4.関係

 一週間後、由紀が再び教授室にやってきた。


 私は由紀の論文をたたえた。私のコメントを聞く由紀の顔には純粋な喜びが浮かんでいた。その夜、私は由紀を食事に誘った。


 こうして私は由紀と付き合いを始めた。最初は考古学に興味を持つ女子大学生と独身の若手考古学教授という学問上の関係だった。私は週に二回は由紀を食事に誘った。食事をしながら、私は考古学のことを面白く由紀に話して聞かせた。由紀はいつも眼を輝かせて私の話を聞いていた。


 頃合いを見て、私は食事の後で由紀をホテルに誘った。由紀は最初戸惑っていたが・・私が風呂から出るとスリップを脱いで全裸で私に飛びついてきた。予想通り、由紀には私が最初の男だった。そして、由紀は私に夢中になった。


 私たちは男と女の関係になった。


 そうしたある夜、いつも二人が使うホテルのベッドの上で、私は由紀に言ったのだ。


 「由紀。大学を卒業したらね。僕と結婚してくれないか」

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