〇事象に対する位置と距離が及ぼす錯誤について
「ジハイドロゲンモノオキサイド」ってご存知でしょうか?
Dihydrogen Monoxide(略してDHMO)は、常温では液体。また溶媒や冷却剤などによく用いられる物質です。
以下にその特徴を記載します。
水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。
中毒を起こす場合がある。
こんなあまり芳しくない特徴を持ちながらも、多くの工業において副次的に、 そして大気・河川・海などに何の規制も無く放出されている。
さて、この物質に対し、みなさんはどんなイメージを持ちましたでしょうか?
以前、アメリカのラジオ番組で、上記の説明と共にこのような特徴を持つ物質が、水道管に充満していると放送したところ、えらい騒ぎになったらしいです。
これが偏向報道の一番わかりやすい例なのかも知れませんね。
事実しか伝えていないのに、その伝え方一つで、まるで世界一の暗黒物質みたいに印象付けてしまう。
残念ながら、世の情報発信媒体から放出される情報は、その組織の特色はもちろんありますが、基本的にこういった「恣意的な誘導」や「偏った視点」を持ちます。
そして単一の情報収集手段しか持たない人は、それが唯一の真実と誤認してしまう。
「テレビで言った」「新聞に書いてあった」「著名人が言った」「フォロワー数2万の彼が言った」縋りたい情報ソースは宗教となんら変わりがないのかもしれません。
でも我々は、主体的に動くことができます。知識や情報を自分自身の行動で集めることができます。
そうすれば、ジハイドロゲンモノオキサイドの化学式が「H2O」であることに気付き、我々の体の中に6割以上存在している大切な存在であることを理解できるのです。
世の中には多くの「事実」があります。
それはどの位置、どの距離から見るかによって形は変わるものです。
いろんな視点があること。
それを伝える組織が、どの視点から見ているか理解すること。
そして、自分はどの視点からも自由に見ることができること。
この三つさえ理解していれば、我々は常に自由でいられるのだと思うのです。
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