前編 この世界について軽く説明しようか
「フフッ、フハハッ、ハァーーハッハッハッハハハ!!」
「このっ、調子に、乗って!」
前話の最後で公約しちまってたので改めてこの世界についてオレの独断と偏見混じり捏ねりだが、できるだけ詳しく説明するとしようかね。
まあ、最初のとこは
「スターライト!!」
『
「ふぬっ!?」
まず、この世界には悪魔と魔物と怪人に超能力や魔法などを使いこなす超人どもが自然発生し、さらにそれらに対抗できる
そしてそれらによってもたらされる大規模被害、通称『超常災害』に対応するため創設された対超常災害の
「チッ、身の程シらずのザコが……
その身にキザめ、我がヒッサツ!
「っ!? プロテクションウォールッ!!」
だから長くても週1~2回、短けれりゃ二日三日置きに何かしらの事件や戦いが大小の規模問わず、あっちこっちで起きている。
極普通のモブ of the モブな一般人がほんの火遊び気分で半歩だけ道を逸れたりしようものならあっという間に日常と懸け離れた現実? 憲法法律? 物理法則? 何ソレ美味しいの? 食べて良い? なんて
「くぅぅッ」
「 フハハハハッ! そんなマモリなゾ貧弱脆弱虚弱無駄無意味ぃイっ!!
さあ、オノが無力をカミ締めゼツボウの闇にシズムがいイ!
ちなみに、研究機関は
理由ぶっちゃければ単純明快。情報隠蔽と情報操作のしやすさってぇところかね、国家権力的に考えて。
後は
それらを運用する実働班のトップが
「 耐えタ、だト……」
「はぁはぁ……くっ」
対して非政府、民間組織の研究所は上に立って組織を率いる人間次第ってぇところか。
人道を
逆説的に言っちまえば上がダメなら……てぇところだな。世間様の目を誤魔化す力は弱いから政府直属のとこよかは多少マシだが。
「今度、は……こっちの、番ッ!」
『
「スタァーダストォおおッ!!」
「ッ!?」
『ん? いやに詳しいなって?
見て来たからな、実際に』
なんせ基本オレの身体は『
なもんで壁は素通りだ。防犯だろうが防諜だろうがその手の
まあ、代わりに日の昇っている昼間は物理干渉ができない。出来るのは地面に立つくらいのことだけ。だもんだから戸締まり用心ガン無視して他人さまの家に上がり込めるものの、物に触れられず動かせないない上、床の上には立てずに
一応は少しばかり気合い入れればなんとかすり抜けずに床に立てるし、摺り足気味にゆっくりとなら歩くくらいはできる。ただ足を床から大きく離す動作がまずいのか階段とか大きな段差を上り下り出来ん。
だから昼間の屋内ではフヨヨヨ~っと浮遊しての移動が基本で、大体は床に沿って浮いている。
「こ、の、テイドぉおおオッ!」
「はぁぁぁあああっ!!」
そんなオレが苦労せずに物理干渉が出来るようになるのは日の落ちた夜。特に草木も眠る丑三つ時、午前2時ごろがもっとも強い力で物事へ干渉できる。それこそ前話みたいに物理干渉どころか
とにかく昼間は物理的なことは気合い入れて気張ってればギリギリ何か出来る程度の力しかない。
一応、昼間でも霊的なことは出来るには出来る。
出せる効力が弱くて疲れるから戦うとか出来んけどな。
まあ、だからこうして今目の前で繰り広げられている傍迷惑な騒動をお気に入りの森林公園だった見る影もない
『悲しいけどコレ現実なのよね』
倒れた木々や草花が燃えて煙る焼け野原で一人佇み、魔法少女と怪人の激闘によって撒き散らされ広がる周囲への被害に遠い目になりながらぼやく。
近くに繁華街があるのが嘘みたいに閑静で穏やかなこの広い森林公園はオレのお気に入りスポットの一つだったんだが、昼を過ぎた辺りで繁華街の方から空爆じみた轟音と狼煙のごとく火の手が上がり、悲鳴と怒号と共に慌て逃げ惑う人々が警官たちに避難誘導され、押し合いへし合いながら公園になだれ込むように駆け抜けて行った。
そうして現れたのが現在空飛んで戦っているあの二人。
片や自然発生した怪人 ―― 強すぎる負の感情に極端な物事への固執や執着によって身も心も怪物へ変質した元人間、あるいは肉体を持っていない低級や中級悪魔が何らかの生物に融合して生まれた
怪人の方は見た感じ細マッチョで成人した大人のような背格好だが、恐らく中二病男子あたりがドン底まで深く
露出度の高い鎧のような黒い甲殻に身を包み、目は黒く瞳は金色。肌はところどころにひび割れのように赤い模様が走った紺色で悪魔っぽい角に翼を生やし、四肢は籠手や具足のように他より分厚く大きい甲殻と堅そうな毛に覆われ、指先に鋭く大きい爪を生やしている。見るからに「ぼくのかんがえたさいきょうのまおう」ってな出で立ちだ。
だからか攻撃も一々「ぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざ」という感じでやたら仰々しく派手なエフェクトや身振りで、痛々しい技名を叫びながら放っている。
そんな中二病な見た目と振る舞いに反してあの強さを見るに怪人化後にでも中級悪魔辺りに憑依されたのかね?
それで魔法少女の方だが、歳は見た目12、3。
……童顔低身長の合法ロリでなければ、だが。
格好は昨今の変身ヒロイン定番のヒラヒラor身体の線丸見えなピッチピチで露出度多めな
大きな違いがあるとすれば薄
そんで戦い方は大火力の砲撃に大量に撃ち出す全弾が必中必殺の高速自動追尾誘導弾。それこそボムによる無敵時間を上手く使わなけりゃ抜けられない
ちなみに、撒き散らされている被害は怪人の派手で大雑把な攻撃による流れ弾や余波がほとんど。魔法少女の方は被害を最小限に抑えようと確りと自身の射線を意識している上で本来なら余裕で回避できる攻撃も敢えて大きな
『昔っから天才肌だったとは言え、見た目に反して戦い方が老練だこと……あの合法ロリ』
そう独り言ちて右手を懐へ突っ込み、左脇のホルスターから二丁拳銃として愛用しているマッドブラック塗装でSFじみた造形が施された
「ギッッ!!?!?」
「!! これで、決める! 」
『
「ギャラクシオンマキシマムブレイカーッ!!」
「ッ!? こ、コ、こンナッ!? コ、コトがぁッッ! ぁ゛ッ?!」
オレ愛用の銃から撃ち出された弾丸が命中し、怪人が防御も忘れて言葉にならない苦痛の声を上げれば、妨げがなくなった弾幕にあっという間にフルボッコとなり、ダメージで身動きが取れなくなったと見るや、それでも油断慢心も躊躇もなく魔法少女は
『高威力弾幕に続けて高火力
魔法少女の戦い様に呆れ半分な愚痴をこぼす。実を言うとあの魔法少女とは知人関係なのだが、ホントに見かけるたびに魔力量がバカみてぇに増えていっているのだ。
『あん、そんなことより昼間はギリギリ何か出来る程度の物理干渉しかできないんじゃなかったのかって?
今のは物理じゃなくて『霊的』な干渉。
すごい疲れるけど昼間でも一応霊的なことはやろうとすればやれるって。まぁ、霊とかの相手じゃなけりゃ昼間だとほんの一瞬激痛走らせんのがやっとで討ち倒すだなんだのは出来ねえけど』
「ぅ~~ん………! 居た!」
あぁ~疲れたと溜め息付きながら呟けば、怪人ブっ倒したんだから面倒ごと回避にさっさっと
彼の魔法少女と初めて始めて出会ったのは今から11年ほど前、本当に偶然も偶然。たまたま低級悪魔が野良猫あたりに憑依して怪人が生まれたところにオレと『
オレはといえば運悪く昼間だったからなにもできず、せいぜい危ないところへさっきやったみたいに横槍気味に
本来なら手を出す必要はなかったが、当時の彼女の様子から
なんで初見で彼女が未所属なのか分ったかって?
簡単な話だ。政府機関所属の魔法使いを始めとした能力者は最低で
だから怪人相手に
『まあ、魔法少女になったと同時に『
……どうせ
…………………
…………
……
今日は朝から少しばかりついていない。
久しぶりに遊びに行こうと友人と出かける予定があったのに目覚まし時計が壊れてて寝坊するし、慌てて身支度を終えれば休日の予定を合わせていた友人から急用が入ってしまって一緒に出かけられなくなったと謝罪の連絡が入って予定はキャンセル。仕方なく一人寂しく出かければ、毎度のお約束のように補導員に捕まって免許証を見せて既に成人していることを示すやりとりで下火の気分がさらに下がる。
そして止めに通りかかった繁華街で怪人出現。
しかもその強さは
出現時に私が居合わせたのは不幸中に幸いだけれども、私個人からすれば運が良いのか悪いのか分らない。
それでも被害を抑えるために立ち回るのに苦労しながら戦うけれど、当然怪人はこちらにお構いなし。加えて中二病な上に考えなしに暴れるから被害を抑え切れずに繁華街や近隣の森林公園は滅茶苦茶で、なんとか逃げ惑う人々にだけは被害が届かないようにするのがやっとだった。
それでも建物の倒壊や火災が起こっている以上は死者行方不明者が少なからず居るだろうと思うと気が重くなるけれど、戦闘中はそういったことは振り払うように意識を切り替えて考えないようにしてる。
『……死にてぇならいざしらず、
『半人前の未熟者が、他人様の身や命を気遣ったって守れも助けも出来やしねぇよ。
駆け出しだった頃、危ないところを助けられるも冷たく彼に叩き付けられた言葉が脳裏に流れて消える。
『守るだ助けるだ出来もしないことをほざくくらいなら、くだらん正義感なんざほっぽり捨てて、巻き込まれた他人様連れてさっさと尻尾巻いて逃げてろ』
『それでも戦場に身を置くっつぅなら、守れなかった助けられなかったと悔いるのも泣き喚くのも戦いが終わった後にしろ。
後悔でも絶望でもなんでも、それこそ悲劇のヒロインぶって浸って酔ったって構やしねぇよ。自己責任で好きなだけ好きにやってろ。
……それがわからねぇ、できねぇってんなら、さっさとこの戦場から失せろ。そんで、金輪際
戦っている中で
幼かった当時の私は煽りのような言葉を額面通りに受け取って、
強くなければ自分一人生き残るコトも出来ず、誰も助けられも守れもしないということ。
心も強くなければ惨たらしい
救えなかった後悔も、怖い痛い苦しいと泣きわめくのも、
だから、この
「 耐えタ、だト……」
「はぁはぁ……くっ」
――屁でも、ない。
「今度、は……こっちの、番ッ!」
『
「スタァーダストォおおッ!!」
「ッ!?」
ダメージによるふらつきと思わせるようにわざと弱々しくわずかに怪人より高度を下げると、周囲に四つの
自動追尾機能を備えた半誘導高速弾で弾幕を張り、ABCと振り分けて群あるいは部隊に見立てた自動追尾の魔力弾を班ごとに誘導して怪人の逃げ場を削り、わざと作った逃げ道で
前後左右上下隙間なく、
「こ、の、テイドぉおおオッ!」
大きなダメージを与えるも怪人はすぐに
「はぁぁぁあああっ!!」
ならば障壁が砕けるまで削り取るまでとばかりに魔力塊二つを追加し、魔力弾の圧を上げていく。
しかししぶとい。ランクB相当と推定はしたけれどこの中二病怪人しぶとすぎる。
今朝からのついてなさと周辺被害のこともあってちょっとらしくなくイラっときてしまい、ソウルビートに貯蔵してある魔力も全部乗せで撃ち込んでやろうかと後先考えない浅慮な思いが浮かんだ時だった。
「ギッッ!!?!?」
突然中二病怪人が短い悲鳴と共に障壁も消し飛ばして無防備な姿をさらし、今まで防がれていた囲い込むよう誘導した自動追尾の魔力弾があまさず殺到し、怪人を袋叩きにしていく。
「!! これで、決める! 」
ある種の懐かしさすら感じたとても見覚えのある事象を目にし、非常に気になった。気になったけれど、それは終わらせた後で良い。
そう自身に言い聞かせ抜群のしぶとさを見せてくれていた中二病怪人を確実に仕留めるべく、一気に間合いを詰める。
『
私の意図を察したソウルビートが速やかに魔力チャージを完了させる。
さすがソウルビート。『相棒』と呼べるまでに付き合いの長くなった
「ギャラクシオン、マキシマムブレイカーッ!!」
間合いを詰める勢いのままに怪人へ接近し、ハートビートの砲口をその懐へと突きつけて最大火力の砲撃魔法を撃ち放つ!
「ッ!? こ、コ、こンナッ!? コ、コトがぁッッ! ぁ゛ッ?!」
砲撃による極光に飲み込まれ、断末魔の声を上げながら中二病怪人が跡形もなく消し飛んでいった。
「はぁ~……ソウルビート」
『
名を呼べばそれだけで私がなにを言うか先回りして主語を抜いて要点である
中二病怪人との戦闘開始からの終わりまでの所要時間23分58秒。想定よりも早く終わらせられたようだ。被害は大きいようだけれどこの短時間の戦闘なら規模の方は小さく済んだ、といったところだろうか。
怪人出現の知らせから緊急出動しただろう政府と民間のガーディアンズ到着に一時間弱かかる場所であることを踏まえて早々に立ち去るべきだろう。
後ろ暗いことはないけれど、政府と民間双方の事情聴取を受けるのは非常に面倒。下世話だけれど指名手配され多額の賞金の掛けられていた怪人を倒したとでもない限りは、代価なしなら御免被りたいくらいに面倒極まりないのだ。
なにより政府民間どちらへもあくまでも任意で警察のそれよりも強制力のない物なので、
これは有志の民間協力者、未所属あるいは無所属の能力者に能動的超常災害対応や救助活動をわずかでも促すための一助らしい。
賞金が掛けられた一部の例外を除けば報償もなにもない命懸けの
法やら権力やら義務やらを振りかざして締め上げられたら折角の有志も消え失せる。同様に国家権力で組織への所属などを強制すれば、超常災害に対処可能な能力者たちがそれに反感を持ち、いずれ反感を抱いた能力者たちが一つに集まり、最悪その力を駆使して
だから在野の能力者たちの能動的超常災害対応と救助活動を促すと共に、その力を使ってみたいという情動を犯罪行為で満たさせないため、能力者による超常災害対応や救助活動へ使うように、また組織への所属を促す意味でも敢えて締め上げを緩め、マスゴミを抑えてマスメディアを上手く使い、活躍を讃えることで意識誘導を行っている。
長期的視点を有したこれらの執政を主導した政治家は真面な部類且つ相当に有能なやり手だろう。こういう政治家が対超常災害機関にもっと踏み込んで関わってくれればあそこまでひどい裏はできなかっただろうに。
と言うのがく彼の言(の要約。本当はもっと皮肉まみれで込み入った内容だったと思う)。
あの戦闘中に目にした見覚えのある事象から私は魔法とは『別の力』を意識して瞳に込め、あの瞬間の怪人の仰け反り方から見て地上から放たれた物のはずと視線を下へ向けて目を眇めて辺りを見回す。
「ぅ~~ん………! 居た!」
戦いの被害で倒木が目立ち、あちこちで生木が燃えて煙り、元の姿を失った森林公園に、居た。
辛うじて人型とわかるぼんやりした黒い靄の塊、静かに佇んでいる彼が。
直接面と向かって会うのは大体3年ぶりになるだろう友人へ懐かしさに勇んで近づけば――
『……なんのようだ合法ロリ巨乳。さっさとずらからんと官民合わせの相手でクッソ面倒くせぇことになるぞ』
――第一声のセクハラ発言で久々の再会に上がりだしてた気分が急降下した。
いや、皮肉屋な彼流の気遣いの言葉なのは分るだけれど。け、れ、ど、もっ!
「女性に出会い頭開口一番セクハラ発言はさすがにデリカシーなさすぎだよ!! 『テッド』!」
怒ってますと意思表示で早口に捲し立てれば目の前の黒い靄の塊は
今彼を『テッド』と呼んだが、それは彼の名前ではない。私が考えた愛称だ。
その存在故か彼は自分を差す明確な名前を持たない。彼が意図的に接触した個人や組織が付けたという
だから私はアンデッドの「デッド」を元にした愛称で彼をテッドと呼んでいる。
『昼間の上に日が差すこんな場所でもオレの言葉がはっきり聞こえるとか、霊力まで増えてんのか。
お気に入りスポットがダメになるは最悪だな、今日は』
「最悪なのはこっちだよ!
休日なのに今朝からさっきとついてないことばっかりだし!」
『愚痴を聞いもらいてぇならちゃんとした生きた人間相手にやれ。
それともそんなのもいねぇ痛いボッチか?』
「ボッチじゃないもん! ちゃんと友達いるもん!!」
『聞きまして皆さん。いい歳こいて「もん」、とかw
U☆KE☆RUwww』
唐突に虚空へ視線を向けて話し掛けるいつものふざけた態度でテッドはお腹を抱えて笑う仕草と声色で私を煙に巻こうとする。
「んもー、時間に余裕ないのにからかわないで!」
『……時間がないなら、オレなんぞに関わってねぇでさっさとずらかんな』
ダルそうな物言いで愚痴を言ったかと思えば高めの声でふざけた言動を取り、かと思えば急に低い声で真面目に話し出す彼。
いつものことながらテンションの緩急が激しい。
「 ふざけるのか真面目にするのかどちらかに」
『
「・・・・・・今日の夜8時ごろに私の家に来て」
ソウルビートが無駄に時間を取られて私のしたい本題に入れずにいると察して遮るように声をかけてくれたおかげで冷静になれた私は深呼吸一つ吐いて簡潔に本題を告げる。
『おい、オレはこんなんでも立派な銀タマ付いた男だぞ。
魔法少女で巨乳な合法ロリが夜更けに自宅へ男を誘うなぞ、エロゲヒロインにでもなる気か』
「
『Charge up』
変わらずふざける
『Oh』
そんなふざけた声と共に
確かに彼には物理攻撃が一切効かないし、魔法による攻撃も彼曰く『予防接種の注射を打たれたくらいには
「……今日の夜8時に私の家に来て、約束よ」
『あ~……へいへいりょーかい』
「今日の夜、8時に、
はい、復唱!」
投げやりなテッドの返答に約束
『……………』
「……………」
『……はぁ~、わぁたっよ。今夜8時にお前の、如月 菜々華の現在住んでる家のリビングに行く。…………約束だ』
しばしの睨み合いの後、根負けしたというように溜め息を吐いてテッドは渋々ながら確りと約束の内容を復唱した。
口約束だろうと一度『約束』すればテッドはその在り方故か必ずそれを守る。
「約束だよ。またね」
再会と約束を取り付けられた嬉しさに笑顔で一旦の別れを告げてその場を飛び去った。
背後で聞こえよがしに盛大な溜め息を吐くテッドの声が聞こえたが、いじわるな彼が悪いと苦笑を浮かべて今夜は何を話そう何を聞きだそうと思案に浮かれる私だった。
-多分つづかない?-
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