△マンガ成分3
最近、原作がある創作のメディアミックス問題が賑やかです。
もちろん、私のような創作の末席にいるアマチュアには、まったく関係のない話ではあります。
ただ、だからという訳でもありませんが、創作をする上で重視しているのは、パクらずオリジナルにこだわるという気持ちです。
もちろん、書籍化でも、漫画化でも、アニメ化でも、実写化でも、果ては二次創作でも「商機」を創出するそれぞれの立場は理解できます。
それでも、0から1を生み出す行為は、やはり特別なことだと思うのです。
1に何を足すか、何を掛けるか、その派生に対してはどこまで行っても、オリジナルの“1”を大事にしてほしいのです。
とはいえ、原作がイマイチでも漫画化やアニメ化で優良なコンテンツに化けるということは事実です。
故に、原作者がいろいろを選ぶ権利、つまり「責任に関与させる」ことは重要かつ言い訳排除にもつながると思うのですよね。
まあ、我々の創作物を外部評価で拾い上げてもらわなければいけないのが前提ですけどね。
皮算用は然るべき位置に辿り着いた時に考えることにしましょう。
さて、久しぶりのマンガ成分です。
私はマンガもめっちゃ読みます。
老若男女向けを問わず、あらゆるジャンルに興味を示すため、最近ではコレクションの秘匿性を確保すべく電子版購入が主流です。
そのコレクションの中で、これはおススメ! というタイトルをご紹介したいと思います。
もちろん、これは本当に個人的な好みなので「おススメを読んだけど、つまんなかった!」というクレームは受け付けますが、だからと言ってどうすることもできないことをご承知願います。
◎恋愛系
「つぐみ先輩の好きはちょっと変」きあま紀一
間と言うか、雰囲気と言うか、全体に流れる空気感がとても好きです。エキセントリックになりそうな感性を日常に繋ぎとめる技量が素晴らしい。
「微熱空間」蒼樹うめ
まあ、なんと申しますか、攻めてます。
「恋文と13歳の女優」じゃが
ちょっとどういう結末に辿り着くのか心配になりますね。どこかでこの“ほのぼの感”が転調しそうな可能性は拭えませんね。
そういう意味ではサイコサスペンスを見ているのかも(笑)
「今日もベランダで」糸川一成
リアリティはさておき、物語としては面白い。都内で殺伐と暮らす独身者がリアルに夢見る世界は描けているのかと。
◎異世界チート系
「狂乱令嬢ニア・リストン」南野海風、古代甲
最近の中では飛びぬけた逸品です。恐らく間違いなくアニメ化に進むのでは? これはもちろん原作も面白いですが、マンガ家さんに恵まれた好例でしょうかね。
「転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました」らる鳥・しあびす、成田コウ
種族による寿命の違いは、たくさんの物語がありますが、きちんと主人公の時間軸で描いているのが素晴らしいですね。
「フリーレン」は、物語自体は人間の時感覚で描かれているので、その差異を実感することは少ない。
本作は否応なしに老いと別れが描かれ、それを直視させられます。人と寿命の違う生き物と暮らしている方には刺さるかと。
「ほのぼの異世界転生デイズ」しっぽタヌキ、吉元ますめ
絵柄はほのぼのしてますが、内容は結構辛辣というか残酷です。特に敵役の末路が(笑)幼女がチートで自重なく大暴れする様は痛快ですね。
「公爵家に生まれて初日に跡継ぎ失格の烙印を押されましたが今日も元気に生きてます!」小択出新都、世鳥アスカ
女性向け作品ではありますが、大変な境遇の中でも前向きに生きる主人公を応援したくなる作品ですね。
「オーバーリミット・スキルホルダー」三上康明、長月みそか
“設定好き”な創作者には嵌るかと。本筋の展開に冗長感はありますが今後の展開に期待大です。
「召喚された賢者は異世界を往く」夜州、小林こー
絵柄は好みじゃないのですが、設定が好きです。なんだかんだずっと買い続けて読み続けてしまう不思議な魅力があります。
「マイナススキル持ち四人が集まったら、なんかシナジー発揮して最強パーティーができた件」小鈴危一・しらび、太平洋海
これは理解に脳が疲れますが、途中から理解を諦め、とにかく四人集まれば相乗効果が発揮されるのだ! と納得して読んでいます。こちらも作画がとても好みだったりします。
◎異世界現代知識チート系
「異世界メイドの三ツ星グルメ」モリタ、U4
原作の良さを、コミカライズで更に成功する好例ですね。コメディをしっかり描写できるセンスはマンガ家さんが原作をしっかり理解しているからだと思うのです。
「お気楽領主の楽しい領地防衛」赤池 宗、青色まろ
こちらもマンガとしての技量が高く、原作を上手に補完してくれています。
主人公はしっかりチート持ちではありますが、野心の無さからこちらのジャンルに載せました。もう少し世の中に積極的に関わっても面白いと思うのです。
◎その他
「ダンジョンの中のひと」双見酔
ダンジョンマスター側の視点を可愛らしい絵柄で表現されておりますが、内容は結構、辛辣で残酷だったりします。痛快ですし迷宮解釈の一つとして単純に面白いです。
「Dジェネシス」之貫紀、平未夜
残念ながらキャラデザの段階で「コレジャナイ!」を痛烈に叫んだ作品だったりします。シティー〇ンターじゃん。
原作はとてもとても好きなのですが書籍化された時点で愕然として、そのキャラデザを踏襲したマンガ版で絶望したにも関わらず、どちらも購入し続けているという業の深い作品です。
私の三好梓を返せ!
と、彼女のビジュアルは脳内補完しています。他はどうでもよろしい。
妙な蘊蓄会話と上流階級感さえ無ければもっと面白いし話も進むと思いますが、やはり面白いのは確かなので仕方ありません。
上記のラインナップは、公言できる無難な作品であり、マンガというメディアでの質が高いと判断したものになりますね。
原作は良くても、マンガ化で魅力が損なわれる作品は多いです。それだけビジュアル化のハードルは高いです。私も時に「このイメージじゃない!」と地団駄を踏む作品は数多くあります。
キャラデザインも、コマ割りも、作画技量も、そして原作踏襲率も、全てが噛み合うとマンガとして大成功と言えるのでしょう。そしてアニメ化などといった次のステップに向かうのかもしれませんね。
つづく
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