
【年齢】16 【職業】『勇者』(魔王候補)
【称号】『召喚されし者』《不老不死(成長速度倍加!)》《魔王候補(覚醒まで0/100
※魔王になると『不老不死』《成長速度倍加!
『魔導王』
《MP∞》《INT×10》《スキルコピー! オリジナルスキル》 《魔王武装完全支配術》《不滅の書(劣化)
『聖騎士』《物理攻撃無効化》《物理防御無効》 《魔法完全防御無効》《自動修復(発動型)》 《魔装完全武装支配術 》
『剣士 』、『槍使い 』
*
* * *
* * *
*
***
* * *
*
* * *
《特殊技能系スキル》
* * *
鑑定★MAX・解析LV5・隠密LV4・気配感知LV8 危機察知LV6・隠蔽LVMAX 詠唱破棄・無詠唱 身体強化 体力増強(極)・超回復(微)
腕力増大(大)・剛体(中)・高速回復(大)・魔力吸収(小)・MP自然治癒(特大)・状態異常軽減・危険察知・言語理解 スキル獲得速度増加 成長率倍増 ステータス成長倍加】
(あれ……。おかしいな……。なんか、増えているんだけど……なんだろうこれ……。ん?この新しく獲得した能力の『魔導王』って……どういうこと!?えっと確か…… 魔を導け って事なのかな?とりあえず確認しよう…… そう思いながら俺は『魔導書』を発動して、自分のステータスを確認してみると……。俺は驚きながら見てしまった。
(魔導王のスキルは、この世界にある魔法を全て使うことができるらしい。そして、魔導書を使うことでこの世界にない、魔法を使うこともできると……。すごい……でも……これでやっと俺は強くなれるんだ……これから俺はこの世界を救いながらこの世界で生きていく事ができるんだ……。)と思い俺は涙を流したのだった。
俺は泣きながら 神様がくれた能力に満足しつつ、この先について考えていた。
(この世界で生きていくことはできるんだ。なら、早く次の場所に行きたいと思っちゃうよね……。この世界で生活しながら、力をつけて……いずれは、この世界の人達を助けられるような力を手に入れたいな……。そのためにはまずは自分の力を把握しないと……。)
俺はステータスをもう一度確認することにしたのである。そして俺は……ステータスを見て愕然としていた。
(何だこの数値……。強すぎないか……?)
ステータスを確認したのだが……。まず、最初に気になったのがこれだ。
==【種族:竜人族 ランクSSS級 年齢18歳】【職業 】【固有特殊能力】【称号 】【装備可能武具一覧
※全て解放済み】
== <ステータス> 【HP】
:12,800,000,000/12,001,700 + 300,000,000UP!!︎ 【MP】
:11,900 /2,100 × 560万UP!! 【筋力】
:155,000+50 ○ 650,000 △ 320,000<↑28,000UP! 【敏捷】
:144,000<△ 110,000UP! ◎ 26,000<↑31,000UP! 【器用】
:259500<◎ 99,000 UP!!︎ 【賢さ】
:253800<◎ 127,000 UP!! 【幸運値 0
☆ 100UP!! 【スキル取得】
・スキル枠 15
・エクストラ
・エクストラSP 10・ユニーク
・ユニークSP 8 【加護 】
・創造神
(アイリス・オルナティーエ)の祝福
・生命神
(ライフ・ルークスティア)の恩恵
・武女神
(アルテミス・ラフィオント)の守護
・戦の女神
(ヴァルキリーディアボロス)の寵愛
・知識の神
(アクア・リリィナ)の加護
・豊穣神(デウス・ルー)の恵み
・美と愛の精霊の祈り……………………
・………… 【呪いの証 】【状態異常付与】
・『呪われし者』『魔王候補』『不幸をもたらす者』『災いの子』
===
「嘘だろ……。強すぎるよ……。これ、人間じゃないだろ……チート過ぎるでしょ……。てか、俺の称号……完全にやばいだろ……。魔王候補とか絶対ダメでしょ。それにしても、俺が持っている能力……『不老不死』とかやばくね……『無限の経験値』もやばいし……。あ……もしかして……」と思い……神様から貰った『聖剣エクスカリバー』を手に持つと『鑑定』をした。すると……やはりと言うべきか……俺の考えは正しかった。この『聖剣』も、普通ではないようだ。
(まぁ確かに俺の知っている漫画でも この世界での聖剣とかいわれてるやつは、全部普通の性能じゃないよね。でも、やっぱり、こっちの世界に来て良かったよ。もし普通の世界に居たら俺は絶対に殺されていたかもしれないし……。でも……俺にはあの子がいるんだよな。だからもうあんな目にあうのだけは、嫌だし……俺が助けられる人がいるのであれば、助けてあげたいと思っているけど……。そんなの俺が生きている間に終わらない可能性の方が高いよね。だからこそ俺は俺がしたいようにやろう!それに俺は今、この世界で生きていけるだけの力があるわけなんだしさ! まずは俺が強くならないとな!俺がもっと強くなれば、それだけ他の人にも手が届くようになるだろう。そのためにも今は少しでも強くなることを考えて行動しないと! それに俺は『魔王候補』と、なっているみたいだけど、俺はこの世界のために、何かをするつもりはないからね!だって……この世界に来た理由は俺を殺した連中に復讐するためと、元クラスメイト達と家族に謝らせたいという二つの気持ちだけなんだし。そもそも、俺が死んだ後に勝手に呼び出したのはこの世界の人達なんだし。俺は別に悪く無いはずだ!そうだ……!そうだ……!うん!よし!とりあえず強くなろう。)
俺は『不老不死』のおかげか、疲れというものがないので、とりあえずこの辺りの地形を把握するために歩き回ることにしたのであった。俺はステータス画面を開きスキル欄を見つめながら今後のことについて考えながら歩いていた。しばらく歩いた後で、ある事を思い出して慌ててステータス画面を確認をしたのであった。ステータスを確認してみると……
(やばい……。忘れてた……。『アイテムボックス』『アイテムボックス内鑑定』『アイテムコピー!』のスキルの三つを手に入れてるじゃん。てことは、『アイテムボックス』の中に入っている武器とかも使えるってことだよね。)
そう思ってアイテムボックスを開いて確認してみると……俺はまた驚いたのだ。そこには見たこともない武器が山のようにあったのであった。その武器の中に『聖剣 デュランダル』があり……俺はそれを取りだしたのであった。その『デュランダル』という武器は……とても凄まじかった。この武器に認められた者のみが手にすることができるという特別なものであるそうで、見た目は他の剣と変わらないようなものだが……切れ味が違うようで……軽く振っただけで岩を豆腐でも斬るように綺麗に切断することができた。他にも…… この『魔剣グリムベルジュ』とか……これは『邪気剣』と呼ばれる魔剣で……『妖気剣』よりもさらに邪悪な気を放っていて、その邪気に触れた生き物に、悪影響を与えるとされている魔剣のようだった。
その他にも、様々な種類の魔道具も大量に収納されていた。その中でも特に凄いと思ったのは『時空神槍グロウズ』だった。この魔導兵器は時間も空間すらも操ることができるらしく、しかも、一度使うごとに、莫大なエネルギーを消費し、使用後1年間は使用することができないので……使用者がいない時は、魔力の充填が必要だと説明が書かれていた。つまり俺は……魔力タンクとして使える可能性があるというわけである。
俺はステータス画面を閉じ、これからのことを考えて……ふとある事を思い出し、試してみる事にするのであった。それは……この世界で死んだらどうなるのか?ということである。まずは、俺に殺された奴らの様子を見るためである。俺はこの世界に来る前に……この世界で死んでいた。俺はそれを確かめたかったのである。なので俺は、死ぬ覚悟を決めた上で……。死んでもいいと思ってスキルを発動してみた。そして発動させた瞬間……視界が変化したのである。
そして目の前に現れた光景とは……俺の死体の前で泣き崩れている人達の様子が目に入ってきてしまった。そしてその中にいる一人の女性の顔を見て俺は驚愕していたのであった。なぜなら、彼女が泣いていることより、自分の死体が血まみれになって、転がっていることに驚いたのもあるが、それ以上にあることがショックで固まってしまっていたからだ。
その理由というのは……彼女の頭には角があったのである。
(嘘だろ……。この世界で、鬼族って存在するのか……。じゃあ……。俺は本当にこの世界に呼び出されて……この世界の住人を殺して……この世界で死に……。それから……。え……!?もしかして……俺って……この世界で転生してたってこと!? そんなことって……。
ありえるはずないじゃないか。でも……俺が、この世界で生きていくために……。殺したあいつらは、もしかしたら俺の仲間だったかもしれない……のかな……。
うわ……。マジで凹む。俺は……。何をやっていたんだ……。くそ……。
でも……。俺はこれから強くなって……。絶対に……この世界を平和にしてやる。
待ってろよ……。俺を召喚した世界!!)
俺はこの世界で生きていた頃は、学校の成績もよくて、スポーツも得意だったのにも関わらず……いじめられていて不登校になっていたことを思い出していた。そして俺はその時の悔しさを噛み締めた。
それから、俺はもう一度自分が殺される時の状況を見るためにもう一度、この世界で死のうとした。すると、なぜか急に意識が薄れてきて……。気がついたときには、俺は森の中に横になっている自分に気がつく。そして、体を起こして周りを確認すると……そこは森の奥の方のようだった。
そして先程と違う点と言えば、俺の服装だ。先ほどまで寝巻きを着ていたのにも関わらず、今の俺の姿といえば……黒を基調とした服に、腰には、銀色の刀のような物をぶら下げていたのであった。
(あれ……?なんで……。この世界に着ていたときの服を着てるんだよ……。それに……。なんか……。体の調子が良いな……。まさか、もしかして……。さっきまでの事は夢なのか……?)
俺が少しの間ボーッとしていると……俺の周りに誰かが近づいてくる気配を感じてそちらに視線を向けた。するとそこには、一人の少女がいた。
「タケルさん!お帰りなさい!」と言って俺に飛び込んできた。すると、俺はその人物を受け止めることが出来ずに地面に倒れ込んでしまった。
(誰だよ。いきなり抱きついて来て……危ないだろう!)と俺が思った直後、「いったーい……」と言う言葉が聞こえてきたのであった。
(こいつ……人の上に乗っておいて……大丈夫ですか……。とかさえない事を抜かすんじゃねぇぞ……。)と心の中で呟いていた。
すると俺の上に乗っかっている女の子がこちらを見下ろして、申し訳なさそうな顔をして、起き上がった。するとその子の髪の毛はピンク色の髪の色をしていて肩にかかるくらいの長さをしていた。その顔はとても整っていて可愛らしい容姿をしてる。背は小さいけど、スタイルはかなり良く見える。年齢はおそらく14歳ぐらいだろうと思う。ただ……俺の記憶が正しければ……。俺はこいつのことを知らないはずだった。それに、こいつが俺の名前を知っていたことも不思議でならないのだが、なぜだろう。この子の表情にはどこか懐かしさを覚えてしまう。だからかはわからないけども……この子に悪意がないということもわかっていた。
「すまない。怪我はなかったか?」と声をかけて、俺が上半身だけ起き上がると、彼女は俺の手を掴み立ち上がって「全然平気です!私ならこれでも頑丈なので心配はいりませんよ!それに……私は嬉しいんです。タケルさんの側にずっと居られるから……」と言い微笑んでくれたのであった。
その笑顔に俺は一瞬だけ見惚れてしまった。だけど……すぐに俺がこの世界で生き返ることを思い出して……。俺が殺されて……。俺は彼女に殺されたのだと思い出してしまって、俺は彼女から距離を取ろうとする。すると……。突然俺の頬に何かが触れる感覚があった。その方向を見ると……。彼女が俺の方に手を回して俺を抱きついていたのだ。そのことに俺は驚くと同時に、心臓が破裂してしまうんじゃないかってぐらいに激しく鼓動が鳴ってしまう。
そして彼女はそのままの姿勢の状態で……。
「やっと会えた……。おかえり。愛しい私の王子様。」
と言って再び俺を見上げてくる。そんな彼女を俺は引き離そうと力を入れて抵抗をするが……離れなかったのだ。
そしてその状態のまま彼女は話し始めたのであった。俺は彼女の話を必死に聞いていた。彼女は『サキ』という名前のようだった。俺は彼女から色々と教えてもらうことにした。まず……今の状況について聞いてみることにした。そして俺はこの世界に来ている経緯を教えてくれた。どうやら俺が死んですぐの頃から一緒に行動しているみたいで、俺が殺された後に俺のことを呼び出して……俺の復讐を手伝って欲しいと言われたみたいだった。それで、今からこの世界の魔王を倒して欲しいというお願いされたそうだ。
ただ俺はそれを聞いて疑問を感じたことがある。魔王を倒した後に俺はこの世界に来ることができるのか?ということだ。そもそも魔王とは何なんだという話だが、魔王はこの世界に生きる者達の脅威になる存在であるみたいで……その存在を倒すことにより、元の世界に戻れるそうなのだ。ちなみに俺は、その魔王を倒すように命令をされていたみたいなんだけど……。
まぁ……。それについては後々どうにかなると思い……とりあえずは気にしないことにする。それよりも問題なのは……
『魔王』
『サキ』
は、『鬼族』だということだった。鬼族は人間とは違った存在の種族らしく……寿命がないのだそうで……何百年という単位で生きている者もいるのだそうだった。『鬼』と呼ばれているものの……『吸血鬼』とは違うそうで……どちらかという『魔族』に近い種族だと言っていたのだ。
俺が質問をしているうちに俺は、この子が普通の鬼族じゃないということに薄々気がつき始めていた。そして俺は確信をしたのだ。それはこの子は、俺が『鬼王』と『白姫』を殺したときに現れたあの子だという事に気が付いたからである。しかし……俺はこの事を直接本人に聞こうと思ったがやめておくことにした。だって、せっかく幸せそうな顔で笑っているのに……その表情を壊すようなことはしたくなかったので……。でも……この世界での『サキ』という人物はどうなったのかを聞く必要があると思って俺は聞いたのだった。
そしたら、「ごめんなさい……。この世界にきた『サキ』は私が殺してしまいました。でも、私は後悔していませんよ……。あなたの側にいれることが嬉しいから……。それにあなたと出逢えてから、私の人生が変わってしまったんですよ。だから……この運命を与えてくれた神様に感謝してるの。ふふふふっ。
ありがとう……。私の大切な……王子様。あ……もうひとつ大事なことがあった……。タケルさん……。実はこの世界では……魔族の血を引いた者は魔族を殺せないっていう決まりがあるんです……。なので……。この世界で……タケルさんが魔王を倒せば元の世界に戻ることが出来ます。なので……タケルさんはこれから先、沢山の魔族を殺していくことになるかもしれません……。
でも……それでも……。タケルさんに着いて行きたいのです。」と言われてしまったのであった。そんなことを言われた俺はなんて答えたらいいかわからずに黙ってしまった。すると……彼女の手が少し震えているのがわかった。そのことに俺は気づいていたが……あえて何も言わないであげたのである。なぜなら、彼女が不安な気持ちを押し殺すために……無理に笑顔を作ろうとしていたからだ。それに俺は気がついたからだ。
(きっと俺に迷惑をかけるとか思っているんだろうな……。この子は……優しい性格だから……。)と内心思いながら……。でも、俺にも覚悟はあった。確かに人を殺すのが怖くないわけではない。むしろ怖いのである。しかし……ここで躊躇えば……誰かを失うことにもなるかもしれないと……。この世界に来てからは、俺は仲間を失ってばかりだった……。
(こんなところで……立ち止まってなんかいられない……。絶対に……皆を救ってやるんだ。そのためだったら……どんなことがあっても耐え抜いてやる。
たとえ……。相手がどれだけ残虐だとしても……。)
俺は、目の前にいる彼女に対して優しく手を握った。そして……彼女の方を向いて、真剣な眼差しを向けて……。
「安心しろ。俺も君も死ぬつもりは毛頭ない。これからも二人で……楽しく過ごそうな。」と言ったのであった。そしたら、サキは嬉しそうに俺に抱きついて来た。
(ちょ……ちょっと!抱きつかないでよ……。また、勘違いされるじゃん……。)と俺は思ってたのだけども、俺は少しの間彼女の好きなようにさせてあげて……。そして落ち着かせてあげると……。俺が「これからは……お互い隠し事はなしにしようね。何か困ったことがあったら……なんでも相談してよ。」と言うと……サキは俺の目を見て、コクリと静かにうなずいてくれたのであった。それからは……俺とサキは今後のことについて話し合いを始める。俺はサキから情報を聞いたあとに……自分のスキルを確認することにしたのだった。
まず……ステータスを開いてみると……「異世界転生」「女神の使徒」「女運向上(中)」が追加されていた。この「女運上昇(小)」「男前補正」、「交渉術強化」「剣聖化」、「成長速度10倍」、「体力増強大」→「身体操作極み」、「経験値取得量増大」、「アイテムボックス(無限)」、「鑑定II →III」、「全属性耐性UP」→「無魔法V 水・氷魔法V 風 火 土 闇魔法IV 雷 光 V」と……新しいものがかなり追加されていて驚いた。ただ、その中でもやはり……新しく覚えることが出来る魔法のレベルの上限が3つになっているのには違和感を感じていたのだ。そして、新しく覚えていた「時空魔法I」が消えていて……その代わりにあるのが、「時空空間」という新しいものになっていた。俺は不思議に思っていたけど……まぁいっかと軽く考えることにしたのであった。
(そういえば……俺って何者なんだ……?)
俺は自分の姿を見ながら考える……。見た目からして日本人だと思うのだが、記憶がないことに少しの恐怖を感じているのであった。まぁ……それもそのうちに思い出すだろうと思い、一旦そのことは置いておくことにする。そして……俺と会話をしていく中でサキは、「私のステータスは……タケルさんの役に立てるかわからないから……」と言って俺に自分の能力を見せてはくれなかった。
俺としては……俺の役に立つかどうかは関係ないと思っているのだが……この子の事を考えてしまう。この子は俺の事を命懸けで助けてくれようとしていた。それは俺のためというよりも……サキ自身が……この世界の人たちを救いたいという強い意志を持っていたからの行動だったと思うのだ。この子はとても優しい性格の持ち主であり、誰よりもこの世界を愛していると思うからこそ……自分一人ででも、この世界に暮らす人々を守りたいと願っているんだと思う。その気持ちに俺も共感できる部分があったのは事実である。俺はこの世界に来る前に……。自分がしてきたことが正しいかどうか……ずっと悩んでいたのだ。
その事を思い出してしまったせいで……彼女の言葉を否定することはできなかった。それに……。この世界を救うことで……もしかすると……。元の世界に帰れるようになるのであれば……。その可能性に賭けてみる価値はあると思う。だから……サキの言葉を信じる事にする。
俺の考えていることが伝わったのか……彼女はとても悲しそうな顔をしていたのだ。俺はそんなサキの頭を撫でると、微笑んでくれたのだった。俺がこの子に何かをしてあげられることってないかなと考えていると、サキの方からも俺の事を抱きしめてくれた。俺はそれを受け入れて……。俺は彼女に聞いてみることにしたのであった。
「俺と一緒に旅をするにあたって……。この世界の魔王を倒すために必要なことは……何かないか?」という質問をした。それに対して彼女は「やっぱり……。タケルさんが戦う時は、私も戦います。」と即答されてしまったのだった。しかし、俺はそれじゃダメだと思ってすぐにサキを止める。それはサキの体の状態についてである。どうやら彼女は怪我をしているみたいだったのだ。しかも、この状態では満足に動くことが出来ないのがわかっていたので……。まずはこの子を助けるところから始めないといけなかった。
(しかし……この世界には回復系のスキルを持っている人はいるのだろうか?もしいないなら、俺はサキに傷を癒してもらうことは出来ないのか……?とりあえず、試してみよう。)と俺は思った。そこで俺は「この世界の住人で、治癒系もしくは、治療の出来るスキルを持っている人がいれば紹介して欲しい。」とお願いをすることにした。サキはそのお願いを快く引き受けてくれた。すると、「私、知ってる……。タケルさんが知りたいスキルを持った人を……。私の恩人で……凄く優しい人なんだ。私と一緒の『鬼族』で……。名前は……。リリスっていうんだよ。タケルさんは知ってるかもしれないけれど、『鬼族』は私以外みんな殺されてしまったんだけど……その人達の中で生き残った私を助けてくれた『人間』の女の子がいるんだけどね……。その人も『鬼族』なんだけど、『白鬼族』で……。この『鬼ヶ島』で唯一の生き残りの『白鬼族』なの……。その子は、『鬼姫』として、この『鬼族』達をまとめているんだけど……この子以外に『白鬼族』で生きている子はいなかったはず……。『白姫』だけは生き残っている『白姫』だけど……。」
と教えてもらったのだった。俺はそれを聞いて驚いたが……。そのリリスという人に会いに行くことを決めたのだった。サキに案内されて俺が着いた先は……。城のようなところである。俺は思わず、本当にここなのか疑問を持ちながらも、この城の主に会いに行ったのである。
(こんなところで……生活しているのか……。さすがに……俺が行くような所ではないと思うが……。まぁ、ここまできたんだ……。とりあえず話してみよう……。)と覚悟を決めて、俺は城内へと足を踏み入れる。すると、一人の女の子がこちらを見て驚いていたが、すぐ笑顔になり話しかけてくる。
俺は彼女の容姿を見ると、「うっ!」と衝撃を受ける……。何故なら……この世界に来てからの俺にとって理想の外見をしていたのだから……。髪はピンク色のロングヘアで……。身長は高く、スタイル抜群であったのだ。そんなことを考えながら見ていると……。
「初めまして!あなたがタケル様ですね!!お待ちしておりました!私はリリアナと申します。どうか……私の事はリリーとお呼びください。」と言われたので俺は、緊張しながら「あ……ああ。俺の名前は佐藤太郎だ。それで君は、どうして俺の名前を知っているのかな?」と聞いたのである。
(まさか……。この世界でも同じ名前の人が……!?もしかすると……。)と思ったのだが、そうではなかったようだ。
この国の人たちは皆、俺のことを「タケル」と呼んでいて……。サキ以外の人からは俺の名前を呼ばれることがないそうだ。
サキが言うには、この国の王様が決めたらしく、理由は知らないと言っていた。だから俺はこの国にくる途中で考えていた「勇者タケル」という人物が関係しているかもしれないと考えていた。
(一体……どういう事なんだろう……?)と俺は内心で思いながら、「俺のことを呼んだということは、この国では俺を知らない人は……ほとんどいなくて……有名だと聞いています。ですから、この世界で有名な俺の名前を呼ぶのは不自然だと感じたのです。俺の事を「太郎」ではなく「様」と呼ぶ理由を知りたいんですが……。」と言うと……。「はい。わかりました。私がご説明します。実は……。あなたのことを詳しく知る者がおりまして……。その者は、勇者様のお世話係に任命されており、なんでも……あなたのことを知りたがっていまして……是非とも一度会ってみたいと言われてましてね。なので、今すぐにでもご挨拶に伺おうとしていた次第です……。」と言われたのだ。
(え……ちょっと待って!「勇者」はわかるんだけど……そのお付きって誰よ……?)と俺は思う。俺にはそういった人物は今のところ……存在しない。俺は不思議に思って、リリスと話をしてみたくなった。すると……リリスは、「あのぉ……。そろそろ行かないとお時間がないんじゃ……。もうすでに約束の時間になっておりますよ……。急いだ方がよろしいと思います。」と俺に言ってきたのであった。俺は「うわぁー。ヤバイ……。遅刻したら、怒られちゃうよ!!」と言って、焦り出したのである。それから俺は、城に泊まることになり、しばらく過ごすことになったのだった。そして俺は急いで支度を整えるのであった。
俺の目の前にはリリスという女性が座っていて……。なぜか正座で俺と話をしてくれていたのだ。そして……なぜか俺も同じように正座で会話をしなければいけない気がしたのだった。それから俺達はお互いに顔を見合わせていた。俺はその女性の事を観察する……。彼女はサキよりは年上に見えるのだが、まだ幼さが残っているように見えた。そして……。サキとは違って……露出の激しい服をきているから目のやり場に困ってしまう……。俺が彼女を見て困惑していると……。「あら……私の服装をそんなに見て……照れているのかしら?もしかして、私の事を女性として意識してしまっているとか?」とニヤッと笑って俺にそう言ったのだ。
(こいつ……。絶対確信犯だろ……。なんかムカつく……。でも……見た目がいいから何も言い返せない自分が嫌になるぜ……。)と思っていると……彼女が突然立ち上がり、「私は『リリス・アゼロット』と申します。よろしくお願いいたします。そして……。先程もお伝えしましたが、私の事は『リリー』と呼び捨てにしていただいて結構でございます。」「俺はタケルだ。一応言っておくけど、俺はお前の事が嫌いになったから……呼び方を変えているわけじゃないからな……。これから一緒に旅をする仲間として……お互い仲良くやっていきたいと思っているだけだから……。そこは勘違いしないでくれ……。」と俺が言うと彼女は微笑んでくれたのだ。それから俺は……サキの事と俺達の事を説明したのである。ちなみに、リリスにはサキが助けた人たちの中に生き残りがいないかを聞いていた。しかし……彼女は、全員殺されたと思っていたようで……生き残っていれば嬉しいと喜んでいたのだ。
リリスの話によれば……サキを助けた時は、まだ戦いが終わったばかりだったので、正確な人数を把握することはできなかったらしい。しかし……生き残りはおそらくいないと悲しげに答えてくれていたのである。
その後、サキは自分の部屋に戻りたいと申し出てきたのだ。もちろん、断る理由もないので了承し……。サキを自分の部屋に連れていくのであった。リリスの部屋を出る時……俺はリリスの後ろ姿を見て……つい考えてしまう。俺は、サキを助けられた事で……ある疑問を感じてしまったのだった。それはリリスは本当に「人間族なのか?」ということである。リリスは……この世界の『人間族』の人よりも背が高く……。俺の世界でいう所の160センチぐらいの高さがあったのだった。それにリリスの顔つきや髪の色、体型などを見て俺は人間族のように見えなかったのだ。
俺はそのことを確認するため、彼女に聞こうとしたが……。すぐに思い留まった。もし仮に「あなたは人間族ですか?」などと聞いてしまったら……。変に思われるのは確実だと思う。
俺が悩んでいると、ラティーファが近づいてきて俺の手を握ってくれる。俺は彼女の行動に感謝していた。なぜなら、俺が何に対して悩んでるのか理解してくれたからである。
「お兄ちゃん……。何を考えてるのかわかんないけど……リリスが私達とは違う人種なのはわかったよね?それなら……リリスがこの世界で生きていくためには……。何か対策が必要になってくるんだと思う。私だって……。この世界に来た当初は戸惑っていたもの……。でもね……。今は凄く幸せだし、後悔はないんだよ。私にとっては、ここに来ることができて本当に良かったと思ってるの……。」
彼女は笑顔で俺の目を見ながらそう言った。俺は「そうだよな……。ありがとう……。」と感謝を伝えたのである。
(ラティーファの言葉通りだよ……。リリスにとって、この場所はとても過ごしにくいはずだ。だから、リリスのためにできる限りのことをしたいんだ……。そのためにも……もっと強くならないと……。)
俺は、自分にそう言い聞かせるように心の中で思ったのであった。すると……リリスが突然俺の前に来て、「タケルさん……。今から私は少しの間……眠らせてもらいます。ですが、私が眠る間に……私に関することでタケルさんが気になったことがありましたら、私が起きていようが寝ていようが気にせずに聞いて下さいね。あと……私が起きた後は、私が質問させていただいても宜しいでしょうか?色々とタケルさんにお聞きしたいことがありまして……。」と話しかけてくる。俺は、それを快く承諾した。「俺に話せることなら何でも答えるから安心してくれ。」と言うと……。リリスは嬉しそうに笑い……。
「分かりました。それでしたら……私が眠っている間は、なるべく他の方のところにいないようにしていただけると助かります。特に……。ラティーファとクレアは……危険かもしれません。タケルさんの側にいてくれるように……頼みましたが……。あの2人が……暴走するかもしれないです……。なので……タケルさんは、できるだけ私と一緒にいる時間を多く取って欲しいんです。それとタケルさんのご友人の方たちも私の部屋に呼ぶようにして頂けると有難いんですが……。タケルさんと少しでも長くいたいと皆さんが思っていますので……。」とリリスは俺に言ったのである。俺は、その言葉を聞いて……すぐに返事ができない……。俺にはそんな友達はいなかったのだから……。俺は、正直に今の気持ちを話すことにしたのであった。
俺は「そうだな……。確かに……皆んなと話ができれば嬉しいと思っている……。だけど……みんなにはそれぞれ……俺に言えない事情を抱えているかもしれないから……。リリスの事を相談する前に……。先にみんなに相談しようと思っているんだ。まずは、みんなのことを信頼してないと……。本当の仲間にはなれないし……。」と言うと……。
リリスは、「やっぱり……タケル様は……。私達とは全く違う次元の人なんですね……。」と俺に向かって優しく笑みを浮かべながら言う。そして……なぜかリリスの瞳が光っているように見えたのだ。俺はその光景を見て……不思議に思っていたのだが、その理由を俺は知ることになる。それからしばらくした後……俺は、突然睡魔に襲われ……倒れ込んでしまうのであった。
俺が目が覚めるまで時間はかからなかった。だが……不思議なことに目を開けたはずなのに視界がまだぼやけている。まるで目隠しをしているような感覚だった。しかも、体の節々も痛みを感じるのである。一体……どうなってるんだろう……と思いながら体を起こそうとするのだが、上手く力が入らない。それに体が異常に重いので思うように動けないのだ。
(どうしてだ……。体中痛いし……。全然起き上がることが出来ないぞ……。)俺は心の中で思ってしまう。その時だった。突如俺の体に異変が起こり始めたのだ。
(なんだこれ!?胸が苦しい!!息もできないくらいだ……。でも、なぜだ?こんな事が起こるのか……?)と思ったのだが……よく見ると俺が身に付けている鎧に穴が開いている事に気づいたのである。
俺が自分の胸に視線を向けると、その部分だけが異様に膨らんできていることに気づいたのだ。
(まさか……。)と思っていると、その現象は徐々に進行していき、俺が身につけている全ての装備品に穴を開けて破壊し始めたのであった。俺はその様子を唖然としながら眺めている事しかできなかった。俺が身に纏っていた武器や防具が全て破壊された後……。次に俺を覆っていた服に穴を開けたのだった。
俺は……裸にされてしまい、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染めて、なんとかしようと必死になっていたが、体が動かせず、何も抵抗できずにいたのである。それから俺は自分の目の前にいるはずの人に声をかけることにした。
「なあ……リリス……。ちょっといいかな……?」と言うと、「ええ、構いませんよ。」と返事があり、俺の体は急に持ち上げられてしまったのだ。俺は驚きながらも状況を確認しようと自分の周りを確認すると……、そこには何故か俺をお姫様抱っこしているリリスの姿があったのである。リリスは「お加減いかがですか?先程までは……とても苦しそうでしたが……。」と俺を心配して声をかけてくれたのだ。俺はすぐに返答することができなかったが、リリスのおかげで徐々に意識がハッキリしてきて、自分が何をされていたのか思い出すことができたのである。
(俺……裸のままお姫様だっこされて……。リリスの部屋に連れ込まれているんだけど……。)
俺はそんな事を思うと顔から湯気が出そうなぐらい顔が赤くなっていくのを感じたのだった。俺は……取り敢えず、「下ろしてくれないか……。俺……このままの状態で話をするの嫌なんだけど……。」と頼むと、リリスはゆっくりと下ろそうとしてくれるが、途中で手が止まる。彼女は俺を見つめたまま動きが止まったのだ。それからリリスの顔を見ると、彼女は微笑んでいたのである。リリスが何も言わないので、そのまま待っている事数分……。リリスは再び口を開いたのである。
リリスは微笑んでいた表情が一変して、悲しげな顔つきになる。リリスは「ごめんなさい。私もタケルさんのお力になりたかったのですが……。どうしても私には……タケルさんに触れることができないみたいで……。タケルさんのお世話をしたいとは思いましたが……。」と言い……。悲しげな雰囲気を出し始めたのである。
「大丈夫だよ……。リリスが側にいてくれれば、それだけで十分だから……。それよりも……。今はリリスの方が大変だと思うんだ……。その傷……。」
俺はリリスの頬の傷を見ながら話す。するとリリスも自分の頬にできた大きな切り傷の事を思い出したようだ。
「この程度の怪我なら心配ありません……。私の命より大切なものが失われなくてよかった……。それに……もうすぐタケルさんと離れる事になるでしょうから……。お父様とお母様の元に戻る事ができると思います……。そうすれば、この傷跡さえも治せるはずです……。それまではこの状態でいるしかないかもしれませんね……。でも、私にとっては……。あなたにお仕えできるのであれば、どんな形でも良いんです。私は……。タケル様のことが大好きなんですよ……。ふとした時に見せていた笑顔や優しさ……。それにいつも私達のために戦ってくれる勇敢で頼れる姿……。そんなあなたの事がずっと忘れられないんです……。だから……タケルさんの役に立ちたいと思っていたのに……。本当に残念で仕方がない……。」
リリスは、寂しそうな声でそう口にすると……静かに泣き出したのであった。俺は、リリスが涙を流しながらそう言っていたので、俺の目に涙を浮かべて「泣くなよ……。今は辛いだろうけど……。また一緒にいられるはずだから……。今は我慢して欲しい……。」と言って慰めたのである。
リリスは俺のその言葉を聞いて「私にとって、タケルさんは特別な存在ですよ……。この世界でたった一人しかいない……私の運命の人で……。そして……。私と結ばれてほしい人です……。でも……。そんな気持ちよりも……。私が一番求めているのは……。ただ、あなたを守れればいいと思っています……。この世界はタケルさんがいた世界と違って、残酷です……。だから……せめて私がタケルさんを守ろうと思っているんです……。この身に変えても……。私が必ずタケルさんを守りますね……。」と力強く言ってくれたのである。
それからしばらくして……。
リリスは俺の側で看病してくれていたが……。リリスは「少しだけ眠らせていただきますね……。」と言って、再び眠ってしまったのであった。
(それなら俺にできることと言えば……ラティーファ達のことだよな……。俺のせいでこうなったわけだし……。リリスはラティーファ達のことを気にしていたもんな……)
俺はそう思うのだが……今の状況を考えるとなかなか立ち上がることすらできないので、誰かに来てもらえないかなと思っていると……。突然部屋の扉が開かれたのである。俺は、部屋の中に入ってきたのがクレアさんとラティーファだという事に気づくと、すぐに話しかけた。
「クレアにラティーファ。来てもらって悪いが……。俺に近づかないようにしてくれ。理由は分かるだろ?その格好を見ていれば……」と伝えると……2人はお互い見つめ合いながら、無表情なまま、しばらく固まってしまう。そして……。俺が2人に視線を向け続けていると……次第にクレアさんが目を大きくして驚いているのが見えたので、俺も同じように目を大きくして2人の様子を見る。2人が驚いた理由がなんなのか分からないからだ。
(2人とも何をしてるんだろう?そんなに驚かなくても良いじゃないか……。俺だって男だぞ……。)と内心思っていると……クレアさんの口からとんでもない言葉が出てきたのである。
「あの〜……、ごめんなさい。実はですね……。先程から私も全裸になってまして……。それでいて、下着を身に付けていないので……その……胸が大きくて……目のやり場に困ります……。あの……。ごめんなさい。」と申し訳なさそうな顔をしたのだ。その瞬間に俺は、「えぇっ!?どういう事だ!?まさか……お前達も同じことをしていたのか?」と思わず声を出して叫んでしまったのであった。
それからしばらく沈黙の時間が流れる。
そして……。俺は恥ずかしさのあまり、慌ててベッドのシーツを剥ぎ取るのだが……今度は、俺の方を見ているラティーファの視線に気づき、恥ずかしさから顔が真っ赤になってしまう。
俺が自分の体を見ると、俺の上半身は裸であり……下半身にはシーツが掛かっている状態だった。
その姿を見て俺は……。「こ……これは……。違うんだ……。」と言うが……。言い訳にならないのは分かっていた。
だが……なぜか俺は、咄嵯に違う事を言った。それは「なんというか……この状態じゃなかったら、2人と仲良くできそうだよな!!」と言うと、クレアさんとリリスが俺の体に視線を向けた後、なぜか俺を見て笑い始めるのだった。……どうなってるんだろう?俺は意味がわからず首を傾げてしまう。それから俺の頭の中で何かのスイッチが入ったような気がしたので、「そう言えば……なんで俺が寝かされていたのか知らないんだよな……。教えてくれるかな?できれば早く起き上がりたいし……。」と頼むと……、クレアさんとリリスはすぐに行動に移ってくれた。まずはクレアさんが俺に近づいてくると、服を脱がし始めて下着まで全て外してしまう。俺は何が起きたのか分からずに困惑していると……リリスが俺の顔を見つめながら……頬を赤く染めて、モジモジしながら恥ずかしそうな顔をしながら口を開く。
リリスは俺の目を見ようとはせずに視線を下に落としており……自分の手を重ね合わせるように両手を組んでおり、恥ずかしいのを必死に堪えようとしているように見えた。リリスが俺に向かって……、「あの……。ごめんなさい。私も恥ずかしいのであまりこちらを見ないでくださいね……。えっと……。その……。」と口を開きかけると、すぐに黙ってしまい、そのまま恥ずかしいそうな顔をしながら、何も言わなくなってしまったのである。
俺は、「えっと……。」と戸惑うばかりだったが、よく見ると……俺はパンツ一枚の姿になっていたのだ。そこでようやく……リリスが言おうとしていた事を理解する。つまり……、俺は先程から、このリリスの部屋で素っ裸になっていたのだ……。俺は自分の状況を理解した事で、恥ずかしさから体が硬直してしまった。それから……クレアさんとリリスが、先程までのリリスの様子や……リリスとのやりとりを俺に伝えてきたのである。……俺は……、リリスと出会って間もない頃を思い出して、俺もリリスと初めて出会った時に、似たような出来事があったことを思い出したのだ。確かあのときリリスが、いきなり裸になって俺の前に現れた事があったはず……。
その時の事を思い出していると、目の前にいるリリスが「もう……私の裸を見たんですから……隠す必要なんて無いんですよ。タケルさん……、私のこの傷跡を見れば……私の裸など……なんでもないってわかると思いますから……。だから安心してくださいね。私は、あなたに見て欲しいんです。私はあなたと一緒にいる為だったら、この体を差し出してもいいと思ってるんです……。私に遠慮なんかしなくていいですから……。だからお願いです。私を受け入れて……。あなたを愛させてほしいです……。タケルさん……大好きです……。」と切なげな声で言ってくれる。俺はその言葉を聞いて……。何も言えなかった……。
なぜなら……リリスにそこまで言われるとは思ってもいなかったからだ。リリスの真剣な思いが伝わったからである。俺は「ありがとう。俺は、そんなに君を傷つけてしまっていたのかい?俺にできる事なら、何でも協力するから。だから遠慮しないでほしいんだ。君の願いは何なんだい?それを叶えたいと思っているんだけど……聞かせてもらえるかな?」と伝える。すると……リリスは涙を流しながらも嬉しさが混じったような笑顔になり、そして俺の方に近づいてきたのである。そして、自分の手で胸を隠しながら、ゆっくりと俺に抱きついて、体を俺の体に密着させると、耳元でささやくように小声になり……。
リリスの温もりと肌が直接触れ合うことで感じたリリスの女性らしい感触によって、心臓が激しく動き始めたと同時に俺は、理性を失うことになる。それからしばらくの間……俺は興奮しすぎて、頭がクラクラするような状況に陥る。
俺はどうにかして、リリスから離れると「もうダメだ……。我慢できなくなる……。今はこれ以上……側にいない方がいい……。リリスだって恥ずかしいはずだしな……」と言い出すと、リリスは「はい……。私も……これ以上、近くにいたら、あなたから離れられなくなりそうです……。タケルさん。お父様とお母様の元に戻る事になったとしても……ずっと……ずっと待っていますから……。その日まで……ずっと……。私の事は……忘れないで下さい……。そしてまたお会いできた時には……あなただけの女として、私を可愛がってほしいです……。私のこの体は……あなたに捧げています……。ですから……。タケルさん……あなたを愛する女性を……この世に一人だけ残すような真似は……絶対にしてほしくありません。あなたにとって特別な存在になる女性は一人だけで良いのです。他の方は……私一人で充分です……。タケルさんに全てを託した私が言うのはおかしいかもしれませんが……。タケルさんが幸せになれるのであれば……それが良いと思っています。」と言うとリリスは自分の服を持って部屋を出ていったのである。
俺はその後ろ姿を見ながら、「リリス……。ごめん……。俺にはクレアとサーヤがいるから……。俺もリリスのことを大切にしたいと思ってるよ……。だから心配しないでくれ……。」とつぶやく。
リリスが出ていった扉を見つめていた俺は、先程のリリスの言葉で思い出したことがあり、急いで服を着ると……慌ててクレアさんのところに走っていく。そして、俺はクレアさんを抱き寄せると「クレア。俺は……。俺は……お前だけを永遠に愛すると誓う……。俺を……クレアを愛し続ける事を許してほしい……。俺はお前の為ならどんな事もする……。これからの人生は……全てお前の為に生きると誓うから……。クレアの事を一番大切な人として……、お前を守る為に生きていくことを……お前だけに……約束させてくれ。そしてお前も俺の側にいて、お前を守っていきたいんだ。」と伝えるとクレアさんが「タケルさん……、私はあなたのものですよ……。あなたになら何をされても構いません……。あなたさえ側にいてくれるのならば……。でもね……。今の言葉で分かったと思うけど……私の命より大切だった人を失った悲しみと怒りは消えていません……。まだ心の底からは笑えてはいませんでした……。私は、あなたに出会わなければ……。今でも悲しんでばかりいるような弱い人間だったかもしれないですね……。それでも……私は、タケルさんの側に置いていただけるのですか?」と涙を浮かべて不安そうに聞く。
俺は何も考えずにクレアさんの唇を奪うと……「クレアがいなくなったら……俺は……。きっと壊れる……。それだけは分かって欲しい……。もう二度と……俺は自分の気持ちを抑えるような事はできない。」と答えるとクレアさんが、「えぇ……。わかってる……。私もよ……。タケル……。私も同じよ……。タケルがいなくなることに耐えられるわけがない……。」とお互いの想いが通じ合ったところで……。
リリスが部屋に入ってきて「あの……お二人とも……。仲が良くなるのは大変喜ばしいとおもいますが……。あの……私の話はまだ済んでないのですが……。」と言うと、俺達はお互いに顔を赤くしてしまう。それから、しばらく沈黙の時間が流れる中、リリスが俺達の関係を気にかける言葉をかけてくれたのであった。
しばらくして落ち着きを取り戻した俺たちは話し合いをすることになったのだが、結局は、俺達がクロエやサーシャやユイを仲間にすれば問題ないということになり話は終わりになったのだが、俺の中で一つの疑念が生まれた。
俺達は今、「勇者パーティの仲間」を探している状態になっているはずなのだが、「勇者パーティーのメンバー達全員に俺が加護を与えなければならないのだろうか?それだとあまりにも手間がかかりすぎてしまう気がするのだが……。俺が今まで出会ったことのある「聖騎士」と呼ばれる人達は全て女性であり、しかも全員が20代後半以上の年齢だったような気がするんだよな……。それにクロエとサーニャ以外は、あまり接点がなかった気がするので、できれば関わりたくないというのもあるんだよな。そもそも俺にはサーニア達のように、魔王や神獣と戦って勝てるほどの力は持ち合わせていない……。俺は自分の身一つ守れるかどうかわからない状態なのに……。俺の力を過信しすぎるのも危険だしな……。まぁ、その辺はみんなに相談しながら決めたほうが良さそうだな。俺の考えを一方的に押しつけるとみんなの負担が増えるだけだから……。特に俺の場合「魔族四天王や魔王軍の奴らと直接戦わないといけなくなった場合どうしたらいいんだ……。正直怖い……。だが……俺はあいつらから……世界を守りたい……。でも俺の実力では到底敵う相手じゃないから……、やっぱり……「ヒト族最強」の称号を持っているクレアに、頼ることになってしまうのか……?いや……「創造」のスキルの力を借りて俺自身の能力を高めないとダメだな……。」と色々と考えていた時だった……。……突然頭の中に誰かの声が響き渡る。
「えっと……。君は一体誰なんだ?どこにいるんだ?」と問いかけると……「僕は……君の頭の中に住んでいる者だよ。だから、君の事はよく知ってるつもりさ。僕は、君のサポート役みたいなものだから気にしないでくれると嬉しいんだけどね……。」
俺は驚きながらも……「わかった……。それで、何か用事があるのかな?」と答える。すると声の主が……「僕の方から君に聞きたいことがあるんだけど良いかな?」と質問をしてきたので……「あ……ああ……。」と返事をしたのである。すると……。
「まず最初に聞いておきたい事が二つあってね……。実はね……僕って君にしか姿を見せることができないんだ。そして、僕から見える範囲しか動くことが出来ない。そして、この空間の中では……僕は、自分の意思では喋ることは出来ないんだ。だから、その辺りの事を理解してもらえるとありがたいと思っているんだ。だから、よろしく頼むよ。」と話しかけてきたのだ。俺は戸惑いつつも……「えーと……。とりあえずは分かったけど……。どういう意味なんだい?それは……。」と疑問に思っていたので素直に答えを聞くことにしたのである。…………「ふむ……。なるほどね……。確かにそういう理由なら、俺にお願いがあるのも納得ができるな……。」
俺は、この不思議な声の持ち主から「あるお願い」を聞いて、それが出来る可能性を考えてみた。「多分……それが可能なような気はするんだけどな……。だけど問題は俺自身がどこまで強くなっているかで、成功する確率が変わるということかな?いや……それ以前に、この方法で本当に上手くいくのかが問題だな……。うん……これは少し時間をかけて調べる必要があるみたいだな。でも今は、他に方法もない事だから仕方ない。やるしかないんだ。だから頑張ろう!よし!」
そう決意をした直後だった……。いきなり俺の体に違和感を感じ始めていく。最初は何が起きたのか分からなかったのだが、次第に自分が自分ではなくなっていく感覚に襲われた俺は意識を失ってしまったのである。そして俺が再び目を開けると……目の前には俺の顔があった。……俺と俺の姿は変わってしまい……。まるで別人のような見た目になってしまったのである。俺は自分の体を確かめるように、ゆっくりと自分の手を動かしたり……その場で歩いてみたりすると……。俺の姿をした人は……俺の意思で動いているように思えた。……いや違う。正確には俺の意思が伝わってくるような感じだ。そして……俺はもう一人の俺に近寄ると「えっ……!?俺と融合している……?どうして……?まさかとは思うけど……俺の記憶と知識を共有しているという事なのかな?」と恐る恐る確認をする。
俺の問いに対して俺の体を乗っ取った人物が「そう……だね。その解釈は間違いではないよ。……ただ残念ながら、今の僕は完全に分離されている状態なんだ。今は、僕の体を間借りする形で君が存在しているから、こうやって会話をしている事ができるんだけど……。いずれ……僕は消える事になるだろうね。」と言うと俺は「そうなんだ。それじゃ……今は……この体の主導権を握るのは俺で、お前はあくまでサポートしてくれている存在になるのかい?」と問いかけると…… 俺を乗っ取り姿が変わった人物(俺)が俺を操りながら……「そんなとこだね。あとこの場に居る時に……『この体の人物をタケルと呼ぶ』ことにするね。そっちの方がしっくりくるようだし……。これからはこの体は君のものになるしね。それにこの身体の名前は「田中」と言うみたいだ。だから、君がタケルと呼ばれている間は、僕は「タケル君」って呼ぶ事にするよ。だからタケルも僕の事は、「リリス」って呼んでくれれば良いから……。一応言っておくけど、お互いを呼び合っている時は、僕はリリスとして振舞う事にした方が良いかな。お互いに呼び合うときは本名で呼ばないといけないルールにしないと不自然に見える可能性があるからさ。あともう一つだけ伝えておくと、僕がタケルを操れる時間は長くて10秒程度だよ。でもその間に、やれるだけの事をしてみるつもりだよ。だから……後はタケル次第なんだよね。頑張ってね。タ・ケ・ル・君。応援はしてあげるから……。それと、これからも色々とよろしくね。」と言ってきた。
俺がリリスの言葉を聞いた後、リリスが言ったことを振り返っている間に……いつの間にか、元の世界の俺に戻っていたのだが、なぜか俺の頭に響くように……「お疲れ様でした。」という言葉が響いたような気がしたのである。俺がリリスと入れ替わっていた間の記憶を思い出すことができないまま、みんながいる部屋に向かうのであった。
タケルさんが突然私のところに来られて、「俺の仲間にならないか?」とおっしゃったんですが……、タケルさんは「仲間になって欲しい」とお願いをされていたわけではなくて、「俺と一緒に戦ってほしい」という意味のお言葉をかけて下さいました。私がそのお誘いを了承しましたところ、リリスが急に泣き出してしまって……それからしばらく私達を祝福してくれたのですが、しばらくしてリリスが自分の中に戻られたようです。
リリスがいなくなったことで私は改めて、タケルさんにお礼を言おうと思ったのですが、それよりも先にサーニャやサニアに抱きつかれて身動きがとれなくなってしまったのです。そこで、サーニアが私達の様子を羨ましそうに見ていたのを見かねたサーニャが……、今度は逆にサーニアの方に近づいていってしまいまして、二人でお互いに頬にキスをしあったので、私は二人の邪魔をしないようにと思いながらも……サニアを抱きしめる力を強めてしまったのですよ。それからしばらく、サーニアやサーニアをからかったりしていたのですが、その時に、サツキちゃんが部屋に入ってくるなり「あれ?何か雰囲気が違う……。えっ?なんですか?これ……。あっ……!あの時と同じ……。」と突然叫び始めたのである。
私は、「サツキ……どうしたというの?あの時……というのは、もしかして……リリスがここに来て、タケルさんの体に入り込んだ時の事なのでしょうか?」とサツキに質問をしてみると……「はい……。多分その時だと思うんですよ。……実はですね……サツキの友達のユウナという人が「サツキは時々、夢の中で別の世界に行っていて不思議な体験をすることがあるらしい……」という話を聞いたことがありますので、おそらく今回のことも同じなのではないでしょうか?」と言われたので……、私達は、もしかするとサツキも、私たちと同じように異世界に行ったことがあるのかもしれないと考えたので、そのことを本人に直接尋ねてみることにした。
サーニャは「ねえ、サーニアは……どう思ったのかなぁ?私は、サーニアの話が本当だと信じてるんだけどさ……。でも……もしかするとサーニアも本当は……何か知っているんじゃないのかしらぁ。それで隠そうとしていないのかしらねぇ。だとしたら少し気になるわよぉ。サーニア……教えてくれないかしらぁ。」と言ったのだ。
そして、サーニアは話を始める。「私は……その話を詳しく聞いたことがないので、よくわからないけど……、サツキの場合は、小さい頃からたまにある現象みたいなんだ。だから……もしかすると……この世界の人間ではない可能性はあるんじゃないかなって思うんだけどね……。だって、ここの人達には無いはずの存在がこの世界に紛れ込んでいたのを偶然目撃した事があるんだから……。でもそれが何なのかはよく分からないんだよ。だけど……。この世界は私達が想像する以上の何かが起こりうる世界なのかもしれないと最近思うようになってきているんだ……。」
私とタマキとクロエは、「えっ……!?そうなのですか……。それは凄い話を聞きましたね……。」と言うと、私は思わずタマキと顔を合わせてしまったが……お互いの目を見ただけで考えていることは一緒だということがよく分かった。タケルさんと出会っていなければ、今の話は、単なる御伽噺のような話に聞こえていたことだろうが……タケルさんと出会ったことによって「もしかすると、それはありえるのかもしれない」と思ってしまった。なぜならば、今いるこの世界の人たちは普通とは違う能力を持っていそうだからである。だからこの世界でも同じような出来事が起きても何らおかしくないのではないかと感じてしまうのだ。
サニャが……、「その不思議な光景を見て……サツキは、どんな気分だったのかな?」と尋ねると、サーニアは「そうねぇ……。確かに気になったんだけどね……。ただ私の場合は……この世界とはまったく異なる世界での出来事だったんだ……。」と答えたのだ。私達は、その言葉で納得してしまうほど、サーニアの話が説得力があるような感じだったのだ。さらに続けて……「それに……サニャも薄々は感じているんでしょう?今の私には……この世界にいる人のレベルが低すぎるのを……ね。まぁ……サツキは、少し事情が違うみたいだから……まだはっきりとは言い切れないけど……。」と言うと、 ターニャは「ふむ……。やはりそうか……。」と納得する表情を浮かべたのである。
私には……何のことだか全く分からなかったのだが……、サーニアの説明を聞いて納得するしかなかったので……黙っていたのだが……、少し時間が経つにつれてだんだん怖くなってきたので「すみません……。全然意味が分からないので説明して欲しいんですが……。」と言うと……。ターヤは、「仕方ないな……。」と言って、分かりやすく説明するのである。「う~ん……。つまりね……この世界では『魔力』や『体力』や『魔法力』や『闘気』など……基本的なステータス数値がないでしょ?そのおかげで、こちらの世界に居た人に比べると弱いということなんだ。」
私は、それを聞いたとき、本当にそんな理由で、この世界の人は弱いのかと思っていたら……サーーニャは「それには理由があってね。この世界の住人である人たちにも『スキル』や『称号』は存在するのよ。例えば『剣技の才能』とかね。これは『剣の扱いに長けている者』という意味なのだけど……これが『魔法剣術の達人』、『魔法の極致使い』や『魔導士王』、『剣士の天才』といった具合に変化していくと……。」と言うと……ターニャは「そうか……。なにかしらのきっかけで、この世界の人間は『特別な存在になる能力を得ることが出来る存在になる可能性があるんだな。でも、それだけの可能性があるにも関わらず……何故ここまで差があるのだろうか?」と言うと、タケルが答えたのである。
「なるほどね。俺達から見ればこの世界の人も普通の人と変わらないように見えているけど……やっぱりこの世界の人だけに限ったことじゃなく、異世界の人や……他の人種に対しても同じように思えるのかな?まあ……俺達が、今まで出会った人で、この世界に来れば簡単に強くなれるという事なら、既にこの世界に沢山の冒険者が訪れているだろうからさ……。そういう事にはならないと思うし、それじゃ俺達の強さの秘密を説明しにくいだろうし……。」と言ってタケルさんは自分の強さを謙遜するように笑いながら言ったのでした。私は、タケルさんの事を謙虚な方だと思いながら微笑んでしまった。タケルさんとサーニアが会話をしている中で、私はリリスの事を思い出したのです。そう言えば、タケルさんからもらったネックレスが突然光を放ち始めてから……タケルさんの意識が無くなっていたけど……大丈夫かな?って思った私は心配になってしまったので、タマキに相談しようとしたところ、丁度良く部屋に入ってきて「クロエお姉ちゃん、おはよう。」と言ってくれたので、サーニャやターニアと楽しげにしている様子でした。サーニャ達の話を横で聞いていたのですが、「もしかしてサーニアの話が本当のことだったら……もしかしたらタケルさんと入れ替わっているリリスって子も……本当は強いのではないかしら?」と思い始めてしまったんです。タケルさんを鑑定したときは……リリスちゃんの名前が出てきていましたが、タケルさん自身もリリスさんが何者かはわかっていなかったようでしたし……もしかして……タケルさんと入れ替わるためにわざと弱々しい振りをしていたのではないかな?と思いました。私自身としては……あまりリリスちゃんを信用出来ていない部分があるのですが、それでも今は仲間として共に戦う大事なパートナーなのです。ですからリリスさんに早く元気になってもらいたいと願っています。そのためにも、タケルさんやクロエおねえさんやサーニアの4人に頑張ってもらいたいのです。
そしてサーニアが、ターニャ達に向かって「私達には、この世界に来る前からの知り合いということもあって……タケル達のように、仲間に誘うということはしなかったのよ。その時に私達に言ってきた事が今でも忘れられないのよね。……「もし良かったらと誘ってくれたのよ。それで私は興味があったからその誘いを受けることにしたんだけど、その前にサーニャは……その話を聞いたときはどう思ってるのかな?」って尋ねたのよ。そして私は「うん。確かにあの時のサーニャはすごく悩んでいるように見えたから、私は少し心配だったの。だから……正直言ってサーニアから話を聞くまで不安はあったんだから。……それでサーニャはどう思っているのかな?」と言った。するとサーニャは、 サーニャ「私は、リリスの気持ちも分かるんだ。でもね……。この世界の人達のレベルの低さに驚いたんだけどね……。でも私からしたらレベルが高くなくても私よりは断然強かったりする人もいるんだけどさ。ただリリスは、私の事を「レベルが高いだけの女」なんて言って……見下していたんだから……。まぁ、私も自分の事を強く思っていた時期もあってさ……。でもね、この世界に来て色々と経験して……自分を見つめ直す事ができたの。そしたら……今までの自分を後悔するようになっていたの。私よりも遥かに実力のある人がいて、レベルの高い人がいても、私は自分が特別だって勘違いをして、傲慢になっていただけかもしれないと思ったんだよ。」と言うとサーニャは私の顔を見ながら続けてこう話す。
サーニャ「私は……リリスに負けないくらいに強くなりたかったの。でも結局、私が強くなるためにはタケルの力を借りなければならなかったの……。でも私はタケルのおかげで……今ではタケルと一緒に戦えているという自信がついたのよ。だから……リリスの事も理解できるんだけどさ……私は、もっと強くなって、みんなを守れるようになりたいという想いが強かったから……。それに私はレベルが高いだけで自分は凄いと思ってはいなかったの……。ただレベルが上がればいいと思って……無理矢理レベルを上げてきただけだから……レベルが上がることが楽しくなってきてからは……ずっとレベルばかり上げて楽しんでいただけだったの……。」
サーーニャの話を聞いて……私は何も言葉を発することが出来ずにいた。なぜなら……私も同じだからだ。
ターニャ「サーニャの言うことも一理あるな……。私達もこの世界にきた当初は……タケル様がこの世界にくるまでは、この世界で生きていけるかが不安な時もたくさんあった。しかし……この世界に来れた事で……私達は、タケル様と共に行動が出来るという幸運を得たと思っている。だが私は「レベルが低ければ生きてはいけない」という考えを持っているわけではないのだ。むしろ「弱いままではいられない」という感情が強くて……。この世界に来た当初は、とにかく強くなりたいという思いが強い日々であったのだ……。」と言うとターニャはタケルのほうに顔を向けたのである。
サーニア「ふふっ。あなたは相変わらず素直じゃないのね。確かにサニャとターニャの意見も理解は出来るわ。ただ私はサニャとは考え方が違うのよ。私は「強くなくては生きていくことが出来ない」という考え方を持っていたから……。ただその考えが正しいとも思っていないのよ。確かにこの世界は厳しい環境だとは思う。だけど……それはこの世界の人間に対してだけじゃなく……レベルが低すぎる冒険者ギルドに対してもそう思えたんだ。……私達には、まだレベルが低すぎるという理由だけで……冒険者として認めてもらえないのであれば、私達はそんな低俗な場所に行く必要がないの。だからこそ……「強さこそが正義」みたいな……そんな考え方をする連中は、嫌いだったんだから……。」と言うとサーニャが「それに関しては……私達にも原因はあるんじゃないかな。自分達は強くなったつもりでいたけど、私達のパーティーって元々レベルが低いメンバーばかりだったのに、それに加えて、リリスが入ってしまったから余計に……そうなってしまったと思うの……。」と呟くように答えるとサーニアは、「ふふふ。サーニャは優しいね。まぁ、リリスも少しは自分のせいにすれば気が済むのかもね。でもね……」と言いかけたとき、 クロエさん「うむ……。まぁ、とりあえず今日はこれぐらいでよいじゃろう。それより明日の予定を伝えるから集まってくれ。それとターニャ殿に少し相談したい事があるから一緒にきて欲しいのだが、頼めるかな?」と言ってきて……俺は、クロエさんとサーニアの会話を気にしながらも「はい。分かりました。じゃあ、タケルとクロエ姫はここで休んでいていいから。私はクロエさんの部屋に案内しておくから、タケルは後で私の部屋にきて。クロエは……ターニャと一緒に、この世界の事を勉強してくるといいよ。あとで、クロエにもターニャの部屋の鍵を渡すから、部屋で待っていてよ。私はこれからリリスの様子を見てくるから、よろしくね。じゃあまた後でね!」と言うとサーニャは俺とタケルとクロエに手を振った後に部屋を出て行ったのでした。タマキが、 タマキ「あー……。やっぱり、サーニャもちょっと機嫌が悪い感じがしますねぇ……。」と言うと、 ターニャが「うーん。まぁな……。」と呟くように返事を返したんだ。ターニャの様子が気になりながら、俺がタマキの質問に対して、「そうだね。俺もなんとなくそんな風に思えて仕方がなかったから、少し話をしたんだよ……。」と応えた。サーニアが、 サーニア「うう……。リリス……。大丈夫かな? なんかリリスに早く会いたいような気持ちもあるんだけど……会ってどんな顔をしたら良いか分からなくなってるし……。もう!! こんなんじゃだめよね!!」と言って自分の頭をポカっと叩くと……クロエさんが自分の部屋の鍵を取り出して、 クロエ「はい! ターシャお姉ちゃんは、こちらです!サーニャお姉ちゃんも後からくると思いますから先に行ってて下さい!!」と言って部屋を出て行くと、ターニャが「ありがとうございます」と言ってクロエさんの後を追いかけるように部屋を出て行ったのです。そして俺達は少し休憩をした後に、再び打ち合わせをしたのだった。そして翌日になるとサーニアやタマキが目を覚ますまで寝る事にしたのであった。俺は、ベッドの中で眠りにつく直前にリリスのことを考えていたのです。昨日の出来事を振り返る限り、「勇者召喚に巻き込まれた普通の少女リリスが勇者を慕っているのに……タケルさんとリリスはお互いに惹かれているのだろうか?もし……リリスがタケルさんに恋心を抱いているならば、俺がリリスを好きになったらダメなのか?タケルさんと結ばれる可能性が低くなるのではないか?」と色々と考えたけど……でも「俺はリリスを好きになってしまったらいけない」とは思いたくはなかった。それにリリスは可愛いから「俺に振り向いてほしい」って思ったのです。
そしてリリスは、クロエさんからこの世界の知識を教えてもらう事になっているらしいので、その間にサーニアから話を聞こうと思いました。
俺「サーニャさん、クロエさん、タマキさん。サーニアが、サーニアさんの師匠がリリスの母親って言っていたんだけど、本当なの?」と聞いてみた。サーニャが「えっ!?」と言うとサーニャは、サーニアの方を向いたのである。サーニャ「サーニャのお母さんが、この世界で魔法を広めたの?」と言うとサーニャは、 サーニャ「うん。リリスの母親は、私が知っている限りでは「魔女」と呼ばれている存在だと思う。リリスが幼いときに亡くなってしまったの。リリスが母親に「魔族から人々を守る」ために力をつけないといけないと言われたらしくて……それで魔法の訓練をしているうちに、どんどんと強くなっていって……。」と答えた。サーニアが、 サーニア「でもさ……。リリスの母親が生きているのであれば……私が知らないはずがないんだけど……。私がまだ小さかった頃の記憶は曖昧なんだけど、リリスのお母さんの容姿とか思い出せるかなぁ……。」と言うとサーニャは「ごめんなさい。はっきりとは言えないの……。」と言った。
サーリアが、 サーリア「私のお母さんなら、分かるかもしれない……。でもね……私も記憶が曖昧だから分からないんだ……。でもね……。この世界の何処かに「神の力を受け継いだ者が必ず存在するのは間違いない」と言われているんだけど、その人物がこの世界に「魔王を復活させないようにするために、魔王を倒す旅にでたらしいの。でも……私は見たことないから本当のところはどうなのかよくわからないんだ……。だから……この世界の人にとって、魔王は絶対に復活してはならないものだって認識はあるんだよ。だからリリスのお父さんもその事は知ってたと思うの……。リリスのお父様はこの世界を何度も救ってきた凄い人物なの……。だからリリスも……きっと凄い能力を持っているに違いないよ……。私達は……レベルが高くないから、そんな人たちについていけなかっただけなの……。だからさ……私はリリスの事が心配なの……。だって、あんな優しい子が「強くなれなければ、生きてはいけない」っていう考えを持っていた子だから……。それにリリスって……いつも寂しそうな表情をして、あまり感情を表に出さないタイプの子なの。リリスには幸せになってほしいって思ってるの……。ただ、私には、リリスの考えている事が、いまいち理解できないんだ……。私達と違って、リリスだけは特別な人間だったんだと思うから……。」と言い終わると、サーニャは俯いて悲しげな表情をしていた。すると…… ターニャが「確かに私達とは少し考え方が違うみたいだな……。私もサーニャと同じように「レベルが低い者は生きてはいけない」という考え方は持っていないが、ただ「強い者に負けてはならない」という思いは強くあるんだ……。ただ私達は……タケル殿に助けられて……この世界にこれて良かったと思っている。なぜなら、私達は……この世界で生きていけるかも、生きていけるかも分からない不安があったんだ……。」と言うと、サーニアは「ふふっ。やっぱり、そうよね……。この世界でレベルが高ければ生きることはできるわ。だけど低いままだと、いずれは生きていけなくなってしまうものね……。」とサーニアとターニャのふたりもサニアと同じ意見だという事を言ってくれたのであった。俺は…… 俺「みんな同じ考えのようだね……。ただリリスは……自分が他の人と違うって思っていたんじゃないかな……。俺はね……。俺はリリスに助けてもらったとき……すごく嬉しかった……。ただその反面……「俺はリリスを助ける事ができるくらいに強い人間になりたいと思った。」って……そう思ったんだよ……。俺は……あの時、「勇者の剣」を持っていたからこそ、この世界にこられたわけだけど、そんな俺を命懸けで守ってくれた「リリスを俺が守りたい!」と思ったんだ……。俺が今いるのは……その「リリスのおかげで、今の自分があるんだ。だから……その「リリスの笑顔を守りたい!」って思うよ。だからね……俺はリリスと仲良くしていきたい。もちろんクロエさんやサーニャさん、ターニャさんともね。」と俺は、自分の想いを三人に伝えた。
サーニア「タケル君……。そうだね……。リリスに「私はあなたの味方だよ!」って事を伝えたいな。」とサーニアが言うと、ターニャが、 ターニャ「ああ……そうだね……。だがな……この世界のルールを知れば……多分、私達のことも敵になるかもしれないぞ……。リリスは優しい心を持っていても、私達はリリスとは違うんだ……。」と言うとターニャが続けて、 ターニャ「まぁ……そんな事はないだろうがな……。」と言って、ため息をついた。そしてターニャは、クロエの方を向いて、 ターニャ「ところでクロエ姫……。昨日話した通り、リリスの師匠については調べる必要がありそうだが……リリスの母親がどこにいるのかはわかるだろうか?」と言うと、クロエは、 クロエ「リリスの母親は「女神様の化身」、「神の使い」と呼ばれているから……この国にいるかどうかは、正直分からない……。それに、そもそも、私がこの城から出たことがないから「魔女」がいるという情報を知っているのもサーニャちゃんの両親なのよ……。だから、この世界に詳しいわけではないんだけど……。」と少し暗い表情を浮かべながらクロエが応えたのであった。するとタマキが、 タマキ「うーん。とりあえずクロエさんの親御さんやサーニャさんのお母さんに会いに行ってみる?もしかしたら知っているかも知れませんし……。」と言うと、ターニャが ターニャ「それもそうだな。よし!クロエ姫も一緒に来てくれ!!私とターニアで行ってくる!!クロエさんが、クロエさんの母親のことを知っていたら、その時にでも聞いてみよう!! ターニアも、それならいいか?」と言うとターニアは「ええ。」と返事をした。そしてタマキが、「リリスさんの事は任せて下さい!!」と言った。クロエが俺に、「ごめんなさい。サーニャ達が勝手に決めてしまって……。でも、私もサーニャ達と一緒に行きます。リリスのことなので、何かあったときの事を考えると、私の母も協力してくれると思いますので。だからお願いします。」と言った。俺が、 俺「わかりました。じゃあ、サーニャ達についていってもらえますか?」と言うと、サーニアが俺の手を取り、「うん!リリスのために頑張るね!」と言ってきた。
俺は、サーニアを見て微笑んでいた。
俺は「さてと、これからどうしようかな。サーニアに聞いたところによると……魔王を封印したのは「勇者」って呼ばれていた人で……「勇者の仲間だった人達」が「魔族と魔王との戦い」の後「行方不明になったらしいんだ……。でもその人の子孫がどこかにいて、それが魔王を倒してくれるかもしれないってことだから……。」と言っていたので、俺もまずは、その人の所に行きたいなと思っていたんだ。そして、できれば会いに行くのは「リリスのお姉さんのリノンさんが一緒が望ましいんだけど……」とサーニアに伝えると、サーニャは「リリスはお兄ちゃんの事好きすぎるから……。多分ついてくるだろうな。でもリリスにも会えるとうれしいかも……。」とサーニアは答えてくれた。
サーニアが俺達に提案してきた。
サーニア「私、実はこの国に居るんだけどさ……。このグランニル王国の王様に、私の知り合いが謁見しているはずなのよ。私もその人に会って、私の両親の事も聞こうと思っているからさ……。もしリリスの姉に会うことが出来なくても、私の父に会えば、リリスの母が何処にいるかわかるかもしれないし……。だから私も同行させてもらっても良いかな?」
サーニアの提案にサーニア以外のみんなで、「問題なし」と答えたのだ。サーニアは自分の実家である宿屋に案内してくれたのだった。俺はサーニアの実家の宿屋に向かっているときに考えていたのだが……「サーニアは勇者の剣が折れたことを知らないみたいだから……サーリアに口止めされているのかもな……。」と思っていたので……俺は「ちょっと確認してくる」といってサーニア達と離れて、サーリアに事情を聞いてみたのだった。するとサーニアは……俺の話を聞くとすぐにサーリアに近づき、小声で「リリスのお父さんの件は言わないように!」と言っているサーニアが目に入って……サーニアもやはり、リリスが父親に捨てられているという事実を知り、それを俺に教えたくないようだと感じていたので、サーニアには、 俺「俺達は……この先、サーニアの家に向かうよ。俺もサーニアの親に聞きたいことがあるし……。」と言って別れたのであった。サーニアは俺に「リリスのお父様のことは、今は言わないで……。」と言っていたけど……サーニアがリリスの事を気にかけてくれるのが嬉しい気持ちになりながらも……やっぱり複雑な思いを抱いていた。
それで俺達は、サニアの実家の宿屋に到着したのであった。
宿に入るとカウンターにはおばさんが立っていたので、サーニアが、 サーニア「おばさん!私、サーリアだよ!今戻ってきたの!!みんな元気にしている?」と声をかけたので、 女将「あっ!お帰りなさい。」と言って出迎えてくれていた。そして……俺達は宿泊客の部屋が並ぶ廊下を歩いている時に、俺はある部屋を開けて見ると……サーニアそっくりの女性がこちらを見ていることに気づいたのであった。サーニアが サーニア「あっ!母さーん。ただいま!サーリア帰ってきたよ!!」と言うと、その女性が立ち上がって「お帰り!!待ってたわ!!サーニア。」と言うと俺達の方に近づいてきてくれたのであった。
俺はその女性の顔を見ると……「サーニアの面影があるなぁ……。」と思ったが……それよりもその女性が美人であることに驚いたのである。その女性は金髪のストレートヘアーで、肌が白く、瞳の色は水色をしていた。身長も170センチほどあってスラッとしてスタイルが良く……まさに美形の女性であったのだ。俺の横に居て俺の顔を見ていたサリアは俺の視線の先に気づくと、「あぁ……。私に似たお母さんの事を気にしてるんだ……。私は気にしていないけどね!!」と笑いながら話していた。俺は、その女性の顔を見ながら……やっぱり姉妹だと思った。
俺が、その女の人をジーっと見ているので……俺が、「綺麗ですね。サーニアさんによく似ています。」と言うと、サーニアはその女の方を向いて、「紹介するね!この方が私の母さんだよ。」と言うと俺を手招きした。そしてサーニアのお母さんも「初めまして!サリアンです!」と挨拶してくれていて、お互いに握手をして自己紹介をしたのだ。
それから少し話をしたあとにサーニアのお母さんは……サーリアに話しかけると、俺達は邪魔をしないように外に出ることにした。そしてサーニャが、「あの二人なら、きっとリリスの母親のこと知っていそう……。良かった!無事に戻ってきて。それにしても本当に可愛いな……。でも私はサーニアの方が好みだけどね……。」と言うとターニャは、「お前、そればっかり言ってるな!!まったく……しょうがないやつ……。だが、まぁ確かに私も可愛かったと思うが……。だが……リシアも可愛いぞ……。」と顔を赤らめながらターニャはリシアの方を向いて言った。そしてタマキは、「えへwえっ?私ですか?うふwww照れますよぉ〜。うぅぅ……。うりゃああああああ!!!!!!」と言うとリシアを抱き上げていた。突然抱き上げられて驚いている様子のリシアを見て、「なんか微笑ましい」と思わず笑ってしまった。そんなリリスが俺に抱きついてきた。俺は「どうした?」と尋ねると……「リリスのお父さんのこと思い出しちゃった。だからリリスがお父さんのこと覚えていないの悲しいなって……。でも、リリスも私もこうして無事だからさ!だからもう悲しまなくて良いからね!」と言って、頭を撫でたのであった。俺はサーニアの母親も「綺麗」だったし……サーニアのお母さんもサーニアに良く似ているから「みんな可愛いな」と思いながら「サニアはみんなに好かれているんだな。俺も好きだよ。」と伝えたのである。
サーニア達が泊まっている部屋に、リリスを連れて行った後、俺は「ちょっと出かけてくる」とサーニアに伝えて宿屋を出た。俺は、リリスの父親の事を知っている可能性がある人が、王都で暮らしているということだったので……とりあえずその場所に行ってみる事にしたのである。俺が宿屋から出て歩き出すとサーリアがついてこようとしたが、サーニャが止めた。そして……サーニャが、サーリアの腕を引っ張って何かを話しているようだったが……サーニアとターニアが何かコソコソ話していたので俺には聞こえなかったのである。しばらく歩いていて……俺はサーリアに質問をしたのだった。
俺「サーニアの両親に会いに行くんじゃないんですか?」とサーリアに言うと、 サーニア「リリスのお姉さんのことも心配なんだけどさ。私の両親がさ、サーニアの両親と一緒に暮らしてたから、もし私の両親も知っているとしたら……リリスの姉の行方について何か知っているかも……と思って。私達と一緒に来てもらうよりさ……。」という事で、俺が「そうか……。でも大丈夫なのかい?」と聞くと……サーニアは、「うん。私の親も一緒なんだ。実はね……サーリアはサーシャさんに育てられてるんだけど……サーシャさんは私が幼い頃に亡くなっているのよ。それで私を育ててくれたのが、そのリリスの姉なの。それでね……リシスちゃんは小さい頃にお姉さんとは離れてしまっているらしいから、私に会っても分からないんじゃないかって思って……。
でもね……。もしかしたらサーヤちゃんから聞いているかもしれないしさ……。」と言っていたのだ。
サーシャ……この世界での「リリスの母の名前」であり、サーリアの育ての親の名だ。
俺はサーニアの話を聞き「なるほど……。分かった。そういう事情があったんだな。」と答えておいた。そしてサーニアの案に従って、リリスのお父さんがいる所へ向かうことにしたのであった。……それからしばらく歩くと……大きな家の前で止まった。家の前には門があり、門の両脇には二人の男性が立っているが……。明らかに俺達を監視しているように感じる。
サーニア「ここだよ……。私の家は。さて……行きましょうか。」と言って俺達はそのまま、サーニアの実家に入っていった。俺はサーニアに続いて入っていこうとしたが……門番の男性二人が凄く険しい表情をしながら睨んでいるような感じを受けたのだ。
サーニアは門にいる男性に「お父様~!只今戻りました!!」と言うと、一人の若い男が出て来て、「おお!お帰りサーニア!待っていたぞ!よく無事で戻ったな!そしてそちらの御方々が……リーゼさんの娘御一行だな。」と言って、すぐにサーニア達と共に屋敷の中に入った。サーニアとリリスとサーニアの両親は仲良さそうに話している。俺はサーニアとリリスに「良かったらお父さんに会ってきなさい。俺は外で待っているからさ!」と言って一人で外に出たのだった。そして、外の壁に寄りかかり、ボーっとしていると目の前を通った使用人風の服を着た少女に声をかけられたのである。俺は、話しかけられるまで全く気づかなかったので、ビクッとなってしまったが、その女性の声を聞いて驚いた。なんと、俺をこの世界に送った女神様だったからだ。俺「あっ!あなたはこの前の……えっと……。」と言うと女神様は笑顔になって答えてくれた。「はじめまして!私はこの屋敷で働いております、クロエと申します。」と言ってくれたのだ。
俺はその瞬間、この世界の時間を止めて女神様と話していたのだ。そして女神様と会話した後……再び時間が動き出した時に、先程の少女にまた声をかけられたのである。俺は……「あぁ……。はい。」と生返事で答えると……その女性に案内され部屋に向かって歩いたのであった。俺は部屋の扉を開ける前に「失礼いたします」と一言いって中に入ると……そこには金髪の髪で整った顔立ちの優しそうな紳士がいたのだ。
その男性は俺の顔を見るなり……「あっ!」と言う顔をしたのであった。
そして俺が「初めまして!勇者のアースです。」と言うと、「初めまして。娘の命を助けていただき感謝致します。サーリアの父親で、この国の伯爵を務めております、ルインと申します。ところで貴方が勇者の……?あの……。」
俺は、自分のことを話そうとしたが、それを遮るようにして俺のことをサーリアと勘違いをしているのか、ルインさんは俺に対して握手を求めてきて手を出してきた。その差し出された手を俺は握ろうとしたのだが、突然、横に現れた女神様がその手を掴み握り潰して……俺と握手する形になっていた。
その状況を見て……サーリアとその両親、執事やメイドの女性達は……驚き、慌てていたが、俺は、「痛い!!ちょっと離して下さいよ!!あぁぁ!!手が潰れるぅ!!」と叫ぶと、サーリア
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