第20話 僕のママ

「か、母さん⁉」


こんな所にいるはずがないのに……何で⁉


「あはは、バレちゃったか……てへぺろ♡」


あ……、正真正銘僕の母さんだ……。


「何でここにいるの⁉……もしかして、青空心の?」

「その通り!栗空流のお母さんであり、青空心のママの、栗空七海。別名、nanaだよ!」


え?nanaってあの?超有名絵師の??????あとを作ってくれた絵師さんが母さん??


「何でnanaってこと教えてくれなかったの?僕、nanaの大ファンなんだけど!」


そうだ。僕は、nanaの大ファン。それが母さんだったなんて……。


「へ~!そうだったんだ。うれしいな~!」


へ~!、じゃないっ!僕は怒ってるんだ!


「あと、を作ってくれたのが母さんって何?何で家で教えてくれなかったの?母さん、僕に隠してることばっかり!それにお姉ちゃんも!なんでみんな職業偽ってるの!?」


目に涙をためて、叫ぶと、お姉ちゃんと母さんはびっくりしていた。


「ご、ごめん……。こんなに怒ると思わなかった。デザイナーって偽ってたのはね……。」

「ごめんね。流ちゃん。普通の会社員って偽ってたのはね……。」


二人が僕に打ち明けようとした時、とっても空気を読んでいない能天気な高い声が聞こえてきた。


「七海ー。会議、終わったぞー……って来たらいけない時だったか?」


その声は、さらなる驚きの開幕だった。

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