【1】後篇
この異世界に居る人間達は大きく分けて3種類いるのだという。「ヒト族」と呼ばれる者達と、「獣人」と呼ばれる者達と「森人」と呼ばれる者達である。
「人間族」とは、普通の人間の姿形をした種族で、この世界のどこにでも住んでいて、特にどこで生まれたとも言わず、どこからともなくふと現れそしていつの間にかいなくなる。見た目の容姿は、地球人と変わらないので、一目見て「ヒト」だとわかるのである。「森人」と「亜人」というのは……いわゆる妖精族のことであり……「エルフ」とか「ドワーフ」や「獣人」のことだというのだ。
ちなみに「森の賢者」という異名で広く知られている「精霊種」という一族も「森の人」と呼ばれているそうで、彼らはエルフのように尖った耳と、長い寿命を持っており、独自の文化と伝統を持つことで知られているらしい。彼らの住んでいる「霊峰エルランデ山」と呼ばれる山脈は、この世界のどの位置から眺めても見ることができるほどの高さを誇り、その山頂には、エルフ族の国が存在しているらしい。この世界のどこかに存在すると言われる伝説のダンジョンの中に存在するとされているのが、精霊種の里「フェアリーパレス」という精霊たちが集う楽園が存在すると言われているのだそうだ。
精霊種が使う特殊な「魔法」というものについては、この世界でも謎が多いらしい……。この世界での一般的な魔法使いは、精霊魔法というものを使って魔法を発動させるのだが……そもそも魔法というものが、魔法が使えない者たちには使えないものということもあって、一部の研究者以外には魔法の存在はあまり知られていないらしい……。
また、「魔法金属」というのは「魔力を込められるもの」という意味で使われる言葉で……実際には、魔法の威力を上昇させやすくするもののことを指すらしいのだそうだ。例えば魔力の伝導率が高い鉱石などを「魔力を通しやすい素材」という意味で使うことがあるのと同じような感じなのである。
この「魔法金属」については、「オリハルコン」「アダマンタイト」「ヒヒイロカネ」「神鋼」といったものがあるそうで……「魔力の伝導率」が高い順に並んでいるようだ。ちなみに「神銀」「小白銀」「小白金」「小金」「聖銀」「神金」「聖金」「神貨」というのはこの世界での通貨単位として流通しているもので、それぞれ、「1枚で100万円」の価値があるようだ。「オリハルコン」の「金貨」が10枚で「神貨」1枚という価値を持っているので、その価値を考えるとかなり高価な通貨のようだ。この世界で「1億円」というのは大金らしい。……ただ、俺のアイテムボックスの中には日本にいた頃に手に入れた金銀財宝やレアメタル類なんかが入っているので、実はそんなに凄くもないのだが……。
それと、神器と呼ばれる「魔法武器」というのがあって……これが「聖金貨1枚(1億円)」くらいの価格するそうだ。……もちろんこの「オリハルコン製短剣」もこの「聖金貨一枚」に匹敵するほどの価値はあるはずだ。「魔法合金」製の武器は、希少度が高い割にあまり高くないので買わないのだそうだ。俺もさっき試し切りで使ってみた感じだと、切れ味はかなりよかったが、そこまで良い物ではなかった気がする。
ちなみに、「魔鉄武具」は「聖銀」と同じくらい希少なので……この世界の人々が持っていることはごく少ないのだそうだ。そして、魔法合金の武具というのは非常に希少なので「魔法金属」を使った武具というのはそれだけでかなりの価値がるそうだ。ちなみに、「聖銀」の「魔法武具」を作れる人間は滅多にいないそうで、作れたとしてもせいぜい「魔法銀」くらいが限界なのだそうである。なので「聖金」以上の武具となると本当に珍しいそうだ。……それにしても、そんな貴重品を大量に持ってたら色々と問題になるかもしれないな……。まぁ今のところ誰にも見つかっていないようだから心配ないと思うけれど……。あとは、この異世界の常識と俺の持つ異世界知識について話をすることにした。
神様にこの世界のことを色々聞いた時に「ステータスオープン」と言ってみることを薦められたのだ。神様に言われた通り「ステ~タス♪オープン!!」と声を出してやってみると、俺の前にいきなり透明な板が現れた。その板を神様に見せると、「君が見ているものは、僕も見る事が出来るんだよ。」と言ったので見せてあげると、すごく驚いていた。そして「この魔法は『固有魔法』なんだ。こんな魔法を使う事ができるなんて君は本当に特別なんだね。すごいよ!」と言われたので、「神様に貰ったものだから特別じゃないよ」と答えておいた。神様は少し寂しそうな表情をしていた。
そして「神眼」について聞いてみたところ、この「神眼」とはこの異世界にいくつか存在するスキルの中で「勇者」と呼ばれる者にしか使うことができないものらしい。この世界に存在するすべてのモノを鑑定することができるのだそうだ。この異世界にあるすべてという事は……生き物はもちろんのこと……道具……武器……防具……建物……など……この異世界で作られているものも全てということだそうだ。
俺はその「神眼」と念じながら見つめてみるように勧められたのでやってみる事にした。まず初めに目の前にあった「聖銀貨」を手に取ってみようと思い、「ステータスプレート」を見ずにその銀貨に目線を合わせるようにすると……「名称:聖銀貨」と頭の中に表示された。その次の瞬間その「神銀貨」は淡く光ったかと思ったら、まるで最初から無かったかのように消えてしまったのである。……何が起きたのか理解できない……。
さらに他の物を順番に確認していった。「聖銀貨」は触れていなくても効果を発揮するようで、手に持たなくとも大丈夫みたいだった。そして「金貨」や「銅貨」、「小銀貨」、「大銀貨」、「小金貨」、「中金貨」、「中銀貨」、「大銀貨」、「小銀貨」、「大銅貨」、「小銅貨」、「半銀貨」、「大銅貨」、「小銅貨」、「半銅貨」、「石貨」、「鉄貨」、「木片」、「ガラス」、「ミスリル」などが触れることなく次々と「神眼」の効果によって名前と価値が表示されるのである。……そして全ての貨幣の重さや材質などもわかるようになっているようだ。しかも……なんと、俺が欲しいと思っていればお金の量を手元に呼び出すこともできるみたいなのである……。しかも、触らなければ「インゴット」の状態にして取り出し収納することもできるようであった。つまり「無限収納鞄」のようなことができるのである。……すげぇ!これはヤバいぞ!!これって……まさに「勇者のチカラ」じゃないか!!!
「女神」の説明によると「ステータスオープン」という言葉を言わずとも、念じるだけで発動するようにもできるそうで、また、「称号」や「職業」についても同じように表示されるらしい。……あとは「アイテム」だが……これも「インベントリー」のように使うことができるようである。ただし……容量はそれほど大きくは無いようなので、あまり期待はできないかもだ。あと「魔法」「武術」についてはこの「ステータスボード」に表示することはできなかった。神様曰く「ステータスはあくまでもこの世界の基準であり……その数値だけでは強さを測ることは出来ない」のだというのだ。そして神様の話では「君の能力はまだ眠っている状態なので、これからの訓練で覚醒させて行けばいいのだよ。だから安心したまえ。訓練さえすれば強くなれることは保証してあげるから。」という事だった。……この世界に来てからずっと緊張状態で張り詰めていた精神状態だったのだが、「ステータス」という新しい概念を知り、そして「チート」と呼ばれる力を手に入れたことにより……少しずつではあるが、俺の精神状態にゆとりが出てきた気がする……。
ちなみに神様から「魔法金属は……魔法を通す金属という意味で使われるので、別に魔法金属で作られた武器は普通の剣と同じように扱うことが出来れば普通に強い剣ということになるのですよ。まぁ例外はありますが……それでも普通の剣よりも切れ味が良いので強いのですけどね。それと……「オリハルコン」の剣を作ることが出来る人間は非常に珍しく……そんな人間は「伝説の鍛冶屋」と呼ばれているくらいなのですが……この世界でも片手で数えられるほどしかいないと思います。なので、「オリハルコン製」と聞けばその人は相当有名なはずですから、すぐに誰なのかわかるはずなのでご参考までにお教えしておきますね。」と言われ……とりあえず「魔法銀の短剣」と「聖金貨1枚」は俺が所持することに決めて、この世界の金銭の単位は神様が使っていた通貨単位で覚えておくことにしようと思った。あと、この世界の「言語」については、神様がくれた翻訳機能のおかげもあって問題なく話すことや読むことが可能だということがわかったので一先ずは安心することができた。
ただ、問題は……俺自身が異世界に来た実感がまったくないということで……今更だけど、「異世界」とか「剣と魔法のファンタジーな世界」だとか……俺自身は「オタク」ではないので「ワクワクする」というような感情は今のところないのだ。……しかし……実際に「魔法の武器」「魔法の剣」という物を見て、手に入れている現状……「魔法金属」を作れる人というのも実在するようだし……ここは「現実」だということを受け止めないといけないかもしれないな。そして「この世界」では、レベルという概念があるということはわかったが、どうやったらそれが上げられるのかということまでは神様にもわからないそうで……。でも……この「神眼」を使えば魔物を倒すことでレベルアップすることが出来るだろうし、レベルを上げていけば身体能力が上がるはずだから、鍛えていかないと……ダメかもしれない……。……そう思った矢先のことだった……。
((「あなたは……異世界で勇者となって魔王を倒してください……」))
と声が聞こえてきたのだ。……この「神域」にいる時は「心の奥底」で俺が「女神の声」と呼んでいる声である。俺は突然の事態でかなり驚いたが……落ち着いて考え直せば……おそらく「勇者の力」を手に入れることが出来たことによる弊害なのだと思う……。その……なんだ?……神様が言っていたように……「固有魔法」というものには代償やリスクが存在するらしいから……。……この「勇者の力」は……神様の話によると「この世界に召喚される者」にのみ与えられるものらしく……その「選ばれた者」だけが「勇者の力」を得ることができるそうなのだ。
まぁこの世界を救うという重大な責任を背負ってしまったという自覚は今の俺にはないのが正直なところなのだが……神様は、そんな俺に色々と丁寧に教えてくれて、色々と励ましてくれたのでとても感謝している。なのでこの世界で困ったことがあればいつでも相談に乗ってくれと言われたのもあり、素の自分を出していくしかないと思っているのだ。
その……何というのか……。……さっきも話したが俺は今まで友達と言える存在がほとんどいなかったこともあって、あまり他人に気を遣わず自分の好きな事を思う存分やるタイプの性格だった。そんな感じで過ごしてきたから、俺に「異世界に行って世界を救え!」と言ってきた神様に対して……そこまで反発はしなかったんだよな……。
その声を聞いているうちに俺は……なんと……この「異世界転移」とやらを前向きに捉えようとしている自分に気づいた……。……なぜか……そんな気持ちになっていた。もちろん怖いという感情はあるけれど……。
それは多分「女神」が「異世界に行く」という選択をした時に……俺と同じ思いをするであろう「異世界の人々」の事を考えてしまい、彼らも俺と同じような恐怖を感じていたのではないかと思ってしまったからである。その……「地球」にいた時にも何度かニュースで見た事がある……。……戦争や災害で大勢の犠牲者が出ると……遺族の方たちが「家族を失った喪失感と怒り」をどこかにぶつけたいと思った時に「死者」ではなく「生きた人々」に向けてしまうということがあるそうだが……その「死んだ人々の無念」を想像してしまったのだ。その時に俺自身も……俺が死んだ時に「家族が受けるかもしれない悲嘆」について考えてしまい、申し訳ない気分になってしまった。なので、「自分が死ねば良かった」「死んで楽になりたかった」などと考えてしまい後悔してしまうのは当然の事で……それこそ「生きる希望を失って自殺する者がいる」こともわかっている。
そういった「死にたい者への慈悲の心」もあるし……それに……なんというか……俺がもし仮に異世界で勇者として生きなければならないとしても……「死ぬほど苦しい目に遭うことはないだろう」という事も考えられるので……。……その……あれだ……。……この異世界に……行くのも良いのかなと思えるようになってきたというわけである。この世界の「勇者」になるというのは大変な使命であり、辛い事もあると聞いたが、逆に言えば「魔王を倒した」後の人生をのんびり過ごせるということだと思うので悪くはないと思った。
そんなことを思いつつ……とりあえず、この神域を快適空間に変えてしまうか……と考えてみたら「神域」に居心地の良さそうな家具などが増えていき、またベッドには「フカフカの羽毛布団」とやらが出現した。さらにキッチンの調理器具や冷蔵庫も出てきたので……それらを眺めながら、まずはこの家の掃除から始めようと決めたのであった。
俺はとりあえず「聖金貨5枚」、「オリハルコンのショートソード」、「聖銀製の長剣」、「オリハルコンの小盾」、「聖銀貨」、「聖金貨1枚」、「聖金貨2枚」、「オリハルコンの胸当て」、「ミスリルの腕輪」、「ミスリルの指輪」、「オリハルコンの大弓」、「オリハルコンの手甲」、「オリハルコンの槍」、「オリハルコンの鎧一式」といった具合で収納していったのである。……するとそれらの武器防具はまるで生きているかのように勝手に浮遊していき、次々と部屋の中を飛び回り始める。そして壁際にある「飾り棚」や、天井や窓際の「観葉植物」などに吸い込まれるようにして消えていった。それらを見た時、なんか……少し違和感を感じた。まぁその辺りについては後で調べればいいと思い直すことにしたのであった。……あと「インベントリー」に入れた物は時間が経過することもなく、腐ったりすることは無いみたいなので安心したのであった。まぁ生き物は入れた事が無いのだが……入れれば時間が経過しなくなるという部分だけは検証しておかないといけないよな。……ちなみに「インベントリー」の中には神様からもらったお金と、食料が入っている。……というか……「食料庫」みたいになっているようだ。なのでしばらくは食べていけるだけの量は確保できたのである。……これで当面の生活資金に関しては問題なくなったので一安心した。
あと神様から教えてもらった情報だが……「アイテム」については「鑑定士」の技能を持っている人ならば簡単に見極めることができるそうである。そしてその人が作った物が「アーティファクト」と言われる超絶貴重な物らしいのだが、これは神様曰く、「レアメタルを使って作られている」武器とか装備は普通の人にはほとんど作れないし、作れてもその効果は桁違いのものが出来るそうなのだ。つまり「魔法金属」を作って「アイテム」を作る事が出来る人は、この世界でも「伝説の鍛冶師」のような立場になれる可能性が高いという事だった。……そして「この世界」は俺の住んでいた「地球の科学力」とは比べ物にならないくらい発展していて、魔導工学と呼ばれる独自の技術によって、あらゆる物を作っているのだという説明も受けたのである。この世界では電気が発明され、すでに電化製品が実用化されており、一部の高級品だけにしか普及されていないものの、一般の家庭にはすでに普及しているのだそうだ。この世界では、その生活を支える動力源として使われているものは魔核石と呼ばれるものらしく……その魔力の補充に使われているのが「マジックリング」とやらなのだそうだ。そのマジックリングは、「マジックスクロール」と同じような効果を持つ道具で、これを装着することによって魔法を使用する事ができるようになるらしい。そのマジックリンクレットには様々な魔法が記録されていて、「詠唱」を行うと自動的に魔法を発動することができるのである。ただ、「詠唱」を行わないと使えないし、「無詠唱」で魔法を使おうとすると「精神力(MP)」を消費して発動するので連発できないとのこと。……まぁ俺の場合、魔法金属の剣に魔法を通して魔法を放つことが出来るようだし……特に困ることは無さそうではある。「詠唱魔法」は威力はそこそこだが、「属性魔法の攻撃系」の技が多いのだそうで……そういう意味では、この世界の人間にとっては「必需品」といえるものなのかもしれないな。
俺は「神眼」の能力で色々と確かめてみることにしたのだ。「神眼」で調べることのできる範囲は自分の周囲20メートル程度が限界らしく、俺が住んでいる部屋と隣の部屋とを遮っている薄い壁に手を伸ばして触れてみると……何かの気配を感じ取ることができた。俺はその見えない「扉」の向こう側に何があるのか気になって……「ステータス」を見て確認してみた。するとそこには……
『この家の周囲100メートルの地図を表示します』というような文字が表示されたので……俺はその言葉通りに「神域」の中に存在する家の周囲の地形が表示されるかどうか試してみたのだ。その結果表示されたのが「ここ」である。
名前:ヒロアキ・サイトウ
種族:人族(転生)
レベル:15(3UP)
体力
:258(15UP)
攻撃力
:284(11UP)
防御力
:299(12Up)
魔法行使能力
:456(16Up)
魔法耐性
:507(17UP)
俊敏性
:366(18UP)
魔力量
:561(19Up)(()は武具等による補正値です。また数値は個人により若干の誤差が生じます。※固有魔法使用時は固有能力として反映されます。ただし固有能力は成長はしない模様です。※HP、EPは自然回復します。ただし寝ていた場合は最大値が半分になります。戦闘中の場合、休息をとることで最大値は回復します。睡眠は最大の回復手段の一つなので、可能な限りとるようにしてください。
状態異常: なし』……といった感じで、詳細な情報が分かるようになっていたのである。……「鑑定」系の固有能力を神様がくれたのかと思ったのだが……それとは違うみたいだった。「この世界に来て初めて知った事実」なのである。俺は……神様から「勇者の力」を得た際に神様から教えてもらったことを思い出し、そこで得た知識とこの世界に存在している情報を照らし合わせていくと……なんと「鑑定士」が使うという技能と同じことができるようであった。その……「固有能力」「スキル」についても……この世界で一般的に使われている「ステータスカード」の仕組みを詳しく調べることで、どんなことができるのかわかった。その「鑑定」という技能を使うと「対象の物の名称や詳細、性質などを調べる」ことが可能になるようなのだ。そして、その能力を使った時に得られる情報には差があるという事も判明したのである。
俺の持つ「固有魔法」「ユニークマジック」について考えてみるが、今のところ分かっているのは以下の通りだ。「俺自身」については、俺が「死んでいる間も俺自身の意識が存在する場所に存在する魂」であり、俺の意思で自由に動けるという事、また俺自身が「死んでも死ぬことはない」ということが「鑑定」をしたときに分かってしまったのである。……俺が今まで考えていた事は当たっていたのかもしれない。……つまり「死」という存在は、あくまでも俺が考えてきたとおり、「生命活動の停止した物体」であって「死んでしまえばもう終わり」であると考えていたのだが、それは間違いだという事がわかってしまったわけである。……神様の説明だと、どうやら死んだ後も俺自身は俺自身の肉体が「保存」されるようである。なので……もし、俺の体がまだ生きていたとして、何らかの要因で死んだとしても「死後に生き返ることができる」可能性があるということである。
「勇者の力で得たチート」についてだが、まずこの異世界で使えるように神様に調整してもらったものが「聖銀」である。聖銀は地球で「アダマンタイト」と呼ばれている素材とほぼ同じものらしい。これは神様から教えてもらったのだが、ミスリル銀という「魔法金属の銀」である。「ミスリル銀の武具一式」というのは、実はこの聖銀の事であった。
次に魔法だ。……俺には元々「聖女」という職業の固有能力を持つ女性がいて、彼女は「神聖魔法の最高位の呪文まで全て使いこなすことが出来た」という。なので「勇者の力で得ることができるであろう魔法を全て」覚えているらしいのだ。神様からの情報では「勇者の力をフルに使うには最低10個程度の職業に就いておかないと、力が発揮できない」らしいのだが、それでも「聖女」というのは凄い力を持った職業なのだ。なぜなら「聖女の加護を受けられる」というのが一番の条件であり、他の職に就いている場合でも聖魔法は使用できるのだが、「聖魔法の上位互換」となると使えなくなってしまうからだそうだ。つまり「僧侶の癒し」の力は「聖なる祈り」を捧げなければ発揮されないのだが、その「聖なる祈り」とは、「女神様に対して祈りをささげることでしか」行うことができない。
そしてこの世界にある聖教国で修行している「聖女たち」だけが「高位の聖魔法が使用可能」で「聖属性以外の攻撃魔法は使用不可」なのだそうである。だから「魔王を封印できるほどの聖魔法の威力を発揮するのに必要なMPを貯めるために……」「聖教会の巫女たちが一生懸命修業をして、MPを少しずつ増やしていってもらうしかない」という状況なんだそうだ。しかし「この世界の住人でも聖属性の強力な治癒が行える人が極少数だが居るのだ」とのことである。
この世界の人々は「光の女神」を信仰していて、神官や巫女が修行を積み、その身に「光のオーラ」のようなエネルギーが蓄えられるようになった場合のみ「女神様から特別な祝福を受ける」ことができ、それによって奇跡を起こす事が出来ると言われているそうだ。この世界の人々が持つ固有の能力だが……その力は大雑把に分けると……「神聖魔法」と「精霊魔法」とに分かれるようだ。そして神聖魔法はその名の通り「神の力とか霊力を使って様々な効果を発動させる」ことが出来る。……例えば回復の魔法とか浄化の魔法とか蘇生の魔法などがあるのだが、これらは「神聖魔法を極めた者たちのみが使用可能な高位の魔法」なのだそうである。「死者をよみがえらせる魔法は存在する」のだそうである。これは俺の知らない事だったが、「死者の復活」という事象は、「女神」が許してくれない限り不可能という事になる。
そしてもう一つの精霊魔法は、「自然界のエネルギーを使い、それを変換させることで色々な現象を引き起こす力を行使することが出来る」というものなのだそうである。この力に関しては「火、水、風、土、光、闇、無の属性の7つの属性がある」とされている。……俺はこの世界に来る前にこの「勇者の力」を得るのが「火属性が最適」という話を聞いていたので「炎属性の魔道具」を手に入れてみたのだ。その魔道具の効果は……「火の属性を持つ攻撃を行う事ができる」というものだった。魔道具は魔法石が核になっており、それに魔力を流すことによって発動させることができるという物なのだが……この世界では、魔力石と呼ばれる特殊な石が存在しており、この石を加工することで、魔法石が作り出せるらしい。ただ魔法石が生む魔法石の効果には限りがあるようで……「一度使うと壊れる消耗品」として扱われるのだそうだ。
あとこの世界に存在している魔道具の種類はかなり多いらしい。……俺に渡された魔道具はその中でも比較的性能の低い部類に入るようだ。この世界では魔核石を利用して様々な物を作り出したりすることが出来るらしく、俺の世界にあった電気器具のほとんどを魔核石によって再現することができるのだ。また俺の持っている魔導書には、「魔法を使うために必要なアイテムである魔結晶」を作る方法が書いてあったのだ。この世界の人々の生活を支えるのが、これらの「魔導具や魔道具」というわけである。魔道車やゴーレム馬などもそうだろう……。
そしてこの世界における魔法についての仕組みなんだけど……どうも「空気中に漂う目に見えない『マナ』が『体内』に取り込まれて初めて魔法の行使が可能になる」ということになっているみたいである。……「目に見えるものではない何か」が存在しているのだそうな。その正体は……「神様の魔力のようなもの」なんじゃないかと俺は考えている。その何かのおかげで「神様の力の一部」が行使可能となっているのではないか?と俺は思うようになったのである。神様も言っていたが……神様はこの世界の全ての人々の味方だと言っていたから、その神様の力の一部を俺に分け与えてくれたんじゃないかと考えている。
さて……話を元に戻すとしよう。……俺は自分の体を確認しながら、神様から与えられた情報を思い出す。まず最初に確認しておきたいのは自分の現在の状況だ。俺は先ほどステータスを見て、改めて確認したが、そこにはとんでもない事実が記載されていたのだ……。それは…… ————————— 天城典二 職業 錬金術師 性別 男 レベル 264(647/1000)
種族 人族 体力 103900/105500
(100200/110000)
【補正値】:攻撃力 18980 総補正値 34530〈レベル〉(1UP):520 《ステータス》(1UP)
【生命力・持久力】
:24470
最大HP 250000/25050 状態:健康
最大HP 300 〈攻撃力:+84000(+40※)〉 【生命力・耐久力】
:21610
最大HP 40000/42400 状態:普通………… スキル
・鑑定……LV7 鑑定系能力向上……LV10MAX 言語理解 算術……. Lv12 剣術……Lv14 武術……Lv13投擲術……LV11 弓術……LV2 暗視……Lv15→暗視能力向上(new!!)
毒耐性…… 麻痺耐性…… 眠り耐性…… 気配察知 危機感知 罠解除…… 鍵開け 隠蔽…… 隠密…… 忍足 看破…… 料理 裁縫…… 木工…… 鍛治…… 錬金 彫金…… 採掘…… etc……etc ———という事になっているのだ。俺のレベルは現在「1000を超えていた」のだ。これは神様の話だと……「この世界に来てすぐに、レベル上げの経験値を得られるようになっているから」だと言っていたが……それについては納得できた。レベルを上げるための行動というか戦闘行動というかそういうものは一切していないのだ。神様からは「レベルを上げようと思った時に上げることが出来、その時の身体能力に応じて、自動的にステータスの値が変化するから」と言われているのである。俺の今の状態では「生命力」の数値が異常と言えるほど高くなっており、「持久力」が異常と言っていい程高かったのだ。……この数値の高さについて、考えられる原因は「レベルアップ」であると考えられるが、それ以外にも原因が考えられていて……神様は俺に「あることをする」ように促したのだ。……それは俺が転生する前に、神様から貰った能力の一つである……「鑑定」「収納」「錬成台」の能力を使ってみろと言われたのだ。その能力を使ってみる事で、神様が言っていた意味が分かるはずだと言われて……。なので、俺は早速試すことにしたのである。その結果はこうだった。
鑑定結果……
「詳細鑑定……」「生物限定鑑定」の複合技です。生物のステータスを確認することが可能になります。対象が生物の場合のみ、相手の「能力」と名前、そして年齢と職業が表示されるようになるのである。但し、相手が生き物でない場合などには、その表示が消えてしまうのだ。なので人間や亜人のような「人のカテゴリーに属している」生き物に対して、使用する事が重要になると思われる。尚、自分が知りたいと願えば「ステータスの詳細を表示する」ことも可能。但し、その場合は、その対象者の個人情報が、その人物の許可無しに他人に漏れることはありません。
次に「収納空間」……これは所謂「インベントリ」的なやつである。この世界ではまだ存在していなかったらしいのだが、神様の力で、それが実現可能なのだそうだ。ただ……俺の場合は、その容量が「∞(インフィニティ)」になっており、この世界の「無限大という数字は存在しないらしい」ということを考えると、おそらくは神様の力で、この「空間」の許容量が引き上げられている可能性がある。
「錬成部屋」に関しては……この「世界では見たことがない素材で作られた物を作り出す事が可能」だということが分かった。俺が最初に「アイテムボックス」を作ったときに作ったあの「錬成台」で作ることが出来たのだ。
「付与魔法」に関しては、「聖魔法で覚えることができる全ての上位互換」ということで、全て覚える事ができた。つまり、この世界に居る聖教会の神官たちや巫女たちは……聖属性の魔法の「聖女」しか使うことが出来ないはずの「回復魔法の高位バージョンの魔法を、この世界の一般人でも使用できる魔法として習得することが可能になった」ということである。この回復魔法の使い方は……
聖魔法の発動条件 1:神への祈り
2:魔力のコントロール(精神を集中し……身体の中に巡っている「聖なる力の流れ」を感じ取る必要がある)
3:魔力の制御をした上で、回復を念じる という3段階が必要なのだが……「魔力を回復するための方法を習得できる」という事にもなる。ちなみに俺の持っている「回復の魔道具」というのは、この世界では……「神聖魔法を覚えた者が作らなければ効果を発揮しない回復の魔道具」であり……魔力を回復するためには「魔力を練って、それをそのまま維持させるという技術が必要」なのだそうである。そして俺が作った魔道具の効果は、「魔力を1割回復した状態で固定させておくことが出来る」というものである。この効果を発動させている間は、ずっと「消費されたMPが回復していく」効果がある。俺の持っている魔道具には、MPの回復効果はないのである。この効果が凄い所は……魔道具を発動している間は、その魔道具に触れている限り……ずっと回復し続けてくれるところなのだ。ただしこの魔道具は、あくまでも応急処置的なものにしか過ぎないので……完全に傷が癒える訳ではないのだ。それに魔道具で回復するといっても、魔力は減っていく一方なのである。だから……定期的に魔法薬で魔力を回復させなければならないらしい。
まぁそんな感じだったのである。この世界の人はこの魔法の存在を知ることが出来なかったのだ。そもそも回復系の魔法自体がなかったのだしね。
そうそう、この世界の常識とかそういうものを教えてもらったんだけど、結構俺のいた世界の「中世ヨーロッパの文明」みたいな感じがしたのだ。例えば「通貨」は金貨と銀貨と銅貨があるそうなのだ。金貨が「10000ゴル」という具合になっていて……価値的には金貨1枚で一万の価値があるのだそうだ。そして硬貨は、上の硬貨ほど大きな単位になっており……一番下の銅板ですら10倍近い差があったりするのだ。あとこの世界には、「紙幣というもの」も存在していて、この国のお金は全て紙幣という扱いになっているのだそうだ。そして硬貨は金属の貨幣が主流であるらしいが……たま~に大きな取引なんかの時には、宝石の付いた装飾品のお金が使用されることがあるらしいのだ。
ただ……俺が気になっていた「日本円」についてなんだけど……なんと……存在しないらしい……。俺としては少しがっかりした気分になった。この世界の人たちは、「物を買うときは、商人と買い手が互いに商品を交換することで取引を成立させる」のが一般的みたいである。しかし、中には盗賊の類も存在しているわけである。そういった者たちを相手に商売する場合、当然だが「金品による物品のやり取りが行われることになるのだ」と神様から教えてももらったわけだ。なので……「日本円の両替屋が存在しないのは……ちょっとおかしいのではないか?」と思って聞いてみたんだよね……。そしたらさ……。
「……? 何を言っているのか分からないよ……。君は『ニホン』というのがどこの国にある場所なのかを知っているかい?僕はそこの出身ではないんだよ。もしかしたら『君のいた世界』にも、そういう名前の土地が存在しているかもしれないけど……少なくとも僕の知る限りでは、そこに存在している『国』の名前は、僕の記憶の中には存在しなかったからねぇ……。残念だけど、君が『ニホン』とやらに帰りたいと思っているなら……難しいと思う。だって『次元』を超えるなんてことは簡単にできることじゃないし……その『ニホン』という場所は、もしかして君がいた世界とは別次元の場所にあって、そこへの移動も困難だろうからね……。」と言われてしまったのである。確かに俺は「日本のどこかの県に住んでいる」と言っていた。「別の国」ではなく「別の場所」と表現したのだ。この世界が別次元に存在するのであれば、神様が「俺が元居た場所に戻れるかどうか」というのは疑問に思ってしまうはずだ。もし、俺が自分の世界に帰ろうとしていたとしても……帰ることはできない可能性が高い。神様曰く「元の世界のことを思い出すこともできなくなるはずだ」という話なので、帰れなくなったのなら「それはそれで仕方がない」と思うことにしたのだ。……もう諦めました。異世界で楽しく生きることにします。……俺は自分の体の確認を終えた後……神様に確認したいことがあったので、神様にそのことを質問してみる。
「あのぉ……一つ聞きたいんですが……この体っていうか……今いる俺が居るここって……『地球上に存在した場所ではない?』んですよね……そうなりますと、今の俺の体は一体……何で構成されているものですか?」と神様に伝えた。すると……神様が「今の状態での答えは難しいかな……。もう少しだけ時間をあげるから考えてごらん……」と言われたのだ。そして……しばらく神様と話し合った結果、次のような結論が出た。……俺の居るこの世界には「俺が元々住んでいた地球とは、異なる宇宙にある惑星の可能性がある」ということである。神様は、この世界が「他の銀河系に存在する未知の星の1つだ」ということを示唆していたのだ。つまりこの世界には元々、地球人である俺という「生命が存在しなかった」ということである。そして「何らかの原因があって……神様の手によってこの世界に「俺という存在が生まれた」らしいのだ。この世界の環境というのは「地球の環境に似ている」というのだ。
なので、この世界に「人間のような生命が誕生するためには、それ相応の条件が必要となるらしい」ということだ。つまり……この世界で「人間は俺以外には存在しない」ということが言い切れるようだ。なので、俺のこの世界での目的は、人間という存在を生み出すための準備期間にこの世界で過ごすということになりそうである。神様は「今の状態だと……僕がこの世界の創造主になることは出来ないから、人間の生み出すために、君に協力しなくちゃならない」ということを話してくれた。俺はそのことを聞いてホッとした。
そして俺は、まずは自分の「能力の確認作業」を行う。
そして俺は……ステータス画面で自分の能力を鑑定していった。ステータス画面に表示されていた能力は、以下の通りである。
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名前……なし 年齢……不明 種族……人間 性別……男 状態……正常 HP……9999/1000 SP……500 スタミナ……100 MP……99 物理攻撃力……999 魔法力……500 防御力……500000 精神力……20 速度……10 幸運度……10所持金……無し
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「……んっ?え!?」俺は驚愕してしまった。俺が今までステータスを見ていたのは、自分の持っているスキルと職業が「何かの間違いではないか?」と思いたかったからだ。
神様に俺がこの世界で生活できるように、色々な説明を受けた時のことである。この世界で生活するうえで注意してほしいことがいくつかあった。
「この世界では……基本的に、君が前世に住んでいた世界にあったゲームのような魔法は存在しない。だから……君自身が努力をして強くなっていかないと、この世界を生き抜くことは不可能になるんだ。」……と神様から言われたのである。神様の言う通りなのだとすれば、この世界の人達は、俺が今までプレイしてきた「RPGゲーム」の主人公たちより、かなり劣る強さしか持っていないということになるのだろうか…… 俺が考えていたことを察したのか、神が補足で色々と教えてくれた。どうもこの世界では、魔法の使い方が間違っているのだというのだ。この世界の住人達は……「火や風を起こすのには、特別な呪文や魔法道具が必要だと考えている人がほとんどなのである。この世界の人たちは……魔法を発動させるための儀式を行い……神の許しを得なければならないのだと考えていて……それが常識だと勘違いしているのだ。魔法を使えない者は「神から祝福されなかった存在」「神に見放された存在である」という考えを持っているので、魔法を使えない人は差別の対象になっているのだ。だからこの世界の人たちは……「魔法使い」と呼ばれる職業や……その職に就いている人たちのことを「魔道士」と蔑んでいるらしい。この世界のほとんどの人が「神からの祝福」というものを受けていないため、魔法を上手く扱うことが出来ず、魔法道具がなければ魔法を使用できないのだ。そして「この世界に存在する全ての人は魔力を持って生まれてくるのに、その力をコントロールすることができないのだ」とのことらしいのだ。……そして、その魔力を魔法として使用しようと思って魔法陣を描き始めるのだが……「魔法陣がちゃんとした効果を発揮するように描くことができない」というらしい。なので、その魔法陣が「魔道具化できるようなもの」でなければならないのだ。魔道具は……魔導師の描いた魔方陣を刻み込み……魔石に蓄えられている魔力を使って発動させることができるのである。
この世界の人たちは、魔力を使う魔法を発動させるために、魔法道具に魔力を込めた後に「魔方陣を描くこと」が必要なのである。この魔方陣は魔法道具で描きこまれているものであり……「魔法を使える者でなければ、この魔方陣を正確に描けない」とされているのだ。この世界の魔法というのは、魔法道具を使用して、魔方陣が描いてある「魔石に蓄積されている魔法を解放する」というやり方なのである。そのため……「自分の力で魔法を発動させる」ということが出来ない。だから、魔法を発動するために必要な儀式を行うための儀式が存在するのだ。
この世界の人々は、そういった理由で……魔法を使えない者が居るという事を理解していないらしい。……というわけで……神様の説明を聞いた後で……改めて「俺の能力」について詳しく確認してみた。……やはり、俺が作ったステータス画面には「魔法に関するものが無い」のだ。この世界においての俺の役目は、「魔法を使わずにこの世界の人々よりも強力な身体能力を得ることが出来る」ということらしいのだ。だから俺は……これからは「格闘家を目指して頑張ることにする」というわけである。俺はまだレベルを上げれば上がる可能性が残っているからね。……俺は自分の体がどれだけのスペックなのかを確認することが出来たわけだ。しかし……俺の体は「本当に人間の体なのか?」と思うくらいに「強靭な性能を持った」体をしていたのだ。……特にスピードに関して言えば……「チート級だ」と断言できそうなほどだ。ただでさえ俺ってば足だけは速かったんだけど……更に速くなっていたわけなのよ。俺は神様に聞いたんだよね……。この体のスペック……これでもまだ……「本来の半分も力が出せていいない?」ってさ……。神様曰く……この世界で「全力を出す必要なんて無い」ということみたいでさ……。俺としては「いいんか!?それで?マジか?大丈夫か?」って思ったよ。
ただ神様は「問題は無いよ。僕が保証しよう……。君の体に眠っている能力が解放されたら……とんでもないことになるからね。それに……君の能力値についても確認させてもらったが……君はかなり凄腕の武闘家になれる素質があったんだよ。この世界に君が居なかったとしてもね……。君が元の肉体のままで居たら、僕はこの世界には召喚していないんだよ。君はね……元々『戦うこと』に長けた『武』を極めた者になっていただろうからね……。そして君はね……『この世界が生み出した最高傑作』といっても過言ではない存在になっただろう……それこそ……『英雄』と呼ばれるにふさわしい存在だったろうね……」……と言われた。俺は、自分のステータスを確認したことで、神様が俺に対して「何故そこまで俺のことを優遇してくれるのか?」ということを質問することにしたのだ。
「それは……君の存在価値が高いという理由の他に……君の魂の価値が高いからだ……」と言われたのである。俺は神様の話を聞くと……この世界は……実は神様が管理している世界のようで、この世界の管理を任されているのは……神様の中でも「創造主」と言われる「神」たちだというのである。そして俺のいた世界の「地球」というのは「創造主が管理する世界では無い」らしく、神様たちは「他の世界を管理して暮らしているんだ」ということを伝えられたのである。そして……神様曰く……「創造主の許可を得ないとこの世界で君の存在は許されない……。もし勝手に行動したりしたら、創造主の怒りを買ってしまう可能性がある……」という話をしくれたのだ。
俺は……この世界に居る間、自分の身を危険にさらさないためにも「他の世界の管理者から許可を得てもらうために……行動するべきだな……」ということを話してくれた。
俺が自分のステータスを確認し終わった後、神様にステータスの確認が済んだ報告をすると……神様が「この世界の基本的なことについて話しておくね」と言われたのだ。俺は、神様から色々と話を聞かせてもらったのだ。
この世界には……4つの大陸があり……それぞれの場所には、その土地を統べる王が存在し……その地域を支配しているというのだ。この世界にある国々の中で一番大きい国が【聖教国アルフヘイム】と呼ばれている国だ。【聖教国アルフヘイム】は、俺が今いる「アースガルド」の周辺に存在する3つ存在する大国のうちの一つであるのだ。俺が元いた世界で言うならば……アメリカみたいなもんかな?ちなみに俺が今いる場所の国は……この世界の端に位置する小さな島国の「アースガルズ」という名前のようだ。この世界の陸地で一番広い面積を持つのが「ミッドガルズ」と呼ばれる「アースガルズ」の隣に位置している大国らしい。
俺がいる国は、端の方の小さな小国なので、大国同士の戦争に巻き込まれることも無ければ、攻められることも無いのだ。この「アースガルド」では、大きな戦いが2年前に起こったきりで、それ以後は大きな戦争は起こっていないそうだ。俺は神様から色々と話を聞いて「平和な世界で良かった」と思ったのである。まぁ……争いごとが嫌いで争いをしないっていう人は多いと思うけど……実際にそんな世界で生活できるとなると安心できるのだ。
神様から話を聞いた後、この世界で生きていくうえで役に立ちそうなことを神様から説明してもらうことになったのだ。この世界では、「通貨制度」がちゃんとしているということだ。
神様によると……「全ての人間が平等に生活できるように」という理由から作られたのだという。
まず……「お金」というものだ。これは、国ごとに発行しているもので、基本的に「金貨・銀貨・銅貨」の三種類が存在するのだという。そして……その「お金」というもので、様々なものを手に入れることができる。……たとえば食べ物や日用品を購入する時に、この世界の通貨を支払えばいいのだ。
他にも……物を購入したりする時は……この世界のお金で支払いをしてもいいし、「物と交換してもよい」とされているらしいのだ。ただ「物のやり取りを行う時は必ず相手の同意を得る」というルールがあるらしいのだ。つまり……無理やり奪うような行為は一切禁止ということである。あと……俺のように、この世界に来る人間に対しては「女神様から、ある程度の生活費が与えられることになっているから、あまりこの世界では苦労はしないはずだよ。」と言われてしまったのだ。俺は……その話を聞き終えると「じゃあ、俺は何の為に呼ばれたのでしょうか……?……なんで、あんなにも必死になってお願いされたんでしょうか?」……という質問をぶつけてみたのである。
「あ……うん。実はね……僕が君の願いを聞き入れてから、すぐにあの場所で君の召喚の儀式を行ったんだよ……。だけどね……その時には、もうすでに君は死んでいたみたいだ……。それでね……「君の肉体」が死んでしまったことにより、本来なら君は異世界に行くことができないはずだったんだ。だから、君に頼んで、無理矢理「この世界の僕の管轄している世界」の「ある世界」で生きていた君の記憶と魂を使って、新しい体を作ってもらって、そこに移動してもらったというわけだよ……。ごめんね。……でも、やっぱり僕は……君に生きてもらいたかったからさ……こんな形になってしまったんだよ。……ほんとうにごめんなさい」と言って……謝られてしまったのである。俺はその事実を聞かされたときは、「……マジかよ!?……俺って死んだの!?……嘘だろぉ~……マジで俺の体がねぇぇー!!」と思って、ちょっとだけ悲しかったのだ。
でもね、俺は……別に「異世界」に来たことに対して「それほど絶望してはいない」のである。……だって、「チート能力」とかは貰えなかったものの、最強の身体能力を得たという事だし……俺は「チートで最強無双の俺TUEEE!!俺ってば無敵じゃん!」って思うことにしたわけだ。なので、これから俺は……「最強の格闘家を目指す」という目標に向かって、この世界で人生を満喫しようと思っているのだ。
神様は……俺のこれからの予定を聞かれたので……神様が言ったとおり……この世界の常識を知らず、この世界について全く何も知らない俺には……この世界についての情報収集が必要だと考えたのだ。そこで、しばらくこの世界を冒険してみたいという事を伝えたのだ。
神様は「君がそう言うだろうことはわかっていたよ。……でもね、この世界には君が居なかったせいか、まだレベルが低いんだ。レベル1の状態で外の世界に出ていくことはオススメはしない……。君の場合は……この世界に存在している魔獣と戦うことよりも「レベルを上げなければならない状況になる」かもしれない……。それにね……君はまだこの世界についてはよくわからないから「ステータス確認が行える魔法」が使えないからね……。もし使えたとしても……今の君のステータスを確認することは難しいと思うよ。……それに、君は「戦う」という経験が全くない。この世界の魔獣と戦って勝てる保証は無いんだよ……」と言われたのである。確かに……俺は、今まで戦ったことがないから「戦う術」もなければ「戦いに関する知識もない」というわけだ。俺は素直に「はい。神様の仰る通りです。」と答えることにしたのである。俺は……神様に対して自分の考えを伝え終わると、神様に「ステータスの確認が出来る魔法の使い方を教えてください!お願いします!」と言うと……神様は「仕方がないなぁ……。僕の眷属である証でもある『スキルカード』をあげるよ。これを君に与えよう。これで……いつでもどこでも自分のステータスを確認することが出来るはずさ。ただし、これには使用回数があって「10回」まで使用できるから注意するように……。それと、『鑑定能力』を持っている人に見てもらうことも忘れないようにね」と……言って、俺に神様がくれた『スキル』の発動方法が書かれた紙と『能力』が分かるようになる「マジックアイテム」である『神の箱』を渡してくれたのだ。神様は……さらに「これを持っていれば、僕が君の力に干渉することも出来るし、困ったときに助言をすることが出来るからね。」と言い残してくれたのである。俺は……神様に「色々と親切にしてくれて、ありがとうございます」と言ったら、笑顔を浮かべてくれて「僕は、君みたいな人間が好きなんだよ。また会いたいから……今度は絶対に死なないでほしい」と言ってくれて、俺は嬉しく思った。
神様は俺に対して「君は強い魂を持った特別な存在なんだ」と言われたのだ。そして、「君に何かが起きた場合は僕の力でなんとかなる範囲のことはやってあげるから、気軽に声をかけて欲しい」という言葉を残して消えていったのである。…… 俺が……神様との話を終えた直後だったのだ。俺は神様との話をしていてすっかり忘れていたことがあったのである。それは……「俺は何故この場に呼び出されたのか?」という理由だったのだ。
俺がそのことを思いだした途端、神様の目の前にあった白い空間の光が強くなり、俺は思わず目をつぶってしまったのだ。そして俺が目を開けた時には……俺の体は……何故か森の中にいたのだ……。しかも、服装までもが変わっていたのである。
そう、俺は……「元居た世界の自分の部屋着」から……「黒いシャツ」に「紺色のズボン」という姿に変化していたのだ。
俺が、自分の体の変化に気付いた時、俺が元居た世界の自分が住んでいた部屋の光景が頭の中に入ってきたのである。
そして、俺はこの世界に来て……初めて「言葉」というものを話せたのであった。
(俺は、今の状況が一体どういう状況なのかがわからなくて、少し混乱していたが……まずはこの世界の言葉が喋れそうなことが分かり、一安心したのだ。)……そして、改めて周囲を確認してみたところ……この場所はどうやら森の中のようだが……見た感じだと、「人の手が加わっていない場所」だと感じたのだ。俺が「ここが何処だかわかるか?」と聞いてみたところ……返事が返ってきたのだ。……どうやら……この「神聖王国アルフェンナ」と呼ばれる国の近くにある森の中で、人が殆ど訪れることのない場所だそうだ。
その証拠として「ここに生息している生き物の名前を教えるよ」と神様が言ってきて「教えてもらっている途中、途中で魔物に襲われて死んでしまう可能性もあるけど……それでいいかい?と質問してきた。なので俺は「構わないよ」と返答したのである。俺がその答えを口に出した時、神様から「それじゃあ、教えていくね」と言われて……魔物の説明が始まったのであった。その説明を聞く限り「この世界に存在する生物の中には……俺の居た地球では見ることが無かった生き物も存在する」ということが理解できた。
まず、この世界の動物だが、基本的に4種類に分類される。
【魔獣】・・・基本的に人に害をなす生物のことを言う。例えば……人間を食べる魔狼とかだ。
他にも色々といるのだが代表的なのはその辺の魔獣だ。
・【野生動物】・・・人間に害を加えることなく暮らしている普通の動植物のこと。基本的には大人しい性格のものしかいないので安心していいぞ(神様談)。
まぁ人間に攻撃するような危険な奴は滅多なことでは出てこないらしいから心配すんなってことだなw
・【家畜獣類】・・・主に農業を営む人間が飼うことが多い動物だな。食用や労働力として使われている動物の総称だ。食肉用に飼育されているものは、その肉がとても美味しいと評判らしい。
他にも色々な用途があるらしいが……詳しい話は知らん。(※イメージ映像です)
【魔植物】・・・簡単に言うと「魔力が濃い森にしか生息していない特殊な環境でしか育たない木の実をつける植物」とでも思ってくれれば問題ないぜ。
・・・あ~そう言えば……その特殊な環境下の森の中でしか生えていない薬草とかね……。あとは貴重な鉱物とかも見つかる場合もあるみたいだ。(※イメージ画像です。実際の話とは異なります。
俺の質問に対する神様の解答を聞いていた時、ふと思ったことがあったので俺は神様に質問をしてみることにした。「ところでさ、なんで最初に俺が召喚されたの?俺なんかより、よっぽど役に立つ人材がいると思うんだけど……。なんで俺が選ばれたのかな……?」と言うと神様から、予想外の回答が返ってきたのである。
神様が言うには……俺以外の人間の召喚の儀式を何度も行ってみたものの、なぜか俺が呼ばれたみたいだという事だった。俺に「なんで呼ばれたのですか!?」と聞かれると神様は「いやぁ……実はさ、君の肉体に憑依した魂をあの世界に転生させた後すぐに君には「死んでもらう」予定になっていたんだよね……。だって……君はこの世界に呼ばれた人間だから、この世界で生きていかないことには、君の願いが叶えられないじゃないか!……ということで、君をあの世界に呼んであげたという訳なんだよ……。」と言われたのである。……俺は「ちょっとまって……その前に「死んでもらわなければならない事情」ってのは何なんだ?それがよくわからないまま「異世界行きます!!」って答えるようなことできるわけねぇーだろ!!」と言ったのだ。すると神様は少し申し訳なさそうな表情で、「……そのことについては、あまり深く考えなくてもいいんじゃないかな?だって君だって異世界に行くことを望んだのだからね……。でも……そのことよりも今はもっと大事なことがあるんだからさ……そっちを優先しないと……」と言う。……確かにそう言われてみれば……「この世界で生きる為にどうしたら良いか?」の方が大切である。……そこで、俺は神様から「君には3つの贈り物があるんだ。」と告げられたのである。神様が言うには……「ステータス確認を行えるマジックアイテム」「レベル1からスタートするための初期装備」そして……「錬金術師」「鍛冶職人」「料理人」の3つについての熟練することで取得が可能なEXスキルが貰えるとのことで……俺は内心ドキドキしながらも「え?そんな凄いものを頂けるのなら……俺が欲しいスキルが決まっているから……」と言ったのだ。……しかし、神様からは「いや……これは君の魂に刻まれている記憶の中から選ばなければいけないものなんだよ。……それに、君の場合は魂の容量が多いみたいだし、スキルカードも渡しているので……スキルの選択については好きに決めてくれて構わないんだよ。……それにね……EXスキルを取得するまでは時間がかなりかかると思うからね。」と言われたのだ。俺は、「神様から与えられたこの機会は逃してはいけない!ここで俺は「この世界で最強の力を得る為に必要なスキルを選ぶ」ことに決めたのである。
まずは「鑑定能力」と……次に「料理のレシピと作り方」のスキルが欲しかったのだ。……というのも……俺の元居た世界でも両親が共働きだったので、自分で食事を用意していたから、料理を作ることが出来るのである。そして「鑑定の瞳」については神様に聞いたところ、自分の目に見える情報を確認できる魔法で……EXのランクに達することで「神眼」と言われるようになるという情報を得たのだ。俺は「これで俺の能力値を見てもらうことが出来る!」と喜んでいたが、神様は苦笑いしながら俺のことを見つめて「……うん、そうだね……。……でも、僕としては君に渡すつもりは最初からなかったのだけどね……。君にはまだ早いと思っていたからね……。でも……僕が君のスキルについて説明していなかったせいでもあるし……仕方がないね」と言いながら……「……君には僕の力を少し分けてあげよう」と言われたので俺は……神様の力を分けてもらえることになったのだ。そして、神様は「この世界には君のような強い魂を持つ存在はいないから……君が生き抜いていくうえでの必要な力を与えておくね。……僕からのサービスとして「錬金術師」と「鍛冶職人」についても教えてあげるよ」と言って、神様の目の前に俺の求めていた2種類の技能のカードが現れたのだ。俺は神様に対して「この2種類以外にもあるんですか?」と聞いてみたら「もちろんあるよ!!……例えば……錬金術のEXである錬金魔法のスキルとかもあるから、この辺を頑張っていけばいつかは使えるようになるとおも……あぁ……そう言えば「錬金術」は「錬成の秘法」という技能の下位互換みたいなものだったはずだから……これの熟練度を上げてから上位のEXを取得していればいいんじゃ……いや、それでも結構な時間がかかるかもしれないけど……」と言っていた。俺としても「錬金術」は「この世界で生き残るために必要な能力」だと理解したのであった。神様の話を聞いて……俺が真剣に悩んでいる様子を見せたからなのか、神様は少しだけアドバイスしてくれたのだ。
・まず最初に「鑑定」を使って自分自身の情報を確認することから始めたらどうだい?……もし仮に何か問題があった場合は「神様から貰った力で解決しよう!!」と思ってしまえば……まぁなんとかなるさwww それとさ……もしもEXを入手できそうなタイミングがあれば、すぐに行動した方がいいかもなww 俺が自分のスキルカードをじっと見ていて悩みこんでいた時に神様が言ったのだ。……神様はこう言っていた。
・君は今の時点で、そのカードの能力を全て引き出すことが可能なんだよ。つまり「その能力を引き出せさえすれば、君はこの世界でトップクラスの実力を手に入れることが出来る可能性がある」ということを言いたかったんだよ。……ただし……「全ての能力をフル活用できるようになるためには……かなりの経験が必要になるけどね。君の場合だと「この世界に居る生物と戦って、勝つ」とかそういう感じになるね」と……「でも、そのカードを使えば大抵のことは出来るから大丈夫だよ」とも神様は教えてくれたのであった。……俺が悩んでいた理由は単純に……俺が元居た世界では「人と戦う必要がなかった」ということだった。……だってそうだろ? 俺は元々、争いとか殺し合いとかそういった物が好きじゃなくて、ゲームや漫画やラノベといった娯楽小説が好きで読んでいた人間だぞ?……それがいきなり戦うだなんて……。俺がそのことを話すと神様から意外な答えが返ってきた。……俺の考えを覆させるかのような言葉を口にしたのである。
・それは間違いじゃないんだけどね……。まぁ……君も分かってはいると思うんだけど、これからは違うよ。だって「人間同士の戦いは避けられないものなんだ」と僕は思うんだよね。何故だか分かるかい?・・・そうさ、それは……君が今まで住んでいた世界の人間があまりにも愚かだったからだ。「自分達の利益の為に、他の命を奪い、奪おうとする生き物がいた」だから戦いが起きたんだよ。・・・君は……そんな奴らの言い分を聞き入れようとするかい?……いや、無理だよね?・・・君はそんな馬鹿な奴らに屈するような奴ではないはずなんだよ。君はこの世界を生きるために戦うしかないんだよ。それが一番早くに辿り着く方法だと思うよ。……でも、安心して良い。僕がついているから!!!(ドヤ顔
「……(何で神様はこんな事を言えるんだろうか……。)」と思ったので俺は神様に理由を聞いたところ、神様はこう返答してきたのだ。(※イメージ映像です)
実は神様にも色々な思惑があったみたいで「人間は本当に自分勝手な考え方をする生き物だ」ということを認識させようっていうことみたいで……。要するに神様が「人間ってのはこういう風に考えていくんだな~……ふむふむ、勉強になりました。……じゃあさ、人間達がそう考えないようにするために……人間達の考え方に楔を打っておけばいいんじゃねぇか!?」と考えたらしく……それで色々と「神の力の使い方を考えていこう」としたらしい。……その結果、神様は人間の思考を誘導し「人間達の考えている思想とは大きく違った思想を持っている人間が生まれる可能性が高くなるようにしたみたいで……そのおかげで神様が考えた通りの結果になったらしい。俺に「君が元居た世界で、争いを望まない人間を探せば、この世界に君が来た時……その人達の役に立てるだろう?」と言われたのである。
俺が自分の考えていたことを神様に話したのだが、何故か神様は俺のことを見ながらニヤついていたのである。
そして「君にその力を与えるよ!頑張れよ!!」と言われてしまったので……仕方なく……その「力」を受け入れることに俺は決めたのだ。すると神様が突然、大きなため息を吐きながら頭を抱えて「あぁぁ……失敗したかな……。でも……僕が思っていた以上にこの子は真面目なんだもん……。う~……やっぱり「あれ」だけは渡したくはないんだよねぇ……。」と言っていたのである。俺がその様子を不思議に思って見つめていると神様は俺に視線を向けて話しかけてきたのだ。
神様が俺のことを気にかけ始めたのは……俺が神様が想像していたよりもずっと強くて……神様が想定していた以上の才能を持って生まれたみたいだったからである。そして「あはは……ごめんね……。君のことを助けてあげられなくて……。本当は僕が何とかできればいいんだけど、この子には絶対に負けちゃいけないって言うか……君には悪いけど、僕の力を分け与えた存在と勝負をして……この子を負かしてほしいんだよねぇ……。それに、君にはまだ時間があるし、今は君に渡したスキルの熟練度を上げてくれればいいからさ。……僕に勝った後に君のお願いを聞くよ。それなら問題ないだろう?」と言われたので、神様との約束として俺は「神様に勝ったら何でも1つ願いを聞いてくれる?」と言ったところ……「うん、僕にできることなら良いよ」と言われたので俺は少し考えることにしたのだ。……それから俺は自分の持っているスキルのEXを取得していくことになった。……神様は神様の都合があるみたいなのである程度までは手伝ってくれたが……それ以上は自分の手でやってくれと言ってきたのである。なので、俺は神様から渡されたEXスキルと……この世界で得たEXスキルの両方を自分で鍛えていくことにしたのだ。しかし……俺は神様の言葉を気にしていて「もしかしたら、神様が俺の力を全部使えなくなるような状況になっているのではないか」と考えていた。神様は俺にこう言ってきていたのだ。
・君が「この世界の全てのEXを揃えるまで僕から力を授かるのは禁止だ!!」と言われたら、君は何もできなくなるだろ?……でも……君がこの世界で生き残るためにはどうしてもEXが必要になってくると思うんだ。
だから……君は今すぐにでも強くなるべきだと思っているよ。だから君が強くなれる機会は出来る限り作ってあげたいし、その力を貸したいと思っているんだよ。
君の考えていることも分かるよ。確かに神様が言った通り、僕は君と「この世界で一緒に戦うことが出来ない立場」だから……君を強くさせるのは厳しい部分もあったりするからね。だけどね……君は知らないかもしれないけど、僕ってば意外と強いからねwwwwwww(キラッ
「……いや、神様が俺に対して言っていることは間違っていないとは思うんだよ。……実際、俺のEXの中で神様に勝てるような力は持っていないし、もしものことを考えて俺は今、こうして頑張っているわけだけど……そもそもの話……俺は神様の力を借りないと生きられないんだよ。」と思いながら俺はステータス画面に表示しているEX一覧を眺めて「これって……どうやって確認したらいいんだよ……。あーもう!!!」と叫びながら俺はベッドの上を転げ回ったのであった。……それからしばらく悩んだ挙句……神様に連絡を入れて確認することにした。……神様はすぐに繋がることが出来た。……どうやら忙しいみたいだったが……神様曰く「え?なんだい?僕に会いたくなったのか?しょうがないな~♪すぐに来てあげるから待っていなさい」と、かなり嬉しそうな感じで言われたのであった。……なんか俺のテンションが下がっていく一方だわ。
「……あの、すみませんが神様に質問したいことがあるのですが、よろしかったでしょうか?(……なんでそんなウザイノリなんですかね……。神様のイメージが崩壊しまくっているんですけど……。)」
「はいよっ!!何でも聞いて良いぞい!!この僕に答えられる内容だったらいいな!!あ、そういえば、僕も君に伝えないといけないことがあったんだったよ。……僕と会話できるのは今日が最終日になるから、今のうちに言っておかないと駄目だから伝えておくけど……実はね、君は「転生」する際に僕から3つのプレゼントを渡したんだけどね……その3つ目のプレゼントをそろそろ渡さないと思っていてね……明日の早朝に渡すことにするね。それでなんだけど、明日から君の修行を手伝いに行ってもいいかな?」という話を持ち掛けられた。
正直な話をすれば……「はいよっ!!じゃねぇぇよ!!神様は暇なのか!?俺の相手をするより仕事しろやゴラァ!!!」という気持ちしかなかったのだが……。俺は神様にこう言ったのである。(※イメージ画像です)……実は神様に相談したいことがありまして、ちょっとお時間を頂いても大丈夫ですか?……「おう!なんだい?そんなに改まって。何か悩み事かい?まぁ、この神である僕がなんでも答えてやろうじゃないか!!」……では遠慮なく言わせていただきますね。・・・俺の目の前に居る自称「神様」は何者なのですか……って話になると思うんだけど……ぶっちゃけ俺、神様の名前すら知らないんですよ。……本当に申し訳ないんですけど教えてくれませんか?・・・まぁ、こんなの嘘なんだけどな!!・・・本当の理由は単純に興味があっただけである。……何故神様は俺のことを気にかけてくれているのか、それが知りたかったのだった。神様から返答が返ってきた。
・神様の名前は教えてもらえなかった。・俺の目の前に立っている自称「神様」の姿を見た時に、一瞬だけではあるが違和感のようなものを感じたのだが、それは俺が神様のステータスを視てしまったからだと言うことを教えてもらったのである。ちなみに、俺の鑑定の瞳で「神」の情報を覗くことはできないようだが、その情報の一部を見ることが出来るようになった。・・・これはどういうことかというと、神様に俺の能力のことやスキルについて詳しく聞かれるのを避けるために俺は「……神様って何歳くらいなの?見た目が若いからよく分からない」と言ったのだ。そうしたところ「僕の年齢は秘密だなぁ。ふむ……そうだな……あと300年くらいかな」と言われたので俺は神様の年齢を予想することにしたのである。……そして俺は「へ~、300歳のお爺ちゃんなんだぁ……」と素直に口にしたところ……「あ、それ言っちゃダメだなぁ……。」と言われて……「ご、誤魔化せたと思ったのになぁ……残念だなぁ……(チッ)、……仕方がないな……じゃあ……君がこの先ずっと……僕のことを『お爺ちゃん』って呼んでも良いって言うんだったら……特別に君にだけは……君の師匠になった証として……名前を教えてあげようじゃないのさ」と言われたので俺はその提案を受け入れたのである。その後、俺が考えていた通り神様の名前がバレてしまいそうになった瞬間があり俺は咄嵯の判断で「はいっ!!わかりました。俺だけの……神様のお名前をお呼びしていいっていう許可ですね!!」と俺にしては珍しく機転の利いた返しをすることに成功して、そのやり取りの後、俺は神様から俺だけに許されていた特別な「呼び名」を聞くことが出来たのである。そして最後に神様と握手をしたところで、再び俺の意識は徐々に遠くなっていく……。
そして次の日の朝を迎えていた。目が覚めた後に神様の声を思い出していた俺は、「あの人は絶対にどこかズレているよなぁ……うんうん……。でもそういう意味不明な所が……逆に面白い人だったりするんだよな……。ってか、あれってマジな話しだったのだろうか……あー気になって寝れなくなったじゃんかよ……。」と思いながら神様との最後の会話を思い出す……。
(「君も僕に会えなくなって寂しいだろ?ほらほら~♪こっちおいでぇ……(ニヤニヤ)」
「あはは……。それは無いよ。それじゃ……バイバイ神様。元気でね」
「あははは……それは無いわ。うん。さすがに無いね」
俺は神様からもらった三つの贈り物の確認をして、神様に頼んだ通りにEX一覧にEXを追加してくれるようにお願いしたのだ。すると……「君ってさ、僕に対して少し冷たいんじゃないかな?」と言われたので、俺は「そんなことはないよ。神様が優しいのを知っているから、その分……優しくしてくれてるんだよ。神様は本当はすごく良い人だからさ。」と言って俺は笑ったのだ。
神様から貰った3つ目の特典については……「神剣ムラマサ」の固有能力とEXで「無限収納」を手に入れたのである。
まず最初に俺は【多重思考】で俺の中の皆と話し合ってから俺が考えたことを話していった。……神様の「神力」「神の加護」の話をしていて、神様の「ステータス偽装機能」を俺にも使えるようになることは出来ないか?と考えたのである。
結論から言えば……「可能だね」と、言われたのだが……この世界の理を書き換える必要があるために俺の場合は時間がかかるらしい。そこで神様は時間稼ぎのために神様の力でも干渉が難しい「世界の理の境界線付近」にある世界に一時的に俺を送って「そこで自分の存在を強化する修行をしてもらいたいんだ。」ということなのだ。その世界での時間は現実世界で経過した時間に変換されるらしくて「その世界で1ヶ月過ごせば君の存在は10倍ほど強化されて、こちらに戻って来ることができるよ。……まぁ、この話は君には内緒だけどね。」と神様に伝えられた。……つまりは「神の力」を使ってこの世界から脱出する方法を教えてもらったわけである。
神様からの提案を受け入れてから神様はすぐに実行に移したみたいだった。「僕からプレゼントした3つ目の特典」によって俺は「神の世界」に行くことが出来るみたいだった。その力を手に入れることで俺は【異世界転移・改+2 LV.5/1000】の効果を得ることが出来た。【時を刻まぬ箱庭の館】というEXは【異世界転移・改】というEXに変化させて、【異世界言語理解】を【超翻訳】に【全ステータスUP(小)】はステータス一覧を表示させることにした。……そうすることで【時を刻まぬ箱庭の館】を呼び出してもすぐに消えてしまうことはなくなったからである。また……ステータスを確認する際にEX一覧が表示されるようになり、そこに表示されているものを確認できるようになったのだ。
「うーん……。神様から渡されたEXの中で神様の力が干渉できるEX一覧はないか……調べられないかやってみるか……」
「あー……無理だよぉ。僕の神力は万能なのよww……って言っても君は納得しないだろうしなぁ……。んーじゃあさ……とりあえず「僕のお力をお貸しします!!」って思いながら発動してみてくんない?」と言われたので言われた通りに試してみると「おっ!?」と思う現象が発生した。「……なんだ?これは……。あぁ……俺の中になんか力が入ってきたぞ……なんだ?これが神様の「力」なのか??」……その感覚を覚えてからは……俺の中には様々な情報が浮かんできたのであった。
それからというもの……神様は暇を持て余しているのかどうかわからないが俺の前に現れる回数が増えてきた。そして俺が神界に呼び出されることも少なくなかった。そして、神界での俺の生活は基本的に神様と一緒にいることが多かったのである。神様が言っていた「君を鍛えるため」という目的の為に一緒に行動することになっていた。しかし……この神界の中だけでの修行はどうやら不完全だと思われているような感じがあった。それは……「もっと広い場所で君の実力を見ないと分からないことがあるよね?というより……僕はね……もっと色々と経験をして欲しいと思っているのよ。だってね……今の君は本当に弱いからねぇ……。まぁ、その弱さが……人間の強さだとも思ってもいるけどね……。……ってか僕、結構心配してるのよ。あ、このこと、君だけには伝えておくね……。」
「あぁ……なる程。それでか……。俺と会う時にいつもニコニコと嬉しそうな笑顔をしていると思ったら……。神様がそんなことを思っていたなんて意外だなぁ……」
俺は「ありがとう神様!!神様のお陰で色々な事を知ることが出来たし!!感謝しかないぜ!!」と言うと神様は顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。
俺はそんなやりとりがあって、それからしばらく神様との修行を続けていた。その中で分かったことといえば「やっぱり俺はまだまだ成長途中なんだなぁ……。」と実感させられたのである。神様からは俺の成長に合わせて少しずつ難易度の高い試練が出されるようになっていたのだった。ちなみに、俺の身体が壊れないようにする配慮もあってなのか「痛みは最小限に抑えるようにしてあるよ♪」とのことだったが、それでも死ぬんじゃないか?と思う程のダメージを食らうことがあった。その修行の最中に「俺のステータスの恩恵値の数値が上昇していること」について教えてくれた。ステータスの恩恵値はその人の持つ能力の高さを表すものであり「レベルが上がれば数値が上がるものではない。あくまでも本人の努力で得られるものだから、限界を超えた強さを求めるためにはステータスの恩恵値を上昇させるよりも先に自分の限界まで高めてみるべきだと思うよ。……と、言われて俺は神様に言われるままに「俺の能力の限界」を目指して鍛錬を重ねていく。そして俺は毎日のように死にかけることになるのだが……。神様が言うには全て俺に試練を与えるための行動であり、俺に課せられた「課題」のようなものだと俺は思っている。……俺はそんな風に思うようになったのである。
修行を始めて3ヵ月が過ぎた頃に神様に呼ばれたので会いに行ってみると、そこには見たこともない人が座っていて、俺が「初めまして。神様、この人はどちら様ですか?」と聞いてみる。すると「お、ようやく来たかい!……この子はねぇ……君の妹になるんだよ♪可愛いでしょ?僕が産んだ子なんだから可愛くて当たり前なんだけどね」と笑ったのだ。「……へ?……妹ってなんで……神様は俺に隠し子を産んでいたの?ってか誰の子?俺、初耳ですよ!!」
と驚いて神様を見たのである。「あはは……そうだっけ?いやまぁそんなのどっちでもいいじゃんかぁ……細かい事は気にしないのさぁ……(ニヤニヤ)」
「えぇぇ……。それ、すごく大事なことだと思いますよ。ってか神様、俺って……子供いたんですか!!いつの間に?!」
「うんうん。そうだろうね。でも、この子が君の娘じゃないってのは本当の話なんだよ。あ、この子はねぇ君と同じように神様から贈り物を貰えることになったから、その話をしに来たんだ♪……でね、僕と神様とで相談した結果……この子は僕の力の結晶みたいなもので……これから僕の後継者になってもらうことになったのさ」
と神様から聞かされて、俺は驚いたのである。そして俺が質問する前に俺の考えていることが分かったのか神様が口を開いたのである。「僕って実は神様の中では「大先輩」に当たるのよね。君も薄々は気づいていたとは思うけど、僕は今代の「最高神」とまでは行かないけれどね……君たちでいう所の……『神王』の位に就いてるんだ。……だから……「僕の後継者として相応しい」と判断したこの子の力を僕の分身に託すことにしようと思うんだ」と言われて……俺が神様に聞きたいことを全部答えられた。そして神様に「この子と話してごらん?」と神様に言われた俺は……この少女の前に立ち……自己紹介をすることにする。
「えっと……君の名前はなんていうのかな?」と俺から聞いたのだが、神様から俺に対して……この子は女の子だと告げられていたために緊張してしまう。そして少女は俺の顔を見ながら「私には名前がないの」と答えた。
それから少し会話をした俺達はお互いに名前を考えてつけることにして……俺は少女に向かってこう名乗ったのだ。
「じゃあね……この世界に名前をつけるとしたら「ミユキ」が良いな。君は雪みたいに真っ白な肌の色をしているからさ。……それとね……俺にも「シンタロウ」っていう変わった名前の兄ちゃんがいるから……お互い「ミユキ」と「シン」だな……。よろしくな。」と言って右手を出した。すると「うん。よろしくね。お兄さん。」と言って俺の手を握り返したのである。こうして俺は神様の後継者と出会って、新しい人生を歩むことになったのだ。神様の後継者の能力は「全ての神の力を扱える」らしいが神様から説明を受けていなかったために俺はその能力を使うことはできなかった。
神様の後継者「ミサ」と仲良くなった後に俺達2人で神様に呼び出された俺は2人揃って「俺がここに来ても良いんでしょうか?」という質問をぶつけると神様は俺達が来てくれるのが嬉しいみたいで「全然問題ないよん♪」と答えてくれた。
神様の後継者である「ミサ」に会った日からしばらくして神様は俺にこう言ってくれたのである。「シン、君がこの世界にいることは……僕の力で隠している。でもね、それはあくまでも「僕の力が及ばないところでは……」という条件がつくのだよ。例えば……神の力を持った存在に「神眼」を使われると君のことがバレてしまう恐れがあるんだ。そういう訳だから、その力を身につけるまでは……あまり派手に動き回らない方が良いと思うよ。」という神様の言葉に俺は、自分が「転生した先の世界」で生きていく為に「神様の力を借りること」が必要不可欠なのかもしれないと考えさせられる出来事であった。「うーむ……神様はそう言っているけれども、具体的にどういう状況になるとダメなんだろうな……。」と考えるが分からなかったので「分かりました」と答えることにした。
「うーん……そうなると……「力を隠し通せる方法」「俺の存在が神界から完全に消え去れるような方法があるかどうか」……を調べておく必要があるよなぁ……。うーん……あ!そうだ……あれを使えば良いかも!!」と思いつき、「あれ」というのは神様がくれたスキルのことなのであるが……そのスキルの「効果」を発動させるためには【超翻訳】が必要になるのだが……神様に相談したら神様はすぐに「いいよ」と笑顔で答えてくれて【超翻訳】は俺が欲しいと思う言葉にしてくれるのだった。
(俺、神様に感謝しないといけないよな……。)
それから数日後…… 俺は早速、行動に移す。まず、神界に行く準備を整えるために【時を刻まぬ箱庭の館+無限の魔導士杖・黒龍刀 小太刀 月夜桜(ツクヨノカザグルマ コダチ ツキヤサクラ)】を装備し、神様にお願いをして神界へ行くことの許可を得る。その日、俺は神界へと行くことになったのである。
ちなみに、その前に【時間逆行 レベルMAX 転移術(時空の狭間限定)
EX版(1日に1回まで発動可、発動するとその1日の時間を巻き戻すことが出来る)※EXは使用回数制限あり】を使って時間を戻しておくことにした。そして、神界に行ってからの数日間は神様と色々と話し合った結果「俺は自分のことを「シン」と呼べ」と言われたので俺はそうすることにし、この異世界では神様の後継者のことを「神様の後継ぎ」と呼ぶことにしたのである。
俺のステータスを確認すると…… *******
***
名称:?????
種族名:武闘魔神 称号
「最強を目指す者」
性別:男性
年齢:15歳 LV 1 生命力 1000000/100000 魔力 100000/100000 筋力 25000 敏捷 56000 体力 37000 知力 89000 ▲装備??? 神速の衣武器:黒竜の刀(鞘付、抜刀状態では刃がなくなる)、月夜の短剣
防具:龍王の盾 装飾 ◆ 神界の神様はいつも通りの服装で俺を出迎えてくれた。ちなみに神様は神界の自分専用の屋敷に住んでいるようで、その中に入ると大きな広間があり……そこには沢山の神が待っていた。その中には…… 俺の目の前にいるのが「天上神 ゼクス様」であり、俺が会いに来た「創世の神々」の筆頭である。神様曰く「僕はこの世の始まりと終わりの全てを創造することができる。……つまり、僕に出来ないことは何も無いのさ!」とのことだ。そして俺に「僕の分身」となる少女を預けている張本人でもある。そして俺は、神様から自分のステータスを確認した時に気になったことがあるので質問してみると、神様にこう返されるのである。「僕の後継者であるミサは……僕と同じ能力を有しているのさ♪……だから僕の分身の「ステータス」と君が持つステータスを比較すると「僕よりも能力が高い」ということにもなるので、そこは注意しといて欲しいかな?」と神様から言われてしまった。
「……なるほど……神様はそんな風に思っていたんですね。分かりました、覚えておきますね」と俺が答えると神様は「うん。じゃあ後は、頑張ってきてねぇ~♪」と言って、どこかに行っちゃった……。え?えぇぇ!?それだけですか??もっとなんかアドバイスとかあるかと思ったんだけど……そう思いながらも神様が座っていた席の前の椅子に座っていた俺は「この子は君の娘じゃない」という神様の発言を思い出しながら「この子の父親ってどんな奴なんだろ……?」と考えていたのである。
神様が俺を送り出した場所は俺がいた世界では無いのだが、地球で俺が住んでいた場所と酷似している。……と言うか俺の記憶から作られたような感じなのだ。俺が最初に見たときは驚いたのだが、この空間は俺が知っている場所によく似ているだけらしい。そしてこの場所で修行することになっている。……それから神様の後継者であるミサのところへ俺が行った時のミサの姿はとても小さくなっており……とてもじゃないけど、まだ喋ることが出来なかったようだ。俺が来たことにも驚いていて俺に話しかけてきた。
「……うぁうあう」
と……俺の耳にはそう聞こえたのだったが……どうやらミサが何かを話したそうだったので俺はミサの話を聞いてみる。
「……あのぉ。私と話をしてくれませんかぁ。……私……お父さんの言う通り……ずっと……ずーっと……お兄さんが来るの待ってました……。でもね……全然来なくて……私……お兄さんと話がしたかったんです。」と言ってくれた。
それを聞いた俺はミサを抱きかかえて……頭を撫でることにする。「そっかぁ……ごめんな……寂しかったんだね……。もうすぐ君のお父ちゃんがここに来るはず……だからね、それまでの間は俺と一緒だから安心して良いんだよ。それに……俺の名前は……「ミユキ」だよ」と言って俺はミサを優しく抱き締めてあげたのである。
「おにいさんは、どうして私のことを……だっこしてくれたのかな?」と俺に抱かれていたミサは不思議そうな顔をして俺を見つめる。そして俺は「俺は、君と……ミサちゃんと友達になりたかったんだ。俺も……1人だったら……こんな広いところに居たくないもんな……」と答え、ミサの頭をなで続けてあげる。それから俺と神様の後継ぎの「ミサ」の出会いによって神様の後継者であるミサとの友情関係が生まれたのだ。ミサには、まず【偽装】と【錬金調合】と【鍛冶職人】と【料理人の心得Ex】を教えることにした。……俺はこの4つを教える際に……「ミサ……君はまだ小さいからな。無理はしないで良いぞ?」と俺が心配になって声をかけると……ミサは俺の顔を見て「お兄さん。私は……大丈夫ですよ」と言った後に笑顔を見せて俺を元気付けてくれる。その姿を見て俺も頑張ろうと思えた。ミサの笑顔は本当に可愛いらしく……そのミサの可愛さに俺は癒されつつ……俺自身もやる気が出るのだった。
ミサの年齢的にまだ幼いということもあるのだが……ミサが物分かりが良いこともあり俺の【偽装】スキルで俺の正体が「ミサの父親である神様」だとミサに認識させてあげて【隠蔽工作】でミサの父親である「ゼクス」の「職業」である【武闘神】と【賢人神】は消してあるのだが……それ以外のスキルはそのままである。【錬金錬金術師】【鍛冶技術者】と【薬師の素質】【料理上手の素質】を「教えやすいもの」を教えていくようにしている。そして……「錬成士」や「鍛冶職人」は「神の使徒の証」が無ければ、これらの職に就くことが難しくなっているからだ。「神の使徒の証明は神様が持っているから……ミサには「これを持っておくように」と神様が渡していたよ」という神様から貰ったネックレスがある為、ミサはそれを首からかけてもらう事にした。……ミサは、このネックレスを嬉しそうにして受け取ってくれる。ミサは俺の「友達になりたい」という思いに応えてくれていて、俺は嬉しくなったのである。
こうして俺が神界に行くと…… 神様に会って色々な説明を受けた後に「俺は、これからは……「ミサ」に【剣術の才能 EX版】を使って【刀の極み(刀剣)】と【槍の極み(長柄)】の使い方と技を教えたりするから」と言われて、早速……俺は自分の娘に剣の師匠となることを告げたのである。
それから、神様から色々と話を聞きながら俺は「ミサの【武闘魔神】としての能力を向上させる為に、どんな訓練をして行けばいいのか?」を神様に質問したところ、「【超高速戦闘】をまず習得してもらおうかな。これは、【武闘魔神】の基本的な力になるからねぇ。まずはこれを習得してもらう。そして、その後に「魔法戦士(マジックナイト)」という【武闘魔神】が取得出来る上級職を習得してもらうことになるよ。……まぁ、「魔法の天才 」っていうスキルを持っている君は【超加速 EX版】を既に習得していると思うけど……それはあくまでも一時的なものであって永続的なものではないからねぇ。その点は気をつけておいて欲しい。それから……「魔眼」のことも神様から少しは聞かされているとは思うんだけど、それを全て理解するには……やっぱり時間がかかると思う。だから……最初は「魔眼」を使うよりも普通に使うことに集中してもらった方が良いと思っていて、その為にも「超スピード」や「敏捷」などの「素早さ」系の能力を上げることで動きを早くする方が先決だと思っているからさぁ。それと、この「刀」や「槍」といった武器の扱いについては「僕が直々に手解きをする」ということになっているから、そこも覚えておくといい。じゃあよろしく頼むよ」
「わかりました。神様。これからはよろしくお願いします。」「うんじゃあ僕はこれで失礼するねぇ」
と言って神様はどこかに行ってしまった……。……神様がどこかに消えたので俺のところには、また新しい神様が俺を迎えに来てくれていたようだ。
その人は、どうやら女性のようで見た目は神様と同じように若々しい容姿をしているが、どう見ても10代前半にしか見えない外見なので、とても神様の後継者という感じはしない。この子は、ミサの妹の「リリス・エル」という名前で年齢は「8歳」である。
「お兄ちゃん!こんにちは♪今日から私も、お兄ちゃんと一緒に神様のお仕事を手伝うからよろしくね♪」と俺に対してとても元気の良い声で言ってきた。俺は、神様の後継者でこの子のことは良く知っていたので、ミサと同じく優しく抱きしめて頭をなでなでしながら
「分かった。これからも仲良くしような♪」「うん!」と言って俺はミサの時のように、リリスにもネックレスを渡してあげた。そして、リリスには 【錬金の才 】
【鍛治の匠 】と俺と同じ【調合士の極意】
と「神の加護」と俺が知っている限りの「スキル」を教えることにしたのである。
そして、神様のところに修行にきた初日はミサに教えることを優先したい気持ちがあったから、あまり時間が無いこともあって俺はすぐに帰ることにしたのである。ミサに修行内容を伝える時に、俺は「修行を始めてすぐに……俺はここにいない時もある。そんな時はミサだけで頑張ってもらう必要があるかもしれないが大丈夫かな?」と言うと、ミサは俺の心配を払拭するように「私は……お兄さんが戻って来た時に少しでも成長していたら……お兄さんが褒めてくれるかな……って……そう思ったんです。だから……私……一生懸命頑張りますね。だからお兄さん……頑張って来てくださいね♪」と言って俺を笑顔で送り出してくれた。
それから神様に「俺がミサに【技能伝授】で与えた【料理】スキルと【錬金錬金術】の能力を……ミサにも神様にやってもらって欲しいんだけど……」と言ったら
「了解した。じゃあ……ちょっとこっちにおいで」と言われたのである。俺は「はい。分かりました」と答えた。俺は「神の空間 」の中にあったテーブル席に着くと俺は、そこで座って待っているように神様に命じられる。それから俺の目の前には俺とミサが食べたことのある「お菓子」が置いてある。「……おやつにしようかね」と言って俺は神様の言う通りに食べているのだった。そして一通り、食べることが出来た俺は「ごちそうさまでした。美味しかったです。ところで……このお菓子って何でしょうか?」と言ったところ
「おやつは、この「ケーキ」という食べ物だよ。ミユキ君の世界には無かったものだね。ちなみにこの「お茶」という飲み物は……君の世界でいう「紅茶」のようなものだと考えてもらえればいいよ。「ティー」は違うけれど……。この「お湯」も君の世界にはなかったね。だから……ミユキ君の世界の人たちにとって……「紅茶」と「お湯」を飲むというのは珍しいことだね。……この二つはこの世界ではかなりメジャーなものだよ。」と説明してくれる神様に俺も同意するのであった。
そして、それから神様が俺と向かい合うように座り俺の手を掴んでから神様は何かをし始めたのである。
それから数分が経つと神様は俺から離れて「今、君に与えた【料理】や【錬金錬金術】の能力やレベルを上げたから……ミサちゃんに伝えておくれ。それで良いかな?」と言われてしまう。俺は、いきなりのことすぎて驚いたが……とりあえず神様に感謝を伝えた後に「はい。分かりました。ありがとうございます。」と返事をしたのだった。それから神様は俺のステータスを見てくれる。……俺は【鑑定の瞳】という神器によって見れるようになった能力で自分や他人を見ることができるので……
『名前: 天城典二 L V. 21(+1)
魔力
:410050
(+500000)
物理耐久力:500301
(+1000997+100000)
魔法持久力:504031
(+2000099 +151500)
最大敏捷値:2569011
(+26000963 173500)
特技(才能)
【解析】・【分析】・【看破】・【剣術適性SSS】・【棒術適性A】
特殊技能・魔法適正 火属性B・風魔法E・土魔法C・水魔法F 回復魔法G・闇魔法F・神聖魔法D 状態変化魔法D スキル
・【体力強化LV5 EX版 MAX】
・【瞬歩 LV5 EX版 MAX】
スキル効果(1)【身体超化】【身体能力超向上EX版】
スキル効果(2)・(隠し効果あり 詳細不明 説明省略 隠し追加技能付与機能付き 称号神の使徒(神格級経験値取得補正(大中)5異世界転移者(異界渡りの勇者(魔族特化型(魔人族以外討伐時ボーナス経験上昇)魔人族討伐時全能力大幅アップ(極大ただし、人族は除く神からの贈り物自動発動(アクティブ隠蔽能力有)神の導き(強制行動神の加護(常時隠匿)強制進化(可能神の呪い(封印中)神の祝福(能力不足により未開放)【?の祝福】(使用可能レベルに達するまで使用不可。使用後、強制的に解放される(期限なし。任意解除可能)』
・固有スキル【超高速戦闘】(武術系最上級職「武闘魔神」が使える究極の戦闘技及び特殊能力(EX・創限定 オリジナルスキルは対象外
「EX・創」にて開発可能。EXスキルに【超加速】があるものはこのEX・【超加速】が上位版にバージョンアップされています。
・通常スキル【刀の極み】(刀剣系最高クラススキル【刀鍛冶】・【錬金鍛治】・【槍匠】などの上級スキルを統合したもの。統合しているので上級以上の全てのスキルは、EX版のランクとなる。また、このスキルを使用するためには……【錬金錬成 錬金合成】を習得している必要がある。【魔導の天才】の効果でもこの効果は有効となる この能力には、【魔眼】が必要。「超速錬成 超加速」などの「高速錬成」、「超高速錬成 超高圧縮」などがあります。また、通常の武器の攻撃力に「+10万」が付与される。また「超超超高圧縮」などが可能になります。さらに、魔剣・聖剣を作成することが可能 魔石やアイテムを合成することも可能。ただし、【魔眼】が必要なので使用することは出来ません
・特殊技能【武神の申し子】(「武闘魔神」専用。EX版ではないため「神の導き」による強制習得は出来ないが、自分で習得できる 熟練度に応じて、ステータスの大幅な増加が可能だが……まだ習得できていない為、数値が表示されているだけ EX版でないので……このスキルの熟練度が上がってもステータスが上昇することは無いが、その能力は強力。また「刀」を扱う際……このスキルは有効になる。
・スキル効果「限界突破」自分の持つステータスの限界値を無効化する。この力は、「限界を超える」「限界を超えろ」といったニュアンスで「努力」「頑張る」「修行」「強くなる」という意味の使い方が出来るのである。また、この力で上昇するとスキルや技能の効果が一時的に上昇するのである。この力を使いこなすには相当の修行が必要である。また、この力が無ければスキルは成長しないため、この力を持つことが成長への第一歩となるのである。
「えっ……!? な、何これ……」
俺は神様の説明を聞いて驚くばかりだ……。だって「チート過ぎるスキル」「チート」「無双」と言われる類のものの塊だから……。しかも「EX」とか付いているのだ。それに神様からもらった称号には……「神格」がついていた……。つまり俺は「神様の後継者」になっているという事なんだけど……俺は「神格1」なので神様から貰った能力よりも「格下」になってしまっているわけだから……。
そして俺に与えられた「チートスキルと最強スキルと超強い称号のセット」なんだけど……。……俺、今までにこんな凄いものを貰えたことは無かったので……とても興奮して嬉しかったのである。ただ……ちょっと俺にはまだ理解が追いついてないというか、あまりの出来事過ぎて……ちょっと冷静になれなかったから……俺は一旦落ち着いて考えるために少し時間を置いて、この事実を受け入れようと思ったのだった。そしてそれから俺は「俺がミサに教えて欲しいこと……【料理】と【錬金術】について、リリスに説明した。
リリスもミサと同じように【技能伝授】を受けてもらいたいと言ったのだが…… 【技能伝授】の「スキル」に関しては……俺と同じ職業でないと伝授できないらしい。……だから……俺のスキルをリリスに伝授してもらう為には、俺の持っているスキルの中で、【錬金術】だけは「神の使徒」としての称号を持っている「勇者」であるミサだけに「神の試練」を乗り越えること……【錬金錬生】【錬金鍛治】【錬造鍛冶】【練磨鍛治】を会得することが前提となっているので……リリスには伝授ができないと言われたのだった。俺は「そう……ですか」と答えてからリリスには、ミサから【錬成 】や【調合 】、そしてこの「異世界転生」をする前の「元いた世界」の知識を教えてもらえば良いんじゃないかと言ってみたら……リリスは「そうね……。分かったわ。」と納得してくれていた。それで……それから俺と神様はミサに【技能継承】を行い、神様に俺が貰った【技能伝承】の能力を俺の分と神様の分の2つとも、神様と俺に譲渡してくれることになったのであった。それから俺は……ミサに【魔力譲渡】の能力を使ってから、俺とミサが共有している能力の1つである、神様に作ってもらって俺達が元々所有していたアイテムを収納している「アイテムボックスの中」の中身を取り出してもらった後に整理したり…… あとはこの世界に来ているかもしれない俺たちをこちらの世界へ連れてきてくれた神様の仲間を探すために情報収集をする事を提案したりしたんだ。……だけどそんな事を考えている間に急展開が起こってしまった!まずはこの世界へと来る前に確認したように神様や仲間たちとは連絡を取ることができなくなったみたいだが……それはいいんだが、次に気になったのは、さっきステータスを確認していて気になったことがあったからだ 【状態変化】や【身体超化】のレベルが上がっていたことは問題ないと思うんだけど……【超加速】が「EX」になっていたのは、神様から「武神の申し子」と称号が授与されていたのでそれで上昇したのだろう。……それで「魔剣 炎帝刀・極」の特殊効果と特殊能力で新しく解放された能力を見てみると……「超絶神速移動」や「超超超加速」というものが新能力で増えていた これは……この能力を使用していないのに、いつの間にかレベルが上がっていて「超超高速戦闘」や「身体超化 」で強化されている身体能力のおかげで、発動しているのに気付かず無意識に発動させている可能性があるから、この力の検証はこれから行うつもりだ また「スキル EX」となっていた特殊能力【絶対鑑定】のレベルは3に上がらなかった。なぜなら【解析の瞳】の能力もレベルが上がっているから鑑定能力が向上したおかげだ。……あとは【全魔法完全耐性】【全状態異常完全無効】の能力は発動していなかったけど……どうなっているのかわからない。まぁ発動するとしたら多用しない方が良いかな。
それと新しいスキルも追加されていていたので、それを鑑定していく 《神格4》
「神眼」・神界と現世を自由に出入りできる
・神の眷属
・神族と神獣を従えることが出来る(神格×従える数=従属可能
※現在 【神獣召喚】のみ使用可。)
「超加速」・・・自身の動きを完全に認識する事が出来る
・神速の動きを可能にする(超超高速)・身体能力大幅上昇(超極大)
「身体超化」・・・身体能力超上昇
・限界を超える
・己の力をコントロールする事ができる(超限界突破)・スキル
「超超超超高圧縮」・・・物の大きさ・体積を変化させることが可能。また、形そのものを変えることも可能。また超圧縮
「武闘魔神」・・・武術を極め極めた者に贈られる最高ランクの称号
・武を極めた存在・武神の称号 【全言語解読】・全て言葉を理解する事が可能となる。(自動通訳機能付き)・全ての文字を理解して書く事も可能となる
・この世界で生きていく上で、役に立つと思われる 【自動防御】・・・常時自動で結界を発動 【転移】・・・空間を繋ぐ扉を開き移動する。(対象は自分・生物以外・無機質でも指定可能・回数無制限
・場所の指定が可能。ただし一度行った場所でないと行けない)
・距離の計測が必要なくなる
「創造錬成」・素材さえあればなんでも作り出すことができる
「創」・物質を作り出す事が出来る。
「超高速思考」・通常の何倍ものスピードで物事を考え判断できるようになる。
「多重意思」・通常時5つの意思を並列させることが出来る
「精神完全制御」・精神を安定させ心を乱さないようにする(通常状態:ON 非常時にOFF
・冷静に行動する事が出来る
・感情的にならないように出来る(通常状態:ON 緊急時にオフにする
・平常心を保つ事が出来る
・動揺しなくなり慌てることがない(通常状態でも使用可能(ON/OFF切替可能)緊急時にオンにする これが神様から与えられた新たな力なんだけど……俺が貰ったスキルの中で【剣術】は俺の元々の職業でもあるし……今の状態での職業が……「侍」なのでそのまま使えて嬉しい。
「魔剣」と「聖剣」に関しても【魔眼】があるので、普通に使えそうなんだけど…… そして「刀」は【刀の極み】の効果なのか……使い慣れてきたせいか、凄く扱いやすくなってきていて凄い助かる。【武闘家】と【侍】に関しては……今までに手に入れたスキルの恩恵もあるから凄い助かった それから俺達は情報集めをする前に「神の試練場」に行ってみることに……そこでなら、神様の仲間がいるかどうか確認することができると思ったからだ。神様によると、試練を受ける条件を満たせば神様の許可無しに試練を受けることが出来るらしいので俺は早速行く事にしたのである。
「それじゃあ……行ってきますね。神様、リリス、俺がいない間ミサの面倒を見てくれませんか?」
俺はリリス達と一緒に居間で座っていたミサにそう言ってから、神様を連れて「神の試練場」へと向かった。ちなみに「神具 」は全て俺が所持しているのだが、「スキル」の方は【アイテム収納庫】に入れているため問題はない
「神格」が上がる前と違って……俺が持っているアイテムは「神界への転送装置」が使えるようになっていたので、【収納】から出し入れすることが出来ていた 俺達が「神具 」の1つである「天翼」の背に乗って「神の試練場」へ向うと……そこには「人神 アルティナ 様 」が待っていてくれた
「よく来ましたね……アキナ殿。あなたには私の加護と私と同じような力があります。だからあなたの力を見せてもらいたいと思っていました。私はいつでも見ていますよ。……頑張ってくださいね。応援しています。それからこの「魔核石」を使って、魔物を倒して強くなってくださいね。……それでは行きましょう」
そう言うと……俺に話しかけてきてくれた神様が手を振ると、目の前に門が現れたのだった。その門の先へ進んでいくと、俺と神様以外の人は全員いなくなった
「あの……俺と神様だけで戦うんですかね?……それにしては……周りはただの草原ですよ。」
「大丈夫です。ここは神域と呼ばれる神の世界。他の人達には干渉されない空間なのです。ここならば、全力で戦えますよね。」
「そうですね。俺はここで神様と戦った方がいいかもしれませんね」
そう言い終わると同時に、俺は【錬成】と【錬金術】と【魔法付与】を同時に使う。【魔法付与】を使うのは初めてだが、イメージは頭の中にしっかりと出来ているので……魔力で出来た「錬金釜」の容量を増やすことに集中すると……。「魔錬金釜」の大きさが「魔鋼」で作った時と同じくらいまで大きくなり……魔力の注ぎ込みが止まる気配がない。そして魔力で錬金釜を作り上げる。そして、俺は【魔力感知】を使い神様の反応を見るが……。反応が無い 俺は、神様の「ステータスプレート」を複製していたので、俺は神様を鑑定する事が出来なかったが……。【解析の瞳】の【鑑定★MAX】の能力で神様のステータスを確認する
「スキル 神眼 神速 武技 全属性魔法完全耐性」
俺は神様が「全属性魔法完全耐性」を持っていても不思議じゃないと考えていたので驚きはしなかったが、それよりも「神眼」の能力で見たステータスの方が気になっていた。
《スキル説明 【超神眼】》……【鑑定】や【分析】よりも詳しく見る事が出来きる能力……対象の人物の詳細を知ることが出来る。【限界突破】・【無詠唱】・【多重意思】・【限界超越】など 【超加速】・・・自身の速さを上昇させる。【神速】の強化版。(EX)【超超加速 EX 】
【身体超化】・・・自身の身体能力を超上昇させる。限界を超える
(EX)
この2つの特殊能力に目を奪われた。俺の持つ【超高速思考】の上位互換のような感じなのだが……【神眼】によってさらに詳しい情報を手に入れる事に成功することが出来たのだ 《【神眼 EX 】
》・【超超高速思考】【超超高速処理】【神速】【超限界突破】などの上位版の超高速思考を持つことができるようになる。【限界超越 】により全ての制限を解除する事が出来る(限界を超えた速度で動き、考え行動することが出来る。また【超高速思考】が常時発動されているので思考速度が超高速となり通常の速度の100倍以上の思考が可能)。また【超高速思考】【限界突破】・【限界超え】・【超神速 】【限界超速】のスキルが統合されて【神眼 EX】になる。
・【多重人格】の最上位スキル【多面精神】を得ることが出来る(多重存在の更に上のスキル。1体から複数体を任意に増やすことが可能。しかし意識は一つのみ)。また、自分の姿を別のものに偽装する事が出来る
・「スキル・称号」の獲得確率を大幅に増加させることができる。ただし取得しても使えない場合が多い(【超幸運】の効果が重複される。【全言語翻訳】は【スキル統合(スキル融合)】・【スキル譲渡(コピー&貼り付け)】・【スキル昇華(スロットイン)】という特殊な使い方をすることで効果を発揮)
・【限界突破】の派生スキル【無限成長】を獲得することが出来る。
・「スキル」の熟練度を100%以上に上げ、その数に応じて【全知全能の神力 】を自動で使用する事ができる。
この二つの特殊過ぎる特殊能力が、神様を神様たらしめていたものだった。
「……さすがに……これだけはどうにも出来ないかもしれないけど……やってやるしかないな」
俺は神様の圧倒的な強さを感じながら、【神眼 】と【創造錬成】と【創魔の杖 改(魔装の杖改)】と【魔剣・絶刀 改】の力を発動させた。【限界超越】と【スキル統合(スキル合成)】・【スキル譲渡(コピー&貼りつけ)】・【スキル融合】のスキルを発動させて俺と神様の「固有スキル ユニークスキル エクストラスキル」を1つにまとめあげる。すると「スキル」と「武器」の名前が俺の脳裏に刻まれていき、それを見て確認してから神様を見据えた。
「それではいきますよ。……頑張ってくださいね。」
「はい。神様。……全力でお相手いたします。」
俺はそう言うと……俺は【魔導術式構築 EX】を起動する。神様に勝てるとは思ってはいない。俺の目的は神様から力を貰う事で……倒すことでは無いからだ。神様はそんな俺の考えを読み取ったのか俺に語りかけてくる
「大丈夫ですよ。アキナ殿がどんな力を得ても私を倒す事は出来ませんから……それじゃあ……そろそろいきますよ!『雷光弾』『炎槍』『風刃』!」
神様が放った魔法の威力は俺には理解できなかった。ただ分かったのは俺に向かって放たれたという事だけだ。俺は全て【アイテム収納庫】に入れてあった神界のアイテムで何とかなると考えたのである。まず最初に…… 俺は神様が攻撃する前に、神様の攻撃を無効化できるアイテムを取り出すために【アイテム収納庫】の中を確認してみるが……神様の攻撃が俺に襲い掛かる。……俺は「天翼」に乗って回避するが、それでも回避できずにいた。そこで俺が手にしていたのが、俺の持っていた魔核石を砕いて作り上げた「魔法剣 神具 魔鋼剣+10(魔刀極み)」と魔剣「エクスカリバー+9(聖剣 極み)」だった。
「魔法剣 天叢雲剣」を呼び出してから俺は神様に斬りかかっていくと、神様はそれを軽く防いでから距離をとる。神様は、今度は【魔法付与】を俺に使うようで……俺に魔法を使ってきた。……俺に使った魔法がなんなのかは分からなかったが、その一撃を受けて俺は膝を付くことになる。「……」
俺が何も答えられずにいると……その俺に追い打ちを掛けるように「雷鳴矢」と「氷塊雨」と「嵐壁 」と「火炎渦」と「大水撃 」「疾風刃」と「岩塊落下」を一気に使ってきたので……「魔闘技」を使って俺はそれらの魔法を防ぐことに全てを使ったのだが……。やはり俺では対応出来ず……俺はその場に倒れた 【超加速】で動けるようになった時に俺は神速を使って距離をとろうとしてみたが……【魔纏錬成】を使う事を思いついてそれを使って、神速で移動した後に魔纏錬成で攻撃しようと試みるが……それすら読まれていて……結局……俺の作戦は失敗に終わり……また地面に倒れ込むことになった
「……やっぱり……駄目だ……神様は……強い。俺は弱いなぁ……俺は……こんなに強い人と戦うなんて考えたことも無かったよ」俺はそう言うと……神様が俺の前にやってきて手を差し伸べてくれた
「まだまだ……強くなれます。これからもっと強くなってくださいね。それに……私は「神眼 」や「神器」を持っているアキナ殿よりも強いのです。だから大丈夫ですよ。私が付いていますから。あなたなら強くなれるはずです。頑張りましょうね。私はいつだってあなたの事を応援していますよ。」……俺は神様に肩を貸してもらい立ち上がると……俺は少し考えて……ある事を実行に移す事にしたのであった 《スキル説明 【多重人格】》……多重存在を作り出す事が出来る
・【超加速】・・・自身または他者の動きを速くすることが可能 【神速】の強化版。【超加速】・【超超加速 EX 】
・【身体超化】・・・身体能力を向上させる。【超身体超化】・【限界突破】・【超超身体超化 EX 】
・【多重意思】……分身を生み出す事が出来る。【多重存在 】のさらに上のEX。【多重思考】のEX
・【転移術】・・・自身の魔力の通った経路を通ればどこにでも行くことができる
・「スキル」の獲得確率を大幅に上昇させることができる。ただし取得しても使えない場合がある(【超幸運】の効果が重複される。【全言語翻訳】・【限界突破】は【限界突破 】のスキルに統合される)。
・「スキル」の熟練度を100%以上に上げ、その数に応じて【全知全能の神力 】を自動で使用する事ができる。
(EX)
【超高速思考】……自身の思考速度を上げる。【神速】の強化版。(EX)
【限界突破】……ステータスの数値の限界値を解除する。
【超限界突破】……ステータスの数字の上限を解除することが出来る。【限界超越】の効果を常に受ける(ただし通常時では使えないと思う)。(EX)
《スキル説明 【超超加速】》……自分の思考を早くすることが出来る。また、身体機能を向上させ高速で移動する事が出来る 《スキル EX 》
・【限界超越】・・・ステータス数値を限界値を突破する事が出来る。限界突破のスキルを強化する
・【身体超強化】・・・肉体を強化して身体機能を飛躍的に向上させる
・【高速再生】……傷を負う度に自動で回復し、欠損部がある場合、再生される
・【限界突破】・・・身体能力限界を超えることが出来る。(【神眼 EX】のスキルにより効果上昇)
・【完全耐性】・・・あらゆるダメージに対して自動的に回復する。(自動回復のスキルの上位互換スキル)
・【状態異常無効 EX 】
・【精神攻撃無効 EX 】
・【物理攻撃軽減 EX 】
・【魔術攻撃軽減 EX 】
・【自然影響無効 EX 】
・【呪力攻撃無効化 EX 】
・【精神干渉無効 EX 】
・【超再生】……傷を受けるたびに自動で回復し、体力の1割を消費することで失った体を瞬時に復元することができる。
【限界超え】……スキルの限界値を突破出来るようになる。また全てのスキルは進化してより強力な物になる 【限界超速】……【超超速度 】を任意で発動できるようになる 【限界超限界突破】……スキルの更に上に行くことが出来る 【魔剣使い】・・・【剣王】と【魔剣士】の両方の派生スキルを統合させて得る事ができる 【限界超越】……限界突破の効果をさらに強化したもの
・【魔闘技】……魔力を武器に纏わせて斬撃・刺突を繰り出すことができる 《オリジナルエクストラ ユニークスキル 》
・【魔闘術 EX 】……戦闘時に使用することが出来る魔法 【剣技】と【槍技】と【弓技】と【盾技】と【鞭技】と【格闘術】と【拳技】の派生スキルを統合させて得た。
【神槍の魔導士】……魔槍・神槍を使いこなすことができる 【神斧の魔導師】……魔斧・神斧を使いこなすことが出来る 【魔装の杖の勇者】……「魔装の杖 改」を使いこなす事が出来、魔装の杖改が「魔装」に変化する 【聖装の剣の勇者】……「聖装 改」を扱う事ができ、聖装 改が「聖装」に変化する 【創魔 EX 】……魔法を創り出し、それを使う事ができる
・「アイテム収納庫 」……収納庫に収納する事が出来る
・「無限収納 」……収納している物の時間を経過させる事なく収納できる
「魔力吸収 」……触れている魔力の吸収できる
「全魔法完全耐性 」……「状態異常」にかかりにくくなる
「魔力吸収」で、神様の攻撃を防御しきれず、そのまま神様の魔法を食らって……倒れ込んだ俺を見て神様が話しかけてきた
「大丈夫ですか?ちょっと手荒く行きすぎましたかね?」……俺は「……いや……俺も油断していただけなので……」と言いながら立ち上がる
「まだやれますか?」と聞かれたので……俺は「勿論です!こんなんじゃ全然だめだ!もっと強くならないと……!俺はまだ戦える!さぁ!どんどん俺を強くしてくれ!!」そう言い放っていた。すると……神様は「そうこなくては!」と嬉しそうだった そして俺は神様に頼み、【限界超超速】と【限界超超絶加速】を使わせてもらい、ひたすら攻撃し続けた。その途中で何度も「リリス」が止めようとしてくるが俺は止まらなかった そんな事を繰り返していくと俺が神様に一撃入れられるようになった。しかし、神様はそれでは許さず……俺に攻撃を仕掛けて来るのであった……俺は神様の攻撃を全て避けたあと……神様の背後に回ることが出来た。そこで俺は【超高速回転蹴り】を発動した 俺の攻撃を受けた神様の体が弾けるような音を立てて破裂した。「……」俺は何が起きたのかよく分からずその場に立ち尽くした。その後すぐに神様が立ち上がり……こちらを見据えてくると……次の瞬間俺の後ろに回り込んできて俺の背中を「超神雷鳴矢」と「極氷柱雨」を使って俺を攻撃したのだ 俺はそれを受けてしまう。だがその魔法は全て俺が纏っている雷と氷が分解してしまうので俺がダメージを負うことは無かったのだが……やはり俺の体はボロボロで動くことが出来なかった
「どうやら……少しは成長してくれたみたいですね……。でも……やっぱり私にはまだまだ及びませんね。ですが……最初の頃よりは見違えるほど強くなりましたよ」と神様が言ってきた。……確かに俺が強くなっているのは間違いないようだ……それに【多重存在】のレベルが上がっている……。この調子だといずれ俺が俺よりも強い分身を出せるようになるかもしれない……。……とりあえず今は自分のことよりも目の前の事に集中しようと思い神様に向かって俺は言った「……まだまだこれからですよ……。もっと強くなっていつか絶対に貴方を超えて見せます……。……それと……ありがとうございます」俺はそういうと【限界超超加速】と【限界超超加速】を使用して、神速と神武速と瞬神速を組み合わせて使って一気に神様に接近して殴りかかった 神様はその攻撃を避けた後……反撃してきた。俺は何とか神様の反撃を避けることが出来たのだが、その直後に「限界突破 」を使用した神業とも言える様な動きで攻撃された。それをギリギリのところで受け止めることしか出来ず、そこから何度も打ち合いを続けた それからしばらく戦い続けていると、急に意識を失って倒れた……そして再び俺は目を覚ますと今度は「リリィさん」が心配そうな顔でこちらを見ていた
「……起きたわね。よかった……。……アキナ殿……無茶な事をするのはやめなさい。私が来なかったら死んでいたかもしれなかったのよ!?」……と言われてしまった 確かに今回は少しヤバかった。あの時はとにかく強くなる事にしか頭が行かず、後先を考えずに行動していたからな……本当にもう少し考えていれば良かった。次からはもう少し余裕を持って動こう…… 俺が起きるまで待っていたらしい2人は、「そろそろ戻りましょうか」と言うと俺たちは家に帰ることにした。帰る道中、2人にお礼を言いつつ今回の事を反省しながら歩いていた。そして帰り道で俺はふと思ったことがあった。
【超高速思考】を使えれば高速で思考することができるはずだから……もし仮に高速移動している時にその思考速度が高速になっていれば、俺は一瞬にして「限界超超超超高速思考」というスキルを得る事ができるんじゃないか……?と考えたのである その事を2人に話して、試してみるとあっさりスキルを得ることはできた。しかもその効果は絶大だった 俺は自分のスキルを確認した後にスキルを「【超高速思考】
【限界超超高速思考】
」「限界突破 」に変更した……よし……早速やってみるか。俺は自分に【超加速】を使った状態を維持して「高速思考」を使ってみる事に。まずはこの状態で「超超加速状態の維持時間」を調べてみようと思う 結果は10秒で限界が来た。それ以上維持しようとしても無駄だったので、俺は一旦解除してもう一度使う事を繰り返す。5回目でようやく効果を最大に引き上げることができた。次にスキルの説明に書いてあったように、ステータスの限界値を突破させることが出来るなら、スキルの限界値を超える事が出来るのかなと俺は考えた ステータスを確認するとレベルの上限値が表示されていたので、そこの数字が「9999/10000000」となっていた。つまり……この上限を突破することができるかを調べる為だけにステータスの表示を変えるのはもったいないのでこのままの状態を維持することに。
10分ほど経つと徐々に効果が薄れてきて、結局元の状態に戻ったのでスキルを解除して【高速回復】をかけておく 俺のスキルを見たリリスさんが話しかけてきた
「アキト君。そのスキル凄いのだけどあまり使いすぎないようにね。あなたが死んでしまうわ。まぁ、今の貴方が簡単に死ぬとは思わないけど、それでも……気をつけなさい」……と言ってきたので俺は「はい。わかりました」と答えた 俺の【超超速再生】があればHPが0にならない限り、自動的に体力を回復する事ができる。だから問題ないだろう ちなみに「リリス」の方はスキルに「超超超再生」というものがあり、これを使えば「魔力が無くても再生することが出来る」らしく「魔装の杖」を媒体に魔力を補給すれば「再生能力が向上する」ということを教えてくれた。……なるほど。魔力を媒介にするのか。そう言えば俺が【魔闘技】を使っているときに杖から「聖装」の力が俺に伝わってきていたしそれを利用したんだろうな……と思いながら俺はリリスさんの話を聞いていた そんなことを思い返しているうちに家に帰って来た俺達はすぐにご飯を食べ終えて風呂に入った。その後は寝て、翌朝早く起きて修行をした 昨日の今日なのに、既に神様との特訓の成果なのか【超神剣】が使えるようになっていた 俺が自分の力を確認している時に声をかけられた
「……あれだけやってもまだ足りないっていうんですか……流石ですね。私の完敗です」
俺はそんな事を言っている神様の方をチラッと見るとそこにはなんと「女神リリア様」がいた。俺はびっくりした表情を浮かべた そして俺に気づいたリリカとアイシャもやってきた。
神様は「あぁ……紹介がまだだったね。こちらの方が女神リリア。この世界を管理している神だ」と言い神様が自己紹介をすると、アイシャ達が挨拶を始めた 俺が挨拶を終えると、リリスが話しかけてきた「ねぇ、ちょっといいかしら?さっきのあなたの言葉が少しひっかかるんだけど、神様はともかくどうして私たちが負けたのに『俺の勝ち』だなんて言ったのかしら?」と聞かれたので、俺が神様に「俺の負けです」と言うと、神様はそれを聞いて「そうかい。私としては少し残念だけれど……君の願い通りでいこう」と言い、リリスの方に向くと、リリスを指差して「では、リリス。これからよろしく頼む」とリリスを勧誘し、リリスもそれを受け入れると「では私はこれで。また何かあれば呼ぶといい。次は良い答えを期待しているよ」と言い残し消えていった 俺は神様がいなくなるのを見届けると「リリス」達に説明した
「俺があの人から教えてもらったのはあくまでも基本中の基本。基礎だけだし俺もあの人の攻撃を避けれるくらいの事はできるようになってきたから、もう自分でやっているんだよ。でも、まだまだあの人には届かないから俺はもっと強くなりたい。だから……お願いします!……どうか俺と一緒に居てください!!」と俺はリリスとリリカに言った すると、リリスは俺に近づいて来て抱きついてきた 俺は突然のことでビックリしたが、そんなことは気にせずリリスが俺に向かって
「……そんなこと言われたら断る訳ないじゃないですか。こちらこそ、改めてこれからよろしくね」と俺に言うと、アイシャとリーファも同じ気持ちのようで 俺達のところにやって来たので……俺は「こちらこそ、これからよろしく!」と言うと3人も「うん!これから宜しく!」と言った すると、今度は「俺」が俺達の元に近寄ってきて俺を優しく抱きしめてくれた
「これからも……俺の事頼っていいんだぜ?いつでも、どこでも、いつまでも俺は……お前の味方だ!」と「おれ」がそう言い終わった直後、神様が戻ってきた。そして神様が 俺の頭をポンッと叩いて「私からも一言、ありがとう……。」とお礼を言ってくれた こうして俺は……リリスをパーティーに加えて旅をする事になった リリィとリリスさんが仲間になった次の日 俺が朝食をとっていると、「アキト殿……私達をここに置いていくとか……ないですよね?」と、リリカが泣き出しそうな声で言ってきたので俺は「勿論ですよ。これからも一緒に頑張っていきましょう」と言うと、俺の言葉を聞いた2人は嬉しそうな笑顔を見せて 元気よく「はいっ!」と返事してくれた リリスとアイシャとリリィと俺は朝御飯を食べ終わると出発の用意をしてから、リリカ、リーファ、サーラのところに向かった。……本当はもっと早く行きたかったのだが……この家……俺が作ったこの家はかなり特殊で、普通じゃありえない様な機能が備わっていて、例えば家自体に防御機能が付いており、更に家全体に魔法障壁が展開されている。なので外からの攻撃を受けても壊れる心配はない。他にも家の中の気温や空気などを常に最適な環境にして維持しているなど色々な便利な機能が組み込まれており、そのためかなり特殊な家なのである そして、今リリカの住んでいる場所は、家の周りは「自然豊かで」とても住み心地が良い場所で、モンスターや動物なども沢山いるので食料や素材に困ることがなく快適な場所になっている。
リリィの住んでいた場所は……家が森の中に建っており、木を伐採しても勝手に生えてくる不思議な家で、「不気味」だと感じる者もいると思うが、「不思議で美しい」と感じられる人もいるだろう。リリィが住んでいた家は普通の人が暮らしやすいような作りになっており、特に目立った機能は見当たらない。
最後にリフィアがいるところなのだが、彼女は他の人とは違っていて、「召喚者」として契約を結んでいるのは俺だけ。俺と契約を結んでいなかったとしてもリリアが契約をしていたらしいが……その辺りはよくわからないらしい ちなみにリリカ達はまだ幼くて「戦闘経験が少ない」為、今はここで修行をしながら暮らしている。だが、リリスだけは例外で俺と契約を交わしているため、リリィとリリカを連れて行くことになった。……という感じの経緯があって、この森にいる人達の殆どは「俺」がこの世界に来た時に初めて会った者達で……この森に住んでいる「エルフ族」と呼ばれる種族である ちなみにリリカ達は「ハーフ」で見た目は耳が長いこと以外はあまり人間と同じ姿形をしていた 俺達はリリカ、リリス、リフィアの三人を「ゲート」を使い「始まりの街」の近くまで連れていく事になり、「リリカ」、「リリス」と手を繋ぎ「リフィア」とは「腕」を組むという形になった……そして俺たちは一瞬にして「転移」をする事ができた ちなみに「ワープ」も使えて、一度行ったことのある場所に瞬時に移動する事が可能。但し……一度に移動できるのは「俺」を含め4人のみ。「ゲート」の方は俺が触れていないものは一緒について来ることはできない。まぁ……俺の場合リリアと契約した事で【スキル創造】で新しく【神器】を作ったのでそれを使えば俺が触っている物しか持っていくことができなくなってしまっているが……【超超超神速再生】があれば大丈夫。それに……「アイテムボックス」にも色々入っているから、必要なものが入れっぱなしの状態で持って行くことができる 俺は「はじまりの街」に到着すると早速【ギルド】に報告に向かう 受付で「ダンジョンでの出来事を報告するので……」と言うと、受付嬢の「ルウナ」は俺の顔を見て
「わかりました。少し待っていただいてもいいでしょうか?」と言って奥の部屋に入っていった。そして、数分後にルウナは戻ってきて「それでは案内しますのでついてきてください」と言い、俺達は【ギル】の会議室に通され、今回の出来事を報告した 俺はまず初めに俺と【リリア】と【リリス】の三人だけで行われたイベントだと報告した
「俺達がこの世界に来て最初に立ち寄った場所、そこで「試練の塔」というものを攻略することになったのです。その試練の中で、この世界を救ってくれる人を決めるため、この世界を救うに相応しい勇者を選ぶ為のイベントだ。……という説明を受けて挑みました。しかし結果は失敗……というより途中で強制的に終わりになってしまったので俺は途中参加になってしまいます。そしてその後……俺がこの世界に転生した理由を教えてもらい、俺は自分の意志で再スタートすることに決めまして……。その結果今のような状態にあります。」
俺の説明が終わると「俺」が説明を引き継いでくれた。「それで……俺がここに来ることになったきっかけと俺の本来のステータス。それにレベルも確認して欲しい」
「わかった」と言い俺はステータスを確認することにした。……ステータスを確認中にも俺の話を聞いてもらいたいと思い「俺」と話をすることにした 俺が「この世界に来ている時点で、本来とは違う状態になっていて……それは俺自身も同じことで、俺はあの世界で死んだことになっていると思います」……と言うとみんな驚いた顔をしたが、「神様がそう仰ってた」と言うと納得してくれた それから「俺」がこの世界に来ることになった経緯を話し始めた 俺はそれを真剣に聞いていた
「俺がこの異世界に来た時、俺はもう死んでいたはずだった……だけど、そんな状態の俺は死んでおらず何故か「魂」だけがこの異世界に送られてしまったのだ。最初は訳がわからず俺はパニックになっていた。そしてその時……ある人物が現れた……その人は神様だと名乗る男だった。俺は自分がどうすればいいのか分からなかったので、神様に「自分はこれからどうなるんですか?」と聞いた すると、神様は「君の身体はこちらの世界には存在しない、つまり君自身はもう元の世界に帰ってこられない。」と告げられた。俺は……ショックだったよ……俺の帰りを待っている家族もいる。そして何よりも……大切な友人達が居るんだ。俺が「どうしてですか!?なんで俺が帰ることができないのですか?」と言うと神様が答えてくれた
「君はあの世界に必要とされている存在だからだ。……君のあの世界の最後の記憶……覚えているかい? 君があの時いた場所には大量の魔物が出現していて……君は瀕死の重傷で意識を失いかけていた。あの時はもうダメだと思い、私は急いであの世界に君を送ったんだ。だから……君の命はあの世界でまだ尽きてはいない。だが、あの状態が長く続けば……いずれあの子は死ぬ。
そんな事は私がさせない。だからこそ……この世界に呼んだんだよ」と、俺は……この世界の神様に助けてもらってこの世界に来た……と言うことだ」と「俺」は言う 俺は「そうですか……ありがとうございます。お陰で俺はまだ帰れない理由を知ることができたので、安心しました」……と言ったら神様が俺に向かって微笑んで
「これから大変かもしれないけど……僕がついているから、一緒に頑張ろうね。」……と言われた。俺はこの時思った……神様は本当に良い神様なんだな。そして……俺は改めて気合いを入れ直して神様のお願いを聞く為に「神様のお願いを叶える為に、全力でやり遂げよう」……と思った 俺がステータスの確認を終えて皆に報告していると、神様の「俺」が話しかけてきた
「なぁ……お前が良ければ……なんだけどさ、ちょっとだけ時間をくれないか? 少しやりたい事があるんだ」
「別に俺は構わないぞ?何かしたいことでもあるのか?」と俺が聞くと「俺」は「うん。まぁね……。でもお前にやって欲しい事もあるんだよね」
「え?俺が?まぁ……いいよ。俺は俺が出来ることなら何でもやるぜ?だって、俺は『この世界の神』であり、俺が望めば……いや、願えば全て叶うのはわかってる事だし。だから俺は俺に出来ることは何でもする。だから俺の望みがあるのであれば言ってくれ!」……そう言って俺は「俺」の目を真っ直ぐ見つめると「俺」は「ありがとう。やっぱりお前は俺の親友で……俺の最高の仲間だよ」と笑顔で言ってきたそう言って神様は、他の人に聞こえない様に俺に「……俺をこの異世界に転生させた本当の目的は別にある。俺が頼めるのは……その件だけだ。……よろしく頼む。それと俺のステータスを確認して欲しい。この世界での【俺自身】の力を把握しときたい」と言ってきたので 俺は言われた通りに「俺」を【鑑定眼】を使い見てみる
「ステータス・オープン」……名前 アキト 年齢 16歳 種族 半人族 職業 創造主(クリエイター)
Lv 520 HP 50/55000 MP 80万/80000億 EXP28009999/1002000 力 8000億
(10兆×100倍
例:攻撃力10000)
物理耐性 8京
(100×100乗 例;全攻撃無効化)
魔力 100兆 魔法耐性 30兆 運 3600兆
(500兆=0.001% 1億兆=0.013% 兆=1000分の1. 十の八十六乗=無量大数)
使用可能スキル一覧……
・創造主 LV10MAX……創造できるものに制限なし。また、一度作ったものは自動的に創造可能になる。スキルは自動習得。
スキルはスキル名を言えば発動。ただしスキルの熟練度によりスキルのレベルに応じて詠唱が必要
※スキルはイメージ次第でいくらでも作れる。ただし「限界値突破」を発動した状態では作成はできない 称号効果……創造神の祝福、限界を超越せし者、限界を超える者、ステータスの限界を超えし者、ステータス強化限界突破、進化の種(無限の可能性を秘めし者、成長補正効果増大)、経験値増量化 加護 創造神の愛(全てを司り全てのものに平等な世界を作るため、全てのものを愛する心を持つ者の願いによって神格を与えられしもの、すべての神々の頂点に立つ唯一の存在である、この世界の全てのものを愛し守るもの、そしてこの世界が危機に晒されたときこの世界を守るために戦うものに与えられる)……これヤバイんじゃねえの……。なんか、俺……もうすでにこの世界に存在しないことになっているからなのかな……。ステータスがぶっ壊れすぎてる……。……てか、レベルの上限が「100万以上」とかもうおかしい。……というかなんでこんな数値になってんの?
「あ〜それね……。実はさ、その【上限解放】っていう【ユニーク・レジェンド】を持っていて、そのおかげでステータスも上がるみたいなんだ」……な、なんやて!?俺の【ユニーク・レジェンド】が役立ってくれるなんて……。これは嬉しい!俺の【スキル】に無駄はない!!って、そんなことを考えている暇はなかった……。とりあえずこの人のステータスも確認するか…… 俺が「神様の」【リリス】を【完全鑑定】し確認したところ【性別】女【年令】14歳【種族】エルフ【職業】ハイプリースト【状態】健康【体力】250【魔力量】200【筋力】150【俊敏】130 となっていた。そして俺は【リリアの身体強化魔法】という【能力付与】を使ったときに、俺の身体に宿った力を試した。すると俺は身体に力がみなぎってくるのを感じたので「俺」に声をかけた
「神様。身体が軽く感じたので少し試してもいいでしょうか?」
「うん、いいよ。じゃあさっそくだけど……。まずこの世界にはレベルは存在しないんだ。そして、レベルという概念が存在しないということは……。」
「ステータスの値も変わるって事ですね?」
「そういうこと」…………なるほど。俺はこの世界の「レベル」「ステータス」を「自分のレベル」、「自分のステータス」に変えられるんだ。つまり、この世界の人間に自分の「レベル」「ステータス」を見せることが出来るってわけか。……そう思い「俺」を見ると
「そういうこと。……まぁ、今はそういうことにしとこう。……俺のステータスについてはまたの機会にするとして……」
そう言って「俺」は自分のスキルについて教えてくれた 俺はそれを聞いて驚いた。……何故なら、俺の「俺が持っている【固有スキル】が「この世界のものではない可能性がある」と言われたからである。「俺が持っている【創造主(クリエイター)】が、俺の世界のものではなく、この世界に元々存在していたものである可能性もある」と言われても、いまいち実感がないが……とにかく、「俺が知っている」と、「知らない」では大きな差があるということだ。……それから「神様の俺」の「この世界に存在するスキルを解析するスキル」を俺にも使ってほしいと言ってきた。……なるほど、確かにそのスキルがあった方が便利そうだ。俺が「分かった」と言うと「俺」は俺に手を伸ばしてきて……その瞬間に俺と「俺」の記憶が融合した。……「どうだい? 少しは落ち着いた?」「うん。大丈夫だ。……さて、これからどうしたものか……。」……今俺たちが居る場所は俺が「死んだ後に来たところ」だ そして俺が今から何をしようとしているかというと……
「……よし。これで俺の「記憶」も、神様が「転生者」であることもこの世界に「記憶がある」ことを証明出来たはず。……これから俺はある事をするためにこの場にいる人達をここに集めたんだ」……え?「この世界が俺に何か伝えたいことがあるのか」?一体何を伝えたいのだろうか?……「分からないけど……まぁ俺が伝えなくても神様が俺に伝えてくると思うんだけどね。でも俺は神様に言われるまでもなく「自分が知りたいこと」を知らなくちゃいけないと思ってるから」
「だから俺はここに来たんだ」……「神様は言った。この世界での俺の目的は俺自身のことを知ることと。……だから俺が知りたいと思った時に神様が答えをくれるだろうし。……それでいいと思っていたんだけど。俺は……「自分で考え、自分から動かなければならない時が来たんだ」……そう思ったんだ。」
俺は「なにかを」しようと思ったわけではないんだが、俺の意思で「なにか」をしようと思ったことは事実である。……俺が「何かをするときは誰かが「何かをしなくてはならない」ときか、または「自分がそうしたい」と思ったときに限るようにしているから」と俺が言うと
「なんだよ……お前がそう思っているんだったらとっとと動けよ。俺と一緒でな」……な?
「お前」の言っている事は分かるのだが、神様に言われた「あの子に力を貸してやって欲しい」というのはどういうことなんだ?それが俺には分からなかった。でもまぁ……取り敢えずは言われた通りに動いてみよう……。……俺の考えは甘かったとすぐに気づかされることになるのだ……。
〜次の日〜
「えー皆さんこんにちはー!」
私は今日から学園に通えるようになったのですが。昨日のあの子達が本当に学園に入ってくるのかとても心配です!まぁあの子が私のクラスに入るらしいから多分大丈夫だとは思うんですけどね……!私と同じ学年みたいだし。でもまぁ一応様子を見に行ってきますかね〜!でもその前に職員室に顔を出しましょう!そしたらまた仕事が増えそうだけど。でもしょうがありませんよね〜……。それにあの子を学園に入れるために仕事をしなくちゃいけないので、全然嫌じゃないですよ〜!……ってことで私が学園に着いた時には結構な数の先生達に囲まれてたんだけど、その中に何故か【聖女様】がいたんですよ!?なんで?どうして?と思いながら見ていました。そういえばこの前お父様に「この学園には特別な人が来るかもしれないから、その人のために教師を集めてくれ」って言われていたような気がしないでもないんですが。うーん……。……ってあれ!?なんであそこで女の子に抱き着かれているのかな!?あの子は確か【火龍の姫君】ちゃんだったっけな……。あの子と「彼」って知り合いなのかな?でもなんか雰囲気的にあまり仲が良くなさそうな感じもしますねぇ……。うむ……。とりあえず声をかけに行きますか!あそこに居たのはきっと「私達だけ」じゃ無かったんでしょうからね……。……って思って話しかけに行った結果がこれなんですよね!……はぁ……。……もうこれ絶対面倒なことに発展するパターンやん。……絶対なる。絶対に絶対になる!!……はぁ。……もうこれ、絶対フラグじゃん。はぁ……まじめんどくさいわ〜。………………は!!いけません!!私、生徒の前でこんな顔をしていては!!頑張れ!私、負けない!!……さて、なんであんなことになっていたのですか…… まずは……【神剣の勇者】と【光の英雄】について聞こう なんとびっくり! この2人が「俺の幼馴染」なの!? 俺が驚いているとその事に気づいたリリスが
「実はこの国を救った英雄なんだよ!!」と言った そして俺のステータス画面を見せて
「実は、俺の【スキル】で調べた結果【この国の人間ではない】ことがわかったんだ……。
俺は「ステータス」を見た時にリリスのことも見ていたからわかるんだが……おそらくこの世界の人間の平均ステータスは
「100前後」だろ? つまりこの世界にこの世界の人間が「召喚」される場合は「ステータスが極端に高くなる」んだろう……。」
俺は「ステータスの偽装」という【固有ユニーク・レジェンド】を発動し自分のレベルを隠してみたんだ。……ちなみにこの【固有ユニーク・レジェンド】のレベルは最大999まで上がるようだ。まぁレベルが上がったところでステータスの上がり幅は変わるが、まぁ問題ないだろう そして俺がそうやって考えているのを横目で確認しながら
「そうだよ。この国の人は【称号】とかの称号を持ってる人が多いんだ〜」とリリスが言った。
そして俺に「ステータス見せてください!」と言ってきたのである 俺がステータスを見せた瞬間 リリスは固まってしまった。
それから数分経っても動き出さなかった。そして
「神様……。貴方は何者なのですか??これは流石におかしいです……」と言ってきたのであった。……そんなに変なのかなぁ? まぁ別にそこまで気にならないんだが……。
だって、普通ならありえないことが起こっていて、俺はそれを知っていりから 俺は俺の知る知識とこの世界の人間との相違を気にする必要はないと思っているんだ だから俺にとってみればこのステータスは普通なんだ。
そしてリリスはそのステータスを見つめながら
「……ステータスが高すぎるよ……。そしてこの「固有能力」も凄いし……。……それに、まさか、レベル999とは……。……それにしてもレベルの上限が1億を超えているんだが……どうなっているんだ……」
そう言って俺のことをジッと見てくるのであった。……やめてくれ 俺に見られても困る
「……さすがにこのステータスを見て驚いたが、……だがこのステータスを見ても特にお前に何かがあるように思えない。むしろ普通の人よりも遥かに強く見える。……だが、俺がこの世界で【スキル】を調べたときにはこのようなスキルなど存在していなかったんだ。俺は、その事が不思議でしょうがないんだ。だから、少し話を聞かせてほしいんだ」
そう言って「神様の俺」は話し始めた……「なにがあったのか、全てを話してもらえないか? もちろん、俺が聞いた話は他言しないと約束しよう」
まぁ聞かれたら不味い事なんてほとんど無いが…… でも俺の持っている「情報」が役に立つかもしれないなら話すべきだよな……。
よし!なら早速「この世界に飛ばされてからの俺の行動」について教えようじゃないか!!…………「おい待て」……はい。
俺は今、神様に呼ばれて「ある部屋」に来させられている。この世界に来てから俺が最初に寝ていた部屋だ 俺とリリスは部屋に入ってきた瞬間に違和感を感じた。部屋の中の雰囲気が変わったというか……明らかに空気が違うのだ
「この部屋……。なんか、さっきの部屋とは違う……。……何か魔法がかかっていますね……。この世界ではこういったことが出来るんですか?」
リリスが俺達に質問してきた。それに対して俺と神様はそれぞれ答える 俺が「いや、恐らく「空間そのものを変える」というのだろう。俺もこういうことができる人を一人だけ知っている。この世界を創造した人物……【創世の神・ノア様】である」と神様が言ったのと同時に
「この気配……やっぱりお前か……。俺を呼び出したのは」
と、突然後ろから声が聞こえたのだった。
俺達は驚きつつ振り向く そこには この世界で見たことがないほどに美しい「黒髪の青年」がこちらを見ていたのだった 神様はこの男を見ると嬉しそうな顔をしながら
「おう。お前が来ることは分かっちゃいたが……早かったな。……まだ時間には余裕があるが」
と言う。……え?……神様がこの人と知り合ってるのはいいんだけど……神様、この人誰なんだろう……
「……俺は……そうだな。……俺は【ノア】。「神域の神王」にして、俺達が住むこの世界……
「神々の聖域」
「神聖国家」
「神の都 アルティエール」を作った……言わば、この世界の頂点であり この世界の管理者でもある」と男は言ったのである 俺がそれを聞いていたらリリスがいきなり頭を下げ始めた そして
「すみませんでした!!」
と大きな声で言い出した その光景を見ながら俺は思ったのである
「なんなんだよ……。一体…… 何が起きたんだよ……」
と。すると神様が
「あーすまんな。……こいつ、【この世界】の人間じゃねぇんだわ。」と神様は言う。……え!?どういうこと?!……俺の知ってる言葉で言うと……。……意味わからん。……取り敢えず「……どういうことか詳しく」って言うか でも、今はそんなことより先に聞くことがあるからそっちを優先しよう。……あとはその後で良いはずだからね。
まずは……この男が俺達を呼んだのか……聞いてみないとわからないけど……多分違うと思う。
「ちょっと、色々聞きたい事があるんで……。後でもいいですか?」と俺は神王に話しかけた。神王は俺達の顔を見る リリスはまた頭を深く下げているのである。
「別に構わない。……俺は、そこの女神様に呼ばれたんだからな。……それよりもお前らは何故ここに居るんだ?……お前らもこの女みたいに誰かに「呼ばれた」、「この場に召喚された」ってことでは無いんだろ?」と俺達の事を値踏みするように見てきたのである その問いに対して、俺ではなく何故かリリスが答えてくれた
「私はこの方に仕えるためにこの世界にやってきました! 私が仕えるべきお方はこの方だけです! なので、あなた様の召喚とは無関係ですよ」と言った
「ほう……。お前みたいなやつがね〜。……まあ俺には関係のないことだな」と言って神王が笑っていた 俺はそこでようやく本題を聞くことができたのだった
「で?俺をわざわざ呼び出す理由ってのは何だ?俺にも関係しているのか?その前に、お前らの話を全部聞けよ」と言ってくれたのだった。……うん?もしかして優しいのかな? まあ俺は話を聞きますよ。早く帰らせて欲しいんでね。……さて、まずは俺達がこの世界に「なぜ呼び出されたか?」について、この人から説明をしてもらうか……。……あ!そういえば「あのスキル」のこと忘れてたな……。
【固有能力】……あのスキルは、あのスキルは俺にとってとても大事なスキルなんだ!!……なのに俺はなんでこのタイミングで思い出した!?もっと前に覚えていて欲しいぞ!!……まぁそんな愚痴はいってもしょうがない。切り替えていこう。
「……まずは俺の話からだ。俺がこの世界を管理下に置く前は「異世界人召喚事件」なんてのが起こっているんだ。それでな……。まぁ簡単に言えば俺はその被害者ってところだ。俺が、元の世界からこの世界に来た理由は……「とある人間を始末すること」が目的なんだ」
俺が話をしている最中にリリスと神様は驚いている様子だった。俺は話を続けた 俺は続けて「とある奴は、「異世界召喚魔法」を使い自分の部下に「俺をこの世界に呼び出してこい」と指示を出したんだ。俺の実力を知っている上で呼び出したわけだから相当な自信があったんだろう。
俺はそれに気づき、この世界にやってきたって訳さ。……そして俺は、この世界の人族の勇者を抹殺して、俺の力を示すため、あることをしたんだ。……それは俺を裏切った国に対する報復だ」と、俺はその当時の話をした。俺はその時に、自分がいた国の「国王を殺し、国民全員を皆殺しにした。
「そんなことが……」リリスは俺にそう言って、神王に向かって「……お前がそんな事までする必要はないんじゃないのか? 俺が話をつけても良い」と神様が言うが俺はそれに対して首を振った
「……いいんだ。俺が勝手にしたことだからな。それにこれは俺がやりたくてやった事だからな。
それに俺はまだ完全に許せてはいないんだ。……俺は……いや俺は……あいつらに復讐する為に力を手に入れたんだ。俺はあいつらを殺さないと気が済まない!だから殺す。それだけだ。……俺はこの世界の「魔王」として、人間を蹂躙していく。俺には……俺にこそ……その権利がある!……さて、次は君たちだよ」と、俺達は次に質問される立場になった。そして神王は「リリスちゃんだったね……。君がどうして「ここ」にいるのかな?」とリリスに質問をした。それに対してリリスは「……分かりません」と一言言った。「そうか……」とだけ神様は言って少し黙ってしまった 俺がそれを見た瞬間に「あのー……。神様に質問したいんですが、リリスは「俺の仲間」になりますよ。なので俺と一緒に行動すると思います。……それじゃダメなんでしょうか?」と俺が言うと神王は不機嫌そうに
「……いや駄目ではないんだが、ただ、なんというか……俺が聞きたかったのは「君は本当に、そこの女神を仲間にしているのか」って事が気になって仕方なかったんだよ」とだけ言った 俺は少し考えた後に「……俺のステータスに【眷属】というものが存在していました。それが何か分からないので何とも言えないのですが……。もしかしたら……その能力かもしれません」
俺がそう答えると「【眷属化】の能力なら確かにそうだな……。まぁ、そういうことにしておくよ」
と言われた。俺はそれを言われてから「あっ……。なんか嫌な予感が……。もしかして……【鑑定】とかされてるんじゃ……?!」と思ったのだが神様は特に気にしていないようだ。良かった……。なんか変なことになっちゃいけないと思ってさ……。だってなんかヤバそうな空気感があったから……。俺はそれから色々と聞かれたのだ 俺が今持っているスキルのことを聞かれたので答えていくと、やはりと言うか当然と言うか「神王」様が持っているような特別な能力は持っていないのだそうだ まあ予想していた通りである それでも神王さんが「この世界に来る前……お前が飛ばされた時の状況を教えてくれないか?それによって色々変わると思うからさ。それと、そのスキルについての説明もお願いしたいな。
これからのこともあるから」
と言われてしまった。そして「俺がこの世界に来た時」について話を始めた。
俺は神様と同じように説明していった 神様がこちらを見ながら時々驚いた表情を浮かべていたが、神様が「……なあ?【この世界に来た】と言うことは、その時は「この世界に居た」ってことじゃないのか? 俺の推測でしかないけど……「別の次元からやってきた存在が何らかの方法で転移してきたのではないか」と考えているんだが。どうだろう?お前の考えを聞いておきたいんだが」と、神様がそう言いながら神様は俺を見つめている 俺の憶測でしかないんだけど、俺の場合は恐らく【地球上の何処かの場所で死んだ人間】が神様によってこの世界に連れてこられたのではないかと思う 何故ならば、神様の「地球の神様のところへ行ける能力」で、俺はここに来る前に神様と話したからね 俺の場合だと……多分…… 俺がまだ生きていて…… 家族がいたとしたら、 俺の家族が…… 多分「死んでしまっている」と思うんだよね。……俺が死んだら、母さんや姉さん、兄さんや妹、祖父、祖母が俺を悲しんでくれているはずだから だから俺の家族には「会いに行きたくないな」と思っている 俺はそこまで考えてしまう もし神様の言う通り、俺の考えている通りだとしたら、俺は【元地球人】ということなんだろうか……? でもそんなはずはない なぜなら……俺は【元人間】だからだ神様は俺の顔を見てこう言った
「お前の考えてるとおりかもしれないな……。俺も「元人間」だったんだ。まあ俺の事は別にいい。……今は俺の事よりも、お前の方が重要だ」……神様も元人間?……そんな事があるのか? 俺の中で疑問が増えていくばかりだが、まずは俺の考えを話す事にした 俺の憶測に過ぎないからな 俺が死んだら、母さん達を泣かせてしまいそうだ……なんて思ってしまう。……親孝行を何もできていないんだからな 俺はそこで「多分、俺は「別の世界の人間」だったんじゃないか? と俺は思うんですよね……。この世界に「地球」と呼ばれる場所があるのかは知らないが、俺はそこに存在していた。……で、そこで死にかけたから「神」が来てこの世界で生かしてくれたんだと思う。……だから俺は……【異世界の人間】になるんでしょうかね?」と神王に聞くと神王は笑い始めた。リリスが「貴方は……何を笑っていられるのですか! 私達の事を考えず! 何故こんな無責任な事を言えるのですか!!」と神王に怒り始めてしまった。……いや待ってくれ!俺の言い方も悪かったのは確かだ だけど、リリスが怒る事はないだろう?!と、俺は思いながらも、リリスを止めるのであった。
リリスちゃんは凄く怒っていて、神王様に向かって物凄い形相をしていたので、僕はとりあえず落ち着かせるように「まあ待て。俺はもう気にして無いんだ。それにリリスも少し落ち着いてくれ……。それにな?神王様にも考えがあって俺に聞いているだけだからさ」と言って何とかリリスちゃんをなだめておいた リリスは落ち着きを取り戻したようで、大人しく座って話を聞いていた まあ僕もそれに合わせて話をする事に決めた 俺の言葉を聞いた神様が「まあ……間違っては無いんだな。俺は昔は地球に居た。俺は「神様」をやっていたんだ。まぁお前みたいな「普通の人」が想像できないような職業でね。俺はこの世界の「主神」として、俺の創った世界の管理を任されていた。俺達は平和な暮らしが出来ていてね。特に不自由なく生きていた。俺と俺の仲間と楽しく生活を送って居た。俺も仲間も幸せだったよ。……まあ俺の仲間については後で話す。で、ある時「人間」達に戦争を仕掛けられてね。俺の仲間の一人が殺されたんだ。それで怒った仲間達は俺を残して人間どもを滅ぼしに行った。俺は人間に捕まり殺されそうになった。そして、殺される寸前に俺を助けてくれた女神が居る。俺はその女神様に助けられて命拾いしたんだ。……そして助けて貰った俺は「この世界を救いたい」と思ったんだ それで俺はその仲間と共に世界を創り上げたんだ 俺が「元人間」だって言う理由は……俺と仲間が、「地球」という場所で暮らしていたんだが、俺達が暮らしている「惑星」が「消滅」させられてしまったんだ。俺は死ぬ直前に、ある人物を「殺す」ために、とある魔法を使ってこの世界に飛ばされたんだ。俺が「魔王」と呼ばれるようになった理由はそのせいでもある。俺はこの世界を「救った」。俺は「神」になったんだ。「地球」から切り離され、「この宇宙」の「創造主」、「最高神」に俺はなった。俺は自分が死んだと思っていた。
だから俺は、もう一度やり直そうと、また「地球」で暮らせるような「空間」を作り出した。俺の「願い」が「時空」を歪めた結果だと思われるが……。俺は「地球」の時間に換算すると「百年」ほど過ごしていたことになる。
その俺の願いのせいで、「神」が「地球」に干渉することになってしまったがね。だから俺は、その罪滅ぼしとして、お前のような「別の世界」から来た人間の面倒を見る為に、俺が「地球」の時間軸から外れた時間の中で暮らす事になった。それが俺だ。
「俺がお前の考えている通りの者であれば……」……そして、今「この世界の事」について俺は説明をした 俺は俺なりに考えた答えを伝えてやったぜ これで神様も納得してくれるはずだ!と、俺の予想は合っていたみたいだ。
神様は何か考え込んでいるようだった それから神様が口を開き
「……まあ、概ね予想通りの結果かな。じゃあ、俺の方から少しお前についての説明をするよ。俺は神王をやってはいたが、実はこの世界で産まれた訳ではないんだよ。別の世界で、人間として生まれたんだ。その前も……別の世界でも人間だったがな。
ちなみに今の俺はお前が思っている通り「人間ではない存在」なんだ。……まあ簡単に言えば、この世界の神様が俺を作った。まぁ……そういうことだ。
お前の世界ではどうか分からないが……こっちだと普通に神様が存在するからな。だから、俺みたいな「神様」や、神様に近い力を持ってる存在を「神様代理」「代行神」と呼ぶこともあるな……。俺は一応……神の王だったわけだから、神様代理の中でもかなり上の存在ということになる。まあ……神族の中では一番偉かったから、神様が作れたのかもしれないがな……。……あとは……この世界には色々な種族が住んでいる。エルフや獣人や魔人もそうだ。
人間が一番人口が多いから、人間以外の種族は「珍しい」部類に入るな……。人間以外は大体が「人間よりも優れた能力を持ち合わせている」事が多いから、人間は亜人達を下に見る傾向にあるが、別にそうでもないんだ。
例えばドワーフとかがそうだな。彼等は鉱石の扱いが得意な一族でな。
他にも人間にはない特殊能力を持っていたりする。……そして俺もお前と同じだ。俺も「別世界からの転移者」だった。俺の場合は元々「地球人」だが……。俺のこの世界での名前は……リシアだ。……リリアスは妻の名前だ。……リリアって名前はお前の嫁の……リリスが付けた名前だろ?あれから、俺はお前のことを探していたんだ。だから俺のこの姿を見て驚いてたって感じか?まあそれは良いだろう。……それと、さっきも言ったと思うけど、リリスはお前に懐いていたからな。
お前が死んだと思い込んでいたからこそ、リリスは悲しみに明け暮れているだろうな……。お前の事が大好きだったからな。……あの子はまだ……立ち直れていないだろうな……。
俺は「異世界転生」の神様だからな……。「異世界」に「魂」を送った奴がどうなるかは知っている。……「別の世界で生きて貰う」事になるからな。……ただ……それはかなり「危険」なことだからな。……「魂が耐え切れない」ことが多いからな。……俺も「神様」になってから、何人の異世界人が命を落としたのかわからないくらいだった……。お前もその一人かもしれないから……心配はしているんだ……。……だけどな、この世界に来る時に俺の力を使ったから、もしかしたらと思って「探してた」んだがな。まさか本当に来るとは思ってなかったからな……正直驚いたぜ……。まぁ……会えて嬉しいんだけどな」……と、話してくれている間にもリリスのことが心配なのか顔つきは真剣になっていた。
そんな話をしてくれた後、神様は俺のことを色々と質問し始めた
「お前は一体「何処の国の出身だ?」
「年齢は?」
「好きな物は?」
と様々な事を聞かれ、神様と話す時間は楽しく、つい忘れてしまっていたが……俺は神様に対して疑問に思っていたことを尋ねてみた。「どうして……俺はこの世界に呼ばれたんですかね?俺は特に悪い事をした覚えがないんですよね。まぁ……死んでしまったのは……俺の責任なので、俺が悪いんだと思いますけどね……。でも俺はなんで呼ばれたのか教えてもらってないんですよね。……そもそも「勇者」とかもいないんですよね? なら俺は必要ないんじゃないですか?」
俺はそう言って首を傾げていた。神様は困ったような表情をして「……確かにな……。お前を呼んだのは「勇者」とするためじゃないな……。まあ……ちょっと事情があってな。
まあ……それについては俺も詳しくは知らないんだよ。「異世界転生の神」と、「異世界転送」の神々で「取り決め」があるから詳しい事は言えんが……とりあえず俺のことは信用してくれて構わない。……で、まあ……リリスもお前の嫁になる事が決まったようだが……お前はリリスにプロポーズしてたよな?……俺としてはリリスの気持ちを優先してやりたくてな。
それにリリスも「あなたに救ってもらった命を……あなたのお役に立てれば本望です!」と言っていたしな……。リニスのこともある。俺は「リリスが良いと言えば認めよう」と考えてたから安心したぞ」神様が微笑みながら「ありがとうございます。俺はこの世界を平和にして、愛する人と二人で暮らしたいだけなんです」と、俺は照れながらもしっかりと答えていった……うん!我ながら素晴らしい回答だった!完璧!これしかないね!と自画自賛していたが、それを聞いた神様は嬉しかったのか涙を流していて、「そうだったか……。そこまで考えてくれていたんだな……。お前はやっぱりいいやつだ……。」と俺の背中をさすってくれていた…… まあ、なんか、よく分からんけど、神様を落ち着かせることに成功した俺だった!!……そしてしばらくしてから、「よし、落ち着いたし……これからについて少し話し合おうじゃないか。お前はどうしたい?」
「はい……。……そうですね。この世界には魔物と呼ばれる危険な動物が存在しています。俺がいた世界のように安全な場所で暮らしていくというのは難しいですよね。」と、自分の意見を述べた俺だった
「まあ、そうだよな……。お前も分かっている通り、「魔法」という不思議な力がこの世界には存在する。魔法を使えるようになるのに必要なのが魔力だ。この魔力っていうのも……実は「魂」の力をエネルギーに変換した物だ。まあ……そのへんはお前のいた世界でも、似た技術があったみたいだしな……。……まあ……「魂」の力は無限に存在するわけだ。この世界の人間は全員、「魔素」という特殊な成分を身体に取り込むことで、「魔人族」に変化することができるんだ。まあ、「魔王軍幹部」みたいなもんだと考えてもらえればいいんじゃないか?ちなみに魔族って呼ぶ方が分かりやすいか?……まあ「魔王」がいるわけじゃ無いから魔王軍じゃなく……単純に魔王軍と呼ばせて貰ってるが……。」
「……魔王は居ないんでしたっけ?……まあ、「魔王」がいないなら、「魔王軍」なんて呼べませんよね。……で、「魔人族」に変身したら身体能力が上がったり、寿命が伸びたりと恩恵を得られるということですね。」
「そういうことだ。で、「神族」になると……さらに強くなれたり、不老不死になったりできるな。神になったらなれないからな……。まあ……俺がなったところで、「神の王様」止まりだけどな……。」神様は自分の強さについて話してくれたが、やはり神にはなれないらしく、人間のままらしい 俺は、神になれないことに不満を持つのではなく、自分が神になってしまってもいいのか?と思ったが 神様もなりたくないと思っているようなので、気にしないことにしよう……。そして……気になったことが一つある
「……えっと……。そういえばこの世界に人間以外……「エルフ」や「ドワーフ」みたいなのも普通に住んでいるみたいだけど、その人たちは「人間」と何か違いがあるんですか?」俺はそのことがとても興味深く、聞いてみることにしたのだ
「エルフはな、見た目的には普通の人間と区別つかないんだよ。だから「エルフ」だと言われなければ「あ!エルフなんだ!」と思うことはあるがな。まあエルフが持っている能力として……「精霊」に気に入られてる奴もいるんだ。
そういう「エルフ」は大抵は凄く頭が良かったりするんだよ。まあ、稀に馬鹿な奴もいるけどな……」
神様は説明をしながらも、楽しそうな様子だったが、最後は苦笑いしていた 俺はふと気になったことを聞いてみた
「えーと……。あの……俺が元々生きていた世界では、「獣耳」とか「ケモミミ」とか言うものがあるのですが……。この世界には獣耳や獣尾とかありませんよね。
でも、「魔人族」が「魔人化」すると、その姿を形作ることができると聞いたことがあります。
つまりは、「人間の姿になれる」んですか?」
俺の言葉を聞くと神様は目を見開き、俺のことを見つめ始めた 俺も何を言い出したのか自分でもわからないくらいに混乱していると……「お前……もしかして、元の世界に戻れる方法があるのか?……だとすれば……すぐにリリスの所に案内しろ。リリスが泣いている姿を俺は見た。……もう時間はない。
俺の願いはお前たちを元の世界に戻すことにある。」と俺の肩を揺すりながらお願いされた しかし……神様ってこんな必死な感じになることがあるんだな……と思いつつ、なんとか落ち着きを取り戻してもらった俺は神様の話を聞くことになった 神様曰く……リリスの涙の原因となった「俺」が死ねば、俺の意識は肉体に戻ることになり、俺の「魂」だけが取り残されることになるそうだ そこで神様はリリスを説得することにしたのだが、彼女は納得せず、リリスに嫌われたかもしれない……。俺も覚悟を決めてリリスと会う必要があると神様が言っているのを聞き……俺の心は激しく揺れ動く…… 俺もリリスの事を好きになっている自覚があるからだ。だからこそ彼女の言葉は胸に刺さっていた……。でも……ここで諦めるつもりもない!俺には……「この世界でやることがある!」だから俺は「神様と一緒に行く!」と言い張った。……神様としばらく話し合いを続けた結果……俺は「神様の転移者」となり、この世界で生きることとなった そして神様と共に行動することになった。まあ、とりあえずは……この世界がどういう状況でどんな人達が住んでいるのか知る必要もあったので……まずはこの世界の状況について教えてもらうことにした
「この世界には基本的に五つの国が存在する。
・中央大陸:アメリア王国(この世界の中心に位置する大陸)
アメリア王国は、勇者であるお前が召喚され救おうとした世界でもある。「聖剣」が封印されているのもこの世界になるな この世界では……基本的に「人間」しか住んでいないが、魔物も存在していてな……。魔物達は基本「森」の奥の方に住んでいるんだ。たまに冒険者が倒してくれることもあるが、ほとんど見かけたことはないかな あと、魔物の中には、特殊な力を持っている者もいる。まあ……その話はまた別の時にしよう それで……「亜人族」だが、この世界には主に三つの種族が存在している。「エルフ」「魔人族」
「獣人族」の三種族になるんだ。……ただ、これはあくまでも基本的な話であり……実際にはもう少し多いし、様々な特徴をもつ者達も沢山存在するぞ それから最後に、一番重要な情報がある この世界には元々、「魔法」はなかった まあ、「科学」という概念はあるから「魔法」が使えない訳ではない それに魔法は使えなくても……魔法のような現象を引き起こすことが出来るんだ。……それが……俺達がスキルと呼ぶものだ。まあ……「ステータス」を開けば表示されるから分かるとは思うがな……。……まあ……魔法との違いは後々説明するが、魔法と違って「レベル」が存在して、レベルが上がるごとに「使える技」が増えて行くということだ。まあ……魔法と同じだと思ってもらって問題ない ちなみに「人間」は全員このスキルを持っていて、全ての人間が例外なく所持しているが、ほとんどの人間はその使い方を理解していないな。まあ……「魔法」のが分かり易いってのもあるからだろうがな……。……で、話を戻すが……リリスは……「獣人族」の中でも、特に珍しい「竜人族」という種類の「竜人族」なんだ。「獣人族」の竜種と呼ばれる「ドラゴン族」は……知能も高くて、「魔族」達と互角の戦いを繰り広げることも出来るくらいの実力の持ち主が多いんだ。
まあ、「人間」と変わらない姿形をしているから見分けるのは難しくないがな……。」と神様は「この世界を知れば……お前は絶対にこの世界を変えようと行動するだろう」と言っていた。
「じゃあ、そろそろ本題に入るぞ……。お前がこれから生きていくうえで知っておかないといけないのは、この世界には大きく分けて3つ勢力が存在していることだ。
・1つ目は、この世界の秩序と平和を守っていると言われている 【世界評議会】
まあ、俺みたいな奴だな……。
基本的に「人間」しか居ないし、「神族」の存在を認めている。
まあ、俺やお前はここに入らない。あくまで……この世界に暮らす人々のための組織だからな 基本的には他の世界に侵略したりはしないし……。
まあ……例外としては……他の世界に干渉する「異界渡りの民」は取り締まる必要があると考えているが…… それ以外は比較的自由だからな。……ただし、自分の意志で他世界の人を殺してしまった場合は、厳罰に処されることとなる
・2つ目の勢力が、「魔族」達の住む世界だ。魔族達は「人間」に対して敵対心を抱かれている存在だからな。こちらの世界で悪さをすることも少なくない。……もちろん、魔族にも悪い奴だけじゃないからな
・最後になるが……この世界に存在する国々をまとめるのが「聖都アルムス」と呼ばれる場所にある、「神殿」と呼ばれている場所で、そこでは「神託の巫女」によって、「神の審判」が行われることになっている。「神」に認められることによって初めて「魔王軍」に対抗する為の力を手にすることができるらしい……。
ただ、この力は……簡単に手に入るものではなく、相応しい心を持った者にしか与えられる事がないとされている。……そして「神の裁き」をくらった場合……二度と転生できなくなるようだ……。まあ……死ぬより酷い目にあってるらしいな で……ここからが本題なんだが……。俺はお前のことを気に入った。まあ……。色々と理由があってな……。「神人族」、「魔神王」、「神龍帝」、「悪魔将軍」、「精霊使いの剣士」、「英雄王」などの名を聞いたことがあると思うが、まあ、そういう連中を纏めている長的な感じになっているのが今の「神殿の王」でもある訳だが……どうだ?俺の仲間にならないか?そうすれば、俺は力を貸すし、お前を鍛えることもしよう まあ……今すぐ返事をする必要はないが考えてみてくれ で……俺からのアドバイスだ!俺が言った名前の者は皆強者だ!気をつけるようにしろよ そして、お前も名前を聞いてピンときたはずだが……「獣魔」を従えた「英雄王」がいただろ? あれが……まあ、簡単に言うと「魔人」なんだ。まあ、あの時の「魔人」が誰かは知らないが……俺も「魔人」の一人なんだ。まあ……あの時はまだ力が足りないと思ったし、「獣王」や「妖精王」もいたし、あいつらが相手だったら勝てる保証もなかったしな で……今は……そこそこ強いと思っている。俺が本気で戦ったのは……10年前くらいになるかな。その時は、俺はこの世界に呼び出されたばかりだったが、何とか「魔人」を倒し切ることができたが、俺は瀕死の重傷を負った……。俺も死を覚悟したさ。……そして……死を受け入れようとした時に、突然、「光の柱」が出現した。俺の傷は完全に回復していたんだ。そして、俺の目の前に立っていたのが、「光の精霊姫リリス・ライトロード」だ。彼女は俺に「ありがとう。貴方のおかげで私は命を繋ぎ止めることができました。でもまだ完全とは言えません。なので……私を助けてくれたお礼として……私の身体を預けます。その代わり……お願いします!……どうか!私を「勇者」様と一緒に旅に同行させて下さい!」と言われた。そして……彼女は……いや……リリスは「女神」でもあったのだ!つまり、リリスが「勇者」である俺と一緒にいれば……彼女の力で世界を守ることが出来る。俺はリリスを受け入れた。……その後すぐにリリスは消えてしまって、俺はリリスが俺の事を好きになっていたということも知った つまり……「一目惚れ」って奴だったんだよな……。」
俺が何も言えないでいると神様が続けて話す。
神様は「まあ……そんな感じでな……。リリスは俺のことをずっと想ってくれていたんだ……。俺も最初は戸惑っていた。だが……リリスのことが好きになってきていることは確かだし……。
それに、リリスも「人間」に戻れたみたいだからな……。
今は二人で仲良く暮らしている。……でも俺が死んでしまった場合……リリスの心は深く閉ざされてしまうことになるだろう。
だからこそ……俺は早くリリスに会いたいんだ!……リリスを頼む……。」と言って俺の手を強く握ってきた 俺もその手を握り返し「わかりました!俺に任せてください!」と神様に伝えると神様は微笑みながら「よろしく頼んだ!」と言ってくれたのであった。そして俺は……まず最初にギルドに向かうことになった。まあ、神様との会話でも分かったことだが、お金が必要になることも間違いないのでとりあえず登録だけでもしておくことにして向かうことにしたのである。……ちなみにこの世界の通貨のことについて聞いてみると、金貨・銀貨・銅貨・石貨があるそうだ。金貨は一万円相当の価値があるらしく、銀貨・銅貨・の石貨で百円ずつ価値が上がっていくらしい。
まあ……この辺りは日本と同じ感覚だ。とりあえず、冒険者ギルドに行ってから、まずはお金についての説明を受ける。そして、俺は無事に冒険者になることが決まって……まずは、ランクを上げる為に簡単な依頼を受けることにしたのである。
「うーん……。どうしようかな……。依頼といってもなぁ……。」
正直言って、冒険者としての生活もしたこと無いので全く分からない状況だ。すると、リリスが話し始める。
「あの……。宜しかったら一緒に依頼をしませんか?」
「あ……あぁ。確かに、それもいいな……。じゃあ、今日はまずこの森での薬草採取クエストにするか……。」
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