◇鼠の海(前半)
感染者数も一向に減らない現状ですが、まん延防止も終わり、ワクチンの三回目もとっくに済んでいたので、ちょいと訳あってディズニーシーに行ってきました。
行った後、できるだけ人と会わないスケジュールを立て、万が一罹患した場合に備えた仕事の調整を済ませ、アルコールスプレーやアルコールティッシュを大量に持参し突撃しました。
仕事以外では約二年ぶりの県外。
道中の拘束道路、もとい高速道路は上下線共に大変混雑しておりました。
それでですね、二年半ぶりのディズニー。
以前と比べていろんな変化があったのです。
コロナ中もガンガン行ってた人にしてみれば面白くもなんともない情報でしょうが、これから行かれる方に少しでも有益になればとタイプしています。
〇入場列
立体駐車場に車を停めたのが開場一時間前。
どうせ開場時間にならないと入れないのだからとのんびりしていたら、入場ゲートから離れた立体駐車場一階へ誘導され、長い待機列へ。
ちょ、こんな遠くに並んだの初めてなんですケドぉ、と、明らかに以前よりも遠い位置での待機に驚きを隠せません。
すると開場30分前くらいから列が進み始めます。
開場時間でもないのに何故進むのか、我々はどこに連れて行かれるのかドキドキしながら入場ゲートに近づきます。
遠目から何やら妙な装置が見えてきました。
白い長方形の枠に赤と緑のランプ。
まさか、コロナ陽性者発見装置? と妄想しながら順番を待ちます。
傍らにはベルトコンベア式の手荷物検査。
長方形の枠は金属探知機。
うん。飛行機に乗る前に調べる検査装置と同じ物でした。
昔は、バッグを開いて見せて、目視でオッケーって感じでしたが、ずいぶんと厳重な仕組みになったのですね。
ていうか、体温は? 問診は? アルコール消毒は?
コロナ対策より所持品に拘る姿勢がよく分かりませんでした。
その検査が済むとお馴染みの入場ゲート。
スマホでQRコードを表示させ、バーを潜る。
え? まだ開場時間じゃないんだけど?
すでに園内は大量の入場者で溢れかえっておりました。
要は、手荷物検査に時間がかかることを見越して、開場時間に拘らず入場させるという方式に変わったみたい。
へぇ、ディズニーも柔軟性って言葉、知ってんだな(笑)
と感心した後、大変なことに気付くのです。
〇スタンバイパス
遥か昔、ディズニーはA~Eまでのアトラクション券がありました。
入場券以外に、アトラクションを楽しむためにそれらのチケットを別に購入したのです。
その後アトラクション券は無くなり、普通のパスポートになりました。
時が経ち、ファストパスという優先してアトラクションを楽しむチケットが登場したと思ったら、現在はスタンバイパス。
これは言ってしまえば「アトラクションに並べる券」です。
ファストパスの時代、人気アトラクションの待ち時間480分とかありました。
攻略法を熟知しているリピーターは、どんな順番でファストパスを取得し、どこにいつ並ぶかまで綿密な計画を立てておりました。
アトラクションの乗り場は、通常スタンバイ列とファストパス列に分かれ、ファストパスには利用可能時間が印字されていて、その時間に並ぶと、あっという間に楽しめます。
数時間待っているスタンバイ列の怨嗟の視線を感じながらズンズン進むのは、異様な罪悪感を覚えたものです。
たった一つのアトラクションだけ楽しんで帰る猛者や、何も分からず何一つ乗れずに帰る不慣れな人もいた。
慣れた者と不慣れな者の格差はひどく、お金がかかるばかりで楽しめない弱肉強食のテーマパークとして批判を浴びてきました。
そこで生まれたのがスタンバイパス。
人気のアトラクション。
混雑具合。
入場数。
これらの複合情報に合わせ柔軟な運用が可能となりました。
混んでいなければスタンバイパスの発行は無く、普通に並んで乗ります。
特定のアトラクションが混み始めるとスタンバイパスの発行が行われます。
そうなるともう、並びたくても並べないのです。
カンカン照りの灼熱の夏休み、水分補給のために列を離れることもできず、同行者と険悪なムードになりながら数時間待って、やっと乗ったと思ったら数分で終わり、あの苦行に見あった喜びを無理やり語り明かす日々は帰ってこない。
すべてはスマホアプリによって支配されるのです。
ちなみに、このスタンバイパス自体はコロナ前から導入されておりました。
すっかり聞かなくなりましたが、三密を避ける意味でも待機列を短くするのは理にかなっておりますね。
このスタンバイパスは、スマホアプリ上からしか取得できません。
選民主義も甚だしいですが、スマホ買ってアプリ入れてディズニーアカウントを取得しないとダメなのです。
もはや初見殺しのテーマパーク。
前置きが長くなりました。
スタンバイパスはスマホアプリ上から取得できますが、更にもう一つ。
入場してからじゃないと取得できないのです。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます