第3話

「レイネ〜起きろ〜」

「ん…うぅ…」


起きねぇ…ッ!

どうする?強引に起こしたらセクハラとか言われない?大丈夫?


「レイネッ!頼む!起きろ!起きてくれ…!」

「ん………あ、あ、あの…どうしたん…ですか?」


起きたぁ!良かった!

セクハラの危険を背負わなくて良かった!


「いや、もう朝だぞ?それに今日は色々教えなきゃいけないからな」

「……お、お、教え…る?」


「ああ、一人暮しに必要な技術を教えてやろうと思ってな」

「……ひ、ひ、一人暮しに、必要な…技術?」


「あ〜、料理とか掃除とか?」

「……な、な、な、なる…ほど」


「よし、じゃあ早速色々教えて行くから」

「………わ、わ、わかり…ました」


ーーー


「あ〜、レイネ、もしかして…料理、下手?」

「……は、は、はい…」


そっかぁ…

元々料理できるとかなら楽なレシピを教えるとか買い物の仕方を教えるだけで良いんだけど…


でも料理を教える所からとなるとなぁ…

う〜ん、どうしよう…


俺、料理教えられるほど熟達してねぇよ…

代用品とかは詳しいけど基本レシピ通りにしか作れないし…


「あっ、そうだ!」

「…!……ど、ど、どうした…んですか?」


料理教えられる位上手い知り合い居るじゃん!

アイツなら料理教えられるでしょ!


それに吃音症を馬鹿にするような奴でもないしな

…アイツも少数派の気持ちは分かるだろうし


「知り合いに料理を教えて貰いに行くぞ!」

「……き、き、急すぎ…」


それはそうなんだけど…

でも思いついた事を言葉にしただけだし…


「俺は料理が教えられる程上手くないから俺の代わりに知り合いに料理を教えて貰おうって事だ」

「………わ、わ、わ…かった」


ーーー


料理を教えてくれる知り合いが居るのは俺の住む家の近く、というか2件隣の屋敷だ


ここも顔パスなのでさっさと目的の知り合いの部屋までレイネを連れて行く


「アレン、入るぞ」

「ん?先生?いいよ〜!」


ノックして部屋に入る許可を貰ったのでレイネを連れてアレンの部屋に入る


「アレン、この子に料理を教えてやってくれ!」

「えっ…?いや、いいけど…急にどうしたの?」


そうやって困惑しているのは本だらけの部屋に似合わぬゴスロリ衣装を着た美少女


「いや、この子が一人暮しを始めるらしいから料理を教えようと思ったんだけど…」

「けど?」


「全然料理が出来ないらしくてな、教えるのが苦手だからお前に教えて貰おうと思って」

「あ〜?うん、うん?わ、分かった?よ」


めっちゃ困惑してる気がするな…

なんでだ…?


「……あ、あ、あの…この人って…」

「ん?ああ、僕の事知ってるの?僕はアレン、賢者と呼ばれた…に、人間?だよ」


そういやアレンってめちゃくちゃ偉いんだっけ?

忘れてたわ


「それとその子は…」

「ああ、吃音症のエルフだ、出来るだけ合わせてやってくれ」


「ああ、分かったよ、それで…料理だっけ?早速教えるからキッチンまで行こうか」


ーーー


「よーし!"肉じゃが"の完成!」

「………か、か、かん…せい!」


うわ〜、レイネ飲み込み早ぁ…

これなら俺が教えても良かったかもな


「ん?お〜!美味そうな肉じゃがじゃねぇか!アレンが作ったのか?」


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