男の僕が何で美少女Vtuberに……⁉

第49話 運命 (???目線)

今日はずっと待っていたコミケ二日目だ。やっとやっと……今年も……リアルの百合やBLを拝むことができる……。そう思いながら私は必要なものを鞄に詰めていく。カメラは必須だ。あとは、エピソードをまとめるノートと水とかゼリーか……。

私はいわゆる姫女子兼腐女子（百　合　や　BL　が　好　き　な　人）だ。

今日はこの姫女子兼腐女子としての任務を果たしに行く。自分の住んでいる場所では、ちょうどコスプレ(男女逆転含む)のイベントが行われているんだ。この場所に住んでてよかった、と何回思ったか……というぐらい最高の場所だった。

楽しみだなぁ……。

早速外へ出て会場に行くと、大型イベントだからか沢山のコスプレイヤーがいた。中には、長年腐女子や姫女子をやっていないと分からないコスプレをしている人もいた。人気な作品だったら恥ずかしいのか……？でも……あぁ、来てよかった、と思えた。

私はカメラを取り出して、周りには目もくれずさっさと会場の奥の方へと歩いて行った。可愛いキャラのコスプレやかっこいいキャラのコスプレをしている人達もいたが、どうでもいい。目的ではないからだ。それより、少し先にいる３人組のコスプレイヤーが気になった。女性３人組だ。一人、終音ミコのコスプレをしている人がいる。男女逆転なのに……でも、それはどうでもいい。女子にしか見えないからな。

それより、絡みが最高……尊すぎるのだ。

終音ミコのコスプレをしている人がほかの二人に囲まれて笑っている。時々、泣きそうな顔になったりすると、他の二人が頭をなでて機嫌を取る。すると、人が変わったように機嫌がよくなる。そして、周りに花が咲いたような最っっっっ高の笑顔で二人に話しかける。すると、扉音レオのコスプレをした人が気を失いそうになりながらも答える。NAITOのコスプレをした人は顔を真っ赤にさせながらも扉音レオのコスプレをした人を支えている。完璧に、終音ミコのコスプレをした人は人たらしだな。

これを見て考えるに、終音ミコのコスプレをした人が受けで……他の二人が攻めか……でも、終音ミコと扉音レオのコスプレをした人が受けの可能性もある……。とにかく、最高だ……今までにリアルでは見たことないぐらいの顔面偏差値の人たちが最高の絡みを……

そんなことを考えていると周りにいた人がその人たちに話しかけた。すると、周りの人たちが一斉にカメラを向ける。あぁ、ぷち写真撮影会が始まったのか。この際、撮りまくって家に帰って拝みまくるか……。そして、とびっきりの笑顔を見せている３人組に向かってカメラを向けた。

☆

イベントが終わってしまった。正直言ってまだまだ見たりない。

……よし。バレないように後を付けるか。何歳かだけでもいいから、知りたい。もしかしたら、私と同じ学校に通っているかもしれないし……。あの女の子は私と同じぐらいの背丈だし……

いけないことだとはわかっているが今回だけは見逃してくれ……神よ……

そうして、私は悩みながら（一瞬で）後を付けることを決めた。