思慕
彼女とは4年付き合っている。一緒に住み始めてから2年が経った。お互い、最初はここまで一途に愛せるとは思っていなかっただろう。特に遠距離の時は、いつ別れてもおかしくなかった。数えきれないほど喧嘩して、時には投げやりになった。
飛行機で彼女のいるところまでひとっ飛びして会った時、全てがフッと変わったような感覚を今でも覚えている。最初は恥ずかしすぎて、まともに顔も見れなかった。彼女が後ろから飛びついてきた時の感覚は、今でも鮮明に思い出せる。心臓が口から出るかと思った。身体の中の血液がカァッと熱くなるのを感じた。
一緒に暮らすようになっても、大半は浮き足立つような感覚がずっとあった。寝ても覚めても彼女が横にいる。彼女の手料理を食べている。彼女の横に立って歩いている。全てが信じられなかった。あんなに澱んで見えていた景色が、全部煌めいていた。付き合って4年経った今でも、気持ちは1mmも減らない。こんな風に幸せになれるとは思わなかった。一人で、しみったれた田舎で死んでいくものだと思っていた。彼女がすべてを変えてくれた。
彼女に対する気持ちは、これからもずっと、きっと変わらない。もし彼女と別れるようなことがあれば、ぼくはその瞬間、光の粒となって舞うようにして消えたい。
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