出会いと別れについて

野林緑里

第1話

春は出会いと別れの季節だ。


だけど、社会人になるとその感覚はなくなったのだと思うのは私だけだろうか。


なにせ、新人が入ってくるのは春だけとは限らないからだ。大概春に新卒が入ってくることが多いのだが、中途採用の場合は季節なんて関係ない。朝来たら見たことない人がいて「今日からお世話になります」とかあいさつをしてきたりもする。


そして、別れは突然。


ある日、突然「何月何日に退職することになりました」と言い出すのだ。そのタイミングはさまざまでほんの一週間前につげるひともいれば、半年も前につげるひともいる。


ひどいときは「今日からお世話になります」といった人が半日したところで「具合が悪いので帰ります」とそのまま来なくなるケースもあったりするのだ。あんた何しにきたの?って感じだ。


まあ、社会人ってこんなもので、春に「出会いと別れ」がはっきり実感できるのが学生時代ではないかと思う。


春に入学して春に卒業する。


それが日本の定番でかならずやってくる。


もちろん、中には途中で転校してきて、途中で転校していくという出会いと別れの構図もあるが、大概は4月に出会い、数年後の3月に別れるのだ。


もちろん、そのまま会うことがない場合も多くはある。私も学生時代の友人たちとはまったくあってないし、連絡もとらない。むしろ、ただのクラスメートとかだといまどこでなにをしているか知らなかったりするのだ。


たった数年の同じ学舎で過ごした日々。


卒業式にはそれ思い出しながら泣いた人も居るだろう。


また会おうと約束しながらも会うことなく大人になったひともいるだろう。


出会って別れて


また


だれかと出会う


人生とはその繰り返しかなあと思う。


出会いによって


良くも悪くもなる


別れによって


いままでとは違う人生が始まる



出会いと別れはそんなものだ。







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出会いと別れについて 野林緑里 @gswolf0718

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