第2話

俺は今吸血鬼退治のクエストで常夜の国と呼ばれる場所に来ている


この場所は多数の吸血鬼が集まる、吸血鬼の国とも呼ばれる場所なのだが…


実はこの場所にはクエストを達成しにではなく依頼主に会いに行っている


その理由は知り合いだから挨拶に行くのともう一つ

この依頼の吸血鬼をどうするか聞くためだ


なんて考えながら走っていると、いつの間にか依頼主の館の前だったので焦って止まる


そのまま顔パスで館の中に入り、依頼主の居る部屋まで一人で歩いて行く


そして依頼主の部屋にノックをして居るかどうかを確かめる、まぁ…居るだろうけどね


「俺だ、入れてくれ」

「…キョウか?」


ほらね?やっぱり居た

ただでさえ引きこもりなのに昼だし絶対自分の部屋に居ると思ってたわ


「ああ、そうだ」

「そうか、入ってくれ」


この銀髪ロリがこの依頼の依頼主であり、常夜の国の王の一人であるリア・ドラクルだ


ちなみに吸血鬼の女王だからロリだけど数百年は生きているとのことだ


「…会いたかったぞ、キョウ」

「そうか所で引きこもりは治ったか?」


「…すまない、治ってない」

「良いんだ、ただ行きたい所とか無いかと思ってな流石にずっと部屋に一人だと退屈だろう?」


この世界だと一人で遊べる娯楽なんて無いし、俺も修行と旅だけが日々の楽しみだからな…


何も無い部屋に一人だけで数日とか…気が狂うだろ


「な、なら…お前と一緒に旅行したいんだが…」

「いいぞ」


なんで一緒なのかは分かんないけどまぁ、この引きこもりが外に出るってだけで素晴らしいからな


「そ、そうか!それは良かった!」

「で?いつにする?今日はクエストがあるから無理だし、明日も用事があるからな…」


「な、なら…三日後にしよう!それまでに色々準備しておくからな!」

「おう!…それで今回の吸血鬼は生け捕りか?それとも殺害か?」


めっちゃ明るい話した後に申し訳無いんだけどこれが仕事だから…


ごめんね…


「ああ、そういえばそれが今回の目的だったな、今回の吸血鬼は生け捕りだ、頼んだぞキョウ」

「オーケー、生け捕りね?それで派閥争いはどんな感じだ?」


彼女は吸血鬼の女王である、なのになぜ吸血鬼討伐のクエストを出しているのか


その理由は人間と仲良くするため、だ

というのも吸血鬼には何人かの王がいた


もう既に彼女以外の王は全員殺したのだが…

彼女は人間に友好的な吸血鬼であり、人間との和平を望んでいたので見逃した


それからは王が死に、人間と交友を結ぼうとする王派閥と人間とは徹底抗戦する貴族派閥に別れ、争っている


この争いを有利にするために吸血鬼討伐の依頼を出しているのだ


そして俺はそれに協力している


「…なぁキョウ」

「なんだ?」


向こうから話しかけてくるとは…中々珍しいな


「あっ…え〜、その、キョウは、どんな服装が、その…好み、なのだ?」


俺の好み?それは関係なくね…?

いや、待てよ?俺の機嫌を取ろうとしている…?


「俺の好み?気にしなくて良いぞ、自分が好きな服を着れば良い」

「む、むぅ…それでは困る…」


あぁ…なるほど、これコイツ外用の服装がわからなかったのか、俺も分かんないから勘弁してくれ…


「あ〜、じゃあお前に似合ってる服装が好み、って事でどうだ?これなら一応目標はあるだろ?」


従者の人にこう言ったら多分いい感じにしてくれると思うぞ!…多分


「…分かった!そうする!」


…よし!なんとか俺も分からない事を誤魔化せた!

ボロを出さない内にさっさとクエスト行こ…


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る