『出会いと別れ』がテーマな作品としては良いですね。何も希望が無い状態だからこそ生き延びていた彼が、逆に希望を持ったことで死に向かってしまったのは皮肉ながらも良いまとまり方だったと思います。
空っぽな中に僅かに満たされた希望が毒の様になってしまったのが、彼が如何に希望無き今日を生きて来たのかが分かります。ここで彼女の為に生きる! となるよりも、この主人公の惰性だけで生きているスタンスが一貫しているのが良いですね。残された彼女が気の毒ですが、円満に訪れる別れの方が少ないと思うと、この結末も納得な物です。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
書きたかったことが伝わっていたようでとても嬉しいです。
彼のような生き方死に方もあるんだな、と思っていただければ幸いです。
絶望した世の中、これ以上の絶望は訪れないと思っていた。
死が絶望から逃れる手段ではなくなった、絶望も希望も何もなくなった世界に、
唐突に訪れた、か細い光、日に日に大きく暖かくなる光
唐突に失うのが怖くなる、絶望が押し寄せる
死が絶望から逃れる手段として意味をなす
希望が絶望を後押しする
不思議な感覚で、不思議と納得できるような話をありがとうございます。