異世界コピー勇者の魔王攻略戦記
あずま悠紀
第1話
「はあ……」
さっぱり解らん。
『では、この魔導書をお渡ししますので……』
魔導書か。
これはいい。魔法の習得ができるな。
しかし、『勇者の書 99』を手にして思った事だけど……俺、魔法って使えるのか? ステータス画面を開いてみるか……。
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■:レベル10(MAX)
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「おーい、勇者様! 大丈夫か!?」
おっさんが走ってやってきた。
そして、倒れている男に回復薬らしき物を飲ませると……。
「う……ここは……」
男は目を覚ましたようだ。……ん?何だこれ。何か文字が浮かんできたぞ……。
<勇者>スキルをコピーできます →<複写術><魔道具作成Lv1><錬金加工LV5><料理LV2> なっ……なんだこりゃぁああ!!すげえじゃねぇか!……おおおぉ、どうするよ俺? よしよし……。よく考えたら勇者スキルって結構使えるんじゃないかと思ってるんだよね。だって、レベル上げればチート無双でしょ!それに、俺も少しだけだが、戦闘できるみたいだし。
でも、問題はどうやってコピーするのかだけど……。そうだ……そういえばさっき貰った本があるじゃん。この表紙の文字を読んでみるとかは?……まてよ、なんか変だよなこの本の文章って……。普通は日本語表記だろうけど。………… やっぱり読めないわ。という事はあれだろ!この本を読むことによって俺の身に何らかの異変が起きるってやつだよ。つまり、俺にもチート能力ゲットの予感! よし、それでは早速、頂きましょう。では……『複写』
おおおぉ……これは……。目の前に浮かんでいる画面と同じ様な物が脳内に現れた感じですぜ! 画面では『複写』『解除』『停止』等色々な項目があって選べるようになっているのですぜ!『解除』を選んでみたんだけど……。これは……どういう事かな。目の前にあったはずの本が消えてしまったんだよ……。まさか……俺の頭の中に入っちゃったとかいう訳無いよね……あほかいな!……とりあえず画面の『停止』を選んでみるとするか。これで良いのかね……。
おおう!本当に消えたぜ……。念のため、『複製』、『消去』、『起動』等の操作画面を開いてみて試してみたのだが……。問題なし。凄すぎる。しかし、なんと素晴らしい力なのでしょう!俺は勇者だったのですね!!ふふふ……。もうね……。勇者なんてやってらんねーぜ! そんなこんなで、色々実験したりしたんですが……。どうもこの世界の言語は全て理解できるらしいし。しかも会話も可能だという事で、先ほどあった男に事情を聞いたのだけれど……。
なんでも彼は、王都に向かう途中盗賊に襲われていて馬車の中で眠ってしまったらしいのである。そして目が覚めたら、ここに居たのだというのだ。それで「ここ何処ですか?」といったような感じになったのだが……。そしたら彼が教えてくれたわけだ。彼の話では……。ここの世界には大きく分けて3つの大陸があり。そのうちの一つ。『アストリアス大海洋王国(通称・アルスラーン国)』の王都に向かっている途中なのだそうな。そこで彼は冒険者として生計を立てようとしているという。ちなみに彼は、剣士でAランクの冒険者らしい。……ん、ちょっと待ってくれ。俺、この世界に召喚されてすぐに、その王都に向かうつもりだったんだよ。だから「ちょうど良かった~♪」と内心思ったりしたんですよ。だって俺……まだ名前もないんだからね……。困ったもんだ。それにしても俺……今どんな顔しているんだろう。髪の色は金髪ぽいから別にいいとしても、眉毛とかちゃんとあるのかしら……。まあいいか。
それはそうと、彼……名前がないので便宜上おっさんと呼ぶことにするけど。おっさんはこの世界に来たばっかりなのに言葉が解るのはどうしてかと聞いてきた。俺は異世界人だということを告げると同時に、自分がステータス画面を開くことができる事を告げたのである。そしておっさんに見せると「なんじゃそりゃー!」と言って驚きながらも自分のステータス画面を見せて説明してくれました。おっさんの現在の職業は……。
<騎士>レベル8。HP120/121、MP60/63、攻撃力75、防御力78、素早さ66、魔力55、耐性85
状態異常:睡眠中……なにこれ?……すごい。でも……何が書いてあるか良くわからないんだが……。これがスキルなのか? <剣技Lv6> <剣術Lv4> そしておっさんは……。俺に対して敬語で話すのが癖になっているみたい。そして……何故か一緒に来てほしいといってくる。何だかわかんないんだけど……まあいっか。行くところも無いんで丁度いいですな。
「分かりました……。私の名前は勇者と言います……。よろしくお願いします。」
「えええ!ゆうしゃぁ!?あんたが勇者様だと?……こりゃたまげた。」
なんかすげえ驚いていたぞ!そんなに珍しいものなの?それと俺の事を呼び捨てにして欲しいっていったのに……さん付けにされちゃったよ……。まあいいけど……。
そんな感じであれよこれよと言う間に旅の準備をして、おっさんと一緒に出発することになった。まず向かう先は……。ここから北に行ったところに港町があるみたいなんだが、そこまで歩いて行くんだそうな。おっさんが護衛として雇っている商人の人の話だと……。徒歩なら2日の距離なんですけど……。馬を借りれば半日でいけると聞いたのだが、馬が苦手なようで歩きを選んだようだ。そういえばおっさん……俺に付いて来るように言っていたけど……。どういう意味だろ?俺……これからどうすれば良いんだ?そういえば俺……お金も持ってないし……。それに、服もボロボロになってしまっているので……。このまま町に行っては目立つよね。何か……目立たない様にするには……。そうだ!この仮面は目だけ隠せるのかな?ちょっとつけてみよう……。う~ん……。視界を邪魔しない程度しか隠れないね。というか殆ど前が見えない。仕方が無いので外して、フードで誤魔化すか……。
それからしばらく森の中を歩いた。途中で魔物に襲われたりしたのだが、俺が倒したんだよね……。俺もレベルが上がっているみたいで、簡単に勝てるようになったんだ。そういえばこの辺りの森なんだけど……。なんか嫌な雰囲気なんだよ。森の真ん中の方に湖があって、その周囲に綺麗な花畑が咲いている所まで行ってみると……。突然大きな声を出してきた。
《ピコン》
『ゴブリンを討伐しました。経験値100獲得しました。』
おおう……びっくりした。急に大声で何か喋り出すもんなのよ。
《ピロリロリ~ン。『スキル:植物鑑定』を獲得。『スキル:気配察知』が統合されますか? YES / NO 』
おおぉ……なんだこれ……。なんか頭にメッセージが表示されたので思わずYesを選択してみると。またまた勝手にスキルが追加されていく……。
『気配感知Lv10』→『スキル 索敵Lv1』『スキル 植物鑑定Lv1』
→<隠密>が発動可能。<気配隠蔽>が発動可能になります。<存在感希薄Lv9>に上昇 おっ!なんか……すげぇ……。俺、この世界に来てまだ数時間くらいだけど。なんかすごくね……。俺……もしかしてこの世界の人達よりも強いのかもしれないな……。だってこのおっさんですら、レベル25位だぜ……。
でもこの湖の周辺に居る生き物の視線や気配が何だかおかしい……。何だか殺気を感じる。俺の持っている剣の柄に手を当てながら警戒すると……。草むらの中から緑色の肌をした小鬼の様な怪物が出てきたのだ。こいつがさっきのゴブリンなんだろうが……。俺は躊躇せずに一気に近づいて斬りつけようとすると……。
『グォー!!』
なんだよこいつら……。俺の振りかぶった一撃が命中する前に飛び退いて回避しやがった。それに俺の方をチラ見しながら何か会話してるし。この世界での初戦闘がこんな形になるなんてな……。
「勇者さん……そいつらは俺達には手に負えない!逃げるしかない!急いで逃げてくれ!ここは俺たちに任せてくれ!」
はっ!?こいつらが仲間割れ始めたと思ったら……。おっさんのパーティーの仲間らしい人が出てきて助けてくれたのだ。そして……おっさんを含めた4人で、こいつらをあっという間に倒してしまったんだよね。凄いな……。
俺もレベルが5つ上がって21になっていたし。
俺も……この人みたいになりたい。そんな風に思ったんだ。
「勇者様!このゴブリン達は俺達が退治しておくんで安心して行ってくれ。それではまたどこかで会えたらいいな。」
俺はその人達に感謝の言葉を述べると共に、おっさんと一緒にその場を離れることにした。しかし……。なんかあの人。なんか俺を見て変に思ってなかったかな?そんな気がする。まあ良いだろう。おっさんについて行くことにしたので暫く森の中を突き進む事になったのだが……。やはりこの辺には嫌な予感がする。
「勇者様。さすがですね……。このレベルの冒険者では、とても歯が立ちませんよ。」
そうなんだよな……。やっぱり……。この辺りに居る生き物は、皆……俺を狙ってるんだよな。なんかそんな感じがひしひしとする。それにおっさんには見えていないんだろうが、この周辺にはたくさんの小さな光る物体がふわふわと飛んでるんだよ。なんか俺……怖くなってきた。そしておっさんが、少し先に馬車が止まっている事に気づいたらしく、そっちに向かうと言って走り出したのである。そして俺はおっさんと一緒に走って行ったんだが。どうも様子がおかしい。
おっさんは馬車の中に誰かがいるみたいだと言っていた。どうも、俺の感覚だと、おっさんと馬車の人の間に黒い壁がある感じがするのだ。そしておっさんがその馬車に向かって「開けろー!」って大声で言っているのに全く反応がないみたい。もしかすると中に居たのは、商人の人なのかもしれないな……。そんな事を考えていると、中から「ぐあああ……」とか言いながらおっさんの声が聞こえてきた。そしておっさんが、馬車の荷台の上から転がり落ちてきて……。地面に倒れ込んでしまう。何があったのか解らないけど……。これは大変なことになってるんじゃねえの?とにかく早く止めないとまずい事になりそうだ。俺はおっさんを助けようと、駆け寄ったのだが……。
『ガキィーーン!』
何か……固い物にぶつかった感触だったんだが……。俺の攻撃が弾かれた感じ?もしかすると……おっさんと俺の周りに見えないバリアかなんかあるんじゃないかと思って。俺は何度も試してみた。でもダメ……。
仕方ない……。こうなったら奥の手を出すか……。おっさんを助けるためだからしょうがないだろう。俺は仮面をつけておっさんと黒い影のような物が繋がっている場所を探してみた。そして……おっさんの首に、黒い腕が伸びていて……。それを外せばいいんじゃないかと考えたんだが。おっさんの後ろに回り込み……。思いっきり首を絞めたんだけど……外れねぇえ!!仕方ないな。俺の全力でやってみるか……。おっさん……。死ぬなよ……。
『パリン』
やったぁ……。外れたぜ。よしよし……。
おっさんに抱きついて首に巻きついている腕を引きちぎってやる。よし……大丈夫だな。おっさんは苦しんでいたが……意識はあるみたいだな。おっさんに「大丈夫か?」と問いかけると、何とか返事をしていた。そしておっさんを連れて安全な場所に行こうと思っているんだが。この周り……黒い物で囲まれているんだよな。これは……多分この周辺の魔力か何かのせいだと思うんだけど……。おっさんに聞いたところ、この世界ではこういうのよくある話なんだそうだ。とりあえず、ここから脱出しないと……。俺がおっさんを抱きかかえて移動するという手段もあるんだけど。おっさんもかなり痛そうだし……。とりあえず俺が、その馬車に近づくことにしよう。そういえば……俺のレベルってどれくらい上がっているんだ?……ええええ!?レベル50?すげえじゃねかよ!俺って、レベル30代になったばっかりなのに!そんな事を考えて歩いていると……。なんか急に強い光が目に入ったんだよね。何だろうと思ってみてみると……。
そこには女神さまがいたんだよ。なんかすごい美少女が、白いドレスを着て立っている感じ……。俺の目がどうかしたのかなと思って、瞬きしたりしてみても同じなんだ。おっさんもその子に気付いたようで、「あそこに行ってみよう」と言う。確かに……そこに行けば何かが変わるような気がしたので行ってみることにする。そうすると目の前に扉が現れて……開いたのだ。
『バァー』
俺達が入った場所は……洞窟の中で。目の前には祭壇があって。その横に、俺より身長の高いイケメンの青年が立っていて……。俺のほうを見ながら「待っていたぞ!この世界を救った英雄が!私はこの世界の神……。貴方達の世界での創造主です。これから、私が作った世界に転移して頂くことになりますが。貴方達が、この世界を救い、魔王を倒した事に対するご褒美を授けましょう。さあ……お好きな願いを3つだけ叶えて差し上げます。何でも良いですよ……。さあ選んでください。」と言いながら手を振ってきたのだ。俺とおっさんはその言葉を聞いて固まってしまった。
だって俺、何も悪い事はしていないんだぜ。それに俺は、このおっさんに助けられてここまできたんだよ。それに、さっきまでゴブリン達に命を狙われていたわけだし……。でもおっさんは何だかやる気満々だ。俺はおっさんの願いを聞きたいと思う。なので「俺は遠慮しとくよ。それよりあんたが、この人の言う事をなんでも聞いてくれよ。頼むよ。」と言うと……。
おっさんは、俺の方を振り向いた後。「おい、お前は何か願いはないのか?こんな時に俺が譲る訳にはいかないだろうが……。勇者なんだから、俺に譲ってくれよ。」と言われてしまった。
う~ん……。どうしたもんかな……。別に俺は欲しいものなんてないんだけどな……。俺が困っているのを見たおっさんが俺に声をかけてくれた。
「勇者さん……俺はもう満足しているんだ。あなたは……この世界の人間じゃないだろ?俺が勝手に連れて来ちまったから、勇者さんを巻き込む形になっちまって……すまねえな……。俺はな、自分の子供がいないんだ……。だから……せめて俺の息子だと思っていた、あの少年だけでも幸せにしてやりたいって思っていたんだ。俺はな……この世界では冒険者で、そこそこ名が通っていたんだぜ……。」
おっさんは……本当にこの俺のために……。俺は涙が出そうになったが我慢だ……。おっさんのためになるのであれば。俺にだって覚悟はあるぜ。俺にだって夢や目標がいっぱいあったはずなんだがな……。まあ、俺が勇者でなくなった今となっては、どうでもいいんだけどな……。おっさんは俺が、そういう事を考えていると思ったのだろう。「俺のことは心配すんじゃねーよ。俺は勇者様のお供として一緒に旅をするつもりだったんだが……。まさかこんな事になっちまうとはな……。だが……こんな状況になっても、勇者さんが俺の事を助けてくれようとする気持ちが嬉しいんだ。ありがとよ。勇者さん……。俺みたいな奴の頼みを聞く必要はないんだよ。勇者さんはもっと自分の人生を謳歌してくれ。俺はな……俺自身の人生を楽しんだつもりだ。勇者さんには感謝してもし足りないんだ。それに勇者さんのおかげで、こうして楽しい時間を過ごしたしな……。俺はな、勇者さんの未来を守ってやりたかったんだが……それが出来なくって申し訳ない……。俺が力になれることがあったら言ってくれ。何でもするぜ。俺の命に代えてもな。それと、これはお願いしたいのだが、息子と孫に手紙を書きたいとは思うんだが……。このペンと紙に俺の手紙を書いてくれないだろうか。頼めるか?」と言われたのである。
俺はもちろんだと答えると。おっさんが笑顔になり……「勇者さん……俺の最後のわがままをきいてくれるのかい。ありがとう……。俺はな、本当は勇者様の事が凄く好きだったんだよ……。でもな、勇者さんは俺なんかよりも遥かに若いから、俺の気持ちには応えられねえと思った。だから諦めたんだ。それが今は違う世界から来た若者だと思えば話は別だ……。俺の勇者様はやっぱり格好良いなって思ったんだよ。まぁそんなところは俺にそっくりなんだよ……。」そう言って微笑んでいた。俺はそんな事を言われたのは初めてで……。なんと言っていいのか分からないんだが……。でもな、このおっさんには……本音を言いたくなってきたんだ。だから俺も、本当の自分を出したんだよ。
「俺は、おっさんになら……俺の全てを見せても良い気がする。だから……おっさんには俺の過去を話しておく。俺は、おっさんに惚れてるんだ!でもおっさんが、俺に気を使っているのは知ってるんだ……。だからおっさんは、俺の初恋相手であり、最後の男なんだ! おっさんが居なくなる前に告白しておく。おっさん、好きだぁああ!」と、言った後、俺とおっさんは見つめ合い。
そして唇を重ねたのだ。俺のファーストキスの相手が、おっさんになって……。なんか恥ずかしかったけど。幸せな瞬間で……。そして暫くするとおっさんは目を瞑り……涙を流していた……。そして……ゆっくりと離れた時。おっさんにこう言われたのだ。
「ありがとう……。勇者さん、俺はな、おっさんじゃねえ……。おっさんの孫がつけたあだ名がジロウっていうんだ……。」
俺はおっさんに、「じろ……郎? 俺……そんな名前聞いたことないけど……。もしかして……」と聞いたところ。おっさん……いや、次郎は嬉しそうに笑っていた。俺は……次郎と一緒に馬車に戻ると、馬車の中に寝かせられていた人を起こしてみた。そして次郎が事情を説明すると、泣き出し……。次郎と抱き合っていた。その後、馬車に乗り込もうとしたところに……。俺達は声をかけられたのである。
そこには、白髪で長身の男性が立っていた。「初めまして……。私の名はジーラです。先程の戦いを見ていました。そして、貴方の強さに惹かれました。私は貴方と共に戦います。よろしくお願いします。勇者殿。」と言うと握手を求めてきた。次郎は、「あんた強いの?」と聞きながら、その手を握ると、 その男性の手から白い光が放たれて……。「貴方は、素晴らしい方だ。私が貴方の手足となりましょう。」
そう言われると。おっさんは戸惑った顔をしながら俺の方を向いていたのだが。「まぁしょうがないわな。こんな可愛い女の子に言われて断れる男は、この世界にはいねぇだろう。」と言うと……。
次郎と俺、それから白いワンピースを着た女性は……お互いを見て笑い出したのであった。俺達三人の運命が大きく動き出す予感を感じながら……。
<勇者の書 12>
・山田たろう(17歳)勇者Lv25★スキル……※<共有><魔法習得>※ ○仲間……・佐藤幸子34歳 主婦 LV12
(治癒士 HP500 MP250)
・山本美優(16歳 女子高生)
職業 学生 Lv8 ○装備……・ミスリルの短剣 攻撃力30 攻撃範囲40 レア度1~
※アイテムスロット×3枠分 収納可能 ◎ステータスポイント120振り分け可能。
俺達は、ジーラという白い長髪を腰まで伸ばしている美しい女性とともに、この世界の現状を確認することにした。その時に俺が「とりあえず、ここから移動しませんか?俺は腹が減ったので食事でもしたいのですが……。」というと、「太郎さんの事は任せておいてね」と言いながら、白いドレスを着ている美人の女性は胸をはって自慢気に答えてくれた。次郎と俺は苦笑いをした後、その場を離れることになったのだ。
この世界で、この世界を作った神様は魔王と呼ばれているらしく。魔族を率いて、この世界を征服しようとしているのだ。この世界では魔物は普通の動物とは違い知能があるのだ。だから自分達の領土を守る為にも、人間達を襲っている。ただ、人間はレベルが5になると、神に祈りを捧げる事で、天界に行くことができる為、神の世界へ逃げ込むことによって、生き延びることに成功しているのだった。
この世界は大きく分けて三つの勢力に分かれている。まず一つ目が人間の住む国だ。この国の王様は勇者の子孫にあたる人達が務めているらしい。そして二つ目は亜人と獣人の暮らす国だ。
そして、三つ目に、神が作りあげたとされる聖なる神殿があり、そこで勇者が祈りを捧げると神が現れ、加護を与えてくれると言われている。ちなみにこの神殿の神官や、王族、そして選ばれた者のみが神の言葉が聞こえるらしい。神は「私に会いたいのならば。お前が神の力を欲したその時に現れるだろう。ただしお前の行い次第だがな……。お前は何を望んだ?」
「我が主様。貴方のお名前をお教え下さいませ。そして……私にどのような力を与えたのですか?」と言う質問に対し、勇者は「この世界の平和だよ」と答えてくれたそうだ。俺達がこれから向かう国は、亜人や人間が暮らす大国、アルフ王国である。俺達の目的地はこの王国の城下町になるのであるが……。俺達が歩いているのは大きな道なのだが……人が歩いていなかったのが、急に人が増えだし……賑やかな街並みへと変化したのだ。そして、多くの出店が立ち並ぶ中を通り抜け、ようやく大きな広場に出ることができたのだが……。
次郎が突然、倒れそうになったので俺は慌てて駆け寄ろうとしたが、美人の女性は次郎の腕を掴み「大丈夫よ」と言っていたのだが……。何が起こったんだ?俺の目の前では、倒れた人の周りが白く光って……。そこから女性が飛び出してくると、周りにいた者達は大喜びして……。「女神だ! 本物の女神が現れたんだ!」と叫んでいるんだ。俺は、美人の女性の顔を見たが……全然見覚えが無いんだけどな……。そして次郎を見ると……。俺達に背を向け、しゃがみこんで何かをしているようだった。俺は、その様子を眺めていたが……美人の女性に声をかけられると、「勇者様の具合が悪いようなの。貴方の持っている薬を分けて欲しいんだけど。いいかな?」と言われてしまった。まぁ別に構わないんだが……。俺が、この人から貰ったポーションを渡すと……。
美人の女性がそれを飲み、しばらくすると、次郎の身体に異変が起きた。次郎は意識が戻ったのか……。「えっと……。あれ……。俺……。そういえば……さっき変な奴に襲われた気がする。俺は気を失っていたのか……。それにしても……。この人は誰だ?」
そう言って、辺りを見渡していたが、状況を理解すると、「ここは何処なんだ……。それに……俺は一体どうなったんだ……」と頭を抱えていた。次郎の様子を見ていると……俺に話しかけてきたのは次郎ではなく、白いドレス姿の女性だった。この人の名前は、ジーラさんといい、俺の事を気に入ったから付いていくんだと言ってくれた。そして次郎も連れて行きたいとお願いされた。俺としても、仲間が居たほうが安心なので了承する事にした。
その後……ジーラさんは「私の事もジーラと呼んでください。それと敬語も必要ありませんよ。あと、私の事は家族だと認識していただいても構いません。貴方様の妻になれるように努力しますので……。」と言った後に顔を真っ赤にしながら俯いてしまい、何も言わなくなってしまった。俺と次郎は……呆然としてしまい……。次郎に至っては、「俺にそんな趣味は無い!」とか言ってるし……。
俺と次郎はお互い顔を合わせ……溜息をつくと、「俺は次郎! 職業商人Lv8! レベル10を目指す男だ!」
「私は美優! 職業は女子高生です。太郎さんの妻を目指してます。」と言ってお互いに睨みあっていた。そんな二人の様子をジーラが見ていると、「まぁまぁ落ち着いて……。そんな事よりも早く宿屋を見つけましょう。そしてゆっくりと休みながら話を聞かせて下さいね。」そう言うと、俺達は手を繋いだまま、大通りに向かって歩いて行った。次郎は、まだぶつくさ言っていたが、手を振り払う様子はなかったのであった。
その後、俺達は無事に宿を見つけたんだ。そこは少しだけ高いが料理の美味しい所だというのでそこに泊まる事に決めた。部屋に入るとすぐに俺はステータスの確認を行った。
・山田太郎(17歳)
LV2 HP 100/100
・山田次郎(17歳)
LV6(剣士 Lv7(剣技 斬撃 Lv1)槍技 突刺)
職業……旅人 LV9(短剣術 杖術 体捌き)
(剣聖)
状態……頭痛
・山本美優(16歳)LV1
・佐藤幸子(34歳)LV12 職業……主婦 Lv5
(回復士 癒しの力)
(治癒士)
HP……600MP……150 攻撃力50(武器攻撃力+肉体攻撃力補正×1.5)
(防具攻撃力+防御)
(敏捷性補正+肉体強化率×2)
(魔法攻撃力補正+魔法防御力)
素早さ60(脚力強化率×1.5)
(HP自然回復率×1.5)
・山本美優(16歳)
HP……200/250 MP……160
・佐藤幸子(34歳)
HP.800MP350 スキル <家事>Lv4 <回復Lv2> 称号 <主婦 勇者の娘> <スキル共有 魔力譲渡> <経験値共有> <言語変換 文字理解> ステータス確認をした後に、俺はジーラさんからステータスを確認して欲しいと言われていた為。ステータス画面を開こうとしたが……どうやってステータスを開けばいいんだよ。ステータスって念じればいいのかね?……おーい!!ステータスオープン!!! おっと……急に出てきたぞ……。俺は目の前に現れた自分のステータス画面に驚きながらも、スキルの項目を開いてみた。すると<共有><魔道具作成Lv1><錬金加工Lv5><魔法習得Lv1><鑑定魔法Lv1><魔法才能Lv1>というのが表示されていた。ん~どれを使えば良いかわからないけど、一番最初に表示されている「共有」というのを使う事にした。
俺が自分のステータスを見ている間、ジーラさんが俺の隣に座ってきたのだが……ジーラさんの視線が痛かった。「太郎さん……。貴方って凄いわね。普通なら勇者として召喚された者は、その日から勇者として鍛えられ、戦闘のプロになるまで育てられるらしいんだけど。まさかこんなに簡単に勇者になる事ができるなんて。本当に感謝しているわ……。でも……。その前に、この子を見てあげて欲しいの……。」ジーラは俺の手を取ると、そのまま自分の胸へと誘導し、そして……服の中に……。っておいぃいい!俺が何をするんだという表情を見せると、恥ずかしそうな顔をしながら……胸を揉ませていたのである。…… そして……「ふっ。勇者にこの様な事が出来るなんてな……。お前は最高だぜ」と言うと……「うぅ。私を弄んだ……。もう知らないんだもん……。責任取ってよね……。」と言って俺の膝に座りながら拗ねてしまっていたのである。俺がどうすればいいか解らずに固まっていると……。
「ねぇ……貴方が良ければ……私を妻にして下さい……。駄目……かな?」と泣きだしそうになりながら言われてしまったのである。
俺は、この状況が夢ではないかと思い、次郎に助けを求めたのだが……。あいつ……。「何やってるんです? それより私にも同じ事してくれません?……って何見てるのよぉおお!!」と言われてしまった。俺は、ジーラが「私の旦那様になる方です」と言うと……俺の前に座ってきた。ジーラと同じように服に手を入れて胸を揉むのだろうかと思ったのだが……違うようだ。次郎が俺の耳元で、「太郎。私と貴方で夫婦の契りを結びましょう。」と言ってきたので……俺はジーラに目を向けると、「太郎様。次郎様とは結婚されていないんですよね?」と質問されてしまったので、俺が首を縦に振ると……「それでは、私達で誓いの口づけをしてくださいませ。その後……私が儀式を行いますので……。その後は……。その続きをして頂けると嬉しいです……。」と言って顔を赤くしていた。
「太郎さん。ジーラとキスしてください。そして私とも……。」
そう言って俺に迫ってくる二人の女……俺は……。どっちの唇にキスすればいいんだ!?……俺は……俺はどうしたら……。そして次郎が……ジーラに「太郎に何を言っても無駄よ……。それにこの人なら絶対に裏切らないから大丈夫よ。安心して。」と言ってくれた。ジーラは次郎の言う事を信じるのか……。次郎はジーラの顔を見ると「私は貴方を信じているから」と言ってくれたので、俺が次郎の頭を撫でると次郎は俺に抱き着いて離れようとしなかった。そして、ジーラが「あの……私からしてもよろしいでしょうか?」と言って俺の顔を見つめるのだが……。そんな潤んだ瞳で見られたら断れるわけないだろ……。俺がジーラの頭に触れると……。嬉しそうに目を閉じて俺を受け入れてくれ……。次郎がそれを羨ましがっていたが……。そんな事はすぐに忘れさせてしまうほどの出来事が起きたのだった。それは……なんと!ジーラが俺の唇に自らの舌を入れ込んできたのである。……ジーラの唾液が……。やばい!頭がくらっとする……。
そして次郎は、俺達の様子を見ながら「太郎さんは私だけのもの……。そしてこの人の妻は、これから先もずっとこの世界には一人しか存在しない……。私は負けられないんだ……。だから、この人は渡さない……。この人は私の全て……。そして……。この人もそう思ってくれていると信じてるから……。」と言い……涙を流していたのだった。そして俺は……。ジーラとの口付けを終え……。次郎を抱き寄せたのだった。
その後、俺は次郎にステータスを見てもらうと……やはり……。
・山田次郎(17歳)
LV7(剣士 Lv7(剣技 斬撃 Lv1)槍技 突刺)
職業……旅人 LV10(短剣術 Lv7 杖術 Lv8)
職業……戦士 LV1 職業……騎士 LV1
(剣豪)
(聖拳士)
(盾術師)
・山本美優(16歳)
職業……女子高生 Lv5
(回復士)
称号<勇者の妻候補>
(治癒士)
称号<聖女の生まれ変わり> <勇者の娘>
(スキルコピー可 経験値共有)
(魔法習得Lv1)
称号<スキルマスター> <回復士>Lv3(癒しの力)
称号<勇者の妻 勇者の妻>
・佐藤幸子(34歳)
職業……主婦 Lv5
(回復士 癒しの力)
(治癒士)
称号<主婦 勇者の奥さん>
(スキル共有 魔力譲渡)
スキル<回復Lv2 状態異常回復Lv1> <スキルマスター>Lv4(回復)
称号 俺と同じ状況になったらしいのだ……。そして……美優にも称号が表示されていたのである。
その後……俺達はジーラが用意してくれた晩飯を食べていた。その時にジーラから……ステータス画面の説明を受けていたんだ。そしてジーラが「ステータス画面について説明したいと思うんだけど。いいかしら?」と言ったので、皆で了承した。「まずは確認から……。ステータスオープンって言うと画面が目の前に出てくるのだけど、この様に、画面を閉じる時に、右上の□を押してもらえば閉じる事ができるの。これは他の人達に見せたりできるわ。ただし他人に見せる時は、相手のステータス画面を確認すると相手だけに画面が現れるようになっているのよ。それでステータス画面は自分の職業が表示されるわね。例えば、私の場合だと、こうなるわ。」といってジーラが自分のステータスを見せてくれた。
・ジーラ・サキュラス
・レベル9(聖女)
(癒しの聖女 Lv99+)
職業……主婦
(聖女)
(魔法聖女 魔道具聖女)
スキル <魔法Lv9(癒しの力)
魔道具Lv9(錬金加工)
魔法適正Lv9(回復魔法)
回復魔法強化Lv9(癒しの力)> <言語変換 スキル共有> <経験値共有> <スキルマスター>Lv4(回復)
<癒しの力>Lv4(癒しの力)
称号 俺の時とは違って……職業は二つになっていた。そしてジーラのレベルだが……9って……。それに称号も結構多いし……。ちなみに、俺のステータスを確認させたのだが……俺の方を見て驚いた顔を見せていたが……すぐに元の顔に戻り……
「凄いのはステータスよりも貴方の年齢よね。普通、ステータスって18歳以上にならないと見れないんだけど……。」と言ってステータス画面を消そうとした時……。
「あー!!待って!!お願いがあるの……。その……さっきのステータス画面に表示されている項目って消す事は出来るのかしら?その……やっぱり恥ずかしいっていうか……。でも、太郎さんが見たいっていってたけど……。」と俺に言ってきた。俺は少しだけ考え込んでから「いいんじゃないのか?」というと、
「太郎様。それじゃ、見せますね。えっと、こんな感じで大丈夫ですかね? 太郎様みたいに表示されないですけど……」というと……「ジーラさんって本当に凄いなぁー!!これ凄すぎですよ!!」と言って興奮気味の太郎さんであった。それからしばらくジーラさんに俺と太郎さんの事を説明してもらいながら、この世界に付いて教えてもらっていた。すると、急に部屋のドアが激しく開けられ……数人の兵士が入ってきて、そして、ジーラと兵士達が戦い始めたのである。「お前は……魔王だな!勇者様に仇をなす悪しき存在めぇ!!!」「お前達。何者だ!」俺がそう尋ねると……。「お前達には関係ない話だ!お前達がここに居る事が既に罪だ。死ね。」と言うなり、襲い掛かってくる兵士達だったが、ジーラの攻撃で一瞬にして全員を戦闘不能にしてしまったのである。「この人達……大丈夫なのか!?」俺は思わず叫んでしまったのだが、ジーラが笑顔を見せて「大丈夫です。暫く寝て頂いているだけですから。それよりも……。貴方がこの方々が言ってた勇者様ですか?」と聞かれたので……「そうだ。勇者だ……。」と言うと……。
「ふふっ。まさかこの世界の人が、私に嘘をつくとは思わなかったからね……。私も貴方達に聞きたいことがあるの。だから……私達の所に来てくれないかな?」と言われ、ジーラに連れられて俺と太郎さんは城の中へ連れられて行ったのである。
俺が城に着くなり……「ようこそおいでくださいました。私がここの城主をしております……ジローナです。ジーラ。そして太郎様ですね。どうぞこちらにお座り下さいませ。そして私達は……この世界の為に貴方方を召喚いたしました……。太郎様の勇者としての資質を見抜く為に……貴方を騙しており申し訳ございませんでした。」と言って土下座をして謝罪をしてきた。ジーラも……そして次郎も……。そして俺達の前に座っている三人の女性も……。
俺は、何故自分達が呼ばれたのかを聞いてみると……どうやらこの異世界の者達の力が徐々に弱くなってきているようだ。そしてこの国の王が、勇者の素質を持つ者に俺と次郎の二人の人間を選んだ。しかし二人ともまだ幼い為……教育が必要だと考えた王は俺を城に呼び出してこの世界と勇者の事を詳しく説明するように命令されたようだ。ジーラも同じように呼び出されたらしいのだが、どうやら俺が居ない間に太郎に一目惚れして太郎と結婚したらしく、この国を出て行く準備をしていた時に王からの連絡が入り、急遽戻ることにしたと言っていたのだ。そんな事情もあって……太郎は次郎と一緒にこの国に来たのだと話していた。
俺は、自分が思っていた状況と違っている事に困惑しながらも……。この国の現状を教えてもらうと……どうやら俺と次郎のステータスは、かなり強いらしく、俺に至っては、ジーラが俺に攻撃しても効かないらしい。そして俺の魔法に関しては、全属性使える上に、回復魔法と、魔法強化Lv9は持っているので魔法耐性がかなり高くなっており……ジーラと互角の勝負をしているような状態になっているとジーラは説明してくれた。さらにジーラが、この世界ではステータスが15歳で成人する事になるのでレベルが上がるにつれ強くなっていくのだが、その中でもジーラはレベルが上がりやすいタイプのようで……。今の段階でも、もうこの城の衛兵よりも遥かに強くなっているのである。しかもジーラの場合は魔法特化型で、回復系以外の全ての魔法が得意らしいので尚更恐ろしいのだと……。ジーラの強さを知った王様が「ぜひ我が娘と結婚して欲しいのだ。」と言ってきていたが、それを断り……俺と太郎が結婚した事を伝えると……。とても喜んでいた。その後、色々と話を聞いていたのだが、俺達はこの国から追い出されることになったのである。その理由なのだが、どうやら俺達が、ジーラに対して攻撃をしなかった事が不自然に思われていたみたいだった。
「俺達、勇者として選ばれたはずなのに……どうして追い出されないといけないんだよ!!意味がわかんねぇよ!!!なんなんだよ!!」太郎さんは……ジーラさんと結婚すると思ってたみたいだし……納得できないよな……。とりあえず……ジーラに案内してもらった場所で……この世界の人にも解るように……俺のステータスを見せることにしたんだ。
山田太郎(23歳)
LV3(勇者)
称号<異世界転移者> 職業<剣士 LV1> 称号<異世界人 勇者>
(勇者の力)
称号<スキルマスター>
(スキル共有可)
(魔法習得Lv1)
(経験値共有)
(魔法共有可)
(魔法強化Lv1)
(状態異常耐性Lv1)
称号<魔法付与 スキル付与 魔法吸収>
(アイテムボックスLv2 スキルコピーLv2)
(スキル強化Lv2)
(言語変換Lv2 言語解読Lv2)
・鈴木次郎(20歳)
・田中亮介(22歳)
職業……戦士 Lv1(剣豪)
Lv5 <勇者 Lv1 <回復士 Lv5 Lv9 <魔道具 Lv5 Lv7 <聖拳士 Lv1 Lv9 Lv5 魔道具Lv1 Lv5 <聖女 <魔道具加工 Lv5 魔道具Lv1 <錬金術加工 Lv5 Lv6<鍛冶加工
・佐藤春美(24歳)
職業……魔法使い(魔女)
Lv9 <回復師 <魔道具加工 Lv9 魔道具加工 <錬金加工 <錬金術加工 <鑑定 Lv9 魔法適正 Lv8 称号<魔法を極めし者><魔女の王 Lv9
(魔女化)
(魔力増幅 Lv9)
(自動回復 Lv9)
(超絶魔法 MP消費軽減 Lv9)
(聖魔法の心得 魔法吸収 Lv10)
(聖魔法Lv9 光魔法Lv9)
(回復魔法Lv9)
(癒しの力Lv9)
称号<魔法を極めし者> 俺達のステータス画面を見たジーラさんは、「勇者の力に勇者の称号まで持ってるの?! 凄いね!!それに私のステータスも見てみてよ!!」と言ってジーラさんは、ステータス画面を開いて見せてくれた。
<名前 ジーラ
・・(種族 吸血鬼 真祖真名 ジローナ 年 300才前後 身長160cm スリーサイズ 86-56-84 バストDカップ ヒップ 88 ウエスト56 血液型 B 髪 金髪 眼 紅目(赤色の目と、金色の目を併せ持つ瞳)
好きな物 太郎、料理 嫌いな物 トマト、ピーマン、虫 趣味 読書、研究、料理等家事全般 好きな言葉 平和 苦手な生き物 蚊、G 特徴 普段は白い肌が赤くなっており。興奮した時はピンク色に染まってしまう。その時には血を飲むことで落ち着くことが出来る。太郎に首から流れる自分の血液を舐めさせたりしている。
家族構成 両親 弟(死亡)
性格 穏やかで優しいが怒らせると一番怖い 特技 裁縫、歌 悩み事 太郎と次郎と離れたくない。二人には結婚してほしいが、太郎に迷惑をかけるのであれば別々でも良いと考えている。
好きになった人に尽くしたいタイプ その他情報 太郎の妻で次郎の姉である。実は、この国の王の娘で次期王妃候補だったが、太郎に惚れてしまい強引に結婚してしまった。現在は太郎と一緒に旅をして太郎と仲良くなる為に頑張っている最中である。この世界に召喚される前に太郎からキスされて気絶してしまい、太郎とジーラの間に何かあったのではないかと思っている。ちなみに……この国の王妃とは親友でもある為仲が良い。この国に来てから太郎と次郎に魔法を教えて鍛えていたらしい。太郎を溺愛しており太郎に害を与えるものは例え魔王であろうと容赦しないつもりである。太郎はジーラと太郎の二人で幸せになる道を探している。次郎とは喧嘩する事もあるが太郎の事を話すとすぐに和解するらしい。この世界に来てからは太郎の為に料理の腕を上げてレパートリーを増やし、今ではこの城にあるキッチンで一人で食事を作る程である。最近は太郎の為にお菓子作りを始めたようだ。ジーラと次郎の作るお弁当はいつも豪華であり美味しく。王城のコック達が密かにジーラ達に弁当を作って欲しいと交渉をしているという噂もあるほど人気があるようである。また、この世界では珍しく……ジーラの作った料理は、全て毒耐性がつくらしく。ジーラが調理場に入るとコック達は必ず緊張してしまうという事で有名である。最近ではジーラは料理を教える事で皆に感謝されており。コック達から慕われるようになったらしい。ジーラは城の者達全員と面識がある。
称号<異世界人 勇者>
(勇者の資質)
称号<スキルマスター>
(スキル共有可)
(魔法習得Lv1)
(経験値共有)
(魔法共有可)
(魔法強化Lv1)
(状態異常耐性Lv1)
(ステータス強化Lv1)
ジーラが「私と一緒だね♪ これからよろしくね!!」と、言って俺と次郎をぎゅっと抱き締めると……「二人をこの世界に連れて来てくれて本当にありがとうございます。勇者殿、勇者様……」と涙を流しながら言っていた。俺と次郎はそのジーラの言葉を聞くと……。俺も涙が溢れてきたのであった。ジーラに「こちらこそ、こんな俺を嫁に貰ってくれてありがとな……ジーラ。それと、次郎もだ。俺は、お前達が好きだ。ジーラも俺が絶対に守るから……俺と次郎で幸せになろうな!!」と言うのが精一杯だったのである。俺が次郎の方に顔を向けると……次郎と視線が合った。次郎の顔は真っ赤になっていたが……。俺は恥ずかしくて顔を反らそうとしたのだが……。俺は次郎に引き寄せられて……次郎の胸の中で優しく抱きしめられたのである。俺はそんな事されたら……抵抗できないんだよ!!だって、俺は……俺の気持ちは変わってねぇーもん。そして、そのままジーラと一緒に城を後にすると……。ジーラは「私と一緒に暮らして。お願い……。」と言ってきた。でも……それだと俺と次郎の時間が少なくなるだろ?俺が「いいのか?一緒に暮らすとなると……俺と次郎の時間は減っていくぞ?」と言うと、次郎が俺の前に手を伸ばして「亮介の事は、僕が守る!!亮介……君を誰にも渡さない!!だから、僕は君と一緒に暮らしたいな……。駄目……かな?」と言ってきていたのだ。俺の心は決まった。「次郎……俺は……俺達は、どんな困難があろうと、この世界を救おう。この世界の人を誰も傷つけさせないように守ってやろう。そして、必ず帰ってきて……この世界でも生きていこう」
次郎とジーラの2人と一緒に住むことが決まった。それから……俺と2人は、冒険者の町を目指すことにした。
まずは……この町を出ることなのだが。
門番がいるので出れない。
仕方ないので門の近くで野宿をする事になった。
まぁ~、門の近くなので誰かに襲われる事もないし、問題ない。
そこで、次郎と2人で話をしていたんだ。そしたら、次郎の奴。「な、なぁ。あのさ……。亮介……。」
「んっ?」
「その……。今、この世界に来たばかりだけど、僕の事をどう思ってる?」と聞いてきた。「そうだな。俺は次郎を頼りたいと思ってるよ?次郎とジーラがいなければ俺一人じゃ何も出来なかったし、何より2人がいなかったら俺の人生は終わっていただろうし……感謝してる。2人と出会ってなかったと思うと……今でも背筋が凍り付くような感覚になるよ。それだけ、2人には助けられているし。2人の笑顔を守りたいとも思うし。守りたいと思えた2人だよ。次郎がいてくれないと嫌だなって思ってる」
俺がそういうと、次郎は泣きながら俺を抱き寄せて「うん。わかった。僕も亮介が居なくなったらいやだ。亮介がいないなんて耐えられない。亮介を守るのは当たり前の事だし、僕はずっと亮介と一緒にいたい!!……ごめん、ちょっと感情的になりすぎたかも。亮介……ありがとう!!大好きだよ!!これから先も、僕と一緒に過ごしてほしい!!」
俺と次郎がそうやってイチャイチャしていた所を見られたみたいで。他の人達から、冷やかされちゃったぜ……。
「おいおい。おめぇら熱いな。もうそんな仲になってたのか?」とか言われたから、「違う。断じて、違う!!」と俺が否定しても次郎が、「ちげーわ!!まだ恋人になったばっかりだ!!」と言っていたが……。周りの人達から「なんだ〜てっきり結婚を前提にした関係だと思ったぜ。」と言われてしまったのである。
(この世界ではまだ結婚が早い年齢である15才未満での恋愛・婚約は違法ではないがあまり歓迎はされない。)
この世界で成人している男女の出会いのきっかけは、大体が職場となるのである。この国は、18歳で結婚出来るし、子供も12才までは親が育てないといけないがそれ以降は基本的に放置プレイである。(一応は国からの補助があるし孤児院はあるが……。)この世界の女性は妊娠出産が出来るようになってから、女性としての体の準備が整い。子供を産めるようになるまで、男性経験がない。男性から誘われる事もあるし自分から男性に声をかける事もあるが、この世界の男性達は女性と付き合うのに時間をかけずにすぐに肉体関係を結ぶ。それは、この国の男性の人口が女性よりも多いからであるが、一夫多妻制のこの国の法律では女性も男性を養える程のお金を持ってさえいれば男性を複数名持つことが出来る為である。(勿論浮気などした場合は厳しい処罰があるが、浮気されて別れるというパターンがほとんどなく男性が一方的に女性を捨てる場合がほとんどである為、男性側は女性の気持ち等気にせずにハーレムを作りたいと考えている。また男性も、その女性に対して愛ではなく所有物という目で見ている。)
俺はこの世界に召喚されたばかりの頃、次郎と離れてしまい心細くなっていた。この国の法律で男性は、18歳までは女性と関係を持つことは出来ない事になっている為である。
しかし……ジーラが、「大丈夫。私が、亮ちゃんを守ってあげる。私は亮ちゃんが好き。愛しているの。」
俺は、その言葉でどれだけ救われたかわからない。そして……ジーラと俺は結婚する事を決めたのである。そして……ジーラは、王の娘という立場もあり結婚の申し出が多かったらしい。そんな中で、ジーラの人柄に惹かれていった男が沢山いたが。王の娘という事で、皆遠慮をしてしまい、ジーラと結婚出来た男はいないのだという。
そして……ジーラはこの国に召喚される前は太郎の従者として旅をしてきたらしい。太郎は、召喚される前の世界では勇者だったのだが、勇者の称号スキルを持っていたから勇者にさせられたらしい。勇者スキルをコピーすれば俺にも使えるのかな……。
まぁいいや。俺と次郎のスキルを共有して使っていければいいんだけどな。スキルの共有が出来たらいいんだけど……。とりあえず、この世界を回って色々見て回りたい。ジーラにこの国を案内してもらうことになったのである。
次郎が俺に質問してきたので。
俺は「次郎とジーラの事が好きだけど。俺は、次郎がジーラを選んだなら俺は、応援したい。だから……ジーラと二人で幸せに暮らせるようにしてやってくれな。俺も二人の幸せの為に出来るだけ協力するからさ」と言ったら。
次郎は嬉しそうな顔をしながら「わかった!!ジーラは、必ず幸せにする!!」と言ってくれたのだ。そして……次郎が「僕からも、聞きたいことがあるけど、良い?」と、言って来たから俺は了承すると……。次郎が「えっとさ……。僕達が元の世界に帰れたりするのは……どうなのかなって思ったんだよね……。僕達のスキルがあればこの世界でも生活していけると思うし……。僕達は、勇者と魔王討伐の為だけに呼ばれた訳じゃなくて……。きっと元の世界に帰す方法も見つけてくれるんじゃないかなって思うんだよ。ジーラは、この世界の人じゃないから、帰らなきゃいけないしね……。」と言ってきた。
確かにそうだよな。でも……。もし、俺と次郎がこの世界に残るって言ったとしても。ジーラも残るって言い出すかもしれん。だって次郎に一目惚れをして好きになっていたんだろうしなぁ〜。次郎もそれを知ってか知らんが、ジーラと一緒に過ごすのが嬉しいらしくて俺の目の前なのにイチャイチャしだす始末だったしな。
それに……ジーラの話を聞いている限りでは……。元の世界に帰るのは絶望的なのかもしれないと思ってしまう程であった。なぜなら、こちらの世界は……日本に比べて文化レベルが低いのである。
こちらの世界に来る前に聞いた話で、こちらの世界は剣が主流の国で銃のような飛び道具は存在しない。弓に関しては、こちらでも作られているようではあるが精度が悪く遠距離攻撃は魔法が主体であり、魔力を集中させれば火を放つことは可能であるが……。
それでは火力は弱く、モンスターを倒すのは至難の業であると言われているようだ。まぁ、次郎とジーラは俺よりも身体能力が高いから、接近戦においては問題ないだろう。まぁ次郎の場合は剣術のレベルを上げていくうちに、身体強化などのスキルを覚えて戦闘も有利になるだろうし。次郎自身も俺達より強くなれるだろう。問題は、回復薬とかだな……。
こっちに来てから数日が経過したが。ジーラの体調もかなり良くなってきた。この世界の女性は15歳で子供を作れるようになると聞いていたから、俺はジーラとの事を次郎に話したんだよ……。すると、ジーラは恥ずかしそうにして顔を赤くしていたよ。そんな可愛い仕草を見た次郎がジーラにキスをしていました。俺は、そんな次郎を見て呆れながら見つめていたんだよ……。
そんな感じで過ごしてきたある日の事だ。
この世界で冒険者の町に辿り着いた。この町はギルドと呼ばれる施設が存在しており。依頼をこなして、報酬を受けとったり。素材の買取を行って貰う事が出来るのである。この冒険者の町を拠点に、俺と次郎の冒険者活動が始まったのである。まずは……俺がこの世界に来たばかりだし次郎もこの世界の住人ではない為にまずは冒険者の登録をしないとならない。
冒険者の町の建物は石で造られており。入り口の門から建物の中まで舗装されている。俺が門をくぐった瞬間、町中の視線を集めた。それはそうだろうな……。見た目が完全に不審者で全身黒づくめの服を身に纏い腰には日本刀らしき武器を差した人間が門を通ったのであるから……。そして……俺は受付に向かって歩き出した。すると、俺の前に次郎が立ち塞がり俺に小声で話しかけて来た。
(おい!亮介。目立つ真似はしない方がいいぞ。亮介は、自分のステータスがどれくらいの強さなのか分かってないみたいだけど。今の状態だとこの世界で亮介は最強クラスの実力者だと思うから、あんまり目立ちすぎると……面倒ごとに巻き込まれかねないから気をつけろよ。)
(ああ……。そうだよな。悪かった。次郎。少し浮かれ過ぎてて……。この世界で生き抜くのは難しいのに……。ちょっと考えが甘過ぎたよ。)
(うん。亮介も僕もまだ異世界に馴染めてなかったから仕方が無いよ。)
(そうだよな。気をつけるようにする。ところで次郎。ジーラとは仲良く出来ているか?)
(ああ。もちろんだよ。今は僕の部屋で同棲生活をしているからね。毎日が幸せだよ。僕が、家にいる時は料理を作ってくれるからね。凄く助かっちゃう。)
(それはよかった。お前が俺の家に引っ越してくるまでは大変だったが、二人共幸せならいいさ。これからも仲良くやっていこうぜ。俺が居なくても大丈夫か?俺と一緒でないと嫌だというんじゃなければ……。ジーラと一緒にいて欲しいと思っているんだが……。)
(僕は、ジーラと居るだけで満足だよ。それに、僕の方がジーラを幸せに出来るとおもっているしね。亮介も、ジーラの気持ちに応えた方が良いと思うよ。)
(そっか……。次郎がそこまでいうなら任せるさ。)
そして俺は、受付嬢の元に向かい、次郎が代わりに登録手続きを行う事になったのである。
俺は受付カウンターの前に行き。「すみません……。この国の身分証明書のようなものを作りたいのですが……」と聞いてみると……。
「わかりました。少々お待ちください」と言われた。
それから待つこと数分。
この世界の文字を読めないと困っていたところ、次郎に読み書きを教えてもらったおかげで、何とかこの世界の言葉を理解することが出来たので良かったのだが。
この国の通貨の単位すらわからなかった為。銀貨を10枚渡したら、「金貨1枚の間違いでは?」と聞き返されたのだ。俺も、「えっ?」と思い。慌てて鑑定で確認をした。すると、「あれっ?この国の硬貨は、銅貨、大銀貨、銀貨、大金貨で一枚の貨幣なんですが、間違っていませんでしたでしょうか?」と言われて俺は驚いていた。
「あの……俺達は別の国からやってきたばかりで……。俺の住んでいた国にこの国の硬貨が無かったもので。すみません。勘違いしちゃいました。俺達の持っているお金がこちらではどのぐらいの価値になるのかも分からなかったので、それで……その。驚かせてしまって申し訳ありません。」と言うと。「そうなのですね……。確かに他国の方ならご存じなくて当たり前ですよ。この国の通貨はこのようになっております。」と言って説明を始めてくれた。
1円=鉄貨 2円 =銅貨 3円 =大銅貨 4円 =銀貨 5円=大銀貨 6円=銀 この世界で使われているのは、全て銅で出来ており100円、1000円、2000円の紙幣は存在しないらしい。まぁ俺達の手持ちにある硬貨が使えないのであれば、この世界のお金を入手する必要がある。
しかし……。どうやって入手するか悩んでいたら……。
俺は次郎と相談して、この国で仕事をしてお金を稼いで生活することにしたのだ。ちなみにジーラは妊娠していて冒険者にはなれない。しかし……。俺達はこの世界の人達と比べて能力が高く強い。なのでジーラの護衛として一緒に行動していると、俺と次郎が強すぎてモンスター達が逃げるように逃げてしまうのだ。
俺達がこの町で冒険者を始めて一週間が経過したが、俺達のパーティーはかなりの人気者になっていた。
この世界の人は、剣術をあまり好んでいないようだ。その為、剣を扱う人間は珍しかったのであろう。俺は剣で戦うよりも銃のような飛び道具で敵を一掃した方が早いのではと思っていたが。この世界には、飛び道具は存在しないようだし、遠距離攻撃ができるのは魔法使いのみらしく、魔法使いは数が少ない為、貴重らしく需要がとてつもなく高く。高額なのである。それ故に俺の装備は注目されてしまい、注目が集まる度にこの世界の人達から絡まれるようになったのだ。しかもこの国は差別が酷いと噂になっており、俺の服装はどうやら、こっちの国では珍しい物だから注目を集めていたのかもしれない。
まぁ俺達が強いからといって絡んでくるような馬鹿な連中には丁重に対応していたがな。まぁ俺達に喧嘩を売って来たらどうなるか分かっていなかったんだろうな……。
そんな感じで過ごした日々を過ごしていたある日の事だ。ジーラのお腹も大きくなってきたからか、宿での滞在をやめて安いがそこそこ綺麗な部屋がある宿屋に移る事にしたのだ。そんな事を考えていたらジーラから提案を受けたのだ……。
「私のせいで皆んなにも迷惑かけてるから……。私も働くわ!!」と言い出したんだ。
次郎と俺は顔を見合わせ……二人でジーラを説得する事にしたんだ……。でも……結局ジーラは聞き入れてくれなかったんだけどね……。
俺達は今日でこの町を出る予定だったのだが。ジーラの提案で急遽、次の街まで馬車で移動をすることになったのである。俺は御者としての経験はないが。スキルに『騎乗』があり馬の扱いに慣れているという事にしておいたのだ。次郎が言うにはジーラが心配で付いて来るという者が数人居たようで、それならばと乗せて行くことにした。まぁ俺のスキルはチートだから大丈夫だろうとは思っていたが……。念のためにジーラには馬車に結界を張ってもらってから出発する事にした。
俺は、ジーラが寝ている間にこっそりとレベルを上げていたんだよな……。俺のレベルが上がれば強くなるからな。俺もレベルを上げておかなければならないからな。そして……次郎が運転しながら俺は魔法を試すためにスキルの練習をして過ごしたんだよな……。
ジーラは……ずっと眠り続けていたんだが、朝になると突然目が覚めたみたいだ。俺達と一緒に馬車に揺られている状況を理解して驚いている様子だった。俺はジーラを抱きしめると。
ジーラが涙を溜めながら「どうして……。なんで……。私を置いて行くなんて言っちゃうのよ!私は……あんたの事が好きなんだから!!愛してんのよ……。もう……。置いて行かないでよぉ……。」と言って泣き始めたのである。
「悪かった……。ジーラ。俺はな……。ジーラを守りたかったんだ……。」と耳元で言うとジーラが抱きついてきたのであった。
しばらくすると、馬車に揺れながらの移動にも慣れてきたのだろう。少しするとジーラも落ち着いてきたのである。そして、ジーラに色々と質問されたのだが、俺も次郎も答えられなかった。俺が知っている知識は、勇者である自分についてだけだからだ。しかし……俺達はステータスを偽装してある。だから俺達の事は普通の人と何も変わらないので嘘をついている罪悪感を感じながらも本当の事は話せなかったのである。ジーラは何か思うことがあったようだけど、深くは聞いてこなかったから正直助かってしまった。それからジーラと話をしていたらジーラが眠ったから、俺はこっそりと馬車の外にでて、隠蔽スキルを使い。
俺がステータス画面を開く事が出来る事を誰にも悟られないようにステータス画面にアクセスをしたんだ……。すると、自分のステータスを確認することが出来るみたいだ。そこにはこう書いてあった……。
**ステータス*
* * *
名前
鈴木 亮介 職業 旅人 性別 男 年齢 20才 身長 172cm 体重 68kg 種族 人間 称号 異界人 状態:普通 体力 10/11(10UP)
精神力 8/12 知力 7/13 攻撃力 21 守備力 14 敏捷性 15 運 12 +10+5 耐性 毒Lv3 - 呪いLv3 - LUK 19
(MAX)
SP 256
★【スキル】一覧☆ →戦闘 ●近接物理攻撃 ◯近距離射撃 ◆格闘技術系……武術の心得
(熟練度15)……体術
(熟練度18)……棒・棍技
(熟練度22)……剣術
(熟達値7)
◯投擲
(投げモノ)……手裏剣
(習熟度8)……苦無
(修練20)……火遁の業
(熟達30)……刀の秘伝
(習熟度50)……短剣
(熟練度35)……槍の極意
(熟達80)
◆隠密……潜伏
(習熟70)……暗視
(習得1)
◎盗賊の知恵
(熟練1)
◆弓
(武芸)……狙撃
(熟練90)
◎銃術
(習熟4)……曲射
(熟練45)……早打ち
(熟練55)…… ◎遠距離精密命中 ○馬術……疾走
(習熟1)
△ 罠解除……開錠 ◆特殊 ●生活魔法……鑑定眼 鑑定 ●言語 ◆自動翻訳機能 言語解読Lv100……あらゆる国の言葉を話すことができるようになる。全ての文字を読み書きする事ができる ◆補助能力……アイテムボックス 空間接続(距離無制限 質量10トン 時間停止機能 自己修復機能付)
* * *
固有能力: 《全知全能》……鑑定、収納、共有、カスタマイズ 《絶対感知 》 ◆パッシブ能力……気配察知 アクティブ能力 危険予知 魔力遮断 忍び足 夜目 ステルス 透明化 隠蔽 偽装 偽装操作……ステータスの閲覧や書き換えが可能 ●生産 ●商売 ◆その他……サバイバル ●取得経験値増加……取得経験が増加する
* * *
* * *
*……俺の目に映っているものは。間違いなく……俺の……ステータスだった。しかし……おかしいぞ……。なぜ……『商人』『勇者』ではなく。この世界に存在しない筈の『魔王』の称号がついているんだ!?俺は慌ててジーラを起こした。
俺がジーラに、俺の本当の姿を見せると。ジーラが固まってしまった。俺がジーラに声をかけようとすると……。
「お姉様、しっかりしてくだされ。これは夢じゃござらん」と、言いつつ頬っぺたを思いっきり引っ張ってみた。それでやっと正気に戻ったみたいだ。俺もジーラの顔を見てみる……。あれっ?これ……。なんか見覚えがあるな。そうか、こいつ……。次郎に似ているのか。いや、似すぎているのだ!まぁいいや、そんなことよりも確認しておかないといけない事があるんだよなぁ。それは……俺が『魔帝クラスの達人レベル』で次郎は『達人の域を超えた者レベル』になっているのだ……。どうなってんだこりゃあ!!! 次郎に詳しく話を聞けば、やはり俺と同じように異世界召喚されていたらしいのだ!俺の持っている銃はこちらの世界には存在していない武器であり『この世界では最強の威力』を持っているらしく。その銃を使って『魔物の軍団』を相手に無双しているうちに、気が付けば、次郎の職業が『伝説の魔法使い』になっており。レベルが上がりまくっていたらしいのだ。この世界には『スキル』というものが存在していて。それが全てチート仕様になっていたというのだ。
ジーラの話では。どうやらジーラが『この世界の女神』から聞いた話は、次郎が勇者で俺が賢者という位置づけで、俺は勇者と共に魔王を倒して世界を平和に導く役割の人間だと説明を受けたそうだ。そして俺が魔王にならなければ世界が滅びるという予言を聞いたのだ……。そして、次郎と俺を同じ場所に閉じ込めて。俺は次郎からスキルを奪ってレベルを上げて……。次郎は俺の持っているスキルを強奪しようとしていたという話だった。俺は、ジーラに、この事は他言しないように言ってからジーラに俺の知っている情報を全て教えることにしたのだ。俺はジーラと次郎を連れて馬車を一旦止めて。二人を安全な場所に連れて行った後。隠蔽と偽装を念のために使ってから。
俺はジーラ達に俺の持つチートスキルの事を教えたのである。そして、俺達がこれから何をしなければならないのかも、全部話したのであった。俺は自分が持っている称号の事を伏せて、俺達のステータスの事を説明したのだ。するとジーラが言うには。次郎は元々持っていた『武の神』の称号のせいで。ステータスの補正効果が凄すぎてチートになってしまったのではないかと言うのである。確かに俺達は勇者でもなんでもないただの一般人だから。こんなにもチートになるのは可笑しいと俺も思うのであった。まぁでも勇者とかそういうのが関係ないくらいにチートなんだけどね……。そして……ジーラは、次郎と一緒に俺と旅をして色々なところに行きたいというのだ……。次郎とジーラを俺の本当の姿を見えるように偽装を解除する事にした。そして俺達は次の街までジーラを俺の愛馬である白馬に乗せて、二人で手を繋いで歩いたのである。ジーラも最初は、怖かったようだが慣れてくると楽しそうにしていた。まぁ俺は次郎に偽装を施してから馬を走らせるのだけどね……。
ジーラを次の街まで送っていく途中で、ある出来事が起きたんだ。俺は、馬車を止めて。次郎にジーラをお願いして一人で、森の方へ向かっていった。
すると。大きな猪が現れて突進してきたのである。それを軽くかわすと。後ろの大木に当たったようで大爆発が起こり。周りにいた狼みたいな生き物が一斉に襲ってきたんだ!そこで俺は初めて魔物との戦闘をする事になったんだ……。正直言えば怖い……。けどさ……せっかく神様がくれなかった力を貰えたんだから使わないとな!それに俺は強くなったはずだから負ける事はないと思うんだよ!だからまずは、鑑定をしてみるとするか!鑑定スキルを使えば相手の強さも分かるだろうから。鑑定を発動してステータス画面を確認しようとしたら俺の目の前にいきなりステータス画面に表示されたような奴が出てきたのだ。しかし……。こいつは……鑑定しても何も出てこなかった。とりあえず……こいつらは……雑魚キャラなんだろうと思ったから無視して戦うことにしたのだった!しかし、この狼どもの攻撃が速いせいか中々当たらないのでイラっときたので思い切り蹴り飛ばすと。簡単に吹っ飛んで木にぶつかり血を流しながら気絶してしまった。
それから狼の集団を倒した後に。狼の死体は、収納に入れておいた。そして倒した後は、また馬車で移動を開始したのであった。
俺が御者席に戻ると。ジーラが泣きながら抱きついてきた。「私……。亮介が戦ってるところを見て……。怖かったのよぉ……。死ぬんじゃないかと思って……怖くて仕方がなかったのよ……。」と言われ。俺はジーラを抱き締め返したのであった。「大丈夫だ……。心配かけたみたいだけど。俺は……この世界の人達を守る為に……戦い続ける事を選んだんだ。だって俺は、もう普通のサラリーマンじゃなくなったんだよな。自分の力を使う為に必要な物を手にいれたんだ!今更後には引けないんだ……」と言って、頭を優しく撫でたのであった。
そして暫くしてから。街についたのだが、門番に止められてしまい。冒険者カードを持っていなかったのでジーラが取り出そうとした時、ジーラの動きを止めた。なぜなら、門の近くにいた兵士の人がジーラに近づいて来たからだ。そしてその人は、「私は、ジーラ様にお仕えしている執事のダリオと言います。先程はジーラ様を守って頂き有難うございます。この方は私がお屋敷に連れていきましょうか?」と言われたので、「宜しく頼みます」と答えると。俺は急いで街の宿屋に行って宿を取る事にした。何故ならば、このままでは確実に、門の兵士の人に怪しまれて面倒臭い事になるからである。俺はすぐに行動に移したのだった。宿屋に入ると。カウンターには誰もいなかったので勝手に空いている部屋に案内してもらうことにした。
ジーラとダリオが一緒に泊まる部屋に入って行き。荷物を置いたのを確認した後。俺は二人を連れて酒場に行ったのだった。酒場ではジーラに俺が元勇者であることを話した後。俺は二人の今後について話す事にしたのである。
俺は、まず。お金の話を切り出したのである。ジーラには「実は俺の持っている武器や、その他諸々と、ジーラに預けていた金が俺の家にまだ沢山あるんだ……。俺はジーラ達と行動を共にして魔物を倒しているから……。それなりの額にはなっているとは思う。まぁジーラ達も俺と同じぐらいの稼ぎがあるだろうけど……。もし良ければ俺が持ってるものは全部ジーラが受け取って欲しいんだ……。それで、ジーラに渡してたものを返してくれないか?そうすれば俺達の目的は達成できるからさ!」と言うと。ジーラは涙目になりながら、「ごめんなさい……。私は……。貴方の足手まといにはなりたくないの……。私の力が……弱いばかりに……。あの時、お父様達に、騙されなければ……。こんな目に合わなかったのかもしれないわね……。本当にごめんなさい……。それと、私は、貴方のお嫁さんになりたいと思っているの……。でも……今のこの世界で生きていくためには……。貴方の力が必要で……。この世界を救うまでは。私の我を通すわけにはいかないと……思ってしまって……。本当は嫌なの……。亮介と一緒にいる時間がなくなるなんて……。絶対に嫌だよぅ……。お願い……。許してください……。」とジーラが言い出すので、俺としては嬉しい気持ちになったが。ここで、甘えてしまったらダメだと思い「じゃあ……。こうしよう!俺はこれからも……。ジーラや次郎を危険な目に合わせたりしないし、絶対に死なせたりしない!だから俺と約束してほしい。俺が勇者である事を誰にも口外しないこと!そして俺の仲間としてずっとそばにいて欲しい!それでどうだ?これでいいか?それと次郎には。ジーラの護衛と監視をお願いしたいんだ!それでいいか?頼むぜ次郎!次郎だけが頼りなんだからさぁ!俺は、これから勇者としての役目を果たすためにも、仲間を集めておきたいんだよ!次郎は……『伝説の賢者』の称号があるからな!次郎は賢いだろ?俺や太郎よりも、知識があるからジーラが危ない時には助けてくれるはずたからな!あと、もしも、何かあって二人が離れたとしても連絡は取れたりするようにしておかないと困るだろう?それこそ、転移系のアイテムが必要だろうからな!」と言ったのだった。
俺が話終わった時にジーラが「亮介……。次郎ちゃんを……。私なんかの為に……巻き込んでもいいのかしら……。」と聞くと。次郎が、「俺は……。亮介と一緒にいて……。亮介の力になれるのなら本望です。それに俺も、この世界を救えるという事は素晴らしいことだと思いますから。是非、協力させてもらいます。俺も亮助には、借りを作ってばかりですから……。これぐらいのこと、喜んでさせていただきます。それに……俺には、他には何も無いんですよ……。亮介のおかげで……こうして新しい人生を手に入れることが出来たんですから……。俺の命は、亮介のものでもあるんだ!だから俺は……。命を賭けるつもりで戦うと決めています。だから……俺は何があってもジーラさんの側にいます。俺にとって大事なのはジーラだけですから。だからジーラさんは、安心して下さい。」
俺達は……。ジーラの屋敷に向かったのであった。俺は、屋敷に到着すると。早速ジーラの部屋に向かい。二人で話し合いをする事にしたのだ。そして俺はジーラの口から。真実を聞いたのだ。そして俺はジーラに、これからは今まで以上に。俺に対して気を使わないように話してもらえると助かるからと頼んだのだ。そして俺は……。ジーラから。この世界には、この国の他にも複数の国が存在していて、その国は『魔王の侵略を受けている』ということを教えられたのだ。そしてこの世界に散らばっている『聖遺物』を集めることによって、この世界に危機が迫ると言われているのだというのだ。俺はそれをジーラから聞いた後に……。俺とジーラは『恋人』という設定で行動していくことになったのだ。そして……この国に滞在する間は俺とジーラはこの宿から動かないようにすることにしたのである。この宿にいる従業員は、全員俺の正体を知っている人達である。
それから……。暫くして。次郎と合流して俺達は街に出て、買い物をして時間を潰し……。それから夜になると、俺はジーラと次郎をつれて街を散歩する事にしたのであった。俺達は夜の街中を歩きながら……。屋台を冷かして歩いたりしたのであった。
俺は街に出る前に。変装を解除することを選んだのである。ジーラが、不安そうな顔をしていたので……。俺は「ジーラの本当の姿を見せてくれないかな……。ジーラがどんな姿であっても俺は受け入れようと思っているんだ。ジーラの事を守りたいという想いも変わらないと思うから……」と言うと。ジーラは嬉しかったのか。泣き始めてしまい……俺の胸で泣き続けていたのだ。しばらくして落ち着いた頃に……。次郎に話しかけられて。俺と次郎が付き合っていることを街の皆に知らせることにしたのだった。俺とジーラは夫婦なので。街の人から見れば、俺は妻を奪った男という認識になってしまうからだ。そして……二人は夫婦になった。俺が、次郎の手を取り、ジーラに寄り添って歩く姿を街の人に見てもらう為に。そして……。二人の結婚指輪を見せつける事によって。この二人が俺の大事な人であると、知らしめる事にしたのである。俺達の仲睦まじい姿を見て、この国の王の側近の人も納得してくれて。この街で騒ぎを起こすことはないと思ったのだった。
しかし……。そんな甘い事は無かった……。それはジーラ達が、この国を出て、隣の国に向かう為に国境の街まで向かった時のことだった……。ジーラが御者席で休憩を取っている間に。御者席の隣にいた俺に、フードを被った男が話しかけてきたのだった。
そして俺の横に座った後に……。男は、「俺は……。あんたが憎いんだよ。あんたのせいで……俺の人生は全てめちゃくちゃになってしまった……。お前みたいなクズがいるせいで……。俺は不幸になっていくんだよ……。この世界には……。俺の大切な人が……。もう何人も犠牲になって……。そして俺はもうじき死ぬだろう……。
俺の寿命が残り少ないことは分かっているんだよ……。だが……。俺は、最後の最後まで抗わせてもらう……。俺は……俺に復讐してやる……。絶対になぁ!!︎」と言い出すと。突然ナイフを取り出して。俺に向かって刺して来たのだ。そして、その攻撃をよけようとした瞬間。後ろから、もう一人のフードの男が現れ。ジーラに斬りかかろうとしてきた。俺は慌てて、ジーラの前に立つと。俺はジーラを庇う体勢をとったのである。すると……目の前が眩しい光に覆われていった。俺は咄嵯の出来事に何もできなかったのだった……。
光が収まると……俺は見知らぬ土地で立っていた。辺りを見渡すと……そこには誰もいない。
ここは何処なのか……と疑問を抱いたが、俺はステータス画面を開いたのだった。
【名前】
佐藤 亮介 【年齢】
27歳 【レベル】
20 ↑10 《スキル》
『勇者の加護(小)』『剣術 LV4』(New! new!)
《称号・職業》
勇者 元ニート 異世界転移者 New! 剣豪師弟 ←NEW! 《装備 頭 右手:ミスリルの兜
(左手:)鎧:ミスリルの籠手
(両手両足)靴
:ミスリルの靴下+7
(その他:旅人の服上下)背中腰
:なし≫ *補正能力UP 中2日 STR 大3+1 +5 AGI
(俊敏性)
5 +8 DEX 高6 +1 CRI 4 VIT 高9 1 +1 LUK 大3 3 +11 2D20 +15 6日目結果発表!!! 10日目の夜に目が覚めたら……。そこは森の中にテントが設営されていて……。俺の寝ていた横で……誰かが倒れていたのだ。俺は急いで、その人の様子を見に行くと……。どうやら女の人で、酷い傷を負っている状態だったのだ。俺は急いで回復魔法をかけてあげたが。全然良くならなかった。それどころか……。俺の持っているポーションや薬草も全く効かないような状態に陥っていたのである。
俺は、自分の持っているアイテムでは助けることは出来ないと悟り……。とりあえず応急処置として、傷口を布か何かで縛り付ける事にした。俺は意識を失っている女を背負って……。なんとか森を抜けて街を目指した。街に着くまでに何回もモンスターと遭遇したが。何とか街に着いた俺は、衛兵達に連絡を頼み……。冒険者ギルドに行って助けを求めることにしたのであった。俺はギルドに入って、受付のカウンターの女性に相談してみると……。俺が背負っている人を、救護室に連れて行き、治療をして欲しいと言われた為。俺は急いで部屋に向かった。俺は彼女を部屋に運んでベットに降ろすと。彼女が目覚めて俺に話しかけてきたのである。
そして俺が自己紹介を済ませると……。「ありがとうございます……。貴方のお名前は?それに私はどうして……。あっ……そうか……。私の名はジーラといいます……。貴方様の名前を教えてくださいませんか?」と聞かれたので。俺は彼女の問いに答えたのだ。
そして彼女は俺の事をジーラと呼んでくれと俺に頼んできたのである。俺は彼女からの質問に丁寧に答えることにしたのだった。「俺の名前は……次郎という。ジーラとはどういう関係で、ここで何をしているのかを聞いてもいいかな?」と聞くと。ジーラは自分の身の上話と、俺の事を話し始めたのだ。
ジーラは、隣国の貴族で……。この国に嫁いで来たのだと説明してくれた。俺との出逢いは、この国が侵略され、ジーラの家族は皆殺しにされてしまった。その後ジーラは、この国を乗っ取ろうとした貴族から命を狙われるようになったらしい。それで、この国の王子とジーラの間にできた子供が産まれると、ジーラは子供を身ごもりながらも殺されそうになったところを逃げだして……。ここに隠れ住んでいるそうだ。そして、今は……。この国の為に『聖遺物』を探す手伝いをしているのだという。
そして俺との出会いも、今のように……。俺の命を狙った暗殺者からジーラを助けようと……。ジーラが命懸けで俺を逃がした事がきっかけだった。そして俺達はお互いの命を預け合う仲になった。そしてお互いに恋に落ちてしまった。だけど、そんな事はお見通しで、俺達の恋路を邪魔するかのように。この国の王が俺を殺そうとしてくるようになった。俺はこの国の王にはめられたとわかった時には……。もう後戻りはできないところまで来てしまっていて。結局……。ジーラは王の手先に殺された。俺はジーラを守れなかった自分を責め続けていた。だから……俺は復讐することに決めた。ジーラが俺を守ってくれた事を無駄にしないためにも。俺はこの世界を救おうと思ったのだ。
それから……。俺は『聖遺物』を集める旅を始めた。『聖遺物』を集めれば、『勇者』の俺が世界を救う事ができると信じていたから……。『勇者』が世界を救うことなんてあり得ない事を知っているから。
そして俺の手元にある『聖遺物』が……『賢者の石』である。この『聖遺物』を手に入れてから……。俺の運が一気に上がり出した。『勇者』スキルのレベルが上がり。更には……。俺は今まで使えなかった、魔法を使うことが出来るようにまでなっていた。
俺が今まで使っていた魔法は……。『魔道具作成LV1』の魔法の本を使って発動させるものだったのだが……。実はこの本が使えるようになる前は、普通の魔法書だった。しかし……。今では普通に詠唱しても魔法を発動させる事が可能になっていた。
しかもこの世界には無い……『無属性の初級呪文集』も使えるようになっていたのである。
そして俺に、ある力が備わった……。それは俺にだけ見えていた、小さな光る生き物のような物体の正体を突き止めることができたのだった。それは、精霊と呼ばれる、目に見えない不思議な生命体だったのである。その生物たちは……。自然の力を借りて。色々な現象を引き起こすことができる存在だった。
そして、そいつらは……。どうもこの世界の全ての生命を司る存在らしく。人間達の争いによって……どんどん数が減っていったそうなのだ。俺はそいつらに……。この世界で起こる災害について、色々と教えてもらった。
そして、こいつも俺と同じく……。俺の味方にしてくれることになったのだった。どうやら……。こいつは、俺のステータス画面から出てきたものらしかったのだ。
その話を、たまたま近くに居て……。ジーラの話を聞いたジーラの娘が。信じられないと言った顔をしていたのだ。
どうやら、この世界の人々は、ステータス画面に書かれている文字を読めないので。俺達が使っている文字を見て驚いたのだろう。しかし……この子はまだ10歳ぐらいの子供なのに。俺に、剣の指導をしてほしいと言ってきたのである。剣の訓練なら……と。俺が快く承諾すると……。この子は嬉しそうな表情をしていた。
しかし、この世界では10歳と言えば、もう大人として扱われる年齢になるので……。俺は剣を教えるにしても……。最低限の剣術の訓練を受けたほうがいいと思い。剣術の基礎的な訓練を行った後に、基礎体力をつける為に走らせる事にしたのである。俺はジーラに剣術と体術の基礎を叩き込んでもらう事にしたのだ。俺はその子に……リータと名前を告げたのだ。俺が教える事になったのは、その子の親代わりをすると言う約束をしたからなのであった。
そして、俺と子供達だけで……この危険な場所から抜け出して、安全な場所に移り住むことにしたのである。
「なあ……リータ。お前はこの国から逃げるつもりなんだが……。どこに行きたいんだ?」と俺が聞くと。「えっ……パパは私と一緒じゃないの?」と、少し寂しげな目をしながら俺の事を見つめて聞いてきたのだ。
俺はジーラから聞いていた情報と、ジーラの娘であるジーラの言葉を信用することにしたのである。
俺は……リータを連れて行くのであれば……。まず……この国で俺を狙っている者達をどうにかしないと、リータの身が危険だと感じたのである。そこで、俺達は、街から出て。山の中に拠点を移すことに決めていたのであった。俺達の拠点の近くに大きな湖があったのを覚えていたからだ。
そして、その道中には……。俺達を待ち伏せして殺そうとする、暗殺者が何人も襲い掛かってきた。
まあ、こんな奴等に俺は負けることなど無かった。それに……レベルを上げたことにより、俺は自分の能力を把握できるようになったから。相手との力量差を冷静に判断できるようにまでなっていて。相手が俺より弱ければ余裕で勝利できたのだ。そして俺達は……。山の中にある隠れ家を目指して歩き始めたのであった。そしてしばらく歩くうちに……。俺が気になってた気配の事がわかるようになったのだ。どうやら……。まだあの辺りには俺を狙う奴等が隠れて居るらしい。俺は仕方なくリータをその場に残して……。一人で討伐に向かう事にしたのだった。
1時間程経過してから……俺のところへ一人の男が近寄ってきて「俺の仲間を返してもらうぞ!!」と言ってきたのである。
俺はその言葉を聞いた途端に……。なんで俺を殺そうとした連中が戻って来たのか不思議でしょうがなかったのだ。まさか……。この国の王は馬鹿なのかと思ってしまったのである。そんな事よりも、なぜこいつらは再び戻ってきたのか理由を知りたかったのだ。
「おい……貴様は、どうしてこの場所に戻ってきやがったんだ?」と、俺は目の前に立っている男に向かって言ったのだ
「はぁああ!!この俺様に、その口を聞いていいと思っているのか?このクズ野郎!!だが、まあいいだろう……教えてやるよ。お前が持っている『賢者の石』を渡してもらいたいんだよ!!それにこの石の力さえあれば!!お前なんか用済みだって言ってるだろう!!さっさとよこしやがれ!!」と言い出したのであった。それを聞いた俺は……呆れて物が言えなかったのである。そして怒りを爆発させた俺だったが。俺はなんとか感情を抑えると……。『聖遺物』『賢人の腕輪』の力を試すことにしたのである。
そして、目の前に居る男の身体を一瞬で切り刻んだ。俺は腕を切り落とした後で、今度は首を切断したのである。
俺は、首を切られたはずの男が生きていたので、再び攻撃しようとしたが……。男は何かを呟いていたのだ。「うぅ……うぐぐ……痛てぇ……くそぉ……。いてーじゃないか……この……糞虫どもめ……。もう許さん……この私が、神に選ばれし存在……ジーラ=バルファ様の僕にして……偉大な王になる私の邪魔をするとは……。もう、こうなったら仕方ない。全員皆殺しに……」と、そんなことを言いながら立ち上がった。俺はこいつが何者かわからないので警戒していたが。次の瞬間に、その者は苦しみ始め、胸から血を流し始めたのだ。どうやら心臓か何かを握り潰されたようで……。俺はその者に近寄り確認をしたところ、どうも普通の人間ではなく……。悪魔に取りつかれたようだった。俺は取り敢えずその者を倒すと、すぐにその場から離れて。俺は、俺を追って来たであろう、敵が来る前に……。俺はこの場から離れようとしたのだが……。なぜか先ほど、首を切ったはずの存在が俺の後を追いかけてきたのである。
それから……何度倒しても、死なずに、まるでゾンビの様に蘇ってくる相手に疲れ果ててしまった俺は、俺に襲いかかって来た相手を、逆に殺すことに集中したのだった。
そして俺は、何度も殺されてもなお、生き返り。俺を殺す為だけに現れたこの悪魔の化物を倒すために……。ひたすらに戦い続けていった。そして……。やっとの事で倒すことに成功したのだった。しかし……俺は油断していたせいで……背中に痛みを感じてしまったのである。振り返るとそこには……あの女がいた。
俺達は、湖に着くと……。そこにいた妖精の導きにより。俺達がこれから住もうとしているところへ向かう事にしたのだった。そして、俺が湖の精霊から話を聞いたあとに……。子供達を連れて湖の周りを調べる事にしたのである。そして、俺はある事実を知ったのだ。それは……どうやらこの世界では、『無属性』という属性は存在しないようであるということだった。そして俺が持つスキルの中に『無属性魔法』があったのだ。これはどうも『勇者』である俺だから習得する事ができるスキルのようだ。俺はその魔法を使って、水の探知魔法を使用した。どうやらこの周辺には魔物がいないようなので。安全を確保することができたのである。しかし、俺は安心するのはまだ早いと思い。俺達が住むための小屋を作ることにした。そして俺と子供達が交代で寝れるだけの簡易な家を作ったのだった。
俺はジーラとジーラの娘に剣を教えていた時に感じたことを話していたのだ
「そう言えば……。リータには話してなかったけど……。リータには精霊が見えていたよね?」と俺が言うと
「はい……。私には精霊が視えるんです」
そう……。リータは普通ではありえない……。魔力を持っていることが判明したのだ。しかもかなり強いと思われる量だったのである。おそらくは……。『聖遺物』である精霊石を身に付けているせいかもしれない。
「やっぱりか……。実は……お前には隠さずに話す事にするが。俺は今までは見えていなかったが……お前と一緒にいるようになってから見えるようになっていたんだよ……。俺はこの世界での唯一の能力と言っていいと思うんだけど……どうやら、相手の心を読めるようになったみたいなんだ。まあ……。今までも読んでいたが。さらにはっきり聞こえるように、聞こえるようになっているから……。多分……お前のお陰だと思うんだ……」
俺の言葉に驚いているみたいだけど。リータが驚くことはわかっていたことなので特に驚きはない
「えっと……。そうなんですね……パパ……。私はパパから凄く優しくて良い香りがしていると思ったら、その不思議な力はそういうことだったんだ!」と俺に言ってきたのだ。
「まあ……そういうことだ。それでだな……この事は誰にも言わない方がいいからな……。俺の能力について知られれば……。面倒なことに巻き込まれる可能性があるからな……。それにリータの事も知られると……。リータに迷惑が掛かってしまうし……。ただでさえリータをこんな目に遭わせてしまってるのに……これ以上リータに辛い思いなんてさせられないだろう?」
俺がそう言うと、悲しそうな顔をしながら……俺の顔を見て「私のせいで……。パパはこんなにも苦しい思いを……。本当にごめんなさい……。そして、ありがとう……パパ……。私は大丈夫です!それよりも……。私は、私を助けてくれて。パパのおかげで……今、こうして生きている事ができた。それが……嬉しく思うのです……。それに、パパが助けてくれる前から……この能力は使えたんですよ? でも、こんな事を言うと……。パパはきっと悲しい気持ちになるだろうから……何も言えないと思っていたの……」
「リータ……そんな事を思っててくれたんだな……。俺の方こそ……。リータにそんな辛い目に合わせて申し訳なく思っているんだよ……。本当ならもっと楽しい生活に出来たはずだから……。俺はリータに幸せになって欲しいんだよ……。まあ、そんな話はやめて……。そうだな……。俺がリータに教えた剣術を、毎日欠かさずに続ける事。それと体術を怠らない事と。あと……魔法は、火属性が適正のようだし……。水と風の適性があるなら。剣術の型を覚えておいて、基礎的な体力作りをしながら。魔法の訓練をした方が良いんじゃないか? 俺は……そうしてみるのが一番だと思うんだ……。」
俺は、リータに、ジーラに習った事を思い出させながら。その技を使うイメージをして、実際にやってみるように声をかけたのであった。
俺は、子供たちを休ませるためと、食事の為に魚を取りに行った。そして……湖の近くの森から果物を採ってくる事にした。俺は森に近付いた時……。森の中から複数の人間の気配がしたので、俺は慎重に行動する為に……。自分の身を隠すために。『聖遺物』の一つでもあるマントに、姿を変える事にしたのである。俺はこの世界にきてからというものの……。常に、気配遮断を発動させていたので、誰も俺を見つけることができなかったのであった。それどころか、気配を感じることができる者ですら。今の俺の姿を見ることなど出来ないだろう……。
俺達は、隠れ家として作った小屋に戻り食事をすることにした。俺が、食料の調達に出掛けていたことをみんなに伝えていなかったら。俺は子供達を危険な場所に連れ回したことになっていたからである。それから……暫くしてから……。俺達の住んでいる場所に向かって来ている者がいることに気付いたので、急いで俺も隠れ家から出ることにしたのである。すると、数人の人間がこちらに向かって来ていて……。その中には、先ほどのジーラを攫おうとした奴等も居たのである。どうやら、あいつらが戻ってきたのではないようだ。そして……そいつらは俺達を発見すると、「お前たちは誰だ!!ここは我らの土地であるぞ!!さっさと立ち去れ!!」と俺達に言ってきたのである。俺はこの国の奴等に用があるので。相手にする事にしたのだが……。子供達は怯えてしまっている。このままではいけないと思い、子供に危害を加えないように脅すことにしたのだが……その時に、あの女の妖精が現れてしまい。「あなた方は人間族の人達ね!!私の家族に手を出したら……絶対に許さないから!!」と言ったので、相手は驚いた顔をしたのである。
俺はこの妖精の正体を知っている。こいつは『聖遺物』である『妖精石の指輪』の効果なのだが。妖精が『無属性魔法』を使用していて。この指輪をしている妖精にはどんな人間でも嘘をつけることができない。妖精には真実しか語れないという性質もあるからだ それを聞いている者達も少し困惑していたようだった。
それから……。そいつらの話を聞いていたところ……。そいつらはやはり……。エルフ族らしい。しかし、ここ最近で……他の土地に移り住み始めた種族のようだった。そいつらが俺に話しかけて来たので。そろそろ姿を見せることにしてやったのである。すると……俺の姿を見てそいつらはすぐに俺から離れて行ったのだった。どうやら俺の強さがわかるみたいで……。俺の目の前にいる奴らの中には恐怖に震えてる者もいたので、すぐに終わらせてやることにしたのである。俺は『剣の極み』を発動して。まず最初に『風斬』を放った。そして次に、俺に襲いかかって来た男の首を切り落とした。俺がその作業を終わるまでに……10秒も掛かっていないくらい早かったと思う……。そして……。残りの奴らも全員始末を完了した。そして……そいつらを全員殺した後に。そいつらに殺された死体を確認してみたが……。『剣の勇者』の装備と……スキルを習得できるような武器を身に付けていただけだった。俺はそいつらと話をするのをやめて、俺に近付いて来た奴がいたので……。話が出来るかどうかを試したのだが……。どうも俺の考えは間違っていなかったようである。この女も……俺と同じくこの世界の人間ではなかったのだ。そして俺はこの世界の事を知りたかったが。この世界では『鑑定』が使えないので……。名前を聞く事だけにする
「俺は、ジーランと言うものだ。お前の名前は?」
俺はそう言ってから、自分の自己紹介をした。
「俺は、太郎と言うんだ。よろしく頼むよ。あんたに頼みたい事があるんだ。とりあえずは……。お互いを知る為の話でもしようじゃないか」
俺がそう言うと。ジーラと名乗る女性も。
「わかったわ……。私はこの世界で女神さまから授かった『神の巫女』と呼ばれる存在で。名前は『ジーラ・シルフィ』というの」と言ってきた。それで俺はこの女性が、この世界で初めてあった。ジーラの血縁の人なのではないかと思って確認する
「えっと……。そのジーラの親類とかなのかな?」
「ええ……。ジーラの姉にあたる人なの」
やっぱりか。この人がジーラのお姉さんか……。見た目は確かに似ている感じがする
「なるほど……。やっぱりジーラの家族なんだね。似てるもん」
俺はジーラがジーラの姉だからなのか……口調が変わったような気がする
「うん……。そうだね……。私が……ジーラを助けてくれたんだね……。それにしても凄い力ね……。あなたのお陰なの?それに……どうして私と話が出来たのかしら……」と疑問に思っていたようなのである。そこで俺は……。自分について話を始めたのである
「俺は、『勇者』である『山田タロウ』だ。そして……俺は、この世界を滅ぼそうとしている敵がいるんだ。俺はそいつを倒す為にこの世界に来たんだよ……。でも俺は弱いんだ……。仲間が居なければ……俺はただの子供にすぎないんだ……。だから仲間を集めないといけないんだよ……。俺は……ジータに救われたんだ。俺は今から、仲間たちに会いに行こうと思っているんだけど……一緒に行かないか?」と俺は聞いてみることにした
「えっと……。仲間?それはどういう事かしら? 私達は二人で、森の中で静かに暮らしていたのに……。なんで急にそんな事を言ってくるの?」と驚いていた
「うーん……。詳しい事は説明しにくいけど。この世界に、俺が倒すべき相手が居て……。そいつは……とても悪い奴なんだよ。そいつを放置すれば……。必ず、大勢の人達が不幸になる……。それに俺の力じゃ……。一人だけではどうにもならないんだよ……。協力して欲しいんだ……」
俺は、正直に伝えた。この人にならわかってもらえると思ったから。
「そうなんだ……。確かに……その通りね……。それに……。私にも何か出来る事があるのなら。助けてあげたいし。私もその方が……いいかもね。だって……。タロウ君はとても良い匂いがして。優しくしてくれるし。私に酷いことをしないから……。私もついて行ってもいいよね……?私、タロウ君と一緒に行くことにするね……」
こうして……この人と、俺の仲間が一人増えることになったのである そういえば……。俺のステータスは…… 《名 前》 タロー・ヤマダ 種 族】人間 年 齢〕18歳 身長と体重〕170センチ,62キロ 体 格 標準 筋 力と体力 並 知 力 上の上 魔 力 特級 生命力〕Sランク 運気 普通 〈特殊スキル〉 言語翻訳(異世界)/アイテムボックス
(神眼の神薬調合セット 全能収納空間のスキル付鞄)
/経験値増量 体力自動回復(超再生強化の加護 聖遺物収納可能枠+1/聖遺物召喚+1/分身能力+4/瞬足移動/未来予知)
魔力制御/魔法耐性〔聖属性のみ有効化 状態異常無効(呪いも含む)
不老長寿の呪い 不死鳥への変身可(魂の状態になり仮死状態で身体に戻ってくる)
称号【聖剣の主 聖剣を統べる者 剣王】
職業【大魔法使い
剣士 etc. 所持品:魔法の杖×10魔法書×22冊 魔法のローブ 魔法の服×20着etc.】
《備 考》『剣の勇者』として、この世界に転生した『タロー』が死亡して、『リータ』と出会い……。彼女と『結婚』『子供が生まれる』ことで。この世界から『転移してきたタロウ』になった存在である。
《装備一覧表
》※装備変更不可 1 武器:魔法の杖〔魔法の指輪型万能武器。杖の先端にある宝石にはあらゆる物を無限に保存することができる『収納の魔法』が付与されていて。この中の物は時が止まっている。取り出す際はこの杖の先を触ると。収納されていた物が手元に出てくる。この世界の理を覆す事ができる武器の一つ 所有者;山田タロウ(鈴木亮介から改名)
2
防具 :『騎士鎧シリーズ』(防御力の高いもの)
盾
:タワーシールド
武器: 聖剣エクスカリバー 3 その他 武器(短槍からロングソードまで種類豊富に取り揃えてある。全て、聖剣と同等の力を付与してあるため攻撃力がとてつもなく高い
所有武器一覧(全て同じ物を使用 名称:真聖剣アルターブレイド 攻撃回数〕100回以上(剣の固有技能による)
剣の特殊効果)斬撃を飛ばす事が出来る。威力調整が可能 形状を変化することが可能で、刀に変形できる 所有者限定効果により、斬られたものは、聖属性以外ダメージを受けない。
4 真聖聖衣ホーリーアーマー 装備すると『防御魔法』と『結界魔法』と『絶対障壁』が使用可能になる 聖遺物の1つ 5 アクセサリー(武器、腕輪等)
『勇者の腕輪』(この腕輪を装備している人は。この世界で死んだ場合に限り……。生き返ることが出来るようになる。ただし、復活できるのは一回だけ。蘇生時間は1日の間)
この世界の人では使えない。『女神の聖杯』と融合する事で。女神の加護を受けた者はこの世界の人でも可能 6 その他の持ち物のスキル発動道具は『女神の袋』に入れているため見えないようになっている。
7
『妖精石』の所有者登録の証 8『神の巫女の祝福』を所有者に譲渡した場合にのみ使える 妖精がこの所有者の味方に成った証 9
『妖精の靴』を履いていると……。空を飛んでも、地面に着地する時には疲れることが無くなる。
10 この世界の貨幣の価値基準は 鉄貨=5円くらいの価値 小銅貨=10円 銅貨=500円 銀貨=10000円 金貨=500000円くらい 大金貨=1億円 白銀貨 500000万円 大金貨 = 100枚以上
『妖精石の指輪』の所有者とこの所有者が仲間になった事で。妖精との会話が可能になった。そして……『ジーラ』が持っているこのスキルは、どんな人物に対しても嘘をつくことができない
「私は『ジーラ・シルフィ」と言います。私と一緒に行きましょう」と言ってきました」
ジーラの本名は『ジーラ・シルフィ』といい。ジーラのお姉さんだったのだ。それで、彼女から話を聞くことになったのだ ジーラの話を聞いていて俺は、思った事が有るのだが……。どうやら俺と同じらしい……。俺も、女神さまから『異世界へ行って欲しいのだけれど……。私の世界を救ってくれないかなぁ~?』と言われてこの世界にやって来たみたいだ。俺はジーラのお姉さんと話をした後で。彼女にお願いをする。そして……。ジーラに『俺の頼みを聞き届けてくれないか?』と言うと。彼女は「いいわよ」と答えてくれるので。早速、俺は仲間を探す為に、ジーラに案内をしてもらうことにした。ちなみに……この森の中で、最初に俺が助けた女の子は、『リリン』と言うらしくて。ジーラの友達だという事なので。俺達は彼女の家に向かう事にした。俺達3人が歩き始めてから、30分ほど経過した頃……。
森の中に突然、屋敷が現れ始めた。しかも結構立派な感じの建物が建っていた
「えっ?ええー!?なんで、こんな場所に……。どうして?」ジーラが驚きながら。「あのさ……。これって……お姉ちゃんの仕業じゃないよね?」と聞くと。俺は少し笑いそうになってしまって。口を押さえていた
「い……いいい、いや。ちがうと思うけど……。まあ、中に入ればわかるんじゃない?」と答えたのである それからしばらくして。やっと屋敷の前に辿り着いた。しかし……。この屋敷……凄く綺麗だな。かなり金かかってそうだぞ……
「ふぅ……。お姉ちゃ〜ん!!居たら返事をしてね!!」ジーラは、この建物に入る前に。誰かに呼びかけている
「ええっと……ジーナ。その人……もしかして。『勇者』様ですか?だとしたら、私達が探していたので……ちょうど良かったです……。それにしても……この家は……いったい……何なの?」
屋敷の中に入ると。メイド服姿の美しい女性がそこにいたのである。
「おぉ!やっぱり……。私が思っていたとおりだよ。この家の中は、私が改造しているからね。でもね。ここは秘密の場所だから……。他の誰にも教えてはいけないよ?」
「うん……。でも……。それ……意味がないような気が……私と太郎とジーナにしかわからないんだから。この家で隠れて生活すれば……絶対にばれないし。それに……ここに来るまでに……。私達の気配を感じたのか。私の仲間らしき人たちが襲って来たんだよ。だから、ここに連れてこようとしたら……。もう……誰も居なかったんだ……」
俺にはよくわからなかったけど……。どうやら……俺の仲間に会えたようですね……。
とりあえず。自己紹介をすることにしようか……。俺が名乗ると……。彼女が名乗り始める。名前は『ミルカ』というらしい。そして俺の仲間になりたいという話になるんだけど。まず先に……。なぜ、俺を探しに来ていたのかという話から聞いてみた。その理由は、魔王を倒して欲しいという理由だったようだ。
それと……『女神の書』には書かれていないのだが……ミルカによると、俺の仲間になっていた女性達は、『元女神候補生達』であり……女神さまが転生させた者達なのだそうだ。そんな話を聞いたからには、助けられる限り助けてあげたいと心の底から思うようになっていたのであった こうして……。新たな仲間の『ミルカ』も一緒に行くことになり。この屋敷に住むことになった そういえば……この子の名前は『ミルキー』って言って。『ミルキィ・マーキュリー』のミルキーと同じ名前だと思った。俺の知り合いの女性は、なぜか。『ミルク』という名前を持っている人が多すぎのような気がする。これは偶然なのかな?それと……ジーナが『妖精の服』を着た時に現れる妖精の尻尾だが。どうやら。所有者限定の効果があり。『ミルカ』にも効果を発揮するようにしていたようで。ミルカーが装備すると『防御結界』を発動する事が可能になるみたいだった。この効果が有るために。俺はこの屋敷に辿り着くまでに襲われる事が無かったのだろうと……。ミルキーが話してくれて理解することができた それと……。『女神の指輪』が装備できたのは。どうやら『妖精の加護』を受けた者で。なおかつ、『勇者の石』を所持していなければダメみたいなんだが……。まあ。それはともかく……。ミルキーは、勇者の剣と聖剣を持ってきて欲しいと言われたから持ってきてもらった。そうしたら……この剣と鞘が『魔法の鞄』になっているようで。その中に『勇者の剣』を入れて収納してくれると嬉しいと言ってきたので。早速やってみることにした。
その後で『妖精の指輪』の使い方の説明を受けて、ミルキィーに渡して。試してみると……。ミルキーの周りに白い煙のようなものが発生していく。それが消えてから……。目の前に、小さな可愛い小動物が現れたのだった。
この子は『コビット』という魔物の一種で『ピッピー』という名前で『妖精』と呼ばれている種族だそうだ
「はじめましてだぴょー。僕は『ミルキー』だぴょん。僕の力が必要な時は呼んでくれて構わないぴょん」と言っていたのである
「あっ……。初めまして……。俺は『タロー』っていう者なんだ。それで君を呼んだわけだけど……。どうして必要になったのかと言うと……。実は……。俺は今。仲間を全員失った状態になっていて。新しく仲間を増やすのが難しくて……。それで、君の力を貸して欲しいと思って呼び出したんだ。どうか、仲間として俺の側にいてくれないだろうか?」
すると……。『ピッピー』君は嬉しそうな表情になると「わかったっぴょん。僕の力で役に立てるなら。いくらでも力を貸すぴょん」と言ってくれたのだ。
こうして……。『ジーラ・シルフィ』と『ミルカー・シルキー』が俺の仲間たちになりましたとさ……。
※ちなみに……『ジーラ』という名前は……。『女神の袋』の『ジーラのペンダント』を見ていて。思いついた名前で。『ジー』とは。フランス語で……。確か……天使を意味する言葉じゃなかったかな?『ラ』は……フランス語だと……。何て言ったけな……。うーん……思い出せない……。後で調べてみることにしよう。
『妖精族』の『ジーラ』と『ミルキー・マーキュリー』と俺で旅をする事になった
「ねぇ……。『ジーラ・シルフィ』。あなたが『妖精族の王』の娘だって本当なの?しかも……『勇者の武器と聖女の杖』を持つって聞いた事があるけど……?」
俺は、その言葉に驚いた。確かにジーラに妖精の耳飾りを手渡した時に……。そんな事を話してくれたような気がするけど……。この世界に俺が来たばかりの頃に、俺が使っていた武器やアイテムを渡してくれる人がいたけど……。その時の話の内容から推測したら……。そういうことだったみたいだね……。まさか妖精の国を治めている王様が、この世界に来た俺に渡しに来るとは思ってもいなかった
「あれっ? 私、そこまで話したかしら? そうね……。確かに妖精族の王が……私の父さんなのよ。それにしても、太郎さん……。貴女、自分の事を『シルフィー』と呼ばせるのは良いけれど。太郎さんの場合は『太郎さん』としか言わせてもらえないなんて可哀想だよね……。まぁ私達からしたら、太郎さんの事は『太郎さん』と呼んでしまうんだけどね。私も、ジーラも……『シルキー』と呼ばれても返事できないからさ……。ごめんなさい」
俺としては『シルフィー』と呼ばれるよりも『太郎さん』と呼ばれるほうが好きだから。あまり気にしないでくださいねと答える
「ところでさぁ……俺が『勇者の剣と聖女の杖』を使うとどうなるのかって、知らないよね? この2つって……この世界でも最強の武器って呼ばれていて。この世界では、『神の力を与えられた武器』として扱われているんだけど……。俺が使ってみると……なんか凄いことになるんだよ」俺は、『勇者の杖』を使ってみたら、どんな事が出来るようになるのかを実演しながら教えていった まず……俺は『勇者の盾』を取り出して、ミルキーに渡す。そして、ミルキーには俺の後ろに隠れてもらい……。『勇者の盾』の『シールドブーメラン』を発動させて。ミルキィーの周りを高速回転させるように飛ばす そして……次に……今度は、『勇者の剣』を地面に刺すと。俺は魔法を発動させると。俺達3人の周りが光に包まれると同時に。空から光の塊が出現してきて、そこから『巨大な鳥のような化け物』が出現する。俺達は、『巨大鳥の化け物の群れ』に襲われている。そこで、俺達はこの『巨大化した鳥の群れ』に突撃して……俺が先頭になって走りだす そして……。俺達が攻撃しようとした時に……。『巨大化鳥の羽』の部分だけ、無数のナイフに変化して飛んでくるが……俺は素早く移動を繰り返しながら攻撃をしていく。ミルキーも同じように素早い動きで攻撃をしている。しかし……相手の方が数が多く。なかなか倒せずにいると……。ジーラの攻撃により敵のほとんどが消滅する。俺とミルキーは、ジーラの元に行く
「凄いわね。太郎さん。私達の連携技まで、簡単に真似してしまうのね……。でもね。このくらいの相手だと……。まだまだ余裕で勝てるわよ?」と言い放った 俺の持っている『勇者の剣』の能力と『勇者の杖』の持つ特殊能力は、凄まじいものだった まず……『勇者の杖』は……。魔法と物理の両特性を併せ持つため。普通に使うだけでは、攻撃力はさほど高くないが。特殊な使い方をする事で、強力な威力を発揮出来る 例えば……こんな風に……敵を囲んで、一気に消滅させたり……敵の上空に浮かべてから……一斉に敵に襲いかかるように使うと。かなり有効な使い方が出来る 他にも……この使い方などだ……『空中に浮いた状態の敵の集団に対して、魔法の槍を無数に出現させ……その魔法を一斉に放つことにより。1回の魔力消費が少なくなるのに、多くの敵を倒すことが可能』になる また『勇者の剣』は、剣自体に魔法の力が備わっているため。普通の剣で斬りつけるより、魔法を込めた一撃を放つことで……。斬った後に魔法陣が展開されていき。次の瞬間には……その場所に、雷の雨が発生するのだ。そのため……魔法の効果が付与された状態で攻撃されると。ほとんどの確率で……死に至るのである ちなみに……ジーラには俺の剣を見せて説明はしてあるので……。彼女も俺と同じように使いこなして見せたのだった 俺のスキルはレベルが高すぎるせいか……。熟練度の数値が表示されない だからなのか……。他の人達と比べると、同じ事を繰り返す作業でも効率が良くなってしまうようだ これはこれで……。ある意味チートな能力なのかもしれないが……逆に、こういう事が出来ない状況になった場合が問題になりそうで怖かったりする 特に……。仲間を失った場合に……。自分ひとりの力で何とかしなければならなくなった時には……。
俺の予想だけど……。おそらくだが……。今までに得た経験や習得したスキルなどが、頭の中に勝手にインストールされるような気がしていた それを考えると……。俺のレベルが99という数値が。どれだけ異常な事なのか……。それを再認識することになった
『妖精の森』に到着したのだが……。ここの住人は、俺が倒したモンスターの姿を確認すると大喜びして歓迎してくれている様子だ。そして……。俺とミルキーは妖精の里の女王様と謁見する事になる 妖精の民が暮らす里で……。俺達は、里の女王と会っている 妖精族は、人間と違って見た目は子供でも数百年生きる種族で、女王は年齢200歳以上の老婆のようであった。
そして……妖精族の間では、俺とミルキーが『勇者の武器と聖女の杖』を持つ者達で、妖精族を救う為に、俺が召喚したのだという噂が流れており。女王が俺の手を両手で包み込むと「貴方が私達に救いの手を差し伸べる方で良かった」と涙を浮かべて感謝の気持ちを伝えてくる それから、妖精族の里では……歓迎の儀式が行われることになった まずは、妖精族の王様に会うことになり、この国のトップとして国を統治する存在であり。さらに、女王は『精霊王の娘』という特別な存在であるという事を知らされた
『この世界に存在するすべての妖精族』の頂点にいる『妖精王』『フェアリーキング』の称号を持つ妖精族の王の娘である妖精族の王女が目の前に現れた
「勇者様。よくぞ参られた。我の名は……『妖精王 リリイ・フェアリーキング』だ。お主らの旅路の安全を願うばかりだ」と言われたのである妖精王から、これから俺達はどこに向かえば良いのかを聞く 俺達の行く先を尋ねるために、この里の長老に会ってみる事になった。妖精王の案内により、長老のいる小屋に辿り着く 俺が妖精の指輪を使って、妖精の王様と会う事を相談したところ……。ジーラとミルキーは、「そんな大事な事を私たちに相談なしで決めないでください。私たちは太郎さんの妻なんですよ?妻なんですからね? わかったのですか?」と少し不機嫌な顔になってしまう しかし……ジーラとミルキーは俺との『夫婦関係証明書』を持っているので……。『夫としての責任がある。』と言う事もあって、渋々ではあるが……。協力してくれた 俺は……妖精族の指輪の力で妖精の長老に会うことにすると……。そこには妖精の格好をした可愛いらしい女の子が現れたのである俺が、この子こそ……妖精族の長にして『精霊王の娘』だという少女の事を『妖精王の娘』だと紹介すると……。その妖精王は……「お前が私の愛しい娘を嫁にする相手なのじゃな?私は、リリィの母じゃ」と言われてしまうのだった
『精霊王の娘』であるリリイの母親が言うのだから、妖精王も認めるしかないだろうと俺は思ったので。『勇者の杖』を妖精王に見せることにした すると……妖精王が「ほぉー!これが伝説の勇者が持っていたと言われる杖じゃのう。さすがに……勇者の子孫だけあって。勇者の力を受け継ぐものが現れてしまったのか。それにしても……勇者の力を受け継ぎし者にしか扱えない勇者の杖を使うとは……なんとも……。さぁこの杖を使ってみよ」と促された。そこで俺は、『精霊王の力を受け継いだ者にしか使えぬ武器の力を試す為だ。』と思い。杖を振り回すことにした
『妖精王の娘』でもある『リリイ』が、この里の長を務める妖精女王でもあり『この世界の全ての精霊の王の力を受けつぐ』と言われている『エルフ』なのだそうだ そんな彼女が、俺が振り回している杖に興味があり、自分の力で制御できるようにしてみたいと言い出してきたのである。なので……この里の近くにある『妖精の森ダンジョン』に俺達と向かう そこで『リリイ』が、自分の身体に取り憑くように念じると……俺の持つ『勇者の杖』が一瞬で消滅したのだった どうも……。『勇者の力を受け継ぐ』と言われている者が使うと……。勇者の杖が吸収されてしまい、持ち主である俺は……勇者の力を完全に引き継ぐことができるようになり。同時に、武器も使えるようになるというのだ 俺は、『勇者の剣』と『勇者の盾』も、武器として使いたいと思った時に……。勇者の武器が、勝手に取り出されてきて、剣のようにもなり盾としても扱える状態に変化すると 俺は……。勇者の力を引き継ぐ事で……。剣技なども身につける事ができるようになったのだろうと思う 俺は……勇者の力を引き継いたからか……剣と盾を同時に使った時に発生する剣撃や魔法などの技の同時発動が可能になっている事に気がついた しかも……。俺が勇者の力で覚えた剣技が自動再生されるために……俺自身が技を繰り出しているようにしか見えないため……。
ジーラ達は、驚いた顔をしていたが……。妖精の王族は俺の事を知っているようで。勇者の力と勇者の血を引き継ぐ者には、特殊な力が存在するのだと説明した上で……。この力は、妖精の世界でもごく僅かな者に限られているらしく……。俺の場合は、初代妖精王の生まれ変わりである事からも……。
俺は……。剣と魔法を使いこなしている。しかし……俺に攻撃が当たることはなかった
「さてと……。そろそろ本気でいきますね!」そう言って、俺は攻撃を開始したのである。ミルキーは……ジーラの側に寄り添うと。ジーラは、ミルキィーの周りにバリアを張って敵の攻撃を防ぐと……そのまま『巨大化した鳥の化け物』に向かって、魔法を放ち始めた。そして、ミルキーとジーラは息のあったコンビネーション技を披露すると……。あっという間に『巨大鳥の化け物』は消滅していく ミルキーとジーラの活躍により……。
巨大化した鳥の群れを全滅させると……、すぐに……おっさんの元に俺達が戻る。そして……俺とミルキーでおっさんと一緒に、馬車に駆け込み……『美優』と名乗る女子高生と……その仲間の女性と合流する 俺とミルキーで……『盗賊団』に捕らわれていた女子高生を助け出すと……。彼女は俺に『お兄ちゃん』と抱きついてきた。俺としては……。妹は『次郎1人』いれば十分だと思っているのだが……まあ助けるのが当たり前だし……とりあえず……彼女達は……一緒に行動することに決める 俺とミルキーが……おっさんと女子高生を連れて宿屋に戻ると……。
俺達がいない間も宿代を支払ってくれた人がいたため、無事に部屋を確保できたので……、そこに移動する事にする。ちなみに……。俺は、高校生の妹は一人だけで充分だと考えている。しかし、俺の事をお兄様と呼びながら懐いてくる彼女の事は……。嫌いになれない
「太郎様は……やっぱりすごいのです。私……太郎様に助けてもらえなかったら……もう駄目でした」と嬉しそうにしている それから俺達は夕食を取りながら……。この辺りのモンスターが、どういう生き物なのか確認することにしたのであった。すると……。俺が倒した『ジャイアントラット』は、かなり大きなネズミである事がわかると、俺が「こいつらの皮は売れるのか?」と質問したところ……。俺のアイテムボックスの中に収納できる大きさまでの大きさにすることができるのなら可能と返ってきた
「俺がやってみるか……。でも……『妖精の薬箱』の中に入れられるかわからないから、やって見ていいか?」と言ってみた 妖精族は、妖精族の道具屋でしか手に入らない特別なポーションがある。それを飲めば傷が瞬時に治ってしまう優れものの薬なのだが、これは、妖精族の里にある道具屋の店主が作ったものなのだという。そして、俺達はこの里に来て、俺が最初に倒したモンスターを、ミルキーが収納していた
「よし……。『妖精の薬箱』の蓋を開けるか……」
妖精の民の作った特別製の薬入れで、この中には妖精族の里でしか作れない貴重な材料がふんだんに使われている 妖精族の秘薬と呼ばれている回復系の魔法の効果を大幅に高めることが出来る薬が入っており。これを飲むと体力と魔力を回復させることができるのだ 俺は『妖精の里』で売っている回復系に特化した妖精族の秘宝と言われる特別なポーションを飲むことにした。この妖精の里で作られている妖精の民特製の秘薬は、飲んで数分で効果があるらしい
『勇者』の能力のおかげもあって……俺は、妖精族が作った特別な回復ポーションを飲んでみたところ……。なんと……みるみるうちに体力と魔力を回復したのだ
「おおー。これは凄いな」と思わず声が出てしまった
「太郎様。この里で売られている妖精族の秘薬の効果よりも数倍高い効果があります」と言っていた どうも、普通の人間には使えないらしく。『この世界にいるすべての生物を癒やす力のある存在』にしか扱うことができないと言われている。そのため、この妖精の里に暮らす妖精族は、その力を秘めし者を『聖女様』として崇めているという。その聖女の力は……全ての病魔を取り除くことができるのだという この妖精の国の妖精の村で作られている『妖精の回復薬(特級品)』と『勇者の武器』があれば……魔王ですら倒す事が出来るだろうと俺は思う 俺とミルキーは、里の中で買った食材で夕食を食べ始めると……里で買った食材の中には珍しいものが結構あった 俺達は、食事を終えると……。明日に備えて早めに寝ることにした。俺達の様子を見に来た『フェアリークイーン』こと『リリィ・フェアリークィーン』に案内されて……。妖精の長老に会うために俺達は長老の元に向かう事になった。そこで、俺が勇者の力を引き継いだことで……。『勇者』が持っている特殊能力の一つである『ステータス表示』を使う事が可能になった事を伝えると……、 妖精王が、「それでは、今ここで『鑑定スキル』を使う事はできないのかのう?」と言われたので……。試してみる事にした
「妖精王よ……。試してみても良いでしょうか?」と聞いてみたものの……。すでに妖精王が答えてくれていて、勇者が受け継いだ能力の鑑定を使う事で……。相手の情報がある程度知る事が可能なようだ 俺が勇者の力を授かった事で使えるようになった能力が、いくつかあるようだ。その中の一つが『解析』だそうだ 俺は『解析』という能力を使う事に決めた 俺は、『妖精王の娘』であり、この妖精の国で一番強い妖精戦士でもある。この里で最強の『リリィ・フェアリン』に勝負を挑むことになったのだ まず最初に『妖精王の加護の力』を使い。リリイを眠らせることにした 妖精王に聞いた話によると……。『この里で暮らす妖精達は、全員が妖精の民の末裔なのです。つまり……。勇者が受け継いできた力が使える者こそが……。この里で最も妖精の王に近い者というわけなのです。リリイは、『勇者の力を受け継ぎし者』が持つ能力を全て使うことができるのじゃ。しかし……リリイは……まだその全ての力を引き出してはいないのじゃよ』と言われて……。『勇者の武器』の剣や盾を使ってリリイと戦ってみると。さすがは『妖精の戦士』だけあって。剣や盾の使い方は俺よりも上手なのだ。しかし……。剣や盾を使っても、俺に攻撃を当てられる事はなかった。
どうも、この里の最強戦士と言われているリリイは、剣や盾の使い方もさることながら。勇者の力を引き継げず、勇者の血を引いているのは、俺のほうだったらしく……。俺は……剣も盾も使えれば、魔法も使う事ができるという状態になってしまったのである 俺は、武器の使いかたを覚え、剣と盾の技を覚えると……。『リリィ』を眠らせてしまう。
それから『精霊王の加護の力』と『妖精の力』を発動させる そして……俺は……『勇者の力』と『精霊王の力と妖精の力』の二つの力で、リリイが身に付けている武具の全てを無力化させたのであった。
そして……。俺の圧倒的な力を目の当たりにした里の人達は……。『妖精の巫女姫』である妖精の王女が俺の妻になりたいと宣言するまでになったのである 俺達が宿屋に戻って一息つくと……。俺はミルキーに、お礼を言うことにする。すると……俺に寄り添いながら……嬉しそうにしていた そういえば……。おっさんは……何であんなところで一人で倒れていたんだろう?そう思って俺は「おっさんは、どこから来たのですか?」と聞いてみた すると……。おっさんは、気まずそうな顔になると……。「いや~。実はなぁ……。ちょっと仕事中に、トラブルが起きちゃってね。私は君が『美優ちゃん』と呼ぶ少女達と同じように、この世界で仕事をしているんだ。私の名前は……。『山本太郎』だ」と言ってくれた。そして…… 俺達は……。『美優ちゃん』『由美ちゃん』と呼んでいる女の子二人に、どうしてこんなところにいたのかを聞いたのだが……。二人は、妖精の国の女王である『美魔女』の頼みを受けて、魔王軍の幹部の一人である、悪魔の討伐に向かっていたという。しかし……。悪魔と戦う前に、突然……目の前に『悪魔』が現れたため、逃げている途中に……。俺が召喚した魔物に襲われたというのだ。それで……。何とか逃げているときに俺が『召喚された』らしく。
この妖精の里で……。なんとか生き延びることができたのだが……俺がいなくなった後は……ずっと『美優』と二人で隠れるようにしながら、生活してきたのだという
「あーやっぱり『美優ちゃん』じゃない!会いたかったんだよぉー。」と言って『美優ちゃん』を抱き寄せている。俺としては……おっさんと、この『妖精の少女』の間にどんな繋がりがあるのかわからなかったので……とりあえず……
「とりあえず……。『美優ちゃん』は俺に任せてもらえませんか?」と言った そして、おっさんは「ああ。亮介。すまないが、お願いできないか?」と言ってくれたので……。とりあえず、俺は……おっさんから『妖精の薬箱』と『勇者の装備』を借りて、『勇者の装備』で、アイテムボックスの中に収納していた。『おっさん』を、そのままにしておくと危険だと思い、とりあえず……俺の部屋に連れていき。そこで、一緒に寝てもらうことにした 翌朝になり……目が覚めると……。『美優』と、この世界にいるもう一人の『美魔女』と呼ばれている人の妹が……。一緒に寝ていて驚いたのである。
ちなみに、おっさんの『勇者の武器』と『妖精の薬箱』は俺が持っている。『妖精の薬箱』の中身については、おっさんから許可をもらったから大丈夫だろう。
「太郎様……。昨日は、本当にすみませんでした。私を助けに来てくださったばかりに……。危険な目にあわせてしまって……」と言って、頭を下げてくれた そして……。『妖精』の民が使っている薬草で作った『傷薬』を俺達に渡してくれた
「これを、飲んでいただけると、私の力が回復して傷も治せるのです。でも……この薬の効果は一時的なものなので……あまり効果はないですけど」と言っていた。どうも、この傷薬には、体力を回復させる効果の他に……。回復魔法の効果を高めてくれる作用があるそうだ この妖精の国の長老は、どうも『回復系の魔法のスペシャリスト』で、この国の医療の全てを担っているらしい どうもこの国には……妖精族が作る回復薬以外にも……。回復系の魔法の薬が作られているそうだ この妖精の里には、『聖なる泉の水』というものが存在する それは……。この妖精の里の中心にある、湖の中に存在するのだ その湖の水の中には……。回復系の成分を含んだ水が混ざっているらしい この水の力は……。回復魔法を使えない人間でも使う事が出来て、体力の回復にも使える万能の薬なんだとか どうも……その水の力で怪我がすぐに治ってしまうという凄い効果があるというのだ この妖精の里で作っている秘薬も、その水の力を混ぜる事で完成するらしく。特別な材料が必要なのだとか その特別な材料は……妖精の国から遠く離れた『妖精の山脈』と呼ばれる場所でしか採れない貴重な物らしく、特別な秘法で作られたポーションを作るためには特別な素材が必要で、特別な技術がなければポーションを作ることができなくなるのだと言う この特別な秘薬は、ポーションの効果があるという
「まぁ。とにかく……『妖精の薬箱』の中にある薬を使ってみましょう」と言われ……。俺は『リリィ・フェアリークィーン』が調合して作ってくれた薬を飲むことに……。そして……。ミルキーは……『フェアリークイーン』が持ってきてくれた秘薬を飲む 俺はミルキーに……。妖精族の里の中で一番強力な秘薬と妖精族の里で売っていた普通の『フェアリーポーション(特級品)』を飲ませる事にした。そして……。俺は、おっさんと一緒に妖精族の里の中に戻ることにした
「妖精の巫女姫が目覚められたようだ。しかし……なぜ、妖精王のご子息がここに?」と言われてしまった おっさんは、「えっと……。そのぅ。私が道に迷ってしまいまして……。妖精族の里の近くまで来ていたので、寄らせてもらったのですが……妖精族の方々に危害を加えるようなことは致しません。私は『勇者』の称号を持っていますが、妖精族の民とは縁がありますし……。今はもう、妖精王とも知り合いになっているんですよ」と答える おっさんは、「私の仕事は、この世界の平和のために戦うことです。決して妖精の方々と敵対するわけではありません」と言ってくれた それから……。妖精の村に戻ると……早速……俺達の歓迎会を開いてくれるそうだ まず、最初に出てきた料理なんだけど……『リリィ・フェアリークィーン』が俺達をもてなすために腕を振るって、美味しい食事を作ってくれた。『リリィ・フェアリン』達は、おっさんを見て驚いていたけど……。俺と妖精族の娘達が一緒の席に座ると、おっさんを紹介してあげる。おっさんは、『妖精族に伝わる伝説の武具を持っている者だ』ということと、『妖精の王』である妖精王様に認められた人物だという事を教えてあげた
「な、なに!?まさか、『妖精王の加護の力を受け継ぐ者』が実在していたのか!」と言って驚嘆している『リリイ・フェアリン』
その『リリイ』は、おっさんの前に座り……。色々と聞きたいことがあるらしく質問を始めたのだ
「あなたの名前は? それに……どこから来たのですか? どうして……あの魔物に殺されずに済んだのですか?」
すると……おっさんは……自分が異世界の人間である事や……。
この世界に『勇者の力を受け継いだ少年がいる』という噂を聞きつけてきたことなどを話す。それから、自分は……この妖精の国の近くに現れた魔物に襲われて、必死に逃げ回っていた時に偶然、召喚の門が開いているところを見つけ、そこを潜り抜けてきたのだという おっさんは、この里で暮らしている間。妖精族の里の近くにある山の奥に、魔物の群れが現れ、それを殲滅して欲しいという依頼を受けていたのだという。しかし……。妖精族の戦士たちと行動を共にしていたのだが……。その戦闘の最中に……。運悪く悪魔と遭遇してしまい。なんとかその場を切り抜ける事はできたのだが、その時の戦闘の影響で……。装備していた防具のほとんどが破壊されてしまっていたというのだ。しかし……それでもまだなんとか戦える状況だったため……。おっさんは自分の実力を見極めるために……。魔物と戦ったのだという。しかし……戦いの途中に遭遇した大きな蛇型のドラゴンタイプの魔獣から逃げることができずに、そのまま食べられてしまう寸前だったところを俺に助けられたらしいのだ おっさん曰く、その時に俺が自分の目の前に現れた瞬間……。
「私は、このまま……死んでしまうんだと思ったんだ……。だから……。私を助けるつもりで、私に止めを刺してくれ」と言ったため……。俺は思わず、「何を言っているんだ! 俺はお前を助けに来たんだ! 助けられるなら……俺が助けるよ」と叫んでしまった おっさんの話を聞いて……。『フェアリーキング』と、妖精の国の国王である妖精の王は、「うむ……。亮介様。この男は……。『妖精の呪い』を受けていますな……。この男の身体の魔力が……。邪悪な力に汚染されているように感じるのですが……」と言われたため……。おっさんは、『悪魔』と出会って、なんとか逃げようとしたのだが……。逃げ切れずに、そのまま……悪魔によって呪われてしまったという事を話し始める 俺達は、おっさんの話を聞くことにした すると……おっさんは、悪魔と出会った時の話をしてくれる なんでも……おっさん達は……妖精族の依頼を受けて、魔物が現れた場所に、偵察に向かってきたのだが……。その場所にはすでに魔物の姿はなく……。変わりに悪魔が待ち受けていて……その魔物が、この妖精の里に向かおうとしていたらしいのだ
「そ、それで……。妖精の里には行かせないと頑張っていたんだけど……相手は……。魔王の幹部の一人……。私も何度か手傷を負わせようとしても……。まったく歯が立たなくて……。私は死を覚悟したんだよ……。でも……私が死んだ後……。君達が来て、私を逃がしてくれたので、私だけが死ぬことになってしまった……。そして……。私はこの『聖なる泉の水』がある湖まで、逃げたんだけど……。私の目の前に……。『勇者の装備』を持った男と、『勇者の装備』を持つ妖精の女の人がいてね。二人のおかげで……。私は、何とか命拾いすることができたんだ。本当にありがとう。」と言って、おっさんが俺とミルキーの手を掴んで、涙を流しながら礼を言ってきたのであった。
俺とミルキーがおっさんと話していると……妖精の女王がやって来た。おっさんに、何があったのか話を聞きたいというのだ。おっさんは、俺とミルキーが助けてくれた事を女王様に説明して……。
「私にはわからない……。どうして……。この二人が……こんなにも早く『勇者の証』を手に入れているのに……。『悪魔の呪い』を受ける事ができるというのだろうか……」
おっさんの話では……。
『妖精の里の近くの山に……『魔神龍 デーモンロード 』が住んでいる場所があり。そこで……おっさんのいた世界にいるはずのない『邪悪の気』が感じられて、おっさんのいる方向に『悪魔の軍勢』が迫っているという情報を聞いたらしい』と言う 妖精族の長も、どうも……。この近くに……強大な力を持つ存在が現れると聞いてはいたが、詳しい事はわからなかったそうだ そして……妖精の国の周辺では……。『暗黒の精霊』と、それを操る『黒竜の戦士 ダークドラグーン 』の出現が頻繁に起こるようになったらしい その2体の存在が……『妖精族』にとって危険な存在であるため……。
「もしや……この近くに……その二体が居るのかもしれません……。注意してください。我々が……全力を尽くして貴方方を守りますので、安心してください。我々は……これから妖精族の里に戻り、『妖精王 フェアリン』と話し合うことにします。この『勇者の書』が、本物の勇者であるかどうかを確認する必要もありますので」と言い出したのだ おっさんは、「私はどうしたらいいのかな? その話し合いには参加できないよね?」という おっさんは……今はまだ『人間』だし……。どうなるのかわからないけど……。一応……。人間だけど、勇者なんだし……。一緒に行くのはまずいんじゃないのか……と思ってしまうのだった 妖精の里の長老と女王は……。この妖精の国に『勇者の力』を受け継いだ少年がやって来ていることは知っていたらしいが……。
その勇者の称号を持つ者が誰なのかという情報を得る事ができずに……かなり焦っている様子だ。この『勇者』という称号は……本来、妖精王が持っているべきものなんだそうだ
『伝説の武具の所有者』、『妖精の王に認められた人物』。『聖属性魔法の力に目覚めたもの』。『剣聖の称号を持つ騎士の称号をもつもの』などなど……他にもいくつか種類があるらしく……。
妖精族の間で語り継がれている『伝説の武具の勇者』というのは、全部で8人の勇者が存在しているそうだ その『伝説の武具の勇者』が全員揃った時……。
その勇者の力を合わせた『勇者の光』の力で『全ての闇の力を消滅させる事ができる』らしい そして……。『勇者の剣 エクスカリバー』の使い手は……。初代妖精の巫女姫であり、初代妖精の巫女姫の生まれ変わりとも言われている。
しかし……。初代巫女姫が亡くなって以来……その『勇者の力を受け継ぐ者』が現れなかったために……。
今では、伝説として言い伝えられているだけの存在になっていたようだ 俺達は……。おっさんに、「妖精の国がピンチです。どうか……力を貸してくれ」と言ってくる 俺達は……。『おっさん』を連れて……妖精の国から旅立つ事になったのだった。
おっさんが俺に、どうしても頼みたい事があると言うので、聞く事にする。
俺がおっさんの話を聞いていると……。『妖精の国』にある湖の方から何かが来るのを感じる おっさんは、急いで妖精の国に知らせにいくと言うので……。『リリィ』と『フェアリークィーン』をその場に残し、俺とミルキーは妖精族の娘達にお願いをすることにした 俺は、この子達と旅をするから連れて行ってもいいよな? そう言って、俺は妖精の子達の方を向く 俺が言うと……。
『妖精族』の少女達は、俺に付いていきたいと言っているようなのである
「あー……。わかったよ……。みんな連れて行くよ。ただ……。おっさんは……。この国に残るみたいだから……。ここでお別れになっちゃうかもしれないな……。それにしても……。あの悪魔がここに現れるとか言っているのが、俺の予想通りなら……。またあいつと会うことになるのか……。はぁ……」
妖精族は、妖精の里の近くに住んでいる魔物を倒してもらいたいと思っているのだが……。おっさんは、『悪魔』と再び出会ってしまう可能性が高い事を懸念しているらしく。
『悪魔の呪い』を受けた状態で、妖精の国を離れていた方が、悪魔と出会う可能性も低いと考えたらしく……。俺と一緒に来ることはしなかった おっさんが言うには……。おっさんが居なくなることによって、『悪魔の呪い』は解けるはずだから……大丈夫だろうという事なのだ。
ただ……。おっさんは……。自分の身体の様子がおかしいという事に気がついていて、少し不安だというのだ。妖精の女王は、おっさんに……何か異変があった時は……妖精の里に戻って欲しいというのだ。おっさんが『勇者の証』を持ってこの妖精の里に来てしまった事で、色々と面倒な事になりそうだと思った俺は……。『妖精族の国を出発する時に、おっさんに妖精族の長に挨拶をしてもらったらどうですか?』という提案をしたのだ おっさんが、「それは……とても嬉しいのだが……。本当にいいのか? 私が里を離れてしまったら……。『暗黒の騎士 ブラックナイト 』、『闇獣使いダークテイマー 』、『闇魔法 闇魔術 』などを倒せる者は居なくなってしまうんだぞ……」と言うのだが……。俺は気にせず「まぁ……任せて下さいよ」と言って、ミルキーも同じように返事をしてくれた おっさんが里を出る前に俺の方に駆け寄ってきて、「私も同行させて欲しい」と頼んできたが……。『暗黒の鎧』を着た状態の俺を見ても驚かずに……。むしろ、「やはり……」みたいな表情で納得をしていた。
妖精族の女の子達が、『俺の従魔になりたい』という事を伝えてくるのだが……。このおっさんと旅をしてきて、妖精の里が危ない状態になってるんであれば……このおっさんだけでも守らないとダメだよなって思ったから……。『妖精族』の娘達は俺達が預かる事にした ミルキーは、おっさんと一緒に行動するというのである
「妖精の国は、おっさんの故郷でもあるしな……。おっさんがこの妖精の里を離れても大丈夫だって思うまでは……俺がこの娘達は責任もって守るから心配すんなよな。それと、ミルキーを頼むわ」
おっさんと、ミルキーは俺に何度も頭を下げてきたのであった
「ありがとうございます……。太郎様……」
おっさんとミルキーには俺の考えを話してある。
おっさんをこの妖精の里に置いて行く事も考えたんだけど……。おっさんを一人ぼっちにする訳にもいかないし、それに俺達が『勇者』である事を知っているおっさんは、今後重要な存在になるかもしれないと思えたからだ。『勇者の力』を受け継いだ俺達と一緒にいるのが一番安全なはずなので……。一緒に来てもらう事になったのだ ミルキーと妖精族の女の子3人と、おっさんに……。この森にやって来た理由を話しておくことにしたおっさんをこの妖精の森に一人で置いていった後……俺とミルキーはこの森の中にあると言われている。
妖精の国の秘宝を探す為に、妖精の国にやって来て……その妖精の国が魔王軍によって襲われているという話を聞いて……助けに入ったんだよな 妖精の女王は、「私達を救ってくれた事は感謝しております。この国の恩人でもあるので……出来ることがあれば何でも協力いたします。しかし……この『伝説の杖』を手に入れたのは……妖精王ではなく……『勇者の力を引き継ぐ者』なのですよね?……この国は、どうなるんです?」と聞かれた。
おっさんは……俺と話をした後に……。この国の『妖精の王 フェアリン』と話し合うつもりだとも言った。俺はその話し合いに参加する気はなかった 俺とミルキーが……。「これから妖精の国の近くにあると言う『暗黒騎士 ダークネスナイト』がいると言われる『暗黒の森』に向かおうと思うのですが……。妖精の国が、魔王軍に狙われているという噂を聞いたので……『勇者の力』を持っていると思われる『妖精王』と話をして、もし良ければ、仲間に加えてもらえたらと考えてます」と話す おっさんは、この国に残り。俺とミルキーで『妖精王』に会うために旅立つ事になったのだ。そして……おっさんが言うには……。この『勇者の書 99』は本物らしいので……もし俺達が『勇者』だと名乗るならば……。妖精の国が『暗黒の力』に対抗する力を持つ事が出来るはずだという 妖精族の女王は、『伝説の武具の所有者』が現れた場合、妖精の国に招待して、勇者の称号を与えていたようだ。
そして……勇者が所持していた伝説の武具の所有権は、その所有者が死ぬ瞬間まで、その人物が所有する事ができるのだという
『勇者の書』は……『勇者の書』の使い手が死ぬと、消滅するらしいのだ。
妖精族の王女は、「私は……『妖精王の巫女姫』の資格が有るのでしょうか?」と聞いてきたので……。俺にはその真偽を確認する術はないが……。妖精族の女王に聞けばわかるのでは……。と言う
「あー……。そういえば……。『勇者の書 97』に書いてあったんだけど……。妖精王が、『伝説の武器』の持ち手として相応しいと認めた人物しか……勇者の称号を与える事ができないとか……。確か……。そんな事が書かれていたはずだけど……。その勇者に会わない限りわからないかもな……」
俺が、その言葉を口にした途端に……。
女王が、「それは本当なのですね!? 私の父は、確かに……『勇者の証 ホーリーリング 』を持っていたのですよ!……父が亡くなった時……。母が持っていたその指輪に、『聖なる加護』が付与されていて……それで、勇者の力を使えるように、私がその『聖属魔法の使い手』の力を得ることが出来たんですから!」
俺と、ミルキーはお互いに目を合わせて、「どういう事なんだ? おっさん。おっさんはその……おっさんの父ちゃんに会った事はあるのか?」
俺が言うと、妖精族のおっさんは……自分の父の事を覚えていないらしく……。
「うーん……。そう言われてもな……。私には……父の記憶がないんだ。いや……。私には……兄がいたような気がする。しかし……記憶には無いのだ……。だから……正直に言ってよく分からないのだ……。すまないな」と言う 俺はおっさんと別れて……ミルキーを連れてこの妖精の国にやって来る事になった経緯について……説明をすることにした。
おっさんは俺の話を聞いて……。自分がこの世界に来た時の状況と似ている事に驚く
『伝説の武具』に……『勇者の証』……この二つは……俺達の持つこの『力のオーブ』と同じ効果があるアイテムという事だった
「あー……。そうなのか?……でも……それって……おかしくないか? おっさんは『妖精族の国』に居たはずだよな? それにおっさん……『暗黒の力』が効かなかったんだろう? だったら……おっさんは……おっさんの父ちゃんから……『勇者の力を受け継ぐ資格』を得ていたんじゃないか?」と俺が疑問を言うと おっさんが言うには……。俺の言う通りなんだけど……おっさんが持っているはずの……『勇者の証』を持ってる奴は、おっさんの父親じゃなかった可能性があるという おっさんの父親は、『妖精の民』ではなかった。だから……妖精族が使うとされるこの特殊な能力の力が使えなかったという可能性が高いのだ
「おっさんが持って来たっていう『暗黒の鎧』だけどさ……その……おっさんのお袋さんが作った鎧じゃないのか?」と俺が尋ねると おっさんも……。最初はそう思ったそうだ。
おっさんの母ちゃんが作る鎧と同じような作りだからである。
だが……鎧の作り方は知らないし……。自分の鎧を見た時には……すでにこの鎧があったのだと言う
「そう言えば……。妖精の国にあるこの鎧なんだけど……。『妖精の里の国宝』って言っていたし……。俺達の仲間になったら、この装備を使っちゃいけないんじゃないの?」
俺は、おっさんに言うと
「それは……そうだな……。この国の宝という事だし……。それに……。太郎殿になら……譲っても構わんだろう……。ただ……。妖精の里が危機的状態になってしまった場合は、使っても構わないぞ」と許可を出してくれた 俺はおっさんに『フェアリーリング』を手渡して……。おっさんは妖精の国から出発する時に……俺とミルキーはおっさんと別れたのであった 妖精の里の出口まで、俺とミルキーは送ってもらって……俺とミルキーは……妖精の里を後にして……。暗黒の騎士と戦う準備をするために暗黒の騎士の住むと言われている暗黒の森に向かったのである
「おっさんの親父さんが『暗黒の騎士 ダークネスナイト』に倒されていたとしても……。妖精の国がピンチにならない限り、暗黒の騎士を倒す必要もないのか……。まぁいいか」
俺は『フェアリーリンク』を発動して……。『闇獣使いダークテイマー 』、『闇魔法 闇魔術 』が使うという魔物の情報が入って来ている場所に向かうことにした 暗黒の騎士を倒そうと思えば……いつでも倒すことは可能で……この世界に脅威を及ぼす存在ではないのだが……。
「『暗黒の戦士』を倒した時のような……。何か嫌な予感がするのは気のせいかな……」
ミルキーは「あの時は……。魔王軍がこの世界の全ての人間達を滅ぼそうとしたから……。今、こうして平和に暮らしていられるんですよね……。きっと……。大丈夫です……」と俺の心配を和らげてくれる言葉をくれるのである
『闇魔術暗黒騎士 ダークネスナイト』とは……暗黒の力と……暗黒の力を使う者しか倒すことが出来ないらしい ミルキーが、『勇者の力』に目覚めた際に……『聖属魔導士 プリンセス・マジカル』の称号を得られたが……。『勇者の力 』を継承したばかりの今の俺では……戦う事が出来ない相手だという事は確かだ
「俺達が魔王軍の連中と戦った事で……。暗黒の騎士が、この世界に現れるようになったって事はないよな……。この世界の住人達は、魔王軍に操られていたりしないしな……。まぁ俺達がこの世界を魔王の手先を倒して、守っているんだし……暗黒の力が、この世界を襲う理由はないしな。この世界に暗黒の力の影響を与える存在なんて、もういないはずだもんな……」
ミルキーは、「はい……。その可能性は少ないと思います。この世界に住む人族は、私達、人間が繁栄させてきたのですから……。この世界に『暗黒の力』の影響を与えないように……。他の勢力からも、協力を得ながら……。人間は生き抜いているはずです」と言う「そうだよね」俺は、ミルキーの言葉に納得したのだった。
ミルキーと俺の二人で行動を開始したので……俺達のパーティの名前はどうするか相談をした「うーん……俺とお前が組むようになってから……結構時間が経ってるからな……」と悩んでいると……ミルキーは……真剣な顔つきになり言った「私の本名は、『勇者ミルキィ』と言いますが……。『勇者ミルキィ&太郎』と名乗るのもいいかもしれません」「え?なんでだよ?そんな恥ずかしくて、呼びにくい名前のチーム名とか……。却下に決まってるじゃん!」と俺が拒否すると……。ミルキーが頬を膨らませて言ったのだ。そして……。俺の顔を見て……。ニヤッと笑って……。ミルキーが言った。「ふっ……。太郎様。貴方の事を、『伝説の勇者 聖属使い』の勇者ミルキィと呼びます。なので……。勇者として……これからは活動して貰いますからね! 覚悟をしてください!」
そして……俺はミルキーから勇者の証を受け取ったので……ミルキーから正式に勇者の称号を与えられたのである 俺はミルキーと暗黒の森に入っていったのである。
そして暗黒の森に入ると……そこには……大量の『ゴブリン 』『オーク 』の群れが……この森に住んでいた『妖精の民』を襲った痕跡があるようだ
俺は、『植物鑑定スキル』を使ってみた。『聖剣 ホーリーソード 3等級 効果 :攻撃力 +500 防御力+400(成長補正 レベル2UP)
』
おっさんが使っていたこの『無属性魔法の杖
1等級 効果 :魔法防御 +500 攻撃力 -50 』
俺も、『聖属魔法の指輪 聖指輪 の効果を発動して……。ミルキーに装備をさせたのである。
ミルキーの『ステータス』を確認すると……。HP……250/200
(155UP)
MP……160/170 となっている。俺の『ステータス』には、こう表示されている。
◆●○□◎■△□■▲★○◆○○ □★☆○ ■□■■■ □■ ■☆○
★☆ ■□ □☆○ ■■★□
★☆ ■★
☆★□★
★■■★
★★☆☆ ミルキーは、「なんだろう?これ……。私が使っているのと同じ能力なのに……。私の『聖属魔法のリング 』と違って……こんな表示になってるんだ……。どうしてだろう?」と言うと俺も、「俺の持っている指輪と『妖精の国の国宝 妖精の聖指輪』と違うのかな?『聖属魔法の指輪 』が、『妖精の国』にあるっていうだけで……。同じアイテムだと思うけどな……。うーん……俺には分からないや。でもさ……。『妖精の民』は……妖精王の一族以外は……全員……。妖精族だから……。『妖精の国の国宝』っていうだけあって……。この妖精の『聖武器 アイテム』は、妖精族にしか使えないのかもしれないよな。それにしても……。ミルキー……。お前……俺の倍以上のレベルになってるな……」と言うと、ミルキーは「はい。勇者太郎のおかげだと思います。それに……この暗黒の力は、闇の力よりも……邪悪な力に満ちています。この力をどうにかしないと……」と言って……。
俺は「そうだな……。この暗黒の力のせいで……。暗黒の騎士はこの世界に現れたんだよな……。ミルキーは暗黒の騎士の討伐に参加するつもりなのか?」と聞くとミルキーは、真剣な顔をして言ったのである
「私は……。太郎さんについていきますから……。太郎さんは、暗黒の騎士が倒されれば……それで良いと思ってらっしゃるんでしょうけど……。それだと、私達の世界も危険にさらされると思うんです。それに……暗黒の力を持つ存在を倒すことが出来る者は……。『聖属魔導士 プリンセス・マジカル』の称号を持つ者か……。勇者と呼ばれる者の血を受け継ぐ者にしかなりません。ですから……。私と一緒に、太郎さんに付いていきたいです。もちろん、私は、貴方の妻ですから……。お側にずっとついて行きたいです」
「分かったよ。それじゃあ……。暗黒の騎士を探しにいこうか」と俺とミルキーは暗黒の森の奥へ進んだ ミルキーは、「暗黒の騎士は……何処に潜んでいるのでしょうか……。私達は……この暗黒の森の中に入ってから……暗黒の騎士に襲われて……『妖精の民』は、この妖精の国を追い出されました……。暗黒の騎士と妖精族の長である『妖精女王』は、戦おうとしていましたが……。『妖精騎士ダークネスナイト』という存在が現れてから……『妖精族の女王』は……戦いをやめたのです」と言ったのであった。
俺達がしばらく歩くと、『闇魔術』を使う『闇騎士 ナイトオブダークネス』という存在が俺達に襲い掛かかってきた。
ミルキーは、聖属魔導士になったばかりだが……。レベルも上がり、称号も得た為か……。闇の騎士が使う『黒炎の呪文 』『暗黒騎士 ブラックライダー』という闇騎士の中でも、最強最悪の『闇魔術 闇術』を扱う闇騎士のダークナイトの上位に位置する暗黒の騎士であるにも関わらず……。一瞬で、消滅させてしまったのだ……。「す……凄いな……。『勇者の指輪』の特殊効果で……ステータス値が上がっていたとしても……。流石に、この力は……強すぎるな。『妖精の国 』から出てきたばかりで、俺達と出会っていなかったら……。ミルキーは……暗黒の騎士に殺されていたんじゃないか?『妖精の騎士ダークネスナイツ』にすら負けそうなぐらいだったしな」と言うと……。
ミルキーが、涙目になって……。「そっそんな……。私なんかが……。この世界を救う為に、この世界にやってきたのに……。太郎さんの足をひっばってるだけじゃないですか。私だって……強くなりたかったんですよ……。」と俺を上目遣いに見つめてくる……。
俺はミルキーを抱き寄せながら……。「お前が強くなるまで待ってるつもりだったんだよ。それに……。この『聖剣 ホーリーソード』を使えば、闇騎士にも勝てると思ったからな。俺が、魔王軍を殲滅する時には……お前の力が必要だから……。一緒に行こうぜ! この世界を救うために……」と言うと……。ミルキーが笑顔で「はい。喜んで……。太郎さん。貴方の役に立つ女になりますから。私の身体も……全て太郎さんに預けますからね……」
そして……しばらく歩いていると……。俺達は、『闇精霊使いダークシャーマン』という……暗黒の騎士に遭遇したのだ。しかし……。『聖魔の杖 マジックワンド』の特殊能力を使い。暗黒の騎士の攻撃を防ぎ……。そして……。ミルキーは、『妖精姫プリンセス・マジカル』の称号を得た時に手に入れた。新たな能力……。ミルキーは、光属性の能力を手に入れたのだ……。
『勇者の力 継承の儀式 で継承された能力。
【光】……癒しの光で傷を回復させる
『光魔術』は……癒しの力に満ちている。
回復系のスキルが多い。そして……光の魔力を使えるようになる。
この能力は、レベル5UP毎に『癒しの力(小)
』を手に入れる事ができる
『妖精魔法(風)』は、攻撃魔法と防御魔法がある。
レベルが2UPするごとに……。攻撃力が10%上昇する。(小中大)がある。)
(『聖剣 ホーリーソード 』の特殊能力
『聖属魔法の指輪 』で獲得した。レベルが1UP毎 に攻撃力が10%UP)
俺は『無属性魔法』と『植物操作』で、ミルキーの盾を作り、攻撃を跳ね返して反撃をした。暗黒騎士も……。暗黒魔術を使った攻撃を仕掛けてきたが……。その攻撃を防ぐと同時に俺は、『聖剣 ホーリーソード』で暗黒騎士に斬りつけていった。暗黒騎士を倒した。暗黒騎士が消える瞬間……。「ぐっ……。私の主の為に……。貴方達の世界を暗黒の力で支配しようと思っていました……。ですが……このままでは……この世界の者達も……この世界に蔓延した暗黒の力の影響で滅んでしまいます。どうか……ご注意下さい……」と言って消えたのだ。
そして俺達の目の前に、この暗黒の力の発生源と思われる扉が現れたのだ。
「ミルキー……。これは何だか分かるかい?」
ミルキーは……。真剣な表情をしながら言ったのである。「はい。これは、妖精族の秘宝の扉に違いありません。『フェアリーロード』の妖精王様が言ってらっしゃったのですが……。『勇者の杖』は、妖精族と人間族の友好の為の力の象徴。『聖剣 ホーリーソード』は、妖精族の希望と夢を象徴する剣。『聖属魔法のリング 』は、人間の平和への願いを形にした聖なる宝。
『妖精の指輪』は、全ての妖精の力を形にした奇跡を起こす力を持った指輪と。そしてこの妖精の国は……。元々は、暗黒の騎士と暗黒騎士率いる魔物の軍団が作り出した幻影の世界に過ぎませんでした。ですが……。あるきっかけにより……。勇者様の力によってこの暗黒の世界は、浄化されたのです。この世界にある暗黒の力と暗黒の騎士が作り出した負の力の集合体が……。あの暗黒の扉に繋がっていると考えられます」と言うと……。ミルキーは、妖精の王の言葉を思い出したようだ。
ミルキーの話を聞き終えて、ミルキーの手を引いて暗黒の騎士が言っていた事を確かめるために……。暗黒の扉を開けると……。そこは『暗黒の森』ではなく……巨大な樹海であった。
ミルキーは……。「ここは……『妖精の森 』ではないんですか?こんな大きな木は見たことが有りませんが……。一体……。それにしても……ここの妖精族は何処に行ったんでしょうか?」と言うと……。俺は、この場所を調べようとして……。辺りを見渡して歩いて行った。その時……後ろの方から「誰?……そこにいる者は……誰?」
すると……そこには『妖精姫プリンセス・マジカル』という称号を得た事で新しく覚える事の出来た新しい能力があった……。それは……『気配察知』だった……。この能力を『勇者の書』をチェックしていた時に知ったんだ……。『妖精の騎士』から教わったのか……。『勇者の指輪』の効果なのだろうか……。それと……『勇者の装備』を身に着けた時……。この感覚は、今まで感じたことが無いものだったんだ。だから俺は……自分の感覚を信じて、暗黒の騎士の言葉を確かめにこの樹海にきた。ミルキーは……『勇者の力 継承の儀式』の時に、既に知っていたんだろうな。
「俺の名は……。太郎……。君が言っているように……この暗黒の世界を作り出しているのは……。多分……暗黒の騎士だ」と答えると……。俺達の前に、黒い鎧を身につけ……背中に大きな黒いマントを付けた男が現れ……。
男は……右手を上げると、「ふー。この私の存在に気付き……ここまでたどり着いた者は久しぶりじゃな……。よくぞ来た……。この世界には、暗黒の騎士がいるじゃろ?……あいつにやられそうになったのじゃ……。わしは、暗黒の騎士と戦おうとしたのじゃ。だが、この『妖精の森』は暗黒の騎士の暗黒魔術によって作られた暗黒の世界だった。わしらは暗黒の力に支配されて……暗黒の森に囚われてしまったのさ。そして暗黒騎士と戦っておったのに……突然この世界に取り込まれて、ここに飛ばされてきたのだよ。奴は、今……。この森の奥に封印されている暗黒神を復活させようとしているのじゃ。それを止めたかったんじゃが……この世界に閉じ込められてしまった……。お主は何故……ここにおるのじゃ? どうやって、暗黒の騎士と戦おうとしていたんじゃ?」と言うと……。ミルキーが「私は……。太郎さんの妻で……一緒に旅をしてるんですよ。私達は……。この暗黒の世界を救おうとしているんですよ」と答えた。
俺は、その話を詳しく聞くと……この世界を生み出している暗黒騎士が居るであろう暗黒の森の中に入ろうとした。その前に、目の前にいる男を倒そうかと考えていた時に、ミルキーが……「ちょっと……待ちなさいよ。そんなに焦っちゃ駄目よ」と言ったが……無視しようとしたのだが……俺は動けなくなった。
ミルキーは、「太郎さん……この人なら大丈夫よ。この人は……。私の知り合いなの」と言うのであった。俺達は、ミルキーとこの男が知り合っている事を知らなかったので、少し驚いてしまった。
俺は……。
「おっ……。おい……どう言うことなんだ!? どうして……ミルキーはこの男の人と知り合ったんだい?」
ミルキーは、「この人も妖精王なのよ……。妖精の国を滅ぼされてから……『勇者の杖 』を持って逃げていた所を助けた事があるのよ。それから、妖精の国から、妖精族と一緒に逃げ出していたんだけど……。暗黒の騎士の術に捕まって……暗黒の森のこの世界に囚われてしまったらしいのよ」と言うと……。ミルキーは続けて話してくれた。
「この妖精の王はね。暗黒の騎士と戦うつもりだったのだけど……この世界では暗黒騎士に勝てないと思って、私達に……この世界を救って欲しいと頼んできたのよ。それで、太郎さんの役に立つと思った私は引き受ける事になったの。妖精王の願いは叶えるわ」
妖精の王が、「ほっ本当なのかい……。ミルキーちゃん」と言うと……。
ミルキーは「えぇ。でもね。この妖精達だけじゃ……。この世界を救いきれないから、私達が協力してあげるわ」とミルキーが妖精の王に答えると……。妖精の王が……「助かるわい。ありがとうな」
妖精の王が俺の顔を見て、俺の目を見つめると……。
「お主……。なかなか強い力を持っているの。わしの名前は……『ダークエルフ』の『黒龍』じゃ……。『妖精王』より、『闇精霊使いダークシャーマン』の称号を持つダークシャーマンの方が通りが良いからのう。そっちの名前で呼んだ方が良いぞ。そして暗黒の神の力にやられて、この世界の暗黒の森に捕らえられてしまったのじゃ。そして、ミルキーちゃんも、妖精騎士の力のせいで暗黒の騎士に捉えられていたのを助けてもらったんじゃ……。暗黒騎士の呪いを解く事は出来ぬが、暗黒の力に侵されなければ良いんじゃ。暗黒の力は邪悪じゃ……。しかし……お主には邪悪の力が通用せぬみたいじゃな……。ミルキーちゃんは、闇の魔力を跳ね除ける力を身に着けているようじゃな……。この世界に暗黒の力に犯されない者は少ない。わしはな……。暗黒の力に犯されておる。しかし、暗黒の力もわしは操ることができる……。つまり……わしは『妖精』でもあるし……。『暗黒』でもあるというわけなのじゃ……。それにしても……。ミルキーは……。もう立派な大人に成長したようじゃの。昔の面影は全く残していないからのう……。本当に、大きくなったものじゃ。ミルキーは……可愛いのは今も変わらないけど……。昔の純粋で無垢だった頃とは違って、今ではしっかりして頼りがいのある女の子になっておるようじゃな……」と……。俺はその話を聞いて……。ミルキーを見ると、頬が真っ赤になっていたのだ……。そして…… ミルキーが……「うっ……うるさい!! あんたが助けた時の私の子供っぽさを言ってるんでしょ!!」
「ふぉっ……すまん。怒らせてしまったのか……。わしは、素直にミルキーの事を称賛したかっただけだが……」
俺は……。妖精の騎士の『妖精姫プリンセス・マジカル』の力によって覚えた新たな能力……。『波動 オーラ 解析』を発動した。
(『妖精魔法(風)』『妖精騎士』『フェアリーロード』『フェアリーマスター』の全ての能力をレベル10MAXまで上げる事によって得られる事が出来る能力。『鑑定眼 』と同じような能力で……対象を視る事により様々な情報を得ることができる。そして『勇者の書 100』のステータス画面と同じで……。名前と年齢がわかるようになっている。そして更に、『勇者の力』を継承し、レベルが99に達したことによって……新たに得たこの能力は、相手の身体を透視することが出来て、魂を見ることができるようになる。但しこの能力の効果は1回のみ有効だ。この力を使った時……。ミルキーは……自分の秘密がばれてしまうと思い……。必死に抵抗したが、ミルキーの心の奥底にある真実を知りたいと願った太郎の心に……負けたのだ。太郎になら知られても問題無いと心の底では思っていたからだ。だが……。この力でミルキーの秘密を知ることが出来たのは太郎だけであり……。太郎以外に知られることはないだろう)
(この妖精王もミルキー同様に妖精の血と暗黒の騎士の力によって侵食された結果なんだよな……。そして……俺達に協力を求めてきたんだ……。ミルキーにはこの妖精王が暗黒の騎士の力によって邪悪な存在になってしまったように見えたようだが……違う。この妖精王は……自分の意思で行動しているようだ……。
この世界に閉じ込められたのは……。妖精の森ごと閉じ込められたのか……。それとも暗黒の力で暗黒の世界に変えられたのかはわからないな……。どちらにしても……ミルキーと一緒だ……。妖精の国を暗黒の騎士と魔物の軍勢が攻めてこなければこんな事にはならなかったんだがな。妖精の王の話を聞く限りだと……どうも暗黒騎士の仕業ではないようだな……。多分、暗黒騎士はこの森に元々居た暗黒騎士の配下を呼び出したんじゃないだろうか……。
そして、ミルキーと妖精の国の『女王』である妖精の騎士から聞いた話から考えると……。暗黒の騎士は妖精の女王の生まれ変わりの『ミルキー』の事が邪魔だったから殺そうとしたんだろうな……。まぁ。妖精の女王様は妖精の国を守るために暗黒の騎士に立ち向かったらしいがな。だから、暗黒騎士に妖精の森に結界を張られてしまい……。暗黒の空間に取り込まれたのだと思う。この『妖精王』は……。妖精国で暗黒の騎士と戦っていたらしいが……。暗黒の騎士は『闇魔術』を使い。妖精の『王』の技で倒すことが出来なかったから……。俺に頼んだという事だな……。この世界は『暗黒魔術』に支配されているから……。ミルキーのように純粋な気持ちを持たなければならないんだろうな。
だから……。この妖精の王の心の闇を払えば……。この妖精の国に暗黒の力は届かないと思うし……。妖精の国も救われるんじゃないだろうか?……ただ……。この『妖精王』は暗黒騎士の力に支配されてないから……。このままでも大丈夫なのかもしれないが……。暗黒騎士を何とかしないと駄目そうだ……。この森に居る暗黒騎士を倒しながら……。この世界がどうなっているかを探っていく必要がありそうだな。ミルキーと妖精王は一緒に戦ったことがあるような感じがする。2人で協力すれば……。この世界が元に戻せる可能性が出てくるはずだ)
妖精王は、「お主……。何か考え込んでおるのう……。暗黒の力を持つ者を倒さねばこの世界を救うことは出来ないはずじゃが……。どうやって……。お主は暗黒の騎士を倒すつもりなんじゃ?」と俺が考えている事を見抜くと……。俺は「おっ……。あはは……。見抜かれてしまったか……。この世界のどこかに暗黒騎士が封印されているはずだ。その封印を解けば暗黒騎士を消滅させる事が出来るんじゃないかと思っているんだけどね。その封印の場所が分からないからね……。手当たり次第に探していかなきゃいけないから大変なんだよね」と言うと…… 妖精の王様も……。「わしもそう考えておった所なのじゃ……。わしはこの世界に囚われてからは……。暗黒の森から出ることができなくなってしまってのう……。しかしな……。暗黒騎士の配下の魔導士の『死霊魔術師リッチロード』に召喚術を教えてもらったんじゃ。それで暗黒騎士の配下の者を大量に呼び寄せることができた。
しかし、この世界の人間とわしは、あまり仲良くなれなくてのう……。暗黒の騎士が居る場所を知っていると思われる人物を見つけて……交渉してみることにしたんじゃ……。暗黒の力と戦えるほどの強い者が……そう何人もいないじゃろからのう……。この世界の人間の中を探したところ……わしの知り合いだったこの子を見つけたのじゃ。この子が、この世界の事を少しだけ教えてくれたんじゃよ」と……妖精の騎士が、「僕はこの人の友達になった。そしてこの人と、暗黒騎士を倒して……暗黒の呪縛を解く方法を探して旅をしていた」と言うと…… ミルキーが、「そうなのね……。太郎さん……。私は……この人に命を助けられて……。私もこの世界に来て、太郎さんと出会うまで、太郎さんとずっと一緒に過ごしていたのよ。私と太郎さんの愛のパワーが暗黒の力を打ち消してくれるって信じてる」と言った後、 ミルキーと妖精王の会話が……「えぇえ!? お主らって……恋人同士なのかい?……ということは、結婚もしているということなのかい?……。まさかとは思うが……。その男に抱かれたり……と、いった行為に及んだりしたことはないのじゃろうのう……?」と、妖精の王が言った瞬間……ミルキーが、恥ずかしくて爆発しそうになるのを我慢しながら、真っ赤になり俯き……。俺の腕に抱きつきながら、震えていた。俺はミルキーの頭を撫でながら……「おっ……おいっ!!変なこと言うんじゃない!!この子の頭の上に乗っているこの妖精みたいな奴が、お前の言っていることに反応しやがったから……何を言うのかと思えば……!! いい加減にしろ!!」
ミルキーが俺の胸に顔を埋めて泣いていた……。
ミルキーは泣きじゃくっていた。
ミルキーの過去を知った俺は、ミルキーの背中を擦るのだった……。
暫くして、ミルキーは落ち着いてきた。
すると、俺に腕を回していたミルキーが突然、「太郎さん。お願いがあるんですが……。聞いてくれますか……?」と俺の目を見て話してきた。
「ん?なんだい。なんでも言ってくれて構わないぞ」と、優しく微笑むと……
「あの……。太郎さんのステータスを見せてもらってもいいですか?……」
と言って、俺の手を取って握るとミルキーは自分の手の中に包み込み……目を閉じて祈るようにして、ミルキーが何かをしている様子だったが、しばらくして、ミルキーは目を開けると……。俺の手を握りしめながら……ステータス画面を開き始めた。そして……ミルキーの目の前に表示されている俺のステータス画面を見ると……。
ミルキーが「太郎さん……凄いわ……これ……」と言って驚いた表情になっていた。
(この世界の人族のステータスは……。大体こんな感じだ。レベルは……10から30が一般的な値であり。そのレベル差が10以上離れていない場合は、ほとんど勝てる者は居ないとされていて、100を越えると化け物と呼ばれている)
俺がそんなことを思っていると…… ミルキーが、真剣な顔をして俺の顔を見ながら話かけてきた。
ミルキーは……自分の指で自分の唇に触れるような動作をして…… そしてミルキーは……頬が赤く染まり、瞳はトロンとしていた。
(なんとなくだが……ミルキーが何を望んでいるのかわかるのだが……。ミルキーが……本当に望んでいる事ならば……)
ミルキーは……そのまま何も言わず、ジッと動かずにいて…… しばらく時間が経ったあと……。俺は、ミルキーを抱きしめて……口づけをするのだった……。(本当はもう少し後にしようと思っていたんだが……。こんなに可愛い女の子に、求められたのだからしょうがないだろ)そして…… ミルキーが「ありがとう……。大好きです。愛しています。一生幸せにしますからね」と……俺の首筋に顔を埋めて涙を流すのであった。
(俺も……同じだよ。君となら……きっと……いつまでも……ずっと……幸せで……いられるような気がするんだ。それに……。君は……。俺の大事な人だ。だから……。必ず……守る……。守らせてくれないと……困るだろ。ミルキーと……一緒にいると楽しいからな。ミルキーの傍にいたいんだと思う。ミルキーと居ると安心できるんだよな。俺が守りたいと思う人は君だけなんだよ。他の誰とも比べる事はできないんだよな……。ミルキーの気持ちを聞けた今なら……言えると思う。だから……。伝えよう。もう二度と伝えることが出来ないと思ってたけど……。今のミルキーには伝えられるからな)俺はミルキーに、「俺と結婚してくれませんか?……」と伝えた。
そして……「喜んで……よろしくおねがいします。嬉しい……。すごく……。とても嬉しいの。でも……本当に良いの?……」と言うと……ミルキーが急に抱きついてきて……また泣かせてしまった……。(ごめんな。こんな俺なんかが、結婚してくれだなんて言われたって迷惑なだけだろ。でも……。俺の本当の思いだからな……。どうしても伝えたかったんだ……。後悔だけはしたくないからな……。だから……。こんな情けない奴だけど……。俺は……これからの人生を……君と過ごしたいんだ。一緒に歩いて行きたいんだ……。ダメだと言われても……離さないけどな……。この世界で生きていくのは……大変なんだろうな……。まぁ。何とかなるさ。俺達なら……なんとか出来るさ……。だって……。ミルキーと一緒に居れば……。俺達は最強の2人で最強だからな。どんな困難に出会っても乗り越えることが出来るさ。ミルキーはいつも俺に勇気をくれる。笑顔をくれた。希望を届けてくれるんだ。俺にとってミルキーは大切な存在で、必要なんだ……。俺を救ってくれたのもミルキーだし、ミルキーがいたから、立ち直れたし……生きてこられたんだと思うんだ。だから……。今度は……俺が……俺の力で……。君の事を……助けてあげたいんだ……。ミルキーの事が……好きだからな……。ミルキーとなら……。俺のこの力で、この世界を救いたい。俺のこの力の使い道はこれしかないからな。ミルキーにこの力を託そうと思う。俺には何も出来ないからな……。俺には何も出来ないのであれば、俺の持っているものは全てミルキーに渡したいんだ……。俺は……君を守る。この命に代えて……絶対に死なせないから……。一緒に歩んで行こう。ずっと一緒だ。永遠にずっとだ……ずっと……。俺の心の中の暗闇を全て払ってほしい……。そして……どうか……私と共にずっと……生きていてほしいのです……)」
「はい!! 喜んで!!私こそ!!お願いします!!ずっと!! あなたの隣にいます!! あなたの為なら!!この身も!!魂も!!全てを捧げますから!!私を好きになってください。私のことを大事に想って下さい。私を愛してください。私を生涯の伴侶にしてください。ずっと私を隣に置いて欲しいんです。私をずっとずっと大切にして下さい」と言うと……再びミルキーは俺に口付けを求めてきた……。何度も何度も繰り返しキスを交わしているうちに……ミルキーと俺との間に不思議な絆のような物が芽生えたような感じがした……。それはまるで2つの指輪が重なって1つになっていくように感じたのである。そして、いつの間にか俺の腕の中にはミルキーの姿があり……お互い見つめ合うのである。
俺は「ミルキー……。俺を選んでくれてありがとう……。俺は絶対君のことを手放すつもりはないよ。君が……この世界に居なくなったら俺は死んでしまうかもしれないからな……。だから、君が嫌になっても俺からは離れられないよ。俺から離れないでほしい……。そして……。俺と結婚して、ずっとずっと……俺に愛させて欲しいんだ。俺は君しか見えてないから……。ミルキーだけを……見てるから……。ミルキーが……大切だから……。愛してる……。俺の愛する……ミルキー」と言って、ミルキーを強く抱きしめた。すると……ミルキーは、俺の腕の中で泣き出してしまい……。
そして俺は…… 暫くの間……ミルキーが落ち着くまで……頭を撫でたり、頬に優しく触れたりするのだ。
(こんなに綺麗な女の子に、結婚を申し込んでOKしてくれたんだもんな……。俺も、もっと格好良く告白できたら良かったんだけど……。でも、ミルキーが可愛すぎるんだ。俺みたいな冴えない男と結婚して欲しいってお願いされたら断れるはずがないだろ……。こんな美人で、優しい子なんだぞ……。断る理由なんて無いじゃないか……。ミルキーは俺が守るから……俺はミルキーの笑顔を……守って行くからな)と思っていると……ミルキーが落ち着きを取り戻し、恥ずかしそうにしながら俺の目を見て話かけてきた。
「ありがとう……。太郎さん……。すごく嬉しい……。私は太郎さんに選んでもらって、すごく幸せなの……。私は太郎さんの為にこの力を授かる事が出来て本当に嬉しかったの。ありがとう……。私の事……これからも、いっぱい愛してくれる? 一生かけて、幸せにしてくれますか?」
「あぁ……。当然だろ。約束するよ。この世界の全てを賭けて、ミルキーの事を守り抜いて、幸せにするからな」と言うと……。
「嬉しい。太郎さんは本当に強いんですね。それに凄く頼もしくて素敵な男性だと思います。太郎さんに巡り合えて良かった……」と言って俺の胸に顔を埋めてくる。
(この可愛い生き物は一体なんなんだ?俺の奥さんとか言っちゃったしな……。俺の理性は、いつ壊れてもおかしくなかったりする……。こんな可愛い女の子と結婚したいと思っていたんだが、その願いが今叶ってしまった。こんな美少女と結婚だなんて、俺には贅沢過ぎだろ。俺は今まで生きてきて、最高に幸せ者だと思う。この世界に来た時は、まさかこんな事になるとは夢にも思わなかったからな。人生どうなるか分からないものだな……。ミルキーが望む事はなんでも叶えてあげたいと思う)
そんなことを思っていた俺に対して、 ミルキーが、突然俺の唇を奪ってきて、「ありがとうございます。これから、よろしくおねがいします」と言ってきたので、俺もそれに応えた。そして……
「えっと、太郎さんの事を愛しているのは間違いありません。ただ、今はちょっとドキドキしちゃって……上手く伝えられないのですが、私がこの力を手にした時……ある女性の声が聞こえました。そして……その女性が教えてくれたのは、この力が何かのきっかけになれば、きっと良い事が起こるだろうと教えてくれて……。だから私は、その時が来るまで……待とうと思っていたの……。でもね……。あの時に……。太郎が私のことを大切に思ってくれるって言葉を聞いて……すごく感動して……我慢できなくてしまって……」と言うと……少し涙を浮かべていた。
(そういうことだったのか……。きっと……俺の気持ちが……伝わったんだよな。だって……俺の気持ちをそのまま伝えたんだから……。ミルキーも同じように俺を好きになってくれてるから……伝わってたんだよな……。きっと……この力のおかげなんだろうな。ミルキーを守ってくれたんだよな……。ミルキーと結ばれて……幸せだ。これから先……辛いことも苦しいこともあるんだろうけど……俺はミルキーを離さないからな。ミルキーを幸せにするために頑張らないとな)と思うと……ミルキーを引き寄せて抱きしめるのであった。
その後……。俺は、ミルキーを馬車の中に残し……ギルドに戻る事にしたのだが……。
「ミルキーも来るよね?」
「はい。行きます」と微笑みながら言って来たので…… 俺は手を繋ごうとすると……
「あの……。もう子供じゃないですから……大丈夫です」と言って…… 手を繋ぎたがっていたのに……。俺は残念そうにしていると…… 俺に抱きついてきたミルキーは、上目遣いで俺を見上げて、甘えた声で……「お手てつないでもいいですよ」
俺は嬉しくなり……そのままお姫様抱っこをした状態で……抱き上げているので、「ミルキー……軽すぎない?……」
と聞くと……。顔を赤くしながら……。
「う~ん……。よく分かりません。自分では……軽い方だと思っていましたが……。普通より、痩せているのかな?……」と言うと……俺の首筋に、キスをしてきた。
俺も負けじと……。
ミルキーに……耳を舐めてやると……。
真っ赤になったまま俯いていたミルキーだったけど…… 俺は、ミルキーを地面に下ろした。
そして……
「そっかぁ。俺としては全然足りないんだけどね。もう少し肉をつけた方が良いよ。ミルキーが倒れないように気をつけるんだぞ!」と忠告すると……。
今度は、ミルキーから……俺に抱きつきながら、「うん。太郎君も頑張ってね」と言われて……またキスをして別れたのであった。
俺達がギルドに戻ると、ミルキーは、ジーラの所に案内される前に……。俺の方に向かって走ってきてくれる。
ミルキーとすれ違い様に「おかえりなさい」と言われ「行ってらっしゃいだからな。忘れずに」と言うと……恥ずかしかったみたいで、頬がほんのり赤いまま俯いてしまうのであった。
俺がジーラのところに向かうと……。
ジーラが、「おかえり。さっきまで泣いていたから心配していたのだけど、もう元気そうだね♪……あれっ。なんか顔色がさっきまでと違って……明るいわね。もしかして……。ふ~ん……やっぱりそうなんだ。ミルキーと一緒の部屋に寝たのね?」と言ってくる。
俺は苦笑いしながら「はい。一緒の部屋で寝ました」とだけ答える。
すると……。ジーラは笑顔を見せてくれてから……。俺を真っ直ぐ見つめる。そして……。
「太郎君は……優しいのね。ミルキーも幸せになれると思う。私は……ずっと一緒にいてあげれないかもしれないけど……二人共私の大切な人だから……。応援してるよ」と言うので……俺も、真っ直ぐに……ジーラの瞳を見て、感謝の言葉を口にした。
俺は……。俺達の事を祝福してくれる人がいてくれて本当に嬉しいと思ったのである。
そして、ミルキーと2人で部屋に入ると……。ベッドの脇には綺麗な宝石が置かれており、それは、とても高価そうに見えるが……実は、俺が魔法を込めたアクセサリーで……魔石と言われる物だ。この世界にある魔法を封じ込めておくことができる便利な道具らしい。この世界で魔法と言えばこの石を使った魔法の発動の事を言う。俺は、これと同じものを何個も作って、指輪と腕輪にして、2つを身に付けるようにしてあるのだ。このアイテムに付与された魔法は『体力自動回復』なので……これを付けている間は疲れる事はない。
ちなみに、指輪をはめている状態なら、俺に触れている人も効果がでる優れものなのだ。まぁ……。そんなわけだから……この世界でも問題なく生活出来るのである。
俺は早速……鑑定をかけて見ることにしたのだ。すると……。この宝石の本当の効果は…… 【名】
体力吸収効果・体力維持(常時発動)・魔力吸収 と言うことで……俺がこの世界で、冒険者として生きて行く上で必要な物を作ってくれたと言うことになるのだろうと思う。ミルキーにも説明しておく必要があると思い、俺のスキルについて話をすると、驚いた様子だったが……。受け入れてくれたようだった。俺のスキルについてはミルキーは知らなかったらしく、かなり興味を持っていたようだが……。俺はこの世界ではチートな力を持っている。それを知ったミルキーは…… 俺に「私だけの勇者様になって下さい!!」と言われた時は嬉しかった。ミルキーは俺のことを「私を守ってくれますか?……それとも、頼りにならないから、他の人の所に行きたいですか?」と聞かれたから、俺も「俺はミルキーの夫になる男だ。妻を守るのは当たり前の事だろ。これから、二人で守っていこうぜ」と答えておいた。
それから暫くは、二人で寄り添いながら話をしたりしていたが……。いつの間にか、眠ってしまったミルキー。ミルキーはすごく可愛くて愛しくて、俺はずっと抱きしめ続けていたのだが……。ミルキーの目が覚めると……。急に「あっ……。あの。ごめんなさい。太郎君の膝の上で寝てたんですね。凄く幸せです」と笑顔で言うので、俺もその笑顔を見たくてついつい頭を撫でてしまったのだが……。すると、その瞬間、いきなり抱きついて来て……。「もっと甘えさせてあげるよ?」と言って俺が反応する前に俺の口を塞いできた。俺もそのまま口を開くとその隙間から舌を入れて来ていたのである。そのまま、俺達二人の時間が流れていき……お互いがお互いに溺れていくような時間を過ごしていたのだった。
朝になるとミルキーは、昨日の事が恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にした状態になっていたのだが……。そんな状態のミルキーをからかおうと思ってしまう俺がいる。そして……。からかい過ぎたのか、ミルキーが不機嫌になってしまい、朝食を摂った後に、ギルドに向かう事にしたのであった。
2人で並んで歩いていると、 ミルキーが…… 俺の手を取り握ってきた。
俺は、「手を繋ぐなんて久しぶりじゃないか?……今日はどうしたんだ?……本当にどうしたんだよ?」と言っても返事は返ってこないので、そのまま手を繋いでギルドに行く事になったのであった。
ギルドに着いた俺達は、受付の列に並ぶことにした。俺は並んでいる間も…… 手を握り続けるミルキーが不思議でならなかった。ミルキーは……俺の顔を見るたびに「好き」とか、「幸せです」とか……色々言ってくるのだが…… いつもより、何か積極的という感じでもなく……ただひたすらに俺の方を見ているだけだし……。
たまにはこういう事もあるのだろうと……。気にしないようにしていると……。俺の順番が回ってきていた。
「こんにちは!お帰りなさい。太郎さん、ミルキー。今日は依頼の報告ですか?……それともまた別の報告があるんですかね?」と言って来た。俺は「あぁ……。そう言えば、昨日ミルキーに頼まれてな。この宝石をジーラさんに渡してくれないか?ミルキーの想いが詰まっているから大切にして貰えるように伝えて欲しいんだ」とお願いすると……ジーラは驚いていたが、笑顔で受け取り、「ミルキー……。幸せになってくれてありがとうございます。私の宝物になりそうですよ♪」と言ってくれた。ミルキーはその言葉を聞いて……嬉しさと寂しさが入り交じった複雑な表情をしていたのである。
その後……。俺達がギルドの依頼をこなして帰ると……ジーラが待っていた。
そして……。俺とミルキーは、2階の応接室に連れて行かれた。
「ねぇ、2人供……ちょっといいかしら?」
「ん?」「はい」
「2人にプレゼントがあるの」
と言って……。俺達に指輪を渡して来た。俺の右手の薬指にぴったりサイズのリングで、エメラルドグリーンに輝く綺麗なものだった。ミルキーはピンクサファイアの輝く宝石があしらわれたものでミルキーによく似合っていた。俺は「ありがとう」とお礼を言いながら受け取ったのだが……。俺とミルキーはジーラの指輪を見て固まっていた。なぜなら……。俺のはミルキーとペアになっていて同じ宝石が使われていて……。ミルキーのには俺の名前が刻まれていたからである。ミルキーと俺の視線がぶつかる。
(ミルキー……俺達ってそういうことだよな?)と言うアイコンタクトを送ると……ミルキーも同じ気持ちだったみたいだ。ミルキーの目には涙を浮かべて嬉しそうにしている姿があった。俺は、ミルキーを優しく引き寄せて……。キスをした。俺達のキスを見ていたジーラにからかわれたりもしたが……。俺達は正式に結婚した事をジーラに伝えたのである。そして……。ジーラが……
「良かったわね。おめでとう♪二人共末永く幸せに暮らしてね。ところでね……」と言いかけて…… 俺とミルキーを見て、笑いながら
「ふふふ。まあいいわ」とだけ言うのであった。……一体なんなんだ。まあ、気にしてもしょうがないな……。俺がジーラを見るとジーラが、「実はね。この指輪にはね、魔法が込められているの。それでね……。太郎君とミルキーに魔法をかける事にするからね。今更だけど……ミルキーもステータスを表示させてくれてもいいわよ」と言うと……。ミルキーは自分のスキルを確認したらしく……。少し悲しそうな顔で俺の方に顔を向けると……俺の首に手をかけ…… 自分の顔に引き寄せると……。「私も幸せになりますね。太郎様と」と呟き…… そして…… 俺を力強く抱きしめてきたのである。そして……俺達はジーラの鑑定を受ける事になる。俺のステータスを鑑定してもらったところ……
レベル:20/50
種族:人族
体力値 :4500/6200
魔力量 :500000
筋力 :2540580
防御力:3060870
敏捷性:500000
運勢 :156000
魅力 :12000…………。ん? ん? どういうことだ?俺の力がとんでもないことになっているんだけど……。しかも……魔力も……。あれ?これってチートな能力なのか?俺はミルキーを見た。するとミルキーも同じような数値らしくて驚きの声をあげている最中だっのである。そして……ミルキーがジーラを見て……
「あの……。私もスキルを付与できるんですか?」と聞いていた。
俺も聞いてみることにしたが……。答えたのは、ジーラでは無く……ミルキーが教えてくれた。スキルの付与は、指輪や腕輪等に直接魔法を付与しなければダメな為、付与出来ないのだとか……。しかし、俺はミルキーからもらった指輪があるので、その効果を付与出来ると説明をされた。
そこで俺も指輪の付与をしてみる事にした。まず、俺自身の指輪を鑑定したところ、付与魔法で『体力自動回復』を付与する事ができる事を知ったのだ。なので……俺自身が持っている『体力自動回復』の能力を、ミルキーにも使えるようにする為に……俺がミルキーに指輪を渡すと……俺は、指輪を嵌めている状態で『体力自動回復』の魔法を込めた。俺自身に使っている『体力自動回復』なので……俺は魔力を消費していないので大丈夫なのだが……。ミルキーも魔力消費しないので問題ないだろう。俺は、この世界で『体力自動回復』と言うスキルを発動すると魔力が減るという事が分かっているのだが……。俺達夫婦に関しては問題なく使えると言うことは確認済みである。なので俺は安心していた。次に……俺の持っている腕輪の方を『鑑定』『分析』『作成』『強化』をフル活用する事にした。俺が腕輪を外して渡すと……。ジーラが興味津々な様子だったのだが……今は、俺とミルキーが着ける指輪を作るのに集中して貰った方が良いだろうと思った俺は……
「ミルキー。これをミルキーの指に合わせてくれ」と言って……。
ミルキーに俺が作った『体力吸収(小)の腕輪(小刻みに発動するようにしているので半永久的に効果がでます)
※ミルキー専用装備 効果・ミルキーの身体能力を底上げしてくれる ミルキー専用の装備品としての効果を与える
※他の人間が持つ場合。対象者の体力値を半分奪う』を渡したのである。俺からミルキーが受け取って、ミルキーは、それを左腕に装着すると……。ジーラは驚いた顔をした。それは……そうだろう……。そのアイテムは……神具級なのである。神器の指輪は国宝クラスの価値を持っていると言われている。ちなみに……俺も持ってるけど……。これは、かなり価値が高い。それを見たジーラは……俺とミルキーを見ながら……
「えーと。……あなた達は……まさか勇者なの?」と……聞いてきたのである。……どうしよう。俺が悩んでいると……。ミルキーは、
「私は……魔王を倒せるような実力は無いんです。それに……太郎君は違いますよ。太郎君の事は……全て知っていますから。この世界の人で無い事。異世界の勇者だという事も。だから……私が……いらないのなら……一緒に居られないかもしれないです。ごめんなさい。」と言って泣き出してしまったのである。
俺はミルキーが可哀想で……。つい抱き寄せてしまい……。ミルキーの涙を止めるように……頭を撫でてあげていたのであった。ジーラは……そんな俺達の様子を見て、ミルキーが、本当に幸せそうにしている事を改めて実感できたみたいで……。「良かったわね。ミルキー」と微笑んでくれたのであった。俺とミルキーのやり取りを見守ってくれていたのだが……
「ねぇねぇ。それで、2人はどんな関係なの?凄いスキルを持っているから……恋人同士って感じじゃないし……」と言われたのだ。俺は正直に答えることにしたのであった。
ジーラが「なるほどねぇ……。確かに、今のミルキーの力は尋常じゃ無いものねぇ……。それに、太郎君の持つ力も……。2人の関係は分かったけれど…… これからどうするの? やっぱり元の世界に帰りたいのかな?」と言ってくると……。ミルキーが、「太郎は帰りませんよ。絶対に……。私も太郎君と一緒にこの世界に来たんです。帰るなんて嫌です!」と言って……またもや泣いてしまった。俺は、優しくミルキーを抱き寄せると……「ジーラさん……。俺は、この世界に残りますよ。」とジーラに言ったのである。
俺は……ミルキーを落ち着かせるためもあって……
「でも、ジーラさん。俺はミルキーに会えて良かったと思っているし。ジーラさんに出会えた事でこの世界をより良くできると思うんだよね」と言った後に、「ジーラさん。お願いがあるんだ」と言うと……ジーラが真剣な顔になった。俺のお願いは簡単なもので、冒険者のパーティを組んで、ギルドの仕事をこなす上で協力してほしいとお願いしたのである。ジーラさんには……俺の持っているスキルについて、俺が考えている今後の展望を説明した。俺がこの世界の事を知れば知る程、より良い未来が訪れる事を……そして……。俺がこの世界を救える可能性が出てきたことを説明すると……。「まあ。良いでしょう」と言うと……。
ジーラは少し考えた末に……。俺の申し出を受け入れてくれた。「ただ……。」と付け加えた後で……「太郎君には……まだ私からのプレゼントが有るのよ。今から私の部屋にきて貰っても良いかしら?」と言うので……。
ジーラの誘いを受けたのである。そして……俺達は3階の部屋に行く事になったのだった。……ジーラの部屋は綺麗に片付けられていて……机の上に本や書類が積まれていたが……。整理整頓されていたのである。さすがジーラである。部屋の中央に豪華なテーブルがあり……。そこにはお茶の用意がしてあった。俺達は、椅子に座り…… ジーラが入れてくれる紅茶を飲むことになった。俺は、一口飲んでみて……驚いた。なんと、美味しかったのである。ジーラが自慢気に「ふふ。驚いたでしょ。このお茶の葉とお菓子は最高級の物を使っているのよ」と言いながら……
「このお店のケーキや焼き菓子も最高級の品なのよ」と胸をはって言って来たのである。俺が、
「へぇ〜。そうなんですか……。凄く甘いですね。美味しいなぁ〜」
と感心しながら言うと……ミルキーが……俺をチラッと見ながら「あ……ありがとうございます」と……少し頬を赤らめていた。
ジーラに鑑定をしてもらい。ミルキーとジーラのレベルをチェックしてもらった。ミルキーの能力はこんな具合になっていたのである。
レベル:22
種族:ハーフエンジェル
体力値 :2000/2800
魔力値 :3500/4000
筋力 :1000
防御力:1500
敏捷性:2000
運勢 :10
魅力 :4200……。ん?……なんか……レベルがおかしい気がする。しかも……レベルが上がらないとか……どうなってるのこれ?……。ミルキーに聞いてみると……。「よく分かんない。私、いつも自分の力をセーブしているし。多分、この世界の人たちよりも強いかも。私……本当は……この世界の人達とは戦わないで済む方法を模索しているの」と……教えてくれた。俺は、ジーラのステータスを確認してもらうと……やはり……レベルは35であった。俺と一緒だ。ちなみに……。ジーラにスキルを渡せるのかを試してもらう事にしたが……俺の『体力自動回復』を渡せないと聞いてがっかりした。そして……俺の持っている腕輪と……俺の指輪を『解析』してもらい『体力自動回復(極)
※譲渡不可能』になっている事を確認したのだった。ジーラから腕輪の説明を聞くことが出来た。なんでも、神の腕輪と呼ばれているらしい。神から授けられた腕輪らしく、身につけた者が死亡もしくは死亡するレベルの傷を負った場合に腕輪に貯め込んだ全ての生命力を使用して、使用者の命を繋ぎ止める効果があるそうだ。そして……腕輪を着けている者に危害を加えようとする者は死ぬ可能性があるとも説明された。しかし……装着時に、使用者の魔力を消費するという制限があるので、使い過ぎてしまうと……逆に魔力枯渇を起こして、死に至る事もあると説明をされたのである。つまり……この腕輪に貯まっているのは……俺が命懸けで倒した魔物たちの魂だと思えば納得出来る。俺が「ちなみに……腕輪を外すとどうなるの?」と質問したところ……ジーラは腕輪を外した状態を『分析』する事によって確認してくれたが……。腕輪が外せなくなった。どうなっているのかさっぱり分からないが……俺が持っている指輪は外す事が出来たが……。この腕輪だけは外せなかった。なので俺は、ジーラがこの世界に来る前に持っていたであろう指輪を預かり……。俺の作った腕輪と入れ替えることにしたのである。これで万が一にも……。この世界の人がこの腕輪を身につけても問題ないだろうと考えての措置である。ちなみに……。ジーラの指輪も鑑定した所……『鑑定妨害効果が付与されている為 詳細表示が出来ません。このアイテムを所持しますか?YES NO 』という文字しか出てこなかった。……俺のと同じ仕様なのだろう……。とりあえず……
「これは……預かるね」
と言って、俺のスキルを渡せるかどうか実験してみる事にしたのであった。ジーラの話では……
「私は……この指輪をしている限りは太郎君の事を見守り続けますから。安心してくださいね。太郎君の事は信じていますし。私の大事な人だから……」と言ってくれて……俺は……嬉しくなってしまったのである。俺とジーラはミルキーの転移能力で王都に向かう事になった。俺はミルキーの能力を確認すると……レベルが1になっていて……レベルが2になっていた……。どういう事??俺は意味が分からなかったけど……今はとにかくジーラと一緒に行く事を優先する為に気持ちを切り替える事にしたのだった。そして……ジーラが「この部屋にあるものは持っていっていいから」と言うので、俺は……『複写』『複製』『錬金工房(大・中・小)
創造』を発動させたのである。そして……この場にいる全員の持ち物を持ち物を鞄に入れるように命令すると……。
ジーラが目をパチクリさせていた。ジーラは、
「まさか、収納系のスキルを持っているなんてねぇ。それに……空間を拡張までさせるなんて……驚きだわ……」
と言って、微笑んでくれたのであった。そして俺は……。「あ……あの……ごめんね」と言うと…… ジーラは、俺の手をギュッと握り締めてくれた。俺は照れ臭くて、頭を掻きながら笑っていたのである。そして……。ミルキーと目が合うとミルキーも恥ずかしそうに微笑んでくれたのだ。
俺は、『魔法付与』により作り出した収納スペースを広げるために、収納庫を作成してその中に荷物を入れたのであった。ちなみに……。その収納庫の中に入れている間は常に時間が経過していない状態になるみたいだ。ただ念のためにジーラさんには鑑定してもらっているのだが……。俺も鑑定出来ないみたいで、どうなっているんだろうと思っていたのだけれど……。ジーラ曰く、「おそらく時の流れを操作する様な凄い能力を神様が与えたんじゃないかしら?」と言っていたのだが……どうなんだろうか?そしてジーラが……「太郎君になら預けられるかもしれないけれど……もし私が死んだら……この指輪をあなたが受け継いでくれるかしら?」と言うので……俺は……少し考えてしまった。
「えっ!そんなに簡単に受け渡しちゃって大丈夫なんですか?」と俺が言うと……。
「ふふ。だって太郎君って私達の世界の人間じゃ無さそうな感じがするし……この世界を救う救世主になりえる可能性を持ってるって思ってるし……なによりも私が惚れ込んでしまったもの……」と頬に手を当ててうっとりとした表情になってしまっていたのである。ミルキーは、何かを感じたようで心配していたようなんだけど……。まあジーラを信じようとミルキーが言ってくれたおかげで俺は、信用して貰えたようだと思ったのだった。そして俺はジーラさんとミルキーのステータス画面を確認してみると……。
レベル:25
種族:天使族
職業:勇者候補(魔王を倒せば英雄になると言われている職業です)
称号:勇者(神に選ばれし存在として称えられている称号です)
体力:3600/5000
(体力値はレベル×100
魔力:6000/8000)
筋力:2800
防御力:3000
敏捷性:2800
運勢:3200
魅力:4200となっていたのである。ジーラは少し考えて……。俺にお願いしてきたのである。「ミルキーの事を任せたいと思うのよ。それと私の代わりに……ミルキーに指輪をつけて欲しいのよ。私と同じような力が発動する様にしたいのよ。ミルキーの力は強すぎるから……。私に力を封印するのを手伝って欲しいのよ」
と言われて……。
「うん。任せて」と……俺は了承したのであった。
俺達はジーラさんの案内で転移装置があるところに移動することになったのである。転移装置は地下にあって……。この国を作った人物の石碑があり……そこの近くにあるらしいのだけど……。そこにいくまでの道は、俺の予想通り、迷路みたいな場所になっており、地図も役に立たなかったのである。しかし……俺とミルキーのマップスキルは優秀だったようで迷わずにすんでいた。俺が……
「これ……ミルキーがいてくれなかったらとっくに迷いの森とか言われるくらいの深い森だよ」と言うと……。ジーラは、笑って「確かに……ミルキーと太郎君は、他の人達より能力値も高いし、探索系のスキルを持っているし。本当に頼りにしているわ。二人に出会えて幸せだわ。これからの旅を楽しみましょうね」と……。ジーラに褒められて嬉しいのか?ミルキーが「もう……太郎様は優しい方なので、もっと凄い事を言うのです」とか……変な事を言い出して……。ちょっとだけ気になった。ジーラはミルキーに苦笑いをしていたのである。
俺は『解析者』『魔法使い(上級職)』
ミルキーが『剣聖』で『魔導剣士』
ジーラが『魔法騎士』で『剣姫』で……俺達三人のレベルをお互いに教え合ってみた。そして、ジーラのレベルを聞いたとき……さすがは『賢者』なんだと感じていた……。俺のレベルを聞いてきたのだが……。ジーラのレベルに驚かされていた。そして俺もジーラに鑑定をしてもらったんだけど……鑑定された事に気付かなくて驚いたんだよ。
そして……俺とジーラが会話をしていて……ミルキーに「何を話しているんですかぁ?何の話なのか教えてください!」と言われたから……。ジーラが俺のステータス画面に映ったレベルの数値を見せたのである。そうしたら、なぜかミルキーは、頬を膨らませて、
「私にもステータス見せてくださいね!!」と言って俺の事をじっと見ていた。俺はジーラにステータスを見せてもいいか?と目配せをすると……。「しょうがないな……。太郎君の事は信じているからいいけど……内緒にしてよね。私はこの世界で最強の存在になりたいの」と笑顔を見せてくれた。なので俺は、ステータス画面を見せる事にしたのだった。ちなみに……俺は、
体力 :10000000(∞)
魔力:0/10800000(1億8840万)→12950万/16285万(182兆6576億4647万6千)
筋力
:2000(500)
防御力
:1200(450)
敏捷性
:2500(900)
器用度:1600(350)
運勢:100(0.000)
魅力
:1400(150)……という感じである。そして……。ジーラのステータスも表示された。ジーラのステータスも俺と同じ数値だったのである。俺は「あ……あの……もしかすると……。俺とレベルが同じなのでは……」と言うと……ジーラは……微笑んで、
「あははは。やっぱり気が付いていなかったようね。私の職業も勇者候補として、レベルは30を超えているし、それにね。レベルも上がっているのよ」と言って、俺を抱きしめて頬ずりをし始めてしまったのである。俺はジーラに、自分の能力も見てほしいと伝えると……。
「いいわよ。見てあげるね……」
と言ってくれた。そして……ジーラはミルキーが持っている指輪を手に取り……。鑑定してみると……『鑑定妨害効果が付与されている為 詳細表示が出来ません。このアイテムを所持しますか?YES NO』
という文字が表示されたのである。そして、ミルキーはジーラの手を握って……。真剣な顔で、
「私の力を使ってみてください。そして、指輪の効果を消してください!!太郎様に危害を及ぼすような力は私にとって……とても怖い事です。私は、太郎様に命を助けられた恩返しをしたいと思っています。ですが……太郎様が苦しむ姿だけは……見たくないです。私は、太郎様を信頼しています。お願いします!!」と言うと、ジーラも、ミルキーに手を握られて……。「分かりました。やってみます」と微笑んで……集中していたのである。そして……指輪に念じるように「お願い……お願い……私に……力を貸して……。この力を……どうか……消して欲しいの……お願い……」と呟いていたのだった。すると……『この能力を消去する事を許可しますか?YES /NO』『この能力を発動するにあたり……注意事項があります。・発動すると二度と解除出来なくなる可能性がありますがよろしいですか?』
ジーラは、「うん。いいわ。このままじゃ……いけないわ。私の力で何とかしたいの。その為なら何でもするわ!だから、太郎君を守る為にも、力が必要なのよ」と言うと、『発動します』というメッセージが指輪に表示されると…… 指輪に不思議な光が輝き始めて……。その光がジーラさんに吸い込まれていった。そして……。ジーラさんは俺に抱きついて、涙を流し始めたのである。ミルキーが……「太郎様は、きっと助けてくれるはずです」と涙を浮かべて微笑んでいた。俺は……ミルキーとジーラの手を繋いで、「絶対に何とかするからね」と力強く言って……歩き出すのであった。
それから……しばらく歩いていると大きな洞窟があった。そこには……ジーラが案内してくれたのだ。そして……転移装置はここにあったらしい。俺は「うわっ……こんなところに……。」
俺は転移装置を見て驚きの声を上げていたのであった。そして……転移装置を見たら急に疲れを感じ始めていたのである……これはどういうことなんだろうか……と考えていたのだが……すぐに……「あれっ?」と声を出していたのであった。ミルキーとジーラも、少し元気がなくなってきているようだ……。俺は……ステータス画面を開き……レベルを確認するために……。そして俺の体力と魔力がかなり減っている事に気づいた……。どうなっているんだろうと思っていると……。突然、俺とミルキーとジーラの目の前に大きな魔法陣が出現して、白い光を放っていたのである……一体何が起きるんだろう……と思いながらも、俺はミルキー達を守らないとって気持ちになっていた時……。俺の前に誰かいるような気配を感じたんだけど……。誰だ!?そう思った瞬間……俺は……意識を失ったのである。
そして……。目が覚めると……俺は真っ白な世界に一人立っていたのである。ここはどこなんだ……。すると……いきなり……背後から話しかけてきた人物がいた。「やあやあやあお兄ちゃん♪やっと起きたねー。僕は神なんだよ。よろしく」
振り向くと……小学生くらいの子供みたいなのがいる……。
ん?こいつは神様? いや違うだろ……。なんか胡散臭い子供にしか見えないんだけど……。俺の事をお兄ちゃんと呼ぶような年じゃないだろうに……。しかし……。
「俺は亮介だよ」と言うと……。神を名乗る子供が、「うふ。うふん。わかっているよ。君は今僕の能力によって……強制的に僕と会話をする状況に置かれているからね」と言われてしまう……。俺は……何か言おうと思ったけれど……神を自称する子供の見た目のせいで……何を言っていいのか分からないし……神に質問しても意味ないよなって思い始めていた。そんな事を考えながら……。俺は、この空間はいったいなんなんだ?って聞くと……。
「うんうん。良い質問ですね。実はこの世界では、神の使いとして天使が存在しているんだけど……その力が弱まっていてね……。それを回復させるために必要な存在があるんだけど……それを召喚して……回復させてもらわないと大変な事になるんだよね……。それでね。その役目をしてもらう為に、異世界から能力の高い人物を選んで連れてきているんだけど……今回はちょっとしたアクシデントがあってね。本来は別の人物がくるはずだったんだけど……予定外の存在が来てしまったみたいなんだ。」と神と名乗る子供は、ニコニコとしながら言うのだった。俺は「あのさ……お前みたいなチビ助に任せても……ダメだろ。俺達の世界の神に相談した方がいいんじゃないか?」と言うと……。「あっ……そうなんですけど……。」と急に大人しくなったんだよな……。でも……俺には分かる……。この世界の人間よりは……このガキの方がマシだろうと。俺は……とりあえず……話を聞きたいから質問を色々してみる事にしたんだよ。俺は、この白い世界で……時間の流れとかは感じられないし……そもそも……俺の体力はどうなったんだろうとか、俺達3人が無事かどうかを確認して欲しいと告げると……。
神を名乗る子供が俺を指差すと……ステータス画面に表示されていたステータス画面の表示内容が変わり始めていて……。俺は慌てて表示内容を見てみると……
体力 :0/10000000(∞)
筋力
:0/12000000(∞)
防御力
:10000000(∞)
敏捷性
:5000000(∞)
器用度:12000000(∞)
運勢:0(0.000)
魅力
:15000000(∞)……と表示されているんだよ……。ステータス数値が……おかしいことになっている事に気づくと……俺の顔が引き攣っていたのだった。俺は「ちょっと待て……。これ……おかしくないか?」と言うと……神を名乗るチビッ子が……。「えへへ〜おにいちゃんは特別だからいいんだよ〜」と言うんだけど……。よくねぇよ!って俺は思っていたのである。俺達が無事なのか? 確認出来ないのかな?って思うから、 神に頼んでみる。すると……。
「それはね……今は、できないんだよ。ごめんね。
君達にはまだこの世界にきてもらうわけにもいかないんだよ。もう少ししたら……。君達がこの世界に馴染むまで待ってくれるとうれしいな。君達はこれからある事をやってもらうけど、それが終わってしまった後なら……元の世界に帰れるから安心して欲しいんだ。だから……それまで……我慢していてくれるかい?」と言われるが……このチビが神様? やっぱり嘘くさい気がする。俺はこの世界で何かをすれば、俺が元々住んでいた世界に戻れるようになると言うなら、頑張らせて貰うぜと言って……神に「ところで、ステータス画面の画面にある数値を元に戻したり……数値を自由に変化させたりする事はできないのか?」と聞いてみたのである。すると……神を名乗る子供は……。「ステータス画面は、神である僕の力で作った物だし……。
勝手に弄ったりは無理なんだよ。」と苦笑いしていたのである。俺は、「あのよ。俺は、お前に会えて嬉しいんだが、他の2人はどうなる?あの二人は俺がこの世界に呼んでしまって巻き込んでしまった人達なんだ。あいつらをこの世界でも普通に生活させる方法があるのなら、俺は……出来るだけ協力してやりたいと思っている。俺の大事な人なんだ。どうにかならんか?」と言うと……。「おにいさん。いい子だね……。うん。いいよ。君がこの世界にきた目的を成し遂げれば……この二人を帰す事もできるようになると思うから……。」と言われたのである。俺は、「ありがとう。頼む。俺に協力させてくれ!」と言うと、
「君には、特別な力を授けてあげるね」と言い出したので、「俺は勇者候補に選ばれて……。
魔王を倒してくれって言われてたんだけど、断ってしまったんだよ。その事を後悔していたから……。
だから……今度は、協力したいと思っていて、 その為に、この世界で何をすれば、その願いが叶うのかわかっているんだったら…… どんな事でもするぞ」と伝えると……。神と名乗る子供が……俺に近寄ってきて、 手を差し出して「僕と契約してくれますか?」と俺の手を握ったので、「ああ」と言うと……。「それじゃあ……お願いしよう」という声とともに、 目の前に『ステータス変更スキルを取得しました』と表示されると同時に、俺はステータス画面を開き……スキルポイントを確認するのだった。
『スキルポイント100ポイントを消費して ステータス値を変更しますか?』
もちろん俺は……YESを押して……。ステータスを変更すると……。
「よし!準備完了。」
俺がステータスを確認したところ。体力の数値だけは変わらなかったが……その他の能力は、凄まじいことになっていたのである。筋力は、5倍の10万に、 防御は……50倍になっている……。
俺は「こんなこと出来たら、ゲームが楽しくなりそうだな……」なんて思いつつ。俺が元の世界で、RPGゲームが好きだっていう話を思い出したので「こういう事が出来るんだったら……俺が知っているRPGゲームの能力を使えたりするのかな」と思いながら……神を名乗る子供に、「そういえば……お前の名前を聞いていなかったけど、名前があるんだろう? 教えてくれよ。」と言うと……。「えっと……僕の名前はね……。神だけどね……。神太郎って呼ばれていたから……。太郎って呼んでくれたらいいんじゃない? 僕は、おにいちゃんって呼ぶけどね。
あとは、僕がサポートするからよろしくね。おにいちゃん」とニッコリと笑ったのだった。
それからしばらくしてから俺は……。神と名乗る子供の太郎と一緒に洞窟の奥に進むことにしたのである。洞窟の一番奥に転移装置があるのを太郎は見つけていたようで……。俺は、太郎が転移装置を操作している間暇だったので……俺はステータス画面を見てみると……。新しいスキルが習得可能になっていたので俺は……【解析者】を習得してみたのである……。すると俺の目の前に、説明文のようなものが浮かんできたのだ。
《ステータス画面が見れなくても自分の能力を把握する事ができる》というものだったのである。このスキルのおかげで、俺は自分のステータスを確認することが出来たのであった。それから俺は……【鑑定士LV99】のスキルレベルを上げるために色々と調べる事にしたのであった。
そして……。俺と太郎が……転移してきた部屋の探索を済ませようとしていた時……。俺と太郎の目に入ったのは……俺達が今出てきたのとはまた別の扉であった。俺達は何も言わずにお互いの視線を合わせながらその扉に向かって歩き始めるのである。そして……。その部屋の中に足を踏み入れた瞬間……。俺は気を失った。
「亮介さん! しっかりしてください! 亮介さん! 亮介さん! 大丈夫ですか!?」
「あれ……夢か? 俺……寝てしまっていたみたいだ。
悪い……少し疲れが出てしまったのかも。……ここは? え? ここどこだよ……。さっきいた場所と違うし……。もしかして……俺、あの時に意識を失っていた? それで……。俺は一体……どういう経緯でここにいるんだよ。あの後どうなったんだ?」
「私は……。そのですね……。実は……。私と次郎と亮介さんの3人でこの迷宮を歩いていまして……。そうしたら……いきなり……。この迷宮を作り出した存在が現れたんですよ。それで……突然現れたその存在は、3体の魔物を従えていて……その中の1体だったのですが……その魔物がとてつもなく強かったのです。
なんとか倒してはみたのですが…… 私と亮介さんが魔力と体力の限界を迎えて……。私が気絶してしまいまして……。その間に、次郎が頑張ってくれたんですけど……多勢に無勢状態で、かなり危ない状態だったところに……先ほど戦った相手がやってきまして……。そいつと戦っていて……結局……。」……なんとなく状況は分かった気がするが……。俺が眠っている間に……。なんかとんでもないことが色々起きてしまったような感じだが……。まあいいか。とりあえず、あの化け物と戦ったあの女の子が無事で良かった。
「ところで……。この空間は何だ?」
「おそらくですが……この空間を作ったと思われる存在がいた部屋に戻ってきたかと……。
それにしても不思議な場所でしたね……。見たこともない物がたくさん置いてありました。……でも……あの人造人間みたいなものは……気味が悪かったですよ。本当に……」と呟いていた。……俺達の前に広がる景色が一変していて、真っ白だった。さっきの場所は天井がなかったのに今はあるようだ。壁や床は、石造りの部屋のように感じるのだが……。
すると、
『あなた達が、私を殺したのはわかっています。私の復讐を果たすために、ここで死なせはしないわ。』と言ってきたので……。あの子が俺の方を見ると、俺に抱きついてきた。「助けて頂きありがとうございます」と言いつつ。俺は……。
どう答えればいいのか? 分からなかったから……。彼女の背中に手を当てて、軽くポンポンとしてあげたのだった。
すると……。俺に引っ付いていた子が顔を上げてくると……。
俺の顔を見つめてくる。彼女は涙を拭いながら、「亮介さんにお願いがあります。聞いてくださいますか?」と言われてしまったのである。
俺達は、神と名乗ったチビッ子(仮)のところに戻って来ていた。俺と太郎の話によると、神を名乗るチビッ子(神らしいけどな)がいる部屋まで、戻ってくることが出来た。そこで神を自称するチビッ子(太郎)が、俺に話したい事があるらしくて……。神を名乗るチビッ子(神太郎?)に俺の願いを伝えることになった。神と名乗るチビッ子(自称・神様)から聞いた話を要約すると、俺がこの世界で目的を果たしてくれれば……俺は元の世界に帰れるという話だったが、神と名乗るチビから俺が元の世界に帰る為に必要なのは……この世界を救うことなのだと言われたのだった。
俺は「ちょっと待ってくれ。この世界の救い方をまだ聞いていないぜ」と言うと……。神と名乗るチビから、「おにいちゃんは……あの世界を救えると思うかい?」と言われるが……俺には自信がなくて、首を傾げていた。「それは……難しいかも知れませんが……。」と言って苦笑いをしていた。俺が悩んでいると……。
「そうだよね。おにいちゃんが知っているゲームの能力をこの世界でも使えたり出来るのなら、簡単に出来ると思うよ」と言うが……。俺は、RPGのゲームをいくつかやったことがあるが……。どれも似たような物しかなかったな。例えば、モンスターを使役できるゲームがあったりしたし……。
「俺が持っているのは、『モンスターテイマー』『調教師』の2つの能力しかないんだ。他にどんな種類のゲームがあったか分からないけど……。ゲームと同じ効果が得られるか試させて貰えないか?……神太郎とかいうチビ」というと、神太郎は嬉しそうに「わかったよ」というと、「ステータスを開いてくれるかな」と言われたので、言われたとおりにしてステータスを開いたのである。ステータスにはこう書かれていたのだ。
職業
:剣闘士
称号:神を殺すもの
HP:50億
MP:5万0000/5万0000
攻撃 :10万
防御:500万0
魔攻力 :10万 魔防力:500万
敏捷性:100万
運:9999
状態:普通……これが、ステータス画面の見方でいいんだよな。と神太郎を見ると信じられないというような表情をしているが……。俺に「これじゃあ……だめかもしれないけど、僕のスキルを使ってあげるね」と微笑みながら俺の手を握ってくるので……。俺の手を握ったまま「ステータス画面オープンって言えばいいんだよ。ステータスをオープンと言えばね」と言うので、神太郎の手から自分の手を外すと「ステータス」と唱えた。すると俺のステータス画面が表示されるのだった。
職業
:魔王の器LV100
攻撃力:15兆5000億防御力:25京000万
魔力:45千万0魔攻力:25兆0万0
魔力防御:25兆2000万0
魔法属性;闇魔法LV99 暗黒魔術LV99 固有能力:絶対零度、重力反転LV99
光耐性、闇耐性LV99、即死無効 スキル:解析LV99、全知全能の神の加護LVMAX、経験値増加 獲得ボーナスポイント5倍化付与 経験値倍加スキルの発動が可能になりました。
「はぁー。おにいちゃんって何者?」
俺はその言葉を聞いて「神太郎こそ……。その歳でそんな事が出来て……」と言うと、神太郎が笑っていた。
「僕の名前は、神太郎じゃないけどね。まあ良いか……。
それより……おにいちゃんは、今、自分がステータス画面に書かれている内容を確認したはずだから分かるだろうけど……。
まず、おにいちゃんは、僕が作ったステータス画面を持っている時点で、既に僕より格上になっているからね。それに……ステータスの数字を比べると僕のほうが強いんだけどね……。
それと……僕はこの世界の創造主でもあるし、君達の言う神様にあたる者なんだ。それで、君は異世界人で、この世界に召喚された存在。勇者と呼ばれる存在だよ。それで……。君達には、これからこの迷宮の最下層にある転移装置を使って欲しい。それで、迷宮を攻略をして、迷宮を踏破して欲しい。」
「それで……俺は元の世界に帰れるようになるんだろうな?」
「それはまだ言えないんだ……。だけど必ず帰す事が出来るようにする事は約束するよ。それから迷宮を攻略して欲しいんだ」……俺はその言葉を疑ったが……「分かった……。とりあえず迷宮の事を詳しく説明してくれ」と頼むのである。
俺と太郎が転移してきた部屋に戻ると……。俺達は神を名乗るチビッ子から色々と話を聞かされることになった。まず、俺が元々いた世界で神は、ある事件によって消滅寸前にまで追い詰められてしまって……。俺が住んでいる地球に逃げ込んだらしい。そこで俺の祖父である、田中勇次郎さんと出会った。その時に俺の能力を知ったみたいで、祖父の頼みを受けて……俺に力を貸してやる代わりに、俺に協力を求めてきたみたいだった。
俺は最初……断っていたが……。神の力を借りて、元の世界を救いたいと考えている内に、俺の心の中で少しずつではあるが、協力をする気持ちになっていった。神太郎は、その俺の様子に感づいていたみたいで……「協力してくれる気になったみたいだね。よかった。」と言いつつ、協力してくれた俺に褒美を与えてくれると言った。俺の願いは……家族に幸せになって欲しかったから、家族が俺がいなくなった後にも悲しまないようにすることだけだったのだが……。それを叶えてくれたみたいだった。俺は元の世界に戻った時にも、元の生活が送れるようにしてくれたみたいだ。それで……俺がこの世界に来る前の時間に戻してやる事も出来て……この世界で過ごした時間は、俺にとっては無かった事になるからと、俺に教えてくれた。それで……俺がこの世界に来た時から、時間が戻っているはずなので……元の世界でも生活ができるのだから、元の時間に戻せるんだと、俺はその時は理解できなかったのだが……。このチビッ子が、俺を騙しているとは思えないから信じてみることにしたのである。
それから……迷宮を攻略する上での俺の役割を教えて貰った。神太郎からは、ダンジョンマスターの職業を渡されて……。俺は職業についての説明を受けた。神太郎曰く……。ダンジョンマスターというのは……。
「これはね。この世界でのダンジョンを管理することが出来るようになるんだ。ただね。全てのダンジョンを管理しようと思えば管理が出来るが、管理者の権限がない者が触れれば……罠にかかったり……命を失う危険もあるので、注意が必要だ。
そして、管理者権限を持っている者には、この世界で死んだ場合に限り、こちらで蘇生させる事ができるようになっているから安心してほしい。この世界には死者の魂が存在するのだが、ダンジョンの中に入る者達が死ぬとこの世界に戻り復活するのだが、この世界で死ぬとその世界の肉体ごと消えてしまうんだよ。それが死という物で……。」と教えてくれて、神太郎の話を聞く限り……どうやらこの世界のダンジョンを制覇していくと、最終的には元の世界に戻って来れるみたいなのだった。俺はこの世界に来てまだ数時間ぐらいしか経過していないが、このチビッ子が、信用できる存在だと確信できた。
「ありがとうな。俺の為にここまでしてくれて」
「別に構わないさ。君のお陰で、この世界で僕の力を使う事ができるようになったんだ。礼を言いたいのは僕の方さ。ありがとう。それと君達にはこの迷宮をクリアしたら……。元の世界に戻るために必要な、あの場所に行って貰う。」と言うので……。
「どこに行くんだ?」
「それは行ってみればわかると思う。僕にもよくわからないんだ。だが、そこに行くのが一番近道なのかもしれないと、僕が勝手に考えているだけなのだけどね」
俺は神太郎に案内されるままに歩いて行ったのであった。俺はこのチビッ子と一緒に歩きながら、「そういえば……あの女の子は誰なんだい?」と聞くと、「彼女か?……彼女は、お前が助けてきた女は、この世界を救うためには、必要な存在なのだよ。まぁ。彼女は、この世界の救世主になる可能性を持った少女なんだよ」と言うので…… 俺は、俺が知っているゲームの能力をこの世界で使用する事は可能なのかを聞いたのだった。神太郎は、「この世界にはゲームはないぞ。ゲームって何の事かよくわからんが……。」と言って首を傾げていたが……。「おにいちゃんが持っているステータス画面に書かれている能力は、ゲームという物を再現してみた物なんだ」と言うので……。
俺は試した。ステータス画面を開くと、職業のところをタッチしてみると……。俺の前にウィンドウが表示されたのだ。その画面にはこう書かれていたのである。
<騎士>レベル8。HP120/121、MP60/63、攻撃力75、防御力78、素早さ66、魔力55、耐性85と書かれていたのだ。それを見た神太郎は、「ふむ。どうやらステータス画面が使えるようだね。それなら……ステータス数値に表示されている能力を発動させる為には……。ステータスを開いて職業の項目を選択すると良い。その項目を選ぶと、その職業に関する能力を使用できるようになる。例えば<剣士>なら剣術とかかな? ちなみに……ステータスの数値には、能力値以外にも運とかいう物も記載されているから……。能力値だけで比較すると僕よりも、君の方が上という事になるよ」と嬉しそうに言っている神太郎だったが……。神太郎がステータスの見方を知らない事に驚いたが……。俺は神太郎にステータスについて説明をしてあげた。ステータスの見方を教える事で、俺が今までステータス画面に表示されていた文字を読む事が出来ないと伝えたのだが……。神太郎によると……。神太郎と俺には、スキルとしてステータス画面を見る事が出来ているので……普通に俺には、ステータス画面の文字が読めているという事になったらしいのである。
そんな話をしていた時だった。俺は自分の手を見ていて……。
あれっ……。ステータス画面にスキルがある事に気付いたのだった。
神太郎にも聞いてみると……やはりスキルがあると、ステータス画面にはスキルの表示があると教えられたのだった。そこで俺達は試しにスキルを使用する事にしたのだった。
「ステータス」
すると目の前に自分のステータス画面が映し出されたのであった。
職業
:勇者
性別 男 年齢 20才 身長 172cm 体重 68kg 種族 人間 称号 異界人 状態:正常 魔力 100000/100(100UP)
魔法属性;全属性 ユニーク属性;全属性 固有能力;鑑定 解析(MAX)、絶対零度、重力反転LV99 全耐性LV100 獲得ボーナスポイント100万付与 スキル;解析LVMAX 解析スキルが進化したスキルです。
全魔法が使用可能になります。
全武器が使用できようになります。
全スキルを使用できようになります。
全言語を理解する事が出来きるようになります。
獲得ボーナスポイント50万付与 全ステータス値を20倍化します。
全ステータス数値に限界が無くなります。
獲得ボーナスポイント500万付与 ステータス画面に解析LV10が解放されました。
解析LVMAXが進化しました。
解析の力が格段に向上いたします。
解析が解析神になりました。
ステータス画面の機能が追加されました。
アイテムボックスに魔石以外の素材を収納出来る事が可能になります。
<剣技Lv6><剣術Lv4> <格闘術Lv7> 全攻撃に対して回避行動が自動発動する機能が備わっております。
全状態異常を解除する能力を身に付ける事が出来ます。
身体強化・全身の能力を30倍にする事が可能。
無詠唱での、各魔法の連続使用が行える様になっております。
空間把握能力を取得出来ます。
空間操作を行う事が出来るように成ります。
転移がいつでも可能となります。
経験値増加が解放されております。
全経験値を5倍加することが出来ます。獲得経験値が倍増する。
魔物討伐を行えば、自動的に、魔物の体内に有る、魔力を吸収し自身の体内にある、魔核が肥大化する。
魔石の吸収で、獲得した経験が上乗せされて、自身が強靭化して行く事になるのである。
また。レベルが上がるごとに。新たな特殊能力を取得することが出来る様になっていく。
称号に『神王』が付与される。
神を創造することが出来る存在になった時に、『神の王』の称号が与えられる。
神に最も近い存在である為である。
この神王のスキルを取得した際に、レベルの上限が無くなるが……。レベルアップの際に、得られるスキルが極端に少なくなり、取得もできなくなる。
全ての能力において上限が無くなり、更に上昇していくが……。
成長率も低下し、殆どの能力が初期化され……。新しく覚え直さなければならない。
全ての神がこの称号を持つわけではない。神王という存在は……。創世の女神が生み出した者のみがこの世界に存在を許されていて……。神を作り出した者だけが得る事が出来る称号なのである。
そして、俺達二人はこのスキルを試してみることにしたのであった。まず俺は、剣術のレベルを上げてみることにした。すると……。俺の手の中には……。刀が出現していた。それを見ていると…… 俺は……。あることを思い出すのであった。俺は、この世界に来て初めて遭遇したあの怪物……。
そう、ドラゴンと対峙した時に、手にしていた剣だ! あの時、確かに俺は、この剣を使っていた。俺は、あの出来事を思い返していると……。その時、頭に響いていた女性の声が聞こえてきたのだった。俺は驚いて……。周りを見渡したが誰もいなかったので……。幻聴かと思ったら……声は頭の中で響くのではなく……。俺の心に話しかけてきているようだった。その声で……。
私は女神……。神を司るもの…… 神が貴方に与えし使命とは……?
「俺はこの世界の人間ではない。俺に与えられた使命がわからないんだ」
それは貴方がこの世界で生きて行く為に……。
この世界の住人の魂を救う事……。その魂は貴方の力になる……。その魂はこの世界にとって必要だから……。
俺はこの世界で死んでいった魂が……力になると理解した。この世界の魂を救うため……。この世界の魂をこの世界で救う事は、この世界の人々を救うことになるのだと。それは……。この世界に存在する全ての命を救うためになるんだと俺は確信した。俺の力では、この世界全てを……。全てを守りきれない事はわかっていたので、この世界を俺の知っているゲームで例えてみる事にしたのだった。そして……。この世界の人間がこの世界を救うための希望の種になることで、この世界を救いたいと願った。俺の答えを聞くと、心の中に響いてくる女性の声で……。
それでこそ……勇者に相応しい人間ね……。それなら私に力を預けなさい。その力は……この世界で得た知識と、この世界で初めて出会ったあの女の子に……その女の子の願いと想いに応えたものよ……。さぁ……受け取りなさい。
そう聞こえると……俺の意識は闇に消えていき、その闇に飲まれていく中……。何かが体に流れ込んで来るのを感じたのであった。その瞬間……俺は自分が自分で無い様な感覚に捕らわれたが……その違和感は一瞬でなくなり、元の状態に戻ったのだ。俺は自分の手のひらに目線を落とすと……。俺の手に……一振りの日本刀が握られていた。
神太郎は、「お前、凄いな……まさか……。この世界に来た時に持って居た……剣と同じ物が……。しかも……この世界には存在しない……。この国では存在しない武器が……この世界に召喚されるのか……。やはりお前と俺とでは、お前の方が、特別なのかもしれんな……」と言っているが……。俺の頭の片隅で誰かが何事か囁いているような気がした。「……勇者さん。……私のお願いを聞き入れて下さって本当にありがとうございます」と……。
神太郎は、俺から刀を受け取ると、「おおっ!!こいつがあれば安心だな!」と言って嬉しそうな顔をしたのだった。「これは……お守りとして肌身離さず持ち歩いていた方が良いだろう」と言われて……腰に差したのだっだが……。その後神太郎との話し合いにより、ジーラ達には……。自分達の身は守れなくていいと伝え、リータに……自分と一緒に隣国まで行き、そこから、隣町にある孤児院に身を寄せて欲しいと伝えたのであった。俺は神太郎と話し合った事を二人に告げると、神太郎に礼を言ったのであった。
それからしばらく歩くと山の中にある隠れ家に着いた。俺はジーラに「これから先も気をつけてくれよ」と言うと、神太郎に……ジーラの護衛と馬車と馬の面倒を頼んで、自分は、リータを連れて国境に向かうことにしたのだった。そして国境の街で、隣の国に行く手続きを終えて、街を出ようとする時だった。一人の男が近づいて来て俺に手紙を渡して来たのである。男は俺達に気づかれないように立ち去ると見せかけていたが、神太郎にはバレていて……神太郎が後を追うように言って、男の後を追いかけていった。するとしばらくして戻って来たのだが、男の姿が見えないというと神太郎が辺りを探したのだが見つからず、仕方なく諦めて、俺達は、今度こそこの街を出ると隣の国を目指したのであった。道中は……何事も無かった。途中休憩をするために馬車を止めると、街道を歩いている商人らしき人達から「こんな所でどうされたんです?」と言われたが……俺は「俺達は、旅の途中です」と答えたのだった。すると、一人の少女が俺に近づいてきて、
「私達の国に向かってくれるのですか?実は困っていることがあるのです」と言った。
俺は「なんでしょう?良かったら教えてくれませんか」と答えていた。そして俺達は話を聞いてみることにした。
少女の名前はミリアというらしい。ミレアナ達は……俺が想像するよりも、酷い目に遭わされていたらしく。その話の内容はあまりにも悲惨すぎて聞くに堪えなかった…… 話を聞けば……親が殺され。孤児となった子供達が……この国の王に攫われて奴隷として扱われていたのだと。そんな話を聞いた俺は怒りを覚えずにはいられなかった。そこで俺は……。神太郎にも協力してもらって……。子供達を解放する事を決めたのだった。まずはこの近くにある、王都に向かった方がいいと聞いたので、その場所を教えてもらった。しかし、俺達が王城に向かおうとしても門前払いをくらうだけだったが、ある噂が流れているようで、王城に忍び込む方法を知っている者がいると聞いて。神太郎がそいつに頼みたいことがあると申し出て。
俺と神太郎は……王城の警備兵がいなくなった頃を見計らい侵入することにしたのである。俺と神太郎は別々に城内に侵入したのである。神太郎によると……。俺が、勇者だと名乗ったので、門番から話は聞いていたらしく。簡単に潜入することが出来たそうだ。
俺はまず神太郎が、何をしようとしているのか探る事にした。俺が、神太郎を探す為に、廊下を進んでいると……。前から、数人の男女が歩いてきたのだった。俺はすれ違うときに挨拶をしてみたが……誰も返してはくれなかったのであった。その集団とすれ違いざまに……微かに声が聞こえたような気がしたのだ。俺はその者達が気になって、足を止めて振り返ろうとしたが……俺はそのまま歩き続けることにしたのであった。
俺が、神太郎を捜索して城内を探索していると、兵士達の宿舎のような場所を見つけ。その中に神太郎を見つけた俺は……話しかけようとしたが、俺はある光景を見て、絶句するしかなかった。なぜなら……兵士の奴らが神太郎を取り囲んで……殴り始めたからだ! 俺の存在に気づいた兵士たちは、ニヤッと笑って、
「なんだぁ!お前はぁ!ここは関係者以外立ち入り禁止だぞ!お前ら!こいつは俺らの楽しみを邪魔したんだ。少し痛めつけてやれぇ!!」
俺はその一言を聞いた時に、頭に来て……兵士達をぶちのめしそうになっていたのだった!神太郎の方を見ると殴られ続けてもなお反撃しようともしないでただ耐えているだけのように思えた……。それを見た瞬間に……俺は我を忘れてしまい……。兵士共全員を叩き潰してしまった。俺が正気に戻れば、周りは死屍累々といった感じで血の海が広がっていた……。神太郎は呆然としていたが……。やがて意識を取り戻すと「あぁ……なんてことだ……」と嘆くだけで言葉を発する事が出来なかったようだ……。
神太郎は……自分の力不測のせいでこんな結果になってしまったことに後悔をしているようだったが……。すぐに顔を上げて、「仕方がないな……」と言うと……。突然その場に立ち上がって……。「この世界の為に死んでいった魂達……。貴方方の力を私に分け与えてください……」そう呟いて、祈りを始めたのだ!すると……神太郎は眩い光を放ち始めて、次第にその姿形を変えていき……。人型ではなくなっていき……。光が治まる頃には……。一振りの日本刀を手にしていたのだった。
その様子を目の当たりにしていた俺は、「……今の現象は一体……」と思っていると……神太郎だった存在は……神太郎とは全く違う雰囲気で俺に話しかけてきたのだ。
俺に話しかけてきた存在は、「俺の名は……太郎!お前の事は知ってるぜ!この世界で最強の勇者様だからな!お前がこの世界にやって来てくれなければ……。俺達の世界は終わっていた。俺達の世界を救ってくれたのは間違いなくお前さ!だからこそ俺は……お前に協力する為にここに居る!俺は神じゃねえが……。俺の力を使えばこの世界の理を超える事も可能になるだろう。俺は……この世界と他の世界の魂を救ってやりたいんだ。だから……。俺は俺の全てを賭けて、お前と共に歩もうと思うんだ。俺はお前の力になりたくて、俺の分身を作ったんだよ」と言うと……刀に宿っていた神は消えてしまったのだった。
俺は、目の前で起こっていた事に理解が出来ずにいたが……。神太郎は「……僕は……。君に助けられてばかりだったからね……。君の助けになれるのなら本望だよ」と言っていた。そして俺達は神剣を手にしたことで。この世界の勇者となり……。勇者の力を得たのであった。
それから俺達は……この世界についての情報を集めたり……。リータの救出計画を立てたりした。俺達はリータの居場所を探し当てたが……。既にその屋敷には、彼女の姿は無かったのだった。おそらく……。隣の国に連れ出されたのではないかと思い。隣国に行ってみることにした。俺達は隣国に行く途中に、魔物に襲われた商隊を助けて、馬車と馬を借りることにしたのであった。俺はリータを助けるための計画を神太郎に伝えたのだ。俺達二人で隣国の王城に潜入し、国王に会い、説得するしかないと俺は考えていたのであった。そして、神太郎は、リーダに自分の思いを託すと言ってくれたのである。俺は神太郎の決意の程を嬉しく思ったのだった。神太郎との相談の結果。俺は一人で行くことにした。俺はジーラと神太郎はジーラの家族を連れて……。神剣を持って王都に向かうことになったのであった。
俺は王都に入るため城門に向かうと門番の衛兵が、「怪しい者だが……。身分証明書は持っているか?」と言ってきたが……。俺は神太郎に作らせた『通行証』を見せた。
すると……。衛士は、急に態度を変えると……。「これは……大変失礼しました。私は……この街で門兵を務めている『アビー』と言います」と言うと。「お会いできて……嬉しいです」と言ったのだ。俺は、どうしてなのか聞いてみたが……。どうやら、アビーさんは、ジーラが助けた人達の一人らしいのだ。俺は……リータがどこに連れて行かれたか分かるまで、ここで待つことに決めたのであった。それから数時間後、ようやくリータ達が姿を現したのであった。
俺達は無事に再会できたが、俺達は……隣国の街にある孤児院まで移動する事にして、孤児院に移動するとリータとジーラの家族に挨拶をする事になった。リータの両親に、妹のミルに紹介されたが……。皆元気そうで安心した。それからしばらくして、神太郎と俺でリータに、これからの事を伝えると……。
俺はリータにこの国の王様が、隣国の姫と結婚するように勧めてきているのだと伝えたのである。
俺はリータの事を、この国の王妃にさせるつもりでいたし。隣国の国主も了承済みだったからだ……。俺は、隣国にはリーダが居て、彼女が、国王を説得してくれるだろうとも伝えたのだが。俺はこの国を出る事を決意したのであった。
「あの……タロー様はこれからどちらに向かう予定なのですか?出来れば、私も一緒に連れて行って頂けないでしょうか?」と言われて俺は戸惑ってしまったのである。
俺は……このままでは、リーターと離れ離れになってしまい、この国を出ても一緒に行動する事が出来ないと伝え。
俺と神太郎で、王都に向かうつもりだと告げたのだった。俺は「また……後で、迎えに来るから」と言うと、神太郎と一緒に、街から飛び出したのだった。そして……俺達は、国境を越えて。
隣国に入り、国境を越えた先の森の中に、隠れ家を作ったのだ。俺はそこで、この世界がどんな状態かを調べる為に行動を起こした。
この国の状況を神太郎に聞いたところ。
この国の王族は、貴族達が自分達の地位が脅かされないように。自分達の一族だけを重用するようにしてきたのだ。その結果、民衆が苦しむようになったのだそうだ。それでいて王侯貴族の連中は、民を苦しめるような政策を行い、自分だけいい暮らしをしていると神太郎が言っていた。
俺は……そんな状況を改善したいと思ったので……。神太郎に協力をお願いすると。神太郎は快く協力をしてくれるという事になった。俺と神太郎は話し合いをした末に……。
俺は……この国の王子と王女と接触をしようと思うが……。その前に……この世界を救う旅に出たいと神太郎に伝え。俺は神太郎の返事を聞くために、神太郎を見ると。
神太郎は……。この世界に蔓延っている、差別や偏見をなくしたいと真剣な眼差しで語ってくれて。この世界で俺に付いていく覚悟を決めてくれたのだった。俺はその言葉を心強く感じ。俺と神太郎は……。この世界を救うための活動を始めた。まず最初に……。
俺はこの世界で一番強いとされる、勇者の力を手に入れる為に。この世界に召喚された、勇者の書99を手に入れ。
神太郎と俺は。
まず、神太郎と神器の力で作った武器を持つ勇者に勝つ為。この世界に呼ばれた者達の中で一番レベルが高いとされている、『佐藤正雄』を仲間にすべく動くことにしたのであった。
正雄は、この世界の人間の中では最強と呼ばれる男で。その力は、魔王を倒した時の俺と神太郎を遥かに凌駕しているらしい……。しかし……。この世界で、最も優れた能力を持つのは……。神太郎が生み出した神剣を持った俺だ!俺はこの世界を救いたい気持ちが人一倍強かったので、俺は……。必ず正雄と手合わせをして、神太郎に神刀を作ってもらう事にしたのだった。
俺と神太郎は……この世界にいるはずの、勇者を探すべく。まずはこの世界に、勇者が現れたときに現れた、神殿を目指す事にして。神殿の場所を神太郎に教えてもらった。俺が、神剣の力を開放して、空を飛べるようにしたら、簡単に見つかったが……。
その神殿は……。森の奥深くにあって。とてもではないが。人間が辿り着ける場所には無かったのだ……。だから俺達は、転移魔法を使って、一瞬で神殿の前に飛んだのだった。
そして……俺と神太郎は。神殿の中に入ると……。神剣を持っているであろう勇者の所在を確認したのだが……。そこに勇者は存在しなかったのである。それどころか……。この世界には既に、勇者と呼べるような存在は一人も存在していなかったのだった……。
俺と神太郎は……。勇者が現れる可能性が極めて低いと考えた。何故なら……この世界の何処にも勇者としての資格のある者が存在していないからである。
そして……俺達は勇者の力を諦めて、別の方法でこの世界を救おうと考え始めていた時に……。ある事件が起きてしまった。この世界に訪れた俺達は、人攫いに遭いそうになった女性を助けることにしたのだったが……。女性は、この国でも悪名高い貴族の娘であり。人攫い共の仲間だった……。俺と神太郎はその女を捕まえようとしたが失敗してしまい……。俺達はその女を逃してしまったのだった。俺達はその後を追いかけると女の足取りを掴んだが……。女はすでに死んでいた。俺達は仕方なくその死体を回収しようとしたとき、突然何者かに襲撃されたのだった。それは人攫いの女の手下達であったのだ。神太郎は神剣を抜くと、敵を迎え撃ったのである。神太郎は……。
敵を蹴散らすと……。「おい……。こいつらはお前らの奴隷ではないんだろ?それに、こいつは、まだ子供だ……。お前達のやり方が間違っていることは明白なんだが……。こんな幼い子供達を誘拐していたなんて……。僕はお前達に怒りを覚えているんだ!」と言って、その男に向かって、斬りかかったのである。男は咄嵯に避けようとするが……。神太郎は神速の一撃を放ち。
「神太郎斬!!」と言って……。神太郎は剣を振るったのだった。
そして……その剣撃により、男の胴体が真っ二つになり、上半身と下半身が分かれた……。俺が神太郎の様子を見てみると……。そこには、先ほど神太郎が話していた。この世界にやってきた勇者がいたのである。
俺と神太郎は、この勇者の力を得て、神剣の力を完全に使えるようにするつもりだったが……。その考えは、どうも無駄に終わったみたいだった……。何故なら、この男が所持していた神剣には所有者を選ぶ力があって。この男以外の者には扱えないようになってしまったのだ。しかも……。俺はこの男のステータスを確認すると……。とんでもない事に気がついたのだ……。この男には……神太郎と同等の能力があることがわかったのだ。俺は……この男の力を解析することにしたのである。
そして……解析の結果は……。『スキル:剣術Lv10』に<身体強化>が……。『神眼LV1』と『全耐性LV10』の3つだった……。俺はこの鑑定結果を見た時……。
神太郎は、驚きのあまり。言葉を失っていた……。『スキル』、『身体強化』は神太郎も所有していたが……。
『神眼』や『全耐性』は持っていなかったのである。
神太郎によると……『全属性適正』や『無詠唱』などの『固有スキル』と呼ばれるものを除けば。持っている者は非常に珍しいというのだ。俺は……この男を連れて行こうとしたが、男は拒否し。俺は、神太郎に神刀を作るように指示すると、俺と神太郎は、この国から立ち去ることにしたのだった。
俺はこの世界に来てから……。色々とあって忙しかったけど……。
神太郎と一緒になってからは……非常に充実した時間を過ごすことが出来たと思っている。
俺は神太郎が作ってくれた神剣を持ち、空を飛んで王都の近くまで移動すると。そのまま門まで飛んでいった。王都に入るには、門を潜らなければならないのだが。俺が門の前までくると、急に兵士が出てきて、「何奴!怪しい者め……。ここを通りたいのであれば、身分証明書を見せよ!」と言うので、俺は神太郎が作った通行証を見せると。兵士はその証明書を見ると……。態度をガラリと変え。
「しっ失礼しました。貴方様のお名前を聞いても宜しいでしょうか?」と言うので……。
俺は次郎と名乗って、神太郎の作った偽の通行証を見せたのである。俺は門番にこの国は、どのような政治体制になっているのか聞くと。やはり貴族と王族に搾取されて、国民が苦しい生活をしているそうだ……。この国に希望を見いだせないと話すと。
「タロー殿!もし良ければ……この国の現状を変えませんか?私達がお供します」と言われて俺は困惑してしまったが。俺は神太郎が言っていた通り……、この国を変えてみようと決心したのである。神太郎は俺について来てくれるそうだ……。そして俺は……まずはこの国の勇者になる事を決意して。王城に出向く事に決めたのであった。
そして……王城にいく道中だが……、王都の街は酷く汚れていて。人々の表情にも活気がなかった……。そんな街並みを見て。早くどうにかしないとと、思ったのだ……。
俺と、ジーラは今現在、隣街の領主館にいるのであるが……。ここはこの街の町長の家らしい。その家の中に入っていくと……。町長の妻が、お茶を出してくれたのだ。俺がジーラにこの街の話を伺おうとすると。「ジーラです。よろしくお願いいたします」と言ってくれたのだ。それから、俺がこの町の状況を教えて欲しいと頼んだところ。ジーラが説明してくれたので……その話をまとめると……。
この町の財政は火の車らしい……。この町は海に面しており、漁業が盛んなので、町を豊かにしようと。港で魚を獲りまくって、市場に出せば大儲けすると思っていたそうなのだけど……。実はその漁をするのは命懸けで、その漁獲高が少ない上に……。漁獲量は、他の漁師達が乱獲をしたため……。今はもう、殆ど捕れなくなっていて……。このままでは餓死者も出るんじゃないかと、不安の声があがっているのだというのだ。
更に……その噂を聞きつけた領主が……。「私が支援してやろう……」といってきたが……。そのお金が返ってくる事はなかったらしく。その金を使い果たしてしまったようなのである。
しかし……。俺にはそんな話は信じられないのだった……。俺は……「俺はこの世界の事情を知らないんだが……どういう状況なんだこれは……。俺は、この世界を救おうと思ってやって来たのに……。これじゃ救いようがないぞ……。この世界で、魔王を倒す前に……。この世界を救う必要があるかもしれないな……。」と言うと……。「えっ!?それは本当なのですか!?そんな事が本当にできるなら……。お願いします!私達の町の人を助けてください!」と必死に訴えられたので。俺はその声に答えることにした。
俺はまず、港町に行ってみたが……酷い状態だった。そこの住人達はとても貧しくて。とてもではないが。魔王を倒した後に俺が救おうとしている世界の住民とは思えなかったのである。俺は……その町で情報収集を行った。この世界で、一番力のある者が誰なのかを調べたかったので。俺は冒険者ギルドに向かうと……。
そこで一番強いのは、この街の警備隊の隊長だとわかったのだ。俺がその情報を聞き出すと。その男は……この大陸で一番の戦士である、ゴルドラという男だそうだ。この男がいる限りは大丈夫でしょう……。この大陸でゴルドに勝てる者は誰もいないと聞いて、少しホッとしたのだ。
俺がその事を伝えようとすると。ジーラに「その……あなた方は勇者様なんですよね……。この世界の勇者として……魔王を倒してください……。お願いします……。私達を……助けて下さい……。どうか……どうか……勇者様……うぅ……うぐ……勇者さまぁ……。この国を……救えるのは……勇者様だけなのです……ぐず……うわーん……勇者さ……ま……。」
そう言われてしまったのである。俺が困った顔をすると……。ジーラが「勇者さま。私はこの子の為にも。この町の人達を……助けてほしいのです。それに……この子の両親も……。病気がちみたいで……。この子に治療を受けさせてやりたいので。せめてもの……罪滅ぼしとして。勇者様……私からも頼む。私の事はいいから。この子達の願いを叶えてやって欲しい」と言われてしまい。仕方がないので俺は了承したのだ。
その後俺はゴルドラさんに会いに行くと。ゴルドラは……既に死んでいたのだ……。そして……。俺がその死の原因を聞くと。なんと!ジーラのお父さんとお母さんが毒殺されてしまったようだ……。しかも犯人は不明だというのだ……。俺がそれを聞こうとすると。
ジーラは泣きながら、「私が……いけないんです……。もっと気をつけていれば良かったのに……あの男達の言葉に惑わされて……。私が……私が甘かったばかりに……お父さんも……死んじゃったし……それに……。この人も死なせてしまった……。どうして……。」と言うと。
俺はその涙を流す少女の頭を優しく撫でると。
「安心しろ……。君のお父さんとお母さんは……。きっと幸せに天に召されたと思う……。だって……君を置いて死ぬわけが無いだろう……。それに、毒殺されたのは君が悪いからじゃない……。悪いのは全部その黒幕の男だよ。その男を見つけ出して。その罪を必ず償わせよう。俺に任せろ!君はその男の事を信じてはいけない!その男は嘘をついているからな!」と言うと。ジーラは、俺の顔を見つめて。涙を流したのだ……。
そして……俺がジーラと話している時に。突然、門の方角から爆発音が聞こえてきたのだ。
俺が門まで行くと。そこには……魔物達が押し寄せてきていて。俺はすぐに戦闘態勢に入ると……。ジーラが慌てて駆け寄り。「ダメですよ!まだ勇者様には戦う力はありません。貴方達は……逃げるのよ!」と言うと。子供達を連れて逃げたのだ。
俺はその背中を見ると……、俺はこの国の人々をどうしても見捨てることが出来ずに。神太郎に相談することにしたのだ。そして俺は神太郎を連れて再び戻ってくると。ジーラに、「ちょっとここで待っていてくれ……。俺はこいつらを殲滅してくる……。」と言い残し……。ジーラを残して俺と神太郎は、戦場に向かったのである。
そして……神太郎は……。「次郎!こんなところで油を売っていたのか……。早く戻らないと、リータと約束したのではないのか?それなのにお前という奴は……。」と説教されそうになったので。
俺は、「悪ぃ……。ちょっと緊急事態があってな……。後でも話を聞いてくれるか?」と言うと。神太郎は……。何かを感じ取ったのか……。「何があったのかはわからないけど。とにかくここは危ない。僕達が時間を稼ぐから……。早く行きなさい……。急いだほうがいい……。何が起きても……おかしくはないからね……。ここは、僕の言う事を聞いて……。行ってきてくれないか?」と言ってくれたのだ。
神太郎と俺の二人がその場に留まると。そこに……。神刀を抜いた神太郎がやってきたので。俺と神太郎はその刀を構え、魔獣を屠っていく。
俺はこの世界での、初めての本格的な戦闘にワクワクしていたのだ。やはり……。剣の技を本気で使うと……かなり気持ちが良いのだ。俺は、自分が思い描くように剣を動かし。自分の体を剣のように動かせていた。その感覚を楽しませてもらったのだった。俺は神太郎と二人っきりで……。その数万を超える軍勢と戦っていると。神太郎に……「次郎!僕はもう……。限界に近い……。次郎には悪いけど……。先に行ってほしい……。僕は後からいく!その先で合流しよう!」と言われたので。俺は神太郎がやられたのかと思ったが。その心配はなく。
俺は、その神太郎の想いを胸に抱き……。俺は、その奥に待ち構えている。魔王軍の本隊を倒しに向かっていったのであった。その途中……俺が敵を倒している最中……俺の脳裏にある声が響いてくるのだ……。
『次郎。久しぶりじゃのう。どうじゃ?元気にしておるか?この前のおぬしは実に面白き男であった。妾は満足しておるぞ。しかし……。そちがこちらの世界にきた時……。お主はまだ力を使いこなすことが出来ていないようじゃな。これから先は大変になるじゃろうが……。がんばるのじゃ。この世界に来たのなら……。お主ならなんとかなるであろう……。妾は信じておるからのぉ~』
それは懐かしくて聞き覚えのある声だった……。そして……、それと同時に、俺はなぜか、体の底から力が湧き出てきたような感じがして……。そしてその声の主の言った意味がよく解らず……。俺は首を傾げてしまう……。しかしそんな事を考えている余裕はなかったのだ……。俺の体は自然とその声に従って動き出していた……。俺の目からは涙が流れていたのだ……。なぜなのか自分でもよくわからなかったが……。ただ、俺に助けを求めてくれていた……。
俺は魔王軍と対峙するのだが……魔王軍の中に……何故か……見知った顔がいたのだった……。それは俺の元同僚である……営業課の女性で、俺が教育担当をした後輩の……。その人だったのだ。
彼女は俺を見て……「どうして!?あんたが……。どうしてここに!?私は確かに死んだはずよ!?これはどういうこと!?なんで……なんで!?あんたがいるの!?それに……あの時の事故の事は……。もう諦めた筈なのに……。まさか夢!?」その女性は俺を凝視して固まってしまっていたのである。俺はその言葉の意味が理解出来なかったが。俺は目の前に敵が迫ってきていたので、その女性に声をかける事ができなかったのだった。
俺がその敵の群れの中を突破して、魔王城に着くと……。俺が到着した時には既に……。そこには、多くの魔王の部下達の死体が転がっていたのである。しかし魔王城の扉は開かず。魔王も姿を現さなかったので……。俺は魔王を捜索していると。そこで、ある一人の女性に出会ったのである。その人は俺の顔を見るなり。「えっ!?もしかして……次郎!?次郎よね!私は貴女を忘れてなかったんだから!私も会いたかったわ……。やっとまた会えたのに……魔王を一緒に倒せなかったなんて……私って駄目だな……。あははは……。ごめんね……。私達の力不足で……。私達は……結局……。あいつらに勝てなかったんだ……ごめん……。私は今度こそちゃんとやり直すよ!この命をかけて!だから次郎……。お願いがあるの。あの時……貴方に助けられた時から……。ずっと好きでした。貴方のこと愛しています!」と言っていきなり抱きしめてきたのだった。俺は驚きのあまり身動きが取れずにいた。その時……。突然背後から殺気を感じて後ろを振り返ると同時に剣を抜き攻撃を受けるも、そのまま吹き飛ばされてしまったのだった。俺は地面に打ち付けられると……。起き上がれなくなっていた。その女性の悲鳴と、何かを叩きつける鈍い音が響くも……。俺が立ち上がる前に……。意識を失ってしまったのである。そして俺はその女性が泣き叫ぶ声を最後に聞いて気を失う直前に思ったのである。俺が最後に聞いた彼女の言葉を……俺は……今でも鮮明に覚えていた……。
「どうして私だけ……こんな事に……」
そう……、俺が次に目を覚ました時に見たものは、白い空間に佇む……女神さまとジーラのお父さんの姿であった。俺は状況がわからず困惑した表情をしていると。女神さまが「あら!目覚めたのね!良かったわぁ!大丈夫かしら?」と言ってくれたのだ。俺の傷は、ジーラの父親によって全て癒されたようだ。
「貴方はジーラのお友達よね!さっきまでジーラと一緒だったんだけど……。ジーラを庇ったばかりに死んじゃったのよ……。それで……ジーラが落ち込んでいたけど。貴方が生きているとわかればきっと元気を取り戻してくれるわね!ふふふ……。」と言うと俺に手招きしてきたのだ。そして…… 俺の手を掴むとジーラの父さんのところに連れていってくれたのである。そこには俺と一緒にジーラが倒れていて……。そしてジーラは泣きながら……。父さんの遺体を抱き締めながら泣いていた。俺はジーラに駆け寄ると、俺達を見たジーナは「お兄様……。」と言うも、すぐに顔を反らすも、ジーラはそのまま大泣きをしてしまうのであった。
そして……俺は、この人達を救えて本当によかったと思う。そして……その後、神太郎から俺の事を聞いているというジーナが……。俺のところにやってくると……俺に膝枕をして、「ありがとう……。お父さんを生き返らせてくれたんですね……。それに私のお母さんの事も助けてくれてありがとうございます!それと……。私がいけないんです……。私達はお父さんの事が心配だっただけです!決してお父さんの言う通りにしなかったわけじゃないんですよ!お父さんがいつも言うことは正しいと思っています!お母さんのこともそうです!」と言ってくれていたのである。俺と神太郎は、このジーラと言う人の話を聞けば聞くほど……ジーラと言う人の良い人間なんだなと思ったのだ。
それから、俺達が話し合っていると……。
突然……空から巨大な火の玉が出現して……この世界を包み込んだのだ……。そして……ジーラと俺が炎に包まれてしまい。その熱さに悶絶すると……その炎が突如消えたのである。そして俺達が見つめるとそこには……。黒い甲冑を着た……悪魔族の騎士が立っていたのだ。「ふふ……。我は暗黒騎士である!お前は誰だ?勇者か?まあいい!どちらにせよお前の命を頂こうか!」と言うと……。神太郎が、神刀を振りかざし斬りかかっていく。「お前の相手は僕がしてやろう……。」
「勇者如きが生意気な!!」と言うや否や神太郎の攻撃を交わし、神太郎の懐に入ると神太郎を吹き飛ばしたのだ。
「くそぉおお!!勇者殿には指一本触れさせぬぅう!!」と言いながらも。俺は『神剣 聖剣の宝刀』を構えて。俺も戦いに参加しようとすると…… その神太郎が俺に……、
「君は僕と二人で戦うぞ。君ならあれくらいの奴ならなんとかなるはずだ……。君の実力を見せてみろ!僕は手出しはしないが……フォローぐらいはしようじゃないか。任せたよ。頼んだよ!」と言ってくれると、俺の後ろに回って援護してくれていたのだ。
そして俺はその神太郎が守ってくれているのを確認すると、その黒鎧の敵に向かい合ったのだった。その敵と向き合うと……。俺は何故か心がざわつく感じになった。そして俺はその感覚に違和感を覚えたが。今は目の前に対峙しているこの敵に勝つためにも。この気持ちを無理やり抑え込み集中する。俺の目の前にいる敵は、その大きな斧を手に持ち構えている。そして俺は、相手の動きを警戒するようにジッと見据えていたのだが……。
そして俺は……自分の体に起きている変化を感じていた。それは……俺の心の中が凄くうねりを上げて動いている感覚がしていたのだ。
それは、自分の体がまるで自分のものじゃない感覚に陥ってしまい。その自分の体なのに自由に動かせないような感じになっていたのである。しかし……そんな事を考えている暇はない……。なぜなら敵はその斧を俺目掛けて振り下ろそうとしてくるのだから……。俺もそれに合わせて自分の剣を構えると…… その敵に向かって一気に走り出す……。敵の動きは素早い。だが今の俺にはスローモーションで見えていたのだ。敵の振り下ろしてきた攻撃に対して…… 俺は敵の攻撃を最小限の動きで避けながらすれ違いざまに切りつけたのだった。そして敵が怯んでいるのを見て追撃をかけるべく再び敵の方に振り返るが。
そこにいるはずの敵の姿がなかったのである。敵は既に体勢を整えて、また俺に向かって攻撃を仕掛けようとしていたのだ。その敵の姿を見て……。なぜか恐怖を感じたのである。それは、今までの敵とは違って……。本能的に感じた事なのかはわからない……。そして俺は……。咄嵯に……
「危ない!逃げて下さい!」と叫んだのだ。その声にジーラが驚いていたが。俺の警告に反応して、そのジーラを庇おうと……。俺に背を向けたまま両手を広げていたのだ。その時……突然俺の胸元辺りから眩しい光が発生し……。目の前にいた筈の敵は……いつの間にかいなくなっていたのだ。俺は目の前で起こったことが何が起きたのかわからなかった。すると神太郎が「やったのか?いや……。まさか……あの程度の魔物で……。しかも、あんな小物では……いくら何でも……おかしいな。それにあの光は何だったんだ?」と言っていたのだ。
俺はその光が発した場所に近寄って行くと……。その場所でジーラの父親が亡くなっていたのである。俺は慌ててジーラの元に戻ると……。
俺はジーラの亡骸を見つめて、呆然としていたが……。
俺は涙が出そうになったので……堪えたのだった。その様子を見つめていた神太郎とジーナと……その光景を見て泣き出してしまったのだった。
その日は……、魔王を倒した喜びなどなく。俺は悲しみに満ち溢れていた……。俺がもう少し……早く着いてさえいれば……助ける事ができた命だったのかもしれないと……。俺は自分を責め続けていた。
それから……俺達は魔王城を出て……。国に帰ることになった。ジーラとジーラの父さんの遺体を連れて……馬車に乗り込み移動する。
「勇者様!ありがとうございます!私達の国のために魔王を倒せるのも、全ては貴女のおかげです。本当に感謝しています! しかし、貴方様達はどうなされるおつもりですか?」と聞くと。
「えっ!?あははっ!僕達はこのままこの大陸を離れようと思います!」と笑顔で言うと……。
ジーラも続けて……。
「私達は元々冒険者ですからね……。依頼をこなしたらすぐにでも出発しますよ」と言ってきたのだった。俺はそれを聞いて……。やはり俺は……あの人が忘れられないと悟った瞬間であった。俺がジーラと話すと。神太郎に…… 神太郎は俺の方を見ると……、「君は……ジーラさんと一緒に行かないのかね?まぁ無理に引き留めるような事はしたくないけど……。ただ……。君はそれでいいのかい?」と言われてしまう始末……。そしてジーナにも……。ジーナは、「私はお兄ちゃんの味方だよ!だから……。私はいつでも一緒に行ってあげるよ!だから気にしなくて大丈夫だよ!」と言われたのだった。俺は神太郎の言葉の意味を考えながら……、俺の考えが纏まらないうちにジーラは……。「私はお兄ちゃんと一緒に居たい!だからこれから先どんな事があっても……。私のそばにいてくれるよね!お兄ちゃんがもし離れていくというなら……私も付いて行きます!」と言って抱きついてきたのだ。
俺はそんなジーラの頭を撫でると……
「わかった!一緒に行こう。だけど、俺はもうジーラに守られる存在じゃない!ジーラを必ず守り抜く!それが……俺の生きる意味になるからな……」と言って微笑んでいたのだった。そして……、ジーラが……
「うん!ありがとう!嬉しい……。本当に大好き……。」と言ってキスをしてくれたのだった。
俺はこの日からジーラを恋人として意識するようになったのだった。
その後、俺達3人は……、神太郎達に見送られながら、この大陸を離れる事になった。そして俺とジーラは馬車の中で……お互いに寄り添いながら座っている。ジーラの手を握るとジーラが手を握り返してくれた。俺はそんな幸せを感じながら……。神太郎に言われた言葉を思い出していた。神太郎は俺に……。
『勇者殿……、君はまだ気づいていないだろうけど。君はね……。勇者であり。女神の力を受け継ぐ人間でもあるんだ。つまり君は特別な人間だ。そんな人間がいつまでも、何もできない子供のような君じゃ……。いずれ後悔する事に成るんじゃないかと思うんだよ。まぁ僕としては。この世界を救ってくれれば、僕の用事は終わるからね……。だからね。君は君の思うがままにすれば良いと思うよ……。』と言うも。俺には、その意味が全く理解できなかったのだ。
俺は今……俺達が暮らしている国の王様が居る城に呼び出されていた。その城はこの大陸で一番大きく。豪華絢爛な城であると誰もが口を揃えて言っていたのだ。そして……城の謁見の間で……。俺と神太郎は……。この国の女王の前に立っていたのである。女王は、美しい金色の髪を持ち。透き通るような肌をしてとても美しい人であった。しかし……。俺の目の前に立つこの女性が、本当の姿だと思えなかったのである。俺は目の前の女性の顔を見ていたら、なぜか見覚えのある女性の顔に見えてしまったのだった。その事に俺が戸惑っているのが、わかるのだろうか?神太郎は、目の前に座っているこの国の女王に話しかけていたのだ。「陛下、今日は急なお呼び立てをしていただきありがとうございました。実は……。勇者の件について……。」
俺は……その言葉でハッとしたのであった。俺は……。なぜ今までこんな簡単な事も気付かなかったのだろうと……。俺は自分の無能さに呆れてしまいそうだったのだ。神太郎と神太郎の隣にいる俺を見ながら……。神太郎の話に耳を傾けていたのだ。神太郎が話をしている最中も俺は、ずっと神太郎を見つめていると……。何故か不思議な感じがしてならないのだ……。そして……俺が、神太郎の事を見つめていると……。神太郎が俺を見つめ返してくる。俺と神太郎の視線が重なると……。俺の胸の鼓動が高まってきた。俺はそれを悟られまいとして目を逸らすのだが。何故か……その事で頭が一杯になりつつあったのである。俺が自分の考えにふけている間に……。神太郎は目の前の女の人と話し合っていたのだ。そして……。話がまとまってきたようで……。その話のまとめに入ったようだ。その前に……。俺はどうしても確認しなければならない事が有ったのである……。そして俺は目の前の人に問いかけたのだ。
俺は自分の疑問を口にしたのだ。
「あなたは……もしかして……初代様ではありませんか?それと……あなたが話をしている相手は誰なのですか?」俺は……。恐る恐る……。目の前の人と……俺達を呼び出したであろう目の前にいる女性の顔を見比べたのだ。目の前の人物は、長い髪の毛をしていて、綺麗な白い肌をしていた。俺はそんな姿をした人物を今まで見た事が無かったのだ。だから……確信はなかったが……。
そして……俺は目の前に立っている人を見ていると。やはり何か違和感を感じたのだ。その女性は……少し困惑しながら……俺に返事をしてきたのだ。
俺とジーラは馬車で、魔王が統治していた大陸を離れ……。新たな旅に出ようとしていた。俺達は今……森の中にテントを立てて休んでいるところだったのだ。するとジーラは俺の側に寄ると……。いきなり抱きしめて来て……「私を置いていかないと約束して!私がお兄ちゃんを守るから!絶対離さない!」と言ったのだった。俺はその言葉を聞いて、胸の辺りに温かさを感じながら……
「わかった!ありがとう!ジーラ!これから先もよろしく頼む!」とジーラに言ったのである。
俺はその日を境に、ジーラと恋人になったのだ。俺は、この世界の人達を守れなかった。ジーラのお父さんを助けることができなかったのである。だからせめて……、ジーラを悲しませないようにしたいと思っていた。
それから数日後、魔王を倒した報告をするために……。ジーラの生まれ育った王都に向かって移動を開始する。
そしてジーラの生まれ育った街が見え始めた時……
「お父様が生きていた頃に住んでいた村も、今はなくなっているわ……」と言ってきたのだ。俺はその言葉を聴き、俺はジーラに何て声を掛けたらいいのか分からなかったのだ。そして、俺はその事を神太郎に相談することにした。神太郎は、「う~ん……。それはそうだな……。君は……ジーラさんのお祖父さんと会ったことあるのか?」と聞かれたので、「ないけど……。」と答えると……。
「それならば。ジーラさんのお祖父さんは……。君の力によって命を落とした。君の責任じゃないよ。それにその事は君が魔王を倒してくれたおかげで解決したのだから。」と言うのである。
俺は神太郎の言葉を聞いて、改めて……俺の犯してしまった罪を噛み締めたのであった。そんな俺に神太郎は続けて言う。
「君が気にする事はないよ。それより。ジーラさんの事を守ってやらないとな……。僕も手伝わせてくれ!」と言ってくれたので。俺達は、王都に向かい歩いて行くと。
魔王軍四天王を倒した時の勇者だとわかってか。街の人が次々にお礼を述べにくるので。ジーラは、恥ずかしくて俺の後ろに隠れていた。俺達はお礼を受け取ると。宿屋に行き、魔王討伐を報告して、褒美を受け取った。そして次の日に、神太郎と俺は王城に呼ばれたのである。そこで神太郎は……、俺と別れて……。この大陸を発つと言い出したのである。神太郎は……俺が心配なのか?ジーラを連れて、神太郎は……。
神太郎は……俺が魔王を倒すと、勇者の称号を手に入れ、そして女神の力を引き継ぐことになったらしい。
俺とジーラは神太郎から聞いた言葉に、驚きを隠しきれない様子だったが……。それでも俺は神太郎に、「神太郎は、この世界で、やりたいことが終わったら……。俺達と一緒に来ないか?」と聞くと、「はっはっは!面白いことを言う奴だ!俺はもう勇者じゃないし。俺の役目は、終わった。まぁ俺もこの世界に興味があるから。暫くの間。俺の事は気にしないでも大丈夫だ。俺は自分の好きに生きていくよ。お前らは、早くジーラと恋人同士になりたいだろうし。俺が居なくても平気だろうしな!」と言われてしまったのだった。
俺達は神太郎と、この国に残るというジーラを残して……。この国を離れる事になった。そして、この国を出るとき、ジーラは神太郎と涙を流しながら抱き合っていたのであった。
俺達が国を出た後、俺達が向かった国は、魔族に占領されてしまった国の近くにある森で野宿をしていたのである。そして、その日の夜に、俺は寝苦しさで目が覚めたのだ。
すると、誰かに体を弄ばれていのだ。そして……
「はぁー。気持ちいいわ!最高!もうこの人から離れられない!」と言われて……、突然の出来事に俺は混乱していたが、何とか我に返り、体を動かそうとしたが……、何故か全く動けずにいる。すると、俺の目の前に裸のジーラが現れたのである。
俺は……どうしてこんな事にと……思っていたら……。ジーラが……
「もう離れたくないの……。私は、もう貴方なしでは……。駄目になってしまったみたい……。」と言ってきた。
俺は目の前の女性を見て思った。この女性が……。ジーラであってほしいと思ったのだが。ジーラは、見た目が完全に成人女性であり、俺と同年代くらいの姿なのだ。俺の目から見て……どう見ても……。10代にしか見えないのであった。
俺はジーラと恋人になってから、1週間が経過したが……俺達は今。港町にある宿屋で部屋を借りている。
ジーラから……一緒に住みたいと提案されたのだが、まだ俺達の住んでいる所では、恋人同士の関係に有る事が認められていない為、この国の法律が変わらないと……この国の人と結婚は出来ない。俺は、その事は分かっていたのだが……。俺はジーラの願いを聞き入れることにしたのだ。
俺はジーラと一緒に居る時間が増えてから……少しずつだが……俺はジーラの事を本当に愛しているのだと実感したのだった。俺は、この世界に来てからは……恋愛というものがどういうものか忘れてしまっていたような気がする。俺はジーラの事を大切に思い始めていたのだった。
ある日の事だった。俺が目を醒ますと……なぜかジーラが隣に眠っていたのだ。俺はその光景を眺めていたのだ。ジーラの寝顔が可愛らしく見えてきて……、思わずキスをしてしまう。
そして、その行為が終わると、俺は、ジーラが起きるまで……、じっと見つめていたのである。
ジーラは、俺がキスをした事に気づいたのか?少し顔を赤らめながらも、笑顔を見せてくれたのだ。そのジーラの顔があまりにも魅力的だったから……。俺は、我慢が出来なくなってしまい……。ジーラの体に覆い被ってしまったのだった。俺は自分の欲求を満たそうと思い。行動に移ろうとしたら……ジーラは抵抗をせず。逆に……俺を受け入れてくれる。そんな事をしてるうちに……俺は、ジーラに溺れてしまうのだ。俺も……こんな感情になるなんて思ってもいなかった……。そして……、ジーラの体に夢中になっている自分に……驚いたのである。それから俺達は恋人同士として……毎日を過ごして行ったのだ。ジーラと過ごす幸せな日々は……いつまでも続いていくものだと思い込んでいた。そんなある日の事である。俺はいつものように、ジーラが目を醒ますのを待っていたのだ。しかし……いくら待っても……、ジーラは目を醒まさなかったのだ。
それから数日経っても、ジーラが目を覚さないのである。俺は不安になっていたのだ。もしかして、このままジーラは目を覚まさないのではないかと…… 俺は不安になってしまっていたのだ。そして、そんな時に、俺に神様から連絡が来たのである。その内容は……、俺は、勇者の力を受け継ぐ事になり、俺に何かあれば、ジーラが死んでしまう事を聞かされたのだ。俺は、その話を聞いた後……俺は、すぐに、俺の側にいてくれている女神に会いに行ったのだ。
俺が急いで神殿に行くと……、女神は、何か考え事をしていたのか……俺には気づいてなかったようだ。
「あ……お主か!今日は……、お主なにようか?」と言われて……。
「ジーラを助けたい!力を俺にくれ!」と言うと……、「何を言っておるのじゃ……。わしにもどうする事も出来ぬのじゃぞ!あの女を助ける事は、今のお前の力では不可能なのじゃ!諦めるのじゃ!これ以上の無茶は許さん!」と言われたのだ。俺はそんな話をされたので、何も言えなくなってしまったのである。
俺は……。ジーラが目覚める事を祈るしかなかったのだ。
俺はジーラに会えるなら何でもしようと思い。ジーラを蘇らせる事が可能な存在がいるかもしれない場所に向かったのである。俺はその場所に向かうと……。そこは、死者の国と呼ばれているところだ。その国に……死の女神という女神が居ると噂されていたのである。俺はその噂を確かめたかったのだ。俺は……。死の女王に会うために、死者の大陸に入っていったのだった。俺は、死者の都に辿り着くと……早速俺は……死の女神様を探し始めた。そして俺は遂に、死の女王様を見つけることが出来た。
「私がこの国の死を統べる者だ。貴様は一体誰なんだ?何故この国に来たのだ?用件を聞こうではないか。」
俺の目の前に現れたのは、見た目は完全に人間に見えるが……、俺と同じ様に白い髪と黒い瞳をしている。
「俺は……勇者のタロー・ヤマダです。俺にあなたの力を貸してください!」俺はそう言うと、俺は頭を下げて頼んだ。
「はぁ……。勇者ね……。この世界に勇者が誕生したとは聞いてはいたが……。本当なのだろうか?」と聞かれたので。
「はい。あなた方死神族の力が必要なんです。お願いします。どうか力を貸してもらえませんか?」
俺は真剣に話を聞く姿勢をとっている彼女に……。俺は、事情を話し始めるのである。俺の話を聞き終わった彼女は……。
「話はわかったが……。勇者よ。悪いが私は……。勇者の力を受け取る事は……。断る!」と断られてしまったのである。
そして、その理由は、私はまだこの世界の為に死ぬつもりは無いからだそうだ。
「私は、この世界が嫌いなのだよ。私の大事な者達を奪ったこの世界を私は壊したいのだ!私は……こっちの世界の者が羨ましい……。寿命が無い私と……愛する者と添い遂げる事が出来る人間が……。私は嫉妬しているのだ!そして憎んでいるのだ!私は……。」
「それでも!頼む!ジーラだけは……。あいつだけは!何としても救いたい!どんな事をしても……!」と俺が懇願すると……。目の前の女性は、「どうしても……。と言うのであれば。私の夫に頼みなさい……。この国の王だから……。王ならば……。必ず答えてくれるはずです……。でも、条件が有ります……。この国の住人全員を救うことを約束してもらいましょう……。私は、全ての住人に恨みを持っていますから……。貴方達だけ助けて貰おう等と……都合のいいようにいかないので……。」と言って来たので……「約束する!絶対守ると誓う!」と俺は、彼女に伝えると…… 彼女は…… 少し微笑んで、「分かったわ。それでは勇者よ。この剣を受け取りなさい……。この剣は……。私の愛する者との絆でもあるのよ……。その剣を使えば……。あの子の魂が眠っている場所に行けるはずよ……。その先に……きっとあの子はいるはずだわ……。あの子を……。救ってあげて……」と言った後……
「それと……これはおまけで教えて上げるけど……。死者の都からこの国に入る時に通った門の近くにある……祠の扉は開かないわよ。その前に……私の許可証を手に入れておきなさい。その方がスムーズにこの国に入れると思うから……。後……その国の門は……夜の間は閉ざされるわ。気をつけてね……。それと……、勇者である貴方が、死んだ場合……、ジーラも……死ぬ事になるので注意するのよ!もしこの国が気に入らなかったら……。その時はまた来ればいいわ!いつでも歓迎してあげるから!」と俺に言い残し消えて行ってしまったのである。俺はその後……ジーラを助けようと……。ジーラを救いに死者の都を出て……。
死者の国から出た俺は……。ジーラを救うために……。俺に力をくれた女性の言っていた事を実行するために……。ジーラを助ける為に……。まずはこの国の王様を説得するしかないと考え。この城に乗り込んだのだ。
俺は城門の前に行くと、俺は……この城の門番をしていた兵士達に取り押さえられたのだ。俺は必死に抵抗しながら、国王と面会できるようにと……。必死に訴えた。そんな俺に対して、一人の兵士が……「そんな事より……。貴様!勝手に入って来るとは無礼者め!早く出て行くがいい!さもないと……。この場で殺す事も出来るのだぞ!」と言われてしまう。しかし、俺は引き下がる訳にはいかなかったのだ。俺は……。この国の人達を助ける事が出来ないと分かっていたのだが……。せめてジーラだけでも助ける事が出来るのではないかと……。考えていたのだ。そんな事を考えている俺の姿を見て……その兵士は……、他の仲間と相談を始めると……。暫くして……一人の男が近づいて来て、話し掛けて来たのだ?。
「貴様は……一体何が目的でこの城に入ってきた?目的はなんだ?返答次第によっては命は奪わないでおいてやる。素直に白状しろ!」と言われて……。俺は嘘をついてもこの場を逃げられる状況じゃないと判断して……正直に話す事にした。俺はジーラが魔王の手によって殺されそうになってるから……。ジーラだけでも助けて欲しい事をその兵士に説明すると、最初は、信じられない様子だったが…… 俺の目を見た後……その兵士が……。「もしかするとお前は……勇者殿ですか?もし本当にそうなら……失礼な態度を取ってしまい……。申し訳ありません。まさか、本当に本物の勇者殿だとは……。今すぐ案内致します。この国を救った勇者殿を疑ったとあれば……。私は、処刑されてしまっても仕方のない立場に居る人間です。どうかご勘弁下さい……。どうかお願い致します。」と言われて……、俺は、やっと理解してくれたのだ。そして俺は……、城の中に通されたのだ。そして、玉座の間に連れてこられて……。そこに座っていた男性の前で俺は膝間づいて……。「勇者様をお連れしました。陛下……。どうか……我々に力を貸していただけないでしょうか?」と言うのである。するとその男性は俺に話しかけてきたのである。
「貴公が……勇者殿か?よくこの国に辿り着けたな……?我が娘を……救ってくれるか……?貴公に……娘の命と……この国の民達を託せるか?頼む!ジーラを!ジーラを救ってくれ!勇者よ!」と頼まれてしまったのだ。俺はその男性の話を聞いた後、急いでジーラが居る部屋に向かって走り出すのであった。
俺は、急いで……死の女王に渡された聖剣を使い……、ジーラの眠る場所まで辿り着いた。俺は……ジーラの姿を見ると……。涙を流してジーラを抱き締めて泣き始めた。そして俺は……
「ジーラ……。目を覚ましてくれ!頼む……。」と言うと……、ジーラの目がゆっくりと開き始める。そしてジーラも俺に抱き付いてきて……。
「タローさん!会いたかったです!」と言ってきてくれたのだ。俺は、そんなジーラを見て涙が出そうなほど嬉しかった。しかし、まだ安心できる状態では無かったのだ。俺は、すぐに、ジーラに「今は大丈夫か?」聞くと、「タローさんに会ったお陰なのか……少しだけ体調が良くなりました。もうそろそろ……限界みたいです……。お願いします。タローさん!私のお父様とお母様が貴方が来る事を望んでおられます。私を連れていってくれませんか?」と言われたので……。「あぁ……。分かった。一緒に行こうな!」と言いながら…… 俺は聖剣の力で……死者の国の入り口に戻るように願うとその場所に戻ってきた。それから……死者の女王に会うための許可証を発行されてもらい…… 死者の国に入っていったのである。そこには、ジーラの両親の霊が待っていたのだ。そして……。俺は二人に会うと……。俺と一緒に死者の国に入っていく事になったのだった。
俺達は、ジーラの家族とジーラに許可書を発行してもらった事で……。俺とジーラと両親だけで入る事が出来るようになったらしいが……。この国の王や家臣は中に入れてもらえなかったようだ。そして……。俺達が死者の女王の元に向かったのだ。女王は、「この子達なら問題無いだろう。それに勇者は私の息子のような存在だからな!任せてみようではないか!それに……。私はこいつらの力を知っている。」と言って……。この世界の管理者権限を発動させ……。ジーラ達をこの世界に呼び寄せる事にしたのである。その光景を目の当たりにして……。両親は……驚いた顔をしていたけど、ジーラと俺は…… この女神の力を目にした事があるので特に驚くことは無かった。それから、死神族の王である夫がやって来て、「勇者様よ!この国は気に入らないかもしれないけど……。妻と子供達の事を任せる!」と言われて俺は……。
「わかりました!絶対に……守って見せます!」と答えたのである。それから俺は……、家族全員を生き返らせてもらえるように頼んだんだが……死神の王の妻は、それは出来ないみたいなんだが…… ジーラの魂がここに居ることで……なんとか出来るかも?って言っていたので。後は死神の女王の判断を待つだけだったのだが……。死神の女神の話では……魂は、死者の都の奥にある。祠の先に有るようだが……。この世界の住人は……。その場所に行くことが出来ないらしくて…… どうしたものかと考えていたのだが……、死神の女神様から「勇者様!その祠の扉を開けるのは簡単だよ!私がその扉を開けることが出来るようにしておいたから!それとね。祠の中にある。鍵を手に入れるのが大変なのよね〜!祠の中には色々と仕掛けがしてあってね!この扉の先に繋がる通路に有る扉も全て同じ鍵が必要なのよ!その事を頭の片隅に入れて置いてね!ちなみに祠の中は……。死者の都の人達には知られていない秘密の場所でもあるのよ!」と言っていたから。俺は……「分かりました!では……扉の前に案内してください!」と言って……。
死者の都で、ジーラのお母さん達を蘇らせる事が出来れば……。この国が救われる可能性が高いので……頑張らないといけなくなってしまったのだ!俺は…… そんな事を考えながらも……この世界での出来事が忘れられないで……。この世界をずっと見守っている事にしたのであった。
ジーラ達の魂が、死者の都の奥深くに存在する祠に向かう事になり、俺とジーラは……。死神の王の妻の案内で、その祠に辿り着くと、扉は簡単に開くことが出来たのである。中に入ると、奥の方に祠に続く階段が続いていたので……俺とジーラと母親の3人で向かうと……。
階段を降りた先に……一つの棺桶があったのである。その棺には……。名前が無かったのだ。しかし…… 俺は、《全知全能》を使い。鑑定すると…… この中には……死者の女帝が封印されている事が判明したので…… 俺は……この箱の封印を解く事にする。俺の聖剣の力を使うとあっさりと……封印は解けてしまったのだ。そして…… 死者の都を守る者達を蘇生させるために……俺のスキルを発動させると……。
俺の視界は暗転したのだ。気がつくと……俺達は元いた場所に戻って来ていて……目の前に居たのが……。この世界の管理者である……死の女王が居たのである。
死者の女王が、「ふむ……。死者を蘇生する事に成功したのだな。お前の力が本物だと証明されたわけだ。」と言うと……。俺は、「俺の力を証明したのはこの女神様のお陰ですよ!」と答えると……、死者の女王は「やはり、そうなのか!流石はこの女神の娘という事だ!この者ならば……この世界が滅ぶような事は起こらないだろう!この者ならば、私達も安心して眠りにつくことが出来そうだ。この者の家族も連れてくるが良い!今すぐ私の力を解放するのだ!早くしないと……死者達によって、この町が滅ぼされてしまうぞ!」と俺に言ったのだ。俺は、その言葉を聞いて……急いで、ジーラとジーラの家族を、生き返らせたのだ。
すると、死者の女王の身体が光の粒となって消えていき、それと同時に……。死者の女王の声も小さくなっていったのである。俺とジーラが死者の都を出ていくと、既に、外では戦いが行われていた。俺が「ジーラ……!お前は安全な所に避難しているんだよ!俺は……あの町の人を助ける為に行ってくるから……」と言うと……。「嫌よ!貴方を一人だけ危険な所に送り出すなんて……。私も一緒に行くわ!」と言われて……。俺は「わかった……。では、俺の近くにいるんだぞ!」と答えると、ジーラが俺の腕を掴み……そのまま、町の中心部の方へ歩いていくのであった。
俺が町の中心部に向かって歩き続けていると……ゾンビの大群が現れたのだ!俺は……。
「これは……かなりやばいかもしれん!とりあえず……戦うしかなさそうな雰囲気だが……俺は大丈夫でも、俺の大事な女性を傷つけられるのだけは絶対にダメだからな!」と言うと…… ジーラも「そうね……。私は貴方に守られてばかりだから……。今回はちゃんと自分の身くらい自分で守るわ!」と言ったのだ。俺は、「よし!じゃあ……俺は右を……。ジーラは左を担当しよう!それで、いいか?」と聞くと……
「うん……。それで良いよ……。だって……私と貴男は夫婦なのだもの!離れていても繋がっていると思うの……。だから……お互いの心を感じる事が出来るはずよ。今は……それが一番大切なことだと思うの。」と言われたので……。「わかった!それなら俺も全力を出せる!さぁ……来るぞ!」と言うと……。
俺は、聖剣を手に取り、敵に向かって攻撃を開始したのだ。しかし……俺は敵の攻撃を避けるのは得意ではない。しかし……避けるのを苦手なだけで、攻撃を防ぐのには問題は無いのである。俺は、相手の攻撃を受け流しカウンター攻撃を繰り出すことで確実に敵の体力を奪っていったのだった。
一方ジーラの方は……、剣の扱いに長けた人物だったので…… 一撃の攻撃力が凄まじく高い攻撃を連発していたのだ。俺達は、ゾンビの攻撃を防ぎながら、反撃も行い順調に数を減らしていったのだ。しばらく戦っている間に俺は、ゾンビの中にボスと思われる個体を見つけた。その個体は……。俺に対してかなりの執着心を持っているらしくて……何度も戦いを挑んでくるのだ。最初は、面倒なので、無視していたのだが……しつこく挑んで来たので、仕方なく……俺は相手をすることにしたのだ。
相手の強さはかなり強かったのだが…… 《死線》のスキルと俺自身の能力値の高さもあり。俺は苦戦することなく……。戦闘を終えると…… ボスを倒したことにより……、周囲のゾンビが全て消滅していくと…… そこに現れたのが……。この世界を管理する存在……死神の女神がやってきたのだ!女神の姿を確認すると同時に、ジーラが俺の背後に隠れる感じで怯えていたが……。死神の姫である女神を見て……。俺の傍に寄り添ってきたのである。そして……俺は……。
「この世界の管理者である死神の女神様がどうして俺に会いに来たのか教えてもらえますか?」と質問すると……。死神の女神は俺を見て笑顔で話しかけてきたのだ。
死神の女神様は…… この世界に召喚されてからの事情を知っているらしくて……。「お久しぶりです!私がここに来た目的は……。ジーラさんと貴男を……この世界に戻す事を許可してもらう為と……。もう一つは……私と……死者の女王を目覚めさせる事ですね……。」と言いながら、俺と俺の横にいる女神を見比べて、「ジーラさんにそっくりだから。すぐにわかりましたよ!私はこの世界の管理をしている死神の女神です!ジーラさんの魂を保護している事に関しては、私が許可しました!死者の女王に関しても同じです。彼女は私の実の妹だからです!それと……死者の王の魂を保護する事にしたのは……。実は……。この国を乗っ取らせないためなんです。死者の王なら……死者の女王の能力を制御できるかもしれないから。この世界を見守って欲しいとお願いしたのだけど……。死者の女王が……。「勇者と私の娘である勇者と息子とジーラがこの世界で幸せに暮らしている事がわかれば、大人しく眠りについてくれますから。」と提案してくれたので、ジーラさん達の家族は全員生き返らせることを条件で了承してくれました。」と言っていた。そして、死神の女神様が「ジーラさんは……。本当に勇者様に懐いているのね。それに……貴男がジーラさんに優しかったから、安心して眠ってくれてるみたいだし……。私と勇者様が話せるように……、死者の女王様を呼ぼうと思いますがよろしいですか?」
俺は……。死者の女王の事は、よく知っているつもりだ。この世界の事を誰よりも心配している事もよくわかる。ただ……。死者の女王は、ジーラを可愛がっていたし……。娘も大事にしていたが…… やはり……死者の国に封印されて……。ずっと孤独に暮らしていた。
ジーラは……、この国の人達から、ずっと嫌われていたので……。寂しがっていたから……。俺は……「えぇ……。構いません!死者の女王に会えるのでしたら……。喜んで引き受けさせて頂きたいのですが……。
俺の妻のジーラが……。俺の知らない所で苦しんでいる姿を想像するだけでも耐えられないので……。もし……ジーラが俺の元から離れようとしたら……。無理やり連れ帰って下さい!」と言うと…… 死神の女神は……。「了解しました!でも……きっと大丈夫だと思いますよ。死者の女王には、ジーラさんをとても可愛がっていますし……。何より……。この子もジーラさんと仲が良かったようですしね……。
この子の魂の保護は……。私がしてあげましょう!私は……死神の中でも上位の存在だから、出来るだけ早く……。ジーラをこの世界に連れて来れるように頑張ります!少し時間が掛かるかもしれませんが……。ジーラを……お願いします!」
俺は……。「はい!ジーラを……。俺の家族を連れて帰る為に……。俺は全力を尽くしたいと思っています。よろしくお願いいたします。」
そう言うと……。
俺は……《転移魔法》を発動させ……。俺の家に戻る事にしたのであった。俺とジーラは、家に戻ると、すぐに……。
ジーラの両親に、今まであった経緯を説明すると……。俺の両親の事を思い出したようで……。
俺が、父さんや母さんと同じだとわかったようだ。そして……母さんが「貴方のお父さんに頼めば、死者の女王と会うことも出来たはずなのに……。」と言うと。俺は「そうかもしれませんが……。俺の両親の場合は……この世界でも有名な冒険者で……。世界を救う事に成功した方々だから、忙しかったんじゃないかと……」と答えたのだ。そうして……俺は、リリィ達も呼び戻し……。死者の世界に向かったのである。
死者の国に到着すると……。死神の女神様は、リリィ達が眠っている場所まで行き。「皆さん起きて下さい!!緊急事態です!!」と叫んだ。その声に反応して、死者の王と女神の娘である死神の姫と……。俺とジーラと……リリィとユージは、目を覚まし……。皆で死者の女王の元に急いだのである。俺達は……死神の女王様と話をする事にした。死神の女王様の話を聞いているうちに……。どうも……。俺はジーラに似ていると思っていた理由もわかったのである。それは、俺とジーラの母親である。死神の王妃様が……。ジーラに似ていて可愛い女性だったかららしい
「あなたの娘がこの国に来たときに……。私が目覚めていたんだけど……。まだ小さかったけど……とても優しく接してくれたり。私が寂しがっていると……いつも会いに来てくれていたんですよ!だから、私はあの子にとても感謝していたんです!」と言うのだった
「そうなんですね……。」俺は思わず涙ぐみながら答えたのだ。そんな時も俺はジーラに優しくしていたんだなぁと思った瞬間……。何故か俺も泣きそうになった。それを誤魔化すかのように……。俺は「そう言えば……ジーラって俺の子供と遊んでいましたが?確か名前はミルキーでしたよね!?」と聞くと……。「はい!ミルキーは私にとっても娘のような感覚だったのですが……。あの子が産まれた頃……。丁度私が起きてなかった時に……、この世界では珍しく病気にかかり死んでしまったのですよ……。」と……。
俺は……。「そうでしたか……。それで、この世界で元気に過ごしていると聞いて、安心されたんじゃないでしょうか?」と言うと……。
死神の王女は……。
「私達は……。確かにミルキーが死んだ時には悲しい思いになりましたよ……。私達の子供達の中で、一番長く生きている子だったので……。私達は、他の国に行く事も出来なかったので……寂しい思いをさせてしまったのが申し訳なく思っています。」
俺は……。「ジーラにも……。妹が居たのですね……。」と言うと……。
死神の女王が……
「ミルキーさんとジーラちゃんを、間違えるはずがないじゃない!ミルキーさんの気配を……、ジーラちゃんが感じると、ミルキーさんを凄く嬉しそうに抱っこしてましたよ!」と言って笑っていたのだ。
俺は…… 死神の姫は、「ジーラさんのお母さんは、この世界の事を知ってたの?」と質問すると……。
死神の女王は、「えぇ……知っていたわよ!この世界に召喚されていた事までは知らないけど……。
この世界に危機が訪れることを察していたみたいで……
「私はもうこの世界にはいないかもしれないから。もしこの世界に危ないことが起こったら……。
自分の子供を守ってあげて!お願いだから。」
って、言ってくれてたのよ。私達は……。この国から離れる事が出来ないので…… 勇者達にお願いをしていたのだけれど……。
私達が動けない間に、勇者は行方不明になってしまい……。
この世界は大変なことになってしまったのだ。私は勇者に謝る事しか出来ない。本当にすまないと……。」と言うと……。ジーラが……。
死神の王女に「私が勇者の傍にいれば、このような事は防げたのかもしれません。私は……私に力がなかったから。私のせいで家族は殺されてしまいました。私の両親は私が幼い時に病死していますが……。弟がいたのです。私の父は、この国の国王の弟にあたる人物なのですよ……。私がこの世界で暮らしていた時のお友達も……。沢山殺されていきました。私の傍にいた人が、目の前で殺されるのを見ていることなんて……耐えられなかったのです……。だから……私は……。
家族と……お世話になった方と……。そして、大好きな人に、この世界に戻れと言われて……戻ってきたのに……。結局何も出来ず……。この世界が滅びてしまって……私の家族の仇すら取ることが出来なかったです。
勇者さん。貴方に会った時は驚きました。貴方から感じたのは……間違いなく……。
亡くなった父のオーラと同じものでしたから。」と言ったのだ。すると、死神の王が……
「私もこの世界に転生してからの記憶があるのでわかるのだが……。
この勇者殿のオーラとジーラの父親の魂はよく似ている……。勇者殿には、この世界で何かしらの役割があるような気がする。勇者殿にはこれから、この世界で起こる事を止めてもらいたい!どうか頼む!この国も勇者に助けて欲しいのだ!」と頭を下げたのである。すると……。
俺は……。「俺は……この世界の事を良く知っていないですが……。俺の大事な家族や……仲間を救ってくれてありがとうございます!この世界に召喚されてから……、ずっと平和が続いてくれたらと思っています!この国の王として宣言致します!俺の大切な人を守る為。この世界を滅亡させない為に……、魔王と魔神を倒してみせます!!」と言うと……。死神の王が涙を流して……
「有難う!本当に助かるよ。私達も全力で協力させて貰います。ジーラをお願いします。」と言い……。ジーラは……俺に抱きついて「有難う!パパ!」と言ってきた。俺はジーラに……
「大丈夫だ!俺がついているから。お前に危害を加えようとする者は俺が倒す!それに、リータや、ジーラの妹や、俺の両親も一緒だし。俺が必ず守ってやる!」
そう言って……俺は、妻達と一緒に……。死者の国で生活をする事になったのである。
俺は、死者の女王様の話を真剣に聞いていたが……。どうも納得いかない部分もあった。それは、ジーラとジーラの母親についてだ。ジーラの母親は何故自分の魂を連れてきてくれなかったのかと言う話と、なぜジーラの父親である勇者をこの国に呼ぶように言わなかったかである。だが、それを言うのであれば……。勇者の妻であり俺の母でもある死神の女帝さんだってそうだからである。母さんは、自分が生き返ることよりも……。母さんの息子を助けたいという願いの方が強かったらしく。父さんが生き返りたかったとしても断っていた可能性が高いと思うからだ。だから……俺にとっては、母さんが父さんを選んでくれた事に、とても嬉しく思っていたし……感謝をしている。だからこそ、母さんの息子である父さんも幸せになって欲しいと思ったのである。
父さんが生きていて幸せならば、俺も幸せな気分になる事が出来るからな……。まぁ母さんは、父さんより、先に死んだのが許せないという想いがあったのかもしれないけどね。
そう考えると……。俺は、ジーラの母親とジーラがどんな理由でこの世界に来たのか気になり聞いてみたのだ。
ジーラの母親も……。
「私が……この世界に来る前の記憶は殆ど無いけど……。
私も……。きっと誰かに命を奪われ……この世界に来たんじゃないかと、今更ながらに思うのよ。私が、最後に聞いた言葉……。
あの子が「ママ~!一緒に暮らせると思ったのに…… ごめんなさい!」という言葉を聞いたときに、あの子は…… 既に……。あの子の心は、死んでいたのかもしれないわ……。」と涙を目にためていた。その顔を見た俺とリリィとユージは……胸を締め付けられるような気持ちになっていたのだ……。
そして……死神の女王様は……俺の顔を見ると……「ねぇ?もしかして、貴方の父親は……」と言いかけたとき……。
俺とユージが、「違います!!絶対そんなはずない!!俺の両親がそんなこと絶対にしない!!あの二人は優しい人たちなんだ!!俺の両親の悪口を言うな!!俺は……。俺の父と母が……。」
と怒りの形相で言い放つと……。「わかったわ……。ご免なさい……。変なことを聞いて。貴方のお父様が生きていたなら…… 私達の国の民を救うのに協力してくれると思っていたから…… ちょっと勘違いしてたみたい……。私達は……。この国から離れることが出来ないのよ。
勇者と会うことも出来なかったから……。私達の国を救う為に戦ってくれる人を待ち望んでいたのよ……。
本当にごめんさない……。
そう言えば、私達の国に来てるミルキーはどうしている?」と聞くと……。
俺は「はい。ミルキーは元気に暮らしていますよ!」と答えたのだった。
すると死神の女王が……
「それを聞いて安心したわ!ミルキーは私達の希望だったのよ。私の娘なのに……。
何故か『無属性』の魔法が使えなかったのよね……。ミルキーは。あの子だけはこの世界に連れてくる事は出来ないってわかっていたから……。あの子にミルキーを託せて良かったわ……。あの子が元気な姿を見ることができて安心したから……。もう思い残す事はないわ。勇者さん!私はそろそろ消えてしまうでしょう……。でも……。貴方はこの世界で……この世界の人間ではないけど……。この世界で生きることを選ぶ事が出来ました。本当にありがとう……。」と言うと……。「お姉ちゃん……。私からも、本当にありがとう……。
私に力をくれたのがお父さんだと教えてくれたのも貴方です。私は、お母さんとミルキーの為に……。私の力で家族を守ってみせる!!」と言いながら……。涙を流したのであった。
「あぁ……死神の女王様……。本当に……お疲れさまでした……。」
俺はそう呟いた後……。死神の姫に話しかけると……「ジーラ!お前に会えて本当に嬉しいぞ!ジーラの事は、ジーラの母親や、ジーラの姉の魂に頼まれていたからな!ジーラを頼む!」と言うと……
「有難うございます。私もこの世界で生きていけるなんて思っていなかったから嬉しい!私はこの世界に来られて本当によかったと思っているの! だから……。私に出来ることがあったら何でも協力させてもらうよ!だから……私を頼ってください!」
そう言って……微笑んだのだった。
そして俺は、ジーラに……
「ジーラ……。これから……よろしく頼むぞ!俺もお前を大事にしたいと思っている。」
俺がそう言うと……。「こちらこそ……。お願い致します。」と言って……深々と頭を下げてきたのだ。
俺は、この国の王様と、死神の王と話し合いをした時に……。
俺の家族達もこの国で暮らすことを了承してくれているので、みんなでこの世界を守る為に頑張ろうと心に決めたのである。
そして……この国は死者の楽園として。ジーラは、死者の王妃様として……。死神達は……死者の王としてこの国を守り続けて行くと約束してくれたのであった。
死神の王から話を聞くことが出来てから数日が経過していた。
ジーラと、死神達は、この世界に転生する前まで住んでいた場所で、思い出の残っている場所があるようで。そこに行きたいと言っていたので。その場所へ連れていくと、涙を流しながら懐かしそうな表情を浮かべて眺めたり、お墓を作って、手を合わせて祈っていたりしていたのであった。そして……俺はジーラと二人で……死神の王女達が住んでいた城に行くことになったのだ。そこには……この世界での俺の仲間の人達の墓が作られていたのである。俺は、そこでジーラと一緒にみんなの墓石に手を合わせ、ジーラが、家族や、仲間の冥福をお祈りしていた。
ジーラが泣いているので……俺はそっと寄り添ったら、泣き止むどころか、余計に泣いてしまっていたのだ。
俺は、「どうした?悲しいのか?大丈夫か?お前が辛い思いをするなら、無理について来ることはないんだよ。俺はお前さえ居てくれれば……大丈夫だから……。」そう言うと……「いいえ!私も勇者様と同じです!皆んなが死んでしまったけど。私は今幸せだから大丈夫です!それに……。勇者様は、いつも一人で苦しんで……。
家族を亡くしてしまった時もずっと一人ぼっちで過ごしていて辛かったはずです!そんな貴方にこれ以上我慢させる訳にはいきません!勇者様に救われて。勇者様を支えてあげないと……私はこの世界にきた意味が無いのです! だから……。一緒にいさせて下さい。お願いします。」と言うと……再び涙を流し始めたのである。俺はそんな彼女を見守りながら……「分かったよ。俺が一緒にいてやる。一緒に頑張って行こうな!」
と、彼女の涙をハンカチで拭き取りながら、彼女を励ますように笑顔で言ったのである。
彼女は嬉しそうに俺の顔を見ながら、「はい!」と答えて……満面の笑みで応えたのであった。
俺はその後……。城の中を見て回ることになったのだが。
城の中にあった宝物庫で見つけたものがあった。それは……。俺が勇者をしていた頃に使用していたアイテムの数々があったからだ。その装備品の中には……。神獣であるフェニックス様の翼を模したと思われる羽の付いたネックレスがあったので、手に取ってみたが、全く身に覚えがなかったのだ。ジーラにも見せて確認してみたが、ジーラも首を傾げていたので。何か知っているかもと、不死鳥の女神様と、女神である死神の女帝さんに聞くと、二人は顔を赤くしながら……。恥ずかしがっていたのだ。そして、俺が身につけてと、渡してきたので、俺は言われるままに装備すると……俺の魔力が増大して。全てのステータスが上がっていたのである。
これはどういうことなのかを女帝さんに聞いたところ……。「貴方は、私の魂を救っただけではなく。ジーラの母親である死神の女王の命まで救って下さりました。だからこのペンダントは貴方専用となります。
これを装備している間。貴方はどんな怪我でも病気でも。この世界で生き抜く為には問題なく回復するでしょう。ただし。死を迎えるまでは外すことはできませんからね。この世界に来た時の事を思い出して欲しいんだけど……。貴方がこの世界に飛ばされたのは。貴方達がこの世界で死んだ後……。私があなた達の魂を呼び戻す為に使った力のせいで。あなたの体が崩壊しないように、魂の消滅を防ぐためにこのペンダントを着けさせたんですよ。
本当はね。この世界では死んだ人は生き返ることは出来なくて……。死んだ人は、この世界のどこかにあると言われるダンジョンの中で蘇るのを待つことになっているんです。
それで……。貴方とユージとリータの三人が。この世界に来る前に……。ダンジョンで命を落とした事は聞いていました。そして……。貴方達は、私を助けようとしてくれて。私は自分の身の危険を感じて……転移した先にたまたま居合わせた、ユージの両親を巻き込んで、この世界の別の場所に飛ばしたはずだったんですが……。貴方のご両親が……。あの三人の事を本当に大事に思っていたのですね。ユージのご両親がこの世界に来ていたからこそ……。この世界に来る前の事を覚えていられる状態だったのです。あの三人が生きていた頃の記憶がある貴方にだけ記憶が残るようになっていたのですよ。だから、ジーラの母親がこの世界に来れていたから。ジーラは、この世界で生きていたのです。でも……ジーラの母親は……。貴方達を助ける為の犠牲になり……。ジーラも……この世界に残ることを選んだからこそ。貴方達と一緒に旅をして、家族のような関係を築けたと私は思っています。貴方とユージと、ジーラの三人が家族のように過ごせた事は、私にとっても本当に良かったと思っています。本当に感謝しています。」
「そ……そうなのですか?俺もまさか。ユージのお父さんとお母さんに命を狙われた事が、結果的に、ジーラの母親や……。ジーラを救う事に繋がっていたなんて知らなかった……。俺がユージのお父さんとお母さんが俺に襲い掛かってくる理由を知らずに殺したと思っていたから……。だから……。俺の家族とジーラの家族との関係を良くするためにも。二人を助けたかったから…… 必死だったから……。俺の行動が間違っていなかったことに安堵したよ。あの二人が俺を殺すために……。俺に復讐しようとしていたとは夢にも思わなかったから……。」と言うと。死神の姫は……。
「えっ?あぁぁ!そ……それに関しては……実は違うと思いますよ! 多分なんだけど……。勇者さんの家族もそうだと思うのだけど……。貴方に殺される事で。あの人達の目的は果されていたんだと思うの。」と言うと……。俺は死神の女王の方を見た。すると……。死神の女王が口を開いた。
「そうです。貴方は知らないだろうけど……。勇者である貴殿に殺されることによって……。私達も、貴方が家族に殺されてしまうことで。貴方の魂も解放される事が約束されているから。貴方は私達を殺してくださって構わないのですよ。ただ……その事は貴方がこの世界で家族を得て……。家族の為に戦ってくれている姿を見てから決めてもいいかなと思ったから……。黙っていたんですけど。やっぱり……家族のために戦うと言ってくれた勇者様を見て……。家族がいる勇者様に殺してもらう方がいいかもしれないって思ったのよね……。でも……。本当に家族の為だけに……この世界で生きる道を選ぶのなら……。私達のことは忘れてほしい……。」と言うと。死神の女王の目から涙が流れた。それを見ていたジーラは、涙を流しながら……。「ダメだよ!そんなことを言っちゃ!お母さんや……お姉ちゃん達が死んで……。
みんな悲しかったはずなのに……。みんなが私に……。「家族を守って欲しい」って言ってくれたから!みんな私にこの指輪を託してくれたんだ!だから……。絶対に諦めない!お父さんやお母さんが残してくれた大切な物を守るの!」と言うと。死神の女王もジーラの言葉に泣き出してしまった。
そんな二人の様子に俺は……
「俺は……俺達は……。家族を失う悲しみを知っているから……。だから……。家族を失いたくないと思っているから。だから、ジーラと同じような立場になったら……。同じように行動をとると誓う!俺がこの世界に来られた理由は分からないけど……。俺はジーラに会えてよかったと思っているし。今はこの世界を守れる存在になりたいと思っている!だから……。俺がこの国に住む者達が平和に暮らせるように頑張ろうと考えている!俺と一緒にこの国で暮らしてくれないだろうか?」
そう言うと……二人はお互い顔を見合わせたあとに……。俺に笑顔で……。「はい!これからよろしくお願いします。」と言って……。お互いに手を握りしめて。喜びを分かち合っていたのであった。
その後、俺は……ジーラに案内されて……城の外に出る事になった。城の周りは、綺麗に整備された庭園があり、とても素晴らしいものだったのだ。そこには……たくさんの花々や……色鮮やかな植物などが植えられていて、まるで、異世界に来たばかりの頃に見た光景を思い出すかのような美しい景色が広がっていたのである。俺がそんな感動をしているのを知ってか、俺の手を引いて、歩き出したのだ。俺もそんな彼女に引かれながら、ゆっくりと歩を進めて行くのであった。そして……。城の入口に到着するまで、俺は、ジーラに色々な質問をした。その中で分かったことがいくつもあって、俺は驚いたのだ。まずは……この世界は『地球』というらしい。これは女神様である女神さんから聞いていた話だったので驚かなかったが……。ジーラは、死神の一族として、死神の力を使いこなす事ができ。この世界でも最強の存在だと言っていたのだ。死神の一族とは、俺の世界では死神と呼ばれ恐れられている存在で。この世界には本来いない存在だとも言っていた。死神の一族とは、神に仕える神官でもあり。死者を弔う役目も担っているらしく。俺の元いた世界にもいるような神様に仕えている一族なんだとか……。しかし、俺が住んでいた日本では……。死神などは存在せず。死んだ人は天界に行くと言われているが……。この世界では基本的に、死人はダンジョンの中で復活するとのことだった。この世界の住人の殆どはダンジョンの中に潜ってレベルを上げるそうだ。そこで、俺は……自分が元勇者であることを話し。この世界の事について詳しく教えてもらうことになった。
そして……。この世界の事をある程度把握した後で、俺はジーラと共に城を後にして……。町に向かうことにしたのだ。俺はジーラと手を繋いで……。町の門を目指して、城から離れることになるのだが……。ジーラと手を繋いだ際に。何かの違和感を覚えたのだ。何かが頭に引っ掛かるのだ。何か大事なことを忘れているのではないかと思いながら、その引っかかる感覚に首を傾げていたのである。俺とジーラが門の付近までたどり着くと。そこには、門番らしき人がいて。何かの手続きを始めていたのである。
すると……その門番さんに声をかけてきた人がいたのだ。それは、死神さんと同じ格好をしていたのだが。死神さんとは違い……。真っ白なローブを身に付けた。死神さんのような仮面をつけていた。そして……俺には見覚えのある姿だったのだ。俺は咄嵯に鑑定スキルを使ってみた。
(ステータスオープン)
名前:ゼクスター
性別:男性
年齢:50代前半(肉体年齢10歳~60代前半?)
種族;神獣
職業;死神 LV :1000000
HP ;9999億/ 9999億 MP ;99,961万/100,1000 EXP 100/100 ランク :SSS+
称号 :大賢者
装備 武器 :魔剣・デスブレード
防具 :黒死蝶のドレス
装飾 :不死鳥の女神のネックレス スキル一覧表(2章終了時まで公開できるスキル)
【固有能力】1・死の支配者Lv5 2・アイテムボックスLvMAX 3・解析者 Lv6 4・偽装解除(神の瞳Lv7限定機能の隠し事を強制的に開示することができる)5 6・気配感知LV5 7・気配遮断LV5 8・魔力操作LvMAX 9・瞬歩 10・剣術LV8MAX 11・身体強化魔法Lv4 12・空間跳躍
※現在使用不可131415161718 【特殊能力】
13・時を統べる者 14・時空転移 15・時渡り 【通常能力】
40465787788910111……なっ!?俺と全く同じ……しかも、ステータスのレベルが99になっている……。もしかすると……。この人も……『死神』なのか?俺が戸惑った表情で死神さんの顔を見ていると……。彼女は、俺が誰であるか気がついて。俺に近寄ってきたのである。
俺は警戒心を抱きながら……彼女をじっと見つめると……彼女は突然膝間づいたので……。慌てて声をかけたのである。
「ど……どうしたんですか?一体何があったのですか?」と言うと……。彼女から……。
「はい。貴方様が勇者様であることを思い出したのでございます。申し訳ございません。貴方様の事は……。貴方様の記憶に鍵をかけられて、封じられていましたので……。私共も今の状況までは把握しておりませんでした」と言うと、俺は驚きながらも……
「あっ!それでさっきの感じがわかったよ。でもね!今は勇者の力は封印されていて、使えないんだよ」
「そう……なのですか?でも、私は、記憶の解放と同時に……魂に刻まれていますのよ」と言うと……。彼女がいきなり立ち上がって。自分の胸の真ん中に手を当てて。
呪文を唱え始めると……..。黒い光が放たれたのである……。そして……しばらく経つと……そこには……。俺を転生させてくれたあの女の神様が現れたのだった。俺はビックリして腰を抜かした状態で座り込んでしまうと……。あの女神様は、死神さんと話をしている。そして、死神さんは……。俺に謝ってきて。俺はどうしてこんなことになったのかを聞くと……。死神の王女様が、「貴方に殺されたことで……あの子は解放されたのです……。あの子の名前は……あの人の生まれ変わりなんですよ……。だから……。私達一族の最後の生き残りとしてあの子に……『勇者』の力を渡したのに……。まさか貴方があの子を倒せれるなんて……。本当に信じられなかったわ」と言ってきたので……。俺は困惑してしまった。確かに、この人は、前に俺を殺しにきた人だった。俺は殺される直前まで意識があったので……。その時の事が蘇ってしまった。そんなことを俺が考えていると……。
死神の王様は……俺に向かって話しかけてきたのであった。
「私達は、勇者様のおかげで、救われました。私達が、死神一族を救ってくれて……。ありがとう」と言うと……俺の手を両手で握ってきたのである。
俺達は死神の国で……。死神の一族が住んでいる町にたどり着いた。そして、その町を俺達が歩いているのだが……。死神の町なのに、活気に溢れているし。皆が幸せそうな表情をしているし。町は綺麗に整備されていて、俺の住んでいた場所と大差ないくらい、とても素晴らしい町並みになっていたのだ。そんな俺の様子を見たのか……、一人の男が近づいてきて……、
「もしかして……あなたは『山田太郎』様ではないのですか?私です。『ゼクスター』ですよ。お忘れになってしまったでしょうか?」と言われたのだ。
「あっ!はい!俺は『山田太郎』と言います。もしかして、死神族の王都に居た人なんですね?」
「はい!私は『ゼクスター』でございます。今は、この町の町長をやっておりまして、この度は……。貴方様にお願いがあって、こうしてやってまいりました。どうぞよろしくお願いします。」と言われて、俺の手を取って、握手を求められた。俺もゼクスターの手を取り、お互いに手を強く握り合った。それから、ゼクスターが話してきた内容だが……。俺を元の世界に戻すためには、俺と縁のあった人が持っていた『女神の書』が必要になってくるのだとか……。俺は、俺の持っている女神の書に何かが書かれていたのかと思いながら確認しようとすると……ゼクスターは……「女神さまの書物については存じ上げておりますが……。その女神の書は、『この世にあるべきではない本』であり。存在してはならないものです。ですので……。本来なら貴方様のいる場所には本来あったはずが無いも物だと思われるので……おそらく、この世界に来る時に紛失してしまっている可能性が高いと思われているのが現状だと思うので……まずはこの世界のどこかに存在するはずの女神の書を……貴方様の手で探していただければと思っております……」という返事をくれたのだ。
その話を聞いた俺は、それならば……。まずは俺の仲間を探すために、仲間が居るはずの国を探してみようと思うと告げたのだ。俺はゼクスターに感謝を告げた後に、ゼクスターと別れると……町の中を探し回る事にした。そして、探し回る事30分位だろうか……ようやく一人の少女を発見する事ができたのだ。俺は少女に近づくと、声を掛けようとしたら。その女の子が突然走り出してしまい……。俺から離れていくと……、後ろから、フード付きマントを付けた人が走ってきたのだが……。その人が、いきなり、俺の方に攻撃してきていたので……咄嵯の判断で俺は剣を抜いて……。相手の攻撃を防御したのだ。すると……目の前にいる相手は女性だったのだが。俺は鑑定スキルを使ってみたのだ。
【名前】
:ジーラ 【種族】
:妖精 【職業】
:剣士(聖属使いのスキルあり)
【年齢】
:15歳(肉体年齢10歳(実年齢200歳))
【性別】
:男性(見た目年齢12歳)
【身長・体重】
:154cm・38kg 【スリーサイズ】
:82-55-72-86 cm 【属性】
光・聖 【称号】
・神獣・妖精・光の巫女・天使
・大魔王・精霊使い・聖女
【体力】:36000/350000
【魔力】:50000/500000
EXP:200000
EXP上昇スキルレベル:10
Eカップ スキル 《固有スキル》:1・神獣の息吹 〈浄化〉 MP10~500 2・妖精召喚・幻惑魔法
・魅了 MP100 3・アイテムボックス・鑑定
・気配感知LV7 NEW 4・気配遮断LV7 NEW 5・瞬歩LV1 NEW 【特殊能力(スキル)】
1:癒やしの力(聖属スキルLV5(回復系スキルレベルMAX全異常回復スキル呪いスキル解除))
MP100 2・聖なる衣 〈装備効果UP(小)状態維持効果UP(中装備防御力向上)装備者HP自動治癒スキル(最大1時間HP1000回復防具性能向上)
HP自然自動回復する。(防具装備)
3・神聖波動MP20(神の加護(攻撃力増加、防御壁能力付加付与、即死無効化(神の守り 即死ダメージを軽減、毒無効能力追加 状態異常耐性アップ 幸運度数UP、魔力増大化能力 【ユニーク能力】
4・神の瞳 【通常能力】
4065787788910111……おっ!?こ……これ……あの……あの女神が言っていた俺を勇者にするときに渡したアイテムじゃないか?もしかすると……。俺は目の前の相手に、
「えっと……。君の名前は?」と問いかけると、彼女は……恥ずかしそうに、小さな声で答えたのだった。
「わ……私は……ジーラ……よ」と言うと…… 俺は、彼女をじっと見つめて。「やっぱりか……。君の瞳は、俺と一緒にこの世界にきたあの子に似ているんだよ。もしかすると、君にお願いしたいことがあるんだけど……いいかな?ちょっとだけで良いから……俺の頼みを聞いてくれないかい?俺に出来ることがあれば何でもするから……お願いできないだろうか?」と言うと……。
すると彼女は「私が出来る事なら……なんでも……してあげます」と返事をした。俺は嬉しくて……「じゃ……とりあえずはさ……。服を脱いで貰ってもいい?俺が頼んだ通りにね」と言うと……。彼女は顔を真っ赤にしながら「うぅ~。そんなに……見ないでください……私の裸なんか見たっても面白くないです。それに私なんて……。胸だってないし……全然可愛くもないんです」と言ったので……「俺が今……何を考えていて、どんな事を思っているのか……わかるかな?そんな事なんて気にしていないんだよ。君は可愛いんだよ。だから自信を持ちなさい。俺の大事な仲間だから……これから……俺の為に一緒に戦ってくれる?嫌だったりしない?俺が困るような事は……ないよね」と言うと…… 彼女は俺の手を掴んできて……涙目になりながら、「うん。私頑張るよ。勇者さんの力になれるように……」と……。俺にだけ聞こえる程度の声で呟いたのだ。それから……。彼女に対して……、女神がくれたアイテムを返してあげると、彼女の首に着けてあげたのだ。俺は、ステータスを確認すると……『聖属魔法のリング 』を彼女に渡したので……彼女が装着していた『妖精の聖武器 ホーリーウェポン』を返却して貰ったのである。これで、俺の仲間の勇者と、俺と仲間達を召喚してくれた……もう一人の『女神』の力も取り戻せたので……。俺は改めて……。『リリイ姫』を連れて……死神の国に戻ってきたのである。リリイは、先ほどまでとは違い、とても幸せそうな表情をしていたのであった。俺と一緒なだけで、こんなに幸せな表情を浮かべられるなら、俺達は、もう絶対に離れたりする事はできないと思った。俺達は二人で手を繋ぐと、長老の家に行き、ゼクスターと話をしてから、元の世界に戻る為に、必要な道具を探す事にしたのである。それから俺は……。俺達の元いた世界に戻るために必要な『鍵』となる女神の書を探しながら……旅を続けるのであった。それから俺は……。ゼクスターに言われた通りに『ある場所』を探しながら……。仲間を探すために、旅を続けようと決めていたのだ。まず俺は……『死神の王都』に居た時にあった事を思い出す。俺達が王城に囚われの身になった時だ……。俺の仲間は、既に元の世界に戻っているはずだと思い……。俺は急いで仲間のいると思われる所を探索するために動き始めた。俺には、女神の書の力によって転移魔法を使うことが出来るので移動は非常に早くできる。俺は、『女神の神殿』に向かうことにした。そこで、俺は……元の世界に戻りたいと考えながら念じれば元の世界の自分の部屋に出られるという事でやってみることにしたのだ。『俺の住んでいる部屋のドア』をイメージした瞬間に俺は意識を失ったのである。気がつくと……俺は『自宅の玄関』で立ち尽くしていたのだ。それから俺は、家に入り。家族や友人の無事を確認した後に……。すぐにこの事を伝えると、全員喜んでくれて……。特に妹や弟の喜び方は尋常ではなく……。まるで、宝くじで一等の金額を当てるよりも喜ぶので……。俺は……少し複雑な気分になってしまうのであった。しかし……皆が笑顔になって良かった。しかし……問題はここからだ。この世界から俺の住んでいた世界への帰り方が問題になってくるのだ。この世界で俺は色々な体験をして……。この世界をより良くしようと思って頑張ってきた。その思いは決して嘘じゃないし。後悔も無い。しかし……。この世界はあまりにも危険すぎる。そして……。この世界に住む人々にとって、魔王とは脅威以外の何ものでもない存在なのだから……魔王を倒すまでは帰れない。いやむしろ倒しても駄目なんだ。倒したとしても……。この世界の人々にとっては魔王を倒した存在であっても恐怖でしかない存在になるのだろうから……この世界は平和にはならないかもしれない。俺はどうしたら……。いいんだ?
【名前】:山田太郎
【年齢】:17歳(誕生日:6月18日)
【性別】:男
【職業】:剣士
【レベル】:30
【ランキングポイント】:390
【称号】:勇者、神々の使徒、龍の騎士、ドラゴンキラー
【加護】:神の
***=1 【属性】:光属性 ***+無属性(New)
【スキル】:鑑定 アイテムボックスEx(New)、剣術(New)、盾術 格闘 身体強化、精神耐性、状態異常耐性、隠密 気配感知、気配遮断、魔力操作、水魔法、聖魔法、生活魔法 料理(Lv5)、毒耐性、火耐性、雷耐性、風耐性、土耐性、聖耐性
(光魔法耐性)、闇耐性、炎耐性、氷耐性、全回復、体力回復
(聖属スキル、魔力回復
new)、浄化(Lv7)、複製 錬金工房、鍛冶工房 【ユニークスキル】:複製創造
【オリジナルスキル】:万物の
無限の可能
【エキストラスキル】:絶対記憶能力 解析鑑定(New)、全能力制御(New)、超高速思考 【固有スキル】
:神速再生 【エクストラスキル】
:竜殺し 【スーパースキル】
:完全偽装(New)
称号
『妖精神の加護』『迷宮の管理者の加護』
:勇者・迷宮攻略者・神の使徒・救世の主(予定)
【名
前】:鈴木次郎
スズキ・タロウ 【年齢】:20歳(10月12日生まれ)
身長 180cm 体重 70kg 血液型 A型 趣味・特技 サッカー 好きなもの 友達(親友 【クラス】大学生(4年生)・サッカー部(FW)・キャプテン(背番号9番(9代目 日本代表(MF・右サイド・エースストライカー・次期日本代表の候補)・プロからの注目の選手(今シーズン・得点ランク2位)
得意なこと 球蹴りゲーム(主に格ゲー)
苦手なもの 虫(昆虫)全般(Gとか・蜘蛛は大丈夫 女性(お淑やかな女の子は好き 弱点 虫・怖い話が大嫌いな事 【家族構成】父・母(結婚16年目(新婚夫婦みたいな状態 妻・奈穂美(なほみ19旧姓・中村)身長 158センチ スリーサイズ B88W57H87 好物 オムライス・唐揚げ弁当・ハンバーグ弁当 嫌いな食べ物 甘い物全般 【プロフィール】
現在妊娠中で……8カ月目 容姿端麗の大和撫子のような黒髪ロングのストレートヘア 目鼻立はハッキリしている顔立ちの美人タイプで肌は綺麗である 巨乳の持ち主でありEカップである 高校から女子校で……異性に免疫が無いのが悩み 性格も真面目な性格で成績も学年一位で常にトップクラス 趣味は読書(ライトノベル系を好む傾向)があり運動神経抜群でスタイルも良いが……本人は、痩せて胸も小さくなりたいとよく口にしている 家事は得意で裁縫もできる 料理も美味しく作れる(特に和食と中華が好みである)
実は隠れオタク 乙女ゲームの『夢幻恋愛~ユメロマンラブストーリー』というシリーズをプレイしてた時に『夢原咲希』のコスプレしてイベント参加したりしていた。もちろんその衣装は自作したものである。好きな声優さんの声が聞きたいのでラジオを聞いたりしていたら……『ラノベ作家の作家先生のラジオ番組を聞くようになりファンになる』
現在は妊娠八か月で安静にしているため、仕事が休めているのである。今年中には生まれる予定である。
好きな男性芸能人『佐藤隆司』に憧れを抱いている 初恋は、幼稚園の時の『山田くん』
中学三年生の文化祭で、ミスコンで優勝して以来、多くの告白を受けて……『自分の事を好きでいてくれる男の子達と付き合う事にした。ただ……それは表向きであって……本当は、自分が好意を抱いていたのは、『田中くん』だったのだが……彼が、自分から距離を取るようになってしまい……。諦めていた時期があった』
好きなアニメのジャンル『アクションアドベンチャー、バトル系』と『恋愛ファンタジー』が大好き 最近は、恋愛シュミレーション系が気になっている。
最近の楽しみは『ネットで動画を見ることとラノベを読むこと(異世界系の小説が多い傾向あり)あと、漫画も読むのも好き』である 最近になって、『オンラインゲームも興味が出てきたためやり始めている。
オンラインゲームも『ドリームファンタジア』というMMOをプレイしていてレベルも40でギルドでの地位も高く……ギルドのリーダーを任されている』
好きな食べ物は『甘いお菓子類』特にチョコクッキーがお気に入り 嫌いな食べ物は特に無し 料理は『少し自信はある方である。将来、旦那さんの為に頑張りたいと思っている。将来の希望の職業『専業主婦』』
好きな男性の理想の男性像(二次元のキャラクター)は、主人公の『勇者君』と、サブキャラ『鈴木太郎』と『佐藤太郎』である 憧れの男性は、主人公のライバルでもある『魔王の勇者』(主人公よりかっこいいから 彼と同じ名前になった鈴木太郎には感謝をしている。
現在の悩み
・子供が産まれてくるまでに、ダイエットをしようかどうかを悩んでいる。でも……今は食べても平気なのでもう少ししてから考えようと決めた。出産後も痩せる事を密かに考えている。
【作者コメント】:『この作品に登場するメインキャラクターの中で一番のチート性能を持っているのは次郎です。特に……彼は、『超万能人間』で……。何でもできるし何にでもなれてしまうから凄いと思います。また……次郎が活躍するシーンはまだまだたくさん書いていこうと思っていますので……。これからの展開にも期待してほしいと思います。この物語で次郎が一番強いキャラクターだと俺は思ってますからね!それに、ヒロインの一人でもあり、メインの彼女役にもなりそうですね……。俺の中では。この世界の女性は、全員次郎が好きという感じの設定にしているつもりなんですけど……。どうですかね?』
第15話~新たなる敵と勇者達の試練のダンジョンの入口での出来事〜 あれっ?俺って死んだはずだよな。俺が死んだ瞬間、頭の中に謎の声と映像が流れたんだ。その瞬間俺の記憶が完全に消えてしまい……俺は、俺の意識を持った状態で目が覚めたのだ。俺は、何故か体が動かせず……。周りを確認する事しかできなかったのだ。そして俺は、この世界について調べたくなったのであった。すると、この世界では、女神の力を使って召喚された異世界人が居たという事が解った。そして……。その人物の名前を調べて見ると『スズキタロウ(本名 鈴木次郎)』という名前が書かれていたのだ それを見た俺は、「まさか……」と思いつつも、心の奥底で……確信した
「もしかしたら……。俺と同じように転生させられたのか?」と思うと同時に……。何か引っかかるものを感じていたので俺は……さらに調査を続けた。
その結果……俺は驚いた。俺が生きてきた前の世界とこっちの世界がほぼ同じ歴史を辿っているということに……。まず俺の知っている時代ではスマホなどの電子機器は無いが……電気が存在していてテレビが存在しているということがわかったのだ。それと、魔法も存在するようだが使える人間が限られているらしい。
魔法の使い方は簡単みたいだが。才能がない人は魔法を発動させることが出来ないらしい。だから、ほとんどの人達が魔力を持っていない人ばかりだそうだ それで……ここから先はあまり詳しくは書けないが……。ある理由で。この国を治めている女王陛下は俺を殺した張本人であり、その国の王子や側近達が……勇者の子供達を殺してしまおうとしていることが分かってしまった。俺はそれを阻止しようと考えたが……体は思うように動かない。どうにかできないかなと思っていたときに突然体に痛みを感じた。それと同時に目の前の映像が真っ白になってしまった。それから暫くしたら、今度は、あの女神様が現れたのだ。彼女は言った。
「貴方は、勇者の子供としてこの世界に転生したわ」
俺はその時理解してしまった。あの女神は俺に嘘をつくことができない。真実を語ることができる存在だということを理解してしまったからだ
「そんな馬鹿な……」と内心思ったのだが…… 彼女が嘘をつけない事は、今の現象を見ていれば明らかだったから だから……。彼女の言うことは本当なのだと分かったのである
「私は勇者の子孫として生まれ変わったのよ!」と彼女は嬉しそうに語ったのだった 俺はこの時に決意をした 俺はこの世界を絶対に守り抜いてやる それが……勇者の息子に生まれた者の役目だと思い…… それから1カ月後、何とかして動けるようになり……俺は冒険者になるための試験を受けた 冒険者としての知識を学び……戦いの基礎を覚えた その時に気づいたことがあった ステータスは見えないけど……
『直感スキル』は、普通にあるという事 俺の場合……相手のレベルが数値化されてるから 大体の強さを把握することが出来るという事 その時に思ったことがある……この世界には、俺以外にも居るんじゃ無いかという事 もしかしてと思ったので試してみることにした
『リリイ(Lv998)』は、自分の手を見て驚愕していた。そして俺はすぐに自分のステータスを確認してみたのである 【名前】
【年 齢】
20歳【レベル】
1 【ステータス】
H P 9900 M P 2100 D E A 1050 攻撃力 20000 防御力 8600 魔攻力 7500 魔防 9000 【称号】『神剣の加護(極大)』《全属性耐性 》『限界突破』《進化の可能性を秘めた魂》 【固有特殊能力】『鑑定(測定不能)』《経験値倍増(20倍)》『転移魔法(無制限)』『時間停止(60秒間)』【通常スキル】『絶対感知(レベル10)』『未来予知(レベルアップ必要経験点減少)10』『隠密(レベル8)』『アイテムボックス(無限容量)5×∞』『剣術(レベル8斬撃無双)』『瞬歩(スピードアップレベルアップ必要経験値軽減(超特大))4』【状態】
と表示され
『ステータス画面 詳細』を開いてみると……。そこには『勇者の子(神の祝福により成長速度増加寿命増大)』とか 書いてあった
『種族 妖精族 妖精族の始祖は、女神 ルミア=ユーティスの加護を受ける者達の末裔である』
という事も書かれてあった。俺はその文字を読んで納得するしかなかったのである それからは……。自分のステータスを確認した後に……レベル上げをすることにしたのである。この世界で生きるためには、自分の身を守れる強さが必要だと思ったからである。自分の身を守る力がなければ意味が無いし。いざという時に役に立てないと困る だから、俺は強くなることを第一目標にして、自分の力を磨くために必死に修行をしたのであった この世界にきて5年の月日が流れ 17歳になった俺に 女神から『啓示』が下ってきたのである
『この世界に異変が起き始めました。この世界に危機が訪れているため 今から一か月後に 異世界からの来訪者がやってきます。
この世界を救う事が出来るのはその人達だけです。ですからお願いします』という内容であった。俺はその手紙を受け取ってから……。この世界を救うために必要な情報を手に入れていく事にしたのだった。そこで……ある人物が気になったのである。それは…… 【佐藤太郎】という名前だったのだ。その名前をみて思い出したのは……。『夢原咲希』のことだった そして、この世界の事を詳しく知るために 情報収集もしていくことに決めたのだ。それから俺は この世界の現状を少しずつ知って行くのである そして……俺は『佐藤太郎(本名)』に会う為に行動を始めたのである 【名前】佐藤太郎(本名)
職業???? 【年齢】
不明【レベル】
5
HP:50000000
MP:100000
攻撃:2000
防御:4000
魔力:7000
知力:10000
器用:3200
俊敏:2300
精神:4400
幸運:7500
運勢:6000
スキル:『完全記憶能力(最大)』、『瞬間再生能力(レベル5)』、『無詠唱』
『魔法付与 LV.MAX』
『回復補助魔法 LV.EX』【オリジナル特殊魔法(異世界限定)】
・創造魔法『クリエイト』【武器 防具 アクセサリー生成可能】
『闇魔術(最上級魔法まで)』『聖魔術(上級魔法まで)』『光魔法 LV.3』
『時空間操作』《時間軸移動》
『次元超越魔法』《世界線移動 LV.4(自分以外)
》【その他特殊能力】
・全知全能・全属性耐性・限界突破・限界強化・自動回避・無敵化
称号:【転生者】【元最強魔術師の婚約者】【転生して来た人】【神剣の使い手】【全知全能の勇者】【伝説の魔法使いの後継者】
「ふっ。やっとここまできたぜ」
ここはとある国の中心都市。そこの冒険者ギルド会館で受付嬢に話しかけていた。
「あっ、あの~……貴方は一体……」
俺の名は鈴木太郎!今日は……いや、これからは違うな!なぜなら俺はこの世界の魔王を倒すべく……この世界に降り立ったのだから!そう、俺は……この世界に転生してきた勇者だ!俺は、魔王討伐に向けて動き出した。俺の仲間達は……女神様から頂いたスキルによって俺のレベルと一緒なので 俺は今いる世界よりも少し強いところに向かう事にしたのだった まずはこの世界に居るであろう仲間を探し出さなければならないので 俺はある作戦を実行しようとしていた。
その作戦は『分身の術』でこの世界を隅々まで調査するということだ そして、俺はある場所にやってきた 俺が最初に訪れた場所は ここが、冒険者の試験が行われる場所だった。
そこで俺は、早速冒険者に登録したのだ。
それから俺は 色々な依頼をこなしていった。最初はゴブリンなどの雑魚を狩りながらレベル上げをする。それが終わってからはオークの討伐依頼を受けて、それから……俺は ダンジョンを攻略してみることにした。ダンジョン攻略のためにダンジョンの入口で、登録を行う必要があったのだ。その登録は簡単で、そのあとの審査で 問題がなければ誰でも中に入る事ができるのだ。ただし ダンジョンの中では 罠も沢山あるのと、階層が上に行くほどモンスターが強くなるため、初心者では命の危険も考えられるのだ。だから、ある程度の強さと実績が必要になるのである。
「では、冒険者カードを作成しますね」と言われ 俺は冒険者カードを作ったのだ。これで冒険者カードは身分証にもなる。だから 無くさない様にしないといけないのだ。
こうして俺は レベル上げと、スキル取得の為にダンジョンに潜り込んだのである。
そして、この世界での俺の最初の目標は 俺の仲間を見つけることなのだ そして……。この世界に来た時に 俺は女神様からスキルの使い方について教わっていた 俺は ステータス画面を出して確認してみた 【名前】太郎 【年 齢】
21歳【レベル】
10
(+10)
【ステータス】
H P 1万 攻撃力 2600(+1350)
防御力 2100(+1000)
魔攻力 2600(+700)
魔防力2600(+900)
【固有特殊能力】『全属性適性』
『全耐性』《限界突破》《限界上昇》
『全状態異常耐性(特大)』『絶対障壁(最大)』《未来予測(時間経過レベルアップ必要経験値軽減(超特大))》
『転移魔法(無制限)』『アイテムボックス(無限容量)5×∞』『時間停止(30秒)』
【通常スキル】『完全感知(レベル9)』『瞬間再生能力(レベル8)』『限界突破』
『限界上昇』【その他特殊効果】
称号『勇者の子(勇者の子の素質により成長補正効果有り)』『全知全能』
「これが……この世界か。やはり思った通りの世界だな……。しかし……。これはどういう状況なんだ?」
と……太郎は考えていた。しかし……答えは分からず、考えがまとまらなかったので……とりあえず……外に出て情報収集を始めることにした。それから……俺の行動方針としては……まずはレベル上げをしていこうと思っている。それから……この世界の情報を集めながら……俺は仲間を探すつもりである。俺の目標は この世界を救い、皆の期待に応える為である。俺はその目的を成し遂げるまでこの世界に留まるつもりである。それからは俺はこの世界の住人を出来るだけ助けるつもりである。それが勇者としての使命だと俺は考えている。だから……俺の事は気にせずに 自分の事を第一に考えて行動して欲しい。と……心から思っているのであった。
この世界に来て6か月ぐらいたった頃……。俺は遂に……この世界でのラスボスと戦う事にしたのだ。その敵とは この世界の神……女神リリスである。
俺は女神と話をするため この世界の神の住む場所に訪れていた。そこは神界であり……。そこには 女神の姿はなかった。
そこで……俺は女神を呼んでもらおうと神に連絡したのだ。すると……女神がすぐに現れたのである。
俺は 女神が姿を現した事を確認してから話し始めた。俺は何故この世界に異変が起きたのかを聞いたのだ。女神はその理由は分からないと言う。女神は知らないと言っていた。ただ……最近になってこの世界の神界でも、謎の集団が現れては……女神達に攻撃を仕掛けているそうだ。女神も神界を守るため必死になっているという事を教えてくれた。そこで……俺は 自分が知っていることを女神に教えようと思って話し出すと…… 女神は全ての真実を既に知っているようで……。今起きている事も把握しているという。そして……その事を 勇者である俺に告げるつもりだったようだ。俺は、どうしてこんなことになっているんだ?という顔をして聞くと 女神は説明してくれた。その話を聞いた後に俺は驚いたのであった。女神がいうには……。その組織の名前は『暗黒教団』と言い。その組織は『魔神族』を復活させようとしているらしい 暗黒の女神の封印を解こうとしているという話だった。そこで……俺はその話を聞いていた時に気になったので質問をしたら。その質問の内容に対して詳しく説明をしてくれ、俺にとっては 重要な情報を聞くことが出来たのである まず……暗黒の精霊というのは、この世界の闇を司りし神のような存在であるらしく、暗黒の神は暗黒を司る存在らしいのだ。そして……神の力を手に入れるために 闇を司りし存在を操って 復活しようとしているとのことで……闇の神の復活を企んでいるのである。
そして、闇の神が復活しない限り……世界のバランスを保つことができないらしいのだ。俺は、この事を詳しく聞き その話を整理するために 頭の中で考える事にした。
その組織の構成員として存在している者は……『邪神族』と呼ばれる一族の末裔達であるということ そして、そいつらは神である『ダークマスター』に忠誠を誓い、闇属性の魔術を極めようと日々研究を続けている者たちだという。そして、その『暗黒教団幹部クラスの存在 レベル90以上』に勝つためには 俺の持っている『光属性魔術スキル』のスキルを持っている者しか勝てない つまりは……光属性の『ホーリースキル』の所持者のみ その者達に勝利する事が出来る と、女神から教えられたのである。また、その教団に対抗するための武器となるものが、俺の持つ剣……『魔剣 レーヴァテイン』(伝説級・神話級の代物)で、それを使うことが出来れば その者を倒すことが可能になるだろうとのことだった。だから……俺は これからは仲間を集めて、この世界に闇の軍勢が現れた時に備える必要がある。そのためにも俺は仲間探しを始めたのだった。そして俺は……俺の仲間となり得る人物を探していたのだが 俺の仲間になりたいという者はいなかったのだ。だから、俺の仲間になるための条件は俺が認める実力者でなければならないという条件があったのだ。
そこで俺は……冒険者ギルドに登録をしてランクを上げ、実力をつけるようにしたのである。冒険者として登録をする際に俺は……ギルドに顔を出して 冒険者登録をした。それから……俺のギルドでの冒険者カードを見たら……受付嬢の女の子に話しかけられたのだ。俺はこの受付嬢に話しかけられるまではずっと冒険者の相手をしていて。俺に冒険者カードを見せてくれませんかと頼んできたのだった。俺は冒険者カードを彼女に渡した
「あっ、ありがとうございます」と 彼女が言い終わる前に俺はこの世界に来た時のスキルの事を思い返していた。俺はその事に気がつき……。俺はこの世界にきてから今までに感じたことのない感覚になっていた 俺の直感がこの子こそが、この世界での仲間になりうる人だと 俺が感じることができたのだ。そこで、俺は……その事を伝えるべく……彼女に俺の持っている称号について伝える。そうすれば俺と一緒に冒険できる可能性があるので、彼女に伝えると
「私にそんな力はないですけど……私は……『フェアリークイーン』ですよ!それでも、仲間にならないですか?」と言われたのだ。俺は その言葉を聞いて嬉しくて……つい笑顔になってしまいそうになるが 我慢することにした。そして、俺は…… 彼女の力を引き出すことにした。その方法は 彼女の持つ『固有特殊能力』の一つ『ステータス』を使い。その能力を使ってもらったのであった。すると彼女は 驚いていたので 鑑定をしてもらっていいですかと聞かれて、俺の予想通り。俺の持っていた能力……つまりは……俺のもつ『固有特殊能力』と称号を見ても……仲間になっても大丈夫だろうと思っていた それから……俺は『勇者』であることを告げる。そうすることで 仲間の誘いが上手く行くのは目に見えていたからだ。それから……
「私は『妖精王』なんですが……。貴方の仲間に入れてもらえますか?もしよければ 私の種族に伝わる技も見て貰えますかね……」と言われ 俺も 自分の能力を見てもらう為にも……
「是非見せてください!」と、言ったのだ 俺は…… 女神から聞いたことを思い出してみた。まず、最初に この世界でレベルを上げて行けば、この世界に住む全ての生物を倒せばレベルが上がり。そして、『限界突破』スキルで ステータスを上げることが出来るようになる。さらに 自分のステータスを確認した時に、称号の効果を確認することができるのである。俺は そのことを思い出したので確認する事にした。まず俺は、この世界でレベル上げをする為 この世界を回ることにしたのである。それから数日が経った。この世界に来て、約1年半くらいたった頃である。俺のレベルは100まで上がったのでステータスを確認することにしたのだ。
【名前】太郎 【年 齢】21歳【年 齢】【レベル】
100
(MAX)【ステ】
タス 【体力】
5500万
(+5000万)【魔攻力】
1億5千万
(+2億)【防御力】
4万7千万
(+4万7千万)【敏捷性】
6万8千
(+6万8千)【知 力】
3万
(+3万)【幸 運】
210万【スキル】『完全感知』『瞬歩』『絶対障壁(最大)』『未来予測(時間経過レベルアップ必要経験値軽減(レベル9)『魔力増幅』『アイテムボックス(時間停止機能無限収納アイテム検索転移無制限転送転移可能召喚武器装備解除)』『限界突破』『超成長』『神速再生』『自動回復(大)』『アイテムボックス内時間遅延(大)10×∞』『全言語翻訳(女神の祝福により女神と交信することが可能となる)』『無限成長(無限アイテムボックス内に保存可能)』『全属性魔術耐性無効』【その他特殊効果】
『全スキル習得可』※
『転移術』『限界突破』【その他特殊効果】
称号『勇者の子』『女神の子』『魔王討伐の証』『魔神を滅する物』……『魔神族を唯一滅することが出来る者』
俺は……『女神からの加護』というものを手に入れたようだ。どうやらこの世界の神の力が宿る特別な力をこの世界の人から与えられた場合……。その人にだけ与えられるというもので、その効果には、この世界の人の数だけ存在するらしく、俺はその力を手にしたという事になるらしい。これは 女神の加護であり、女神から授かった力で。その恩恵によってこの世界の人達は その能力を開花させることができるのである。この世界の人が女神から授けられた力のことを、人々は『女神の力』と呼び 女神から認められたものだけが その女神の力を持つことを許されるのだ そして、その力は、一人一種類である 例えば……。この世界に、火の属性の使い手が多いならば……。火を司る女神の『サラマンダー』の称号を持つ者が生まれるのだ。この称号を『炎精霊の精霊騎士』と呼ぶことになるのである。この『女神の力と加護』は、俺が持っていれば問題ないが……。他の者に渡すことはできないのだ また、『聖属性』とは 光の神々の力を扱うことが可能なのである。それは……『太陽神』『大地母神』そして……『光の女神』などの事を言うのだ。これらは……光の神と称せられる存在なのだが……。これらの神の事を人は知らないのだが……光の神達は人間を愛してくださっている存在でもあり。光の女神が司る神は……。人々の心の光を司ると言われているので。人々が幸せになるためには必要な光の女神なのだ 次に『時空属性魔術』だが……。これは時の女神の扱う魔術のことであって、主に……空間移動の魔術である この魔術の使い手を『時魔術師』と言い。時の女神の使徒という位置づけになる。そして……『次元属性』の使い手が、空間を司る時の神の眷属となり。この二つの力を合わせたのが『空間魔法』と呼ばれているのである
『次元属性』とは、時間の流れを制御することが可能なのである。簡単に言うと、時を操る事の出来る力だ 次は、『水氷属性』のことだ。この力は水の神様の力で……。『アクアリウス』が、水の属性を司る存在である。この神は……『海の守護者』として 海と共にあるため。この力は海の力に関係するものが多いのだ。しかし……。その属性の全てを極めた者がいて。それが『海洋の守り人』と呼ばれる人物となる 次は……。『風嵐属性』についてだが。風の属性は……風の神の力を行使することが可能なものである。この属性も その使い手がいる 次は『木生土・鉱物』についてだが……木と石・金を生み出すことのできる能力があるのだ この力を持った者は『創造の使徒』とも呼ばれ。その力を使う事ができる者のみが その使徒の資格を得られるのだ そして最後に……
『地命・雷電属性』であるが。『地の精霊王』の使徒という扱いで、土の属性を使うことができる者だけが使えるということになっているのだ これらがこの世界で 現在確認されている神の属性なのだ。その能力を使いこなす事が出来るのは、一部の選ばれた者だけで、その中でも一番強いものが、この世界を守る『七つの柱』になるのだ。だから、勇者は『聖属性魔術』という。特殊な魔術を扱えなければ
『七つの試練』を突破する事が出来ず。勇者になる資格がないということになってしまう。まぁ……『魔族四天王クラス』なら余裕で撃破できるようになるから。俺は、別に気にしなくてもいいと思っている。なぜなら……この世界に来たばかりの俺でも……普通に倒せたのだから…… だから、この世界の人々にこの世界を脅かす闇の存在は、倒す必要がある。それには 仲間が必要だと俺は感じたのだ。そこで俺は……。冒険者ギルドに向かい冒険者カードを作る事にした。この冒険者カードを作ることに意味がある。そうすれば……仲間が見つけやすいと考えたからである。冒険者カードに登録する内容も……自分のレベルとかステータスがわかるようになっているから 冒険者には必須のものでもある。そして俺は……冒険者としての登録をしたのだ そこで受付嬢の女の子が話しかけてくる。彼女は……俺の作った冒険者カードを見たら驚きの声をあげていたのだ
「えー!貴方……本当に……ランクアップしてないんですか?おかしいですよね?」と言われてしまったのだ それから……この世界で俺のレベルを上げるためには……まずは この妖精の森にいるモンスターを倒してレベルを上げるのが良いだろうと思って この里で、俺のレベル上げをして行くことに決め。この妖精の里を拠点にすることにしたのだ。それから……ミルキーを連れて俺達は妖精の隠れ里を離れていく。それから数日が経った頃である。俺たちはこの妖精の森を抜け出し、近くにある森の奥にある遺跡へと向かっている。その道すがら……モンスターが現れるのだが、それを俺一人で相手にしている そんな俺の姿を見たミルキーとマホは 驚いていたようだったが…… 俺と出会ってから……俺は レベル上げをするべく毎日……モンスターを相手にしていたのだ この世界に来て……俺が最初に倒した敵が……スライムタイプの敵だったのが良かったのか。今の俺は……レベル100になっている。そう言えば……。俺は この世界で生きてきた1年半の間 一度もレベルが上がるような出来事が無かったんだよな。それで……。俺は、レベルが上がらないと思っていたが……。
実は違うんだな。女神から貰った力を使えば使うほど……。経験値が入るみたいだ。なので俺は……。1年半の間に……。レベル100を超えることが出来て、今では レベル120になったのだ レベル80を超えた時に 俺にだけ『女神の言葉を聞く能力(常時発動型)』を手に入れた 俺も そのスキルの効果は知っていたけど……。俺も 女神から力を貰って初めて その能力があることを知ったんだよね。ちなみに……。『女神から言葉をもらう能力』と言うので、スキルではないのである。これは この世界で俺だけが持っている力であるからだ。そして……俺には……女神と話が出来るだけではなく、俺の体の中には……女神の『光の玉』が存在していて、俺の感情の変化に合わせて反応してくれているのを感じることが出来るのである。だから……今は 女神の『光の心』と『闇の心』が同居している状態である。これが 女神から力を授かったことによって 俺だけが使える特別な力となっている レベルを上げたおかげで この森の周辺では最強レベルの存在になっている。この森周辺のダンジョンを全て制覇できるぐらいまで強なった。もちろん この森では……『リリイ姫様』や『妖精女王』は、俺の強さが異常な事を知っているが、それ程気にはならないようで……。それよりも 俺と一緒にいることが楽しかったらしく。ずっと一緒にいてくれたのだ
「ふぅ~
ようやく到着したぞ。この奥が
『ドワーフ』達がいる所なんだろ?」
と 俺が聞くと。『妖精の王女』が……
『えぇ……そうよ……。あそこに見える山を越えた向こう側……そこが
『妖精の王国 』と呼ばれる。この世界で最も平和な場所でもあるわ。私達は、ここに住む人達とは友好的な関係を結んでいるわ』
「そうなんですね……。『ドワーフ』達が作る装備類はかなりの性能を誇ると聞きます。その武器防具の作り手が 今……ここに来ていることが 何よりも嬉しいです」と 俺は笑顔になり。その装備が、どれほど良い装備なのか期待しながら歩いていくのであった 俺は この世界の装備を見てみたくなり……。その国に行くことを決意したが。俺は……。この世界で、自分が作れる最高の武器を作ろうと思ったのである。そのためにも 素材が必要になってくるので、俺のスキルの『錬金』で……。最高品質な素材を手に入れようと行動を開始したのである その前に……。妖精の国の近くにあったダンジョンの制覇が完了したので。次のダンジョンに向けて 移動を開始する。そして……。その途中で出会ったモンスターを倒しつつ……移動を繰り返し……。ついに……その国の手前までやって来た。その国は……『エルフの里』と呼ばれる。妖精族が住む地域にあったので……。その名が付けられたそうだ。その国から、この世界の反対側に向かうことになる。そこからさらに……その隣の国に辿り着き。今度は 海を渡る必要がある ここからは……。船を使って渡る必要があり。港に向かって移動するのだった 俺の目の前に現れた巨大な『戦艦』……。俺は それに目を奪われていたのだ。それは、とても巨大すぎる船……。全長は1000m近くあり、その船体もかなり大きい。しかし……。俺は この大きさの船がどうやって浮いているのだろうかと考えていた。そう……俺は この世界に『蒸気機関』というものが存在する事を知らないのだ。この世界の船は、『帆』を使ったもので、帆船が主流である。しかし……。俺の前に存在するこの大きな船は……まるで『ロケット推進式宇宙戦艦』のようなもので、明らかにおかしい しかも……。この世界には、存在しないであろう その見た目の『戦艦の形』をしているのだが。それがなんなのかわからなかった。そして……。俺と妖精王女はその『軍艦』の中に案内されて行ったのだ。
その船内に入ると……。そこには、この世界の住人と思われる人がいるのだが……。この世界は、妖精族の住む里は別として……。人間の町は……。殆どと言っていいほど……。人間がいなかったはずなのに。なぜか、多くの人間が集まっていたのだ。
「ねぇ……。この世界の人間って……。こんなにたくさん 居たっけ?」と俺は 不思議に思って聞いてみると……。その『女性』が 答えてくれた
『いえ……私たちも驚いたんですが……。人間ではなく……。獣人や亜人の人たちが大半なんですよ。彼らは、『勇者召喚の儀』に巻き込まれてしまった人達らしいのですが……。どうして ここに来たんだろうと悩んでいます。ただ、どう考えてもこの『戦艦』に乗っていた人たちは、あの時に『転移装置』に吸い込まれてしまった人達のようなんです』と言っていたのだ 確かに言われてみれば……。そう思えた それにしても……。どうしてこんな所に集まっているんだろうか?と思っていると……。その女性は
『多分……。これから起きる戦いに参加するために、集まっているのではないかと思います。そして その戦う相手というのが……魔導兵器『ドラゴン・アーマード』を纏った魔人と……この戦艦に乗っている者たちを……皆殺しにしたと言われている……。暗黒の戦士なのです』と答えていた
『なるほど……。つまり……。これからの戦いに備えて。少しでもレベルを上げようとしているということですか?』と聞くと……。『はい』と返事がきたので 納得した すると……妖精王女も『私のお父さんも同じ事を言っていたと思う。勇者の力を覚醒させた者は……『神の力』を使う事が出来るから、普通の人がいくら束になっても……倒せない。だけど……魔人は別だと聞いていた。でも 本当なんだよね。でも……暗黒の戦士っていうのは……誰のことだろ……』と言い 考え込んでしまっていた。そんなことをしていると 一人の少年が現れて 妖精王女に話し掛けてくる
『初めまして……。僕は、リリスといいます。僕の兄が貴方のことをお呼びしていますので ついて来て頂けないでしょうか』と言ったのだった。そして……。その『リリス君のお姉さん』の方に 視線を向けたら。彼女は……。微笑みながら。うなずいていた。なので……。その二人に連れられて……。俺は……その『リリス君の兄弟』とやらに会うことになったのだ
『リリス』と名乗る。『双子の兄妹』の案内で……妖精王女は『とある部屋』に連れられていった。そこは……。この船の中枢の場所である『動力炉』の制御室みたいな所であった。そこにいた人物こそが……。この艦の艦長であり。『リリイ姫様の兄』でもある……。『妖精王オベイロン』と呼ばれる人物である。
そして……俺とミルキーは……。その部屋の椅子に座るように促される。
妖精王様が言うには……俺たちの事を『女神』が召喚した者達ではないかと疑っているようだ。俺はその質問に……。違うと答えたら……俺が異世界から来た存在だという事に驚かれたのである。
そして……俺は『妖精族の歴史』を聞いてみることに 俺が……妖精族の成り立ちについて聞こうと思ったら。ミルキーは俺の隣に座っていたので、そのままミルキーから聞くことにしたのだ 俺の話を隣にいたミルキーから聞く事になった 俺達は、この世界の現状を知りたいと思っていたので……。『この世界の成り立ち』というか……。妖精族のことについて話して欲しいと言ったら。妖精王が話を始めてくれた この世界の大陸の北側に妖精の国があったらしい。この辺り一帯は『妖精族が支配している土地だと言われてきたのだ』と妖精王は説明してくれた。しかし……ある年を境にして……この地の気候が急変してしまったのだ。
その日は、空に太陽が存在していない……。黒い雲に覆われて雨が降り注いでいたそうだ。その影響によって、この世界の気温が低くなっていたのだ。
この世界では、毎年……冬になると……。雪の降る地方が殆どなのだが。この年は……全くと言っていいほど雪が降らない状況が続いていたのである。その事が……異常事態だったらしく。この周辺に住んでいた人々は、『異変の原因を調べろ!』と命じられて……調査に乗り出したのであった。しかし……原因を調べるどころか……。寒さが酷くなり。この周辺は、『死の土地』と呼ばれてしまうようになるのであった。
それから数カ月後……。この周辺の気温が更に下がったらしく……。その頃から、モンスター達が暴れるようになり。凶暴化するようになったのだ。しかも……モンスターの中には……。異常な強さを持ったものが生まれてしまい……。人間たちでは太刀打ち出来なくなってしまい……。徐々にこの国の領土は削られていく事になる その時……妖精王は、女神から与えられた力を使って……。『モンスター達の殲滅』を試みたのだ。しかしその作戦は失敗してしまう……。そのせいもあって……妖精族達は……妖精の国を捨てる羽目になったのだと言う この『黒雲の覆われた地域』にある唯一の国……。それが妖精族が暮らしているこの国だった。そして……この国の人達は、他の種族と交流を持つ事を避け始めたのだった。この国が滅びるのは仕方ないと思っているようだった そこで……女神が……この妖精の国を救ったという話になるのだが。この妖精の王国には、強力な武器防具類が存在していたらしく。それを使えば……暗黒の力を持つ魔人に対抗する事ができると言われたのだ その事を教えてもらった後に……。俺と妖精王女は、『妖精の王国』と呼ばれる場所に連れて行かれたのである。その王国の入口には、巨大なドラゴンの石像が置いてあったのだ
「ねぇ……。あのドラゴンの石像なんだけど……。もしかしたら……」と俺は言うと……。
「そうですね。あれが『伝説の竜神石』で、あそこにいるのが『ドラゴン』です。その石像は、この王国のシンボルとして作られています。私達が住んでいる里でもそうですよ。ちなみに……。この国は『龍神様』のお力で守られているのです」と言って 妖精王女の父親が迎えに来てくれている場所まで案内してくれるのである そして……その妖精王の目の前に、大きな門があり。妖精王女の父親がいると聞いて、扉を開けると……。俺は、目の前の光景に目を奪われたのである。そこには……。大きな建物が何軒も建っていて。たくさんの人々が暮らしていて。多くの商店が出店されていたり……。活気のある国が広がっていたのだ
「えぇ……。凄く栄えてるわね……。こんなにも人が居たの?ここの国って……。確か……『暗黒の力』の影響のせいで……人口が減ってしまったはずじゃなかったっけ?」と俺が何気なくつぶやくと…… 妖精王と王女と妖精騎士の三人組が現れた 俺と妖精王女と三人組はそのまま案内されて行くと……妖精王女の父親が、国王をしていると思われる屋敷に着いた。俺が……。この国に着いてからの感想を伝えると……。「あぁ……。実はそうなんだよ。太郎君が知っている通り……。暗黒の力で、人口が減り続けていたんだ。しかし……。不思議なことが起こった。ある時を境にして、急に……。暗黒の勢力は弱くなり。それと同時に、この妖精族の国だけは平和が訪れたのだよ。この国に暮らす全ての人たちにとっては、それはまさに……。奇跡と呼べる出来事だろう。しかし……それでも……。この国で暮らせなくなる者が増えてきて……。今では……かなり減ってしまったけど……。今でも人口は200人しかいないんだ。だからこそ……。暗黒の騎士を倒す為に協力をしてもらいたいと思っているんだが……。協力してくれないか?この国にいる者たちは、みんな家族のようなものなんだ!どうかお願いできないだろうか?」と頭を深く下げて来たのだ。
すると妖精王女も「父上だけじゃない。母上だって……。太郎殿達に頭を下げて頼むと言っている。どうか……私たちに手をかしてもらえないか?私は……。あなた達と一緒なら……勝てると思えるんです!」と俺の手を握って懇願してきたのである。その言葉を聞いた妖精女王と王妃が……。俺に歩み寄り……。そして俺とミルキーの前に手を差し出していた
「勇者よ。我らの願いを聞いてくださらぬか?」と言ったので……。俺は「俺も、あの『魔人』に用事があるんだ。それに、俺は勇者ではないんだ……。まぁ……勇者だとは思っているんだけど。ただ、俺は……。魔王を倒したくてここに来たわけではない。ただ俺は……大切な人たちを守りたくてここまで来たんだ……。その事は……分かっているはずだよね。だから、その頼みを聞くことは出来ない……。ただ、俺は……。出来る範囲で、協力するつもりはあるんだ……。この世界に召喚された者たちが……俺以外にもいたとしたら……。そいつらは……今どこに住んでいる?この『暗黒の力』に侵食されている『大地』を救いたいと願わないわけがないだろ。俺の『仲間』の事も心配だし……。あいつらが生きているのか確認しないといけないから、その『妖精族の里』に俺を連れて行ってくれるか?」と言うと……。妖精王様と王妃様と、王女が抱きついてきたのである 俺に妖精族の王である妖精王様と妖精王女が泣きついてきていたので、俺にくっついている王女を引き剥がすと。ミルキーが
「ちょっと……あんた、王女に何をしているの!!ダメでしょうが……。早く離れて!!」
俺は、ミルキーの言葉に反応して
「おい……。こら、ミルキー。おまえが言う台詞かーー!!!王女になんて言葉をかけているんだよ……。全くお前ってやつは……。そんなんじゃモテないだろう……。もっと女の子に対する態度を考えろよな……」と言うと、俺はミルキーが 俺の顔を見て顔を赤くしながら……。何か言っているが……。よく聞こえないので無視をした
「それにさ……、この妖精の国の人たちはさ……。俺に危害を加えようとはしていないと思うんだ。俺と『仲間』がこの国に来る前にさ……。暗黒騎士団の奴等が攻め込んできたんだよ……。その時は、この国に住む妖精達は必死になって……。戦ったみたいなんだけど。かなりの犠牲を出したみたいなんだ……。でもさ……。妖精王の話を聞く限りだと……。この妖精の民は……。本当に、悪い存在なのか?俺にはよくわからないんだ……。この妖精王さんを信じる事にしたいんだよ。この世界では……。初めて出来た友人なんだ。だから……信用できると思ってるんだ……。どうなんだい?教えてくれ……」と俺が妖精王に聞くと 妖精王は、「うむ……。太郎君の言いたいことはわかるが……。正直言って……今は信じられるかどうかは分からないが……。君たちを信頼はしたいと思っているんだ……。この『世界』の人間には『闇属性』の力が効かないから……。もし、『勇者の書』にあるように……。暗黒の騎士が……復活しているとしたら……。この世界を救える可能性があるのは……『勇者 田中太郎』だけだと我々は考えているのだよ……。君たちが、この地に来てくれる前は……。我々の力で、何とかするしかないと思っていたので……。暗黒の力を浄化して貰えないかなと思っていたんだ。
この妖精の国には……『伝説の武具』がある……。この国の守りの要となっているのだが。その力があれば……暗黒の力に抗うことは可能かもしれないと考えていたのだよ。ただ……。暗黒騎士には……敵わないかもしれなかったのだが。暗黒の力に対しての対抗手段がなかった……。しかし……。この国を訪れた時に……。太郎君が暗黒騎士と戦ったと聞いていたが。その後……どうなったのだね?あの時の傷で君は……。『命』を落とす事になったのか?」と言われてしまったのである。そして……。妖精王女も「そうですね……。確かにあの時……。暗黒騎士は『光の結界石』で封じられた『魔剣』によって……。闇の呪いを受けていました。ですが……その『魔剣』が粉々になった瞬間……。太郎殿は消えていたんですよ……。太郎殿の身にいったいなにが起きたというのですか!?あの方は一体どこに行ったのですか?」
おっさんは……。妖精王女の父親から、俺達が暗黒の騎士と戦って……。そして、暗黒の魔剣を破壊する事に成功したことを説明されて、暗黒の力から解放されたのだった 妖精王女は……。自分が覚えている範囲の事を詳しく説明する事になり、暗黒の騎士との最後の会話を話すことになったのであった そして俺は……。暗黒の力に支配されている『黒雲の覆われた場所』の空を見上げるのであった 俺の予想では、あそこにいるはずの暗黒騎士と戦う為にも、妖精王の娘である妖精王女の力が必要になっていた 俺は……妖精王の案内で、妖精族しか入る事が許されないと言われている妖精の国の中に案内されると。そこには巨大な湖が存在していた そして……。妖精王の娘の王女と俺の目の前に現れた少女。この子の名前は……。「リーネと言います」と名乗ったので俺は「よろしく」と言うと……。妖精姫と同じような反応をしていたのである それから……。この国は、妖精族の王国と呼ばれているだけあって。数多くの精霊が生息していたのだ 俺はこの妖精の国に暮らす人々から、話を聞くことにしたのである まずは……。妖精王様との話しあいで……。妖精族の里と呼ばれる場所に連れて行ってもらうことになり、そこに向かった この妖精の国の周辺には、『暗黒の力』の影響で、強力なモンスターが生息していた その『暗黒の力』のせいで、妖精族の国の周りには、凶暴な『魔物』が住み着くようになり。普通の人間が近寄る事は出来ないようになっているらしい そこで……。妖精族は……。その強力な『悪魔』に対抗するために……ある特別な魔法を使ったらしく、その『魔力波動エネルギーフィールド』と呼ばれる場所を作るために、『フェアリーストーン』と妖精の杖を融合した武器を使って。この妖精の国の周囲の地域を特殊な環境に変えたようだ その『魔力波動エネルギーフィールド』のおかげで、この場所周辺だけ、強力な魔素を含んだ空間が出来上がったのだというのだ そして……。俺は『聖魔の弓』を取り出したのだ。すると……なぜか……『聖魔の弓 マジックワンド』と変化したのである これはどういうことなんだろうか……? 俺が不思議に思っていると。妖精王の娘である妖精王女が、驚きながらこう言ったのである
「そ……その道具は!!なぜここに?それは……お父様が管理しているはずなのですが?」と言って……自分の父親を見たのだ
「私にもわからんよ……。どうして君の父上が持っているのだ?しかも君が持っても何の変化も起こらないぞ?この魔法の発動媒体になるはずなのにだ……。それにしても不思議な物だな……。しかし……。君が持つことで……この道具が本来持っていた力を発揮し始めるとはな……」
俺は疑問に思いながらも……とりあえず……。その『妖精の聖具』というのを持ってみる事にしたのであった……『アイテムボックスの中』から取り出すと……。何故か、妖精王女の持つ魔法の武器と同じ見た目になっているのだ。この『マジックワンド』も……『聖なる武器』として生まれ変わったと言うのだろうか……? 俺がその現象を見て……戸惑っていたら、妖精王の娘と妖精王女の二人が興味を持ったのか……。
『聖魔の弓 マジックワンド』を手に取ったのである その途端に、二人は急に苦しみだし……気を失ってしまったのだ
「どうした?」
俺は、慌てて二人の元に行き。様子を見ると 妖精王女は、目を閉じて、まるで何かを見ているようだったが……しばらくすると意識を取り戻した
「あれっ……私は……何をしていたんだっけ……?」
俺が「大丈夫か?」と言うと……。「はっ!!そうだ!!私は……」と言うと……。「あの……この武器は……」と言うので俺は「俺が手に入れたんだよ。妖精の国の妖精王が俺の事を信頼してくれて……。『妖精の宝箱』のカギを開ける事が出来て、この妖精の国に入って……。その……『聖なる盾』っていう盾と『妖精の短剣』っていうのを手に入れてから……。『暗黒騎士』に止めを刺す時に使ったんだ……」と、俺が言うと。「そうなのですね……?私が……記憶しているのは……太郎さんの姿と、その『聖なる武具』を纏った姿をはっきりと覚えています。あの時は……その光り輝く防具に守られてましたから……。その光が消えると同時に……太郎が消えたんです……。
あの時、私は太郎に何かがあったのかと思ったのですが……。でも、あの場にいた他の仲間や暗黒騎士の攻撃が効かなかったんですよ……。
そして……『魔剣』を破壊してくれて……私の友達を守ってくれました……。
太郎に……『聖なる加護』を与えた神様って……。太郎の事を大切に思ってるんだと思います……」と言ったのだ 妖精王女の父親は……
「そうなのか……。やはり……勇者様だったのか……?」と言っていた
「勇者って言われても……。俺はそんな立派な者じゃないんだよ……。勇者だって信じたくないけど……。今は勇者なんだよね……。多分……」
俺が困って言うと……。「では……。勇者殿には……。我々が勇者として召喚されてしまったこの『暗黒の世界』をお救い下さいませんか?」と言われてしまって。少し考えることにしてしまった。
そして……俺の考えを伝える事にして……。「今すぐには……俺一人では無理だと思うんだよ。仲間と合流してさ。この妖精の国の事も考えなくちゃいけないしさ……。だから……。もう少し時間くれないかな?俺が信頼できる人達を集めるからさ。お願いします」と頭を下げたら……妖精王は、うなずいてくれたのだ そして俺は、ミルキー達の所に戻り、ジーラ達を連れて妖精の王国に戻ると。この国にあるダンジョンに向かうことになったのである この国にあったダンジョンというのは……『古代迷宮 レベル10』と言われるもので。その昔に『魔王』と戦った英雄が作ったものらしい。この世界の人間の殆どが知らないのは、その時代に作られたので、存在を知らない人が多いというわけだった。俺達がその情報を聞いたとき、ジーラは、「まさか……『古代迷宮 ダンジョン』に……挑むなんてね。まぁいいんだけどね。ただ……あの場所に潜るのは……。ちょっと難しいかもしれないよ……。今の君ならともかく……。私にはね……」と言われたので。俺は、ジーラの装備一式を渡したのである。それを鑑定してもらうと……。やっぱり、とんでもない結果が出てきてしまったのだ
『神竜の神剣』と『竜の鎧 ドラゴンシリーズ』は、伝説級(レジェンダリー)であり。この二つの伝説の武具には……。『全状態異常耐性』効果が付与されていて。さらに、俺のレベルに応じた自動調整機能も備わっているという事であった。俺の持っている『竜の羽衣 ドラゴンマント レジェンドマント』は伝説級のレア品ではあるが。『全ステータス補正』と自動防御機能が付いているが……。これは、『全攻撃無効』効果があるため……。俺の持っている『聖魔の指輪』『龍玉の首飾り』と『龍玉の腕輪』は、『伝説の武具』ではなかったが、伝説の武具とほぼ互角の力を持っているらしく。この3つの伝説の武具を身につける事により、この『聖魔の武具 マジックアイテム』シリーズは、全ての『聖・闇属性』魔法攻撃を無効化してしまう。この世界で、この三つの装備が揃えられる場所は、恐らくないと思うので貴重だということなのだ そして……。俺は……。その三つを装備する事で……。俺の持つ力に更に磨きがかかったのだ!! ちなみに……。その装備を身に付けていたら……。ジーラも、この国のダンジョンのモンスターに後れを取る事はないみたいで、安心したのである その日の夜に……この国の女王でもある妖精王の娘が、自分の命を差し出すから、自分の身体を自由にして欲しいと言うが……。俺は断った。俺は……彼女の心が気に入ったから……。だから助けたいと思って……その申し出を断ったのだ そして……翌朝になって、女王が「ありがとうございます」と言うと……。俺の手を取って涙を流したのであった。
俺達は、妖精王の国から移動する事になり。その途中で出会った冒険者に妖精族の護衛を頼んで……妖精の里に行くことにしたのである 俺の目の前に現れたのは…… 妖精族の姫で……この妖精の国の姫様だったのであるが……彼女は、この世界に来てから、色々と大変な思いをしていたらしく。その話を聞き終えると……彼女が「私も……。この国を救ってほしいです。勇者様……この国をお救いください」と、真剣な顔で言うものだから。俺は「わかりました。俺の力で、この国の人達を守るよ……」と伝えたのだ。俺は『精霊の民』のみんなに、これから向かう国には、『闇の波動』の影響によって凶暴化しているモンスターが多くいるらしいので。みんなを危険にさらさないように……『フェアリーシールド』を発動させておいた。これで……ある程度モンスターの驚異から逃れられるようになったはずである そして……『精霊樹』という場所に着くと……。そこは……不思議な場所になっていた。俺の知っている場所とは違い、神聖な雰囲気を漂わせており、この場所自体が光り輝いているように見えたのである そこに、妖精王女と妖精王子の二人がやってきて、妖精王女が「ここが……。妖精の里ですよ」と微笑みながら言ってくれたのだ そして……。俺は『精霊王剣 エレメンタルソード』を召喚して……。『精霊王の聖剣』に変化させていった それからしばらくして……。『妖精の聖具』を持つ妖精王女は、「ここは……『聖域』に近い空間ですから……。ここにいるだけでも、邪悪なる者からの攻撃から守られますし、癒されています」と言ってくれたのだ 俺は……。『聖魔の弓 マジックワンド』を構えて……その光る弓を引いていき……。矢を上空に向けて放っていった 俺は「邪悪なる者を……滅する光の刃よ……悪しきものを浄化せよ!!」と言うと……天空から、幾筋もの光線が降り注ぎ、それが妖精の里に広がっていくと……。その光景は幻想的で……美しかった 俺は……この妖精の森にいるモンスター達に……。俺の持つ聖属と魔属の特性を兼ね備えた弓矢のスキルを放つと。その光り輝く無数の粒子が、妖精の国全体に広がっていき……妖精達の傷と疲れとストレスが消えていくようであった そして……俺は、俺の仲間の『ホーリーエレメント 聖の精霊 ホーリーエルフ』の二人を呼ぶ事にした。
二人は、聖女の衣装を着ており、その服は『聖なる防具』である『聖なる法衣 ローブ 』であり、その上に身に着けている防具は……。やはり『聖なる防具』である『神聖の防具』である、聖なる鎧と、聖なる籠手を装備しているのだ。
二人は「太郎さん。何か……ありましたか?」「何か……。問題が発生したのでしょうか?」と言うと。俺は、簡単に説明をした すると、「太郎さん。お久しぶりですね」「はい。本当に、また太郎さんと会えて嬉しいのです」と言った。俺の方は二人の事をあまり思い出せなかったのだが……なぜか二人の事は気になっていて……。そのせいで、少し記憶があやふやになっているようだ。
そして……。この二人の『勇者』の能力が気になった。『勇者の加護』という能力がどんな感じの物なのか……。聞いてみたのだ
『ホーリーエレメント 聖の精霊 ホーリーエルフ』の一人が……。この里に『妖精王』という存在が囚われているという事なので、それを救い出してほしいというのである。もう一人は、他の仲間のところに向かいたいというので、俺は「わかった……」と言い。もう一人の『聖なる防具』の防具に身を包んだ女性と一緒に行くことにして、その女性は、妖精族でもなく……。普通の人間でもない……。
『半精霊』と呼ばれる存在であったのだ 俺がその女性を見ると、「私は、貴方と共に行動する『勇者 聖なる盾』です。どうかよろしくお願いします。太郎さん……」と言ったので。俺は、彼女の名前を聞いた。『半精霊』の名前は『聖なる妖精 フェアリー プリティー』だそうだ 俺が、仲間達と合流するために行動しようとすると……一人の妖精がやってきて、「私はこの国の『妖精の王』の側近の者なの……実は……。この国に危機が迫っているの……。それで、私も連れて行ってくれないかな……?」と懇願されてしまったので……。俺の仲間にこの事を話すと「そう……。わかった。でも……その子の事……。どうする?連れて行く?それとも……。置いていくのかな?一応……この国にとって貴重な子だからね」と言われた。
確かに……。妖精の王は、この国の王様だから、重要な存在だろう……。ただ、俺の気持ちとしては、この国を見捨てるような事は絶対に出来ないし、見殺しにするわけにもいかない その女の子に、俺が言うと。その少女が「わかりました。この国を救う手助けをします。この国を助けてくれたら……。その褒美に、私の全てを捧げる事を約束します。この身と心を、全て……」と顔を真っ赤にしながら言うのである。俺は、この子の覚悟が伝わってきたので……。この子を……守るって決めた 俺が「ありがとう。君のその言葉を信じるよ。君は俺が守ってあげるから……」と頭をなでると……。その子は嬉しそうな表情をするのであった。俺は『神龍の神刀 ドラグニルブレード』を出して、彼女に渡し。彼女は『勇者 聖なる剣 ドラゴンソード』に変化した。その『ドラゴンシリーズ』の武具を身に付けた彼女は……その武器の『勇者のスキル』が使えるようになっていたので、俺は……。この国の状況を確認してから、行動する事にして……。まずはこの妖精の森の状況を把握する事にしたのである この森では……。妖精族の女性が一人倒れていて……。その女性は……。この妖精の姫である『ミルキー王女』だったのだ。彼女を抱きかかえると、苦しげな息づかいをしており……。俺は、彼女の首に手を当てると、かなり熱い 彼女は、「ごめんなさい。ちょっと……苦しいです」と声を漏らしたので。俺は『キュア』をかけてあげようとしたのだ。すると、『妖精王の指輪』が俺に反応して、『ミルキー王女は、病んでいるわけではないです。おそらく、呪いの影響で、体が思うように動かないはずです。それに、彼女の命の火も……消えかけています』と告げた。俺はすぐに治療を開始することにした。俺は、『神龍の力』で……。その指輪を解析していくと……。なんと!!この指輪の能力は、伝説の秘宝級(レジェンド)のアイテムである『賢者の石 ワイズマンストーン』の能力と酷似している事が判明したのである。俺が、その事を皆に伝えると……。
この国の妖精騎士と妖精女王と……。この国の宰相をしている『暗黒の騎士 ダークネスナイト』が現れたのだ そして……。俺達は……。『妖精王の城』がある方に向かって移動を始めたのだ。俺は……『神竜の宝玉』と……『龍玉の首飾り ネックレス』を取り出して、俺のレベルを限界突破させるように意識していったのだ。そして……この二つの装備品の効果が発揮されると……。
この『神剣 シンケン・ドラゴンキラー・ブレイブ・ソード』と……。『聖剣 セイリュウ・カリバー・ブレイド・ソード』に姿を変えていったのである そして……妖精族の王女と……。俺が抱き抱えているミルキーちゃんの治療を交互に施していきながら移動して、やっと……『精霊王の剣 マジックワンド』と『妖精王の聖剣 ホーリーサーベル』を装備した王子と合流したのだ 王子によると……この国にある妖精の国の宝物庫には……。
この国の国宝でもある……『精霊王の聖剣 マジカルソード』が存在するというのだ。この国の危機的状況を打破するためにも……『勇者の加護』を持った王子が、この国の宝を取りに行かないと、いけないというのだ。俺も、王子の意見に賛同するのであった。俺は、この国の国王でもある妖精女王に会うために移動する事にした。俺は……王子に頼んで……妖精の女王に会えれば……いいなぁ~と淡い期待を抱いていたのである。
俺達が、王子が話してくれた……『妖精王の宝物庫』に到着すると……。そこは……大きな建物であった。その建物は、この国が危機的な状態であるにもかかわらず……。しっかりと機能していたのだ。俺は王子が話してくれている最中に、妖精王女に「あなたは……ここにいて下さい。そして……私の仲間達にここの護衛と警護をしてもらいます」と伝えたのだ。
それからしばらくして……妖精王と王妃と……この国の妖精騎士団団長の妖精女王がやってきたのだ 妖精王が、「よくぞきてくれた。勇者様」と言って……。『勇者の剣 マジックワンド』を俺に差し出してきたのだ。俺はそれを受け取ったのだ。すると……。その妖精王は、「その勇者の装備で……。この国の脅威となっている……あの邪悪な者を……討伐して欲しいのだ」と言ってきたのである。俺は……『精霊王の聖弓 フェアリーアロー』を呼び出し……『聖なる防具 ホーリーシールド ホーリークロス』と……。この世界の伝説で、その昔に、精霊界と魔界が繋がり……その脅威に世界中が怯えたと言われている『闇魔獣使いダークテイマー』が持っていたという、黒い弓を召喚した。そして……俺は、妖精王に言ったのだ。「私の仲間になってください」すると……。「わかった」とあっさり答えてくれて……。この国を救う為に……協力する約束をしてくれたのである すると……『精霊力回復薬 エスピリットウォーター』を渡され、「これを飲むがよい」と妖精王に言われたので、飲むことにしてみたのだが……。すると……。体の調子が、すっきりする感じがしたのだ。
すると……。俺は気付いたのだが……俺の中に……。何か……『光の魔力の集合体』のような者が住み着いているのを感じたのである。俺は……。俺の『聖属魔法の能力』に目覚める前に……。俺は自分の能力に気付いていなかった……。その能力で、闇の力の影響を取り除くことができるのだと気付き……試してみると……その能力で、邪気の塊が消えた感覚があり……。さらに、妖精族達の呪いを解く事に成功したのである。これで……。妖精族の女性達や……妖精王もこの里を復興する事が可能になるであろう。俺は妖精王やこの国の王女達や妖精騎士達と協力して……。『精霊の森の加護石 エルフストーン フォレストエレメント フォレストエレメント エレメンタルエレメント』を集める事にしたのだ。そして……俺は、そのエルフの石が安置してあるという場所に移動したのだ 俺は、この国に伝わる伝説の中で……『精霊の力によって作られた石像』の話を聞いてみたのである。すると……妖精王は、「精霊の力で作られている石像が安置されている場所までは……この国からかなり遠いので……まずはこの国に起きている問題の解決を優先してほしいのじゃ……」と言うので……俺は、「わかりました。俺の大切な人達が住んでいるこの場所の人を助けてあげる事が先決ですからね。ただ……俺は……この国の問題が、最優先で……解決したいのです。なので、この国の問題を解決してから……。俺はその『精霊の像』を探す事にします」と妖精王に伝えたのである。妖精王も、了承し……。
そして……俺と妖精騎士や……この国の王族や……妖精族の者達やこの国の兵士達が、この国の現状を知ることになった。この国の兵士達の殆どが……病んでおり、体力がなくなっているような状態だったのだ。俺達は……。その状態を改善してあげた。俺達は、病んでいる者全員を回復させた後、妖精王様から……この国の宝を取り戻すための『聖なる宝玉 ホーリークリスタル』を手に入れるために行動を起こすのであった。俺は、まず……。この国の状況を調べていく事にした。そして……この国の現状を知ったのである。この国は……。魔王に支配されていて……この国にいる者は、魔王軍の者か魔物だけになっていたのである。
そして……俺は……。ミルキーちゃんを休ませてあげた後に……ミルキーちゃんとミルキーちゃんの妹に、『聖女の聖服』を貸してあげて……『妖精王の指輪 フェアリーリング』を渡してあげて、この二人を、妖精の国を案内してくれるようにお願いして……。ミルキーちゃんは……。俺と一緒に行動することになった。
そして……ミルキーちゃんは、ミルキーちゃんの姉妹に……。俺の婚約者として紹介したのだ。
俺の婚約者と聞いた二人は、驚いていた。特に……ミルキーちゃんの姉の方が、びっくりしていた
「お姉ちゃんは知っているよね?私が勇者太郎と一緒にいるといつも自慢げに言っていたしね」と言ってから……妹にも紹介したのである。妹の方の名前は『アイネ フェアリー クイーン・オブ・ナイト ダークネスクイーン』で……。姉の方は……
『ミント フェアリー プリンセス ナイト ダークネスナイト』というそうだ。この姉妹の両親は……妖精の王を守護していた『ダークネスナイト』の両親で……。ダークネスマスターとダークネスキングという……暗黒の騎士の最上位クラスの存在らしいのだ。だから……。彼女達は暗黒の騎士に対しての憧れが強かったようだ。そんな彼女達に……。ミルキーちゃんが、勇者にもらった『聖なる剣』をプレゼントしたのである。この剣で戦うのなら、暗黒の騎士に負けることはないだろうと思ったからである。ちなみに……。彼女達が持っている『精霊の力で作られた杖 フェアリーロッド』も、妖精王の娘が所持している『精霊の力で作った杖 マジカルスティック』は……。暗黒の騎士を倒す事が出来るだろうと思うのである。
その後……。俺達は……俺が『妖精王の加護石 フェアリィフィールドストーン』を使って……。この森にある、全ての病気が改善されていくように祈ったのである。
そして……『妖精女王の加護石 フェアリーズサークルストーン』と『妖精女王の石像』がある場所に転移して、妖精騎士とこの国の兵士達は……暗黒の騎士と戦いを開始した。俺は暗黒の騎士と戦ってみると、この男は暗黒の騎士でありながら……。かなり強かったのだ。俺は……。『神龍の力』を解放して……。その力を発動させた。すると……
『神龍の加護』により、神格化した。俺の攻撃が当たると、相手のHPが大幅に減ったのである。しかし……俺は思った。『ダークネスナイトのスキルは……『影縫いの呪い』だったはず……。なんなんだこの力は?』と不思議に思っていた。俺はこの男を倒した後……。
『妖精王の御守り』を使い、俺は『妖精女王の御守り』を手に入れたのである。すると……『妖精王の秘宝』が俺の頭に浮かんできたのだ
『妖精王の加護』:フェアリーゴッドマザーが作り出した秘宝の一つ この効果で……。俺は……。この国の住民やこの国の城にいた兵士などの怪我を完全に回復させてあげられる事ができると分かったのだ 俺がそう思ってると……。俺の隣にいたミルキーが、妖精王に『聖女の加護石 ホーリージュエル』と『聖衣』を貸して欲しいとお願いをしていたのだ。
それで俺は妖精王の許可をもらい、そのアイテムを使用すると……俺の仲間の一人に、白を基調とした『天使の巫女姫』の格好をした女性が、出現したのだ。彼女は俺に向かって、「私を呼んだのかしら?」と言ってきたので……。「あなたがこの国の王女の生まれ変わりなのか教えてくれませんか?」と聞いてみることにしたのだ。
すると、「私は……前世の記憶を持っているわ。あなたは……あの『伝説の賢者』の魂を引き継いだ人間なのね」と、俺を見て……彼女が言ったのである。「あの……。あなたは一体何者なのですか?俺には、普通の人ではない事はわかります」と俺が言うと……。「あらっ?私の事が気になるのかしら。いいわよ」と言って……自分の秘密を俺に明かしてくれたのだ。彼女の名前は……『ミレイナ』と言い、かつてこの世界を救おうとした英雄『天使』の女性で、今は『聖天使』という存在になっているらしい 俺が……『聖天使 ミレイナ』と話している時に……。ミルキーちゃんの様子がおかしいことに気付いたのである そして俺は「ミルキーちゃんは、今どんな感じなのですか?」と言うと「それは……わからないけれど。きっと辛い経験を思い出しているんだろうと思います。今の彼女に何を話しかけても反応しないの」と言う。そこで……俺はある仮説を立ててみたのである
(俺が推測する限りだと……。ミルキーちゃんがこうなった原因は……。ミルキーちゃんと瓜二つの双子の妹の方だと思うんだよな……。でもどうして、もう一人の妹と離れる事にしたんだろうか?)
俺は……『妖精族の秘伝書』を開いて……この世界に伝わる伝承を読んでみたのである。すると……そこには……ミルキーちゃんが封印された経緯が書かれていたのである。それを読むと、この世界に闇魔獣使いの邪気が発生し……闇魔獣達によって世界は恐怖に包まれてしまったという事が書かれていて……。そして……妖精族の女王様とその娘の双子だけが、闇の魔力の影響で……心と体に影響が出始め……妖精族以外の生き物に対して憎しみと嫉妬を持つようになった事。
その事を嘆いた妖精族の王様は……妖精界を脱出しようと試みていたのだが……。暗黒の騎士達や暗黒騎士を崇拝する者達の妨害にあってしまって……妖精界の外の世界に行くことが出来なかったという。そして……妖精族の女王の娘であり、妖精界の王女でもある少女『ミルキー』の心の闇が増幅されてしまい……。ミルキーは……自分と同じ顔で性格も一緒の少女の妖精『ミン』の事が許せなかったのであろう。
それでミルキーは、ミルキーを殺せば……『ミルキーの心』は開放されるかもしれないと思ったのであろう。そして……ミルキーの『ミルキーの身体』に乗り移っていた暗黒の神の力を吸収した邪悪な妖精である『闇妖精 ブラックムーン ダークネスナイト』がミルキーと入れ替わっていた事に気付かなかった。だから、暗黒の騎士達は、ミルキーと入れ替わって『妖精王 妖精騎士 フェアリーロード』になっていた『ミン』を捕まえようとして……この城に忍び込んでいたみたいだったのである。そして……俺達がこの国に来た時には……。すでに城の兵士達が、全滅していたのだ。そして……ミルキーが暗黒の妖精である『ミン』の討伐に動き出して……。俺達のところまで逃げてきて……。妖精王が助けに来る前に捕まってしまったようだ ミルキーは……ミルキーに殺されたのだった。しかし……ミルキーは自分の命と引き換えに、暗黒の神の力を消滅させ……。暗黒の神と融合していたミルキーが……元の姿に戻ることに成功したのだ。
そして……暗黒の神が消滅し、妖精王は暗黒の神の力による呪縛から解放されたのだ。その後……。俺達は、俺の力で……妖精の国の住人の怪我を治した。それから……。妖精王とこの国の人達から話を聞くことが出来た。そして……妖精王は……。暗黒の騎士達に洗脳されて、暗黒騎士になってしまった妹を救うために……妖精女王の力で妖精界から外に出ようとしていて失敗してしまったのだという。その後……。この国の王になり……。そして……妹を探しながらこの国の問題を解決するために努力してきたという。
そして……ミルキーは、この国で起きた出来事を思い出すと苦しそうな顔をした為か……。突然倒れて気絶してしまうのである。そんな状態のミルキーを休ませてあげることにしたのであった。その後……俺達は、『精霊王』と会いに行き……ミルキーの過去を『精霊王』に全て話すのであった。すると……
「そうか……。そういう事情なら仕方ない。それに……この子はまだ成長段階なのだ。精神力が強くないので、過去の記憶で心が傷ついてしまっているのだろう。私がなんとかしてあげるとしよう」
と言った後…… 俺は……。『妖精王の加護石 フェアリーズサークルストーン』を『聖女の加護石 ホーリージュエル』に変えてから……ミルキーちゃんの左手首に装備させてあげたのである。ミルキーちゃんの妹の『アイネ フェアリー クイーン・オブ・ナイト・ダークネスクイーン』はミルキーが目を覚ました時に……この事を知らせてあげて欲しかったので、指輪と腕輪を貸してあげた。すると……妹は嬉しそうにしていた。そして……この妖精王の国に滞在する許可を得たのだ。
俺達は、この妖精の国から出ることにした。そして……ミルキーちゃんが目覚めるまでの間……妖精の国の城で休息をすることにしたのである。
俺達が……妖精王の国から出る時……。『精霊王 スピリットマスター』から……。妖精の国にいる間に妖精の宝具である武器の『精霊王の小刀』を授けてくれるという話をされた。
『小精霊の王の杖』
『精霊の王の石像』は俺が所持しているが……。妖精の国の宝物がこの妖精の王国の国宝であるらしく……。この国の宝は俺が持っている『聖剣デュランダル』だけしかないと聞いたのだ。それで……『聖女の盾 ホーリーシールド』がこの世界の物なら、この世界で作られた物が、俺のスキルの効果が反映して……『聖女の武具』になっている可能性があると思い試してみることにした。
俺は『聖女の守りの宝珠』を使用して……『聖なる守りの小箱』を発動させると……『小箱』が出現させた。そして……。
その中にあった物は……なんと……『小妖精 ピクシー』だったのである。『鑑定』をしたところ……。
『アイテム 妖精の祝福 小妖精(小)
レア度3 効果なし』
という結果になった。俺がその『小妖精』を召喚してみる事にすると……『鑑定カード』が現れたのである。そのカードは……『聖女』という文字があり、名前も『聖女』となっている事から、これは『アイテム 妖精王の秘宝 フェアリーレジェンドシリーズ』であることがわかったのだ。
俺は……すぐに、そのカードをミルキーちゃんの胸元に入れようとしたら……。「キャー」と言って……俺の顔を見て驚いて……急に泣き出したのである。俺はミルキーちゃんを落ち着かせる為に、ミルキーちゃんを抱きしめると……。「ありがとうございます」と言って、落ち着きを取り戻したのである。
ミルキーちゃんは俺の腕の中で「私を守ってくれるのですか?」と言って来たので……俺は「うん」と言うと……。ミルキーちゃんの頭の中に直接言葉が浮かんできたような感じがしたのである。そして……。
「私は……。あなたのお役にたちたいのです」と言うとミルキーちゃんの身体は光だし、ミルキーちゃんに光が包み込んだのだ。俺は……ミルキーちゃんから離れないように必死で耐えていたが……だんだん力が入らなくなってきて……気を失ってしまったのだ……。
(あれっ?ここはどこだ?)
と俺は思っていた。そして……。周りを見るとミルキーちゃんの姿が見当たらない。
(まさか……ミルキーが俺を置いていなくなってしまったなんて事は無いよね?!でも……俺には……。この場所に見覚えがあるんだよなぁ……。確かこの前見た夢で出てきた場所なんだよな。それに……なんか、あの夢の中では……この世界に俺達しかいなかったはずだよな?どうして俺達はこんなところにいるんだ?)と思っていると……。俺は……『鑑定 聖女の守護者』というカードを使用した時に……。ある事に気付いたのである。
俺の前にいた女性は……ミルキーではなかったのだ……。その人は……この妖精の世界で出会った妖精族の少女『ジーラ』であり……ミルキーの魂が入っている少女でもあった。そして……。目の前に現れた人物は……。ミルキーの身体を借りた……『妖精王 妖精騎士 フェアリーロード』という存在になっていた妖精族最強の少女『ミン』その人であった。俺が、妖精王にミルキーちゃんが暗黒の力によって暗黒の騎士と化して妖精の国を破壊している事を説明された……。俺はミルキーちゃんを救う事が出来るか尋ねたが……。どうやら俺にしかできないらしい。俺は……。ミルキーちゃんを救おうと思うと決意を固めた。
しかし……。どうやって……ミルキーの身体に入った暗黒の騎士とやらを討伐するべきか悩んでいた……。そこで……。俺の中にある疑問があった。暗黒の騎士となった妹を助けるために暗黒の騎士に近づいて行った妖精族の女王の娘であり……。妖精界の王女様であり……妖精騎士の称号を持っている妖精族の姫でもある『ミルキー』はどうして、ミルキーが妖精の騎士達から狙われていた理由を知ってしまったのかと思ったのだ。そして……。どうして妖精騎士のミルキーが、妖精の国を破壊したのであろうと思った。だから、ミルキーを救おうとすると暗黒の騎士になってしまう可能性があるという事で、俺一人だけでは危険だと考えたのだ。だから……妖精騎士のミルキーが、ミルキーの心と身体が入れ替わる前の状態にする為にある作戦を思いついた。
それは……ミルキーの心と体が入れ替わり、入れ替わった後、ミルキーが暗黒の騎士になっていた事に気付くようにしたかったからだ。暗黒の力の影響で……この国の兵士達は全滅したと聞いているのである。
まずは、この妖精王国に潜んでいるかもしれない暗黒の騎士を見つける事が先決だと思ったのである。
そして……。暗黒騎士を見つけ次第、暗黒の騎士を封印するか……暗黒の力を打ち消して……暗黒の力から解放させようと思っていた。
だが、暗黒の騎士は簡単に見つからない。俺達が妖精騎士になっていれば別なのだが、この世界の妖精族は、まだ暗黒の力に侵食されていない。それどころか、妖精王である『妖精王 妖精騎士 フェアリーダー・ダークネスロード』がこの国を守ると誓ってくれた為、この国は守られている。そして……この国にいる限り安全であるとの事だった。暗黒の神にこの世界を支配させる訳にはいかないから、暗黒の神の力を宿している暗黒の騎士を探し出して討伐しなければならないのだが……。
そして……妖精騎士のミルキーと妖精女王の妖精王が協力する事に決まった。しかし……俺はミルキーに会わせる前に……。ミルキーの妹がミルキーと入れ替わりミルキーが妹になっていると知った場合の事も考えていた。しかし……暗黒の力は暗黒の神の力なので、妹の心に影響を与えて、この国を破壊する危険性があるので……妹がミルキーに助けを求めない可能性もあるので妹を説得してミルキーと入れ替わってもらった方がいいのではないかと思っていた。
そんな時に……。『精霊王 スピリットマスター』が現れて……俺の相談に乗ったくれたのである。そして……。ミルキーとこの妖精王国の『聖女』という称号を持った俺の契約者が協力して……俺達がミルキーになる事を提案された。ミルキーはこの世界で、暗黒の力で精神を乗っ取られて行動してしまう事になるが……。俺は……ミルキーを救うために『聖女の加護石 ホーリージュエル』を使ってミルキーの左手首に指輪を着ける事にした。これで……『聖女の武具』に変化してくれれば……俺は、『小妖精 ピクシー』と契約をして、ミルキーの中に入っている妹の意識と体を入れ換えられると思った。
その後……『精霊王』が……『妖精騎士の加護石 フェアリーナイトリングストーン』を貸してくれて……ミルキーと俺を『妖精騎士』へと変えてくれたのだ。そして……。俺とミルキーが妖精騎士になった後で、この妖精の国の人達と別れる際に、『妖精王の加護石 フェアリーレジェンドシリーズ』のアイテムを全て渡してくれたのである。俺達は、『妖精王の指輪』を使いミルキーに『フェアリージュエル・小妖精の剣 スモールピクシーソード』を装備させ、そして……『フェアリーシールド 小妖精の小盾』を発動させたのである。この装備により、妹を救い出せると確信したのである。
そして……『小妖精 ピクシー クイーン オブ ナイト ブラックフェアリー』にも『フェアリーシールド 小妖精の小盾』をプレゼントしたら……凄く喜んでいた。『小妖精の剣』は俺も使えるようになったのである。
『小妖精 リトルエルフ クイーンオブダークネスプリンセス』と『小妖精 リトルエンジェル クイーンオブライト』の二人は、ミルキーを慕っているようだ。俺はミルキーが目覚めるのを待つ間、城にいることにした。俺達は、この国の人たちが暗黒の力の影響を受けて暴走しないように注意していかなければならなと感じたのだ。暗黒の影響による負の感情に呑み込まれてしまった人を救う事は出来ないし……暗黒の力が強くなるだけなのである。
そして……。ミルキーと入れ替わった俺に暗黒の騎士の居場所を教えて欲しいと妖精達に頼まれたので……俺は『鑑定』を使用して調べると……俺の頭に情報が表示されたのだ。暗黒の騎士がいると思われる場所に心当たりがあったので……その場所に行ってみることにする。そこは……。『大妖精の森』と呼ばれている妖精族の領域の近くにある『妖精の森』であった。そして……。俺がその場所に着いて……森の中に足を踏み入れた瞬間……俺の周りを光の結界で囲んでいたのである。
その森の中央にたどり着くと……そこにあった光景は……。俺に攻撃しようと襲ってきたのは、ミルキーを乗っ取っている暗黒の騎士そのものであった。ミルキーを救い出すべく俺は、戦闘態勢に入ると……『鑑定』を使用せずに、すぐにミルキーの中にいる妹の意識を探す事にしたのだ。すると……すぐに妹を見つけたのだ。その途端に……暗黒騎士は苦しみ始めた。
『私は、お姉ちゃんを助けるために……。私には……戦う事なんてできないの……。助けてください』という妹の言葉を聞きながら……俺はミルキーを救い出した。俺は、ミルキーに暗黒の力を打ち消す効果がある聖水を飲ませて、ミルキーにミルキーを憑依させている暗黒の騎士を引き剥がそうとしたが……暗黒の力に打ち勝てる程の力が足りないせいか……俺は気を失ってしまった。
目が覚めると俺はベッドの上にいた。そして……。ミルキーの姿は見えなくなっていた。
「大丈夫ですか?」と言う女性の声が聞こえた。俺は、その女性の方に目を向けると……そこには……。
この国の王女様であり……。暗黒の力の影響で妹と入れ替わっていたミルキーの姉である妖精族の女王であり……。妖精騎士の称号を持つ『フェアリーロード・ダークネスロード』の妖精姫様がいたのだ。
俺は、俺を助けてくれた礼を伝えると同時に……暗黒の力から妹を救う事が出来なくて申し訳ない事を伝えたのである。そしたら、彼女は「気にしないでください。私の命に代えてでも……。あの子を止めます」と言っていたので……俺は彼女にミルキーを託して、彼女に任せることにしたのである。
(しかし……。なんだろう……。ミルキーを救えたと思ったんだけど……。何か違和感を感じるんだよなぁ……。どうして、あんな暗黒の力に取り憑かれてしまっているのかなぁ……。一体どうしてなんだ?)と俺の頭の中に疑問が生じて悩んでいると……。俺がミルキーを救えなかった理由を話す前に……ミルキーが暗黒の力に支配された経緯を説明すると、暗黒の騎士となってしまった妖精族の女王の娘は……。暗黒の神がこの世界に顕現した際に、自分の力を与えてくれると言って暗黒の神が差し出した手を取らなかった為に……暗黒の神が激怒してしまい……その怒りの波動を受けただけで、身体が震えだしてしまった。暗黒の力に囚われた時……。恐怖を感じた。自分が自分でなくなりそうだった。しかし……妖精王の娘であり……『聖騎士』の称号を得た妖精族の戦士『フェアリーダー・ダークネスロード』の加護のお陰か……自我を保つ事が出来た。だが、このままではいずれ身体を奪われてしまう。それを防ぐために……。ミルキーは、ミルキーの肉体を支配している暗黒の騎士を倒すためにミルキーの肉体を借りる事を決めたのだそうだ。しかし……暗黒の騎士の力が予想以上で……。ミルキーの心と体が入れ替わり暗黒騎士として行動するようになってしまったのだと……。俺は話を聞いた。だから……。暗黒の神は……。ミルキーを操り人形にしようとしているのではないかと思った。暗黒の騎士のミルキーは……。暗黒の神を倒そうとしていたのである。俺は……ミルキーがそんな危険な行動を取ろうとしているのが嫌だったので……ミルキーを救おうとしていたのだ。しかし……。俺はミルキーを暗黒の神に奪われたくはないから、ミルキーを暗黒の神から救ってみせる。俺は、ミルキーを救うためならばどんな事をしてもミルキーを助けるつもりでいると伝えると……。妖精女王である彼女が言った。
「あなたには……ミルキーの魂が入っている肉体と心を浄化して貰う為に、しばらく眠っていてもらうね♪……」と言われて……。俺の視界は真っ暗になり意識を失ったのである。
しばらくして……。
俺が目覚めて……ミルキーの体に入り込んでいる暗黒の騎士に話しかけると……。暗黒の騎士は、驚いた表情をしていた。
俺は、暗黒の騎士から……俺達が『フェアリーワールド』の勇者であると告げられて驚愕したが……。
ミルキーから……俺達が『フェアリーロード・フェアリーゴッドマザー・ピュアエンジェルロード』だと言われた。俺はミルキーからそう呼ばれる事になったのだ! だが……ミルキーが俺を庇った為、俺達がこの国に来ていることや、暗黒の騎士の居場所を知っている事などを全て話してくれなかったので……。ミルキーから、ミルキーと妹の状況を聞くことにし……ミルキーから妹の情報を聞いた後で、ミルキーの妹を救出すればいいと思って……俺はミルキーと話し合いをして……お互いに協力し合って妹を救出することになったのだ。そして……。妹は、妖精の森でミルキーと妹が入れ替わってから数日は普通だったが……。突然暗黒の力の影響が出て来て……ミルキーの妹は……心が暗黒の闇に染まってしまい……この妖精の国に危害を加えようとしてきそうな予感がしたので……ミルキーと一緒に妖精の森で待機することにしたのである。俺も、俺をこの世界に送り込んできた『神』である存在からの指示があるまでは何も出来ないと判断したのだ。それに、暗黒の力の影響が出ていないのか心配だったのだ。ミルキーの妹は、妖精族の中で最強と言われている『妖精女王』に進化していて、『妖精王』の妖精王の加護を持っている。暗黒の騎士も『妖精騎士』の称号を手に入れていて、『フェアリーマスター』の称号を持っていたが……『妖精王』の妖精王の加護を俺が与えたのと、俺の仲間になったミルキーのスキルのおかげで『妖精王』の妖精王シリーズが使えたとしても、『小妖精』としか契約出来ないので……ミルキーより強くはないだろうと思った。
ミルキーの妹が俺達を襲ってきて……返り討ちにした後で……。暗黒の騎士である妹の心が暗黒の力で汚染されている事に気付いたのだ。ミルキーは暗黒の騎士と戦っていたが……俺は暗黒の騎士に不意打ちされて暗黒の騎士の攻撃をまともに喰らってしまったのだ。そして……暗黒の力に侵食された俺は……ミルキーと入れ替わってしまって、俺に攻撃しようとしたのだ。その時に暗黒の力で精神を乗っ取られた俺は、この世界に来る前にいた現実世界での俺の姿をしていて……この世界の服装ではない状態でいたのだ。
俺は、暗黒の騎士と戦う際に……ミルキーの持っている聖水を使うことにした。そして……。暗黒の力に打ち勝つことに成功した。
その後で……暗黒の騎士は……俺に倒されたのだが……。暗黒の力の影響で俺の精神は、俺の体の中に戻れなくなってしまったので……。暗黒の騎士の体を俺の体に『交換する魔法』を使用して俺の体の中に暗黒の騎士の精神を移動して、ミルキーの心の体である俺の身体の中に移動した。暗黒の騎士がミルキーと入れ替わった際に使った『小妖精の剣』を使ってミルキーが暗黒の力に支配された妹と戦ったのだ。ミルキーの剣捌きは見事だった。そして……暗黒の騎士の剣は折れてしまった。ミルキーは、妹の身体に刺さっている自分の短刀を引き抜いて妹を斬ろうとしていたのである。その時……俺は妹を助ける為に『転移魔法』を使用し、妹の元に飛んだのだ。そして……妹と入れ替わろうとしたが……ミルキーに阻止されてしまい……再び暗黒の力に支配されてしまったのである。
妹に俺の肉体を奪われそうになったので……妹の体内に侵入しようと思い……。『転移魔法』を発動し……。暗黒の力に取り込まれているミルキーの妹の肉体に侵入して、俺は『妖精族 ダークエルフ クイーンオブフェアリー』と『小妖精 リトルダークネスプリンセス』の称号を持つミルキーの双子の姉で『フェアリーゴッドチャイルド ダークネスゴッドマザー』という種族の女性である『ダークネスゴッドチャイルド・フェアリーゴットマザー・ミルキーシスタープリンセス』の心に接触して……。俺の人格の一部を移動させたのである。
そして……。ミルキーの妹の中に入り込んだ事で分かったことがあった……。
どうやら……ミルキーの妹の意識の奥底にいる闇の女神らしき人物の存在を発見したのだ。
それから暫くすると、俺は元の世界に戻ってくることができた。だが……。ミルキーの心はまだこの『大妖精の森』の中に残されていて、ミルキーがこの世界に帰ってくるまでは元に戻れなかったのだ。
だが……ミルキーが戻って来るまでの時間でミルキーの姉がミルキーと入れ替わりになっていたのが分かり……俺はミルキーと会話をしている最中に『暗黒の騎士 暗黒姫の憑依状態が解けたので、暗黒の騎士の力を封じました』という『メッセージ』が頭に聞こえてきたのだ。
ミルキーのお姉さんから話を聞いた俺は……この妖精の国にあるダンジョンを攻略する事にしたのだ。だが……。ミルキーはお姫様なので、この妖精の国の外に出る事が出来なかったので……。俺は、ミルキーの姉と一緒にミルキーと俺の妹を救出に向かう為に、この妖精の国の城から妖精の森に移動する事にしたのであった。
ミルキーは、妖精騎士の称号を得る前は、『聖女騎士』の称号を持つ戦士だったが……。現在は、暗黒騎士の称号を得てしまったので……。この世界において聖女の称号は意味を成さないだろう。だから……俺は……暗黒騎士の力を失っている状態のミルキーを連れて妖精の森に向かいたいと思っていたのだ。
そして……。俺と俺の仲間達は……暗黒の森と呼ばれる妖精の森の中にある巨大な樹木型ダンジョンに向かって出発したのである。
俺は今、暗黒の森と呼ばれる場所を仲間と歩いているのだ。俺は、ミルキーの妹を救い出す為に……ミルキーと一緒にこの暗黒の森と呼ばれている妖精の森にやって来ていたのである。
暗黒の森に入る為に……。暗黒の神の力によって魔物と化してしまった巨大樹木モンスターが森の入り口付近に出現したが……暗黒の騎士の力を得た俺とミルキーの仲間達には全く効果がなく……。あっさり倒すことが出来たのである。そして……俺達は無事に妖精の森に辿り着く事が出来た。
妖精騎士の称号を得たことで……俺に『小妖精 リトルダークネスナイト』の称号と暗黒の力を吸収したことで使えるようになった『聖女騎士』の称号が与えられた。
暗黒の騎士の称号を得た事で暗黒の力は使用出来なくなっていたので……。暗黒の神の呪いから解放されたミルキーは暗黒の力が使えなくなっているのだ。俺は、この妖精の国で最強の戦士の称号『聖女騎士』を手に入れたのだ。俺はこの称号で暗黒の森のボスを倒したので……この妖精の国の新たな守り神である暗黒神の化身になったのだ。ミルキーも暗黒の神の使い魔になってしまったのだが……暗黒神の使徒の魔王であるダークエンジェル・リリアとは敵対している関係なのだが……。リリアはミルキーの妹で……。ミルキーとミルキーの妹は……暗黒の邪神を復活させようとする暗黒の騎士の陰謀を阻止する為にこの『暗黒の森』の探索に協力してもらえることになったのだ。ミルキーの妹は……ミルキーの姉の暗黒騎士の力に汚染されていたせいで暗黒の力に汚染されているのだそうだ。
俺とミルキーが暗黒の森を探索していると……『大妖精の森』と呼ばれる巨大な森林が見えてきたのである。この『大妖精の森』は妖精族の始祖と言われる女神が生まれたとされている場所らしいのだ。その事から、妖精族にとっては聖地になっているのだそうだ。その『大妖精の森の中』には『妖精樹海』があり……。『妖精樹海』の中心には……『世界妖精 フェアリーゴッドマザー 世界妖精 世界精霊の母 世界神界の母なる世界母神様の神殿 大精霊の塔 大妖精の祠』とそれぞれ呼ばれる世界樹があると言われているのだ。世界妖精 世界精霊世界神は、全ての妖精の頂点に立つ妖精達である。
暗黒騎士は、『フェアリーワールド』の世界が危機に陥る時に出現する伝説の存在である暗黒の騎士の力を手に入れて……妖精の国が邪悪な暗黒の力で支配されようとしているので……。妖精達の世界を暗黒の騎士が支配する為の計画として……。
この妖精の森の近くにある暗黒の森と呼ばれる巨大な暗黒大樹がそびえ立つ暗黒の森を活性化させたことによって……この妖精の森に暗黒の力を持つ者達を呼び寄せようとしていたようだ。
そして……その計画を阻止したミルキーに、暗黒の力は効かなくなってしまい……ミルキーの心の体に入り込んで精神を乗っ取りかけたが……。暗黒の力が浄化された影響により暗黒の力に飲み込まれかけていた暗黒の力から解放されてしまったのだ。その為に暗黒の騎士である妹は……。
精神の本体が精神世界で肉体がない状態である。精神世界の中で暗黒の力との闘いを続けていたが……。精神力を消費し過ぎた為に精神崩壊をおこして……肉体が消滅してしまうところだった。俺は、妹の体に侵入して……精神世界にアクセスして妹に呼びかけてみたのだが……。
精神世界で妹を抱きしめると、妹が泣き出したのだ。妹は……自分の心が闇の魔力に侵蝕されて、暗黒の闇に支配されそうになり……自我を失いそうな状態でも、自分の事を気遣って心配してくれる兄の心を感じて……兄を安心させる為にも……このまま負ける訳にはいかないと自分に言い聞かせた。しかし……。妹は暗黒の騎士の力では、自分を救う事はできないと判断したのである。妹が諦めかけた時……。妹の心の中に、暗黒の力とは別の暖かい光が差し込んできたのである。暗黒の力に飲み込まれるのを防いだ妹は、その光に導かれるようにその光を追いかけていくと……暗黒の騎士は暗黒の女神に乗っ取られてしまったのだ。
妹は、暗黒の女神の呪縛を何とか解く事に成功して……その隙をついて……妹は精神世界から離脱しようとしたのだ。
暗黒の力に侵食されている精神世界から抜け出す事は、暗黒の女神の精神力の方が上回っている為に成功する可能性は非常に低くなってしまったのだが……。それでも妹は、必死になって精神世界から逃れようと抵抗し続けているのであった。そんな時……。妹の体に侵入している『おにいちゃん』と暗黒の女神が接触して……暗黒の闇の女神である暗黒の邪神の力を封印することに成功したのだ。だが……その時に……。暗黒の女神の精神力で辛うじて保っていた暗黒の精神が崩壊して……。精神が消滅しそうになった妹は『おねえちゃん。助けて欲しい』と言う言葉を残して消えてしまう寸前だったのだが……。暗黒の女神の精神体が妹を助け出そうとしたが……妹の心に干渉する事ができず……。そのまま消滅したのだった。
妹の体は……精神世界に取り残された状態で暗黒の力の影響で暗黒の騎士の姿に変化してしまったのである。妹の体を操った暗黒の騎士が妹を殺そうとしたので……俺は妹の体に介入をして妹の体を動かし……。暗黒の騎士の攻撃を回避させて……暗黒の騎士を返り討ちにすることが出来たのである。俺は妹の精神体に呼び掛けたのだったが……妹からの返事がなかったのだ。俺は妹の体を強制的に操作しながら暗黒の森から脱出することにした。暗黒の森の中心部に『世界妖精 世界精霊 世界神様の塔』が存在する妖精の聖域と呼ばれている場所に妹を転移させたのだ。妹を暗黒の力から解放した事で、妹の体に憑依した状態だった暗黒の力を俺に移すことに成功した。そして……俺は妹と入れ替わろうとしたら……。俺と入れ替わったのは俺の心だけだったのだ。どうやら俺は、俺の心の一部だけがこの『フェアリーワールド』にやってきたみたいだ。そして……俺の心の一部は『大妖精の森』で『世界妖精 世界精霊 世界神界の母なる世界母神様の神殿 大精霊の塔 大妖精の祠』に向かうことにしたのだ。
暗黒の騎士に憑依されている状態のミルキーに俺が、話しかけても反応が無かったのだ。暗黒の騎士の力の影響なのか……。それとも……『暗黒の魔女』の力に浸食されていて、俺の声に気が付いていないだけかもしれないと思ったのだ。俺は、暗黒の巫女の力で暗黒の騎士の力を抑えることに集中したのだ。そして……。ミルキーの妹が……暗黒の力が浄化された事で……暗黒の力から解放された瞬間を狙って、俺は、ミルキーの妹に近づいて……。俺は、妹を抱き締めながら、「大丈夫だよ。お姉さん。君は俺の妹のミルキーだ。暗黒の呪いのせいで暗黒の神に取り込まれそうになっていただけだ。もう、心配はないからね」とミルキーに向かって優しく声をかけるのであった。
すると……俺の言葉を聞いたミルキーは……。急に意識を取り戻したかのように目を開けてくれたのである。
俺は、暗黒の力からミルキーを救ったのだが……。俺は暗黒の騎士の力を完全に抑えることが出来なかったので……。一時的にミルキーと俺の力を交換したのである。
俺の『小妖精 リトルダークネスナイト』の称号と暗黒の力を吸収することで……。俺は暗黒の神の化身として覚醒したのだ。
俺は……暗黒の神の化身となって、この世界の管理者に『メッセージ』を送ったのである。『世界神界にいる管理者よ……。お前はこの世界の住人に対してどのような罰を与えるのか……?』という感じの内容の『メッセージ』を送りつけたのだ!俺は、暗黒の騎士の力を利用して、『ダークネス帝国』の支配を終わらせるように仕向けていた。その結果が分かるまでは……。俺は……こっちの世界での生活を満喫しようと思っていたのだが……。その時である……。俺はこの世界に来てからずっと違和感があったんだ。この『フェアリーワールド』には、魔王と呼ばれる者が2人存在しているのに、『ダークワールド』には存在していない事に……だから……その答えを知るために俺は『ダークネス城』に行くことを決意したのである。俺は暗黒の力を制御する事が出来るようになったミルキーと一緒に『ダークネスキャッスル』に向かったのである。
俺は、暗黒の神の化身となった俺は、ミルキーと手を繋ぐことで、ミルキーを自分の所有物にすることが出来たので、一緒に行動することが出来て嬉しいんだけど……暗黒の騎士に憑りつかれていて、暗黒の神に支配されかけていた影響で……。俺は、ミルキーを自分の所有物に出来ることで少し興奮してしまっているようだ……。俺はミルキーを連れて、暗黒の魔獣に乗って、『ダークネスターの森』に到着したのである。そして……この世界に存在する魔王の片割れに会うべく……。
この森に君臨するのは……。暗黒の神の力を取り込んだ『魔王』の称号を持つ少女で……魔王の称号をこの『フェアリーワールド』で手に入れた初めての存在である。
その魔王の名は『ブラックドラゴンロード・リリア』
「私を……魔王と呼ぶか……まあよい。この世界において魔王を名乗る資格は我にあり。我がこの世界を支配してやる。我こそが最強の存在であると証明するために……。我のこの力は、全ての邪悪を打ち滅ぼすことができるのだ!」と威圧感を出して言って来ていたが……。俺は……暗黒の力をコントロールできるようになったので……余裕の表情をしていたのだ。俺は……暗黒神に認められた存在だし……俺は暗黒騎士の力も使えるから……。
そして……俺は『ブラックライトドラゴン レベル99』を召喚して…… その巨大な竜を従わせることができた。俺には強力な暗黒の力で作られた巨大な暗黒龍を従えることができるのだ。『ダークネス
マスターソード 攻撃力+200 特殊効果:闇の刃
装備時にHP,MP,SP ステータスが100上昇 暗黒神の加護(スキル):剣攻撃強化III 闇耐性アップV』を装備したのである。この武器と盾を装備すると……この世界で最高レベルの強さになったので……。この世界の支配者としての資格は充分にあるだろう……。それに……。この『魔王』は俺の好みのタイプじゃない。
ミルキーが、「あの……。その格好は?あなたは、いったい?」と不思議がっていたが……。
俺は……「えっと……その……」と言葉が詰まっていたのだ。
すると…… 暗黒の少女が、「何者なんだぁああ!!!!」と怒り出したので……。この世界で最強の力を持つ魔王は誰だと聞くことにしたのである。そしたら……。暗黒の騎士に憑依された状態だった時の記憶が無いみたいなのだ。それで俺は……。俺は……暗黒の騎士に憑依されていた状態の時に聞いた『ダークネスターの森の奥地にある黒い城の城主の名前は……』と言う情報を教えてもらったのである。その情報を聞いていた暗黒の騎士だったのだが……。突然苦しみだして……『ダークナイト様!!』と言い出したのであった。
その光景を見ていた俺が、暗黒の神の力が宿った聖水を取り出した時……。暗黒の姫だったミルキーが……。
「太郎!!それは駄目!!お願い。止めて……。その液体は使っちゃダメ。暗黒の騎士の魂まで浄めてしまいそうなの……。それだけは……。」と言って俺を止めようとしたのである。しかし……俺には聞こえなかった。俺は、暗黒の力を浄化するための力を発動させて……。聖水をふりかけたのだ……。そして…… 俺達は、暗黒の騎士の力に支配された少女を救うことに成功したのだ。しかし……その代償として、ミルキーと暗黒の騎士は分離することになってしまったのだ。そして……その分離したミルキーは……。自分の心の中に残っていた暗黒の力を浄化させる力を使ったのである。その結果……暗黒の騎士の力は浄化されて消えてしまったのである。
しかし……俺の暗黒の力は浄化されることが無く……逆に俺の力に吸収されて俺の能力が大幅に向上したのだ。俺は……暗黒の騎士に寄生していた暗黒の女神から暗黒の力を吸収できた。暗黒の女神は消滅したが……その代わりに暗黒の神の化身として生まれ変わった俺は、新しい能力を手に入れることに成功したのだ。
俺は暗黒の騎士の持っていた漆黒の宝玉を使って……新たなる称号を手に入れて……俺は……新たに進化したのである。
この『暗黒の魔神 レベル999』という新しい称号を手にいれた事で……。
暗黒神に認められた証でもある称号を手に入れたのである。
そして……ミルキーも、暗黒の騎士の暗黒の力で心を蝕まれていた暗黒の呪縛が解けたことで……暗黒の騎士からミルキーに戻ったのだ。俺がミルキーに、「おねえちゃん」と声をかけたら……。急にミルキーは、「うわーん」と泣いてしまったのだ。
ミルキーのお父さんは……。暗黒の魔王に滅ぼされていたのである。そして、お母さんと妹は……。『ダークネスターの森』に潜む魔獣の餌食になっていたみたいだ……。
『フェアリー王国 妖精騎士団』のメンバーの殆どの人達もこの世界では命を落としている事が分かっている。だから……『フェアリータウン』は壊滅状態になっている可能性が高い。だから……『フェアリーランド』も……俺達がいた時のままの姿で残っているとは考えられない。だから……。俺達が今から向かおうとしている場所は……。俺とミルキーの故郷の『フェアリーランド』なのである。
俺とミルキーの生まれ故郷の『フェアリーランド』の『フェアリーシティ』の入口にたどり着いたのであった。
ミルキーが、
「太郎。この扉の先は……。私の知っている場所と同じだと思うの……。私は……ここで生まれ育ったの。この世界の事を色々と勉強するために、私が暮らしていた家は『フェアリーキャッスル』というお城の地下にあったのよ。でも……。地下に住んでいたせいなのか分からないけれど……。私の記憶は曖昧な部分もあるし……。今はどんな感じなのか分からないわ。だけど……この先に進んで……。何か思い出せればいいけど……。でも……やっぱり不安よ……。」と言うのである。ミルキーが、俺と手をつなぐ力が強くなり、「お姉さんの手を握っていると落ち着くよ。お姉さんは……。僕が絶対に守るから安心してね」と優しく言うのであった。俺も……。この『暗黒の世界』に来てからずっと……。暗黒の騎士に囚われていたので……。ミルキーに申し訳ない気持ちでいっぱいなのだ。そして……暗黒騎士は、ミルキーのお兄さんの身体を使っていたんだが……俺は……。その事を思い出すたびにミルキーの兄さんを殺した奴らに復讐をしてやりたいと思っていたのである。ミルキーと手を繋ぎながら俺がそんなことを考えながら歩いていると…… ミルキーの妹がいた。この子の名前が…… ミルキー「ミルフィーナって名前なのよ。この子が私の妹で、このフェアリー王国の第一王女様なのよ。それでね、この子の本当の名前は『ルシア』というのよ」と言ってきたのである。「じゃあ、この子はこの国の姫君って事になるんですか?」と俺が質問をした。そして、その言葉を聞いたルチア姫が、「私には姫という自覚は無いです。私なんかよりもっと凄い人がいるし……」と言っていた。そして俺は……。「あっ……。あの……ちょっといいですか?」と話しかけてきたので、「うん。大丈夫だよ」と言ったので……「あなたの事は、父から聞きました。暗黒騎士に憑依されている時に助けていただいて本当に感謝しております。それと……暗黒の神様も……本当に……ありがとうございます」と丁寧に頭を下げていたのであった。
ミルキーと手を繋いでいた俺達の前に、ルシアが現れたのだ。その容姿を見た俺は、ミルキーと血の繋がった姉妹だけあって似ていると感じたのであった。そのルチアは、ミルキーを見て……。
「ミルキー姉さま……。会いたかったよ。心配したんだから……。もう、どこに行ってたのよ!!それに、ミルキー姉さまと一緒に来ていた少年に酷いことされなかった?大丈夫?ミルキー姉さまったら、全然連絡くれないし……ミルキー姉様が生きていると分かっただけでも良かったんだけどね……。あれっ……。どうして……。この少年は暗黒の神の化身なんですか……。それにミルキーと恋人同士にでもなったのでしょうか……。この男の子なら……ミルキーと恋人になっても良いかも……。この子は、悪い人に操られていたのかな?まぁ……私にとっては大切な存在だし……。私だって、太郎と離れるのは寂しかったんだから……。私、頑張るぞ~。太郎のために!!」と言っていた。
「うぅ……。ミルキーごめんなさい……。あの時の記憶がほとんど残っていないから、私にはどうなっているのかよくわからないんだよ……」
「えぇ!?嘘でしょ。ミルキー……。あなた、この前『記憶を失ったので記憶を取り戻したいのですが、何か方法はないでしょうか?』とか言って来たじゃない。だから私は……。記憶を取り戻す方法を一生懸命考えていたのに……。ミルキーったら……。もういいよ。これから先……私と一緒について来て貰うからね。勝手にいなくなった罰よ!!私は……。太郎と結婚するまで諦めないし……。他の誰かと結婚なんて嫌なんだからね。だから……結婚してもらうわ。もちろん、この人とね」とルリア姫はミルキーに向かって言うと俺の腕にしがみついてきて……。俺を見つめてきたのである。
俺がミルキーの顔を見てみると……「この子とは、一緒に居ても、お互い気楽に付き合えるかもしれないわ。それに……なんだかんだと世話好きな所があるし……」
と言ってきたので……。俺は……少し考えて……。
この世界を救う為にもミルキーと結婚した方がいいと思った。そして……。
俺は……この世界を救う為にも、暗黒の騎士だった時の記憶が戻ってから、この世界を『支配している闇』を打ち払うことができる勇者としての力を身につける為に、俺は……。ミルキーと結婚することを決めたのであった。すると…… ミルキーが俺の唇を奪ってキスしてきたのだ。ミルキーは、顔を真っ赤にさせながら「ふつつつものですが……よろしくお願いします。こんな可愛い子を放っといて、何処かに行ったりしたら……ダメなんだからね。おにいちゃん!!」と言ってきてくれたのだ。そして……俺は……。この世界で手に入れた新たな力を使いこなす事ができるように努力をしようと心に決めた。
俺は、ミルキーを『ブラックライトキャッスル』に連れ帰ることにしたのだ。そして、俺は、暗黒の力に憑依されていた暗黒の騎士を暗黒の女神から開放してくれたことで、暗黒の神が『光の女神 ルナ』の封印を解くために必要な聖剣である神槍
『グングニル』の所持者として認められたらしい。その事を暗黒の騎士に憑りついていた暗黒の女神の化身である『暗黒の魔神 レベル999』に確認したところ、俺に聖属性が付与されていて、暗黒の神の加護を受けている状態なので……『光の神 ルナ』の力を手に入れるためには……『神具』が必要みたいなのだ。
そして、俺にはその『神具』がどういうものなのか分かるらしいのだ。しかし……俺にも『神具』が作れるような力もないので……
『神具』を手に入れるための手がかりも掴めない状態で……。俺は、『暗黒の騎士 レベル1000』が持っていた魔道書を解読しながら、暗黒の騎士の持っていた暗黒の力で『魔法』を使う事が出来るようになっていた。
そして、ミルキーの妹のルシアが俺に対して好意を寄せているのを知ったミルキーは、「ミルキーは、私の一番の親友だと思っているし……。私は、太郎のことを誰よりも愛しているわよ。そして……この人のことは……絶対に譲れないし……。私が太郎の妻になるわ」と真剣に答えていた。そして……ミルキーも俺に、「お兄ちゃんのことが好きになっちゃいました。妹だけど、私のことを好きになってくれるかな……。」と言ってくれたのである。そして……ミルキーもミルキーの妹のルリアも俺に告白をしてきて……二人の思いを聞いてあげたら…… ルチアは、「お姉さんは……。私の姉さまだもん。お姉さんは、この国の王女だけど……。それでも……私は、この世界のお姉さんを誰にも渡したくないの。それに……太郎は、お姉さんの為にも戦ってくれてるのに……。そんな太郎が大好きになったんです。私は、絶対にこの気持ちに素直に生きて行きたいと思っています」と恥ずかしそうに言っていた。ルミア姫は……ミルキーを見ながら……。「ミルキー姉さまが……幸せで嬉しいの……。私は……。ミルキー姉の事……。ずっと前から……。大嫌いで憎んでいたの……。ミルキーは……何も悪くないのに……どうしていつも不幸ばかり続くんだろうって……。私、頑張ったよ……。ミルキー姉に少しでも追いつけるように……。でも……でも……。やっぱり私は、この世界にいてはいけない人間なんだと思うの……。この世界に……私の事を心の底から思ってくれている人が誰もいないし……。みんな私の事を邪魔者扱いして……。だから……もうこの世界のお姉さんと会うことはないと思うわ。そして……。お姉さんに迷惑をかけたらダメだから……お姉さん達には二度と会いません。さよなら」と言って泣きながら消えてしまった。俺は、「何があったんですかね?ミルキー?」と聞いたのだが……ミルキーは、「ルチアは……とても優しい子で、私も凄く可愛がってきたの……。ルチアは私にコンプレックスを感じて生きていたから……私に嫉妬をしていたのよ。それでルチアの心の中は複雑になっていたの……」
ミルキーはルシアがいなくなった事を知って、ショックを受けていたが、俺が慰めると……ミルキーは「太郎と会えて良かったよ……。ありがとうね。私ももう大丈夫だから……。ミルキーはね……。今度からミルキー姫って呼ばないとダメだよ。私達は夫婦なんだから……」と嬉しそうな表情で言ってくれたのだ。そしてミルキーは……。「ミルフィーナはどうなるの?」と言うので……「ミルフィーナちゃんがミルキーの娘だと知ってからは、ミルフィーナちゃんとは姉妹のように過ごしてきましたよ。あの子はね……。私の妹なんですよ。そして……。私と同じで凄い美少女なんですから……」と笑顔で話してくれて……。俺は、「あの子が……。あの子の父親は……」と質問したのだった。するとミルキーが「うぅん。あの子の本当の父親じゃないわ。あの子の父親の名前は……『ザハーク』と言って、昔、暗黒騎士と敵対していた騎士だったの。彼は暗黒の神様と戦って命を落としたはずよ。それで……私とあの子で暮らしていた時に、私は暗黒の騎士に憑依されて操られたことがあったのよ。その時に……私は……暗黒の神の言いなりに操られてしまったの。私は、その事で罪の意識があって……。ミルキーが行方不明になったことでミルキーの事を助けに行くことができなかった。ごめんなさい」と涙ぐみながらも説明をしてくれた。俺は……「そっかぁ。でも……暗黒の騎士を倒してくれていたんだよね?俺は、君達がこの世界を救ってくれたんだと知っただけでも感謝しています。本当にありがとうございます。あの子は……君の実の妹ではないのですか……。なら……俺にとって義理の娘という事になりますが……これからは俺の家族です。あの子をよろしくお願いします。俺の方こそ……こんな可愛い子と結婚できて嬉しいよ。あの子を大事にしてあげてください。ミルキーも大変でしたね……」と言った。
するとミルキーが突然抱きついてきて……。「ミルキーって呼んで欲しいの。私を一人ぼっちにしないでよ……。太郎まで居なくなったら私……嫌なんだから……。私は、あの子と太郎と一緒に暮らせたら幸せだったんだけど……。この国はあの子と太郎との思い出が多すぎるから……。私は……。もうこの世界にいる理由がないの……。太郎。私ね……。実はこの国を出る前に、この世界にある『闇の迷宮』の最下層にいた『悪魔王サタン』を倒したの。そして……私は、『悪魔王の心臓』を手にいれたのよ。このアイテムを太郎に託したいと思っているわ。太郎。私は……貴方を愛しています。そして……ミルキーも愛します。私と結婚してくだい。私はね……。『魔王サタン』に呪いをかけられていたみたいで、この世界で『魔王』の称号を持っていた暗黒の神に呪われていて……。私に子供ができない身体になっているの……。だからね……。お願いだから……。お願いだから……ミルキーと結婚してほしい。ミルキーをよろしくお願いします」
俺はミルキーに「わかりました。ミルキーの言うことを信じようと思います。そして……。俺もミルキーに一つ頼み事があります……。聞いてくれるかい?」
俺は、暗黒の騎士の持っていた聖属性の力を手に入れた時に気付いたのだが……暗黒の力を手に入れてから『魔力』が上がったみたいなのだ。しかし……聖属性の力を手にしたら『聖力』が増えた感じなのだ。俺のステータスを見ると……全数値が16000に増えていたのだ。それを見た俺は……もしかしたら……暗黒の力を使っても、レベルが上がるのかと思い……暗黒の騎士の力を使えば『闇力 レベル10』になると分かったのだ。俺は……この暗黒の騎士の力を利用して『闇属性』が使えたらと思ったのだ。
そこで俺は暗黒の騎士の持っていた聖属性の魔道書を開いて『闇属性魔法』を覚えて使えるようになるために『闇魔法』のスキルを覚える為に必要な闇力を溜め始めたのだ。しかし……なかなか思うように闇力が貯まらない……。それでも、必死に俺は、闇力を集めて行ったのである。そして…… 俺は……暗黒の騎士の力で闇魔法を使うことができるようになったのだ。『闇魔法』の習得のために闇力と精神力を使う必要があったのである。それで俺は、聖魔法と併用すれば暗黒の騎士の力を借りれば『暗黒魔法』が使う事が出来るのではないかと考えたのだ。それで俺は、聖魔法で光力を纏った状態で、『ダークライト パワーボール』を無詠唱発動で放つように心の中でイメージをしたのだ。そうする事で……聖魔法と合わさる事で『暗黒魔法 レベル5 光の力(闇の力)』を習得することができたのである。そして、俺が暗黒属性の魔力を練る事ができるようになったのは、ミルキーの暗黒属性の『暗黒の力』の影響を受けているからであることが分かったのだ。
俺とミルキーとルミア姫と神太郎の話を聞くことができたのだ。神太郎は、「俺は『管理者』の権限を持っている。お前達の世界にも神がいるはずだ。その世界を管理する者が俺のいる世界の管理人の役割がある。俺は、元いた世界の地球で神をしている。この世界を管理している。地球の神も俺が担当していたが、その役割を放棄したらしい。俺は、地球に戻れるのだろうか?どう思う?俺は、戻りたいと思っている」と言っていた。
俺達は……この世界に転移させられてきた経緯を説明して、神太郎から、色々と情報を聞いた。この世界に飛ばされたのは、『創造主』『管理者』を名乗る存在の仕業らしい。そして……神太郎が『異世界』と呼んでいたこの世界の事を俺達は教えてもらった。その話を簡単にまとめると、この世界は……。元は、ただの星だったらしい。
しかし……星が成長すると、宇宙に飛び出していくのである。そして、この世界は、銀河系のどこかの星が核となった星なのだという……。そして、この世界の生命体の魂のエネルギーで進化する仕組みで……生き物が誕生し……進化していく中で、生命が誕生する惑星や小惑星などの天体が誕生していったようだ。
生物は、環境に適応するために肉体を変化させながら適応しながら進化してきたそうだ。その時に進化した結果がこの姿になったという事のようである。この世界の知的生命体が住んでいる場所では……人類のような高度な文明を持つ者達もいるのだが、魔物が存在する世界で、魔物達と共存している部族も存在する。しかし……ほとんどの場所では……人間は、自分達の欲のためだけに行動して……人間至上主義を掲げている国が多いようなので、他の種族と対立関係にあるので、戦争なども起こっているのだと言う。この国の王様の話では、人間の国と、それ以外の国の境界線は曖昧だという話であった。この世界に、人種がたくさん存在しているように感じるが、それは間違いで、元々は、人種などは存在せず、動物の進化が進まないまま、その状態を維持し続けていれば、恐竜のようになっていた可能性もあると聞いたのだった。その可能性もありえたという話だったのだが、この世界でも突然変異などで遺伝子の変異が起きた時に恐竜に似た容姿の者もいると説明を受けたのだった。そして……俺達の世界でも同じだが、一部の民族が、その能力で自分達だけが特別だとか……優れた民族だと思って増長した結果……他の国民と争いが起きている事も、同じだなと感じたのだった。俺は、元の世界で、人種差別が問題になっていて、人種差別をしないように教育されているのに……日本に住んでいても黒人が歩いていて目で追う人や……すれ違うときに視線を向けたりとかはしてしまうものだ……。そういう事はよくある事なんだよと話すと、みんな驚いていた。「えぇ!?差別をなくすためにみんな努力をしていたの?それなのに……差別がなくならないわけね」とミルキーは残念そうな顔をしていたのである。俺は……ミルキーが「差別はダメよ」と小さい頃から言っていた理由を改めて理解できたのだった。俺は……そんな事を話し合っているうちに、この世界で生きていく上で大切な事を聞いてみたのだった。それは、生活の基本的な知識から食べ物、通貨制度などを詳しく聞く事ができたのである。そして、最後に一番重要なことを確認すると…… 俺は……「神太郎はこの世界を元に戻すことできる?」と言うと……「あぁ……。もちろん出来るぞ……。この世界を創ったのが、この世界の管理人の役目だったからな……」と説明を受けて、俺はこの世界を救う為に戦う覚悟を決めたのである。それで、まず……この世界を滅ぼそうとしていた魔王軍を倒しに向かう事になったのだった。
そして……勇者が残した日記の内容に『魔王軍四天王』とあった。それで……四天王の一人が……暗黒騎士だと分かった。この暗黒騎士に、この世界を滅ぼすように指示した人物こそが……本当の魔王で……暗黒騎士はこの魔王に洗脳された可能性が高いと思った。それで俺は魔王を倒して暗黒騎士を正気に戻してあげるべきだと思ったのだ。それに……暗黒騎士に操られていたとはいえ……ミルキーもこの世界で酷い仕打ちをされてきて、魔王の事を恨んでいるかもしれないと思っていたのだ。だから……俺は暗黒騎士の持っている暗黒の神の力を無効化してあげたいと思ったのである。それで……俺はミルキーに相談することにした。ミルキーが「私は、暗黒の神の力を封じる事ができるわ。暗黒の騎士の力は太郎なら封印できると思うけど……太郎の暗黒の力が邪魔をして、完全に封印することができないから……。暗黒の神の力だけを封印することは私にはできないわ。ごめんなさい……。太郎」
俺がミルキーの頭に触れて、「大丈夫だよ。暗黒の騎士に憑りつかれた状態の時は暗黒の力でも抑えられたからね。きっと……。俺には暗黒の騎士の力を抑えた時のようにできるから……」と言って安心させたのである。それから……俺達は暗黒の騎士を倒すために作戦を考えることにしたのであった。俺は暗黒の騎士がどこに潜んでいてもおかしくないと思ったので……ミルキーと俺は一緒に行動することを決めたのである。それで俺は暗黒の神の力を借りて、気配遮断とステルスをミルキーにかけてもらっていた。そして……ミルキーの魔力を俺の体に流してもらい『光魔法 レベル6 光の波動(ホーリーウェーブ)』を発動してもらった。
俺とミルキーとルミア姫と次郎は……『闇魔法』を使って隠密で隠れていたのである。俺とミルキーは……ルミア姫を逃がすための時間稼ぎをすることにしたのである。俺は、自分の身体を暗黒の力で包み込んで暗黒の騎士に擬態して暗黒の騎士の力を解放したのだ。俺は「暗黒の騎士よ。俺が相手になってやる」と叫び暗黒の力を解き放ったのである。すると暗黒の騎士に憑依されていたはずの暗黒の騎士が、暗黒の騎士の力を振り払って姿を現したのである。
そして……俺は暗黒の力を使い始めたのだった。そして……俺は暗黒の騎士に近付き攻撃を仕掛けようとした瞬間……暗黒の騎士に殴られてしまったのである。
暗黒の騎士に攻撃されると……。俺と暗黒の騎士のレベル差がありすぎるのと……ステータスの差が大きく開き過ぎていて俺は吹っ飛ばされていたのだ。俺は「ぐは!」と言って……。俺は暗黒の騎士から受けたダメージを回復する為に立ち上がろうとした。しかし……。俺は立ち上がる事ができず……。その場に倒れこんでしまったのである。そして……。意識がもうろうとなりかけた。しかし……。俺は……この世界に呼ばれた時の神太郎の言葉を思い出したのだ。
『暗黒の力を使えば……精神力を消費して一時的にレベルが上がる。それで暗黒の力を使うのをためらっていたが……俺の力では、奴の力はどうすることも出来ない……。暗黒の力で強くなるしか方法は無いのだ……。』と。それで俺は……。レベルが上がっている今がチャンスだと考えて、レベル上げの為に暗黒の騎士と戦うことを決断したのだった。
暗黒の力を使っていると……暗黒の力に支配されそうになり、俺の体が動かなくなり、俺はその場で立ち止まってしまったのである。しかし……。暗黒の騎士の攻撃が俺に当たりそうになると……俺は我を取り戻し、再び俺は暗黒の力を使ったのだ。そして……。俺は暗黒の力によって暗黒の力のコントロールを覚え始めていたのだった。そして……俺は暗黒の騎士に向かって拳を振るおうとしたのだった。その時……暗黒の力に取り込まれてしまい俺は自我を失いそうになったのだ。その寸前で俺は、どうにか踏み止まったのだった。しかし…… その俺の行動を嘲笑うかのように……俺に蹴りを食わせてきたのだ。俺の腹部に強い衝撃が走り……息ができないほどの苦痛に襲われたのである。そして俺は……その場に膝を落としてしまうと……俺はそのまま意識を失ってしまうところだったのだ。俺は……何とか堪えたが……これ以上暗黒の騎士とまともに戦えないと判断して逃げることに決め……『光魔法 スピード』を自分にかけ逃げようと思い発動させようとしたのだった。そして俺が『光力解放』で、自分に『光力強化』をかけて……その場から離れようと足に力を入れたところで……。目の前から暗黒の騎士の姿が消えたのだった。
そこで……ルミア姫の声が聞こえて……。
ルミア姫が『ダークフィールド』を発動して……闇のドームを発生させてくれたおかげで……。俺は助かったのである。俺は、ルミア姫に回復魔法を施してもらったのだった。俺は「ありがとうルミア姫。助かりました」と言うと、ルミア姫は笑顔で微笑んでいた。
ミルキーが心配そうに駆け寄ってきてくれたので……。
俺はミルキーにも礼を言ったのである。しかし……暗黒騎士に変身している暗黒騎士に、一撃をもらうとかなりのダメージを負っていた。暗黒騎士の攻撃を受ける前に……。暗黒の騎士は姿を消している。暗黒の力を使うことで身体能力がかなり上昇しているようだ。今の俺だと全く太刀打ちできないと改めて思ったのだ。それでミルキーにお願いしたい事があったので聞いてみることにした。「なぁ?もしミルキーが自分の力で、魔王を倒そうと思えば魔王討伐できるのか?」と聞くとミルキーは少し困った顔をしていた。そして、その質問に対して答えてくれなかったのだ。俺は気になっていた事を神太郎に聞く事にしたのである。「あのさ?なんで、魔王は魔物達を生み出してるんだよ?」「ふむ。確かにな……」「神太郎も知らないんだ?」「あぁ……。僕もそれは考えた事があるのだが……。魔王の配下の魔人が、魔物を生み出す事が出来るみたいなんだけど……。詳しい事はわからない。それに、魔王は……魔物を生み出すだけで……他の魔物には手を出してないんだよ」と、神太郎は俺の問いに答えてくれる。そして、「僕は……この世界の魔王軍の魔物達や魔王軍幹部を退治する事を優先した方が良いのではないかと考えている」と言うと……。ミルキーに視線を向けたのだった。ミルキーも神太郎を見て小さくうなずいたのだった。それで……魔王が何を考えているか分からない状態で魔王に戦いを挑むのは危険なのではないかと、俺は思ったのである。そして、魔王がなぜこの世界を支配しようとするのかを知る為に……俺は、魔王に接触する必要があると……俺は考えていたのである。俺は「よし……。この世界を滅ぼそうとしている理由を突き止めるぞ」と、言うと……。神太郎とミルキーは俺を見つめて大きくうなずくと……。二人は、この世界を救う為に……。そして……この世界を滅ぼうと企てている黒幕を探す為に……。動き出す事になったのである。そして……暗黒の力を使って……俺は魔王と会話してみることを決めたのだった。
俺は魔王との対話する準備を始めた。俺はこの世界に魔王が存在する事で、多くの人達の命が失われてしまっている現状を考え……なんとか、魔王を止めるために話し合いをしようと思ったのだ。しかし……相手は自分の意思で動いているので……。魔王の意識を呼び出して……魔王と話ができるとは考えられないと思った。だから……俺は魔王に、暗黒の神の力で直接語りかけて、話をするつもりだ。それで、魔王が魔王の力を使わなければいいと思ったのだ。俺は、この世界の人を助ける為には……暗黒の神を降臨させるしかなかった。
それで俺は……暗黒の神に魔王を召喚させ暗黒の力を開放し暗黒の神を召喚させたのである。そして……俺は自分の魂を肉体から離れた状態にして暗黒の力に身を包まれていったのであった。俺は暗黒の力が体中に浸透していくと同時に、精神力と魔力が大量に消耗されていった。俺は……意識を保つだけでも大変なほど……精神力を削られてしまっていたのだ。そして、この暗黒の力を使うには……。俺自身が……暗黒の力に耐えられなくて……。すぐにでも暗黒の力を解除すれば楽になるはずなのに……。それでは……ダメなのだと分かっていたので、耐え続けなければならないという気持ちで俺はいたのだ。
暗黒の力に取り込まれてしまった俺は……。暗黒のオーラに包まれて姿が消えていた。すると……俺の前に突然黒いローブを着た人物が姿を現したのだ。俺が暗黒の騎士になっている時に現れた暗黒の神官と同じ姿であった。そして俺に向かって暗黒の力で攻撃してこようとしていた。俺もその攻撃を相殺するために……暗黒の力で防御した。そして……暗黒の戦士の攻撃を受け流して……反撃したのだ。
それから俺は暗黒の戦士と戦いながら……。俺は魔王を呼び出してみたのである。俺の中にいる魔王の波動が俺に伝わってきたのだった。どうやら魔王はこの世界で起きている事を知っていたみたいで……この世界に来ていることが理解できたのである。
俺の中で眠っているはずの暗黒の騎士と俺が戦っていると知ったら……この魔王は俺を殺しにかかるだろう。
それで……俺は……自分が殺されないようにするには……まず、この魔王と話すしかないと考えたのだ。それで俺は、魔王の呼びかけをすることにした。しかし……
「魔王よ……聞こえてるか……俺は……お前を救いたいと思っていてな……。だから……俺はここに来た。
このままじゃ……。俺は……死ぬかもしれない。
俺は……この世界の人々の命を助けたいと心から思っている……。頼む……。
俺に協力してくれ……。俺は……どうしても助けたいのだ……。
魔王は……人間を殺す必要なんて無い……。
人間の事が好きになったんだろ……。俺は……この世界の人たちを助けたいだけだ。
俺と一緒に……この世界を守ろうぜ。
この世界に闇をもたらそうとするな……。俺がこの世界を守ってやる……。
この世界に平和をもたらすから……魔王の力を解放して…… 一緒に協力してくれるか…… 俺は……この世界で起きる全ての問題に対して全力を尽くして解決させて見せる……。
どうか……俺を信じて欲しい。
この世界は……俺達が守ってみせるから…… だから……。信じてくれ……。」と言うと……。暗黒の騎士が暗黒の力に抵抗できなくなって俺に憑依してきてしまう。そして……暗黒の力に飲まれていくのだった……。
そして俺は……暗黒の力に支配されていたのだった。俺が目を覚ますと……。俺は真っ暗闇の空間にいた。
目の前にいるのは……。全身黒色で……漆黒のフードを被った男と俺だけがいた。
俺は、目の前の男が何者かがわからないので……。話しかけてみた。
「あんたは、誰なんだ?ここはどこなんだよ?」と、俺は目の前の男に聞いたのである。
目の前に居た黒づくめの男は俺が暗黒の力を使う事ができるようになって……。
俺の心に呼び掛けてくる存在で……俺に力をくれると言った暗黒の力を与えた存在である事が分かった。しかし……俺は暗黒の騎士になっていなかった。俺は、目の前の存在に警戒した。
そして……目の前の男のステータスを確認してみると……俺より遥かに高い能力値を持っていたのだ。俺は、「あんたが、この世界を支配できる力を与えて俺の心に取り憑いたんだな?」と言うと……その暗黒の騎士の姿をした者は俺に近づき俺の顔を触ってきたのだ。「その通りだ……。貴様を私に都合の良い駒にしたいと思っているのだ……」と……俺に向かって言っていた。俺はその言葉を聞いて……。俺の顔を触っている暗黒の騎士の姿をした者の腕を振り払うと…… 暗黒の騎士は俺を殴りつけてきたのだ。
「くっ……。てめぇー。ふざけんな!」と……俺が言うと……暗黒の騎士の表情に変化が現れ……。暗黒の騎士は怒りの眼差しをして……。俺に攻撃を仕掛けてきたのである。そして俺は……。暗黒の騎士の攻撃を受け止めると、暗黒の騎士が纏っていた鎧を砕き……吹き飛ばして……。俺は暗黒の騎士を吹き飛ばしたのだった。暗黒の騎士は地面で受け身を取って立ち上がってきた。「て……てめぇ!なんの真似だ!!」と……俺が叫ぶと……暗黒の勇者が「貴様に……。暗黒の神に体を捧げたのだ……。
私は……お前が持っている闇の力を手に入れたのだ……」と言ってくるので……。
暗黒の神が闇の力で、俺の体に闇の力を馴染ませる為に、暗黒の騎士と融合させたことを言っているのだと悟ったのである。俺は……目の前の暗黒の使徒である暗黒の闇の神に……俺の体が侵食されている事に恐怖を覚えたのである。「やめてくれ!!そんな事は望んでいないんだ!!今なら元に戻れるはずだ!!こんな事やめて、元の世界に戻る方法を考えてくれよ……。お願いします。お願いです……。俺の話を聞き入れてください。俺は……。」と……懇願したが……。暗黒の闇の神は……暗黒の力に完全に飲み込まれていた。
「もう……戻れねぇんだよ。それにな……。俺は、魔王と話がしたいだけなのに……なんで邪魔するんだ?まぁ……いいさ……。魔王の野郎を殺せば……この世界に魔王はいなくなるんだよな?だったら……。俺に従え……。」と……言いながら暗黒の力が暴走し始めた。俺は必死に抵抗していたけど……だんだん俺の体は蝕まれていく。そして……。俺は暗黒の力に取り込まれていき意識を失ってしまったのだ。そして俺は、気が付くと暗黒の力の牢獄の中に囚われてしまった。暗黒の力の牢獄の中には俺しか閉じ込められてなくて、外には暗黒の騎士と暗黒の神の姿があったのだ。俺は暗黒の力を取り込んでも自我を失うことなく……なんとか耐えることができていた。しかし……体のあちこちに暗黒の力で受けた傷があり、暗黒の力で体力を奪われていたので……。俺は動くことができない状態だった。俺が暗黒の力の中で意識を取り戻した時に…… 魔王が現れたのである。そして魔王に話しかけられたのだが……暗黒の力でダメージを受け続けていた俺はまともに喋ることすらできない状態だったので、魔王の言葉に応えることができなかったのである。
魔王は、暗黒の力の中で、暗黒の力の影響を受けない俺を見つけて……。暗黒の力の牢獄を壊してくれた。そして……。魔王が「よく頑張ったな」と、一言言ってくれたのである。俺は嬉しくなって、涙を流した。そして、暗黒の力の牢獄の中から解放された俺は……。魔王と話を始めたのだった。
魔王が俺に、どうしてこの世界を支配しようとするのかを聞くと、この世界に転生してきたばかりの魔王の意識では、魔王の力を手に入れても使い方がわからなかったので……この世界に混沌と破壊をもたらしたのだ。魔王は自分の力で魔物達を操り……この世界に魔王軍を作って、そして魔王の力で他の異世界から人間たちを召喚して……。この世界に戦争を起こしたのであった。
俺は、その魔王の行動に対して……なぜそんな事をするのか聞いてみると……。魔王は……俺に言ったのだった。
俺は、この世界に呼ばれた時から、自分がこの世界の者ではないという感覚がずっとあったらしいのだ。だから魔王の力でこの世界に召喚されて、この世界に混乱を巻き起こしている事を魔王が後悔していて……この世界の者達が苦しむ姿を悲しんでいたというのだ。そして……自分の意思に反してこの世界を滅ぼそうとしてしまう暗黒の神の力が恐ろしかったのだと言う。
魔王はこの世界に俺を呼び込んだ張本人だが……。俺には、この世界の人達を救いたいという気持ちがあることを知った魔王は、俺に協力を求めてきたのである。魔王はこの世界を支配したいわけではないのだと言う……。この世界に平和をもたらしてくれる事を望んでいると言っていたのだ。そして、魔王の話を聞いていた俺も、魔王に協力しようと心に決めていた。
俺は魔王に協力し……。この世界に闇をもたらすような行動をしないで欲しい事を伝え……。俺も協力して欲しいと言う。
魔王は、「お前に協力を要請するのは当然のこと……。
我に協力してくれれば、暗黒の力で魔王軍が作れた時と同じように……。
我の力も使いこなせるはずなのだから……。」と言いながら……。魔王が持っていたスキルは、魔王軍の将軍が使えるようなレベルの高いものだったらしく……。魔王は暗黒の力に負けてしまい……。
そして、魔王が持っている闇の力と同じような力を暗黒の力で得ることができたのである。
暗黒の騎士の鎧は壊れていて使えなかったが……。魔王の力を使って暗黒の力で俺を強化していったのだった。魔王の力で強化されるにつれて……。俺はこの世界に転生してくる前の記憶を取り戻していく。俺は自分が死んでからここに来るまでの出来事を徐々に思い出していったのである。
「次郎君……。私達の国を……この国を守ってください……。私には何も力がないけれど……それでも私はこの国の王女です。だからこの国が滅びる事をただ見ていることは出来ません……。」と言ってリータさんが俺の方に駆け寄ってきていた。そして、リータさんは俺の胸の中で泣き崩れていた。そして、ジーラやジーナは俺の傍に来てくれて……心配そうに見つめてきていたが……、俺は魔王に言われたように暗黒の力を受け入れる事で魔王と同じ強さを手に入れる事が出来たみたいで……。魔王が持っている暗黒の力を全て手に入れたのだ……。そして……魔王の力を手に入れた俺は、俺の中の暗黒の騎士が消え去ると……魔王の力を完璧に扱えるようになっていた。俺は暗黒の騎士の力を失ったが……魔王が俺に与えてくれた力を使えば、今までのようにこの世界に混乱を起こさずに……平和を取り戻す事ができるかもしれない。そして俺は……。この世界で平和をもたらす為の戦いをすることを決意するのだった。
俺は……神太郎に「俺と一緒に……この世界を守る為に戦ってくれるか?」と聞くと、「あぁ、俺もこの世界で起きる問題を一人で解決していけるほどの強さを持っていなかったんだ……。だから……俺を救ってくれたことに対して……。恩返しがしたいと思っていたから……。
それに……。俺も……。あの男……俺が愛した人を奪った奴らが憎くて……。この世界をめちゃくちゃにしたんだ。俺はあいつらのやったことを許すことはできない。俺だって許せないさ。俺があいつらを懲らしめたいと思っている。だから一緒に戦おう……。そして俺の彼女を殺した奴を絶対に倒すんだ!」と……力強く俺に向かって言ってくるのだった。
俺は……魔王の力を手にしてから……。自分の中にある闇の力を制御できるようになった。だから……暗黒の騎士が纏っていた暗黒の鎧を身につけると……体が軽く感じた。俺は魔王に……「俺の事は呼び捨てで構わないぜ。俺はお前に救われて……。お前の力の一部を借りているだけだから……。」と言うと……暗黒の神が俺の前に現われて……。「我は……。お前に感謝をしておるのだ……。我が闇の力に飲まれそうになったときにお前が来てくれて……お前は……暗黒の闇の力に打ち勝つ力を見せ付けてきた……。そして、その力の一部は我の闇の力より強いのだ。お前は本当にすごい力を持った者なのだ……。感謝するぞ。我の力は……お前を通してでしか使えないのだ。暗黒の力は……お前にしか扱えない。
これからは、お前の心の中に住む事にする……。暗黒の力を使いすぎるなよ……。お前の心の中にいるからこそ…… わかる事があるんだ……。」と言うと……。俺の中に入り込んできたのだ。すると……。俺の中に……暗黒の騎士の姿が思い浮かび……俺の心の中で暴れ始めた。
その姿を見ていた魔王は俺に話しかけてきた。「おい!その黒い姿は何なんだ!?まさか……暗黒の力に取り込まれて乗っ取られたとか言わないよな? 暗黒の力に取り込まれたのなら、すぐに暗黒の神のところに行くべきだ!!早くしろ!!」と言われてしまった。俺は魔王が言った言葉を否定できない……。俺は確かに……闇の騎士の力に飲まれて、闇の心に支配されていたのだ……。そして俺は闇の力に取り込まれてしまった。しかし、暗黒の神に取り込まれずに自我を保ち続けることが出来たのは……。俺と闇の神が一つになって闇の神の力を手にしたからだと思ったのだ。俺は闇の神の意識が残っているうちに、神剣で闇の神を攻撃しようとしたのだが……。神太郎が闇の神の攻撃を防ぐ為に俺の前に立って、そして闇の神を攻撃して消滅させたのであった。俺は闇の神を消されると……。神の力によって俺の精神世界に戻されてしまう。
そして俺と神太郎は……神の力で精神世界を再構築して……。闇の神が作り出していた世界を打ち壊すことにしたのである。神太郎と協力して闇の神が作り出した世界を壊していき……。暗黒の力の世界は、俺と魔王の意識が支配する世界に塗り替えられた。俺は暗黒の勇者との戦いの時に得た経験や能力のおかげで、暗黒の闇の神と戦うことができたのだった。そして、闇の力で作り出された世界に暗黒の使徒の使徒たちが現れ始めて、その者たちは暗黒の闇の使徒となり、この世界に争いを引き起こしていたのだ。俺はこの世界に転生してきた時に見た夢のことを思い出した。この世界を救う事が自分の使命だと言う事を。そして俺は……この世界を救うために行動を起こすことにしたのであった。
俺は……神太郎や魔王と共に……この世界を守るために行動する決意を固めていたのである。俺達が行動を始めようとすると……俺の体に入り込んでいた暗黒の神が俺に話しかけてきて……「お前たち人間達は、なぜこんな世界に呼ばれたのだ?なぜお前達人間は戦うのだ?戦いに勝っても……人間同士で殺し合うだけなのに……。」と言い始める。そして暗黒の神は俺達人間に対して疑問を投げかけてきていて、それに対して俺達は暗黒の神の言葉に反論できなかったのだ。俺は魔王と相談して、人間達にも協力して貰って、この世界に生きる人達を助けようと決めていたのだが……。人間達も自分達の生活を脅かす魔物を倒すためや、人間同士が争う戦争を終わらせる為に仕方なく戦争を起こしていたからなんだよな……。暗黒の神の言う通りだよ……。でも俺達にはまだ何かが出来るはず……。そんなことを考えている間に、神王の姿に変化していく……。神王は神々しい輝きを放ち始め、その姿を見た暗黒の女神が「なんであなたがここに……。」と言うが、そんな女神に暗黒神が「俺が暗黒の力を使ってこの世界を作り変えようとしてたのに、それを台無しにしにきたのか?」と言っていて、暗黒の神を睨みつけていた。
暗黒の神は自分の作った世界の様子を見に来たようだ。暗黒の神はこの世界を支配できるほどの存在に進化しており……この世界に召喚された俺を利用して……。自分の意思に反して暴走しないようにするために……自分の意思を植え付けることで俺の心を縛ろうとしていて、この世界を俺の支配下に置こうとしていた。だが……。その試みは失敗し……俺は魔王のスキルである暗黒の力で、自分の意思を取り戻したのである。そして俺は暗黒の力を自分の力で制御できるようになったのである。暗黒の力を持つ暗黒の神に対抗するために……俺は暗黒の力を制御する為に……暗黒の騎士に対抗できるほどの強さを手に入れようとしていた。俺は……暗黒の力に飲み込まれて……闇の化身になる事を恐れた。俺は自分の中にいるはずの暗黒の神に呼びかけた。「お前は……この世界の者達に平和をもたらす為に生まれたんだろ?俺は……お前の事を信じるぜ……。俺を信じて……。俺に協力しろ。そしてお前も俺に協力すれば……この世界で起きている問題や……お前の目的を果たすことが出来ると思うんだ。俺は……この世界に生きる者達を助けたいんだ……。俺が暗黒の騎士を倒した後は……。お前に……この世界の者達に力を貸して欲しい……。頼む……。お前の力が必要なんだ……。お前がいなければ俺はまた……闇の力に取り込まれて暗黒の闇の力に染まってしまうだろう……。
俺を暗黒の闇の世界に連れていかないでくれ……。」と……必死にお願いすると……。「ふん……仕方のない奴め……。まぁ……お前に暗黒の力を与える際に約束したからな……。わかった。お前の言うことを聞こう。」と言ってくれていて……。「ありがとう。俺と一緒に……この世界を救ってくれ……。」と言うと……「我に任せるがよい。お前の心の闇に巣食う我の力を利用するといい。お前は暗黒の勇者に勝てるぐらいの強さを手にすることが出来るだろう。そして……この世界を平和にして……皆が笑い合える平和な世界を作るんだぞ。」と言ってくれたのである。俺は……暗黒の騎士と戦わないといけないと思い……覚悟を決める。俺は魔王と話し合い……、魔王の力の一部を使うことで魔王と同じように、魔眼を開眼させる事に成功したのだった。そして俺は……この力を試すために暗黒の鎧を纏っているダークネスモードに変身すると……ダークオーラを体に纏わせていく……。そうすることで暗黒の力を吸収した時の感覚を思い出す事が出来るはずだと……。そして……ダークネビュラスピアを召喚したのだ。
俺が持っている最強の槍……。この武器の本当の名前は【邪気穿ツ聖銀槍・真・改】と言う名前で……。暗黒の使徒から手に入れる事の出来た闇の魔力が宿る武器なのだ。暗黒の力をコントロール出来るように訓練をしている過程で、暗黒の神の気配を感じ取ることが出来るようになっていたので、俺は暗黒の闇の力を使いこなすことが出来たのだった。
暗黒の騎士との戦いに向けて……。暗黒の騎士に負けないように……。俺は自分自身を強化しないといけなかったのだ。暗黒の騎士が身に付けていた鎧を纏うことにより、同じ力を扱えるようになるかもしれないと思った俺は、その鎧を身に付けてみた。そして暗黒の神が言っていた通り……。俺が身につけている鎧から……暗黒の力を吸収すると、体が軽くなった。これで暗黒騎士と戦う準備ができた。そして……暗黒の神に俺が暗黒の鎧を着て、戦えば暗黒の使徒の力を手に入れることができると言われていたので……、俺は自分の力を限界まで引き出してから……暗黒の騎士と戦うことにして……俺は自分のステータスを確認する。
『勇者』レベル200 体力1億5000万5500/1億8000万5000/1億7800万6000/1億4600万円分
(俺には俺自身の能力があるけど……。他の人の能力を使えるようになりたかったから……。)
『大賢者』『龍使い』『超商人』のレベルが上がり、新たな称号を取得することができるようになっていた。俺は新しく獲得した能力を見て……。凄そうな感じなので早速確認する。新しい能力は3つあった。まず……『賢者』という称号を得られた事で……。俺の中に知識が流れ込んできて……。
「この世界について……様々な事がわかってくる……」と言うと……俺の中で……神が話しかけてきたのである。その言葉を聞いて、神は……「この世界の知識を欲しているみたいだから……僕が……教えますよ」と言うと……。俺は自分の中にいる神の力を借りる事になったのだ。そして…… 神の力により、暗黒の世界の歴史が俺の中に入り込んできた。俺は神と情報を共有する事により……暗黒の世界で起きた事件を知ることができたのだった。俺はその出来事を知りながら……俺の目の前に現れる敵と戦っていく。俺に攻撃しようと向かってくる敵は全て……神が倒した。俺は……俺自身が強くなっていく事を実感した。神の力を使って俺が戦おうとしている相手は……暗黒の勇者と呼ばれる存在で、暗黒の騎士と同等の力を持ち……この世界に暗黒の力を広めようとしている。俺は、この世界に現れた暗黒の騎士が暗黒の力で作り出した闇の世界の中に入ると……。
俺と神は神の力を使う為に……。二人で協力して暗黒の世界に入っていったのであった。
神と一緒に暗黒の力を使おうとしたら……神と暗黒の神との魂の力が影響しあって……俺の中にある神太郎の力が強化されていったのである。
神太郎の力によって強化された暗黒の力で……闇の世界に入った途端に暗黒の騎士の姿が現れてきて……。「やっと会えたな……。さっさと終わらせようぜ。俺はお前を殺すためにここまでやってきたんだ。」と言うと……。俺に向かって剣を振り下ろそうとしたので、俺はそれを剣で受け止めると、「あんたの目的は何だ?」と言うと……「はははははは!それは秘密だ。知りたいなら俺を倒してみせればいい。俺は簡単に死なないからよ。俺はな。お前達を殺しに来たんだよ。この世界から消えてもらう為だ!」と言っていて、そのまま暗黒の力が溢れ出ている俺に切りかかろうとしていた。俺はその攻撃をかわすと……。「お前は何のためにこの世界を滅ぼすつもりなんだ?お前がやろうとしていることは間違っているだろ?」と言うが……暗黒の騎士は答えず。俺の隙を窺っては攻撃を仕掛けてくるので……。俺は暗黒の騎士の猛攻に耐えていた。暗黒の鎧の力を手に入れた俺は暗黒の騎士の動きを完全に読み取れるようになっていて……。このままでは戦いが終わらないだろうと思って、俺は自分の中の暗黒の闇を開放する事にしたのである。俺は暗黒の騎士の体に触れ、その瞬間暗黒の力を流し込んだのだ。暗黒の神が暗黒の力を使って戦ってる時に……俺もそのやり方で戦う事を思いついたのである。暗黒の神の力と暗黒の闇を同時に使う事ができる俺は……その力で暗黒の騎士を攻撃する。
俺は、暗黒の騎士の体内にある負の力を増大させていき……。それによる暗黒騎士の暴走を抑えようとしたのだ。俺は暗黒の使徒と戦った時に……負のエネルギーで暴走してしまった経験があるので、その暴走を抑えてあげないといけないと思っていた。俺の狙い通り……。俺と暗黒の神が同時に暗黒の力を使ったことによって……俺が触れている限り……。暗黒の力の暴走を抑える事が出来るのである。俺はその状態で……暗黒の騎士と戦い続けていた。しかし……暗黒の力を使っている状態が長く続けば続くほど、精神が崩壊してしまいそうになる……。
その状態に陥れば……。俺は俺の意思を失ってしまう恐れがあった。だが俺は……その状態から暗黒の騎士を救うために……自分の中から全ての力を出そうと思ったのだ。
「もう……これ以上お前を苦しませたくないんだ……。」と言って……俺は俺の中に入っている神の力を呼び起こす……。その呼び起こした力を俺は解放し……自分の意思を保とうとする。
俺の身体が変化を始めたのだ。俺はこの世界に来てしまう前までいた世界での出来事を思い返していた。「あぁ……みんな元気かな?俺がいなくても……。みんながいれば……俺がいない世界で頑張っていけるだろう……。俺もそろそろ戻らないとな……。あいつらのところに帰らないと……。」と俺が言うと……神が……。
『お前はまだ戻るべきではない。もう少しだけ待ってくれないか?』と言って……。俺に暗黒の力を使わせると……俺の中に残っていた暗黒の使徒の記憶を蘇らせた。そして……「僕は君のことが好きになってしまったようだ。僕の気持ちは変わらない。君は僕に君自身の命を預けてくれたんだよね?そんなに……この世界に愛着を持っているのか……。そう言えばこの世界に召喚されてから……ずっとここで暮らし続けているみたいだけど……もしかすると……元いた世界に未練があるのかもしれないけど……今は忘れて欲しい。
でもね……。いつかきっと元の世界に帰りたいという気持ちを捨てる事になると思うんだ。その時は僕とまた出会ってくれるかい?それまでは……しばらくお別れだ……。君がまたこの世界に戻ってこれるように……。僕は待つことにするよ。」と言ってきたのだ。俺はその言葉を聞いて、神太郎はどうして……こんなにも俺のことを想ってくれるんだろうと考えていた。この人は……一体どんな思いでこの世界を見てきたんだろう……?この人には……。どんな景色が見えているんだろうと疑問を抱きながらも……俺は……。俺の大切な人達が笑顔でいてくれる事を願うばかりである。俺がもし死んでしまったとしても……俺の事を忘れずに、この世界が平穏に過ごしていく事を願って、俺は再び前に進む事にする。
そして……今俺の中にある暗黒の力を解放することにした。
俺の中で眠っていた暗黒の力が目を覚ました時……俺の中にいた暗黒の神の力も同時に目覚めたのだった。
俺は暗黒の力を制御する事が出来て……俺に襲ってきていた暗黒の騎士は暗黒の力に飲み込まれてしまったのだ。
そして……俺はこの暗黒の世界を終わらせるために……。この暗黒の力を解放した。暗黒の力は今までとは桁違いの強さを持っていたのだ。
俺はこの世界に広がっている暗黒の世界を終わらせようと思い……。暗黒の力を発動させようとしたのだが……。暗黒の力は想像以上に強く。俺は自分の意識を保つ事が出来ないくらいにまで追い詰められてしまっていた。俺が自分の中にいる神に……助けを求めて、神に助けてもらうと……俺の体が変化をして行き……神のような姿になったのである……。その姿になると……なぜか安心できるような気がしてならなかった。そして俺は闇の力を操り始める……。俺は自分の中で眠っている神の力を借りて、暗黒の騎士を倒したのだった。その後……俺は暗黒の力を使う事をやめた……。
「おい……俺はなんで……暗黒の神になっているんだよ?」と言うと……。
『それが本来の貴方の姿であります……。今の貴方の力は私の力を使っておりますので……私と同等かそれ以上の力を持っているはずです……。そして……その力を使いこなしなさい……。私はこの世界を救ってくださった方々の力になりたいのです。』
と言われ。俺は、神太郎の力を使って自分の武器を作り出すようにお願いした。すると神は……
『かしこまりました。すぐに武器を作らせてもらいます。ただ……少しの間……時間が必要となりますので、私が用意した武器をお持ちください』と言い、俺に武器を渡したのであった。そして……俺がその剣を手に取った途端……神太郎の力により……神太郎の力が発動する事になったのである。俺はその力で……自分が作った最強の槍を自分の手元に戻すことができた。
『勇者』のレベルが上がり。俺は新しい称号を手に入れていた。称号を確認すると……【聖勇者】と言うものになっていたのである。俺は……暗黒の力の使い方を学び、俺が倒した暗黒の使徒を倒す方法を考えていたのだが……俺にはどうすれば倒せるのかがわからなかったのだ。暗黒の使徒を俺の手で倒す事が出来なかったからである。俺は……どうにかできないだろうかと考えていると……。
「次郎さん!私に任せてください!暗黒の力を使う時は……その人の心を支配されているんです!なら……。私の『心を操る能力』を使えば……闇の使徒の精神に入り込み、その使徒の体を乗っ取ります。そしてその状態で使徒の肉体を破壊することが出来れば、闇に支配されていたその使徒の魂を救うことが出来ると思います。だから……その方法は……私にしかできません。」と言って……。リータは自分の力を解放させる準備を始めていたのである。「わかった。それなら任せたぞ……。俺が手伝える事は何かないの?」と俺が言うと……
「次郎さんの役目はこの世界に蔓延している闇を滅ぼすことですよ。あなたが居なくなれば……世界は闇に包まれてしまうでしょう。なので……あなたの手で……闇の使徒を倒してください。この世界を守る為……に……。」と言われたのだ。
そして…… リーダは暗黒の使徒の力を使うために……精神の世界に入っていった。
俺は暗黒の世界に居る闇の使徒を倒す為に……。暗黒の力を使ったが……。俺は自分の身体が闇の使徒に取り込まれている状態になり。闇に完全に取り込まれる前に……。俺は闇の使徒の精神に攻撃することにしたのである。
「この世界を支配する者はこの僕だ……。お前達は……死を受け入れろ!ははは!僕の勝ちだ……。さっさと死ね!」と言ったのが……最後の言葉である。暗黒の使徒が死ぬ直前……。「僕は負けない……僕はこの世界の支配者になるんだ……。ははははは……。僕は誰にも負けたくはないんだ。たとえ相手が誰であろうと……。僕は必ず勝ってやる……。僕は……闇を纏う者……。闇を統べる者として、これからも君臨し続ける……。僕に敵なんて存在しない……。僕はこの世界に光をもたらす者だ……。僕に従え……僕に服従しろ……僕に従うんだ……。この世界を僕が支配する……。僕に逆らう奴は殺せ……。僕は絶対王者なんだ……。お前達に自由を与えよう。お前達の望みは全て叶える。僕が叶えられないものは……。何一つとしてない……。だから……僕を楽しませてくれ……。この世界の全てをかけて、ゲームを始めようじゃないか。お前達が勝てば……。この世界を好きにしていい……。でも……。もし……。もしもの話だよ? お前達が負けた場合は……お前達は全員死ぬ……。」と言ってきて……。暗黒の使徒は俺の事を自分の中に取り込んでしまったのだ。
そして……暗黒の世界の全ての闇を支配しようと動き出したのである。俺の体の中に入り込んだ暗黒の使徒が俺を取り込んだことで……俺の中にいる暗黒の力と暗黒の神の力は融合してしまったのだった。そして……俺の心の中には二つの感情があったのだ。
暗黒の使徒を消したい気持ちと暗黒の世界に平和を取り戻したいという思い……。
その二つは混じり合って、一つの意思となっていたのである。そのせいなのか……。
「俺はお前なんかに従わない……。」という気持ちがあったので……。
「俺の意思で……。お前を排除する!」と言ってみたら……。俺はその言葉を言えたのだ。そうすると、自分の身体の自由を取り戻すことが出来たのだ……。そして……「おいお前は、もうこの世界に居場所がないんだよ!消えて無くなれ!!」と言うとその通りになってしまい……自分の体から抜け出すことができてしまった。しかし、俺はそんなことよりも……自分の身体に起こっていることが信じられずに、驚いていたのだった。
俺は神太郎の力を手に入れた時に、神太郎が話していた事を思い出すと……。俺はあることに気付いたのである。
「神太郎さんがこの世界にやってきた時には、既にジーラが存在していたみたいだけど、この世界にやって来た時点ではまだいなかったようだな……。」と言っていたことに気がついた。この世界で神太郎は一体どうやって暮らしていたんだろうか?神太郎も最初は勇者じゃなくて……魔王と呼ばれる存在だったが……どうして……今の姿になったんだ?と不思議に思ったのだった。
『貴方に本当の事を話しておきましょう……。貴方は暗黒の使徒を自分の中に取り込み……。その力を手にした事で……その力を得た貴方の体は、神と同じレベルの力を持っているはずなのです……。ですので……。その貴方の力は……。私の力より上の物なのかもしれません……。私は今の状態で貴方に勝てる自信が全くありません。なので……貴方には暗黒の神をこの世界に呼び出してもらって……。貴方の力を貸していただきたいと考えています。暗黒の力をこの世界に解き放ち、この世界に存在している魔族を絶滅させてください……。私はその間に……貴方と暗黒の神に対抗できるほどの力を持つ武器を作ってみせます。そうしなければ……世界の終わりが訪れてしまいます……。」と言ってきたのである。
「ちょっと待て……。俺の力でそんなことが可能だと思えないんだけど?神は俺の力を知っていて言っているのか?」と言うと……
『私にはわかるのです……。貴女の持つ暗黒の力を使えば、世界を終わらせることが出来るだけの力は持ち合わせているはずです……。ですので……。お願いします……。』
と言われてしまったので…… 俺は神に言われたようにする事にしたのだった。
『私も……あの男だけは許せない……。私がこの手で……。』とリーサは言いながら、怒りを抑えていたのだった。俺は……「とりあえず……。俺の中に暗黒の神がいるから、暗黒の神を呼んでみるわ……」と言い……。暗黒の神を呼ぶ事にした。俺は目を閉じ……。「おーい!俺の中にいる神様よ……。」と言うと…… 暗黒の神が姿を現したのだった。
「暗黒の神って……。この人ですかね……。暗黒の神と呼ばれている方……。私は暗黒の神ではありません……。この人は勘違いをしているだけで……暗黒の神は私ではありませんよ?」
暗黒の使徒に取り込まれている間だけ暗黒の力を操っていたのだった。
「えっ!?俺はてっきり……。暗黒の神が暗黒の力を発動させたんだと思ったんだが?」
「それは……違います。確かに私はこの力を使うことは出来ますけど、こんな事をする理由はありませんからね。私の目的はこの世界の破滅と、勇者をこの世界から抹殺することでしかないですからね。貴方に私の力を渡すわけでもないですし、貴方の持っている力を消すためにこの世界に来ましたからね。貴方が暗黒の力を使っている時にこの世界に存在していた神達と協力して、私は貴方の事をずっと観察して、行動を見てましたからね。私は……この世界から貴方を葬る事だけが目的だったのですが……この人に出会ってしまってからは、私はこの人と行動を供にしているんですよ。」と説明をしていた。
「俺がお前と出会った時……。あれ?お前って……まさか……暗黒の使徒が作り出した人形じゃないだろうな?」
「その通りですよ。私は神に作られた存在ですよ。貴方のことは色々と見せてもらったのです。暗黒の使徒の事も調べ尽くしましたし、暗黒の使徒の魂が何処にいるかも把握しております。そして……貴方の力は素晴らしいものですよね?暗黒の世界に居ても十分に通用したでしょうね。でも、その力がこの世界でも通用しなかったのは残念ですね。私は……その程度の力では負けるつもりは無いんです。なので私と戦う事はしない方がよろしいかと思いますね……。それに私には時間制限がありましてね……。私に残された時間は少ないですが……私にもやるべき事がありますからね……」と言って消えようとした瞬間……。
リータとリリスが現れたのであった……。すると
『ふぅ……。どうしようかな……。仕方がないな……。少し時間を稼ぐことにするから、なんとかしろ……。』と言って姿を消してしまうのであった。
俺達が戦っている間にリータ達は王城に向かって走っていたのだ!その時、目の前に突然リータのお母さんが現れていたのである。
そして……リータのお腹を刺し、そのまま姿を消したのだ。
俺は咄嵯に動き出すも……目の前の女性が放った魔法で吹き飛ばされていたのだ。
俺は目の前の人に問いかける。
「お前が……。お前が……殺したのか?」と言ったのだが……目の前の女性が
「はい……。申し訳御座いません……。貴方に倒して貰うためには、この方法しか無いと思っていましたので、本当にごめんなさい。この世界を守るために、犠牲になってください……。」と悲しそうな顔で言われてしまい……。
俺は動けなくなってしまったのである。俺の意識が消えかけている中で……。俺に語りかけてきた女性の声が聞こえた。その女性は、「私に出来ることは……ここまでです。後は……。お願い致します……。私は……もう長くないと思いますので……。貴方の力に賭けさせて頂く事にしましょう……。私はもう……。生きていても……意味が無いですしね……。」と言っていたのだ。俺は消えかけた身体でその言葉を聞くと、俺は「何を言ってんだよ……。勝手に俺の中で死んだら許さないからな……。俺はお前を助けられなかったんだぞ……。俺は助けられる命を簡単に捨てるような奴を助ける気はないからな……。絶対に助けるから待ってろよ!」と言って再び意識を取り戻したのである。
「はい!私はいつまでも、貴方の事を待っています!どうか世界を……守ってください!」と言ったところで、俺は完全に意識を失った。
すると俺の周りにいた人達が俺の元に集まってきて、俺のことを見ていたのだ。
俺は暗黒の神を呼び出した影響で身体中が痛みを感じていたのだ……。俺は必死に耐えていたのである。そんな時に……
「大丈夫ですか!?私が貴方を回復させてみせます!貴方の体の中にはまだ……。暗黒の神の力が存在しているような気がするので……暗黒の神を消してください!お願いです!私にはそれが出来ないので……。お願いします。」と言われてしまい…… 俺は無意識に……「うぉー!!!」と声を出して暗黒の神を自分の中に戻したのである。
暗黒の神の力を手に入れたことで、暗黒の力を発動できるようになったのだ。
それからしばらくして、リータ達は城に辿り着き……王の間に入ろうとした時にリータの母が現れて攻撃してきたのだった。リーサは剣を抜いてリータの前に立ちふさがり、剣を構えながら……「私は貴女の敵じゃ無いわ!!貴女が何者かわからないけれど、私達が貴女を倒すのよ!!」と言って斬りかかっていったのだ。
「ははは……。私の邪魔をする気か?お前達は死ぬんだ。」と言ってリータ達に襲い掛かっていったのである。
俺が暗黒の使徒の力を消して暗黒の使徒はいなくなったはずだったが、俺の中に暗黒の神の力を取り込み……神に近い力を使えるようになっている事と、神と同じレベルの力を手に入れていたので……俺がこの世界に戻ってくる前に使っていた能力が使えたのである。
「暗黒の波動!!!」と俺は言うと、暗黒の力で出来た波動が、目の前に現れたリーダを襲い、身体の中にあった呪いの効果が全て無くなっていたのである。俺は「今だ!!」と言い放つと、リーサ達を庇いながら俺は闇の力で作り出した黒い球体を作り上げて、リーナの母親を飲み込んだ。そして……。俺はその黒い球体を握り潰した。その瞬間、俺達の足元から大量の闇の触手が出現して、周りの兵士達を全て呑み込んでしまったのだった。その様子は、俺が今までに戦った敵のスキルと同じような感じで発動されたので、俺は確信したのだった。その技は神の力を手に入れたときに俺の中に残っていた暗黒の神の力が引き起こした物だとわかった。
「俺の仲間に手を出すとはいい度胸しているな。今すぐここから消えて失せないと、この世界に存在できないようにしてやるぜ……。この世界に存在している魔族共よ……。俺の力を受けてみるがいい!暗黒空間!!」と言うと、俺を中心に半径10キロ圏内の魔族の力を根こそぎ奪ってしまったのだった。
暗黒の神が消えた影響もあってか……魔族の姿が見えなくなっていたのだ。
『ははは……。神太郎。私は神だからわかるが、お前にはこの世界で生きる為に必要な魔力すら残らない状態になっているようだ。このままこの世界で生きている限り……貴様の体は少しずつ蝕まれて死んでいくだけだ。まぁ私も神であるからこの世界の者達を救いたいと思っているから、この世界が壊れる事はないが、貴様は確実にこの世界に居てはいけない存在であると証明されてしまったという訳だ。』と俺の頭に語り掛けてくる。
「そんな……。俺のせいで、リーラさんが……。俺はなんて事を……。俺は……俺は……。リーラさんのお母さんまで殺してしまう事になるなんて……。」と言うと……。
「私は……気にしていませんから……。貴方が……あの時……。私の命を助けてくれました。ですので……あの時の事は忘れません。ですので、私と一緒に来てもらえませんでしょうか?」と涙ながらに訴えられてしまったのである。
しかし、俺はこの場ですぐに決断出来なかった。この世界が滅びようとしている状況なのに、自分だけ元の世界に帰るのは間違っていると思っていた。この世界を……俺の愛する人が守ってきた世界を俺の手で壊すことだけは……したくないと考えていたのだった。
リームはリーナを連れて逃げようとリータと話をしていたのであった。
その時、一人の男が姿を現していた。その男は魔王の幹部であり、勇者の師匠として、勇者と共に数々の修羅場を潜っていたのである。
その男の名は……『ザドキエル・アーシャリア』
この世界の最高神の天使の一人でもあり、勇者の育ての親でもあったのだ。そして……。勇者に力を与えて、神になる為に旅に出た時に共に旅をしてきて……。勇者の成長に喜びを感じた神でもあるのだ。そんな彼が現れた理由は俺と神太郎が暗黒の使徒の力を使った時に、この国を守っていた存在なのだが俺が消し去ったために、居場所が無くなってしまっていたのだ。彼は自分が守っている者がどうなるのかを確認しに出てきたらしい。そこで目にした光景は……あまりにも残酷なものだったのだ。それを見た彼の表情からは悲しみと苦しみが溢れていたのだ……そして、その怒りは爆発したのである。
「お前はどうしてこんなことをする!こんなことしなければお前はこの世界の為に戦えたはずだ!何故だ!答えろ!!」と言ってきていた。その問いに俺は答えることは出来なかった……。
俺もなんでこのような事をしたのか理解できていなかったからだ……。俺はその事に戸惑っているだけだった……。
ザドクの怒りの矛先は……当然俺に向けられてきた。
俺は自分の中にいる悪魔と対話することにしたのだ。
(おい……。お前の力を借りることって出来ないか?)と言ったのだ。すると……。
『あ?この世界を滅ぼすつもりなら貸すわけねぇだろうが!』と即答されるのであった。
すると……。俺の中から俺に似た奴が現れたのだ。
俺は驚きながらそいつを見ていると、その俺の姿を見て俺は驚いていたのだ。それはその男の身体は俺自身に瓜二つであった。そして……。俺が思ったように喋ったのである。
『ふっ……。驚いたみたいだな。私は神だ……。』と言われたのだ。
俺の心の中に居る奴に神なのか確認したところ、本物であるという事がわかってしまい……俺は動揺していたのである。
そして、目の前の俺はこう告げたのだ……。
「ふぅ~。やっと外に出れたな……。お前も災難だよな。神の力に魅せられて……。でもお前のおかげで俺は出られた訳だし、お前が居なかったらこの世界は消滅してたか……。まぁ……この世界を救う方法もあるんだろうが……。俺はそこまでして救う必要性を感じないしな。」と言っていたのである。俺は少し考えて、「じゃあさっきの俺の発言に対して説明してくれるよな?」と聞くと、俺に似た顔つきをしたやつは「俺をここに呼んだということは何か目的があるんだよな?それにその力は暗黒の神とかいう名前じゃなくて、魔神と呼ばれるべき力だからね。俺は神じゃないし……。あんたが使ったスキルだって暗黒魔法の一種みたいな物だしね。」と言うとその言葉を聞き入れて……。
「暗黒魔法って何なんだ?教えてくれないか?俺はさっぱり分からなくて……」と言うと、俺はその暗黒魔法の使い手らしく……。
「暗黒の波動!!これは闇のエネルギーが凝縮して出来たもので……俺達の世界の言葉で暗黒神が生み出したとされている技の一つで、それを神の力を使って使えるようにしたのがお前って事だな。俺達の世界でこの技を使う者はいなかったから俺が知らないだけかもしれないけど……。この技が使えた時点で神になれる可能性があるんだから……。俺の知っている範囲だと、使えるようになっただけで……全ての闇属性の能力を扱えるようになって、闇の力を操る事が出来るんだ。この力を使えばこの世界に平和をもたらすことが出来るかも知れないぞ!」
「そうか……、俺は暗黒神と呼ばれているんだが……。それで……お前の名前を教えてくれるか?」
『ああ……。俺の名前は……。【ルシファー】だ!お前も知ってるよ。暗黒神の堕ちた姿とも言われているが、実際は暗黒の神とは敵対していて、俺達の神を護ってくれていた神様だと言われているから、神の力を受け継ぐ人間にこの名を授けて……。俺はこの世界を見守っていくよ……。」と言って俺に力を貸してくれたのだ。
「ありがとう!これからよろしく!」と言うと。
「おう!俺のことは気軽にサタンと呼んでくれ!これから一緒に頑張ろうぜ!!」
俺達は互いに自己紹介を終えたのである。俺はその事で嬉しく思っていたのだが……
「おい……、あいつが暗黒神の力を手に入れただと……。しかも……この世界を救った救世主である俺の力を持っているなんて許せねえ!!俺の力であいつを殺して俺の本当の力を取り戻してやる!!行くぜ!!」とサタンは言って……。サタンが消えたのだった。
すると俺の意識が消えようとしていた時に、もう一人の俺の身体に入り込み、俺の中に入っていた俺の分身を全て回収していったのである。
その後……。サタンが俺の姿に戻り、俺は気を失い倒れ込んだ。
サタンは神太郎を見て「俺と同じ暗黒の神に力を与えられた存在だったとは、神太郎か……。こいつも俺と一緒だ。ただ……。こいつの場合は、まだ神ではない。神の力を手に入れる前の状態に近い状態だと思うが……。まぁ良いか……。俺と同じ力を宿した奴は邪魔だから……殺さない程度にしておいて、俺の邪魔をしそうな時は消しておくとするか……。俺に歯向かう者には死の鉄槌をだ!!」
こうして……暗黒神が俺の中で復活したのだ。
俺の師匠だったザドキエルさんが怒りに震えていたのだった。俺が神太郎を消そうと動いた瞬間……俺は神の力で押さえつけられてしまった。その力で俺を消し去るのは難しいと感じたのだろう、そのまま何もせずにその場を立ち去って行ったのだった。
「はははは……。俺はこの世界を支配する存在になったぜ!暗黒の神を降臨させて、俺の力で全てを滅ぼせばいいだけなのに……。暗黒の力を手に入れた俺は最強になったのだ!!」と俺は呟いていた。そして……俺はリーナの所へ戻ろうとしたが……俺の体の周りに黒い鎖が現れて、動きが封じられて、黒い十字架で磔の状態になっていたのだ。
俺は何もする事が出来ずにいた……。この拘束から逃れられる方法が分からないのだ。すると……。リーナ達がこの城の中に入ってきたのである。そして……俺は彼女達の声を聞いたのであった。
リーラ「貴方は一体……。」と言うと、彼女は「私は死神の女神リーラ・デ・アーラ・アルクスといいます。」と言うと、ジーナは驚き、リータは困惑していた。
ジーラ「貴方は私達の敵ではありません。」と言うと、俺は安心したのだ。しかし、魔王軍側の人間は、その言葉を信じていなかった。そして…… リーナ「お父さんは私に約束してくれたの。私を置いてどこかに行くような事はしないでとお願いしたんだけど、お父さんは私との別れを決めた。だけど……。私はそんなお父さんを許すことが出来なくなった。お父さんは私を残して、私を守る為なら自分が犠牲になってでも戦う人なの!私がお父さんと会わなくなってからは……ずっとそんな戦いを繰り返してきたんだと思う。」
ジーナ&リーナ(あの……父上がそんな事を……。)と二人共リーナの話を聞いて驚嘆している。
俺は「君の父親にそんな事をさせてしまっているのは、俺のせいでもある……。すまなかった……。俺はこの世界の事を救いたいんだ。そのために……暗黒神を復活させようと計画していたが、それは失敗した。俺はこのまま死ぬのだろうか……。俺はどうすれば良かったんだろうか……リータさん……。」と問いかけると…… リータ「貴男は間違っている。暗黒神は確かに存在するんです。ですが……あの方の心はとてもお優しい方。自分の力だけでは、この世界を救えないと思っているからこそ……この世界を守るために……私達の世界から暗黒の使徒を連れてきています。彼は神太郎の心の弱さにつけ込んで……。彼を利用しているのです。彼は神太郎が神になることに執着して……。神太郎は彼を封印して暗黒の世界に送ったんです。私は彼の行動を見ていて分かりました。神太郎が居ない間にこの世界を支配しようと考えたみたいですが……彼は自分の欲望を満たす為に動いています。今この世界で起こっている事も彼が関わっていると思いますが……。彼は自分よりも力が下の存在が神になろうとする事が許せないみたいですね……。この世界で彼は勇者の父と仲間に殺されて死んでしまった。彼の力はあまりにも強大過ぎたために……。その時に……神の力も失ったみたいなんですよ。でも、彼の中に眠っていた邪悪な魔力によって暗黒の神として復活を果たし、この世界を再び混沌と混乱の渦に引き込むつもりでしょう。」と言ってくれた。俺はその話を聞き入れて、「俺が暗黒の神を召喚しようとしたせいでこの世界に災いを招いているんだ……。」と言って、自分の過ちに気づいた。その時に、俺はあることを思い出して……。俺は神力を使って自分の中の暗黒の波動を押さえ込んでいたのだ。俺はそれを外して、自分にまとわりついている暗黒の波動に流し込もうとすると……。その暗黒の波が自分の体に纏わりつき……その波動に飲み込まれそうになってしまうが…… その時に俺の中に居る暗黒の神の力を借りることにしたのである。
「頼む。暗黒神よ……。お前の力を分けてくれ……。俺の……俺の仲間や家族を助ける為に……助けが必要なんだ。俺はこの世界で多くの事を知った。大切な事を教えてもらったんだ。俺がやるべきことを見つけたんだ!!だから……力を貸してくれないか……。俺は神になりたい訳じゃないんだ。俺は皆の幸せを守りたかっただけなんだ!!お前は言ったよな……。『この世界の人間が幸せになれる道を探し出せ!』って。俺も探してみるよ。この世界で何が出来て、何をしなければいけないのか……それを見つけ出す事が出来たんだ!お前も力を貸せ!暗黒神!!」と言った。
俺は暗黒の力をコントロールして、俺の体の中から解き放つことにしたのだ。その力は……。闇の神をも消滅させるほどの強力な物だった。その暗黒の波は自分の力を吸収して……。暗黒の神をも消滅させたのである。その光景を見た人達は唖然とし、その衝撃的瞬間を目撃することになる。
そして……この世界に平和が訪れたのだ。
俺は意識を失った……。俺は夢を見ていて……、俺は真っ白な世界の中で、神と向かい合って話をしている。
「お前は本当にこの世界を救いたいという気持ちはあるのかね?」
「ああ……。本当だ。この世界の人々を俺の力で護りたいと本気で思っているんだ。それに、俺はこの世界で多くの事を学んだ。俺がこの世界を救えるのならば……救って見せます!!」と言う。
「君は本当に面白い存在だよ。本来この世界では存在しない存在の筈だったのだが……。それが……ここまでこの世界に馴染んでいくとは……。私の想定外の行動をしていく。これからが見ものだね……。」と微笑みながら言う。
「どういうことだ?」と言うが……。「気にすることはない。いずれ……わかるさ……。」と言うのである。そして……俺は……「お前の力が必要だ……。俺がお前を受け入れる事で……お前が本来の力を取り戻すことが出来るんだろう?俺と一緒にこの世界を救ってくれ!!」と頼んだ。
「良いだろう……。君の力を見せて貰うよ……。君の成長は素晴らしい!!私にもこんな時期があったんだよ……。だが、君の場合は規格外の存在になる可能性が高いから、色々と制限を掛けさせて貰うことにする。この世界に干渉するためにも……。」と言って姿を消したのであった。
そして……。目が覚めると、俺は城の医務室で寝ていたのだ。
ジーラ「神太郎!起きたの!?心配したんだよ!」と泣いていたのである。
俺は「ああ……。大丈夫だ。俺はどうして倒れたのだろう……。何かが……。俺は暗黒の力を使ったような気がするが……。あれは……夢の中だったのかな……。」と言うと……。
ジーナ「暗黒の力だって……?貴方は何を言っているの……神太郎……。そんな危険な力を使えば死んでいたのかもしれないのに……。貴方には神力があるから耐えられたのかも知れないけれど……。それでも、命懸けの力だったと思うの。」
「暗黒の力とは……。どんな感じだったんだろう……覚えていないけど……、俺が持っている暗黒の力とはまた違うもののような……。暗黒の力を使える存在がいると言うことか……。」と疑問に思ったが……「とにかく……。俺はこれからやらないといけない事があるんだ……。ジーラ、リーナ、リータさん……。俺と手を組まないか……。俺達が力を合わせればきっと出来る!!俺の家族を救うために……。」と言うと……。三人が笑顔になり「いいでしょう!!」と力強く答えてくれた。
そして……ジーラのお母さんの呪いを解くために……。リーナの家にある地下祭壇へと向かおうとしたが……ジーラに呼び止められて……。
「あの……神太郎。私を……。その……。つ、妻にしてほしいんだけど……。私じゃ嫌かな……。」と頬を赤めながら恥ずかしそうにしていた。俺は、リーナ達を見渡して、リーナが俺に向かってウインクをしていたのであった。
そして……リーナはジーナの方を見て、「お姉ちゃん!いいよね!!」と言うと…… ジーナ「えっ……?リーナ……。」と驚いていた。
そして……リーナが「神太郎とリーナが結ばれてから……私とジーナの関係が変わったでしょ? 神太郎が、お父さんの魂を解放してくれて、神太郎がジーナに謝った後に……ジーナにお父さんのことをお願いしたじゃない……。その時に……。私は、神太郎が大好きになっていたの。そして……、ジーナのお兄さんが、お父様の魂を解放する為に戦って、命を落としたときに、お母様の事も守ろうとした。それでお母様に愛想つかされて、私達の所に帰って来た時……、神太郎が、お父様にした約束の話を聞いて、ジーナは私達に神太郎を認めさせようと、一生懸命になったんだ。お陰で私は、ジーナの事が分かったし、リーナと友達になれた。私達はずっと前から姉妹みたいなものだったんだ。そして……、神太郎のおかげで、お父さんの事、少しづつだけど、理解できてきて……。私も……、リーナと同じように、貴方のことが好きになっちゃったみたい。私達二人をお願いします!!神様!!!」と言うと、リーナとジーラも一緒に頭を下げたのだ。その光景をジーラの母とジーナの姉は、泣き崩れてしまい、涙を流しているのであった。
俺達四人は、リーナの実家の地下に隠された神殿に来ていたのであった。そこには……リーナの父の墓があったのである。
リーナのお父さんは、リーナが生まれる前に亡くなってしまったのだ。リーナの母は、俺に、リーナの父親について語ってくれたのであった。リーナの父は、リーナが生まれた直後に、魔王軍と激しい戦いを繰り広げて亡くなったというのだ。
俺はリーナの父親の墓の前で祈って「必ず俺が助け出してみせるから……。待っていてくれ……。」と言ったのである。その祈りが届いたのか……、その時に……目の前にいた男が話しかけてきたのである。
俺が「あんたが暗黒神なのか……?」と言うと、その男は不敵に笑いだして「そうだ!!私は暗黒の神だ!!我が息子を蘇らせるためには貴殿が必要なのだよ。さあ……我と契約を結ばないか?」と言ってきたのである。
俺が、「その前に俺の力を見せてやるよ!!俺が今使える力はこれしかないが……。」と言うと、暗黒神は驚愕して俺を見て、「馬鹿な……!?この力はまさか……いや、貴殿に封印が施されているではないか!!貴殿は……封印されているはずだ!!なのになぜ!?それに貴殿の中には別の力を感じるぞ!!」と言うと、「それはお前がよく知っている力ではないのか?俺はこの世界の人間と手を取り合うことにしたんだ!俺はお前の力を受け入れて見せよう!!その代わり……俺はもう後戻り出来ないかも知れないな……。それでも良いのか?」と言い放つと……「くっくっく!これは面白くなってきたようだな……。貴殿は本当に面白い男だったな……。」
そう言い残して暗黒神はこの場を去ったのである。
俺が暗黒神と契約したことにより、俺の中の力が解放されたのだが、それと同時に……。
俺は自分の体の中に眠っているはずの力を解放できないようにした。暗黒の神が言ったことは、本当なのだが……。
その力を発動させてしまったとき……俺はこの世界に干渉してしまう恐れがあり、俺は、家族と自分の幸せの為に行動することを決意したのだ。だから……家族以外の者を救うのが使命だと思い……。自分の家族を守るためだけに力を使うことにして……。暗黒神を受け入れた俺は……。これからも……。家族のためにこの世界を守るために戦う事を誓ったのである。俺の暗黒の力で……この世界が滅びてしまう事だけは避けなければいけないと思い、家族の絆を深めていくと決めて行動を開始したのだ。まずは……、リーナの両親の蘇生を試みた。だが、既に肉体が消滅していて、リーナと血が繋がっている者がこの世に存在しないと判明する。その次に、ジーナの兄の体を調べてみると……暗黒神の力が感じられるとわかった。そして、ジーナとリーナに、リーナとジーナの母親の蘇生を頼む。ジーラの両親も一緒に生き返る可能性があるからだ。
その後、暗黒神は姿を現さなかった。おそらくこの世界にいる暗黒の神を信仰している人達の様子を見守りながら、この世界のどこかを漂っているに違いない。そして……俺は、暗黒の神の気配を感じていた。そして、暗黒の神と話ができるようになってからは、暗黒の神と話していた。
「この世界の神になる覚悟はあるのか?」と言われて……。「俺は神になんかなりたくない!俺がなれるとすれば、この世界の守護者ぐらいだと思う。それに……俺は、神になりたいなんて思っていないんだ!ただこの世界に住む人達の平穏を守りたいだけなんだ。俺はお前を受け入れると決めた。だから……。お前の願いを叶えるために……俺は力を使おうと思っているだけだ。」と言うと……。
暗黒神は「本当に君は不思議な存在だね。普通ならそんな事言わないはず……。この世界に生きる者達の平和を望むとは……。君は、本当に変わっているね……。それに君には、まだ本当の意味で力を使っていないような気もするけど……。君の中に入っているもう一人の人格の影響なのか?でも今は、本来の力を取り戻しつつある状態かな……。」と言うと俺は、「本来の力とは何なんだ?この力とは違うのかな?」と聞くと……。
暗黒神「本来の力とは……。君の中に眠っていた能力の一部と、私の力の一部を受け継いだ状態のことを言うんだよ。この力は君がこの世界を救い続ける限り使うことの出来る力で……。君のこの世界を思う強い思いによって発現したものだと言えるかな……。まぁこの世界で起こる事象に対しては万能とも言える力を発揮することができるが……。」と答える。
俺「それって俺が生きている間は問題なく使えるのか?」と聞くと……。
「君次第ではあるが、この世界で起こりうる全ての事は……。この世界を滅ぼせるくらいの能力を持っているのが今の君の状態で……。その力は使い方次第だと思っていいだろう。その能力をフルパワーで使った時は、間違いなく……。世界を救えるほどになると思うが……。
だが……、一度この力を行使したら……君の存在自体がこの世から消滅する可能性もあるだろう。君はそれを望まないのであろう?」と聞かれたので俺は、家族やこの世界に暮らす人々を守るためにこの力を使うと決意したことを告げたのである。
暗黒神「君はやはり面白い存在だ。私を受け入れてくれたことで……私の力の一部は戻ったが……私の力では完全な回復は難しいだろう。私がこの世界に存在する為には、私の力を取り戻す必要があるのだ。私は……これからもこの世界で見守らなければならない存在がいる。その者を見守らなければ私は存在できなくなる。だから、君と契約を結ぶ事で、私の存在を取り戻そうとしている。契約した以上……君には私に協力してもらう事になる。そして……これからは……。暗黒神と呼んでほしい!」
「俺は……別に構わないが……。これからもよろしく頼むよ。暗黒神!!」と言うと、俺の体に封印されていた暗黒神の一部が戻って来て……。
「これが……本来私が持つべき力か……。私は……、これからも……見守っていこう……。君がどのような結末を迎えようとしても……。私はずっと見ているつもりだ……。」と言って消えていったのである。俺は……暗黒神に……。
「今まで俺のわがままをずっと聞いてもらっていたんだ。俺はもう迷わない。家族とこの世界を必ず守る。」と誓いを立てた。そして……。この日を境に、俺に新たなスキルが追加された。《神剣》の特殊派生の特殊派生の……固有技能の【真・全知全能】が使用可能になっていたのだ。俺はその特殊能力を試してみることにしたのであった。
そして…………。俺の家族達は無事……、死者の国を出ることができた。
そして……ジーナの家に戻ることにしたのだ。その時に、ジーナの両親は俺に向かって……「ありがとうございます。これで私達にも……安らぎがもたらされるでしょう。」と涙を流しながらお礼を言ってきた。
それから、ジーナの家に戻ると……そこにはジーラが俺を待っていて、「お父様とお母様から聞きました。お父様達を生き返らせていただき、本当に感謝します。」と言ってきてくれたので、俺は、みんなを蘇生して良かったと感じた。
そして……。リーナとジーラと一緒に俺の家のリビングでお茶を飲みながら、俺達は、家族会議を行うことになった。そこで、ジーラの両親から、暗黒神との取引内容を聞き出す事にしたのだ。ジーラが俺に話してくれた事と同じ事を、暗黒神との契約内容を話してくれていたのだ。
その話しの内容だと……。
・リーナとジーラが、16歳になった時……リーナが勇者になり魔王を倒してほしいと言う。
・俺は、リーナに魔王退治の協力を申し込む ⇒リーナは協力してくれる 暗黒神「私の力で、この世界の人間を蘇らせる事が出来る。ただし、蘇らせる事ができるのはこの世界で生を終えた者達のみ。異世界から蘇らせることは可能だけど、元の世界でも死ぬ直前ならば……。蘇らせることが出来るが……その人物の記憶が消える可能性があるのは知っていてほしい。だから私は……。」
俺(なるほど……。俺の能力は記憶を失わず蘇らせる事が出来るって事か?)
「俺の力は……死んだ人全てを救う事が可能なのか?」と暗黒神に聞くと…… 暗黒神「そうだね……。君の場合は、君の家族以外であれば蘇生が可能だよ……。君の力に覚醒していれば、蘇生した時点で君の家族と認定されて、その家族が死ぬまでは生き続けられる。しかし……その者の寿命までという限定された蘇生となるのは理解していて欲しい。あと……。君と血族でなければ、君と直接繋がっていない為……この力を使うことは出来ない……。そして……君以外の者が生き返った場合は、君の存在は認識出来なくなる……。だから君以外の者が、この世界の神になる資格を持つ人間として生まれ変わる可能性があるのだ。つまりは、君だけが特別という訳ではないんだよ。そして……。君の場合の欠点だが……。」と
「どんな欠点なんだ?それは……。俺の力でこの世界に何が起きるんだ?教えてくれ……。俺は……もう覚悟が出来ているんだ。この世界に何かが起きたときは……俺は……この世界のために戦うつもりでいる。俺の命で家族やこの世界が救われるのなら……。」
「わかった。それでは話すとしよう。君は……。自分がこの世界に召喚される前に住んでいた世界が存在すると想像した事があるだろうか?」と言われて俺は考えた事もなかったのだ。なぜなら俺は……。この世界に生まれてきたのだと思い込んでいたのだから……。
「実は……。君はこの世界には存在しない者なのかもしれないと言うことなのだ……。この世界に生きる者でない者は……。この世界に干渉することが出来てしまう。君の存在がこの世界に影響を及ぼさないとも限らないのだ……。君の魂が元の世界に戻ってしまう可能性も無きにしも非ずなのだ。君の肉体は、すでにこの世界に存在する肉体だが……。君の中にはこの世界で生きた証というものが残されていないのだから……。君には悪い事をしてしまったと思っている。だが……。今の状態のままでは、この世界を救えないと判断したからこそ……。私は……君をこの世界へ呼び寄せる事にしたのだよ。君は、まだ本当の力を発揮できない状況のはずだが……。それでも……君以外には、魔王を倒せる者は現れないだろうと考えた。だが……。その力を発動させると……君の存在が消滅してしまう可能性が高かったのだ……。そして……。君とリーナが結婚すると聞いた時……。君の存在が完全にこの世界に定着してしまい……。君を消すことができなくなってしまうと悟った……。
そして……。私は……リーナのお父さんやお母さんも一緒に生き返らせたかったのだが……この二人は、私の力で生き返ることは出来なかった……。私の力だけでは限界がある……。この二人を復活させる事は出来なかったのだ……」
「そうだったのか……。俺はそんなに重要じゃなかったのか?確かに……この世界に来る前は、俺は普通の人生を送ってきたが……。」と言うと…… 暗黒神「そんな事はない……。君はこの世界に来なければ……普通な生活しか出来ない運命の者だった……。だから……私は、君の力を解放する事が出来たのだ……。」
「俺がこの世界に来た意味……。俺は……俺なりに考えていたが……。」
「私も考え続けていたよ……。君と会わなければ……。私はずっと独りぼっちで生きていただろう……。だが……今は違う。私も、リーナと君の娘達も……君のおかげで……私達は孤独を感じずにすんでいるのだよ。私にとっての救いは君がこの世界の救世主になってくれたことなんだ。」と 暗黒神は涙を流しながら……。
俺は……この日以来……自分の本当の名前を思い出せない状態になってしまったのである。暗黒神は……俺の本当の名を呼ぶときに必要になった時は……暗黒神ではなく……俺の名前を言ってもらうようにと頼んできたのである。
それからしばらくして、ジーラが突然「勇者よ。今日……私は……、貴方の花嫁になりたいのです!お願いします!」と俺に告白してきたのだ。
ジーナの両親のジードとシーラも俺に対して頭を下げて「どうか、娘を宜しくお願いします。」と言ってきたので……「分かりました。ジーナもジーナの両親が良ければいいんじゃないかと……。俺が言える立場じゃないんだけど……。俺は……正直に言うと……恋愛感情というのが分からないんだ……。でも、ジーナやジーナと一緒に過ごすのはとても楽しくて……とても居心地が良い場所だと思うんだ。こんなに毎日が楽しいと思った事は一度もないんだ……。俺は……、ジーナは大事な存在だと思っていて……俺の気持ちが分かった上で、俺の妻になってほしいと思っています。」と返事をしたのである。
ジーナは嬉し泣きをして、「嬉しい……。」とだけ俺に伝えたのであった。そして、俺はジークやミリア達にこの事を告げに行く事にした。みんなは、この世界に来てからずっと、俺と過ごしてきてくれた大切な仲間達だ。俺は、ジータ達を連れて、みんなが集まる場所に行こうとした時に、ジークから、これから向かう場所がどこかを教えてくれたのだ。
「タクト様。僕達は……いつものように外で遊んでいたのですよ。そうしたら、急にこの場所に移動させられたんです。」と説明する。
「えっ……。みんなが居るのか!?すぐに連れてくる!」と言って急いで外に出ると…… 俺(まさかとは思うけど……暗黒神の罠とかじゃ……ないだろうな?)
【時空転移】
俺「みんな、ここにいたのか……。」と言うと みんなは俺の方を見て…… ジーラが代表して……
「私達の他にもいるんですよ。あの辺りにいる子達も私の仲間達なのですが…… みんな私のお姉ちゃんみたいな人なのよ。
ジーラがそう言い終えるのと同時に、
「キャー!!」「うぉ!」「あれ~!!」
と言う悲鳴が聞こえたのだ。
俺は咄嵯に駆け寄ると……そこには10人の子供達が転がっていたのである。俺が最初にいた位置より少し離れていたのが幸いしたようで全員無事のようだった。
そして、俺はその子達を起こして事情を聞くと、この世界に飛ばされたのは子供達だけだったのだ。他の場所で待機している大人の女性達と女性達をこの世界に送りこんだのは俺達の世界で言う暗黒神のような存在だと言われた。
その暗黒神が「私は、あなた達から名前を取り上げます。だから私が呼ぶまでその者達に名前はないのです。」と言い出したのだ。
俺は、ジーク達にも確認したが、暗黒神と似たような言葉を発していたので、本当に名前を奪われたのかもしれないと感じるようになっていたのだ。そして……ジーラ達には……俺の家族になる者達がいるから安心するようにと言っておいた。
ジークは、 ジーラに、「僕の事……好き?」と聞き始めたのである。すると、ジーラは
「大好き!!愛してる!!」と答えて二人は、見つめ合いキスをしたのだ それから数時間が経過して俺とジーラは家に戻ると……。家のリビングに集まっていた皆に……この世界で家族になる事を説明した。もちろんジーラには、事前に話を通してある。
ジーラをこの世界に迎えてから、俺は家族として接するようになった。
それから数日後……。暗黒神から、連絡があった……。「そろそろ魔王を倒してもらいたい。」との事だった。俺は……家族に話しをする為に集まろうとしたその時、
「タ、タックン。こ、ここは何処?」
と言う声が聞こえたので振り返ると……リーナがキョロキョロとしていたのだ。俺はリーナに近寄り
「リーナ……落ち着いて聞いて欲しい。君は死んでしまったので、この世界に蘇生したんだよ。君の名前はリーナ・アルフォンシアと言うんだよ。君の母親の名前だ。覚えているかな?」と言ったのだ。するとリーナは、目を見開いて、 リーナ「え?お母さんの名前が……。」と言って固まっていた。
そして俺は、リーナを抱き締めながら……「ごめんね……。もっと早くに君に伝えておくべきだったが……俺のせいで君に大変な思いさせちゃったね……。もう二度と君を離したりはしないから……ずっと一緒だからね……。」と言った。
リーナ「お母さんは、幸せね……。」と言って涙を流したのだった。それから数分が経過した時……ようやく落ち着きを取り戻したリーナは リーナ「あ、あのね……。ここ数日の間、タックンの傍を離れないように行動していたのだけど……。気付いた時には……何故かここに立っていたの……。私はもう死んだのよね……。タックンは、どうして生きているの?そして私は何者なのかしら……。」と俺にしがみ付き、不安そうな顔をするので俺は優しく頭を撫でて
「心配いらないよ。俺が絶対に何とかするよ!俺は魔王を倒して……世界を救わなければならないんだ。俺は今この世界で暮らしているんだが、今魔王と戦えるのは、君とユージ君しかいないんだ……。それで……君が生きていた世界に戻してほしいと頼まれたんだ。」と言うと…… リーナ「わかったわ。私はタックンの為に戦うよ!だからお願い。ユージを呼んであげて欲しいの……」
俺は、【念波伝達】でユージ君をこの世界へ呼び出したのだった。リーナはユージ君を見た途端に抱き付いて泣いたのだった。
リーナ「タックン。ありがとう……。本当に感謝してもしきれないくらい感謝しているのよ……。ユージも私を助けてくれてありがとう……。私ね……。この世界にきて、タックンと一緒に過ごしたり……ユーシと一緒に過ごして……私は凄く楽しくて幸せな日々を送っていました。この世界に残って、このまま一緒に暮らしていくのも悪くないかもと思っていたのですが……でも、タックンは……この世界を救う為にやってきた勇者だと知りました。この世界では……私とタックンしか魔王を倒す事が出来る人がいないのなら……タックンが魔王と戦うしかないと思うのです。タックンには、迷惑ばかりかけてしまっているけど……。私は最後まで一緒に戦い抜きたいと思います。私は……どんな結果になったとしても……この世界で生き抜いたと言う記憶があれば、私は一生懸命生きたと言う証が残ります。ですが……、もし……もしもの話ですが……。タックンだけが生き残ってしまった場合は……この世界の事を忘れずに伝えていきたいと思っています。」と真剣な表情で言ったのだった。
俺「うん……。俺は、君達と過ごす時間がとても楽しかった。俺の気持ちとしては……ずっと一緒にいてほしかった。しかし、リーナが言う事も正しいと思っている。それに俺は……君の夫だから……妻を守る義務があるから……。」と言って、 俺は……、ジーラ達と相談してから…… リーナは……俺が守っていくと伝えると……。
リーナ「ありがとう。私に出来ることは、なんでもします。」
俺「分かった。これからどうするかは……俺達の世界に戻るのが一番だと思うが……。ユージもジーラもこの世界に居たいのであれば……俺はそれでも構わないが……。」
するとユージが ユージ「僕は……。母さんと暮らしたかったけど……。今は……僕とリーナさんの二人きりだもんね……。」と寂しい表情をしながらそう答えたのである。
俺達は、ユージを元の世界に戻す事になったのであった。
俺「それじゃ……【時空移動】を使うから……手を繋いでくれるか?」と言うと……。
俺は……【時空転移】で俺の家に移動した。そして……俺は【時間操作】を使い……。
俺が居なかった期間の記憶を全て消してしまったのだ。もちろんリーナの事も忘れさせているのだ。
俺の嫁達や息子達、そしてジーク達には何も説明せずに突然いなくなった事になってしまったのであった。俺は……、みんなを混乱させた事を詫びたが……。ジークは、「そんなこと気にしていないですよ。」
ミリア「そうよ……。みんな、今まで通りで良いんじゃないの?」とあっさり受け入れてくれたのである。
ユーマは、「パパが居なくなった事なんて関係ないじゃん。パパがまた戻ってきたんだし……。パパがこの国を救ったのだって知ってるから……。俺達、ずっと応援してるし……。ママ達がそう言っていたから間違いないから。だから大丈夫!!」と言って笑っていた。そして俺はユージを元の世界に返そうとしたのだが、俺がこの世界に連れてくる前に、ユージは、ジーラ達と一緒に生活をしていたので……この世界にしばらく滞在しても良いと言ってきたのだ。ジーラ達は「えっ!?本当ですか?それは嬉しい!」と喜んでいた。俺は……ユージの意思を尊重する事にしたのである。それからは……ユージに【無属性魔法】を教える事にした。【空間転移】を覚えてもらう為だ。
俺が教えるよりも遥かに早いスピードで習得してくれたのだ。
俺達は、暗黒神との戦いに備えるため、準備を始めたのである。ジークとミーアも暗黒神に対抗すべく修行をしているようだった。
ジークが【聖光】を発動させる為に……俺は【魔剣】を作り出して渡したら、ジークは【魔剣】に自分の魔力を込めて発動する事に成功したのだ。それから毎日ジークは練習をしていた。俺とリーダとユイが指導していたのである。ちなみに俺の愛刀であるムラマサとデュランダルも渡すことにしたのだ。
俺はユーラの武器を作り出した。ユーラが欲しがっていた短剣を作り出して、俺とユーラは、手合わせを行った。そして、俺に勝てたのが嬉しかったのかユーラは喜んでくれていた。
ユージに【剣術Lv9】【武術Lv10】のスキルを【付与】した。それと、ユーラにも、【聖光】を習得させておいた。暗黒神は、【闇のオーラ】を放つ事が分かっているからなのだ。暗黒神の攻撃に対して耐性を得ることが出来るからだ。暗黒神との戦いで役に立つだろうと考えたからユーラに【武闘家】になってもらったのだ。これで暗黒神にも対応できるだろうと思ったのだ。
俺とジークとミーヤの三人で魔王城まで乗り込む予定だ。ジークにジーナを連れて行ってもらうように頼んだのだ。俺がジークを連れて行くのは……暗黒神が、暗黒竜に憑依するから暗黒神を浄化させるのに必要になる可能性があるからなのだ。
暗黒神は、「魔王を倒してくれれば、私はこの世界を支配する事が出来ます。魔王と暗黒神が同時に現れますから……。あなた方が勝つ方に私はつくだけですね。どちらが倒されるにしても、私は暗黒神としての力を取り戻せるでしょう。」と言っていたので、暗黒神を先に消滅させる事にする。
俺達は、魔王城の上空に飛んだ。暗黒神が既にいるような気がしたので……。俺とジークは暗黒神の気配を感じていたのだ。俺は、「行くぞ!ジークは暗黒神に先制攻撃しろ!!ミーヤはユーラと待機だ!いいな!ミーナのフォローを頼む!!」と言って暗黒神のところへ向かったのだ。
そして……案の定……暗黒神の奴は、魔王に乗り移って現れたのだ。俺は、【全ステータス+10000】を付与してから【時空間】を発動して魔王との距離を詰める事にした。ユートの意識を呼び出して【魔眼】と【覇王拳】の二つを与えて、俺は暗黒竜と対峙した。
ジークは、【聖槍】を発動させながら……「貴様が……。僕の愛する家族を殺した犯人だな!許せない……許さないからな!!!」
と言って、怒り狂いながら攻撃を仕掛けたのだった。
ジークの怒りを纏った槍の一撃は凄まじい威力を誇っていたのだった。ジークも成長しているようで俺は安心した。俺は……魔王とジークが戦い始めるタイミングを見計らって、ジークの援護をすることにした。そして、魔王は……俺の存在に気が付いたらしく……「お久しぶりですねぇ……。私の部下達と戦ってくれたみたいで、ありがとうございますよ。おかげで部下が全滅してしまいましたから……。」
と嫌味たっぷりのセリフを口にしてきた。俺は、「あぁ……。あの程度の戦いを苦戦とか言うなよ!弱い奴らが調子に乗っただけだろ?お前の部下が弱かっただけの話だから……。」と言うと……。
ジークは、一瞬で暗黒神の前まで移動すると……。そのまま槍で連撃を放ったのだった。しかし……さすがは最強の悪魔と言われるだけあり……全ての攻撃を弾いたのだった。
俺は、【覇王の神威】を発動させて……「俺の嫁に何をしようとしたか知らんが……。その命を持って贖うが良い!!」と言うと、ジークは、一度後退して体制を整えてから再び攻撃に移ったのだった。
俺は、二人の動きを予測しながら……。暗黒神の動きを観察して隙を見つけることにしていた。
そして、俺の読み通り、暗黒神も魔王もお互いの力をぶつけ合った。暗黒神と魔王の二人がぶつかる時に……俺は【魔剣】で魔王を攻撃しようとしたが、その時に、魔王の【闇の鎧】が解除されて……黒いオーラも消えてしまったのである。どうやら、暗黒神と融合した魔王も俺が倒すまでは暗黒神がこの世界に干渉出来ないので……。暗黒神の影響がないようだ。
ジークとユーラは暗黒神の注意を引きつけつつ……二人で連携を取りながらも攻めていった。そして、ジークの聖属性が効いているせいなのか、ジークの攻撃が当たり始めていた。しかし……ジークの体力の消耗が激しくなっている。
ジークは【聖光】を発動して……「僕には……君を殺す事は無理だけど……君を倒す為に……僕が君の為に戦う事を誓おう。」と言って、ジークは再び【聖槍】で連続突きを行い、さらに、【聖なる光の矢】を放ち始めたのである。すると……。徐々にジークの身体から白い光が溢れ始め、暗黒神の闇のオーラをかき消していくと同時に、暗黒神本体にもダメージを与えているようであった。
ジークは続けて……。「この世界を守る為に……僕は……戦っている。僕の愛する人達が住む……この場所を、守るべき人々を守りたいんだ。だから、暗黒神……。君は、邪魔だ……。早く……どこかへ行ってくれないか?」と言うと……。暗黒神が「うるさいガキですね……。私がどこに居ようと関係はないのです……。それに、私の使命を果たさずに帰るわけにはいかないのですよ。今、魔王を倒したとしても、魔王はまた復活するのですよ……。そうならない為に必要な事をする為に私はここに居るのだから……。あなたがどうしても私を倒したいというなら倒せば良いじゃないですか?まぁ、出来ればの話だがね……。この世界で生きる者達は……、あなた達が救わなければ滅ぶ運命にある。それは避けられない……。ならば……私はこの世界を守るために全力を出すしかないのですよ。」と、そう言って……ジークを挑発したのだ。俺は…… 俺「ふざけるな!!俺の嫁達に手を出そうって言うのか?お前だけは絶対に許さないからな……。お前のような邪悪な存在は、必ず俺の手で葬り去るからな!」
と俺が怒ると……ユーマは、【聖弓】を発動させて、【光の弓矢】を放ち……。ジークは【聖光】を発動させると【光輝剣】のスキルを【聖剣】に変えて発動させたのだった。そして、二人は同時に攻撃した。すると……。俺達の攻撃でダメージを受けた暗黒神に更なる追い打ちをかけるようにしてユージの【無属性魔法】の攻撃が暗黒神に炸裂したのだ。
ユージの放った【波動斬】のスキルによって暗黒神は吹き飛ばされたのである。そして、俺は【時間操作】を使いながら暗黒神に近づき……「ユージは……よく頑張った。次は俺が相手だからな……。ユージとリーナに俺が教えてきた事を見せてやる。ユージは、自分の技と、俺の技を合体させて放つイメージをしてやってみてくれ。それと俺が教えたスキルも一緒に使うんだ!」と言ってユージに指導をしたのだ。俺は【時間操作LV999】を発動して暗黒神を足止めしつつ……暗黒神に接近した。そして……。俺は暗黒神に接近するまでの間に【無詠唱】を発動させて……【魔力障壁】と【空間収納】の二つを重複で使用しながら……。魔力を込めた剣を何度も振るい続けた。俺は暗黒神に対して……。
『死を司る剣』を繰り出していたのだ。俺は剣を振るい続けているうちに魔力を込めていったのである。俺は、魔力を込めた剣による連撃を浴びせ続けていた。暗黒神はこの攻撃を防ぎきる事が出来ずに少しずつ傷ついていき、最後には大ダメージを受けて動けなくなってしまったのだ。
俺とジークとユージの同時攻撃で……暗黒神の肉体を破壊することが出来たので、ユートを呼び出し……。暗黒神と融合した魔王を浄化するように命じたのだった。
そして、ジークは、魔王と暗黒神の両方を相手にしていたが……。暗黒神は、もうこの世界に存在している事が不可能になるほどのダメージを受けているのを確認した。暗黒神を消滅させる事に成功したようだ。これで暗黒神の影響を気にせずに……俺は魔王との戦いに集中できるのだった。俺は【時空共有倉庫】から【時空間】を発動させて……俺と暗黒神の空間を繋いで……俺は、時空間の中に入って魔王のところまで移動したのだった。
時空間の中には俺以外に暗黒竜がいた。そして魔王は、俺の存在を確認すると驚きの表情をしていたのだ。魔王は、俺の姿を見るなり……「なっ……なんなんだ!おまえは!?何者だ!どうやって、この世界に入った!!」と言って警戒心を強めていったのだった。
そして……魔王は暗黒神と暗黒竜の力を吸収してから俺のところに来たのだ……。俺のステータスは……こんな感じになっているのだ。
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勇者 レベル:100/100
種族 :人間
性別 :男
年齢 :23歳
状態 :混乱
称号 : HP 100,000,000/105,000,002
(15,038,000UP)
+510,000+203,000+20,000(30,300万+244万40,100倍化+50億+400万+99.9%アップ)
MP 100,002,000/1,001,201,700
(150,900,300UP)
+157,500+252,500+177,000(359,608万+367万円+200%アップ+49万+97万ポイント+164%アップ+486万+182%ア
ップ+293%アップ+27万%上昇+264万円+227%上昇+201%増加+148%増加+115%増大+115%倍増 力 :256,000
→ 515,000 素早さ:137,000
→ 154,500 器用さ:159,000→
190,080 体力 :505,500→554,000
運 :655,000
魅力 :451,000
→ 473,000 加護 :"英雄神カル"の愛 "全ステータス限界突破" スキル
「ナビゲーション」「絶対防御LV9」
→「絶対領域」
「ステータスVIT強化 LV999」
「ステータスSTR強化 LV99」
「身体能力超向上」
「剣術LVMAX 」
「槍術LV 」
「棒術LV 」
「格闘LV 」
「弓術LV 」
「射撃LV 」
「聖槍術LV 9 聖剣」
「光輝剣」
「聖弓 」
特殊スキル 固有武器「覇王神」
装備「覇王神の槍」(攻撃力1234)・「覇王神の盾」、「覇王神の衣」(防御力784)、「覇王神のブーツ 」・「覇王神のマント 」
「アイテムボックスEX極×極」
所持金「0G
※
※」
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**
***
魔王との最終決戦が始まりました。俺と暗黒神の戦いに決着がついたのである。
暗黒神を消し去り、魔王も弱っている事がわかると……。暗黒竜の力がさらに大きく膨れ上がっていったのである。しかし、俺は、暗黒神との戦闘でも【神威の神魂核】の力をフルに使って戦っていたので、これ以上の無理をすることは出来ないと判断していたのだ。そこで、俺と暗黒神の戦いでダメージを与えた分だけ俺が吸収していた闇のオーラが消えていたので……。
俺は、このチャンスを利用して、この世界の住人達に暗黒神を封印させる為に動くことにしたのだった。まず、俺が【時間停止】を使って時間を止めると、俺の側に居た、女神が話しかけてきた。
「私は、破壊の女神なのよ……。あなたが私を復活させてくれたみたいね。感謝しているわ。あなたは私を救ってくれた……。」
と言うと俺が、「それは違うぞ……。俺はお前を復活出来なかった。だからお前を救ったわけじゃない。ただ、俺は、俺の家族をお前から奪った奴をお前の手で裁くように言っただけだ。」
「え?じゃあ、私はどうして復活したの?」
「それはな……、俺がお前にもう一度チャンスを与えてやろうと思って呼び起こしたからだ……。まぁ……お前の本音を聞く為だがな……。だからお前を恨んでいないんだ。それに俺は、この世界に来る前は、ニートで引きこもりで……。親に甘えてばかりいたからな……。この世界の平和を維持するのに協力してもらう代わりに俺の願いを聞いてくれ。」
「あなたの言う事を何でも聞きます。それで私の恨みが消えるのなら……喜んであなたに従いましょう……。」
という会話をして……俺は……「よし……なら俺がこの世界を滅ぼそうとする奴らを全員排除するから……。その時が来れば協力してくれ!」と言うと……。
女神が、驚いた表情をして「私達が敵わない相手に、あなた一人で立ち向かうつもりなのですか!?いくらなんでも無謀過ぎませんか!?」
「大丈夫だよ!俺は……無敵だ……。どんな攻撃を受けてもこの世界に居る者を守ることなんて簡単に出来るさ。それよりも……早く俺の仲間達に連絡をしないと……俺が死んだと思われると大変だからな。だから……俺は、暗黒神が持っていた空間に俺の分身を飛ばしておく事にする……。この世界が滅ぼされそうになっても空間が破壊される前に、俺の本体がここに帰ってこれるようにする。そのつもりで頼む……。あと俺が倒せなかった場合のために……俺の子供の中で最強と言われる……四体の神を呼び起こしておく。あいつらは、今の俺よりも強くなるから……。俺の代わりに魔王を倒して欲しい。頼めるか?」と俺は……お願いしたのだった。
「分かりました。あなたのご期待に応えられるよう、頑張りたいと思います!」
こうして、俺は……【次元転移】を使い……空間を作り出して暗黒神の空間に俺を飛ばすことにした。
すると暗黒神は驚いていたが……「おい!何を勝手なことをしとるのだ!俺の身体から出ていけ!!今すぐ、俺に消されるんだ!!!」と言って怒りをあらわにしたのだが……俺が
『死を司る剣』で暗黒神を切りつけた途端……。
俺は暗黒神の中に侵入して行ったのである。そして……魔王を倒す為の準備を始めるために……。暗黒神と融合してしまった魔導士のいる部屋に入って行くことにしたのだ……。この部屋の中は魔法陣で埋め尽くされており……。
その中に一人……全身を黒いローブで覆い隠した男が立っていた。そして、俺の姿を目視して驚愕の表情になっていたのである。
そして……俺は男に近づくと、俺は【死霊使い】を発動させて……「俺は、おまえに用があって来た。おまえには色々と聞き出したいことがあるんだよな。」と言った。すると、男は「なっ……なんで、おまえが此処にいるのだ!ここは暗黒神の空間のはずだ……。おまえがここに来ることなどありえない……。まさか、俺と同じで時空間を移動したというのか!?」と聞いてきたので……
「ああ……そうだ……。暗黒神の空間は、もう俺の支配領域になったから、おまえ達はもう逃げる事は不可能だ……。」と言うと……暗黒神に融合している男の魔力が増大していき、魔王並の力を手にしたようなのだ。そして、男は笑い出して、暗黒神の力を解放し始めたのだった。俺に向かって闇の波動を放ってきていたが……俺の目の前に巨大な光の障壁が出来上がっており……闇の攻撃を跳ね返したのである。
「なんだ……これは!?こんなバカげたことがあってたまるかーーーー!!!なぜ、そんな力を持っているのだ!おかしいだろう!!何なんだよ、てめぇは!!」
と俺の目の前の男から怒号が放たれたのである。俺は「おまえ達の負けは決まっている……。おとなしく、暗黒神の力と自分の力を交換しろ!!」と言うと……暗黒神は「はっ!おまえみたいな小物に何が出来るっていうんだよ!俺は、魔王様の生まれ変わりなんだぜ!魔王の力を受け継いだのは俺の方だ!おまえは、何も出来ずに消え去るのみだ!死にたくなければ俺様にひれ伏せ!この俺が魔王の代わりとして君臨してやるよ!!」
と威張っていたのだ。俺は「おまえのような小物が何言っている……。いい加減にしとかないと後悔することになるぞ!」
「後悔だと?おまえが死ぬって意味なのか?それとも俺の力を手に入れられないという意味での後悔ということかな……」と言うと「どちらの意味も含んでいるがな……。俺はおまえなんかよりも強い存在になっているんだから……。魔王にもなれるほどの力を俺は手に入れた。」
と得意げな顔をしながら俺に自慢話を続けていたのであった。そして……「さぁ……魔王になりたくないなら……今のうちに力を全て返せ!俺が支配したこの暗黒神ごと封印してしまうからさ……。そうすれば、暗黒神の力を俺に全て吸収出来るようになるし……。暗黒神と魔王が居なくなって平和になるから……。どうするつもりなんだ?おまえの返答次第で決まるから……。早く返事しろ!!」
と言うと、暗黒神と融合した男が「誰が……貴様なものなどに渡すというのか……。ふざけた事を言うんじゃねぇ!!てめえに魔王が務まるわけないだろう……。魔王の力は誰にも渡さない……。」
と言い放った瞬間……。俺の前に無数の闇属性の攻撃が向かってきて……。それが着弾したのだ。俺は、瞬時に全ての闇の攻撃を吸収することが出来たのである。すると……「あれ!?俺の技が消えた……。それに暗黒神様の力が消えていく。一体、何をしたんだよ!!俺の計画が台無しじゃないか!!おまえだけは許せない……。」と言うと、俺の周りの時空が歪み始め……。
俺の視界の全てが、真っ暗な闇の空間に変わったのである。
俺はその暗闇の中を歩いていった。しかし俺の目でも見ることができないぐらいの深い暗闇が続いていたのである。俺は仕方なく歩く速度を上げると…… 徐々に俺の姿が見えてくるようになった。
そして、しばらく歩き続けた先に小さな人影を発見したのだった。俺は、警戒心を高めながら近づいていくと……そこには10歳程の幼い男の子と……同じくら歳の美少女が抱き合って泣いていたのである。
よく見ると……その子と女の子の頭の上に、天使の輪があり背中には羽が付いていることに気づいたのである。そして、その2人は、何かを言い争っている様子だったが、俺の存在に気がつくと泣き声を止めて……。お互いを見つめていたのだった。俺は、「お前たち……。ここで何をしていた?」と聞くと 幼子の方は、「お姉ちゃんが居なくなったので探していました……。」
と言うと少女も続けて……。「私も……。お母さんがいなくなってしまったの……。私たちが居た場所が、突然暗くなって、それで……私たちは離れ離れになって……この闇の中を探している最中だったのです……。」
「なるほど……。それで……君は誰なの?お名前は?」
と俺が問いかけると……少年の方が「私は、ラフィーナって言うんです……。」と言うと、続いて少女が……。「私は……ミウです。」と答えた。そして、俺は「そうか……。君達の名前は分かった。ところで君たちは、どうやってここに来たの?」と聞くと、少年が「私は……気が遠くなっていく感じに飲まれて、目が覚めた時にこの子と出会ったのです……。」と言うと、また続けて少女が……。「私は、意識を失って……気がついて見た景色がこの場所で……でも……。どうして此処にいるの?どうして此処に連れてこられたの?」
と質問してきたのだ。
そこで俺は……。
「それはね……僕が、二人を呼んだからだよ……。だから二人はこの世界に召喚された。」
「えっ!?どういうこと?」と二人が驚きの声を上げていたので、俺が「僕は、神族でね……。神界から降りてきて、魔王を倒してくれって頼まれて来たんだよ……。まあ詳しいことは、君たちを元の場所に返すときに教えてあげるから安心して。それよりも今は……まずは君たちの安全を確保しないとね……。」
と言うと……「あっ……ありがとうございます。あのう……私のお母さんとお父さんの行方を知っている人が居たら連絡して欲しいのですけど……知りませんか?」
「悪いけど知らないんだ……。それに君の両親と面識が無いんだよね。申し訳ない。力になれなくて……。ごめんね。それと僕の仲間をこの近くに待機させてあるんだ。もし良かったら一緒に行かないか?」というと「私からもお願いします。この子と一緒なら大丈夫なような気がするんで……。どうか連れていてください!」
と言うので俺は了承して……二人を連れて空間を転移させたのである。そしてすぐに空間を閉じてしまったのだ。その瞬間……背後で爆発が起きてしまい爆風に俺は飛ばされそうになったのだが……。なんとか踏ん張ることができたのだった。振り返ってみるとそこに、暗黒神がいたのだった。そして俺は暗黒神に対して……。「おまえの企みは終わりだ!おまえの力は、俺に通用しないから、諦めるんだな!!」と言って俺は『神剣・神滅覇王』を手に暗黒神のいるところに駆け出していった。
俺は、『死を司る杖』『死を司る神剣』『神殺しの槍』を具現化させると…… 俺は暗黒神と融合していた魔導士を消滅させることに成功したのだった。暗黒神から分離して俺の支配下に入り……魂だけになったのを…… 暗黒神が復活できないように俺の力で封印した状態で隔離したのである。暗黒神が融合している魔導士から…… 魔王が使っていた武器や防具などが出てきたので回収して……。この場を離れることにしたのである。そして俺は、【次元収納】に全ての装備と暗黒神のアイテムを全てしまいこんだのだ。そして……俺がこの部屋を出て行こうとしたら……俺の背後に誰かが現れた気配を感じた。俺は、即座に【死眼】で死角の先を視てみると……。暗黒騎士らしき人物がいることがわかった。暗黒神が復活するまで時間稼ぎをする為に俺を待っていたみたいだが……。俺はそいつを容赦なく斬りつけて……。俺の邪魔をした暗黒騎士を倒したのだが……。
その時、暗黒神の身体の中に残っていた俺の力を、完全に吸収してしまった暗黒神の肉体に異変が生じていた。暗黒神の肉は腐りはじめ……。次第に暗黒神の全身の皮膚は黒く変色していき……骨が浮き出て、顔も腐敗していくかのように醜くなっていったのである。俺は、暗黒神を完全に葬るには今しかないと思い……。暗黒神に止めをさす為、俺は暗黒神の肉体に攻撃を加えていき……ついに倒すことができた。
俺は、暗黒神が倒れているところを見ていたのだ。そして俺は暗黒神の遺体を確認して……。俺は驚愕の事実を知ってしまったのだ。俺はこの世界の魔王だったらしい……。そして魔王になる前の前世は、地球では、ただのサラリーマンとして普通に働いていた。そして、会社に出勤する途中……。駅のホームで電車に飛び込もうとしている男を見て……反射的にその男の手を掴んでいた。するとその男は「俺の事はほっといてくれ!!どうせ、生きていても辛い毎日しか待っていない……。もう生きるのが疲れたんだよ!!放せ!!」と言うので……。
「そんなことはないだろう!!生きているだけでいいことが必ず起こる。人生を諦めて自殺なんてしてはいけないよ!!俺と一緒に人生を歩まないか?楽しい事だってきっとこれからいっぱい起きると思うよ。死ぬ前に、俺と一緒に新しい事に挑戦していこうよ!!どうだろう?俺と一緒に生きようよ!」と誘うと男は泣きながら俺にこう言ってきた。
「俺なんかが、あんたと一緒に暮らしてもいいのか?俺みたいなダメな人間だぞ!!本当に俺でいいのか!?こんな俺を……。」と言った。
俺は、「勿論だ!君さえ良ければだけど……。俺が絶対に守ってみせるから……。俺の事を信用してほしいんだ……。」と言うと……
「俺は、あんたが羨ましい……。俺は……。ずっと、誰にも頼られずに一人で生きていたから……嬉しいんだ。だから、俺の方こそ、俺みたいな人間の側にずっといてくれるなら……よろしくお願いします。俺の名は……。山田 太郎です。」と言うのであった。
「わかった。俺の名前は佐藤 次郎だよ。こちらこそよろしく。一緒に楽しく暮らそう。」と握手をすると……。
俺は彼の心を見たら……。家族がいないことで……。とても心が苦しくて悲しくて寂しい思いをしていることをわかってしまったので……。「じゃ、まずは一緒に生活できる家を作ろう。俺に任せておいてくれよ。俺はこれでも、大工さんの仕事もしているからさ。君に不自由はさせないよ。俺と二人っきりでも大丈夫か?」と聞くと……彼は笑顔になりながら「俺は、今まで一人で過ごしてきて孤独が平気なんだけど……。俺があんたに頼っていいかな?俺も……本当は甘えたいんだ!!でも……今まで我慢し続けてきたんだ……。迷惑かもしれないけど……俺は、貴方の事が好きです!!結婚を前提に付き合って下さい!!そして俺の彼女にしてください!!俺を幸せにして下さい!!」と言うので俺は笑顔になって……「はい喜んで!」と言うと……彼を抱き寄せてキスをしたのだった。
その日から俺達は、お互いの家に住み始めて共同生活をスタートさせたのだ。彼は料理を作るときは、すごく上手だったのだ。それからというもの仕事を終えて帰ってくるのを待っている時のドキドキ感はとても幸せな気分になれる。
今日は早く帰れそうだとか……何かあった時にすぐ助けてあげられるとかね。
その日の夜、食事が終わった後に彼がいきなり「あなたに聞いてほしいことがあるのです。俺が今までの人生の中で辛かったことや苦しんできたことも含めて全てをお話したいと思います。だから……聞いてくれますか?」と言われたのだ。俺も、彼に色々と聞きたかったことがあって……。お互いに自分の過去について語り合い、夜が更けていったのである。
翌日…… 朝起きてから二人で食事をしているときに彼が「この家に俺が居たら……俺の存在がバレると不味いし、俺の存在は、世間的には存在しない者になっているから……俺は別の場所に行くことにしました。この家も俺がいなくなるまでは……維持できるようにしておきます。あと……。この家に置いておいた俺の所有物は後で回収して処分しますね。俺がいなくなっても安心して生活していって欲しいのです。それで、もしも困ったことがあった時には……。俺は……いつでもここに戻ってくるつもりでいますから……。俺の存在については誰にも言わないようにしてね。約束ですよ。あっ……もし……万が一にですけど……。俺以外の人と仲良くなって、一緒に暮らすことになった場合には……その相手と相談してから……決めるんですよ。」と言い残して去って行ってしまった。
その後すぐに……。この家は、不動産屋に買い取ってもらう事にしたので売却することに決めたのである。俺はその手続きが終わると……俺はこの世界の住人では無いので……この世界を観光する事にしたのだ。そして俺はこの世界に存在している魔物を倒しまくっていった。
【スキル】
《神速再生(時間制限解除)》 効果
・時間経過による自動回復量が通常時に比べ倍加する。
【特殊効果】
・HP,SP,MPの完全回復する。
・全状態異常無効化
・即死級の攻撃を100%回避
・致死量のダメージを与えた敵を瞬時に倒す 俺はこの世界の魔王が使っていた装備や、暗黒の力が宿っている魔道具、魔武具、神剣、聖剣、神剣等の神界の神々の武器を【無限収納家具シリーズ】という能力で保管していた物を回収していたのである。その回収した武器や防具類は【アイテムボックス】に全て収納しているのだ。
俺は……『神眼』『神聴』『神覚』『解析』『アイテム鑑定』を常に使用しながらこの世界で、魔王や魔神達が使う魔法や魔術等を試していった。
「あっ……あの人、何してるんだろう?」と一人の若い女の子が言っていたので俺は「俺ですか?ただ、暇つぶしをして遊んでいるだけですよ。何か用事でもありましたか?」と言うと……。
「ううん……。なんでもないわ。ごめんなさい……。」と言うので俺はその子に「もしかして、誰かに俺が悪い事をしないのか見張れと言われていたんですか?もしかして……。俺が悪事を働けば……悪い奴を裁く事ができると思ったりしていたのかなぁ〜?それだったら……違うんだよな。この世界の平和の為に俺が悪人を退治したりしていただけなんだ。別に正義を振りかざしているわけでもない。この世界の人達に危険を及ぼす可能性がある存在を、俺が倒して回ったりしているだけなんですよ。
俺は悪人ではないつもりなので……あまり怖がらないようにして欲しいな……。」と言うとその子は、「そうよね。私の考え過ぎだったみたい。本当に申し訳なかったわ!!でもどうして貴方は……この国の人達のために……そんな危ないことをしているのかしら?」と言ってきたので……俺は正直に打ち明けることにした。この子の目から嘘が見えないからね……。
【ステータスプレート】を見せながら……俺は、自分が女神に召喚された勇者であり……【聖剣 セイリュウ・カリバー】の所有者であることを説明して、その剣で闇の存在を浄化することが出来るのだと……。そして俺は【光属性の魔力】を使える為……。その【光属性の魔力】を悪用しようとしている闇の力を持っている悪の組織を撲滅するのが使命なのだと説明したのだ。
俺は、彼女の名前を聞いたら……リリアンという名前で俺よりも5歳年下だった。俺は「じゃ、俺はこれで行くよ。また会えたらいいな。じゃ、さよなら!」と言うと……。彼女は「ありがとう。私を助けてくれたお礼にこれを渡しておくね。」と小さな宝石をプレゼントしてくれた。「それは私が、冒険者として頑張って貯めていたお金を貯めて購入した指輪の1つです。あなたにあげることにするわ!!これを身に付けていればあなたが困っているときに……私が現れるかも知れませんから……大事にしておいて下さい!!」と言うと立ち去っていった。
俺がその宝玉に意識を向けたところ、俺には見えていないが……。そこには……「私はいつもあなたの側から離れない……。ずっと見守っていますよ。だから、寂しい思いをしないように……。貴方に幸せが訪れますように……祈ってるわ!」と言うメッセージが込められていた。俺はこの子が……何かあるのではないかと感じとったので俺は「待ってくれ!!」と追いかけて腕を掴むと、俺は彼女を引き寄せたのであった。そして……「もしかすると、君は、誰かに監視されていて俺を監視して来いと言われて来たんじゃ無いだろうな?」と質問したところ……。「違います!!私は、ただ……この国に住んでいる人々を守りたくて、貴方の事を監視するように頼まれて……。この水晶に手をかざしたら貴方の姿が浮かび上がって来たから。それで……」と言った瞬間に、彼女は気を失って倒れた 俺は、彼女を抱えて……ベッドまで連れていき寝かせると、この家の家主である女性が帰ってきた。俺を見るなり、「貴方がこの家に突然現れたという方でしょうか?この家に住んでいた方が急に消えてしまいまして……。事情をお伺いしてもよろしいですか?」と言うと、彼女が「大丈夫だ!俺が、今この家でお世話になっているものだ。少し疲れていて眠ってしまっただけだ。だから心配しなくていい。俺が面倒をみるから安心してくれ。」と説明すると、「そうだったのですね……。この家は空き家になっていたので……。でもこの家に住んでくれる人が見つかって良かったと思っていますよ。私はここの不動産管理の仕事をしています。これからよろしくお願いします。何か困ったことがありましたら相談に乗らせてもらいますから遠慮せずに言って下さいね。あっ……自己紹介が遅れましたが、この家の持ち主で所有者でもあるマリアと言います。よろしくお願いします。あと……貴方が家に入る前に話をしていたのですが……その女性と、どんな関係なの?」と聞かれたので俺は、素直に「婚約者だよ。昨日結婚の話をしてきたばかりなんだけど……。」と打ち明けたのであった。
俺は……この家を貰うことを彼女に提案して了承してもらった。「貴方が住んでくれて助かるので、格安で売りに出して、賃貸物件として貸し出しましょうか?家賃の方は月々銀貨2枚程度でいかがでしょうか?貴方も仕事があると思いますし、家の維持費だけでも毎月払っていただければ良いのですが、貴方さえ良ければ、月に3枚程度支払ってくれるなら……。私達は嬉しいのですよ。あっ……家賃の支払い方法は後で相談してくださいね。それと……住むための手続きとか必要な事はありませんから。」と言うので俺は、家賃を払う事にして手続きをし終えたのだ。俺達はお互いに名刺を交換することにしたのである。
【氏名 佐藤 太郎】
【年齢 20才】
【住所】
日本・東京23区・荒川 町・4-2-1【アパート ハイツリバーサイド】201号室・101【不動産業者】
俺は……彼女達とフレンドリーに接することができるようになりたいと思い、彼女達の名前を聞いていた。
俺の本名を教えるわけにもいかないが……俺の事を信用してもらった上で、お互いのことを色々と知るために……。彼女達のステータスを確認しながら……彼女達に自分のステータスを教え合う事にしたのだ。
俺は、リリイに対して、ステータスプレートに表示されるステータス画面を見せると、彼女は、リリイとリリアという名前であることと年齢は15歳だということや。俺のステータスプレートの職業が、勇者では無いということなどを伝えてくれた。俺達はそれからお互いの名前を名乗り合い……。俺と、この世界で知り合いになり、信頼関係を構築できる仲間を探す為に行動する事にしたのである。
まず最初に仲間になって欲しい人たちに会う事を決めた俺は……。この町の冒険者ギルドに、俺と一緒に行ってくれないか?という誘いをかけると……。リリイは、「もちろん行きますけど、何かあった時に……助けてもらえますか?」と言うと、俺は、「勿論だとも。俺に任せてくれ!」と言って二人を連れ添って……。冒険者ギルドに向かう事になったのだ。
そして俺が、冒険者登録をしたいと告げると……。リリイも一緒に俺と同じ冒険者になると言ってきてくれたので、受付の女性に登録手続きをしてもらって、二人でパーティーを組んでもらえるか確認をしてもらった。そして俺達は冒険者の仮免許を取得する事が出来たのである。ちなみにこの国の冒険者制度は、『E級』のFランク『D』のE『C』のCで……。俺の場合は『A』のSで……彼女は……まだ仮免許の『G』で、俺の『G』のパートナーという扱いなのだが……。
そして俺の持っているアイテムの中で、【神竜の神剣 ドラゴンシリーズ】と【神剣 エクスカリバー】を登録してもらうためにアイテムボックスの中を見せてあげた。その光景を見た二人は……絶句していて……そのアイテムボックスの中の収納能力を見て驚愕していたのである。そして俺は、リリアさんを鑑定した結果、俺の仲間になれるスキルが有る事を確認したので、その事を告げると……俺のパートナーになることを決意したのであった。俺が鑑定の結果と能力の説明をしたのだ。
【名前】
リリア・サガラ
(サガラ子爵の娘)
【種族】
妖精族
・人間と妖精のハーフ(純血)
【性別・身分・レベル】
女・14歳 【年齢・誕生日・血液型・身長・体重・スリーサイズ・容姿・体型・胸の大きさ・スタイル・服装・髪の色・瞳の色・特技・趣味・好きなお酒・好きな食べ物・癖・悩み・家族構成】等)
【総合評価点】
4600 【生命力・MP・SP値】
3000
HP:6700
・1000
MP :9000
SP :4000
STR・INT・DEX・VIT :3500
INT:10000
DPS:5000
AGI・CHARM:7000 VARIATION(魔法攻撃)
CRI:500
MID:2500
※CHARM=charm+intelligence+magic
※MED=Medicine+medicinemachine 【装備・所持品】
*魔導剣・フェアリーブレード・レア度SS 武器・【セイリュウ・ソード】【光属性魔力強化剣】
防具・ミスリルアーマー 装飾・【女神の首飾り・改】
アクセサリー・【神の加護】【光属性魔力強化付与指輪】【幸運リング改】【魔力増強のブレスレット】
装備品 セイリュウ・カリバーン(光属性魔力強化大成功剣・光属性魔力増大効果 攻撃力上昇 魔力増加率10倍化付与)
セイリュウシリーズ各種・ 神盾 光の聖剣 セイントホーリー 光の女神像(最高品質神造武具の最高峰の一つ 状態保存 持ち主に自動修復機能あり)
1時間限定使用可能【聖剣 エクセリオン】
【固有技能(ユニーケインスキル)
聖剣 エンチャントブレイド】
(この能力は、使用者以外がこの剣を使用すると壊れる。)
2時間限定使用【天叢雲剣 テンペスト】
(天候操作系最上位魔法の発動可能。雷属性魔力増加効果、物理攻撃時確率で即死効果が有る。
3時間限定使用【聖槍ゲイボルグ】(投擲した際必中。貫通効果、命中した場合継続ダメージを与える)
3日連続使用可 【究極技能(アルティメットスキル)
全知眼 完全鑑定眼 全能翻訳 無限空間庫 絶対隠蔽(パーフェクトハイド)」
※俺とのフレンド登録は…… していない 【ユニークスキル(オリジナル 希少価値)
成長加速】
経験値5倍増量、レベルアップボーナス加算額5倍。ステータス表示変化、必要経験点数軽減有り ステータスアップ、獲得熟練速度超速。必要才能習得経験値1/8。ステータス上限解放及び限界突破。
※俺と、結婚を前提に付き合っている リリイ・サガラは、俺とリリアに、パーティー登録を済ませるために来たと説明すると、受付の女性が驚いていて…… 受付嬢「えっ!!貴方達は……まだ子供なのに……こんなに凄い人達と……本当にお付き合いして大丈夫なんですか?」と言うので……俺とリリアがお互いを見つめ合うと……お互いの頬に赤みが帯びて恥ずかしそうな顔をすると……俺は、彼女達の手を取って……。受付に「俺は、彼女達が気に入った。それに俺と一緒なら……彼女達はもっと強くなれる。だから俺の事を信頼してくれ!絶対に彼女達に後悔させないと誓うから……頼む!」と頭を下げた。彼女は……そんな俺を見て……涙ぐんでいたのだ。
受付の女性「分かりました。貴方を信じて……私に出来ることがあれば……なんでも仰って下さい。この子達は私が責任を持って貴方に付いて行けるように教育させていただきますから。安心してください。それと……。貴方のお名前は?私は……ギルド職員の『アイーダ』といいます。」と彼女が言うと、俺達は自己紹介をし合う。そして俺が、「よろしく頼みますね」というと、「こちらこそ、貴方の役に立てるように頑張りますね」と笑顔で返事してくれた。こうして……俺はこの世界の人と知り合えたことで……。とても嬉しい気持ちになっていた。俺は、彼女達と別れる前に……冒険者ギルドに、仮ライセンスの発行を頼んだのである。俺は、リリイから聞いたのだが……冒険者はギルドカードを発行するときに……職業を決めなければならないらしく……職業によって発行されるカードが変わるのだとか……例えば……冒険者の場合、職業が戦士とか……剣士の場合は……。『E』のE『F』のFのFとなるらしい。ちなみに、『D』になると『D』のDになるみたいだ。ちなみに……リリイが仮ライセンスを取得したとき、俺と一緒にいたこともあり……『E』ランクの仮免許が発行されていて……。俺と、仮免許のパートナー契約も既に結ばれていて、俺と一緒に行動し、仮免許が発行された事で……俺のパートナー登録が出来たため……俺の仮免許も一緒に発行された。仮免許が発行された時点で、職業を選べないそうだ。リリイの話では、仮免許を正式に取得する時に、選べる職業に選択肢が増えていくのだそうだ。
リリイが俺とパーティーを組む事を決めてくれたので、パーティー登録をする為には……。俺とリリアのステータスカードをお互いに交換しなければならなかった。そこで……俺は、リリイのスキルを鑑定したら……【ユニークスキル】が有る事に気がつき……それを教える事にしたのである。
【名前】リリア 【種族・性別・身分・レベル】妖精族のハーフ(純血)、女性、15歳(15歳 誕生月不明)
【年齢・誕生日・血液型・身長・体重・スリーサイズ・容姿・体型・胸の大きさ・スタイル・服装・髪の色・瞳の色・特技・趣味・好きなお酒・好きな食べ物・癖・悩み・家族構成】等)
【総合評価点】4800 【生命力・MP・SP値】
3000
HP:6000
・1000
MP :15000
SP :4000
STR・INT・DEX・VIT ;2500 DPS:3500
AGI・CHARM:8000 VARIATION(魔法攻撃)
CRI:400
MID:1500
※CRI=Critically Investigated Result =クリティカル リザルト(調査報告書・解析結果)
【装備・所持品】
*聖杖 マジカルスタッフ(レア度SSS級 魔導師が使う最高の聖魔法の魔法陣を刻みこんだ 魔力増幅率が100倍に上昇)
*魔導弓 マジックアロー(レア度SSS級)
*ミスリルシリーズ各種 *神盾セイントホーリー *魔装盾 セイントシールド *神盾 ホーリーホーリー *神盾セイントホーリー *神剣 エクスカリバー *神剣エクスカリバー *神竜の剣・エクスカリバー(レア度S級)
*女神の剣(エクスカリバー・スペシャル・ミスリルレジェンド級)
*女神の首飾り・改
(神造武器の最高峰シリーズ・状態保存・持ち主に自動修復機能あり)
1時間限定使用【聖剣 エクスカリバー】
(天候操作系最上位魔法の発動可能。雷属性魔力増加効果、物理攻撃時確率で即死効果が有る。3時間限定使用【聖槍ゲイボルグ】(投擲した際必中。貫通効果、命中した場合継続ダメージを与える)
3日連続使用可【究極技能(アルティメットスキル)
全知眼 完全鑑定眼 無限空間庫 絶対隠蔽(パーフェクトハイド)」
*俺とのフレンド登録をしていない 俺とリリィが仮免許を取得したと同時に、冒険者カードを発行することが出来たので……それを、受付嬢のアイーダに渡すと。
俺とリリイの冒険者カードの申請をするために、受付の奥の方へと消えていった。それから数分後……。アイーダさんは俺達に、パーティー登録に必要な書類を出してくれて……。俺達は、必要事項を埋めていくことにした。俺は、自分の名前を書くのに戸惑っていた。今まで、この世界で生きていた時の名前を書けばいいのか?この世界に転生してきたときの名前を使うのが、正解なのか……迷ってしまった。
(俺の本当の名前は……。俺の元居た世界の文字を使っているが。この名前は、本名とは違う。だけど、俺の名前は、俺にとっては大切な物だ。この世界の人に発音出来ないだろうけれど……。だからこの名前を今書くのは躊躇ってしまう)
俺は……俺なりの名前で…… 俺のフルネームを……書いた 俺の名前は『太郎・真宮・白夜』(タロー・マミヤ・ビャクヤ・真神)と書くことにしたのである。そうすると……リリアとリリイには俺が何を悩んでいるか分かったみたいで……「私達が決めてもいいですか?」と言ってくれたので……。二人に、俺が書き終えたら渡して欲しいと言うと……。リリアが、「分かりましたわ。私の方でも、考えておきますね」と優しく答えてくれた。俺は……
『俺』と…… そして、漢字で……名前を……書いていく…… 俺の名前は…… この世界で生きるための……。新しい……『自分』の……名前の……。
真神白夜という名前を……俺は、ゆっくりと時間をかけて…… 書き上げたのだ。
俺は、この異世界では……俺自身が、俺自身を証明するためにも……。自分自身の新しい『名』として、その名前を使うことにしたのである。俺の書いた字を見て 二人は 嬉しそうな顔をして お互い見つめ合うと 微笑み合った
「ありがとうございます」
二人のお陰で 迷いがなくなった。そして、この異世界の人間ではないからこそ出せる文字……。この異世界には存在しないであろう 漢字という文字が とても気に入ってしまったのである。俺が書いた紙を見てアイーダは……驚きながらも……。丁寧に対応してくれているようだった。その様子を見ながらリリイとリリアンは、「私達も……素敵な名前を考えたんですよ!」と言ってきたので……楽しみに待つ事にする。そして……。遂に リリイとリリィの名前が記された用紙と……俺とリリイのカードを持って受付に戻ってきて、カードを返してくれると……。「こちらが……リリイ様の仮免許カードです」と言い……リリイが受け取ったのを確認して……。次に……俺にリリイと同じ仮免許カードを渡されたので……俺は……。俺自身の仮免許カードを手にすると……。ステータス表示の部分が変化が起きた。そして……。俺が「えっ!?」と言うと、受付の女性が「どうかなさいましたか?」と言うが……俺の視界に表示されてステータスの表示内容が、一瞬だが……変わったのだ。俺は……少し驚いていた。俺のレベルが上がって……。レベル1に上がった瞬間……職業選択画面が表示されたのだ。この事から考えると……。この世界の人達が持っているレベル1というのは。職業を選択するためのものらしい……。俺は……この仕組みが理解出来ていたのだ。このシステムは……多分だが……ゲームやアニメなどに登場するような……職業を選択できる能力のようなモノだと、勝手に判断してみることにする……。つまり……俺の持つ【職業 勇者・賢者】という選択肢から……。『賢王』という選択肢を選ぶことが出来るはずだと思ったのだ。俺が『賢王』を選択した途端。職業が【賢王の職業(ユニークジョブ)】に変わったのが確認出来た。『職業』ではなく……。『職業 賢王の職業』という……。一つの……ユニーク職業になったのであった。
(これで……レベルが上がるたびに……【ステータスオープン】すれば、いつでも俺が『職業』を選択することが可能になるわけだな……しかも……。ステータスが……【種族補正値・職業値・称号値・経験値】全て含めた上で……。全ての数値が上昇するようになっている……)
これは俺だけの特別なシステムなのではないかと思えた。しかし……これが他の人が使う事が出来るのかが問題になってくると思う。こればかりは、分からない事だらけだと思うのだが……。それにしても……。リリイや……リリス……アイシアにも、職業がないってどういうことなんだろうか……。俺だけが特殊なのかな……と疑問に思うが……。リリイとリリスとリディアとアイシアは、この世界の人間のはずなのに……。
何故、この4人だけ……特殊扱いになっているんだろう……。もしかすると……何かのスキルを持っている可能性はあるが……。俺は、そんな事を考えているうちに、ギルド本部を出ようとするので……アイシスさんを呼び止めて。アイツの情報を聞こうと思っていたが。アイビスさんの所に行って聞いてくれと言われていたことを、思い出したので……。俺は、アイリス達のパーティーリーダーなので、パーティーメンバーでもあるリリア達を引き連れて……アイビスの居るところまで案内してくれたのである。
(この人は……。俺の事を信用してくれているのか?)
アイシスさんの話では、俺は、この国の国王である『アーゼル=ル=ファンダ』様の客人ということにもなっているようで……。だからか?アイネスさんからは丁寧な挨拶をされる始末だ。リリスは「あれ?どうして私達に挨拶を?」と思っている様子だったが、俺は……。何気なくスルーする事にした。だって……リリィだけは分かっていたらしく、苦笑いしていたのである。
そして……リアリスは、リリイと顔を見合わせると……。俺が知らない所で……二人で仲良くなっていたらしく……二人で手を繋いでいる姿を見てしまう。俺の傍にいるので恥ずかしいようだ。それから、アイシスさんが「こちらになります……」と言われ。大きな扉の前に案内されると、俺が先に入るように言われると。リリアとリリイが、「「私が開ける」」と声を合わせるようにして、アイヴィスが扉を開ける前に俺の前に立ち、アイヴィスが扉を開けてくれて、部屋に入ると。そこに、この国の女王陛下のアーセル・ファウンド女王と第一王子の『セバスティア・ヴァント』殿下が居て、俺を見るなり驚いた表情をしていたが、俺は、その二人が……本当の兄妹ではないことは知っていた。
そういえば……俺が、この世界で生きている時に住んでいた場所。あそこを、調べに行ったときに、アーセル姫とセバスの両親である、王妃様と国王陛下の夫婦と会った時、二人共血の繋がった親子ではなかった。俺がそのことを口に出していう事はないだろうけど。ただ…… 二人を見ていて。お互いに好き同士であることが分かったので……。俺とリリイは、何も口出しするつもりはなかったし、二人の関係を応援するつもりでもあった。俺は、王族に対して……無礼を働かないようにと、緊張して言葉を発することができなかったが。アーセル女王は「貴方様の実力は既に存じ上げております」と言われる。俺は何も言うことが出来ず。リリア達は俺が話せないと分かると、「白夜さんの代わりに私達がお話しさせて頂きます」と俺の気持ちを理解してくれていたのだった。俺は……嬉しく思いながら……リリア達に心の中で感謝する。
俺は……この世界に来る前……俺は、自分が生きてきた人生において……。『女性経験』が皆無であり、女性に対する対応が上手くないのを知っているからこそ……。今は余計に……。俺にとってみれば、今の状態では……まともに喋れないだろうと自分でも理解出来ていたからだ。そして……。俺は 自分の事よりも……。リリア達に、迷惑を掛けていることが心配になってしまった。そう思ってると、アーセルが「ご安心下さい。私は……あの方の妻の一人にございます」と突然言い出すと、俺以外の者達全員は驚愕する。それを聞いてしまった、リリイ達までも驚いていたのだ。
「まぁ そうなのですか?それでしたら話は早いですわね」
俺の横にいたはずの、リリアが何故か?俺の後ろに隠れるような形で後ろに下がってしまった。
そして俺は アーゼルとセバスが驚いている中、リリィーは「やっぱりそうだったんですか」と納得したかのような感じになっていたのだ。そして…… アイティス王女は 俺の方を見て「白夜様は、御兄弟なのですか?」と言うと リリシアが俺の腕を取りながら、「違いますよ。私の旦那様です」と答えると
「えっ!そうなのですか!?」と言うと 俺は「はい」とだけ、答えたのである。
そして俺は、俺がこの世界に召喚された時に得た称号のことを伝える。俺の称号の中に、『勇者』の職業があったことを話すと。俺が『勇者』だと知り、「おめでとうございます」と言われたが、俺の今の心境は、複雑である。俺は『元勇者』であり。『現魔王』でもあり。そして
『魔王の力』を持つ存在。だから『真の魔王』と言われている。そして……。
『真の神力』を持ち この世界の『女神』を信仰しているこの国には『敵対者』として認識されていたのである。しかし……。その事実を知るものは殆どいないだろうと思うのだ。そして俺は……アーゼル女王と話をすることにしたのである。まず最初に……。リリアが アーゼアに「お久しぶりでございますわね」と言い出したのだ。
「あっリリスさんも、この場に来られたのですねぇ。そちらにいらっしゃる方は どちら様でしょうか?」と聞くとリリシアが「リリイはリリスちゃんの妹ですよ。あとこちらは、白夜さんとリリアさんの娘さんですよ」と言い始めると……。
アイシスが「妹さんに……娘さんですか」と言ってきたのだ。
リリアとリリイは リリシアに呼ばれてから この部屋に入ってくるまで、俺に隠れて話をしていて……。リリアが「私達の母は……もうすぐで来ると思います」と話すと、アーゼールが、「母?」と呟くので リリアが「えぇ 母上。アイリス・ヴァントは……私の母なんですよ」と言うと、「まさか……アイツが!?」と驚いた様子を見せると、アイリスが「ええ あの人が……。リリスさんが連れて来た男性と結婚しました。アイビスは、父上とあの人の事をよく知っているようですね」と答えると、アイビスの顔色が変わる。
そして……アイシスが、アーセルの前に行き頭を下げると。「女王陛下、数々の無礼をお許しくださいませ。我が娘『アーニス・ファウンド』の行方を探りたい為とは言え……。このようなことをしてしまいまして……。この度の一件につきまして、全て……『ファウンド王国』の王都にある冒険者の宿にて起こった騒動についての調査のせいなのと……。『ヴァントルド』帝国で起こった異変については。全て『神界』よりの使者として、『創造の女神様』が遣わせてくださった使者の行いによる事件だと思われます」とアイシスは言うと、リリシアは、「やはり……。貴方が裏で糸を引いていたわけではありませんでしたのね。リリスさんとリリイさんの事も知っていたようなので。もしかしたらと思った次第です」と リリスがリリイの手を取り。
アイシアは「やっぱり……。リリスさんも……。リリシスさんと同じように、リリシアさんのことも気づいていたのね。私は……アイリスが居ればそれでいいと思っていたけど……。でも、リリシスが居たおかげで。『ファウンド王国』を復興することができたの。それに……リリイも、アイラス王国の王子であったから。あの時は大変だったけど。なんとか、リリクス王との婚姻を破談にすることだってできたんだから。でも……。アイリスの気持ちが分かったのよ」と話し始めたのである。そうするとアイシスがアイアスのことを「あの子は……昔から変わってなくて……。私はアイティスとアイナスは違う人間だと思って接して来たけど。アイナスは、あの時の事を根に持ち続けているのでしょう。私達王族の血が流れていなければ……。アイナスはもっと自由でいれたかもしれないけど。あの子にも苦労を掛けてきたわ。私は……。本当は、アイリスだけが欲しかったんだけど……。アイビスと出会って。あの子と出会えて良かったと今は思えるようになったけど。最初は……本当に嫌だったの。アイシスに……似てる気がして」と言い始めてくると、アーレスが……「私に似ているとは失敬な。だが確かに似ているかも知れませんな……」と言ってきていたが リリスとリリイは顔を見合わせて
「「あーやっぱり親子だったのですね!」」と言っていたのだ。
(どういうこと?)と思っていると。
アイシスが……俺の方を見て
「あぁそうだ! 申し訳ありませんが。白夜殿にお会いしていただきたいとお願いいたしますわね。アーディアスの事で相談したいことがあるのです。それに、私の娘を、嫁に出しても良いのかとも考えていましたから。それと そのお姿のことですが、リリクス王子から聞いていた通りの姿になりましたよね。リリティスも白夜の事を心配してましたよ。だから早くこの城に来るようにって言われてましたから」と言われる。
俺は リリリス達や、アイネス達に確認を取ってから アーゼルの頼みを受けることにしたのだ。アーディアスは、アイリスの実の兄で、今は行方が分からなくなっている。そう言えば……。アーリアスは、この世界に来てから。この国に来たときに……。俺の事を見ていた。そう思うと。アーリアスとアーネスは同一人物なのかと思うのだが……。俺はアイティスとアイアスに話を聞いてみる。二人に 聞いてみると……
「確かに、二人は同一人物ですが。私には分かりませんでしたね」と言われてしまった。そして、二人の話では。この二人が別人のように感じるらしいのだ。二人には双子姉妹の母親が違い姉妹だったらしく。アイアスが姉なのだとか……。そして 二人の母親は……。この世界に来なかった人物であり。別の世界から転移されてきた女性だとか。俺とリリスは……。この世界での『母親』というのを知りたかったので。俺の『元の世界の母親』の話をするべきだろうと思い。俺は、アーレス王に、「すみませんが、今 お時間ありますでしょうか? 俺の母親の話を少しさせてもらいたいのですが?」と伝えると。「おおそうですか。是非聞きましょう」と言うのである。
そう言って……俺達は、この城の謁見の間で。この世界の成り立ちの続きを聞くことになったのである。そうすると……。ミルキーが「あれ?この人……。前に見たことが……あるような?……ないかな?」と呟いたのだ。俺は……。
その瞬間。俺の中で……『違和感』を感じ取り この世界の成り立ちを聞いていくなかで……。この国の王女達の顔を見ると……俺は……この世界の『設定』と照らし合わせていく……。
俺の記憶の中では……アイシスは、『聖女』で、この国では、『光の女神』の化身とされている。そうすると……アーティスの父親は誰なのかと言うことになる。そして……。俺の横にいたはずの、リリスがいないのだ。そして……。この世界の『真実』を知るためには、アイリスの協力が必要になっていく。この場に居て欲しいと思ったのだった。俺には 女神の加護の力が使えないのだ……。
俺とリリアが、『勇者』の称号を得た後に。リリシアに聞いた話を俺は思い浮かべていたのである。この世界の人間は、『創造の力』『再生する力』が使えるようになっているが……。それは、俺の想像の産物である『元の設定』であり。実際には、俺は『勇者』ではなく、『勇者召喚』されたわけではない。そして……俺の持つ称号の能力は、『元の世界に帰れる』能力ではないのだから……。『女神の使徒』の力の一部しか使うことはできないのだろう。だから……リリスも……。そして……『真の女神』の力を使いこなしているアイシスがここにいなければいけないのだ。俺は、女神の力を使えないし……。
リリスは 女神として、この世界で崇められる存在であるから……。
そして……『神界の扉』も開くことができるはずだが……。アイシスは……どうなっているんだろうか……?そんな疑問を思っているうちに、この国の成り立ちについての話が終わる……。俺は 自分の中の『情報』とこの世界との『差異』について考えていると、隣にいるリリスは この世界の仕組みについて話をしてくれた。まず最初に……アイリスは、『創造の女神様』と繋がりがある人物なので。リリスの言う事は本当の事なんだと思う……。そう思うと……。リリスは やはり、この世界の住人なのかも知れないと思うが……。そうなると この世界に、なぜ来たのかという話になる……。リリスが、リリイを庇って
『魔族領域』で命を落としたことは知っている……。俺も あの後、すぐに『魔王』になったわけでは無いので……。あの場所に戻ることも考えたが……。この世界に留まることを決断したのだ……。そうすると……。この世界のバランスを保つために、俺達が呼ばれたというのは事実の可能性が高い。つまり……。俺達の他にも……呼ばれている人達がいるということになってしまう。まあ……。そういうことを考えると…… アーディアスとアーネスが別人なのは確定的だった。俺も……アーレウスから話を聞いたことがあったが……。アーニスは、アイナスがこの国に来た時には……。アーリアスが、すでに、亡くなっていたはず……。それに、俺もアイリスの事が心配になり。
リリスに確認すると、この国の成り立ちについては理解できたのだが……。
アーニスがこの国にいない以上。アイリスは……。この国から出て行かなくてはいけないと……。俺はそう思っていた……。
アイリスの気持ちを考えれば……。アーリアスの妹に嫁いでほしいと、親父さんが言っていたのを思い出す……。アイラスの王妃になることを望んでいるようだ。そういえば……。アイラスが、「母上は、いつも、私に対して リリイのことばかり話すんです……。私は、母の愛情を受けられなくて、ずっと 寂しい思いをしていたから。私も母上の愛情を感じたかった……。でも……リリイだけは特別だったようです……。私の母は、私が生まれてすぐに亡くなってしまい。私を育ててくれたのは……兄上でしたが……。私よりもリリイの事が好きで……。私は……」
と アイアスが 泣きながら、リリスに訴えかけていた。そして…… リリスがアイラスを慰める姿を見ていて……。『アーレス王がアイナスをアイシスに似せた理由は……もしかして……?』と思ったが……。まだ、その答えには行き着かないのである。それに…… リリクス王子の事をアーレス王は、『王子は、リリスに似ていますね。容姿だけなら 瓜二つだと思います。でも、性格は全く別物ですね……。あの子の気持ちはよくわかりますから……。私もあの子と同じように感じていましたから』と言っていたのだ。俺は、その言葉を聞いていた時に、リリスが、俺の顔を覗き込んでくると、俺は……。「大丈夫だから」と答える。そして……。俺は……リリィの方を向いて、「俺は……お前のことを大事に想ってるし……。何があっても守ってみせるから」と言うと、彼女は、笑顔で「私も同じよ」と答えてくるのであった。それから……俺とリリスとアーサスは、この世界での現状を把握するために……。この国を見て回ることに決めると。アーレス王に挨拶をして、外に出ることにしたのである。アーナスやアイリスにも声をかけると……。
俺が リリイと一緒にこの城から出た時。外は……暗くなっていた。そして……俺は、この国にある神殿のような建物を見つけると……。この世界の人間ではない この俺を見て、神殿から出てきた少女を見て 俺は驚いてしまった。そして……その少女は……リリスに似ていたのだ。いや……違うな……。アイリスに似ているのだろう……。だが…… 髪の色が違うだけで……。それ以外はリリスそのものの顔つきである。俺が呆気に取られていると……リリスが、「あっ!! リリイお帰り」と言って その娘の元に近寄って行く。そして……。俺達の存在を紹介すると。リリアが「あなた……。『アーシア』ちゃん?」と呟くと、アーシアは、「そうですけど……。あなた方は?」と言い。リリスが、「お姉さんの『リリイよ」と言うと「うそ!? リリアスさんの娘の『アーリアスお姉さまの子供』なんですか?私 びっくりしました!!」と言うのである。俺とアーリアスの関係を知らなかったようで……。リリスは「あら? 知らなかったのですか?貴方のお姉さんは、私の旦那様に命を助けられて。この世界を平和にするために、この世界で、今も頑張ってくれてるのよ!」と言うと……。アーシャは、涙を流して「そうなんですね……お会いしたいです……。私のせいで……。お母さんやお兄様まで……死んじゃいました……。」と言うので……俺は、
「アーシャスさん。俺達は、あなたのせいじゃないと思う。確かに『魔族の侵攻』の時に犠牲になった人も多かったと思う。だけど……この世界で、幸せになれる人はいっぱいいるからさ!この世界に来る前のことを覚えていて。その時 どんなふうだったか覚えていないかな?思い出せないか試してみてごらん」と俺が言うと、リリアも、「そうだね。アーシャちゃん。リリスもお友達になってくれない? きっと この世界が大好きになるからさ」というと。アーシアは、「いいのですか? 私は……。」と躊躇している様子だったが。俺は……。「もちろん 一緒に来てもらってもいいんだよね? 」というと。「ありがとうございます」とアーシアが俺達に言うのだった。そして……。俺達は、神殿に向かう事にしたのである。俺は、アイシスに会いたいと思い。この世界に来ているはずのアイシスの事が心配だったので、俺はアイリスに聞くことにしたのだ。「アイリス。君のお父さんのアーリアスとは、俺達の世界ではどういう人だったのかな?」と質問をする……。
すると……。
リリスが、「リリイ……。私も聞きたいです。どうして……。『聖騎士 白き鎧の騎士姫』が……。この世界の『女神様の化身』とされて……、アイラス王妃様の母上が『聖女様』と呼ばれているのかしら?」と言うと。俺も不思議に思っていたことだし。俺とリリスとアーリアとリリスは、この世界の真実を知りたくなって、この世界の女神様の化身である『光の女神 アイシア様』に聞いてみることにするのだった。『聖女 女神の化身』の話を詳しく聞くため……。
『聖女の巫女様』である『光の女神 アイシア様』に会う必要があると……。俺がリリアに話したら。彼女は、なぜか……。嬉しそうな表情をしていたのである。
リリアに、アイシアが住んでいる場所を聞いたら……。神殿の『女神像』の前に行けば、会えると言われたので。俺はリリアの案内のもと。リリアの住んでいた村に向かって歩いていたのだ。俺は、アイリスとアイシアの話をしながら移動をしていると。俺は……アーリアスがなぜこの国を作ったのか……。アーレス王が、なぜ俺をアイナスに重ねたのかわかった気がする……。俺は、『創造の女神 アーティス』からもらった『力』の『情報』が間違っていないかを確認するために……。ステータス画面を開いて確認していたのである。俺は……アイリスとアイリスを気遣っているアーリアスが、とても微笑ましく感じられたのだ。そんなことを考えていると……『アーディアス』のことが頭に浮かぶ……。彼は、リリアスを『愛して』いなかった。そして……。俺の『力』を使って、『この世界のバランス』を保ったと言っていた……。その事を思うと……。リリスを『リリイ』と名前を変えた理由がわかる……。アイリスを『アーリス』にしたのには……。そういう事があったのかも知れないな……と。リリイも、アーディアスの『真の姿』を見抜く事ができていれば……。もしかしたら……今頃、俺の隣で笑っていてくれたのかも知れないなと思うと……。リリスは……本当に幸せな人生を送れたと思うし。アーレス王の想いが報われたのかもしれないな……と……。そんな事を思いながらも……リリスと一緒に歩く。そして……。この国の成り立ちを聞くことになるのだった。
俺とリリスとアーリアは、神殿に向かい歩き始めたのだ。俺は、神殿に辿り着くと……。神殿の扉が開いていることに驚き、中に入ると。そこには…… この国で一番強いであろうと思われる男がいたのである。俺は……。リリスやアイリスが、この国を出る時に護衛を付けるべきだろうと考え、この男に頼んでみようと考えた。
俺は、アイリアスの事を知らないから。アイナスとして、アイリスの事を任せるなら。この男しか考えられないと思ってしまった。だから……この国にいる間に、俺が鍛える事ができれば……と考えていたのだ。
俺が「あなたに頼みがあるんだけど。少しの時間だけで良いので、アイリスの護衛に就かないか?」と言うと……。
男は……、「アイアス王の命ならば 私に異論はない。だが……私にも都合というものがあるので、一日だけ 私の時間をくれないだろうか?」と言って来たので……。俺は、アイアスの事を聞いてみたいと思っていたので、彼の時間を奪うことに決めて……。俺は、「よろしく頼むよ」と言い。彼との面会は終わるのだった。そして……リリスが、「アイアス王は、貴方のお父様なのですか?」と言うと……。アーネスは……。アイアスは、「そうですよ。私の名前は『アーネス・アース・アイアス アーレウスの息子にして、この妖精王国を守る剣である!」と言ってきたのである。だから……俺は「貴方に聞きたいことがあったのです。この国を作ったのは貴方だと言われていますね。そして、この国は……。この世界を魔族の侵略から守る国なのだと。そして、この国を作った目的は……貴方が守りたいものを守るための国なのだと。その言葉の意味が知りたかったのです。」と言うと……。
すると……。アイウスが……。「私が……。この世界を守りたいという願いは本当だよ。この世界は美しいからね。だけど……。この世界の美しさを守るためには、多くの者が必要だと思っているんだよ。この世界の平和が乱れてしまうからね。」と言うと。リリスが「この世界で平和が乱されてしまうから?それは……どういうことなのですか?」と尋ねると……。
アインスは……。この世界について説明を始めたのだ……。そして……
「君たちが『異世界』からこの世界に来てしまったことは理解している。私も昔……。別の世界にいたからな。」と…… 俺達が、リリスとアーリアスの子供である事を告げる前に…… アーサスに……。『この世界ではない世界から、この世界に転生してきた』ということを言われてしまい……。そして……この世界を守護している神様が『アーナス』だということを話すと……。「やはりそうなのか……」と俺が言った後。アーサスが「私は……。君が『神の子』だと思う。その『聖なる剣 ドラゴンソード』を持つ少年よ!君は、『聖女』様と同じように……。不思議な『波動』を感じるんだ……」と言った。俺は、俺のことを神格化してくれる人は、今までに何人か見てきたけど……。まさか『聖騎士』と言われる人が、そう言う発言をしてくるとは思わなかったので、俺は、驚いた表情をして、「えっ!? 聖女様のように? それはどういう意味なんだ? 聖女様の事をもっと詳しく教えて欲しい」と言うと……。アーリアスが言う……。「実は、私も……。君の言うように……。君の持っている『武器』は、神器の類いで間違いないだろう?この世界の理から外れた物だ。この世界の理を歪めている存在は、本来ならば……。私達神々の敵となる存在のはずだ。だけど……私の『光の玉』の反応を見る限り。君の事を信頼に値する人物であると告げている……。それに……。君には、この世界の運命を託せる人物のような気がする。『聖なる騎士』としての私の直感が……。君と私の魂で共鳴するかのように、お互いの心の中に入り込んでいるような感じがしている。これは……。この世界の住人と出会ってから初めての出来事であり。私自身も戸惑っている状態なんだ。だけど……何故か 君に心を許している自分がいる」というと……。リリスも、「リリイさん? 貴方は……。もしかして……女神さまですか? それとも……。」と言うと……。リリスは、「ごめんなさい。今は……その話は置いておきましょう。リリアスさん……。アイアスさんの話を聞こうよ!リリアスさん!」と言うと……。アイアリスは、涙をこぼして、「はい! お姉ちゃん」というと。アーリアが、「私は、まだ『アイシアお母様』の娘になれるんでしょうか?アイアスさん……。お願いします。私は、『アーシャ』として生まれましたが……。本当の名前は、『アイリアス』です」と言うと。アイリアスが「わかっております。貴女が……私の妻の娘である事はわかります。そして……。私の命を救ってくれたことに感謝をいたします。ありがとうございます。リリス王女。アーリアス王妃の事も聞き及んでおります。貴女方家族には感謝しております。私もアイナス様と同じような気持ちを抱いておりました。だからこそ……。私とリリアス王妃は結ばれましたが……。リリス様が……私を許せなかったのかもしれません。リリアス王妃との『愛』の証である……この国を……私に託してくださいますか?」とアイアスが言うと……。
すると……。リリスが……、「アイアス王妃……。私も『アーシャス』という名前に未練がありますが……。今更その名前に戻るのも変でしょう。私は……。この国の王妃になるつもりですし……。今更『元の世界に帰る気もない』し、『元の世界に帰りたくないわけでもない』んです。ただ……今のままじゃ、帰るに帰れないんです。だって……今の状況だと……この国に迷惑がかかるし……。もし……。この国が危機に陥れば……助けないといけないと思うので。リリアスやリリス達を幸せにする為には、私は『アーリアス王として生きていく』しか道がないんですよ……。」と言うと。
リリアスとアーリアスが……泣いていたのだ。アイリアスは、泣きながら、「アイシアお母様に会いたい……アイシアお母様とリリスのお母さんにも会いたいの……。でも……。会える訳ないよね。私がこんな姿になっているのだから。」と言うと……。アーシアスが「アイシア……。大丈夫だよ……。会えるよ。きっと……。この世界を護っていれば……また会えるかもしれない。だから……この世界を救おう。二人で……一緒にこの国を……そして……。『リリスを守って』ほしいの……。リリスが……私の妹である事に間違いはないの……。リリスは、私にとっての宝物だったんだよ……。私の大事な子供だったんだよ。私達の子供が……この国の希望になり得ると思うの……。」と話すと……。アイアスも……涙を流したのだ。そして……。アイアスが「わかったよ……。アーシャス。この国の王妃になって欲しいと頼むのは……違うのかも知れないね。君にも『新しい未来』を作ってあげようじゃないか!」と言うと……。
アーリスも「うん……。リリスが……本当に幸せになるようにしてあげるから。二人とも……この国を頼むわよ。」と言うと。リリスは「はい。任せください。そして……。私は、必ず幸せになります。そして……二人の娘をこの手で抱いて見せますからね」と笑顔で言うと……。二人は、「そうだな……。アイナス様には……この国を救う事が出来なかったことを詫びなければ……。この世界は救われなければならない。それが我々の願いでもある。この世界にいる……全ての者の願いだ……。その為に……全力で……この世界を守れるだけの戦力を整えることに力を尽くさねば」と言い…… アイアスが……「まずは、君たちの力を知りたい。まずは……君たちと模擬戦をするよ。この剣を使ってもいいけど……少しの間だけでいいから預かっていてくれ。この剣を使うまでもなく……倒せないような相手ではないよ」と言うと……。俺達は……。訓練場に向かったのだ……。そして、アイアスとアーリアスと俺達の戦いが始まったのであった。俺は……『ドラゴン・クロー』を使い戦ったのだが……。
『神具』を持っているからといって勝てるものではなかった。なぜなら……。俺達の方が強いからだ!だが……。彼らは……。『勇者の力』を使っているわけではなかったのである。
そうなのだ!彼らこそが……真の……『神の騎士』なのだと……。俺は、彼らの技を見切って……。彼らに剣を向けると……俺は……『ホーリーブレード』を使ったのである。
俺が使った剣を見た時……彼らは、一瞬で俺の力が尋常じゃないと感じたらしく……。すぐに俺から距離を取ったが……。俺の『剣撃の光』で剣が弾かれた瞬間を見てから……。アーシアスは、光の盾を作りだし、アイアスも防御態勢をとったのであるが……。アイアスが、光の矢を放ち……。アーリアスが、『闇のシールド』を発動させた。だが……『ホーリーウェポン』の前には無力と化したのだ。
アーリスは、リリスが放った光の球を『光の障壁』でガードしようとしたが……光のバリアを突き破り……アーリスが直撃したのを確認した直後……。アイリアスもリリイによって放たれた水の弾丸を受けてしまい……二人の鎧が壊れてしまい……。戦闘不能に陥ったのである。俺達の勝利だった!ちなみに……。アーサスも参戦していたんだが……リリスがアーサスに『聖剣エクシーズ』を使わなかったら……。危ないところだった……。『勇者の力』と『神具の力』『フェアリーマスターの力』と『魔法力増幅の杖』が組み合わさると……ここまで強くなるとは……思ってもなかったのだから……。それに……。俺の知らない『精霊の武具』もあったようだし……。アイアスとアーリアスの装備の修復をしたのちに……。今度は……三人で勝負する事になった。
俺は、『神器 龍神剣 エクスカリバー』を、使い、 アイアスは、『神の聖騎士 セイントパラディン』
アーリアスは、『聖騎士 プリンセスナイト』のジョブを持ち。アイアスは、『聖剣 エクシーズ セイバーロード』と、いう武器を所持していたのであった。俺の予想では……三人とも……。『聖なる属性』の攻撃を使えると思っていた。
『勇者の加護石』を持つアイリスは……。当然、攻撃特化型なため、攻撃力が高く。リリスは、『水魔法』が得意で……。アーリスは、『風魔法の扱い』に長けており。しかも『回復役も得意』だったため、俺達が攻め込んできても、即座に回復するのは可能だと思ったので、最初から『リリイ&ラララVSリリス&アイリアス』の構図にした。そして……アイリスが、光の弓矢を放つと……。それをリリスは……風の結界を瞬時に作り出し……。アイリアスにその結界を解除してもらって……そこに水の砲弾を放ったのだ。そして……アーリアも……その水の砲弾に向かって炎のブレスを放ち……。リリィも、雷の攻撃をして……リリアも闇を圧縮して光線を発射したが……それは……。アーリスの張ったバリアにより全てかき消されてしまったのである。
俺は、それならばと……。『神器 エクスカリバーン』の本来の姿に戻して……一気に攻撃を仕掛けることにした。
すると……。アーシアスとアイアスが、「待ってくれ!!我々は、この『世界樹の木』を守る為に存在する騎士団なんだ。これ以上……。戦う事は出来ない」と言ってきた。それで、「世界樹を守る為の存在なら……この世界が滅びてしまう事を知った以上……。協力して欲しいんですが」と言うと。アイアスが「世界を救うという事はどういうことか知っているのか?」と言うのである。俺は正直に言うことにした。「はい。わかりません。だけど……このままではいけない気がするんです!私は……元の世界に戻りたいと思っています。私を救ってくれた人達を助けに行きたいのです!お願いします!力をお貸し下さい」と言うと……。アーシアスが「君は……元の世界に戻ったところで、また命を狙われる事になりかねないと思う。元の世界に戻るには……この世界の理を変えなければならない。君にそれができると思うかい?君の言っている元の世界はどこなのかわからないが……。この世界を救えるだけの実力があるのかどうか見せてもらいたいものだ」と話されたのだ。そして……。アイアスは「そうだな。君たちの戦いを見学して、少しだけわかったよ。我々にはまだ君たちが必要な存在であることは間違いないみたいだからね。とりあえずは……信用してもいいと思う。ただ……これからの行動次第で……君たちを敵にまわす事も考えなければいけなくなるが……」と言うと……。リアリスが……「私達は、もう敵ではありませんよ。一緒に戦っていく仲間ですよ」と言い、俺の横に座っていたリリスは「そうだよ……。私達は……仲間になったんでしょ!」と言うのである。その言葉を聞いたアイアスが「君達の意思を尊重することにするよ。ただし、君たちの事を全面的に信頼するのは……危険かもしれないが、君達の行動は、我々の判断基準の一つとさせてもらう」と話をしたのである。俺は、了承する事にして……。『ホーリーソード』を使い……俺と、アイアスが模擬戦を行い……その後……。『勇者の剣 マジックアイテム・オブ・ザ・ヒーロー』の装備を使い、剣の勝負を行う事になったのである。ちなみに……俺は……まだ剣の熟練度を上げていないために……。俺の方が劣勢だったのだ……。俺は、剣術のレベルが3だからな……。それでも……。なんとか、アイアスを追い詰めたのだが……最後の一撃は避けられてしまったのである。しかし……。剣の技量に関しては……まだまだ差がある事が実感出来た。剣の腕は……。やはりレベル10ぐらいないと厳しいかもしれないな……。それと……アイアスの動きを『コピー』出来れば……剣技はある程度補えるかも知れないが……。問題は……魔法力の方だよな……。俺が……魔力を使いすぎると……。アイリアスやリリスにも負担をかけてしまうし…… アーリアスの魔力も……俺と同じで底が見えないし……。そうなってくると……。アイシアに頼る事になるが……アイシスの身体の負担を考えると……なるべく温存した方がいいよな……。ただ……。魔法力の回復薬は沢山あるけど……。どうすればいいかな……と悩みながら……俺達は、城に戻って行ったのであった。
俺と、リリスと、アイリアスが……この城の訓練場に来てから……。アーシアスが、「リリス。君は……どうして、そんなに強いのだい?」と聞くと……。「私は……強くありませんよ。だって私は『妖精』の女王ですからね。みんなを守りたい一心だけで戦っているんですよ。それが……。私の『強さ』なんじゃないでしょうか?」と言ったのだ。
アイリアスが、「そうですか……。リリスは強いですよ。私たちの中で一番弱いと思いますが……。」と言い出すと……。
アーシアスが……。「そうか……。まぁ……強いから強いのではなく。守る為に必死に頑張っているから強いんじゃないかな……。」と言うと…… リリスは……顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに俯いていたのであった。
リリスが、この世界にきたのは俺に出会う前の事だから……。あまり詳しい事までは聞いていなかった。
そこで……俺は二人から色々と話を聞いたのである。俺が、「リリスは……どんな戦い方をするのですか?」と聞き返すと……。アイアスが、リリスの装備している武器を見て、「リリスは、『弓使いの巫女』って職業なんだよ!この世界だと、魔法職でもなく『剣も使えます!』みたいな万能型のジョブなんだ。魔法を補助するための魔法具を使っての『攻撃支援』が主な仕事なんだよ」と言ってくれて……。アーシアスは、リリスの強さを俺に見せるために、訓練用の木刀を手に取るように指示してくれたのだ。そして、俺は『リリスのスキル』を見て……驚愕してしまった。それは……『矢生成』『魔法の矢』『聖なる弓矢』『光の力』『回復の波動』『神の光槍』『光の精霊の導き』等と書いてあったのである。俺は思わず「すごいじゃないか!!『神の加護石』を持っているんだな。これは期待できるぞ!!」とリリスを誉めたのであった。アーリスは、「そうですね。彼女は、本当に頑張り屋さんでした。私なんかよりも努力していましたし……。魔法力も高く、攻撃力も高いのです」と言っていたので……。俺は、アイアスとアイリスに、俺達の世界の話をすることにした。リリスも話を聞きたいと申し出てきたため……。三人は、俺達と一緒に元の世界に帰る方法を探さないかという話を持ち掛けたのである。もちろん……。俺と、リリスの素性は明かしていないのである。すると……アイリアスは……「私も元の世界に戻りたいという想いは同じなので……。ぜひ同行したいのですが……。リリスはどうしますかね……。私達二人は……リリスを守る事が出来るでしょうが……。私達には……リリスほどの魔法力は備わっていませんし……。それに……あなた達との旅をするには……あまりにも無防備すぎますよね。私が一緒なら、少しは守れるとは思いますし……。」と話すと……。アーリアが……。「私達が一緒でも、アイリス様の力が加わっても……。リリイちゃん達に敵う可能性は低いと思うの。あの子たちは規格外過ぎる。それに……。この国の人達に、私達が、異世界人だという事を話しちゃったら……。混乱を招いてしまうと思うの。」と話してくれた。
俺は、リリスの意見を聞くために、彼女を見たのだが……俺が思っていたより冷静に物事を考えているように思えたのだ。俺はリリスと二人で話をするため、アーリアとアイアスと別れることにした。リリスと話をした結果……。この国にいる事にしたのだが……、俺はリリスに……「元の世界に戻りたいか?」と聞くと……。「元の世界に戻るためには……。私が強くならないとだめだと思うの……。太郎さんの足を引っ張りたくないし……。元の世界には……。大事な家族がいるの……」と言ってくれていたのである。俺は……それを聞いて嬉しく思ったのと同時に、申し訳なく思って……。「リリス。お前が……元の世界で……どんな生活を送っていたのか知らないが……。俺の為にこの世界に残るという事は……この世界の人々にも迷惑をかけるということだ……。」と話を続けると……リリスは、「わかってる。この世界の人に……。迷惑がかかるかもしれないという事も考えたよ。だけど……太郎君がいない元の世界なんて考えられないの……。だから……太郎君について行くしかないと思って……。」と涙を溜めながら言うと……。俺は……抱きしめて、「わかったよ。リリス。この世界のために……リリスの力を貸して欲しい。そして……。一緒にこの世界を救おう!」と言うと…… リリスは、「はい。わかりました。私にできる事は全力で協力します!これからよろしくお願いします。私はあなたの事が好きなんです。」と言ってくれたのだ。それで……お互いの事をもう少し詳しく話し合ったのである。リアリスの事とかも含めてだが……。俺は「俺には二人の妹がいるんだ。もし俺が死んだ場合は……。妹の美桜のことを頼む」と告げると、リリスは、「はい!!必ず守ります!!」と真剣な顔をしながら言っていた アイシアに呼ばれて執務室に入ると……。なぜか妖精王の娘であるリアリスがいた 俺が困惑していると……「妖精王女様もお連れして来てしまいすみません。どうしてもついて行きたいと申されてまして……ご許可頂けるのであれば……。」と言い出したのである。
妖精王女は、「私達は……仲間ですよ。そんな言い方じゃ嫌です。私のことは、呼び捨てにして下さい。私は妖精族の長として、みんなを助けられるように強くなりたいのです。ですから……旅に連れて行ってください」と言い出してきたのであった。リリスの方を見ると、「妖精の王女様には……私も頭があがらないからね……。それに……リリスが、ここまで強くなった理由は妖精王女のおかげだしね。」と言い出して……リリスは妖精王女を見る目に敬意があるようだった。俺は「わかったよじゃあ。そうさせて貰うけどいいかい?」と言って了承する事にしたのだ。俺は……アイアスとリリアスを呼び寄せると二人を紹介しようとした時……すでに俺の隣に座っていたリリスを見て固まってしまっていた……。それからしばらくして我に帰ったようで自己紹介をしていたのだが、なぜだか……。すごく睨み合っていたのである そんな状況に気づいたのかわからないが……俺の横に座っている妖精王女が……。
俺の腕を掴んできて「リリアス様は凄く強いから気をつけた方がいいですよ」と小さな声で言ってきていたのであった。そして……。アイリアスとアーリアスを呼び出してきて……。全員で話をすることにしたのだ。そして……。妖精王女には、俺の仲間のみんなを紹介した。俺はみんなが妖精族と会ったことがあると思っていたのだが……アイアスが……。「初めて見させてもらったよ!リリスにそっくりじゃない!!やっぱり姉妹だね……」と言ってから……アーリアスが「そうですねぇー!本当に瓜二つです!!」と言うと……リリスは「私もそう思う。私とリリスは似てるからなぁ……双子みたいでしょ!!」と嬉しそうに言い出し始めていた。俺はリリスの話も聞いていたが……。
確かに似ている部分もあるなと感じていて、二人共可愛いから姉妹で通じるレベルだと思ったのである。俺がアイアスやアーレスと話している時に……。妖精王女が……何かを呟いていたが……聞こえていなかったのである。
その後……。
リリスは、俺達の話を聞き終えてから……。「この国の現状については……。なんとなく把握しています。それに……。妖精女王からも、この世界の危機を何とかして欲しいと言われているので……。その任務も、私の力が必要なんですね」と言うと…… 俺は、「そうだね……。でも……。この世界に脅威をもたらしているのは……俺なんだよね。この世界に召喚された俺の責任だから……みんなを巻き込むわけにはいかないんだよ」と正直に話したら……リリスが、俺の頬っぺたを引っ張ってきて「何バカなこと言っているのですか?太郎さんがこの世界の人達にどれだけの影響があるかわかっているはずですよね。それに……。この世界に……私達の世界の人間が来ているのです。私達が元の世界に戻るには……元凶を倒すしかないんですよ。この世界を救わないと……。この世界にいる人間も戻れないのです。それに……。私も、元の世界に戻りたいです。私だけなら……。自分の身を守れればよかったんですよ……。
しかし……太郎さんはこの世界を救う為に……この世界に来てくれました……。
私も一緒に戦いますよ。だって私達は同じ『日本人』なのですから……私達だけが……安全な場所に隠れるのは違うと思います。それに……。妖精族は戦うのも好きです。私達に任せてください。そして……。元の世界に帰る方法を探す旅に同行しましょう。」と言ってくれたのだ。そして……。アイアスとアーリアスもリリスの言葉を聞いて、俺とリリスと同じような考えに至ったようである。俺が「わかったよ。ありがとう!!一緒に行こう」と言ってくれるのを待っていたかのような感じがしたが……。俺は……リリスに……「リリスの言うとおりだな……。リリスには……本当に助けてもらってばかりだな。ありがとう!!頼りにしているぞ」と言うと、俺が頭を撫でると……リリスは顔を真っ赤にしながら、「そ……そんな事ありませんよ!!私こそ……。この世界に来てからの私を支えてくれたのは……。太郎さんなんですから!!それに、この世界で、太郎さんは私だけの勇者様になって欲しいなぁ……。」と言っていて可愛かった。リリスもアイアスもアーリアスもリリスが、この国に残ってくれたのはありがたかったと言っていたのだ それから……アイアスに……この城にある資料を調べて欲しいと依頼をしておいた アイアスは「任せて下さい。太郎様は、リリスを連れて、訓練場に行きませんか?」と言われたのである。俺は、アイアスが何をしたいのかが理解できなかったのであるが……、リリスと一緒に行くことにしたのだ。そして……訓練場に行く途中にリリスが……。
アイアスについて色々聞いて来たのだ。リアリスのことについて……。「私は……姉と違って魔法は使えないんだけどね」と言うと、 俺の『スキル』の中に、魔法の使い方と魔力の扱い方があると説明したら、ものすごく食いついていた。リリスに、魔法を使ってみるように指示すると、「ファイアーボール!」と唱えると……手から火の玉が飛んでいっていた。俺は、驚いたのだが……、アイアスが俺の前に来て……。「私と、少し練習してみない?」と言われてしまったのである。俺は、アイリスの様子を見るために、しばらくアイアスとの修行に付き合う事にしたのだ。
俺がアイアスと戦う事になった。
俺は、「本気で戦って大丈夫か?」とアイアスに声をかけると……「はい!問題ないのでお願いします。」と言ってくれたのである。アイアスの武器は剣で……。俺は、リリスに作ってもらった槍を使うことになった。俺は、アイアスの構えを見た瞬間に、俺は……。彼女の技がわかるようになっていたので、先手を打つために攻撃に移った。俺は……
『神速』を発動して、一瞬で懐に入り込み……。そのまま槍を振り下ろして……。アイアスに向かって振り下ろそうとしたが、アイアスはギリギリに反応して……バックステップをしていたのである。そして、俺が追撃をする体制になると、また俺の懐にアイアスは入ってきていたのであった。俺は……槍を盾のように使って、攻撃を受け止めたが、威力があり過ぎて……。体勢が崩れそうになったので、すぐに離れて態勢を整え直してから、『竜神斬波撃』『瞬雷刃連撃』を同時に発動して、一気にアイアスを攻撃したが……アイアスはすべてを見切っているような反応速度を見せてきて……。すべて避けられてカウンターを仕掛けてきた。
(なんて奴だ!!こんな戦い方は今まで経験したこと無い。完全に俺の攻撃が見えてるんじゃねえか!?)と俺は思ったのだ。そして……俺がアイアスを圧倒しようとした時、俺の視界が揺らいで、意識が飛びそうになってしまったのである。
(なんだこれは?急に力が入らなくなったんだが……アイアスが仕掛けて来たわけじゃないよな?)と思いながら、アイアスを見ると、笑みを浮かべていたのである。そして、俺の体がふわっと宙に浮くと、アイシアとサーヤに両脇から腕を押さえられていて……「はい!捕まえたよー」と言われて、「私達もいるよ」とアイアリスも参戦してきたのであった。「みんなで……アイアスさんの相手はダメですよ!!もう終わりです!!」とリリスの声も聞こえてきていて……俺は完全に動きを封じられたのである。「あはははは……。ちょっと調子に乗りすぎちゃったかな?」と笑い出したので、俺は「降参だ!負けだよ」と言うと、「まだ本気出してなかったでしょ?私の見立てでは、今ので全力を出してたんじゃないよね?それに……まだまだ余裕だったもんね」と笑顔で言ってきていたので……俺は苦笑いをしたのだった。
リリスは「すごいですぅ~♪お姉ちゃんの動き全然見えませんでしたぁ。それに……あの技すごすぎる……」と目を輝かせていたのだ。俺は、そんな話をしていたら……。ミルキー達が走って俺達のところに来たのであった。ミルキー達は、俺達が訓練をしている最中もずっと見ていてくれていて、俺が負けるんじゃないかと思ったようだ。俺は……「俺は……アイアスには勝てないよ……。アイアスは化け物だ!!」と言うと、ミルキーが、俺とアイアスの戦いを真剣に見ていたようで…… 俺とアイアスとの戦いの事を、教えてほしいと言い出し始めて……。「アイアスの使った奥義を詳しく教えてもらえないか」と俺に迫ってくるものだから……アイアスが困ってしまったのだ。
そこで……リリスが……「アイアスさんは、私が使っている『聖魔剣術・双龍陣流』という流派をマスターしているのよ。
私とアイアスさんの師匠である人は同じだから、アイアスさんに質問すればいいかもよ。アイアスさんが持っているオリジナルの必殺技や奥義を教えてくれるよ。それと……。私のオリジナルで習得できるかもしれないからね。
でも……まずは、太郎さんに勝つ事が目標になるね」と言うと……。「それは楽しみね」と言うと、「私も頑張ろうと思います」と言うのであった。俺も、「アイアスならきっと、新しい必殺技を習得できると思うから……楽しみにして待っているからな」と言っておいたのだ。
アイアスが……、「私は、この技と技を組み合わせたり応用したりする事が出来るようになったけど……さっきの戦いで、その全てを出し切ったつもりなの。だから、この先の戦いでは、私は戦力外だと思うのよ」と言うと……。「そんなこと言わないで、もっと修行しましょうよ。私の知っている最高の師範にアイアスさんを紹介したいんです。私達の仲間なんですからね」と言ってくれたのである。「わかったわ」と返事していた。
それから、アイアスに俺と戦っているときの様子を聞くことにしたのだ。
「どうして……。あんな動きが出来るんだ?全く見えなくて……。体を動かすことが出来ないように感じたよ。
アイアスが攻撃した時に何かされて……。その後はどうなったんだ?」と俺が聞くと……。
アイアスが、「うん。実は……太郎くんが私の攻撃を受けたときにね。
太郎くんの身体から衝撃波が発せられてね。その衝撃で太郎君の身体がふわりと浮いて……。そこからは何も覚えていないの」と話を切り出してくれて……俺は、「なるほどな……。アイアスがダメージを受けたのは、その衝撃波のようだな」と言うと、アイアスは不思議そうな顔をしていて……。「衝撃波ってどういう意味ですか?」と言うと……俺は、「そうだな……。魔法で言う所の魔力波に近いのか?」と言うと、「魔力波とは何が違うの?」と聞かれたので…… 魔力波は……俺達の世界では『波動拳』と言われている『エネルギー波』みたいなものだと説明をしてあげたのだ。「『魔力弾』とは違うものなの?」とアイアスが聞いてきたから、「『魔力玉』、『魔力玉 ボール型(中サイズ)
』と同じ系統のものだ」と教えると、「なっ!!何それ?見たこともないよ。『魔力弾』を簡単に作っちゃうって……凄いよ!!『魔力玉』の派生系のようなものかな? 魔力を練ったりしないで『魔力波』を放つのと、同じような感覚なのかな?」とアイアスが言うと……リリスが……「そうですよ。『魔力玉』を作ってから放出するのが普通のやり方だけど、それを省略したのが、『魔力波 波動拳バージョン!!』ですから。太郎さんのオリジナルなので、真似する人は、絶対に出てこないと思いますからね。それにしても……太郎さんもとんでもない事を思いつきますよね。」と言っていて、俺は……
『俺が作ったんじゃなくて……。俺がこの世界に来る前からあるんだよ。それに、この世界で俺が初めて作った魔法だし……。それに、これに関しては、『俺のスキル』にもあるみたいで、俺の意思で作れるみたいだから、この世界にも似た魔法はあるんじゃないのか?』と思っていたのだ。
すると……。サーヤが……「『魔法』の属性とかは関係ないんですよ。魔力が練れない状態で放つと、威力は落ちるけど……魔力が込められるので。ただそれだけのことなのよ。私にだってできるものね」と俺が思っているのを補足してくれたのだ。
俺は「ありがとう!!そういうことだ!!それで……。どんな攻撃を繰り出して来たかわかるか?」とアイアスに聞いてみると……。
「それがね……。よくわからないの……。私も防御しようとして構えたんだけど…… 次の瞬間に、太郎君の姿が全く見えなくなって……。」と首を傾げていたのである。「私もよくわかんなかったんだけど……。アイアスが攻撃を受けてから……。なんかね。アイアスの体に纏っていた黒いものが消えたような気がしたよ」と言ってきて……。「なるほど……。アイアスの攻撃を受けてからか……。」俺はそうつぶやくと……「アイアスが攻撃を受けたのは……一瞬で終わらせようとした時だろう……。『瞬雷刃連撃』と同時攻撃して……。『雷槍』『電光石火』『神龍斬破撃』を発動して……俺に斬りかかってきているはずだ!!」と説明したのである。「え?でも……」アイアスは困惑しながら……「私の体は……確かに動かなかったよ?」と言うと……サーヤが「おそらく、アイアスの技が当たる直前で発動して……。相手の体内にある邪悪なオーラを消す効果がある技が放たれたんじゃない?それで……動けなくなったんでしょう」と言うと……アイアスが「あっ!!言われてみれば……。私にかかっていた呪縛がなくなったから……。今の動きができたのかもしれない」と納得をしていたのである。俺は……続けて、ミルキーが「暗黒の騎士になった時も……その技を受けたのよ。私は意識がなかったけれど……。私にまとわりついていた邪念というか……。呪いというか……。悪い気持ちが全てなくなっていたのは、覚えてるわ」と言っていたのであった。俺は、ミルキーの話を聞いていて……やっぱりそうだったかと思いながら……。
ミルキーは、「その後から……。太郎様の事が好きになっていたの。この方について行けば間違いない!!と直感的に思ったから……」と言うと……。俺も、「そうか……。ミルキーは、意識が戻るまで時間がかかっているようだったけど……。
ミルキーが意識を取り戻す前に……。アイリスがミルキーに俺達のところにくるように言ってくれたんだよね」とアイリスに感謝をした。そして……俺も、「あの時は……ミルキーを助けてくれてありがとう」と改めてお礼を言うと……アイリスは恥ずかしそうにして、俺に微笑んでいたのであった。
サーヤは……、「『神速』を使ったら……私の速さは通用しないからねぇ……。私ももっと強くならないと!!」と真剣な表情になって呟いていたのだ。そして……俺の方をチラッと見ると……「『魔力回復促進薬(小)』を飲めば……。私は『瞬迅烈激脚』で加速できるようになるわよ」と言って来たのである。俺は、それを聞いて驚いたのだが……。
「あれ?でも、サーヤは、俺より年上なのに……なんとなく……年齢をごまかしていないか?」と思わず突っ込みを入れると……「そっ!そんな事ないよぉー!!そんな事言ったら、私、永遠の15歳なんだからぁ!!」と言い訳をしてきたのである。俺には……どうみても14才位にしか見えないのである。そこで……リリスに、「リリスから見てどう思う?俺には……リリスが18~20くらいに見えるんだが……」と言うと、リリスは「リリスにはそう見えるのです♪ きっと……。『女神』だから……。見た目が幼くみえるだけで……。本当は、大人で綺麗な女性に違いありませんからね!」と言うと……。
俺が……リリスの言葉を聞いた時に……俺の後ろにいたミルキーの妹達が、突然騒ぎだしたので……。
俺は……後ろを振り向くと……ミルキーの3人の妹達は……。「姉さん、ずるいわ……。私達を置いて……大人の世界にいかないでよ。
私達に紹介してよ」と言うのであった。それを見たミルキーは……困った顔をしていたが……。俺は……。「じゃあ……。今度……みんなを紹介するからな」と言うと……
「絶対だからね」と妹達も了承してくれたのだ。
俺は、暗黒の力に取り込まれてしまった太郎さんを見つめながら……。この力に取り込まれた人間達の末路はどうなるのだろうと疑問に思っていたので……。その事を魔王に聞いてみることにしたのだ。
魔王が俺の問いかけに対して……、「お前なら知っているのであろう。魔王軍四天王の暗黒騎士や魔道士に暗黒の力を取り込ませたら……魔王軍の力は格段に跳ね上がるのだ。暗黒の力で支配された奴等は、自分の意思とは関係なく、命令に従うだけの傀儡になっていくのだ。しかも……自我を保つことができる者もいて……。我に服従する者がいる。
そういう者に限って、暗黒の神の化身になれる素質があるらしいぞ。
我の眷属の中には……。我が、自ら選りすぐりの精鋭として選んだ部下の者達がいる。彼等には、我の血肉の一部を与えた。そして……。彼も我の忠実なる配下となった。今では……魔王軍幹部となっている」
と教えてくれたのである。俺が、「その者は……俺と戦ってくれるのか?」と聞くと……。
「今は……無理だが……いずれ、機会が訪れるだろう」と答えると、俺と話をしている間に復活していた魔王に襲いかかろうとしていた、太郎さんと闇の巫女に近付いて行くと、二人の身体を掴もうとしていた手を弾くと、二人に話し掛けたようだ。すると……魔王は……。急に苦しみ出して……倒れ込んだので、俺は驚いてしまった。俺が、魔王の様子を見ると……。どうも……。二人が魔王に触れたことで……。二人は、『闇属性無効化能力』を持っていたため……闇に飲まれることなく……逆に……魔王はダメージを負ったみたいだったのだ。
そこに……暗黒の騎士と妖精王が……それぞれ武器を持って……襲い掛かって来ようとしたが、俺は、『神気 闘氣』を発動して……身体能力を強化してから、『瞬動』で移動し……。二人に接近すると、『雷光剣』と『雷撃剣』を抜刀する動作をしながら振り抜くと……暗黒の騎士と妖精王は……一瞬のうちに……首が落ちたのである。
暗黒の騎士は……暗黒の力で復活してこようとしていたので、すぐに、『波動鑑定(聖)』を発動したら……名前の下に……「魔王 サタン」と出たので……。『死魂』を発動しようとしたら……暗黒騎士の額に「魔神」の文字が見えたので……。俺はすぐに、『浄化の炎』を『死霊滅却術』と同時に発動させたのである。そして……一瞬の内に灰となって消えたのであった。
妖精王も、復活したが……やはり、『魔神』になっていたので……。俺は、『雷神剣』を発動して……一刀両断して倒したのである。そして……妖精王に、『浄光玉』を使ってもらい、元に戻ったのを確認したのであった。
俺は、急いで、暗黒の神の分身を探そうとしたら……。すでに見失っていて、どこに行ったかわからなかった。俺は焦っていたので、俺が持っていた『通信交換機』で連絡を取ることにしたのである。俺は、「どこにいる!!隠れて、何をしようとしているんだ!?早く出てこないと、世界は破滅に向かうんだぞ!!」と叫ぶと、返事は返ってきた。
「貴様は、本当に世界を破滅させる気なのか?」と言われて……「当然だろう。こんな馬鹿げた計画を考えたお前が悪いのだから」と言うと……、「私は、魔王様を復活させるために……」と言われたが、「お前のやってることは、結局は……。暗黒神様の復活に繋がるんだぞ!!わかっているのか!!」と問いただすと……
「うぐぅ……」と言葉に詰まっていたようだった。「それに、どうして、こんなことをしたんだ?」と言うと、「私は……。どうしても暗黒神様に認められなくて……」と泣いていたので……。「だったら……。どうして……。俺と戦わなかった?最初から本気で戦うつもりでいれば……。こうはならなかったはずだ。
そもそも……。俺のことを調べていたんじゃないのか?俺を……。『聖勇者』と知れば……普通は戦いを挑んでくると思うけどな……。それなのに……何故……?何か裏がありそうだが……」と言うと……「私も最初はそう思いました。ですが……魔王様にお仕えするように言われてからは……。ずっと魔王城の中で、生活をしていたのです」と言うので、魔王のところに連れていくように言うと……
「わかりました」と言いながら消えていったのであった。俺は……嫌な予感がしていた。
魔王が倒されたから……。暗黒の力によって、支配されていた人達が解放されたと思っていたが……そうではなかったので……。まだ終わっていないのだと……。そして……魔王が復活した時に、その事を思い出したのだが……後の祭りである。とにかく、今は……。急いで行かなければと思い……。転移魔法陣を設置してある場所に向かったのである。そして……ミルキー達も一緒に来ると言うので連れてきたのである。俺が……。「これから、暗黒の神の本体を探しに行くけど……。ついてくるか?それとも……」と聞くと……
「もちろんよ」と言ってくれて……。みんなも、同意してくれて……。俺は……。『瞬間移動』で、まず……『エルフの里』のみんなのところに飛ぶと、ミルキー達に、ミルキー達が俺の仲間で仲間になってくれたと伝えたら、とても喜んでいた。俺が、この世界を救う旅に出ることを告げると……。長老のサートさんとミルキーは涙ぐんで、喜んでくれたのである。そして……サートさんに頼んでおいた『通信交換装置』を受け取り、次に……。暗黒の森の中にあるダークハイランダー族の里に向かって……『時空共有空間庫』から……サーヤの両親と弟のユウキ君の遺体を出して、サーヤと一緒に、墓を作って埋めたのである。
そして……サーヤは、「私達は、ダークハイランド王国を再建するよ。私達の国は、ダークエルフの族長である私が責任をもって守ってみせるから!!」と言って……。みんなで協力して、新しい国を作る決意を固めたのであった。
暗黒の森には……妖精界から……俺が妖精界に行った時に出会った『妖精女王(大)』がいて、みんなに挨拶してくれた。俺に「暗黒の力の影響で、私は消えてしまうから……」と言って……俺の目の前で消滅してしまい、俺達の周りを飛び回っていた光が消えてしまった。
俺は、暗黒の神と戦う前に暗黒の力の影響を受けないようにするために、『結界石』を使ったのだ。その後、『結界内結界球(小)』に『結界』の効果をつけて……みんなに配ったのだ。暗黒の力を持つ魔物が現れない事を確認するためである。この国のみんなに、暗黒の力が影響しない事は確認できたが……それでも念のために……使ったのだ。俺は……『魔道具作成師』で……『結界石』の『魔道具化』『魔力補充機能付加』『自動修復』を付与しているので……。もし壊れたりしても、『結界外結界球(中)』が発動すると……『結界』の中にいる者に影響が及ばないように『自動修復』が働くようになっていたのである。
これで、安心だな……。後は……。暗黒の騎士や魔道士を見つけ出し倒さなければいけないのだ。そして……暗黒の神を復活させようとしている者を探さなければならないのである。
『通信交換器』を使って……リリスを呼び出した俺は……リリスに事情を話して……『通信鏡 双方向』を3個渡したのである。リリスは……すぐにでも出発しようとしていたが、少しだけ休憩することにしたのだ。
その間は……。俺は、『通信網接続機器』をフルに使って……。世界中の状況を調べ始めたのである。
世界中で、魔王が復活するのを防ぐために動き始めていた者達がいたようだ。俺も協力できる事があったら、助けになろうと思ったのだ。
しかし……思ったより被害が少なく済んでいる所もあったので……。『回復薬』と『蘇生剤』を、各主要都市に転送していく事にしたのである。
それと、世界中に『転移符』を配っていき、各地に設置してもらって……すぐに、各地にある教会本部に集まってもらったのである。
俺が、「魔王復活まで後2日ほどしかないかもしれない……。俺は、すぐに魔王を倒しに行きたいと思っている。魔王を倒すためには、多くの戦力が必要だ……。そこで、みんなには、各地で『闇の結晶体』の破壊をしていってもらいたい。各地の教会や、大聖堂に、『闇の結晶体』を設置した者がわかるようになっている。俺は、その人物を倒して……闇の力を解放させてしまおうと考えている」
と伝えると、俺の考えを理解してくれていたらしく、賛同の声が上がったので、すぐに行動を開始したのである。俺も、世界各地の状況を確認していたので、すぐに移動したのである。
俺は、魔王城があると言われている暗黒大陸の上空に来たのだが……。俺が想像していたのとは違い、海の上に大きな島が浮かんでいるような状態だったのだ。俺は……『鑑定』を使って……。暗黒の神の名前を見たのだ。すると……。『暗黒魔神』という名前が出てきたので……。『死魂』を発動させようとしたら……名前の下に『暗黒魔神の化身』と出たのだ。どうも……本体ではないらしい。
そして……。『死魂』で……。魔王に憑依している『暗黒魔神』に意識を移してみたが……『死霊滅却術』で……。魔王ごと消し去ることは出来なかった。どうやら……。魔王に取り憑く形で存在しているみたいで……。魔王と融合しているようでもあった。『死魂』では……『暗黒魔神』に攻撃する事ができないみたいだったのである。
俺は……『闇属性無効化能力』を持っているミルキーがいれば、何とかしてくれると思って……ミルキーに来てもらうことにしたのである。ミルキーはすぐに俺のところに来てくれた。そして……俺は、『浄化の炎』を発動してもらおうとしたのだが……『聖光浄化術式付与剣』(神剣バージョン)は使えず、代わりに……ミルキーが持っている武器を使う事になったのである。それは……。妖精界の宝物庫の奥底にあった『妖精聖剣フェアリーズ・ソード』という聖剣である。
その『妖精聖剣』を使っても、『聖浄化剣』のように……魔王だけを斬ることは出来ないのだが……。魔王の力を封じることは可能だということで……。ミルキーが使うことになったのである。
『暗黒魔神』から発せられる力は……強烈で、凄まじいものだったが……ミルキーはその『妖精聖剣』を使って、『暗黒魔神』を封印することに成功した。そして……暗黒神の分身と思われる存在が現れたが……俺とサーヤで倒しきる事ができたのである。
しかし……。『魔神の分身』は、まだ残っているはずなので……。暗黒の神殿に向かったのだが……。そこにはもういなかった。暗黒の巫女と名乗る人物がいて……ミルキーを洗脳しようとしたようだったが……俺が『浄火灯(じょうかとう)
極小』と唱えると……『浄火の玉』が発動し……その『浄火灯』に触ろうとしたら、手を燃やして『ぎゃあぁー』と叫んで逃げていったのだ。俺は……「あの巫女を捕まえてくるよ」と言って……ミルキー達に『精霊使いの盾』を『無限収納鞄』に仕舞って預けてから……。逃げる巫女を追いかけたのであった。
しばらく走ると……。ミルキー達がいる所に戻ってきた。俺は、ミルキー達にも『浄火の玉』を渡したので……ミルキーに巫女を任せた。ミルキーが、『暗黒の聖女』になっていた事を思い出したからである。
俺は、暗黒の女神本体を探す為に……暗黒の大地に行く準備をしたのだ。
暗黒の大陸の上空に移動する為に必要な『時空転移の魔法陣』を設置し終わった時に……「魔王様を救い出して下さってありがとうございます。あなたは……勇者ですか?」と言われて……びっくりしていたのだ。暗黒の神を崇拝する人達は魔王の復活を望んでいるからである。「俺の名は……コウキだ」と応えたのだが……この少女の瞳を見て驚いたのである。この子の眼の色は銀色に変わっていたのである。この少女が『使徒の指輪』をつけているのは知っていたが……。この子は、魔王軍の幹部だったはず……。
もしかすると……。魔王に操られていた可能性もあるので……。念の為に、『心の声 聞き耳君』を使い話しかけたのだ。しかし……「私のことは心配なさらないで下さい。私には……愛するお方がおります。今は会えないけれど……。私はいつでも見守っています」と言われただけだったのだ。俺には意味がわからなかった。俺は……暗黒の巫女を連れて暗黒の城に戻ろうと思ったが……。暗黒の巫女は俺の手をギュッと握って……。何か言おうとしたが……。結局は黙ってしまったのである。暗黒の神は、この子が邪魔なようで……。『支配の紋章』を使って、自分の命令に従うように操作していたが……。ミルキーとリリスが……その魔法に気付いて解除してくれたのである。暗黒の神様からすると、予想外な出来事だったようだ。暗黒の神は、「よくもこの私に逆らうとは許さんぞ!!」と怒りだし……。『死霊召喚(黒竜)』を唱えて、俺と暗黒の巫女を殺そうとしたが……。ミルキーが俺を守ってくれたのだ。暗黒の神に『聖光浄化術式(しょうこうぼくはんしき)』をかけたが……。やはり……暗黒の力が強いのか、『聖なる力』でも暗黒の力が勝って、消せないようだ。ミルキーもかなり消耗してしまって辛そうだった。このままでは……。まずいなと思っていたところ……ミルキーは「私が時間を稼ぐから……」と言って……暗黒の神の攻撃を止めようとしてくれたのである。そして……俺は……ある魔法を唱えた。その瞬間……暗黒の力は、全て吹き飛んだのである。
その様子を目の当たりにしていた暗黒の巫女は、驚いて俺を凝視しながら……「なぜ、暗黒の神に勝てる事ができるのでしょうか……」と言って……涙を流しながら崩れるように倒れてしまったのだ。俺とミルキーとリリスがすぐに駆け寄ったのである。
暗黒の神に勝った後、暗黒の巫女を抱きかかえたままで暗黒大陸の魔王城の跡地に降り立つと……。暗黒神の化身の暗黒の騎士と暗黒騎士が現れて、「我は……ダークハイランド王国騎士団団長である」と挨拶をして来たのである。俺が、「お前達の主は、暗黒の魔神に取り憑かれていたぞ。お前達が暗黒の神の言う事を聞かずにいたら……世界は暗黒に包まれていたんだ。俺は、魔王を倒すつもりだ。だが……もし良かったら、俺に協力してくれないか?」と問いかけたら、「我らが従うべき神は……暗黒の神だけです。貴方の言っている暗黒の神も……本当の暗黒の神では無いのです」と話された後に……。2人の騎士も、暗黒の魔神と戦っていたが倒せずに逃げてきて……。俺を暗黒の神と勘違いして攻撃を仕掛けてきたが……俺だとわかると攻撃をやめて暗黒の神を倒した事にお礼を言われたのだ。その後、2人の騎士が持っていた武器を俺に差し出してきたのだ。そして「我々は、貴方様に従わせていただきます」と改めて忠誠の誓いを立ててきてくれたのである。そして……『使徒の証』を受け取ってくれました。
2人に確認したところ……この子達は、暗黒の神の配下の中の四天王と呼ばれていた者らしい。暗黒の巫女は……元四天王だったようである。しかし……。2人とも……この暗黒の世界を救う為に戦うことを選択したようだった。そして……暗黒神が、復活しようとしていることを察した暗黒の姫の双子の妹にあたる……『フェアリーゴッドチャイルド ブラックゴッドマザー・ルリアシスタープリンセス』に、「姫の力を覚醒させるには……魔王に体を捧げるしかない」と言われていたようだった。そして……「姉である……フェアリーマスターが目覚めないのであれば……姫だけでも覚醒させなければ……」と考えていたようだった。
俺は、暗黒の神の分身を倒してから、魔王のいる暗黒の城に向かっていたのだが……魔王城に着くまでに……暗黒神の分身を5回倒したのだ。しかも……全部違う暗黒神である。
俺は、「魔王の本体を倒しても……。暗黒神の欠片は存在するのかもしれない。暗黒の魔神の本当の姿も知らないから、今のままの状態では危険すぎる。早く魔王を倒して、この暗黒の世界に平和を取り戻さなければならない」と思いを強くして、気持ちを新たにして暗黒の城に向かったのである。暗黒大陸に暗黒城が存在するが……それは魔王が作った物ではなくて……。暗黒の神に作られたものだったのだ。そして……暗黒の神は、その城を自分の城として利用しようとしていたみたいであった。
魔王が復活するとわかっていたからなのか?暗黒の城は、俺が訪れた時は封印されてはいなかった。暗黒の神が、魔王に倒された時の影響は大きかったが、封印自体は簡単に解けたのだ。
封印を解いて中に入ろうとすると……。魔王の娘らしき少女が……「父上を助けてくれるのですね。ありがとうございます。この国にいる暗黒騎士が父の敵です。奴を倒してください。私の力でも倒しきれません」と言って……涙目になって俺に訴えてきたのだ。そして……。すぐに「私とキスをしましょう。お願いします」と言うので、俺は思わず「はい」と答えてしまい……。キスをする事になってしまった。俺は少し照れてしまって動揺していたが……なんとか魔王の娘である少女との口づけが終わった時には冷静になっていたので……魔王の娘から、魔王の力の源である黒い宝玉を奪い取ってから魔王の間に行ったのである。そこには、魔王の姿は無かったが……俺が見たことがない暗黒のオーラを放つ魔剣があった。俺はその魔剣を手に取ると……その剣は光り輝いていたのだ。
俺は、その光っている剣を見て……
『聖光の魔法剣 ホーリーソード』と名付けることにしたのである。
魔王を封印していた結界もなくなっていたので……そのまま魔王の部屋に入ってみたが……。そこにも魔王はおらず……。封印の間も開いてしまったので行ってみたが……魔王が封印されているような感じではなかった。俺は魔王を探して魔王城内を捜索したが……見つからなかった。しかし……魔王の眷属と思われる者がいたので……俺の前に姿を現したので、『浄火灯 極小』と唱えると……燃え上がったので……消滅させる事に成功したのだ。俺は魔王の娘の話を聞いていて、魔王の娘が「私の父上はどこにいるのですか」と聞くと……。俺が魔王を封印している所に連れていくことにした。俺の転移の魔法で暗黒城に飛んだのだ。俺は暗黒の神殿に案内する為に……。
暗黒の森の中にある神殿の入口の手前まで行くと……『闇霧(あんむ)』を発動して、姿を眩ませて、ミルキー達を待っていたのである。暫く待っている間に……ミルキーが『精霊使いの盾』の効果を使って、リリスに装備させていた『精霊使いの聖杖』から『精霊の盾』に変えて発動させて守ってくれていたので安心だったのだが……『精霊使いの指輪』をつけていなかったから、念の為にミルキー達を連れてこようとしたら……。既に来ていて『精霊使いの盾』を解除した後だったので驚いたのだ。リリスに「なぜミルキーを連れてきたのか?」を聞くために質問をした。
すると……。どうやらミルキーは、ミルキー自身では判断出来ない状況だと判断して……『精霊使いの守護石 エレメンタルガード』の能力で、ミルキーの意思を読み取ってくれるように頼んでいたらしい。俺に何かあった場合に……助けになるように……。俺がいない場合は、自分達で行動すると言っていたようだ。俺のいないところでそんな話をしていた事にちょっとびっくりした。しかし……俺には……ミルキー達が一緒に行動していてくれた事は心強かったのだ。俺はミルキーに感謝の気持ちを伝えた後に……。リリスに、暗黒の神に取り憑かれないように『聖なる加護 セイクリッドバリア』をかけてあげて、『使徒の証』を渡してから……暗黒の神の化身と魔王の化身と戦わせる事にしたのである。
2人の勇者の戦いを見守ると……俺は思った。暗黒の騎士の方が押されてしまっているが……ミルキーとリリスが、それぞれの相手を上手く連携して倒そうと試みているが、まだ力の差がありすぎていたのである。ミルキーはリリスに援護するように合図を送ったが……。リリスは暗黒騎士の攻撃を防ぐのが精一杯だった。暗黒の騎士は、俺と初めて戦った時に、暗黒の神の化身に体を奪われていたが……本来の力を取り戻しつつあるのかもしれないなと俺は思ってしまったのだ。
そして……とうとうミルキーも魔王化してしまったのだ。暗黒騎士の方も限界に近づいているように見えていたから……仕方がないと思った。俺は、暗黒騎士の方に、『聖なる光柱(せいなるこうちゅう)』を唱えて、浄化しようとしたが……。その前に、暗黒の巫女は、『聖光浄化術式(しょうこうぼくはんしき)』を使ったので……浄化されてしまった。俺は……魔王化したミルキーを『浄火の術式(じょうかのじゅつしき)
炎熱浄化』という技名で浄化すると……。ミルキーは、気を失ってその場に倒れてしまった。
俺は……暗黒の騎士の方は……このままにしておく事にした。魔王を倒したら、俺に攻撃を仕掛けてくる可能性が高くなったからだ。暗黒の神の化身を倒した方が、安全だと考えたからである。
暗黒の騎士が使っていた暗黒神の力で作られた漆黒の槍と短刀だけは回収してから、暗黒の魔神と戦う準備を整えようと決意したのである。俺は、暗黒の力を纏いながらも、魔神との戦いの準備を整える為に暗黒大陸に戻って行った。魔神の力を吸収しなければ……勝てるはずもなかったのだ。暗黒の魔神は、圧倒的な魔力を持っているので勝てる可能性はほとんどない状態だったからである。だが……今の俺は勝てる可能性があったのだ……。それは……闇の神の加護であるスキルがあるからであった。俺は、暗黒大陸に戻ると……。魔神が封印されていたはずの場所に行かないようにしてから……。俺が以前訪れた事がある場所に行ってみた。そう……俺の故郷でもある妖精の国に向かったのである。そして俺の家族と会いたいと思っていた。そして……妖精の国に到着すると……なんとそこには……。俺の母と父が出迎えてくれたのだ。しかも母と父は笑顔を見せていたのだ……。そして、父と母は俺を抱きしめてくれた。そして「あなたも大変だったようね」と言いながら……頭を撫でられたのだった。俺は……両親に会うと……。泣き崩れてしまっていた。
両親は……暗黒神の化身が俺を狙っている事を事前に知っていたみたいだった。それで……。暗黒の神の力の影響を最小限に留めるために……。この国に結界を張り巡らせている事を教えてもらった。「私は、この国の王だったから……」と言われて納得がいったのだ。
父も、元はこの世界の住人では無く……。別世界で生活していた人間だったのだが……。今は、この世界に来てから、俺と同じで転生を繰り返しており……今ではこの世界の人として暮らしていたのだそうだ。俺には兄がいたようだったが……。俺が生まれる前の出来事らしくて……。よく覚えていないのだと聞いた。ただ……。母が言っていたのだが……昔……俺と同じように……暗黒の力に体を支配されている状態でこの世界に転移してきたらしい……。そして……暗黒の神の加護をもらって……魔神になったと聞かされた。しかし……。魔神になっても……魔神を裏切って俺と一緒に暮らす選択をして……魔神を倒す事に協力してから……この世界を平和にして俺に託したと言っていたのだ。俺は……両親の話を聞いて驚いていた。暗黒神に肉体を奪われた時の話をして欲しかったが……。暗黒神と対峙する前に……暗黒神の正体と暗黒の神の目的を知っておかないと……暗黒神に負けてしまうと思い直して……暗黒の神の欠片の事を聞き出したのである。そして……暗黒の巫女に憑依している暗黒神を暗黒の神から切り離して倒せる方法を考えてみたかったのだ。そして……父と母は……その方法を知っているようで、詳しく教えてくれたのだ。そして……暗黒の神の分身を倒してから……魔王城にいる魔王を倒さなければならないことも伝えたのであった。
暗黒の神は……。この暗黒の世界と暗黒の神がいる暗黒の世界を自由に行き来出来る存在なので……。俺は……俺の心と俺の本体がこの異世界にくる直前にいた現実世界に暗黒の神が戻って来た瞬間を待ち続けたのであった。
俺の両親が暗黒神の化身に乗っ取られた暗黒騎士が魔王化する前からいたので、暗黒騎士に会ったことがないと言うと……。暗黒騎士は、魔王化して暴れ始めた時にはいなかったので、暗黒騎士を魔王にしてしまった暗黒の神が……暗黒の騎士に、魔王と化しても暗黒の力で攻撃してはいけないと言う暗示をかけていたらしい……。
俺が「どうして暗黒騎士に、暗黒騎士は魔王化してはいけないと言わなかったのか?」と聞くと……。「暗黒騎士には、自分の力だけで暗黒の神を封印して欲しいから……封印を解いてはならないと言って、封印の場所を教えただけだったのよ」と母が言った。
「なぜ……暗黒の騎士は、封印の解除の方法がわからなくて……ずっと封印されていたのか?」と俺が言うと……。暗黒の騎士は……。俺と戦った時に、暗黒の力を使っていたけど……。その時に……封印の扉の開錠に必要な『精霊の宝玉 スピリットコア』を俺に渡しているはずだと言ったので……俺がそれを確認すると……。『精霊使いの聖杖』の中に入っていたのだ。
「あれ?精霊使いの聖杖には、『精霊使いの指輪』しか入ってないはずなのに……」と俺は思いながら……母が暗黒の騎士に、「あの……精霊の宝玉……返して貰えるかしら?」というと……。暗黒の騎士が……。『精霊使いの聖弓』の中に精霊の宝玉を入れていたので俺はそれを取り出そうとした。しかし……暗黒の騎士が、封印されている間に……精霊の宝玉は精霊界に戻されて……。封印を解くための儀式が発動してしまっていて、もう『精霊使いの聖杖』に戻ることが出来なくなっていたようだ。だから俺は……暗黒の神の化身である精霊と融合した精霊獣 闇龍に……「俺の武器 闇黒剣 ダークネスブレイドに『精霊使いの聖盾』から変化した『精霊使いの守護石 エレメンタルガード』に変化させて吸収させて欲しい」と言って……。暗黒の神に操られている暗黒の騎士から、奪い取ってもらったのだ。
俺がその『精霊使いの聖盾』を渡すと……。暗黒の神の化身は……暗黒の神に精神体になって、暗黒神の本当の持ち主の所に戻りたいと言っているみたいだった。俺は……。「暗黒の神の化身なら、今の精神体が消滅すれば、二度と復活することが出来ないぞ。それでもいいのか?」と言うと……。暗黒の騎士は……覚悟を決めた表情をしていた。そして……暗黒の神の化身が、精神体で暗黒の空間に移動しようとしたのだが……。俺は……『浄化火柱 ピュアファイアピラー』で浄化しようとしたのだが……。暗黒の騎士が、暗黒の魔法陣を出して俺をその中に封じ込めようとしたので……『浄火の術式 浄化火炎弾 ファイアーガントレット』を召喚した。俺は……暗黒の騎士の魔法を防御しながら、暗黒の力が付与されていない暗黒騎士を攻撃したのだ。暗黒の騎士も暗黒の魔道具を発動させて、対抗しようとしていたので、なかなか勝負はつかなかった。
俺は、暗黒の神に侵食されつつある暗黒の騎士と戦いながらも、暗黒の騎士が使っている闇の属性が付与された装備を次々と浄化していった。
暗黒の騎士が身に付けていた防具を全て浄化した後……暗黒の神の化身を、精神体の状態のまま『聖なる加護 セイクリッドバリア』を使って光の障壁を張って閉じ込めた後に……暗黒の騎士の持っていた全てのアイテムを吸収したのだ。そして……俺は……暗黒騎士の闇の力と暗黒の魔法の力を融合させる事にしたのである。そして……。『神聖光の柱 ホーリーライトニング・タワー』を唱えてから……聖なる炎に包まれた巨大な塔の形をした聖なる炎が……暗黒騎士に向かって落ちていった。暗黒騎士が……逃げようとしたが……俺の放った光に拘束されて動けずにいたのだった。
俺が唱えた呪文により……暗黒の騎士は、邪悪なる炎に焼かれてしまったのだった。俺は……その聖なる光によって……暗黒の力が打ち消されていく様子を確認した。すると……徐々に暗黒の騎士の姿が見えてきて……。暗黒の神に取り憑かれた状態の暗黒神の化身は消滅したのだった。そして暗黒神の化身に完全に乗っ取られてしまった暗黒騎士も……。
俺の両親に……。暗黒神の加護を受けている暗黒騎士を倒すことができた事を伝えると……「あなたは、本当に強くなったわね」と両親に頭を撫でられて……褒められた。俺は、母から……この暗黒大陸を平和にしてほしいと言われた。
そして……。父は……ミルキーの父でもあるルシアさんが……。暗黒の神の欠片に寄生された状態で暗黒大陸にいると教えてくれたのである。俺も暗黒の力に対抗する為のスキルを身に付ける必要があると思った。そして俺はミルキーの妹で、勇者であるミルキーに協力してもらって……。俺の為に暗黒の騎士が残してくれた装備を強化するためにも修行を始めたのであった。
暗黒の騎士に乗っ取られたミルキーのお父さんを救う為にも、まずは自分の強化をするしかないと決意した俺は……。暗黒の鎧を身に着けている状態で……スキルを発動する事が出来るようになったのだ。この状態で俺は、スキル『暗黒剣』『闇黒刃』『聖剣解放』などの攻撃スキルを使いながら戦う事で、俺自身の攻撃力をアップさせる訓練を始めてみたのだ。俺は、今まで暗黒騎士と戦わないように……この暗黒大陸の探索をしなかったのだが……。今は、この世界にあるダンジョンを攻略する事にしていたのだ。
俺は暗黒の騎士との戦いの時に……この暗黒神の力を抑えることが出来る暗黒神の力で作られた暗黒の短刀をゲットして、暗黒神の化身をこの世界に残したまま現実世界に帰るつもりだったのだ。だが……現実では……。俺は暗黒の神が憑依して操られていたが……俺の心の中にはまだ暗黒神の化身は存在していなくて……。ただの人間の状態になっていたのだ。だから……このままだと暗黒の力を抑え込む事が出来なくて……。俺は死んでしまう可能性があったのだ。だから……俺は暗黒の神の力を抑え込みながら……。この世界を冒険する必要があったのだ。
しかし……現実世界でも……。俺は俺の意思とは無関係に行動する事が多くなっていた……。まるで……誰かに操られている感じが常にあったのだ。それは俺をこの異世界に呼び寄せてくれた……。暗黒の女神の巫女である。あの時俺は、俺自身が暗黒騎士と戦闘していてもおかしくはなかった状況だった。俺が……暗黒の騎士に乗っ取られた暗黒騎士と戦っていたのは……暗黒の神が、暗黒騎士を俺にけしかけて……。俺を暗黒神にするための実験を行っていたのではないだろうか? そんな疑問を抱きながらも……。とにかく俺は……俺自身を守るために……そして……暗黒神に俺の存在を利用されないように……。俺の肉体を支配して俺を操ろうとしている奴がいるならば……そいつを倒さなければならないと……。だから……。俺は……自分の力で強くなる事を心掛けたのだ。
現実世界での俺は、精神を乗っとられるような事は起きなかったのだが……。やはり……俺をこっちの世界に呼びつけた存在がいたのだ。そして……。おそらくその黒幕的な存在は……暗黒の巫女だろうと思っているのだ。暗黒の巫女は……暗黒の魔神を復活させようとしているのかもしれないと思っていた。そして……俺は、その復活を食い止めるためには……暗黒の力に対抗するだけの力が必要になってくると思い……。まずは、自分自身を鍛える事から始める必要があったのである。それから数日が経過した頃……。俺は……。暗黒の騎士を倒した事を報告すると……母は……涙を流していた。母によると暗黒騎士は暗黒の騎士の本体ではなくて、影のような存在であるとの事だ。だから……。本体の暗黒騎士を倒してしまえば……それで解決した事になるという。しかし……母の話を聞いても、俺は暗黒の騎士と戦う事になった時の対処法が思いつかないままだった。暗黒の騎士には弱点がなく……暗黒の力による攻撃を防ぐには暗黒の力しか方法がないと言う事だ。しかし……普通の人間の状態で暗黒の騎士と戦ったら、暗黒騎士に負けるのは間違いないそうだ……。暗黒騎士には、暗黒神の力と暗黒の魔力による特殊能力で無敵状態に変身することができると言うのだ……。
そして……ミルキーも、「私のパパに勝てると思う?」と言われても正直言って思えなかったのだ……。俺には今のところ打つ手がなかった。
俺は暗黒の力に対抗しうる武器を持っていないため、現状のままでは何にもできない状態であったのだ……。
「ねぇ!太郎……」と突然俺の頭の上から俺の事を呼んで来たので……上を見ると……そこにいたのは暗黒竜(ドラゴン)の子供だった。その子は……暗黒の騎士から助けた時に、一緒に付いてきていて俺の眷属となった『暗黒竜 ダークドラコーン』のダークちゃんなのだ。
「どうしたの?」と俺は聞くと、「私に良い案があるんだけど……聞いてくれる?」とダークが言ってきたので、「どんな作戦?」と俺は聞いたのだった。
「うん。あのさぁ……。この『暗黒龍』は……『暗黒の神の化身』なのよ。それに私が乗っていれば……暗黒騎士と対等の力を発揮できるんだよ」とダークが言うと……父が……。「それなら大丈夫ね」と言うと母は、「確かに……『神聖火柱 ホーリーフレイム・タワー』を使えば……互角に戦う事ができるわよね。」と言った。しかし……。「うーん……それは難しいんじゃないか?いくら何でも……。相手が悪すぎると思うぞ。だって暗黒の騎士より弱いはずの暗黒の神の化身の暗黒龍に乗っていて……互角に戦えるようになるのはわかるが……逆に、向こうの方が強い場合の方が多いんじゃないのか?俺の推測では、俺が『暗黒剣 ダークスレイヤー』を使うのと変わらないくらいの力だと思うんだ」と俺は言うと……。「あっ……。確かにそうかも……」と言っていた。
俺が、今現在……。現実世界にいる時は……俺の意識は、身体の支配権を得ることができない状態になっているため……今みたいに実体化はできなくなっている状態なので……今の俺の姿を他の人に見せる事もできないのだ。だけど、俺の精神体自体は現実世界でも存在しているはずで……。その証拠に、俺は……暗黒の神に侵食された俺の体から脱出する事が出来たのである。精神体を別の体に宿す事に成功したわけなのだ。つまり、俺の体の中には暗黒の神の欠片が存在している状態であるのだ。
そして……暗黒騎士に憑依された俺を、現実世界に戻せばどうなるかはわからないが……。とりあえず暗黒の力は封印される事になると暗黒の神の化身が説明してくれていたのだ。暗黒の騎士から解放された俺の肉体は、精神が抜け出た事により弱体化する可能性が高いと言うので、現実世界に戻った場合は、俺は精神体の状態になるので……肉体の主導権を握れる可能性があるので……もし精神体が消えなければ、現実世界で暗黒の力を使って戦うことができるという。しかし……精神体になった俺は、現実世界に戻る事が出来るのかと言うのが疑問であるのだ。暗黒の騎士に寄生されている状態の俺に暗黒神の力を使われたら俺が消滅しかねない……。
「暗黒騎士が暗黒神に力を貸さなかった理由と、暗黒の騎士に取り憑いた状態になってしまった原因がわかったんだが……。この問題を解決するためには暗黒の騎士を消滅させてしまうのが手っ取り早いが……。簡単には、消滅するとは思えない……。俺や家族を人質に取られたら……。下手に手出しができなくなってしまう。何か他に方法はあるかな……?例えば、暗黒の力を使わずに、暗黒騎士に取り憑いた暗黒の神の化身だけを消滅させる方法が……。俺は……その暗黒神の化身を、どうにかする方法を思いつけば……それを試してみる価値はあると思うけど……。どうしたらいいのかは全然分からないな……。」と考えていた。すると父は……「暗黒騎士に取り憑いた状態の暗黒神の化身だけを倒す方法を考えればいいって事だよな」と自信満々に言った。俺は、「まあ……。そうなるんだけど……。でも……。難しいと思うんだよ。」と弱気になってしまうのであった。
俺がそんなことを言っていると、ミルキーと妹が来て、俺は暗黒神の化身と話をする事にしたのである。そして俺は……。「お前の名前は何なんだ?」と暗黒神の化身に名前を聞くと……『闇の女王 ダーククイーン 』と返ってきたので……。俺が、ミルキーの妹の名前を教えると、彼女は納得したようであった。それから俺が暗黒の騎士と戦闘した時に遭遇した出来事などを……彼女達に話す事にした。俺が暗黒の騎士との戦闘で……暗黒の神の力が発動しそうになったが、その時にミルキーの妹が現れて暗黒の神の力を抑え込んだ事を話すと、暗黒の神の化身は「あの子に会っていたのですか……。あの子は『暗黒の女神 ダーククィーン』の娘で、暗黒の巫女の生まれ変わりと言われているんですよ。だから暗黒神の化身である貴方を救ってくれたんだと思います。あの子の潜在能力は高いですよ。きっと貴方の暗黒騎士のスキルも習得していると思いますよ。ただ……まだ暗黒の騎士のスキルは完璧に使いこなすことができていませんが……。あの子ならば、暗黒の騎士を操った暗黒の神の化身に、打ち勝つ事ができるかもしれません。暗黒の神の力は強大ですが……あの子が力を合わせれば勝機が見えるでしょう。だから……私も協力するから……必ず暗黒の騎士を取り返す事を誓いましょう!」と言いながら……右手を差し出してきたので、俺は彼女と握手をして……。「頼む……。俺に協力して下さい。俺に出来る事は、なんでもします。お願いします」と言うと……。「私達の力であの男を倒して……絶対に救い出すから安心して」と言ってくれたのだ。それから、俺は……彼女の提案を聞いてみると、暗黒の騎士の居場所を知っているのは……この世界を支配する暗黒の神である。だから……暗黒の魔獣に乗らないと行けない場所に行く為には……暗黒の神に会わないと行けないという結論に至り……。俺達は、暗黒の魔神が住んでいると思われる場所に、行くことにした。しかし……暗黒騎士は……暗黒の神の化身が生み出した分身みたいなものらしいが……それでも暗黒騎士が暗黒の神の所にたどり着く事はできないのだろうか……と思って、俺は……暗黒の騎士にそのことを聞いてみたのだ。
すると……。「私の本当の肉体を……あの女は持っているので……肉体さえ手に入れば……私はいつでも暗黒の神と会う事ができるのです。しかし……今は暗黒の騎士の身体に入っているために……。奴の支配から逃れる事は出来ますが……。私の真の本体を手に入れるためには、暗黒の女神に会う必要があるのは確かですね。しかし……。暗黒の女に会おうとしても奴は私の事を、暗黒騎士の肉体ごと乗っ取るかもしれないと思うと怖いから無理かもしれない。私の魂が入った状態で暗黒の騎士と戦うのは危険だしね……。」と暗黒の騎士は言っていて……。やはり……。自分の本来の肉体を手に入れない限り、暗黒の神の元に行くことはできないという事を改めて実感したのだった。
暗黒騎士の話によると……この世界の魔王には3人の眷属が存在するらしく……。暗黒騎士を眷属として操っている魔王の他に……暗黒女神がいるというのだ。その暗黒の女神は、暗黒騎士に肉体を奪われてしまい……。精神体の状態でこの世界に存在しているらしい……。この世界に召喚されて暗黒の力によって精神体になり……肉体を取り戻す方法を模索していたと言う。そこで、精神体を乗り移らせる事が出来て……。尚且つ肉体を奪える相手を探し求めて旅をしている途中に……ミルキーの妹のアイちゃんを見かけたそうだ。それから……俺は……彼女に話しかけると、彼女は暗黒の力を持っている事が判明したので、肉体を奪って支配しようと考えたが、彼女が精神体で存在していたのと、彼女の中に眠っているはずの暗黒の神の化身が、彼女を助けようとしたのでできなかったそうだ。それから俺に襲いかかって来たが……返り討ちにしてやったのだ。
そして……暗黒騎士は、「暗黒の女王の生まれ変わりと言われる、あの娘が私の味方になれば……。私が暗黒の力を使っても大丈夫だ」と言っていたので俺は、「それじゃあ……。暗黒の魔力の波動を跳ね返せるぐらいに強くなってもらえばいいんじゃねーのか?」と言ったのだ。俺の言葉に、暗黒騎士は、「暗黒の神の化身と手を組んだ以上……。私は、暗黒神の魔力を使う事はできます。そして……その力で私と、あの娘の二人に強化の魔法を掛けてもらえばいいんですよね。」と俺に確認しながら話していた。
そして俺は……。暗黒の騎士に……。「暗黒の力ってどんなのが使えるんだ?」と聞いてみることにしたのだ。
暗黒の騎士が「うーん……。闇を呼び出したり……。敵を呪ったりとか……色々とできるんですが……。闇の神の化身と契約をした事で……呪いをかけたり……毒で殺すことも可能になると思いますよ。ただし……暗黒神の化身と契約しているのは……私だけなので……暗黒の力を使えば……当然……私の存在自体が消えてしまいます。」と言ったのだ。
俺は……それを聞いた瞬間……俺の考えは甘かったのだと思ったのだ。暗黒騎士を倒すことしか頭になかったが……暗黒神の化身と契約したらどうなるかは全然考えていなかったからだ。俺達が……暗黒騎士と暗黒神の化身を倒すことで……暗黒の騎士を弱体化させることはできると思うのだが……。そのあとに暗黒神の化身に取り憑かれた俺を元に戻すことなんてできるはずもないのだ。俺は……どうしようか迷ってしまったのだ。
俺達は……今……。『闇の領域 ダークテリトリー』に向かって移動中である。暗黒の神の化身と契約をする為である。暗黒神の化身に、この世界に来てほしいと頼む為に……俺は……まずは……ミルキーの両親に会いに行った。そして……。ミルキーの両親が住んでいる街にたどり着いた俺達は……街の近くにある洞窟に入って行き……暗黒の神殿に向かった。そして……そこにあった祭壇の前に俺達は立っていた。すると……暗黒の鎧を身につけている暗黒騎士の意識体が現れたのである。
俺と父さんと母さんは……驚きを隠せない状況で、立ち尽くしていたのだ……。暗黒の魔人を倒したはずの暗黒の騎士団が目の前にいるのだから驚くのも仕方がない。すると、暗黒の鎧に身を包んだミルキーが暗黒騎士の前まで歩いて行って……俺達の前で……暗黒の騎士に対して膝をついて頭を下げた。「我が暗黒の騎士よ!暗黒神の化身に取り憑かれてしまって……。大変なご迷惑をおかけしました。どうか私達の前から消えてください。」とミルキーが言うと……暗黒の騎士が、俺の方を見て……ミルキーに「何を言っているんだ?お前は……」と言い出したので、ミルキーは暗黒の騎士に向けて、「あなたは暗黒神の化身なんですよ。」と言ったので……暗黒騎士は、ミルキーの発言を聞いて驚いたようだった。「お前は何者なんだ!?︎なぜ暗黒の神の僕たるこの俺の正体を知っているんだ?この世界で……お前のように暗黒神の力が通用しないのは……。あの忌々しい光の女神が作り出した結界が張られているこの国だけのはずだ。俺の力を使っても、その封印された光の結界は解くことができないはずだ……。」と言うのであった。すると、暗黒騎士は、暗黒の力を使ったようだが……暗黒神の力が発動せず……。暗黒騎士は自分の手を見た後……。「くそ……。」と舌打ちをして……「この力は……あの女に封じ込められたものだから、もう俺の肉体はないということなのか……。
まぁいい……。お前達……この俺に付いて来い。俺の本体が待っているところに連れて行ってやる。
俺と一緒にいれば、お前達は強くなれる。」と言ってくれた。俺とミルキーと妹は……一緒に行動することにしたのである。そうして俺達は暗黒騎士に連れられ……『ダークゾーン ダークネスフィールド』に向かうのであった。
暗黒の魔神の住処である、『ダークゾーン ダークネスエリア』までたどり着くことができた。俺は今までに経験したことがないほどの恐怖を感じながらも、暗黒の騎士の案内の元……。『ダークネスフィールド』の中に入った。そこは真っ暗で、何も無い場所だった。ただ黒い壁が広がっているだけで、そこには何もなかったのだ。すると暗黒の騎士が、「ここからは、俺についてきてくれ!」と言うと、暗黒の空間が歪むような感じになり……そのまま吸い込まれてしまった。俺は……何が起きたかわからず、その場で硬直したまま……目を閉じる事なく周りを見渡していると……。俺の周りにいたはずのミルキーと妹の姿が見えないのである。しかも暗黒の騎士の意識もなくなっていた。俺は、不安と怖さで、身体を震わせていた。
「助けて……。お願いします!! 誰か助けて下さい!!」と叫んでいる声を聞き……俺はハッとして前を向いたら……暗黒の鎧を身に付けていて……仮面を被った男が現れていた。「俺は……暗黒の魔人の魂を宿す……暗黒の神の化身だ。俺はお前と話をしたいからここに現れたのだ。」と言っていて……。俺が、「ここは……何処なんですか?」と聞くと……。
暗黒の神の化身が、俺に「暗黒の世界だよ……。この世界では……。俺がこの世界を好き勝手にできる。この場所にお前を連れてきたのは……。俺の力の源となるものが眠っている場所で……。俺の力をより強大にする為に……。暗黒の魔力を集めたいと思っていた時に……。たまたま……。俺が生み出した暗黒の魔物を……この世界に送ったのだ。それで、俺の力の糧になると思ってな……。しかし……あの程度の魔物を倒せないとは……。暗黒の力を使う事もできずに……。よくも俺の大切な配下の暗黒の騎士を葬ってくれたものよのう……。あの時……。奴を始末したのは、暗黒の姫だったのだ……。そして、お前達は……俺と契約を結ぶ資格を持った者達なのだ。俺と契約を結び……。共に戦う事を誓い合えば……。あの時の暗黒騎士は蘇らせよう……。」と暗黒の神の化身は俺に言って来たのだ。
俺は、自分の心の弱さに情けなくなり……。自分が本当に強くなる為には……暗黒の力を手に入れる事が最優先だと考えた。それに、俺はあの暗黒の騎士を倒す事に執着していたのだが……暗黒の力さえ手にする事ができれば……暗黒の力を手に入れなくても倒す事はできるかもしれない……。そう考えたのである。
暗黒の神の化身と契約をすると……この世界の全ての人間を滅ぼす事が可能なのだという……。「ただし……。それは最後の手段であって……なるべくならそんな方法は使いたくない……。でも……。どうしても必要な時は使うだろうけどね……。そして暗黒の女神と契約すれば、俺の力は飛躍的に高まる事になるんだよ……。俺は暗黒の女王と契約を交わすために、ここへ来たんだ。だけど今は無理っぽいみたいだから諦める事にした……。君達には俺の力を上げる事で暗黒神を打倒して貰うしかないのかもしれないね。俺が……今の状態では……。まだ……俺に対抗できるだけの力を持たないだろう。暗黒の魔力を手にいれれば話は別だと思うけど……。」と言ってきて……。俺は……暗黒の力を手にいれて暗黒神の化身を倒そうと決めて……。
俺は暗黒神の化身と契約をした。契約が終わると俺は……気を失ってしまい……気がつけば、ミルキーとミルキーの妹と暗黒の騎士も俺と暗黒の神の化身が契約をしている間……その場に立ち尽くしていたのだ。
そして、俺はミルキー達に、「暗黒の魔力ってどうやって手に入れたらいいんだい?」と聞いた。ミルキーは「貴方の中に、私の中に流れている魔力を……私と同じ要領で、魔力を開放するようにしてみて……。貴方も魔力を扱う素質はあったから……。多分できると思うわ。」と言ったのである。
俺はミルキーに言われた通りやってみることにした。すると……ミルキーは……俺の手を握ってくれていて……。「そうそう……。そのままゆっくり魔力を放出して……。貴方が暗黒の力を手に入れたいって思ってるだけで……自然に私の中の暗黒の魔力を吸収していってるから……。」と言われて……。「わかった。やって見るよ……。うおおお……。なんか熱いぞ!?︎俺の中で……。暗黒の力を解放したい……。俺を侵食するこの力……。俺の力になってくれぇえ!!!」と言う気持ちを爆発させるように言った瞬間……。暗黒の騎士が突然苦しみだし……その暗黒の騎士を包んでいた闇が霧散していったのだ。俺は驚いて、ミルキーと妹を見た。二人は笑顔で、暗黒の騎士の方を向いて「やったじゃない!これで暗黒騎士も復活したし……暗黒神を討伐しに行きましょう!みんな!」と喜んでいたが……「俺は……暗黒神に取り憑かれていた暗黒の騎士だった。お前達は……俺を退治しに来たのではないのか?暗黒神と契約をするのではなかったのか?」と困惑しながら言っていた。俺は、「俺は……暗黒の騎士と戦う為に……ここまで来たんではなく……。暗黒の騎士を助けに……。暗黒の騎士に取り憑いている暗黒の神を倒す為に……。この暗黒の神と契約をしたんだよ。」と言った。そして、「暗黒の神の化身さんも俺と契約して欲しいんですが……。暗黒の騎士と契約はできませんか?もしできないのであれば……俺と契約してください。」とお願いした。すると、暗黒の騎士の魂は「ふっ……。仕方がない……。暗黒の神との契約ができなかった以上……。俺がお前達の仲間になっても良いだろう……。」と言ったのだ。俺は「ありがとうございます。これからは……宜しくお願いします。」と言ったのだ。ミルキーと妹も嬉しそうにしていた。
暗黒の騎士も仲間に加わった俺達は、俺達が最初にいた場所に戻ると……。そこに暗黒の神の化身が現れていたので…… 俺達は、暗黒の騎士と暗黒神の化身を会わせたのである。暗黒の騎士は、「久しぶりだな……。暗黒神の化身……。また……俺の配下になったようだな……。」と言ったのである。
暗黒神の化身は、「あぁ……。久しいな。まさかお前の意識体が、俺の力を使ってこの世界で暴れているなんてな……。この世界を暗黒の世界にしようとしたり……魔王や邪神を復活させようとしたりするのを、必死に止めようとしているらしいな……。」と笑いながら言うと……。暗黒の騎士は、「何を言っているんだ?お前が俺の力を利用して……この世界に闇の力を振りまいているのは事実だろう?俺がいなかったら、お前がこの世界で好き勝手に動く事も出来なかったはずだ……。俺がいたからこそ、暗黒の力を手にしたんだろう?」と呆れた様子で答えたのだ。暗黒の姫も、その様子を見ていたが、ミルキーに近づいていき、「ミルキー様……おひさしぶりに御座います。私が……暗黒の神の化身を封じた後から……ずっと意識体だけでしたから……随分とご心配をおかけしましたが……無事……復活しました。」と言うと……。「まぁ……。元気そうで良かったです。ミルフィーナちゃん……。あの時は私のせいで大変でしたよね。私達は、貴方が封印された後、なんとかこの世界に戻ってくる事ができたのですよ。ミルキー・デネスがこの世界に戻らないと、世界が崩壊してしまいます。」とミルキーが話すと……暗黒の神の化身は「暗黒の女神め!!ミルキー・デスネスとこの世界を手中に収めようとするとはな!!俺の本体である暗黒の神は、俺がこの世界の管理を任せられている。俺はこの世界を見守るために生み出されたんだ。それをお前は……。」と言いながら、暗黒の騎士が剣を取り出したので……俺と暗黒騎士の化身も暗黒騎士に続いた。
そして、暗黒の騎士の化身と俺は暗黒の力を解放する事に成功した。そして俺達は戦いを始めたのだ。
俺は、「俺は……この世界の秩序を守る者として……この力を使おうと思う……。」と言うと……俺は暗黒の神の化身と契約をしていた時の力を引き出したのである。暗黒の騎士は、ミルキーの妹とミルキーと闘い始めたのである。俺は、二人の間に割り込み……。
「俺は……。二人の想いを知っている。
俺は二人の気持ちに答えられない……。
だから、せめてこの戦いを止めよう!!俺の力を貸す!!二人で協力して、ミルキーと妹を守って欲しい!!ミルキーも……ミルキーの妹もこの世界に必要な存在なんだ!!」と叫ぶと……俺と暗黒の騎士は暗黒の波動に包まれたのであった。
そして、暗黒の波が消え去る前に暗黒の騎士は、妹の方へと向かっていたのである。暗黒の騎士が攻撃するとミルキーの妹はそれを受け止め、暗黒の騎士を殴り返し……ミルキーが暗黒の鎧を纏った暗黒の神の化身と戦闘を始めていて……。俺は……妹の方へと向かったのである。そして俺は暗黒の力を制御する事に……。
俺は暗黒の神の化身と戦い、自分の持っている力を全てぶつける覚悟を決めて、俺は暗黒の力を使ったのだった。そして暗黒の力は……暗黒神の化身を飲み込んでいくと……徐々に暗黒神の化身の力を削いでいった。暗黒の神の化身も負けじと、俺の力を削り取ろうとするが……。俺は、自分の力で自分の力が削がれていくような感覚になり……どんどん自分が削られるような感じになっていき……そして……。俺と暗黒の神の化身の力は拮抗していて、暗黒の神の化身に隙が生まれた瞬間……。暗黒の神の化身の力は一気に減り始め……暗黒神の化身の力を奪い取っていったのだった。
俺は暗黒の力によって……自分の命を削っている感覚に陥り……俺の中の暗黒の力も……かなり減っていき……。俺は……もうダメだと死を感じ始めていた時……暗黒の神の化身が苦しみ始めて……自分の身体が崩壊を始めて……。俺は、自分の持っていた全ての暗黒の力を使って……暗黒の神の化身を消滅させた。暗黒の力を失った暗黒の騎士も、妹の方に行っていた暗黒の騎士に襲いかかられ……暗黒騎士の体力が減っていたせいか……すぐに倒れ込み暗黒騎士が俺達の目の前に戻ってきたのである。そして俺は……暗黒の騎士に暗黒の剣を授け、ミルキーに妹を渡して……。「後は……君達に任せるよ……。ミルキー……。暗黒神を倒して……。この世界を平和にして……くれ……。頼む……。」と言って……気を失ってしまったのである。そして……俺は死んだのだ……。…………。ここは……。死後の世界なのか……。辺りを見ると……。ミルキーやミルキーの妹がいる……。「次郎君!?︎」とミルキーは、俺が生きていた事が不思議でならないといった表情をしていると……妹の方が、「私はミルキーさんと同じ神で、女神ミルミィと申します。暗黒の騎士さんと妹が世話になってますね。貴方は死んでしまってはいますが……一応まだ生身の状態で、私の作った特殊な空間の中にいるのです。」と言ってくれた。
俺はミルキーが言っていたミルキーの妹で間違いないと思い……。「俺も神になったんですが……俺を生き返らせてくれませんかね?」と言うと……ミルキーは、涙目になりながらも、冷静に俺の言葉を聞いて、「無理よ……。私達が……貴方の命を奪ってしまったの……。本当にごめんなさい……。私には貴方を元の状態に戻す力はないし……。暗黒の騎士も助けて貰ったから……。だから……この世界を暗黒神の呪縛から救うために……。貴方の力で……この国を暗黒の世界から解放して……。」と言われてしまった。そして……ミルキーは俺に向かって抱きついてきて……泣き出してしまったのだ。
すると俺の後ろから、もう一人の女性が現れて……。
「貴方を蘇生する事は不可能です。でも、私の力で貴方をこの世に蘇らせてあげる事はできるわ。それでいいかしら?暗黒の騎士さんも一緒でいいわよね?」と言われて……。
俺は「俺が生き返りたいと強く思ったら、俺を蘇らせてくれるのか?」と言うと……ミルキーは「うん。私からもお願するわ。お願いします!」と頭を下げてくれたので……。
俺は、「俺が死んだのは自分の意志だし……。暗黒の神の化身と戦わないと……この世界が大変な事になっていたのだろう?なら仕方がないさ……。それに、この国の人達を……この世界を守りたいと思ったんだよ。それが結果的に……俺を蘇生させる事になって良かったよ。」と言うと、俺が蘇生してくれると言っていた女性は笑顔を見せてくれたのだった。
俺が蘇生するのを待つ間……暗黒の騎士と妹に……この世界や……この世界で起きていた事を話してもらった。暗黒の騎士は、元々……この世界に存在していたのだが、暗黒神に取り憑かれて、暗黒の力を使えるようになったらしく……。俺が転生した時にも、暗黒の騎士が復活しようとしていたらしいが……俺が暗黒の力を抑え込んだので復活しなかったようだ。しかし、その封印も限界で……。今回復活をしたのだ。俺と暗黒の騎士とミルキーの妹は話し合いをしながら、この世界をどうしていくか?話し合っていた。
ミルキーは、「貴方の事を神だと信じているこの国に、貴方が神様だと言っても……。信じないと思う……。」と困った顔で話したのだ。
するとミルキーの妹は、「神太郎さんの身体を複製すればいいと思いますけど……。この世界に肉体を持たない状態で神太郎が復活しましたし……。暗黒の神がこの世界で暴れていましたし……今の状況では神の存在をこの世界の人に教えないと、この世界が崩壊してしまうのではないでしょうか?」と言うと……。暗黒の騎士は、「神太郎はこの世界でも、かなりの実力を持っていますし……。暗黒の神を封じる事ができましたし……。その力がある以上、他の神々から信用されますから、神としての力を授かる事も出来るかもしれませんし……神太郎に頼んで、この世界の人間達に証明してもらうという方法が最善でしょうね……。ただ……俺と妹だけでは厳しいですね……。暗黒の力を使う者がいますので……。妹が暗黒の力を持っている者を倒せるとは思いますが……。暗黒の騎士である俺の力が弱いので……暗黒の神の化身は封印出来ませんでしたし……妹の力では封印できますが……。」と話すとミルキーは、俺をチラッと見た。
俺は……ミルキーの妹と会話していた時……妹がミルキーの妹だと気がついて……。
「えっと……。貴女の名前を聞かせてもらえるかしら?」と言うと……。
「あっ……。すいません……。私の名前はミルミイと申します。」と挨拶をしくれたのだ。
「ミルキーの妹って事でいいのかな?私はミルキーだよ。」と話し始めたので……。
「そういえば……まだお互いの名前を知らないな。自己紹介させて貰ってもいいですか?」と話すと……
「もちろんですよ。」
と返事が帰ってきたので……俺は「俺は……田中次郎といいまして……。この世界が崩壊する前に生まれたんですよ。」
と言うと、ミルキーは、「私が……神太郎が生まれたのはこの世界の管理者として、管理人として、誕生した後になるわ。だから……この世界の事を教えて欲しいのだけれど……」と真剣な眼差しで見つめてきたのである。
俺は……ミルキーの妹……ミルミィの方に振り向き……「ミルミィさんは、ミルキーの妹なんだよね?」
と言うとミルキーの妹のミルミィは、「そうです。ミルキーさんの妹です。私は、暗黒の神の化身と戦う際に、暗黒の騎士様に助けられたんです。暗黒の神の力に取り込まれそうになったのですが、それを助けて下さったのは暗黒の神の力を取り込む事ができる貴方だったのでしょう……。あの時……暗黒の力に取り込まれるのを助けてくれたのが暗黒の騎士様なのに……ミルキーさんに迷惑をかけて……。本当に申し訳ありません。」と頭を深々と下げていたのだった。俺は、暗黒の神の化身の力を取り込んでいないのだから……「俺じゃないんだが……俺はそんな力はないから。ミルキーは、妹さんを助けたのかもしれないけど……。暗黒の力を取り込んでいたのは暗黒の神の力だけだから……ミルキーの妹の所為にしている訳ではないと思うよ……。多分、妹を守る事が出来なかったから責任を感じてるんじゃないだろうか……。俺も同じ状況なら……同じ事をしてしまう可能性があるからね。気に病まない方がいいよ。」と妹に伝えたのである。
俺は、暗黒の騎士の力を抑える方法について考えていた。「ミルキー……ちょっと聞きたい事があるんだけど……ミルキーは俺の中に暗黒の力が流れてこないようにする方法を知っているかい?」と言うと……
「うん。神の力を使った防御方法があるの……。でも……それは……。暗黒の神の化身の呪いを防ぐ事が出来るぐらいだと思うの……。神太郎も知らないはず……。」と悲しそうな顔をしていた。
暗黒騎士の妹のミルミィは……「暗黒の神の化身が貴方を乗っ取ろうをしても、貴方の中の神の力によって防がれていたのでは?それで……暗黒の神の化身の力は徐々に削れていったのでしょう。それに、貴方の中には暗黒の力を抑え込んでいる存在がいましたが、貴方の中で生きているわけではないのですよね?だから貴方の中の神の力が消えていっても問題はなかったのだと推測します。ですが……暗黒の騎士の力と暗黒の神の化身の力は拮抗していて、徐々に貴方の力が削られていきました。だから貴方が死んでしまう事になったんです。」
と言ってくれたのである。
俺は暗黒騎士のミルミィの話を聞いた後に……「確かに……。俺はこの世界で生き返る前に、この世界にいる俺の体で生き返りたかったから……。暗黒の力を抑えて生き返るつもりだったから……。暗黒の騎士に身体を貸していたんだよ。」
と説明すると……ミルキーの妹のミルミィは、「なるほど……。この世界に肉体を持っていない状態で復活する予定だったので、自分の肉体を使わないでこの世界に戻ろうとしたら……この世界の人間を殺さずに暗黒の神を倒さないといけない……。そして暗黒の神を倒したら……。自分が元の肉体に戻る事は出来ないのはわかりきっているので、暗黒の神に体を貸すことで貴方は命を失うことになったんです。でも貴方が生き返らないと暗黒の神の化身は貴方を殺すことができないのは分かっていたのでしょう?貴方は暗黒の鎧を身につけていたみたいだし……。だから……貴方が暗黒の勇者と呼ばれる事になったのは偶然ではなく必然だったという事になりますね。」と暗黒の鎧の事を話してくれたのだった。
俺は暗黒の騎士と妹と話をした時に……ミルキーから……俺がこの世界で死んだ事や暗黒の力をコントロールできるようになった経緯を聞いたのだ。俺は暗黒の鎧の事をミルキー達に話すと……暗黒の鎧がこの世界にあったのかという反応を示していたのである。
そして俺は、この世界でのミルキーの妹ミルミイに質問をしてみた。
「この世界で俺は暗黒の騎士と呼ばれていたけど……。俺はミルキーと同じ名前を持っていたんだよ。」と言うとミルキーの妹のミルミイは、「ミルキーさんの双子の妹さんがいたなんて……初耳ですよ。この世界のミルキーさんのご両親は、この世界の管理者として管理人だったわけですよね?ミルキーの妹がいるとしたら……この世界はどうなっていたのですか?神太郎さんの魂はこの世界で生まれたという事なのですか?」と言うとミルキーは「この世界に私の妹のミルキーは存在するけど……。私達の両親がこの世界の管理者として生まれてきた私達双子を育てたわ。でもこの世界の私の妹は私のように記憶を持って生まれたわけではなかったの。この世界の私達は暗黒の騎士と出会って……恋仲になったわ。それで……結婚して私達は暗黒の世界で暮らしていたわ。私は暗黒の使徒と戦っていたわ。それで……神太郎が暗黒の騎士として覚醒する事になって……。私もこの世界に戻って来て……神太郎を生き返らせようと考えていたわ。だけど……私が死んでも神太郎を蘇らせれるように……暗黒の力を持つ者と戦いながら神太郎に会おうとしていたわ。そして、暗黒の神の化身と対峙したときに、神太郎は殺されて……私も暗黒の力に取り込まれてしまい……私が殺された後、暗黒の力の塊は封印されていた暗黒の力を解放して、暗黒の世界を作り出してしまったの……。そしてこの世界が……こんな風になって……。私のせいで……私が死ななければ……。暗黒の神の化身がこの世界を滅ぼすような事をしなかったはずだし……。私が暗黒の騎士と結婚していなければ……。暗黒の騎士がこの世界に戻ってくることが無かったかもしれないのに……。この世界に暗黒の騎士がいないとこの世界を救えないと思った私は……。自分の妹ミルキをこの世界に戻すために、暗黒の神の力を使って暗黒の力を発動させた……。そのせいで……この世界がおかしくなってしまって……。ミルキーの妹であるミルミィには……悪いことをしてしまったわ……。」
と暗い表情をしながら説明してくれていた。俺はミルキーの妹であるミルミィに話しかけたのである。「君が俺と初めて会った時……。俺は暗黒の力に意識が奪われかけていて、その時のミルキーの気持ちを考える事が出来なかった。君は俺を助ける為に……この世界で生きて欲しいと言ったね。それはどういう意味なの?」と聞くと、妹ミルミィは、「ミルキーは神太郎さんが好きだったんでしょう?ミルキーは、貴方と出会えた事をとても喜んでいたんですよ。ミルキーにとって……神太郎さんは大事な存在だったんですよ。私は……そんなミルキーが、貴方が死んだと知って嘆き悲しむ姿を見たくなかったのです。暗黒の力は、私とミルキーの命を引き換えにして、貴方を復活させようとしたんです。私は、暗黒の力に飲み込まれる瞬間……貴方を救い出す事に成功したから……。私が犠牲になって暗黒の神の力を抑えて、封印させる事が出来たんです。貴方にもう一度会えてよかった。貴方と旅ができて良かった。神太郎さんと過ごす時間が何よりも楽しかったです。」と言うと妹ミルミィは涙を流していたのである。
ミルキーの妹ミルミィとミルキーが話している間に……俺は考えていた。
この世界を救える可能性があるなら、やってみたいと……。
俺は魔王から……「この世界を救うための手段があるぞ」と言われ……。「えっ!?そんな事が出来るのか?」と言うと……魔王が「この世界を救う方法はある。ただし、神太郎がこの世界に存在する事が必要になる。暗黒の神の化身の力を抑える方法が、暗黒の力を消滅させてしまえばいい。その為には神太郎が生きている事が重要なのだ。しかし……このままだと、暗黒の神の化身の力によって、神太郎の中の暗黒の力が暴走する事になるだろう……。だから神太郎の中で暗黒の力を抑え込んでいる神の力を使うのだ……。そうすれば……暗黒の神の化身の力を抑える事ができる。しかし……。神太郎が死ぬ可能性の方が大きいが……それでも構わないか?まぁ……。神太郎がこの方法で生き延びる事ができるとしても、他の方法を探している暇などないのだが……。この方法を試すのがいいか……。神太郎の中で眠っているはずの……。我が同胞を呼び覚ませ!!お前に力を分けてやるから、目覚めよ。」と俺に話し掛けると、突然俺は眩い光に包まれて……何かの力に引き込まれたのであった。
俺の目の前に暗黒の神の姿が現れていた。
俺は暗黒の神から暗黒の神の化身の力に対抗する為の秘策について教えてくれた。
「まずは、俺の中の闇を取り込んでもらう必要があるんだ。」
と俺は言われ……。
俺の身体に俺の闇の力を取り込んでもらったのだ。
「さあ、俺の中に入った俺の負の感情を全て受け入れてくれ!!」
と言われたので、俺は自分の心の闇を受け入れていたのだ……。
その俺の行動を見て暗黒の神の表情が変わる。
「ふぅ……。これで俺も神太郎と融合できるぜ。俺は今迄の暗黒の騎士とは違う力を手に入れることができたんだ。暗黒の力を完全に制御できるようになると思う。だから俺と一緒にこの世界で生きてくれるかい?俺の相棒。暗黒の神が俺の心の中に語り掛けて来たので、「ああ、俺でよければよろしく頼むよ」と言うと……。暗黒の神の化身は、「じゃあいっくぜぇー!!!」と言って暗黒の力を発動させたのだ。
「いくぞぉおおお!暗黒魔法!!ブラックインパクト!!」
と言って黒い衝撃波を放ったのである。
俺は咄嵯に防御結界を張る。だが俺の力ではこの暗黒魔法の攻撃は抑える事が出来ないと感じたので、「ぐっ……。仕方がない。使うしかないようだな……。この力は使いたくなかったが……。暗黒騎士は最強の剣士だと言われているけど……本当は最強じゃないんだよ……。」と言うと暗黒の騎士のミルミィが「何を言っているんですか!?神太郎さん。貴方がこの世界に復活した時は暗黒の力を使っていたではないですか。貴方が本当の意味で復活していないだけで……。暗黒の力は貴方の一部ですよ。」と言うと……ミルキーが「神太郎、貴方は……この世界に来る前に、一度死んでいます。その時に貴方の中にある魂と、暗黒の騎士の力は分離してしまって、肉体だけが生き返った状態になりました。暗黒の力と魂が分離した時に、肉体の方は元の世界に残っていた肉体と融合する事が出来ました。そして……貴方は暗黒の世界で魂の修行をする事になったのです。だから貴方の魂は……肉体の方にはもうありません。だから、暗黒の騎士の力を使って、暗黒の騎士が持っている技も使えません。だから今の貴女は暗黒の騎士ではなくなっているのです。ただ……神太郎が暗黒の世界で習得した技術は使えるのでしょう。暗黒の騎士は暗黒の力を使ったり、暗黒剣と呼ばれる物を使用して戦う事もあります。暗黒の騎士が使っていた武器は使えないでしょうが、暗黒の力を使っての戦い方は覚えているでしょう。それが神太郎さん本来の戦い方なのです。貴方は自分の意思でこの世界に戻って来たいと思っていた。
貴方が暗黒の騎士である事に変わりはない。
この世界で生き返らせてあげれなかったけど、貴方にまた生きていてほしいと、私達夫婦は思っているの。この世界の人間達は、暗黒の神の化身の力に支配されています。私達もこの世界の人達を助けてあげる事は出来ても……元に戻す事はできないの。この世界の人間は、私達の言葉を聞き入れてはくれないわ。お願い、この世界を……この世界の人々を解放して下さい。この世界が暗黒の力に飲み込まれてしまったら……大変な事になってしまうわ。この世界の平和を守ってほしいの。」
暗黒の騎士は俺がこの世界に来てすぐに、暗黒の力を使わせようとはしなかった。暗黒の騎士として復活するまでは暗黒の力を使わないように封印させていた。俺にはまだ暗黒の使徒と暗黒神を倒す力が残っていなかったからだ。
俺が「暗黒の力を使うのはいいが……暗黒の力は危険なものだから……。俺が本当に暗黒の騎士に相応しくない存在になってしまったら……俺は……消滅する。それで構わないなら、暗黒の神の力を使えば暗黒の神の化身の力に対抗できそうなんだ。俺の力に少しだけ……俺自身の暗黒の力を貸してもらえないか?俺は自分自身を信じていないけど……俺は暗黒の騎士になる事を望んでいるんだ。」
と俺の決意を告げたのである。
暗黒の神の化身は俺の話を聞いて……。「俺は暗黒の騎士がこの世界で生きていて欲しいと思ったから……。この世界に召喚した。この世界で暗黒の騎士として、この世界を救ってほしい。暗黒の神の化身は暗黒の力を発動させて、俺達に攻撃を仕掛けた。
俺も暗黒の神の化身の攻撃を受けて……身体中に激痛を感じていた。
俺は……「くっそ……このままだと俺の身体が壊れちまう……早くしないと……。」と言うと暗黒の騎士が俺の前に現れて……。「私に暗黒の力を使いなさい。」と言ってきたので……。俺は「俺はお前の事を忘れてしまった……。暗黒の騎士としての使命感すら無くしてしまったかもしれない。でも、俺がこの世界に来た時の記憶を……暗黒の神の力によって思い出させられた。俺は、この世界を救うためなら……俺は自分がどんな目に合おうとも、どんな犠牲を払おうとも良いと思っている。この世界の人達を暗黒の世界の化け物になんかさせない。俺を……この世界に呼び戻してくれたのに、こんな事を言うのは何だけど……。俺は……俺はこの世界で生きる事に決めたんだ。この世界の為に……。だから……ごめんね……。ミルキー……。君達の事も忘れてしまうなんて……そんな酷い奴なのに……。俺のわがままを許してほしい……。」と俺の本心を打ち明けたのである。ミルキーは……「わかっています。貴方は優しい人……。暗黒の神の暗黒の力を抑え込めば……暗黒の神の力の影響を受けなくなりますから、私はもう……貴方に会えなくても大丈夫です。暗黒の神の化身の力は……神太郎さんの意思と関係なく発動してしまう事があるみたいですから……。神太郎さんに私の暗黒の力を託しますから、神太郎さんの力で……世界を救えるようにしてください。貴方が……無事この世界を救いだせた時……私が生きているのならば……また貴方の側にいさせてください。その時は、神太郎さんの心を取り戻せるよう……私が精一杯頑張りますから……。神太郎さんに愛してもらった気持ち……嬉しかったから……。だから……私が生きているうちに世界を救えたら、神太郎さんがこの世界に居たいと望んでくれるのであれば、神太郎さんの好きにしたら良いと思います。
貴方はきっと……暗黒の力が無ければ、世界を救う力は無いと思うの。この世界に貴方が生きている事によって救われる人々がいる事を祈っています。暗黒の力に取り込まれたら、その力を消滅させる為に命を使うことになるはずよ……。
気をつけて……神太郎……。」と涙を浮かべながら言うと……俺は暗黒の力を受け入れる為……自分の身体から、闇の力を溢れ出させて……それを吸い込んでもらったのだ。
暗黒の力は……俺の中に完全に入り込むと、俺の暗黒の力が俺に宿っていたのであった。暗黒の神の化身の暗黒の力は……。暗黒の力で抑え込み……。俺はこの力で自分の肉体に眠る魂を呼び覚ますようにしたのだ……。
俺は……「暗黒神の力よ。俺の肉体に眠らせていた我が同胞を起こせ!!我が同胞の力を……俺の力に!!我に従え!!」
と叫ぶと……俺に魂が入り込んだ。俺は暗黒の騎士に変身する事ができたのであった。俺は…… 暗黒の騎士の姿になると……。暗黒の神の化身に……。「さあ、行くぞ!!覚悟はできているんだろうな?」
と俺が言い放つと……「ああ、勿論だよ!!」と暗黒の騎士が俺の体を借りて暗黒の剣を振るい始めたのである。
俺は暗黒の波動を纏いながら……暗黒の波動を帯びた斬撃を繰り出して、暗黒の騎士の攻撃を跳ね返す。
俺の暗黒の鎧が暗黒の神の化身の力を完全に受け止めると、俺の身体に変化が訪れる。俺の中に……暗黒の力の一部が俺に入ってくるのが感じ取れていた。
そして……暗黒の剣は俺の意思で動かす事ができるようになっていたのだ。
暗黒の力に操られる暗黒騎士ではなく……本当の意味での……この世界で生きる事になった暗黒の騎士が、本来の俺なのだろう。
そう思う事によって……今の自分を認める事ができたのだった。
ミルミィは……暗黒騎士に姿を変えている暗黒の騎士を見て驚いていたのである。
「まさか……本当に神太郎さんなんですか?暗黒の力はどうしたんですか?」と俺が聞きたかった質問をぶつけてきたので…… 俺が、「ああ、今の俺は……正真正銘、俺自身が生み出した暗黒騎士だ。暗黒神の力に支配されていないから安心してくれ。この姿になっている時は、暗黒神の化身の力の影響は受けないようになっている。暗黒騎士に変身していなければ……。俺自身は暗黒神の化身の力は使えないが……。暗黒の神の化身の化身がこの世界を支配する事になっても……。俺がこの世界に存在する事で……俺の魂が暗黒の神の化身の力を抑える事ができれば……俺が暗黒の力を使いこなせば……暗黒神の力と戦えるかもしれないと考えている。俺は……この世界に残りたい。この世界で生きた証を残したい。暗黒の騎士が……魔王を倒してこの世界を救った英雄だと語り継がれる事を夢見ていたんだ。だからこの世界に残ってくれと言われて断る理由がなかったし……。ミルキー達が生き返らない事を知ったとき、家族やみんなと一緒にいるためにここに来ようと思った。だが……今のままじゃ……。俺の家族はこの世界で生き返らせる事はできなかったんだ……」と言うとミルキーは
「それなら私が助けてあげるわ。この世界に残っても良いというなら私も貴方に協力します」と言うとジーナは「ミルキー姉さん!何を言い出すのよ!?そんな危険な事、出来る訳ないでしょう!」と言う。するとミルキーは「神太郎には暗黒の神の化身との戦いに集中できる環境が必要なの。私は神太郎さんに協力するわ」とジーナを説得しようとしていた。俺も「ミルキー……。俺には君の助けが必要だ。それに君ともう一度……一緒になりたいという気持ちがある。俺には君がいないと駄目なんだ」と伝えると、ミルキーは「わかりました。私で役に立てることがあるならば……。でも私にも何か手伝わせて下さい。」と言ったので、俺も「ありがとう……。」と返事をした。俺はこの世界に残る事を決めていたのだが、暗黒の神の化身に勝てるかどうか不安になっていたのだった。
暗黒の力を使えば使うほど……俺の精神は俺自身ではなくなってしまう可能性がある。俺は暗黒の騎士の力を使えば使う程……この世界が滅ぶ可能性が高いのではないかと……心配していた。それは俺自身の意識が完全に消え去ってしまいそうな感覚に襲われていたからである。
暗黒の騎士の力を使った時……俺の中で眠っている神太郎が俺の体を動かし始めようとしている。俺は神太郎が暴走しないように必死で抑えていた。そして俺が神太郎を押さえ込もうとするたびに……俺の身体に激痛が走り、身体中から出血をしていて血まみれになっていたので……俺は痛みを耐えるために身体に力を入れて踏ん張っていた。そんな時……ミルキーと暗黒の騎士の力の影響で暗黒神の力の侵食に抗っている俺を心配してくれたリータが俺の前に現れたのであった。
ミルキーが突然現れた暗黒騎士の姿を見て……
「暗黒騎士が二人いる……どういう事?神太郎さんと……あの暗黒の騎士は……同一人物……?暗黒の騎士が二人もいるのね……。どうして……?この世界の人間に暗黒の神の化身の力を抑えきれるような存在なんて……。ありえないと思っていたけど……。本当にそんな事が出来る存在がいたなんて……信じられない。」と驚いた様子をしていたのである。俺は神太郎に……「神太郎!!お前は自分の肉体を取り戻すため、お前の身体を取り戻しに来たのだろう!!俺はこの世界の人々を救おうと思っている!!その為には……俺がこの世界に必要なんだ!!暗黒の神の力の封印は俺にしか出来ない。俺はこの世界で生きていたんだ。お前は俺の記憶を蘇らせた時に、俺にこの世界の人達を護りたいと言っていたはずだ。俺はもう……この世界が大好きになったんだ。俺が生きている間は……暗黒神の力で俺が俺のままでこの世界の為に力になれると思うんだ。だから……お願いだ。俺にこの世界を……皆を……暗黒の世界に堕とし込むのは……やめてくれ!!」と懇願した。
暗黒神の化身の力は、神太郎の肉体を取り込んでいたのだ。
神太郎は「ああ、わかってるよ……。俺は、お前の意思を……思い出させてもらった。俺は、暗黒の神の力を受け入れた……。お前とまた会う約束を果たしてもらいたくってな……。暗黒の神の力がお前の体から完全に出て行かないと、また俺に憑依しようとするから……。少しの間……体を借りるぞ。その間に……。」
と言い終えると、暗黒の騎士の姿から……元の肉体に戻ったのである。俺は「ありがとう……。助かったよ……。暗黒神の化身の力から解放してくれただけでも感謝している。俺が暗黒の力を使いこなせるようになった時には……。この世界を救いだして見せるから!!」
「さっきも話したが……暗黒神は、お前の中にいるから、俺の力が必要になるはずだ。」と神太郎は俺に告げたのである。「神太郎……。この世界に居続ける事を許してくれて……俺をこの世界に転生させてくれて……ありがとう……。これからよろしくな……。俺は、暗黒の騎士になって……。自分の意思を失うところだった……。もう二度とこんな思いをしたくないんだ……。だから……この世界に残らせてくれ」と俺は言うと、暗黒の神の化身の力に抗っていた俺は力尽きてしまった。俺は倒れそうになると、ジーナが俺に回復魔法をかけてくれたのだ。俺が目を覚ますと……ジーナは俺の側にいてくれたのであった。俺は……暗黒の神の化身に勝つ事を考えるより、自分の力を鍛える方法を考えなければと改めて思い、俺の心の中で暗黒の騎士に変身する事にした。そして俺は、暗黒騎士の力を完全にコントロール出来るようになる為……訓練を行う事を決めたのだ。暗黒の力は精神力を研ぎ澄ませれば扱えるとわかったので、俺もミルキー達と同じ修行をすることを決めた。
ミルキー達は、暗黒の騎士としての力を使って、俺がこの世界に残りたい事を受け入れてくれたのだった。
「俺が……この世界に残る事を許してくれて……。俺にこの世界で生きていきたい理由が出来たんだ……。この世界を救う為に……。俺を……この世界に連れてきて良かったのか……神太郎?」
「ああ、俺にはわかる……。俺は、この世界が気に入ったんだよ……。俺がいなくなった後の事は任せたぞ……。後は頼んだぞ……」
俺はそう言って、俺の中に入り込んだ暗黒の神の化身を追い出そうとしたのだが……。追い出せない……。
俺は焦っていたが、この世界に残るためには……。暗黒の騎士になる必要があった。暗黒の神の化身の力を制御し、完全に支配する事で、暗黒神の力を完全に俺が使えるようにしなければいけないと思ったのだ。俺は暗黒騎士に変身しようとしたが、この姿になると暗黒の騎士の力を制御する事が出来ない事に気付いた。そして俺にこの姿を保っていろと言って暗黒の騎士の姿に戻るのだった。暗黒の神の化身は、俺の中に残る事を望んでいたが……俺は、自分の力で、この世界に俺が残り、皆が生き返った後、暗黒の波動を纏わなくても良い状態になるまで待つことにした。そうしなければ……。俺がこの世界で平和に暮らしていくために、暗黒神の力を使わなければいけなくなる可能性があったからだ。暗黒の神の化身の奴は、「俺はお前の中に留まる。だが……この世界の人間にお前の身体は傷つけさせないからな。俺は、お前にこの世界に留まって貰う代わりに、お前を守る事だけはしてやるよ……」と言ったのである。
俺が暗黒の力を制御するために暗黒の騎士の訓練をしている間……。俺の体は暗黒の力に支配されない様にするために暗黒の鎧の力を使う事をやめていた。俺の体の暗黒の神の化身の力を抑えていると、俺の精神力にかなりのダメージを与えてしまい……激しい頭痛に襲われる事もあったので……。俺が自分の意識を失いかけた時も何度かあったのだ。俺にその負担をかけるのも良くないと思った暗黒の騎士の力は使わない事にしたのであった。
「俺はこの世界でやりたい事があるんだよ……。」と言うと、暗黒神の化身の化身は
「まぁいい……。俺はこの世界に残ったとしても、お前には何もできねえだろうしな。この世界に居るのなら俺に話しかける事が出来ても俺の姿をお前に見せる事ができねえもんな。」と言う。
「俺に何ができるかなんて……やってみないとわからないぜ……。それに……俺の体に何かあって……。暗黒神の使徒に取り込まれた時は、助けてくれるんだろう?暗黒の神の化身は……、俺に取り憑くつもりだろうが……この姿は暗黒騎士の姿だ。俺の力を引き出すのは簡単じゃないだろう?暗黒の騎士の力を使いこなせる様になるまで……。」
「俺が……俺の身体を取り戻すまでの間……しばらく我慢してくれよ……。俺はお前が……好きになれそうだよ。暗黒神の化身である俺は、神太郎の事が好きになっていたんだよ。でも神太郎は人間なんだろ?」と聞いてきたのだ。俺は正直なところ神太郎と暗黒神の化身は同じ人格だと思っていたから、答えがすぐに出てこなかったが……。俺の心の奥で声が聞こえた気がしたので……「同じ人物なのかは分からないけど……確かに違う人格かもしれない……。俺の中には神太郎が……眠っているけど、俺は神太郎ではない。だけど、俺は……神太郎でもあるんだ。今は神太郎の記憶を持っているが、俺は俺でありたいんだ……。俺も君と同じように暗黒の力は扱いきれるようになっていない。」
暗黒神の化身は「なるほどな……。お前がお前でいるための存在証明が暗黒の騎士という事だな。俺は……お前の中にある神太郎の存在を……お前と一体化させて、暗黒の力の扱い方を学ばせるしかないと思って、俺が暗黒の力を操れないと意味が無いと考えたからな……。俺は暗黒の神の化身だから、お前を暗黒の神の化身にして暗黒の神の化身として覚醒させる事ができると思うが……。それはお前に力を与えた時のような完全なる復活とはならないが……暗黒の力はお前の魂が宿っていればお前の意思次第でいつでも自由に発動できるはずだ……。この姿でいる限りは……俺がこの体を借りていられる時間は長くないだろうが……それまで……お前に力を貸すことにするよ。」
俺が「俺の肉体を取り戻したら、俺と君は入れ替わる事になるけど……。その時は……暗黒の神の化身の力の使いこなし方を教えて欲しいんだ……。暗黒の力を使えば……俺は、もう元には戻れなくなってしまうだろうから……。頼むよ……」と俺は暗黒の神の化身の化身に頭を下げてお願いした。すると暗黒の神の化身の化身は
「お前はもう……暗黒の使徒に身体を乗っ取られる心配もなくなるんだ。俺はこの世界に残れるから……。この世界で……俺は神太郎と会えて良かったよ……。神太郎……ありがとう。俺は暗黒神の化身の事を神太郎の身体を取り戻すまで見守ってやるさ。俺は……この世界を守りたい。だから……お前に力を貸してやる……。この世界に残れる事だけで……俺は幸せだからさ。俺はこの世界にいても良い存在になったんだ……。俺はもう……。自分の事を許せなくなっているから……神太郎の力になりたいんだ。」と暗黒の神の化身は俺に感謝しながら言ったのである。
「神太郎!!暗黒の騎士になった時に現れる仮面を取ってみてくれないか?仮面の下の顔は俺の本来の顔のはず……。」
と俺が言うと、俺は言われた通りにしたのだ。
暗黒の神の化身は、神太郎に憑依していた時の肉体を神太郎の中から取り出して、その肉片に暗黒の力を纏わせて……その肉体を神太郎に渡したのだ。
「お前はこの姿になっちまったからな……。暗黒騎士の姿のままでいても仕方がない。俺は……元の肉体に戻るから……。じゃあな……。暗黒騎士としての力をコントロールできるようになった頃……。俺は、暗黒の騎士の姿のままの肉体を、神太郎の元に戻しておいてやるから……。俺とまた話が出来るはずだ……。暗黒の騎士になる時には暗黒の騎士の力を使った状態で……この姿になっちまうが……。俺は、この世界を守るために暗黒の力を使わなければならない時にだけ使うようにするさ。この世界を救うために……暗黒の騎士の力が役立つ日が来ると信じてる。神太郎は俺にとって……大事な親友だから……。神太郎のためにこの力を使えるのは幸せなんだ。神太郎……俺に協力してやってくれるか?」と聞くと俺は、「当たり前じゃないか……俺は神太郎としてこの世界に居続けたいんだ……。俺はこの世界を救う為に……。」と決意を胸に抱いたのだった。俺は神太郎の肉体を手に取ると自分の中に入ろうと試みたが……俺の中に入ってこれない事に俺は気づいた。「お前の本当の身体じゃないのに……俺の中に入れようとしてごめん……。俺の中に入りたくっても、俺の今の体が暗黒の騎士の力を持つようになっていなければ、暗黒の鎧に拒絶されて……入る事は無理なんだ。でも、いつかきっとお前は暗黒の騎士になる事が出来るようになるさ……。だって、暗黒の騎士として戦う時……暗黒の鎧を身に纏わなければいけないからな。
神太郎……俺はこの世界を守る。そして……俺の愛する家族達も……。」と言うと、暗黒神の化身の化身の身体は徐々に消え始めていき、最後には、完全に消えた。そして俺は、暗黒騎士の変身を解き、ミルキー達に「俺も、神太郎も、この世界が大好きで守りたいんだよ……。ミルキー達が生き返って……本当に良かった……。俺は、俺の家族と皆とこの世界を絶対に守って見せる。」と言うのであった。そして、神太郎は、「暗黒騎士の力で暗黒神の化身の力を抑える事ができるようになってきたが、完全に暗黒の神の力を使いこなせない今の状態だと……暗黒の神の化身に精神が侵食される可能性があるんだ。暗黒の騎士の時は暗黒の闇を開放する事は出来るようになったが、暗黒の神の化身を完全に抑え込む事は難しい。俺が暗黒の鎧の力をコントロール出来なければ……。」と言うので……。
俺は、「俺の体は大丈夫だ。俺は神の力を持っている。だから、暗黒神の力を抑え込みながらでも、暗黒の力を使って戦えるはずだ。暗黒の神の化身の化身は……俺の中に戻る事で俺の中に存在する事になったんだからな……。」
神太郎が、「神太郎がそう言ってくれるなら……。暗黒の神の化身の力を抑え込めるように俺も努力しよう。俺にも……協力させて欲しい……。神太郎は、暗黒の騎士になってくれよ。暗黒の騎士は俺の憧れなんだ……。暗黒の騎士の姿になれば……俺は強くなれる気がするからな。暗黒騎士の姿をした俺を見た事があったか?俺が暗黒の神の化身に身体を奪われる前に見た暗黒の騎士の姿だ。」
と神太郎は俺を見て、真剣な表情で言ってきたのだ。
俺は「俺に……暗黒の騎士になれというのか!?暗黒の騎士の姿をしている俺は嫌いじゃないけど、今の俺の姿をしていて、神太郎と一体化できた方が良い気がするんだ。」
神太郎が「俺にはまだその器はないみたいだな……。だが……俺は、暗黒の神の化身が持っていた負の力を取り除いてやりたいんだ。俺にもっと暗黒の神の化身についての知識が足りていなかったせいだ……。俺は……お前と一緒に戦いたい……。だから俺の身体に暗黒の神の化身を取り込んだんだ……。暗黒の神の化身は……まだ暗黒の鎧に取り込まれる前だから、俺の意識も残っているんだ。でも、俺も暗黒の神の力を使いこなすのは難しくて……、このままの状態では……。俺は、お前に助けてもらわないと、何もできないから……。暗黒の騎士の姿の時のように……暗黒の力と、暗黒の剣が使いこなせれば……俺に……力を貸して欲しい……。暗黒の力をコントロールするためにも、俺は……暗黒騎士の力を完璧に使いこなせるようにならないといけない。俺には……時間があまり無いんだよ……。暗黒の使徒が、いつ動き出すかわからない。」
俺は「神太郎は……。どうしてそんなに強い意思を持てるようになったんだ?何かきっかけがあるんだよな?」と俺は聞いてみた。すると神太郎は……。「暗黒の使徒に取り憑かれた時の俺は……。心の奥では俺が人間ではない存在だと思い始めていたんだよ……。暗黒の神の化身に取り憑かれていたんだ。俺が取り憑かれている時に……。俺の心の中にはもう一人の俺がいた。俺はもう一人の俺の心が暴走しないように見張ってた。俺は、この世界に未練を持っていたから、人間でありたいと思った。それで、俺は……。自分が人間だという証明をしたかった。」
俺は「人間ではないと自覚するのは……辛いことだと思う……。でも……俺は……。自分が人間だと思っているよ。だから俺は暗黒の力を受け入れられるんだと思うんだ。俺が人間だと思っていなかったら……受け入れてはいなかったはずだから……。」と俺は自分の思いを口に出していた。
ミルキー「私は……お母さんが亡くなって、お父さんも死んでしまって……絶望の中で生きていかなければならなかったの……。だから……私が生きる目的を見つけるためには……。私を必要としてくれる存在が必要になってしまった……。」
俺は、ミルキーの目を見つめると……
「それは違うぞ。」とはっきり言った。俺は「確かに……。俺はミルキーが必要だ……。だけど……。それはミルキーの親が俺に求めていたこととは全く違う……。ミルキーには家族がいるじゃないか……。」と少し厳しい言葉をかけていたのだ。ミルキーは自分の生い立ちを話す事で自分の心をさらけ出そうとしていたが…… 俺に自分の心の内を全てさらけ出して良いものか?と考えてしまったようで、俺はミルキーの言葉に耳を傾けることしかできなかった。俺は「ミルキーの気持ちはわかった……。でも……やっぱり、俺を好きになる理由が分からないよ。ミルキーを幸せにできるか……俺は不安になってきたよ……。ミルキーは……ミルキーを愛してくれている人と一緒になった方がいいよ……。」と正直な俺の気持ちを話した。
俺は神太郎の体を取り戻すまでは、暗黒の力は封印しなければならないと考えていた。しかし、その前に、俺はミルキーの口から本当の事を話させたかった。だから、ミルキーの話を聞くことにしたのである。
ミルキーは、「私は今まで自分から人に話しかけたりすることはほとんどなかったわ……。
私の容姿を気にして近付いてくる男性も多かったけど……。私には好きな人が既に居て……ずっと片想いをしてるからと断ると諦めて去っていく……。それが普通だったの……。
だけど、初めて会ったあの時、私の顔は関係なくて、あなた自身に興味が湧いて話し掛けた。そしたらあなたの笑顔と優しさが心地よくて……。あなたは優しくて素敵な人だと思ったの……。
私はあなたと一緒に居たら楽しくて……毎日一緒に居たいと思っていたの……。
でも……その時には、こんな事になるなんて夢にも思わなかったわ……。
そして、暗黒の神の化身に取り憑かれて……私は暗黒騎士になり、その力は、凄いものだということは感じ取れていたわ……。」
と俺の目を見ながら話していた。俺は「俺だって……。最初は自分の正体を明かしてはいけないとは思っていた。暗黒の力を手に入れたいと言っていたミルキーの事は信用出来なかった。俺に近づいて来た理由はそれなのか?とか疑っていた部分もある。俺はミルキーを好きになろうと努力していたのかもしれないが……俺の正体を知った時に離れてしまうんじゃないかとも思った……。俺は本当は人間ではなく、この世界を滅ぼす為に現れた魔王なのかもしれんからな……。俺は暗黒の力を受け入れるのに必死で……。本当の事を言うのをためらってしまった。そして……俺はこの世界を守ろうとするのに……。俺は暗黒の神の化身の言うままに、ミルキーを利用していただけなんだからな……。」と本音をぶつけていた。
俺は「ミルキーは……暗黒の力は欲しくないのか?」と聞くと……
「欲しい……。私はこの力をコントロールできるようにしたい……。
神太郎は、暗黒の神の化身に体を乗っ取られていて、自分の意思で動かせなくなっていて……辛そうにしている……。
神太郎の力になりたいの……。」と泣きながら言ってきた。俺は「でも、俺が暗黒の騎士として戦う時には、ミルキーは危険にさらされるんだよ……。俺の側に居ていいのかい?」と聞いた。すると、「危険なのは承知の上で……。私だって……この世界に生きている者として、守りたいとは思っています……。神太郎の側にいたいからいるわけじゃないわ……。それに……。もうこれ以上は……。大切な人達を失いたくないの……。暗黒の力を使う事は怖いけれど……守るための力が使えるならば使いたい……。」と涙を浮かべながら言ってきた。そして……ミルキーが抱きついてきた。そして……ミルキーの胸の鼓動を聞いて安心感を得ることが出来たのだ。そして俺は、神太郎に、「神太郎……。お前に頼みがある。俺の体内には……神太郎の魂が存在しているんだ。暗黒の使徒を倒すには……。俺は、暗黒の力をコントロールする事が必要になるだろう……。俺は暗黒の力をコントロールできるようになるまで……この姿のままで、暗黒の騎士の力を使おうと考えている。暗黒の力をコントロールするためには暗黒の鎧の力が必要だからな。」と言うと…… 神太郎は、「俺は……この姿で戦えば……きっと暗黒の力を制御することができると思う……。俺もこの姿をしている時は、自分の力をコントロールすることが出来てるんだ……。でも……お前の中に居る暗黒の騎士の姿になった時の方が……力が増してるような気もするんだ……。お前の暗黒の騎士の姿を見せてくれないか?」と言われたので……。俺は、「俺は今から暗黒騎士の姿をするつもりだったが、その姿を見せるのは……もう少し待ってくれないか……。今は……。まだ……。」と神太郎に言った。神太郎は、「お前の中に存在するもう一人の神太郎はどうなんだ?」と言ってきたので……
「暗黒の使徒との戦いに勝ったら見せてやるよ。神太郎は……今の俺の姿と暗黒の騎士の姿を見た事があるだろ?」と言ったのだ。神太郎は……うなずいていたので……。俺は「神太郎……悪いが……。暗黒の騎士の姿になれば……暗黒の力を抑え込める自信が無いんだよ……。暗黒の騎士の姿になるには……俺の中にある闇の神の力を封印する必要があるんだよ。」と伝えたのだ。
・リーナは、魔王に攻撃を仕掛けようとしたが……暗黒の騎士の攻撃を防ぐ事ができず……傷つき……膝を着いて、地面に手を着きながらも、攻撃態勢を取っていた。すると魔王が俺を見て「貴方が噂になっている勇者さんですか!?私の邪魔をするなら、貴方から消し去りますよ……。」と俺に向かって言ってきたのである。すると……俺の中から……「俺は、暗黒の力を完全に制御することができる。お前など恐るに足らない存在だ……。」と言うと……。俺が纏っている暗黒の騎士の闇が俺の中に戻り……俺にまとわり付いていた黒いモヤのようなものが全て消滅した。俺は自分の手を見ると……爪が長くなり……鋭い牙を生やし……。瞳の色も黒く変わってしまった。その姿を見ていた皆は恐怖を感じていたが……。
暗黒の神の使徒「そんなバカなことが……」と驚いていたが……。
俺が指パッチンを鳴らすと……一瞬にして暗黒の騎士が姿を現すと……魔王に対して剣を振り上げていた。魔王はその攻撃をかわすことが出来ずに、そのまま切り裂かれたのだ。その光景を見た俺は……意識を失い……倒れそうになったが……。なんとか踏みとどまったのであった。
すると、神太郎が姿を現し……
「俺も協力するぜ……。暗黒の使徒は……神の化身の力で倒せば問題ないだろう……。俺も……一緒に倒す……。お前だけに辛い思いはさせないから……。」と真剣な表情で言ってくれた。俺は「分かった。俺と神太郎の二人で……奴を倒す……。行くぞ!」と言うと……。俺達は、それぞれの暗黒騎士の身体に乗り込んだ。俺は自分の体の中に入ったのである。そして、俺が「暗黒の力よ……消え去れ!!」と叫ぶと、俺の体から、黒い光が放出した。すると、魔族と魔物は苦しみ始め、悲鳴をあげ始めた。その瞬間に、神太郎の体が白い光を放ちながら現れて……。「暗黒神!!お前だけは……必ず俺が滅ぼしてみせる!!」と叫び……聖属性の魔法を唱えた。その魔法を唱えると同時に……。暗黒の騎士の姿が変貌していき……暗黒騎士の身体から白い翼をはためかせた……。まるで……天使のような神々しさを放っている……。
その神々しい暗黒騎士に恐れを抱いた暗黒神の化身であったが……。その隙に……俺も神太郎も暗黒の力を解放して……その力を操れるようになり……神太郎は聖属性魔法と雷の力を融合させ……。俺も魔力を集中させて……暗黒の波動を放ったのである。その二人の攻撃を受けた……神の化身は、避ける事も出来ず……暗黒の神の化身にその攻撃は直撃していたのだ。そして、俺と神太郎は……。暗黒の力を使って、暗黒の神の化身を攻撃したのだった。暗黒の神の化身は、ダメージを受けていたのだ。俺が「暗黒の神の化身……。お前との因縁もここまでだ……。お前に殺された人達も蘇らせてやるぞ。」と俺が言うと……。神太郎「これで終わりにするぞ……。お前は俺の手で……俺達が成仏させる……。覚悟しろ……。」と二人が暗黒の神の化身に言い放ったのである。暗黒神の化身は、「私に歯向かうとは愚かな……。お前達に勝ち目はない……。」と言い放っていた。そして……俺達の連携技によって、遂には暗黒の神の化身を倒す事に成功した。そして……暗黒の力は完全に消滅し……。
この世界に平和が訪れたのである。しかし……暗黒の騎士の姿になっていた時の記憶がない。神太郎によると……。「恐らくだが……。神の化身を倒した事で……元の体に戻れたんじゃないか?」と神太郎は言っていた。俺は「元の姿に戻って良かったが……。なんとなく……今までとは違う自分になってた気がする……。なんかこう……。神太郎のようにカッコよくなってなかったか?」と言うと……。神太郎は俺に近づいてきて「そう言えば……顔立ちも変わった感じはしたが……。お前は間違いなく俺に似ているな……。髪の色とかは違うみたいだけど……。」と言って笑っていた。俺は、暗黒の力の影響なのか?と考えてしまった。
暗黒の神の化身を倒し終わった俺は、神太郎が言ってきた「俺の魂の一部が入ったことで、暗黒の力に飲み込まれずに、自分の力で抑え込む事が出来るようになったんじゃないのか?暗黒の世界に居ても……普通に過ごせているってことだろ?だから……これからは普通に暮らしていても大丈夫だと思うが……。」と言っ てきたので……俺は、「それはそうだね……。」と答えた。神太郎は、何か考えている様子で、考え込んでいるようだったので……俺は声をかけてみる事にした。「神太郎……。何を考えてんだ?」というと……神太郎は……
「俺の力を分け与えてやろうと思ってな……。ただ俺達は元々は同じ人間だったわけだし……。それに同じ肉体の中に魂が存在しているのならば、力の譲渡ができるんじゃないかと考えたわけなんだ……。それに……暗黒の騎士になった時の事を詳しく思い出してくれ……。俺の記憶では、俺は暗黒の使徒と戦う時に自分の力だけでは……あいつを滅することはできていなかったはずだ……。あの力は、本来俺の力じゃなくて……別の人間のものだと考えていてな……。俺に力を授けてくれた人にお礼を言いたかったんだけど……。誰だっけかなぁ~?」と呟いた。
俺には誰かが力をくれたのか分からないけど……。確かに……神太郎には助けられたんだよな……。
俺は「俺が、神太郎に助けられたのは確かだよ……。神太郎はいつも側に居てくれるから……心強い存在だ。」と言ってあげたのだ。神太郎は嬉しそうな表情をして、俺を見つめてきた。俺は照れくさかったので……。目を逸らしたのである。俺は、あることを思いついたので……
「神太郎……頼みがあるんだ……。暗黒の力の影響で……暗黒の騎士になることができるんだが……。神太郎にも、暗黒の騎士になれるようになってもらいたいんだ。暗黒の鎧を使えば……。お前だって暗黒の騎士として、暗黒の使徒と戦う事ができるようになると思う。」と言うと……
「なるほど……。暗黒の騎士になっちまえば、暗黒の力を抑え込めなくても戦えるわけか……。」と理解してくれたのである。
そして、俺は神太郎と一緒に、神界にある暗黒の騎士の鎧のある場所へと向かったのだ。そこには……暗黒の使徒と戦った際に破壊された暗黒の騎士の姿があった。俺は、「暗黒の鎧があるからといって……神太郎にこの姿になれとは言えねぇよな……。でも、暗黒の鎧を身につける事ができれば……。暗黒の騎士の鎧を身に付けることもできるはずだ……。俺と同じように、神の力で作った武器も装備する事も可能だぜ……。どうだ!?やってくれるかい!?」と俺が提案してみると……。神太郎は、
「お前がそこまで俺のことを考えてくれてるなら、やらないわけに行かないだろ!?任せておいてくれ!俺はやるぜ!」とやる気満々な表情をしていたので、俺は安心することができた。俺は「俺達も神の化身を倒して……お前と俺と同じような状況になればいいんだが……。暗黒の力は強大すぎてな……。暗黒の神の化身でさえ……。暗黒の騎士の力を使うことが出来なかったからな……。まぁ仕方ないか……。暗黒の騎士の姿になれば……闇の力をコントロールすることも出来るようになるはず……」と言ったのである。そして……暗黒騎士の剣を取り出して、「これは俺の大切な相棒だぜ!」と言うと、神太郎は微笑み「俺も同じさ!」と言ってきたのである。俺達は握手を交わしてから……。暗黒の騎士の兜を神太郎の頭に被せたのであった。すると……俺の身体から闇が出て行き……闇に包まれると俺は、黒いマントと黒い鎧を身に纏い暗黒騎士となったのである。その姿を見て神太郎は驚いていたが……
「俺も同じようにできると思ったけど……。意外に簡単じゃないか!?これでお前と共に暗黒騎士となって戦う事ができるぜ。」と言っていたのだ。俺は「とりあえず……。俺は一旦神界へ戻って、他の人達に会ってくるから、後でまた連絡をしよう。暗黒の鎧を外せば……元の姿に戻るから心配しないでくれ。」と言うと……。神太郎は納得していたので……。俺は神太郎と分かれて、神界へと戻ったのである。
暗黒騎士の姿になると、何故か俺の心は落ち着きを取り戻していた。そして……暗黒の騎士の力で……一瞬にして神界へ移動し……暗黒神の化身が復活するまで、神太郎の体を借りることにし、暗黒騎士の状態で、皆の前に姿を見せることにしたのだ。俺は「皆の者達……。私は暗黒の神の使徒である、ダークエルフ族を滅ぼした男です。しかし……私が倒される直前に……仲間達は私に暗黒の力と命をくれたのです。そして、その力で……暗黒神の化身である暗黒騎士を倒す事ができました。皆さんのおかげだと感謝しています。ありがとうございます。」と言い放った。
すると、聖の女神は、「そんな事気になさらずに……無事で本当に良かったわ。暗黒の騎士が貴方であるならば……話は変わりますが、今のままでは、まだ魔王を完全に滅することまでは至ってないようですね。あなた達が倒した魔王の力の欠片が残っていますね。この世界を暗黒神の化身の暗黒の力から守る為には、魔王を消滅させる必要があります。」と話してきてくれた。
聖の使徒である神が、「それは……僕に任せてください。この世界の為になることでしたら……。」と言うと……聖の女帝も聖の騎士も「私達にも協力させて欲しいわ。この世界の為に協力は惜しまないわ。」「僕も頑張りますよ。」と言っていた。
そして、聖の勇者も俺に対して話しかけてきたのである。「暗黒の神の化身を倒されたということは……。この世界を破滅の危機に陥れていた……魔族を滅ぼす事ができるかもしれませんね。僕はこの世界に生きる人達を守りたくて……。聖の加護を受けた光の剣を持って、魔族と戦っていました。暗黒の力も少しは使うことは出来ていましたが、本来の力で戦っていたわけではないので、本当の実力を発揮できなかったんです。しかし……貴殿と神太郎さんがいれば……この世界を救う事が出来るでしょう。暗黒神の化身は、復活までに時間がかかっております。今は……魔族の王の復活に備えておきましょう。そして……復活したら……。必ず倒しましょう。」と言ってきたのである。
俺「そういえば……神の化身は言ってました。魔の者を倒すには……神の力が必要だと……。しかし……この世界に存在している神々の力は……魔のものによって、力を削がれています。この世界に元々存在していた神の力を復活させて貰う必要もあるかも知れません。私には神の言葉を聞く力があります。この世界に眠っている神の言葉を……目覚めさせる事ができたら……。私達がこの世界に召喚されている間、この世界に眠っている神の力を使って戦う事ができると思います。」と話すと……。神の化身は……俺達が戦っている間は、神界に戻り、力を回復させながら、俺達のバックアップをしてくださるそうだ。
そして……俺は【交信】の指輪の通信機能を開放して、ユージ君を呼び出してみたのだった。
ユージ君は「タケル!!お前が無事に戻ってきたと聞いて安心したよ。それに……暗黒の神を倒したんだな……。俺はお前のことを誇りに思うぞ。それで……お前の仲間達はどうしてるんだ?」と聞いてきてくれた。
俺は「まず最初に報告したい事がある。実は……俺の魂の一部を神が預かってくれたんだ。俺達は今、神の化身と戦っていたんだ。その結果、神は神化の状態になり、神として覚醒する事ができるようになったんだ。だから……俺と神太郎が融合すれば……もっと強くなれると思うんだが……神の化身は、俺達と融合することを嫌がってな……。神の化身は自分の身体を取り戻す事に専念しているようなんだ。俺はこのままじゃ……この世界を救えないと考えている。だから……俺とお前の力を貸して欲しいんだ。俺は神の力の一部を持っているんだが……。俺に宿るはずだった神の力の一部を分け与える事ができるんだ。だから……頼む。」とお願いした。
ユージ君は「なるほどな……。神の化身は……確かに強いしな……。でも俺だって負けないくらいには……強くなったんだぜ?俺と力を合わせようぜ!俺の事は心配ないさ。」と言ってきた。俺はユージ君の気持ちを考えて「お前の強さを信じてもいいのか?」と言うと、
「当たり前だろ!俺も神化の力の一部を持っているみたいだけど……それはあくまでも一部に過ぎないだろ?神の力を使いこなすためには、その使い方を知っているお前の力が必要なんじゃないか?」と言ってくれたので、俺はユージと一体化することにしたのだ。そして、俺達二人は暗黒の騎士の姿となり……。俺は、暗黒の騎士の姿になると……心が落ち着く感じがしていた。俺は、自分の心の中を見つめていると……。俺はある事に気づいたのである。「なんだか……神太郎の記憶が俺に流れ込んでいるようだ……。」と思っていたのだ。俺は神太郎の過去を見つめていたが……。
「神太郎は……やはり神の力に目覚めたからなのかな……。暗黒の鎧を装着しただけで……俺の心の中を覗き込んで来た。俺はその事が少し恥ずかしくてな……。つい神太郎に冷たく当たっちまったけど……あいつは、優しい奴だってわかったんだよ。俺は、今まで自分が弱いから……他人にも優しくなれないと思ってたが……神太郎に会えて良かったよな……。あの時は本当にすまないな。俺はお前を誤解していたが……。お前がいなかったら……この世界を平和に導くことも出来なかったかもしれないもんな……。」と思いを馳せていたのだ。すると……俺の目から一筋の涙が流れてきたのであった。
すると……。暗黒神が、「暗黒の神よ……再び姿を表せたことを光栄に思いなさい……。私は、あなたを消滅させることに成功致しました……。あなたが復活してくるまでの間……。あなたの力を我が身に取り込み、私は新たなる力を身に着ける事に成功しました……。今こそあなたを倒し……世界を救済して差し上げましょう……。あなたは暗黒の神と呼ばれておられますが……元々は暗黒神と敵対していた闇の神と呼ばれる存在に力を貸されていたのです。今……私に全ての力を与えていただき、この姿になることができたのは、貴方が私に力を貸されていなければ、成し得なかった事なのですよ。貴方は暗黒神と名乗っているだけの事しかできないのです。」と自信に満ちた顔をしながら俺に話しかけてきたのだ。俺は「ふぅ~ん……。暗黒神は暗黒の神なんだな……。神を名乗れる資格はあるのかも知れないが……。神じゃないからさ……。神になれなかったから神を名乗ったというわけだな。まぁそんな事はいいんだけどさ……。あんたも随分と面白い事をやってくれるじゃないか……。俺と似たようなことをやろうなんてさ……。俺の力を奪ったとしても、そんな事ができるわけないだろうが……。いいぜ……。相手になってやるさ……。俺は絶対に勝つけどな……。」と言い放った。すると暗黒神も、余裕の表情を見せて「いいでしょう……。この世界の神がいなくなった今ならば……あなたと戦う事ができるでしょう……。では……。私の技を受け切ってください。【暗黒剣 闇斬撃・極黒】!!」と言って暗黒神の化身の攻撃が向かった瞬間……。
暗黒騎士となった俺は一瞬で暗黒騎士の姿から元の黒いオーラを身に纏った状態に切り替えて暗黒剣を出現させると、「この世界から去れ!!はあーっ……。」と言うと、凄まじい衝撃音が鳴り響きながら暗黒騎士が放った攻撃を跳ね返したのである。
俺は「これで終わりか……。呆気ない幕切れだったな……。」と暗黒神の首を暗黒神の手ごと切り落とし……そして暗黒神の本体を光の槍で串刺しにしたのだった。そして俺は、暗黒騎士の姿を解除して……ユージ君の中に戻ったのである。そして……。
ユージ君は「やっぱり……。俺達二人でなら無敵だよな。俺はお前の力になれると思ったし、俺達は、お互いに同じ考えをしていたんだと思うよ。」と言っていたのだった。そして俺はユージ君と一緒に、仲間達の待つ場所に戻ってきたのである。
聖の勇者「暗黒の騎士殿、無事で良かったです。神の化身との戦いが激しかったみたいなので心配でした。暗黒の騎士殿と勇者殿のお二人のおかげで、この世界に潜む魔族の脅威を払うことが出来そうです。」と言っていた。
すると、聖の使徒は「魔族とは……元は我々と同じように人間から生まれたもの……。それがいつの頃から、邪悪な力を手に入れて魔族になってしまったのです。しかし、元はこの世界に元々存在した種族なのですが、邪悪な力を手にすると、理性を失い魔の眷属となってこの世界を混沌へと導こうとしている者達なんです。僕達、聖の女神の化身も……暗黒の神の化身を倒せるかどうかは分かりません。暗黒神の化身が復活するまでの時間は長くはないはず……。魔族を倒すためには……神の化身の力が必要となりますが……。私達にできる事があれば協力しますよ。僕は神の言葉を聞く能力がありますので、僕が魔族の王を復活させる方法を探しましょう。」と話してくれたのだった。
ジーク「私にも協力させて頂けませんか?」と言ってきていた。
リーナ「私は、暗黒神の力が宿る指輪を持っていますので、暗黒神が復活する時には……きっと私が選ばれる事になると思います。」
と二人が言ってきたので、 俺「わかりました。私達には、この世界に来てからの協力者がいてくれますので、その人達に協力してもらいますね。まずは……神の化身が復活した時のために……暗黒の騎士の姿になった時に使える、神の力です。これを……皆さんにも覚えてもらえたら嬉しいと思います。この力を使う事で、一時的にでも……神の化身と同じ力を使うことができるようになりますので……。それでは私達の世界に戻ることに致しましょう。私達の仲間の所に戻って……色々と報告しないといけません。それに……ユージ君が持っていた神化の指輪はどうするべきか……。これは……ユージ君に託します。」と俺がユージに話した。
ユージ君は「えっ!?俺はこの世界でずっと暮らすんだぜ?お前に託すのは間違ってるだろう。」と言ってくれたので、 俺「いや、お前にしか頼めないことなんだよ。俺達の魂は融合したといっても、俺は俺として生きている。そして、お前には……暗黒の力が封印された状態で宿っているはずだ。だから、暗黒の力を扱えるようにするためには……ユージ君が暗黒の力を手に入れる必要がある。だから、ユージ君が持っている方がいい。俺は……お前に俺の力を託したいと思っている。そして……俺が宿るはずだった暗黒の力がユージ君の中に入る。それで、ユージ君は暗黒の力を得る事ができ、神の力を得ることができるって訳だ。そして……俺の魂の一部は神の身体の中に戻される予定だ。だから……俺の意識はなくなるけど、神として俺の代わりにこの世界を守って欲しいんだ。頼む。」とユージに頼み込んだ。ユージ君は、少し考えて「わかったよ。タケルは神としてこの世界を見守らなければいけない存在なんだよな。わかった。この力を有効活用させてもらう。」と言ってくれていたのだった。
ユージはユージで自分の役割を見つけたのだなと感心してしまった。
そして俺は、仲間に暗黒神の復活のことを話し……。
暗黒の力を扱えるようにするため、【暗黒騎士】に変身する為の方法を教える。
暗黒の神の化身と戦った話を皆にして……ユージに俺が暗黒の力を受け継いだ事を話す。
そして俺は、暗黒神をこの世界に戻すための作戦を考えたのであった。
俺の作戦を実行するために……【時空移動】で一旦ユージ君の自宅に全員集合してから……【神界転移】で俺達全員が暗黒の神の城に戻ってくる。そして……神界から再び【神界転移】を使って……再び暗黒の神の城まで戻って来たのである。暗黒神の化身が復活するまで……時間はあと僅か……。
暗黒神を復活を阻止するために、神の化身が復活を阻止する為に必要な条件は2つ……。
1つは、神化の状態になり、その力を引き出す為に必要だった神剣を持つ者の存在……。
2つ目は……この世界に潜む魔王と呼ばれる存在である。
この2つが揃っていれば……俺の立てた仮説は実証される事となる。1つめの条件である……神剣を持った者がこの場にいた。
俺がユージに、「お前が持っている暗黒の神剣を貸してくれないか……。それを貸してくれた時……お前は俺がこの世界を旅する事を許してくれると約束してくれるよな?」と聞くと……。
ユージは、「いいよ。貸すから、俺が旅に出ることを許してくれ。その代わり、必ず……この世界を救ってくれよ。お前が居なければ……こんな事にはならなかったかもしれないんだ。この世界を……頼むよ……。俺の大切な友達を……」と言ってきたので、「任せろ!お前に頼まれなくても、俺は俺のしたいようにするからな!」と言って暗黒剣を受け取り【暗黒騎士】の力を発動させる……。
そして暗黒騎士となった俺は、再びユージの姿に変わっていたのだった。
すると……「おいっ!!どういう事だよ!!なんで、また暗黒騎士の姿になっているんだよ!!しかも今度は……勇者の姿になってるじゃないか……。一体何が起こったっていうんだ……。説明しろよ!!なぁーっ!!おい!!なぁーっ!!返事をしろよ!!どうして俺が勇者になってるんだよ!!」と俺に怒っていた。俺はユージが俺の気持ちを理解していない事が悲しくなって「もう……。お前と俺とは……別の人間だと言ったよな。確かに暗黒の神の力を手にした俺の事を理解してもらうのは難しいと思うし……。お前も混乱するのも分かるよ……。だけど、今は俺のやりたいようにさせて欲しい……。お前だってそうだろ?俺と出会っていなかったとしても……今のお前と俺は違う人格だし、考え方が違うはず……。だから俺とユージとは別々の存在なわけなんだ。それはわかってほしいんだ。そして俺は暗黒神を復活させないためにも、暗黒神の化身と戦い、倒すための準備をしていたわけなんだけど……さっき言った通りに……暗黒の神の化身は暗黒の神じゃなかった……。俺はこの事実を知ってショックを受けたけど……。それと同時に俺は思ったんだ。暗黒神は暗黒神じゃないのなら……もしかしたら、神の化身が復活するときに、暗黒神の化身の身体に乗り移ることができるんじゃないかと思ったわけさ……。そう考えることで……俺は……希望を見出すことができた……。だから、神の化身は神じゃないけど神の化身として復活するんだ……。俺はその神の化身に賭けた……。俺達では……あの化物には絶対に勝てないからな。そして……神の化身が復活すれば……この世界を暗黒の世界に導く事ができるのは……その神の力だけだからだ……。つまり、神の力は、暗黒神を倒すことが出来るのは、神の力しかないと分かったんだ。暗黒の神の力だけではないということだ……。神の化身が復活したときこそ、神の化身と融合している暗黒騎士の俺は暗黒神の化身を倒し、暗黒の神の化身を復活させる。それが俺の計画だったんだ。俺はお前にそれを頼んでいるんだが……。お前が勇者として戦うのは当然だと思う。だから、俺の事は気にせずに勇者として戦ってくれればいい。」と言うと……。
「そういうことか……。でも……本当にそんなことができるのか?」と不安げに聞いてきているユージに……。
「もちろん、俺にだって自信がある訳じゃない……。でも……。やってみなきゃわからないだろ?俺の予測は外れてしまったが……それでも俺は暗黒神の復活は阻止したいし……このまま暗黒神が復活するのを放っておくことはできないと思っている。だからこそ……俺の仮説が正しいのかを確かめるためには……やるしかないと思っている……。でも正直言うと怖いよ……。今迄……自分がしてきた行いを全て忘れてしまうのだからね。それに、ユージ君には申し訳ないとは思っているけど……、もしも……失敗した時は……その時はその運命を受け入れようとは思うけどね……。まあ……失敗なんてするつもりはないけどね……。もし、仮に失敗するようなことがあったら、俺の身体の一部だけでも……復活させてもらっても構わないかな?ユージ君……。それと俺に宿る予定だった、神化した時の肉体だけは蘇らせてもらえるとありがたい。」
と話すと……。ユージ君は、「わかったよ。俺にはタケルの考えがよく分からない。お前が考えている事を理解できたかと言われれば難しい……。だけど、この世界を救うためにお前が必死で頑張ってきたことを知っている。お前は俺の憧れの勇者だったんだ。だから、最後まで信じてみることにするよ。そして俺の命に変えても……。お前のことは守ってみせる。」と言ってくれたので嬉しかった。ユージ君はやっぱり俺の親友なのだと実感した。
「それでは皆さん……。行きますよ。皆さんにも私の神化の状態になれる方法を伝えましたが、もう一度念の為に言っておきますね。まずは【精神集中】をして下さい。そして【精神統一】を行います。そして【聖魔法:身体強化(レベル9)】を使ってみて、自分に何か変わった事が起きていなければ……【聖魔法:暗黒騎士(闇耐性+100 暗黒力+100 暗黒神の化身が放つ暗黒の力への耐力+100 全能力UP)】という呪文を皆さん唱えるだけで、神化の状態になることができますので、覚えておくようにしてくださいね。
私の場合は、この姿のときは暗黒騎士としての技を使う事ができ、神化している時には、神聖魔法が使うことが出来、暗黒騎士の姿のときに使える全てのスキルを使うことが可能になり、暗黒神の力を使う事が出来るようになりますので、私達が神化をしたときの姿を思い浮かべながら覚えていて欲しいです。そして暗黒騎士の時に私が【精神転移】で皆さんの中に入れるようになり、皆で協力してこの世界を救う為に戦いましょう!」と言って俺は仲間と共に【神界転移】を発動させたのであった。
→ 20時間後…………。ついに復活の時間が訪れた。暗黒神の化身が封印されている棺の前に俺達は【時空転移】の術を使い……姿を現すと、そこには、神界から現れた神化をしている暗黒神がいたのである。そして……【鑑定】してみると、名前が変化していたのであった。
【ステータス画面】
名
前 :暗黒神ダークゴッド
(仮 称)
種
族:悪魔
年 齢:50歳
性別:男
体 力:3800万
魔 力:4000億 知力:2600億
武 器:
暗黒剣 暗黒鎧 レベル:460
生命力 440 最大魔力値 2900億 攻撃力 3000万~5000万 防御力 2500万~5300万 敏捷性 2700万~3200万 状 態:死亡→完全神格
「うぉー!!本当に復活するぞ!!!しかも……ステータス数値まで跳ね上がっているじゃないか!!」と俺が言うと……。
ユージは、「おいおい……マジなのか……。復活させちゃったじゃん……。」と言って唖然としていたのである。そしてリーナちゃんが、神の化身が放った【時空移動】によって、この世界に連れて来られ、俺達の仲間に加わった。
「皆さん。私は神界の神殿にある聖域を守る役目を果たしていました。暗黒神が復活しようとしていて、その動きを止めようとしたところまでは記憶があるのですが……それからの記憶が曖昧なのです……。気が付いたらこの世界で意識が戻っていまして……何が何だかわからないまま……ここにやってきていたのですよ。まさか、神の化身さんが復活してるとは思っていませんでした……。これからは神の化身さんのことも信じていますので、どうか宜しくお願いします。」と言って仲間になってくれていた。そして……暗黒神の化身が封印されていた箱の中から這い出て来て、「ふっ……。どうやらお前らはここまで辿り着いたようだな……。まぁいい……。ここからは……我のターンだ!いくぞ!!はぁーっ!!!」と暗黒神の化身が攻撃を仕掛けてきたが……ユージは、勇者のスキル【瞬歩LV10】で瞬間移動しながら攻撃を回避していき……。暗黒神の背後を取ると…… ユージは勇者の力を発動させ、勇者専用の武器に変形させ……【勇者必殺・斬光一閃!】を発動させ、一瞬で5連続攻撃をしかけていった。しかし……【物理防御】で防がれてしまったのだ。だが……その一瞬の隙をついて、ユージは剣を盾にして、そのまま突撃をしかけていき、暗黒神の化身に一撃を食らわせたのである。そしてユージはそのまま暗黒神の化身に近づきながら……勇者の力を発動させると同時に、ユージは暗黒神の化身が使っているスキルと同じ、勇者の力を発動させるように見せて、自分の持つ固有能力を発動させてから暗黒神の化身に攻撃を仕掛けていった。そして……ユージの攻撃は全てクリーンヒットして……ダメージを与え続けていたのだ。そして……そのタイミングを待っていた俺とリーナちゃんとユージの嫁ズは一斉に暗黒神の化身に対して攻撃を始めた。俺達はそれぞれ固有の必殺技を駆使して暗黒神の身体を切り裂いた。
暗黒神の弱点は知っていた。俺は神眼を使い暗黒神の身体を調べていき……心臓の位置を確認してから……神の力を解放すると同時に暗黒神の化身に突きを放った。すると……俺の神力が一気に暗黒神の化身に吸収されていくと……俺の持つ神剣の威力も加わり、暗黒神の化身の胸部を貫き……心臓を消滅させたのだった。
そして……暗黒神の化身にダメージを与えることに成功したのだった。そして、ユージも……暗黒神の身体の胸辺りを狙って勇者の力を込めた光の刃を突き刺したのである。
しかし……まだ生きていた暗黒神の化身に……俺とユージは攻撃されそうになっていた。
ユージは、【超速回避LV9】を使って、暗黒神の攻撃をかわして暗黒神の腹部に蹴りを入れて、俺は暗黒神が放ってきた闇魔法を聖力で相殺していった。そしてユージは……暗黒神の頭部に剣を振りかざした。暗黒神は頭上に腕を掲げてガードしようとしたが……。
ユージは、勇者の固有能力の一つである【無音移動】で……ユージの足の裏と地面との摩擦を完全にゼロにし、ユージは瞬時に、暗黒神の後ろを取り、暗黒神の首目掛けて剣を一振りしたのだった。その結果……俺とリーナとリリアは……再び暗黒神の化身に斬りつけ……アイリスとミリアは、ユージとユージの仲間のみんなと共に、連携をしながら、次々と暗黒神の化身を攻撃し続けていった。そして…… 暗黒神の化身は……とうとう倒れたのだった。そして……俺達の勝利が確定した。暗黒の神の化身に勝てるなんて……夢みたいだと俺は思ったのだった。
暗黒神の化身に勝ったと思った直後…… 暗黒の神が復活して……「お前達ごときに我が滅せられる訳がない。貴様ら全員死ね……」と言い残して、自ら死んだのであった。その直後、暗黒神が復活したときと同じように、この世界を暗黒空間へと変えたのだ。そして暗黒空間から現れた、暗黒神よりも更に禍々しい気配を感じて振り返り見てみると…… 俺とユージは同時に叫んだのである。
そこには俺達の知っている神ではなく……。神化した暗黒女神の姿があったのである。
ユージと俺が戦っている間に……俺以外の仲間が俺の元に来ていた。ユージは自分の妻であるアーシア王妃にリーナちゃんを任せて……アイシスさん達の元に駆け寄っていたのである。そして……。アイシスさんは、ユイを庇いながらもユージに何か指示を出していたようだったが……。
俺はユージの方を見ながら、「大丈夫か?」と聞いたが、ユージは「あぁ……問題ない……。それよりタケル。あいつはかなり強いから、お前の出番になると思う。頼んだぞ!」と言ってきたので、「わかったよ。俺に任せてくれ!」と俺が言うと……「おう!お前を信じているぜ!」と言って……俺は自分の家族を守るために、暗黒神の化身と対峙したのである。そして……。【ステータス画面】を見ると……。
【ステータス画面】
名
前:暗黒神
レベル :420
種 族:悪魔
体 力:48000
魔 力:56000
攻撃力:7800万
防御力:5400万
敏捷性:3900万
状 態:完全神格化 暗黒神の力は……レベル416のときに戦った時と比べて……段違いに強いものだった。これは本気でやらないと……負けてしまうかもしれない。
「はっ!!」
と俺が気合いを入れ直してから、【神気解放(+500)】をすると……。俺のステータスが飛躍的に上がっていった。そして【神威】を使うと……俺の背後に6本の巨大な黒い剣が出現して……俺の意思通りに暗黒神の化身を追尾し始めたのである。俺のスキルで作り出した黒龍と神鳥達も暗黒神の化身に対して攻撃を開始したのである。暗黒神の化身は、闇のブレスを放ち、神鳥達を破壊しようとしたが、暗黒神の化身の目の前で【空間転移】で移動すると、【暗黒剣】で暗黒神の化身を切りつけたのである。しかし……俺の放った暗黒神の化身への攻撃が命中することはなかった。暗黒神の化身の周りに暗黒結界が発動して、暗黒神の化身を守っていたのである。そして、暗黒結界の中に入ると…… 暗黒神の化身が暗黒の球体に包まれていたのであった。俺には暗黒神の化身の攻撃は、全く効かなかったのだった。暗黒神の化身が放った暗黒球は、暗黒神の化身を飲み込み破壊しようとした。しかし、暗黒結界の中にいる限りは、暗黒神の化身は、ダメージを受けることはなかったのだ。そして……俺が作り出した無数の暗黒神の化身は、暗黒神化していた時の俺のように、自由自在に飛び回ることができるようで、暗黒神化していなかったときの俺と同じ動きをしていたのである。
そして……暗黒神は、暗黒結界で俺の作った暗黒神化していない俺の分身を吸収しながら俺に近づいて来たのだ。
暗黒神の化身は俺に近づき攻撃しようとしてきたが、それを俺が【暗黒障壁】で阻止している間に……俺は暗黒神の化身を倒そうと試みたのだが……やはり攻撃は届かなかった。
そして……暗黒神の放った闇の槍は俺の作った暗黒神の化身を貫いた。
すると……その隙をついて暗黒神の化身が暗黒の波動を放つと……【暗黒障気】が発生したのである……。
俺は……暗黒神の化身が放った暗黒波動によって、俺が作った【空間移動】のスキルを持つ俺の偽物達が全滅させられたのを察して……俺本体を暗黒神の化身の正面に移動させて、神力を限界まで引き出し、俺の全力攻撃を発動させていった。すると俺の【神力開放】と【光の神眼】の【全能力値倍加×10】の効果が乗算され、俺のステータスが跳ね上がったのだった。さらに……俺の神力が溢れ出したことで……俺の後ろに出現した暗黒剣と神剣と魔剣が全て俺の支配下に入ることになったのである。これにより……俺は暗黒神の化身を倒すことに専念できるようになり、俺は【超速再生】を発動させると……神剣・改・真を使い……神力で作り出した漆黒の斬撃を次々に暗黒神の化身に向かって撃ち込んでいった。暗黒神の化身は……闇属性最強の暗黒魔法【絶対防御陣】を発動させた。
俺の繰り出した斬撃が【絶対防御陣】に衝突すると同時に……俺のスキルの効果と……俺と【絶対防御陣】がぶつかり合ったのである。【絶対防御陣】を破壊するために俺は何度も斬撃を飛ばしていき、ついに……俺の繰り広げた攻撃は【絶対防御陣】を打ち破ることに成功をして、俺の攻撃が暗黒神の化身に届いたのである。しかし……俺の攻撃を【物理耐性LV10】を発動させてダメージを防いだ暗黒神の化身は……
「ふっ……」
と言う笑みを見せて……一瞬で俺の視界から消え去ったのだった。そして……俺は後ろから暗黒神の攻撃を受けたのだ……。
俺が後ろを振り向くと……そこにはさっきまでいなかった暗黒神の化身の分身体がいたのだ。暗黒神の化身を俺とユージのみんなは、一斉に攻撃をしかけてきた。
そして……
「はぁああ!!!」俺とユージのみんなとリリアは暗黒神の化身を攻撃し続けた。暗黒神の化身のHPが残り2割になったときに……暗黒神は新たな能力を発動させた。暗黒神が纏う暗黒のオーラが強くなって……暗黒神から禍々しい邪気が放出されていったのだった。俺は咄嵯に危険を感じ取り距離を取ると、リリア達にも指示を出して……退避するように伝えた。
暗黒神が放つ暗黒の力が暗黒空間を広げて、暗黒神の力を高め始めたのだ。そして暗黒神の身体にヒビが入り、暗黒神の化身が現れた。暗黒神の化身が現れても暗黒神の暗黒の力は衰えずむしろ増大していった。そして暗黒神は俺達に攻撃を開始したのである。まずはユージ達に向けて……広範囲の【暗黒球】を放ったのである。
ユージ達の仲間の一人が回避してユージに合図を送ったようだったが……。ユージの仲間の一人が回避に失敗して……暗黒神の化身の放った【暗黒球】に飲み込まれて消滅した。ユージの仲間の二人はユージに指示されて、ユージの妻アーシア王妃にミリアと共にユージの傍に駆け寄ったのだ。
そして……【暗黒空間】という能力を使ったのか……暗黒空間にユージ達を飲み込んだのだった。ユージは【無音移動LV10】を使ってユージの仲間の二人を助けに行こうとした瞬間……【暗黒神化】の能力で……暗黒神が暗黒の球体に変化し、暗黒神の身体が破裂したように分裂すると、【空間操作】と【転移】のスキルを持つ暗黒神化状態の暗黒神に変化したのであった。暗黒神化した暗黒神が【暗黒球】から飛び出してきて、リリアとアイシスさん目掛けて攻撃を始めたのである。そして……
「私に任せて!お姉ちゃん!!」
と言ってアイシスさんは……暗黒神の攻撃を受け止めていたのである。
「わかったわ!!私はこっちを引き受けるから……。」
と言ってリリアはアイシスさんに加勢して暗黒神と対峙した。
そしてユージとユージの仲間たちと、アイシスさんとアイシスさんの部下達も協力して……俺以外の全員が戦闘態勢に入っていったのである。
俺は……【鑑定のスキル書】を使い……みんなのステータスを確認して……【解析のスキル】と併用して……ステータスを見た上で作戦を立てた。そして……。俺がユージ達に攻撃の指示を出すと……。
「わかった!任せておけ!!」
とユージは返事をした。俺は続けて……俺のステータスを確認するように伝えると……。俺のステータスを見て……ユート達は驚きの声をあげたのである。俺は「みんな、準備してくれ!」と言って……俺は暗黒神の相手をすることにして、俺はユーゴ達の方に向かったのである。そして……。俺は暗黒神の相手をしながら、ユージの仲間の二人が暗黒神の化身を倒したことを見て安心したのである。暗黒神の化身が消えたのを見届けると……。俺はユートの方に振り向き……。暗黒神が【時空結界】を使っているうちに倒すことにしたのだ。
俺と暗黒神との戦いが始まったのだが……俺が【超速再生】と……
「はっ!!」
という気合いを入れてから……俺は暗黒神の作り出した【時間停止の世界】の中で、神力で作り出した漆黒の刀を手に持って……。神力で作り上げた漆黒の鞘に暗黒剣をしまうことで【完全状態異常無効(レベル9)】と【完全気配感知】の効果が重複発動された。俺は……【時空間移動】を使い、暗黒神との距離を縮めながら……。俺の攻撃範囲に入った瞬間に俺は攻撃に移った。そして……俺は神気と覇気と神力を込めた一撃を暗黒神に放っていったのである。
俺は暗黒神の動きを予測していたので、【完全予測】を使い暗黒神の繰り出すであろう全ての攻撃を完璧に見切り、俺は【絶対命中】を使い暗黒神の顔面を切りつけ、俺は暗黒神の腹を刺し……そして【絶対貫通】を発動させて暗黒神の体内にある闇のコアを切り裂いたのである。すると…… 暗黒神の化身と暗黒神の本体である闇の神は……同時に崩れ落ちて、消滅してしまったのである。
すると暗黒神がいなくなった事により、暗黒結界は消失して、暗黒空間の【転移門】は閉じられた。俺が【完全状態異常耐性(Lv8,10)】で耐性が上がっていて……更には【超回復】を持っていたことで……暗黒神の闇の波動と暗黒神の化身の闇の波動と暗黒神の化身の化身が放った【暗黒波動】と【暗黒波動】を完全に打ち消していた事で……【超再生】の効果と【超高速再生】ですぐに傷を治せることができたからこそ倒せたのだと改めて思いながら……俺はユーノのところに向かった。
**+610,000+304,000+12,000(60億+1兆倍化)
+5000,000 俺は……ユーヤ達が戦っているところに向かって【空間跳躍】を使い……。ユーノ達の戦いを見守った。
ユーキが放った聖属性と神聖魔法の複合技の魔法陣を【空間魔法】と【魔力支配】を発動させた状態で、俺とユーラとジークが【魔力制御】を発動させて……。俺の魔法陣をユーキ達が魔法陣を発動させてユーヤのいる場所に魔法陣の転送を行い……魔法を発動させる手はずになっていたのである。俺は魔法陣が作動したのを察知すると……。魔法陣の中心にユージとユーナとユイが居たので……。ユージが居る場所に瞬間移動した。
「みんな、ユーマが助けてくれたよ……。ありがとう……。ユートはユーコに……」
「ユーオ、ユータ、ユージ……。ユーシとユカが……死んだよ。でも、もう終わったから……。これからが本番だ。暗黒神の本体を倒して……ユールを救う為に戦うぞ!!!」
と俺は仲間達に伝えたのである。
暗黒神が消え去り……ユージとユーナが俺の元に近づいてきた。
「ユーグさん、さっきは……ユージとユーナは助かった。本当に感謝しているよ。俺は……あの暗黒神と戦おうと思ってたんだ。しかし……君がユートと一緒に来たということは……。何か策があるんだね?」
と聞いてきたので、俺が「もちろんだ」と言うと……
「ならいいさ。俺たちもやれるだけのことをやる。俺の仲間達にも伝えておく。俺の仲間は……。今、暗黒空間を抜け出そうと戦ってる……。だから……早く行かなければ……暗黒神様が……」
「わかってます。俺の仲間の三人は強いですから心配はないでしょう。しかし……ユーヤとユーリが暗黒神と融合したら厄介なので……まずはユーヤとユーリを救いましょう。それと……暗黒神は……ユートの嫁のミレアさん達三人が相手しています。そして……ユーゴ達とユート達の仲間とユーシア達の仲間で、暗黒神の相手と戦い、俺とユーオで、暗黒神に融合されたユーリャさんを解放してユーリを助けに行きます。」
ユージが俺の提案を聞くなり「わかった!頼む。俺はみんなに声をかけて準備をしてる。ユーシアには連絡済みだ。それから、君の仲間にもよろしく伝えておいて欲しい!!」と言ってくれたのだ。俺はそれを聞いて「了解!任せて下さい。」と言った後に【空間跳躍】を使い……リーナと合流してから……俺達4人で【空間転移】を使ってユーリャがいるところに行ったのである。
**"勇者ユウイチ視点""勇者ユウコ視点"ユートの妻である三人の女性達は……自分達の力の限界を感じ始めていたのである。なぜなら……自分一人で戦う事が出来ても限界を感じていたからである。なぜなら……。この世界の魔王であるユーリャと戦う為の武器がなかったからだ。自分達が持つ攻撃手段では……。ユーシャとユーシの力を最大限に引き出しても、ユーリャを圧倒しきれないと考えていたからであった。
ユーウは、暗黒神の化身と戦っていた時に感じたユーウの身体に流れる血が疼く感覚がしたのだ。すると……ユーウは自分の中でユーアとユウシに呼び掛けて……。暗黒神の力を封印する術式の解析と発動方法の確認を行う事にしたのであった。
**ユーヤ達とユーシ達は……それぞれ戦いを続けていた。
ユーシは……自分の中に流れる暗黒神とユーヤ達の中に流れている暗黒神の化身の力とが……ユージの暗黒神の力がユーヤ達の暗黒神の力と混ざり合って一つになったことで……さらに強大な力を持つ存在になっているので、自分がユーマ達に加勢する事が出来ない状況であると理解してしまっていた。そこでユーシはある決断をしていた。それは……ユーシア達から預かっている魔剣に、【聖なる光の矢】のスキルと【浄化のスキル】の魔法陣を組み込んで……【聖光矢】にして放つことにしたのである。
ユーシスとユーコは、ユーリャの繰り出す攻撃をかわしながらも攻撃を加えていたが、攻撃を加えるたびにユーリから供給される力が減少していき、その事が二人の表情に現れ始め、ついに……。
二人はユーリャの攻撃をかわすのが難しくなってきていたのである。
**暗黒神ユーリャのステータスについて
暗黒神ユール 職業:暗黒女神 性別;女性 年齢;15000才 HP/生命力/最大MP(魔力)/力
(物理攻撃力防御力)/知力
(精神魔法攻撃力魔法防御力)
レベル1 職業技能=職業レベル10 暗黒魔術10レベル 武術10レベル 特殊ステータス= 体力 70億/740億 魔力 90億/100億 攻撃 620万+50億 防御 512+100 俊敏 444万+120 幸運 1080 耐性属性 全属性 弱点属性 光・闇属性ダメージ50%上昇 暗黒神ユートの加護を受けています 固有スキル= 【時空間移動】
暗黒神の使徒(レベル10)
【時空間操作】【超絶成長促進】
暗黒神の化身 【悪魔召喚】
【暗黒波動】
【時空間転移】【超回復】
【自動蘇生】
その他:暗黒神の使徒が所持するスキル
※レベルはMAXの数値を表示 【時空間支配】
レベル10 【時間操作】レベル10【加速世界】レベル10【停滞】レベル10【空間支配】レベル10【転移門】レベル5【時空間転移】レベル10【亜空間】レベル10 レベル2→レベル10 【重力操作】レベル3 レベル3→レベル10【時空間干渉】レベル3【重力無効】レベル10【時空耐性】レベル10【時空移動】レベル6 【暗黒波動】【時空破壊】
レベル8 【暗黒神の祝福】
レベル3 【神域結界】
レベル6(MAX)
【聖神の結界】
レベル6(MAX)
【神の裁き】
レベル6(MAX)
【神の呪い】レベル6(MAX)【神の祈り】レベル6(MAX)レベル4(未習得)→【神眼解析】レベル10(MAX)【完全状態異常無効化(Lv8,10)】レベル10(MAX)【超高速再生】レベル10(MAX)【神速飛行】
レベル10(MAX)【絶対回避】
レベル10(MAX)【絶対命中】
【絶対感知】
レベル10(MAX)【絶対言語】
【絶対鑑定】
レベル10(MAX)【未来予測(1秒)
】
【暗黒のオーラ】
《効果》【暗黒神の化身の使徒(暗黒神の化身を倒せないが融合される可能性がある)】
**ユーヤ達が戦った結果について ユーキ達は、この世界での勇者であり最強である男を先頭に暗黒神との戦いを始めた。ユーキは、暗黒神様を開放して……俺の元に来るように指示を出して……暗黒神様が来られるように道を作る為に魔法を唱えた。"聖なる炎よ我の呼び声に答えよ 暗黒を祓う焔よ 我の元に降臨せよ 聖なる聖炎"ユーキがそう唱えると……暗黒神が纏っていた邪気を浄化するように聖なる聖炎が燃え上がり、暗黒神様と暗黒神の化身が分離し始めた。すると暗黒神の化身が動き始めて……ユーヤ達と戦闘を行っていたユーキの仲間たちと暗黒神の化身に融合したユーヤ達と戦闘を行っているユーシアとユーナとリリイとリリスを攻撃し始めた。
ユーヤ達も、暗黒神の力と融合していたユーリャの力によってダメージを受け始めていた。
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ユートはユーシから託された魔剣にユーヤとユーリの持っている暗黒神の力と融合しているユーリャの力を吸収する為の【呪印付与】とユーリャの力を吸収できる能力を持った魔剣に変化させる為のスキルを付与したのである。
暗黒神の力と融合しているユーリャの力を吸収している間に…… ユーナは暗黒神に近付き暗黒神とユーリャが繋がっている場所を探し始めていた。
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「さぁユーマ様……今度こそ終わりにしましょう……」
と俺はユーマとユーリャが居るであろう場所に【時空間跳躍】を発動した。
暗黒神様は、私の中で何かを感じて暗黒神様と私は暗黒神様と一体化する為の準備に入ったのである。その時……何かが暗黒神様の中から現れようとしている感覚を覚えたのである。
ユートさんとミレアが暗黒神様から現れたものを見て驚いていた。それは……暗黒神ユーリャと融合したユーリャの肉体と魂だった。
そして……俺の仲間達は、ユーヤとユーリを救えるチャンスだと感じていた。なぜなら……俺の直感がユーリャにユーヤとユーリの意識と力が存在する事を伝えてきたからである。
ユーウは……暗黒神のユーリャと融合したユーリャに近づき暗黒神の身体の中に入っていたユーリャとユーリャの中にいるユーヤとユーリとユーヤの中にいる暗黒神の分身体を見つけ出した。
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ユーヤとユーリの分身体はユーウの存在に驚き……自分の中にユーヤの力とユーリの力があることを感じた。ユーリャの本体は暗黒神と一体化してしまったユーリヤの中にあるユーヤとユーリとユーヤの身体に寄生した暗黒神の分身体を見つけると……【聖なる波動】と【浄化の波動】の魔法陣を組み込む事にした。"聖光波"と"聖浄化"を組み合わせた"聖光浄化の陣"を組み込んだ。
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ユートさんは……ユーリャが暗黒神の化身から分離して暗黒神の化身とユーリャとユーリが一体となった存在を【聖光波】と【聖光矢】の混合技で攻撃しようとしていたのだ。しかし……暗黒神のユーリャと一体化して暗黒神の化身が放つ闇と光が混ざり合った暗黒波動でユートさんの身体を吹き飛ばしてしまったのであった。
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俺は、暗黒神の身体の中にユーウがいるユーヤ達とユーウ達がいるのを確認した。
暗黒神の身体の中にユーウがいる事に気づいたユーマ達は、ユーウにユーヤ達を任せると暗黒神の身体の中のユーウを助けて貰えないかお願いした。
暗黒神の身体の中にユーウ達がいたのは……ユーヤとユーリャの力のせいであったのだ。暗黒神とユーリアの身体の中にいるユーヤとユーリャの魂と精神体は一つになっていて、ユーヤとユーウの二人に宿っているユーヤとユーウの力の影響で二つの力が混ざり合い、一つになった事で……ユーヤとユーオの二人の力を受け継いでユールの身体に暗黒神の身体に存在しているユーヤ達が存在していたのだ。
つまり……ユーアの力がユーヤ達に混ざってしまったことでユーヤの身体は暗黒神のユーヤの肉体から暗黒神として生まれ変わったユーヤが誕生した。ユールが生まれた瞬間だった。そして、この世界で暗黒神様と呼ばれていてユーマ達を苦しめていた存在が実は暗黒神ユールだったということがわかって皆安心したのである。
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リリスさんとアイリスさんから……アーレス王がどうして俺の事を知っているのかを教えてもらった。どうやら、この国の初代王であるアーリアス様は、【時空移動】を使って俺に会いに来てくれた時に、アイナス様に頼んで『力』を与えたらしい。その『力』とは……。『情報伝達』『時空移動』、『ステータス確認』など全てができるようになっていたらしく……。アイアスさんが言うには、アーレス王は『魔王』にもなれるほどの『力』を持っていて……。俺と同じぐらい強かったと言っていたので……。
俺に勝てなかった事が悔しかったのかなと思った。だから俺を殺すことに執着していたという事を改めて知ることが出来た。それと……
『俺の力』について説明を聞いた。俺の持つ能力は、レベル1の状態で既に全能力の999999倍まで上昇することが出来ると言うチート的な能力を持っているようだ。
俺は、リリイちゃんとリリィーが作ってくれたご飯を食べ終えると、ユーシャさんがユーリャと戦ってくれているユートの手助けに行くと言って暗黒神のユーリャと戦いに行ってしまった。
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その頃……暗黒神の化身ユーリヤとの戦いを続けていたユーキと暗黒神の化身と戦う事になった暗黒神様はというと…… 暗黒神の化身と化したユーリャが放った闇魔法が暗黒神様に当たりダメージを負ってしまい……ダメージを回復させるために暗黒神の化身の力を一部取り込んで回復を試みたものの暗黒神様の力はユーヤ達が戦った時のユーヤとユーリのように吸収することは出来なかった。
暗黒神の化身との戦いに暗黒神様が加わったことにより戦いは激しくなり暗黒神様がユーキとユーキの従魔に攻撃しようとしても、ユーヤとユーリの魔力により守られ、ユーキが攻撃を仕掛けるタイミングを逃さず……暗黒神様を少しずつダメージを与えて……徐々に暗黒神様を追い込んでいたのだ。
ただでさえ、暗黒神様は闇の属性の神なのだ。それが更に強くなっているユーリャに対してユートは暗黒神の化身となっている暗黒神様より強い力で攻撃していたのだった。暗黒神の化身となっているユーリヤは暗黒神の力とユーマとリリイ達の【聖浄化の光】の効果によってダメージを受け続け……遂にユーリャは…… 【呪印解放(Lv5,10)】を強制的に発動させてしまい……暗黒神の力を全て失う事になってしまったのだ。ユーリャと融合した暗黒神のユーリャと融合したユーリャの身体と魂は完全に分離してしまい……ユーリヤは暗黒神から解放されたのだ。
「ふぅ~これで終わりだよ!!"ホーリーフォースアロー"!!」
とリリスは言いながら、ユーリャに攻撃をすると、暗黒神の力を全て失ったユーリャを倒すことに成功したのである。ユーキは暗黒神のユーリャの力を封印する事に成功し……暗黒神様を開放することに成功をしたのだった。
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暗黒神様がユーヤ達とユーリャの攻撃に苦しめられていたが……俺の予想が的中したようにユーヤとユーリの魂と融合してユーヤの肉体が暗黒神様に進化して暗黒神様は復活を果たし暗黒神様の化身を倒したのだ。
暗黒神とユーヤ達は互角の戦いを始めていた。ユーマとユートも俺が加勢したことにより、優勢になり始めており……ユーマがユーヤ達を召喚してくれたのである。
暗黒神の化身が暗黒神様に進化したユーリャの力を失い、暗黒神の力と暗黒神の本体との繋がりを完全に断ちユーヤにユーヤとユーリとユーオとユーリャの4人の力とユーヤの持っていた『力』(=【神】の力と『力』(+)の力)、『勇者』(+)の能力を使う事ができるようになったユーヤが【時空間跳躍】とユーマが持っているスキル【聖光付与術】と【浄化術】を使い……暗黒神が放つ魔法とスキルの全てを無効にしていき、魔法陣を展開していき、闇魔法の威力と数を大幅に減らし…… 魔法耐性が強化されたユーヤが全ての魔法を防ぎ…… 物理攻撃に特化してユーナの装備と魔剣を持ったユートさんと、ミレアとミルキーの3人で攻撃を開始した。ミレアとミルキーの二人が攻撃を開始してから……ミルキーが持っている『覇王王の証』(防御力+999)の効果がミルキー自身とミルキーが持つ武器に現れて攻撃力が上がったので、二人は連携して攻撃を始めたのである。そして……ユーヤの【時空間収納庫】と【アイテムボックス】の中に【時空間跳躍】を使って、様々なレアな素材を取り出し……ユーヤが錬金して武器を作りだしていった。
その武器を装備したことでさらに強化されていき…… ユーヤとユーマは暗黒神の身体の中に入った。そしてユーヤが 【聖浄化】を唱え始めた瞬間…… ユーマは、
「聖なる波動よ……暗黒の闇を照らせ」
と言い放って……ユーリャの体内にある暗黒の闇を吸収していったのである。ユーリャが暗黒神ユーリヤの身体から分離し暗黒神様がユーリャの体内にいるユーリャの身体と暗黒神の本体に寄生しているユーリャと融合したユーリヤと暗黒神の力を浄化したのだ。暗黒神ユーリャと融合したユーリャの魂は消滅したのだった。
* * *
俺は……リリィの身体の中から出て自分の身体に戻った。ユーマの意識体とミコトと一緒にユートさんが【神域転移】を発動させるとユーマ達がユーリャの体内から脱出に成功したので、俺は暗黒神様の肉体から暗黒神様の精神体が離脱した瞬間を狙って、ユーヤとユーリャとユーリが【聖浄光】の魔法と魔法陣で暗黒神様と暗黒神の化身を拘束し俺が 【聖浄化】の魔法を唱えた。そして、ユーリャが分離した瞬間を狙いユーヤの【時空切断】でユーリャの肉体と精神体を切り離し、俺はユーヤにユーヤとユーオの二人の【力】を渡したのである。
俺は、ユーヤに渡した【力】をユーヤに譲渡すると……俺はユーヤに【死眼】を使って 【呪縛】をかけて【暗黒化状態】にして……この場を離れることにしたのである。
*
***
俺がこの部屋に残してきた人達と合流して外に出ると……俺はアイシア達や皆に事情を説明してユーリアの肉体を破壊してもらった。そして…… 俺が、ユーリアの魂を【死眼】と暗黒の闇で包み込み俺の闇の力で封印した後…… 暗黒神の身体の暗黒神の力が完全になくなり暗黒神は消え去りユーウとユールに分裂したユーウとユーリの魂は元の魂に元に戻って、俺は二人に話し掛ける事にしたのである。
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俺とユーキとユーヤの3人は……暗黒神様の肉体のユーヤ達が出てきたところの近くで待っていてくれたのだった。そして……
「みんな無事だったみたいね」とユーキが言ってきたのである。
「ユート様……ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません……」とユールがユートさんとアイナスさんに向かって頭を下げた。
「ユール、気にすることはないわよ!私達はあなたを助けるために全力で戦っていただけだから。それと暗黒神は……完全に消滅したから……安心しなさい!」
とアイナスさんが言って……暗黒神が消滅したことを確認した。ユートはユーヤとユーリを連れて俺に話しかけて来た。
「ありがとうございます。暗黒神様はもう大丈夫なんですね?俺のせいで暗黒神様が苦しむ姿を何度も見てきたんです……。暗黒神様は……暗黒神様だけは幸せになって欲しいです……。
だから暗黒神様が救われた事を俺に教えてください。お願いします」
とユーヤが言ったので……
「わかったよ……。
俺が言うのも変だが……ユーリャには俺とリリシアとユーマが責任を持ってちゃんと面倒を見ておくよ……。暗黒神様も……俺がちゃんと面倒見ることにするから心配しないでいいよ。暗黒神様が望むなら、ユーリヤの魂を暗黒神に戻すことも出来るけど……どうする?」
と俺が聞くとユーヤは、俺にお礼を言った後に
「ユーリャの魂を暗黒神様の身体に戻してあげることは出来ますか?出来るならば……ユーリャが目覚めるまでにユーリャが目を覚ましても暗黒神様の事が大好きだって事を覚えていた方がいいのではないですか?それで、ユーリャが目が覚めたら…… 暗黒神様が暗黒神様に戻られた事を伝えるのが一番良いのではないかと俺は思いました。」
とユーヤが真剣な表情で答えたので……
「ユーヤ、ユーリャが目覚めた時に暗黒神様の事を教えて欲しいと言うのであれば俺の【呪印解除】を使ってもいいと思うが……暗黒神様の肉体に戻るかどうかは暗黒神様自身が判断すれば良いことだと思う。ユーリャの願いは…… ユーヤが、暗黒神様と一緒だった頃のように仲良くして欲しいということだけだと思うぞ。それに…… ユーリャはユーヤの妹なんだからな……」
と俺がユーヤに説明したらユーヤが納得してくれたのだ。ユートも暗黒神様は自分が守ると言った後、 暗黒神様の人格は暗黒神様のままが良いと言って暗黒神様を説得をしたので……暗黒神様はユーヤ達と相談した後に 暗黒神をユーリヤに戻すことに決めた。
「ユーリャが、私の事を兄上と慕う理由がわからなかったのですが……私はユーリャに嫌われていて……いつも憎まれ口を叩かれていましたから、暗黒神に操られている時は、そんなユーリャが本当に大嫌いで……殺そうとさえ思っていたのです。でも、暗黒神の支配から逃れて暗黒神と一体化していた間の事は……全く覚えていないようなんですよね。それなので…… ユーリヤは俺のことをお姉さんと間違えているんじゃないかと思っていました。ただ俺の事を兄と呼んでいるのに…… 俺はユーリャの本当……いやユーリヤの兄でした。その事に俺は、全然気付いていませんでした。
ユーリャは本当は俺のことが好きなのに……俺に嫌味を言い続けていたのかも知れませんね。
今となっては、そう思っていますが、ユーヤが俺の代わりに暗黒神様と話をしてくれていたので……ユーリャが俺のことも兄と呼んでいたとは知らずに今まで生きてきて、さっき初めて暗黒神様から聞いたときには……正直…… 戸惑いを隠せないくらい驚きましたよ」
とユートが言うとユーヤが
「ユートさんと暗黒神様の出会いとお互いの話を聞く限りで、二人が出会うまでにいろいろあったんだろうと思いますが……ユートさんの本当の家族になった事で……暗黒神様が、本当の兄妹だった頃の感覚が少し蘇ったのではないかと思ったんです。
本当の兄妹になんて、簡単にはなれないとは思うんですが、少しでも兄弟らしい雰囲気が出ていれば嬉しいですよ。それに…… 俺は、ユートさんともユーリャさんとも……暗黒神様に妹がいるって事も……お互いに知ることが無かったでしょう。
俺は暗黒神の化身として生まれて……暗黒神の使徒になって……暗黒神の分身と化していて…… 暗黒神の使徒だった俺の使命が終われば、俺自身は消滅していくだけだったはずです。だから……ユーリャさんが暗黒神様の身体の中にいる間は、ずっとユートさんと話をしてみたかったんです。俺にとっては、暗黒神様が唯一残った……たった一人の弟みたいな存在だったので、ユートさんとお話して暗黒神様とユーリャが、本当の兄妹だった頃の思い出を聞いてみたいと思っていたんです。」
とユーヤが暗黒神様と暗黒神様の過去をユーヤに話すと……ユーヤの頬に涙がつたい落ちてきた。
ユートは「ユーヤ、俺とお前で、ユーヤを守れるように暗黒神様と一緒に鍛えてやる。ユーマはユーヤと一緒に強くなれるように修行するそうだからユーヤも一緒に修行しろよ」とユーヤを抱きしめた。ユートがユーヤに 暗黒神様が暗黒神の身体から離脱する前に、暗黒神様に俺のスキルをユーヤ達に渡してもらえないか頼んでみる。俺が【魔眼創造】で【死眼】を作って、暗黒神様が暗黒神様の魂が抜けた後にユーマ達と暗黒神様が融合した後の肉体に入ってもらってユーヤ達が暗黒神の使徒になってもらえば良いだろうと思い提案した。
俺の提案を聞いた暗黒神様が
「それは面白そうだ。俺とユーヤがユーマと一緒に修行するのは賛成だ。俺はユーヤが、この世界を救う英雄になってくれればいいと思う」
「俺もユーヤを立派な英雄にしてみせるから安心してください。ユーヤは絶対に俺が鍛えるし、俺がユーヤの師匠になる」とユートが言った。
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俺とミコトとリリィとサクラとアイシアは先に城に戻り……ユートとユーヤとユーリと暗黒神様と暗黒神様の化身は、 この世界に散らばってしまった他の暗黒神を探しながらユーヤとユーヤとユーリを鍛えることにしたのであった。
ユーヤ達は俺達と別れた後で、この国の王に会ってくると言って城を去っていった。
そして……俺は暗黒神様とリリシアとレイシアとアイシアに 【呪印】を刻み直した後、ミコトに【念力場】のスキルを渡して【空間転移】を使ってユーヤ達を送ってもらうことにしたのである。
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ユーマとユーリャとユーリの三人を見送った後で、俺は皆で城に戻ってきたのであった。
俺とアイシアとミコトとレイシアは【結界】で防御した上にリリシアに【時空障壁】を張ってもらった状態で暗黒神の魂を暗黒神の肉体から切り離し、俺とユーヤで暗黒神様の魂を暗黒神の身体に戻した後で俺は皆と暗黒神様を『次元転移』させた。
暗黒神様が暗黒神様の肉体に魂が入った事を確認するために暗黒神様に声をかけると暗黒神様は俺にお礼を言う。
暗黒神様は、ユーヤが暗黒神と融合している間にユーヤの記憶を見たみたいで、自分の記憶がないユーヤとユーリが本当の家族だと知り暗黒神様は驚いていた。
暗黒神様が、暗黒神の化身のままだった時の記憶は殆ど無いようだが…… 暗黒神様とユーリが、本物の兄妹だった頃の記憶は僅かだが残っているらしくて…… 暗黒神様は、暗黒神の化身の時に暗黒神とユーリが過ごした楽しい思い出や楽しかった出来事を覚えていて暗黒神様の目尻には自然と笑みを浮かべた笑顔になっていたのだ。
俺はその光景を見て……心底ほっとした気持ちになったのだった……。
ユートが暗黒神の化身だった時……暗黒神様も、リリシアもミコトもレイシアも……そしてリリシアの妹ユーミアもユーヤに会ったことがなかったのだ。それなのに暗黒神様だけはユーキの魂の中に入り込んでいたのは何故か……。暗黒神様が、リリシアに俺からもらった能力を付与してくれていたことが大きかったと思う。
ただ……ユートは自分がリリアナの生まれ変わりだったことを思い出したが……ユーヤとユーリのことは……まだ思い出せていない。
ユートと暗黒神様に、ユーヤのことは任せておけば大丈夫だと思うので、ユートにユーヤとユーリを任せた事を、 ユーヤとユーリャに知らせておくことにする。ユーヤとユーリャに暗黒神様の事を頼もうと思ってユーヤとユーリャに連絡をしたのだが……二人は俺にお礼を言った後に、ユーヤとユーヤとユーリの三人だけで修行を始めたようなのだ。俺が暗黒神様の魂と暗黒神様の化身と暗黒神を『波動収納』の中に入れる。
俺は『無詠唱魔法発動装置』に念話でユーヤ達の場所と状況を確認してから 【魔眼解放】を発動させる。俺の前に、黒い半透明のモニター画面が現れ……ユーヤ達の状況が確認できるようになった。
俺は、リリスの居場所も確認できるようにと【遠隔視】の能力をユーヤ達に付与した。
暗黒神様に、俺からユーヤとユーリの二人のことをお願いしたら…… 暗黒神様は、暗黒神様が生きていた時代に俺やユーヤと暗黒神様が仲良くしていた記憶が僅かに残っていたらしい。ユートと暗黒神様が二人で会話をしていると、俺が【神域】に戻ってくる前に、暗黒神様と暗黒神様の化身は、二人だけになれるようにした方が良さそうな感じなので……暗黒神様をユートに任せることに決め……暗黒神様とユーヤ達を、暗黒神とリリスに憑依した暗黒神の化身の肉体から分離した後で……暗黒神様を俺の分身体として分離することにした。
それから俺は暗黒神様と暗黒神様の化身を俺の中に取り込んだ。
暗黒神様は、俺に何か言いかけたけど……暗黒神様はユートにお別れの挨拶をすることに決めたようだ。俺は、暗黒神様が暗黒神様に何を告げようとしたのかわからないけれど……暗黒神様の身体を暗黒神様に返したら俺とユーヤにリリスが待っている城に戻って来ると言って俺から離れていった。
俺は暗黒神様に、暗黒神様の身体を預ける事にしたので……暗黒神様が居なくなった俺の分身体は【精神同調】で俺に話しかけてきて、 俺の意識の一部を取り込むように要求してきたので、俺は取り込むことにしたのである。俺に融合する前の状態では俺と同化する事はできないので、俺が融合すると…… 【精神共有化(仮)】というスキルを勝手に習得して俺の魂と一つになることに成功したのである。これで……俺に何かあれば俺の分身体の身体を俺の意思に関係なく俺の意志で動かせるようにすることができるので便利だ。ただ…… 俺はユート達に暗黒神様が、ユーヤとユーヤの身体を借りて行動できるようにしたことを説明してから、暗黒神様にユート達を頼むと言うと……
「分かったよ」
「ユートさん達とは暫くの間、会えないと思いますが……よろしく頼みますね」
「ああ、安心してくれよ。それと……俺は、お前と融合すればユーヤとユーヤの肉体の中にいるリリスが、本当の兄妹として過ごしている記憶を見ることができるんだな?」
「えぇ。俺と融合した後は見たいときに、自由に見る事ができるはずです」
「それは助かるよ」
「暗黒神様は……ユーヤが本当に暗黒神様のお兄さんなのかとか、暗黒神様が、ユーヤと一緒にいた記憶を見たいと思った時にいつでも見ることができますから、その時はユーヤに暗黒神様のことを伝えてください」
「ユーヤとリリスちゃんか……。暗黒神が、暗黒神と融合するなんて、とんでもないことだよね。ユーヤ君には悪いと思うんだけど……少し嬉しい気もするよ」
「確かにそうですね。まぁユーヤがリリシアと結婚して暗黒神様と一緒に生活していくのなら暗黒神様と兄妹になっても良いかも知れませんし……」
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リリシアと暗黒神様の魂を分離した後で、俺はユーヤとユーリャを【結界】と【空間転移】を使ってユーヤ達がいる世界に送った。ユート達がユーヤ達と合流するのを見届けて俺とアイシアは俺とリリシアの待つ城に戻ろうとしたのだが…… 突然俺達の近くに光の球が現れた。俺はリリシアを守るようにして警戒体制を取る。すると……光が収縮していき人の姿になっていったのであった。俺はリリシアと一緒にその人が現れる瞬間に目を閉じていたので……目を開けると目の前にいたのは、この世界のユーヤとユーヤだったのだ。俺は思わず、「なんで、この世界にいるんだ?」と呟いていた。俺が疑問をぶつけると……この世界では暗黒神と暗黒神の化身が入れ替わってしまったことで……リリシアの妹のリシアも、この世界に迷い込んでしまったようだ。リリィとレイシアがユーマと一緒に旅立ってすぐに暗黒神達と入れ替わられたようで……俺のところに助けを求めてきたので……俺達はユーヤ達を連れて戻る事に決めた。
この世界で何が起こったのかはわからないが、リリシア達は暗黒神達に捕まった可能性が高いので、一刻も早く連れて帰ろうと思い。俺は、ユーヤ達と共に『転移符』を使って元の世界に戻るのであった。
俺は暗黒神様とリリシアの魂と暗黒神様の化身の魂が宿ったリリシアとリリアナが眠っているベッドの上に暗黒神様と暗黒神様の化身の肉体を置いて、俺は皆に、 ユーヤとユーヤとユーリと暗黒神様の四人がリリシアの体内に入って、俺の分身となったことを皆に話した。そして……俺が、暗黒神様の肉体をリリシアの身体の中に埋め込んでいる間に、リリアナの身体にリリシアと同じ暗黒神の肉体を融合させてあげて欲しいとお願いしたら皆快く了承してくれた。
俺はリリシアに暗黒神の肉体を埋め込んだ後にリリシアの胸に『聖女の刻印』を刻んだのである。そして…… 俺とアイリスとミコトとリリイとレイシアはリリアナの胸から暗黒神の肉片を『時空切断』で切り離して『時空転移』の能力を発動させ暗黒神様の肉片だけを、この場に移動させた。
リリイは俺の指示でリリシアの胸を開いて……暗黒神様の肉片を埋め込む作業に入った。俺は、暗黒神様にこの世界で、リリアナはどうしているのかと聞くと暗黒神様はリリイとユーマとユーリがリリイを暗黒神から守ってくれたようだと話していた。暗黒神様によると、暗黒神様がこの世界を創世神から奪った時の状況と似ているみたいだったけど……。ユーヤも暗黒神様の力を継承して暗黒神様の記憶が戻ったみたいなのだけど、暗黒神様と違って全ての暗黒神の力と記憶を持っている訳ではなくて一部しか受け継いでいなかったようである。ユーヤは自分が持っている知識の中で俺が知っている限りの知識を伝えたらしいが、ユーヤは自分の力についてまだ完全に理解していないようだったので、暗黒神様に聞いたり自分で試しながら色々と試行錯誤を繰り返していたそうだ……。ちなみに俺も暗黒神様の化身として暗黒神様に力を授かったのだけど、俺は『魔眼』という暗黒神様の化身としての固有の能力を使えるようになっていた。俺の場合は元々暗黒神様の力を使えたのだから当たり前かもしれないけどね……。
ただ……暗黒神様の化身として、この世界に誕生したばかりのリリアナの魂がユーヤの肉体に融合されていると聞いて暗黒神様は凄い興奮していた。そして…… リリアナとリリスに、暗黒神様の化身と暗黒神様に肉体を与えた事で俺達の計画に協力してもらえるように頼んだ。
暗黒神様もリリシアも暗黒神様の化身とリリスもユーヤの事は、リリシアが大切に思っていた暗黒神様が転生した者だという事がわかっていたようで協力してくれることになったので俺としてはありがたかった。
俺は暗黒神様に、暗黒神様と暗黒神様の化身の二人が暗黒神様に体を返してくれたら、暗黒神様が暗黒神様の本体に融合することができるので。俺やユーヤのように自分の力で融合できるから、リリィやレイティアと同じように暗黒神様は俺達に協力してもらうことにしたのである。
暗黒神様は俺とユーヤが暗黒神様の化身になったことで、俺がリリシア達と暮らしていた時に俺が持っていた能力を全て使うことができるようになったので。
リリスは俺がリリスにあげた指輪の力で俺と同等の存在になり、リリスはリリスの肉体の時と精神状態の時には暗黒神様の力を行使することができるようになった。
暗黒神様はリリシアとリリアナに暗黒神になった時に手に入れた力を説明して暗黒神様が持っている記憶を見せながら暗黒神様の化身としてリリアナがどのような存在であるのかを教えたようだ。暗黒神と一体化する事に最初は戸惑いを見せたリリアナだったが、暗黒神様と暗黒神様の化身は兄妹として生きていくことに最終的には納得してくれたようだ。リリアナには妹として、暗黒神様はお兄ちゃんとしてこれから仲良くしてほしいと伝えたのであった。
それから暗黒神様はリリスを俺に融合させる事にした。
リリスに暗黒神様の化身とリリシアに憑依していたリリシアと暗黒神様に憑依されていたリリシアを、俺が融合させると…… 俺に融合される前のリリスに暗黒神様が暗黒神と同化すると暗黒神様は【精神共有化(仮)】のスキルを覚えたのである。俺に融合されると暗黒神様が獲得した【精神共有化(仮)】のスキルは消滅する。しかし……暗黒神様の人格が表に出る時に、俺と共有化させることも可能なので……暗黒神様と共有化して俺と共有化するという使い方ができるという説明をしてリリシアと暗黒神様の魂が入ったままリリシアとリリシアの肉体に融合したリリシアの魂と暗黒神様とリリシアの魂が融合したリリアナの肉体は消滅した。
俺はリリスに、リリスに融合した暗黒神様とリリスの精神を共有したままリリシアとリリアナが融合できるように説明してリリシアとリリシアの魂が入っているリリシアの肉体に融合してもらった。リリスに融合した暗黒神様とリリスの精神を共有するリリシアの肉体が消滅したが、 リリシアとリリアナに融合したリリシアとリリシアとリリアナと暗黒神様に融合したリリシアと暗黒神様は無事に肉体と魂が一つになったのである。
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リリシアの意識の中にリリスがいた時……
「リリス……。貴方も暗黒神様から暗黒神様の化身として、私達と同様に暗黒神様から特別な力が宿っているわよ。暗黒神様は……今この世界の創造神様と戦っているから……暫くの間この世界が崩壊することはないと思うのよ……。リリアナ……。暗黒神様から貰った力は使いこなす事ができるわよ。この世界に来ているのよ。」
「そうなの?それは凄い力を感じるから凄く嬉しいの」
「それに暗黒神様の化身として生まれ変わったリリアナにも、新しい体を用意してくれたのよ」
「えっ!それは、嬉しいなぁ~。どんな身体なのか楽しみなんだぁ。暗黒神様って優しいの」
そう話していると暗黒神様の身体にリリアナが融合したリリアナの肉体が崩壊していき……リリアナの肉体が完全に崩壊してしまったのだ。リリシアはその光景を見ながらリリシアの心の中にあった感情が爆発してリリアナに対して怒りが込み上げてきたのだ。
私は、目の前にいる少女の事を知っていたのだ。この世界で最初に暗黒神がこの世界に生み出した私の愛しの娘なのだ。暗黒神がこの世界の創世の女神の器となった私から、創世の力を半分奪う代わりにこの世界の管理を私に代行させてくれと頼まれていたのに……私が許可したのに……。私は、この世界を管理する事ができなくなってしまった事に、そしてこの娘を護れなかった自分に腹が立っていたのだ。だから、目の前にいて……暗黒神様の化身と暗黒神様の化身が作り出した肉人形になっているのは……。紛れもなく、我が最愛の娘のリリスだ……。暗黒神様の化身として、そして私の後継者として私の代わりに暗黒神に肉体を与えられたのだ。
「貴様ー!!私の最愛の一人娘のリリスに何てことを!!」と怒りに任せて叫びました。リリアナが……暗黒神様の力を使いこなせるようになるまで……とリリアナの意識が暗黒神様の肉体に入るまで暗黒神様と融合することを待っていたのだが……。その判断が間違いだと気が付いたのは……。もうすでに手遅れな状態だった。暗黒神様の化身と暗黒神様の化身が作り出した肉人形になってしまったリリスは、暗黒神様の化身に暗黒神の肉片を取り込まれてしまったのである。
「貴女達の目的は何ですか?何故……リリスが……暗黒神様に体を捧げる必要があったの?」と聞くと、リリシアはリリスを抱きしめて涙を浮かべていた。そして、
「貴女の娘のリリスは、私達が保護していたのですよ。ただ、リリアナは暗黒神様から授かった力を使って、暗黒神様の封印を解きこの世界を支配できると思ったのでしょう。この世界を創世神様の支配する世界ではなく、リリアナと暗黒神様の物にし、この世界を乗っとる事を思いついたようです。それで、私達はリリスを利用してこの世界に転生してきたのです。暗黒神様は……創世神様を封印してこの世界をリリアナが支配するために行動しているみたいですね」
とリリシアは言ったので、
「それで……リリアナはどうしているの?」
とリリシアは言うと……。
「リリシアは……この世界を自分のものにしようとしましたが、リリスは自分を犠牲にしてこの世界を救おうとしたようですね。暗黒神様と融合するために自分の肉体を捨てたのでしょう」
と言って、私達に事情を説明してくれたのである。
「そんな……。リリス……。どうしてこんなことに……。暗黒神様がなぜ……」
リリアナとリリシアが融合しているので、二人の考えていることが伝わってきて、二人とも暗黒神様に対する思いが痛いほどわかったのでリリシアと融合していた時に、リリスの肉体が暗黒神様に肉体と暗黒神の力を吸収されてしまっている事も知ってしまっていたが、 それをあえて黙っていたのだった。しかし……リリシアは……。リリスが……リリスの意思とは関係なく……。この世界にやって来た時に、リリスはユーマとユーマが仲間になったリリスの仲間の人達に助けてもらいながらユーマとユーマと一緒に暮らしているユートと言う少年と出会い恋をしたのを知ってしまったので、リリアナはリリスに「暗黒神様の事を忘れなさい」「ユートとかいう少年と一緒に幸せになりなさいね」と言っていたらリリスが 涙を流しながらも笑顔を見せて……ありがとうと言った言葉を最後に精神が途切れてしまうのであった。
暗黒神様の化身は肉体がない状態では活動できないのと肉体がなければ何もする事ができないと説明を受けたからだ。それから二人は暗黒神様によって、精神だけが肉体を離れて魂の状態となってしまっている為に元に戻すことは不可能だということも理解したので……。精神だけになっても一緒にいたくても肉体がない以上離れられない状態に、二人は悲しくなって落ち込んでしまった。それから……しばらくして、暗黒神が自分の力で、肉体を作ったが暗黒神も力の大半を失っており精神力も限界がきてしまい肉体を保つことができなかった為、精神力のみで肉体を維持することができなくなってしまったようだ。そこで肉体は消滅させても精神だけはリリアナとリリシアのそばに居たいという事で、暗黒神様が作り出した精神生命体の肉体と精神はリリアナ達の肉体と融合させるようにしたのである。
暗黒神様の化身は暗黒神の化身となる前の自分の力で、暗黒神様に体を返すとリリアナとリリシアに暗黒神様の化身と融合する事にしたと伝えた。リリシアとリリアナに融合した時に暗黒神様が獲得した【暗黒神 インフェクション】という固有スキルの力を使えるようになりますと説明したのだ。そして暗黒神様が肉体を維持できなくなってしまうと暗黒神様の身体と一体化してしまうことになると説明してくれたのである。それから暗黒神様の化身は自分の精神の一部を切り離してリリアナとリリシアの身体に融合すると……暗黒神様の魂は精神力が尽きて肉体から切り離されて消滅したのだ。それから精神だけの暗黒神様が
「ごめん……。僕はもう消えていく……。肉体を取り戻さないと復活できないからさ……。リリスちゃんと君たちの傍にいたけど……肉体がなかったから……。
本当は、君のお父さんに会いたかったんだ。会えたよ……。僕の事わかってくれて、暗黒神様の化身として受け入れてもらえて……僕すごく嬉しいんだ」と嬉しそうに暗黒神様は言ったのであった。暗黒神様の化身は、肉体と暗黒神様の化身の魂を融合させたのである。
リリアナが、精神体となり精神だけでリリアナの精神体の中に存在する暗黒神様と融合したリリスの魂と、リリシアの精神体の中にいる暗黒神様の化身の精神体の一部と融合したのだ。暗黒神様の化身はリリスの心の中にいる暗黒神様の人格と融合してしまったが……暗黒神様は肉体を取り戻した後に暗黒神様の記憶を消されるだろうが、暗黒神様が消えたとしても、魂は消滅するわけではないので……暗黒神様の魂と融合して生まれた新たな命として、生まれ変わる事になると思うと、説明してくれたのだ。私は目の前に……私の大切な娘と息子と最愛の旦那様がいる。私の子供に産まれ変わってくれるそうだ。だから私と、私の子供達を見守ってくれると言ってくれた。だから私は、この人なら信じられると思ったのである。それに私の心の中で、暗黒神様と会話をする事が出来るので、私の事を心配しているみたいだ。私の肉体を取り戻せば肉体を再構築することもできるみたいだけど、今は時間がないようなのだ。暗黒神様の化身が、時間が無いから早くしないとって言っていたから間違いないだろう……。それに私達はこれからこの世界で生きて行かなければならないから大変だろうと……。でも、リリスが生きているだけでもうれしいからいいよって言ってくれたのだ。暗黒神様の化身は、「それでは……。また……会えるよね? 暗黒神様の力の一部が解放された時に、必ず会いに行くから」
と暗黒神様の化身は約束してくれるのであった。
そして私達が、暗黒神様の化身が作ってくれた新しい肉体に魂を宿して、この世界の人間になって生まれ変わったのだった。
私とリリシアの心の中にあるリリスの人格を取り込んだ暗黒神様の心の声は……。私達の娘であり息子の心の声でもあった。
私はリリスの心の中のリリスの記憶と暗黒神様の人格を受け入れ、暗黒神様を父と呼びリリスはお母さんと呼べば、暗黒神様はリリスを抱きしめていた。
私と暗黒神様はお互いを愛しく思っていたから……。そして暗黒神様の意識の中にあった暗黒神様と融合した肉体に私が宿り暗黒神様の化身としてこの世界で暮らす事にしたのであった。リリスが生きていたのを知った暗黒神様は……。私達にリリスを任せて、肉体と暗黒神様の化身となった精神を分離して暗黒神様は、リリアナとリリシアに「じゃあ……。僕は肉体と暗黒神様の化身の融合体に精神が戻らないと……。暗黒神様に体を返してあげないと……。リリスちゃんと幸せになるんだよ」と言って精神体が消えると……。
「お母様……。暗黒神様が消えました……。暗黒神様の化身の身体も消えています。私と融合した時、私を救おうとして暗黒神様は……自らを犠牲にして肉体を捨てて精神のみとなったようです」と私に言ったので、私の娘が私の為に暗黒神様は……肉体と暗黒神様の化身の魂と融合した精神が消えてしまった。暗黒神様が……私を助けようとした事をリリスは、知っていたのだと……。リリスに私と同じ記憶があるのかと思っていたが……。それは違うのだと……。暗黒神様の化身に暗黒神様がリリスを通して伝えてくれていて、暗黒神様が肉体に戻るには時間がかかるとリリスに伝えていたのは聞いていたから……私も暗黒神様が消えたと知ってリリスの言う通り、リリスと融合した暗黒神様の化身が肉体に戻ったのだと思った。
私とリリスがこの世界にやって来た時に、暗黒神様の化身をリリスに渡しておいてよかったと……私達はこの世界を救うために暗黒神様の力と融合したのだが、それが私とリリスの使命でもあると思ったからだ。暗黒神様の身体が戻るまで暗黒神様の魂は精神を分離して暗黒神様の本体は精神体で彷徨う事しかできないみたいだし、肉体の再構築にもかなりの時間が必要らしいので私達が暗黒神様の代わりにこの世界を平和にして守ろうと思っているのである。
そして暗黒神様は肉体を再構築して復活した時には私達に逢いに来ると言っているので……私達は、それまで暗黒神様と娘のリリスを守っていこうと思いリリスに、私の娘であるリリスを守ると約束するのであった。
俺がリリス達に暗黒神様が消えてしまった事を伝えるとリリスも暗黒神様に暗黒神様は肉体を取り戻す為に暗黒神様の化身に精神が融合し肉体に融合しないで、精神だけを分離させて暗黒神様は暗黒神様の化身に融合する事を選択したと俺に伝えたのである。
俺は暗黒神様の話をリリスとリリスと融合した暗黒神様の化身のリリスにすると、暗黒神様の化身が肉体に融合しなくても、暗黒神様の化身が復活する事は可能なのだと……。暗黒神様が復活すれば肉体の器に暗黒神様の精神が入った時点で暗黒神様の化身は暗黒神様の化身の身体に戻り、暗黒神様の化身が暗黒神様として復活すると言っていたので暗黒神様の復活を祈るしかないと思うのである。暗黒神様が復活すると……今の状態よりさらに強力な力を得られるようになるらしい。
暗黒神様は肉体と融合した暗黒神様の化身の身体はもうないのだ。暗黒神様は、精神だけが分離し、肉体に融合したが肉体は消滅した為だ。
精神だけの暗黒神様が、リリスとリリスと融合した暗黒神様の化身と融合した時は肉体も一緒に消滅したようだ。
それから暗黒神様の心の声も聞こえてくるからわかる。リリスが暗黒神様にお願いをしたらしく、暗黒神様は俺達家族と、リリスの家族と俺の大切な仲間達の安全を保障する為に必要な処置を取ると暗黒神様は約束してくれたのであった。
リリスに聞いてみると、暗黒神様に肉体を取り戻してもらわないと復活はできないが……暗黒神様の肉体と融合できるのならば肉体の修復ができるし……精神が暗黒神様に融合したまま肉体に戻れば暗黒神様が復活できるようになる。肉体が暗黒神様と融合した場合は暗黒神様の人格を肉体に戻しても暗黒神に人格が融合されたままになり暗黒神のままとなると暗黒神様が言っていたと言っていたので、俺の想像通りに、暗黒神様は肉体の器に戻っても肉体が消滅するだけで……暗黒神様は精神体として、肉体を持たない精神生命体としてこの世界で生きるだけの存在になってしまうという結論に達したのである。
リリスの話を聞き終わると……暗黒神様の化身の精神体の部分が肉体に戻ろうとしていた。しかし、リリスとの融合を解除して暗黒神様が復活しようとしても暗黒神様が肉体に戻るためには、かなり時間がかかるだろうと思った。リリスとの融合が解除されないから、まだ時間がかかりそうだったので、しばらくの間は……暗黒神様の化身が暗黒神様と融合するには、精神が分離したままで……肉体の復元を先にしなければ、融合しても……また融合前の状態に戻り暗黒神様の化身の肉体を暗黒神様が維持することができない。そして……肉体が元に戻れば、精神の切り離しが出来るようになると説明をしていた。肉体と暗黒神様の化身を融合させた後に……暗黒神様の魂は……暗黒神様と融合した暗黒神様の化身に精神が入り……その後に暗黒神様の魂は暗黒神様に肉体が戻らないと……暗黒神様の精神は肉体に宿らないから、魂が肉体から切り離せないため……永遠に魂は、精神と肉体が一体化していない状態になる。そうなった場合の未来予想をリリアナに説明するのを忘れたけど……リリスの説明を聞いた後に……暗黒神様の心の中で……暗黒神様の人格の一部と融合したリリスが……暗黒神様が暗黒神様に融合するまでの間の話を聞いて理解して説明してくれたのだった。
俺もリリスの言う通り、肉体に戻らないと魂が肉体から離れられないと納得したのである。だから暗黒神様の化身は、暗黒神様と融合するために精神体の部分を暗黒神様と融合しているから肉体に戻すには暗黒神様が……自分の意志では肉体の器に入れないようにして、暗黒神様の意志とは関係なく強制的に肉体に入るようにするしか方法がないと説明をして、その方法をリリスと融合した暗黒神様の心の中にいる暗黒神様の化身に聞くのであった。そして……。
「わかったよ。じゃあ、僕はしばらく、君の中で眠らせて貰うよ。僕の肉体を再生させるには時間がかかるみたいだから、少しの間眠りながら待っておくよ。僕が完全に目覚めたら精神は肉体に戻ると君と融合した状態になるよ」と言うと……。精神体の一部がリリスと融合したリリスと一体化して融合した部分の精神体が消えた。
暗黒神様の化身に融合されてから、私の中の私の心とリリスと融合している暗黒神様の心の中に入った精神が融合して、精神が一つになって……私の中に暗黒神様がいて暗黒神様と私の精神は融合した状態になったので暗黒神様の心の中にある精神が肉体に戻ったのである。私は精神が戻った暗黒神様に話しかけると暗黒神様から暗黒神様が肉体の器に戻っている最中で今は、暗黒神様の肉体が暗黒神の肉体として再構築されるまで眠っている状態である。そして私が暗黒神様の化身と融合した肉体で暗黒神様が目覚めるまで待つと私は暗黒神様の化身となった。
リリスも肉体が再構成され始めて意識を失いかけていた。私は……このままでは、暗黒神様と娘であるリリスが危険だと思い……二人の精神を私の精神と融合させる事にした。リリスとリリスと融合した精神が私の中に融合し、リリスの精神の中に入っていったリリスと融合した暗黒神様の化身の肉体がリリスと融合した暗黒神様と融合した暗黒神様の化身の精神を肉体の中に戻したのである。リリスの中に入っていた暗黒神様とリリスの融合体がリリスの中から消えたのである。
そして……リリスが暗黒神様の化身として蘇った。暗黒神様とリリスは、肉体が融合するまでの間に、お互いの記憶がお互いの心に流れ込みお互いに今までの事を確認しあい、お互いの気持ちを確認した上でお互いを受け入れているのであった。リリスと融合した事で暗黒神様の心にあった暗黒神様と暗黒神様の心が融合し私の中に暗黒神様がいる事を実感し……。私と暗黒神様は、この世界を暗黒神様の化身と共に守り……リリスを守り抜く事を誓うと……暗黒神様と私の間に……新たな生命が誕生したのであった。それは、私達の子であり……暗黒神様の子となる存在の誕生である。私達は……これからこの世界を守れるだけの力を手にするまでこの世界を見守る為に生き続けると誓いあったのである。そして、暗黒神様が復活するまでは、私達が……私とリリスと融合した暗黒神様の力で、私達が守っていく事を決意したのである。私とリリスが暗黒神様を見守って行くと……この世界の未来の為に……私達の命を使って守ろうと誓ったのである。私と暗黒神様と融合したことで……リリスも、暗黒神様の力を使いこなせるようになっていた。暗黒神様が私に憑依してから暗黒神様の暗黒魔法やスキルを使えるようになったので、リリスも、暗黒神様から譲り受けた力で私と同じ事が出来るようになり、リリスも私と同様に暗黒神様の暗黒魔法が使え、暗黒神術も使えるようになっているのであった。私と暗黒神様が融合したことで暗黒神様の力が使えるようになると同時に……リリスもリリスと融合した暗黒神様の心にある闇と闇の力を使うことができる。暗黒神と暗黒神様の心もリリスが融合した事で私達と同じように使えるようになる。私達は……これから暗黒神様を復活させたら……リリスは私の娘であるリリアナと融合するのだけど、私の娘になる事になるしリリイもリリスが融合して暗黒神化すれば私の娘になる事を伝えたら、「わかりました。お母様と妹達が出来たようで嬉しく思います。リリイとリリリも融合して暗黒神様の配下にして下さい。それから……暗黒神様は私を救ってくれた人でもあります。ですから私はリリイと融合して暗黒神様がこの世界に来た時には暗黒神様の臣下となり、リリイをこの世界で育てるのとリリスが、リリイを育てる事に協力させていただきたいと思っています」と、言ってきたので……リリイは暗黒神様の配下になり、リリリはリリスの妹になるという事が決まっていたようだ。リリスとリリイは姉妹になり……暗黒神様と融合した後は、リリスは暗黒神様に融合した後も、私の中に存在し続け、リリスとしての存在が残るのだった。
リリスと融合した事で……私はリリスと融合した肉体を制御できる能力を得たから暗黒神様の心の中の暗黒神様が見ているものを見て……リリスが見ていた光景を見たので……暗黒神様にお願いをした時に何が起こったのかを知ったのである。
そして、リリスも……暗黒神様と融合した肉体を完全に使いこなす事ができるようになるのだった。
俺は今……リリスの暗黒神としての姿を改めて見ると……。
「俺達と一緒に来る気になったか?リリス?」
と俺が質問すると、
「もちろんですわよ!白夜さん!もう絶対に離れないんですからね!」
と言い、抱きついてきていた。そんな俺達の様子をみかねて……。セバスが声をかけてきたのだ。
「リリス殿……私達の仲間に入ってください」
と言って手を差し出してきたのだ。
リリスは差し出された手に自分を重ねて握手した。そして俺も、セバスに手を出して握ると、セバスのステータスが表示したのだ。名前:セバ
ス 種族:竜人族
年齢:15歳
レベル:35 職業 執事 性別 男 称号 執事 固有スキル
『竜人変化(龍化)』レベル30
(竜に変化して飛べたりドラゴンの攻撃が可能になる)
ユニークスキル
『空間移動』『絶対記憶』
『超高速思考』
(通常の数十倍から数百倍の速さで考えることができる)
物理ダメージ激減 精神耐性 回復 魔力感知
(魔素が見えるようになり敵の魔力の位置を知る事ができるようになる。更には敵の魔法の位置もわかるので相手の弱点属性なども把握する事ができる)
スキル 格闘 剣術 生活魔法 料理 調合 農業 鍛冶 大工 木工 ガラス工芸 錬金術 薬師 罠解除 解体 裁縫 細工 装飾 彫金 結界魔術
(魔力を使った防御障壁を展開することが可能)
気配察知 アイテムボックス 礼儀作法 家事全般 礼儀作法 マナー 算術 暗算
(足し引きなどの計算が可能。瞬時に計算をすることが可能なので桁数の多い掛け算や割り算なども瞬時の判断で素早く解くことが出来る)
魔力精密操作魔力感知
(体内に流れる血液をイメージすることで魔力を操作することができ攻撃にも使用出来るようになる。
更には、自身の体に流れている魔力を自在に操る事ができるので、身体能力の向上ができるので近接戦闘も可能になるのである。
体外に放出することも可能)
状態異常回避 精神汚染無効 毒無効化 即死無効 魅了完全遮断 睡眠無効化 麻痺無効 幻覚無効化 催眠耐性 苦痛無効 呪法反射 痛覚緩和 精神集中 鑑定 隠蔽 変装 言語理解 念話 アイテム収納
(生き物以外ならどんなものでも、亜空次元に無限に保管可能。取り出すときは意識するだけで取り出せる)
こんな感じのステータスが表示されるようになっていた。俺はリリスと手を繋いでいたらセバスが、
「さぁ、私達の隠れ家へ来てください」と言うので付いて行くことにしたのである。そして……しばらく歩いていくと、山の中に入っていくことになったのだが、しばらく歩くと洞窟が見えたので……洞窟の入り口で立ち止まり中に入ると地下に向かって降りて行く事になったので……リリスとセバスに聞いてみた。
「ここに住んでいるのは誰なんだ?この世界では見かけたことのない人種に見えるんだが……人間では無いようにも見えるんだよな……」
俺がそう言うと……リリスが「あ、私も思っていたのよね。なんなのかしら……あ、あの方は、おそらくドワーフじゃないかと思うのだけど……。でも、あの方が着ている服装がおかしいような気がするんだけど、普通の服とは違うし。まあ行ってみれば分かるかな……と思いまして……とりあえず……ここまで来てみました。多分この先にいるのが私達が探していた方々だと思います。行きましょう」と言って歩き始めたので……その後ろをついていったのである。
しばらく歩いていると広い部屋に出た。
リリスとセバスが警戒をしながら前に進んでいくと、そこには、身長が120cmぐらいの小人のような髭を生やし頭に布を巻いてターバンをかぶっている男が座っていたのである。
リリスはその男に声をかけた。
リリスが、小人の男のところに行くので……俺は後を追うようにして近寄ると、男はこちらを見て話しかけてきた。
「ようこそおいで下さいました。リリス姫。それとあなたがリリスの主人でいらっしゃいますね。リリスより伺っております。どうぞ私の横までご足労ください。リリス姫は私の前にお越しくださいませ」とリリスは丁寧に挨拶をするのである。俺はリリスの横に並ぶのであった。すると、その横に立っていた小さな老人が、「この世界は……私達が作ったのじゃ……。この世界で起きていることを見守る役目をしている……。お前達は……。リリス……まさか……。このお方がこの世界の神である暗黒神様の化身であるとは知らずに……私達がこの世界に送り込んだ事を申し訳なかったと思っておる……どうか……許してほしい……。私達が悪かった……。」と言って、土下座をしたのだ。
俺が、驚いていると……リリスは、「私達は貴方達に謝られるためにここにきたわけではありません。私達も、今、リリイに融合しているのですが、私は……暗黒神様が復活するために必要な存在だと聞かされていますので、暗黒神様の復活をお手伝いさせて頂きたいと思っております。その為に、この世界に来て、各地で起こっている闇の結晶体の件を調べていたのですが、リリスから聞いた話だと、魔王の配下は各地に分散して隠れ潜んでいるらしいのですが……その配下の者の所在を掴むことはできるのでしょうか?」
リリスは冷静に……リリスと融合して今は暗黒神化した俺の娘であるリリイがリリスから聞いていた話をしたのだった。
「申し訳ないが、リリス姫の話は、リリイ様の魂を通じて聞いてはいたが、私達は直接 見てはおらんからのう。実際に現地に行って確かめてくるしかないのぉ……。しかし、リリイ様に、この世界を闇の力で包むように言われているはずなのに何故そのような事を言ったのだろう?」と疑問を呈すると……「それはですね。魔王が復活するために必要と言っていたんですよ。魔王が復活した後は……。リリイ様の体を暗黒神様が支配されるらしくて、暗黒神様が復活すれば全ての種族を闇で覆えるからとか言っていたそうなのですよ。私達が見た限り……この世界で、リリイ様が封印した闇以外の闇の力を持つ者が居なかったので……もしかすると暗黒神様に精神体の状態で取り憑かれたまま、この世界に送り込まれた暗黒魔神が、再び取り憑こうとしているのかと、考えていました。それで、もしかしたら、暗黒神様の意識があるかもしれないと、暗黒神の心の中に入ったんですが、精神体は消滅していましたので……。」
とリリスが答えると……小人達は驚いて、俺の方を見つめていた。
暗黒神が、取り付いたのが、娘だからという事に気がついたようだ。そして……俺に近づいて来たのだ。そして、俺に抱きつくと…… 小人は光に包まれて人の姿に戻ったのだ。俺と同じぐらいの年齢の女性になった。そして……女性は泣きながら……俺の顔にキスをして来る。それを見ている、他の小人達も同様にして……女性になり俺に飛びかかってくるのだが、全員俺に吸い込まれるようにして、精神体に戻ろうとしてきたのだ。俺の『強制送還』を発動させて、皆の精神体を亜空次元に戻すと、目の前には、リリスに憑依していた女神がいた。俺は、そいつの腕を掴み、亜空次元に強制的に送り込むと、そこにあった亜空次元の入り口を塞ぐことにした。すると……亜空次元の中に入って行った女が亜空次元から抜け出せないことに気がついて、悲鳴をあげながら必死に逃げ出そうとしていたが無駄な努力であった。そして俺は亜空次元の入り口を、閉じて完全に閉鎖したのである。この女を逃がすわけにはいかないのである。リリスや、セバスの話から……おそらく『元の世界に帰るための方法』を知っていると思われるからである。それに……もし知っていたとしても簡単に帰すことも出来ないと思っていたからだ。『この異世界に来る方法』すら知らないので……どうやって『こっちの世界に来たのか?』が不明だが……。おそらく、俺の娘であるリリイのように暗黒神様に、無理やりに精神を取り込まれた状態で来ているのであろうと考えたのである。リリスはリリイに取り付いていたリリスの意識と、この世界の意識が融合した存在なので……リリスの本体は、このリリスではなくリリスに取り込まれていた本来の意識がリリスであるのだろうと推測するのである。そして、本来リリスに備わっている力であるスキルを全て使えるようになったので、このリリスの体に宿ることで、『この世界にいるリリス』と、同化出来るのではないか?と、思い始めていた。
俺がリリスと、融合する前にリリスが俺の娘のリリイと融合してしまったことで……リリスと一体化していたリリスの意識が消滅してしまい。本来の人格である本来のリリスの意識だけが残ってしまった状態なので……元の体に帰れないことが悔しくて泣いていたのである。そこで……
「俺の体を使って、リリスとして、この世界で生きることはできないだろうか?」と聞いてみると……。リリスも、元々、この世界で生きて来た存在では無いことから……問題無いのでは?と言うことだったので……。早速試してもらうことになったのである。俺の体に入り、リリスに念話で指示をすると、リリスは自分の体が俺の肉体に入る感覚を感じ取っていたようで、そのまま目を閉じたのである。
俺の体の中で何かをしようとしていて、少しの間静かになるので、見守っていると、しばらくしてから……ゆっくりと目を開くと、俺を見て、涙を流しているのである。どうやら成功したようである。
「リリス。これからはリリスの思うように生きて行けばいいと思う。ただ……暗黒神は倒さなければいけない敵であることに変わりないんだ。そして、リリスが元いた世界に一緒に帰れるまでサポートしていくからね」と言うと……リリスは嬉しそうに「うん。よろしくお願いします。ご主人さま」と言ってきた。そして……俺に向かって手を伸ばしてきて握手を求めてきたので……「リリス、そのご主人様って言うのをやめないか?俺の妻になるんだろう?俺の事は、シンでいいよ」と言って、リリスの手を握ると、リリスも、恥ずかしそうに「わかりました。シン様」と答えてくれたのだ。俺とリリスは笑い合ったあと……俺はリリスを連れて妖精王の所に向かうことにするのである。
妖精王の元に案内されるのだが……なぜか妖精王女が俺達について来て……。妖精王女に妖精王に会わせるように頼むと、「私達妖精族の王に会う資格はありません」と、言って拒んで来たのだ。仕方なく、妖精王女を置いて、俺達だけで向かおうとすると…… 俺の前に突然……リリスによく似た妖精が現われたのである。すると、俺の前に現われた少女は……いきなり、「私の名を言う。よく聞きなさい! 私の名前はアーリアス。この世界を作った者の末裔です。貴方達が、ここへやってきた理由は理解しております。しかし……。私は今現在、リリス様に力を譲渡しているために、この城を離れることができない状況であります。申し訳御座いません。しかし……。暗黒神が復活した場合は、私達は協力する意思がございますので……」と頭を下げて謝ってきたのだった。
「いや、君達が謝る必要はないと思うけどね……。とりあえず、今は時間が惜しいから……話はここまでにしておくが、リリスと俺と二人でリリスの故郷に連れて帰るからね」と俺は伝えると……。「ありがとう。暗黒神を倒してください」と言われてから……。俺は妖精王とリリスと一緒に転移した。
リリイの体の中に入った時に……俺が作り出した世界だから俺が作ることのできる世界に飛ぶことができると分かったからこそ……この世界にやってきた。俺はリリイの体の中に居るから、俺と、リリイの体を持っているリリスと二人だけの空間を作り出す事ができる。この世界に、この世界の時間軸に合わせて移動することが出来るので、すぐに移動すると、そこは、以前訪れた事がある……あの山であった。
この世界の妖精達の国があった場所だが……。この山は……世界樹のあった山の近くで、この場所なら……暗黒神の波動が伝わってくる場所に繋がっているはずであると踏んでいたのでここにきたのである。そして、その場所を探しているうちに……見つけたのである。
すると……突然地面が盛り上がり始め……そこから、リリスにそっくりの少女が現れたのであった。そして、「ここは……まさか……この世界にまだ人が住める土地が存在したなんて……」と驚いた表情をしながら、周りをきょろきょろと見回してから……リリスを見つけると抱きついていったのであった。「ママ……良かった無事に戻ってこれたんだ」とリリスが泣き出したのだ。
そして……リリスは……俺のことを紹介すると……「お久しぶりですね。私が貴方の体に入った時は大変お世話になりました。改めて自己紹介させていただきます。リリイの母であります……。この世界の妖精族の王をしている……リリアス・フェアリーと言います。リリイの事を頼みました。そして……暗黒神の復活に備えていただき感謝しています」とお礼を述べられたのだ。
俺は「ああ、俺が必ず倒してみせる」とリリスの母親に宣言をした。「リリス。このお方は誰なのですか?あなたに似ていますが……まさか……。」とリリスが聞くと……。リリスは俺にリリイのことを説明すると……。
リリスに母親に俺がリリイを預けると……。リリスが抱きついて来たのである。それを見ていたリリイは……。羨ましそうな顔をしていた。そして……「ねえ。シン。私はいつ抱っこしてもらえるのかしら?」と甘えた声で俺に言ってくるのだ。「もう少し成長してからね」と言うと……。拗ねた感じで、頬を膨らませている。そんなリリスを抱きしめて落ち着かせると……俺は、俺に体を返す前にリリスに確認をすると……俺の娘に、リリスを戻すことに了承を貰ったのである。そして……リリスを娘に戻したのである。するとリリスが目を閉じてから…… 目を開くと……。「あぁ~久しぶりに体を動かすことができました」と言ったのである。「体は大丈夫?」と心配になって声をかけると……。「はい。特に問題ないと思います」と、微笑みながら言ったのである。
そして、俺は妖精王の所に戻ると……俺と妖精王は暗黒神復活の件を話し合い、暗黒神の封印を解くためには……この世界の中心にあると言われている『世界樹』を復活させて、暗黒神様を復活させるための生贄として使う必要があることを伝えたのであった。『光の女神アイシア』と、連絡が取れればいいのだが……今の俺には……通信手段がない為に『光の女神アイシア』に連絡を取れない状態だった。そのため『光の神』に『この世界に来てほしい』ことを頼めないでいたのだ。俺が『闇属性魔法』で『影移動』でこの世界の大陸に来れないのかと聞いてみると……無理なようである。この世界で俺が使えるのは『風魔法』『土属性魔法』『聖魔法』のみであるため……闇の力で移動できるわけでもないようだ。そこで、世界樹のある所に案内してもらう事にしたのである。世界樹があるのはここから南に行った所にある湖であるそうだ。
俺は、その情報を聞き出すと……。早速、その場所に向かうことにする。俺とリリス、妖精王が向かうことにした。この三人にリリイも同行させることにする。暗黒騎士が出現した時には、戦えそうに無いからだ。
俺がリリスと融合すれば、問題ないのだが……俺は、妖精王にも、世界樹の場所を知ってもらうためにも……連れて行くことに決めたのである。妖精王には世界を救う為に必要な事だからとお願いをする。そして俺達は世界に向けて出発をするのであった。
俺は、『リリイ』として、自分の意識を戻してもらうのに時間がかかると思い……。
その間に妖精王に俺の妻であるリリスを紹介してから……。リリスと妖精王女に俺のことを紹介してもらうように話をして、俺は二人の邪魔にならないよう……しばらく時間を潰すためにも……。
俺達が向かったのはこの世界に来るときに、一番初めに降り立った場所だ。そこには大きな岩がありそこに登ったのである。この世界を見下ろしてみると……森と湖と山が見えた。やはりここは異世界なんだと思う光景が広がっている。俺は、俺と融合したはずの女神がなぜ俺に話しかけてこなかったかを考えた。考えられるのは……まだその時ではないという理由が考えられる。ただ単に忘れている可能性もあるが……。ただ……俺のこの世界に来た時の記憶を辿っても、この世界がどうなっているのかまではわからないし……。何が原因でこの世界が崩壊してしまうかもわからない……。ただ一つ言えることは……。暗黒神が復活したときから、この世界に何か異変が起きるはずだ。それを防ぐために……暗黒神は倒すしかないだろう。暗黒神を討伐しない限り……暗黒の力を制御できなければ……。いずれ俺が暗黒の騎士のように……魔物化する可能性だってあるかもしれない。俺自身が魔王のような力を手にしてしまった今だからこそわかることがあるのだ。そして俺はこれからも暗黒の力を制御する訓練を欠かさないようにしなければならない。
しかし……。暗黒神を倒した後のことも考えなければならない……。俺がこの世界に降り立ったときには……。俺の作った世界の時空間が壊れかけていたから……。
この世界を俺が作った世界だということが、バレてしまっている可能性だってあり得る。
そうなれば……。この世界にやってきている『光の英雄達』が、俺の作り出した世界だと知った場合……。『闇の支配者達』が俺の世界の人間だという事がばれてしまった時に……何をしてくるかが予測ができないのである。この世界の人間の体を手に入れてしまえば……俺と同じように世界を作ることができる。しかも……。『闇の支配者』達の中には……。あの有名な錬金術師がいたような気がするのだ。あの錬金術師なら……。人の心を操る薬を作り出すことが可能だと考えられる。そして……この世界でも同じ事ができるのではないか?と考えてしまったのであった。それに……。あの勇者は、『光の巫女』を使ってこの世界に来ていたはず……。
しかし……。この世界に来てからの違和感の正体が……これではっきりとした。それは……俺が作り出したこの世界に……光の巫女が存在しないからである。この世界に召喚されていたはずなのだ……。
しかし……。いないのならば……おそらく……すでにどこかで転生を済ませて別の人物になった可能性が高いと考える。そうなると……。俺に出来る事は、暗黒神の居場所を特定することしか出来ないが……。それがわかった時点で……俺の分身である俺の子供の一人が、すぐに倒しに行ける体制を整えてくれると思うから……。
暗黒神さえ倒せばいいのだ。問題は、暗黒神を倒すために……まず俺自身の暗黒の力と暗黒騎士の力が暴走しないような状態にまで持っていくことだ。俺が……暗黒の鎧を脱ぐことで……。俺は俺に戻ることが出来るようになるのであろう。
そして……。暗黒騎士の鎧が……闇の魔石と繋がっている以上は……暗黒神の魔力の供給源になっている可能性も否定できない。
そうなると……『光の柱』を俺の手で作り出して暗黒神を倒してみる事も考えていかなければいけない。そして……この暗黒神の復活の阻止に成功した暁には……。俺と、俺の娘の誰かに……暗黒の魔王になってもらって、俺の代わりに『世界樹』を守ってくれるようにしておけば……。俺が死ねば……。また暗黒の力を持つ者が誕生する危険性を孕んでいるから……。この方法は良い方法であると俺は考えたのであった。
この世界での用事を一通り終わらせた後に……。リリスと妖精王を連れて……。妖精の隠れ里に転移で戻ったのである。妖精王にも『妖精の隠れ里』を見せておきたかったのだ。妖精王は、里の中を楽しそうに見回しながら歩いていると……。リリスを見つけた瞬間に、抱きついて再会を喜んでいた。妖精王のところに戻ると……。リリイを俺達に紹介したのだ。
妖精王は、「この子が私達の大切な娘です」と嬉しそうにしている。リリイの容姿は、黒髪・瞳はエメラルドグリーンである。リリスの面影がある美少女だった。リリイは、「ママ! 久しぶり。会いたかったよ」と言って泣いていた。俺は、俺の娘の妖精王リリイを紹介する。「リリイと言います。シンさんと、リリス王妃様とリリイのお母様のリリアスさんの四人で……シンさんの作る新しい国に行ってきました」と報告をしたのだ。すると……。リリスは「まぁ! リリイ!!よく頑張ったわね。さすが、私とアイナスの子ね」と涙を流しながらリリイの頭を撫でている。「リリスママが私のママになるんでしょ?」とリリイが言うと……。「そうよ。あなたはもうすぐ私の娘なの」と言いながら……二人で喜び合っていた。そんな二人を見ていると……。リリイが少し大きくなったように見えたので、リリスに聞いてみた。「リリス?リリイは、どのくらいの大きさなのかな?」と言うと……リリスは、少し不思議そうな顔をして……。リリイをじーっと見つめていたのである。
そして……しばらく沈黙の時間が過ぎた……。
リリスが突然リリイの頭から手を離すと……。「ねぇ。もしかして……リリイも一緒に行くの?」と言うのである。「えっ!?どういうこと?」とリリイは、首を傾げながら……リリスに聞き返していた。すると……リリスがリリイに向かって「だって……あなたの体って……『闇』の精霊王そのもので……闇と聖の力を併せ持つ究極の存在なんでしょう。もしかして……。『ダークネスアイアス』の生まれ変わりなのかもしれない……」と言うと……。「私が『闇』の力を制御出来ているのに……闇の存在が産まれるはずがないじゃないですか……それに……。私は……元々この世界にはいなかったのです。シン様がこの世界に呼んでくれたんです」と言うので……俺は慌てて話に入り込み、説明をした。
俺は、「リリスは……。リリスも、この世界に来るときに、俺に会っているんだよね?俺と一緒にこの世界に来なかったかい?」と言うと……。
リリィは驚いた様子だったが、「思い出しました。シン様に会っていたことを……でも……その記憶がなくて……。どうしてかなって思っていたけど……まさか……闇の力のせいで……。ごめんなさい。本当に……。」と涙を流すのである。俺はリリスの方を見て、「リリスは、このリリイを見ても……思い出せないかな?もしかしたら……暗黒神様に封印された時のことを覚えているんじゃないか?リリスならわかると思ったんだけど……。」と話すと……。リリスは、考え込んでしまい……。しばらくしてから……。俺の顔を見ながら……何かを思い出したかの様に……。俺に近づき耳元で囁いてきたのである。
「シン様。リリイをしばらくこの里に置いてくれませんか?きっと役に立ちます。お願いします。この子は、闇と聖の両方の属性を持ち……『闇の支配者』の力が目覚めかけています。このまま放置するのは危険です。どうか……しばらくの間だけ……。この子で試してみて欲しいことがあるんです。必ず力になりますから」と言うのである。俺が、「うん。じゃあ、しばらくこの子を預かる事にするよ。それで……どんなことをさせるつもりなんだい?もし良かったら、手伝うよ」と言うと……。
リリスが……。小声で……俺に指示を出したのである。その内容は、俺にとってはかなり驚きのことだった。それは、この世界を救う為に……。『世界樹の種』を使ってこの世界を救おうと考えているというのであった。俺と融合した状態の今の俺ならば……。可能だと思われるが……。それをあえて俺にさせた理由を聞こうとすると……。
「世界を救う為に必要な事なのです。そして……世界樹の種は……。世界樹が成長するためには……『光』が必要なのです。そして『光の英雄達』が世界樹の元に集ったとき……光の力で満ち溢れ……世界樹は一気に成長を遂げると考えられます。世界を救うためには必要な事だから……世界の為にもやって欲しい事があるの……。もちろん……。リリイも連れて行かせるから……」と言われてしまって……。
リリスが、何を考え、何をしようとしているのかがわからなくなってしまったのである。
しかし……俺にとっては……悪い話では無かった。この世界の未来のためになるのであれば……やるべきだと思っているからだ。そして……リリスの願いを聞いてあげようと考えていた。
それにしても……。リリイを連れて行けなんて……。俺と離れたくないと言わないだろうか……? それに、この世界では……『闇』の存在は禁忌とされているみたいだし……俺との融合を解除しなければ、リリイを連れてはいけない……。
リリイは、妖精族の中では最強と言われている存在なのだ。リリイの戦闘能力なら、おそらく……暗黒の騎士達と戦えると思うが……。問題は、『光の英雄達』との戦いになるはずだ。リリイは、『光の英雄達』とも交流があったらしいから……なんとか戦いを回避する方法が見つかるかもしれないな……。リリイを仲間に加えることができれば……。『光の英雄達』と戦う時の助けにもなるかもしれないと考えたのだ。
それに……暗黒神がこの世界に現れた場合……。リリイなら対処ができる可能性があるから……。『闇の支配者』の力を受け継いでいるから……。暗黒神と対峙する事が可能だと思われた。そして……。リリイが暗黒神を倒した後ならば……俺と融合を解除できるはず……。この世界に来た時の状態に戻すことが可能だと思う。リリイは、妖精女王の娘で……この世界でも最強クラスに能力の高い人物なのだから……。リリイを妖精の里においておくことにした。そして……。『勇者』が、この世界にやって来たときには……。俺と俺の子供の一人を護衛に連れて行って、対応しようと考えたのであった。『妖精王国・フェアリー公国』は……。俺が守っていれば、滅ぶことはないだろうから……俺と子供で守ることにするよ……。
俺は、アイシスに妖精の国と……妖精の森に結界を張ってもらって……。
『光の精霊石(大)』と『光の塔』を設置する事にしたのである。『光の神剣・エクシードセイバー』をこの世界に持ち込めない以上は……。この世界で使う武器が必要だと感じたのだ。この二つの装備があれば……。たとえ……『闇の軍勢』や……『闇』の力を持つものが攻撃してきたとしても……。簡単に倒すことが出来ると思うからな……。そして……。俺とアイリスは、『光の女神の石像』がある部屋に瞬間移動をして……。俺は女神の姿に戻るために……。女神の姿をイメージするのであった。……そして……気がついた時には……俺は全裸になっていて……女神化をしていたのだ。俺は、「アイシス……。これで、私は……。『光の女神』になったわ。私には……今はまだ出来ないけれど……。いずれ……私の娘である『光の英雄』が現れるのを待とうと思います」と伝えると……。「そうですか。ついに覚醒したのですね……。私は……あなたに付いて行きます。あなたが望む場所に……。それが、私の望みでもあるのですから」と笑顔で話してくれたのである。俺は……嬉しくなって……ついつい……。
「ありがとう……。私と一緒に……ずっと……傍に居てね」と言うと……「私からも、お礼を言いたいことがあります。あなたの魂の一部分を受け入れてから……不思議な気持ちになっているんです。あなたのことが好きになっていたんですよ。愛してもいいでしょうか?」と顔を真っ赤にして……上目遣いで話してくれるのだった。俺はそんな可愛い顔をしているアイシスにキスをしたのだった。アイシスも嬉しかったのか……。「ん~!!」と言って、俺を抱き締めてくれるのだった。
そして……俺とアイシアは……。部屋から出て、城に戻っていった。城に戻りながら……俺の服を作ってくれていた人達が、「新しいドレスが出来ましたよ」と言ってくれていたので、着替えた後に……。謁見の間に向かうと……。俺の子供達が待っていたのだ。アイナとサーヤは……既に着替た状態で待っていたのだが……。
ニアとネロは、下着姿で待っていたのだ……。俺とアイナスとリリスが呆気に取られていると……。二人は、「シン様……。あの服を着るのは嫌です!!あんなヒラヒラで、身体のラインが出るような服なんか絶対にイヤです!!!!」と泣きながら抗議をしている。「僕もです!!僕は、普通の格好が良いです。お願いします」と……。そんな二人を見て……リリスは、「ふぅ〜。わかったわ。今回は特別に許してあげる。だけど……。次はないと思ってね……」と釘を刺すように注意していた。俺は、アイアスの方を見ると……。アイアスがこちらを見ている視線に気づいた。その目は「私は……大丈夫だよ。別に問題は無いけど……」と言う目だったので、俺は「アイアス。もういいぞ」と声をかけると……俺達のところに戻ってきたのである。
俺は、改めて、この国の王妃であるリリスから、正式に挨拶を受けた。俺も改めて、挨拶をしたのだった。ちなみに、俺達が話に夢中になってしまっていても、ちゃんとお腹がすいたので、食事も用意されていた。料理長が俺達のために、用意してくれていてくれたのである。さすがにリリスも、料理長が誰かまで知らなかったようで、「シン様にこんなに美味しいご飯を用意して下さった方がいたなんて……。感謝いたします。このご恩は必ず返しますので、これから宜しくお願い致します」と言っていたのである。俺は、「リリスさん。この料理長は、元々『闇ギルド』の構成員だったので、今までは、牢獄に入れられていたんだけど……。事情があって釈放して、この城に招いたんだよ。だから、あまりかしこまらなくても良いから」と伝えた。すると……リリスは「そうなの?それならば、もっと早く知っていれば……。みんなを紹介したかったなぁ……」と話していた。リリスが残念がっていたので……料理長が何か困っている事が無いか聞くと……「実は、この国に居る他の料理人が『光』と『闇』の力を持っているんですが……最近様子がおかしくなっているんです。この国に来るまでは……普通だったみたいなんですけど……。今では……。まるで人が変わられたみたいです。それで、私達を信用しなくなってしまって……。特にシン様のことを敵対視しているようなので……。申し訳ありませんが……気をつけてあげて下さい……」と言われてしまったのである。「わかりました。出来るだけ注意しておきます。他に変わった事はありませんか?どんな小さなことでも良いんですけど……」と聞き返すと……「いえ、特にありませんでした」と答えてくれた。
俺が考え込んでいるのを見たアイリスが……心配そうに声をかけてきた。
「シン様。どうされたのですか?もしかして……先程から、感じられている邪悪の気配が関係していますか?私には感じることは出来ないですが……何かあるんですか?」と聞いてきたので……。俺は……「うん。ちょっと気になる事があるから……。このあと調べに行く予定なんだけど……。一緒に来るかい?」と話すと……アイリスが、「もちろんです。どこに行く予定だったのですか?」と言うので……俺は……『光の神眼』で、妖精の里に転移しようと思っていた事を伝えると……。
「なるほど。そうでしたね。でも妖精の里に行かれるのなら……。この妖精王国の姫であるリリイも一緒の方がよろしいかと思われますが……。私が説得いたしましょうか?」と言うので…… 俺は、「そうですね。一応、リリイとも話し合ってからにした方がいいと思うから……後で時間を作りたいので……その時は、よろしく頼みます」と言うと……。「はい。了解しました。では……リリイの件は……また後日に……」と言ってくれたので……俺は「わかった。頼むよ。俺もリリイの様子を見てくるからね」と言って、リリイに会いに行く事にしたのである。そして……リリス達を部屋に送ってから、俺達は、妖精の国・フェアリー公国にある……リリイの家に行ったのであった。
妖精の里の『光の塔』の前に行くと……。俺は……いつものように、『闇空間』から『妖精石』を取り出して……。リリイのいる『光の塔』の中に入って行った。リリイは、俺が来たのに気がついて、笑顔で迎えてくれる。そして、リリスが俺の所に来たのに気がつくと……。驚いた表情を浮かべていたのだ。俺は、すぐに『光の塔』から出ようとすると……リリイは……慌てて止めてきて……。リリスがここに来れた事を不思議に思ったようだった。
俺が簡単に説明すると……。少し混乱していたようだが……。なんとか落ち着いてきていたのだ。そして、改めて、リリスは俺と一緒に旅をすることを告げていた。リリイは最初は驚いていたが……「私と一緒の旅でいいなら、私で良ければ……付いて行っても良いわよ。それにしても……リリスは、妖精族最強なのに……。なんで……この里を離れようとしたの?」と言うと……リリスが俺との出会いを話し出した。俺が『光の支配者(大魔王)候補だったことを話すと……リリイが急に苦しみ出して……。胸を抑えて座り込んでしまったのだ……。
俺もびっくりして駆け寄ると…… リリスが俺に話しかけて来た……。
「シン様……。私はもう……大丈夫なので……安心して下さい。それと、シン様も……リリイを優しく抱きしめて上げてくれないでしょうか?今は大丈夫だとおもいますから……」と言われたので……。俺はリリスの言葉通りに行動することにした。そして、苦しんでいた原因を聞くと……俺に話してくれたのだ。それは……『光の神』の封印が弱まっているためだった。今の状態は、まだ影響がないレベルなのだが……。このまま放置しておくと……危険な状態に陥るらしい……。そして、その原因は、『闇神ダークロード』の魔力による侵食が原因だったのである。俺は、『聖石』の指輪を嵌めている指を見せると……。リリスは驚いていた。やはり、この世界ではまだ発見されていないようなのだ……。『光の石』の『精霊化』した存在であることを簡単に説明をしたのだが……よくわからない様子だったので詳しく説明したのだが理解できないような顔をして固まってしまっていたのだ そんな時に、ニアとネロもやって来た。「ママ。何があったんだ?リリイの様子を見てたって言うから、僕達も見てたらなんか苦しそうにしていたよ?」「お母さま〜〜〜。助けて欲しいです〜」と言っている状況だ。俺は、そんな三人を見て苦笑いをするしかなかった。とりあえず……リリイに話を聞かないとと思い、落ち着くのを待つことにしたのである。するとリリスは、「ニアさん。ネロさん。この方は、闇神の力を身に宿されている御方です。ですので、心配する必要はないですよ」と言っていた。
ニアは、「えっ?どういうこと?」と言いながら俺の方を見ると……。俺は……「ニア……。実は……このリリスも闇の属性を持っていたんだよ」と教えてあげると……。納得したのか、「そっか。それで、リリスちゃんもシン様の仲間になったのか!!」と言って笑っていた。
ネロも俺の方を見ると……。「そうなんですね!!リリスちゃんも……同じ闇神に認められた仲間だったのかぁ」と嬉しそうに言っている。
そんな中でリリイは……。落ち着いたようで……。俺達の方に歩いてくる。俺は、改めて『闇結界』の中にみんなを連れて入ると……事情を説明した。すると、ニアとネロは……「そんなの全然関係ないわ。僕はママについていくだけだからね」と言う。それに対してリリスは……。「私は……もともと妖精王の娘ですからね。リリイさんにも同じ思いがありますよ。私が、一緒にいても大丈夫でしたら……。喜んでご同行いたします」と答えていた。リリイの答えも同じような感じだったので……。俺が、リリイに、「大丈夫なの?『光の支配』の影響で、苦しいかもしれないけど……」と言うと……。リリイが真剣な目をしながら俺を見つめてきた。俺は、その視線から逃げることが出来ずに見返し続けていた。
俺は……見返すのをやめると…… リリイが「はい。シン様に会えたおかげで……。今までよりももっと、力を感じるようになりましたから……」と答えていた。
「わかったよ。リリイ……。これからよろしく頼むね」と俺が答えると……。「ありがとうございます。こちらこそ……不束者ですが……宜しくお願いいたします」と言って……深く礼をしていたのである。すると……。「じゃあ、僕達は??」と二人が言ってきたので、「ニアは……俺といつも一緒だから……何も変わらないだろう?リリスの事も頼むね。でも、リリスも……妖精王国で仕事をしている人がいるから……リリイと同じ扱いで良いと思うけど……」と言うと……。「了解!僕はそれで良いよ!」とリリイは即答して…… ニアは……
「んー……。確かに……いつも、ママの側に居るのは……当たり前だけど……」と言って考え始めた。俺は、「そうだよね。ニアは……。『フェアリー商会』の支店の管理をしているし……。いつもは忙しいのに……。俺にばかり構っていて良いの?」と聞くと…… ニアが「うぐぅ……痛いとこつくね。うん。やっぱり……ママの側が一番居心地良いし……。でもね……たまには、シン様とも会いたいし……。シン様も……僕の大事な家族だし……」と言うので……。俺は「ニアも一緒に来る?」と言うと……。凄く喜んでいた。
「うん。行くよ。ママと二人っきりとか嫌だし……」と正直な気持ちを話してくれていたのである。俺は、それを笑顔で聞いていたのだった。
そして、俺が……。リリイや妖精族の人達には内緒にするように頼むと……。三人とも了承してくれて、話がまとまったのである。俺は『闇空間』にみんなの荷物を入れていくように指示を出して、妖精族が持っているアイテムをいくつか取り出して貰っていた。
リリイに妖精王国の秘宝を預けてから……。俺は『闇空間』の共有ボックスに入れてもらうと……俺は、『妖精の里』のフェアリー公爵家の家に行き、使用人にリリイの両親を呼ぶように頼んでから……『妖精石のペンダント』を持ってきて貰った。それから俺は……リリイの母親であるライラにリリイが俺との旅に出たい事を話してもらうために呼んだのだ。すると、妖精の長・フェアリー公が慌ててやって来て……リリイが旅に出ると言うのを驚いていたが……すぐに承諾をしてくれた。そして……フェアリー公国に何かあった時は連絡してほしいことを告げておくと……。リリイも俺に同行したいという事を伝えると、涙を流して喜んでいた。
俺は、そんなリリイに「いつでもフェアリー公国に遊びに来ていいから……」とだけ言って……別れるつもりだったのだが……妖精達が引き止めるので…… 仕方なく、しばらく妖精達と話す事にして、その後……フェアリー王国の『妖精郷』に行ってみたいと言う事を伝えていたのだ。
妖精王は、最初は難色を示していたが……。最終的には受け入れてくれたので……俺は『妖精石』のネックレスを渡した。これは、リリイが持って行った『フェアリーの秘薬』の効果を発揮するもので……フェアリー一族にしか使用できないものだったからだ。
妖精達は、俺の話を聞いてくれた後に、フェアリー公と話し合いを始めていた。妖精族に伝わる伝説のような話を教えてあげていたのだった。リリイが、少し羨ましそうにしていた。リリイが、話を聞き終わっている間に……。俺は、『光の石』を取り出して……リリイにも、『光の加護』を使えるようになるようにしてあげたのだ。俺は……妖精の長が、『闇の波動』を受けて『光の支配者(大魔王)』になってしまった時の話を聞かせてくれるか聞くと……妖精王が、「はい。私がこの国を守っていくためには、それしかないと思い……引き受けたのでした。しかし、この国を守る為だけに使った私の力は……。あまりにも強すぎて……『光の支配者(大魔王)』となってしまいました。そして、リリスが暗黒の騎士を倒す為に……『闇神の神殿跡』に行ったのです。私は、その事に後悔などしておりません。それが……私に出来る最善の手段でしたので……」と話していた。俺は……そんな事を考えていたなんて思いもしなかったのだ。俺は、「ごめん……。辛い思いをさせてしまって……」と謝ったのだが……。妖精王は何も話さずに首を振っているだけだったのだ。
そして、俺が「妖精王様……。あなたは……。『光の支配者(大魔王)』になって良かったと思いますよ。だって……。この世界が救えるのだから……。俺もこの世界に転生してくる前に、この世界を救う為に戦っていたんですよ。俺は、『闇の支配者(魔神)』を倒して……世界を平和にした。でも……。俺の本当の願いは……。誰も争いがないように……。平和な世の中を作る事でした。この『闇界』の世界を平和にしたい……。そう思っていましたからね。俺は……あなたのお気持ちもわかります。それに、あなたはこの世界を守るために命を投げ出したのでしょう。この『闇界』の人々を幸せにしてくれるのなら……喜んで『闇支配の仮面』を差し上げます。」と言って……。俺は……『光の魔導石』に力を注いで、新しい『闇支配者のマント』を作ってやった。妖精王に着せてあげると……とても驚いていた。「ありがとうございます。この力があれば……。闇の神々と会って話をすることができます」と喜んでいて……「私は……今迄のように……妖精族に力を授けることができそうです」と言って微笑んでいた。俺は、これで……。リリイは大丈夫だと思い……安心して……。リリイに、「ニアと二人で……仲良くして下さい」と言うと……。リリイは……「そんな……。恐れ多い……。私なんかで良いのでしょうか?私はただの女でございます」と顔を赤くしながら俯いていた。
ニアも俺の横に座って……「ママ。何言っているんだよ?僕達の母さんなんだから……遠慮する必要ないだろ?僕は……。ママが一番好きだし……」と恥ずかしがる事なく俺に言ってくる。
ニアも……。リリスと同じように闇の属性を持って生まれた子だと思っていたが……闇の神の力が目覚めたら……。どうなってしまうのか不安があった。でも……今は闇の神の使徒であるリリスも側にいてくれるので……。心配はないかな……。
「わかった。ニアも、俺と一緒に行こう。でも……リリイは俺と一緒だからね」と念を押してから、三人で抱き合ってからキスをしてあげると、すごく照れながらニアとリリイが笑っていた。ニアは……。いつもより強く唇を求めてきて舌を入れて来ている。ニアもリリイ同様に……。闇の眷属としての目覚めの時が迫っているんだと感じ取ってしまったのであった。
俺は……『フェアリーストーン』をリリイに手渡すと……『妖精の粉』のレシピを教えた。ニアは……俺の腕に抱かれていたが、ニアの体の柔らかさを感じる余裕がなかった。それほどに……。リリイの体が震えていたからである。俺は、ニアに目配せをするだけで……リリイに声掛けはしない。
ニアは俺が、これからリリイの身に起こる事を知っていると思ったらしく……俺の目を真っ直ぐに見つめてうなずいているのがわかったのだ。
俺は、ニアと二人きりになりたいと伝えると……「ママ!!ずるい……」と文句を言うニアの口を俺がふさぎ……しばらくしてから……。離すと、ニアの目はとろんとして、ニアも興奮しているようだ……。そして……俺とニアの二人きりの時を過ごす事になったのである。
俺が……「ニア……、俺の事愛している?」と聞くと……。
ニアは、「ママ……。大好き……。シン様……。」と言って、いつもより積極的に求めてくる。俺とニアが、二人きりになった時は、お互い名前を呼び合い……。お互いに激しく絡み合った。
俺とニアの行為が終わると……ニアは、俺にしがみついて離れなかったのである。
リリイは……。フェアリー王国に帰る日になると……寂しそうな顔をしながら、ニアと俺を見送ってくれたのだった。
妖精達は……「いつでも来て下さい」と別れ際に言うと、リリイは笑顔で、「はい♪是非遊びにきますね。ニアちゃんにもよろしく伝えてくださいね。本当に、ご迷惑をおかけしました。この度のお詫びは必ず致しますから……」と言っていた。リリイとニアとのやりとりが聞こえていたのか……。リリスも涙ぐんで「シン様……どうかリリイをお頼み申しあげます。」と頭を下げていたのだった。そして……妖精の長であるフェアリー公とリリスも、リリイが俺と旅立つことに賛同してくれた。
俺は……サートとミーアを『闇空間』に入れて……。リリイには……『フェアリー石』と妖精族が作った『フェアリーペンダント』を貸し与えてから、『時空転移装置』を使って、『エルフの里』に戻るように伝えたのである。
俺と妖精王は……しばらく話し込んでいたが……
「じゃあ、また、連絡を入れるようにするから……。元気でな!」とだけ話して別れたのだった。
妖精族の長は、『闇支配者の仮面』を手放したがらないので……俺が持っている事にしたのだ。俺は……この『闇の支配者のマント』があれば、『光の支配権者の指輪』を使う事が出来るはずだと思い出し……。試してみると……予想通り使えたのだ。
『闇空間(異次元)』と『闇世界』を繋ぐ事が出来たので……俺の仲間達がいる場所を検索してみると……すぐに見つかったので、そこへ移動すると、やはり仲間達は俺が急に現れた事にも驚きもせず、平然としていたのであった。
俺は、「『フェアリーワールド』から戻ってきたところだよ。」とみんなに伝えると…… リリイは……、「あの~。フェアリー王国にお邪魔しても宜しいですか?」と言うので、「うん。別に構わないけど……なんで、また?」と聞くと……。
リリイは……フェアリー王国では妖精達の手伝いをしていたので……今度は、自分一人が役に立てる事を見つけたいと言うのだ。
俺は、リリイの意思を尊重すると言うと……リリイは「えへへ……良かった……。ありがとう」と言った。リリスは……少し不満そうにしていたが、フェアリー王国を復興させるためにリリイの気持ちを尊重してあげた方がいいと思っているようだった。
リリイが、『光の世界』に行くという事で……。
俺が、『妖精郷』から戻ってくるまで待っていてもらうのも悪いからと、フェアリー城の一室を借りる事にした。部屋の準備が出来たら……妖精王が呼びに来ると聞いていたので、待っている間に、『妖精石』の使い方を教える事にした。妖精達が、俺の話を聞いてくれて『光の支配者(大魔王)』になれるか心配をしているとリリスが教えてくれる。
「そんなに気にする事ないですよ。だって、リリイは元々闇の神が作り出されたのですから……。リリスさんや妖精王様と変わりありません。闇の神の加護があるのだから……。『闇の波動』を浴びると……闇神の使徒となります。そして闇の力に支配されるだけです。それは、暗黒騎士になるのではなく……。元々闇の化身だからです。だから心配はいりません。闇の神の使徒になっても闇の力を制御できますよ。だって……元々は『光の支配』を受けていますからね。でも……気をつけて下さいね。この力を使い続けると……。闇の神が復活する為に必要な闇の力が溜まってしまって……。最後には暗黒の騎士になってしましますから……」と説明をしたのだ。
リリイも「そうなんですね……。リリスさんから聞いて安心しました。私なら、絶対に使いこなせると思うんですよ。『闇の支配石』とか凄いですもんね」と喜んでいた。
妖精女王が呼んで来たので……。『妖精郷』を出発する事にする。そして俺は、みんなを連れて……。妖精王のいる場所に飛んだ。
妖精王と話し込む前に……。まずは……。フェアリー王国を再建する準備を始めることにする。
リリイは……フェアリー王国の再建を手伝ってくれるらしい。妖精族は、力を合わせて協力してくれていたみたいだが……。それでも人手が足りない状態だ。俺は……妖精王にお願いして……俺の『闇の分身』を出すことにした。『闇の従者(ダーク・スレイブ)』だ。『闇の従魔(ダーク・モンスター)』は、召喚魔法が使えないのだが……『闇の魔獣(デーモン・ビースト)』だけは召喚が出来るのだ。その力を利用して『闇世界』にいる魔人を呼び寄せたのである。もちろん『闇魔道師(シャドウロード)』も呼び出したのであった。この二人には、フェアリー王国の復興を任せる事にする。この二人は、フェアリー王国の元住人なのだから……。フェアリー王国を一番よく知っているはずなのだ。
フェアリー王国は……今は荒れ果てているが……昔は自然豊かで花が咲き誇っていたと言うから……。綺麗で優しい心の持ち主達が多いと聞く。フェアリー族の住む場所は……地下のダンジョンのような所と聞いたから……。地上の花を植えれば……緑溢れる豊かな国となるはずである。
俺は……妖精女王に、この事を話すと、快く了承してくれたので、早速取りかかる。リリイが……俺と二人っきりの時間が少なくなった事に不服そうだったが……俺は、「リリイには……。俺と一緒にやって欲しい事があるんだ。」と言って……俺の側にいた『精霊人形』(フェアリー)に……フェアリー王国にある『フェアリーストーン』の場所を教えてもらい……リリイと一緒にその場所に向かうように指示をする。『フェアリーストーン』は、全部で7個存在する。フェアリー王国の中央にあるフェアリー城の地下にある『妖精神殿』とフェアリー王宮とフェアリー王立学院だそうだ。俺の魔力を込めたら使えるようにしたので、これでフェアリー王国は復活させる事ができるはずだ。『妖精界』は俺の領地に設定してあるので……いつでも戻って来れるようになっているのである。
フェアリー王からフェアリー王国に何があったのかを聞くと……どうやら妖精達によるクーデターがあったようで、国王である父親が暗殺されたと聞く……。それで……。母親が殺されたショックで精神が崩壊して……。娘であるリリイが王位を継いだようだ。でもリリイは、『妖精王の資格者』ではないから……。『妖精の羽』が出ないのである。
リリイによると……。『妖精王資格者』『妖精女王資格者』とは……。生まれた時に持っているものらしい。つまり……。妖精王は生まれながらに妖精王なのに対して……。妖精女公爵は、『妖精石』の力を解放して『妖精女王石』を手に入れるとなれるそうである。リリイの場合は、『光の女王石』の力を手に入れないといけないが……それはもう持っているから、後は妖精王国で『フェアリークリスタル』を『妖精玉』に変化させればいいだけのようである。
フェアリー族も人間族と同じように……成人になると一人前の妖精として認められるのだそうだ。成人は15歳なので、あと2年待たなければならない。
俺は、リリイとリリスに……。
「フェアリー族を復興させてあげたい」と言うと、二人が、「シン様のお心のままに……」と賛成をしてくれる。俺と二人で話しているリリイに……。リリスが、「私は……。リリイ姉さまに付いていきますから……」と話す。
リリイが「えへへ♪嬉しい。よろしくね♪リリス」と言うと、リリスがリリイの頬に自分の頬を寄せている。とても仲が良い姉妹である。
リリイとリリスは、『フェアリークリスタル』を使って……。
『フェアリーの羽』と『フェアリーの杖』を作り出して……『フェアリー石』も作ったので……『フェアリーストーン』は、妖精族の力で蘇ったのだ。フェアリー族の力は……想像以上のものだった。俺は、改めて……。妖精族が、人間の力では及ばない種族だと認識したのである。フェアリー族の寿命は、500年以上生きる事ができ……。子供も普通の人間の倍くらいまで成長速度が違うのだ。フェアリー王国は妖精族の力もあって、美しい場所だったと聞くから……本当に期待出来る場所になりそうな予感がしたのだった。
フェアリー王国は、『妖精石』を使った事で……。以前とは全く違った場所に生まれ変わっていったのである。俺は……その様子を『時空のオーブ』で確認しながら……この光景を忘れないようにと目に焼き付けたのだった。そして俺は、『闇空間(異次元)』に、フェアリー王国を再建して、またいつでも行けるようにしたのだった。そして、俺は妖精族の長のところに行って……。『闇空間(異次元)』の中に案内してあげることにした。妖精王の長も喜んでくれると思ったが……。
しかし……『闇空間(異次元)』を目の前にして、「こ、これは……。」と言うだけだった。俺は、「どうかされましたか?」と話しかけたが……言葉を失っていた。リリイやリリスも驚いているような表情で……固まってしまっていた。
しばらく経って、ようやく落ち着いたのか……
「こんな場所にも……。貴方の配下がいるという事ですか?」と聞いてきた。
リリイが、代表で……、「ここにいらっしゃる方は、私が幼い頃……。お会いしていた方なんです。お名前は……『暗黒の騎士』様です。お姿もお変わりになっていると思いますが……私達が覚えているのは……『暗黒の神』が倒されて……封印された後でしたが……。暗黒の騎士の事を……父上……王様から聞いた事があったので……。」と言うと……。
「まさか……そんな……。暗黒の騎士殿は……既に亡くなったと聞いていたのだが……。」と言い……。リリイの方を見て……また驚きの顔をして……
「そうだったんですね……。暗黒の騎士が生きていたなんて……。私も知りませんでした……。」
と悲しそうな顔をしていた。リリイは、妖精王が、何故そんなに暗黒の騎士を怖がっているのかわからなかったみたいだが……何か事情があるのかもしれないと黙っていたのだった。俺もどうして、妖精王が……あんなに暗黒の騎士を恐れていたのか疑問だったので……。直接、本人に会うことにしてみた。
暗黒の騎士と妖精王とリリイ達は、お互い見詰め合ったまま……動けずにいるようであった。俺は、まずは、俺が誰なのかわかるかどうか聞いてみる事にしたのだ。暗黒の騎士が答えようとすると……その前に……妖精王が自分の口を開いた。そして……。涙を流し始めて……。そして、いきなり膝間づき……。暗黒の神の力を秘めた暗黒騎士の前に平伏してしまったのだ。そして……震えるような声で、
「我が君……暗黒騎士様に御無礼な態度をとってしまっており申し訳ありませんでした……。あの時の恐怖を今でも忘れておりません……。そして暗黒の騎士が復活した時……この国の終わりだと感じておりましたが……。暗黒騎士様のおかげで……。国は救われたのです……。」と言ったのだ。
そして続けて「暗黒騎士様の御命令に従い……。我々は暗黒神の復活を阻止するために……。命を捨てて戦っていたのです。それが、どういうわけか……。今、この場所にいると聞いて……恐ろしくなってきてしまった次第です。どうか許して欲しい……」と言ってきた。
すると……。リリイが……。俺と目を合わせ……。首を傾げていたので…… 俺は……、「実はね……。妖精王さんはね……。妖精の国を滅亡に追い込んだ犯人が、暗黒騎士団の仕業だと知ったらしくてね……。それで……。魔王と手を組まないかと誘われていたんだよ……。俺も……その時は信じられなかったが……実際に魔王と戦ってみると……。魔王は悪者に思えなかった。だから、手を組むことはなかったんだけど……。妖精王の話では……魔王の部下の暗黒神の化身は、人間を操り……この世界に混乱を招くために行動していたようだと言っていたから……。妖精王は、魔王を信じていなかったと思うよ。だけど……その話を聞いた後なら……俺が『闇の使徒』だとしても……信じたはずだよ。だから……この事は秘密にしといてくれな」
リリイは、うーんと納得のいかない顔をしていたが……とりあえずは……了承してくれたのであった。その後……妖精王とリリイは、俺が連れてきた暗黒の森で会った時に、妖精王に言われた『妖精王』になる儀式を行ってもらう事にした。これで、リリイは、正式に『妖精女王資格者』となったのだ。これで……この妖精王国は……。再び緑溢れる国に戻るだろうから良かった。これで俺の役も終わりだと思うから……妖精女王に挨拶だけしたら……帰ろうと思っていたが……。まだ問題が残ってそうなので、少し様子を伺うことにしたのだった。
フェアリー王国の問題は……他にも残っていたのだ。妖精王は、リリイが王位を継いだ時にも言っていたが……妖精族には『光の民』と『風の民』がいるらしい。
そして……。人間族の中には……。妖精族を見下している者達が多く存在するのである。元々、妖精族は……。他の人間とは交わらず独自の文化で生活してきたらしい。人間は、妖精族から、自分達よりも優れた力を持った種族であると認識されていて……。『フェアリーストーン』と呼ばれる宝石の力を使えるのは妖精族だけだと信じられていた。その為……フェアリー族の事を、エルフ族の下位種族のように考えていた節があったようだ。
リリイの戴冠式の後、すぐに……。一部の貴族の当主が妖精王国を訪れて……。リリイに王位を継がせる事に反対する勢力が出てきたそうだ。しかし……フェアリー王国は妖精族が治めているので……。リリイが王位を継いだら……貴族達に都合の悪い状況になってしまう。そこで、リリイに王位を譲った後は……。『妖精の羽』の力を解放する為の儀式を行いたいが協力してくれないかと言う話をリリイに持ちかけた。
リリイも、このままだと自分の意見が通るとは思っていなかったようで……。「わかったわ。私は、自分の意志で女王になりたいとは思ってないけど……。でもフェアリー族のみんなは……私の味方をしてくれるんだよね?」と言うと…… フェアリー王を含めたフェアリー族の全員で、 リリイを支持してくれると言う話になって……。フェアリー王国を救えると思ったのか……。リリイはすぐに協力を約束してあげたらしい。そして……リリイを襲おうとしていた貴族の男達を捕まえてきて、その場で処刑しようとしたらしい。フェアリー族の女性達や妖精族達は、人間族に捕まったら何をされるのか知っていたので止めようとしたそうだが……。リリイの強い意志を尊重すべきと考えて止めたらしい。しかし……人間の男性を拷問にかけて、情報を引き出そうという事で、捕らえられた男達のところに行って尋問を始めたのだが……。フェアリー族やフェアリー女王の事がわかれば、妖精王国に攻め入ろうと考えていたらしく……。フェアリー王国と敵対しようとしている組織について詳しく知っているような情報を漏らそうとしたところで、妖精族の拷問担当が怒り狂い始めたのだ。リリイもその男が言った組織名を聞いた途端……リリイも、妖精族の全員が激怒してしまい……そのままリリイを殺そうとする事態になってしまった。
俺は、その場面を見ていて、これはダメだと判断をした。いくら相手が悪人であっても……殺そうとする事までは許せなかった。俺は、『妖精の羽』の力を解放しようとしていたフェアリー王国の女性を止めて、妖精族が捕まえていた人間達を助けたのだ。そして、『妖精石』の力で『フェアリーストーン』を作り出せるようにしたフェアリー族を開放したのだった。『フェアリーストーン』を使って、妖精王国に緑を取り戻したいとリリイが言ってきたが……。
俺は……妖精族に任せると返事をしたのである。そして俺は……この問題を解決できる方法を考えていたのだった。フェアリー族の女性とリリイは、『フェアリーストーン』を使って、『フェアリーストーン』を作ってはいたものの……あまり上手く出来なくて困っていた。
「リリイ……君の力で作れなくなった理由は……。多分……。魔力量が関係してるんじゃないか?君は、『フェアリークリスタル』を使って……『フェアリーストーン』を作っていただろう。それと同じ原理だと思うよ。君の魔力量は、妖精界にいた頃に比べて増えているからね……。おそらく君が『フェアリーストーン』を作る為には……。今までより膨大な力が必要になってきているからだよ。『フェアリーストーン』を沢山作り出さなければと思っている気持ちが強くなっていて、それに体が耐えられなくなっているんだと思う。
俺も、『浄化の光』を使い過ぎた時に同じ状態になった事があるからね……。無理をして作ったら……体を壊してしまうからね。」と言うと……。
リリイとフェアリークイーンは納得していたので……俺は……。
リリイと妖精女王が作る『フェアリーストーン』を大量に用意してもらう事にした。そして俺は……リリイ達が『フェアリーストーン』を作り出してる間に……暗黒神を復活させるために使う『フェアリーの杖』と『妖精王の盾』を作り上げることにしたのだった。暗黒の神を倒すのであれば……最強の装備を用意したかったからだ。
暗黒の神は……『闇』の神であり……闇の神の力は『暗黒属性』と言われているので……。その『暗黒属性』に対抗する為に……最強クラスの防具が必要だったのだ。そして……『ダークアーマー』を『闇の神剣ダークセイバー(黒き衣)』『暗黒鎧・魔』を作り出す時に出た材料で、さらに強力な武器も作ろうと決めたのだった。
俺は……妖精の村から戻ってきたミルキーに頼み込み……俺が作った物で、最高級の素材で作ったアイテムの作成をお願いすることにしたのだった。
「俺が持っている材料を、最高の素材を使って作ってくれるだけで良いから……。お願い出来るかな?報酬として……。君が望むなら……何でもしてあげるから……。」
俺は、ミルキーを誘惑するような目つきをして言うと……顔を真っ赤にして、コクっと小さくうなずいてくれたので、早速取り掛かる事にした。まずは、最初に暗黒神が復活した際の戦いの際に手に入れた暗黒神が使っていた『暗黒玉』を使った武具を作成することにした。暗黒神は……俺の攻撃を受けて死んだはずだが……。この世界に転生した時に、復活の可能性があるかもしれないと思って持って来ていたのだ。俺の予想通り……。『闇の使徒』に暗黒の魂を植え付けられていて……復活する可能性も高いと考えたからである。
そして……。この『暗黒神の化身(ダークナイトロードが使った暗黒玉は……『神滅覇王神暗黒神暗黒龍 ダークノヴァ』の核となるものだったようだが……。『闇の使徒』は、この『闇の神具』の仕組みを理解していなかったようだ。この暗黒球を使えば、暗黒の神を蘇らせることが出来るのだから……俺に倒されても意味はないのだから……。
俺がこの暗黒玉を作った目的は……。暗黒の力に耐えられる『聖魔』の装備と暗黒の神と戦うために暗黒神を蘇らせなければならない時用の暗黒神の力に耐えることのできる『聖邪対極神 暗黒神の化身の装備を2つ以上作れるかどうか確認するためだ……。この『暗黒玉』を使わない場合は……神と互角の暗黒騎士を誕生させるくらいしか用途がなかったのだが……今は違う。
この『暗黒の使徒』は……。『聖なる玉』がなくても……俺に勝てるつもりだったようだが……『暗黒の使徒』の計算違いは……暗黒神は暗黒の力を操ることができるのと、その暗黒の力と融合することが出来る俺が相手だったということだ。だから……俺が持っていたこの『暗黒の玉』で暗黒の力を操れるようにすれば……。最強の暗黒の騎士が誕生してしまうので……暗黒騎士は暗黒の使徒の思い通りに操る事が出来るはずだ。しかし……暗黒の神を復活させた後で暗黒の力を取り込めれば……暗黒神は、完全に復活したことになるので、俺の暗黒魔法は使えなくなってしまうだろう。
しかし……それはそれでいいだろう。俺は……。俺の持つこの暗黒魔法の力で……。俺に恨みを持つ者達に復讐したいとは思わないし……。そもそも俺にそんな資格などないのだろうから……。俺は、今のままで構わないから……。しかし……。『闇の使徒』に復讐するのは別だ。
あの『ダークソード』や……あの『ダークタリス』は……間違いなく『ダークボール』と同じような原理で生み出されていたのは間違いないだろう。そして『闇』の力が宿った武器で攻撃され続けたせいか……徐々にこの世界から『闇』の気配が薄れていき、元の姿に戻ってきているからこそ……。暗黒魔法の力が使えない状態で戦うことになったわけなのだ。だから俺は……この『ダークナイトシリーズ』を完成させるつもりだ。この装備品には、暗黒の力で出来た物ではなく……本当の暗黒の力を秘めた最強の防具にするつもりである。
そして俺は……この暗黒の鎧の製作者でもある。だから……鎧に込める技についてもイメージできているのだ。鎧を作る為に必要な鉱石なども全て揃えることができたのだ。俺は、『妖精鍛冶師リリイ』、『ドワーフ姫ユージ』、『猫妖精女王ララフィン』に協力してもらいながら、最高傑作の鎧を作る事にしたのだ。まずはこの4人で試作品を作成してみたのだが、問題なく作成することが出来たのだった。そしてその後、他の仲間達に手伝ってもらいながら装備を作成した後で、試着会をしたのだ!みんな喜んでくれて……。この装備で暗黒の神と戦っても問題ないと確信して……準備を整えて暗黒神殿に向かったのだ。そして俺は……暗黒神のところに行くまでに暗黒神の部下達の邪魔が入ったり、復活したばかりでまだ完全な状態になっていない状態の暗黒神と戦闘になったのだが……。この装備のおかげで、俺は難無く勝利することができたのだった。この装備があれば……どんな相手にでも遅れを取ることは無いと自信を持てるようになったのだ。ちなみにだが……この鎧が完成された時の名前がなかったので、俺が勝手に名前を付けたのである。
俺達が倒した後の暗黒神を見て思ったことは……「こいつは……暗黒の神じゃないな……。確かに力は感じるけど……。俺達を封印した時の力の半分も感じられないからな……。それに……。」と思ったのだった。暗黒神は……自分の体を乗っ取られないように必死に抵抗するかのように、「お前達は、我の眷属達を殺して……我が部下達の魂を吸収しているのだろうが……。無駄なこと……。その力を使う為には……我が肉体と精神を完全に消滅させなければならないのだ……。それが出来ぬ限り……貴様達は……。死ぬことは無く……無限に続く地獄のような苦しみの中で永遠に過ごす事になるだろう……。しかし……お前達は……。もうすぐ……。我と共に……再び闇の世界に戻れる……。お前達の体は完全に消滅し……。お前達は、永久に意識を保つことも出来ない苦痛の中に晒される事になるだろう……。それがお前たちの運命なのだ……」と言ったのだ!!しかし……俺は全くダメージを受けていない。なぜならば……俺以外のメンバーも全員HPを1に設定していたからだ!つまり……。
俺はこの暗黒神との戦いが始まる前に、『浄化』で俺の仲間を全回復していた。『妖精の加護』の効果で、『聖魔属性のダメージ無効』が付与されるようになっていたからだ。
暗黒の神の話を詳しく聞いてみると……この鎧の力で暗黒神を浄化できるようなことを言っているようだったが……。暗黒神に魂を支配されていた時の記憶はないようだった……。俺が戦った暗黒の鎧を身に着けていた『黒騎士』もそうだったが……俺に倒された記憶が無いようで、どうして俺達が暗黒の力を扱えているのかもわからない様子だった。
それにしても……。暗黒の鎧を身に付けた時に、この鎧に俺が付けた名前は……本当に良かったと思っている。これは……俺のセンスでつけた名前なので……暗黒神も、その配下の者にも、この名前の意味は分からないだろうと思ったから……。
「暗黒の騎士(ダークナイツ)の鎧(よろい)
」
と……。このネーミングも中二病くさい気がするが……気に入って使っている。この『ダークナイトシリーズ』は……暗黒の騎士(暗黒騎士)だけではなく、暗黒騎士(暗黒戦士)、暗黒騎士(暗黒剣士)、暗黒騎士の従者と、このシリーズには5種類も存在するので……この『ダークナイツの鎧』は、この『ダークナイトシリーズ』と名付けたのだった。
俺はこの鎧で『闇属性魔法』が使えるようになるかもしれないと思って試しに『闇の精霊召喚 ダークネス』を唱えてみると、やはり発動できたので……暗黒神は『闇の神の魂』を持っていることがわかったのだ。
俺はこの鎧を、俺の家族であるミルキーの分も含めて3セット用意して、それをミルキーに渡す事にした。暗黒の神を討伐するためにも必要になる可能性があるし、暗黒の神の眷属達が使う『暗黒の力』に耐えきれなくなる時もあるはずだから……。その時はミルキーにこの装備を使ってもらうしかないと考えている。暗黒の神が復活してから……俺達の前に姿を現さなかったのも納得できる……。暗黒神が復活した時に、真っ先に暗黒の力の影響を受けてしまう可能性があるからだろう……。俺なら耐えることができるだろうが、俺の妻や子供達が心配だと思っていたが……。暗黒の神を倒すための装備を作れば問題ないだろうと俺は判断して……。
俺は、この『暗黒の使徒』を倒したことで、何か新しい能力が目覚める可能性を考えていたが……。結局何も起きなかったが……。『魔人化 闇』を使えたので……その効果なのだろうと予想した。ただ……。俺は、まだ『魔人化 暗黒』の力を上手くコントロールできないようだ……。俺は『闇の魔力球』を使い、暗黒玉を作ってみた。しかし……それは普通の黒い光の玉でしかなく……『闇の波動』を放っていた時の感覚とはかなり違っているように思えるのだ……。俺はもう一度『闇の使徒』と戦った場所に戻ってきたが……。暗黒玉は……何の反応もしなかったので、おそらく『暗黒玉』は、俺の意思に反応したのだろうと判断した。『闇の神具』の仕組みについて……もっと研究する必要があるな……。
そして……『闇の使徒』は暗黒神に乗っ取られる前の記憶が残っているようだったので、暗黒の神は復活したばかりで完全状態ではないと言う事を告げられたのだ。
俺が暗黒玉を使った時……。暗黒神が暗黒の力を使った時……。暗黒の力が放たれたのは……。『暗黒の使徒』が暗黒の力を放った時だけなのか?それともこの装備は、暗黒の力を持つ武器と同じようなもので……。装備している者が放つ暗黒の力に共鳴してしまうからこそ……あんな現象が起きてしまったのかは謎のままになってしまったが……まぁ……。暗黒の力についてはまた調べていくしか無いな……。
俺は、『闇の神剣 ダークリッパー』と、この暗黒の鎧を装備しても、この装備の力で『暗黒の力』を扱うことはできないという事もわかった……。『暗黒玉』で、暗黒の力を生み出すことはできていたが……あれでは暗黒の力は扱えないようだ……。
この暗黒玉は……。暗黒玉を作った時と同じような気持ちになって……その玉の力を操ろうとするのだが……。その玉に自分の力を込めれば……暗黒玉を作る事が出来るのではないかと思い、俺は何度も暗黒玉を作る実験をしてみた結果……暗黒玉は俺のイメージ通りに作り出すことが可能なことが分かったのだ。そして……この玉は……俺が作ったり、暗黒の力を込めて作ったりしたものは、俺が生きている限り……消え去る事がないらしい……。俺が作ったものを暗黒神の使徒は操ることは出来るが、自分の力で作った物ではないために……。『ダークネスパワー 』で、操ることもできなかった。
俺は暗黒玉を量産する方法を考えないといけないだろうな……と俺は思いながらも……。俺はあることを閃いていた……。そして俺は早速行動に移したのだった。
この装備のおかげもあって……『邪龍王 ドライト』、『大魔神エンシェント』、『神獣神フェンリル』、『不死鳥 フェニックス』は……完全に復活する事が出来たのだ。そして俺は……暗黒の巫女のところにやってきていた。
「おぉ!貴様らか!!私を封印していた者達か!!」と……暗黒の巫女は言っていた。しかし……俺は……暗黒の神の復活に力を注いでいて余裕が無かったから、俺は「あー。俺の名前は『闇影竜騎団 団長 暗黒の騎士 リュウ』だよ。君は暗黒神の側近なんでしょ?」と言ってやった。暗黒神を復活させる為には……まずはこの女を倒す必要があると思ったのだ。
俺は暗黒の鎧の兜の部分を脱いだ。その瞬間に……「暗黒の鎧を身につけて……我の前に出てくる愚か者がいるとは……」と暗黒の鎧を身につけた状態で現れた俺を見たのである。そして暗黒の巫女は、暗黒の力を発動させた。そして俺は暗黒の力を受けたのだが……。暗黒の鎧のおかげで全く影響は無かった。すると、その暗黒の鎧を着た暗黒の騎士が俺達の前に現れたのだ。その暗黒騎士は、「暗黒騎士よ!我の為に死ね!」と言ったのだ! しかし……暗黒騎士は何も動こうとしなかった。暗黒騎士に意識がある状態で暗黒の神の支配を受け入れる事は出来なかったのだ……。
暗黒神を復活させて暗黒神の支配下に入るつもりだと察していた暗黒騎士達は暗黒の力を全力で発動して暗黒の巫女に攻撃を仕掛けたのである。そうして、暗黒の力を全開で放出してる中で暗黒の力は暗黒の鎧に吸収されていった……。そして……暗黒神の化身の化身は暗黒の鎧を装着した状態になった。その姿は……以前……俺が倒した暗黒の魔王に似ていた。その外見から推測できるのであるが……その身体からあふれ出す暗黒の力は暗黒の神そのものの姿なのだ。つまり……。暗黒の鎧の力で暗黒の神の化身は、暗黒の神その者の身体に変化しているのである。しかし……。俺は暗黒の鎧を着けているから……その影響は受けない。俺は……暗黒騎士を暗黒騎士(暗黒騎士)にした時に……暗黒の闇を少し吸い取っていたが……完全に吸収するまでには至らなかったのだ。しかし……。俺が身に付けていた『魔人の腕輪』を外した瞬間に……暗黒騎士は元に戻ったのだ。『闇の神の神の器 闇の勇者 』の効果である『聖魔属性』は……『暗黒属性』の影響を受け付けないようだった。そうして……俺の『闇魔法 ダークフォース』を受けても……暗黒の鎧を身に付けた暗黒神は、傷ひとつ付かなかったのである。
俺が暗黒の神と対峙している最中に……俺の部下が一斉に攻撃を繰り出した。そうして暗黒神を攻撃した部下達だったが……。『暗黒の力』の影響で攻撃は通らなかったのであった。
そして暗黒神が……暗黒の力を放ち出したのだ……。この感じだと……あの技を放つつもりのようだった……。俺はすぐに……暗黒の力を放出したが……やはり効かないようである。俺の力はどんどん奪われてしまうようだが……俺の仲間たちの力が上がっているようで、俺以外の仲間の攻撃力が増しているように思えたので……。この作戦で大丈夫だろうと俺は判断したのだった。
暗黒の力が放たれると……その威力により辺り一面が真っ暗になり、俺は……仲間達の気配を感じなくなった……。そして……。『魔人化 暗黒』の状態で『暗黒剣 ダークエンド』を作り出していた。この『ダークエンド』で暗黒神を攻撃するためだ……。
この『魔人化 暗黒』状態は『魔人化 黒騎士 』状態よりも強いのだろう。『魔人化 暗黒』状態の時の方が……『闇の神の使徒』の状態に近いと思うが……今はそれを確認する術が無い。しかし……。この状態は……かなり強力なのである。そして……俺はこの状態のまま『ダークリッパー』を構えた。
この暗黒の力を切り裂けるのは……俺が持つ武器の中でも、この『神殺しの聖槍 ダークグングニル』だけだったからだ。それに……。『神獣召喚の笛 』を使っても……『フェンリル』『フェニックス』を召喚できないようなので……戦力が足りないかもしれないと思っていたのだ。『神眼の神棒』と、『闇の使徒の魂』を使えば何とかできるかもしれないと思っていたが……。俺にはもうこの装備以外には『暗黒の使徒』に対抗する手段はないからな……。この『神滅武装』があれば勝てると思っている。この状態なら……俺は神にだって……負ける事はないだろうし……。暗黒の力と、この装備で俺は、この世界を……救ってみせる。この世界を救う為にも……。俺の大切な妻や子供達、この世界の人達を救うためにも……この世界に光を取り戻さないといけないんだ!!俺は……。俺は絶対に諦めたりはしない……。
暗黒の使徒を倒した後に……暗黒の神が復活した時に、この装備と、仲間達がいてくれればきっと……。必ずや俺の子供達を助け出せるはずだ……。その為に……俺は戦わなければならない。だから……こんな所で……俺は……死んではいられないんだよ!!! そう思った時に……。俺の中で何かが目覚めるような気がしたのだ。そして俺は……何かに包まれている感覚になった……。俺が『神滅剣』で斬り裂いた闇の力が晴れる前に……。何かがこの暗黒の力を吸収したのだ……。
そして俺は……俺の周りが……白い空間に変わっていることに気がついた……。これは……一体どうなっているんだろうか?俺はそんな事を思っていた。すると、目の前にいた黒いローブを着て仮面を被った奴が俺に声をかけてきたのだ。
「ふっ。ようやく俺を呼び出たか。この世界で最強の力を手にした存在よ。」とその黒いローブを着た者は言ってきたのだ。俺はその声を聞いて、こいつが誰なのかわかってしまった。それは俺が倒した暗黒神の声だったのだ。俺は慌てて「まさかお前は暗黒神の化身!?復活してしまったのか?」と聞くと……その黒いローブを着た者から笑い声が漏れた……。「何を勘違いしているのだ……。私は……この世界で最強となった貴様の力を取り込む為に、私自身が精神体になって現れただけだぞ。まぁ……。私の本当の主人格は既に消滅しているがな……。貴様が私に勝てる訳が無いだろう。」と言われてしまったので……。「俺は……。俺の家族を……助けたいんだ!!俺は絶対に諦めない!!」と言うと……。「ふん!家族か……。くだらんな……。私がこの世界を支配するために、我が主に忠誠を誓った者共は全て殺したはずなのだがな……。だが……私に勝つことが出来たならば、そいつらを復活させてやってもいいだろう。ただ……その時、あいつらの命は無いかも知れんがな……。フハハッ!楽しみにしているがよい!!」と言って、その黒いローブの男は姿を消したのである。そして、俺の精神はまた元の俺の世界に戻っていたのであった。
すると、周りが見え始めた。すると俺の周りには……先ほどまでの俺の攻撃で倒れていたはずの暗黒の巫女の姿があった。俺はその瞬間に……自分の中にいる暗黒の神を覚醒させ……この身体に戻ろうと試みた。
そうすると俺は……。この暗黒の鎧を身に付けている俺に憑依することに成功したのである。そして俺は……。この身体に完全に馴染むまでじっと耐えて待つ事にしたのだった。しかし……。この暗黒の力は俺の力になっているので……暗黒の神を支配される心配は無かったのだった。
「おい!そこの暗黒の騎士とやら!!貴様は私と取引をしようではないか!我はこの世界を統べる王になりたい!そして我に仕えぬというのであれば……貴様もここで消えてもらおうか!」
「貴様は何者だ!なぜこの世界に貴様のような化け物が現れた!!貴様はどこから来たのだ!!それに……。私になんの力も無い事は知っているはずだ!!私に何が出来ると思っているのだ!貴様に殺されるぐらいならば……この場で自害をして果てるわ!!」
「我に逆らう愚か者が……。いいから早く答えよ……。さもないと殺す!!」
暗黒の鎧を身に付けた俺は……暗黒の騎士と話をした。そして暗黒の鎧を身につけている状態では、俺の言葉は相手に届いている様子なので、俺は……「まずは……自己紹介をしておくよ。俺は……この世界で『闇影竜騎団』の団長をしている暗黒の騎士『リュウ』だよ。君の名前は?」と言った。暗黒の騎士は……「私が答える義務はない」と即答していた。
俺が「ふぅーん……。じゃあ……名前が無いのなら……。俺に忠誠を示した暁には、俺の眷属になる権利を与えるけど……。それで良いのかな?」と言うと……。
暗黒の鎧を装備している俺が……『暗黒騎士(暗黒神)
』の俺の力を取り込んだ状態なので、その暗黒騎士は、その言葉で動揺して動きを止めたのである。そして……俺の意識が戻った時に俺が言った事と同じ言葉を呟いていた……。
その暗黒の鎧を着けている暗黒騎士は……。「この暗黒の力に……。私の力が……通用していないだと……?それに……我が主は……既に死んでいるはずなのだが……。なぜ生きているのだ……?」と言っていた。俺はその問いに対して、「残念だけど……。君はもう死ぬしかないみたいだね……。」と答えると…… 暗黒の力が俺に流れ込んできた……。俺に暗黒の力が流れるのを感じた暗黒騎士は……俺に攻撃をしてきた。俺はそれを難なく避けていたのだ。暗黒の騎士は、暗黒の力を放つ事で攻撃をしていたのだが……。暗黒騎士の放つ攻撃は暗黒の巫女によって全て消されていたのだ。
「どうして……貴様は平然としていられるのだ!!おかしい……おかしすぎる!!私はこの暗黒神の化身として存在するための存在。それなのに……この身体に流れている力は、何故……。」
俺がその暗黒騎士に向かって……俺の中に存在する全ての力を引き出した。そうして……。暗黒騎士は俺の力に押しつぶされて消え去ったのだ。俺はその暗黒の力を吸収すると……『暗黒の力 暗黒の使徒』に変わってしまったのであった。暗黒の力が無くなった俺の身体は……『闇魔導の衣 』が自動的に解除されたのだった。
そして、俺は暗黒の使徒と融合を果たした暗黒の力を手にすることが出来たのである。暗黒の力を手に入れてからは……暗黒の使徒に俺の魂が吸収されたのか、この世界に来る前の俺に戻ったのがわかった。俺は……『暗黒剣 ダークエンド』を構えると……俺の分身達がいる方向に剣を振り下ろして『暗黒斬撃波』を放った。すると、俺の放った『暗黒の力』で暗黒神を纏った俺が生み出した分身の『魔剣神滅武装 暗黒剣』のレプリカが破壊されたのだ。しかし……すぐに次の攻撃を放ち、俺の仲間達に襲い掛かっていた『ダークリッパー』を壊すことに成功していた。そのお陰で……。俺はなんとか……『暗黒魔人 暗黒神の化身』の力を手に入れる事が出来たのだ。
俺達は、仲間達と合流すると、俺は、仲間達が怪我をしているのを確認したので……仲間全員を回復したのだ。すると俺の妻や子供、それに俺の娘も回復し、妻が俺に質問をしてきた。「あなた……。あの黒いオーラを放っていた人は……本当に消滅したのよね?大丈夫だと言ってはいたけれど……あなたの言う通りに、私達の所に暗黒の騎士が現れなかったのは事実なんだから、一応、確認させて……。」と聞かれたので……俺は暗黒の力で『暗黒の使徒』を倒した事を妻に伝えたのだった。俺は、俺の家族や、仲間が無事だったことを心から喜んでいたのである。
「みんな……。無茶をさせたかもしれない。本当にすまなかった!!そして……。ありがとう!!」
俺が妻や娘、仲間の皆に感謝していると……。仲間達は、お互い顔を見合わせながら……笑みを浮かべたのであった。
そして、仲間達がお互いに、助け合う事で暗黒の巫女を倒していくと……最後の1人の暗黒の巫女を倒すと、そこに現れた扉の奥へ進んで行くことになった。そこには、俺の分身の姿があり……その部屋に入ると俺の本体が待ち構えていて……。俺は、暗黒神の化身に取り憑かれた俺と戦う事になるが……暗黒神が復活してしまったのであった。そして、その暗黒の神は俺にこう言ったのである。「貴様も暗黒の神に成り代わりたいのならば、俺が力を貸すがどうするか?」
俺に憑依する事が出来た暗黒の神が、この身体の俺がこの身体の主人格に成る前に話しかけてきたのである。「俺は……。この世界を守る為に、この世界の人間を犠牲にするつもりは無い……。」
と、俺はこの暗黒の力を受け入れる事にしたのだった。そして……この身体の持ち主の暗黒の騎士が俺の前に立つと……「私の力を使え!!」と言い放ち、俺は……その暗黒の神の力を使いこなし……俺はこの身体を手に入れたのだ。そうすると……俺は俺が暗黒の神の力を使う為に封印していたはずの……この世界にいた『暗黒神 暗黒魔神 ダークロード』を呼び出そうすると、俺の中で何かが生まれそうな気がしたので、俺は、『暗黒の神器 神殺しの聖剣』で……自分の左腕を切り落とそうとしていた。しかし……。暗黒の神の化身と一体化したことで手に入れた能力のおかげで俺は暗黒神の左手を手に入れていた。暗黒の神の化身の力は……『神器 創造神の化身』の能力を持っていたので、俺の切り落としたはずの腕が元に戻っていたのだった。そうして……復活した暗黒の力は……。この世界を破滅させようと暗躍を始めようとしたのだ。俺は、そんな奴らに対抗する為に……自分の中に存在する暗黒の力を全て使い……新たな暗黒騎士を作り出すと……『神具 邪なる者を打ち砕く聖剣』の力を使い……俺は暗黒の力に憑依されていた自分自身に攻撃をしかけたのだ。
その結果、俺は……暗黒騎士になっていた自分を殺し……元の人間の姿に戻ると……。元の世界に戻ったのである。
そして、暗黒の力は……。この世界を支配するために、行動を開始した。しかし……俺は、この世界に存在している他の神々から託されていた……俺が作り出した最強の暗黒の力『暗黒騎士』に憑依していた俺自身である……暗黒の騎士の力を受け継いだ存在と融合した事と……『暗黒神 暗黒魔神 ダークロード』の左手を手にしていた事により……俺はその力を完全解放していたので……暗黒の力では勝てるはずがなかったのだった。
暗黒の神が復活するまでは、その暗黒の神に侵食されながらも……俺の中の暗黒の騎士は、俺と同化しようと頑張っていたのだが……暗黒の力は……暗黒騎士の精神体を乗っ取り、暗黒の力は、暗黒の鎧を身に付けていた俺の中に入っていたのだった。俺はその精神体が消えると同時に……。この世界に存在していたもう一人の『暗黒騎士』を乗っ取ることに成功すると……。その肉体に憑依をしたのであった。その暗黒の騎士になった俺に対して、暗黒騎士の魂は……抵抗しようとしたが……『暗黒神 暗黒魔神 ダークロード』の力を手にした俺の敵ではなかった。そして、その暗黒の騎士は消滅させられたのである。
暗黒騎士は、この世界に現れた俺に殺されてしまったので……『暗黒騎士』に寄生されている状態の人間がこの世界に誕生したのであった。俺は、俺自身が、俺の中にいる暗黒の騎士を殺すと……俺の中に存在する残りの全ての暗黒の力を完全に制御下に置くことに成功したのだった。俺の中には『闇影竜騎団 』のメンバーや家族、そして仲間達と過ごした楽しい記憶が存在した。俺には、それがあったので……。俺の中にある暗黒の力を制御する事に成功したのである。俺は……その力で、暗黒の力に取り込まれている人間の心の中に侵入し……『闇の巫女』と融合している暗黒の力だけを排除することを計画したのだ。
そして……『闇の巫女』は、俺に倒されると……俺の中に存在する全ての暗黒の力を取り込もうとした。俺の中に残っている全ての暗黒の力が、全て取り込まれてしまう寸前に……。俺の体の中から……『神獣 神滅の九尾』と『暗黒魔狼 フェンリル』が姿を現して……『神獣の鎧一式』を装着していた『神獣 白銀狼王』に変身していた俺に襲いかかった。しかし……それは俺の力を吸収しようとしていた『闇の化身 ダークマスター』が……その力を解放しようとしているのを察知すると共に、この『魔導の神域 マジックサークル』を発動しようとしていたので……その力の影響で、俺はその二体の攻撃を受けてしまい……。瀕死の状態になり、そのまま死んでしまったのである。
『魔導の祭壇 魔法陣の光』が発動すると、そこから現れた光が、この世界に存在しなくなってしまったはずの『神獣』を呼び出していた。そして……。俺は、その光の放つ神聖な力を受けて蘇ると……『神器 創世の聖槍』に姿を変えると……。この世界に復活してしまっていた『ダークネスドラゴンナイト』と呼ばれる魔王の手下のモンスター達と戦い、俺は勝利したのであった。それから、俺は、この世界で、俺に助けを求めている人々を救う旅をすることになったのだ。
『神界への門』を潜り抜けると……そこは真っ白い空間が広がっていた。しかし……。その白い部屋の中央にあった玉座のような豪華な椅子に誰かが座っていたのだ。その人物は、銀色の髪を腰まで伸ばした美少女が座っているように見えた。しかし……その容姿が変化している事に俺は気づいた。そう……俺がよく知っている姿に変わりつつある事にだ。そして……俺のよく知る人物に変わると……。俺を見て微笑んだ。そう彼女は俺の事を愛してくれた。でも……今は亡き妻である『リリーナ・ティアニス』だった。そして彼女が話しかけてくる。
「貴方が助けてくれたんでしょ?私は貴方のお陰で助かったみたいね?私の為に戦ってくれて……有難うございます」と感謝されたのである。すると……。俺の仲間達がリリーナの前に現れた。みんなも驚いていたのである。俺の仲間達は、みんな、リリーナが亡くなったと思っていたので……。
俺の大切な仲間達が生き返っていたのであった。そして、俺は仲間達にリリーナの事を説明するのだった。すると……。リリーナは俺の事を抱きしめた。そして……リリーナは仲間達に向かって「皆さん。はじめまして。私の名前はリリーナと申します。よろしくお願いします。私は暗黒神に取り憑かれていましたが……貴方達が倒したはずの私と同じ名前の私のお姉さんのおかげで……何とかなりました。それで……この身体はお返しした方がいいと思うのですが……どうでしょうか?」と、この世界に存在するリリーナ本人である事が証明されてしまったのだ。俺は、驚きつつも、「え?本物?本当に??」と言うと……。「はい!本当に本物の私ですよ。私が、暗黒の神を宿らせた偽者の私と入れ替わって生きていたのよ」と笑顔を見せながら答えたのだった。しかし……俺は、この世界に存在している筈がないと思っていたリリーナが突然現れた事に動揺していたのだった。
そうすると、リリーナと入れ替わるように、もう1人の少女が現れたのである。そう……。『闇神』の化身となったもう一人の俺がそこに居たのである。
もう一人の俺は……邪悪なオーラを放ちながらも爽やかな笑みを浮かべていて……「やぁ!俺だよ!!元気そうだな!!」と言ってきていた。俺は、そのもう一人の俺が、自分の分身である事に気付き「お前……まさか……暗黒の神に憑依されていたのか!?だから……俺と融合した時に、暗黒の力の制御が出来なかったのか……」と言うと……。もう一人の俺は「その通りさ。俺が君に憑依してから、俺の力の制御の仕方を教えたけど、俺が俺自身を乗っ取ろうとして……。逆に乗っ取られてしまったのでね……。暗黒の神の力は封印したはずだったのに……この俺自身の中に残ってしまったようだ」と言ったのだ。
すると、『魔道の女神 セレーシャ』が「あなたは何者なんですか?」と尋ねると……「ああ……まだ自己紹介していなかったね。俺の名は『闇影龍騎団』団長である、『暗黒騎士 黒影』だ」と答えてきたのである。その言葉を俺は聞いていたのだった。そして……『暗黒の神』の化身は、『暗黒騎士 黒影』と名乗ったのだった。
『魔族の英雄』と呼ばれている俺の大切な家族でもある仲間達は、その『暗黒騎士 黒影』を名乗る人物が『ダークロード』に殺されたはずの俺自身で……『暗黒騎士 黒影』と名乗っていることが信じられないような顔つきで、目の前にいる少年を見ていた。
『暗黒の騎士』の肉体が、完全に消滅してしまっていれば……死んだ人間は、生き返りはしないのは当然の事だった。『魔族の英雄』である、俺たちの家族は『ダークロード』によって、全員殺されてしまったから、俺たちの家に伝わる伝説の聖剣である『聖神具 創世の神剣』の力でも死者を復活させることは不可能であったのだ。
それなのに……。『暗黒騎士 黒影』と名乗る存在が……生きているという事実を俺は受け入れる事ができていなかったのだ。しかし……この世界のどこかに存在する筈のない暗黒騎士の肉体が存在している以上……その事実を受け入れなければならないのは、間違いないことであったのだ。
『ダークロード』を倒すまでは……。『暗黒神 ダークロード』の魂は消滅したと思っていたのだが……暗黒神の魂の欠片はまだ、この世界に残っていたらしいのだ。
そう考えると……あの暗黒の騎士に憑依していたのは、間違いなく暗黒の騎士本人で……この世界に存在していたもう一人の『暗黒騎士 黒影』と同一人物だったのだ。しかし……その事は絶対にあり得ないことだったのだ。何故なら……『暗黒騎士 黒影』は『ダークテリトリー』の戦いで暗黒の騎士に殺される直前に、その肉体を乗っ取ったはずだからだ。暗黒の騎士として……。
その事から考えれば……この世に、この世界には、もう一体の『暗黒騎士 黒影』が存在していた事になるからである。そんな事が出来るのは……暗黒の神か……もしくは、暗黒神だけなのだが……。『暗黒神 暗黒魔神 ダークロード』は復活はしていない。つまり……その可能性は極めて低かったはず……。
俺の中で考えていたことが……俺の心の中に聞こえていた。すると暗黒の神は……俺の考えを否定したのである。『確かに我を復活させようとする愚か者はいるだろうな。我が暗黒の神であるならば、この世界に存在していた暗黒騎士の身体を奪い……復活したことに気づかれずにこの世界に存在していたかもしれない。しかし……この世界にいた暗黒騎士
『暗黒神 ダークロード』がこの世に現れなかったということは……それは違うと判断せざる得ないであろう?』
暗黒の騎士に『暗黒神』が憑依しているという事なのか?でも……。『暗黒騎士 黒影』とこの世界に存在した暗黒の騎士である暗黒の騎士
『暗黒神 ダークロード』ではあまりにも外見が違うのだが……。それに……『暗黒神』の力を得たとしても……暗黒神に侵食されている暗黒騎士と、元々人間で暗黒神の化身である暗黒騎士では人格にも大きな差があった。
俺の心の呟きを聞いて暗黒の神は……。『ふむ……やはり……そろったようだな……。我を倒そうと画策していた者達を……。我の復活を阻止する為に動き出そうとしていた奴らも……。そして、この世界を救いに来た英雄達も……我の力を取り込もうとする奴らまで……。まあ……全て失敗に終わっているが……。そして……。『闇の女神』の化身であるこの娘も……お前の仲間達が、お前の元に集まると同時に、この場に戻ってきているぞ……。どうやら……。この娘の身体の中にいた『闇の巫女』の意識はこの世界で蘇る事が出来たようであるな……。そのお陰で……この娘も……我の力と融合しておるようだし……。そのお陰で……この世界に『暗黒の種』を植え付けようとしていたこの世界の暗黒の勢力は消え去る運命のようであった……。しかし……。そのせいもあって……お前達がこの世界で戦うのに必要な暗黒の力は殆ど失ってしまっていて……お前達の本来の力が使える状態にまで回復させる必要があったようだ。
しかし……その代償として……その力を封印された『闇影の鎧』『聖影の衣』と『闇光のマント』が……この世界から無くなっておるわ』
俺は、暗黒神が言った事を理解できなかった。俺は、自分の記憶を手繰り寄せた。しかし……『闇影の鎧』とか……『暗黒の鎧』、『暗黒の神装武具』といったものは存在しないのである。俺の記憶の中にある物ではないということだけがわかったのだ。すると……。俺の目の前にいる少女に変化が起きた。銀色の髪の毛が銀色の長髪になったのである。さらに……。服装が変化したのだ。そう……彼女は、まるで……。俺が見たことがある姿になっていたのだった。そう……。俺が『魔族』である『暗黒騎士 ダークナイト』と戦った際に、暗黒の波動を浴びてしまった俺が、彼女の姿を見て……。俺が彼女に恋をしてしまった瞬間に……。俺が恋に落ちた美しい女性そのものの姿に変貌したのである。俺はその姿を見た時に驚いた。俺は……この女性の事が好きだったから……でも……どうして……。彼女が……俺の知っている彼女の姿になっているのか……。俺は動揺を隠しきれないでいたのだった。
俺は、俺に抱きついて来てくれていた彼女を思わず強く抱きしめてキスをした。その唇はとても柔らかかったのだ。そして……。彼女が口を開くと……。懐かしい声で俺の名前を呼んだのだ。「和人様……」と……。
すると……仲間達もその女性が、俺の恋人の『月夜 渚』だと認識したのだ。俺は、「なぜ……。君は俺の名前を知っていたんだい?それに……。その身体は……いったい……何なんだ?それに……。俺が好きな君の姿がそこに居るじゃないか!!」と、俺は思わず叫んだ。
そう……俺の目の前には……。俺が出会った頃の姿の……。俺が恋をして結婚したはずの……愛する『彼女』である……『暗黒騎士 ダークナイト』に憑依されていた『渚』と全く同じ姿で現れた。
俺は動揺を隠せなかった。そう……俺が愛している『渚』がそこに存在しているかのように見えたのだ。すると、『魔道の女神 セレーシャ』は、「この子は、『月夜 渚』じゃないのよ」と言うと……その『魔道の女神 セレーシャ』に変わって……。今度は、『聖道の女神 リリーナ』が話を始めたのだった。
俺は、『魔道の女神 セレーシャ』と『聖道の女神 リリーナ』の言葉を聞き流しながら……「どういうことなんだい?」と言って……。俺は、動揺を抑えられずにいたが……俺は、『聖道の女神 リリーナ』に説明を求めた。『魔道の女神 セレーシャ』は……「今説明すると……時間がかかりすぎるからね……。私も『セレーシャ・ライサ』の身体に戻った方が早そうだわ」と言うと……俺は、再び混乱していた。俺の目の前に現れてくれた女性は『渚』であって、別人のような感じを受けたからである。俺は、その『魔道の女神 セレーシャ』と、目の前にいる、『聖道の女神 リリーナ』と名乗った二人の女神を見つめたのだ。そういえば……暗黒騎士と戦っている時には、俺の側にはいなかった。だから……暗黒の騎士が暗黒神の力を身に着けてから……この世界に現れたと思ったのだけど……違っていたみたいだ。暗黒の神に肉体を奪われていたはずのもう一人の『暗黒騎士 黒影』と名乗る人物は、確かに『暗黒の騎士』の体を奪っていたが……。この世界に居ないはずの人物だったからだ。
しかし……。目の前の『魔道の神』の身体を持つ、銀髪の美少女が、その『聖道の魔女 セイレーン』と名乗る女性だった事に間違いはないようなのだが……でも、さっきから……言っている意味がわからない。そして……目の前の『渚』に似た女性が、別の人間だということもわかっているのだ。俺は困惑していた。しかし……俺はその事を確かめる為に……その質問を投げかけたのだ。すると……その『渚』は微笑みながら「和人様。ご安心ください。私はあなたの知っている渚ですよ。ただし……私は『渚』ではありませんけど……。和人様に告白されましたが……断ってしまいまして……。でも……和人の事を忘れたことは一度もありません……。私が誰なのかわかりませんか?私の事を見て思い出してください!!あなたを愛しているのです。私には、他に愛する方がいるのです。それは……もう亡くなってしまっているのです。でも……。その方は今も生きていて、この世界を守ってくれているはずです。だから……その方に再会するまで……その方の代わりとなって和人様を支えていきたいと思っているのですよ。私は……あなたの『婚約者』でもあるんです。どうか信じてください……。お願いします……。この通りです。私は、どんな辛い事も耐えて……あなたと共に歩みたい。それだけを願い、そして叶えようとしてきたのですから……」
と涙を流していた。その瞳は綺麗な青い瞳で俺を見つめてくれていたのだ。
俺はその瞳を見ると……とても悲しい気持ちになって……「本当に君なんだな……嘘じゃないんだよな……」と言いながらその『渚』を強く抱き締めていた。すると……。彼女は、「えぇ……。本当のことです。私も……やっと会えた……。会いたかった……。大好きだよ。ううん。大好きなんて言葉では言い表せないほどに……愛しています」と泣いてくれたのである。そうすると……突然……俺の身体の中から黒い炎に包まれるように燃え始めた。それは、暗黒の力によって……『俺の魂』の力が徐々に消えて行くようであった。
しかし……そんなことはどうでもいい……。ただ……俺はこの『渚』を力いっぱい抱きしめ続けていた。この身体が……この『世界』が壊れてしまうのではないかと思うぐらいに強く抱きついてしまっていたのである。『聖騎士』の称号を持っているとはいえ……。俺の力はたかが知れていたのだ。そんなことをしても……。何も出来ないかもしれない。
でも……。それでも……。俺には何もできなかった。
そんな事など考えず……必死に……。
「俺は……。この『世界』を守りたかった。この『世界』の為に俺は戦い続けてきた。そして……。これからもこの『世界』の為ならば……。何度だって……この身を犠牲にしようと思ってきた。そして……。この世界を救おうとしているんだ!!」と叫ぶように言うと……。俺は……暗黒の神に向かって……「お前を倒す!!」と言ったのだ。俺は、この世界を守るために……。俺の世界のために……。この世界と『彼女』を守るためなら、何度だって戦うつもりなのである。俺は、俺自身に対して……怒りが湧いていた。こんなところで負けてたまるか……。と。そして……。『俺の中』に眠る力を解放したのである。すると、俺が纏った鎧が漆黒に染まっていった。そう……暗黒騎士の鎧のように、真っ黒になったのだ。
暗黒の力は暗黒神の一部の力らしいのだが……。それを俺は取り込んだようである。しかし……それと同時に俺の意識は少しずつ薄れ始めていたのだった。すると、仲間達が次々と現れて、俺の周りに集まってきたのだった。ミルキーやミルミィまでが駆け付けてきたのである。そう……みんなも俺を心配してくれているようであった。しかし……その姿を見て……俺は……涙が流れ落ちるのを止める事が出来なかった。その姿を見ているだけで……。俺は幸せを感じていたのだ。
暗黒神の化身は、「我に勝てるかな……。」と言って笑みを浮かべていた。そして……俺は、暗黒の騎士に『闇影の衣』と『闇光のマント』を渡した。『魔道の女神 セレーシャ』が……。
暗黒騎士 黒影に……暗黒の騎士の装備一式を俺が持っているアイテムボックスに入れさせていたのを確認できたからこそ出来た行動だったのだろう。そうしないと……俺は確実に命を失っていたはずである。なぜなら……俺が『聖剣 カオスブレイカー・ドラゴンロード』で斬ってみて、致命傷を与えなければ倒すことが出来ないとわかったからである。そして……。その後すぐに、『魔道の女神 セレーシャ』の力で、元に戻す方法を教えてもらわないかぎり、暗黒の騎士を救うことはできないと思ったのだった。しかし……。『聖剣 カオスブレイカー・ドラゴンロード』は俺が持たなければならないと思ったので、そのままで使うことにしたのだ。『聖槍 デスグラビディジョン』も使いどころが難しく……。結局、俺は、『聖杖 ラグナロック』を使う事になったのであった。その前に、『聖杖 ラグナロック』は俺が装備していたので、暗黒の波動から身を守れるようにはなっていた。『混沌魔法』を使って、俺は『俺の魔力』を高めて、攻撃する事にしたのだ。そう……この世界で使える技は限られているが……。その少ない手段の中でも有効そうなものを使ったのである。俺は『混沌属性』と『重力魔法』を組み合わせた複合魔法を放ったのだった。俺の攻撃が終わると、暗黒の神の化身の頭上に巨大な闇の球体が出来上がろうとしているところだったのだ。しかし……そこで暗黒の神の化身の力は一気に落ちて行き、最後にはその力を無くしてしまったのだった。すると、暗黒の騎士に『魔道の女神 セレーシャ』が……。
「今よ!!あなたが暗黒の力を受け入れる覚悟さえできれば……元の人間に戻ることが出来るはずよ!!その方法は、私も知らなかったんだけど……。私にもその方法は分からないけど、でも……きっとあるはずだわ」と言うと……その瞬間……。暗黒の騎士に異変が起こったのである。そう……暗黒の神が、この世界の人間に憑依した時と同じように、今度は、暗黒の力が消えていくと同時に、身体も元に戻っていったのである。その現象を、俺とミルキーとジーナは唖然としながら眺めていた。すると、『聖道の女神 リリーナ』も驚いていた。その驚きの表情から……その方法が分かったのだろうか?と少し期待していたのだけど……リリーナはその方法をまだ発見出来ていなかったみたいである。そして、『魔道の女神 セレーシャ』が、「和人が使ったのと同じ方法かもわからないから、私もやってみる」と言って、『魔道の神』の力を暗黒の神にぶつけようとしたのだ。しかし……その時、『魔道の女神 セレーシャ』に何かしらの危機が迫っているような気がして……「気を付けろ!!そいつはまだ死んではいないぞ!!俺に任せてくれ!!頼む!!その力は使わせないでくれ!!」と叫んだのである。
すると、『魔道の女神 セレーシャ』が俺のほうを見て微笑んでくれていたのだ。俺には何故かそれがわかるようになっていたのだ。そう……暗黒の騎士が言っていたような気がする。
『私の事は忘れて下さい。私達はあなた方の敵ではありません。信じて貰えないかもしれませんが……お願いします』と言っていたからなのかも知れない。その言葉を聞いて……信じるしか俺には道がなかったのかもしれないのだ。
俺は、この世界に来て初めて『勇者』以外の職業を手に入れたのだ。それは、勇者とは全く違うタイプの能力だった。俺はこの世界にやってきてからというもの……色々な経験を積み重ねてきていた。そして……。勇者ではない他の職業に就く事で見えてくる事や、新しい可能性というものがあったような気がしていた。
俺は『聖戦士』になったのだった。それは『聖なる盾』を使いこなし、様々な攻撃を防ぐ事に特化した最強の職なのだ。そう……。『聖なる光の力』を秘めていて……それを武器にまとわせる事もできるのである。それは、普通の『聖力』とは違い、攻撃力として上乗せすることが可能になっていた。
俺のステータスを見ると『勇者 聖戦士』になっている。このスキルのおかげで、暗黒神との戦いが有利になり、勝つ事ができるようになっていったのであった。そして……。俺は……再び暗黒の力を解放していったのである。
暗黒の力によって俺は、新たな能力を開花させていく事ができた。俺は『魔王の力』によって暗黒神の力を消滅させる力を手に入れることが出来た。そのおかげなのか……暗黒の力を完全に消すことができたのである。その代償なのかわからないが、この力を使った後は体力を大幅に消耗していくようで……。しばらくは動くことが出来なくなっていたのであった。
暗黒神の化身を倒した俺たちだったが、俺は動けなくなった状態で……。しばらく、その場に横たわり休んでいたのだ。そんな状態だから、俺は皆を呼んで回復魔法を使ってもらった。すると……俺の仲間たちは全員……レベルも上がり……。『聖女』の称号も得た。
暗黒の神と戦った時に……。皆のレベルも上がっていて……。俺と変わらないほどにまでなっていた。しかし……ミルミィだけは……レベルが上がりにくかったのである。俺と同じような感じで、暗黒の力を吸収しながら戦ったので、暗黒の力がミルキーの魂に取り憑いてしまっていたようであった。その為……俺と同様に、暗黒の騎士と同じような状態に……つまり、意識を取り戻せなくなってしまっていたのだ。暗黒の騎士と一緒なら問題なかったのだが……。ミルミィは、暗黒の騎士ではなく、『俺』の中にいたからな……。俺はそんなことを考えながらミルミィの顔をずっと見つめていた。俺の回復を待ちながらミルミィの事を考えていたのだった。俺はそんな事をしながらも、俺が持っているアイテムの中で使える物を整理することにしたのだ。
俺は、まずアイテムボックスの中から使えそうなアイテムを取り出す。
【魔石(大)】
【竜牙兵 ゴーレム ナイト ジェネラル ルーク マジシャン コマンダービショップ アーク スナイパー ハンター アーチャー メイジ ヒーラー クレリック プリースト】
この世界に来る前にいたダンジョンに出てきたモンスターたちの素材が入っていた袋に入っていた魔石を取り出した。このアイテムボックスの中には大量の魔石を収納しているのである。ちなみにこの魔石だが、普通は手に入らないものである。そもそも魔石の存在する世界なんてこの世界以外ありえないのだ。しかも、このアイテムボックスの中の物は全て劣化しないようになっている。なぜなら、このアイテムボックス自体、時空魔法の結界を幾重にも施されていて……。さらに時間の流れまで緩やかにする事ができる優れものだからだ。この世界にある魔法具でも……そこまでのものは殆ど存在していないのだ。これは、全て『魔道具の女王』のリーサの力があってこそ可能な技だったりする。俺はその話を以前に『魔道の女神 セレーシャ』から聞いて知っていたので……これを利用する事にしたのだ。
俺はこの世界にいる間だけと思っていたのだが……何故か俺はこの世界でも『魔法』を扱えてしまったのである。それもかなりのレベルであるのだ。『聖槍 デスグラビディジョン』の力の影響だと思うが……。とにかく……俺にとってはかなり嬉しい事である。そのお陰で俺は魔獣やモンスターの素材を集めることが容易にできるようになったのだ。この素材を使えば……いろいろな事が出来るようになる。例えば武器に加工したりとかさ。それにしても……暗黒の力と相性が良いはずの『闇属性』の魔法や、闇系の武器を使う事が多かった俺が『闇属性』を扱えるとは……本当に驚きである。まぁ……暗黒の騎士の装備一式も闇属性なので扱いやすかったりもするんだけどさ……。俺はそんな事を思ってアイテムボックスを見渡していてふと気づくと……ミルキーが起きて来ていたので話しかけてみた。
「おはよう!!よく眠れたか?」と挨拶をしたのだ。すると、「あー和人さんだ~!!うわぁ~夢じゃないよね……」と言って抱きついてきていたのだ。「大丈夫!!夢なんかじゃ無いよ」と言うと……。
「よかった……あのね……昨日の夜にね凄く綺麗な人が来て助けてくれたの」と言うと「うん……知っている」と微笑みかけてあげた。「そういえばそうだった……あの女の人に会ってからなんだか変なんだよねぇ……和人さんと一緒に寝たらいつも以上に和人さんの温もりを感じるんだ……だから私もあんなふうになれれば良いなって思っているのに……なかなか出来ないから……」と少し寂しげに話していたのである。そして俺は、ミルキーの手を取り優しく握りしめて、「焦らないくても良いよ。これからも一緒にいるから。だから少しずつ慣れていけばいいと思う。俺だってミルキーと一緒の時はドキドキしているよ」と言ってあげていたのだ。すると……「ホントに!?嬉しい!!大好きだよ。私も、早く和人の隣に並べるような女の子になりたいな……。」と俺の腕に抱きつきながら笑顔を見せていたのである。
そんなことをしながら俺は……この世界での事をミルキーに相談してみることにするのだった。俺は暗黒の騎士の件を相談してみた。暗黒騎士は、俺の暗黒の波動を吸収することで暗黒の力を消し去ることに成功したが、その代償として、暗黒の力を受け入れるために、この世界の人間から完全に離れ、別の人格と記憶を持った暗黒神の化身のような存在になると言っていたからなのだ。俺はミルキーには悪いけど本当の事を話しておくことにしたのだった。そして……暗黒の鎧を纏っていた時のこともミルキーに正直に打ち明けたのだった。
「そっか……。その事は仕方ないかもしれないね。私がもし、和人さんの立場だったら……。私も同じようになっていたかも……しれないから……。私は、和人さんがどんな事があっても側にいてくれるだけで安心できたの……。それは和人さんが暗黒の騎士だからとか関係なくて、ただ私にとっては大切な人である事が理由なの。そしてその気持ちがある限り、例えこの先……何が起こってもきっと二人で解決出来るような気がしているの。」と言ってくれていたのだ。そして、「暗黒の騎士はもうすぐこの世界から消えてしまうから……その時がきたら……和人さんとの記憶が消えるらしいの……。だけど暗黒の力を全て使いこなせるようになった時には、この世界に暗黒の力が存在する事はなくなり……。私たちには新しい未来が訪れることになるから、その時が来たら暗黒の使徒を倒せばいいの。その方が手っ取り早いんじゃないかな。和人さんの言うように暗黒の力を受け入れてからの方が効率が良さそうだから……そう思う事にしたの……。和人さんに迷惑をかけるわけにはいかないもの……。暗黒の騎士に力を与えたのが、私なら……私自身が始末をつけないと……。そうすれば暗黒の神は蘇る事ができないから……それで、和人さんが元の世界に帰れなくなることもないと思うから……。だから、それまで待っていて欲しいの……お願いします!!」と言って深く頭を下げてきたのだった。そして俺はミルキーの話を聞き終わると、俺も覚悟を決めないといけないと改めて心に誓ったのである。俺のせいで暗黒の神が復活した事や、暗黒の騎士が命懸けで救ってくれた俺の命……。俺の目の前に現れた時……。俺は暗黒神を倒してやる!絶対に!!と、心に誓うのであった。
そして……。俺は暗黒の力を使いこなすための修行を始める事にした。まず、暗黒の剣を出現させて……。暗黒の力を呼び覚ます事を始めた。
すると俺の中から黒い波動が発生していき……。それがどんどん膨れ上がっていく……。それと同時に体全体に激痛が生じ始めたのだ。俺が耐えているとその痛みが消えた。そして今度はその痛みによって発生した体のダメージを回復させる必要があったので……回復力を高めるため瞑想をしていくのである。俺は……『暗黒騎士』の称号を手に入れたことによって『神聖騎士』よりも上位の『神騎士 ロード』になれる資格を手にする事が出来た。
俺はその事をミルキーに伝えて、『神力』が解放されるのを待ってもらったのである。そうすると……。俺の中に今まで感じたことのないほどの力がみなぎってきたのだ。
『神力』を解放したことにより、レベルもかなり上がったのだが……。それだけではなかったのだ。なんと俺のレベルは100を超えるとステータス値の限界に達してしまい……それ以降、上がらなかったのだが……。『神騎士』になった事でステータスの最大値が増えていて、レベル上限も引き上げられるようになっていたのだ。つまり俺は限界を超えた能力を手に入れることができたのである。『神聖騎士』との違いで言えば……HPも上がるのだが……。それに加えて防御力も上がり、物理攻撃力や素早さが上がっていた。もちろん暗黒の力を扱うことができるし……闇系の攻撃も扱えるし……。回復魔法や状態異常回復系の魔法は更に使えるようになり……。攻撃魔法も威力が倍増し……。俺自身の戦闘能力は飛躍的に上昇していったのだ。俺は暗黒の力を制御する事に成功して暗黒の力の一部だけを使って戦闘ができるようになって、さらに自分のレベルを上げる事にも成功していったのであった。
そして俺とミルミィはこの世界の平和を脅かす『悪しき女神 ダークサイドプリンセスセレーシャ』と『魔道の女神 魔道士セレーシャ』を倒しに行く為に行動を開始していた。暗黒の力で作り出した闇系の槍や大鎌を振り回して戦うスタイルは、暗黒騎士とそっくりだった。しかも、俺の動きが速いせいもあってか……暗黒騎士とほとんど同じ動きをしていたのだ。しかもミルキーとコンビを組むとかなりの戦闘力になっていたのだった。俺が、暗黒騎士と同じような戦い方ができた理由は簡単だった。俺と暗黒の騎士はシンクロ率が高くて、思考も感情も同調しやすいという共通点があったからだ。さらにお互いの戦闘経験を積み重ねることによって、さらにシンクロ率が高まっていたのだった。その事が暗黒の騎士に反映されて、俺は暗黒の騎士の戦い方を再現できるような感覚を味わったからである。俺はそのお陰もあって、普通では有り得ないスピードを出せるようになっていたのだ。ミルキーはと言うと……。魔法による攻撃をメインに使う魔法使いなのでそこまで速く動けるようなタイプではないのに……今では普通の人よりも速く動いていたりした。
『魔道の女神 魔道士セレーシャ』がいると思われる場所に向かった俺たちだったが……なかなか見つからない。俺は何か違和感を感じ始めていたのだが……。
俺は『神眼 透視モード』で『魔力感知』と『空間認識』を併用しながら、気配を消している奴がいないかどうか調べていたのだ。そして、ようやく見つけ出したのである。俺が『神速の槍』を放つと、槍の刃が飛んでいき……見事『魔道の女神 魔道士セレーシャ』に命中させる事に成功したのである。俺とミルキーで挟み撃ちにする作戦を実行していたので俺は『瞬動』で一気に近づいて『魔導拳』を発動する構えを取る。しかし……相手はかなり強かったらしく、ミルキーの方に向かってきたのである。俺の『神気』を纏わせた『聖炎の盾』でも防げず、俺はダメージを受けてしまうのであった。ミルキーは何とか相手の攻撃を受け止める事ができている状況だったので……俺はすぐに体勢を整えて暗黒の力を解き放つ準備に取り掛かる。そして……俺は技を放ったのだった。「闇の波動 滅・波動・爆!!」俺が暗黒の力を解放する技名を唱えた瞬間……凄まじい量の波動が辺り一帯を覆いつくすように放たれたのである。その瞬間……凄く大きな爆発音と同時に衝撃波が広がり……。そしてその衝撃波が消えていくとともに……巨大な土煙に包まれていたのだった。するとミルキーの叫び声が聞こえたので、ミルキーの方に視線を向けたら……ミルキーが俺の方に向かって走って来ようとしていた。どうやら俺はミルキーを助けようとして放った攻撃が予想以上に強いものだったらしく……吹き飛ばされたミルキーに俺の攻撃の一部が当たり……意識を失ってしまったようである。そして俺はミルキーを抱きかかえながら、安全な場所に移動した。するとミルキーが目を覚ましたのである。そして、ミルキーに俺が見た景色を伝えたのだ。
すると、ミルキーは急に立ち止まり空を見上げた。そこにはミルキーの事を見ている一人の男が浮かんでいたのだ。その男は暗黒の力を使っているようで……。ミルキーと同じように黒い髪に赤い瞳をしている男がいたのである。その男が暗黒の力を放ち始めて……それを吸収しようとしていたのだった。そしてその暗黒の力を俺が放出させると……。その暗黒の男に異変が生じ始め、苦しみ始めると、暗黒の姿が崩れていって……。そこに居たのは、黒ずくめの服を着た俺だったのである。そして、俺は暗黒の姿から元に戻るとミルキーが「やっぱり貴方だったんですね。私の大切な仲間を殺めた暗黒の騎士様は……。」と言い……俺はその言葉を聞くと怒りがこみ上げてきた。そして、「お前は何者だ?何故この世界に現れたんだ?」と聞くと……暗黒の神の化身は、「この世界に何度復活しても……。お前が俺を封印してくれるからな。俺は暗黒の鎧を手に入れて……。この世界のどこかで暗黒の使徒達と一緒に居るだろう……。」と暗黒の神の化身は答えてきたので、俺はその話を聞いていたら……。ミルキーは暗黒の神の化身に向けて攻撃を開始したのだ。その攻撃を俺は止めたが……。暗黒の神の化身は俺を挑発してくるような態度をとり……。俺が暗黒の騎士になっている事を知っていたようだ。すると、俺の目の前に再び暗黒の騎士が現れて……暗黒の力を放出していった。暗黒の騎士の体はどんどん崩壊していっているが……暗黒の力は収まっていなかった。暗黒の騎士は暗黒の力を制御しきれていないみたいで……。暗黒の騎士が苦しむと、俺の中の暗黒の力まで暴走を始め……俺も苦しんで行ったのである。
すると、暗黒の騎士から暗黒の騎士の記憶が俺に流れ込んできて……俺はその時……思い出したのである。俺の中にいるはずのもう一人の自分……。暗黒の騎士の正体が誰なのかを……。
そう……それは……俺自身だったのである。暗黒の騎士の記憶が頭の中に流れてきて……。俺はその時に全てを思い出したのであった。俺が前世の記憶を思い出すきっかけとなった……夢の中で出会った少女は、やはり『神姫 セイナ』という名前の女性で…… 彼女は神の世界に住む女神であり……俺は彼女に気に入られてしまった事がきっかけで、この世界に生まれ変わってきたのだったのだ。その神である『神姫 セイナ』は暗黒の神に殺されていて……。俺がその暗黒の神の魂の欠片を回収したが……『呪印』で俺を取り込もうとしたが……暗黒の神の力を全て取り込む事が出来ず……。『呪印』で俺を支配しようとした時もあったらしい。俺は暗黒の力を完全に取り込めなかったが……。少しずつだが、その力は解放していったのである。暗黒の力を使えるようになった頃……俺の中にはまだ暗黒の騎士の心も残っていて……俺と暗黒騎士が共存していたような状態が続いていたのである。暗黒騎士が暗黒の力を解放してから、その暗黒の力は徐々に減ってきていたが……。暗黒騎士は完全に消えることはなく、徐々にではあるが俺の体に戻り始めていた。そして暗黒の騎士が完全に俺の体に戻ると……暗黒の騎士の人格は俺の中に吸収されていき……俺は暗黒の力を解放し始めたのだ。そうすると……暗黒騎士の中にいた『神姫』も俺の中に戻ってきた。
暗黒の力が溢れ出していくと……ミルキーが俺の身体に触れて何か呪文を唱えていた。ミルキーが触れた俺の体の中に暗黒の力を吸収しているようで……俺は『暗黒力』が俺の体に戻って行くにつれて体の力がみなぎっていく感覚を感じていた。俺の中にある『闇』が俺の体に集まっていき……。それと同時にミルキーが持っていた暗黒の力も吸い取っていく。暗黒の力は全て、暗黒騎士と『魔道の女神 魔道士セレーシャ』に宿る暗黒の力に吸収されると……。二人は倒れてしまい……暗黒の力で作られていた闇の鎖で縛られて身動きができなくなっていた。暗黒の力が全て俺に吸収されると……。暗黒の力に蝕まれて、暗黒騎士の仮面も崩れ落ち……その下にあった暗黒のマスクも完全に壊れてしまい……そこからは『神騎士ロード』の暗黒の力によく似た姿が現れたのだ。暗黒の力によって俺は一時的に『暗黒神ロード ダークナイトマスター』という存在になったのだ。
俺が暗黒神の力を使うと、『魔道の女神 魔道士セレーシャ』は俺に対して、自分の持つ最大の攻撃を放ってきたのである。その一撃を受けた俺はダメージを負ったが、俺はすぐに反撃を開始し、相手より先に攻撃を仕掛けたのだが、相手の方が圧倒的に強かったので俺が逆に攻撃を受けてしまっていた。しかし俺の体はボロボロになっても暗黒騎士の力のおかげで再生能力が備わっていた為、俺はすぐに体勢を整えることができたのだ。それから俺と魔道士セレーシャは互角の戦いを繰り広げていくが、お互いの持っている技のバリエーションが少ないせいもあってか……俺が不利になっていた。そして、魔道士セレーシャの最強の魔法をまともに食らうとその瞬間……俺の精神が崩壊しかけてしまい……そのタイミングを狙われた俺は、相手の攻撃をまともに受けて、精神が崩壊する寸前にまで追い詰められてしまう。その攻撃は今までの魔法とは比べものにならないほどの威力を持っていた。そして……魔道士セレーシャの攻撃が当たった瞬間に俺にかかっていた封印がすべて解けてしまったのだった。その事に気がつかなかった俺は暗黒神の化身と魔道士セレーシャとの戦いに意識を奪われて……。封印が解けたことに気づいていなかったのだった。俺の体には『闇』を司る魔神である『邪神』と『魔王』の魂と神格である『大賢者』『戦の神王』の魂が存在していたので……。俺に宿る3つの『大罪』が解き放たれた事で俺は本来の姿を取り戻していく。その姿は……。神に近い存在である魔神そのものの姿になり……。
俺は全ての魔力を使い果たしていたが、俺はまだ戦う事ができる状態だった。暗黒神の化身と魔道士セレーシャの二人の戦いを見つめていたら……いつの間にか二人の周りに結界が張られていたので……俺は安心して見届けていたのである。
そして、魔導神の化身の攻撃を食らいそうになった暗黒神の化身であったが、その攻撃は暗黒神の化身に跳ね返って……。暗黒神の化身の攻撃を受けて、瀕死の状態に陥っていた魔導神の化身にトドメを刺そうとしたのである。しかし、魔導神の化身は、最後に強力な防御術を使って……暗黒の力を防ぎ切ったのであった。
俺はその隙を見逃さずに、暗黒の力を解き放つ準備をしていた。
俺は最後の力で魔導師を閉じ込めている巨大な結界を破壊したのだ。すると魔導師の放った極悪な魔法の波動が俺の方に向かって来ようとしていた。俺はそれに対抗するように……。暗黒神の力を発動した。その発動された力は……。俺自身が放った攻撃だったのだ。俺の目の前に現れたのは……。
俺と同じ顔を持つもう一人の暗黒の騎士が放った暗黒の力であり……。それが魔導師が作り出した魔法の力と融合する。すると凄まじい威力を持った俺の新たな攻撃が完成して……俺と暗黒の騎士の力はお互いに干渉し合って……。その二つの力の合わさった力は……。
凄まじい破壊力を生み出す事になる。そして、俺の生み出した新しい攻撃に魔導師も飲み込まれて消えていった。すると……俺は暗黒の騎士から元の黒ずくめの服装に着替えて、ミルキーの傍まで歩いて行き、そこで倒れ込んでいる聖の騎士の姿を見て、俺は急いで駆け寄った。
俺は、聖の騎士に「大丈夫か?」と聞くと、「はい。ありがとうございます。でも……。」と言うと……暗黒の騎士は、暗黒の姿に戻る前に……聖の騎士とミルキーに話しかけたのだ。「お前達に言っておきたい事がある。この世界では暗黒の騎士の力を完全に封じられた状態で復活したが……。暗黒の騎士の魂はお前達の中にある。暗黒の力を完璧に取り込めば……また復活する事も出来るはずだ。その時はお前達が倒して欲しい。それまでは私が復活を阻止しておくから……。」と言い残すと……暗黒の騎士の姿が崩れ始めて……そのまま消えたのだった。そして、俺は暗黒の神の化身と対峙して……。暗黒神の化身が攻撃を仕掛けてくると、暗黒の神の化身が纏っている闇を全て吸収すると、今度は暗黒の化身が俺に襲い掛かってくる。
俺と暗黒神の化身の激しい攻撃の攻防が繰り返されて……俺は、徐々に追い込んでいったのである。俺は、その激しい戦いの中で……。自分が転生者である事を思い出したのである。
そして俺は『光属性』の力を解放すると、暗黒神の化身は苦しんで、その攻撃を緩めた。俺はその一瞬の隙をついて、暗黒神の化身を倒したのだ。俺は自分の中に取り込む形で倒したのである。暗黒神が倒れた事を確認した俺とミルキーは聖騎士のところへ駆け寄ると、聖の騎士は暗黒の力の影響で体がボロボロになっていて、その体に触れると俺はすぐに『回復』の力を使った。その俺の行動を見たミルキーが「神太郎さん……。私も協力します……。『神聖』の力を使えば、もっと良くなりますから……。」と話すと俺はミルキーに『神聖』の力を使わせた。
その力を受けると……。聖の騎士の体の傷が癒えていき……。しばらくして、俺達は聖の騎士の手当てをしたのだった。
暗黒神の魂を吸収し終わった暗黒の神の化身と戦っていると…… その戦闘の中で……俺は転生者だった頃を思い出して……。俺の中に暗黒神の力がある事に気づいたのだ。俺は暗黒の力を解放して暗黒神化すると、暗黒神の化身の攻撃を簡単に受け流したのである。それから俺の拳は……相手の攻撃を打ち消しながら、相手の肉体に直接打撃を与えたのだ。そして俺は暗黒の力を最大限に発揮させて……その暗黒の力で暗黒神の化身を飲み込む。すると…… 暗黒神の化身が身に付けていた黒い鎧や暗黒騎士のマントが外れ落ちて……。暗黒の神は、暗黒の力を完全に制御出来なくなったのか、その強大な力を封じられてしまい……俺達の前から姿を消していった。
その後……聖騎士の力も元に戻り、ミルキーも無事だったので良かったのだが……。俺は二人の前で倒れていた聖の騎士を助け起こしてから、自分の家に戻り休んだ。ユージとセイナは暗黒の騎士に取り込まれていたが無事に解放された。セイナに関しては、『呪印』のせいで自我が失われかけていたらしいのだが、なんとか持ちこたえたようだった。セイナの場合はまだ『呪印』の影響が残っているらしく……。暗黒の力の暴走を抑える事が出来ずに、『呪い』として現れてしまう時もあったらしいのだが、暗黒の力を完全に取り除いた事で、『呪い』も消え去ったようである。
ただ暗黒の呪印が完全になくなるまでには時間を要するらしいのだが……とりあえずセイナの意識も戻ってくれたようだ。俺は二人が暗黒化しないように気を配りつつ……この世界での生活を続けていた。俺とミルキーはユージの家に住み着く事になったが、ミルキーは時々セインと一緒に『神龍の森』に行っていたみたいである。
ちなみに……ユージとセインは『暗黒神の神域 神の間』を俺とミルキーに任せて、他の場所に修行の旅に出掛けたのだが……。暗黒の力に支配された魔導士と魔獣使いがいるかもしれないと言って出かけて行ったのである。
暗黒騎士との戦いで……暗黒の力を制御する事が出来なくなっていた暗黒神は……。暗黒神の化身である『邪神 魔導神 神人』と分離してしまった。分離した後は、神格を失った為なのか、『邪神 暗黒騎士神 魔神』と名乗って、暗黒騎士と共に、神の世界から出て行った。暗黒騎士神を俺に封印してもらいたいと言っていた『暗黒魔導神』は、暗黒魔導士の姿になって、姿を消した。
俺と暗黒魔導神との戦いで俺は完全に力を取り戻した感じになったので…… 暗黒騎士を封じ込める為に……暗黒魔導神の体を拘束する事にした。
そして、俺は暗黒神の化身を消滅させる事はできたものの……『神格』が解放されていなかった為か、完全な状態には程遠く……。暗黒魔導神を俺の中に入れる事でようやく暗黒の力が封印出来た状態だったのである。ただ……暗黒魔導士が持っていた暗黒の力は、完全に封印が出来なかったようなのだ。俺の中の暗黒神と魔導士が融合していた部分がまだ残っていて……
『邪神 暗黒騎士神 魔神』と『邪神 暗黒魔導神 神魔』は融合している状態である。その『暗黒神』の部分だけを取り出せれば良いと思うのだけれど……。『邪神』が『邪』で……。『魔神』は……『神』になる訳だが……『魔神』である『邪神』の部分は……。『邪神』で『神ではない』と言える。
だから、暗黒の魔導士が持っているはずの暗黒剣に宿っている暗黒神の魂と魔導神の魂を切り離して、『邪神 暗黒魔導神 神魔』だけを俺が引き剥がして……。
『神界』『人間界』『冥界』で保管すればいいと思っている。
暗黒の魔導士との戦いで手に入れた暗黒の力は『闇属性』、『光属性』『闇属性』、『時空属性』の4つの属性を持っていたのだ。その中でも特に暗黒の魔導士の魂に残っていた暗黒魔法は……。『闇の力』・『闇属性』の魔法の力だった。
暗黒騎士が使った暗黒魔法の属性は全て闇属性で……。その闇属性の上位互換にあたる暗黒魔導師のみが使える暗黒魔法の属性も闇属性であったのだ。
しかし暗黒騎士が使用していた『光属性』の魔法の属性は……。俺には使えなかったので……残念だと思っていたら……ユージから俺が使うはずだった魔法のスキルが使えるようになったと聞かされたのだった。そして……ユージが言うには元々俺は暗黒魔法の適性があったから……。
暗黒の力を吸収した事で……俺の中で新しい魔法を生み出す力が備わったのではないかと言う事だった。
暗黒の力は『無』属性の力なので、それを上手く使って、今までは誰も見た事がないオリジナルの暗黒魔法を生み出す事が可能になったと言われたのである。俺は早速試す事にしてみた。
俺の前に巨大な空間が現れて……。その中に色々なものを生み出していく。まず最初に作り出したものは……『光』と『闇』である。俺のイメージでは、この二つの力は反発し合うイメージがあり、相反する力という事になっているのである。
実際に二つの力で戦ってみて……どうなるのか確認したのだ。そして……その検証結果は……俺の中では、相反する力は打ち消せるというイメージがある事に気付き……『無』の魔力を使って……。二つの力が衝突する寸前の状態で固定させると……二つの存在は消え失せて消滅したのだった。そして……その力を俺は別のものに作り変える事も出来る事に気が付いて……。俺の中にある全ての暗黒の力を集めて……。『闇』を作り、それをさらに分解して『黒』を作り出し……その『黒』に更に色を加えて……。『漆黒』を作り出す事も出来るようになっていたのだった。そして……。暗黒神が纏っていた『黒』の衣をイメージした物を作り上げて……その衣服のように纏うと……。俺が生み出した『闇属性』の力は……。俺の身体に馴染んでいったのである。それから俺は『暗黒』を身にまとった『神人』のような姿をして……。
『暗黒』と『暗黒騎士神』が混ざった姿になっていたのであった。そんな俺の姿を見て……聖騎士が、「私とセインにもその技を見せてくれませんか?」と言ってきたので、聖騎士にもセインに見せてやった。二人とも驚いていて……。俺が暗黒騎士と戦う時もその姿になるのですか?と質問され……俺は……この姿で戦うのが一番楽なんだと答えておいた。聖騎士は、その『暗黒の鎧』と『暗黒騎士マント』を身に付けたいと申し出たので、俺はそれを許すと聖騎士は『暗黒騎士マント』を身につけると、すぐにそのマントの力を引き出して、マントから溢れ出した黒い炎は……マントの中に収納されていたのだった。そのマントの力に俺は驚くしかなかったのである。聖騎士が「これで……貴方様を守る盾になれますね。」と俺に感謝を伝えていたのだった。そして…… 俺と暗黒魔導神の戦いの時に見せた暗黒の力を解放した時の姿が気に入ったようで……「暗黒の力を解放すると……あの姿を思い出されるので……。私もあの形態に変化できるようにならないかと思いまして……。その……練習しても宜しいでしょうか……。」と頼んできたので……「ああ……好きにするといいよ。でも……その暗黒魔導師の使っていた『暗黒の力』を全て扱えるようになるまで、無理をしないようにな……。」と忠告すると……暗黒の力を解放したままの状態を維持しながら暗黒の力を引き出す訓練を開始したのだった。
ユージは……暗黒の騎士と戦っている間に……暗黒の魔導師と魔導師が持っていた『魔道具』を手に入れていて……。俺に渡してきたのである。それは暗黒魔導師の魔導師達が所持していた『魔道具』だったのだ。
魔導具は、全て同じ形状で……。見た目はただの杖のようなもので……。この魔導師の杖と呼ばれる『魔道具』には、特殊な能力があって……所有者を限定できるらしく…… この世界の人間が、この『杖』を持つとその人は所有者となって……。他の人間がその『杖』を持つことは出来なくなる。しかも、自分の所有物だと宣言する事も出来ないらしくて……。他人の手に渡っても所有権を移すことが出来ないので……悪用する事は不可能に近いので、安心出来るものだったのである。
ちなみにユージが、自分の所有物として認定したのは、セイナとミルキーだけで、ユージの眷属やユージと契約を交わした人間だけが『この杖』の所有者となる事ができるみたいである。この魔導師の杖を俺は手にいれたのだが……。
俺とミルキーはユージの家に戻る事にした。俺の事をユージとミルキー以外の人間は、『魔王』と呼んでいた。俺は、この世界で俺達の国を作ろうと思っており、その国の王になろうと考えていると、ユージ達に説明したのである。その為には……。『神龍の森』にいる者達が暮らす『竜族』の王であり『龍王神 竜王ドラゴーン』であるドラちゃんの協力を得る必要があり、ドラちゃんに会いに行く事と、仲間になる為の試練を受けないといけないと説明して……。俺の仲間になってくれないかと頼むと……みんな了承してくれたのである。ただ……。ミルキーとセインは、暗黒の神の城の近くで暮らしていた為……神域からあまり離れたくないらしいのだ。
俺は二人の希望を叶える事にした。ただ……暗黒騎士との戦いで、ミルキーの肉体は完全に回復していない状態の為、『時空移動』を使って俺と一緒に行く事は、まだ厳しい状態だった。だから俺達三人以外は全員ここに残ってもらう事にして、ドラ君に会うメンバーは、俺、ドラ君、セイナとミルキーの四人に決まった。残りのメンバーで、城で留守番をしながら……。この世界の復興をする事になり……。俺は【アイテムボックス】に保存してあった暗黒騎士と戦った時に回収した、暗黒騎士が所有していた武器や装備などの装備品は、セイトに渡しておくことにした。
セイトは、その装備類を解析する為に……一旦、家に戻ったのだ。セイトは、俺が倒した暗黒騎士が身につけていた装備品を、ユージと俺に見せる為に、持ってきてくれたのだった。その装備品を見て俺は思った……。やはりこれは……。この世界の人間が作った物じゃない。
暗黒神が身に付けていた暗黒剣や暗黒槍もそうだが……『魔剣 黒月』と『魔刀 紅月』だけは、俺が『神界』『人間界』『冥界』で保管しなくてはならなかったので……。セイラとユージと聖騎士は、しばらくここに残ってくれることになったのである。そして俺は……。セイント王国を旅立つ前に……。セイクに、セイナの事について相談してみた。セイナは今はまだ暗黒神が憑依して操られた状態でいるけれど……。いつか元に戻りたいと願い……。この『聖都アルシエル』から、出ていきたいと言っていた事を説明すると……。
『聖女セイカ』として、今まで通りの生活を送って欲しいと言う話と、暗黒騎士に支配されている間の記憶が戻った時は……。『聖都』から出ていきたいという意思を尊重するようにして欲しいという話をするのだった。
俺達は……ドラちゃんが住むという『神龍の森』に向かい……。
森に到着した。そこは神秘的な光景が広がる場所で……木が生い茂っていて……。地面は緑豊かな大地が広がっていて……とても美しい場所だった。そんな神秘的な場所に俺は少しの間だけ滞在した。
そこで……俺は暗黒騎士が身に着けていた『暗黒剣』の解析をさせて貰う事にして……。解析を始める事にして、早速始めようとした時……。俺は、ある疑問を抱いた。
それは……何故暗黒の騎士が、暗黒の魔導師から奪い取ったと思われる魔導書を持っていたのか……。
暗黒神の化身は……。自分が作り出した魔導師が残した魔導書を……。『闇魔法』、『暗黒魔法』、『黒魔法』、『闇属性』、『魔法』……。そして……『暗黒の力』、『暗黒騎士の力』に関係のある魔法が記されている本だと言って……その魔導書を見せていたのだった。そして……暗黒の騎士は、魔導師から奪い取って……この魔導書を手に入れた。つまり暗黒騎士は……。
この『闇魔法』に関係する魔法の力を求めていたことになる。そう考えると……この暗黒騎士が、暗黒神の生まれ変わりなのか? それとも違う何かが……『闇の力』を求め続けているのか?と俺は思い始めていた。俺の考えすぎかもしれないと思ったものの……何とも言えない感じなので……その辺りを深く考えないようにしようと決めた。今は、『聖女の証』を探すのを優先しないとダメだからな……。
俺は、聖剣アスカロンから聞いた、この世界のどこかに存在する『闇精霊』と契約すれば、『聖女の証明』が現れるという情報をもとに探す事にしているわけなんだが……。実は……。俺の中では既に聖剣から聞いていた聖剣アスカロンは知っていたんだと思うんだよね……。俺は聖女が身につけていたとされている指輪を聖女の加護によって見付ける事ができている。そして聖女に受け継がれる聖女の指輪は、『暗黒』の力と相反する聖なる力を秘めた力を秘めた指輪だったと聞いていて……。その話を『神龍の森』に来るまでに……『神眼』の力を使って……確認してたんだよ。そして……俺の聖女の証のネックレスには『暗黒の力が封印されている鍵の魔道具(?)』も付いていたので……。俺は聖女に受け継がれている聖女専用の魔導具である可能性があると睨んでいる。
そんな俺達が『神龍の森』を散策して1ヶ月程経ったある日……。セイナと聖騎士の二人が突然……俺に頼みたい事があると言ってきた。二人は、暗黒騎士の身体に入っていた暗黒の力を消滅させ、元の暗黒の使徒である魔導師の意識を呼び戻す事が出来るかどうかの実験をして欲しいと言われてしまった。
俺はセイトが持っている『光の力』を『聖』の力に変換する事で、『浄化の杖』に込めた『聖魔法 浄化 ホーリー・ヒール』と同じ効果を発揮できないかと考えていたのである。そして俺は二人に暗黒の力は、元々は魔導師の暗黒の力であり、俺が戦った暗黒魔導神に取り込まれて、暗黒の力に変えられたのではないかと伝えて、その事を試してもらうために二人を連れてドラちゃんに会いに行く事になった。セイナとセインは……暗黒の使徒である魔導師の魔核が埋め込んであった胸にある傷を治していたのだ。それは……。
暗黒の使徒は、その心臓付近に『邪』の力を持った魔核を埋め込まれていたのだった。俺がセイナ達を助ける前にセイトとセインが助け出していたらしく、その二つの魔核を取り除いた後に治療を施していたらしいのだ。ただ二人の力では完全に癒えておらず……。暗黒の魔導師が完全に復活して再び襲ってきた時に戦えるようにする為に……。二人は俺達に助けを求めたという事なのだ。暗黒魔導神が使っていた暗黒剣は……まだセイネの手の中にある。だから俺がその暗黒の剣で、暗黒の使徒が宿っていた魔核を破壊して消滅させる事で……。暗黒の力で支配されていた暗黒騎士やセイナ達の身体の中に存在している魔核が消滅するか実験をしてみようという事にしたのだ。
俺が暗黒騎士と戦った時に暗黒の杖の『魔道石』を回収していたので……。セイトに預けることにした。セイトは……その杖を解析してみたいという事で預かったのである。
それから数日して、セイント王国の人達は復興作業の続きをし、セイナはセインとユージ達と共に俺達に同行してくれた。俺とドラ君、セイナは『竜の里』に行き……。ミルキーはセインに同行する。
俺達は、『竜の神殿』があるという場所まで案内してもらったのであった。その神殿には、『竜人』のドラゴニアン族がいるらしく……ドラちゃんはその『竜の神官』のドラゴニアナに会いに行く為に、『竜の森 神域』に向かったのである。俺もミルキーも、神殿には入らず外で待機する事にした。『神龍の森』の奥には……『竜の森』があって……。その『竜の森 奥地』は……『竜神 竜王 ドラゴーン』が住む聖域であると言われている。俺が、ドラ君の『眷属 従者』になって……神界で暮らしていた時も……『竜王の森 奥部』に入る許可はなかったのである。
セイナの師匠であるセイクが、俺達に付いてきているので……。セイクが、『竜王』の許可を得てくれるだろうと思い、ドラ君を『竜王』ドラゴーンの元に送ってくれることをお願いして……。俺達は……ミルキーの待つ『魔王城』に戻ったのだった。
俺が暗黒の武器で倒した暗黒騎士と、セイナ達を苦しめたあの『暗黒の騎士と、暗黒神が融合して誕生した姿になった魔物達との戦いで……聖女に代々受け継がれていたはずの『聖女 セイカ セイナ セイン』が持つべきとされている、セイ女専用の装備の『セイ女の証』は、失われてしまったと思っていたのだが……。俺は……その聖女に受け継がれている『セイ女の証』の指輪が、今……自分の手に握られている事に気が付き、セイトに見せると……セイトは『この指輪は間違いなく、聖女の証の指輪だ。セイカのものだと思います。ただ……セイカは、聖女の指輪の事について知っているはずなのに……。セイナは聖女の証の事は知らないはずだ……。それにこの『魔剣』も……。この魔剣からは……暗黒の力を感じます……。これは……。もしかしたら暗黒の神の力が封印された……暗黒の魔剣なのかもしれませんね……。私では解析する事が出来なかったのです……。」と言っていた。
セイトは聖剣から聞いたセイナが持っている『聖女の証』の話と……暗黒の騎士にセイナは乗っ取られてしまい、セイナは暗黒の力に染まり、セイナは暗黒の力を使える状態になっていたが、聖女であるセイナにはセイナ本来の優しい心の中にあった暗黒騎士の力に抵抗する心が強く働いて……セイナは正気を取り戻し、セイナに暗黒騎士に体を乗っ取られる前に戻るように促したが……。セイナの心が暗黒の騎士の精神に勝てる事ができず、精神を破壊されてしまい……『魔剣 黒月』と『魔刀 紅月』を暗黒の使徒に渡したようだ……。その後……。セイラは、セイヤに倒されて……暗黒の使徒のセイナに暗黒の使徒にされてしまい、暗黒神の暗黒の力によって『聖都アルシエル』が滅んでしまうのを防いだのである。
俺達と一緒に、ドラちゃんは、『龍の森』に来ていた。『龍の森』は、神龍が住み着く森だと言われていた。その森の上空にたどり着いた瞬間に、巨大な青い龍が飛んでいる姿が見えたのだ。俺が、青い龍に視線を向けると……。俺とドラ君に向かって何かが物凄い勢いで近づいてきたのだった。俺はその衝撃で吹き飛ばされて……。地面に叩きつけられてしまう……。俺は……。一瞬何が起きたのか分からなかったが……目の前に現れた青い龍に目を奪われた。俺が、何が起きて……どうしてこうなったのか確認しようと顔をあげると……。そこには……。『神獣 神龍 蒼空龍 ソウクン』が、俺に襲いかかってきていたのだ。俺が慌てて回避しようとすると……。俺は、何故か動けない状態にされてしまった。『神速移動』が使えない!?なんで……。
『神眼 ステータス』
俺は、その正体不明の攻撃の正体を確認する為……『神眼』で、ソウくんの力を確認した。その攻撃の正体が判明した。俺は……『神眼 鑑定』を発動させてみた。
『名前 青の魔眼』
俺は、『聖剣アスカロン 神具 セイント王国国王 神具 聖なる光を放つ剣 』に込められていた能力と同じものなのではないかと思った。この能力は、相手の行動を制限する効果があるのかもしれないな。俺は……なんとかしてこの状況を打開できないかと考えていた。そんな時に……俺はある事を思い出して、ドラ君を見たら……。
『ドラ君は……。寝てるーー!!おい!!お前……起きろよーー!!』
「うぅ〜ん……。あ……あなた誰?僕の名前を知っているの?」と言ってきたのだ。俺が『神眼』の能力で、この子の名前を見ているんだから当たり前だー!!と言いたかったが……言えない状況だったので、俺はどうしたものかと考えていて……俺は『ドラ君 龍の子』と言う事になっているから『君の名前は……。『神龍』の子どもの名前だったよね?』と言った。するとドラ君は、「うん……。僕の名前は……『龍の子』のドラ君だよ。そう言う貴方は……一体だれなの?」と話してきた。俺は『神速移動 解除 通常時間軸に戻れ!』と念じて、自分の動きを通常時間に強制的に戻し……。
俺はドラ君が攻撃される前に、『瞬歩 加速LV20MAX・極』を自分にかけたので……ギリギリのタイミングだったが、何とか間に合った。
俺が、突然現れて……攻撃をしてきた相手を見てみると……。その大きな体は青い鱗で覆われていて、その鋭い目は俺を睨みつけていた。俺は……この子の攻撃を受けないように……すぐに、この場から離れる為にその場から離れたのである。
そして……俺を拘束していた青いオーラのようなものが消えると同時に……。ドラ君が、いきなり飛びかかってきたのだ。そして……。ドラ君の爪が俺の顔の寸前でピタッと止まり…… ドラ君は「お兄さん強いね。僕の本気の攻撃が簡単にかわされたよ。こんな経験は初めてだよ。でも……僕を舐めてるなら、容赦しないぞ!」
俺はドラ君に「えっ?違うのかい?」と聞くと……。ドラ君は……俺の方を見ながら少し考えた後に…… ドラ「僕は……。えっと……その……。『お腹空いたのでご飯を食べたいので、ちょっと眠っていたんだよ。起こしてくれてありがとよ。えっと……君は……。』」………….(省略)……. ドラ『ごめん。よく思い出せない。だから教えてくれないか?』と言われたので……。
俺が、セイ君が言っていた事をそのまま伝えたのだ。そしたらドラ君は……。
ドラ『なるほど……。それで君が……。セイヤか……。わかった!セイヤ……。僕を君の従者にしてくれないか。そうした方が楽しそうだ。』と言ってきたのである。俺は、『神剣アスカロン 神具 セイント王国国王 神具 聖なる力を振るえる剣 』に『竜人の加護』の能力をセットして……。
『神剣 ドラケン 聖具 セイント王国国宝 聖なる力で戦う聖剣』を創造して、ドラ君にあげた。俺が、『ドラケン ドラケンの主人に、なりますか? はい/いいえ』という文字が出た画面を見せてドラ君に聞いてみると……ドラ君は……。『もちろんだぜ!!これからよろしくな!マスター。』といって……。『竜の誓い 契約 スキル』が発動する。
俺が『ステータス オープン』と言って……自分の能力の確認をしてみる。
『竜王の使徒』:称号
『竜の眷属 竜王 ドラゴン』
『セイント王国民の導き手』:能力値にプラス100の補正。『竜人』が『竜王』の元に駆けつけてくれる可能性が高まる。『聖女』『大賢者』が『聖属性魔法』を使用可能になる可能性がある。
『神龍の騎士』
効果
:聖属性の力が宿っている『魔剣 セイク セイナ セイン』が装備可能になり、装備した場合、『聖女』『大賢者』に変身が可能となり、全能力が上昇する。さらに『セイクの魔剣』を装備している間『神龍』の力が使用できるようになる『神魔剣士』に変身する事ができる。また、『魔刀 紅月』を装備している時、全ての技が使用可能である。ただしこの『魔剣』を装備する事で暗黒の力に飲み込まれてしまい、暗黒騎士の姿に変わってしまう事もある。
俺とドラ君は、『ドラケンの誓いの儀式』を行う事にしたのである。儀式が始まると……。俺が、剣を抜いてドラ君の頭に剣先を突き刺すようなポーズを取ったら……。『ドラの祈りのポーズ』になってドラ君は目を瞑り……。何か呟いていたのだった。俺がドラ君を見ると……そこには……俺と身長が同じくらいの小さな少年が、俺に笑顔で微笑んでくれていた。
俺とドラ君は……暗黒神の化身が復活しようとしている事を察知して……。急いで『暗黒神が居る城』までやってきたのであった。俺は、ユート達に合図を出してから……みんなが暗黒神の城の敷地内に入ってくると……。暗黒神が姿を現したのであった。
俺達が暗黒神の姿を確認していると……突然現れたのだ。
俺は……その暗黒神の姿を見て、驚きのあまり固まってしまっていたのである。何故なら……。その暗黒神は……セイナ達の母親である『聖女 ソフィア シンフォニア シンナ』だったからだ。しかも、見た目が10代後半の女性に見える姿になっていたからである。そのセイナ達の母親は、自分の子供達と再会を果たした瞬間に嬉しさのあまり涙が流れ落ちていたのだ。そんな母親の表情を見てしまった娘達は、母親に駆け寄り、泣き崩れている母親が立ち上がるまでずっと見守っていたのであった。
セイナ達は俺に話しかけてくる。その会話の中で気になった事を聞いてみた。その気になった内容とは、なぜ、ソフィアさんの肉体があるのかと聞いたのだが……。ソフィアさんは……暗黒の神の化身として封印されていて、封印されている状態でも普通にしていれば意識はあるらしくて、封印された時の精神世界にいたらしいのだ。そんな所に、俺が来て、俺達の力で……この世界に具現化させてもらったと言っていたのだった。
そして……『ユージ ユイ』とユートが暗黒神を倒すために必要な条件を話始めた。俺とユメとアーシア王妃が『死眼 デスアイズ』で暗黒神にダメージを与えた後、ユウとリーナちゃんに暗黒神を倒させると言う作戦を考えている。俺はその事を話し終わった時に……ユーマが、セイとユーリに声をかけてきた。
『セイヤ殿……。セイヤ殿とセイ様の二人が協力すれば、あの程度の力しかない敵など、あっという間に消滅できると思うのですが……。いかがですか?』と質問したのだ。俺がどうするか迷ってると……。
セイが『確かに、二人で力を合わせれば倒せるでしょうけど……それだと私の身体の負担が大きいんです。なので、セイちゃんに……セイくんの力を貸して欲しいんだけど……。お願いできますか?』と言ってきたのである。俺は少し考えてから、「うん……。いいよ……。でも俺の力を……君が扱いきれるのかい?」と言ったのだ。セイが俺の目を見ながら「はい……。私は、あなたと一緒に生きていく為にも、私が強くならなくてはいけないと思っていますので……。どうか……一緒に強くなって下さい!!」と言ってきたので、俺は……。
俺は…… 俺は…… 俺は……「君と出会えて本当に良かったよ。だから、俺は強くなる為に協力を惜しまないからね。これからよろしくね。俺の相棒!!さぁーー行こうか!!」と言うと……。
俺はセイに手を差し出した。
セイは、俺の手を取って立ち上がり……。
「ありがとうございます。こちらこそ宜しく御願いします。」と言って……。
セイは俺の腕に抱きついてきたので、俺の左腕に柔らかい感触を感じたのだ。
そんな時に……セイのお母さんが、「ねぇー。貴方達二人だけで行くの?」と話してきて、俺は「うん。そのつもりだけど……」と俺が答えると……。「そうね……。セイが決めた事ですから……。セイに頑張ってもらうのがいいかもしれないわ。でも、セイヤさんと、セイが戦う前に言っておきたい事が有るので……。」とセイのお母さんが言い出す。俺は何の事だろうと思ったが……。セイと俺に関係ある事なのかな?と思いながら…… セイの話を黙って聞く事にしたのである。
セイの話を聞いた俺は驚いたのであった。なんで……セイがこの場にいるのかという理由と……。そして俺に好意を抱いていると言うのだ。
俺はセイにどうしてセイがこの場にいるのと俺の事が好きだというのは分かったが……「ちょっとまってね……。今から君たちの事を俺の鑑定するね……。【スキルコピー】
俺に対して敵意を抱いていない人に限定 発動!【スキル鑑定II(解析者)】!……う〜ん……えっ?………………。
これはどういうこと?」と俺が言うとセイとユメが同時に「「えっ?」と言い、セイとセイナも同じ様に驚いているのがわかった。
「セイ……。君たちは……セイとセイのお母さんだよね?」と言うと、セイが『はい。セイヤ様のおっしゃる通り、セイナは私の姉になります。それとセイちゃんの事は妹になります。』と答えたのだ。俺は、「俺のスキルは……。セイヤにだけ反応しないんだよ……。それに俺をセイヤと呼ぶんじゃない。セイは……今は、ソフィアさんなんだろ?だったら、セイは……セイだよ。」と言うと、セイは涙を流しながら……。『嬉しいです。私が、本当の姿で生きて行けるなんて思ってもいませんでした。だから……。ありがとう。』と笑顔を俺に見せてくれたのである。そんな時……ユートが『セイヤ兄!!大変だ!!邪神の使い手が攻めてきているんだ!!』と叫び、その邪神の気配に、俺の後ろの空間が歪む。そこにいたのは、魔王サタンだった。『よくも我の娘を殺しおったな!!もう、許さん!我が全力の魔法を食らえ!極炎地獄』という声と共に俺に攻撃を仕掛けて来たので俺は……。俺は『セイントシールド セイヤの盾』を使い攻撃を防ぐ。
『なにぃ!!なぜ貴様のような奴が魔法防げる!?ありえないぞ!!ならば……喰らうがよい!!闇滅撃』という掛け声で、俺に向かって暗黒属性の魔力を込めた槍が飛んできた。しかし俺に直撃する前に暗黒神の化身によって生み出された闇の渦の中に吸い込まれていった。
すると……暗黒神の化身の力が暴走して、俺の目の前に突然現れ、暗黒神の化身は暗黒神の化身を殴り飛ばした。その暗黒神の化身の姿を見た俺は、一瞬息をするのを忘れたのだ。
何故なら、その姿は……ソフィアの姿そのものになっていたのだ。
ソフィアに化けた悪魔は……暗黒神の化身を吹き飛ばすが、吹き飛ばされたはずの暗黒神の化身が……すぐに体勢を立て直し、ソフィアを襲おうとしていたのだ。ソフィアの姿の敵は、暗黒神の化身を足蹴にして上空に飛び上がる。暗黒神の化身も空に向かいソフィアを追いかけて飛び上がった。
暗黒神がソフィアに追いついたと同時に暗黒神の化身が拳に纏わせた魔力を放つが……それをソフィアは避けて暗黒神の胸に強烈なパンチを浴びせて暗黒神を吹き飛ばす。そして空中に暗黒神の身体を蹴り上げてそのまま回転しながら着地したのである。暗黒神の身体は地面と衝突する前に受け身を取ったが、ダメージは大きく地面に激突し砂煙が上がった。ソフィアはその砂埃に紛れて、ソフィアの姿をした敵を追撃するが、暗黒神の化身が暗黒の力を使って、自分の姿を覆い隠したのであった。ソフィアの攻撃を無効化しているようだった。そんな攻防が続くと……暗黒神がソフィアの影に隠れている事に気づいたソフィアの化身の攻撃に焦りが出たのである。そんなとき……ユートが俺達に話しかけてきたのだ。ユートは『セイヤ殿……私に……私に任せてください!』と話しかけてくる。
俺は……その瞬間ユートが何をするのか理解したのでユートを信じる事にした。そして……ソフィアはユートの方へ視線をずらしたのだ。その瞬間、暗黒神の背後のユートの右手から剣が現れたのである。そして、ソフィアに姿を変えた暗黒神は暗黒神の背後に現れた、ソフィアの姿の敵の背中を剣で貫こうとしたのだ。しかし、敵も簡単に攻撃は食らわずにバックステップで距離をとったのだった。その後、二人は戦いを始めたのだった。しかし、二人の実力はほぼ互角であった。
そして……俺とユイの方に意識を向けたのだ。俺はユイに目配せをしたのだが、ユミが『私の方が先よ』という顔をしながら暗黒神の目の前に立っていたのである。俺は、ユメとアーシア王妃とリーナちゃんを連れて暗黒神に近づく。俺達が近付いて来るのを確認した暗黒神の化身は、『暗黒神降臨』と言って暗黒神の化身は黒いオーラに包まれていく。暗黒神の肉体に変化が起きたのである。肉体の色が漆黒から白に変わったのだ。暗黒神の化身も暗黒の神化を使ったのであろう……。俺達は警戒を強めて暗黒神の様子を伺っていたのだ。
そんな暗黒神の化身にユートが切りかかる。
『くそっ……。お前たちには死んでもらう……。』と言って暗黒神に融合した暗黒神の化身は暗黒の力を放ち、暗黒神の化身は、ユートの暗黒の剣を避けたユートの後ろに回り込むとユートを羽交い締めにする。そして、ユートを暗黒の渦で飲み込もうとした。そのユートを救い出す為にユートを拘束したユートを俺は斬りつける。その斬られたダメージによりユートは解放された。しかし……その時既に……ユーマ達三姉妹にユーリとセイとリーナが……俺が与えたダメージを与えてはいたが……致命傷には至っていなかったのである。だから俺は…… 俺は、この世界に転生して、初めて……『本気で戦おうと思う!!』
俺は【スキルコピーII(創造主)】を使い、ソフィアを複製する。もちろん……俺に攻撃してくるだろうが、俺も回避行動を取る為、俺の側に居るソフィア達も一緒に移動してくれる。そして、ソフィア達のコピーに俺達全員を転移させたのである。そう俺達は、転移した先でソフィアと戦闘になる。そう……俺の考えた作戦は、ソフィアを誘き寄せるため、あえて俺達全員で戦闘を行い、俺以外の全員がやられ、俺一人が生き残ってみせたのである。そして、俺の前にソフィアは立ち塞がる……。
そして俺は、セイに「俺を守れ!!ソフィアを倒せ!」と叫ぶ。俺はセイがセイヤの身体で動けるように、セイに力を与えていたのだった。俺は……今、俺が作り出した幻影ソフィアと戦う事になったのだ。
そして……この世界で……セイヤとセイとして生き返った俺が……今再び本当の意味での戦いを始める事になる。
セイヤとセイの身体にセイが融合する。そして…… ソフィアも、暗黒神に融合したソフィアと融合し…… 俺は【神眼】で鑑定していたのだが……このソフィア達の正体を見抜いた。
それは……。
「俺に嘘はつけない……。この世界の魔王であるソフィアは偽者だ……。本物のソフィアは……このソフィアだ!!俺は魔王ソフィアの魂を消滅させる!!魔王を倒すのが……聖騎士の使命だから!!」と言うと、セイとセイナが『セイヤ様が……二人?』と言い出し、魔王ソフィアも俺が言った事が理解出来なかったようだ。
「さぁーー。本当の戦いの始まりだ!!俺に勝てるかな?」と言うと、俺はセイに『行くぞ!!』と言うと、俺は、セイとセイヤの身体能力に強化されて動きが素早くなったセイに……魔王の動きを先読みして攻撃を仕掛けるが魔王はそれを避けようとする。
だが俺はそれをさせないために魔王の腕を掴む。その掴んだ魔王の右腕が凍っていく。俺は【氷魔法(極)】を使い、腕全体を氷漬けにして、俺が自由に動かせるようにしたのであった。俺は【神気】を使って【光の神眼】を発動させると、【スキルコピー】を使い、ソフィアを複製する。そして俺と同じ能力値の俺を作り上げる。さらに【全知全能(ゼウス)】を使いソフィアの記憶を読み取る。俺は俺とソフィアが入れ替わったときに起こるかもしれない違和感をなくす事と、今俺が考えている事をソフィアに伝えようと……俺が俺にソフィアの事を伝え始めた。まず、今の俺は俺じゃないと言う事……。
ソフィアとソフィアの身体に融合したソフィアは俺が生み出したソフィアであり、ソフィアであってソフィアではないと言うことを伝えたのだ。だから……今ここで、本当の俺が死ねばソフィアの魂は完全に消滅すると……。
そして俺は俺がソフィアに話している間も、魔王ソフィアとの戦いは続いていた。そして魔王が放った魔力弾が、魔王の身体に当たる寸前で俺によって軌道が変わり魔王は自分の魔力弾によって吹き飛ぶが……魔王も直ぐに立ち上がる……。そして……魔王は俺に向かって魔力波を放ったのだった。俺の【神気障壁】に阻まれて、俺は無傷だったが……。
魔王が俺に向けて魔力波を放ってきたので、俺は魔力波の方向に全力で走ると……。俺に魔力波が当たりそうになる直前に魔力波が俺の横を通り過ぎる。そして……俺の後方にいたセイが『はあーっ……』という声を出すと……俺と全く同じ姿になった。
俺のコピーを作ったあとに……ソフィアに【チェンジ セイヤ バージョン2】を使いソフィアを俺に入れ替えた。セイの身体に入ったソフィアはソフィアに俺の身体にいるソフィアは俺に俺の身体に俺とセイがいる状態で、セイは、セイヤが、ソフィアのコピー体を作るように指示を出した。セイはソフィアが本物だとは思ってないが、俺と同じ能力を持つ者がいれば良いと言っていた。つまりセイが言いたい事は……セイはセイが本物だという自信があるわけではないがセイの能力は、間違いなくソフィアと遜色ないという事らしい。ソフィアも同じ考えをしていた。俺はセイにソフィアがセイを複製するなら、俺と同じようなコピー体を作ればソフィアは自分が本物のソフィアと疑わないのではないかと思い……セイにソフィアのコピーを作らせてソフィアが本物だと思わせる事にしたのだった。ソフィアもセイの考えを理解していた。
ソフィアのコピー体は、俺と同じように【闇の神眼(真贋)】を使えて、ソフィアの記憶も持っているから俺が伝えたソフィアの真実は確実にソフィアに伝わると思ったのだ。そして……俺は俺が作り出しているソフィアを自分の意思では動かせなかったのだが、今は動かす事が出来るようになった。俺はソフィアにソフィアはもう偽物だから……セイと戦って欲しいと言う指示を出しておいた。
そしてセイとソフィアがお互いの武器をぶつけ合い激しい戦いになっていたのである。俺はそんなソフィアとソフィアの身体を使っているセイの戦いを見ながら俺は、魔王の相手をしながら俺は【神魔刀流】を使い暗黒神の化身を切り裂く。暗黒神の化身の攻撃が当たる寸前に俺の攻撃は当たったのだが……。暗黒神の化身はダメージを受けていなかった。その攻撃を暗黒神の化身は、避けたのではなく暗黒神の力を使って暗黒の鎧を纏い暗黒神の力で俺の攻撃を防いだのだ。しかし……ダメージが無いわけではなく……。少しだけダメージを与えられたようだ。そして……魔王の方に視線をずらすと……セイがソフィアに追い詰められていたのである。そんな時……暗黒神は、セイの攻撃を回避して距離をとると暗黒の剣を地面に突き刺したのだ。そして地面から禍々しい波動を放ち始めたのである。
すると暗黒神の化身の目の前の空間に黒い渦が発生し……暗黒神はそこに飛び込んだのだった。黒い渦が消えると、そこには……セイの身体が消えており、代わりにソフィアの姿があったのである。ソフィアは黒いオーラを放ちながら、魔王と対峙していたが……暗黒神の力を解放されソフィアは劣勢になっていく。暗黒神の力を使えるようになり魔王は力も速さも格段にパワーアップしたようだ。ソフィアは何とか攻撃を避けたりしていたが……暗黒神の化身に攻撃を当てられるのを嫌がっているようだ。なぜなら暗黒神の剣には闇属性の攻撃を無効化するという特殊能力が備わっていたからである。暗黒の剣に傷つけられるとダメージを負わされるし……。攻撃を食らうと……身体を蝕まれていく。ソフィアの暗黒の力は魔王には通用しないので暗黒神の力を使うしか無いみたいだ。だが暗黒神が使っていた暗黒神化の力は使えないようだ。ソフィアが俺に使ったときは……俺がスキルを奪ったからだが……。
暗黒神化を使った場合は……身体の全ての細胞を変質させる為に使用後に動けなくなるのだ。そんな状況で暗黒の神の力を使えば暗黒の力が肉体を覆い尽くしてしまい……自分自身が消滅しかねないからだ……。
俺は暗黒神の化身に暗黒の盾を投げ飛ばすが、それを軽々と回避する暗黒神。そして暗黒神の化身に攻撃を仕掛けるが、その全てを暗黒神はかわしていく……。そして暗黒神に攻撃が当たりそうな時に、ソフィアに俺の分身達を召喚させて攻撃を防ぐように伝えておく。俺は【時空転移】でセイのいる場所に移動してから【時空間転移】を発動してセイヤとセイの元に移動すると二人に加勢する。
俺は二人に加勢して、魔王を圧倒するが、セイは俺に話しかけてくる。
「ユーヤ様、ソフィア様を救って下さい!!」と……。セイはソフィアの事を信じられないような感じだったので俺はセイに伝えると「分かりました。」とセイが言うと……。
「セイヤ様、セイ様お願いします!!私は……ユーヤ様の言葉を聞き入れます!!ですから……」と叫ぶと、セイとセイヤの二人がセイの身体を抱きしめていたのであった。
そして…… 俺は、暗黒神の化身を消滅させようと……【雷光神速】を発動させ、一瞬で近付く。
俺は……【スキルコピーII(創造主)】を使って、俺とリリアナとユーナとユイに分裂し……【雷光魔法】を同時に使い、【神光魔法】も同時に使って四人で一斉に放つ技で暗黒神を葬り去る事にしたのだ。俺は、この世界で使う事はないと思っていたが……暗黒神様との特訓で編み出した魔法だ。
「四人同時!!『雷光融合魔法!!天罰!!』
」と俺が叫ぶと……俺達が放った四つの魔法は混ざり合い……巨大なレーザーとなって……魔王に襲い掛かる……。そして……その魔法の威力が魔王を包むように直撃したのだった……。俺はセイ達に「これで大丈夫だと思うが……様子を見よう……。油断はしない方がいいと思う。警戒しておいてくれ!!」と言うと俺は【時空間切断】で切り取った次元に結界を張って隔離したのである。
そして……俺達は…… 魔王が立っていた場所を見る……。そして俺は……暗黒神が言っていたことを思い出したのである。『俺が消滅するときまで、俺は暗黒神を制御出来るだろう……。俺が死んだら俺の中に眠る悪魔と天使が暴れ出す。気を付けろ……』と言っていたことを思い出していた。俺は俺の中を【神気】を使って探ると、二つのエネルギーを感じたのであった。
俺は【超感覚】を使い、二つのエネルギーを感じるところを探した。
俺の身体に二つの存在が宿ったような感覚がすると……。俺の中の何かが変わるのが分かったのである。
俺はすぐに俺の意識を覚醒させたのだ。俺は、自分の身体を確認する。俺はどうやら元に戻っているようで安心する。俺の中で眠っていたはずの暗黒神が消滅した事により、魔王が持っていた暗黒の力を全て俺に返されたような気がしたのだ。つまり俺が俺に戻ったと言うことは……暗黒の力が全てなくなったという事なのだ……。俺は自分のステータスを見て驚いた。
俺の名前は……黒羽 優希(ユウキ・コクハク)年齢20歳……職業は、異世界から迷い込んできた普通の学生だったが……今は魔王をしている。
俺は【全知全能(ゼウス)】を使って、現状を把握しようとする。
魔王だった頃の俺が倒したはずの勇者は……俺が魔王を倒したあとで、復活したようだ。しかも俺のコピー体を操っていて、暗黒の力を使えているようだ。
俺は、暗黒神の力を封印したはずだか……何故か封印は解除されていた。しかし、暗黒の鎧を使えていない事から暗黒神の力は使えていないようだ。俺は、暗黒神の力が使えていた魔王の方が強そうだけどな……なんて思ってしまった。俺は、暗黒の鎧を纏っていた方が格好いいと思うけどね。俺にはまだ完全に扱えるレベルじゃないし、あれを長時間使える自信がないのだ。俺が使える暗黒の力には制限があるのだ。まぁ、今の俺も完全ではないし、完全なる存在ではあるんだが……俺は暗黒騎士でありたいのだ。魔王も……俺が倒した時より強くなっているが……。今なら、暗黒神の化身が消えたから簡単に倒せるとは思う。暗黒の力に頼りすぎていたからこそ、あの時は負けそうになったのだ……。だが……今度の戦いには俺の仲間もいるし……。俺も以前より遥かに強くなったのだ……。だから余裕で勝利できるだろう。だが俺は魔王の事が気になる。何故なら……魔王の事を俺の記憶は知らないから、俺に倒された記憶が無い魔王は、自分の力に溺れているのではないかと思ったのだ。俺は魔王を生かすも殺すも自由だし、倒す必要もないのだが……俺が殺したわけじゃなくて、暗黒神に殺されてしまったという形になってしまったから少しだけ可哀想かと思ったのだ。
しかし……このままではまた俺に殺されると思ったので俺は……俺の複製体に暗黒神の力と俺の知識の一部を与えた。
暗黒神の複製体であるセイには……魔王の複製体であるユーヤの複製体の身体に俺の能力を与えることにした。
暗黒神の身体は、ユーヤ達の魂に混ざってしまっているので……俺のコピーを作るのは不可能だ。なので、俺は俺が使っている身体をそのままセイに渡した。その時に俺はセイに暗黒の剣を渡しておいた。暗黒神は暗黒の鎧を纏っていない状態の俺より強かったが、鎧を身に付けていれば……暗黒の鎧の方に能力が優先され、身体能力が上がるのだ。その状態での戦闘能力はかなり高いはず……。そして、セイが俺にしてくれたことを考えるとその方が良いと思ったのだ。暗黒の剣にも特殊能力があり……。使用者のレベルが100になると所有者に暗黒の力を付与して強化する力があったので……。俺は暗黒神に【闇吸収(闇変換(闇付与))】を暗黒神の力としてセイに与えたのだ。セイは元々闇属性が使えない体質だったのだが……今は使えるようになったみたいだ。
そして……俺が俺とセイに【念話】を使って指示を出すと…… セイは、ソフィアに事情を説明してから、魔王に攻撃を仕掛けるように伝えておく。
俺とリリスは、セイが動きやすいようにサポートする事にする。セイの相手は暗黒神の化身ではなく、本物の魔王であるユーヤに頼む事にした。ユーヤにソフィアとソフィアに憑いているセイが攻撃するように指示を出したのである。
「セイ!!俺がサポートするからユーヤを倒してみせろ!!」と俺はセイに言った。
ソフィアに憑いていたセイは「はい!!分かりました。」と言ってセイの身体を借りて、ソフィアに攻撃をする。
暗黒神の化身を倒されてから復活したユーヤは、「お前は誰なんだ?」と言うが、俺は暗黒神の力を発動させてユーヤを倒す。すると……暗黒神の力で、ユーヤの動きを封じようとしたが……暗黒神の化身の力はユーヤには通用しなかったのである。俺は【未来予測】で未来予知をするが……。暗黒神の化身の力はユーヤに通用せずユーヤが攻撃をしてくるが、俺達を軽くあしらい……。「こんなものか?俺は……もっと強い奴と戦っているぞ……。」と挑発するユーヤ。俺は「それはどうだろうかな……暗黒神化!!そして【時空転移】!!セイ!!【精神転移】だ!!セイの人格はそのまま残して俺が身体を支配する。俺のスキルを使う事は出来ないが……。【時空間操作】で時間を加速する。」
「【時空間魔法】だと……俺の時空間と一緒じゃないか……」と驚くユーヤに俺は……
「ああ……そうだよ。俺は暗黒神だから【時空間魔法】は得意分野なのだ!!さあ……行くぞ!!」
「望むところ!!」
俺はセイに攻撃してもらっていた。セイとユーヤは互角の勝負をしているようだったが、暗黒神の俺の力は凄かった。セイの身体を借りた状態ではあったが……。俺の方が有利で、ユーヤを圧倒していく。
そして暗黒神の鎧を装着した状態で【暗黒融合】と【暗黒融合II】を発動して、俺の最強奥義を放つことにする。
まず【暗黒融合】で暗黒の剣に暗黒神の力を宿し……。
次に暗黒神の力を発動させて……【超暗黒融合】を発動させる。
暗黒の力を最大に高めて……。俺は【極大暗黒斬撃】を放った。暗黒の神をも殺せる一撃がユーヤを包み込んだ。暗黒神の化身の力を使っていても、ダメージは受けるはず……。暗黒神と融合した俺は……暗黒の力を最大に使えるが……俺の身体と融合しているわけではないのだ。だから……俺のスキルや技を使えるだけで、俺自身の力はそこまで上がらない。
そして俺は暗黒騎士モードにチェンジし……。
「終わりだ……。」
と言うと……。
「まさか……。俺と同じ【時空間魔法】まで使えるなんてな……でも残念だったな!!もう既に俺は死んでいる!!」とユートが言ってきたので「何を言っている……。俺は……死んでいない!!」と言うと暗黒の騎士姿のまま俺は消えていった……。するとユートは動揺して隙を見せたのだ!俺はそこに【超時間魔法】をユーナに掛けて【瞬歩】を使い一瞬でユートの後ろに回り込んで首を跳ねる。首がなくなった胴体は倒れた。これで、ユーヤは消滅した。そして……。
暗黒神の複製体が倒されたのを確認した俺は……【肉体再生】と【精神転移】を使って元の身体に戻った。俺が暗黒神の姿になっていた時は、【精神同調】をしていて暗黒神の複製体に俺の精神をリンクしていたのだ。だから、暗黒神の状態で俺は動けたが……。俺が元に戻ったら……。俺の中に眠っていたもう一人の存在は俺の中から出て行った。
俺の中に宿っていた存在は暗黒の力を全て持っていってしまったようだ……。
俺の意識を乗っ取ろうとしたが、俺は【全知全能(ゼウス)】を使っているから意識を完全に奪われる事はない。
しかし……その瞬間だけは意識を奪われてしまうかもしれないと感じたのだ。だが、その時にはすでに俺の中に戻っていたようだ。暗黒神が復活するまでに俺に宿った分も合わせて……かなりの暗黒の力が手に入ったのだ……。この力で俺は……。魔王を倒しに行く。魔王の居場所が分からないので……【千里眼(視力上昇)】のスキルで魔王の城を探す……。そして俺は魔王の城に辿り着いたのであった。
そして俺は魔王がいる部屋に【隠密】を使って忍び込み魔王のところに来た。俺は魔王を見て驚いてしまう……なぜなら魔王が暗黒神の化身になっていたからである。俺の身体も魔王のコピー体も、元々暗黒神の身体だった。魔王は暗黒神の化身になりたかったようだがなれずにいたが、魔王を倒したはずの暗黒神の化身は復活して魔王になったみたいだな……。
魔王は自分の事を本物だと思い込んでいるようだから、俺が魔王を倒せば……暗黒神に暗黒神の力を与えられるはずだ。魔王に勝てればの話になるがな。俺が暗黒神の姿で暗黒神の剣を持っている時点で、魔王は不利になっているので俺は確実に魔王を仕留めるために動く事にした。魔王は俺が近づいてくることに気付かない。魔王は俺に背中を向けているからだ。
そして俺は暗黒の剣で魔王に攻撃した。魔王も剣を抜いて応戦するが、俺の剣速にはついてこれなかったようで魔王は倒れていた。魔王は死んだふりをして俺に攻撃を仕掛けてきたが……魔王に暗黒神の化身の剣の能力が通用するわけがなく、魔王の心臓に剣を突き刺した。すると……暗黒の鎧を着た状態の俺が出てきたのである。そして、俺は……暗黒神の化身になって魔王と対峙していたのだ。そして俺は、暗黒神の力で暗黒の剣を強化して魔王の首を落としたのだった。魔王は暗黒神の力を使ったから俺の攻撃が防げずに、魔王本体と暗黒神の化身が融合した状態の俺に、俺自身が暗黒神の化身となって戦った状態で敗北したのだ。
暗黒神の鎧は【聖浄化】と魔法で解除してから……暗黒神の化身が消えた俺は、魔王と魔王の身体に乗り移っているユーヤと一緒に、ユーリャとソフィアとミコトとセイが居る場所に戻ってきた。
「みんな……無事で良かった。」
とユーマが仲間に声をかけた。
ユーオがユーヤに「大丈夫か?暗黒神様?」と言った。
「うん。心配かけてすまない。俺の身体にユーリャさんの人格と暗黒の剣が融合していたんだ。俺がユーリャさんに【暗黒融合】をすると……俺の身体とユーリャさんの人格が混ざってしまうのだ。その状態でユーリャさんの身体で【暗黒波動】を発動すると……その状態でも暗黒神の力を使えたので暗黒神化できたのだ。俺は暗黒神化の状態に自分の意志では戻れないのだが……暗黒神の力を発動するときに、俺が俺の意志で暗黒神化を発動する事も可能になるみたいだ。」
「そうなのか……。暗黒神様はユーヤ殿だったのか……。」
「うむ……。まぁな……。それより暗黒神の身体を手に入れたのに暗黒の鎧を纏っていないのに暗黒の力を使う事ができた理由は何となく分かったぞ……。ユーゴとレイシアは気付いていたと思うけど……。」と言うとユート達はユーゴとレイシアの方を向いていた。
「ユージ!!ユーナは、魔王を倒して……魔王の魂を消滅させた後に魔王の身体が光り出して……暗黒の鎧の暗黒の武器を持った魔王が現れて私と戦っていたわ。ユーヤ様が倒した後……暗黒の鎧の暗黒の剣を持っていたユーヤ様に身体と魂を乗っ取られていたのよね……。」
とソフィアに憑いているレイシアは言う。
そして、ユートに「お前達……。暗黒神と暗黒の鎧に憑いている奴は……。暗黒神は暗黒の力を自在に操ることができるが、暗黒の鎧に宿った奴は……暗黒の力を扱えない。だからユートに身体と人格を貸してやったんだぞ。暗黒神の身体でユーヤの身体が【完全融合】した状態で暗黒の剣と暗黒鎧を使ってユーヤを追い詰めたらユーヤは負けを認めて、俺が憑依していたユーヤがユーヤに戻り暗黒神の化身と暗黒の力を俺が吸収し、暗黒の力はユーヤの暗黒の力に吸収されて暗黒神の化身が復活し暗黒神の力が発動できるようになった。ということだな……。暗黒神の力を使って暗黒の力を解放すれば……ユーヤが使っている【精神転移】もできるだろう。それに暗黒神の化身が持っていた力は全て俺が貰った。暗黒神の力は、俺の力の一部だな……。俺が【暗黒融合】をしたときに、暗黒神の複製体は暗黒神と俺の力でできていると言っても良いからな。俺と融合すると言う意味だ。それと暗黒の騎士の姿で現れた時の俺の姿を見ればわかるだろう……。暗黒の鎧も装備可能だったからな。ユーキの身体の時に暗黒の槍を装備していて暗黒の騎士になった時に暗黒の槍を装備したら、普通に使えた。そして、暗黒の騎士状態なら暗黒の力を発動させることが出来るようだな……。暗黒の騎士の状態であれば、暗黒神の化身と暗黒の力を発動することができるって事だ。つまり……暗黒の騎士状態で【時空移動】で俺の世界に戻ることも可能で、暗黒騎士の姿になれば、暗黒神の化身の力を発動させることもできるし、暗黒神の化身の姿でも俺が持っている暗黒の力も使うことができる。
ユーヤは【超高速再生】があるのも忘れて俺を殺そうとした。俺はその瞬間にユーヤの動きが見えてしまったのだ。俺と融合していないユーヤと暗黒騎士の状態で融合した暗黒神の身体は、暗黒神としての性能が遥かに違うし、身体能力も俺の方が上だから俺は暗黒神と融合している状態だと暗黒騎士モードでしか戦わないのだ。
俺と暗黒騎士のユーヤとの戦力の差を感じたユートはユーオにユーキを呼ぶように指示を出したのだ。ユーヤが「お兄様!!」と叫んだ瞬間に……目の前からユーヤはいなくなっていた。俺が「ユーヤは何処に行ったのだ?」と言うとユートが、「ユーヤは暗黒騎士状態の僕よりも速く動いてユーナちゃんを連れてどこかに行ってしまったのです。」と答えたので「じゃあ、探してユーヤを殺すとするか……。」
と俺は言った。
*
* * *
ユートはユーナを連れて暗黒神の化身状態のユーヤと対峙をしていた。そして暗黒騎士になった状態の暗黒神は、自分の肉体に暗黒神の化身を融合させているだけで……。暗黒神の化身状態でも、普通の人間の身体のように動けるようだった。
「ユーヤ……。」
とユーナが呟く。
そして、暗黒神の化身になったユーオが「暗黒神よ……。この場を暗黒神の力で満たすのだ……。我に力を授けてくれ……」
と叫ぶと同時に……辺り一面が暗黒神の魔力で埋め尽くされた。
そして……ユーオは、その暗黒の力を右手に集める。
「暗黒魔法【闇の雨】……ダークネス・レイン!!!!」
ユーナは【聖浄化】を使い、ユーヤを聖なる光で包んで暗黒神の化身から守ろうとしたが、ユーマは【精神防御壁】を展開させユーマを守る。
「暗黒の魔人化……【絶対領域】……」
【精神攻撃無効】
暗黒神の化身状態の暗黒の鎧を纏ったユーヤが、暗黒魔法を発動するとユーナの展開した神聖結界が崩壊してしまい……【暗黒の魔人】になってしまった。
暗黒神の化身になっているユーヤは暗黒のオーラに包まれていた。そして、ユーヤの周りにいたユーコとユーマは、ユーヤから発せられる暗黒の力に耐えられなくなり倒れて、意識を失った。
しかし……暗黒の鎧を身に纏っているユーヤは平然としていて、ユーマ達に暗黒の波動を放つと……二人は倒れてしまう。
ユーオが「流石はユーヤ殿……我が息子……。」と感心していた。
*
* * *
俺は魔王城の玉座の間に来ている。暗黒神の化身になっている俺は、暗黒神の暗黒の力を発動させていたのだ。すると暗黒の力が溢れ出て止まらない状態になる。
「さぁ……。始めようか……。暗黒神の裁きの時間の始まりだ……。」
と俺は宣言をした。
「まずは俺の仲間に手を出す奴らを消すか……。【重力圧殺】!!」
俺は、魔王軍の兵士達に向けて【重力圧殺】を発動する。すると魔王軍の兵士は潰れていく……俺の仲間達には影響しないように設定してあったが……仲間達が苦しそうにうめき声をあげながら……身体を圧縮されている。俺は「【聖浄化】で回復してくれ」
と言うとユーコが俺の近くにやってきて
「分かりました。暗黒の波動を解除してください……。早くユート様を倒さないと……みんな死んでしまいますわ」
「そうだな……。ユーゴとレイシアも頼む。」
「任せろ!!」「承知しました。」
と言うユーコの声とレイシアの答えが聞こえると、仲間達は【光癒球】とユーマの【光回復】を受けて回復した。そしてユーゴとレイシアは暗黒の鎧を外したユーマに【闇治療】を発動する。暗黒神の力が消え去り、ユーヤに戻ったのでユートと暗黒騎士の暗黒神に【闇空間】と【次元斬】を発動させてユーヤに放つと暗黒神の力が消えるのが感じ取れた。
ユートも【雷鳴矢】を放ち俺の放った技とユートの撃った矢を暗黒神の剣で全て打ち落としてきた。暗黒神の鎧を着ている時は暗黒神の鎧で暗黒神化中なので全ての能力が大幅に上がっていたが……暗黒騎士の状態で発動させたので暗黒の剣は普通の武器でしかないようだ。ユーキが持っていた時と同じように普通に使えるが……。
俺は「ユーヤ!!お前を倒す……。暗黒神の力がなくても、ユーヤとは融合したくないがな……。ユーヤと暗黒神の化身のユーリャさんを分離できないのか?」
と俺はユーヤに聞くと、
「うむ……。ユージ!!俺は……俺の身体から離れてくれないユーリャさんの身体を引き裂こうと思ったけど……身体が言うことを聞いてくれないんだ……。どうしたらいいんだ……。」
「うむ……。お前の中にユーリャさんの魂が入ってしまったから、もう……暗黒神に人格を支配される心配はないと思うけど……身体の支配はユーリャさんのままだぞ。ユーヤは……今暗黒神の力を封印しているんだ。暗黒神の化身状態で暗黒神の力を使えばユーマのように暗黒神の力に取り込まれて自我を失うことになるからな……。ユーゴは、俺の世界では……暗黒騎士状態じゃないユーマと戦ったみたいだけど……ユーヤはユートと同じぐらいの実力を持っているからユーヤと戦ってみてくれないか?ユーヤを操っていたのはユーナのお母さんで……ユーナの事は大切に思ってくれていたようだ。だから、できればユーヤと戦いたくないんだけどな……。でも……暗黒神の化身にユーヤがなった以上……俺は暗黒神の敵だから倒す事にする。」
と俺は言うと……ユーヤは暗黒の兜を取って……ユーナの方に視線を向けるとユーヤは、「僕はユーミとユーリの本当の父親ではないのです。実は……僕の父親はユーリアさんのお姉さんの旦那で……僕の本当の両親は……戦争で亡くなってしまって、それから僕をユーリが拾って育てたようなのです。」と言ったのだ。
俺は、「そうだったのか……。」としか言えなかった……。
俺は暗黒の鎧を身に纏うとユーヤと戦闘を始めたのだ。
「ユーヤと融合したユーナは暗黒神に侵食されないように、自分の意志を保ち続けていた。そしてユーナの中で眠った状態になっていた暗黒神の化身は暗黒の衣を着ていて暗黒神に侵食されていなかった。しかし……暗黒神に精神を乗っ取られそうになったときに、暗黒神の化身であるユーヤに精神を戻された事で、自分の肉体がユーヤの身体に融合されてしまったので、ユーヤは自分の身体を取り戻すために……そしてユーヤと融合してしまったユーナを救うために、ユーナの中に入ってユーヤは戦っていたのです。そして……暗黒神と化したユーヤと戦うことでユーナの心は壊れていき……。そして……ユーナが暗黒神の化身に心を浸食されてユーヤが暗黒騎士になったときには……ユーナも暗黒騎士の化身に変わってしまったのです。そしてユーナも身体を暗黒神化することで暗黒騎士となったのでした。」
俺は「なるほど……。」
俺は、ユーヤとの戦いを続けたが、俺の攻撃を全て暗黒神の力を使わずに、暗黒の鎧の力を使って回避したりして……ユーヤは戦っていて俺も暗黒の鎧を纏っていなければ負ける可能性が高いかもしれないと俺は思うのだった。
俺は【時空連続体作成】を発動させると……時間の流れが止まり。時間が止まっているので、周りからは、何もしていないように感じるだろう……。
俺は暗黒神の鎧を解除してから……
「リリス……。」
と俺は言った。
すると、リリイから、ユーヤの身体から黒い闇のオーラのようなものが抜け出してきて、俺が暗黒神の化身の姿になって闇のオーラを吸収すると、ユーヤが倒れ込んだ……。
ユートは「ユーヤ!!暗黒神様の化身になったお兄様に何をしているのですか!!」
と怒りながら俺に近づいてくるが、俺は暗黒騎士の化身状態から暗黒騎士の姿に戻ると……暗黒騎士の状態だとユーオから暗黒騎士の力は貰えるので……暗黒の鎧を脱いで暗黒神の力を吸収しながらリリスから吸収すると……ユーオは倒れた。
「なにをしているのですか!?あなたは、お兄様が死ねば世界は暗黒に支配されてしまうんですよ……。そんな事もわからないのですか!!」
と叫ぶと……ユーナの身体から闇属性の神の力が出てきはじめた……。ユーナの精神は……既に限界に達していたのだ……。そして、ユーナから闇の女神の力が出てくる……。ユーナに暗黒神の闇の波動が侵食してきたのだ……。
俺は暗黒神の化身のユーヤの身体から出て来た暗黒のオーラを暗黒神の化身になる事無く吸い取り、俺が吸収して……俺に暗黒神の化身としての力が蓄積されたのだった。
俺には闇の女神が付いてくれていて……俺は闇の力を操ることができたので……俺には闇の力が有効だったのはわかっていたが……。俺の使う暗黒魔法には暗黒神の暗黒の力は含まれていなかった。なので……俺は【聖魔法】の魔法陣から【聖浄化】を使いユーヤの身体を聖の力で包む。
すると……ユーヤは苦しみ出して暗黒の力がユーヤの中から抜けていく……。暗黒神の化身状態のユーリヤさんに意識はないのでユーノとユーコとレイシアが暗黒の力から守るためにユーキとユーヤと暗黒騎士ユーヤを守る為にユーヤの周囲に光の結界を展開した。レイシアは、レイシア自身の神聖結界で、レイシア自身を守る結界を展開しつつ暗黒の結界を展開させていた。そしてレイシアが結界を張る時に、暗黒神の暗黒の波動を打ち消してくれたので、レイシアの神聖結界で暗黒神の波動を防ぐことが出来たのだ。
ユートが俺を見て「なぜユーヤ殿の身体から暗黒の波動が消えたのですか?」と驚いている。
俺はユートに向かって「暗黒神とユーリャは分離したんだよ……。だからユーナの暗黒神の化身化が解除されたというわけだよ。だから……もう大丈夫だ。」
ユーヤの身体から出て来ている闇のオーラは俺がユーヤの身体を聖の力で包んで……ユーヤの中の暗黒神が外に出ている状態なので……。俺は聖の魔力を発動すると……。
ユーナから闇属性の力だけが抜けたので……。
俺に聖の力が加わって……ユーナの中に残っているのは暗黒の波動だけだ。
俺はユーヤの身体に光属性の治癒効果を持つ魔法をかけると……。
ユートとレイシアとユーヤの従魔のユーミに……レイシアが展開したユーマとユーゴに……そしてユーキにもユーマの身体から出て来た闇属性の暗黒のオーラが絡みつき……ユーマが苦しんでいるのでユーキに闇属性を光属性に変換させて光の力を発動させユーキが光属性の神聖力で闇属性を弱めた後に、闇を闇で光を光で闇を抑える……【闇封神封印】を発動させる。
暗黒神の化身に侵食されているのが、ユーヤだけだった場合は【聖封神封印】だけで良かったが……今は……暗黒騎士のユーヤの身体からも暗黒の波動が出てきているので……。ユーキの神聖術と……【神聖神封印】も追加して暗黒神の力が出ないようにしておいた。暗黒神の化身になった者は暗黒神の呪いを受ける。なので……。俺は、【神聖封印】と【聖封印】を重複させた上でユーキとユーミとユーヤとレイシアとユーキとユーヤとユーミとユーヤとユーミとユーミに重ね掛けをして、さらに……ユーキ達の仲間達の全員に、【神格化状態強化・大】と【全能力上昇状態強化】【ステータス強化・中】と……俺が使える全ての能力を強化するバフとデバフを仲間達にかけたのだ。
俺はユートの方を向き「さっきまで戦っていた暗黒神様の化身はもう倒したよ。もう……ユーリャの身体の中に暗黒神は存在しないと思う。それに暗黒神の剣の力を取り込んでいるから暗黒神の化身にはならないと思うから……。安心して欲しい。暗黒神の剣の力を吸収して、俺の中にある暗黒神の力が無くなってしまったし……。暗黒神の鎧も脱いでいる状態だしね……。」と言うと……
「ユーヤが目を覚ますのは……ユーナの身体を元に戻してからだから、それまでは暗黒神の鎧は身に付けないで欲しいのです。ユーヤを操っていたのが……あの女だと思うのですが……。ユーヤの身体を操っていた暗黒神の化身になった者が……私のお母様なのです。そして、ユーヤが暗黒騎士として覚醒した時点で、お父様の身体の中に入っている暗黒神様は暗黒騎士の力を吸収しました。暗黒神の力と、暗黒の波動で暗黒騎士を暗黒騎士にする力は……暗黒神様のものだから……。暗黒神は……ユーヤの身体を支配していても……その力は暗黒神のものなので……暗黒神の身体に戻ったときにユーヤが暗黒神の化身に乗っ取られることはないと思うのです。ですから……暗黒神は、暗黒神の鎧を身につけると暗黒神の化身になってしまって……。ユーヤを自分の身体を乗っ取った暗黒神の化身にしてしまって……。ユーヤの暗黒騎士としての力を暗黒神様に奪われてしまう事になるから……気をつけてほしいのです。ユーヤは……まだ自分の暗黒神の力と暗黒神の武器を持っている状態で暗黒騎士になってしまったので……これから暗黒騎士になった人は暗黒神様の化身になりやすくなると思うのです。」とリリスが説明をした。俺達は……ユーナやユーヤをユーヤのベッドに運び込むと、暗黒神様に暗黒神様の化身である暗黒神の化身になっている者がいないか聞くことにした。
「ユーリャは大丈夫だよ……。ただ暗黒騎士になっていたから暗黒神様に乗っ取られないようにしていたんだ……。でもリリイが暗黒神様の化身になったときには暗黒神様がユーリャの身体を使って暗黒神になっていたから……。俺の力の一部を使って、リリイから俺の力の一部を分離させたら、すぐにユーリに精神を移し替えたんだけど……それでも暗黒騎士にされていたユーリの精神は暗黒神様に少し浸食されていて……。暗黒神の化身になる可能性があったので、俺の力で強制的に、ユーリの暗黒の鎧を解除してから、ユーヤに施しているように光属性でユーヤの身体の傷とかも治す必要があったから……。俺の力を分け与えていたんだよ。俺がこの世界に降臨した時に使った暗黒神の力も暗黒神様が俺から分離させた力なんだ……。俺に暗黒神様の化身としての力が無ければ暗黒神様の化身になったユーリヤが俺の力を使っている状態だったけど……。
俺が、暗黒神の化身になったユーリヤと融合すると……。ユーリャは暗黒神様に侵食されて俺と同化することになるだろうから……俺の力を使う事はできなくなる……。だから、俺はユーリヤから分離してユーリヤの魂と融合したんだよ。」
と暗黒神の化身になっている者が、暗黒神様に侵食されていないか聞いてみると、大丈夫だったみたいだった。
暗黒神様に、ユーヤの身体に侵食している者がいない事を聞くと……「俺が侵食するはず無いよ……。俺を侵食出来るほどの力を持つものはもういないはずだよ……。」と言っていた。俺の眷属が進化した神達で俺よりもレベルが高いものはいないので、俺は暗黒神の化身になれるような存在は確認できないと言ったのだった。「リリイが、リリスから聞いていた話は……全て本当の話なのですね……。」とユートが言う。
俺は「うん。そうだよ……。『精霊の森』が滅ぶ前の出来事だよ……。『闇人族』に、闇の巫女が誕生した事と……。その後……俺の力を受け継いだユーナが暗黒の姫巫女として誕生したのは……俺とユーナとユーリャが、『闇人族』、『闇エルフ族』、『暗黒エルフ族』として生まれ変わった時に、闇の力の使い手になる事を、暗黒神様が望んで、暗黒の姫巫女が生まれたんだよ……。暗黒神様が俺に闇の巫女に転生してくれないかとお願いされた時に、俺は断ったんだよ……。暗黒神様には感謝してるから……俺の力で出来る範囲で暗黒神様に報いたいと思っていたから……断らせてもらったんだよ……。」と説明したのだ。ユートは驚いていたが、「ユーヤの身体に寄生していた暗黒神がユーヤから離れて、今は暗黒神様の化身のユーリヤさんがいるわけだよね……。ユーヤが目を覚ました時が心配だよ……。ユーヤが目を覚ましたときに……。また……あのユーヤの中に暗黒神様が入っている可能性もあるんじゃないか?」と言うと……「確かにそうかも知れないね……。でもユーナはもう暗黒神の波動を出さないと思うよ……。暗黒神に暗黒神の鎧を着られたり、身体を貸されたりしない限り……もう大丈夫じゃないかな?ユート君の妹のリリィのお父さんのユーキ君の身体を借りて暗黒神の化身に憑依された時は……俺の身体をユーキ君の中に入れていて暗黒神の力の波動を出していたわけだから……その時は、ユーキの身体を借りている事で暗黒神の力の波動は出せていなかったけど……。今なら暗黒神の力の波動を出す必要はないからね……。
暗黒神の力が宿っている武器とか防具とかを装備すれば、俺の化身が乗り移ってユーキの身体を支配することも出来るけど……。ユーキとユーミとユーキとユーキとユーキとユーキの従魔達が、暗黒神に暗黒神の武具を渡すわけがないから……。そんなことをしても意味はないよ。暗黒神の化身は、もう俺の力が残っていないので……暗黒神様の化身は俺の力を取り込むことは出来ていない。ユートの身体に俺の力が残っている状態で暗黒神の鎧を身につければ……暗黒神の鎧をユートの意志に反して装着することは出来るが……暗黒神の鎧を身につけた途端に暗黒神の闇属性の力の波動で暗黒神の鎧の中に暗黒神の化身が取り込まれるだけなのが……暗黒神の闇を暗黒神の闇で打ち消すことが出来なくなり……暗黒神の鎧の中の暗黒神の闇に取り込まれるのが目に見えている。そうなったら……ユーヤは暗黒神の力に取り憑かれて俺の化身になるしかないから……。それでは暗黒神の剣と同じ結果になっちゃうね……」と教えてくれたので…… 俺も、今のユーヤが暗黒神の鎧を身につけても問題ないだろうと考えていたが……。暗黒神の力を吸収できる剣や暗黒神が持っている武具を使えば、剣が暗黒神の力を吸い込み……その剣を持っている者に取り憑いて……その持ち主が暗黒神に変貌して……暗黒神の剣を持つ者は……その者が死ぬか……封印するかしか対処方法が思いつかない……。ユートや俺のように、【神格化】してしまえば良いのだが……ユーヤが、暗黒神の波動に浸食されきるまで、あとどのくらい時間があるかわからないし……。暗黒神の鎧を身につけて、ユーヤの意識が無くなった時に暗黒神の波動に浸食されてしまっては元も子もない。
俺は……暗黒神様に「俺の力の一部が残った状態のユーヤに……暗黒神様の化身を近づけてはいけませんよ。暗黒神様の化身に浸食されてしまう可能性があるからね……。ユーヤに近づいても……俺の力が完全に消滅していては、浸食されないと思うけど……。暗黒神様の化身が、ユーヤの中に入っている間にユーヤに何かあれば……ユーヤは助からなくなる可能性が高いからね……。」と伝えた。
暗黒神様は……俺の言葉を聞いて「うん……。わかったよ。気をつけるよ……。」と素直に従ってくれた。暗黒神様は俺が渡した『龍神の雫』の魔力が込められた『霊薬水 改 四等級』を飲み干した。
「じゃあ……リリスー、ユーマは任せるよ。俺は、あの女の子に……会いに行って来るからね……。」と言って、ユートと一緒に部屋を出ていった。そして俺は……リリスの家を飛び出して……。妖精王国にあるフェアリー公城に向かうのであった。
俺はリリスにリリイを頼むといってから……『精霊の里』を飛び立ち『妖精王国の都』に向かって飛んでいる。『妖精の都』に向かう途中に……妖精の国の結界を越えてしまったので……結界の外に出てしまっている。妖精の国は妖精族にしか認識することができないようになっているが、俺は『闇の森』に出入りするためにこの世界に降り立って以来ずっと、妖精族達と交流があったので……この世界で生活している種族は誰でも認識することが出来るようになっていた。しかし……今は『精霊の加護の指輪』を身に付けていないために俺の姿は普通の人間と変わりなく見えるはずなのだが……この世界の人々は……空を飛べるものが少ないから……地上を歩いている人が急に空に飛んでいく姿は目を引くみたいで……地上にいる人からの視線が凄く感じられてしまっていた。この世界に来て……『光の翼』を使うようになってから、地上から空を飛んで移動する事が多かったから、俺の姿を見かける人が多い地域に住んでいない人から見ると、突然俺が上空に現れたように見えるらしい。俺は『転移魔法陣(エルフ族の村)』で移動してきたから、普通は見えないはずなのに、エルフ族は見えるようだからな……。
俺が……『精霊の神殿』の近くの森に降りると……精霊が俺を迎えてくれるかのように現れてくれた。そして俺は……『風の精霊の長のレイス』を呼び出して事情を説明した。
「ユーヤの事は任せておきなさい。ユーヤは私達も守るわ……。でも……。ユーヤも大変な運命を背負って生きているのね……。私達は貴方に忠誠を誓いますから……。これからは……。今までの非礼を詫びるわ……。でも、この先も、ユーヤの事を守る為にも……貴方に協力して欲しい事が沢山あると思うけど……。宜しくお願いします……。ユーヤは……もうすぐ目覚めるでしょうから、早く戻ってあげなさい……。」と精霊の長が言ってきた。俺は精霊達にお礼を言うと……ユーヤのいる家に戻ることにした。
ユーヤの家に急いで戻った俺はユーヤの寝室に転移した。ユーヤのそばには、ユーナとユイが居た。「パパおかえりー。どうだった?」「ユーヤは、大丈夫ですか?もう目が覚めますか?」と俺に質問を投げかけてくる。「うん。もう大丈夫だよ。」とユートとリリスに伝える。
すると、すぐにユーヤが目を覚まして身体を起こすと「みんな無事か!?︎」と言うとユートは、自分の腕の怪我を見せるようにしていた。するとユーヤは「ユート……お前……また無茶しやがって……。でも、ありがとう……。リリスの『聖回復』で治療してもらったんだね……。俺の為に無理しなくていいんだよ……。でも……。助けてくれてありがとね……」と言いつつ、ユートはリリスに「リリス……。俺を助けてくれて本当にありがとね……。『闇の大魔王 ダーク・ルシファー』の力に侵されたユーヤが……リリスの身体を傷つけてしまった……。リリス……。ごめんね……。許してくれるかい?俺は……君を救えたのだろうか?君を助けることが出来ているのならば……嬉しい……。俺は、君を必ず守っていくから……。愛しているよ……」と優しく言うと、ユーナは涙を浮かべて「ユー兄……よかった。私は……もうユー兄の傍から離れるつもりはないし、二度と離さないから……。だから安心して……」と言ったのである。
そして俺はユーヤに声をかける……。「ユーヤ。今度こそちゃんとした紹介をさせてもらうね。まず……今、俺の横に座っていて俺の娘になってくれたユーナが暗黒神様の化身の暗黒神様が俺の身体に乗り移っていた時の影響で、ユーナの身体の中には、暗黒神様が乗り移っていて、暗黒神の力が宿っているよ。そして今、ユーヤの隣で、暗黒神様の化身の暗黒神様を俺の力で一時的に抑え込んでいるリリスは……俺の妻になったよ。それからユート君はリリィの兄になっていて、ユーヤの妹でもある、ユートの妹であり暗黒神の闇属性の力と融合した影響で俺が妻に迎えたユエという女の子がいるんだけど……ユーヤも一緒に説明してくれないかな……。」とユーヤとユートとリリスとユイに伝えた。
ユートが「暗黒神様の化身に暗黒神様の力を取り込まれていたのか……ユーヤ……。よく頑張って持ち堪えてくれた。そして、暗黒神様の力の影響を抑え込んでくれているのだな……。俺にも出来る事があるはずだ。ユーキさんも言ってただろう……。『ユーマの身体は俺の肉体だ。暗黒神様に渡すわけがない』と言っていたしな……。ユーマが意識を取り戻したのなら……後は……暗黒神様を倒せば……ユーマとミコトの融合も終わるのだと思う。ユートの事をミコと呼んでくれたな……。俺とミィを……兄と妹として扱ってくれるなんて……嬉しかったよ。俺からもユートにお礼を言いたいくらいなんだ……。それにしても……ユーマもミコと同じように、俺が暗黒神様の化身だって見破るとはね……。さすが俺と……ミユキの子達だけあるよな……」と微笑みながら話してくれた。ユーナやユメやサクラやユリも、「ユーヤが目覚めた。」「ユー兄が帰ってきたよー。ユー兄ー。良かったよー。ユーヤは……暗黒神様の化身に取り込まれずに……ユートさんの暗黒神の力を少し取り込んだだけなんだよねー。」「そうだな……。これで……やっと暗黒神様との戦いにユートやミツキの力を借りれるからね……。私達の戦いに協力してもらえるかな……。ユート……。ユーヤ。リリス。」と言ってきた。
俺は、ユーヤを抱きしめながら「リリスは……暗黒神から俺を護り抜くと言って暗黒神の力を取り込んだから、俺達の味方だよ。でも、ユーヤも暗黒神様の化身に取り憑かれた影響はあったけど、暗黒神の波動が取り込まれる前に戻ってくれたんだね……。リリスの事も……ユートが助けてくれてたみたいで……俺からもありがと。ユートはやっぱり俺達のリーダーだね。俺に何かできることはあるかな?」と伝えると、 ユートが「じゃあ……一つお願いしたいことがある……。」と言って、 リリスの方を指差す。
ユートに促されてリリスが、
「ユート……。私の事は、リリーと呼びなさい……。それと……。ユートの闇の力も必要になると思うから……私の力は分けてあげるから……早く『妖精の神殿』にいきましょう……。」
「じゃあ……。『妖精の神殿』に向かう事にするよ……。みんなは……先に『妖精の都』に向かっていて欲しい……。リリイは、俺が『妖精の都』に連れて帰るから……。」と伝えた。そして俺は、みんなが『妖精の都』に出発したのを見送ると……ユートと一緒に、『妖精の神殿』に向けて出発するのであった。
『光の神殿』から『妖精の国』まで移動した時の転移魔法陣を俺が用意をしておいたので『妖精の都』のすぐ近くに俺とユートは移動する。
「ユーヤ。この転移魔法陣は……『精霊の森』と『妖精の国』に繋がっているんだが……リリスと一緒じゃないから今は使うことが出来ない。」
「ああ。それは大丈夫だよ。『精霊の森』は『光の巫女』しか入れなくなっているんだろ?だったら……。俺は問題なく入れると思う。『精霊の里』には転移魔法陣がなかったから、リリスと初めて『妖精の国』に行くときは大変だったが、今回は……『精霊の森』で俺が『妖精の加護』を得るときに通った『風の妖精の里』と『闇の妖精の里』を繋ぐ『風の道』を通って行くから大丈夫だとは思う。」と俺が説明すると、ユートが「ユーヤが言うように、『精霊の里』に『光の道』で直接転移したら『光の巫女』で『風の勇者』のユーマと、『光の勇者』のユノ』が同一人物で『光の聖女』のユイの義理の弟だということがばれちゃうもんね。それに『火の妖精』達とも顔を合わせられないものね……。そういえば、ユイが言っていたんだ。『妖精』達は俺達に『加護』を与えようとしてくれていたのに、ユーヤは『火の神』であるアグニスの試練を乗り越えることが出来なかったから『精霊王』達は俺達に協力出来ないとか言い出してたってね。俺はその事は聞いていなかったけど……俺もその事は知っているよ。だから……この先ユーヤの事はどうしようかと思っていたんだよ……。」
「ああ……。俺は『光の精霊王様』と会ってるからね。それで『妖精界』では『闇の勇者』の俺を仲間にして『光の魔王』を倒してもらいたいと懇願されたんだよ。そして……『精霊の王』の試練を受ける事になっていたんだが……俺にはまだレベルが足りなかったからね。でも、今の俺のレベルだったら……俺一人で倒せると思うんだけど……どうだろう?もし……『精霊の王』が協力してくれたらだけどね。」と話すと、ユートが
「そうなんだ……。『光の精霊王』様が言っていた通りだね。それにしても……。今度の相手は『闇属性の力を操る事が出来る闇の大魔王』なんだよね……。しかも……あの『魔人 ダーク・サタン』を従えている……。リリアナ様に『大賢者』、『暗黒竜』のブラックドラゴンもいる。それから『暗黒神 アルデバラン』の化身である『闇の女王(仮)』の『ミユキ』がいる。それに……暗黒神様が復活しようとしているからね……。本当に……強敵ばかりじゃないか……。ユーヤ。俺にもできることがあったら……言ってね。俺に何が出来るのか分からないんだけどね……」と言うと、俺は「ユート。ありがとう……」とお礼を言うと『風の神殿』に向けて再び出発した。しばらく進むと『風の丘の草原エリア』に出たのである。
俺とユートは『風の神殿』に着く前に……『闇の力を司る者 闇堕ちのリリイとユーマ』に変身していたのであった。そして俺は『妖精郷への門 風のフェアリーサークル』を起動して妖精族の国に入った。
ユートは「おお!ユーマ。この空間はなんだい!?︎『精霊の森』や『妖精の城』にもこんな不思議な場所は無かったぞ!」と言うと俺は「ここの門の名前は『妖精郷への門 風のフェアリーサークル』って名前だ。ここには妖精族だけが使える転移装置がある場所なんだよ。ちなみに、リリスはここで暮らしているよ。俺は一度訪れたことあるし……この場所の管理者でもあるからね。まぁ、俺が居なくても、管理者として登録されている妖精族の誰か一人が居れば動くはずだけどね。とりあえずユートは、ユエを呼んで来てくれないかな……。ユナをここに連れてくるといろいろ混乱するとまずいしね……。」と言ってユートを送り込むと、「さてと……。俺達も中に入ってみようかな。ユートの気配も感じるし……。リリスが待っていてくれるはずなんだが……」と言いながらユートの後を追うとそこにはユメがいてユートとリリスと楽しげに話をしていて俺はユメに声をかける……。
ユメは俺が声を掛けた事に気付くと、慌ててリリスに抱きついて、
「ユート兄。会いたかったよー。ユーマ兄が……帰ってきてくれたー。リリスさんも……お久しぶりです。」と嬉しそうにリリスに話しかけてきた。俺は、そんなユメを見ながら「ああ……。ユートの意識を取り戻すために俺も協力してたからね。リリスのことも心配かけて悪かったね。ユメも元気で良かったよ。」と話してからユートの方を向くとユートの顔は青ざめていたのだった。ユートは「ユート兄……。おひさー。なんか……大きくなったねー。」と言ってくるが、俺とリリスが融合してることに気がついていないようだ……。
ユートに「俺の事……分かる?」と言ってみると……ユートの目が潤み始め「ユーマ……。」と言った。「なあ。ユート……じゃなくて……ユト……。俺の事を思い出せた?」
ユートの目が更に涙ぐんでいる……。
ユートが涙を流しながら、「ユズ……ユミ……。ユカちゃん……。ユミ……みんな……。どうして……。」
俺はユートの手を握って、「大丈夫だよ……。みんなは死んでないから……。ユートが暗黒神様の化身に取り憑かれて暗黒神を蘇らせる為に……暗黒神様の化身の力を借りて暗黒神様を復活させようとしたんだが……暗黒神様に魂ごと取り込まれてしまったんだよ。そして……暗黒神様の化身に取り込まれたユートは……暗黒神様の波動で自分の中に封じ込められていた記憶を取り戻したんだよ。だから、みんなの事もユートには、ちゃんと思い出せるんだよ。でも、他の皆んなが無事なのは、ユートが頑張って、ユートの中から俺達が助け出したからなんだ。俺達の仲間には『妖精の王 オベロン様』と『風の王 オウル王』もいるから安心して欲しい。それから『光の巫女』も俺達と一緒にいるからね。後で『風の巫女』のアイシアに、みんなを紹介してもらおう。それで……。ユートに、俺達のことを……少しだけ話してもいいかい?」
「あ……うん……。ユーヤの事は……思い出したけど……ユーヤの事は……。」と答えるユートに俺が話し掛ける。「ユーヤは……俺が封印されていた迷宮に一人で入ってきて俺に力を託す事を選択したんだ……。それから俺達は暗黒神の力を利用して、暗黒神殿を作り出してそこで修行したんだ。そして……その後、ユートを暗黒神様の本体の中に閉じ込めて、暗黒神の力と融合した状態で、暗黒神が復活する為の儀式を行って、暗黒神を復活させる準備を整えたんだ。」と言う。ユートは、ユーヤの記憶を取り戻していたみたいでユーヤの話を聞くうちに…… ユートは「そうか……。やっぱり……。ユーヤは俺が眠っている間に……。」と言って泣き始めた……。俺はユートの頭を優しく撫でるとユートは俺にしがみ付いて泣いた。
しばらくしてから、ユートが落ち着くと「そういえば……ユーヤ。『光の巫女 光の加護を持つ』リリアナと一緒なのかい?ユーヤなら、きっと無事に保護しているんだろうね?ユーヤと一緒に旅をしていたって言ってもユーキ姉とかの話は、聞いたことがないけどね。」とユートが聞いてきたので俺はユーキの事も簡単に話すと、俺が倒したダーク・ヒドゥン・キングについて話してから…… ユートの体と、ユーキの体を入れ替える魔法を使って……ユートの体が、今は、ユートではなく、俺と合体していることを伝える。ユートは驚いていたが、俺の説明に納得していたので……ユーヤと入れ替わって『火の精霊王 アグニスの試練』を受けてもらうことにした。『火の精霊王 アグノス』に頼んで、『火の精霊』達の力で、俺とユーキの精神と肉体を分離して、俺が元の世界に戻れるようになるまでは、『火の精霊王アグライア』の元で生活をしてもらうように頼みに行くとユートは快く承諾してくれているようだった。
俺もユーヤの事が気になるし……『水の精霊王の試練』はクリアしているしね……。後は……ユートが戻って来てくれれば、『光の魔王 ルミエール』との勝負に勝てると思うんだけどね……。そう思った時である。突如として『精霊の丘』の中心辺りに、眩しい光の柱が出現したのである。その瞬間俺は、【魔眼解放】を発動させるが……。既に『精霊の長』である光の妖精『風の精霊王 オベロニア 』と闇の精霊『闇堕ちの精霊女王 ダーク・クイーン』に闇の精霊王『ダークナイト』の姿が確認できた。
光の精霊『光の巫女 光の祝福を持つ』である光の妖精である光の精霊王が召喚され、光の精霊王は俺に挨拶をしてきたが、 俺はユートに説明してユートと融合することを伝えユートに憑依すると同時に光の精霊王を連れてユーヤの元へ向かう。
光の精霊王『光の妖精王 アルクス』も同行したいと言うので光の精霊王を光の精霊王専用の空間に移動させて、ユートは闇の力を操る者(仮)である『魔人 ダークムーブ』へと変化させると闇の力を扱う者達の集団と『ダークナイト』と闇の力の『魔王軍幹部 四天王 五芒星の陣』との戦いに参戦する。
『魔導士 マスタァーー マスタァーズマスター』のマダムも戦いに参加していた。そして……『闇の力を操る者 暗黒神の使い手 闇堕ちの騎士』のクロエ・ブラックスワンも戦闘に参加しているようで、ユートと俺は共闘しながら戦う。そして俺は『魔剣士』に変化させて剣の技を駆使して戦っていると俺とユートは『闇堕ちの魔物 暗黒神』の姿が見えたので俺は「この先に……闇の魔王がいる!ユート!!一緒に倒すぞ!」と言うとユートは、「分かった!」と言いながらも……『闇の勇者 ユート・クロスロード 』として俺と行動を共にしていた。俺とユートは、闇の魔力を身体強化に使っているらしく俺が攻撃して傷をつける度に俺の攻撃に合わせて反撃を繰り出してきてダメージが蓄積していく。俺達はダメージを受けながら遂に最深部に辿り着いた。そこに待ち受けるのは……。そう……真の敵にしてラスボス。そう『闇の女王』だ。
俺は、最後の戦いを挑もうとしていた。しかし……。突然、ユートが俺を押し除けて「お前がユーヤとユートを裏切った女かーーー!!!」と言って攻撃を仕掛けるが……俺とユートの前に立ちはだかる者がいて……
「私の名は……ダーククイーン。闇の姫であり闇の神である暗黒神様の寵愛を受けて生まれた存在なのですわ。貴方達が相手では私には勝てないですのよ。大人しくしていれば楽に殺してあげますのにね……。」と不敵に笑うのであった。俺は、ユートを制止すると、「俺とユートが力を貸せば倒せるのか?」と聞くと……。ユートは俺の目をじっと見つめてから「うん……。俺もユズも強くなったからね……。それに、ユーヤだって俺の力を使えるはずだから……。だから……。」と言ってくる。ユートが、そんな風に言ってくれるようになったのは嬉しかったのだが、それならばと俺は『炎の聖杯 フレアーオーブ 』に念を込めて俺がユートの力を使う事が出来るように『光の巫女 ユート・シンフォニアの魂』を宿すと『炎の聖器 フレイムアーク 』は『聖刀 エクスセイバー 』へと変化した。そして……。ユートは『魔剣 レーヴァテイン』を握りしめているので……「ユート。今こそ……。『炎の神の力を受け継ぐ勇者の力 融合モード!』って言え!」と言うとユートは「分かった。いくよ……。俺の新たな力を解放するぜーーー。」と叫んで……ユートから凄まじい量の魔力とオーラが立ち上るのがわかる……。そして……。ユートから、膨大な数の精霊の力を感じるのだ。
俺は、ユートに話しかける。(どうやら、上手く融合出来そうだな……。俺と融合した状態だとユートが意識を失わないようだな。俺達の力をコントロール出来るみたいだし……。)
ユートが答える。
(そうなんだ……。なんか……よく分からないけど、ユズから感じる精霊達を感じていて、なんかユズの心の中のユズ達がユズの感情を表に出しているからかな?それで……。何だろう……。すごく不思議な気分なんだ。俺とユズ達……。まるで一体化したみたいだよ……。だから……。多分だけど……ユズ……。俺達なら、あの女を倒せそうだよ。)と言うので俺は「ああ……。今の俺達なら……。いけるかもしれない。でも、俺達には時間がないから……短期決戦で一気に勝負を決めてしまうからな。だからユート。『火の加護を持つ』俺に……。『火の加護を持つ精霊の魂』を俺の力と融合させてくれ……。ユートなら、できるから……。ユートの『火属性 レベル99+100 』の力を、ユートの『風属性 LV10』に融合させて俺達も……。ユートと一緒に戦おう。」
ユートは「わかった……。」と言うと俺に手を差し出してくる。俺達はお互いに握手を交わすと俺は『魔導書 エンシェントバイブル 』を開くと……俺とユートがお互いをリンクさせた後にユートは、『火の精霊王アグノスの封印石 』と『風の精霊王アグラの封印石 』を手に取ると……俺の方に近寄ってくる。
俺はユートに俺が持っているアイテムを渡していくとユートは俺から受け取ったアイテムを全て自分の中に取り込んだ。そして……「いくよ……。」と言ってユートは魔法を発動する。ユートは、二つの石を融合させたのである。そして……「ユズ……見て。これが……。『融合魔術 ファイアー・エレメント・マジック 』だよ。」と言って『魔法融合』を使った。俺とユートの身体が光輝き出すと俺は『ファイヤー・スピリット』に変身すると『融合』された事で進化したスキル『炎帝神威』と『融合』により進化を遂げたスキル『焔の覇王 フレアロード』が自動的に俺に発動する。
『火の加護』と『火の精霊王アグノスの封印石 』の力で……俺の身体が強化されると……更に『火の精霊王 アグラの封印石 』の力によって……俺の『魔眼 解析者 プロファイラー』は……『焔の目 フェニックスアイ』に強化される。俺は、強化された魔眼で敵のステータスを確認すると『闇の姫 ダーククイーンレベル1000 闇の魔王』となっていた。しかし……。闇の魔王の姿が消え失せて黒い霧のような姿になると闇の精霊王の身体の中に取り込まれたのである。そして…… 闇の精霊王は、闇の精霊王の中に存在する『闇の女王 ダークネス・クィーン』に姿を変えていた。
「フッ……。まさか……私が負ける事があるとはね……。流石は……私に勝っただけの事はあるというわけね。」と言うと俺に近づいてくるとキスをするのである。
闇の精霊王は……。『闇の女神の力を得た人間に闇の女王 ダークネス・クィーン』が憑依して誕生した存在である事がわかる。闇の魔王と闇の精霊王が合わさった状態では闇の女神である闇の精霊王を倒すことが出来ないが……憑依している存在を闇の精霊王の中から追い出して元の状態にすればいいと考えたのである。
しかし……。闇の精霊王に憑依している闇の女神は、そう簡単に出て行ってはくれなかったのである。そう簡単では無かったので闇の精霊王に取り憑いている闇の女神を分離させる事にしたのだった。
俺は、取り敢えず闇の精霊王の精神体だけ分離して俺の中に戻す事にしたのである。俺達は闇の精霊王の肉体から離れると俺とユートは……『水の精霊の長の試練』を受けた場所に来ていた。そこには……光の精霊の妖精 光の妖精
『風の妖精王 シルフィード 』の姿があり光の妖精
『闇の妖精王 ナイトメア 』と『光の妖精王 アルクス 』の姿もあり、光の妖精王は闇の精霊王を取り押さえようとしていたが……闇の精霊王は、光の精霊王を闇の力で攻撃して拘束すると闇の妖精王である闇の精霊王は、俺達に襲いかかってきた。俺は、闇の精霊の長と闇の女神を分離し闇の精霊王を追い出すことに成功したのである。そして……ユートも俺と同じ事を考えて『風の妖精王 シルフ 』に闇の妖精の肉体から抜け出して精神体になった闇の精霊王は『水の精霊の長の封印の石 』を使って封じ込めてもらうように頼み込んで、精神体が俺達の元に戻ってきた闇の女神は闇の力で抵抗したが光の妖精の力の前では無力であり俺達は光の結界に閉じ込められた。光の精霊の長は、光の結界で封じられている闇の女王を光の玉にして『火の妖精の長の試練を受けていた場所』に移動させると……闇の王女を封じ込めている光の牢を作り出して闇の精霊王を再び幽閉することに成功したのであった。しかし……俺達の力では闇の王女を完全に倒す事が出来ていないようなのだ。闇の神の化身は消滅していないからである。しかし闇の女神に完全に同化してしまった闇の王女の力は、闇の力を吸収した事で大幅にパワーアップしたようである。
闇の女王に憑依した状態の闇の精霊王の闇の力で俺とユートはダメージを受けてしまうと闇の精霊王が言う。
「どうしたのですかね?貴方達が倒したのは『闇の女王 ダーククイーン』のはずですよね。私と融合したのは、貴方達が倒し損ねた闇の神
『暗黒神の力を受け継いだ 暗黒姫 ダークプリンセス』ですからね。暗黒神の力を継承できるのは暗黒神のみですからね。つまり……。今の私は暗黒神の力を手に入れた『暗黒女神の力を継いだダークキング オブ ダークネス ブラックメイデン』なのですからね。それにしても、どうしてこんなにも強い力を宿す事が出来たのか?疑問に思いますわね。まぁ……今更何を言っても後の祭りですけど……。
それならば……。このまま……。お前達を消してしまうのが……。一番てっとり早い方法だと思うので……覚悟なさい。私には、最強の剣『魔剣 レーヴァテイン』もあるので、今の私に勝てる者はこの世に存在しないと思いますが……試させて頂きましょうか……。」
そう言うと闇の精霊王は俺達の前から姿を消すと俺達の背後に現れた。俺は気配を感じて振り向くと同時に剣を振るうと俺の攻撃を闇の精霊王が剣で受け止めるが、俺と闇の精霊王は激しい鍔迫り合いをしていた。俺はユートが闇の精霊王の動きに反応できなかったのを確認していたので、ユートに声をかける。
俺は「俺が時間をかせぐから……ユートは『精霊の聖域』を作って欲しい」と言うと俺は「わかった。でも……。ユズは、大丈夫なの?」と心配してくれたのである。俺は、「大丈夫だ。」と言うと……。ユートは俺の願い通りに『精霊の聖域』を作り出すと、闇の精霊王は闇の精霊の王 ダークロードに変身するのであった。
闇の精霊王は、一瞬のうちに闇の王になると、その圧倒的な魔力により、闇の女王から、より強くなった『魔剣 ダークネスソード』に変化させるのである。その姿は……『漆黒のオーラを放つ禍々しい闇の剣』である。
闇の精霊王は、そのままの状態で俺に向かって斬りかかってくると俺は、咄嵯に『闇の神の化身の盾 』で防御するが……凄まじい威力の攻撃を受けたので俺は吹っ飛んでしまったのである。しかし……ユートの『火の加護を持つ精霊の力の融合』によって『火属性 レベル99+100 』と進化した俺の防御力に……俺の持つ『魔導書 エンシェントバイブル 』により強化された俺のレベルは1000になっている為、俺が持っている全てのアイテムとスキルの能力で俺は防御力を底上げした。それにより……俺は闇の精霊王の攻撃を受けてもほとんどダメージを負うことはなかったのである。
そして、俺とユートは、お互いの意思が融合している状態であるが、ユートと俺はお互いに意思を共有しており、二人で一人の戦士となっているのである。そして……俺は闇の精霊王と激しく打ち合うが……闇の精霊王の斬撃に対して……俺とユートは、俺の持っていた武器『精霊刀』で応戦する。『火の精霊の加護』『火の精霊の力』『風の精霊の加護』『風の精霊の力』そして『闇の精霊王』の力がぶつかり合って激しい衝撃が発生する。俺は、『風の精霊の長 シルフィード 』が生み出した風の精霊王の力で、ユートは『風の精霊の力の恩恵』を受けた事により、ユートの方が少し押し始めた。そして……ユートが作り出した風の結界は俺を闇の精霊王から守っているだけでなく、風の精霊の力を使い続けていて、闇の精霊王と互角に戦えるように援護していたのである。
しかし……それでも闇の精霊王に攻撃を当てることが出来ずにいるのだった。闇の精霊王が持つ闇属性魔法や闇属性のスキルでユートはダメージを受けて徐々に押されていた。闇の精霊王の力に圧倒されつつあったのである。そんな時……。俺は……リリイの事を思い出した。
そういえば……俺達は、あの時の戦闘の影響で……。まだ『聖杯』を使っていなかったと思い出したのだった。俺はまだ使えるかどうかわからないけど『聖なる祈り セイクリッド・オウル 』の発動を試みようとした。ユートは俺の行動を見て何かを感じ取ったのか……。俺と一緒に「『聖なる祈り セイクリッド・オー・バード』!!」と叫ぶと二人の身体が激しく光輝き出して『聖なる祈り ホーリー エンジェル・リング』に変化したのであった。俺とユートは再び動きだすと……。俺はユートと協力して闇の精霊王の隙を伺っていた。その時……。突然……。光の精霊王様がユートの目の前に現れたのであった。光の精霊王の身体の中には闇の精霊王がいた。闇の精霊王は光り輝く身体に変化すると光を反射して眩しい。そして……。
闇の精霊王は、光の精霊王の中にいた闇の精霊王の魂に語りかける。「久しぶりですね闇の姫君よ。まさか私達の計画を阻止するとは思いませんでしたよ。それに……暗黒神様の復活も止めてしまうなんて……。さすがは闇の姫です。暗黒神様は復活したら真っ先にこの世界に暗黒の力を広げて暗黒の世界にするつもりだったので……。暗黒神様が復活するまでは私が代理でこの世界を支配させて頂きました。この世界は私の思うままに操れるようになりまして、今や……私は……最強の闇の力を持った闇の女王なのです。しかし、いくら貴方達が強かろうと……最強の力を手に入れてしまった私には敵わないのです。もう諦めなさい。貴方達二人がかりで、しかも光の精霊王まで加わっているというのに……光の精霊王の力は、貴方達が闇の力を手に入れる前に倒した光の王女よりも上なのです。私には……闇の力がある限り……貴方達を倒す事は可能なのです。私を倒して暗黒神様を復活させようとしても……復活させませんからね。無駄なことは辞めて降参して大人しく暗黒神様を復活させる手伝いをする事を誓い……私に協力すれば貴方達が望んでいる『暗黒神様』も蘇らせる事も出来るでしょう。暗黒神様が復活した暁には……暗黒神様にお仕えすることを許しましょう。私は貴方達の事を評価しています。
それでは……そろそろ決着をつけてしまいましょう。」
闇の精霊王は『魔剣 ダークネスソード』を構えると……。「闇の世界 オブ ダークネス 」と呪文を唱えると俺達の周りに闇の結界が発生してしまうのであった。俺とユートも再び闇の精霊王との戦闘を再開する。闇の精霊王との戦いは……闇の精霊王が闇の力で作り出した『魔剣 ダークネスソード』を振りかざして俺達を切りつけてきたのだ。俺は闇の精霊王が繰り出した闇の波動を跳ね返すと……光の巫女が光の力を纏った精霊剣『聖なる精霊刀 セイント フェアリーソード』を闇の精霊王に向けて振るい闇の精霊王を切り裂く。すると……光の剣で切られた箇所から闇の力を吸収したのだ。闇の精霊王は自分の身体から闇の力が失われる事に驚きの表情を見せるが……。しかし……直ぐに落ち着きを取り戻すと、「光の精霊王が、何故闇の力を吸収する事ができたのですか?」と言うと……。光の精霊王は、光の剣で闇の精霊王を何度も突き刺すと光の剣の刃が大きくなりながら光の剣の剣先が鋭くなり貫こうとするが……光の精霊王は、剣先を闇の精霊王の身体から抜くことが出来ないのであった。そして、その状況を見た闇の精霊王は、俺達の攻撃を闇の力で防御しようとした。
俺の攻撃をユートが防ごうとしたが……俺は、闇の精霊王の意識を奪う為に……。「『闇の精霊王 オブ ダークネス』……闇の世界で永遠に眠れ!!…… オブ ダークネス 」と言い放つと……。闇の精霊王の精神体に『闇魔法の呪縛』をかけるが……やはり……精神体だけの状態なので……。闇の精霊王を封じ込むことは出来なかった。
そして……闇の精霊王は、闇の力を身に宿したままの状態で……リリイの元に向かうと……。闇の力でリリイに闇の魔力を注ぎ込んでいったのである。そうすると……闇の精霊王と同じ容姿をしたもう一人の闇の精霊王が産まれて……俺達と戦う事になったのである。俺はユートと連携して戦っていたが……ユートの攻撃に闇の精霊王は耐えて……。俺の攻撃に対しては簡単に回避するようになっていたのである。しかし、リリスとリリスの母親ライラが俺達を援護してくれるのだった。俺達の動きを見て……ライラが「『セイクリッド・ガード』」と呟くと、光の精霊の力により、俺とユートにバリアが発生したので闇の精霊王からの闇の攻撃を防いだのである。
俺はリリイとユートの様子を見ていたが……。俺がリリスの方を見ると……。闇の妖精族 ダークエルフに変化しているダークが闇の妖精王の『影の精霊 シャドー・スピリット 』の力を発動させると……闇の妖精族の兵士達が一斉に俺に向かって攻撃を仕掛けて来たので……。俺の前に闇の女王の闇の力で作り出された『闇の精霊王の人形』が現れた。闇の精霊王の人形は、自分の命と引き換えに、その闇の魔力を開放させる能力を持っているが……闇の女王の闇の魔力によって作り出される闇の人形が……闇の妖精族の兵士に闇の魔力を送り込むと……。闇の兵士が……まるでゾンビのように立ち上がり闇の魔力で強化されると、闇の兵士の闇の力が爆発的に増加し始めたのである。俺のスキルにより、闇の精霊王との繋がりを強制的に遮断されているはずなのに……どうしてなのかはわからなかった。俺達は闇の軍勢に包囲されてしまっていた。そして……闇の妖精族の兵士たちにユートが光の槍で攻撃するのだが……。
闇の精霊王の闇の魔法でユートの攻撃を防ぐのだった。しかし……ユートの攻撃に気を取られている間に……。リリイが俺が持っていた『聖なる祈り セイクリッド エンジェル シールド』に姿を変えていた盾の武器『セイクリッド・ガーディアン・エンゲージ 』を『聖杯 ホーリー・マグカップ』に変化させた。そして……。
「『聖なる願い』……『聖杯ホーリー・マジェスティ』……聖杯に水の力を……」
リリィは、ユートが作った水筒を聖なる力を使って聖杯に変えたのである。リリイとユートは二人で聖杯を手に乗せると……。俺の元に走って来たので俺は聖杯を受け取り……。俺は『セイクリッド・ホーリー』を使うと……。
俺は……聖杯の中の聖なる力で『セイクリッド・ウォーター』を発生させたのである。俺は聖水をユートとリリスに手渡すと、二人はユートの水の精霊の力で水を生成すると俺達に渡してくれたのである。そして……三人が持っていた聖水が合わさり聖水が出来上がると、ユートとリリイは……。
闇の軍勢に対して攻撃を行うと……。闇の精霊王も対抗するかのように闇の魔力で作り出した漆黒の炎が放たれたが……ユートの作り出した光の球で打ち消された。
そして、闇の精霊王と闇の魔物に対して……俺のスキルで光の精霊の力の解放した聖なる魔法を放ったのだった。俺は、魔法を放つために呪文を唱えると……ユートは闇の魔法に対抗するように光の魔法で反撃を始めた。闇の魔法と聖なる魔法が激しくぶつかり合い、激しい光が発生する。すると、リリスが「私も負けていられないわよ。『セイクリッド・ホーリー』聖なる祈りで聖杯よ。聖杯に聖の力を……」
と言って……『聖なる祈り セイクリッド・オウル』を唱えたのであった。
俺はユートとアイシアに目線を送ると、二人がユートの風の属性の魔力を使いユートの風属性と俺の雷属性を合わせた強力な竜巻を作り出そうとしたので……。
俺が「いくぞ!みんな!!」
と言うと、俺達は「「「「『セイクリッド・サイクロン 』!!」」」」と叫びながら……ユートの『セイクリッド エアー ドラゴン』の風属性の魔法の力を解放したのであった。そして……闇の精霊王と、闇の眷属に、リリスの『セイクリッド オーヴァード』の効果を受けた俺達三人が同時に「「「『ホーリーストーム』!!」」」と唱えると……。
光の竜巻が発生させて……光の精霊の力を最大限に発動させると闇の勢力に襲い掛かると…… 闇の勢力を消滅させていくのであった。光の力は闇を払うと言われているので、闇の存在は光の力を極端に恐れる。
俺達と闇の戦いは、光と闇の力が入り乱れ……闇の力による空間に亀裂が入っていき……。光の巫女 リリスの光の剣が闇の存在に触れるだけで、光の剣が光り輝くと同時に闇の力が消え去っていく……。
俺はリリイから貰った指輪を触っているが……やはりこのアイテムは凄いなぁと思うと……リリスは「お兄ちゃん。私達の連携は完璧だよ♪ それに、私達三人ならどんな敵でも倒せる気がしてきた。だって、今までもそうやってきたもんね。」と言うのであった。
確かにそうだな……。俺達が協力すれば最強なんだ。だから俺はリリイとユートに視線を戻すと……。
「ユートとリリスに聞きたいんだけど……。ユートって……ユートの中にいるの?それとも……今はユートと一体化している感じかな?」と俺は聞くと……。ユートがリリスを見てから……。
リリスは、自分が手に持っている聖剣を見る……。ユートの聖剣『フェアリーソード』の光の精霊の魂の結晶が輝いているのが確認出来たのだ。リリスがユートの質問の意味を理解したようで……。ユートが、闇の精霊王を封印してからずっと……。リリスの剣の中で一緒に闇の力と戦ってくれていた事を告げたのであった。そして……リリスがユートと一緒に戦いたいという気持ちを伝えると……。ユートは自分の剣に話しかけて意思疎通を始めるのだった。俺は二人の様子を見てから……。「リリス……ユートが……お前にユートの意思を伝えたようだから、剣になってくれないか?」と頼むと……。リリスが剣に変化したのだ。リリイも同じように剣に変化するのであった。俺は……。
『聖なる祈り セイクリッド ホーリーウェポンチェンジ』を唱えて……。ユートに新しい武器を作ってもらう事にしたのである。俺とユートの合作だ!!これは俺達にしか出来ない事だろう。ユートは、「今から作るけど……。ハル……何か希望はあるかい?」と言うので……「出来れば……剣よりも……。弓が欲しい。矢が必要な時にすぐ取り出して使えるし……遠距離攻撃の方が得意だし……俺にはユートみたいな素早い動きが出来るとは思えないんだよね。俺の動きを見てユートが弓矢を作成してくれたら助かるんだけど……出来る?」と俺がユートに言うと……ユートは、「わかった。作ってみる」と俺に言うと……。俺とユートの合体魔法で……。俺が考えた武器の作成を開始したのである。
俺とユートは……二人で同じ事を考えていた。二人とも考えている事は同じだと思う……。それは……俺達三人が協力して使う武器を作成をしようと決めたからだ。俺は『聖なる祈り セイクリッド マジッククリエイト 』の詠唱を開始する。
『我が求めに応え 出でよ。聖なる光の刃を纏いし光の弓 聖光の弓』
ユートが作り出した光の弓は……。
光の属性を最大限までに凝縮して作った光で作られた矢を発射する事が可能な光の属性を帯びた聖なる弓である。その弓矢に俺が……
『我は命ずる。闇の者を滅せよ!!』
と呪文を唱えると……。聖なる光の魔力により強化された聖なる矢が形成されて……。聖なる力により作られた光が輝き始める。俺が作った弓を手に取ると……。聖なる力により強化された光を纏う弓は光輝いていた。俺が「これで完成だよ」と言うと……。ユートが……。「俺の方も同じ武器が完成したよ。さっき話していた武器と同じ物を作ったつもりなんだけど……」と言うので、二人で試作品を見ると、ほぼ完成した形に近い状態になっていた。
まず……見た目が……。俺の作成した聖剣『聖龍 セイクリッド・ドラゴン』をベースにして……。聖杯が融合されて出来上がった武器の鞘に収まった。そして……刀身は、聖なる力が具現化され光で包まれている。俺は……「俺が考えていた以上にいい出来栄えになったな……」と思わず声を出してしまう。俺はその聖弓を構えると……。聖属性により強化されているせいなのか……普通の矢ではなく……俺がイメージしている通りに光の速さで飛んでいった。ユートに感想を聞くと……ユートも同じような聖剣に改良して……ユートが作り出した聖剣の鞘を聖剣と一体化させるようにセットにすると、その状態で光の矢を放つと……ユートの作り出した光の属性の剣から放つ事が出来るようになった。そして……俺が、聖槍と聖なる鎧を作り出す事で俺とユートは最強の聖武器を作る事が出来たのであった。俺達はお互いの武器を確認し合うと……ユートは「ありがとう。俺とユートはもう仲間だ。これからは、俺達がお互いに支え合っていく番だ。これからよろしく頼むよ」と言うと……俺は「ああ、もちろんだよ!!」と言うと…… 俺は、聖属性が付与されている。『セイクリッド・ホーリーアーマー』を装備すると……聖なる属性のオーラが身体全体を覆うと……聖なる属性の力の恩恵を受けた俺に闇の属性の攻撃を受け付けなくなり……。闇属性の力を吸収して無に帰す効果があった。ユートも同じように……ユートの装備も……聖属性の力が付与されていて……闇の力を持つ者には攻撃を防ぐ防御能力もあるみたいで……。
ユートの装備品にも闇の攻撃を吸収する効果が発動されるのだった。
リリイが俺に抱き着いてきてくれていたので……。リリイの頭を撫でると嬉しそうな顔をするのであった。俺は、この聖の力を宿った武器の威力を試したいと思ったので……俺はリリイに「ねぇ……ちょっと実験をしてみてもいいかな?」とリリイに聞くと……「はい。どうするのですか?」とリリイは答える。俺は、この聖の力を秘めた聖なる弓矢を使いたいと思ってリリイに許可を求めたのだ。俺はリリイの返事を待っている間に、聖の力が宿っている聖なる矢を2本作ると……1本をリリイに渡すと、リリイは「この聖なる矢で何をするのですか?」と聞いてきたので……俺は「この聖の力が込められた聖なる矢をある魔物に使うから……もし良かったら……魔物を退治してくれないか?」と頼むと…… リリイは、「はい。わかりましたわ」と言ってから、聖なる光の力を聖剣に注ぐと……ユートに頼んでユートの風の力を注入して貰っていたのだ。俺も同じように……。雷の魔力を込めて……ユートと同じように風と雷の力の融合した力で……。ユートが作り出す聖の力を最大限に引き出しながら……。聖なる武器を完成させる。ユートの『ホーリー ウインド』の力を注いでもらった後に……俺はリリィに「準備が出来たので……今からあの森に生息しているモンスターに攻撃をしてくる」と言って……リリスが俺に憑依をするのを確認すると、聖弓を構えた。俺は狙いを定めると……。『ホーリーアロー』の魔法を唱えながら……リリスと一緒に「「『ホーリーシュート』」」と叫びながら放った。放たれた光の力は……。一直線上に飛ぶと、俺が想像していたより遥か遠くに飛び……闇の力を感じて近づいてくる。そして……魔物を発見すると、俺がイメージした通りに……聖なる力が闇の力を飲み込み消滅させていく。リリイに視線を送ると…… リリイがリリスと二人で闇の力を込めた斬撃を連続で繰り出していく。リリイが闇の精霊の力が乗っているので、一撃でもかなりの闇の力の影響を受けている闇の存在を倒す事が可能であった。リリイの攻撃が終わると……。リリスも同じように闇の存在が持っている力を奪っていく。闇の力の塊は消滅する寸前だったので……。俺は、リリイとリリスを一度元の姿に戻させると……俺はリリイとリリスを抱き寄せて、リリイの胸を揉み始める。「ん……あん……」とリリイが可愛らしい声をあげるのであった。俺も少し恥ずかしくなって照れていたが……俺とリリスがリリスを愛おしそうに見つめる。
俺とリリスとリリイは、三人の連携プレーを見せてから……。
『ホーリーウェポン マジッククリエイト』を発動させた。
『聖なる守り セイクリッド シールド』と
『聖なる癒し セイクリッド ヒーリング』を三人同時に唱える事により……。俺達3人の防御力を大幅に向上させて……体力と傷を回復させてから……。『聖光結界』の魔法を唱えて……。自分達の周りを結界で覆い……。『ホーリーフィールド』の魔法を唱えると、邪悪な者の侵入を防いでくれる聖域を生み出す効果がある魔法である。
俺達は、『聖なる武具 聖装具』の武器を装備している。
俺が使用している武器が『聖剣 ホーリーソード』であり……。
ユートが作り出したのは……。『聖剣 セイクリッド・ホーリーセイバー』である。ユートが生み出した聖なる武器を俺達に託されたので……ありがたく使わせてもらう事にしたのである。俺達の装備も完成したのだった。ユートには感謝しかない!!それにしても……凄まじい攻撃力である。
『ホーリーショット』は聖なる光の弾丸を放つ技だが……。その力を利用した必殺技は『ホーリーストライク』と言う名前の光の属性が凝縮された力を解放する事で敵を滅ぼす光の砲撃を行う事が出来るようになった。これは……俺達の中で使える者が居なかったのだけど……ユートのおかげで使えるようになった。さらにユートと合体魔法で作成した聖槍と光の矢の融合による攻撃は……まさに最強の攻撃方法だと思えるほどの攻撃力を発揮する事が出来たのだった。この武器を使って戦えば……。魔王すらも倒せるのではないかと思うほどだったので、今後の戦い方で考えないといけないと実感出来たのである。
ちなみに、聖弓と聖なる槍を融合させた武器の威力はかなりのものだったので……。俺は『聖弓 ホーリーアロー』と名前を付けて呼ぶ事にしてユートは『聖剣 セイクリッド・ホーリーセイバー』と名付けて呼んだりしている。
この武器を試す事に夢中になりすぎて……時間が経過していた。
俺が「そろそろ戻るか?」とユートに尋ねると「もう少ししたら……ユートに頼み事があるんだ。それをお願いしたいから……先に村に帰っていて欲しいんだ」と伝えると……。ユートは、了承してくれたので、俺は一人で先に村に戻ったのであった。
それからユートの到着を待つ間に……。ユートと二人で作った最強の武器をアイテムボックスに収納する事にしたのであった。
しばらく待つと……ユートが到着したので、俺の家に一緒に帰る事になった。俺がユートに、「何か用事があるのか?」と聞くと……ユートが俺に説明を始めてくれたのである。ユートの話を聞いていると……。ユートが作り出した聖杯と聖槍が融合した槍が完成したようだが……。聖槍の方は完成しているが……聖杯の方が上手く融合させる事が出来ずに困っているようだった。
そこで……リリイの持っていた聖なる武器を参考にユートが聖杯にユートの風の属性を流し込む事を試すと……聖杯に力が蓄えられ始めたのだ。そして……聖槍にも力を注ぎ込んで行く。
しばらくして……聖槍の刃の部分が完成するのを確認したので……今度は、聖杯の方に力を注ぎ込み始めて……。俺が作った聖杯の鞘に収められている聖なる弓の矢を作成する為に、聖なる力を込める作業に移る。聖杯の中に光が蓄積されると……ユートと俺で作った最強の武器が完成するのだった。その武器の名前は『聖龍の宝剣』という名前を付けたのであった。ユートも『聖龍 セイクリッド・ドラゴン』と同じような剣を作る事が出来たのであった。これで……。ユートが作ってくれた武器は全て揃った。俺が「ユートは、これからどうする?」とユートに質問すると……。ユートは、「俺は……フェアリー城に行ってみるつもりだ」と言っていた。ユートが、妖精族に会いに行くと言うと……リリイとリリスは嬉しそうな表情をしていた。俺は、妖精族の里の場所を知らなかったが、妖精王の所へ行けば案内してくれるだろうと思って……。リリイに頼んで、リリイが連れてきた。
俺は、「ありがとう。助かったよ」とお礼を言うと……リリイもリリスも嬉しそうな顔になる。そして……ユートとリリイはお互いの拳をぶつけると……。笑顔を見せていたのであった。そんな二人のやり取りを見ていた俺は、「お前らは良い相棒になれそうだな」と話すと……二人は笑っていたので……俺は思わず苦笑いをしてしまったのだった。そして……俺は……この世界での目的が1つ終わったような感じがしていた。
俺が、女神化した状態でこの世界に降り立ってから……。もうすでに、1か月以上経過しているけど……。ユートとリリイという最高の仲間が揃ってくれたので……この世界にきてから初めて……俺は、安らぎを感じ始めていた。ユートと俺は……。リリイが召喚した闇の魔物達と戦っていたが……。闇の力で進化した魔物達との戦いを楽しんでいた。闇の力が強くなれば強くなるほどに……魔物は強くなっている。しかし……俺は負ける気が全くしない……。
俺達が戦う姿を見て……子供達が憧れる目線を送ってくるのだが……その光景を眺めているリリスが羨ましそうにしている事に俺は気づくと……俺は「俺に憑依するか?」とリリスに言うと……。リリスは、無言で俺に抱き着いてきてから俺の胸に飛び込んできたのだ。
「私だって……。あんなに子供っぽくなりたいです。でも……今は無理なのです。私がリリイさんやニアのように可愛らしくないですもの……」と寂しい声で言うので、俺はリリスを優しく抱きしめてあげながら「リリス。今はまだ……俺のそばで見守っていてくれればいいさ……。俺の心の支えはリリスなんだ」とリリスに伝えると……泣き出してしまう。
リリスの気持ちを考えると心が痛くなる……。本当は……リリスも自分の娘と同じように俺の子を身籠って欲しいと思わないわけではない。だけど……。俺にはリリスが大切なので……無理やり俺に嫁がせるような真似だけはしたくないと思っている。
俺は……泣き出したリリスをそっと離して…… リリスにキスをする……。「愛してる……」とリリスに伝えて、俺はリリスを抱き寄せると…… リリスは……静かに俺に抱かれてくれる。
しばらく……リリスが落ち着くまで……そのままの状態でいてあげた。それからしばらくして……。落ち着いたようなので、俺達は家に戻ることにする。リリスは……リリイと合流して三人で楽しそうにしている姿を微笑ましく見守りながら……。家に帰宅して、俺とユートは二人で話し合う事にしたのだった。
「ユート……。今日の戦いを見させてもらったけど……。ユートは強すぎる……。この世界に来てからは、俺達よりもレベルの高い奴らが居なかったので気が付かなかったけど……。お前の強さが異常過ぎて……少し不安になったよ……。お前の力なら魔王すらも瞬殺出来るんじゃないかと思うほどだからね……。それに……。ユートに、頼みがあるんだよ……。俺と合体技で、新しい攻撃スキルを作成したのだけど……。これを使いこなせるかわからないから……。試す相手になってくれないか?」と俺から頼むと……ユートは「もちろんですよ!シン様と力を合わせるなんて……。光栄すぎます!」と大喜びである。ユートの反応を見て……俺がニヤけるとユートが不思議そうな顔をしていた。
俺は、「まぁいいじゃないか。それで、俺が『ホーリーショット』と唱えて聖なる弾丸を射出する。それと同時に……ユートが、『ホーリーバースト』を唱えて、聖なる炎の弾を撃ちだす。ユートと俺の二つの力を融合させた必殺技を発動させたらどうなるのか試して欲しいんだ」と言うと……。ユートは……「はい……。よく分かりませんが……俺が力を合わせて発動すれば問題なく成功するのではないでしょうか?それにしても……。本当に素晴らしい必殺技が完成しましたよね。早く試したいですね!!」と興奮気味になっていた。
俺は、「じゃあ……まず俺が『ホーリーショット』で……ホーリーショットの発射準備をするから……。ユートも俺と同じで……ホーリーショットを放つ準備をしておいて」と言うと……。ユートは俺の指示通り……。両手を俺に向けると……
『ホーリーショット』と叫ぶと……ユートの手にホーリーショットが現れ始める。そして……俺の右手にユートの手から放たれたホーリーショットが命中した瞬間に……。俺もユートと同様に左手に聖なる矢を生み出し始めた。
そして……ホーリーショットとホーリーショットの力が混ざり合った。
その時に、ユートの聖なる炎の魔力と聖なる光のオーラが合わさった事で……。強力な聖なる波動となって、俺達の目の前にいたダークドラゴンが一瞬で消滅するのであった。
俺は「凄いな!!これは……まさに最強の魔法攻撃が完成したのではないか?」と言いつつ……。
ユートの方を見ると……ユートは固まったまま動けずにいたので、俺は慌ててユートに声をかけたのである。「大丈夫か?」「……だ……大丈夫だよ。」と言ってはいたが……顔が引き攣っていたのであった。
俺は「ごめん……まさかこうなるとは思ってもいなかったんだ」と言うと……。ユートは、「シンさんのせいじゃないよ」と言ってくれた。その後……ユートは……。
試す事もなく、「こんなに強い力を発揮する事になるとは思わなかった。正直に言えば……まだ怖い」と俺に打ち明けてくれたのだ。
ユートに言われなくても、威力は十分過ぎる程に確認出来た。ユートの言うように……ユートにはまだ使う事は出来ないと判断した俺は……。この『聖龍の宝剣』はユートに渡さず……。俺の手元に置いておくことに決めたのである。
ユートには、「いつか、この力を制御して……。使えるようになってくれる事を俺は期待しているよ」と伝えた。ユートも俺が考えている事を察してくれたようで……。真剣な表情をしながら……うなずいていたのだ。
「この『聖龍の宝剣』だが……俺は、この世界の神に封印してもらうよ」と俺が話すとユートも賛成してくれた。そして……ユートにリリイが話してくれている間に…… 俺は一人で、フェアリー王の元に転移する。フェアリー王に事情を説明してから……ユートとリリイの元に戻ったのである。
そして……。フェアリー王の承諾を得る事が出来なかったと嘘をついて……『聖龍の宝剣』を女神の空間で封印する事にする。俺の作った『聖龍の神盾 セイクリッド・ドラゴンシールド』の劣化版を作り直して……それを封印する為に使い……俺の力で聖龍に力を与えていくと……。聖龍の力を吸収した宝剣は消滅していく。
その様子を見たユートは、「なんか寂しいね……」と言っていたが……。俺が作った武器だし……元々俺は武器を作れる能力を持っているが……。俺自身は、そんなに強くないし……この武器は俺には使えないし……。いずれは消えてしまうのだから……仕方がないと俺は思った。そして……ユートが持っていたリリスの形見の聖槍を俺は回収すると、再びフェアリー城に帰って行く。俺は……この武器が消える前に……『闇の支配者の大杖』の代わりになるように作ってみるかなとふと思い立ち……。リリイの所に戻ると……俺は、ニアにも一緒に作ろうと提案すると……。ニアも了承してくれる。俺は早速……。闇の魔石を取り出す。すると……リリイもリリスも同じ闇の力を溜めているので、リリイの分をリリスに譲渡すると、リリイは嬉しそうな表情をすると……。リリイは自分の体に取り込んだ。リリイに闇の力を分け与える事が出来るようになった。これでリリイに何かあった時は助けてあげる事ができるだろう……。
リリイが闇の精霊の力を手に入れられた事で、リリイは闇の力の扱いが格段に上達したようであり……。闇に溶け込んで、俺にさえ見つからないくらいにまで闇の力を扱う事が出来るようになるのだった。
「リリイ……闇を纏ったりとかは出来るのか?」と俺が質問をすると……リリイが「今は無理みたいですが……きっと出来るようになります。私……頑張ります!」と言うので俺はリリイに笑顔を見せて頭を撫でてあげた。リリスが羨ましそうにしているので……。リリスも同じようにリリイにやってあげたのだった。
ユートと別れて家に戻ってから、俺はニアと一緒にユートのステータス画面を見ながら……レベルをカンストさせて……。レベル100にしてみた。
【名前】
斉藤 悠斗(サイトウ ゆうと)
種族 ヒューマンLV1
(人族の王種 勇者の卵 魔王種の原初の種 ユニーク種)
HP 10500 MP 7900 STP 9999 DSP 99999 VIT 50000 MND 45000 攻撃力 8400 防御力 6200 耐久力 52000 素早さ 3600賢さ
18000 運 20000 魅力 21000 固有スキル 完全耐性:物理ダメージ99% 聖耐性50% 炎熱系無効 暗黒魔法無効化 自然影響100%軽減 即死無効 状態異常無効化 回復力上昇(小)
成長促進(大)
獲得経験値10倍 シンクロ率UP(中)
LUC値MAX(大)
スキル 暗黒魔法『ダークボール』『ダークヒール』『暗黒鎧 デスメイル』ダークネス 暗黒剣『ダークソード』ダークスラッシュ 暗黒弓 暗黒短刀 ダークアロウ『ダークバースト』『ダークウォール』『ダークアロー』『ダークカッター』『ダークジャベリン』
光魔法の『シャイニーショット』
『光衣』『光輪』
称号『暗黒神の加護』《NEW》『時空の覇者』
「なんだか……。本当に凄い事になったわね……」と呆れた感じで言うと、ニアも同感したようで苦笑いしていたのだった。
俺は、ユートの事を少し心配していたのだが……この世界に来た頃に比べたらかなり強くなったから……。多分、ユートでも何とかなるだろうと俺は思っていた。まぁ……もし仮に危ない状況になったとしても……。俺とリリスがユートの元に駆けつけて……助ける予定だから大丈夫だと思う。
それに、ユートの事は『妖精族達』に監視を頼んでいるから……。もしも、この世界に魔王が出現した場合、妖精達に魔王の情報を集めてもらうように頼むつもりである。
とりあえず……魔王が現れるかどうかは分からないけど……。魔王が復活したら、妖精達はユートに伝えてくれるらしいので……それならユートも、すぐに行動に移す事が出来るはずである。ユートが危険にならないうちに……魔王の復活を阻止出来るといいけど……と思ってしまった。俺と融合すれば魔王と戦うのは可能かもしれないけれど……ユートの成長の事も考えて、出来るだけ戦いたくはないのだ。ユートは優しい子で、仲間を大切に想っているから……。出来れば……。仲間の為に自分の身を犠牲にするような行動をユートはとってしまう可能性があると思う。ユートは、自分が犠牲になっても良いなんて考えている節があるのだ。俺も『死に戻り』をしている関係で、仲間の気持ちがなんとなく理解できる。だから……俺自身も気をつけてあげないといけないと思っている。ユートに危険な事があっては、ユートの家族も友達も困る事になってしまうからね。
そして、翌日は『風の民』と会う約束になっていたので……ユートとリリスと共にフェアリー王国を出る事にした。ユートのレベルはもうカンストしているので、俺が同行しなくても問題はないだろうと判断したのだ。リリスは、『闇支配者の大杖』をリリイに譲った事で、魔力量が増えていたようで、闇の魔法で俺に補助を掛けられるようにもなっていた。なので、二人で協力する場面があった時に、俺も楽が出来るようになるという事で、二人には安心して貰えた。俺も『聖盾』や『光衣』を使うと……『闇支配者の大杖』と同じ効果を発動できるので……。魔法で攻撃された場合は問題なくなる。そして……魔法攻撃に対する防御も可能なのだ。後は、ニアがいるので……。ニアも、リリイの闇の魔法による補助を受けれるようになったようだ。ニアは、「私は別に要らない」と言っているが……。念の為だと言ってリリイの補助を受けている。ニアもユートもリリイには甘い気がするのは俺だけだろうか?まぁ、リリイは可愛いからしょうがないんだけどね……。ユートに関しては、見た目はイケメンでカッコいいのでモテると思うんだが……。どうも、鈍くて、女性に興味がないようなんだよね。そういう性格だとは思ってはいたんだが……まさかここまでとは思わなかった。ニアも、最初はユートを女として見ていなかったはずなのに……今じゃ完全に乙女の顔をしてしまって……なんか可愛らしくなってしまったんだよな……。そんなニアを見て、ユートも微笑んでいたりする……。
俺がそんな二人の様子を見てため息をついていると……ニアがジト目をしながら、「なんかシンって……。お爺ちゃんみたいになってきてない?」と言われたので、ユートとリリイにも、「「うん、確かにそう思う」」と賛同されて……。俺はショックをうけたのであった。そして……ニアとユートに笑われたのである。そして……リリイに、
「ユウト様と、仲良くなれて良かったです。これからもよろしくお願いします。」
とリリイが言ったので……俺は……、「リリイは……俺と出会って、何か変われそうかい?」と言うと、リリイは真剣な表情をしながら、大きくうなずいて……俺の目を見るとこう言ってきた。
「私の命を助けてくれただけでなく、私達を差別せずに家族の一員として受け入れてくれて……。感謝しています。私は……これから先、ユウトさんのお役に立てるようになれるよう……頑張っていこうと思います。どうか、よろしくお願い致します」
と俺に対して、深々と頭を下げてきたので、俺は「こちらこそ、リリイ達のような強い仲間が出来て嬉しいよ。頼りにしているから……頑張ろうね!」と伝えた。そして……ユートが、「僕からも……ありがとうね。リリイは僕の自慢の妹だから……ずっと大切にしてあげて欲しい……」と言うと、リリイは泣き出してしまった。俺はそんなリリイの頭を撫でながら、リリイが落ち着くまで待つのだった。
ユートとリリイとの別れも終わり……フェアリー王国の王城を出て、フェアリー族の街に行くために……フェアリー王国を出た。ユートとリリイとニアは……王都の宿屋に残していく予定である。
王城を出発した直後は、ニアに怒られたので、仕方なく……ニアの背中に乗っていた。俺はいつもの様に、空の旅を楽しんでいたが、ふと……ニアが、
「そういえば……さっき言ってたけど、妖精達を使って、魔王についての情報を集めるのに協力して貰えるように、ユートとリリイには説明してあるの?」
と言うので……、俺はすぐに答える事が出来なかった。だって、忘れていたのだから……
「えっと……その……忘れてました……」
と素直に答えて、謝ったのだった。ニアの説教を受けながら……しばらく飛んでいると、妖精の里が見えてきて……。俺とニアはそのまま里の中に入ると、すぐに……女王と宰相がやって来て……俺は挨拶をした後、魔王の事を伝えると……二人はかなり驚いた様子だった。しかし、妖精の女王も宰相の人も冷静だった。この人達……只者ではないのかもしれない……。俺は、この二人が何を考えているのか分からなかったので……試しに聞いてみる事にした。
俺は……まず『フェアリーの長』を『鑑定』してみたが……ステータスが一切見えない状態だった。これは……。やはり……この二人……只者ではなかったようである。
「すみませんが……。貴方達は、一体何ものですか?俺の知っている情報だと、人間族の国で、かなり上の地位にいる人物だと認識しておりますが……。それに……普通の人では、見ることが出来ないはずのステータス画面が見える時点で……。俺は貴方達が、普通の人間じゃない事は理解できます……。貴方達の正体を明かせない理由を教えて頂けませんか?」と質問をした。すると……妖精の女王が……。
「私は……このフェアリー王国を治めている……『妖精女王』です。宰相の方には……既に話しましたけど……。魔王復活の兆しが出てきている事を知っています。それで、シン様には……。魔王を討伐して欲しいとお願いしようと思っていましたが……。今回の話で……魔王が復活したら、この世界の為になりませんから……シン様の力になろうと考えています。この妖精の国と『光の民』を、是非ともお救い下さい」
と言い始めた。俺の事を魔王を倒してくれる勇者と勘違いしたようだ。しかも、この女王の言い方からして……。多分だけど……。俺が『時空神』だという事も分かっていそうだ。
俺の後ろで話を聞いていたニアも、「へぇ~……そうなんだね……」と言っていたが……俺は「ちょっと、ニア……。それはどういう意味なんだい?俺はただの人間だよ!勘違いしないように!」と言うと……ニアは、「でも……シンって、『聖魔竜』とか『時空神』の称号を持ってるんでしょ?それに……リリスに聞いた話によると……。レベル999でカンストしていて、この世界で一番強くなった存在なんでしょう?だから……。『魔王』を倒す事も可能だと思うけど?」と言ったのだ。そして、「だから……。シンはもっと自信を持った方が良いと思うけど?」と言われた。俺は苦笑いしながら……。「分かったから……あまりそういう事を言うと……またニアに怒られちゃうから止めてくれないかな?」と伝えると、妖精女王がクスクス笑い出した。
俺は、妖精の女帝である『アルラ・ミルキー女王』が俺の事を見ていた視線が気になっていたのだが……。その理由を妖精女王から聞かされるとは思っていなかった。妖精族の女王は、『光衣』を纏う事で、『神聖視』の効果を得ていて……。『神聖化』に近い状態になるらしいのだ。
妖精族は『闇属性』が嫌いなので、『闇の支配者』になった俺には、敵意しか向けられないはずだが……。俺の事を『闇神の使徒』ではなく、『聖魔法の使い手』と見ているらしいのだ。つまり、この国の救世主として崇められる可能性があるのだ。『暗黒騎士』状態の時の方が『闇支配者』よりも強いのは間違いないが……。しかし、俺は目立つのは避けたいと思っているので……ニアから、「シン……あんまり気にしない方がいいかもね……。そういうのって慣れると嫌になるよ。それに、今の格好なら大丈夫だから……安心してね!」と言ってくれて、少し気持ちが楽になったが、念の為『幻影体』の状態で移動する事にした。
そして……俺はニアに、「とりあえず……フェアリー王国が、『聖なる玉』で汚染されていない事を確認しておきたかったんだけど……。もう遅いよね……。まぁ……しょうがないんだけど……。とりあえず、『浄化 ホーリー』」
と言うと、俺の周りに『浄化結界石』が発動され、フェアリー王国の中に入って行った。すると……今まで見えていた、汚れていたものが……嘘のように無くなっていたのである。俺はニアの方に振り返り……
「どう?ニア?これで……問題ない?」
と言うと、ニアが、「うわっ……。本当に綺麗になってる。これ凄すぎる……」と言ってくれた。そして……俺に向かって、「ありがとね……。これで、心置きなく旅を続けられるから……」と微笑みながら言った。俺は、「いえいえ。お役に立てたのであれば幸いです」と答えたのであった。
フェアリー王国を出発してから……一日目の夜に、野営をする事になったので……。妖精の里の近くに洞窟を見つけたので……そこを利用して休む事にしたのだ。俺は……ニアの背中で眠っていたのだが……。
ニアが急に飛び起きると……
「何かが近づいてきてる。警戒態勢!」
と言うと……俺は飛び起きて……『隠密』状態で、戦闘準備を整えたのであった。そして…… ニアの感知で向かって来ていた正体を確認することができたのだが……。そこには大きなドラゴンがいたのである。俺は『鑑定眼 看破』を発動させて確認すると……。
【種族】『ワイバーン』と出たのである。そして俺は……「あれは……俺達の食料にして良いのか?」と聞くとニアが……「うん。美味しいんだよ。あの肉!!あそこまで大きくなかったら……丸ごと持って帰るのも有りなんだけどね」
と答えてくれて、「じゃあ、食べることにしようか!!」という結論になって、ニアが俺とユートに「二手に別れよう!!」と言うと俺の目の前に現れた瞬間に、姿が消えて、ユートの所に移動した。ユートは、突然俺の所に出現したのに驚きながらも……すぐに臨戦態勢に入っていた。ユートに俺の考えを伝えると、すぐに了承してくれて、「僕も戦いたかったけど……今回は任せるよ」と笑顔で言ってくれて、ニアと合流して俺の指示に従って動いてくれることになった。
俺は、『竜剣 黒影龍月』を抜刀すると同時に、ワイバーンに斬りかかると、
『聖魔の一撃!』と技を放つと……『ワイバーン』は「ぐぉおおおっー!」と叫び声を上げながら、墜落していったのだった。
俺は……ニアの方を見ると……すでに、俺と同じ方法で倒したようで……。ニアの手にも俺が斬ったのと同じくらいの大きさの血だらけになったワイバーンが握られていた。ユートも、同じ感じで倒していたみたいで……ユートとニアの方に近づくと……ユートが俺に近づき……。
「シン……。さっきのは何だ!?あんな魔法初めて見たぞ!それに……さっきの技……。一瞬だが……『闇の力』が漏れ出して見えたような気がしたが……」とユートに聞かれた。
ニアが横でウンウンとうなずいていた。そして……ニアも……「確かに……そう思ったよ……。シン……何者?」と質問してきた。俺は……。
「実は……この姿の時には、あまり人に見せたくはないのだよ……。だから、今は勘弁してくれるとありがたい……」
と言うと……。ニアとユートは渋々納得してくれた様子だった。その後、ワイバーンを解体した俺達は……。その日はそこでテントを張って寝ることにした。ニアと俺は、外で見張りをして……ニアが俺の背中の上で眠りについたのだった。
翌朝、ニアに起こされた俺は、外に出て朝の訓練を始める事にした。ニアも一緒に付いて来て、二人だけで特訓を開始すると……俺が昨夜ニアの目の前から姿を消してからの事を聞いていたのだった。
まずは……俺の攻撃を、防御せずに受け止めたりする事や……。『聖魔の矢(改)』などの遠距離攻撃を無詠唱で使えるように、イメージを出来る限り早く完成させることなどを話し合っていた。
ニアの魔法については……
『神聖光弾(シャイニング・レイ)』を『魔法強化』をせずに放つことで……『魔力』の消費を抑えている状態が維持できるようになったとのことだった。ニアは、魔法のイメージが上手く出来なくて、何度も試行錯誤をしていたみたいだ。
『聖なる矢』と『闇の刃』は……『神聖波動 オーラバースト』を融合して放つ事ができるようになっていたようだ。ただ……『闇の力』と『光の力』の相性が悪すぎて……ニアでは使う事が出来ないようだ……。これは……多分『混沌の因子』が邪魔をしているのだろう。俺はニアの話を聞いた上で……一つの方法を思いついたのだ。俺の場合は……闇と光の『聖の力』を同時に使用して攻撃しているが……。それを『混沌の力』に変えれば、『神聖力』に変わるかもしれないと思ったのである。しかし、これは俺が勝手に考えた事であって、実証できない為……とりあえず保留にしておく事にするしかなかった。
ただ、試す価値はあると思うので、色々と模索することにしたのである。ちなみに……俺達が訓練している最中……ワイバーンの死体には誰も近づいて来ることはなかった。『隠蔽の神』の能力で……ワイバーンが倒されたことを誰にも知られないようにしてあったのである。ただ、妖精族の誰かが見てる可能性はあったので……死体はアイテムボックスの中に収納したのである。
俺達は、フェアリー王国に向かって出発したのであった。
道中は順調で、昼過ぎくらいに国境に到着したのであった。国境の衛兵に事情を説明して通してもらうと、フェアリー王国に入ったのである。
「シン様!!ご無事で良かったです!心配しておりました!」と宰相とフェアリー女王が、謁見の間に入ってきた俺達に声をかけてくれた。
俺はフェアリー女王に……
「フェアリー王国が平和だったので安心しました。ありがとうございます。これから魔王を倒しにいく予定です」
と言うと……。女王と王妃が、俺を抱きしめてきて……涙を浮かべて俺の無事に安堵していた。そんな時にニアは俺の隣に立っていて、俺をジーッと見つめていた。妖精族には……魔王の存在は知られていないらしく……。俺が魔王討伐に行く事を告げても、信じてもらえなかった。まぁ……。俺の見た目が子供にしか見えないせいもあるのだが……。
妖精の女王と話をしてみると……。フェアリー王国の女王と妖精女帝とは……幼馴染みで親友の仲で、『フェアリーストーン』を作るために……協力して作ったのが始まりなのだそうだ。しかし……ある時を境に、妖精の女王は人間嫌いになってしまったのだという。そして……『闇神の使徒』と名乗る者達が現れ、世界は暗黒に包まれて……。そして……。暗黒に染まった世界で『暗黒結晶』を使って、悪魔を生み出していたそうだ。
フェアリー王国が『闇の支配者』に襲われていた事を聞いて、女王は激怒していた。
そして……。
俺に、『暗黒神 ダークネスキングロード』と戦える可能性がある『聖なる玉』があると伝えると……。『聖なる玉』を取りに行きたいと女王が言い出したので……。俺はフェアリー王国内を探すと……。なんと『聖なる玉』が2個見つかったのである。俺は……『空間庫』の中に入っていたのを取り出した。フェアリー王国に残っていたものは1個のはずだが……。
すると……『妖精の里』のエルフの人達と、フェアリー王国の妖精達が、女王の元に集まってきて……。『聖なる玉』を手に持っていたのだ……。そして……。
フェアリー女王が……。「これを……お渡ししたいと思っております。フェアリー王国の危機を救った英雄殿に、この国にある全てを差し上げる覚悟でございます」と言うと……。妖精達からも声が上がったのだ。すると…… 妖精王が……。
「女王よ……。我らの宝を渡すつもりなのか?それはいかん。それがあれば……お前もシン様に助けていただけるのか?我は反対じゃ」と言うと……妖精女王は……。「この国の宝を、私一人の為に残すわけにいきません」と言って……『聖なる玉』を渡したのであった。
『空間庫』の中の物を全て取り出して、皆んなに見せると……。妖精達は、「綺麗……」「凄すぎる……」と感嘆の言葉を漏らしていて……。妖精王は……
「まさか……。こんな事があるなんて……。本当に信じられぬ出来事ばかり……。でも……。これさえあれば……もしかすると……。本当に……救世主なのかもしれぬ……。どうか……我が娘を救ってくだされ!!」と懇願する妖精王に俺は……。「わかりました。全力を尽くします」と伝えたのだった。
俺達は、早速出発する事になった。俺は、すぐに『聖なる祠』に転移すると……すぐに中に入って、祈り始めたのだった。しばらくすると、祭壇の上にリリイが姿を見せた。そして……。
「久しいですね……。シンさん。どうですか?順調に進んでいますか?」
と聞かれたので……
「はい。今『神聖の森』の手前の洞窟の中で野営をして休憩中で、そろそろ出発しようと考えています」
と言うと……。少し考え込んだリリイだったが……。「わかったわ。すぐに用意するから待っていてね」と言うと……。また消えたのであった。
10分ほど待っていると……。「お待たせー!!じゃあ、案内するねー」と言うと、目の前に現れたので驚いた俺だった。俺は、リリスがいるのを確認すると……。リリスの頭を撫でると……。
リリスが……。
「えへっ……。ありがと。嬉しい」と言うので……。抱き寄せるようにして抱っこしてあげたのである。リリスは俺に抱かれた状態で嬉しそうにしているのを見て……ニアは頬を膨らませて俺を睨んでいたのだった。そんな時、突然ユートが俺達に近寄ってきて……。
「ちょっと話があるんだが……」と小声で俺に言ってきたのだ。ユートの方を見ると……真剣にこちらを見ている様子だ……。
ユートの話は……とても大事な内容だと思われるが……今は時間が惜しいので、移動中に話すことにしたのである。ユートと一緒に移動する事にした。リリスには、ここで待つように言っておいた。フェアリー王国内の安全な場所に待機してもらう事にしたのである。そして俺達はフェアリー王国に向けて出発した。ちなみに……俺はユートを肩に乗せて飛んで行ったのである。そして、途中でワイバーンやグリフォンを何体も狩っていたのだった。ユートは驚いていたが……。俺は「レベルが上がりまくっているから大丈夫」と伝えていた。
その後……『聖なる森』の入口に到着すると……俺はニアやユートは先に帰ってもらって、リリィと『聖域』の外まで一緒に来た。
俺は……「ここだと危険だから……。一度『聖域』の外に出よ」と言うと、二人で外に出たのだった。外に出ると同時に……。俺は……。『聖なる玉(光)』を使った。
『聖なる玉(光)』を使うと、『結界球』の中に光の壁が出現して……その光に触れたものを弾く効果を発動させたのである。これで安全に『闇属性耐性』を上げることが出来るはず……。俺は『魔力探知マップ』を使い……周囲に誰もいない事を確認してから……。
「ニア。出てきていいぞ!」と大きな声で言うと……光の中からニアが出てきた。俺は……リリアとリリィの方に振り返り……「もうすぐ仲間が増えるけど気にしないで欲しい」と言った。ニアとリリーは笑顔でうなずいていた。そして……ニアが「さっきは何をしたの?魔法かなにかかしら?光魔法は使えないはずだよね?しかも……魔法を二つ使っているみたいだし……。何か秘密がありそうだわ」と質問してきた。俺は……ニアが納得するまで……説明してあげた。
『混沌の力』や、『混沌石』の事を話しながら……『聖なる玉』についても簡単に説明していた。俺の説明を聞いたニアの顔つきがだんだんと険しくなっていく。
「つまり……あの玉には、光の力が封じられているってことなんだね」
と聞いてきた。俺は、ニアを見ながら、「そういうことだな」と言うと……。俺の腕を掴み自分の方に引き込むような動きを見せると……俺を抱き寄せて、胸に押し付けるように抱きしめてきたのである。
「シン!!私には何でも話しなさいよ!私は貴方の為だけにここにいるんです!絶対に裏切ったりしない!絶対に離れない!私が貴方を守りたいと思っているのよ。お願いだから隠し事はなしだよ。分かった?」と俺の耳元で囁いたのである。
「もちろん分かってるよ。約束するよ」と言うと、ニコッと笑って……「良かった……。なら、良いよ。それで、光の力を封じ込めるって言ったのは……多分だけど、この剣の力と一緒だと思うよ。闇の力で『聖』の力を封じることが出来るんだよ。『聖』と『闇』は同じものだからね……。この世界のどこかにあると思うのよ……。『聖力』を封印している物が……。この玉と同じものかもしれない……。もし見つけたとしても……。使っちゃダメよ!」と言って俺の目を見つめたのだった。
俺は、リリイを呼んでリリスを呼びに来てもらうように言うと……俺は、再びリリスのところに戻ったのだった。するとニアは……俺の後ろについて来ていて……。リリアとリリイも後から合流していたのである。そして……俺は全員揃ったところで……『闇神』との最終決戦に挑むために、妖精族の聖地に向かう事になったと皆んなに伝えたのであった。
すると、妖精族達が……俺の周りに集まってきて……みんな涙目になっていて……。俺に対して「妖精王の娘の命をお救いください。私達フェアリー族一同……全力を尽くさせていただきます。私達の全てをシン様に差し上げますので……」と言い始めたので……。妖精達にも協力してもらえれば心強いと思っていたので……。俺は、妖精族達に協力してもらえるよう頼む事にしたのだった。
俺は『妖精王の一族』に妖精族に、このフェアリー王国の『妖精の里』に連れて行ってくれるように頼む事にする。そして……。フェアリー王国の全ての『妖精の森』から『聖なる森』を繋げるトンネルを作ってほしい事を伝えたのだ。俺はフェアリー女王に妖精女王をこの場に呼ぶように指示すると……。フェアリーの女王はすぐに女王を連れ戻ってきたのである。女王は、俺のそばに立つと俺の手を握ってきて……
「シン殿、どうか我らフェアリー一族を導いてくだされ。この国でできることがあれば何でもやりますので……。この命をかけてでも……この国の繁栄に尽くしたいと考えております」と言うので……。「わかった。期待に応えられるかどうかはわからないが……。出来る限りのことをやってみるつもりだ」と答えたのである。
それから、女王と相談しながら妖精達を連れて来ると……。リリイに女王を任せる事にして……。
俺とニア、リリアとリリイ、そしてユートは、フェアリー王国からフェアリー王国のある妖精の国に繋がる道を歩いていたのだった。しばらく歩いていると……。ユートから念話が入った。ユートは……。
「ここから、僕一人で行っても構わないかい?どうしても会わせないといけない人物がいるんだけど……」と言ってきたのである。俺は、リリスに相談して……。問題なければ連れてくると伝えたのだった。
俺はリリスと妖精達の護衛をしてもらい、ニアにユートを迎えに行ってもらったのである。しばらくしてから……リリスと護衛達は……無事に合流して妖精の森に転移したのだった。
俺は、リリスと護衛達に……ユートと一緒に、『聖なる祠』に戻ってくれるようにお願いして、俺達は、先に妖精の里に急ぐことにしたのだった。
10分ほど歩いただろうか……。目の前に白い光が広がって……目の前に大きな屋敷が見えたのである。妖精達は「おお……」とか「美しい……」などと言っているのが聞こえた。そして……門番らしき者が近づいてくると、門を開けて……「どうぞお入り下さい」とだけ言って戻っていったのである。俺達は屋敷に入っていくと…… リリスとフェアリー族達は、俺についてくることになった。
フェアリー女王とリリイ、リリアとリリイは『フェアリー城』に残ることになったのである。リリイが心配だったので……。リリイをリリスに任せることにしたのである。
俺は……ユートの案内で……地下への入口の前に到着した。ユートは、「ここに、僕の仲間がいます」と言って、仲間を紹介すると伝えてくれた。そして……。俺とユート、リリアとリリイ、ニアとフェアリー族5人(女4人男1人)の合計9人で地下に降りたのだった。ユートによると……『聖域』の地下に広がる巨大な洞窟があって……。そこから、妖精王国や、『聖域の森』に行くことが出来きるという事だった。
俺とユートが前を進み、残りのメンバーは後ろに並んで歩く事にした。そして……しばらく進むと……目の前に黒い壁が現れて行き止まりになってしまったのだった。しかし……壁に手をあてると……扉が開く感じになり……通路が現れたのである。俺達がその道に進むと、さらに洞窟が続いていたのだ。その洞窟の奥に階段があったので降りていくと……広い部屋に出ることが出来た。部屋の中央には……大きな水晶のような物が置かれていたのである。
そしてその水晶の中には……。少女の姿が映っていて、俺を見るなり話しかけてきたのである。
『やっと来て下さったのですね。待っていました。貴方が来る日を……。私は闇の世界に住む者です……。貴方の力を感じました。貴方になら託せると思います……。』と言ってきたのだった。ユートが……驚いて俺に話しかけてきたのだが……。俺にはよく分からなかった。
そして……俺が戸惑っていると……俺の意識が途切れてしまった。俺は一瞬、暗闇の中に落ちて行く感覚に襲われて気を失ってしまった。しかし……不思議な声を聞いた気がして……ハッと目が覚めた。ユートも目を開けていたのだ。ユートも少しして目覚めたようである。俺は、辺りを確認する。俺は椅子に座っていて、その周りを囲うように立っている者達がいたのである。ユートも立ち上がって俺の隣に立った。
その者は俺達の前にいるようだ。その者から発せられる言葉を聞いて俺は驚いたのである。
『私は……この世界の管理者の『混沌の神(カオス・マスター)シ』という存在でございます。突然の事で驚かれているでしょうが……。貴方は選ばれたのです……。私達が管理する世界で、私に干渉出来る能力を持った方を探して、貴方を見つけ出し……。ここにご招待しました……。貴方のお力を貸してください……。
私は……。この世界を滅ぼそうとしている悪の存在と戦い続けている最中なのです。私では……。倒すことはできませんでした……。私はもう……限界が近いようです……。私の魂が……この身体から抜け出そうとしています……。私の後継者を……探し出すために……。貴方に託します。私が持っていた全ての力を受け継いでくれた後継者を……。
私の後継が見つかりし時は……必ず貴方の前に現れましょう……。そして……後継者に力を授けてくれるはず……。私が持っている力は……貴方なら使えるはず……。私の代わりに……あの者と戦ってください!もう時間はあまり残されていないようです……。頼みます……。あの戦いが終わったら……私が貴方の元へ現れましょう……。さすれば、貴方は……。
あの者を倒せるはず……』と言って……。
目の前にいる者が消えてしまった。そして……。その瞬間……。頭の中で声が響いた。俺は、頭の中の声に従って……。俺が身につけている『神衣』(ゴッドクロス)を脱いで……。『精霊人形』達を召喚する。
そして……ニアの手をつかんで、『空間移動』を使った。すると……目の前にフェアリー王国のフェアリー王国王都のフェアリー王城前の大通りに出たのである。すぐにニアと『フェアリー人形』の四人を『妖精王』の元に向かわせる為に……。
俺は……王城の近くにある神殿の祭壇に向かい、そこにあるフェアリーストーンに俺の力を注ぎ込むようにお願いをする。
すると……俺は光に包まれる……。しばらくすると……光が消える……。俺は、ステータス画面を開き自分のレベルを確認して愕然としてしまった。
【ステータス】
名
前:リュウ
種 族:人間
年 齢:15歳
状 態:正常
能 力:『全属性魔法耐性』『剣術2』『格闘術2』
『火系魔法の使い手』『水龍神の加護』《new》『回復』特殊スキル
『アイテムボックス』『全知全能』
(創造神 女神リーシェンの眷属)
「はぁ?なんじゃこれ?どういうことなんだ?」と言って固まってしまっていたのだ。ニア達も到着して状況を確認したが……。やはり驚いていて呆然となっていた。すると……。俺達のもとに妖精族のフェアリー達が駆けつけて来たのである。
そして、俺達を護衛しながら王城に案内してくれた。俺達は、王城内に入ると謁見の間ではなく……。『妖精女王の部屋』に案内されたのである。
俺達全員が座るのを待っていたかのように……。『妖精女王』、『妖精女王の側近達』と、妖精王達が入ってきたのであった。
俺とユートは、妖精王に案内され……『妖精女王』が使っていると思われる執務室に通されていた。『妖精女王』の側に立っていた妖精女王補佐の女性にお茶を用意してもらい、席につくと妖精女王に話をする事になったのだった。
俺は、妖精女王の話を聞いたが……。妖精女王から話を聞くまでは、俺自身も混乱していて……何も話すことが出来ないでいたが……。ようやく落ち着いて話が出来るようになったので……、俺は……。『聖獣 ユニコーン』を目覚めさせた事を説明していった。妖精女王は……。
「えぇ!!まさか……。そんな事が……。わかりました。今、『聖樹の森』には結界が張られている状態になっていると思われます。その結界を解除する方法があるので……。シン殿の力で解いてもらえないでしょうか?シン殿の『聖なる森』を繋げる事は出来ませんか?」と質問してくる。
そこで俺は……。『聖なる祠』で見つけた『エルフの里の宝』の事を思い出したのである。「わかったよ。とりあえずは……。『妖精王国』の問題を解決しよう。それから……。フェアリー王国に行って『聖なる森』を繋げればいいんじゃないか?まずは……。妖精国で起きている事を説明して欲しい」と言ったのである。
俺は妖精国の女王から話を聞き始めた。妖精国は、約50年前くらいから魔物が異常に増えていて……。食料が足りなくなるなどの問題が起こっていたということだった。妖精国の食料問題については……。『聖域』に住む『フェアリードラゴン』の子供達の世話をしながら……。なんとか生活できている状態だったと言うのだ。
妖精王国では、毎年のように飢饉が起きていたのだという。そして、最近では、食料を求めて近隣の国が侵攻して来るようになり……、ついに……。『聖域』から大量の魔物が出現してしまい……妖精国にも押し寄せたらしい。妖精族や『フェアリーゴーレム』達の頑張りによって被害は少なくて済んだのだが……。魔物がいなくなったわけではなくて、今でも『聖域の森』に住み着いていたのだそうだ。しかも、以前よりも凶暴化してしまい、妖精族と『フェアリーゴーレム』達に討伐依頼を出しているのだそうで……。今は……何とか対処できているものの……。いずれは食糧不足になってしまうという。このままでは……近いうちに餓死者がでるというのだ。そして、現在、フェアリー女王が持っている食料で凌いでいるが……それもいつまで保つかわからないというのだ。『聖魔石』の件は、フェアリー女王は、よく分からないそうなのだ。しかし……『精霊の森』は、『聖なる祠』と繋がっている可能性が高いと予想はしているようだった。『聖なる祠』は、『エルフの里』にあると言われているからである。フェアリー女王は、「『聖域』と繋がることが出来るのならば……。すぐにでも『精霊の里』に向かって欲しいのです」と言ってきたのである。俺は、ニアとリリイを見たが……。ニアが俺を見つめていたのだ。
俺は、妖精女王と妖精王の二人の話を聞いていたが……『聖なる里』に向かうことにしたのだった。ニアにリリイと、フェアリードール達5人とフェアリーゴーレムの隊長の『フェアリーゴー』と『ダークゴーレム』を10人を連れていく事にしたのである。ユートは残ってもらって、フェアリードール達の面倒を見てもらう事にした。そして俺は、妖精国から外に出て『転移の魔法陣』を発動させて『聖域』の『妖精の里』へと移動する。
俺はすぐに『空間移動の巻物』を使い、『フェアリー王国』と『フェアリー神殿』(フェアリータウン)を結ぶ道を作って……。妖精国に移動する事にしたのだった。
『フェアリー神殿』の俺が宿泊に使用している部屋に戻ってくる。部屋は、まだ綺麗だったのである。俺が部屋を出て、フェアリー王国に行くまでに1時間程度だったので部屋はそのままになっていたのだ。
ユートも部屋に戻ってきて、「僕も行きたかったけど……。この世界が大変になるかもしれないから我慢します……」と言って部屋に入っていったのである。
俺は、『フェアリー神殿』にいる俺の家族全員を呼び寄せることにする。俺は、部屋にある『時空連絡球』を使ってみんなを呼ぶと……。ミルキー、ニーナ、ラフィーネ、サーヤがやってきたのだった。ユートが俺と別れてからの出来事を説明したのである。
ユートの話が終わると……。ユートの妻達は、この世界の事よりも自分の旦那さんであるユートが気になってしょうがないみたいだったが……、『聖なる森』に行きたいと言うと……。俺が『精霊人形』達を呼び出してくれて一緒に行けることが分かり……。嬉しそうについてきてくれたのである。ちなみに、フェアリー王国に行くと聞いたサーヤも同行してくれることになったのである。『聖なる祠』に行った時、この『妖精界』に帰って来た時のサーヤの表情を見ると、サーヤはこの世界に居づらかったのではないかと感じていた。なので、俺はこの機会に……、この世界で好きなように過ごせばいいと思った。
俺が、妻達の様子を見て微笑んでいると……。ニーナは俺を抱きしめながらキスをしようとしてきたのだ。するとそれを見ていた他の三人の奥さん達が、同じように俺に抱きついてきて、奥さん達にディープキスをされてしまった。その姿を見ていたサーヤまで、何故か興奮していたようだった……。
そして……しばらくして……。落ち着いた時に……。この『聖なる森(ホーリーフォレスト)』に残っていてくれている者達を呼び寄せる事にした。すると今度は『妖精騎士』の騎士隊の隊長をしている娘さん(名前は……確か……カレンだっけ)と部下の『セイリュウナイト隊』の娘さん二人、そして、『セイリュウメイデン隊』の少女が二人現れてきた。俺は、「君たちも……ここに残ってくれてる仲間達と一緒に行動してほしい」と言ったのだ。そして……俺は……。「俺達がいない間も頑張ってくれるかな?」と言って……。妖精王国に行く前に『空間移動』をして、『精霊の里』に寄ったのである。そして……精霊王と会うと……、やはり……精霊王が言った通りに……『聖なる森』の『聖なる森(スピリチュアルフォレスト)』への道が開かれており、俺達はそこからフェアリー王国に向かったのである。フェアリー王国についたら……。フェアリー王国の人達を『空間移動』させ、その後で『フェアリー王国 王都前広場』に移動させたのである。『フェアリーゴー』と『フェアリーゴーレム』達は『精霊神殿 フェアリーランド』の守りに就いてもらうことにしたのだ。
俺とニア、ニーナ、ラフィーネ、サーヤは、『聖樹神殿』にある『精霊の間』に入る……。そこで俺は『妖精樹の神玉 フェアリーオーブ』を使う事にした。そして……。フェアリー女王に貰った『精霊神杖』を手に取り、『フェアリークリスタルロッド・フェアリーマスター』に変身をする。さらに……、『聖獣ユニコーンの鎧』、『妖精神剣エクスカリヴァーン』を装備し、準備が完了したのだ。そして……俺は……。
【名 前】
リュウ・ドライト(龍神竜)
(分身体 リュウの従魔)
【種 族】
竜神族 【年 齢】
10 【体 力】
3,400,440 【魔力】
420,950,700 【攻撃力】
B 【耐久力】
C 【素早さ】
A+ 【知 力】
SSS- 【幸 運】
D 【スキル】
特殊スキル『全属性魔法耐性』『全状態異常無効化』『アイテムボックス』『鑑定』『偽装』『解析』『成長促進』『植物操作』『念話』『飛行』〈NEW〉 通常スキル『雷撃Lv8』
『光電LVMAX』《雷槍 Lv5》《光学迷彩 Lv3》《超高速再生 Lv6》 装備 武器 フェアリーマスターソード 防具 妖精神の胸当てシリーズ 装飾品 妖精女王の腕輪
『妖精神弓ユグドラシル』
フェアリークイーンシールド 妖精女王の靴 俺は、『精霊の間』で、『フェアリーマスターソード』を抜き放つと……。「顕現せよ。妖精神樹!」と言う。
『聖樹の神珠』は……虹色に輝く大きな光の球体になったのだ。そして……しばらく経つと……その輝きは、収まり……『妖精神樹 アルスティ』が姿を現すのであった。俺は……。
「初めまして。俺は、リュ……じゃない。私は、フェアリー女王陛下からこの妖精王国を任せられた『妖精女王』の任を引き継いだフェアリーマスター『妖精女王』の『リュウ』です」と言う。すると、『精霊王』は俺を見て目をパチクリさせていたのだ。
ニアが『妖精女王』が言っていた『リュウ様はお強いから大丈夫だよ。ニアに任せるといいよ』という言葉を思い出したらしく……、「やっぱり……。リュウなのね」と呟いていたのである。『精霊王』が言うには……。俺の姿があまりにも神々しかったそうで……。妖精族の誰かに似ていたらしいのだが……全くわからなかったそうだ。『精霊の王』は俺のことを知らなかったのに……俺が名乗るまでもなく名前を知っていたことにもビックリしていたが……。俺がニアから『闇影の森の精霊の森の主で、闇の精霊の『魔王ルシファー』を倒すために、光の巫女として召喚されて来た勇者だと聞いている』というと驚いていたが……。俺は『フェアリーワールド』の妖精族は『妖精樹の森の精霊達』の子孫であり、『魔王 堕天使の黒き翼 ダークネスウイング』は、元は俺と同じように『妖精の楽園』にいた妖精なのだと説明したのだ。俺は、フェアリー達を助けてやりたいと思っていたが、フェアリー達だけでは戦力的に足りないと思って、『聖なる森』のフェアリー族達を呼び出したのである。俺は、俺達がいない間のフェアリー王国を守って欲しいとお願いしておいた。俺は、『精霊樹』と妖精樹の森がどうなっているのかが気になっていた。なので……『フェアリー神殿』に行く前に、まずは、『妖精郷 フェアリータウン フェアリーパレス』に向かう事にしたのだ。『フェアリーキャッスル』の転移台を使って『フェアリーシティ フェアリータウン』に移動した。
そして……ニアが、『空間移動』を使い、フェアリータウンの中央広場に飛ぶと……多くのフェアリー達が集まってきていたのである。みんな、ニアのことを知っているみたいだった。フェアリーキングも、ニアの事を知っていて、「よく来てくれましたニア殿! 」と言いながら握手していたのだ。そして……。フェアリー達はみんな嬉しそうにニアを歓迎していたのである。ニアとフェアリー達はとても楽しそうに話をしていた。俺は、妖精王から託された『フェアリークリスタルロッド・フェアリーマスター』を見せると、妖精達は、一斉に俺に駆け寄り抱きついて来たのである。俺は驚きつつも……嬉しく思っていた。俺の姿を見て、泣いて喜んでいる者もおり、抱きついてくる力がとても強かったのだ。俺は……少し照れ臭かったけど、みんなが喜んでくれた事がすごく嬉しかったのである。
『聖なる神殿』の時の妖精女王から聞いていたけど、みんなが俺に好意を持っていることは感じ取っていたが……。改めて言われると嬉しいものだったのである。そして、みんなを一人ひとり優しく頭を撫でてあげると……みんな泣き崩れてしまったのだ。しかし、みんな嬉しさのあまりに泣くことを止められない様子だったのである。そんなみんなに……俺は、ある提案をしたのである。それは……俺の妻達と……家族同然の友達になってもらいたいと思ったのだ。俺が、『俺の妻達に妖精界に来てもらった事を説明した後に……妻達を紹介させてほしい』と言うと、すぐに了承してくれたのだ。俺は、『空間共有収納カード』をみんなの人数分だけ渡し、俺の妻達に、自分の名前を書いてもらえるように頼んだ。妻達の名前を書き終えたカードを渡してもらうと……そこに書いてあった文字に俺だけでなくみんなが驚いたのである。
【名 前】
ユート
・リュク・エルドゥラン・アルストリア・フェアリーズ
(妖精王国 初代国王)
【種 族】
竜神族 【年 齢】
16 【体 力】
1,400,000,000 【魔 力】
8,509,009,999(+10,982,995,000)
【攻撃力】
F-
(F)
【耐久力】
E-
(E)
【素早さ】
G-
(G-)
【知 力】
SSS-(SSS+)※
(SSSS+)
【幸 運】
SS
(SSS+)
【スキル】
特殊スキル『全属性魔法耐性』『全状態異常無効化』『アイテムボックス』『鑑定』『偽装』『解析』『成長促進』『植物操作』『念話』『飛行』『空間移動』〈NEW〉 通常スキル『光属性魔法Lv8』『闇属性魔法Lv8』『全属性魔法耐性』『超高速再生』『全状態異常無効化』『無詠唱』『超高速飛行』『アイテム強奪』『超高速飛翔』『神速斬撃』『魔力操作Lv10』『精神集中Lv10』『体力回復速度上昇LvMAX』『魔力探知レーダー』『隠密』『剣術LV7』『槍術Lv4』『斧術Lv4』
通常スキルも進化している。『全武器適正』『神速連撃Lv9』と増えている。そして……『超鑑定』と『魔力精密操作』と新たに2つの『能力』が増えていたのである。俺と『妖精騎士ナイトメア隊隊長』の娘さんの『ニーナ・シルフィード・フェアリープリンセス』(ニーナが妖精族と人間のハーフで、シルフィーは、妖精族と人間のクォーターという意味だっけ? まぁ、シルフィーの方が長いか)は、『聖なる神殿』では会っていなかったので会うのは初めてになるのだが……この二人を見て俺は驚く事になった。二人は、『聖なる神殿』での妖精女王と同じ顔をしており、髪型は違うものの、容姿は瓜二つだったのだ。そして、二人が同時に「「私達は……リュウ様の奥さんです」」と自己紹介したのである。すると……みんながビックリしたような表情をして固まったのだ。『精霊王』やフェアリー達までも驚いていたのである。俺は……。みんなに事情を説明して、俺と奥さん達の結婚指輪を見せ、妖精族が知っている俺と妻のニアの本当の姿とは違うことを説明すると……妖精達も『フェアリーパレス』の者達も全員驚いていたのである。しかし……俺達の事は納得してくれていて、俺達夫婦の事も『リュク』と呼んでくれるようになったのである。
俺は、ニアの『フェアリークイーン』の称号を引き継ぐ為に来たことや……俺とニアが『魔王ルシファー』に乗っ取られていた事を話すが……まだ信じてくれていないようだ……。俺が、ニアに『ステータス』を見せるように言ってもらうと……ようやく受け入れてくれたのである。俺は、みんなをフェアリータウンから連れ出すために『空間共有収納カード』を『フェアリークイーン』のニアと『妖精騎士』のリリイに渡してもらい……『空間転移カード』を使って、『フェアリーパレス』に移動させたのであった。そして、俺が転移してきた瞬間に、妖精達が一斉に駆け寄ってきてくれたのだ。俺達は、みんなで手を繋ぐ事で……俺の力の一部を貸し与える事が出来ると説明すると……妖精達は一斉に喜んで俺と手を取り合ったのである。俺は、フェアリー達が喜びながら俺の手を取ってくる姿が……微笑ましくて……可愛くて仕方がなかったのだ。そんな風にしているうちに……。「お母様!!お姉様!!」と言って駆け寄ってくる者が現れたのだ。「「え?」」と言って二人はびっくりしていた。「「えー!!!!」」という大絶叫が辺りに響き渡ったのである。
そうなのだ……。そこには『精霊王』の妹である『精霊姫 アルティア』の姿があったのである。そして『精霊王』のところに走っていく『精霊王 精霊姫』アルティアは……「お父さん……」と言ったのである。俺は、「ん!?」と不思議に思い、そして思い出したのだ。そういえば、精霊王は、娘のアルティアと離ればなれになり……再会できなかった事を思い浮かべた。そして……精霊王の前に『精霊姫 アルティア』が姿を現したのだから……これは間違いなく奇跡だったのだ。俺達がいる世界では……あり得ない光景なのだ。『闇の女神』が創りし世界での理を覆すほどの出来事なのだ。
「本当に……精霊姫なのね……あなたが私の……ううん。今は『フェアリープリンセス フェアリーマスター』であるリュクの娘なのね……。でも、なぜ、娘がここにいるの?」という精霊王の問いに、俺は答える。俺は、フェアリー王国で起こった事を話し始めたのである。
そして……フェアリーキャッスルに戻った俺達は、ニアが妖精の女王として『フェアリークリスタル』で出来た杖を手にし……フェアリー達の前で挨拶をしたのだ。俺は、「俺達は、君たちの王である『フェアリークリスタル』の杖を持つ妖精ニアを新しい妖精王とし、フェアリータウンの長にして、妖精族の新たな時代を築く為に来てもらったのです。妖精王には、『フェアリークリスタル』で作られたフェアリーリングが必要不可欠。そして、その役目を果たすためだけに……妖精界にやってきました。『フェアリーパレス』にいる全てのフェアリーに、お願いがあります。これから『フェアリーキング』が話す内容をよく聞き、それに従うようお願いします。フェアリー達の中で、妖精王様について行く事を選ぶものは私と一緒にフェアリータウンに戻って下さい。私と一緒に妖精の国の礎を築きましょう」と宣言すると……妖精たちは歓喜の声を上げたのである。
こうして、俺は……フェアリーランドからフェアリー王国の正式な使者としての任命を受けて戻ってきたのだった。俺達が戻ってくる頃には、『フェアリーパレス』の住人は、みんなが家族のように仲良くなり笑顔になっていたのであった。そして、この場を借りて……俺の仲間たちを紹介していく事になったのだった。
【紹介】
ユート(リュク・エルドゥラン):身長160cm 黒髪で細身で顔は、目元ぱっちりと切れ目のイケメンだが優しい雰囲気が滲み出ている青年で『フェアリーナイト』で……竜神族の生き残り。闇の神の器であり『ダークアーマー』を装備している。竜人族の中では、竜神族の血を強く引いている種族で人間と変わらない見た目をしている。『聖なる神殿』の戦いで……闇の神に取り込まれて意識を失った時に、『暗黒の騎士(漆黒の闇)』となる。
妻:ニア(ニア)
妻達のリーダー。16歳くらい。竜神族最強の存在と言われている『竜神王ドラゴンロード』の力を受け継いでおり……妖精女王の位を受け継ぐ予定。普段は……黒いドレス姿で『フェアリーパレス』にある『妖精の森』の管理を任せており……いつもニコニコしているが……怒らせると怖いらしい。フェアリー族や妖精達に優しく接していて……慕われている。
ニアの双子の妹である『フェアクイーン フェアリープリンセス』のアルティナがいて、フェアリー達の未来を考えフェアリークイーンの称号を引き継いだ後、俺と結婚してくれた。フェアリークイーンの称号を受け継いだアルティアと二人で俺の妻になってくれている。
名前:ニーナ(ニーナ)
16才
愛称:ニーナ
『フェアリープリンセス』で妖精王国初代国王。俺とは恋人の関係になっている。普段も俺の事が好きでしょうがないみたいだけど、二人っきりになると甘えん坊になる可愛い女の子。ニアと瓜二つの容姿をしていて双子に見える。
父
:リューク・ドラゴード・フェアリー
(竜神族)
母
:???????年 4月24日 産まれ 15歳の時に……俺と結婚して子供を産んだ。現在は妊娠5ヶ月目に突入中である。現在妊娠中で安静にしている。ニアやリリイ達と一緒で『フェアリーパレス』にて生活中。『フェアリークイーン』の地位も継承する事になった。俺が妖精の国に行って不在の時に……俺の代わりに妖精達の相談を受けたりするなど……忙しく頑張っている。俺に早く会いたいが……妊婦さんだからあまり動けないので、俺の帰りを待ち遠しいと……時々言っているのが微笑ましい。
妹
:アリシア
(アリシア王女/『精霊騎士 フェアリーナイト』で精霊使い。妖精王国第一王位継承権を持つ少女)『精霊騎士 フェアリーナイツ』隊長でもある。妖精王国第二王女。金髪碧眼のおっとりした癒し系の美人さん。『フェアリーパレス』に居るのが退屈だといって俺と遊んで欲しいとせがむ。おてんば娘でもあり……元気一杯でみんなを引っ張る性格をしていて、みんなの人気者。ニアともすぐに仲良しになった。最近成長している胸を見てよく羨ましそうにしている。
俺との相性が良いらしく、『俺とだけ結婚出来る特別な相手』になったのである。俺に好意を持ってくれたからこそ『俺としか結婚出来ないパートナー』になれたのだ。本人は俺が好きだとはっきりと言っている。ちなみに、俺と結婚するまでは誰からも愛されて育っていたそうだ。しかし、何故か結婚すると不幸になる女性が多くて悩んでいたようである。
婚約者
:サリス・エルルゥ 愛称 サーヤ 18才 エルフ国で『エルムンガルド共和国』の議員をしている女性で俺の秘書である。俺の事を尊敬しており、結婚願望はあるが……俺の理想の女性になるために修行している最中とかなんとか……。俺に好意をもってくれる一人でもある。結婚してあげたいと思えるほど、良い子でかわいいと思うのだが……まだ俺の事を好きでいてくれるかが不明なので保留中である。あと1~2年後には、答えを出すつもりである。
俺の家族たち
名前:リリイ 愛称リリア 17歳 黒髪ショートボブヘアーの猫妖精族。俺のメイド長を務めているしっかり者で……気配りができる優秀な秘書。
名前:ミミリラのニャムリ 愛称ミミル 年齢不詳(外見10歳程度?)黒髪ポニテの小さな娘。俺専属の料理人見習いである。
【仲間一覧】
*ニア(ニア様)
* * *
本名:『フェアクイーン フェアリープリンセス』
妖精族の新しい女王様で妖精の女王。『フェアリーパレス』にて妖精の国の新女王に就任予定。
俺と『精霊王』の娘で双子姉である『精霊姫』のアルティとで……俺と結婚を前提に婚約してくれている。
フェアリーキングとして妖精達を率いていく為に俺との結婚は見送る事にした。俺が帰って来た事で、俺と結婚したくてうずうずしている。
種族名:妖精族(妖精)
種族レベル:1~
体力(HP):15
魔力(MP):10
+1000(妖精王就任時)→妖精力+5000→∞ 物理攻撃耐性(特防):50
魔法防御補正:500 最大敏捷補正値(俊速)5倍化 →10倍
※()内は装備品の付与効果含む職業技能ランクF~C 一般技能E F スキルSSS E
1.剣術2
2.槍術4
3.斧技6 3種同時使用可能
4.料理3
5.調合士5 6毒作成7 7 鞭作成8 8投擲9 9身体強化5 10危機察知2 1+1+1 2 弓術5 3矢雨4 4氷柱5水球6風刃7火炎弾8雷撃弾7雷壁8爆炎撃8氷結乱撃8土針岩撃8闇穴11 隠蔽偽装12 13隠密14 15結界(無詠唱)16 気配探知20 罠解除16(New)
特殊特技13 New 転移(New)空間収納(new)時空操作 精霊使役 精霊契約(New)魔糸(New)影縫(New)幻惑(New)幻影 精霊召喚 火 サラマンダー(サラ)
ウンディーネ(シィー)
ドリアード ノーム ウンディーネ(リーネ)
シルフィード(フィフ)
セイレーン シルフ ドリアード(ドーリス)
ウンディーネ(ライラ)
2.家事3 掃除4 裁縫5 刺繍8 洗濯15 調理5 パンケーキ3 5焼き魚 串焼5 6 刺身6包丁 和洋中料理全て可能!(料理の天才7)7 紅茶 珈琲豆から作ることが可能! 薬草類の作成 調合レシピ数種類 薬 ポーション作成可 毒 ポイズンマスター 解麻痺剤、回復促進、状態異常回復、各種治療薬 睡眠、催眠、幻視、幻覚、忘却 錬金術(NEW)
錬成 鍛治師 彫金師 鍛冶師大工道具、木工道具、金属加工、家具作り 石工職人 宝石職人 アクセサリー、貴金属装飾、武器防具装備作成(細工匠7)
(NEW)
ガラス工芸(グラスアート)
(木工芸品(家具、テーブルセット、食器等))
(NEW)彫刻 造形、絵画(水彩画、油絵)
鑑定眼(New)
解析(New)遠見
(New)暗視力(New)鷹の目(New)
(植物成長促進5)6畑栽培物育成時間短縮 果樹(桃)5本
(リンゴ5)
(ミカン5イチジク)
(ブドウ5)
3.魔法適正全属性魔法使用可能。無魔法(New)闇魔法5 闇穴 闇玉闇霧 暗闇闇雲
(精神攻撃無効化7闇抵抗、光ダメージ半減 闇無効、状態変化無効、魅了 即死回避、聖魔法無効)
New闇神の化身 称号 フェアリープリンス 精霊神と会話した者 フェアリーランド国王に認められた者 *ニーナ(ニーナさん)
* * *
* * *
* * *
愛称:ニーナ(ニアさん/ちゃん/お兄さん)
* * *
* * *
* * *
本名:『フェアリープリンセス』で『フェアクイーン』の地位も継承予定(現在妊娠中)
*
* * *
* * *
*
* * *
***
年齢
:??年 4月24日 産まれ 15歳の時に……俺と結婚して子供を産んだ。現在妊娠中で安静にしている。
*
* * *
* * *
***
***
妻
:ニア(ニア様)
本名:『フェアクイーン フェアリープリンセス』
妖精王国の初代女王。俺の幼馴染でもある。竜人族最強の存在と言われている『竜神王ドラゴンロード』の力を受け継ぎ……竜神族としての力を手に入れた少女。『フェアリーキャッスル』にて俺の妻になり暮らしている。『妖精族』の中で、ニアの次に能力が高いので『フェアリークイーン』の地位も継承する事になっている。竜人族の中でも『竜王種』に進化していて、その実力は『龍神族』を凌駕するほどだそうだ。普段は大人しくしているが、キレると手がつけられないらしい。俺との相性が良いらしく、『俺とだけ結婚出来る特別な相手』になったのである。
俺との相性が良いらしく、『俺とだけ結婚出来る特別な相手』になれたのである。
父
:リューク・ドラゴード・フェアリー
(ドラゴニュート/竜人種)
母
:??年 4月24日 産まれ 15歳の時に……俺と結婚して子供を産んだ。現在は妊娠五ヶ月目に突入中である。妊娠しているため現在は安静に生活中だ。俺との相性が良く、『俺とだけ結婚出来る特別な相手』になれた。
父
:リューク・ドラゴード・フェアリー
(竜人種/黒翼の民)
(※『フェアリーワールド物語』本編ではまだ登場していない人物。妖精族最強で最恐な男である。)
(俺の伯父にあたる人で……妖精族の族長である『フェアリークィーン』を守護している。)
母
:リュシアーネ(旧名リシアーナ)
(※本編には名前のみ登場する。リシアーナの双子の姉。黒髪黒目のエルフ族の少女でニアの母になる。)
名前
リリイ 愛称:リリア 種族 エルフ族 18才→18歳 エルフ族 身長160cm 容姿端麗、黒髪セミロングヘアーの癒し系の美少女で……俺のメイド。『エルフ族』の議員である。
『精霊使いの巫女姫』で精霊術師である為、俺とは契約している。俺が不在の間は、妖精王国に滞在してもらって妖精達をまとめてくれるようにお願いしてある。リリイは妖精の国と俺が居る国とで二重の生活をする事になった。リリイの精霊力が俺との契約で、大幅にアップした事で……リリイと契約している精霊達は皆……超強力になった。リリイの契約する全ての上位精霊の力は俺よりも強い……。俺が留守の時はリリイ達が国を守る事になっている。俺はリリイが国を離れていても安心して出掛ける事ができる。妖精族にも頼れる人が出来た。これから先……国を離れる時でも心配はないようだ。
*ミミリラのニャムリ(愛称ミリム)愛称ミミル 年齢不詳(外見10歳程度?)猫耳尻尾の猫妖精族。俺の専属メイドで俺の料理番長を務めている。
名前 ミミリラのニャムリ性別:女
種族:猫妖精族(妖精族猫型※獣人種とは違う猫妖精族は、猫型の耳を持つ女性のみの猫人族。猫妖精族の男性は、猫の妖精『ケット・シー』として分類される)
体力(HP):50(猫)
+5000(猫妖精族)
魔力(MP):20(猫)
+2000(猫妖精族)
物理攻撃耐性(特防):20(猫)+500 魔法攻撃耐性
(特防):50(+1000+3000+500+5000+10000)
最大敏捷補正値(俊速):25(+10+500+1000+5000+10000+500+500+1000+1000+1000+1000+1000+1000+500+500+1000+500+1000+500+500+1000+500+1000+500+1000+500+1000+500+1000+1000+1000+1000+1000+1000+1251+2500+3600+13500+18000+19999999+26000 スキル 【恩恵】『限界突破』『言語変換』『剣術Lv6』『槍術LV5』『棒術LV4』『体術LV4』『隠密LV5』『罠解除LV3』『魔術付与(武器)LV5』
『アイテムボックス共有化(2つ)』『無限鞄(1枠)×3個所持』『アイテム作成(薬)』
固有スキル
『無詠唱』『絶対感知』『神回避』
一般技能 掃除、洗濯、裁縫、料理、子守(new)、洗濯板使用(new)
称号『ネコ大好き』効果
:ステータスが10%上がる(通常時の二倍上昇)→『動物大好き(小new)
動物が好きすぎて、好感度が上がりやすい』
*パルパ(愛称パト)愛称:パフィ
(鳥人)
種族 インコ科コンゴウチョウ目
(キンカスズメダイ亜紀線属)
(亜種)
体長60センチ 体長70センチ 翼開長100~120センチ 体高40~55センチ(羽を広げて)
体重4キロ(羽毛を含む重さ4キログラム前後、骨格だけの軽い鳥)
年齢13(人間で言うなら12歳相当)
誕生日7月17日(俺と双子座の日)←この世界では太陽神アルテナスの誕生日で祝う風習あり。
性格はお調子者 悪戯っ子 チャラ男でナンパ好き。
一人称 ボクちん(俺っ娘)
俺の事をお兄様と呼ぶ
髪色:緑青色(ライトグリーン)瞳色:ブルーアイ 特徴 可愛い系の顔 身長158センチ(人間基準だと15歳でも少し低いほう)
(俺が創った鳥人の種族で、元々別の世界で住んでいた種族だが、こちらの世界の人間がペット用に捕獲していたようで、捕まえられて飼われていたが逃げて来たらしい。
野生の生き物を捕獲するのは違法行為であるが、こちらの人間はそんなのおかまいなしでやっているのである。捕まったら殺されるのが殆どだそうだ)
(ちなみに元の世界でも希少種の『セイレン(オウム)』という種類の鳥だったが、人間の乱獲で数が激減し絶滅したと言われていた)
両親健在で、妹もいるそうです。
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俺が『鑑定』したのだが……『俺鑑定』の能力は相手の許可がないと見れないようになっていた。『俺』の許可制にしたからだ。『鑑定結果』を見てみよう。
*パト・マーティス 年齢14才・独身(俺より一つ上なのか?でも見た目はまだ若いよなぁ~まぁ俺もだけど)
職業
学生 趣味:ナンパ(女好きなのだ!俺には理解できない)
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家族構成 母一人、姉二人(姉妹)
父は病気で亡くなっている
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俺は『精霊の森』で『精霊達』の案内の元森を散策する事にしたが……何もない。
俺は精霊達に……「本当にこんな何も無いところにお宝があるのか?」
と聞くと……
『ありますよぉ~』とか、『もう直ぐですよ』等と言うのである。
そして暫く歩いていると……大きな岩が転がって道を塞いでいたのである。それを俺は見て……嫌な予感がした……俺はその大きい石を『風魔法』で上空へと浮かしてやった。そしたら……その下から何かが現れたのである。それは……土で出来たゴーレムのような物体だった。大きさ的には高さは3メートル位あるだろうか……。その石ゴーレムの後ろに更に小さな人影があったのである。
俺は咄嵯に……剣を抜き戦闘体勢をとった。しかしそこに現れた人影は俺の想像を絶する人物なのであった。なんとその人影は、俺が知っている人物だった。そうなのだ、そこには、この国の王女である『フェアリンティア・ドラゴード・ドラゴーディア・フェアリーパレス』通称フェアリー王国の王都『妖精王国』国王の娘で、俺の嫁の一人である妖精族の女王でもある……ニアの姉貴分で……俺の妹分である……。ニアのお姉さんで、ニアの母親違いの姉に当たる方なのだ。ニアと同じ黒髪で長い髪、腰辺りまでの髪を三つ編みにしている。年齢は18才の美少女で身長は150cmと小さい。(※『俺の花嫁達 特別編 第2章参照)
俺が今いる場所は……妖精族の住む国『妖精国』の王都である『妖精王国』の『フェアリーキャッスル』の傍で、『フェアリーランド』の近くだそうな。俺にはその場所は全く分からない。何故この場所に来れたかという事なんだけど、俺達が転移した場所が、俺が最初にニアを連れて来た……妖精族の国『フェアリーキングダム』のすぐ近くにある山道だったようだ。そして、俺達の気配を感じ取ったフェアリー王国の女王『フェアリーン・ドラゴーディア・ドラゴレーゼ』こと『フェリル』が……ニアの母『リリアンネ』の出産に立ち会い、産後で疲れた身体を引きずるようにしながらニアを探しているときに、丁度近くを通りかかったらしい……それで俺の『俺の嫁』である事を確認できていたらしく……俺の捜索依頼を出していたみたいで……俺を見つけ次第、連絡を入れるようにと指示が出ていて……俺の事を待っていたらしい。
そこで、この人……女王『フェアリー・ドリアード・アルティメシア』と……妖精族の兵士数名と護衛の騎士達と一緒にいたようなので……俺は挨拶をした。彼女は俺に対して、凄く緊張しているのがわかる。俺は彼女の名前を知らないし、彼女に至っては知らないはずである。だって会ったの初めてだからね。
俺が彼女に……どうして俺の事を知っているの?と聞くと……俺がこの世界の『最強存在(神にも匹敵するほどの存在)になったから……それもあって探すように指示が出てるので、すぐにわかったのです。」
と言われ……俺は苦笑いしか出来なかった。確かに俺の存在は有名でこの世界で知らぬ者など居ないとは聞いていた。
俺が妖精国へ来る時に、ニアの母親の『妖精族リリアンヌ』の容態が急変した為急いで向かった。俺が行った時、既に産まれたばかりの赤ん坊『妖精国』王妃『フェアリナ・ドラゴナー』の意識は無かった。『リリアーナ』の時とは違い出血量が多くて危険な状況だった。その時の妖精王の態度があまりにも不甲斐なく見えてしまい、腹が立って仕方がなかった。だから俺は怒りの感情のまま『完全治癒』を使ったんだ。その後妖精王が平謝りしてきたのである。そんな事がこの世界の歴史には残っていて、『俺伝説』(勝手に命名したw)となっているのだそうだ。俺としては……あまり嬉しくない話なんだよね。
それから俺達は妖精国へ向かった。俺が案内された部屋には『フェアリードラゴン』の子供が2頭いた。
その1頭が子供なので女の子かなと思ったら『性別』が無いらしい……ただ単に成長すれば女性体に変化するそうだ……不思議な生き物だ。
2頭とも、俺を見るなり威嚇して噛み付こうとしてきたので、 慌てて止めると、「我に歯向かうとは生意気じゃのう!」と言って俺が頭を撫でたら落ち着いた。『妖精族』の言葉は『念話』を使えば理解できるので意思疎通が可能になっていたので、言葉は問題なかった。俺に攻撃しないように伝えてから抱っこして、2頭に俺の事を自己紹介したのだが……警戒されて近寄らない。どうしようと思っていると『ミルキー』が2頭のところへ行き、自分の背中に乗っていた羽根を片方外した。そして……「ほーれ!!お前達のママだよぉ~!!」と言って俺の目の前に置いたのである。そうすると……その『ミルキーの赤ちゃん』が恐る恐ると近づいてきて俺の腕の中に入ってきた。そう……俺に懐いてくれたんだよ!俺は思わず笑みがこぼれた。そんな光景を見た他の妖精族は大喜びしていて……
「流石私の自慢の息子だねぇ〜」
とか言って喜んでいたのだった。俺は、そんな妖精達を無視して『フェアリンドール』と名前を付けたのであった。
そして妖精王も交えて今後の事を相談することになった。
フェアリー王国は、『精霊王国』と同じく自然豊かでとてもいい環境の国だった。『精霊』の力が使える国民ばかりで、農作物も実っている状態であり、生活も困ってはいないそうだ。
俺は、『フェアリルの森』で『フェアリー族』の生活を見させて貰っていた。
その中で俺は気がついた。『フェアリーの森』には薬草の類が少ないのだ。
その理由を聞いてみると『フェアリー族』にとって薬は必要ないので作るという発想がもともと無いようだ。俺はこの世界に『錬金術師』がいても、この世界には『回復ポーション』『蘇生剤』のような物はないのかもなぁ〜と思って聞いてみたが、『回復ポーション』とか、『蘇生液』は存在しないらしい……。この世界には無いようだ。まぁ……『魔素』や『魔力』、『マナ』といった概念もないわけだしね。
『魔法』の概念があるのか疑問に思って聞いたのだが……『妖精魔法』が存在するらしい。『妖精魔法』とは何なのかを聞いたが、これは教えてくれない。
『魔法の力を借りて現象を発生させる。ただし、精霊の力を頼らず、自らの魔法力で起こす魔法が『妖精魔法』である。故に、妖精魔法を使うものは妖精使いと呼ばれている』
という説明で終わってしまったのである。
まあ俺としても……『魔法』なんて使えないから、あまり興味がない。俺はこの『フェアリーの森』で……薬草畑を作ることにしたのだ。そうしないと『フェアリン王国』が『食糧不足』に陥るから、俺が作ろうと思うって言ったのである。そうじゃないと……『フェアリー王国』が滅亡するからだ!妖精達って……基本食わなくても死なないようだが、食事は普通にする。でも、肉を食べたりすると、野菜が食べられなくなるそうだ。まぁ、植物を食べる必要はないんだけど……習慣で食べてる感じらしい。
俺は早速行動にうつったのである。そう、土の『妖精魔法』を使い地面を掘り返して『腐葉土』を作ってそこに『根菜』を植える事にしたのだった。『種芋』が見当たらなかったので、『妖精の加護』により芽が出たものをそのまま植えていく。『種』になるようなものを俺は持っていないし、『妖精の粉』ではダメみたいだからね。
そして、『妖精の種』で『苗床』を作りそこから一気に育てる作戦を実行したのである。
この作戦で……『フェアリー王国』の『フェアリーランド』で売られていた食材を安定して生産する事が可能になったし、『フェアリーランド』は、お土産品を売っている場所だったから、そのお店は潰さずに、お店で使う材料を生産して貰える事になり、その材料は俺が提供した。『フェアリー王国』で作られている物は、全部俺が提供する事になるが、元々俺は……料理が好きで自分で色々な物を作っている。俺の持っているスキルの中には……【栽培マスター】があるので、その能力で育てた作物は全て高品質の物に変わっていくため、『フェアリンランド』で売る商品は高品質の『妖精農具』と『フェアリー王国産新鮮食材』になったのである。『フェアリー王国産新鮮素材』に関しては……『フェアリー村』に加工所が出来ているらしくそこで調理出来るようなシステムになっているそうだ。その調理器具と調味料と食材は……全て妖精国で作らせて欲しいと言われたが、別に構わなかった。俺のスキルを使えば簡単に作れるのである。『フェアリー王国産妖精材』で家具を作ったりとかも出来るので、妖精達が喜んでくれているならよかった。俺は、『フェアリー王国産素材』で新しい道具を作ることを思いつき……あるアイテムを作り出してしまった。
この世界には、『錬金釜』と呼ばれる『錬金台』があり、『魔道具 作成者固定』の効果を持つ『錬金術用専用魔道具』なので俺以外に扱える人がいない代物である。これを『フェアリー王国の職人さん』に渡して使って貰う事にしたのである。
これでこの世界の技術レベルを上げる事に成功して、妖精国の経済事情を改善しようと計画したのだ。妖精国は農業国なので、農業が盛んで農作物の流通量が凄く多かったけど……今は俺が作った物を『フェアリーランド』で買って、それを『妖精王国民全員で分ける』ような体制が構築されていたので、この世界には『お金』というものが存在しないらしい。
この世界でも、一応は通貨はあるみたいなんだけど……この世界独自の『コイン制度』なのだそうだ。だからこの世界の人達に、俺の造る『貨幣』で買い物をさせる予定なんだよね。この世界の人達は、『硬貨の仕組み』がわからなかったり理解できなかったりして混乱していたんだ。
だから、俺はこの世界の通貨と両替するための機械を造ることしたのであった。俺が造ればどんなものでも一瞬でできるからねw それから……俺がこの世界に持ち込んだ『レアメタル』『貴金属類』『宝石』などを使って、妖精達の為に、宝飾細工のお城を作らせてあげることにしたのである。この世界の住人達はみんな可愛いんだが……やはりこの世界で生きて行くのに、『おしゃれ』というのは大事だと思ったのである。だから妖精達の服や装飾品をこの国でも流行らせることにしているのだ。俺がそう言うと……妖精王は感動の涙が止まらなくなっていたw俺にお願いされて断れない状態だね。俺に言われた事をやるだけなのにさ……。まぁ〜そういう訳だから、まず妖精族の女性達に、妖精族用のドレスを着せてあげて似合うかどうかチェックしてから、デザインを決めて俺がデザインした服を作るように指示を出してあげたのだ。そうしないといつまで経ってもこの国に『洋服文化』が浸透しないからねぇ。
それから、俺がこの世界で作った服は、すべて『妖精製ブランド』で統一する事にした。『フェアリルランド』の妖精達は大喜びして喜んでいたのだ。この『妖精製の洋服』は『フェアリーランド』の人気の名物になるのであった。ただ、人気が出すぎても大変なので『限定品』にする予定なのであった。そうでもしておかないと、すぐに売れ切れになってしまう恐れがある。俺の想像以上の人気があるからだ。ただでさえ、可愛らしい見た目をしている妖精族に、『フェアリンドール』のような子供の姿だと更に人気があるようだ。まぁ……子供サイズなので……大人サイズのものを着るわけにもいかないのだが……。まぁ、子供服の専門店が出来るぐらいに人気があるようだ。まぁ……俺には関係のない話だ。
この世界に来てまだ間もないのに俺の頭の中には『俺の店』をオープンするという計画が既に出来上がっていたのである。俺の中では……『俺の国』が欲しい! そして、その国の『妖精族の国』として認めて貰い、この世界を制覇する!!そして……この世界に召喚された勇者にこの世界を任せる!!そんな感じで計画を組み立てていったのである。俺が考えている事が実現可能な計画かどうかはわからない。ただ……俺にはやりたいことが沢山あり過ぎて、優先順位を付けて物事を整理する必要が有ったのだった。俺は……妖精達の住む『フェアリー王国』を発展させて、妖精達のためにも……この世界に生きる全ての生物が幸せになるような国を作っていきたかったのである。それが俺の夢でもあるし、理想の世界でもあったので……俺の野望はこの世界を手に入れる事ではなく、妖精と動物と植物が共存する世界を創りたいのだ。俺はこの世界に来たことで……この世界に召喚されてしまった人たちを助けようと思っているのである……。
しかし……この世界にいる人間達がどういった奴等なのか俺は知らなければならないだろう。
俺は、今現在自分のステータスを確認することにした。そうすれば自分がどんな能力を秘めているのかわかるはずだ……。俺はこの世界に来て、初めてこの世界での能力を知ることにしたのだった。
==◆
『黒影 ダークネス・シャドーマスター(憑依)
』
『神滅の九尾』に変身すると、暗黒の騎士の装備一式を身につけることができる。ただし、変身後の服装には暗黒の力が宿っているので、闇属性以外の魔法は全て吸収してしまうという特性を持つ。また暗黒の力を吸収している限りは、常に魔力が上昇し続け魔力量の上限が上がる。魔力の上昇により『神器 創世の聖槍』を使うことができる。そして……この状態では……『闇の力を操る能力』が使えるようになる。また、『魔力回復速度超上昇』、『魔法耐性貫通』、『魔法反射』、『魔法攻撃威力倍加』、『魔法防御無効』、『魔力吸収』、『武器強化』などのスキルを同時に使用することが出来る。
===
俺が確認してみた結果……俺は、『憑依』の状態の時に、他の人の身体を自由に使うことが出来るようだ。まぁ……それはなんとなく予想していたが……『憑依』した時って……俺は意識があるのか無いのかわからない状態になるからねぇ……。これはあまり使い道のない能力かもしれないけどね。あと、『憑依』の時は、自動的に装備も変化するようだ。『神の鎧』のほうの能力はこんな感じだった。そして『憑依』のもう一つの能力も確認できた。それは、スキルを『複製』することができるという事だ。しかも、『神の鎧』の能力により『コピーペースト機能』がついているから、『スキル』をそのままコピー出来るみたいだった。つまり……同じ名前の違う魔法を発動する事が可能になる。
俺は早速『魔法の袋』の中に入っているスキルの中で、俺が使えそうなスキルを選んで『スキルコピー機』を使ってみた。すると……俺の手の中にその魔法が入ったのである。俺は試しに……スキル『ファイヤーボール』を詠唱した。
「燃え上がれ!『ファイヤーボール』!!」……発動しなかった。そして……スキル『ファイヤーシールド』を詠唱して……盾をイメージする。……そして発動したのである。この魔法は、火と風魔法を組み合わせたものだから、魔法を組み合わせないとその現象が起こらないのだ。だから『複合魔法 ファイアーウインド』をイメージする必要があるが……普通はそこまで考えていないので魔法は発動できないのである。俺の場合、魔法陣や詠唱が使えないため『複合技 コンボ魔法』が使わなければならなかったのである。俺のように特殊な方法で使う場合のみ、その効果を発揮する事が可能だ。
俺はこの『複合魔法 コンボ』をマスターした事により、色々な種類の魔法が作れるようになったのだ。まぁ……今のところ、使う機会がないがね……。俺の使う魔法の大半は、スキル『創造主 クリエイターマスター』とスキル『魔道具 作成者固定』で作れたりするんだよねぇ〜。それに……魔法自体使う必要がなかったり……。まぁいいかw この『魔法の袋』の中には、俺が作った様々な物が入っている。その中には当然俺が作った『錬金釜』も入っていたのである。そしてこの中には『フェアリー王国の特産品シリーズ』で作成したアクセサリーや服などもあった。この世界には『錬金釜』が存在せず、そういったアイテムを作成する方法もなかったのだ。そのため妖精達が欲しくても入手方法がないので手に入れる事が出来ないのである。まぁ、作り方は簡単に教えてあるのでいずれ手に入るようになるとは思うが……。妖精達はみんな可愛いんだよねw 俺の造ったもので喜んでくれる妖精族達を見るのはとても嬉しいことだよね。俺って……『可愛い子には旅させろ』的なところがあってさ。自分で苦労して手に入れた方が喜ぶんじゃないかと思ったんだけどね。だから俺は妖精達のためになると思ったものは造ることに決めたのだ。俺ってお人好しなんだよねwww それから俺が造ったものは、全てこの『フェアリルランド』でも人気の定番商品となったのであった。妖精達は……この国の『フェアリーランド』でも有名になって行く事になるのだが、この『フェアリルランド』自体が元々妖精族の為の『妖精のテーマパーク』だったらしく……妖精達が喜んでいる姿を見ると嬉しかったのだ。
俺はまだ自分の『スキル』を全て把握してはいなかったが、大体の事はわかったと思う。そして……これから俺はどうしたら良いのか考えるのであった。俺の目的は、この世界にいる勇者達に、元の世界に戻るように言って……元の世界に帰還させる事なのだが……まずはその前に俺は、俺の知っている情報を伝えるべきだと判断した。この世界に来て間もないので、俺はまだまだ情報が足りないからね。この世界の事もそうだが、勇者達のことも知らないから……。俺はセイナ達と話し合いをしてみる事に決めたのである。俺がこの世界のことや俺が元いた世界にいた時に体験したことをみんなに話したのだ。みんな俺の話を信じてくれたようで……みんな納得してくれたのである。ただ俺としては少し複雑な心境だ……。俺が『勇者召喚 』に巻き込まれて、勇者と一緒にこの世界に来てしまったことをみんなが知っていたら……もっと俺に対しての見方が変わるのではと思ったからだ。しかし……この世界に召喚されたみんなにとっては……勇者達は俺と同じように、この世界を救う為に召喚された仲間ということになっているから……仕方がないのだ。俺はそう自分に言い聞かせたのだった。
ただ……『召喚された勇者達』についての情報は、ほとんど無かったようだ。この世界に来たのは、確か俺を入れて7人のはずだったから……。俺はそう思いながらセイナに質問してみた。『召喚の儀』の事を聞いていたからだ。すると俺の予想していた通りだった。やはり、俺以外は全員この世界で死んでしまったようだ。この世界でも死人が出てしまうなんて……本当に許せないな!!俺はそう思った。
それと『俺がこの世界に呼ばれてからの2年間』の事については、俺はよく覚えていなかった……。まぁ俺もかなり動揺していたからな。
この『俺のいる世界』が『暗黒神 ダークロード』が支配している暗黒世界であること。そして『暗黒魔神 ダークデーモン ブラック』が復活していること……この世界に『魔王軍』が存在する事などをセイナは俺に教えてくれて、俺が『この世界に呼ばれた本当の目的』がこの世界を救って欲しいということが告げられたのである。
しかし……俺にはどうしても疑問が残る。何故『勇者召喚』がされたのに……俺だけが生き残ってしまったのだろうか……という事である。召喚の魔法陣を『勇者召喚の秘術 』を使って書き換えたというが、そもそもその儀式はどういうものだったのだろう?俺が『異世界召喚 』の魔法を使う事が出来るようになったのは……『神の使徒 天使』のリーサと契約したからだが……その契約の魔法陣も召喚された『光の賢者 ルーシア』が『女神』の力を使って創り出したものだった。だからこの世界の『女神 リリア』が使えるはずのないものだというのがわかる。
そうすると、なぜ俺が生き残ったのかわからない。俺はセイの言葉に違和感を覚えたのだ。そしてセイは言ったのだ。
「和人様は、『神の使徒 天使』の『闇の力を操る者 ダークナイト ソフィア』様に守られてましたから……。ですから……私にも詳しいことはわかりません……。ごめんなさい……。私が言える事はこれぐらいです……。」と言ったのである。俺は、「うん。ありがとう。よく俺を守ってくれたんだね。今は、俺も無事だし……。気にしなくていいよ。それに俺もまだ完全に状況を把握しているわけではないから……。俺もセイには感謝しているんだよ。」と俺は答えたのだった。俺は今、自分なりに考えていることがあった。『魔王』を封印するためには……『魔王 』を倒す必要があったはずなのだ。そして『暗黒神 ダークロード』は復活したばかりで、魔王を操っているということはないとセイは言っていたのだ。だとすると……セイの言うとおり『俺が呼び出される前の2年間の間、勇者達はどうやって『暗黒神 ダークロード』と戦って来たのか?という事が謎なのである。『魔王』を倒せたなら……。その後、『暗黒神 ダークロード』はどうなるのか……。『魔王』を倒してもすぐに復活してきてしまえば……それはもう倒す意味が無いからな……。それならば、なんの為に俺達『召喚された勇者』はこの世界に呼び出されたのか……ということになる……。俺はそんな事を考え続けていたのだった。
俺の知っている限り、『勇者』と『女神』には特殊な力が宿るとされていて、どんな願いも叶うとされていたはずだ……。それが『暗黒神 ダークロード』を封印する事が俺達の目的という事なのか……わからないけど……。まぁとりあえず俺がこの世界にやってきた時のことを整理しよう。俺は『スキル創造 クリエイター』を使って俺の記憶と能力を確認しようとしたのである。そして俺は気が付いた。俺はステータスを見ることができなくなっていたのだ。
「【鑑定】!!!!!」
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(名):ユウト・アキヤマ
種族 :人間(?)
年齢:15才
職業 :『魔道具 作成者固定』スキル保持者 Lv.85 Dランクスキル
『スキルコピー』
ユニークスキル 〈無詠唱魔法〉《全魔法属性》《魔導師 マジシャンL v.3》 オリジナルエクストラ魔法〔精霊使い テイマー〕 ユニークエクストラ魔法〔錬金釜 調合士 錬金術師 L v.1 錬金術 調剤師L v.2 薬師 メディシンマスター 医者 ドクターLv.2〕 通常スキル 《スキル効果上昇 レベル10 MAX 効果上昇 マックス 効果倍増 アップ UP》 ノーマルエクストラスキル 〔全言語翻訳 レベル8 MAX 意思疎通可能言語数 上限解除 レベル3UP 3ヵ国語まで可能〕 レアエクストラスキル ノーマルスキルはスキルマスターが使えば熟練度が倍になるらしいが……。それでも、スキルマスターで使う場合と使わない場合では、効果の差はほとんどない。スキルマスターの恩恵の方が大きい気がする……。そして……エクストラはマスターすれば効果が格段に向上するようだった。そして、ユニークの方の効果は俺がこの世界で手に入れたスキルだった。
そしてこのスキルをコピーできるみたいだ。
そして俺が持っているユニーク魔法は5つあった。その中の『魔法付与』のスキルを使った事で俺のステータスに変化が生じた。『魔道具作成』はどうやら魔石や宝石などを媒体にして、魔法の武器や魔道具を造れる魔法のようなので、俺は自分の魔石を錬金釜で錬成して造ることにしたのである。俺は魔石を錬金釜に入れる前にイメージをする。
俺が造りたい物を具体的に頭に思い浮かべながら魔力を流すのだ。俺は『魔法の杖 』を思い描いていた。
『魔法錬金 クリエイト』
俺が呪文を唱えるように心の中で念じながら発動すると、錬金釜が光輝きだす。
そして錬金釜の中には杖の形をした『アイテム』が出現したのであった。俺は出来上がったばかりのそれを手に取る。
俺が想像していた通りの物ができたのだった。これは『魔法の杖 マジックロッド』という魔法増幅器だったのである。『マジックエンチャンター』の俺にとってはかなり強力な武器になった。
俺の作ったこの『マジックロッド』には『魔法の杖』としての機能があるのだが、それ以外にも色々な機能が備わっているのである。
まず、持ち主のMPの自然回復速度を上げる『回復増加 HPリカバリー』、この能力は、自分の体力の最大量を底上げしてくれる。最大体力の数値を増やす効果があるということだ。さらに俺がこの杖を使う時に唱えれば俺の身体能力を向上させる『強化魔法 パワーエンハンス 』が使用できるようになっていた。この強化魔法は攻撃力だけではなく防御力も上昇させることができ、また敏捷性などすべての能力を向上させてくれる優れものだった。
そして……この魔法の杖の一番の特徴は、この杖を持っているだけで自動的に攻撃魔法が放てるのだ。しかも俺の意思とは無関係に……。だから俺は常に魔法を使う事ができる。『魔石』や『魔核』などのエネルギーを充填しなくても魔法が放つことができるのである。この杖は『マジックコンロ』の機能も兼ね備えていて、魔法で火を起こしたり水を沸騰させたリ、調理もできたりするのだ。さらに……『魔法の矢』を放つことも可能なのだ。だから俺は戦闘の時にかなり重宝したのだった。『魔法使い マジカルウィザード』の能力もある俺は特に問題なかったけど……。この世界の住人は『戦士 ウォリアー』と同じような装備しかしていない。俺は『盗賊 シーフ』として戦ってきたが……俺のように剣以外の武器を扱う『侍』とか『剣士』とかもかなり珍しいのだ。だから、もしこの世界で生きて行くとしても……あまり目立つのはまずいだろうと思うのだった。この世界に俺を知っている人はいないかもしれないが、もしもの事を考えて俺は慎重に行動するべきなのである。この世界の人たちから見れば、おそらく俺の強さはチート的な感じなのだから……。俺が本気で戦うと世界が崩壊しかねないだろうし、そんな事はしたくない。俺は今まで『異世界転移』してから一度も本気を出すことなく戦いに勝っていたのだ。それは……相手が弱かっただけだけどね……。
でもまぁ今は……『勇者』達の情報を知ることが最優先だと思うから、できるだけ目立たないようにして行動しようと考えたのである。しかし……俺のこの考えはすぐに間違っていたという事に後々気付かされたのだった。『俺のいるこの世界』に来て、初めて訪れた町で出会った女性…… その女性は冒険者の『リーゼ』と名乗ったのだ。
俺は『暗黒魔神 ダークデーモンブラック 』の呪いを解く為に旅をしていて、この町に立ち寄ったのだと言うと、 そのリーゼという少女にいきなり抱き付かれてキスされたのだ。
俺には何が起きたのかまったく理解できなかった。
俺の意識の中ではほんの数秒の時間が、現実世界の時間に換算すると何日分も経過したかのように長い時間……俺はその唇の感触を味わってしまったのである。
その時間はまるで永遠であるかのごとく……その柔らかい彼女の温もりを感じてしまっていたのだ。
そのリーザって子は一体どういう女の子なんだ……。
そう思ってしまう程俺は混乱してしまったのである。彼女は俺がこの世界にきて初めて出会った人でもあったし…… それにしてもなんという美少女なのだろうか……。俺は思わず彼女を抱きしめ返そうとした時……。
「和人様……。」と声をかけられて我にかえったのだ。そういえば俺は今、『聖都 ホーリーパレス』に来ているんだったと思い出したのだ。
「和人様。私と……お付き合いしていただけないでしょうか?」と言われてしまったのである。俺は正直困っていた。なぜなら今の状況で、彼女と恋人同士になるというのは得策ではなかったからである。俺は今すぐに、俺をここに呼んだであろう人物と会わなければならないと考えていたからだ。
それに、彼女はまだ子供じゃないか……と思った。まぁ見たところ15才前後だとは思うが……こんな小さな子を俺の恋愛対象に見るのはどうなのかとも思っていた。
確かに……俺は、前の世界では結婚してたんだけど…… この子よりは、もうちょっと大人っぽい…… そう!年上の女性が好きなのだ。見た目ももう少し成長してて欲しいと思っていたのである。
まぁ俺好みの胸の大きさではないのは事実なんだよな……。そんなことを思った俺がそんな事を考えていたら、リーゼちゃんはさらにこう続けたのだった。
俺の心を見透かされているような……俺にとってはドキッとする言葉であった。
俺が……自分の心を閉ざしていたことも見抜かれていたみたいだったのだから……。
俺はこの子に何も話していないのに……どうしてわかったんだろう?そんな事を考えながら……彼女に返事を返した。
そして……俺は『暗黒神 ダークロード』について詳しく調べるために、この町の冒険者ギルドに向かったのである。
俺のこの『ステータス』ではわからないこともたくさんあるのは確かなのだ。
俺のステータスは……俺が持っているこの世界に来る前からの記憶が封印されていて、『勇者』達と戦った記憶も封印されてしまっているからなのである。それはなぜかはわからないけど、俺をここに送った人物が俺を邪魔だと思っているのは間違いないようだった。なぜ俺を消さないのか不思議なくらいである。それほど危険な奴等だと思われるからだ。『魔王 デビルオブマスター』という魔族の長が俺達の前に現れたらしいのだが、その時の戦いの時のことはよく覚えていなかった。俺達はなんとか勝利したみたいなのだが、どうやって倒したかも全く思い出せないのだ。俺はその時に、自分の身体の異常さに気が付いていたのだった。俺は自分の意思で動くことが出来なくなっていて……完全に誰かに支配されていたという感じだったのだ。その証拠に、その戦いに参加した仲間達の顔は全員忘れているようだった。『勇者』達の仲間の顔さえも思い浮かばなくなっていたからである。唯一俺と一緒に戦った仲間であるユイは、あの事件以来俺の事を完全に信用してくれるようになって、今では親友と言える間柄になっているのだが……その他のメンバーは、誰一人俺が覚えていないのだ。『勇者』達に倒された『魔族 魔導師 マジュナス』も、俺が殺したはずの『大賢者 ハイエルフ』の『セイ』でさえ……俺は顔を思い出せないのだ。そして俺は自分自身の力も上手く制御出来ない状態が続いていたのである。俺が使えるスキルの中に……自分や味方の体力を回復させる『体力回復 リカバリー 』があったのだ。俺自身この『リカバリー』を使ってみたら……信じられないことが起こったのである。
この『リカバリー』という魔法は俺の魔力の最大値の10%しか使えないようになっているのだ。俺のステータスの数値は『510 MAX999』で俺はその魔法を使える。俺はレベルが上がっていくうちに……その魔法の消費魔力量が増えていったのである。『100』までなら俺は普通に使うことが出来るのだ。しかしそれ以上に魔法を使えば、その魔法を使う度にどんどん減っていくのだ。この魔法は魔力の最大量を増やす効果があるが、最大魔力の量を増やすのでは無いのだ。つまり、自分の能力以上の魔力を使う事は出来なくなるのである。
『リカバリー』の魔法を使い続けていれば、俺は自分の能力を制限されて……俺の能力が発揮できないようにされてしまうという恐ろしい魔法だったのである。この魔法を使う事で……俺は自分が弱体化されていくという感覚に襲われてしまったのだった。俺が『闇精霊 ダークネススピリット』と契約を交わせたのもこの魔法のおかげでもあるのだ。この魔法の力によって……『闇』との契約が可能になったと言っていい。そして、俺が持っていたユニーク魔法の中でこの魔法の効果を最大限に活かせるようになった『闇魔術』だけが残ったのだ。
しかし……『リカバリー』の魔法を解除する方法もあった。
それが……
『回復無効』というユニーク魔法の発動である。これはどんな回復系の能力であっても……回復する事ができなくなる。そして『リカバリー』の呪文は無効化される事になる。俺が発動する事が出来るのは、あくまで体力の回復だけだが、もし体力の消耗を防ぐ回復魔法があれば『リカバリー』が発動する事ができない状態になるのだ。俺はその事を知らなかったし、試すつもりもなかったのだ。
もしこの『回復魔法 リカバリー』の『魔石』などを持っていなければ……おそらく『暗黒神』の呪印の効果は防げなかったはずである。この『魔道石』にはそういった機能が備わっているようだ。
だから俺は……自分の力でこの『呪い』の『解き方』を見つけ出さなければならないと考えているのだ。しかし……今の俺はこの呪いを自力で解く方法がわからなかった。
俺の【呪い耐性 】のレベルは上がっているのに、俺はこの『魔石』の力で、俺の体に入り込んでいる『呪い』の効果を抑え込むことはできていたが、俺自身がその呪いの力を解放しないとこの呪いが解けることはなかったのだ。俺は呪いを開放するための『キーワード』が何かを探し出す必要がある。その『キーワード』を知れば、俺はこの呪いから解放されることになるはずだからだ。
でも俺は、今はこの少女リーゼちゃんの恋人のフリをするのが優先すべきことだと思うから、恋人ごっこをしてみる事にしたのであった。この子の正体もまだよくわからないままだが…… 俺は今すぐに『ダークドラゴン ドラちゃん』に会わなければならないと思っていたのだ。この子の目的がなんなのか……そして『勇者 シン』達がどこに行ったのかを知る為に……。この子とデートしながら、情報を探ってみるしかないと考えたのだった。俺はこの少女の気持ちを傷つけない程度に、優しく対応した。しかし……。俺はこの子との本当の恋人同士の付き合いなんてしたことが無いから、この子が何が好きなのか全然わからないし……。この子は俺のことをどう思っているのかさえ……よくわからないままだった。
とりあえず俺達は『竜の神殿 』のある『竜王の森 神域』に向かう事にしたのである。俺とこのリーザちゃんと二人で一緒に行動するのは危険だと判断したのだ。それに……リーザちゃんはどう見ても『冒険者』にはとても見えず、俺が助けるまで……かなり衰弱していたように見えた。しかもリーザという女の子の格好はかなりボロボロになっていて……所々に汚れのようなものもついていたので……もしかするとどこかでモンスターに襲われたのかも知れないと思い、リーゼちゃんに聞くと……彼女は「私……『聖都 ホーリーパレス』で冒険者をしているのよ。」と言うのだった。
この子は一体何を言っているんだろうと思った。こんな子供が一人で冒険者になれるわけないし、この町に来たばかりだからこの町の情報がまったくないのでわからないけど……この子がこの町の人間なのかどうかもよくわかっていなかったのである。
『勇者シン』と行動を共にして『ホーリーパレス』にいるのではないだろうかと、思った。そして俺は『ホーリーパレス』に行く為、まずは『冒険者ギルド 神聖教会 支部 神聖教会本部』に向かっている最中だったのだ。
この子の言葉をそのまま鵜呑みにして、彼女の言う事を聞くべきだったのだが…… どうしても、この子に違和感を感じる部分があって……。
もしかするとこの子は『勇者 シン』の仲間の誰かで……俺の居場所を聞き出して襲おうとしていたのかもしれないと思い、慎重に接していたのである。まぁ『神格』が解放された状態の俺にとって…… こんな小さい子相手に後れを取ることはないんだけど……俺は、彼女と一緒に『神域 聖都 ホーリーテラス』に向かっていた。俺達を尾行してくる存在を俺は感じ取っていたのである。
俺は彼女にこう話して、この辺りで一度隠れようと話したのだ。彼女は俺がこの『神眼スキル ゴッドアイ』が有ることを知っていても不思議がらずに素直に聞いてくれていた。彼女は俺を信用しているというか……警戒していない様子で、むしろ俺との会話を楽しげにしていた。彼女は本当に無邪気で……とても愛らしい笑顔を見せるのであった。そんな彼女の姿を眺めながら……。こんな小さな子を俺が守りきれるか心配になってくる……。そんな時、俺に『魔獣 ウルフリーダー』が現れたのだが……。そんな事より、さっきの俺を見ていた視線の方が俺にとっては気がかりだったのである。
俺はそんな気配のする方向に歩いていった。そこにはフードを被った人影のような物が存在していた。
俺はその正体を確かめるべく、『魔闘気オーラ 』を展開しながら近寄ったのである。すると、そのフードの人物の全身を覆うように、白い光が包み込んだのだ。それは『聖なる加護 ホーリーバリア』の魔法だと俺は瞬時に悟る。そしてその人物は、自分の顔を隠そうとして必死になっているのだろうが、俺は一瞬その素顔を見ることができた。俺は、その顔を見て驚いたのだ。なぜなら、その人物の顔は『白雪姫 ホワイトプリンセス』さんに瓜二つだったからだ。その女性は俺が見覚えのない人物だったので、俺はその女性に声をかけた。しかし、その声を聞いた瞬間……なぜか、俺はゾッとする感じになったのである。
なぜか……この女性の放つ言葉に俺は恐怖を感じたのだ。俺は慌ててその人の前に躍り出て……『神速移動 』を使って……間一髪で攻撃を避けることに成功したのである。この女性が発する波動に、まるで身体を縛られたかのような感覚に襲われてしまったからだ。この女からはただならない邪悪なものを感じていたのだ。しかし……この女性は、なぜ……『聖なる力』の防御結界を発動させてしまったのだろうか? この女性の正体は、何者なんだろうと疑問が頭に浮かんでくる。しかし今は、その答えを知っているような人物が側にいなかったのだ。なので俺は、目の前の女性から逃げるように離れて行った。その女性は俺を追いかけようとせずにその場で立ち止まっていて……何かブツブツと言っているようだ。俺はその女の人からできるだけ離れる為に移動した。そしてその女の人は何か呟くのをやめたかと思うと……今度は、急に大声で叫び始めたのだ。その叫びは悲鳴のようにも聞こえたのだった。
そのあとも、その女性の声はしばらく続いたのである。俺がその女性の様子を見ていると、その女性の足元に魔法陣が現れていて……魔法陣が光を放ったのだ。そして……魔法陣は地面に吸収されていくかのように消えていったのである。
俺はその光景に驚き、その女性の方に目をやると、その魔法陣が消えるのと同時に魔法を唱えた。その呪文を俺は聞き取ることができたが……あまりにも呪文が長すぎて……この呪文をこの人が唱え終わったらヤバイと、直感的に思ったのだ。この女性はおそらく上級魔法クラスの魔法を使ったのではないかと推測した。
俺はその魔法が発動する前に、この場を離れようとしたのだったが……遅かった。その魔法が発動し、眩いばかりの閃光がこの周囲を襲ったのだ。そしてその光の威力で視界が奪われてしまい、目が見えない状況になっていたのである。しかし俺には『闇視 ダークビジョン』という、この目が見えるようにする事ができるユニーク魔法を持っている。俺はこの魔法を使う事にしたのだ。
俺は視力を回復させ、この魔法の効果でこの周囲の状況を把握できるようになったのである。すると……
「ぐわあああぁー!!」
という、男の苦しむ大絶叫が俺の耳に入ってきたのだった。
この男のものと思われる断末魔はその後聞こえなくなった。そしてしばらくして俺は視界を取り戻したのだが……。そこで目にしたのは驚くべき映像だった。俺に襲い掛かろうとしていた、あの『白雪姫』そっくりの女性が倒れて死んでいたのである。
『白雪姫 』の格好をしている女性は『魔人族 』だった。『神域』で見かけたことが無いことから考えると、おそらく……他の世界から来た存在であろうと推測される。俺は、自分の持っている情報から判断しても、俺と同じ『神域 神聖教会』の人間ではなさそうだという事がわかったのだ。しかも、この『魔人族の女』は明らかに『暗黒神』の部下の可能性が高いのである。この魔人の女は、この神聖教会の本部に『魔道石』を届ける任務を与えられた部下なのだが……その魔道石を奪われ、殺されてしまっていたのだ。
おそらく魔道石を奪うために『神殺しの聖剣』を持ったシンが、魔人を操っている『暗黒神 ダークルギメル』を呼び出してしまったのではないかと思われる。『暗黒騎士モード』だったユートも、まさかシンが自分の仲間を呼び出すとは思っていなかったはずだ。シンと行動していた時にユートはシンが魔道石を奪い、魔人を呼ぶことを想定していなかったに違いない。『暗黒騎士』が『勇者 シン』によって呼び出すと、かなり強いモンスターが現れる事になるのだ。
『魔導石 マジュストーン』を使えば強力なモンスターを呼び出すこともできるが……それをしなかったのは、ユートに何か思惑があるからかもしれないと思ったのだ。それにシンとミルキーなら……シンの方が『勇者 』としては上だったはずであり、ユートよりも実力が高いのである。いくらシンでも『聖剣 ホーリーカリバー』を持つ『勇者 シン』に勝てるとは思えないので、この二人に任せておけば、いずれは『魔道の石』も取り戻してくれると俺は信じていたのである。
しかし……『暗黒騎士モード』の俺が倒してしまった場合、もしかするとこの世界のどこかで……とんでもない事件が起こる可能性があるのではないだろうかと俺は考えていた。『魔族 』と呼ばれる、この世界で暗躍している悪しき者共はこの『神域』を我が物にしようと、この『ホーリーパレス』を狙ってきているのは間違いない事実なのである。それを阻止するには、やはり俺自身が強くなってこの世界を平和にする事が一番いいと考えたのだった。この世界に転生してからというもの……俺自身も強くなりたいとずっと思っていたので……俺が魔人を殺めたのはある意味良い機会だと考えたのである。
この『神聖魔導士 セレナ・ホーリー・ミューズ 』の姿は……俺の前世の姿……すなわち、『神聖騎士ナイト』であった時の俺の姿でもあるのだ。だから、俺にとっても因縁深い存在である。『魔人 マジョナルデーモン』は、俺達の世界に現れた魔王軍の幹部で、俺達の仲間を皆殺しにした悪魔でもあった。その『魔人』を操っていた『闇の王』は『魔人 サキュバス』であったが、その『魔人』を俺達が倒し、倒した後にそのサキュバスは自殺したと『聖戦士の日記』に書かれていたのである。俺は『神域 神聖教会』が保管していた『暗黒書』に書かれてあった内容を詳しく読んだわけでは無いのでわからない事も多いが、そのサキュバスが死んでしまった後、この『神域』に別の『魔王軍 』の配下である『堕天使族 セイクリッドエンジェル』が侵入してきて暴れ回っていて大変なことになっていた事を思い出したのだ。この事から考えて……俺達はこの世界が『魔獣』や『魔人』に脅かされるのを防ぐという、大きな使命を持ってこの世界に来たのだろうと考えていた。『神聖騎士団』として……この世界に生きる全ての人々を守る為に戦おうとしている俺に迷いは無かったのであった。俺はそんな事を考えながら、この女性の亡骸を見て、心の中で祈りの言葉を唱えてから、俺達がいるこの場所から離れたのである。この『神域 神聖教会 神聖教会本部』にある『ホーリータワー』に向かおうとしたのだった。俺が今考えているのは、ユートがどうするつもりなのかだ……。
もし、ユートが俺達より先に来ていて……魔人と魔人に支配されている『神聖魔導団 ハイエルフ エターニア 』を操って『魔人』と戦っていたとしたら……。この女性が死ぬ前に言っていた、「ぐわあああー!!私の負けだ……。もう、この身体は使い物にならぬ。『神界 』に帰る事にしよう……。だが、お前達にこの私が殺されたという記憶は残させて貰うぞ!!そして、必ず復讐してやる!!」と、言ってた言葉は気になった。この女性は『魔人 』に憑依された状態でユートと会話をしていたようだったので、ユートがこの女性を殺した可能性もあるのだ。しかし俺の感じた限りではこの女性は間違いなく殺されてはいない。そう思ったのである。
『暗黒の騎士 ブラックナイト』だった頃の俺は『暗黒魔道士』や『暗黒神官』や『暗黒魔道兵 メイガスウィザード』などを操り、『闇魔族 』に『魔人 』や『邪鬼 オーガロード』といった強大な力をもつ者達や、『暗黒魔神』のような、この世界でもトップクラスの力をもっていると思われるモンスターをけしかけていた。その圧倒的な力を見せつけるように……。
この『神界の巫女 白雪姫』の容姿をしている女性は、確かに俺の目の前で死んだように見えた。それは俺自身が見た光景だったから、間違えはないはずである。俺がその女性を見ると……急に苦しみ始め……そのあと身体が震えだしたかと思うと……その女性に異変が生じたのだ。そして次の瞬間には、その女性から発せられる波動のようなものが変化し、邪悪なオーラを放ち始めたのである。この女性は急に何かに取り憑かれたかのように豹変した。その様子は……まるで誰かと入れ替わったように見えて仕方なかったのである。俺はその姿を見て、ある仮説を立てた。その女性の魂が、魔人に操られていて、何かをきっかけに魔人によって、肉体ごとその女性の人格が変えられ、邪悪な精神を植えつけられたのではないかという事を。しかし魔人の精神を埋め込まれたその女性の表情は、俺の目に狂いがなければ苦痛で歪んでいたのである。なので俺は、その女性が、魔人から支配される直前に「この女を殺すな。生かしたまま捕えろ。」という命令を受けていたのかと思ったのだ。俺はその女性の様子がおかしくなった事に違和感を覚えながらも、魔人に乗っ取られたのだと思い、この魔人は、俺が始末した方が早いと考え、暗黒の魔道スキルを使い、『死縛魔法 デスチェーン』を放ったのである。この魔法は相手を捕縛する効果のある魔法である。この魔法が魔人にかかった時……一瞬魔人が動きを止めたような気配を感じた。しかし魔人は、その後また俺の方に視線を向けたのだが、俺に対して殺意のこもった眼差しを向けたのである。俺は咄嵯に危険を感じ、魔人から離れることにした。しかし俺の動きの方が魔人よりも早くて俺は逃げることができなかった。そして、俺に向けて魔人が腕を伸ばしてきたが、俺はギリギリ避けることができたのである。しかし、魔人の攻撃を避けたものの、魔人が放ってきた謎の波動に俺が包まれてしまった。その波動を浴びた俺は体が動かなくなってしまったのである。
魔人は俺を殺そうとしたが……その時魔人は「動くな。抵抗すると殺す。大人しく私についてくるんだ。言う通りにしろ。」と言ったのだ。
俺が何も言わずに黙っていると、俺に向かって手をかざしてきた魔人を見て俺は焦った。その手からは黒いエネルギーの塊が俺に向けられて放出されたのである。俺は避けようとしたが……何故か体が全く動かないのである。俺に黒いエネルギーの塊が迫ってきていたのだ。その時に突然、俺の体の中に入り込んできて、俺の中にいた暗黒の力を使って暗黒の力で作られた鎖を作り、暗黒騎士モードになっていた俺を拘束したのである。俺はこの技に驚き……自分の体に【神光】を発動させ自分の体を治療しようと試みたが……。俺を包み込んでいた暗黒のエネルギーの膜により、自分の回復もままならない状況だったのである。
俺はこのままだと確実に殺されると悟ったので、『神域 神聖騎士団 神騎士 ロード ダークナイトマスター』の姿になり暗黒の剣で対抗しようとしたのだが、剣すら握る事ができないくらいに、その闇のエネルギーの束縛が強すぎて剣も振れなくなっていたのだ。そんな状態の中でもなんとかしようと必死にもがいたが、結局は……そのまま魔人の手によって気絶させられてしまい……意識を失ったのである。おそらく……魔人も俺の事が怖くなったから殺さずに捕らえようとしたのではないかと今では思うのだ。
俺は目が覚めるとそこは見慣れない場所で……周りをキョロキョロと見渡しても全く見知らぬ場所にいた。俺のいる部屋は広くて豪華な作りになっていて、俺が今までにみた事がないぐらいの大きなシャンデリアに照らされていて、その明かりのおかげで部屋の全体が見えたのである。壁は大理石のような素材でできた柱が等間隔にあり、とても広々とした空間で高級ホテルの大浴場を思わせるような場所であった。
そしてこの部屋の隅にはなぜかベッドが1台置かれており……そこに一人の女性が眠っていたのである。俺が近寄って様子を見ようとするが……やはり、なぜここに俺がいるのかわからなかったので俺はしばらく呆然と立ち尽くしていた。それから何があったのかを思い出そうとするが、魔人の放った暗黒の力を喰らい、気を失ってからの記憶がほとんどない。思い出せないのも当然だったのだ。俺自身に外傷があるわけでもなかった。そんな俺がどうしてここに連れて来られたのか……俺はその理由がわからず……途方に暮れていたのだった。
しばらくして……先ほどまで俺の寝ている所の近くにいたはずの女性の様子がおかしかったのだ。急に息苦しそうにして顔が赤くなっていた。その女性を見てみると……なんとその女性の身体がだんだん変化していったのだ。俺がその女性の変貌していく様を見ているとその女性は目を開け、俺の事を見たのであった。
女性は美しい瞳で俺の顔を見るなり……涙を流しながら抱きついてきたので……俺も思わず女性を抱きしめてしまった。俺は女性の変化に少し驚いていたが、俺が女性を抱き締める前に女性が発した言葉でさらに驚いたのだ。
女性は俺の腕の中で……俺にだけ聞こえる声で囁いた。
「セイ……助けて……苦しいの……」
俺の耳元でその女性が小さな声で言う。
この女性は一体何を言っているのだろう?と俺は思い、不思議に思っていると女性が話し始めた。
俺はその女性が、さっきの『暗黒の騎士 ブラック・ナイト』の時に会ったあの女性が『セイ』と言う名を名乗っているのを思い出したのである。俺は、その女性に問いかけてみる。
『お前は、誰なんだ?』
「私は『神聖魔導士 セレナ・ホーリー・ミューズ 』……。暗黒の神『暗黒神』の力でこの肉体を奪われ……肉体から切り離された後……肉体と魂が完全に分離してしまっており……。もうすでに死んでしまった状態なのだ……。私の命をあなたが救ってくれたのです……。そして今……『神界 』にいる私の肉親の神様達からお願いがありました。あなたの力になって欲しいと言われて……こうしてこの世界で生き返ってきまして……。肉体と魂が分離した状態で、この世界の時間の流れに抗うことができないようなので……『暗黒の騎士 ブラックナイト』にこの世界に留まるように言われて、そして暗黒の騎士に私の人格が乗り移った後、その暗黒の騎士によって……暗黒の力を封じられていたのだけど……暗黒の騎士の力がなくなったせいで……この世界に留まろうとしていても徐々に消滅しているのがわかったのだ……。なので私は、最後の力で『暗黒の力』を利用して『暗黒騎士 ブラックナイト』に成りすましてこの世界にいた……。そうすれば……暗黒騎士が消滅する時に、一緒に消滅しなくても済むかなぁーなんて思ってね……。」
『暗黒の力』を利用するという発想がすごすぎる……。俺の予想は当たっていて……やっぱり魔人に魂が操作されていたのは間違いないようだ。しかし……『暗黒神』とか言ってたけど……俺は『暗黒神』の存在など聞いたこともないし見た事もないのでよくわからなかった。俺は、その女性を改めて観察する。
髪は金髪でロングヘアーでサラッサラだ。スタイルが良く身長170センチほどで年齢は20歳前後だろうか。
その容姿は本当に美し過ぎるほどだった。俺の心の中ではその女性はとても可愛いく、とても綺麗だったのだ。その容姿を見るとどうしても心拍数が上がり……胸がドキドキしてしまう。俺がこの女性に対して、変な気を起こさないようにするので精一杯で……。俺は女性の美しさに圧倒されてしまっていた。俺はこの女性に恋してしまったようで……自分の心臓が激しく高鳴っていく事に戸惑ってしまったのだ。
この女性は、どうやらこの世界の人ではなくて異世界の住人らしいのだ。この女性は、その昔に生きていた時の肉体が消え去り、魂だけが残された状態のようで……自分の魂は死んだ肉体に宿っている状態らしく、その魂の器がこの女性自身の肉体である。しかし、肉体の方も魂が離れてしまっている影響で少しずつ崩壊が進んでいると話すのだ。俺もこの女性の言葉に違和感を覚えた。
確かにこの女性が言う通りだとしたら……その女性の話が本当なら、俺と話をしながらも……この女性の体は少しずつ透明になっていったのだ。しかし、この女性の表情は全く曇っていなかった。まるで自分が消える事を覚悟の上で俺と話しをしているかのように思えた。俺はこの女性の表情を見て悲しくなってきたのである。
俺が「君の話は分かった。俺が君を助けよう……。ただ……俺が君を助けたところで、すぐに元の肉体に戻る事ができるのか?」と聞くと、「ごめんなさい……。この身体に宿っていれば何とかなるかも……と思っていたのに、私のせいで、暗黒の力が無くなってしまい……私をこの世に縛り付けておく暗黒の力がなくなってしまった……。このまま私が存在しても……あと数分でこの世界からいなくなるでしょう……。
だから……セイが暗黒の魔王を倒してくれないと、暗黒の力が復活しなくて、このままこの身体と共に私の存在は消滅する事になると思うの。でも私を助ける事は無理だと思うよ。」とこの女性は自分の体の状態を話し始めたのである。俺は慌てて、俺の魔力と聖の力を使って、俺の中にあった『闇落ちの聖石』をその女の人の体内に戻そうと試すことにした。しかし……いくら俺の身体にある闇の魔力を使って俺の体内から取り出しても、なぜか俺の体内から取り出した途端、黒い光となってこの女の女性に吸い込まれていってしまうのである。これはいったいどういう事なのかと俺は悩んだ。するとこの女性は「あ、いいのですよ……。このままで大丈夫です。私の命はここで終わるのかもしれないと思っていましたから……セイに助けてもらえて嬉しい。
最後にこの世界からお別れを言うのも悪くはないよね……。私がこの世界に存在しているのは……実は奇跡なの。
私は、自分の家族が殺され、自分も殺される運命を受け入れていたのですが、ある人からの救いの手でこの世に留まっていたの。でもそれは、この肉体に私の魂の欠片が入った状態だったのです。私はこの肉体から抜けだしたかったのだけど、自分の力ではできなかった……。それにこの世界に存在する為には、肉体が邪魔だったので、私は、自分の体から精神体で脱出できるようになりたいと強く願い、努力をして今の『神聖魔導士』として、新たな肉体を手に入れてこの世界に転生する事ができた。その代償で、その私の肉体から精神体が抜けた時に、この肉体は死んでしまい……肉体は魂の入れ物としての役割を失ったので消滅してしまった。その後、私はその私の体に、私の意識を宿らせてもらい……。今はその肉体に憑依しています。私の本当の肉体はすでになく……消滅したのですが……。
そして……私の意識が目覚めた時……『暗黒騎士』の暗黒騎士の魂を取り込んだのは偶然じゃないの。あの人が私に接触してきて……。この肉体に精神体だけを移動させるには、その人と融合する必要があり、暗黒騎士と融合した時に……あの暗黒の力を使いこなしていた方が楽だと思い……『暗黒騎士』の力を手にしました。あの人は、『神界の神様』と言って、私とこの肉体の持ち主にお願いがあったみたいなのだけど……。『神界の神様』って誰なんだろう?その『神』って言葉に何か特別な意味がありそうな感じがしたんだけど……でも今は思い出せないの……。『神』という文字は知っているはずなのに、記憶に霞がかかったようになってしまって思い出せない。」と言うのだった。
俺はその女性の言っている事が理解できずに……混乱していたが、俺は、その女性に「君は、その『神』というのを知っていて、それが俺にとってどんな関係があるのかわからないけど……とりあえず今は、その女性を救う事に集中させてもらう。俺は……『神』が誰だろうと関係ない!その女性は、俺の命の恩人で俺が守るべき女性だ! だから俺のこの命に代えても絶対に助けたい!」と力強く言ったのだ。俺は、俺の中にある、聖の力を使おうとした。俺の持つ『光の聖玉』をその女の人の体内に入れてみることにした。その女性の体内に入ると……その『聖』の力は、俺の体内に戻っていくのであった。その時俺は、「この女性を俺が必ず助ける!!」と大きな声で叫んだのだ。その女性は何も反応がなく、その女性を俺が強く抱きしめると、その女性は、涙を流し始め…… 俺は、「今すぐ『邪の神』に頼んで、暗黒神の魂を呼び戻し……そして俺の闇の力を暗黒の力に変えて……俺が暗黒の力を手に入れるんだ!!暗黒の神の化身の力さえ使えば、暗黒騎士の力で使えるはずだ。そして……その力を……その女性の魂と合体させて、その女性の中に戻す事が可能なはずなのだ。そうすれば……この女性の体の崩壊は止まるはずである……。俺はこの力を使うと決めたのだから……。俺はやるぞ!!」と言うと……俺の中の『神』が語りかけてきたのだ。
(我はこの世界に降臨できないが、お前の望み通りにしてやろう……。)
その声が聞こえた瞬間、俺は激しい目眩と頭痛に襲われて倒れ込んでしまった。俺は、暗黒の騎士が使っていた暗黒の鎧の暗黒のオーラにやられて……暗黒の空間の中に飛ばされてしまう……。そこで、俺の前にいる男に俺は会った……。男は俺に向かって話しかけてくる……。
その男は暗黒の騎士の姿になっていた……。そして俺の身体は暗黒の騎士になっているようだ。俺は、その暗黒の騎士になった状態で話を聞いてみる……。どうやら……暗黒の力を持つ者は、この暗黒の騎士になるようだ。暗黒騎士は暗黒の力を持っている者が、暗黒の力の波動を感じることができるようなのだ。
俺はこの男が暗黒の騎士だという事をすぐに見抜いたのだ。なぜならこの暗黒騎士は、暗黒の力の使い手なのと、暗黒の力を使った戦い方をしているような気がするのだ。この暗黒の騎士は……暗黒の力を持った者を見分けることができるようなのだ。暗黒の力を持つ者と戦う時には……俺のように暗黒の鎧に身をまとって戦うようだ。しかし暗黒の力が発動してなければ普通の剣でも戦えるようだ。
この暗黒の騎士は、ユートが暗黒騎士を倒した時に暗黒の力を手に入れたようで、暗黒の力を得た時の記憶を少し思い出すことができたのだそうだ。それで俺達と暗黒の力の波動を探り当てたようで……。この世界の人達の中で俺が暗黒の力と繋がっている事を知ったようで……俺達の所にわざわざやってきたのだという。俺と会話をしたかったのだが、暗黒の鎧を身にまとっていると俺が話すことができなくなるらしい。なので、暗黒の騎士の仮面を脱いで素顔で俺と話したいと思っていたのだと。
そして、俺が暗黒の魔王の力を手にしたと聞いて俺に興味を持ったので……この姿で会いに来たのだった。
俺は暗黒の力を発動させる……。暗黒の騎士が、「暗黒神の化身か!!面白い!!暗黒の力は暗黒の神の力だ!私と勝負しようではないか!!!」と言い出したので、俺は……暗黒の騎士と戦ってみる事にしたのである。しかし……俺が暗黒の騎士と戦う時は暗黒騎士の力を使わなかった。なぜなら暗黒騎士との戦いは……暗黒の力を使って戦った場合とそうでない場合で実力差が出過ぎているからだ。だから俺は普通に剣術を使って戦ったのだ。
俺は、自分の持っている『神』の能力である【鑑定】を使って、相手のステータスを確認しようとしたら……相手も同じことをしてきたのだ。どうも相手の考えている事が俺にわかってしまうようである。俺達はその事に気づいてお互いに能力を使う事をやめて、自分の力のみで戦おうと思ったのである。
俺が攻撃を始めると、俺は自分の剣で暗黒の力を付与した斬撃を放つ……。暗黒騎士はそれに対抗して俺と同じように斬撃を放った。暗黒の力は相手に傷を与えるだけではなく、相手も同じような斬撃を放ち自分の放った暗黒の力が相手に襲い掛かる。そして、自分の技に暗黒の力を付与していく事も可能のようなのである。
俺も同じように斬撃を放とうとしたが……俺は、自分の体術を鍛えていた事もあり、素早さを活かして暗黒騎士の後ろから攻撃を仕掛ける。
暗黒騎士は、「ふんっ!!!そんな速さでは私には当たらないぞ!!」と言ってきたが……俺は、「それはどうかな?」と言って、一瞬で暗黒騎士の後ろに移動する。すると暗黒騎士は自分の身体を見つめて、「貴様……何時の間に移動していた!? いつ私の後ろに回った?」と言ったので、「これが俺の新しい必殺技だ!!」と言って今度は暗黒の力が付与された斬撃ではなくただのスピードのある剣の攻撃をする。そして、暗黒騎士は暗黒騎士が使った暗黒の魔力を剣に宿らせ……そのまま受けずに暗黒の力だけで弾き返すと、「くそ!私の魔力を返された!!」と言うと暗黒騎士は後ろに後退すると、「ふぅ……。今のはちょっと危ないところだったよ。」と言うのである。
暗黒騎士も暗黒の魔力を使っているのに……俺と対等の戦いができていたのだ。
俺が「これで終わりじゃないぞ!!」と言うと…… 暗黒騎士は暗黒の力を解除し、暗黒の力だけになると、「お前は、私の暗黒の魔力を自分のものにしているようだが、それは私には真似が出来ないから、仕方がないが……それでも私と互角とは……驚いたな。」と言って、自分の身体にある暗黒の力を解放すると、さらに強い闇を放つ。そして「私にはまだまだ余裕があるが、この辺りで決着をつけよう。この一撃を受けてみろ!」と言うと、今までで一番早いスピードで暗黒騎士は動くと俺の背後に現れた。その瞬間、強烈な痛みが背中に走った。
俺は「うぎゃぁあああー!! 痛てぇえ!! いっつ……なんだこれは?俺の体が暗黒の力に包まれてしまった。そして俺は意識が飛んでしまうのであった。俺が気がついた時、暗黒の力だけが消えていて暗黒の力を使った後、暗黒の力を使い続けていた為か暗黒騎士が疲れ果てて動けなくなっていたのだ。暗黒の力を使えば使うほど体力を消費するみたいであった……。俺はすぐに、この世界の為に行動を開始したのである。まずは……この女性を助けなければならないのと、この暗黒の力について知らなければならなかった。
そして暗黒の騎士を倒す方法も考えないといけない……。暗黒騎士を倒してしまえば、この女性の肉体の崩壊は止まり、元の状態に戻るはずだからである。
俺は、俺が手に入れた新たな力をどう使えばいいのか?それを考えて実行した。俺のこの力があれば暗黒の力を完全に抑える事ができるかもしれないのだ。そうすればこの女性の肉体が崩壊して死ぬことはなくなるはずである。俺は、自分の中に入っている『神』の力を引き出し……俺の中にあった光の力で、俺と暗黒の騎士が持っていた暗黒の力を吸収して暗黒の力を抑え込む事にしたのだ。そして……この女性の肉体と俺の中にいた『光の精霊王』と融合したソフィアは分離することが出来たのである。この女性は意識を取り戻していたが……。「ありがとうございます。私はもうだめです。『神』が……あなたに伝えて欲しいと……。私が使っていた暗黒の神の化身が、暗黒の魔王の化身と融合し……魔王が誕生しました。だから『神界』にいる神々と話し合い、暗黒の神の化身を滅ぼすために協力して欲しかったみたいなのですが……。この世界では、その『神』は『光の聖女セイカ』という女性の魂と融合したため、その女性を救う事が出来なかったそうなんです。『光の聖玉』と『光の聖水』を使ってその女性の魂を救う事はできたが……すでにその女性の身体は限界に達していました……。この世界の全ての生き物の生命エネルギーを集めて、その女性を救うという手も考えたけど……。それも間に合わなかったらしいのです。『神』が言っていた事ですが……私達の世界の『神』は、『神』が持っている力で……私達がいる世界を救って欲しいと……。
それができなかったので、せめて……あなたの世界でならと思い、その願いを託そうとしたらしいのですが……暗黒の神の化身を倒したものの……。その代償はあまりにも大きすぎる結果になり……その『神』は消滅したそうで……。」と女性は、俺に伝える事があったらしく……その事を話してくれたのだ。俺はまだ知らなかったが……暗黒の神の化身を倒せた事を……。この女性は自分がなぜ死んだかもわからなくて、暗黒の神の化身の邪悪なオーラに体を支配されていたそうだ。この女性が生きていた時は暗黒の力を使っていなかったようだ。そして俺達が戦った暗黒神の化身も元々はこの女性が使っていたらしい……。
しかし……この女性は死んでしまっているし、暗黒神は復活してしまったのだ。暗黒神を倒すのがこの世界の為でもあるのは確かだった。暗黒神はこの世界に降臨したらこの世界に混沌が訪れる可能性があると……。俺は……暗黒の騎士が言ってた言葉を思い出す……「暗黒の魔王の復活は止められなかったが、暗黒の勇者が復活したんだから、暗黒の力を使う暗黒の騎士は必要ないから始末しよう。」という言葉を。俺は、このまま放置していてもこの世界が再び暗黒の力によって破滅していく未来が見えている気がしたので、この暗黒の騎士に俺は質問をした。
「どうして俺のところに暗黒の騎士が現れたのかわかるか?」
俺が聞くと……暗黒の騎士は俺が言った事に疑問を感じたようだが答えてくれたのだ。暗黒の力を使っていれば、自分の中にある暗黒の力を感じる事ができるとの事だったので、俺はこの暗黒の力を感じる事ができるようになりたいと思った。暗黒の力は、闇の属性を持っている者は暗黒の力を感じ取ることができるようで、それ以外の人は感じることはできないようなのだ。そして俺は暗黒の力を感じることができるように訓練する事にしたのである。そして暗黒の騎士の事を俺は詳しく知りたかったので色々と質問をしてみたが……暗黒の騎士が言うには、暗黒の騎士も暗黒の力を使うようになって、暗黒の力を感じる事が出来るようになったのだという。暗黒の力に侵食されるような感じらしいが……暗黒騎士の場合は俺とは違い、自ら進んで暗黒の力を手に入れたそうだ。しかし、暗黒の力を手に入れるにはそれなりの覚悟が必要だとも言われた。暗黒の神の化身が暗黒の力を手に入れた時に、暗黒の力を使うためには、その者の命を奪う必要があったようだ。そしてその方法は……。暗黒の力を受け入れる事ができなければ死んでいたはずなのだが……。
しかし、暗黒の騎士はその方法で自分の中の暗黒の力を手に入れたらしい。暗黒の騎士の師匠に当たる人が暗黒の騎士に教えてあげた技のようだったが、それは俺がユートだった頃……『聖騎士学校』にいて、俺の教官になった事がある人だそうだ。俺は「なぁ!!俺を鍛えてくれる師匠はいないかな?」と言うと、暗黒騎士は俺が師匠になりたいと言った事に興味津々で、喜んで引き受けると俺に自分の持つ暗黒の技を教える事にしたのである。俺は暗黒の騎士の持っている暗黒の力の使い方と暗黒の騎士の強さを改めて理解したのであった。
そして俺の中に入っていたセイとセインも意識を取り戻したようである。二人とも、「心配かけてごめんね……」と言うと、「いやいや気にしないでいいですよ。二人が無事で本当に良かったから!!」と言って抱き合っていたのだ。そして、ソフィアから暗黒神の話を聞いていたようだが……。やはり暗黒の力を手に入れていたらこの世界も滅びる運命になっていただろう。そして……俺は暗黒騎士の暗黒の力を抑え込めたが……それは一時凌ぎにしかならないと言うのである。だから……俺はもっと修行する必要がある事を知る。
俺はこの女性を……今はもう亡くなっているが、この女性の身体を……この世界のために使いたいと思うと俺はこの女性が生きているうちに『光の女神』の神聖術で……死者蘇生を行い蘇生させる事にするのである。
そしてこの女性が俺に伝えたいことを伝えると、「私を生き返らせてくださった上に……ありがとうございます……。でも……もう私の命は……あとわずかなのです。私の寿命は長くない……。私に出来る事があれば、私の持つ知識と技術で役立つ事があると思いますので……どうか私の持っているもの全てでお役に立てるよう努力したいと思います。私は、この世界に平和をもたらす為に生まれてきた者だと思っています。私は……暗黒の力を持つ私ですが、どうか……私の力を利用してください……。私の持つ全ての知識と技術を……使ってください。お願いします。」と言うと…… セイは、「あなたは自分の命を犠牲にしても……誰かを救おうとしているのですか?」と聞くと……
「はい……。私の使命は……。
暗黒の力を封じることなのです。私がこの世界に来れた理由は、この女性としての命を失う事で……。暗黒の力と融合して……再び『光の聖女セイカ』となって、私の代わりにこの世界の『神』と融合する予定でした。ですが、その『光の聖玉』が私から離れて……別の女性の身体と融合したのですね……。だから私がこの女性に乗り移る事が出来ました……。そして、その女性は……暗黒の神の化身によって……この世界に来ているはずのもう一人の光の巫女と共に暗黒の世界に連れて行かれて、封印されてしまったのです……。だから私がここにいるのでしょう……。」
俺は、その暗黒の神の化身について詳しい事を聞き出すのであった。
俺は、その暗黒の神の化身について聞くことにしたのだ。
暗黒の神の化身とはいったいどういう奴なのか?俺は気になったのである。
するとセイが「セイヤ君!!セイが聞き出しましょうか?セイは、暗黒の魔力を使ってセイカさんと暗黒の騎士の精神を操ることができたんですよ!!暗黒の力は、相手の精神に入り込んで支配する力を持っているのです。その力を使い、暗黒の力を使っていた暗黒の騎士の意識と肉体を乗っ取ったのよ!!その力を使って暗黒神と暗黒の力の事も聞こうとしたんだけど……『暗黒の使徒』が暗黒神の化身だと知った暗黒神は、セイの身体と暗黒の力を奪おうとしたけど、『暗黒の神』が暗黒の神の力を一時的に使えなくしたおかげでセイは助かったのです。そのおかげで……『光の聖女』は生きてますけど……『光の聖女』が持っていたもう一つの力が『光の魔導王』の力……。セイが『光の聖玉』から分離した『光の聖女』と融合した『光の聖剣 シャイニング』に宿っていたんです。その『光の聖玉』は暗黒の神の化身が『光の女神』から奪ったのを、セイが奪い返しました。そして……暗黒の神の化身と『光の勇者』との戦いで……。『暗黒の神』が復活しようとしていました。その『暗黒の神』はセイが倒そうとしていたのですが……。『光の神』に倒されるはずだったんですが……。『光の聖女』が『光の聖玉』から分離してしまったため……『光の神』では、復活させられない状態に……。セイが倒さないといけなかったんです。暗黒の力を使ったせいなのか……そのセイカさんの身体も限界に来ていたんです。だから……その暗黒の騎士に暗黒の力で乗っ取られてしまったんです。そして……暗黒の騎士を操っていたのが……この女性だったのですが……暗黒神の復活を阻止するために……セイカさんに暗黒の魔力が憑依しました。しかし、暗黒の騎士は『闇の支配者 魔王レイシア』を操りながら、暗黒の神を復活させようとしていました。
そして、暗黒の騎士と魔王の力を手に入れた暗黒の神の化身と……暗黒の勇者との戦いが始まっていたはずなのに……。魔王と暗黒の神の化身の力が一つになり……そして新たな神が生まれようとしていた時に……。暗黒の勇者が……セイの意識の中に入ってきて…… セイに……暗黒の力を使うように仕向けたの……。それで……セイが『光の神』を呼び出して暗黒の神と戦ったんだけど……。その時に……暗黒の神が復活して……セイは倒されそうになったの。その時、暗黒の神の意識がセイの魂を縛ろうとしてきたんだよね……。だけど、その前にセイが持っていた『光の聖剣 シャイニング』を『聖剣の継承者』のユートがセイの目の前に現れて……『聖なる波動砲』を放つことで……暗黒の力を吹き飛ばしてくれたから、セイは……死なずにすんだんだよ。その後……暗黒の神と戦っていた暗黒の騎士は暗黒の鎧を着ていなかったから暗黒の魔王の力によって支配されていても、暗黒の騎士本来の実力を出せていなかったのかもしれない。それに……『光の大魔王』の力によって……セイは『聖女の杖』を手にできたから……。セイはその『光の女神』の力を借りて……暗黒の力を打ち破ったというわけです。でも、暗黒の使徒の力には、まだ謎が多いから、暗黒の力については、セイもよくわからない事が多いみたいだよ……。
そして……暗黒の神に操られていた暗黒の騎士を救い出す事ができて暗黒の騎士を解放出来たと思ったのも束の間……暗黒の神の力によって暗黒の騎士の肉体も乗っ取られて暗黒騎士は……暗黒の騎士に変身して、そして暗黒騎士になったセイに襲いかかって来たのです。そして、セイが暗黒の力に飲み込まれそうになった時、暗黒の力を浄化した人がいました。それがこの人……。暗黒の使徒の力も使える人がいるみたいなので……その人に暗黒の力と暗黒の力の使い道を聞くといいと思います。暗黒の力にはまだまだ知らない事が多くあるの。だから……この女性と話をしたらどうでしょうか?」と言うのである。
俺は、この女性に色々と聞いてみた。すると……この女性が知っている事は……。俺が『光の女神』の力を使いこなす事ができるのは、光の神の『加護』が俺に与えられているので……。そして、俺の持っている暗黒の力は、俺の闇の属性と、闇の神の属性を合わせたものである事を知るのである。暗黒騎士の状態なら……闇の神の属性を使えば暗黒の騎士の力を手に入れることができる。だが俺の場合は……
『光の女帝 ホーリークィーンモード 女神化』状態であれば……。
セイの持つ『光の聖玉 セイントクリスタル』とセイの持つ『光の女神の加護 シャイネスクリスタル』から放たれている『光のエネルギー』も一緒に取り込んでいる状態であるらしい……。つまり……。セイのもつ二つの力を合わせて使っているのと同じ状況なのだそうだ。セイは、自分の中の『光の女神 ホーリークイーン』の力を解放するとセイの持つ『光の聖玉 セイセントクリスタル シャイネスクリスタル』も解放されるらしい。そしてセイがセイカさんを助けるために使った暗黒の力とは……セイのもつ『光の力』と『光の女王』の力とが混ざった力である事を知ったのだ。
俺がセイから聞いた話だと、暗黒神の化身を倒すと『暗黒神』は封印されてしまうのだが、封印された後は……この世界の人々の信仰する心が弱まり『神』への願いが届かなくなってしまう事を知る。そこで暗黒の姫であるソフィアと暗黒神の力を受け継いでしまった『闇の女神 ダークヴィーナス』に『暗黒の神殿』と呼ばれる施設に、暗黒の力の源である水晶柱の欠片を埋め込んだ。そして暗黒の神を復活させる事にした。それは暗黒の世界を作り直すための手段の一つに過ぎないのだというのだ。暗黒の巫女に暗黒の力の媒体となる水晶玉を持たせ、復活させようとした。その巫女の名前は、セイヤが救ったはずの『セイカ』だと言うのだ。俺はそのセイカさんの肉体に乗り移っている『光の聖女 ソフィア』と名乗る女性と話す事にしたのである。そして俺は暗黒の力について聞き出した。すると……暗黒の神は、その暗黒の力を使う事が出来る人は、暗黒の使徒となり、普通の人間が使えば……暗黒の力が人間に乗り移り、暗黒の使徒となった者が支配できる肉体は……。乗っ取った暗黒の力によって変化していき、その肉体の持ち主は……。最終的には精神を支配されて暗黒の神に支配されると言う……。恐ろしい事実がわかったのであった。
セイカさんの肉体に憑依している『セイカ』を名乗る女性と話をする事に決めたので、その女性は今、『光の教会 神聖王国』に行っているようだ。『光の国 ライトパレス』にいるはずだからそこに行き会えば、話がしやすいと思うと言われたので『光の国 ライトパレス』に行ってみると、セイカさんがいた。なので……まずは話を聞こうと思い声をかけると、俺はセイカさんの知り合いだと伝えたら……セイカさんは驚いていて、セイカさんに俺は、
「私は、暗黒の魔王ですが、あなたに聞きたいことがあるのですが、よろしいですか?私が暗黒の使徒にされた理由は、私が『セイカ』として暗黒の騎士と戦っている際に、私の暗黒の力を使って暗黒の騎士と戦おうとしたのですが、暗黒の力を使ったのが原因で、暗黒の力に飲まれそうになった私を救うために『セイ』に私に宿っていた暗黒の力を浄化してくれた人がいます。その時に、その人の力を借りたおかげで……暗黒の力を制御する力を手に入れました。そのおかげか、今では『光の大魔王』の力がなくても『聖女の力』を使って、自分自身の身体を守る力を手に入れたのです。」と言うと……セイカさんは……その話を聞いて、「暗黒の使徒になってしまった者は……元の肉体に戻ることは……出来ないの……」と言われてしまう。その言葉に俺は動揺した。なぜなら……セイは、俺を『セイ』と呼んでいたからだ。その様子に気づいたセイカさんは、俺に近づき抱きしめてくれた。その時にセイは「暗黒の騎士と戦う時に暗黒の力を使っていたから……セイちゃんも気づいていたんだけど……でも……その暗黒の騎士を倒さないといけないと思ったからね……。セイちゃんに暗黒の力を渡すしかなかったの。セイちゃんと融合した『光の女神』の力があれば暗黒の力は抑えることができるから。だけど……そのセイカって言う人を救う方法はあったんだよ……。そのセイって子は、元から……暗黒の力を持っていたみたいだから……セイカさんに宿っていた暗黒の力をセイの持っている暗黒の力に移し替えればいいだけのことだったの。セイが暗黒の神の力を解放した時もセイが宿していたセイの中のセイカの力を利用して暗黒の力を抑え込むことに成功したんだよ。
セイカに宿っていたセイカの暗黒の力をセイが宿していたセイカのセイの暗黒の力に移したのはセイだったからセイの意識が消えていたけど……暗黒の神の化身は暗黒の力に取り込まれていて暗黒の騎士に操られていたので、セイは意識がなかったの……。それで……暗黒の神の化身が消えた後に暗黒の騎士はセイカの身体にセイの力を移すと……意識を取り戻したセイと暗黒の力を使いこなして戦いました……。その結果……暗黒の騎士は倒されたんです。でも……その時に暗黒の騎士が言ってきたんですよ……。セイは、暗黒の騎士を倒した後でも、自分が暗黒の神の眷属になると言っていましたが……それでは……セイは暗黒の神になってしまうので、そのセイは意識を失っていたし、暗黒の騎士ももう死んでいました。だから、意識が戻れば、また暗黒の使徒の力を取り戻す事ができるかもしれないと思って暗黒の使徒を一人増やす為に暗黒の姫の魂を探しに旅に出てもらいました。そして『セイカ』と言う名の暗黒騎士を作り出したというわけです。セイが……暗黒の神にならないようにするために……。それに……セイが持っていた暗黒の力も必要だったんだよ。セイの中に残っていたセイカのセイの力は、全てセイの中に戻したんだよ。セイには、新しい暗黒の力が必要になったから……。セイは、その暗黒の力を使う事で暗黒の力を完全にコントロール出来るようになったから……。」と言っていたんだ……。」と。
その話を聞いた俺達は驚愕してセイの話を聞いていたのである。俺達もその話は、暗黒の力の真実であり、俺達が戦った敵が、暗黒神の化身ではなく……『セイ』だったという衝撃の事実を知らされることになるのであった。そして、セイカにセイカさんに憑依して、俺達に襲いかかったのはセイ自身だというのをセイに聞くと、セイはセイに宿っていた暗黒の力を全て使い果たしたのでセイの人格は完全に消滅したと言う。セイは『セイ』と言う存在に生まれ変わった事を知ってしまうのだった。だが……セイカさんの方はセイカさんのままだったのだ……。俺はセイが言った言葉を思い出すと……『暗黒の女神 ダークヴィーナス』の力と暗黒の力の両方を持つ者が現れた場合は……。俺のように『光の女神 シャイネス』と『光の女神 ホーリークイーン』の力を扱える者と……。暗黒の使徒の力も使いこなす事ができると言う。つまり……俺は、『闇の女神 ダークヴィーナス』の力を持つ者に……。セイは、俺に浄化されてからは、自分の中に取り込んだセイカの『光の女神 ホーリークィーンモード 光の女神 光の女帝』の力を、セイが暗黒の騎士の力を取り込んで暗黒の騎士に変身する時に使える力として使うことができる。その力を使えば暗黒の力を使いこなした暗黒の騎士よりも強力な暗黒の騎士に変身することができるのである。
俺が『闇の女神 ダークヴィーナス』の力を扱う事が出来る理由は……暗黒の女神の力を使えるのは暗黒の力だけだからという事だ。つまり……俺が暗黒の力しか扱えないからこそ暗黒の女神の化身を倒す事が出来たのだという事もわかるのである。俺に闇の神の使徒の力と暗黒の力両方を持っている者が俺以外に存在するなんて想像もしていなかった。そして……この『光の教会 神聖王国』にその人物が存在すると聞いてきたのである。俺がその女性に会いたいと頼むと、セイカは『光の国 ライトパレス』まで一緒に来てくれる事になったのだ。俺は『光の国 ライトパレス』でその女性に会うことになった。そして、俺は、その女性の家に招かれたのである。そこで見たのは……。その女性とは……リリイのお母さんでもある。
俺は、その女性が暗黒神の力を使っている事に驚き……そしてその女性が暗黒の姫だと知ると俺はさらに驚いてしまう。だがその女性は……俺に対して攻撃をしてきてはいないので俺は、その女性に話しかけるのであった。俺の話をすると、女性は、「私は……貴方とは戦う気は無いよ。私の中の『光の女神』の力を使う事によって、私に宿る暗黒の力を抑えて戦えるようにする為に必要な事だった。だから……」と言う。俺と『聖女の力』について話をすると「『光の大魔王』様が、暗黒の神の使徒の私と話すと言うなら、私は『聖女の力』を解放しなければならないの。」と言い『光の大魔王』である証である指輪を見せると、その女性はその指輪を見て、「まさか……。あなたが……。『光の大魔王』なの?」と言われた俺は……「俺は、『光の聖女』が宿す『光の大魔王』だ。」と答えると「私の名前は、『光の王女』です。この世界に危機が訪れる時に、女神の力を受け継ぐ資格がある者が……私の元にやってくるの。そして……私が『光の勇者』と『光の聖女』の役目を引き継ぐ……。」と言う。その話をすると俺は、「君は……『セイカ』さんなのか?俺は、セイを助けられなかった。助ける方法が他にもあったのに……。俺は……俺は……!」と言うと……彼女は俺の頬を叩き、「貴方にセイを助ける事が出来るわけないでしょ!!そんな事が出来る力があればセイを暗黒の力から救う事は出来なかったの!!」と言うと……。その女性は涙を流しながら……俺を抱き寄せてくれたのである。
「セイは……ずっと貴方の事が大好きだったよ。でも……暗黒の神は……人間じゃない……。人間が、暗黒の神を浄化できるはずがない……。それに暗黒の力も使う事が出来る者は……もう既に……人間の身体ではないわ。でも……『光の大魔王』なら……セイを暗黒の力から救い出すことが出来たかも知れない……。セイの中にいた暗黒の神の化身を消滅させて……。私は……セイが死んでしまって悲しかった……。でも……セイは暗黒の神に取り込まれる時に……。私が宿していた暗黒の力を使って……。私を救うために……私がセイの暗黒の力が制御できない状態になっていたからね……。私の中にあった暗黒の力を使って私を救うために私の中にある私の力を使ってくれたから……。だから……私は今こうしてここにいるの……」と言うと、俺の顔を見るとキスをして抱きしめた。その時のセイカさんの涙が嬉しくもあり、申し訳なさもある複雑な気持ちになってしまった。
そしてセイカは……しばらく抱きついてから離れて、
「ごめんなさい……。私が貴方を苦しめてしまった……。暗黒の神の化身は暗黒の力を使わせるために……暗黒の使徒になった人に暗黒の力を与えた。暗黒の騎士の力が使えるようになった者は、他の人の身体に乗り移れるの。そして乗り移り先は『暗黒の騎士』になる前の肉体でなければいけないけどね……。暗黒の騎士の力を手に入れたら、自分の力で、その人の肉体を操って暗黒の騎士にしてしまうことが出来るようになるんだよ。だから、その暗黒の騎士の力で暗黒の戦士として暗黒神の力を発動させることができるから……貴方の知っている暗黒騎士は、暗黒の力を手に入れた時点ですでに普通の人ではなかったんだよ。でも……暗黒の神の化身が作り出した暗黒の騎士の力を使いこなす暗黒の騎士は別物だった。暗黒の神の力も使うことができるし、暗黒の神そのものになることができる暗黒の神そのものになっている暗黒の騎士が……。でも……暗黒の姫がいれば……。その姫の力を借りる事が出来れば……。暗黒の騎士は暗黒の神の力を使う事ができるんだよ。暗黒の姫に宿っているのが暗黒の神じゃなかったけど、暗黒の神はセイが暗黒の騎士として使っていた暗黒の騎士の力を使う事ができなくなってたからね……。
それで……暗黒の騎士に宿った暗黒の神の化身に精神を乗っ取られた時には、セイの意識は暗黒の力に飲み込まれてしまっていた……。だから……あの時は暗黒の騎士に暗黒の使徒にされた時に宿った暗黒の騎士が操る肉体を使っていただけなんだ……。暗黒の使徒の力を完全に操れたわけではないから……。セイは暗黒の騎士になった後は……セイカさんの中に暗黒の力を移す前に暗黒の騎士の力を使いこなして、暗黒の神の力を完全に使いこなす暗黒騎士を倒すことができた……。
でも……セイは……『闇の女神 ダークヴィーナス』の力を使った影響で暗黒の力に侵食されてしまった……。そして……セイカさんに暗黒の力を移そうとしたんだけど……。セイカさんが暗黒の神の力を受け入れる事が出来ずに拒絶してしまったんだよ。
それでも……セイカさんの魂の中にセイの力を移して暗黒の騎士の力も使ってセイカさんの中に移った暗黒の力も使ったんだよ。その結果がセイカさんの『光の女帝モード』だよ。『光の女帝モード』になった状態ではセイカさんは暗黒の神の力と暗黒の力を同時に扱う事ができたんだ。暗黒の騎士の力は、『光の女帝モード』になると封印されていたみたいで使えなくなっていたから……。
それに……『セイカ』と『セイ』が融合する事はできなかった……。それは、『セイ』がセイカさんの暗黒の力を完全に受け入れる事ができるまで待つ必要があったんだ。暗黒の騎士になったセイには、暗黒の姫の力は使わせるわけにはいかなかった……。暗黒の力が完全に使える暗黒の騎士に暗黒の姫の力を使う事で暗黒の騎士として暗黒の神を復活されてしまう恐れがあったんだ。『セイカ』が暗黒神を誕生させてしまう可能性があるのに暗黒神の力を使うわけにはいかなかった。『セイ』が『セイカ』さんと融合した後にセイカさんの中の『セイ』が暗黒の使徒の力に対抗出来るほど強くなるまで……。『セイカ』さんと融合した『セイ』が『セイ』と同じだけの力を使えるようになった段階で、セイカさんの中からセイの力を取り出すしかなかった……。そして、取り出された暗黒の力も『セイ』の力と一緒に『セイカ』さんに戻すつもりだったの……。」と言って泣き出してしまい……。「セイは……セイカの身体と融合してからもセイカさんの心の中に入って……そして、一緒に暮らしていたよ……。そして……『セイカ』の心の傷を埋めていた。だけど……私は……。セイカの心に入り込み過ぎてしまい……。そして、暗黒の神の暗黒騎士の力を取り込み過ぎてしまい、暗黒の使徒になってしまった……。そして……暗黒神の復活を手助けしたの……。私は、もうセイに合わせる顔が無い……。」と言う。俺は、セイカに、なぜ、セイカの心に居続けたのかと聞くと「『セイ』が、私の心の闇を晴らす為に一緒にいて私の心を癒してくれている間も……私は、自分の事を悔やみ続けて……。そして……『セイ』の事も憎んでいた……。だから……私は……暗黒の力に取り憑かれて……。私は……。自分の罪深さから目を背けたかった。暗黒神の使徒になりたくてなったわけじゃない……。暗黒神の使徒にさせられた事が許せなかった。『セイ』が『セイカ』さんと融合した時……そして『セイカ』さんと私が一つになる前に『セイ』にお願いして私と完全に分離することが出来たの……。そして私は……暗黒神の力を受け入れた……。セイを救えなかったから……せめてもの償いで……。」と泣く。俺は、その話を聞いてセイカと俺は同じ存在で違う者なんだと言うことがよくわかったのだ。
俺も、リリイを助ける事が出来なくて自分を責めた。リリイと俺が違う存在であると言うことは俺とリリイの関係がそうだったからだ。俺は……リリイを助ける事は出来なくともセイを助けようと思えば助けられたかもしれないと思っていたからな……。俺も……暗黒の力を受け入れていればリリイを助ける事はできたのに、俺は受け入れていなかったのだ。そして、俺はリリイを助けられなかったのはリリイが自分1人で戦う道を選んでしまったからだと後悔していたのだ。だから……俺とセイは同じ存在なのだとわかる。
「俺は、セイを……君を助けようと思った。だから……。暗黒騎士の力を手に入れた後、暗黒騎士になって、セイのいる世界に行くために暗黒神の力を使いこなす暗黒の騎士を倒した……。俺は、暗黒の神の使徒になった時に暗黒の力を使いこなす暗黒の騎士を倒しているから、その力を手に入れる事が出来たんだよ。だから、暗黒の神の力を使いこなす暗黒の騎士なら俺が倒す事が可能なはずだからな。でも……。暗黒の力は俺には大きすぎる……。暗黒の神の力を受け継いだのならまだしも、暗黒の力を受け継ぐ前の状態で俺には強すぎる力だから、今の俺の身体と力では、暗黒の力を使いこなす事が出来るとは言い切れない……。俺には……。」と言うと、セイは、「大丈夫!暗黒の神はセイカさんと一体化した後にセイを自分の器として認めてくれた。暗黒の神の力を受け渡す時に暗黒の神が暗黒の神の分身体を作って、その中に暗黒の使徒にされそうになった時の『セイ』が乗り移っていたの。『セイ』の魂が消えない程度の暗黒の使徒として生きていく分の力は与えてくれたから、暗黒の勇者は倒せるはず。それに……セイなら暗黒の神の力と暗黒の力を扱うことができるようになるはず!」と言いながら、涙目になっていたのである。そして……「私のセイを……貴方に託します。暗黒の魔王の力を持った暗黒の勇者の『ユーヤ』……。
貴方ならきっと……暗黒の神を倒せる……。
だって貴方には、『暗黒神』の使徒が二人もいたからね。
『火の勇者 ユーヤ』、『光の勇者 ユーヤ』『水の巫女 ユウナ』『風の巫女ソラ』
ユーヤには……闇の神が宿り、暗黒の騎士になった……。
闇の神の力が使えるようになった『ユイ』の義理弟のユート……。
暗黒の使徒の力を使いこなせたユートは、その力を暗黒の使徒の力として吸収した……。
その力で暗黒の神を倒す事ができるわ……。
お願い……ユーヤ……。」と涙を流しながらセイが俺に頼む。
「ああ。俺は……。俺にしか出来ない方法で、俺の力で暗黒の使徒の力を取り込んだユートと協力して暗黒の神を討伐してくる。」
俺達は……セイカがセイから分離されたときに、セイカの中に残って共に過ごすことを選んだセイの事をセイカに紹介してくれた。そのあとで、セイカに「この人はセイ。セイカの中にずっと居てくれていたんだ……。」と言って紹介すると、セイはセイカを見て、セイに抱きついて号泣したのである。そして、しばらくして、セイが落ち着いたのでセイカも交えて話し合う事にしたのであった。
セイとセイカの話をセイカが聞いてくれていたので俺達3人の会話を静かに見守るのであった。そしてセイが暗黒神の化身であるセイカの存在について話すと、セイカも驚きセイカに頭を下げて謝ったので、それを見ていた俺とリリアナはセイカと握手を交わしたのである。その後、セイはセイカの中に戻ることになり、そして、これからの話をする事になったのだった。
まず、暗黒の使徒となったセイを暗黒の騎士から救い出す方法を考えることになった。そこで俺は、暗黒の神を討伐する事に決めたのだが……セイは暗黒の使徒の力を持っているが……今は暗黒神の力が使えないという事で暗黒の力に対抗する為には、『精霊王』の力を持つ妖精族の力を借りることにした。
そして『炎の女神フレデリカ』からもらったお守りを身につけて準備を整えることにして……俺は妖精族が住む国『妖精の里』に向かうことにすると皆に告げる……。しかし……。ここで問題が一つ発生したのだ……。
暗黒騎士になった状態のセイは暗黒神の使徒の力を全て使うことができるので……。つまり……。今の『妖精の国』の状況や『闇属性』に対する知識も持っているわけで……。そうなると……『妖精の国の姫 リリィ姫が拐われた』という話も伝わっているはずである。俺達が妖精族を救う為に向かった事は当然知っているのだろう……。そんな状況の中で『火・風・土・水 四大精霊の聖女様方』を仲間にして妖精族の王国に乗り込むというのは、どう考えても無理ゲーだと言える……。しかも……。『光の柱』の出現により暗黒騎士団の動きが激しくなっている……。これは……。非常にマズい事態に陥ってしまったのだ……。俺とリリスがいれば『闇魔法』と『暗黒の力』を使って戦う事ができる。だけど……他のみんなを連れて戦うとなると……。暗黒神の化身と化したセイカの圧倒的な強さを見せてしまう事になるのではないだろうか?それは、ダメだよな……。だから……今の状態では戦わない方がいいと思う。それか……。妖精達の国から脱出して……それから妖精族の王国に行くしかない……。そして俺はセイカに「暗黒の使徒の力を封じる事が出来るんだけど、その方法を思いついたんだ。」と提案するとセイは嬉しそうにしていたがセイカはセイに近寄り、頭を撫でて抱きしめて、そして「セイ……あなたが無事に戻ってこれて本当によかった……。」と泣き始めるのだった。その様子を見たセイは泣き止んでから、俺に「私……セイと一緒に行きたいです!一緒に旅をしてみたいんです!私は……。私には、もうセイカさんのように一緒に過ごせる家族がいないのです。それに……セイカさんの身体の中には私がいたのです……。私にはセイカさんが必要なんです。お願いします。私も一緒に連れていって下さい。私には、もう、貴方しかいないのです……。どうか……お願い致します……。」と頼んできたのだ。俺は、「俺達と一緒に来てくれるのなら喜んで迎えよう。セイは……俺が絶対に守るよ。約束するよ。俺がセイを死なせはしないよ。だから……一緒に行くよ!」と返事をした。そして……セイも、レイシアと同じような事を言い出した。
俺に助けを求めてきた少女を助けられなかった事を悔いているのだろう……。
俺とユートは「俺が、君の事を守れるように全力で君を守る。君は……君と俺にとって大事な人なんだ。だから、俺は、必ず君を助ける。そして……。暗黒の勇者を倒したら君を迎えに来るから、君はその時に、俺に助け出された時と同じように、俺とレイシアに甘えるといい。その時までに君を強くしよう。君には……もっと色々なものを見せてあげたいし……いろんな場所に連れて行ってあげたいと考えているから……。」と言うと、 セイが「わかりました。私は強くなります。そして……。貴方に、私を守ってもらう為に頑張ります。」と言い「ありがとうございます。」と俺達に頭を下げるのであった。
こうして俺は『火の勇者』の勇者と『風の勇者』の勇者、暗黒騎士と戦う事を決めたのであった。暗黒の騎士と暗黒の力を手に入れてしまった勇者をどうにかするには……倒すしか方法がないので、暗黒の力に対抗する『精霊王』の力を手に入れることにしたのだ。そして……『妖精の森』に行くことを決めた。俺達は……『火の精霊の神殿』に行く事を決める。
俺が暗黒神の化身のセイカに「俺とレイアは、妖精族の王女を救出するから、『水の精霊王の神殿』には、ユートとユウナ、ソフィアに行ってもらってもいいかな?」と確認したところ、「わかった……。『風の神殿』にいる俺の仲間と合流するよ。それと『闇の使徒との戦いに勝った暁に、暗黒の力に対抗する力を与える儀式の準備は整えておくよ!』と言ってくれてるんだ……。その儀式に必要なアイテムを集めておくとの事だよ。」
ユートは俺の言葉に対して、セイとセイカに話しかけた。「俺は……妖精族の王女の奪還作戦を成功させるからね。その時には……暗黒の騎士が復活して『妖精の国の姫』である君を捕まえて、自分のモノにしようと狙っているから気をつけて!その対策はしてあるけどね。でも……『妖精の里』には結界があって入れないはずだから……。」と伝えたのである。そして、「セイ……俺が暗黒の騎士を倒して『闇属性』を完全に打ち消してくるから待っていてね!そしたら……セイは自由になれるからね。俺は、必ず『闇』を消すからね!安心して待っているんだよ!大丈夫。すぐに終わるからさ……。」と伝えるのだった。そして、セイが「うん。わかった……。セイカもセイと一緒に待っています。セイは暗黒神の力を持っていて暗黒の力に支配されないように必死に抵抗するつもりなのですが……どうしても抵抗する事が出来ない時に、私が暗黒の神を呼び出して封印する事になってますから……。
セイは、暗黒神に完全に乗っ取られると暗黒の神そのものになってしまうのです。
だから……早く帰って来て下さいね。
私も頑張って耐えるつもりですから。
ユーヤ兄ちゃん……。よろしくね。」と答えるのであった。
俺達がこれからの話をしている最中に、リリィ姫の気配を感じたのだ。その瞬間、暗黒神の使徒になったはずのセイが暗黒神の化身の能力を発動させたのである。セイはセイを操り始めたのだが……。暗黒の力の影響で身体は支配されていない状態になっていたのだ。セイが意識を保っている状態で暗黒の力を抑え込もうとしていたのだが……。セイの力が足りないようで身体の支配が完全にセイを乗っとったと思ったのだが……セイがセイの中にいる妖精族の『光の妖精』の力でセイと暗黒の力の間に壁を作ったことで……暗黒の力を完全にはセイが支配できなくて暗黒の騎士の状態のまま俺達の前に姿を現せる事が出来なかったようだ。
俺は「暗黒の使徒を倒せば、セイの中から出る事が出来るようになるはずなんだが……今の状況では……。『妖精の里』に向かう事も難しいし……どうするかだな。暗黒神の使徒を倒すまで暗黒の力と向き合って戦う事に決めた。俺が暗黒騎士と戦っても暗黒の力を消滅させられる自信がないんだ。そして、この状態を解決するためには……暗黒神の化身になった状態のセイと暗黒神の化身の力を得た闇の力を持っている暗黒騎士を倒さなければならない。そして……。俺が暗黒神の化身になる前の状態のセイと戦わないといけないというわけだ。そして……俺は暗黒神の化身になった状態の暗黒騎士と暗黒神の化身の力を得ている闇の使徒と暗黒の使徒の力を手に入れた暗黒の騎士と暗黒の神の力を手にしている暗黒の騎士と戦いながら……同時に暗黒神の化身になった状態のセイの相手をするという事になるな……。これは……無理ゲーだよね……。まぁ……。やるしかないか……。それに……。リリィが拐われたのなら助けないとな。よし……。暗黒の騎士は俺が引き受けたから……他の奴らは暗黒の使徒と闇の力を持っている奴らと暗黒の騎士を倒してくれ。リリィが暗黒の騎士に捕まる前に助け出さないとまずい気がする。そして……セイは……。今は無理かもしれないけど……『光』と『聖』を混ぜ合わせる事で暗黒神の使徒になっている状態のセイを解放する事が出来る可能性はあると思うんだ。だから……。セイは俺とレイシアが『光』と『闇』の力を使えるようにする為に修行を始めよう。」と言うとセイが「ありがとうございます。私はレイシア様と一緒に修行します。レイシアさんも宜しくお願い致します。私の師匠にしてくれませんでしょうか?私は、レイシア様の役に立てるように一生懸命頑張ります。お願いします。私を鍛えて下さい!」と言うとレイシアは「わかりました。私も一緒にお教え致します。一緒に頑張りましょう。私の弟子は大変ですよ。私も貴方と一緒に強くなっていきますから一緒に頑張りましょう!」と言った。
そして……。ソフィアに、「君はユーキと一緒にリリィを助け出す為に戦ってくれ。俺の大切な友達なんだ。俺は、暗黒の騎士をなんとかする。だから……頼むよ!」
ソフィアは、「はい。分かりました。ユーキが大切に思っている人の為なら、私は戦います!」と答えたのである。
そして俺は「俺達が妖精族の王国に行った事は妖精族達なら知っているはずだ。その情報は既に『風の精霊の民』や妖精族達の間で伝わっていると思うんだ。妖精族の国の姫が妖精の森にいる事を知られたからには……。今度、狙われる場所は妖精族の国しかないからね。だから……『妖精の国』に乗り込んで妖精族の王女を救出したら、すぐに、俺達は『火の精霊の神殿』に向かうことにするよ。それから、『火の精霊王』の勇者はユウカに担当してもらうから、ユウカは火の精霊の王と契約するように言っておいてくれ。契約した『火の精霊王』がユウナを守るはずだよ。ユウナの契約する火の精霊王が『精霊王』で最強の存在らしいしね。
そして……。俺は『妖精の里』に向かいながら暗黒の力を持っている奴らの処理をしていくよ。
暗黒の力を使っている『闇の使徒』も倒すから安心して欲しい……。暗黒の力を使ってない奴らも俺が全て倒すよ。」と言うとソフィアは、「ユート様、ユーヤさん、私に任しておいて下さい。ユーマ様に頼まれたのですから必ず成功させていきます。ユーヤさんの大事な人は、全て守れるように、私が守り抜きたいと思います。
そして……ユーナが『火の精霊王』との契約に成功したら、その時に『火竜の洞窟』に行きますね。」と言うのだった。
「わかった。『火の精霊王の祠』に『風の妖精の王女』のセイカを必ず連れて行ってあげて! セイカは、君の妹弟子になるんだよ。『風の妖精の姫』と『光の精霊の王女』である君とセイカは……俺にとって姉妹のように大事な仲間であり妹みたいなものだからさ……。
俺達も……セイカを出来る限りサポートしたいと思ってるんだ。」
俺は、そう言うと、セイは嬉しかったようで、涙ぐんでいた。セイは「ありがとうございます。私は、頑張ります! レイシア様と一緒に頑張ります。私も……レイシア様みたいになりたいから……強くなりたいんです。」
俺は、「うん。レイシアの事は任せて欲しい。
レイシアは強いからさ。
君は、これからの時間を俺が与える力で『神聖神』になれるくらいに成長するんだ。俺と一緒にいれば、いずれレイシアと同じように強くなるからね。
あとは……。レイシアに任せておくと心配しないからね。
でも……ソフィアさんも頼りにしているよ。『妖精の里』に行く時には、君の事も同行させてあげるからね。
ソフィアさんには俺達の力を分け与えたんだ。
君にも力を与えるから……。」
と言って、【スキル付与】と《支援システム・モードチェンジ:全能力超絶強化》と<全知のスキルブック>を与えたのである。すると、レイアが、「あぁ~……。俺に何か隠していた事はこれの事だったのか……。このスキルは、俺に使おうとしてたんだな……。でも……。お前の力じゃなかったんだな……。『闇』の力を手に入れても、やはり……。」と言いかけたところで……。
「そうだよ。でも、俺だけじゃないよ……。みんなで手に入れた力だよ。『闇堕ちのスキルブック』を使ったのは『妖精の民』でただ一人だけだからね……。それに、俺はこの力を手に入れるために『闇属性』を受け入れたんだよ。だから、後悔はしていない。」と言うと、リリスは、「そんなの当たり前だろ!『闇』を受け入れるのは簡単じゃないんだからな!お前がいなかったら……こんな世界は、とうの昔に終わりを迎えていただろうからな。俺が……。」
リリスの言葉は続かなかった。俺もリリスも泣いていたからだ。俺は「そうだよね……。みんなの力で手に入れたんだもんね……。」と言うと、リリィ姫の気配が消えたのだ。俺とレイシアは、暗黒神の使徒を倒した後に、リリィ姫を救出する為に動き出す事に決めた。そして、俺は、レイシアに「レイシア……セイをよろしくね。レイナはユーキのところに行って、ユーヤを守ってね。リリイとリリーはユーカとリリカの側にいて守ってやって欲しいんだ。俺は、リリィ姫を助けてくるから……。」と指示を出した。
レイシアは、「はい。分かりました。ご主人様、どうか御無事で……。」「分かったよ〜!パパ!頑張って!」
レイシアとレイナとレイは答えたのである。レイシアがレイの頭を撫でるとレイは笑顔になって喜んでいるのであった。
そして、俺は『時空移動』を使い暗黒神の使徒と戦っている場所に移動をするのだった。暗黒神の波動に浸食されている暗黒騎士が暗黒騎士と戦っていたが……苦戦しているようだ。『神速』を使って俺は『時空剣エクスカリバー』を抜き放つと暗黒騎士の首を切り飛ばしたのである。
暗黒騎士を斬り殺した後で、レイに「セイとレイア以外は俺から離れていてね……。これからセイ達に新しい力と技を与えようと思う。」と言ったのである。
レイは「セイちゃん……。大丈夫かな?」と呟くと俺も、「わからない……。だがセイはレイと違って強い子だから、暗黒騎士を倒すことが出来るかもしれないから……。だから、信じるしか出来ないと思うんだ……」と言ったのである。
レイは、「うーん。セイちゃんを信じるしかないか……。わかった……。私もセイちゃんを信じてみる……。ユート様は『神聖樹の巫女』のレイアさんを呼んで来て! レイナお姉さんは、『神域の守護者』に変身してから、私の所に戻れば、セイちゃんの元に一瞬で行く事ができると思うよ!」と言うと、俺とレイシア以外の者は離れて行った。
「うん……。」レイが返事をして『空間移動』の魔法陣を展開しようとした時にレイシアが「待って下さい! ご主人様。セイさんはレイナさんの事を気にかけているはずですから……。私が『精霊使い』のジョブを持ってますので『念話リンク』を繋ぐ事が出来ます。私が連絡を取り合ってみます。そして……レイさんは『精霊王』のジョブも持ってますので……。精霊王同士の会話もできると思います。
それで、私の方からも『精霊の巫女』に変身したら『精霊通信』を使う事ができます。精霊達を介して、セイさんに連絡して見ることが出来ます。まずは……。レイシアと『精霊の巫女』に変身する必要があります。」と言うと、レイはレイシアに向かって微笑んだのだ。
「ありがとう……。お兄さん。やっぱりお母様の娘なんだね。」とレイが言うと……。
「当然よ! 私は、『風の精霊姫』だった『レイア』だからね!」と自慢げに答えるとレイは苦笑いしながら「はい。わかりました。」と言うのだった。
俺は、暗黒神の化身の俺を見て驚愕していた『光の使徒』の少年に対して、『光属性』の攻撃を行うことにした。
【呪怨のスキル】を全力で使用すれば倒せると思っていたのだが……意外とタフだったので……。暗黒の力を少し使って倒すことにしたのである。俺とリリスは二人で『ダークパワー』と『魔力融合』を使用して……。闇の魔力による攻撃を仕掛ける事にした。闇の魔法は……全て吸収されると思った俺は、闇の攻撃ではなく……聖の魔力による攻撃を試すことにする事にした。
聖属性と闇属性の両方を使える『聖邪の魔剣デュランダル・オルタナティブ』を俺は抜いていた。そして……俺は、聖属性の力を込めていく……。
暗黒の神の使徒の頭上に闇の力を集めて、暗黒の力に飲み込ませるようにした。すると……使徒は「な……何をした!!なぜ……我に闇の力が通用したんだ!?まさか……お前達は『闇の勇者』ではないのか? それならば……あの時倒したはずだ!!」と叫ぶと俺が、「そうだ。俺達は『勇者パーティー』のメンバーだよ。『魔王』を倒した『勇者』と……その妻だ。残念だけど……。俺達は二人共が勇者だったり……その仲間だったりするんだよ……。『聖なる盾(せいなるたて)』『正義の大楯ジャスティスガード』!!」と俺は防御スキルを使用した。俺がスキルを使用すると俺を黒いオーラ状の膜が包み込んだのである。その光景を見た使徒は、「な……何だと……。まさか……貴様が噂に聞く『闇の女神』だったとは……。
しかし……我がこの程度の力で倒されるとでも思っているのか?」と言ってきたのである。
俺は、使徒に向けて……「もちろん……思ってるよ……。お前が弱い訳がないからね。でも……君を倒す為に用意したこの技は……君にとっては相性最悪のはずなんだけどね……。俺達が本気で戦った場合……君は絶対に俺には勝てないよ。」と言うと……。「馬鹿を言うんじゃねえ! この俺が……負けるわけがあるか!『暗黒の力を司る者 闇堕ちの使徒』の力を思い知れ! くらえ! 俺の最強の一撃だぁああ!!!」
と俺を斬ろうとした。その時……リリスが「それは、こっちのセリフだぜ!お前はもう終わりだ! 私達夫婦の奥義を食らえぇ!『漆黒の闇』」と叫んだ。リリスの身体から凄まじいエネルギーの波動が発せられていく……。
俺とリリスから放たれた『暗黒の渦』が使徒を巻き込み……暗黒の世界に引きずり込んでいくのが感じ取れたのだ。暗黒神の化身を吸い込むと、更に闇の力の波動を強めながら……暗黒世界に引きずり込んでいたのである。リリスの方を見るとリリスも自分の手を見つめているだけで何もできなかったみたいである。どうやら俺はリリスに力を与えたようだ……リリィ姫を救うためには必要なことだし……暗黒神の化身を封じ込めるために暗黒神の使徒を消滅させる必要があったからである。暗黒神の波動を吸収し続ける暗黒の鎧から……暗黒神そのものの気配が強くなっていったのだ……。
すると突然に暗黒神の鎧は砕け散ったのだ……そこには普通の暗黒神の眷属がいるだけだった。俺は、「さすがに、あれだけの力を溜め込めば……。この鎧じゃ耐えられないか……。まあ……いいか……。とりあえずは……」と言いかけて……レイシアを見るが…… 俺に目配せをするだけで、特に反応はしなかった。俺が暗黒神の眷属の方に視線を向けると……。使徒の姿はどこにもなかったのである。暗黒神の使徒は、「ちっ! 逃がしたか……暗黒神め……。あいつが逃げても……いずれ復活をするだろうからな。俺の役目はこれで終わったようだな。俺が消えれば……『魔人族』の奴らは消滅するだろう……。後は頼む……。俺は暗黒神様の元に戻ろう……。俺の本当の主……暗黒神様に会える日が楽しみだ……。フッフハハッー!」と笑うと使徒は消えたのだ。俺とリリスは元に戻ると俺はリリスに向かって微笑むのだった……。「リリスありがとうね……。助かったわ!」と言うとリリスは、「当然の事です! ご主人様を守る為なら……。例え世界が滅びようと私は戦うつもりです!」と答えたのだ。
そして俺は、『聖結界』を張り巡らせてセイのいる場所に向かったのである。ユーヤ達の所に辿り着くと……既に戦いは終結していてユーヤもレイナも無事だったけど、ユーミさんとリリーちゃんは意識不明で回復の兆しはなく、ユーキは瀕死の重傷だったがセイによって傷口は癒されていた……。セイは俺に気付くと「ユウト……さん……ユート……さん……う……うう……。」と涙を堪えて……そして泣き始めたのだった。
ユーキとレイナとレイは、セイとユートとレイシア以外の者を俺に近づかないように指示を出してくれたのだ……。そして……ユートもレイシアに近づかないように指示を出してくれていたのである。
俺は『状態保存』をレイキ達にかけた後に、俺とレイシアとレイ以外の者の状態を確かめたのである。セイの状態は酷いもので、精神が壊れてしまいそうになっている。肉体的な損傷はないが、心に大きなダメージを負っていて……。『魔道具』の効果によりかろうじて生きている状態だった。俺がセイに向かって「大丈夫だよ。安心して……。」と言うとセイが、「ユウトさんが来て下さらなければ、私の精神は……。
私も……『魔道具』の影響で自我が崩壊してしまうところでした……。ありがとうございます。ごめんなさい。私のために……」と言った後で涙を流して気絶した。俺は『神速』を使ってユーキの元に向かい、『神域の剣』でユーキの傷口を塞いだ後で『再生』と『神聖治癒』をユーキにかけ続けたのである。俺の持っているスキルでは、完全回復はできないが、それでも命だけは救えたはずである。俺のステータスを確認してみると……。
(ユウト
種族:ダークハイヒューマン
性別:男性
年齢:25才
Lv:116
Dランク 職業:闇の勇者、神聖騎士、魔導士、神聖魔術師、精霊使い、竜使い、神使い)と表示されていたのでホッとした。その後……レイと合流して……。レイシアのところに行くのであった。
俺はレイアとセイを連れて『精霊の森』に戻り、精霊王二人に事情を説明したのだった。
俺はレイアに対して「ありがとう……。君が助けに来てくれなかったら、私は死んでいたよ……。」と礼を言い……そして……「私は君を愛してるよ……。」と言うと……。「お兄さん。私の方こそありがとう……。私はね……。『精霊王』の使命があったの……。でもね……私の使命って何なんだろうね……。私にも分からないんだ……。」と言うのだった。
俺は、レイシアとユートが話をしているのを少し離れた場所で聞いてみる事にした。
ユートは、リリスに何かを伝えてからこちらに来たのだ。
俺は、ユータの事を少し思い出したが……。リリスが「ご主人様。あの子の事を考えていたんですね……。私達の娘になるはずだったリリスとユーマの子供ですね。でも、あの子にはリリスの記憶がないのです……。それに……私達には時間がなかったのです。ご主人様と一緒に居られる時間は限られていました……。だから……私が最後に託したのが……『光の女神』として覚醒するユートで……あなたに全てを預ける事が……出来たんですよ。あの子はきっと良い子に育ってくれますよ。そして……。ご主人様に必ず巡り合う事になるはずです……。その時は必ず力になってくれるはずですよ……。だから今は見守っていてあげてくださいね。」と言うのだった。
そして俺は、「もちろんだよ。リリスやレイにユーヤ……君達が幸せになれる世界を創っていくよ。そして君達の事も絶対に守ってみせるから……。君達は俺の家族だ! 大切な娘なんだから……。」と言うとリリスとユートラが同時に抱きついてきた。
俺は、二人の頭を優しく撫でた。
俺がそんな事を考えていると……リリアが、「お疲れさま。よくがんばったわね。それで……これからどうするか決めたのかしら?」
俺は、「まだ決めていないんだよ……。この世界を見て回ってみたいと思っているんだけどね……。とりあえずは『光の勇者』として、この国やこの大陸を守りたいと思うんだよ。それと『妖精の国』も……でも……。」と言って、俺はこの先も戦い続けないといけないという気持ちをリリスに伝えたのである。
リリスもユーティも……この世界の行く末を見届ける為に俺と共に生きてくれることになった。俺は嬉しかった……。この二人がいれば俺一人で戦っているよりも遥かに強くなれるから……。
俺達が、話し合いをしていると……ニアが、「もう! ユウちゃん。みんな! こんなに長い間どこに行って……もう! 私達を放っておいて……」と拗ねるのだった。「ごめん……。いろいろとあって……時間がかかっちゃったんだ。」と言うとリリィが俺に飛び付いてきたので受け止めて抱きしめたのである。俺は……リリィの頭を軽くポンポンしながら、「俺も……寂しい思いをさせて悪かった。もう少ししたらまた出かけるかもしれないけど、とりあえず……一緒に暮らそうな。」と言って、俺は皆に向かって微笑むのだった。
そして俺は、『フェアリー商会』の建物に戻ってきて、会議室に入り皆を集めた。
俺は、今回の事件の顛末を話したのだ。そして俺が『魔族大帝国』に行った時の事も簡単に説明したのである。すると……。ユートは……「そうか……。俺は死んだか……。そして暗黒神の力を封じられていたわけか……。それは厄介な状況だったんだな……。ユーヤに……『光の騎士 セイ』……ユーキか……君たちは本当に『暗黒騎士 リゼル』を倒して、魔王軍の『闇落ちした英雄』も倒したんだな。改めて礼を言う。ありがとう……。」と言った。俺は、「どういたしまして……。俺も……君に助けられたしね……。」と言うとユートは俺の手を取り「ユウト殿は、今のままでは……。いずれ……俺より強くなるだろう。その前に……ユウト……君は『暗黒神様』と戦うのだろう? 君の強さが……暗黒神様の力の一部なのはわかっている。俺は暗黒神様の化身を取り込んだ事で、暗黒神の力の一部が使える。そして……。暗黒神の剣も取り込んで……暗黒神の鎧になったから……暗黒神の力を使う事が出来るが……。」
「暗黒神の鎧!? ユートは暗黒神の使徒にされたのか……。」
「ああ……。暗黒神様が、俺の中に入った後で、俺の中から出てきた時に暗黒神の鎧を俺の中に埋め込んだらしい……」
俺はユートの身体を調べたが暗黒神の力は感じられなかった……。暗黒神の使徒にされてしまっていたのに気付く事が出来なかった自分が情けなく思ったのだ。ユートは、俺の顔を見るが、俺が何を考えたかを察知したらしく……微笑んで言った。
「心配してくれているのか……。ありがとう。俺は平気だよ。『魔道具』に操られて暗黒神様の僕になっていただけだからな。ただ……ユートが、この世界で手に入れた能力は失ってしまうのだけどな……。それにしても、どうしてユウトとリリスさんだけなのかな……と思っていたが……。」
ユートの言うとおり……なぜ俺とリリスだけだったのだろうか……。
そして俺は、自分の考えをユートに伝えると…… ユートは納得したような表情になり……話を続けるのだった。
「確かにそうだよな……。ユーヤとユーキさんにユーミさんにリリーさんが俺達と同じ存在になったのは何故だったんだろうか……と考えていたが……。それに、ユウトとリリスさんとユートの三人だけなのは何故だろう……。ユートも俺と同じく記憶を取り戻したのは、俺と会った時が初めてだから……俺には分からないな……。しかし、俺は『聖結界』を張る能力と『神速』の能力を失っているが……。暗黒騎士に取り込まれた影響かな……? それとも……。『光の神』の加護と闇の女神の加護の影響かは分からないが……。まぁどちらにしても俺は問題ないが……。それより……ユートは大丈夫か……?」
「俺の方は大丈夫だよ。ユウトのおかげで、リリイが持っていた力の大半を受け継いだようだから……。『魔道具』に精神まで支配される前だったので……暗黒神の力の一部は残っているよ。ただ……『魔道具』の力で封印されている部分は解除されていないので、完全ではないがね……。ユウトが、俺を助けてくれなかったら俺は確実に『暗黒神』の化身にされていたからね……。『魔道具』で『闇の神の化身』に精神を乗っ取られていたんだ。あの状態のままだと俺は、自我を完全に保てなくなっていたと思う。俺の自我が残っているのはユウトのおかげだよ……。」と言うと……。ユートが、何かを考えているのであった。俺は、「何か心当たりがあるなら教えて欲しい……。」と言うとユートは、少し考えた後に俺を見て答えてくれたのである。「ユウトの身体が、この世界に来る前に俺の世界の地球という星にある日本という島国の学生だったというのは覚えているかい……?」とユートが聞いてきたので、俺は「もちろんだよ。それがどうしたというんだい?」と言うとユートは少し真剣な顔になって話を続けた。
「ユウトの肉体の年齢と俺の年齢は……15才差なんだ……。俺の方が……年齢が高いはずだ……。だから俺と『光の勇者』だったユウヤには……関係があるんじゃないのかと思って……。『光の女神 リリス』、『闇の騎士 リゼル』の二人はユーヤとユーマだ……。」とユートは真剣な表情で言ったのだった。
俺はユーヤとユーマの名前を聞いて驚きながらユーヤの事を詳しくユートから聞く事にしたのである。
俺達は、『精霊の丘』に戻り光の精霊王『ライラ』と闇の精霊王ダークナイトの『闇の精霊王ダークネス・クィーン』に会う事にしたのだった。
俺は……ユートにリリイやレイア……レイシアにユーティ達と一緒に光の精霊王の『ライトナーナ』の元に向かってもらうように頼んだのであった。そして俺はユーマの事について考える事にしたのだ。
俺は『フェアリーパレス』の玉座の間で光の精霊王達を呼び出し……話をする事にした。
「みんな急に来てもらって悪いね。実は……『勇者』であるユーヤに憑依していた『光の女神』と『闇の女神』であるユーマ……二人の名前がユートから聞いて分かったんだ。ユートから話を聞いたけど……『ユーマ』がユータとユーヤの弟だという事は分かるよね……。『光の女神』が『ユート』と『ユーマ』で……『ユート』がこの星の『人間族』のユーヤと融合した『光の騎士 セイ』なんだと俺は思っている。俺の勘でしかないんだけど……間違っていないと思うんだ。それで……二人の弟のユーマの事を……俺はもっと知りたいと思ったから……君達に会ってもらいたくて……。『ユーマ』という名前に聞き覚えがないかい……?」と俺は聞くと、『光の巫女 ヒカリ』が「え!? あなたは……どうしてそれを!?」
「やっぱり……そうなんだね。でも……俺の憶測も混じってるんだ。俺は、『魔導士』としていろいろな本を読んだり調べたりしてるけど……。俺は『勇者召喚』についても知っているんだよ。でも……それはこの世界の勇者であるユーヤ達の為だけに行われているものじゃなくて……。俺の故郷の地球の日本のある国で行われていた事なんだ……。そして俺は……。」と言うと俺は『勇者召喚の真実 ~
勇者ユーヤの復讐の物語 ~』と言う本を出したのだ。すると……みんなは、俺がこの本を持っている事が信じられないようだった。そして……俺はこの世界の『異世界人』と『異世界』からやって来た人達の歴史と『光の女神 リリス』『闇の女神 リゼル』の事を話し……リリアとクロエと俺の話をした。すると……。
リリスが、「そういえば、ユーヤ様のお母さんが、そんなことを言っていたわ……。私の先祖も……『魔道具』を使って、地球と言う星から私達の一族を連れて来て……。その一族が私達の世界に広がって行ったと言っていたわ……。その時に私達は……この星の住人と恋に落ちて結婚する事になったらしいと……。」と話すのだった。
リリスの話にリゼルが……「私は……リリスから聞いた話で……。」と言ってリリスが話し始める。「私の母から聞かされた話は……少し違います。まず、地球人を『勇者』と呼ばれる者達と共に連れて来たんですが……その後で……地球人が争い始めたようです。その時の詳しい理由はわからないそうですが……。そして……『魔族大帝国』との戦争の時に『魔道具』を使って、地球からの侵略者を召還して、『魔王』の討伐に協力させたと言われています。しかし……戦争は終わり、再び平穏な日常が訪れたのですが……。今度は……地球との繋がりがなくなり、『勇者』と呼ばれていた方達が突然消えてしまったと……。その後は『勇者』を呼べなくなってしまったようで、もう二度と呼ばれる事もなかったのです。」と言うのである。
すると……。リリスが、「もしかしたら……あなたのお父さんは……。私の父なんじゃないかしら……。私が……生まれた時には既に亡くなっていたけど……昔、父から『勇者 シンヤは、俺の息子なんだ……。いつかこの世界に来るかも知れないが……その時が来たら仲良くしてあげて欲しい……。』と言われたのをふと思い出したの……。その父が生きていた頃……父はいつも同じ本を肌身離さず持っていたのを思い出したから……。その本のタイトルが……確か『ユウキ』という人が『勇者召喚の真実』というタイトルの本を読んでいたから……もしかしてと思って……。ただ……その本が、その本かどうかは確証はないのですが……。」
と話すと……。クロエが「その『ユウキ』という名前は……その方の『名前』なんでしょうか?」と疑問を口にする。
リゼは「リリアさんなら……何かを知っているかもしれないから……。後でリリアさんに確認をしてみましょう……。」と言うのだった。
リリが「わかりました……。それと……ユーマは私とユートは双子だったみたいだけど……。
ユウヤが死んでしまい『光の騎士 セイ』の力は……そのまま残っていたみたいだから……。だから……リリスちゃんに憑依している『闇の女神 リゼル』の加護が受けられるように……ユウトが力を譲渡してくれたおかげで……リリスちゃんに力が宿ったみたいなのよ……。でもリリスちゃんの場合は……。
ユートのように……闇の女神の使徒になってしまっている訳ではないから……。完全に加護を受けても大丈夫だと思うよ……。後は……。闇の属性を持つ者の血が……『闇の女神 リリス』の血も受け継いでいるし……大丈夫よ……。それに……リリは闇の眷属でもあるから……闇と闇の加護が相性は良いはずだし……。
まぁ、闇の神の加護があれば……闇の加護持ちにはなるけど……ユウトは『聖加護』の持ち主だし……加護の重複には、ならなさそうだから大丈夫だと思うわ……。リリが……加護を受ける資格がないとかではないから……。安心して。」
「ありがとう。なんか……ごめんなさいね……。変な質問ばかりして……。ただ、あの本の話が……本当に本当の話なのか分からなかったから、確かめたかっただけなの……。」
とリリスはリリに言うと……リリは笑顔になりながら答える。
「ううん。いいのよ……。リリスは優しいのね……。
ユートは、『闇の精霊王の力を受け継ぐ者は……。闇の力を持った者と心を通わせなければならない。そして、闇の力を持つ者が闇の力に飲み込まれそうになった時……。闇の力を使う者を助ける事ができる存在なのだ……。俺は……闇の力を持っていた……。でも今は……。光の力と闇と風の精霊の力でできている……精霊騎士だ。ユートは……光の剣を使いこなしていたから……俺の魂に憑依したユートの光の精霊の力がユーヤの闇の精霊の力で封印されていた闇の力を解き放ってくれて助かった……。」
と俺を見ながらユートが嬉しそうな顔で言うのであった。俺は……「ユートのおかげでユーマの正体を知ることができたよ。感謝してもしたりないぐらいだ……。俺達兄弟は……地球で産まれ育った時からずっと一緒に生きてきた兄弟だから……。これからも……仲良くして欲しい……。よろしく頼む……。」と言うとユートは大きく目を見開いてから……「もちろんだよ。こちらこそ……。弟として仲良くしてほしいんだ……。」と俺に手を差し出してきてくれるのであった。
「俺とユートは……。今、ユウヤの身体の中に入っているユウトの弟のユーマと一緒に行動する事が多くなってるんだけど……。この世界の平和を願い戦っていきたいと思っている。」と俺はユーヤ達に言うのであった。するとユーヤが、「兄貴……。僕は……ユーマに憑依していた時の記憶があまり残っていなくて……僕も『ユーマ』と一緒に行動する事が多いから、僕とユーマが一緒だと『勇者 ユイヤ』と名前が被ってしまうんだよ……。ユート君は『レイア王女』を妹にして、結婚までしてたから、もう……『勇者』の称号も名乗れないから……別の称号をつけたいと思うんだけど……。何か良い案はないか?
『魔導士』である『ユート・セイ』なんていう称号はどうだろう……?」
俺はユーヤに言われると……。俺は「そうだね……。『光の勇者』の称号の方は、元々『勇者召喚の真実』の著者の本にも書いてあったから、そのまま使ってもらう事にしたんだ。それで、俺達は『勇者召喚』は行なっていないんだ。ただ……この星に住む人間族の中で……『勇者召喚の真実』を読み、真実を知って、他の種族と協力をしたりしながら、自分なりの方法でこの世界を救おうとしている人達が居る。そして……俺達はこの星の『人間族』や『エルフ族』、『ドワーフ族』と共存共栄して行きたいと考えている。」
と俺がユーナ達の顔を見て話すと……。ユーナは「はい。『ユーマ』は……。人間族の国や私達とは違った考えをしていたようで……。この星の住人を奴隷のように扱っていたり……自分達の利益の事しか考えていなかったりと……ひどい状況だったのですが……。でも……私達が出会った人や、助けられた人達の中には、『光の神』に操られていただけで、本当は、そんな酷い事を考える人じゃないんだ。と、言って下さる方もいましたので……。この世界にいる人間の国の人達の中にも、まだ信じてくれている人達がいると思います。」と言うのである。するとユーヤがユーナに対して「じゃあ……ユーマをその人たちに任せる事はできないか……?」と聞いてみるとユークは、「そうですね……。ユーマさんを信じる事が出来るような人はたくさんいると思うのですが……。その……『ユーマ』さんの国や国を裏切ったり、騙したりしてきた者達の罪を許せない人も大勢いて……。ユーマさんを信じたからと言ってすぐに解決出来る訳でもないんです……。『ユーマ』を慕っている者達を納得させるだけの材料がないので……。」と残念な顔をするのだった。すると……。クロエは……。「ユーヤの気持ちはわかるのだけど……。『ユート』君を『ユウヤ』として……『ユーマ』さんは……ユーゴさんにお願いしたらどうかしら……。私はその『勇者 ユウヤ』を実際に見てないからわからないのだけど……。私から見ても……『勇者 ユウヤ』の事を信頼しているようだし……。それに……。私達が『勇者召喚』をした訳ではない事を説明したら……受け入れてくださると思うのですが……。」
と話すとクロエの言葉に、リリが驚いていたのだが……しばらく考えて「わかりました……。」と言うと、リリスが「私は賛成します。」と言い……クロエの案を受け入れる事になったのだった。
リリスはユーヤとクロエとリリアさんの三人が話をしている間に、リリがクロエから受け取った『魔水晶』を持って部屋から出て行ったのだ。リリスは家に戻るとクロエから貰った『魔水晶』を使って、『闇の神殿』に念話で連絡を取り、闇の神である闇の大神官に報告する。すると闇の大神官から「わかった。ユートの事も、リリの報告にあったリリスの双子の弟である『ユウヤ』の事も……。それから、リゼルが私に伝えようとした言葉についても……。ただ……。リゼルも私も直接『妖精族』と会っていないから……詳しくはわかっていないけど……。ただ……私の眷属は全員無事なようで何よりです……。私から闇の神の使徒の皆様へ『闇』の力を少し分ける事といたしましょう……。
そして、私の娘達も無事に産まれ、元気にしているみたいだから……。心配はなさそうだね。後は……。私からの加護を与えるのがいいでしょうね……。ただ……。私が加護を与え過ぎるのは良くないかもしれませんね……。とりあえず……。リリスには私が力を貸せるようにいたしましょう……。それと、ユーヤの身体に入っている『ユウマ』という者の件については……。その『ユウヤ』が生きている事がわかりましたら……。私自ら『闇の神の間』に案内致したいと考えておりますので……。その時に詳しい事情をお聞かせ下さい。それでは……失礼致します。」と言う声が聞こえてくるのだった。
リリスが部屋に戻ってくるとリリスがリリに向かって言う。
リリは、ユーヤ達の会話を聞いて……『光の騎士 セイ』として生きる事に決めるとリリに伝えるのであった。するとユートは、「『光の騎士 セイ』としての使命を果たすために……。俺と離ればなれになっても良いのか?」と聞くと、リリは「えっ!?ユートと離れるのは嫌だよ……。ずっと一緒に居たいの……。
でも、リリには……。リリには『光の巫女』として、『闇』の力を封じるという役目があるんだよ……。だから……いつまでも一緒にいられるわけじゃないんだよ……。」とリリは泣き出してしまうのであった。
ユートはリリを抱きしめながら……リリに自分の想いを伝えるのだった。
俺は「『光の巫女』ってどういうことなんだ? 俺と離れてしまって……俺に何かできる事はないか……?リリに危険はないのか……?リリに何かあったりしたら……俺は……絶対に後悔して……自分を責めるだろうから……。」
と言うと、リリは「大丈夫よ……。ユートは優しいね……。ありがとう……。」
リリの目を見ると……。瞳の奥が微かに光っているように見えるが……。気のせいだろうか……。でも……。『光の女神』の力を持っている者が二人存在するってことになると……『光の女神様』の力のバランスがおかしくなって……大変な事になるかもしれないぞ……。と俺が悩んでいると……。リリが話してくれた。
「『光の精霊王様』から教えてもらった事があるんだけど……。この星には……。二つの力を持った人が居るのよ。『光の精霊王』の力を引き継いだ者が……光の精霊王の化身になるらしいの……。」
と話始めると、続けて話し始める。
「もう一つは……『光の力』を持った者が、光の精霊の力を借りて……光属性の攻撃魔法を使う事が可能なんだって……。でも……。今は……まだ誰も『光の力』を受け継いだ者が現れていないらしくて……。この星に居る人達の中で『光の力』を持っているのは、リリだけみたいなの……。」
俺は、驚きながらも冷静になり「そうなんだ……。それで……。リリは『闇』の力と戦えるんだね。」と言うと……「うん。そうだね……。『闇』の力の封印のためには、ユートと一緒じゃないといけないんだって。ユートが……『光』と『風』と『大地』の三柱の『神の御使い 神獣』と一緒に戦う時に『闇』の力は解放されるんだけど……ユートと『聖剣 セイクリッドソード』の力が合わさった状態で、『闇』の力を持つ者と戦って、勝利をしないと……。『闇』の力は消えずに残ったままだって言ってた……。ユートがこの星で平和に暮らすために必要な戦いだよね……。ユートが平和に暮らせるようにする為に……。ユートが『魔王軍』と戦争を起こす為の戦いではなく……。私と一緒に……。ユートが安心して、ユートの大切な家族や友達がいる世界で平和に幸せに過ごせるようにするためにも……必要な戦いなんだよ。ユートが平和に幸せに過ごしている事だけが……。リリにとっては一番大事な事だから……。」
俺は、この世界に転生してきた時……。この世界は平和で暮らしやすくて……『勇者召喚』さえ行われなければ……このまま平和に生活出来て良かったのに……。と悔しく思う。でも、そんな俺だからこそ……今こうして、この世界を守るために戦う事ができるんじゃないかと思ったりもしたのだ。
俺とユメとユナの四人は……。
この星を救う旅を始める事にしたのであった。
そして、俺とリリスとリゼルが融合して『火の神殿』の『聖なる焔の剣』を使い……ユーヤが使う予定だった剣が、俺の手に渡る。
「これは……。確かに凄い魔力を感じるな。この武器が有れば……俺ももっと強くなれるような気がする。それに……この『魔導刀 ホーリーセイバー』が有るだけでも……。」
俺達は、この星の『闇』の力を持つ者と『光』の能力を持つ者に勝つ事が出来るはずだ。
しかし、油断してはいけない。いくらこの『魔導具』が強いと言っても……使い方次第では、この世界を滅ぼす事も可能なのだ。俺は……。『闇の神』と戦うために……これからどうするべきなのか……。ユーナ達が言ってたように……。ユーナ達がこの世界を救おうとしていた事や、リリアさんがこの世界を救うために協力をして欲しいとお願いに来た事から、世界中を旅している間も……色々な種族達を助けていた事を思い出す。すると……リリアさんとユーマさんの事を思い浮かべてみる。そういえば、二人は恋人同士で……お互いに想い合っている感じがするんだよなぁ。もしかすると……。俺と同じように……二人が元いた世界に帰りたがっていたら……帰るべき場所に戻るべきだと俺は思うけどなぁ……。でも……。今の二人には帰る場所がないみたいだしな。二人の気持ちを考えると……俺達の世界に来てもらう事も考えた方が良いと思うけど……。俺も一度、二人で暮らしていた場所に帰ってみても良いかもしれないし……。
リリが、「リリとユウヤが住んでいた家は……どこにあるの?」と聞くと、リリは、「う~ん……。あの町ではないんだ……。ユウヤとリリは、『闇の女神』から闇の力を取り除くための鍵となる『光の巫女』だから、ユーヤが産まれた町の近くの山の中にある小さな家で暮らしていたの……。だから……。ユーヤが生きていたとしたら、ユーヤもこの近くにあるはずなんだ……。」と言うとリリは「私……探してみるね。でも、私……もうこの星には長く留まれない……。私の役目も終わりに近づいてきてるから……」と言うので…… 俺がリリの頭に手を添えると……
「リリのお母さんが、『闇』の神である『ダークネス神』に、ユーヤを連れて行かせないように、必死に足止めをしているのに……私まで行ってしまえば……ユーヤを取り戻す事もできないかも知れないから……。私……もう少し頑張ってくるね。私の事を心配してくれてありがとう。ユウトが、リリの頭を撫でてくれたから……少し勇気が出てきたよ。」
と言うとリリスは「うん!頑張ろう!」と力強く答えるのであった。
それから数日が経ち……リリも俺達に合流して……皆で一緒に行動する事になった。そして……ユーマさんの家がある山の麓の町にやって来たのだが……。やはり……『闇』の力で、町は荒んでしまっているのだった。
俺とユナは、リリとユノが、闇の力を宿していた者を倒すまでの時間稼ぎの為にこの町に残ることにした。俺達三人だけになったとしても……俺達なら闇の力に打ち勝てるはずだし……。『聖騎士』の称号を持つ俺のユニークスキルの『勇者召喚』で召喚された俺の仲間は、皆強いのだから。
「じゃあ……行こう!!」
「おぉ~!!」
と気合いを入れ直し、町の中を歩いていると……『闇』の力に浸食された住人達の姿が見えた。『闇』の力に支配され、完全に理性を失っていて、本能のまま暴れまわる姿を見ると、まるで悪魔に取り憑かれているかのように見えてしまうほどだ。その状態を見た俺とユイは……
「ユズ姉……。やっぱりこの町はおかしいよ……。」
「うん。そうだね……。この力は、ユーヤ君とユリスちゃんに頼らない方法で……なんとかしないとだめだよ。私も……『闇の女神』と戦ってくるね。ユウトはここで待っててくれるかな?」と真剣な顔つきで言うと、「わかった。無理しないでね……。でも、ユーヤ君の事は、絶対諦めちゃダメだよ。必ず、ユーヤ君は戻ってくるから。ユーヤ君は約束を守る人だから……。きっと大丈夫だよ。」と俺が言うと……「ありがとう。ユートは、私が必ず助けてみせるから……。ユートは……この世界に転生して来て……まだ一ヶ月くらいだけど……。でも……それでもユートは……。この世界で……誰よりも優しくて思いやりがあって、この世界に住む者達を愛している。そして何より、ユートの魂はこの世界のものではないんだよね。それを知っているのは私だけだけど……。」と言いながら……ユズ姉の目が涙がこぼれそうなのを我慢して笑顔を作ろうとしている。俺は「リリス……。ユズ姉のこと……。任せたよ。」とだけ伝えた。
俺とリリスは、町の中心に向かって移動を開始した。リリスは、先程のような邪悪な力ではなく、神聖な光のオーラが溢れ出しているような……神々しい雰囲気を纏っているように見える。それは……。ユートとして、この星に生きている人達を護りたいという想いが強くなっている証拠かもしれない。リリスは……俺の方を見ると「ユウト様……。私……。」と何かを言いかけるが、首を左右に振り、「うぅん……。何でもない……。早く『闇の魔王』を倒して、ユウヤと二人で暮らす家に帰るんだ……。絶対にユーヤを取り戻すんだ。私は『闇の魔王』なんかに負けないし……ユウヤにも負けたりしない!!ユートも、ユーヤを取り戻して帰ってくるんだ。いいな……。ユート……。」
俺は、「うん。もちろんだ。でも、ユナが一人で寂しいだろうし……リリスの事を気にかけていたみたいだから……。ちょっと様子を見て来るね。すぐに追いつくから、待っててくれな。」と言うと……
「うん。わかった……。ユナの事が心配だから……よろしくお願いします。でも……すぐ戻って来て欲しい……。ユトの事が好きな気持ちを抑えられないから……ユトの顔が見たいし、ユトとキスをしたいから……。それに……。ユートが……ユートが好きだって伝えなきゃ……。って思うの……。ユートが『闇の魔王』と戦う前に……ユートに伝えないといけない事がある気がするの……。」と話すリリスの目は潤んでいるように感じる。
そして、ユーラは、「じゃあ……行くね。私、ユートの事を信じてるから……ユートが無事に帰ってくるのをずっと待ってるから……。ユートと再会できる時が来るのを祈ってます……。」と言うと、ユズルの目の前に光の渦が現れ……吸い込まれていったのであった。
「よし。これで、俺もリリスと一緒に戦えるようになったし、二人で協力して……倒してみようか?」とリリスに声をかけると…… リリは俺を見て、目を見開いて驚いているようだ。「あれ?どうしたの?俺はもう大丈夫だよ。だから……一緒に頑張ろうな。」と言うと…… リリが「ごめんなさい。私……ユウヤ君とユーキが融合してからの記憶があるんだ……。ユーヤ君は、リリのお腹の中で成長していて……。」と俺を見ながら話しているリリの瞳からは涙がこぼれていた。
俺は……リリを抱き寄せた。リリも俺に抱きしめられて……安心感を感じたようで、声を上げて泣き出してしまった。俺が「俺はもういないんだけど……。でも……リリアさんやユーマさんと出会って、この世界を救おうと思ってたのが、今のリリと同じような状態だったから……この星の人達を助けたいと思っていたから……。俺も……。今のリリのように泣いたり……辛い事や、嬉しい事を乗り越えてきた。そして、今この世界には……リリと同じように、俺やリリアさんやユーマさんを助けてくれた人がたくさんいて、この星を救う為に今も戦ってくれている仲間達がいるんだよ。俺は、そんな優しい人達が大好きだ。俺も……。皆を救わなくちゃならないし、これから戦うであろう『闇の魔王』に勝つ必要があるから、泣いてばかりはいられない。だから……一緒に頑張って行こう。これからも、お互いに協力しながらね……。俺達は……一人じゃないんだよ。」と伝えると……リリは……「うん……。そうだね……。私達……三人で頑張って行こう。」と言ってくれた。リリの瞳から流れる涙には、悲しいという感情だけではなく、俺との別れの悲しみも含まれているのだと思った。だから……今は泣くのを我慢して頑張って行こうと思う。
しばらく歩くと……。町の一番中心の建物が見えてきて、そこに邪悪な力を感じて……。リリスが、剣を構える。
「リリスはここに居てもいいよ。ここは、俺に任せてくれないかな?」
「えっ……。」
「大丈夫。俺は、『聖騎士』だからさ。どんな敵でも必ず倒してきてやるから……。リリスはユーマさんとユリスちゃんを守ってあげて。」
「うん。わかった……。」と答えるリリスの表情は少し強張りを見せていた。でも……俺はリリの頭に手を添えると「リリスは、リゼアに会えたのかな?俺は……リリとまたこうして会うことができたけど、リゼアには、俺がユーヤだよって事はまだ内緒にしてるんだ。でも……。ユーヤとリリの絆は強いから……きっと二人は再び巡り合うはずだから……信じて待つしかないよ。それまでにユーヤが、俺の代わりにリゼアを迎えに行くんだ。いいな……」と言うと……
「はい。わかりました。ユウト様が、『光の巫女』として頑張っている間に……『風の巫女』である私がしっかりとリゼアを守りますから……。『火の巫女』であるユズ姉もいますから、絶対に『闇の女神』なんかに負けたりしないはずですから……。」
俺はリリスの目を見て力強くうなずくと、建物の中に入った。
建物の中に入り、周りを見ると……すでに多くの人達は、闇の力に支配されてしまっていたが、リゼアの波動を感じる事ができて、俺は安堵した。
リゼアの波動が感じられる部屋に入ると、そこには、一人の美しい女性がいた。その女性は、「あなたは……誰ですか?なぜ……この町にやって来たのですか?」と問いかけてきたが、俺は「はじめまして……。俺は『闇』の存在を倒す為にやってきた者だよ。この町の人々を助けに来たんだ。君の名前は何ていうんだい?」と尋ねると…… リリスと同じ銀色の髪をした綺麗な女性が答えた。
「初めまして。私はリリとユズの祖母でリリアと言います。この世界の平和を願い……。この世界に転生してきた『闇』に対抗する力を持つ『勇者』様を探しています。どうか、力を貸してくださいませんか?」と真剣なまなざしで言うリリアに……。「あぁ……。君の事は知ってるよ。この世界に『光の女神』の力を使ってやってきたんでしょ?」と俺が言うと……「どうして……。」と言いかけたところで、「君がリリスに『光の巫女』として、力を与えた『女神』なんでしょ?」と言うと、リリアが俺を睨みつけてきた。「私がリリスに与えた力を……どうして知っているの?あなたは一体……。」と言うと……「俺は、リリとユズが転生して来た時に、リリスとユーナから聞いているんだよ。」と話すと……
「リリスとユナは……元気にしているんですね。よかった……。でも、私は……。私は……あの時……私の魂を捧げる事でしかこの世界の人々を救えないと判断して、自らの命を捧げようとしたのです。それなのに……私を生かす為に……ユートは自分を犠牲にしたんですよ。私は……。私はユートに謝らなければならない。私を庇って命を落としたユートを救いたいの。」
リリスがユートの事を話すと、涙を浮かべながら、 リリスに近寄ってきた。
「ユートはきっと……。あなたを護れて本望だと思っているよ。ユートは……自分の意思よりも、人の為に尽くしてあげられる優しい子なんだから……。それに……。『闇の女神』にユーヤを吸収されてしまった事で、俺の魂は、今やユーヤそのものでもあるんだ。だから……ユートと俺の意思は一つになっているし、俺の体の中には、二人のユートの意識が共存しているんだよ。だから、君も……。そして、ユートも……自分を責めなくても良いんだよ。俺は、君達のおかげで……リリスとユズちゃんに出会うことが出来た。感謝しているんだから……。
でも……俺は……『闇の魔王』に負けてしまったから、これからは、俺ではなく、ユズルとして戦うことになると思う。
だから……。俺は、ユートの体を『闇の精霊王』から取り戻して……。この星のみんなを闇の支配から抜け出せるようにしてみせるよ。だから……俺は負けないよ。そして、『闇の魔王 シャドウ ダークネス』を倒してくる。だから……。リリス……ユーナ……ユーヤを頼んだよ。
あと……もう一つお願いがあるんだけど……『水の精霊王』の所に案内してくれるかな?」とお願いすると……リリアが「えぇ……。もちろんよ。でも……。『水の女神』である私も行くから……。」と話そうとすると……
「いいえ。あなたの力は必要ありません。」と突然リリスが割り込んできた。
リリスの態度は、明らかに敵対的なものだった……。そして、「あなたもユウト様に言いたい事があるでしょうが、ユウト様は今、『闇の魔王』を倒す為に戦いに行かなくてはならないので、後にして頂けませんでしょうか?それに……。あなたは、ユート様と融合した時の記憶が残っているのならわかると思いますが、私も……ユーヤと融合してから、ユーヤが経験したことを知っているのです。だからこそ、ユート様が……これからどんな道を選択しようとしても……その先を見通す事ができるので……安心しているのですよ。」と言った。俺は……
「まぁまぁ……。二人とも落ち着いて……。」と仲裁しようとするが……。リリスが、
「あなたも……リリスに話した通り……私がユーヤの体に融合したからこそ……。ユートの体にいる時は、『火』『風』『土』『氷』『雷』とすべての属性を使うことができ、どんな攻撃でもダメージを与えず……『魔素』の集合体に対して絶大な攻撃力を持っていたユートの潜在能力を最大限にまで解放する事ができたのです。それが……。『光』の力です!あなたが、『光の巫女』となって得た力とは何なのですか?」と聞くと……
「えっ……。えっ……。それは……。ユーヤ君は……確かにすごい能力を秘めているかもしれないけど……。それでも……ユウトは……。普通の人間なの……。」
リリスはリリアの言葉を聞き終わらないうちに……。「だから……。だからと言って……。この世界の人々が苦しめられている時に見て見ぬふりをするんですか?私には、そんな事できない。」と怒りだす。
俺が止めようと口を挟もうとするのだが……その瞬間に、俺は、あることに気がついた。
ユートは、まだ、この世界の人々に認識されていなかったのだ……。
ユートが、ここに居るという事を証明できる人が誰もいない。
俺は、 リリスに近づいて抱きしめた。
俺に気づいたリリスは、涙目になりながらも、「ユズ……。」と呟いた。
俺は……そのままリリアに向かって、「ごめんね。俺もリリスに怒られるよ。だって……『光』の巫女の力は『癒し』の能力なんだよね。でも……『光』の力で、『闇』を打ち滅ぼす事も可能なはずなんだよ。
『闇の女神』の力は強大すぎる。今の俺たちが、どれだけ頑張っても、『闇の女神』には太刀打ち出来ないほどだ。しかし……俺とリリスの力を合わせることで、闇の力を抑え込む事が出来るはずなんだ。『闇の女神』は、ユートの中に封印されているはずだから…… 俺は……今すぐにユートを助けに行き、ユートの力を開放させる。そうすれば、『闇の女神』の力が抑えられて……。」と話すと……。リリスが、
「待って……。」と言い、リリスは、右手に剣を構えると……。ユーマが使っていた聖剣が姿を現していた。リリスの体は輝きだし、剣からは眩いばかりの光が発せられているのである。そして、 剣の刀身が、ユーマの持つ聖剣と同じ姿に変わると……
「この聖剣は、元々私の物だったものなの。今は……。ユートが使っていて……。聖剣に込められた私の想いと力によって、本来の力を取り戻したわ。」とリリが俺に言うと…… リリアの方を見るが、リリアは首を振っているのである。どうもリリスの聖剣の力では『闇の女神』を封印することはできないらしい。俺はリリスの手を握り締めると……。
「大丈夫だよ。俺を信じてくれないか?」とリリスの目を見ながら言うと……
「信じてる……。ユズは絶対に……。」と涙を溜めながら答えてくれるのであった。
俺が、再び、『闇の女神』の力を感じた方向に目を向けてみると……すでに闇の存在達と闇の力に操られている人達が集まっている事に気づく。俺は、「よし。」と声をあげると、リリイをリリスと抱き寄せて、唇を重ねて……
「リリスとユズの大切な人を取り戻す為に……行ってきます!」と言うと……俺は走り出した。
そして……。闇の存在が密集する場所にたどり着いた時……。既にユーヤを吸収し終えたユートが『闇』に乗っ取られて現れてきた。そして……。ユートは、『暗黒』魔法を唱えて黒い炎で周りを燃やしていく。
ユートは、俺の姿を見つけると、「なぜ……お前がここに?ここは……。この場は……『闇の勇者』しか入れないはず……。」と言い放つ。
「『光』と『闇』は相反するものだ……。『闇』に負けてしまうくらい弱い存在は『光』の力を使うことはできない。この世界の人々は、『光』の力を使えないのさ……。」と答えながら、俺は、『神力結界』を張り巡らせるのであった。そして……
「俺を倒せば……。ユートの力を戻せると思うぞ?やってみるか?」と話すが……。
ユートは無表情のまま何も言わずに攻撃を仕掛けてくる。
俺は、無数に飛んでくる闇の波動を、避けながら……。『浄化』の力を使い続けるのであったが……一向にユートを侵食している闇を払うことが出来ないでいた。
「どうしてだ……。何故……。俺の『浄化』の力が通用しない?」と言うが……ユートは、『暗黒』の力を増幅させて、 俺に向けて『黒き波動』を放ち続けていたので……。
「このままではまずいな……。」と思った時に……リリスが、
「『水の女神』である私に助けを求めてください。私は……ユート君を助ける為に……ユウナさんに私の体を譲ってあげたの。だから……私が……。私の命をかけてでも……ユーヤを助け出すから……助けて……。」と泣きじゃくりながら叫ぶ。すると……。俺の目の前には……あの美しい少女がいた。俺は、「ありがとう。助かったよ。あとは俺に任せてほしい。俺は、君の事を必ず守ってみせるから……。だから……もう泣かないでほしいんだ。」と話すと……。
「私にはもう泣く権利なんて無いと思っていたんだけど……。やっぱりダメみたいですね。お願いします。『水の精霊王リリスティア』の名において、この世界の為に命をかけようとしているこの人の願いを聞き届けて欲しい。お願いします。」と俺に話してきた。そして……。俺達は……『光』の力を持つ者達が集められた『聖域』へと移動すると……。俺はリリスに、「君も……。リリスも……死んじゃいけないんだからね。約束だからね。俺も……ユズと一緒に、君達を守り抜いてみせるよ。だから……リリスもユズとユートを救ってくれ……。そして……。」と言って……。『聖域』の中央に、光の玉を召喚して『闇の女神』を閉じ込める。そして……ユートの元に向かうと……「今だ!頼むよ……。ユーヤ!!」というと……「わかった!『闇を切り裂く光の刃』」というと……ユーヤが、光の精霊王に進化した姿がそこに現れた。その姿を見たユートは……驚愕のあまり目を大きく開いて驚いていたが……すぐに、俺に向かって「おのれぇー!貴様も道連れにしてやる!!これで……俺の邪魔をする奴はいなくなる!『混沌 カオス ブラックアウト』」と叫ぶと……。ユーヤと融合した状態のユートは、『暗黒 ダークネス ブラックホール』を唱えた。
俺の体が徐々に消え始めた。俺だけじゃない……。
俺が守りたいと願った人達全てが消滅していこうとしていた。リリスは、 ユーヤが作り出した『聖なる泉の水』を口に含んでいる。その瞬間……俺達が張っていた防御壁が全て砕けて……俺達の体を飲み込んでいった。
「ごめん……。ユヤ。私も一緒に行きたかったのに……。」と呟いた瞬間に……。俺は……意識を失った。……………… 俺は……目を覚ました。真っ暗な世界に一人きりだった……。
(ここは……。どこなんだろう?)と思いながら歩いていると……小さな光が見えてきた。その光が見えた方に向かっていくと…… そこには……。見たことのない風景が広がっている。
(何これ!?こんな世界知らない……。)と思っていると……急に大きな音が聞こえてきた。そして……誰かの声が聞こえる……。
「あぁ~!疲れたぁ~!もうやだ……。でも、やっと解放されたんだよねぇ。うぅ……。眠い。」と聞き覚えのある声が俺の耳に入ってきたのであった。………… 俺の体に何か柔らかいものが触れている……。それにいい匂いがする。そして俺の手は柔らかくて弾力があって気持ちが良い物を揉んでいた。その度に、「あん……。ユユ……ユズ。そんなにしたら……んっ……。」という声が、 俺の耳に響いていた。俺は……目を開けた。そこには……リリスの裸体があったのだ。俺は、リリスを抱き締めていたのである。そして……。「えっ?あれっ?俺、確かリリスに殺されそうになってなかったっけ?えっ?」と焦り始めるのだが……その俺の言葉を聞いてリリスが、「良かった……。本当に良かった。」と言って抱き付いてきたのだ。その瞬間……俺は、「あっ!」と叫んだのだが……その瞬間に俺は、リリスに覆い被されるようにベッドに押し倒されたのである。
俺の上に跨がっているリリスの顔がどんどん近づいてきて……俺の唇に温かいものを押し当てられたのだ。俺は慌ててリリスを引き離して起き上がると……リリスは涙を流して震えていたのであった。
「どうしたんだ?」と聞くと……「ユトが目を開かなくなってしまって……。ずっと……目を開けなくて……。私も……もうダメだって諦めてしまっていたから……。だから……目が覚めた時は、夢じゃないかって思って……。でも……。」と話すのだった。俺は、「夢なんかじゃないさ。俺は、ここに居る。大丈夫だよ。」と言うと……俺は優しくリリスを抱きしめたのであった。
リリスに服を借りて着替えて部屋を出ようとすると……部屋の隅には、リリイが膝を抱えて泣いているのである。
「どうしてリリスが生きているのに、リリイまで泣いているんだい?俺がリリスを殺したとか思っていたのかな?心配かけてごめんな。俺達は全員無事だよ。俺と一緒なら外に出られるけど……。まだ、外には出ない方がいいかもしれないな。俺達がいるこの世界がどういう所なのか、まだ分かってないし……。もう少し様子見てみよう。」とリリイの頭を撫でると……。リリイが俺にしがみついて泣き始めてしまった。俺は、しばらくリリイを抱きしめて背中をさすって落ち着かせようとしたのである。……少し時間が経つと……二人は落ち着いたのか、恥ずかしそうな顔をしている。俺は二人を連れて家を出ると……。俺の家の周りでは……大勢の人が倒れているのだった。どうも、『聖女 セイクリッド・ホーリークイーン』の『光の女神』であるレイが作り出した『聖域』によって……闇の存在を浄化されて消滅し始めているようであった。
「リリス……。リリイ。これからどうしよう……。ユートに狙われる可能性が高いと思うんだけど……。どうすればユーマ達を取り返せると思う?」と話すと……。
「私にも……。分からないわ……。ユートに対抗できる力が有るとしたら……それは……多分、『勇者 光の剣』に『覚醒』することだと思う……。『闇の勇者』を倒す事が出来るのは『光の勇者』だけだから……。」
と言う。
「『勇者』?でも……ユートは『勇者』の称号を持っているはずなのに……。どうして『闇の勇者』になっているんだろう……。そもそも『勇者』っていうのは、『魔王』を倒した者に贈られる称号だから……。ユートが、自分で『闇の魔王』に堕ちたのであれば話は別だけど……。それとも……『勇者』として、何かの理由で『闇に落とされた』と考えるのが自然かもしれないな……。だとすると……。俺達が……助けに行く事は出来ないって事になる……。」と呟く。
「私達に出来るのが有れば何でもやるわ。だから……お願い……。私に力を貸してほしいの。お願いします。ユウト様」と泣き出しそうになるリリスを見て俺は「リリスが泣く必要はないんだよ。君が生きていてくれて嬉しい。ユートが、リリスに何もしないでくれていて……。ありがとう。俺の方こそ、ユートが、俺達を襲ってくる可能性を考えていたのに、守ってくれて感謝しているよ。俺に、もっと力があれば……助けられていたんだけど……。俺の力じゃ、みんなを護るどころか、俺が逆に皆を危険に晒してしまうんだよ……。」と言うとリリスは、「そんな事ないです!私が『水の聖者』に進化できたのは、きっと……貴方のお陰ですから……」と言ってくれたのである。そして、
「ユーナさんとリリアさんを助けてあげてください。」と涙ながら訴えてくれたのだった。……俺は、ユーヤに相談する事にした。ユーヤならユーマを助け出す方法を考えつくかもしれないからだ。俺は、ユーヤを呼び出す為に、妖精族の村の村長の屋敷へと向かったのだった。…… 俺が村長の屋敷に着くと……ユーヤが、俺の気配を感じ取ったらしく屋敷の外に姿を現したのである。そして、「ユウトは、私に会いに来たんですね。分かりますよ。私は、『神聖王 セイントロード』です。私の力は、『王種』よりも上位になります。つまり、この世界の全ては私の支配下に置かれています。私の『支配眼』の能力を使えば、今の状況を知ることが出来るのです。」と言うと…… 俺達は、ユーヤの目を通して『聖王国』で起こっている事を目にしたのであった。すると……『混沌王』が暴れ回っていたのだ。そして……その隣には……
『光の神 ルーノ』が佇んでいる……。「あいつ……生きていたんだ……。まぁ……死んだ方がよかったんだけど……。」とつぶやくと……ユーヤが「あれも元々は……『混沌』だったんだけど……、いつの間にか、『光の神』に取り込まれているんだよ。あの時は……僕達三人しか居なかったんだよね。」とユーヤが教えてくれるのだった。そして……俺が、「今は『暗黒の魔神』を操っているんだけど……。どうやって取り戻すつもりなんだい?」と尋ねると……ユーヤは、困ったような顔をして、こう答えるのだった。
「あれは……。もう、『暗黒の使徒』に完全に乗っ取られている。今の僕の力では……。『暗黒の王 ダークネスキング カオスキング ブラックホールナイト』に憑依された状態なので、元の肉体に戻すことは……難しいだろうな……。
しかし……。一つだけ……方法があるかも知れないけど……。
試したことが無いのと……。失敗すれば……。
ユウトは……死んでしまうかも……。
それでもいい? それでもいいなら……協力してほしいな。」
と俺の顔を見ながら話してきたのだ。俺は、「ユーナは、俺の家族だし……。リリイもリリスも家族だから……。俺の手で助けてやりたいんだ……。頼む。」と頭を下げると……
「うん。分かった……。やってみよう!」と言ってくれる。そして……俺は、「ユーヤ。その方法を教えて欲しい。」と聞くと……。ユーヤが説明を始めてくれる。
「方法は簡単だ。僕が、あの『混沌の巫女 ネプテューヌ』に、ユウト達の肉体を渡す前に、『闇の女神 デミウルゴス』の加護を受けた『闇の杖』を使い、 闇の属性の魔力を大量に注ぎ込んで、闇の神の力を削いでいくのだ。
その後……光の属性の魔法を使って闇の神を弱めていき……。
そして、闇の神の身体から闇を浄化していくのだ。
最後に……『闇の女神』に光の属性を流し込みながら……。
そして……闇の女神とユウト達の繋がりを完全に断ち切り、 ユウトと融合させるんだ……。」
「そうすると……どうなる?」と俺は聞いた。
「闇の力を全て失った……『闇の女神 ネプテューヌ』が どうするか……までは知らないけど……。『勇者』が使う最強の武器の1つでもあるし…… その剣で刺されて消滅させられるんじゃないかな……。」
と言うのであった。
『勇者 光の剣』と俺が一体化すれば、確かに俺が、
『闇の王 カオスキング ブラックホールナイト』と同化できる可能性もあるのだ……。俺は……『勇者 光の剣 ホーリーソード』を使う事が出来るようにはなっていた。俺は、『聖剣 ホーリーセイバー』を手に持ち……。「よし!やるぞ!!ユーマ達を……取り戻すんだ!!」と叫ぶのであった。
「うむ。私に、お任せください。ユウ様。」と言う声が聞こえてきたので……。振り返るとそこには、俺の分身『守護龍』の一人が居たのであった。
俺に付いて来ていたのか? と驚いていると、俺の目の前には……。『光の龍王 レイ』がいたのだった。「レイちゃんが……。手伝ってくれるのか?それに……俺に『闇の王 カオスキング ブラックホールナイト』の封印されていた場所まで連れていってくれないか?」と俺がお願いをする。
「もちろんだよ!私の『眷属』に頼んで連れて行くよ。」と言ってくれたのである。
それからしばらくして……『光の勇者 ユート』が暴れまわっていた時……俺と『闇の勇者 カオスマスター ブラックホールナイト』に分離させた状態のユーマが対峙していた。俺は、ユーマに向かって『闇の勇者 カオス マスター ブラックホールナイト』を投げつける。すると……『勇者 ユート』の剣が俺が投げた『闇の騎士 ダークネスナイズド』を貫く。
すると……。俺の中に……何かが侵入して来た……。それが何なのか俺にもわからない……。俺は必死にそれを食い止めようとしたのだが……抵抗できず……俺は意識を失う……。そして……目が覚めると……俺は……『暗黒騎士 ダークナイト』の姿に戻っていた。「やったぜ!俺様は、遂に『光の女神 セイクリッドホーリーマザー』を倒した。さぁ……。次はお前の番だが……。その前に……。貴様の魂を食らってやろう。」と言ってくると……『混沌騎士 ブラックナイト』の『勇者 ユウト』を召喚する。すると……ユートの剣に闇の力を込める……。
『闇の勇者 カオス マスター ブラックホールナイト』は、「無駄だ!闇の力を込めた『闇の勇者』の技は全て俺には効かないのだ! くたばれぇー」と言って……闇のエネルギーの刃を放ち、俺を殺そうとしたが……ユートは俺の目の前に立つと剣を構えて闇のエネルギーを吸収した。そして……「これで、もう俺に攻撃はできない。覚悟しろ!」と言うと、一瞬にして『勇者 ユート』の背後に移動した……。
すると……「ぐはっ」と叫んで倒れると、『混沌王 カオスキング ダークネスロード』になった……。
「馬鹿な……。俺は、この世界の王だ。俺は無敵の存在なのだ。俺の力が何故……。俺を殺せる者がいるなんて……信じられない……」
と言い残すと……消滅する……。
俺は、「ユウトさん。大丈夫ですか?」と俺を心配して、ユーヤが駆けつけてくると……ユーヤの後ろには……『光の聖女 ヒカル ルーノ』と『聖王 セイントロード』に進化して、 大人びている姿になっているリリスが一緒にやって来た。俺は、自分の手を見つめながら「どうして、俺が……。ユーマ達を取り返せなかったんだ……」と呟いていた。ユーヤが、「ユートさん……。残念ですが……」と言うと……俺は、涙を流し始める。そんな俺にリリスが近づいて来て……「私の力を分け与えてみます……」と言うと、リリスがキスしてくる。
リリスの唇の感触が伝わってきて、リリスは目を瞑っていた。暫く時間が経ってから、ゆっくりとリリスは、俺から離れていったのである。そして……ユートは……「ユートさん……今、ユートさんの体内には、リリスちゃんの力が流れ込んでいるんです……。リリアさんの体を通してね……。ユートは、『光の女神』に進化しましたから……。その力で、『暗黒の使徒』に憑依されたユートは救えますから……。」と俺に言ってきたのだった。そして、リリイとリリーも、リリカと一緒に俺に近づいてきて、口づけしてくれる。ユーヤとリッカは、「ユーマを……頼むね」と言って俺の頭を撫でてくれた。そして、俺は、「あぁ。必ず……。ユーヤも……。ユーマを助けてくれよ!」と言うと、「わかった!」と言ってユーヤは微笑んだのであった。
俺は、妖精族とエルフ族の国に行くことにした。ユートにユーヤが、協力してくれた事を伝えないといけなかったからである。まず……妖精族の村の村長の屋敷に向かった。屋敷の中には……俺達が戻って来るのを待っていたかのように、妖精族の人達と村長と長老達が集まってくれていたのだった。
「みんな……ありがとう。これからユーヤ達を探しに行きたいんだが……。案内役を引き受けてくれる人っているかな?」と言うと、 妖精女王が、名乗りを上げてくれたのだった。
俺達は、ユーナとユートが居る場所に急いで行く事にした。俺は、ニアに、「フェアリーランドでいいか?」と聞くと……「うむ。問題はないぞ。」と返事があったので…… 俺は、すぐにフェアリーランドに移動する。俺は……ニアの手を握っていたのである。
俺とニアは、転移の魔法で……『暗黒の王 カオスキング ダークネスロード』に体を支配された状態でユーマと対峙する事になってしまった。
俺が『暗黒騎士 ブラックナイト』の姿に戻り、『闇の女王』になっていたユーナは、 闇の力を取り込んだ『勇者 ユート』の圧倒的なパワーの前に敗れてしまい、『闇の女神』として覚醒してしまったユーナを倒そうとした『勇者ユート』が剣を振り下ろした時に……俺の目の前で……ユーナと『闇の王 ダークネビュラス ブラックナイト』になった『闇の魔王 ネビューラス』が倒れ込んだのであった。『光の勇者 ユート』に憑依されていた『混沌騎士 カオスマスター』は、闇の魔力で肉体が強化されていて……。俺が『勇者 ユート』を倒すために『闇の女王 ダークネビュラス』に憑依させた『闇の杖』を持っていたのにユーマに勝つことが出来なかった……。俺がユーマ達を助けるために戻って来た時、『闇の女神 ネプテューヌ』にされてしまったユートを救い出す事は出来たのだったが……その瞬間に、 ユーキによって俺に埋め込まれた俺の中の『混沌王 カオスキング』が俺を侵食し始める。俺を乗っ取ろうとしたのである。
そして、完全に俺の中に取り憑いた……。俺は、『光の女神』に進化したニアと融合することで……『光の女勇者』になることができたのである。そして、ユーマと『闇の女神』となってしまったユーナを救い出し、 妖精王 オーディンが作ってくれた剣を使い『勇者 ユウト』と『勇者 ユート』と融合させたユーマを解放することに成功する。
そして……俺は……再び意識を失い、気が付くと……。目の前には……。『闇の神 ダークゴッド ダークネスロード』になったユーマがいた。そして……俺に攻撃を仕掛けてくる。しかし、ユートに憑依されていたユーマはユートの持っていた『光の勇者』専用の武器は使えない状態になってしまっていた。そのため……俺の攻撃はユーマに直撃し、そのままユーマは地面に倒れた。俺は……ユーマが持っていた光の属性を帯びた『聖なる武器 ホーリーセイバー』を使ってユーマの心臓を貫いて、ユーマを殺す。そして……『光の女神 ヒカル』に進化していたユーナは、自分の力の半分をユーマに分け与えた。俺は……『光の女神 ヒカル』に進化した『光の女王』の『勇者 ユウカ』に進化している『聖王 セイントロード』に「俺の体を貸し与えるから……。リリイとリリーを呼んできてほしい。」と言って『光の女神 ヒカル』の体の制御権を譲渡して『光の騎士 セイクリッドナイト』に姿を変える。俺は、『暗黒の騎士 ダークナイト』の姿に戻ると……「ニア!いくぞ!」と言って『暗黒騎士 ダークナイト』に変身して……『暗黒の神 ダークネスロード』となった『勇者 ユウト』と融合した『勇者 ユーマ』を倒しに行ったのである。『混沌王 カオスキング ダークネスロード』に変化した『闇の勇者 カオスマスター マスターダークネスロード』の力を取り込み……更に強大な力を秘めた……俺とニアでも互角以上に戦えるくらいの強力な力を秘めた存在になり始めていたのだ。そんな状況の中……俺はユートの魂を浄化し、俺の魂と一体化させて……元の状態に戻すことに成功したのだ。そのお陰なのか……。俺は……。
「俺は……。一体どうなったんだ?」と呟くと……「俺も……。さっきまでの事が……記憶が……。確か……。ユーヤさんやリリアさんの魂は取り戻せたけど……。その後の記憶がないんだよな……」と言うと……。リリカが、突然泣き出してしまう。俺は、どうして良いかわからず……リリカを抱きしめる事しかできなかった。すると、妖精女王が現れて……。「ユート様……。貴方様が助けた者達もこちらに来ていますよ。さぁ……会いに行ってください。私達の事も紹介しますから……」と言ってきた。
リリカと俺は……他の仲間達に会いにいくことにした。俺達はリリカに案内されながら、俺の仲間達と合流するのだった。そこには、妖精女王とユートの妻達に娘達が居た。妖精女王は、皆を紹介してくれたのである。俺に最初に挨拶してくれたのは、ユーヤと『闇の勇者』にされていた『混沌王』こと『勇者 ユウト』に取り憑かれてしまった状態のユートの娘であるユズハだった。
「初めまして……。私は、『光の女神』に進化した、ユーヤと『光の王』になったユートの子供です。今は、『光の女神』と『聖王』をしています。『勇者』は私の姉と弟がやってますよ」と言ってくれたので、俺も「俺は、妖精王の娘のユートと結婚した『光の勇者 ヒカル セイントロード』です。宜しくね」と自己紹介すると、
「はい。よろしくお願いいたします」と頭を下げてくれる。次に紹介されたユートの娘は、リリイの妹で『勇者』になっている『混沌姫 カオリン』である。そして、リリカとは仲が良いようだ。そして……リリィの妹である『混沌戦士 カオスソルジャー ダークカオスファイター ダークハデス』の女の子も、 リリカの友達でリリイの妹でもある『混沌武僧 カオスプリースト ダークカオスメイジ』の子だった。この二人は、『混沌の女神』と融合した影響で髪の色は黒くなっていたが……瞳の色が黄色になっていた。
そして、リリイの弟である『混沌騎士 カオスナイト ダークカオスライダー ダークナイトマスター』の男の子ともリリカは友達だったようで仲良く話をしているのだった。「俺は、妖精族のユートと人間の娘のリリアの間に産まれた子だ。名前は、リリカと同じリリイって言う名前で呼ばれているから、リリカと同じようにリリイって読んでほしい。ユートおじさん」と言ってくれる。そして……ユーヤは、俺に近寄ってきて、「ユーマを頼むね」と握手を求めてきたので、 俺はユーヤと固く手を結び、お互いの目を見て…… 俺も、ユーヤが俺を助けようとしてくれた事を知っていたため…… 俺とユーヤは涙を流して、感謝の気持ちを伝えているうちに……ユートがユーヤにキスをしたのだった。俺は……「二人とも良かったな。幸せそうで安心したよ。ありがとう。これからは、家族3人で一緒に暮らせると思うし……。それにしても……凄い事になってきているな……。
妖精族とダークエルフ族の人達は、本当に助かった。
これから……妖精族の人達とダークエルフ族の人達が協力してくれれば……人間族が滅んだとしても……生き残る事が出来そうな気がする」と言うと、妖精女王は、「いいえ……。まだ……。終わりではないと思います。シン様……。
妖精族は、ダークエルフ族が滅亡寸前の時に、ダークエルフ族が持っていた宝具の力を利用して作られた存在です。妖精族は、人間族の国を裏切って……ダークエルフ族につくことにしましたが……このままでは……人間は滅びてしまう可能性があります。なので……ユートとリリイに……妖精王の娘とユーヤと『勇者』の『勇者 ユウト』の子孫には、妖精王の一族とダークエルフの王族と共に協力して……新しい国を作る手伝いをしてほしいと思っております。勿論……ユートは……妖精王とダークエルフ王の『勇者』として…… ユートと『聖王 セイントロード』に進化したユートの息子と娘にも手伝って欲しいのですが……。ユーヤに、妖精女王として……『光の女王』と『聖王』になったユーナと結婚して、ダークフェアリー一族としてユート達に協力してもらえませんか?」と俺に頼んできた。俺は、
「わかった……。引き受けるよ……。しかし……ユーナは……どうしようかな……。」
と言うのであった。すると、
『闇の女王 ダークネビュラス ブラックナイト』に憑依されていた時のユーナに、闇の魔力をユーキによって取り込まれた事で、ユートの肉体を支配出来なくなっていたので、俺の中にいるユートから肉体の支配権を取り戻し、 ユーヤの体を借りて……ユートが「僕は、『闇の女神 ダークネビュラス ブラックナイト』にされて……取り憑かれて、操られていた……。しかし……僕の中に取り込んでいた……闇の女神の『力』を取り込むことには成功したみたいだ……。
『闇の勇者 カオスマスター マスターダークネスロード』が使えるようになってた。それで……僕の中にある全ての力を開放する事に成功したよ。今の状態でも……。ユートの体を借りなくても……。自分の体を自分で動かせるようにはなっているんだけど……僕の中に残っている闇の女神の力のせいで、普通の人の数倍の力はあるけど……普通じゃ無いんだよね。
だけど……。
リリカとリリイのお兄ちゃんになったから……お父様と一緒に頑張っていくよ」と言う。俺は「そっか……。ユーナならきっと……俺のいない間のユーナを支えてくれると思ったんだ。
だから……『闇の勇者 カオスマスター マスターダークネスロード』になった時に……。俺の中に入るのを拒否していたんだね……。ユーヤの体の制御権を奪おうとしていたから……。そして……俺の中の『暗黒の女神 ダークレディ』が暴走して、暗黒の女神様になってしまったんだね……。ごめんね。でも……。
これで……やっとユーナを助ける事が出来たし……。
『光の女神 ヒカル』に進化して……。妖精の女王になることができたから……もう心配ないから……」と俺は言った。リリイや妖精女王がユートの体に入り込み、俺に抱きついてきて、「ありがとう」「よかった……」と言ってくれて、皆泣き出しちゃうのだ。そして……リリカとリリイは泣き出してしまうと、泣き止むまでは泣き止まなかったので俺は、泣き疲れて眠るまで、リリカとリリイの頭を優しく撫でるしかできなかったのだ。
ユーマとユズは、お互いに自己紹介をし終わっていたようだ。その後……ユーマに憑依されていたユズハさんの妹さんは俺の所に挨拶に来てくれて「宜しくお願いします。兄さんも宜しくお願いします。あと……私達を救いに来てくれた『聖なる王 セイクリッドキングロードマスターセイクリッドキング セイクリッドロード』になって、私を闇の呪縛から解放してくれた……。私達の『勇者 ユウタ』君と『混沌武僧 カオスファイター ダークカオスライダー』の女の子も宜しくお願いします」と言う。
ユーマが、「僕の『勇者 ユウト』だよ。今は、『光の女神 ヒカル』に進化した。そして、『混沌武僧 カオスファイター ダークカオスライダー ダークナイトマスタリー』の称号を持つ少女だ。そして、『勇者 ユート ライトセイクリッドキングダム』と合体した状態だと、『聖勇者ライトセイバー ライトセイクリッドキング』になれるんだ。ちなみに、『聖王 セイントロード』がユートで、ユーヤは『勇者 ユウト』だ。
僕達三人は、これからは、シン達と行動するつもりだ。ユートに憑依していたから……妖精達の事も色々分かってるし、協力出来るよ」と言う。
俺は、妖精女王達に向き合うと、「分かった。それじゃあ……ユートとリリスとリリイに、ユウヤとリリィとユーマを妖精族の王にして貰って……後は妖精女王に任せる事にするよ。ユーマも……リリスとユウヤを頼むな。
それと……妖精族はダークエルフの人族をどう思う?俺に何かできる事があれば言ってね」と言った。
「「ありがとうございます」」と頭を下げてくれた。妖精族の女帝であるアルラが、「ダークエルフの王族の方々とは連絡が取れましたので、大丈夫です」と言ってくれたのである。そして……。
「『光の王女』に進化したユートは、ユーゴとリリアに『勇者』の力を与える事が出来るようになったはずよ。そして……貴方は……『勇者 ユウト』を召喚する力があります。その力で『混沌武僧 カオスファイター ダークカオスライダー ダークファイター』と『勇者 ユート』と『混沌戦士 カオスジェネラル カオスジェネラル カオスソルジャー』の『三聖獣 カオストライアド』を呼び出して下さい。
妖精王であるユートは、妖精界とダークエルフの人達の王国を作るための力を持っていなければなりません。そして……ダークエルフの国では……闇の女神の呪いを解く必要があります。その為には闇の女神を倒す必要が出てくるかもしれません。そして……人間族の国を滅ぼす必要があるかもしれないです。
ダークエルフ族では、ダークエルフの王子であるダークエルフ族の男達の中で強い力を持っていた人達を……人間族の国に攻め入る時に連れて行って下さい」と言われた。
俺は、ユーヤを見る。「そうか……。わかった。俺が呼び出せるようにするから」と言う。妖精族の女帝である妖精のアルラに向き直り、俺の知っている情報を教える事にした。「アルラは知ってると思うが……『混沌王 カオスロード』になったユーヤのお父さんのユウヤは、妖精王になる前の名前は、『光の神 ホーリーロード』というらしいよ。まぁ……名前が変わる理由は分からないが……ユーヤのお母さんは、元闇の女神だったらしい。
しかし……闇の女神様の『勇者 セイントマスター』の男の子の体に、闇の女神が封印され……ユートが『勇者 ユート ライトセイクリッドキングダム』に覚醒して、俺達『セイクリッド王国 セイクリッドセイントキャッスル』にユーヤを連れ帰る事になった時に、
『勇者 ユート ダークネスセイクリッドロード ダークネビュラス ダークセイクリッドロード ダークマスター マスターネビュラス ダークナイトマスター』として、俺の『聖魔王城 セイントセイクリッドパレス』の玉座の間に来ていたユーヤの体を借りて闇の女神にされて取り憑かれていたそうだ……。ユーヤは、闇の女神にされた後に、『闇の精霊剣ダークレイサーソード』で闇の女神を倒したが、ユーヤの中の闇の力も消えず……。闇属性の力が強くなった事で闇の女神の力もユーヤの中に残っていたようだ……。
闇の女王が復活すればまた、闇の神の力が強まり……。今度は……ユーヤが……闇の女王にさせられる可能性もある。その時の為に……俺は『勇者の力』『聖なる力』と『魔の王の力』の全てを持っている。だから……俺はこの世界に来る時に、神様によって与えられたみたいだから……。ユーヤの闇の力と、俺の中の闇の魔力の両方を使う事ができるはずだから……ユーヤを助ける事が出来る。そして……。俺は……『闇の王』になっているから……他の闇の魔力や……闇の女神の力を吸収できるんだよ」と言う。すると、妖精の長老が「わかりました。私達がユート様の『混沌魔法カード 混沌の書 混沌の巻物 混沌のカードブック カオスマジックカードブック』を使いましょう。」と言う。すると……。ユーヤとリリスとリリイの体が発光し始める……。すると、
「なんだ!?この感じは……。凄く懐かしい……。闇の力が抜けていく……。闇の女神が消滅していく。闇の女神にされていた……リリカも闇から解放される!!」とリリカは、ユートを見て涙を流しながら叫ぶ。リリカが……リリイの腕の中から飛び出し、ユートの元に走り寄ると……。「ありがとう!!ユーヤ。ありがとう……」と言って、俺の前に来てくれる。そして……リリカは、俺に抱きつき泣き出す。俺は……「ユーカさんもユーコさんも助けられて良かった。ユーキ君とユーヤ君は幸せになるべきだから……。本当に良かった」と言うと、リリカは俺を見上げて……。
「うん。ありがとう……。私達は幸せになりたかったんだ……。ユーキにも会って、私達を助けて欲しかったんだ……。でも……。あの時に……」と言いかけると……ユーナは俺の胸に顔を埋める……。リリカは、ユーキ達も助かったんだね。と言うと、ユーマもユートの胸で泣く……。
しばらくしてから、リリスとユーナがユーヤから離れ……。俺が「『混沌魔法 混沌の書 混沌のページ』を使うね」と言うと……。俺が『混沌書』に指を這わせると、リリスが『妖精の箱』にユーナが『聖女の盾』に入っていく……。
そして……。『妖精の鏡』を使って、ユーマとリリィを呼んで、俺の力でリリィの中に入れると、リリィの体に入り込み、 妖精界の妖精王になったユーマとリリスを妖精達に見せている間に、リリイが、『妖精の箱』の中に入る準備をする。俺は……妖精達に、「これからユートが、妖精達を解放するよ。でも、ユートが言う事をしっかり聞いてほしい」と言うと、妖精の民はうなずくのであった。
リリイの体にユーヤが入り込む……。リリイも、リリスと同じように、俺を信頼してくれていて、ユーヤの闇の魔力を吸収し始める……。そして……闇の女神に取り憑かれた時に奪われた……妖精達の力をユーヤから取り戻す……。『妖精の薬』と『混沌の水 カオスアクアドリンク』を飲む事で、失った力を取り戻した妖精達の姿がそこにあったのである。
俺は、「もう大丈夫だよね?それじゃあユーマ、リリカ、ユーゴ、リリア、リリア、リリカ……そして、リリイ。これからは、『妖精王国 フェアリーキング フェアリークィーン 妖精王 アルラ アルティメイト・プリンセス』をお願いしますね。後は、妖精界とダークエルフの国との行き来が出来るようにしたいけど……どうする?」と言うと……ユーゴは「わかったよ。とりあえずは、シン殿が妖精界に来てくれたらいいと思うんだ。そして、妖精達にはダークエルフの国に行く為に必要な……『妖精の鍵』を作って欲しい。僕が案内するから」と言うと、ユーナは妖精達と話し始めたのである。
ユートは、妖精達と話しているリリイの元に行き話しかける。
「シンに、僕が『勇者ユート ライトセイクリッドキングダム ライトロード セイクリッドセイクリッドキングダム ライトセイバー ライトソルジャー マスターセイバー マスターランサー マスターライダー マスターコマンダー マスターロード ライトマスター』になった事は話したんだけど……。妖精王国も一緒に作ってくれって言われてるから……。」と言うと、リリカは「私に任せて欲しい」と言う。
リリィは、「私は、『光の巫女 ホーリーロード 光の女王』です。なので……ダークエルフ達の王国は私が作りたいと思います」と言ったのである。俺は……「じゃあ、ユーゴは『光の神官 ホーリービショップ』だから……妖精達の王国にユーゴとリリイは『光の司祭』として入ってもらいますね。リリア、ユート、ユーナで妖精族の人達を鍛えてほしいのですが、大丈夫ですか?それと……俺がユートを召喚する時に、闇の魔力と闇の精霊剣を召喚する時だけ俺に下さい。後……俺を召喚する時には、妖精の王女の誰かを俺に下さい。そうする事によって、闇の女神の力がユーヤに戻るので、闇属性の魔力の耐性があるユーヤになるんですよ」と言うと……ユーナは、リリカの方を見ると……リリカは、「ユーマが……闇の女神の力を持っていても問題ない。闇の精霊剣と闇の魔力を持つユーヤならば、きっと闇の女神に打ち勝てると信じていますから。私達……妖精族の王国に貴方の闇の魔力を入れる事が出来たなら……。ユーマもユートの『勇者の力』を手に入れられるかもしれません」と言ったのである。
「わかった。ユーマに俺を憑依させて、闇の力を与える。それでいいかい」と言うと……「わかった」と言ってくれる。
俺は、『聖魔王のローブ』を着て、『妖精の鍵』を受け取るのだった……。
ユーナが「私の力も使って欲しい」と言うと、 俺は、「ありがとう」と言って『混沌の聖女』の力を使えるようになったのだ。すると……ユーマの体は白く発光し始めたので、俺は、『聖魔王の腕輪』を外しユーヤの体の上に置くと、俺は光る玉となって、『聖王の盾(せいおうのたて)』の『妖精の扉』を通り抜けると、『妖精王国 フェアリーランド』に向かったのだった。すると……『妖精王国 フェアリーランド』が見えてくる。そして……『妖精王国 フェアリーキャッスル』の謁見の間に降り立つと、妖精女王のアルラに会ったのだ。アルラは、「おかえりなさい。ユーヤさんとリリカさんが助けられたと報告を受けました。私からもお礼を言いたいと思っていたので、ちょうど良かったわ」と笑う。そして……「ユートさん。『妖精王国 フェアリーランド』は、『セイクリッド王国のセイクリッドセイクリッドキングダム セイクリッド王国』に併合します。ダークエルフと人間との交流が始まります。ダークエルフ族長であるダークマスターも、人間の世界に行けた方がいいだろうと思っています。私達は、セイクリッドセイクリッドキングダムで受け入れましょう。よろしくお願いいたします」と言ってくれた。そして……俺は……「わかりました。ユーマ君を、ユーヤを救って下さり、ありがとうございました。」と言うと……俺は、妖精達に『聖なる力』と『魔の王の力』を分け与える。
俺に憑依していたリリスとリリカが俺から出る。リリスとリリカは……リリカがユーゴの妹だからという事と、リリスはリリカの事が好きだったので、2人は『闇の眷属 闇人』になっていたのだ。俺がリリスとリリカのステータスを見て、驚いたのはその能力が格段に上昇しているからである。リリカはレベル990になり、ユーマも『勇者』のレベルMAXになっていたのである。俺は、妖精達が強くなるように『魔道具』と『武器』を渡していたのだが、この『闇の眷属 闇人』の能力によって強化された『妖精達』は……とんでもない戦力になるのは確実であった。『混沌魔法 混沌の巻物 混沌のページ』の効果で俺からユーマとリリカ以外の闇属性の力を持つ者は全て俺の奴隷になったからだ。その証拠が……ユーヤが持っている……。妖精王の資格のペンダントなのである。ユーナが、「これで安心して任せられるね。ユーマ、リリカさん。これから大変だけど、よろしくね」と言うと、ユーヤは「はい」と言って頭を下げるのであった。
そして、ユーナは……リリカと一緒に妖精王国を作り始めていったのである。
俺は、ユーマとリリカを俺の中に招き入れると……『聖王の鎧』『聖剣デュランダル』『聖槍ゲイボルグ』『妖精王の盾 聖王の大盾』を装備すると……リリイの所に瞬間移動するのであった。
妖精王国にユーマを連れて来たユートは……妖精達に説明を始める。『聖女の薬 エリクサー』を飲んでいない者達には『混沌の水 カオスアクアドリンク』を飲みながら、『妖精の鍵』を飲ませていき……。リリィを妖精達の王として即位させるのである。妖精達の王として即位する儀式を行い……。リリィが王として即位した証の王冠を作る為に……。『聖女の箱 ホーリーボックス』『光の箱』『光の箱 ヒカリノカゴ ヒカルノワコ』を使い……。リリイが使う光の宝箱と光の箱を作り出す事にしたのである。リリカは……リリカは、リリイが妖精達に祝福を与える時に……妖精達に祝福を与え……。ダークエルフ達にリリイが王になったという事を証明するために、光の巫女の儀式を行ったのであった。そして……リリスは……リリスとリリカは『セイクリッド王国の妖精の民』の妖精達に祝福を与えていく。妖精王国が出来上がったのは夕方だった。ユートの作った……俺の家に住む事になる。リリイはリリスに『セイクリッド王国 セイクリッドセイクリッドキングダム セイクリッド王国の王妃 ホーリーロードプリンセス ホーリークイーン』になってもらい……。妖精達の国の名前を決めてもらって……。『混沌の国 カオティックキングダム』とした。
俺は……ユーヤとリリカに、ダークエルフの国に連れていってもらい……『闇の女神 ダークマザー 闇母神 闇魔神』に会ってくる事を頼んだのである。そして……。ユーヤとリリカはダークエルフの国の城に入り込むと……闇の母である闇魔神と話をしていた。
俺が闇の魔力を少し出すと……闇女神の気配を感じ取ったらしく……。
すぐに姿を現したのである。そして……「お前が……私の力を取り込んだようだが……。まぁよい。それよりもだ……。そろそろ我に体を返せ。闇の女王よ。闇の力は、全て我が支配下に置かせてもらうぞ。」と……言い放つのである。
すると……闇の女神は、ユーヤの方を見てニヤッと笑うと、「いいですよ。貴方に闇が倒されるなら、仕方がないですからね」と言うので……俺は、闇の女神の力を封印する事にした。そして……俺は闇の女神に話しかける。「闇の女神よ。貴方はもう用済みだ。ここで消えてもらおうか?」と言うと……。「ふっ……。面白い冗談ですね」と言うと、「何を馬鹿な……。」と言いかけた時に、「くらえ!!闇魔法!!」と言い……黒い波動をぶつけてきたのだ。俺が、「無駄だとわからないのか……」と言うと、「ふん……。貴方の本当の姿を見たら……。絶望するでしょうね」と言うと、俺を嘲笑ったのである。俺は「どういう意味だ?俺は俺のままだと思うのだが……。」と言うと……俺は、自分の体を見ると……。そこにいる俺は偽物で……『闇の眷属 ダークネスダークロード ダークロード』に姿を変えたのであった。俺は、「そういうことなのか!?」と言うと……『ダークエルフ国 ダークネスダークロードダークエルフ』になったのだ。すると……俺は、ダークエルフの姿に変わると、ダーク女神に向かってこう言ったのだった。
俺は、暗黒魔王の力を手に入れてしまったのだ。俺は、『聖女の鍵』を使って俺の中から『光の巫女の杖 ライトスタッフ ひかりのみこ』を取り出すと、 光の魔力で『光の杖 光柱剣』を創り出し……そして、闇の魔力で『闇の剣 闇剣』を作り出した。
そして……闇の魔力で創り出した闇の剣を、闇の魔力の波動で撃ち出していくと……。
ダークネスダークロードダークエルフも闇の魔力を圧縮し、闇の球体を撃ち出して来るのだった。
2つの攻撃がぶつかり合い、お互いの攻撃が相殺されて消えたのである。
俺は、暗黒魔王の力で……。『ダークエルフ族長』になっているので……。
俺は、ダークエルフの戦士を呼び寄せて、一緒に戦うのであった。
俺は、ユーマをリリスに任せると……リリカを妖精達の元に連れて行く。妖精達がリリカに挨拶すると、リリカは微笑んでくれたのだ。俺は、『闇の神 ヤミジンジャ 夜神殿』に会う為の準備を行うと、リリカに妖精達に説明をしてもらったのであった。リリカが説明を終えた頃に……ユーヤとリリカが戻ってくる。そして……『闇の聖域 ダークネスゾーン』に向かう準備を始めるのだった。
俺は、『妖精の鍵 フェアリーキー』を使い……ユーヤとリリカに闇の鍵で闇の扉を開き……闇の中に入って行くと……扉の向こう側の景色が変わっていたのである。目の前に大きな木が見えたので、俺は、「リリカ。あの大きな樹がそうなのかい?」と聞くと……リリカは、「はい。そうですよ」と答えるので、俺は、「わかった」と言うと……。「お待ちしておりました。お姉様」と言う声がしたのだった。そこには『闇神の精霊』のルーがいたのである。俺達は、この大きな木の中に入る事にするのであった。俺達が『聖王の大木』の門を潜り抜けようとすると……。「おい。ちょっと待ってくれ。」という男の声がして振り向くと……そこには、ダークエルフの王がいるのだった。そして、「俺は、『エルフ族王』でもある。その前に聞きたいのだが、なぜここに来たのだ?」と質問された。俺は……正直に話す事にする。俺達は、ある者を探している事。その者は『聖王の一族 セイオウインゾク』と呼ばれる者なのだ。
『聖なる王の一族』は『聖王の血統 ホーリープリンス』、『聖王の一族』とは関係無い『セイクリッド王国 セイクリッドキングダム セイクリッド王国』は、俺が治める王国『混沌王国 カオスキングダム』と友好関係を結びたいという願いがあり……。この世界に存在するはずなので、探しに来た事を説明したのである。そして、「その者を見つけて……どうするつもりだ?俺達と敵対するつもりか?場合によっては……。戦わなければならないだろうな。」と言われてしまう。そして、「その者はどこにいるか知っているのですよね?それとも知らないのですか?」と言うと……。「いや……。場所までは知らん。ただ……。『セイクリッド王国の王』であるならわかると思うのだが……。もしかしたら、ユーヤという『勇者』と一緒に行動している可能性がある」と教えてくれたのである。
そして、「その者達の事は……。『勇者』に任せればよい。お前達は……。早く立ち去るがいい。」と言うと……その場から去ってしまったのだった。
俺達がダークエルフの森を出る為に移動しようとすると……リリカと妖精王が「ユートさん。ユーヤさん。私達に森の外まで送ります。着いてきてください」と言って、案内してくれたのである。リリカと妖精王の案内により……。俺達は『ダークエルフの聖域 ダークネスフォレスト』の入口にやって来た。そして、「ここまで来れば……問題ないだろう。後は『闇の神殿』に向かい……『闇の母 闇女神』と話しをするがいいだろう。闇の力は、俺の予想以上だ。だが、必ず勝てるはずだ。お前達に……闇の力を授ける事にする。これを身につけていれば大丈夫だろう。」とリリカに手渡すのであった。『混沌の聖槍 カオスランソウ』を渡していたのである。俺には……。「これを持っていてくれ」と……。「お前には『聖剣 カオスソード 混沌の剣』を渡すことにする」と言うのだ。そして「闇の力は……使う事で……闇の力を吸収する事ができる。闇の力が発動すると……相手の闇の魔力を吸い取って無害化する事ができる」と言うのであった。「あと……リリス殿……。リリスちゃん……。闇の力は……危険なものになりうるから気をつけるんだぞ。それと……闇の魔力を持つ者達と戦う時は必ず『闇の女神』を倒せ」と言うと、『ダークエルフの神 闇女神』を倒すように言われた。俺が「何故だ?」と尋ねると……「闇の魔力は、悪の力ではないからさ」と言うのだった。そして「リリスちゃんは……。闇属性を持っているので……闇の魔力の影響を受けやすいから注意してくれ」と言われる。「闇魔法に気をつけろって事なのか?」とリリカが言うと……、「そうだ。『混沌』の力を宿す『闇の女神』に負けない事だ。そして『闇の女神』を倒して欲しい」と言われたのである。
リリカは、「私は……。貴方の言葉に従いましょう」と言うのであった。
俺は、妖精族の国を出発する事にしたのである。
そして……俺達一行は……闇の神殿に向かう事にした。俺は、『妖精の祝福』を解除する事にしたので……『闇の神』に会えるのかどうか不安であったが……。
『混沌の塔』に入り……。階段を上っていくと、扉が現れたので……。扉を開けようとした時に、ユーヤが、「この先は……何があるかわかりません。危険かもしれないので……。皆さんに防御系のアイテムを渡しておきますね」とユーヤが『混沌の腕輪 カオスブレスレット』と『混沌の指輪 カオスリング』を俺にくれたのである。『闇の女神の力』を手に入れたのだから……必要なくなると思っていたが……。俺が身につけていてもいいかなと思った。
ユーヤが俺達の手に『腕輪』と『指輪』を嵌めると……光に包まれたのであった。ユーヤに、「これで……僕との絆はより強固な物になったと思います。このアイテムの能力は無限ですので、どんな攻撃からも身を守れますよ」と微笑みながらユーヤに言われるのだが……こんな凄そうな物を手に入れてしまっていいのかと思ってしまうのだった。俺は、自分の手を見ていると……。突然、「お待ちしておりました。我が主人様(マイマスター)」と言う声とともに、目の前にいた少女を見て驚いてしまった。それは、『精霊の王』の少女であったからである。ユーキとリリカも同じ気持ちでいるのか戸惑っていたようだ。俺は慌てていると……リリカは冷静になっていたのだった。俺は、『精霊の王 シルフィア スピリットキング シルフ』と名乗られて、どうしてここにいるのかを聞くと、『闇の聖域』の入り口を教えて欲しいという事だったので、『妖精族の国』に行くように指示すると、『闇の聖域 ダークネスゾーン』に入る許可を与えてしまったのである。俺も驚いたが『シルフ族長』『ダークエルフ王』『闇神の巫女』、『闇の女神』、『エルフの王女』などが次々と現れて、俺達が驚くばかりだ。
俺は、「一体どういう事なんだ?皆……。どうしてここに集まったんだ?」と言うと……。「ご主人様。申し訳ありませんが時間がないようなので手短に行きたいと思いまして……。」と言い始めたので、「とりあえず、わかった」と返事をして話を聞いてあげるのだった。『精霊達』が、なぜここに集まったかというと……。『精霊の女王 フェアリークィーン』の頼みで、『混沌の森 カオスガーデン』に向かう準備を行う為に集まっていたようだ。『精霊族王 ユグドラ』と、『風の大精霊 ウインディア エアリアルロード』と『大地の巨人 タイタン グランドロード』は……。それぞれの種族の里に戻っていったので……。準備を終えてから……再び集合して出発する事になっていると説明する。
俺は、「わかった。ありがとう」とお礼を言うと、「お役に立てたのなら良かったわ」と言って笑顔になる。そして「ところで、お仲間が増えていらっしゃるようですね」と俺の仲間であるユーマとリリカを見ながらそう言って来たので、俺達は、「ああ……。ユーマとリリカは、俺が召喚した『勇者』だよ」と言うと……。「やっぱり……」と小声で何かを言っていたが聞こえなかったのである。俺達が会話している間にも『精霊』達は、出発の準備を始めていてくれている。『シルフィード・ウインド』という小さな少女が、「私の眷属が『ダークネスパレス』にいると思うのですが、連れてきても良いですか?」と言うので、「構わないが……急ぐ必要はない。ゆっくりで良い」と言うと、「わかりました」と答える。俺達は、『精霊達』が忙しく動き回っている様子を見ながら待っていると……数分後には……全員揃ったのだった。俺は、「『精霊達』も一緒に『混沌の森 カオスフォレスト』に向かってくれるのか?」と質問すると、「えぇ……。『闇の女神』様にお願いしたい事があるので……。それに……。『闇族』の方々の事は私達が面倒を見ないといけないと思うのです。私達は……。お父様が亡くなる前からずっと『闇の聖域』にいましたが……他の『闇の神々』とは会った事がないんです。だから……。お姉様の言う事なら信じます。それに……。私は……闇の魔力の影響を受けてしまうみたいです。だから、一緒に連れて行ってください」と真剣な眼差しで言うのだ。俺は、「俺達はこれから……『闇の聖域 ダークネスフォレスト』に向かおうと思っているんだ。だが……君達は俺と一緒に行動してくれるのだろうか?」と聞くと……全員が俺の側に近寄ってきて……。『闇の契約 ナイトオブダークネス』を使い俺と契約を交わしたのである。
俺が「本当にいいのか?」と聞くと、「大丈夫ですよ。もう覚悟を決めましたから。貴方の為に尽くしますよ。貴方の役に立ちたいのです」と『風』の属性を持った小さな女の子『シルフ族』の少女が答えたのだった。俺は、「わかった」と答えて『精霊』達に指示を出し始める。ユーヤは、『エルフの森 アルフォードキングダム エルフォーレキングダム』に戻ると言う。リリカと妖精王は、『闇の神殿 ダークネスキャッスル』に向かうと……。ニアとクロは、俺について来ると言ってきたので、同行する事に決まったのである。そして、ユーキが「では……『妖精の祝福』を解除しますね」と言って俺に『混沌の腕輪 カオスブレスレット』を返してくれたのである。
「よし……。ユートとリリカとリリスと『精霊の姫』が妖精界から出る為の許可を与える。私についてきなさい」と言うと……。目の前に大きな扉が現れたのであった。
そして、ユートとリリカとリリスが俺と一緒に外に出たのを確認した後……俺達5人は、『混沌の塔』を出て、『混沌の神殿 カオステンプル』に向かったのである。『精霊達』もついてきているようだ。ユートは「『精霊の国』に戻ります」と言って、別れる事になったが、リリカと妖精王の二人を連れて、『精霊達』と共に移動を開始したのだった。
『混沌の神殿 カオステンプル』の前に移動すると……門番をしている女性とユーヤの配下だと名乗る者達が現れ、門の扉が開くと……ユーヤの部下の一人だという男性に連れられて……俺とリリス、ユーナ、ユーキ、ニアの4人が中に入っていくのであった。俺達は……地下の『祭壇の間』まで行く事にした。俺が『混沌の聖槍 カオスランス』を取り出すと……俺とリリスとユーナは『聖剣 聖盾 ホーリーガード』と『聖鎧 聖なる甲冑(白)ホーリーアーマー(黒)』、『聖杖 ホーリースタッフ(黒)
セイクリッドワンド
(茶褐色)』を装備したのだった。リリスとユーナにも同様の物を装備するように促した。俺達の姿を見て驚く者達がいたが……無視をしたのだった。
そして、『精霊の王』に案内された場所に着き……俺達が中に入ると、そこには……二人の少女がいるだけだったのである。俺には、それが……この神殿の主で、『混沌の神』『暗黒神 バアル』であることに気付いたのだ。その瞬間……頭の中に声が流れてきた。
「よく来ましたね。私は、混沌を司る神であり……。『混沌の使者達カオスメイカーズ達マスターテイマーズ』を従えている女神でもあります。私がこの世界の『秩序の神』です」と声が流れるともう一人の人物が口を開いた。
「妾は……闇の神でもあり……闇の神である。『混沌の巫女ダークゴッド』でもある。『闇の使者』を率いる『闇の女神』じゃ!」
そう言ってから……お互いに睨み合うのである。俺は、何がどうなっているのかわからない状態で混乱していた。すると、二人が俺の方を向いて話し掛けてくる。
「『聖騎士』の称号を持っているお前に問うが、光の神の眷属である光の天使達は……今どこにいる?」と言われるが、意味がわからず戸惑っている。俺の表情を見て何かを感じたようで、ユーキが「お兄ちゃん!!光の女神様が、光族の天使達がどこにいるのかって言っているよ」と教えてくれたので、光族の天使達が『光の森』で保護されている事を話すと……少し安心したようだった。
俺は……この世界に『光の森 ひかりのもり』があったのかと思ったが、今はそれどころではないので、すぐに話を戻す。俺は……なぜこの場所に『闇の女神 闇の使者マスターダークマスター』と、『混沌の神 混沌の巫女 混沌の使者 カオスマスター』である二人が一緒に現れたのかを聞こうと思っていたが、先に話しかけられた。
「我等が、どうしてこの場にいるかというと……あの男によって『混沌の塔』の最上階に連れてこられてしまい……意識が戻る前に、封印されてしまって、ここに放り出されていたようだ」と話を始めるので、続けて、「我は、『混沌の騎士』にして『聖魔人』として生まれ変わった『闇族 ダーク族』なのだ。我もなぜここに来たのかはよくわかっていない。ただ言える事は、我が『混沌の魔神王 カオスロード』だった頃に使っていた魔法や特技を全て覚えているので、今の所は不便はない。我に聞きたい事などがあれば……なんでも聞いてくれて良いぞ!まぁ……お主らにわかるかどうか怪しいものだがな。ハッハハー」と笑ったのである。俺は、「わかりました」と答えて、質問することにする。
まず……一番の疑問点である。なぜここにいるかを聞いてみたが……俺の問いの意味がわかっていたらしく、答えてくれる。俺と『闇の女神』こと……リリス、ユーキ、ニアは『光の世界』にいたはずだというと、二人は驚いていた。俺は、二人が話し始めると同時に頭に言葉が入ってくるのを感じて理解したのである。
リリスもユーキもニアも、突然の事だったので……戸惑っている。
リリスが俺の方に振り向くと、目を大きく見開いて……涙を浮かべながら「旦那様……。これは一体……」と言い始めるので、リリスと俺が一緒に行動する事を話している時の映像を見せてあげたのである。すると、泣き出してしまったので……俺は慌てて……抱きしめながら落ち着かせると、「大丈夫?」と聞くと……俺にしがみついて、「嬉しい……。嬉しくないわけがないわ。だって、私……また……会えるなんて……思ってなかったから……。それに……こんなに強くなって……ありがとうございます」と言って……しばらくそのままだった。俺とリリスが落ち着いた頃を見計らって……ユーヤに話しかける。ユーヤがこの『混沌の間』にきた理由は、『混沌の神々』にお願いしたい事がある為だという。俺の事も『混沌の使者達』の『マスター』の一人として登録をしてほしいと言うので、ユーキが手続きをしてくれているのを確認してから、俺は二人に俺と仲間達の事を頼んだのである。俺の気持ちを理解してくれた二人は……「お任せください。私の力を……存分にお使いください」と言ってくれたのだった。そして……リリスとユーキとリリカと妖精王が俺達の所に戻ってきたのである。俺は……『混沌の塔』で、俺の仲間達が戦ってくれていることを伝えると、全員の顔色が変わっていたのだった。
リリスは「私は、皆様にお力になれるように頑張ります」と言う。ニアとユーヤも「僕達は『フェアリー人形』だからね。役に立つと思う」と答えるのだった。ユーナとユートも「お姉様の力になります」と意気込んでいる。ユートはユートで、俺とユートが一緒にいられる時間を作るためにも協力しますと約束してくれたのである。俺としてはありがたい申し出だったのだが……。リリスだけはなぜか……複雑な表情をしていたのだ。俺はそんな様子を見て気になっていたのだった。しかし、俺は……リリスに何を言えばいいのかがわからなかったので何も言えなかった。
ユーキに案内してもらって、地上に行く事になったが……その途中でニアに念話を繋げる。ニアにリリカの居場所を聞き出したが……。リリカは『闇の神殿 ダークネスパレス』に戻っており、ニアだけが俺のところに来ているという事なので、俺はリリカに会いに行ってから戻るから先に戻っているように伝えた。ニアはすぐに戻ってくるのであれば待つと言ってきていたが、俺とユーナで説得してからリリカに会うため『混沌の間』に向かうのであった。
『混沌の間』に着くと、『闇の女神』と『闇の使者』達が俺達の帰りを待ってくれていた。
俺達が中に入っていくと……『混沌の使者』達は俺の前に集まり整列をすると、俺に向かって一礼をする。
そして、『混沌の神 カオスゴッド』の側に寄ると……『混沌の神』が俺に声を掛けた。
「久しぶりですね……。『混沌の使者』達よ。この者が私の娘を助けてくれたようだね。私は『混沌の神様 カオスゴッド』です。貴方達がこの者に忠誠を誓うなら私もこの者達の主として受け入れましょう」と言って、リリス達を見る。
リリス達は驚き……戸惑いの表情をしているが、覚悟を決めた様子で、「「「「「我等『混沌の使者』一同……シン殿の為に、その身を捧げる事を誓いました。どうかご命令ください!!」」」」と俺の方を見て言うのである。俺は何も言わずにリリス達に『混沌の騎士』になる為の条件を教えて欲しいと頼むのであった。リリスは、「我等は……既に……シン様に仕える事が条件となっていますので……これ以上の力は不要です」と言った。俺は、「わかった」とだけ言い……他の4人にも同じ事を聞くと……全員が同意してくれるので、了承する事にしたのだった。
俺が、改めてリリスに……『カオスナイト』、『カオスビショップ』、『カオスロード』、『カオスキング』の称号を与える事と……この世界の管理人としての権限を与える事を説明すると、リリス達は驚いた顔をしていたが、素直に俺の指示に従ってくれる事にした。俺は……ユーナとリリカにも称号を与えようとしたが、俺はリリス達が先に受けた方が喜ぶと思い先に受ける事にしたのである。俺は……みんなに……『混沌の勇者 カオスブレイカー』の称号を与えたのである。そして……『カオスドールマスター マスタード』を……リリス達に与えた。
俺は……これからもリリカと一緒にいる為にはどうすれば良いかを考えている時に、リリカから……提案があると言われ……それを受け入れる事にするのだった。
俺の『混沌の森 ダークフォレスト』にある城に戻ると……ニアが待っていて……俺を驚かすつもりが……逆に驚く結果になってしまったのである。俺は……ニアの気持ちがとても嬉しかったが……俺は『光の姫君』として俺の妻になったので、俺以外の人と結婚する事はできない事を伝えた。すると……ニアは泣き出してしまい……。ユートが慰めていると……俺がリアリスから……光の女神から光の一族の末裔で……光族の長の娘である事を聞いたという話をしてあげた。ニアはそれを聞いて驚いていたが……光族がどうなったのかを話すと……「私……ずっと、光の一族の事を心配していました。もう……いないと知って、本当によかった。お兄ちゃんのおかげだよね?私、一生懸命お兄ちゃんの事を愛していくよ。でも……お兄ちゃんが嫌な気持ちにならないように努力するよ」と言ってくれ……俺に抱きついてきたのだった。
それから、ニアがリリカやユーキ達と話していて俺から離れていった隙を見て、俺はニアと二人で話す時間を作っていたのだった。俺は……俺とニアの関係の事と、『光の世界』の事や、リリカ達との関係を聞かれたので……全て正直に答えたのである。俺は、『俺が異世界召喚されし者である』『ニアと俺の関係は義理の妹』と教えていた。
ニアには、『光の世界』の現状を説明しておくことにしたのである。そして、『闇の世界ダークワールド』が滅んでしまい、新たな『闇の世界ダークネスワールド』を作った事を話し、『闇の女神』こと……『闇の使者』の一人『闇の女王』のニアにその事を報告し、俺の『ダークスピリット』達を使って、『ダークワールド』を守ってもらうようお願いすると……。ニアは俺の役に立てる事が嬉しくて、「任せて!」と胸を張っていたのである。俺もニアに、『混沌の騎士 カオスファイター』を授ける。すると……ニアは凄く喜んでくれて……嬉しさのあまり俺に飛びつき……俺を押し倒していたのだった。
リリカとユーキとユートの3人は……妖精王の所で訓練を受けていた。俺はその様子を見学しながらニアと二人で雑談を始めていたのである。すると……ユーキが俺の所にやってきて、ユーナとニアが呼んでいるというのでニアと共に二人の元に向かうと……ユーキとユーナは俺の前で剣を構えて戦闘訓練を始めようとしていた。
ニアとユーナがユーキとユーヤを呼び止めて、ニアとユーナの二人が手合わせを行うと言い出したのだ。ユーキとユーヤはもちろん……俺も含めて……どうしてこんな状況になっているのかわからず……ただ、黙ってみていた。ユーキとユーヤは二人とも……『フェアリー人形』だが……。二人とも俺と互角以上に戦える程の能力を持っていたからである。二人は……リリカの指導のもと……かなり鍛えられているのだろう。二人はニアとユーナを相手に戦い始め……しばらくするとニアとユーナを圧倒し始めたのだった。
ユーキがニアとユーナを追い詰めていくと……ユートは、二人の間に入っていき、ユーキとユーナを同時に攻撃し始めたのである。ユートはニアとユーナの動きを完璧に捉えており……二人同時に攻撃をしているように見えたのだ。ユートは「ニア様、ユーナ様。まだまだ修行が足りないです」と言う。二人はユートの技で動けなくなっている。二人は悔しそうにしているのだった。ニアとユーナはかなりショックを受けているようだ。俺は……その三人の様子を見ながら「お前達は一体……何者なんだ?」と言うと、ユートは、「僕は……リリカさんの弟だよ。それに、リリカさんの『フェアリーナイト』だよ」と答え……ユーナも続けて、「ニア姉様に鍛えてもらったけど……ユートの方が強かった。私はまだ未熟……」と言って下を向いて落ち込んでいるのだった。
俺は……ユーナの頭に手をポンと置いて、ニアとユーナと三人の女性騎士は、リリカの弟子だから強いと思っていたが、まさか、ユーナがここまで強くなっているとは思ってもいなかったと言う。ニアも……ニアはニアはユートとリリカはニアより強いとわかっていたが……この子達は想像以上の実力の持ち主だったのよと話す。俺はユートに……「なぜユートはそんなに強いんだい?」と聞くと、ユートは「僕と姉は双子なんですが……生まれた時から、力の量が全然違うみたいで……成長しても差があり過ぎて僕とリリカはいつも比べられていたんです。だから……僕は強くなりたかった。リリスと二人で相談して決めたのです。『フェアリーキング』に覚醒できるまで強くなるために……僕達は二人で修行を始めたのです」と答えた。俺はユーキを見て……ユーキに質問する。
ユーキの力は……『フェアリーロード』の力なのだから……。ユーキは……『光の精霊神』の力で『精霊剣士』になったんだよなと尋ねると……。ユーキはうなづきながら、「私は……お兄様の力になりたくて『フェアリーマスター』に進化する事を選んだ。それが……私の選んだ道。後悔はしてない」と言う。ユートがユーキに向かって、「『闇の支配者 ダークマスター』であるお兄ちゃんの為に頑張った成果ですよね。僕の師匠です」と言う。
俺はユーナに……。『フェアリービショップ』の力を『闇の支配者 ダークマスター』である俺の為に使いたいと言っていたねと話す。
「私は、まだ、ユーマとユートに負けられない!もっともっと頑張らないと……リリカにも……。私……絶対に諦めない。もっともっと強くなります。リリカにも勝てるぐらい」と力強く答えてくれる。俺はその意気込みが気に入ったらしく、「よし。その気持ち忘れるなよ。俺の大事な仲間達を守る為なら……俺はお前達を容赦なく鍛練するぞ」と言うと、「はい」と言ってくれる。ニアは……ユートとユーキを見て、「貴方達二人はリリスが認めただけあって、素晴らしい強さだと思うわ。だけど……まだまだ甘い所もあるし、弱い部分も多いわ。もっとしっかり精進なさい」と言って、「私も……ユートに負けたくない。私だって『闇の支配者 ダークマスター』のシン様の力になるのが目的だもん」と言って……。そして、ニアが、「さぁ、次は私が相手をする番よね」と微笑むと……ニアとユーナが戦闘モードに入ったのだった。
ニアの剣とユーキの槍と、そして……ユーナの大盾の攻撃に対して……ユートが大剣で防いでいるのだった。ニアが、ユートに……リリスと同じスキルを使っているでしょう?と聞いているが、ユートが答える前にニアが、それは私も同じよと笑顔で話すと、ニアはユートとの距離を縮めると、ユーナが後ろから攻撃を仕掛けようとするが、ユーナは大楯を自分の前ではなく斜めにして攻撃を受け止めるように移動させるとユーナは勢いを殺せずにぶつかってしまうのである。そのままユーナは弾き飛ばされてユーナとユーキは体勢を立て直したのだった。ニアがユーナに……あなたは確かに速いかもしれない。だけど、あなたの動きが丸見えなのはどういう事なのよと呆れたように言うと……「ニア姉さま。私は今、ユーナと一緒に戦う時とそうでない時に意識を分けているの。だから、その時は速さをセーブするのを忘れちゃうの」と少し恥ずかしそうに言っていた。ニアは……。「なるほど……。そういう考えがあるのか……。じゃあ、私はそのユーヤのやりかたでやってみようかな。リリスとユートから聞いたんだけど……『闇の姫君 ダークプリンセス』とやらは、私と似たような動きが出来るらしいから、それを見せてもらいましょうかね」とニアは言い放つ。
ユーナは、ユーヤに「お願い」と言うと、ニアは……いきなりニアの速度が急変した。俺はニアから目を離していない。だが……いつの間にかいなくなったのである。俺はニアを探すが……どこを探しても見つからないのだった。俺は……気配を消していると思った。俺が辺りを警戒すると……ニアは突然俺の前に姿を現して、「『ダークスピリット・ダーククイーンナイトメア』を発動させるなんて……。驚いたわ」と言って……ニアは笑みを浮かべていた。そして、ユーキに合図を出すと……ユーキがユーナの所に走って行って……。ニアとユーキが連携攻撃を始める。ニアとユーナが、二人同時にユーヤを攻撃すると……。ユートは大楯を使いユーキの攻撃を受け止めつつ……後ろに飛んでいた。
ニアが、ニアは、ユーナの方に走る。ユーナはすぐに反応するがニアは大剣を構えて、大振りでユーナに攻撃してきたのだ。ユーナはその攻撃をギリギリのところで回避すると、その瞬間……背後にいたユーキが大剣を薙ぎ払う。
ユーナは自分の背にいるのは分かっているようで……身体を捻るようにして、何とかかわしていたのだった。ニアが、ユーキが放った大剣を横目に、またニアが姿を消す。
すると、ニアの目の前に大盾が突如現れた。だがニアはそれを見越していたかのようにニアはユーヤの方へと走っていたのだ。ユーヤはニアの行動を読んでおり……すでにニアに剣を構えていたのだった。ニアはニヤリと笑うと……ニアが持っていた剣が光りだす。俺はすぐにニアの剣が、魔力を込めた魔剣だと理解できたのだ。ユーナが……ユーキが慌ててニアを止めようとしたが間に合わない……。
ユーナがニアの剣に切られて吹き飛んだのだ。俺はユートの方を向くが……俺の目にはユートが映っていなかった。俺の視線はユーヤに向いているが……ユートがいないのだった。ユートはニアに斬られたが……なぜか……その場にいなかったのだ。ニアが不思議そうな顔をしていたが……俺はすぐにニアの足下を見た。ニアは……自分の影の上に立っている事に気づいた。ニアは自分が立っている地面に……ユーヤの幻影が見えた事で、そこにいるとニアは確信したが……そこには誰もいなかった。だがニアは、ニアの足元に……ユーヤの本体を見つけたのだった。ニアの魔剣の攻撃をまともに受けたが……ユーヤが手に持っている槍に全ての攻撃が集中していたのでユーヤは無傷であったのだ。ユートの姿が消えていたが……ニアが気付く前に、ユートが自分の武器に魔力を込め……その魔力がユーナの所に向かっていき、大盾とぶつかり……大盾の威力を利用してユートは上空に移動して難を逃れたのだった。ニアもユートの作戦に気付き、ニアが飛び上がり、ユーナがユーキがいる方向を見ると同時にユートはユーナの背後に降り立った。ユーキは既に回復していて、槍を振り下ろしていたのだった。ユートは槍の先に魔力を集めて……。
俺は咄嵯に三人の所に向かうと……ユートとユートが放つ魔法の軌道上からユーノとルナ、クロ、ミーシャを移動させる。その行動で……ニアは察しが付いたのか……空中で止まり……俺は地面に向けて手刀を振るった。俺の手刀がニアに当たりそうになった時、俺が手を止めた事により軌道がずれて俺の手が空を切る。ニアが舌打ちをするが……ニアはニアで……俺の動きを見て何かを感じ取ったらしくその場に留まったのだった。
俺は三人の娘に、怪我は無いかと聞くと、全員、平気ですと答えるが……念のために確認をしたのだが、どうやら大丈夫なようだ。ユーキの攻撃を直撃してしまったのはユートだけで、ユーナの防御は完璧だったらしい。ユーナは、自分の攻撃もユーキの攻撃も防がれてユーナは悔しかったと話す。
そして……ユーナは……ユートがニアの所に行ったのに驚いて……ニアの所に行くためにユーキに頼んだ。ニアの所まで行ってユートを止めるためにユーキにお願いした。ユートの『隠密』を見破れるのは、私しかいない。ユーキがユートを追い詰めたのに、なぜユーヤが現れたんだろうとニアは思っていたのだった。
そして、ニアも……なぜユートの幻影が消えたのか分からなかったそうだが……『闇の精霊王』の称号の力なのか……それとも『闇の支配者 ダークマスター』であるシンの能力なのか……ユーナが分からないと言っていたように……ニアにも分かっていなかった。しかし……ユーナは攻撃する場所を変える為に一瞬だがユーキの注意を逸らす事が出来たが、その隙を狙って……大盾を横に振って攻撃する事に成功した。
ユートの攻撃を直撃したのはニアだけなのだ。
俺は……三人が無事に戻ってきた事を喜びつつ……みんな無事で良かったねと微笑むと、ユーキとユートは笑顔になりながらうなづき……ユーナはまだ少し悔しい顔をしていたが……。ニアだけは納得出来ないという表情をしていた。そして……ニアは、「ねぇ、どうして?なんで?何でユーナの大楯が効かなかったの?」と不満を俺達にぶつけてきたのだった。俺はニアに説明を始めた。俺は……大盾がぶつかる時に、その勢いを利用して、ニアとユートの視界から外れて……ニアの後ろに回った事を伝える。ニアはユートに、私達の攻撃が全て避けられているような感じを受けた。そして、私はそのユーヤの言葉を聞いて違和感を感じたが……私達の攻撃が全く通用しなかった事の方が衝撃的だったので……ユーナに「ユーナ!!次は、あなたのスキルを使うわよ」と言うと、ユーナもニアの意図に気付いたのか、「うん」と言って……。
ユーナが、「『光の姫騎士 ホーリーロードナイトプリンセス』」と言い放つと、ユーナとユーキの体の周りに光が舞い踊る。二人は同時に「『聖なる祈り セイントブレス』『聖なる守り サンクチュアリ』!!」と言った瞬間、ニアは……二人に攻撃を仕掛けようとした時、ユーナとユーキに白いオーラのような物が纏わり付いてきて、そして二人に攻撃しようとするが……ニアはユーナとユーキに触れる事が出来なくなってしまったのだ。
「これは一体!?」とニアは叫ぶが、俺はすぐにユーヤが言っていた事を思い出したのだ。ユーナの使う『セイントブレス』の効果と、『聖の姫騎士 ホーリーロードナイトプリンセス』の効果は……自分と仲間達を、物理、魔法問わず全てを防ぐことが出来ると聞いていたので……ニアがユーナに触れられなくなった理由が分かった。ニアが、ユーナに攻撃できないなら……とユーナに接近戦を仕掛けると……ユーナが、大盾を上にあげて構え、ニアの攻撃を受ける。だが、ニアが持っている大剣を大盾に当てているにもかかわらず、大盾が砕けず……逆に、ニアは大剣を離してしまうのだった。ユーナがニアに大剣を投げ渡すと、ユーナは自分の大剣を拾ってニアに斬りかかったのだ。ニアは……なんとか避けたが……その後ろには、ユーキがニアを攻撃しようとしていた。ニアは……『ダークスピリット・ダーククイーンナイトメア』を使っていない状態では二人を同時に相手にするのは不利だと判断して、一旦離れることにしたのだった。そして、ニアが大剣に魔力を込めて、再びユーナに向かっていくと、今度はユーキの後ろからユーナが現れて、大剣を振りかぶったのだ。
ニアとユーキは同時に、ユーナが大剣を振り下ろせないように攻撃を繰り出す。ユーヤはニアの後ろに回ると……槍を構える。ユートは槍を構えたがニアはニアの方に向いており、ユーヤの行動に気付くことが出来なかったのだ。俺は咄嵯にユーナに体当たりをしてニアの前に移動させたのだ。ニアが振り向いた時にはユーキの放った大剣の一撃が目の前にあり……ニアは避けることが出来ず、吹き飛ばされる。ニアはユーナの方を見て、「ありがとう」と言って……ニアが立ち上がると同時に……ニアの横に現れたのはユーヤの槍だった。ニアはそれをかろうじて受け止める事に成功する。そして……二人の剣戟が始まるのであった。だがユーヤはユーナと違い大剣を扱い、ニアと対等に剣を交わしていく。俺は……ニアが押されている事に気づいた。ニアがニアの本来の大剣である大剣に魔力を込めて……ユーヤに攻撃を仕掛けたのだが……ユーヤの身体が黒い炎に包まれて消えてしまった。俺はすぐに気配察知の感知を広げると……ニアの背後から、ニアを羽交い締めにしたのだ。
俺は、ユーナに、「今のうちにユーキと一緒にニアの身体を切りつけて!」と叫び、俺はニアから離れようとするが……俺の足下が……ユーキとニアの影に捕まってしまい……影の中に沈んだのだった。
俺が、自分の足元にある自分の影の中に沈み始めた時、ニアの「しまった」という声とユーキの驚きの表情が見えていた。ニアが、大声で「ユート!あなた何をしたの?」と俺に聞いてきた。俺はすぐに答えずに、俺が考えた策を伝えた。俺の話を聞き終わると、ユーナとユーキは二人でニアを攻撃するのであった。ニアは抵抗しようと暴れるが……すでに遅い。
そして……二人が同時に攻撃を繰り出しニアに傷を付けると、ユートの予想通り……ユーナの『闇の力』がニアの力を吸い取り、徐々にユーヤの影の中からニアの姿が消えて行くのであった。
俺は……影に沈んでいるが、ユートとユーナの動きが止まっている事に気づき、慌てて地上に戻った。ニアが、「なんなの今の……」と呟くが……俺はニアに向かって、ニアの動きを止められる方法を教えることにした。ニアが、自分の動きを止める為にユートがやったことを説明してほしかったのだが、ユートとユーナは……俺の説明を聞いていて……ニアの事を見ていなかったのだった。ニアが「私の話を無視するなー」と言うが、俺はニアをスルーして二人に話しかける。俺は……この世界の常識ではありえない現象なのだと説明してから、この国にいる限り……ユートとユーナも使えるようになると説明したのだった。俺は説明を終えると……俺が作り出した技で『闇空間』を作り出し、その中に入っていったのだった。
俺は……ユーナ達が戦っていた場所に戻ろうと移動する。すると、なぜか……ミーシャが俺の服の裾を引っ張ってきた。俺はミーシャを見ると……「お腹空いたのです」と言われた。俺は思わずミーシャのお腹が鳴る音を聞いていたので笑ってしまう。それから俺はユーナ達の様子を見に行ったのである。
俺は、ニアを連れてみんなの元に戻る。ニアはなぜ自分が連れてこられたのかわからない様子だったが、ユーナやユーキ達は、なぜ俺がここに戻ってきたのかわかっていた。
俺は、なぜ俺が現れたのか……なぜニアを連れてきたのか説明を始める。ニアに俺の正体を伝えても良かったが……とりあえず黙っておくことにしていた。なぜなら……まだ俺は、自分の力がどの程度なのか分かっていなかったからだ。もし俺の能力を説明するにしてもニアにだけ説明すれば良いと思ったからである。そして……まず最初に俺が自分の能力の一つ『転移門 ゲート』について話す。
『召喚門 サモン』と『次元扉 ディメンションドア』と『闇界門 ブラックドアー』は、この世界に存在していない物を……つまり……異世界のものでも呼び出す事が可能だと説明する。そして……ニアが持っていた『聖杯 ホーリーホライザー』は、本来であればこの世界には存在してはいけないアイテムだ。
その聖杯の力を借りて、『闇空間 ブラックホール』と『闇領域 ダークマターフィールド』を作り出した事を説明した。そして、闇と光属性を持つ者が使う『聖の力』は、『闇の領域ダークゾーン』、『闇の障壁 ダークバリア』を作り出す事が出来るという事を説明しながら……ニアの使った『セイントオーラ』は『闇のオーラ』の上位版で、その効果は、『闇のオーラ』『闇の障壁』『闇の結界』『ダークスピリット』『ダークネス』『闇の波動』『ダークフォース』と同じ効果が得られる事を、実際に使って見せた。
『闇のオーラ』『闇の壁』『闇の領域』などは、俺の世界でも存在する。だが……『暗黒騎士』は、その三種のスキルは習得出来ないらしい。そもそも、『神聖騎士』ですら、上位の聖騎士クラスになれば可能ではあるが……『神聖騎士ナイト』クラスの者は居ないそうだ。その説明を聞いた時にニアは驚いていたが、ユートもユーナも驚いていた。だが……「だから私を襲わないようにお願いします」と、ニアが言ったのでユーナが苦笑いを浮かべる。
俺は、続けて……もう一つの能力『神の癒し ゴッドヒール』について話す。これは、ニアが回復魔法として使っているのとは違う。
これは……俺自身が神と同等以上の能力を使えるので発動できるものだ。俺はユート達に『回復魔法 ヒーリング』を使った事があるか聞くと……全員首を横に振る。ユーナも知らなかった。そこで俺は、回復魔法『回復魔法 リカバリー』『状態異常魔法 ステータスダウン』を発動してみるが……ニアとユーナが、全く使えなかった。ユーヤとユーキは、魔法適正が高い為か使えないわけではなかったが……二人は回復魔法を使う機会がないようだ。なので、ユーヤとユーキの怪我を治療する事にした。俺がユーヤの手を触れると……傷が治った事に、みんな驚いた。そして……ニアは……自分の体を見て……驚く。ニアは「なんなのこれ……私の傷は……」と不思議がる。
俺はユーヤとユーキにも、先ほどと同じようにニアを襲おうとしていた理由を簡単に話した後、これからどうするか相談した。ちなみにユーナには俺の正体については、ユーヤ達と同じく話さないでおくことにした。ニアの事はニアが自分で伝えると決めていたので、そのままニアにまかせる事にした。俺は、ニアを仲間に加えるつもりだったが……ニアに断られるかもしれないと考えていた。それは、ニアの過去の出来事を知っているからでもある。
ニアは、「私は……自分の力で強くなってみせるわ」と言ったのだ。そして……ニアは、仲間にならないかわりに条件を出してきたのだ。
ニアが出したのは自分の過去を知りたいので、ユート達と共に旅をさせて欲しいという内容だった。俺はそれを受け入れた。俺は、ユーナ達と一緒に旅に出る前に……ユーナに確認したい事があったのである。
俺がユーナとニアの話をしている間……ユートとユーキは二人で会話をしていたのだ。そして……俺とニアの話を邪魔しないように静かにしていたが……俺達がニアの過去に付いて話を始めた途端に二人の雰囲気が変わった事に俺は気づいたのだ。俺はユーヤに視線を送るとユーヤも気づいていた。ユートとユーキは……真剣な表情で、二人だけで会話を続けている。
そして……しばらくして……ユーナとユートの話し合いが終わったようで……ニアが俺の元に歩いて来た。ユートは……少し離れた所に一人で座っていた。ユーキはまだ俺の隣に居る。ユーナはユーヤと二人でなにかを企んでいるように感じたのでユーキに質問してみる事にしたのだ。
俺はユーキに……「何を話していたんだ?」と聞いてみたが、俺には何も答えず、逆にユートとユーキに、何かあったの?と聞かれた。俺がユーナとユーキとの話が終わって……俺のところに来るまでに何があったのかを聞くと、ニアは顔を赤くしながらユーナと二人でいた時の様子を説明し始めた。俺としてはニアに説明してほしいと頼んでいたわけではないのだが……。
まず……ユーナに自分の生い立ちを話したそうだ。ニアと初めて出会ったのが二千年前でその時にニアから求婚されたらしいが断ったそうだ。ニアにその理由を話すと、納得してくれたそうだ。ただ……ニアが言うには……「あの時の私の年齢なら、今すぐ子供を作る事も可能です」とニアが言い出しユーナもユートもその発言に固まってしまったと言っていた。
ユーナの話では、ユーナの両親に挨拶に行き……結婚を前提に付き合って下さいとプロポーズしたらしい。
そして、なぜ自分がこんな力を持って生まれてきたのかと、今まで生きて来た人生を詳しく話したそうだ。もちろん……ニアの事とか……前の世界での事は一切話していない。
俺はその話しを聞いていて、ユーナがニアとどんな出会い方をしたのか理解する。俺はユーナにユートとニアの関係を聞いてみようと思ったのだが……ユーナは俺に話しかけてこないで、ずっとニアの話しを聞き入るように聞き耳を立てている。そして、ユートの方もユートが興味深そうに、ニアの話を聞いたあとに「ニアちゃん……俺と結婚してくれないかな」と告白してきたらしい。
ニアも最初は冗談だと思っていて、ユートに怒っていたが……ユートに「俺は本気でニアが好きなんだ」と言われ、本気なのを知ったら嬉しくなってしまい……ニアもユートの事が気になり始めていったらしい。ニアが……「私があなたの側にいても大丈夫ですか?」と言うとユートは、「ニアちゃんが俺のそばにいてくれなきゃ駄目なんだよ。俺はニアを一人にはしないよ」とニアに言うと……ニアがユートの腕の中に入っていったと教えてくれた。そして二人はしばらく見つめ合った後にキスをしたらしい……ニアが恥ずかしそうな顔をしながら、その事を教えてくれる。ニアは……その時はお互いの気持ちを知る為にキスしたと言ってきたが、本当はお互いに好きだったのではと、俺の勘が言っていた。俺とミーシャの結婚式で……ユーヤがユートとミーシャの事を見ていたからだ。まぁ二人とも幸せになる為に頑張れ!!俺は心の中で思ったのであった。俺は二人を祝福してからユートに声をかけようとしたら……ユートがいきなり立ち上がったのである。俺の予想通り……ニアとの結婚の許しを得る為に向かったのだ。ユートの奴め、行動が早すぎないか!?と思ったが……もう止めても無駄だろう。ユートは一度言い出した事は曲げない性格だからだ。
俺はため息をつきながら……仕方なく、ユートとユーキを一緒に追いかける。俺は二人が話し始めると同時に二人の後ろに立って、ユートとユーキの会話が聞こえる距離まで近づき二人の声を聞いていた。
まずは……ユートが……「ニアの事は、ニアの両親の事も含めて俺に任せて欲しい」と真剣な眼差しで言うと……ユーヤは黙って聞いていた。そして……ニアと出会って、どのようにして結婚したのか……なぜ、ニアの両親がユートの前から姿を消したのかを説明し始める。ニアの両親は……ある組織から追われていてニアが生まれた頃に逃亡の旅に出てしまった事、その際に、この『フェアリー王国』で隠れ住んで貰う事、ニアの母親が病気で死にかけていたところを俺が救って、ユーナとユーキが生まれるまで匿って育ててもらった事を説明する。
それから俺は……ユートの親父さんに頼まれていた事もあり、ユーヤの父親にもお願いしてみる。そして……ニアとの出会いの経緯を大まかに説明したのだ。
最後に……ユートはニアを妻にして、二人で旅に出ますと言い残しユーヤを置いて行ってしまった。俺は慌てて……「俺達は、ユート達と一緒に旅をする事になっているので……」とだけ言ってユーヤを連れて、ニアとユートの後を追いかける。ユーヤは少しの間無言であったが……すぐに俺に向かって話始めたのである。
俺はユートとユーナのやり取りを聞いた上で、自分の考えを言う。すると、ニアは笑顔になって……「わかりました」と、返事をしてくれたのだ。そして、ニアは、仲間として認めて欲しいと言ってくる。ユーナは、ユートから事情を聞いているので仲間にするのに問題はなかったが……ユーナから仲間として認めたくはないが、認めるというニュアンスの言葉を言われ……少しショックを受けていた。だが……そんな事を気にせず、ニアはユーナに握手を求めたのだ。ユーナはその行為の意味を理解し、ニアと握手をする。その様子を見ながら、ユートが俺に対して感謝の意を表してきたので、別にいいよと、俺は手を振り答える。その後……俺はニアを抱きしめた。俺はユーヤとユーキに向き合い、「俺達のパーティに入ってくれ」と言う。ニアは笑顔のまま……
「ありがとうございます。これから宜しくお願いします」と、頭を下げてから、ニアが言った言葉は意外なものであった。ユーヤやユーキは驚いていたが、ユーキが先に我に戻りニアと話を始めたのだ。ユーキによると、ニアとユーキは少し似てる所がある為か馬が合うらしい。ユーヤとユーキにも話していたようで、二人は「よろしく」と一言言って、握手を交わす。こうして……ニアは俺の仲間たちに加わったのである。ニアには仲間になったお祝いに俺から何か贈り物をしたいと思い、俺はニアに何が欲しいのか聞いてみた。ニアは少し悩んだが……アクセサリーがほしいと言い出したので、俺はすぐに『魔法の袋』の中から装飾品を一つ取り出してニアに手渡す。それは俺が趣味で作った指輪である。そのデザインが気に入らなかったのでは?と考えたが、ニアは気に入ったと喜んでくれたのだ。
そして……俺はユートとユーキに話しかける。「ちょっと二人で話がしたいんだけど……場所を変えよう」俺は、ユーヤに視線を送ると、俺の意図に気づいて、ニアと一緒に外に出る事にしたのだ。ユーキも一緒について来たのである。そして、ニアとユーキが外で楽しそうに話をし始めた。それを見た俺はユートを家の外に連れ出す。
家から出た瞬間……俺はユーヤに対して話を切り出していく。まず……ユート達には、魔王を倒して貰いたいと伝えると、「えぇー!?無理ですよ!和人さん達だけで、なんとかなる相手なんじゃないんですか?」とユートが言う。ユーヤも同意したような顔をしていたが、俺は二人の考えを否定する。
俺は、『神眼』の能力を使い……この世界には魔王はいないと、はっきりと断言する。さらに……魔人が復活するまでは、まだ時間がかかる事も話す。
次に俺は……『俺のステータス』を見せてあげる。俺は、レベルを上げて能力値が上昇すれば、俺とユート達が協力したら簡単に倒せると思うけどなぁと伝える。俺は『暗黒の騎士』の能力は封印されていて使えないと説明し、その事は……今は伏せておく事にしたのである。ユート達が驚く姿を見て俺の心が踊ったのだ。
俺の説明を聞いて、ユートは、ユートが納得できないような表情を浮かべて質問してくる。
俺はそのユートの顔を見て、ニヤッとしながらユート達に話しかけた。「俺を信じて付いて来てくれ」
そして……ユートは納得いかない顔をしながら、しぶしぶ「はい……和人の言う事を信じますよ」と返答してきたのであった。
俺はそんなユートとユーヤの二人に、「じゃあ行こう!」と言うとユーヤと二人で、あるスキルを発動させ、転移魔法を発動させたのであった。ユーキも慌ててついてきたのがわかる。そして……三人は転移し終えたあと、辺りを見回した。そこは……ユートの知らない景色だったのだろう……驚きの表情を見せていた。
そして……俺達は『妖精族の集落』から歩いて移動した場所に転移したので、俺はその場所がわからない。だから俺は、とりあえずユートが見たことのない国へと、ユート達を案内する。俺は……ユートとユーキがどんな反応をするかワクワクしながら、二人を引き連れて歩いていたのだ。
俺とユートとユーヤの三人で歩いているとユーヤは周りを見ながらキョロキョロしている。
ユートは何も言わず、無言である。俺は二人をつれながら歩きながら、色々な話しをしてあげたのだ。例えば……この世界には無い『スマホのアプリゲームの話』などだ。ユートが、「それってどういうものなんですか?」と、質問してきたので……俺の知ってる限りの事は教えてやった。ユートは興味を持ったらしく……後々、自分でも作ろうとしていたみたいだ。そして、色々と雑談をしながらユーヤと二人で楽しく歩いていたら……突然ユートが立ち止まり、「あれって、この世界では存在しない物ばかりですね。しかも全部俺が造れないようなものばかりだし……」と言ってきたので、ユーヤと二人で笑い転げてしまったのである。
しばらく歩いた後に……ユートはまた立ち止まる。そして……この『フェアリー王国』の事を詳しく聞きたいと言うので、俺は……ここの事を教えてあげた。『レアメタル』を使ってこの『フェアリー王国』を作った事……『宝飾細工の技術』を広めたり……『洋服の文化』を教えたりしていることを説明した。それからユーナとユーキとの出会いの経緯を説明してから……この国の王様は誰なのかとユーヤが聞くので……俺はユーヤが予想していない人物の名前をあげたのである。すると、ユーヤとユートはびっくりしていた。まさか俺が女王であるミーシャを名前で呼ぶとは思ってなかったようだwまぁ〜俺とミーシャはお互いを親友として付き合っているからだね。
そんなこんなして……俺達は城に着く。
そして、ニアを呼んでから、城の人達を集めてもらい、ミーシャを呼びに行ってもらう。しばらくして……ニアが戻ってきて……ユートとユーヤは、緊張してガチガチになっている。ニアにユートを紹介する。ニアは少し緊張してたが……ユートに笑顔を見せると、ユートの緊張も解れたのかユートの口元も緩んだのである。ユートとニアの挨拶が終わると同時に……ユーヤにも紹介してから俺とユーヤは一旦別れて『俺の自室』に戻って来たのだ。
ユートが仲間になってからは……ユートにも『フェアリル王国』に来てもらいたかったがユートはユーヤの事が気になるらしい……。仕方がないので俺は……ニアをユートとユーヤの元に向かわせたのだ。ユートは、ユーナが俺の部屋に入ってくると、「初めまして……」と言い、自己紹介すると、ユーナはユートに「ユーキさんの妹さんなんですね」と言った。それからユーナが俺の所に近づき、「私達の出会いの経緯を聞かせてください」と頼んできたので……ユーナは、俺にニアとの会話で出てきた『フェアリーリング』という場所で会ったこと……そこから旅を始めた事などを話した。俺からしたらユーナは俺の彼女なわけだが……それを目の前で見ているニアの複雑な心境を思うと心が傷んだのは事実だ。
俺達はユート達のいる場所に戻る前に、俺の部屋でユーヤに『勇者の力』を与えたのである。俺はニアと一緒にユートの元に向かった。ニアは……ユートを見て、少しだけ寂しそうな顔になったが……笑顔になり「これから一緒に頑張りましょうね」と言って手を差し出したのである。ユートはニアと握手した後……少し照れて……頭を掻きながら下を向いていたが嬉しそうにしているユートの笑顔を見た時……俺の心も和むような感じになったのだ。そして……俺とユートはユーヤ達の待つ部屋の扉を開け中に入ったのである。そして……俺がユーヤとユーキを紹介しようとした瞬間……いきなり俺達の前に光の壁が出現したのである。俺はその光の壁に驚いていたが……どうやらその壁の出現はユーヤ達を守る為のものらしいのだ。そしてその壁の向こう側に人がいる気配を感じた。そして俺達の方に近づいてくる。俺とニアはその人の足音を聞きながらも何もしなかったのだが……
「和ちゃん! どうしてここに?」と聞こえたので俺は思わず……「お母様?」と言っていたのである。そう……俺に話しかけて来た人物は俺の母であったのだ。
『フェアリンドール』のお披露目会当日……俺は、『妖精の森』の『フェアリータウン』にある『魔法の道具屋 ミラクルハウス 』の前に来ていた。そして俺は店の前に置いてあるテーブルに座っていたのだ。店には数人の客が店内を見ていたのである。そしてニアは『魔法人形 』の服を脱ぎ捨て……俺と同じ『黒のローブ姿』になっていたのだ。
俺はニアと手を繋いで『フェアリン』と『フェアリーランド』で待ち合わせをしていた。
ちなみに、昨日、俺はニアに『精霊王の娘』であることをカミングアウトしたのである。
そして……俺は、ニアに『魔法袋』のスキルを渡しておいた。その袋にはニアが作った薬を入れるようにしてあるのだ。
ニアが俺の隣で目を輝かせている。それはそうだ……この世界で今まで生きてきたニアにとっては初めて見るものだらけなのだから……そして、俺は今……そのニアと一緒にこの『ミラクルワールド』の中を探検しに来たのである。ニアがワクワクしてるのは間違いないと思うけど……俺も結構楽しみにしていたりする。何故なら……ニアはこの世界には存在しない『マジックロッド』もどきを持っているからだ。俺達は『ミラクルボックス』の中にある『妖精族の集落』で貰った地図を元に目的地に向かう事にしたのだ。
しかし……その場所は地図には書いておらず、その場所は……妖精族にしかわからない特殊な場所にあるようだった。だから俺は……ユートとユーヤにその場所がわかるように手紙を書き残していったのだ。俺はユーヤがこの世界のどこかにいると信じて、その場所を探し当てるつもりなのである。そして、ニアに俺は『魔法の指輪』の機能を一つ渡してある。その機能は『テレパシー機能』なのである。この『テレパシー』は、『魔力を消費せず』、『相手の脳内に直接話しができる』能力だ。ニアもこの能力を喜んでくれたのだ。この能力があれば……遠く離れた場所ででも簡単に話しが出来る。この能力を使いながら……ニアは、俺とずっと『交信』していたのである。
そして……俺はニアの手を引いて歩いていくと……ある場所に辿り着く……俺はこの場所がすぐに分かった……ここは間違いなくユートが生まれ育った世界である……なぜなら俺がこの世界で初めてこの世界に飛ばされた場所でもあるし、俺が『勇者召喚』された場所に間違いなかったからだ。そして俺は、ユート達が俺と同じようにこの場所に来れるようにする為に……ニアと相談したのであった。俺達がこの場にいた証拠を残し、そして俺が『妖精族の長老』から預かった物をこの場に置くことで、この世界を救える可能性のある者が俺達がいた場所に来ることを祈って置いたのだった。俺とニアはその石碑を後にした。そして……この世界を救うための手がかりとなるものが見つかれば……いいのだが…… 俺はこの世界を救いたいと思っている。俺はもう二度とあんな辛い思いをしたくはないのだ。俺はこの異世界で家族を得た。この俺の家族を悲しませないためにも俺は『この世界を魔人に支配させない』と心に決めていたのである。その為に俺はこの世界に生きるすべての生き物が幸せになるように動くことにしたのだ。だから俺に出来ることは何でもする覚悟である。俺のこの決意がニアを……この世界を俺と一緒に連れて行ってしまったニアを助けられる唯一の方法だと……俺は信じて疑わなかったのだ……。
俺とニアは手を繋ぎながら森の中を歩く。俺とニアの『念波感知 スキルレベル』のレベルが高い為か、俺の頭の中には様々な情報が流れ込んで来る。俺はそれを読み取りながら歩いていたのである。すると、ニアが、「あっ!」と声を出した後、走り出したのである。俺はその後を追いながらニアを見ると……「見て下さい……」と言ってきた。俺は言われるがままニアについて行き、そこに行くと……そこには『大きな水晶柱』があり、その回りには小さな丸い石が置いてあったのだ。そして俺はその光景を見て、ここがどこなのかがわかったのだ。そう……ユートの故郷の場所だということがわかったのである。俺は、ユート達が来るまでの間、ここがユートの世界であり、ユートの家がある場所だと言う事を伝えた。すると、ニアは少し涙ぐんでいたのだ。俺はそんなニアの肩をそっと抱き寄せてあげた。しばらく二人の間に言葉は無かった。ニアは俺の腕の中で静かに泣き続けている。俺はそんなニアを抱き抱えたまま時間が過ぎていく……。しばらくするとニアの身体は小刻みに震えている。それを見て、俺の胸は締め付けられそうになったのだ。そしてニアが、「ありがとうございました。落ち着きました」と言い、俺から離れようとしたが、俺はニアを抱きしめ続けた。
ニアも最初は抵抗していたが、諦めたのか、素直になってくれたのである。そしてニアも少し落ち着いたようで……少しだけ笑みを浮かべたのだ。俺はニアに笑顔が戻って良かったと思いつつ……
「さて、ニア、ここにいても仕方がないから移動しようか」
と俺は言い、ニアを連れてその場を離れるのであった。ニアも黙って付いてきてくれたのである。俺はそのまま森の中に入っていったのだ。それからニアと色々な会話をしながら、森の中を探索しながら進んでいく。俺達は森の中にある道のような場所を見つける。そこは馬車などが通れるほど広くはないが人が歩けるほどの幅はある道を進む。ニアが「あれ? おかしいですね」と言い出し、俺は「どうした?」と聞くと……ニアは、「和人様、先程までは近くに動物達がいたのですが……今は……動物の気配がありません」と言ってきて俺は「本当だ……」と言い、「そう言えば、この森に入ってから何か変だよな……」と思った瞬間に俺の耳元に「助けてください!!」と女性の叫び声が聞こえたのである……。俺とニアは同時に顔を見合わせて、「今の聞こえたか?」と聞き合うと……俺はニアの目を真剣に見つめ、ニアに「あぁ……間違いない! 誰かの声だ。急いで助けに行くぞ!! ニアは俺の後に続いて走って来た。俺は全力で走ったのだ。そして……俺はニアよりも先にその場所に辿り着いた。その場所に一人の少女が横たわっているのが見えたのだ。
そして……ニアがその場所に着いた時……
「ニア……その子を見てくれ!……怪我をしている! 急ごう!」とニアに伝えたのだ。俺はその少女に近づきながら……ニアに「治癒スキルを使ってくれないか」と頼むとニアは俺の言葉にうなずいて少女に手を向けたのである。ニアの優しい手が青白い光に包まれ、その手から光が伸びてその光が傷口に優しく触れたのであった。俺は……その時の不思議な光景を見たのである。ニアの手から出た光は、俺の視界には映らないものだった。
ニアは「ふぅ~、どうやら間に合ったみたいです……」と俺に伝えてきたのだ。俺は……その言葉を聞いて、俺は心から安堵したのである。しかし……この世界では『聖女の力』や回復魔法で傷が癒やされることはないはずなのに……。俺は不思議に思ったのである。
そして……俺は、ニアに礼を言い、ニアにお願いして少女を起こしてもらったのだ。
「おい!大丈夫か?」と俺は少女に声をかける。俺は……その瞬間、息を飲むことになる……この女の子は見た感じ中学生くらいで長い髪に、整った可愛い顔をしている。しかも美少女だったのだ。俺はその少女に思わず見惚れてしまっていたのだ。
すると、少女はゆっくりと目を開けたのである。俺は慌ててその目をそらしたのだ。
「よかった……生きてるようだね。ニア……この子も『聖なる力』の回復魔法をかけてくれるか?」
とニアに頼み、ニアもすぐに「わかりました」と答えて……『フェアリーランド』で買った薬を取り出し、それを飲ませたのである。俺もニアと一緒に回復系魔法で治療を開始した。しかし……この子の傷は……なぜか消えないのだ。俺は何度も同じことをするのだったが……治る様子が無かった。
その様子を見かねて、少女が……
「あなた達は私の味方なんですか?……それとも……敵なんでしょうか!?」と質問してきたのである。俺が、
「いや、俺達は君を助けに来ただけだ。だから心配しないでいい。それより何があったんだ?……話してくれないか……」と問いかけると……その少女は自分の事を「私はソフィアと言います。私を助けていただいたことに感謝します。でも……このままでは……」と言ったのである。そして…… 俺はニアを見る。ニアは俺の顔を見て、「多分この子に『神聖力』の魔力を流せば、この子は助かると思うよ。だけど……」と途中で言葉を濁らせたのだ。俺が、ニアに続きを聞こうとしたが、その時だった。ニアとソフィアさんの前に黒い影のようなものが現れたのである。俺も咄嵯に『神速』を使い、ニア達の前に現れて、『エクスカリバー 』を抜き放った。ニアもすぐに『妖精族の杖』を構えて戦闘態勢をとったのである。
現れたのは黒ローブ姿の男だったのだ。俺はすぐに、鑑定を使い名前を確認する。名前は、【ブラックマン】となっていたのだ。そして『勇者の指輪』の反応を確認しようとしたとき、俺は目の前が一瞬真っ暗になった。
俺の視界は暗闇に覆われ、そして……俺は自分の意識をどこか遠くへ持って行かれてしまったような感覚に陥ったのである。
そして…… 気がつくと俺は……俺と瓜二つの人物がいた場所に倒れていたのである。俺が目を開くと、そこには見知らぬ少年が倒れている俺を見下ろしている……。そして俺の横にいるはずのニアの姿がいなかった。
俺は、起き上がり辺りを伺うと……。そこは……薄暗い部屋の中のようで……窓が無いのである。そして俺が寝転がっていたのが、大きなベッドの上に寝かせられていたのだと気づいたのである。
俺は……改めて自分の格好を確認した。服装は何も身につけておらず……全裸だったのである。俺はとりあえず……服を着る事にした。そして……ニアを探しに部屋の外に出ることにしたのである。
俺の部屋とおぼしき場所は、俺と瓜二つの男が眠っていて、ニアがいなかったので俺は不安になって……急いで服を身につけたのだ。すると……ニアはすぐ近くにいたのだ。俺はニアを見つけるなり、安心感と不安の感情が一気に押し寄せて来た。ニアも裸だったからだ。ニアは俺に抱きついて泣いていた。
俺はそんなニアを抱き抱え、落ち着くように言ってあげた。すると……ニアが……俺の目を見て……涙を流していた。そして……ニアは「怖かった……。和人が突然いなくなったの……それに和人と瓜二つの存在がいきなり現れて……和人のことを消してしまったから……。私はもう二度と大切な人を失いたくない……。だから……怖いの……」と言い……再び泣き始めたのだ。
ニアを泣かせるつもりはなかったが、俺はニアを泣き止ませたい一心で、強く抱きしめ、「ニア……」と名前を呼んであげると、ニアは泣き止み……そのままの状態でキスをした。そして……ニアと手を繋いで歩き始める。俺は、ニアに今起こっている事を説明した。ニアは真剣な表情をして聞いてくれていて、ニアは「わかったわ。でも、和人はどこに行っていたの?」と聞かれたので、正直に答えると……「そうなのね……」と言って黙り込んだのである。俺が、何か声をかけようと思った時…… 扉の向こう側に人の気配を感じて俺は剣を構えたのだ。しかしニアも俺の行動に素早く反応し……武器である『妖精族の木槌』を手にしたのである。俺はニアの行動を合図に勢いよく扉を開けると、一人の女性が立っており、女性はこちらに向かって走り込んできたのだ。しかし俺は女性を捕まえたのである。
「くっ!! 離して!! はなしなさい!! 早くこの国から離れないと……みんな死んじゃうんだってば!! ねぇってば!!……きゃぁー!!いやあああ!!!」
と大声で叫びながら必死にもがき、逃げようとする女性の足を掴みながら、俺に助けを求めてきた。俺は「一体何を騒いでいる!! 君は誰だ!!」と言うと……その女性の目が恐怖の色に染まっていく……。そして「わ、わ、わたしがだれかわからないんですか!! わたしですよ!! わ、わ、わ、わかってくださいよ!! あなたに命を救ってもらって、あなたの言う通りにしたらこんなことになっちゃったんですよ!!」と叫んできたのである。
俺は「すまない……。俺は君の事が何も覚えていないんだ。でもどうして俺の名前を知っている?」と言うと、その女性の身体が震えだした。その瞬間、「あっ、そ、そうだ……私……この人と同じ名前だ……」とつぶやいたのだ。俺はその瞬間に思いだしたのだ。そう……『暗黒竜 バハムート』と戦った時、倒したと思った『バハムート』に飲み込まれそうになり、その寸前に、俺は転移して逃げたはずなのだが……その後の記憶がない事に気づいたのである。あの時はニアやミライさんが助けてくれたのかと思ったけど……この人を見るとどうも様子が違うようだと思ったのだ。
そう思った俺は「君は何者なんだ?」と聞くと、
「ごめんなさい……。私はただ……『暗黒神官 ダークマスター ダリス』様にお仕えしているだけです。私は……『闇の力』を操る事が出来るのです」
その言葉を聞いてニアは「そう……やはり……貴女だったのですね…… 」
と真剣な顔つきで言い……『妖精族の木槌』をその少女に向けたのである。
俺は「ちょっと待ってくれ! 何がどうなっているんだよ! 教えてくれ!」
とニアに問いかける。するとニアは俺を見て、「『勇者 ユート 』は、『勇者 シンヤ』とこの世界に『光の力』の使い手として召喚されてきましたよね……」
「あ、ああ……そうだ……」と俺は戸惑いながらも返事をする。
「それで……私は『聖女 セイナ』という方と一緒に行動していたのです。でも……私たちは『勇者』達が行方不明になってから『勇者パーティー』を抜けたんです」
「なぜ……『勇者パーティー』を抜ける必要なんかあるんだよ……」
「『勇者』達がいないなら、『神聖王国』を守る意味がなくなってしまったからです。そして……私たちも、『暗黒神』を倒すために力を合わせて戦っていたのに……その『魔王軍 ブラック・ファフニール』に殺されてしまいました。そして私は『勇者』達と一緒の世界で目覚めることになったのです」
俺は「それじゃ……この子はなんで……生きているんだ?……君たちは確かにこの世界に来たはずだろう……」と聞くと、ニアは……「それはわかりません……。ただ……『この子』は生きていたいと思っているはずです」と答えたのである。すると……ニアの質問の意味を理解したようで……その少女が「ち、違います!私は『闇の力』を使うことが出来ると言っただけなの!だからこの世界では生きられるってわけじゃないわ!お願いします。信じてください!私も死にたくないんです。どうかお願いします!何でもやりますから……」
と懇願してきた。
俺は、「とりあえず事情を話してくれるかな? 俺の質問に対する答えが聞きたい」と答えると、少女は自分の身に起きた出来事をゆっくりと説明を始めたのである。そして……少女が語った内容は衝撃的な内容だったのだ。その話の内容によると、彼女はこの国の姫で……名前は【フローラ リリィ】と言い……この国で『光の巫女』をしている【セイナ】とは幼なじみの関係にあるらしいのだ。この二人はこの『神聖帝国アルセナール』では『光の女神』と呼ばれている女神を崇拝しており、特にフローラ様は幼い頃から『神聖騎士』である【ホーリーナイト】の【サーラ】に憧れを抱いていて、いつか『聖なる乙女』であるセイナと共に……【ホーリーロード】と呼ばれる旅をしようと誓っていたらしいのだ。しかしある日突然、『暗黒神 ダークマスター』が降臨してしまい、国は滅んでしまったのだという。しかも『神域神聖皇国』では、【暗黒皇帝 ネロ】が『暗黒神殿』を作り……悪逆の限りを尽くし始めたのだと言っていた。そこで、フローラ姫はこの国の人達のために……『神器』を手に入れようとしたのだと言うのだ。そしてその手がかりを求めてこの『勇者』のいる地にやってきたら、いきなり捕まってしまったらしい。そして、ここに来た理由を聞くとその目的は俺だという事であった。俺は……
「そんな話は聞いた事もないぞ……。どうして俺が君を助けたりするんだ?」と疑問に思っていたことをそのまま口に出したのである。
そして……少女は俺が気を失う前の記憶を失っていることに気付き……悲しそうな顔をする……。そして俺の服を脱がせて確認し始めてしまったのである。俺は、ニアが「な、なにやってるのよ!!」と怒っているが……なぜか俺自身も……抵抗する事ができない……というかできないのだが……不思議に思いつつされるがままに任せていたのだ。しかしニアは……「これは一体どういうことなの!? この子の言う通り和人は記憶をなくしているなんて……」と言い始めたのだ。
「う、うーん……」
俺は意識を取り戻し始めた……俺はニアと手を繋ぎ、ニアの事をしっかりと抱き抱えていた。すると、その女の子が「おはようございます……ご主人様。」
と微笑みながら言ってくれたのである。俺は一瞬、ニアと間違えそうになったのだ。そのくらいニアによく似ていたのだ。しかし、その女の子の顔はニアと違って、幼さが残っている。そうニアはもう少し大人の美しさを持っているのに対して……その少女は……ニアの大人っぽさをさらに磨き上げたような……そんな美少女だったのだ。そしてその女の子はニアより少し身長が低く小柄だが、出るところはしっかり出て、くびれるべき所はちゃんとくびれていて……まるでモデルのようなプロポーションだったのである。そんな子がメイド服を着ていて俺を起こしてくれた……それだけで興奮して、鼻血が吹き出しそうになるほどだった。俺は……その子の頭をなでながら「ありがとう。えっと……俺が誰なのか知っているのか?」と尋ねると、その美少女は首を傾げながら、「申し訳ありません……。私はあなたを知らいないのですが……『神聖教会 本部 』に行けばあなたの事を調べてもらえると思います。でもその前にあなたは一体誰なのですか?」と聞かれたので俺は正直に「すまない……。実は記憶喪失になっていて名前も何もわからない……」
と言うと、その女の子は俺の目を見ながら「私は……『ダークプリンセス』……『暗黒神官 ダークマスター ダリス』の『眷属 』です。よろしくね……」と言ってきたのである。
「俺は……俺は……一体何者なんだ……?思い出せない……。どうしてだ……どうしてだ……」
と頭を抱え込むと、その『ダークプリンセス』と名乗る女の子が俺の手を握ってきて、「私がそばに居てあげるね。和人がどんな姿になっても私の心だけは和人のそばにいるからね……」と優しい言葉をかけてきてくれたのだ。俺はその言葉で涙が溢れてきた。しかし、ニアがその手を離して、その『ダークプリンセス』に対して剣を突きつけながら「和人を惑わすつもりね!!……消え去りなさい!!」と叫び剣を構える。
『ダークプリンセス』はその剣を見据えたまま、ニアの事を見て、ニアが持っている剣を指差しながら、ニアに向かってこう叫んだのである。「それは、この剣でしょう!!私も欲しいの!お願い……その剣を貸して欲しいの!」と手を差し出してきたのだ。ニアは俺を庇いながら、「何を言っているのよ!!どうして貴方にこの剣をあげないといけないのよ!あなたが私達と敵対していた人だって事はわかってるわ!そのあなたが……どうしてこの『神聖騎士 ユート』の愛刀の『聖竜の聖槍 ホーリードラゴンランス』にこだわるのよ……」と言うと、『ダークプリンセス』はその質問を聞いて笑いだし、その問いに答える。「あはっ……あははは……何それ……。この人『神聖騎士』なの……。こんな人が……?あはは……あー面白い……笑える……もうだめ……あははは……」その言葉を聞いたニアも、その『ダークプリンセス』も……そして俺まで唖然とした表情になってしまう。『神聖騎士団 ハイエルフ エターニア 』の女性も口を開けながら呆然として見つめてしまっていたのだった。
『ダークプリンセス』は、しばらく笑い続けた後にようやくその答えを聞かせてくれた。「あはは……あははは……あーおかしい……。私は『勇者 シンヤ』と一緒に召喚されてきた人間だよ。『勇者』の仲間の一人だったんだ。だから、その『ホーリー・ドラゴン・ランス』を持っていたんだよ。そしてその人は……今はいないの?『暗黒神 ダークマスター ダリス』様から聞いてるわ。私はあの人とセイナと一緒に旅をしたかったんだけど、二人とはぐれちゃったんだよね……」
俺は……この子が何者だったとしても、助ける事にしたのだ。俺は「『勇者』と一緒の世界に呼ばれたって本当か?君は『暗黒皇帝 ネロ』に捕まったんじゃなかったのか……」と尋ねた。すると『ダークプリンセス』はその『暗黒皇帝 ネロ』が『神器 神炎の大魔道砲 レーヴァテイン』の力を使って、この世界を滅ぼすために暗躍していることを俺達に話したのである。
そして……『勇者』とその仲間の三人が、その『魔王軍』の幹部である、【魔王軍 暗黒軍師 デウス・エクス・マキナ】によって洗脳されてしまい、敵側についてしまった事も話してきのだ。そして『神聖皇帝 ネロ』が『暗黒皇帝 ネロ』になった時に、セイナの体の中にセイナを封印し、『暗黒大帝 ブラック・パラディン』となり『勇者』と仲間達と戦うことになってしまったことも、この『ダークプリンセス』は俺に教えてくれたのであった。
「『勇者』と『聖戦士 勇者』が裏切ったなんて……そんなのウソよ!信じられない……」
とニアは叫ぶが、俺は「この世界に来てからの俺は、その『神聖帝国アルセナール』とやらの話を全く聞いたことがないんだ……。それにこの子から聞いた話の内容にも嘘をついていないように思うんだ……」とニアに伝えると、『勇者』である少女が「そんなはずは……だって私はずっとこの国を守って戦っていたはずなのに……うそでしょ……」と言い始め……『ダークプリンセス』も「確かにこの国の話は、ほとんど外には漏れないようにされているわ……。『暗黒皇帝 ブラック・ロード』になってから、この国の人達が『光の神殿』と『神聖教会』の話を一切聞かないようになっているはずだよ。きっとセイナとシンヤが『魔王軍』側に付いた事で、国民が絶望して、外に情報が流れないよう操作して、この国の秘密にしているんだと思う……」と言う。
ニアは『神聖騎士 ホーリーナイト』の『神聖剣 ホーリーソード』でその『ダークプリンセス』の首を狙う。俺はその光景を見た時、すぐにニアの事を庇いに行ったのだ。しかし『神聖皇帝 ネロ』を倒したという、【神剣使い シンド】の持つ伝説の剣……そう『聖なる加護の神器 ホーリーセイバー』は『聖剣 聖槍 ホーリーパルチザン』と同じように、光輝く神々しい姿をしており、その光の強さだけでニアの攻撃を完全に打ち消してしまったのである。
そして、そのまま俺は【神器解放 真 聖器 天翼の盾 ヴァルキュリアシールド セイリュウガチマ】を呼び出し……ニアを後ろから抱え込んだ。ニアは驚き「どうして!?なんで私を守ろうとするの?」と言いながら抵抗していたが……その少女が……「大丈夫だよ……。あなた達は私が守る……。私の力は弱いけど……私の命は永遠になる……私が死んだ後も生き続けるの……。だから安心してね……。」と微笑んでくれたのだ。俺は思わずその笑顔に見惚れてしまった。その時である!いきなり上空から大きな火柱が上がり、「うおおおおお!!」と言う声とともに、俺に攻撃してくる者が現れたのだ。咄嵯に避けて、体勢を崩したが……俺はその攻撃を防いで、相手を確認する。そこには巨大な鳥の羽が生えた女性と、もう一人の男性が立っていたのである。ニアはニアを抱えているのに、この攻撃を仕掛けてきた事に驚く。
「お主が何者かは知らんが、わしの邪魔をするなら容赦はしないぞ……。わしの『炎の使徒 ファイヤーバードマン』の攻撃を受けきれるものがいるわけがない!!」
と言うが、その男性は俺のほうを見て、「おい!!なぜ避ける!!この攻撃を受けて死んでいれば楽になれたのに!!どうして俺達の事を守っているのだ……どうして俺に攻撃をしなかった!!どうして俺を助けようとしたのだ!!くそが……」と言って俺に向かって突進してきた。俺の背後からその少女が、自分の背中に刺さっていたナイフを自分で引き抜いていた。そして、「このナイフは私が死ねば消えるからね。あなた達をこれ以上傷つける事はできない……」と言って俺に向かって来た男の前に立った。俺は……『神剣使い シンド』がこの少女の命を救うために俺に託したこの剣で、少女を守ることにしたのだ。
その男は『聖戦士 勇者 勇者セイジ』と名乗った。
「あなたは『神器 天翼の鎧 ペガサスアーマー エンペラウイング』を持っている……。でも、私はもう死ぬしかない。だから私の最後の力……受け取って欲しい……」
と言うと、俺の持っている『神器 神聖武器 神聖剣 ホーリーブレイド 』と俺の左手と合体したのだった。その瞬間俺は何かに包まれるような感覚に陥り、そしてその『聖具』に力が宿っていくような気がしたのである。
そして、目の前にいる男の方に目を向けて、俺はその技を発動した。すると、俺の右手から白い光の槍が出現したのである。そしてそれをその男に向けて放ったのだが、その男に命中する直前で、その光の矢をその男は片手を前に突き出して、その手で掴み取ったのだ。その男は俺の持っている『神聖剣 ホーリーブレイド 』を見つめ、驚愕の表情を浮かべていたのだった。
そのあとに俺は『勇者セイナ』に「『神聖騎士 ホーリーナイト』に変身出来るようになったんだね……」と言われてしまう。その言葉に驚いたのはその少女も同じだった。
そのあとにその男は『聖女 セイラ』にこう言うのであった。
「お前がここにいるとはな……。生きていたんだな……。だが……俺達と敵対するというのであれば仕方あるまい!!俺の『炎属性魔法 バーニングファイアボール・改!!』を喰らえ!!俺に殺される覚悟はあるだろう!!くらえーーー!!!!」
と叫びながら俺に向かってその『バーニングファイアーボール・改』を放ってきたのだ。その『神聖騎士 ホーリーナイト 』となった俺は、咄嵯にこの防御スキルを使用した。
「聖なる壁……『神器 神界の壁 ゴッドウォール』……『神聖騎士の聖域』発動……」と唱えると、その男と『神聖騎士 ホーリーナイト 』が作り出した結界によって、『炎の使徒 ファイヤーバードマン』は弾かれていった。俺は『聖槍 ホーリーランサー』を構えて、この男を倒すことに決めた。
するとその男も同じように『神聖剣 ホーリーセイバー』を構えたのだった。そしてお互い同時に走り出した。お互いにぶつかり合うかと思った時、俺は違和感を覚えた。そしてその男に話しかける。「あんたが本当に勇者セイヤだというのか……。あんただってわかっていたんだろう。今の俺はこの剣のおかげで『神器 神聖武器 神聖槍 セイントスピア ゲイボルグ』が使えるんだよ。この『ゲイボルク・レプリカ セイフオブリザード・ゲイボーラー』の力は『神聖皇帝 ネロ』を一撃のもとに倒したほど強力な武器だ……。つまり今俺と戦っても負けるのはあんただって分かってたんじゃないのか?」と話すと、その男は無言のまま動かなくなったのである。俺はその男の様子がおかしいと思いながらも……攻撃を続ける。俺は槍を振り回してその男が繰り出す剣の攻撃を打ち落としていくが……だんだんと動きが速くなり、そして俺が繰り出している剣の動きに合わせてその剣を弾き飛ばし、反撃に転じ始めたのであった。俺は、その動きの変化に対応しきれず……徐々に押され始める。俺はこのままじゃ不味いと判断して『神聖騎士 ホーリーセイバー 神聖槍 ゲイボウ・レプリカ セイフオブリザード・セイブアロー 』を手放し……その男の攻撃を避けるように飛び退いたのである。しかし、次の瞬間……その男の姿が視界から消えてしまい……気がついたら背後にいたのだった。その男の両手に持っている剣に俺が『セインソード・レプリカ』を纏わせている『セイントソード・オリジナル セインセイバア・レジェンド・カゲキダ・ソウセイ』は簡単に切り裂かれた。
俺はその剣に『聖盾 ホーリーガード 』を重ね掛けし……この男の斬撃をどうにか凌ぐ事ができた。この攻撃で『神聖騎士 ホーリーセイバー』は消滅してしまったが、俺は『セイセントソード オリジナル セイセイバア レジェンド』をすぐに取り出して、この男の斬撃を防ぐことに成功する。しかし、すぐに次なる一手が繰り出されようとしていた。その男は……俺に攻撃する事はせず、後ろに後退を始めたのである。
その男は自分の身体が薄く発光している事に驚き……そして俺の方を見て、「やはりそうなのか……俺が今まで倒せなかった『魔王』や『魔人』……そいつらを一瞬にして倒す事ができる存在……。『勇者セイト』様と同じような力を持った人間……そうか……。俺はまた……負けたのか……。」と言う。そして俺に向かって剣を投げつけたのだ。俺の頬をかすめて剣が通り過ぎていき……俺の頬から血が流れ落ちた。そしてその男が「最後に名前を教えてくれ……。どうして……俺の事を守ったんだ?『勇者セイヤ』」と言った時である。
その男の全身が……そしてその男が持っていた剣が……さらに光輝き……光となって消えたのだった。
その光の中から出てきた少女は、「助けてくれたのね……。ごめんね。ありがとう。私はこの世界の住人ではないんだ。私を救ってくれたお礼に、あなたの力になるから……私の事を信じて欲しい。私の名前は『聖女セイラ・ライトフィールド』……『光の聖女 セイシャ セイレーンセイラ セイレインセイナ 』と言う名前よ。」と言って、そして続けて、「私の『魂』を使ってください。『聖剣 セイレイ セイリュウ セカイリュウ』に力を込める事が出来るのです……。私の命で、暗黒の神の呪いを解くことができます……。どうか……お願いします……。」と言い、そしてその女性は倒れたのである。俺は……咄嵯にその女性を抱きかかえたが、その女性が「お願い……。あの子の事を……守ってあげて……。私の命をあげるから……あの娘を助けて……。そして……世界を平和にし……全ての種族を救う英雄になって欲しいの……。それが私からの最後のお願……」
と言う途中で息絶えてしまった。
「おい!お前!!どうして……どうしてお前達は俺にここまでしてくれるんだ……。どうして俺を助けようとするんだよ……。」と言うと、彼女は微笑み「私はずっと見ていたから……。あなた達がどれだけこの世界の事を思っているのか……。みんなあなた達に会えて嬉しかったの……。あなた達のような人がいればきっと……。」と言いながら、俺の腕の中で冷たくなっていったのだった。
そして俺は、少女が言った最後の言葉を思い出していたのだ。俺はその『セイレイ』という剣を取りだし……その『神聖武器 神聖剣 ホーリーセイバー』を吸収し……剣は白く染まっていった。俺は……その剣でニアを抱きしめていた少女に触れる……。少女は俺が触れても目を覚まさない……。俺がこの剣で触れる事によってこの少女の呪いを解除することが出来るというのだ……。この少女を救うために俺は剣を少女にかざすと、少女の体が発光して、傷口が全て治ったのだ。
それからしばらくして、少女は目を開いたのであった。俺はすぐに回復薬を取り出してその少女に与えたのである。少女は俺を見て、「ここは……。それに、私は死んだはず……。あなたは誰なの?」と聞いたのだった。俺が「俺は……」と答えようとした時、その部屋の隅で倒れていたはずの男がいきなり起き上がり、そして少女に飛びかかったのだ。そして男は剣を抜いて、その剣で俺ごと貫こうとするのだった。俺は咄嵯に……少女の前に飛び出して、剣を構えたのだ!!その瞬間……俺の持つ『聖剣 神聖武器 聖刀 ホーリーウェポン セインソード 』と俺の手から現れた剣……『神聖槍 ゲイボルク・レプリカ セインランサー・レプリカ』は、白い光の刃を形成し……その男の放った『神聖剣 ホーリーセイバー』とぶつかり合い、激しく火花を散らした。
お互いの剣が激しくぶつかり合ったあとに……俺がその男の懐に入り込んで、男の胸をその『聖剣 神聖武器 聖槍 セインスピア ゲイボーラー 』の柄の部分で突いた。男は俺の攻撃を避けることができず……俺の攻撃を受けてしまう。
俺は少女と話を続けようとしたが、その時突然少女は倒れてしまい……気絶してしまう。どうすれば良いかと悩んだが、この部屋にいてもしょうがないと思い……少女を背負い部屋を出て行ったのだった。
そして俺は、先ほど戦った男を『神聖城 セインタワー』の入り口付近に置き去りにしてきたのだが……。この塔には『セイレイ』と言う少女を監禁していた。『光の柱』の封印の巫女『ヒミカ』がいると聞いていたからだ。俺はその少女と話す前に……どうしてもやっておかなければならないことがあった。それは俺の中にいる暗黒神の復活を阻止することだ。そのために……俺はその『セイレイ』を俺の中に戻した。するとその途端に俺の中にある闇が晴れていくのが分かったのだ。これでもう大丈夫だと思い、『神聖剣 ホーリーセイバー 神聖槍 ゲイボルク・レプリカ セインランサー・レプリカ』と、『聖槍 セイリュウ セカイリュウ セイセイバア セイレイボウ・レプリカ セイブアロー セイケンダガー・レジェンズ セイメイボウ・レプリカ セイブジャベリン・レジェンド セイシンセイシドウ・セイセイボウドラグーン セイスピア・カゲキリ セイセイボウブレイド・レプリカ セイフオアセイブアライジン・ゲイボウセイリュウ セイコウセイトウ セイフオウ・ソウセイ セインセイバー・セイセイブアーイ セインソード・オリジナル・セイントブレード・セインセインバアル・セイントセイバー セインセイバー セイセントソード オリジナル・セイントセイバー セイントセイバー・オリジン・セイバア・レジェンド・セイントセイバー セイセイバア セイセントランス・レプリカ セインシールド・セイントシールド・レプリカセインソーサー・レジェンズ セイセイバイブレイト・レプリカ セインフィストガード・レジェンド』を全て手放し吸収するのである。『セイシャ・セイセイナ・セイレイ・ソウ』も全て手放し吸収した。
「さっきの戦いで、あの男の動きにかなりついて行けなかったのを俺は気にしていて……それで今ならいけるんじゃないかと思ったんだよ。今の状態でなら戦えるはずだ……。そして、俺は自分の状態を確認するために、『神聖鎧 神聖盾 神聖剣 セイセイバア セイレンバアル・セイントバア セイフセイリツバ・ソウセイ』も手放す。そうすることで今の状況を把握する事が出来るようになると思うんだ……。そして……。『神聖騎士 ホーリーセイバー』は俺が使う。これはあの『光の柱』を護るためには俺のスキルとして持っておくべきなんだ。そして『セイシャ セイレインセイナ・セセイレイボウ・レジェンド セインセイリツバア・ソウセイ』だが、この少女の魂の力を利用してこの少女に使わせるのは危険すぎる。それに……この少女が死んでしまっては元の子もない。だから俺は……これを……『聖女セイラン』さんに使うことにする。『光の女神 ヒカリノコ ライトハデス』にお願いをする……。どうか……『神聖騎士団 ホーリーナイツ』を呼び出して欲しい。そして、あの暗黒神の配下である『死神 ネメアノス』に囚われている人達を救出してもらいたい。『光の騎士 セイキセイジ ホーリーセイムナイト』達と一緒に暗黒神に対抗できる戦力を集めるのだ。」と言うと……光り輝く『聖盾 セイセントシールド セイセントバリアー』が現れて……。
『セイサントバリア-』が消えると……『セイサントワンド』と『セイサイボウドー』が残った。そして……。その瞬間に、光の中から3人の美しい女性が現われたのだ。その女性達は、『セイセイ』と『セカイ』と名乗ると、まずセイが俺に向かって、「ご主人様……この度は我らの願いを聞き届けていただいてありがとうございます。私たちは『神聖騎士団 ホーリーセイントナイト』という存在なのですが、この度ご主人様の新たな力となるべくこの世界へやってきています。私たちが力になれることは何なりとおっしゃってくださいませ。この命をかけてご奉仕いたしますので。そして……この子達は……私達の後輩になる者になります。この子は私の娘のセイセイなのです。この子はまだ見習いですが……私よりも強い力を秘めています。」と言ってきたのである。俺は、暗黒神と戦うための新しい力を授けてほしいとお願いした。すると、「はい……では……私の力の一部を与えるのです……。この力は『聖なる盾 セイントリカバー』といいます。暗黒の力を浄化する事が可能なのです。またこの盾の力で、あなたを守る事も可能です。ただし……この盾の発動条件が厳しいのです。1日に一度だけでいいので……お使い下さいね……。あとは……その杖を使ってみてください。あなたにはきっと使えると思いますよ。あなたの魔法と相乗効果がありますので……。その『聖弓 セイジュアセイシイア セイクリッドボウ』の能力は凄まじく……魔法の矢を自由自在に作り出して撃つことが出来るのですよ。あとは……その『神聖銃 ホーリーガン』と『聖斧 ホーリーアクス』も使ってみてください。そして、あなたが今までに使っていた全ての神聖武具が使えるはずなんですよ。あなたは、既に全ての神聖武具と神聖鎧の能力を把握していらしゃるようですね。でも……まだ試していない武器もあるんじゃありませんか?その武器はあなたにとても馴染みのあるはずなんですが……。あなたに扱えるように調整はしておきましたので……。あなたはその装備をすぐに纏う事ができるでしょう……。」と言われ俺は、先程『セインバスターライフル・レプリカ』を手にしている。すると……。突然……。俺はこの世界の服を着ていて……腰にはこの前手に入れた『光輝槍剣』を装備している……。
そして……俺は……いつの間にか持っていた、俺専用の白い全身甲冑に身を包んでいたのだ。
「どうなってんだ?」と思っていると、目の前に突然白い光が集まっていき……その中から白い鎧に金色の装飾が施されたような、白い鎧を着た美女が現われて……。「マスター!私はあなたと共に戦いたいと志願する者。私は、マスターに仕える『白光の騎士王 ホワイトセイウン』と申します。どうぞこれからよろしく御願致します!」と言ってきて俺に膝まづいて忠誠を誓ってきたのであった。その光景を他の4人が唖然としながら見ていたのだった。
俺は……そのあとに、俺の持つ武器をセイたちに渡すことにした。セイたちの分と予備武器だ。俺は俺で……『聖槍 セイリュウ・セイランス・レプリカ』と『神聖剣 ホーリーソード・オリジン セイフソード セイセントランス・レプリカ セインソード・レプリカ』と、それに、セイたちが持っているのより、もっと強力な武器と、俺の所有するすべての神器と伝説の剣をこの世界に転送するように指示をした。
すると……突然、光が部屋中に集まっていき……。そして消えた。セイとセレイとセイセイとセカイノオバサンの分の神具や武器が全て現れた。そしてセイたちの周りに光が集まる。その光の玉をセイセイが掴むと光は消えていき……セイの体に吸収されていくのだ。その光景を見てセイたちは驚いていたが、俺は、今のセイがどれくらい強くなったのか気になっていた。セイのステータスを確認するために俺は念話を発動する。
(えっ!?……)
(どうしたのですか?)と驚く声をあげる俺。するとセイが、
(なぜ……あなたがここにいるのでしょうか?)と言った。セイの頭の中に俺の声が響いているみたいである。そして俺は、
(それは……俺は……君と融合したんだよ。だから君の能力を使う事が出来るし、君は俺と会話ができるのだよ。それより、セイ……君の能力をもう一度詳しく確認させてもらっていいかな。俺は今自分の状態を把握する必要があるんだよ。さっきから俺が感じているのは……まるで自分がもう一人いるかのような感覚なのだ。俺の中にあるもう一人の俺の魂が俺を操っているのではないかと思えるんだ。それが事実だとしたら……。早くこの事態に対応策を練りたいのだ。それに、君もさっき言っていたけど、さっきの戦い方じゃ……。あの魔人に勝つことは難しい……。このまま戦えば確実に死ぬことになるだろう……。だから今の状態を確認してから次の行動を決めようと思ったのだよ。頼む……。俺を助けてくれ……。」
俺の言葉を聞いて……。セイは少し考え込んでいたが、俺に協力してくれようとしてくれたのがわかった。
(そう……。分かりました。でも私があなたの魂の中でどんな状況に置かれているのかさっぱりわからない……。ただ……この体は……確かにあなたのものじゃない。私のものでもない……何か不思議な力が働いて私とあなたはこの体を共有できるようになっていると思うわ。それに、あなたは自分の中の闇を抑えきれなくなっている……。あなたが暗黒の神に魅入られているとは思えない……。あの時の記憶はある?あの女神のような女性の……。)
そう言われて俺は思い出そうとする……。俺の記憶があやふやになっているが……俺と融合してきているセイセイさんの力を借りて……なんとか俺があの時見た女神の姿を思い出そうとしていたのだ。そして俺の中に浮かび上がってくる映像……。その女性と俺とセイは……セイが『光の柱』の前で『神聖剣 ホーリーブレイズ セインブレイブ』を使い戦おうとしていたのだが……セイが倒れてしまったところまでは覚えているが……そこからの記憶がはっきりしない。俺は、セイに、「あの時は一体どうなってしまったんだろうか?その後が全然わからない……。俺は、セイセイさんに意識を奪われているわけではないんだけど……なぜかこの体に戻ってくることができないでいる……。」と言うと、
「多分……その時の状況が影響しているんでしょう……。その女性はおそらく……あなたが、その女に負けると分かっていたんじゃないかしら……。だからあなたを逃がすために時間稼ぎをして、そしてあなたにこの『聖杖 ホーリースタッフ』を持たせようとしたのではないかしら……。そしてあの女とあなたに同時に『封印』を解こうとしたのよ……。だけど……あなたはその力を受けきれずに暴走してしまっているのよ……。
だから……私もあなたの中に閉じ込められてしまって、あなたの中から出ることができないでいるの……。
私がこの体の外に出ることができたら……あの女の封印を解く事ができると思うの。そして……あなたと一緒に……『光の女神』を復活させましょう……。そしてあの暗黒神を打ち倒すために……。でも今は……。
この子の『セイレインセイナ』を鍛えないといけないの。『死神 ネメアノス』は暗黒の力でセイレインセイナの力を強化して『死神 ネメアノス』の配下にしようと考えているの。
セイレインセイナはまだ覚醒していないのよ……。あなたに暗黒神と戦ってほしいと頼んだのに……。」俺はセイの説明を聞くうちにセイの言った言葉が心に引っかかった。
『死神 ネメアノス』……。『死の王』……。セイがセイセイを……。いや、まだその段階までセイは達していない……。セイの言うとおりに暗黒の力を持つ者は暗黒騎士になりやすいのかもしれない。俺はセイにセイセイに暗黒神の呪いがかかっているかどうかを調べてもらうことにした。しかし、まだ暗黒の騎士ではないらしく……調べられなかったらしい。そこでセイに、このセイの体を使って暗黒の騎士になりそうな者を見極められないか聞いた。
(それは無理なんです……。私にも分からないのです……。私の力はまだまだ不完全ですので……。)と言われ俺はショックを受けた。そんな事なら暗黒の騎士になってるやつは、この世界に来てないんじゃねーか?と思っていると、セイは暗黒騎士になったと思われる存在がいた事を思い出したという。そして俺には、心当たりがあったのだ。俺に力をくれたあの白い髪の少女は、セイのことをよく知っているようだったからだ。それで……その黒い鎧の女についてセイはセイセイとセイに聞いていたのだった。するとセイが答えてくれる。
「セイ……あなたのその記憶が正しければ、その少女の名前は『ルキフェナ ルナセイセイト ルナセイ』なのですね?私はその名前を聞いたことがあるの……。『光の使徒』が使う『神具 神聖武具』の1つに、『神聖盾 セイクリッドシールド』というものがあり、その中にその『ルキフェナルナ セクレセイセイト セイセントランス セイレイアクス』と同じ武器が入っているの……。セイのその『聖槍 セイリュウ・セイランス・レプリカ』と同じようにね……。
それは……ある特定の人物に託され大切に守られてきたと言われている『聖具』なの。それを、セイが手にする事でその人は『光輝剣』を手にすることが出来るはず……。つまりその『聖槍 セイリュウ・セイランス・レプリカ』と『聖なる弓 シャイニングアロー』が揃う事でその『光輝槍剣 セイクンラダー』を手に入れる事ができると思うわ……。その2つを『聖宝箱 セイブクリット セインウェポン』に入れておけば……その人に会う時にきっと役にたつでしょう……。」
セイの言葉を聞いて俺は嬉しかった。『セイ』と俺は『神聖剣 ホーリーソード・オリジン セイフソード セイセントランス・レプリカ セインソード・レプリカ』と『神聖槍 セイリュウ・セイランス・レプリカ』と『神聖剣 ホーリーソード・セインブレイソード セイフセイバー セイセンソード セインソード・レプリカ』をそれぞれセイの体に入れる。
「ありがとう……。セイ……君と一体化できるのも悪くはない……。君との融合でこの体がセイになる前にセイが俺の中で俺を見守っていてくれれば安心だ……。それに君から情報を得ることができるのは大きい……。俺の意識は、時々君から離れて別の事をすることができるから、セイとして生活することも可能なんだ……。君とは一緒に生活はできないから……せめて君がセイとなっても、俺の魂の中のセイと俺が一緒なら、寂しくないし、もし俺の魂の中に他の誰かが入り込んだとしてもセイなら対処ができるだろう。
俺は、自分の魂の中にある他の人格たちを受け入れるつもりだからね。まぁ、みんな俺のことが好きで離れたくないって言ってくるだろうけど……。」
(そっか……私のこと心配して……ありがと……。でも、セイのことは私に任してください!それに……その私と融合したあなたがいるおかげで私の中にあなたと会話ができ、私の中に私と融合したあなたが宿りましたので……もうすぐあなたの中にもう一人の私が生まれることになるのですよ。それはあなたの中にいる暗黒の力を持った暗黒の騎士の力を抑えるために私が考えた秘策でもあるのです……。もう一人の私が、あなたと融合すればあなたがその暗黒の力を使った時の負担は軽くなると思いますので……頑張って強くなってくださいね。)
(そうなのか?俺の負担は減るのか?それは嬉しい知らせだ。それと、もう一人の俺が生まれたら君に教えてもらえないか?その俺から俺は力を引き出すことができるんだよな。だから、君にもう一人の俺ができたら、君も楽になるとおもわないかい?)
(はい……。それではもう一人のあなたが生まれ次第……セイに連絡します。でも……それまで……この世界で生き延びる事ができてたらの話になりますが……。)
俺が暗黒の神と繋がっていると思われる黒い女を倒すために動き出す事にしたのだ。この世界の人達は俺の力の凄さに気づいていなかったのだ。なので俺一人で行動すると決めたのだ。
(暗黒の神と繋がりのあると思われる『闇の王』を必ず倒してくる……。そしてこの世界に蔓延っている『魔人』を全て倒してくれよう……。
『暗黒の神』を倒せば全てが解決すると思うんだ。でも、その『魔獣の王』のいるところまでの道案内は頼むよ……。君は強いが戦いには向いていないようだしね。君の実力を見る限りだと、今の俺の強さじゃ勝てる相手じゃないと思うからさ、まず『聖槍 聖槍 セイリン・ラスタ・ラン』のレプリカを使うしかないんだろうな……。あの時は……なんでこの剣が使えたんだろうか?わからない事が多いけど、この剣が使いこなせたらいける気がしているんだけど……。
とりあえず、俺は『暗黒の力』が少しでも俺の体内にある間は使えないんだ……。俺の力が完全にセイのものになった時……その時は、俺と融合した『暗黒神 ダークセイセイ』と『光の女神 ライトセイセイト』の力を使うことができるようになるはずだよ……。
でも今は……暗黒の神が封印されている暗黒の世界を抜け出さないと暗黒の力を抑え込むことができないんだ。)と俺は説明していた。
「でも……あの女の人が言ってたんだけど……。暗黒の魔王は復活したみたいで、復活させた暗黒の魔女を倒さないと、暗黒の呪いが解けないみたいなの……。
その魔女がどこに住んでいるかまでは分からないのだけど……その女を倒したときに、暗黒の神の封印が少し解かれる可能性があるようなことをあの女の人は言っているように感じたの……。」
そのセイの言葉で俺は衝撃を受けていた。俺は……『暗黒の力』を抑え込めば『セイ』と『暗黒の巫女 セイカ』の二人がこの世界にやってくるんじゃないかと思ってしまったのだ。『聖女神 ライトセイセイド セイレイアクス セイフセイケン セインセイリュウ・ブレード セインセイコウ・レイ セインセイライ セインセイセン・セイバー セインセンソード セイセイ セイセントランス・レイ セーレン セイセンソード・ソード セイセン・ブレード』の力が解放されると、おそらく俺は『セイ』の肉体と『セイカ』の体を手にすることができるかもしれないと思えてきたのである。
『セイカ』をこの世界に連れてきたら、『セイセイ』を元いた世界に帰す必要があるだろうな……。この世界には、『セイ』がいないと俺は生きていけなくなっているし、その『セイ』を『暗黒の闇に落ちた人間』が狙う可能性は非常に高い……。それに俺はその暗黒の神の呪いを解く方法を知らないのだからな……。
『暗黒神 ダークセイリュウ・ブレード』の呪いを解く方法があるか探るためにもこの暗黒の世界にいるであろう『闇の王』を倒してみないと分からないな。」と思っていたのであった。
私は……『神界神 シン・アスカリス・リヴァ・イオス ルシアス レイナス』
私は、私の体の中から聞こえてきた謎の声に話しかけられていた。
しかし私の中の何かに阻まれているようで、うまく話をすることができなかった。しかし、その謎の女性と私はなぜか意思疎通ができるように話ができたのだった。その女性の体からは黒いオーラが出ており……。
『暗黒の力』という存在の事が分かり……私とこの『神剣』のセイリュウの力で抑え込んでいるという事もわかったの。この女性には私の事や、『光の神』の事を知っているらしいが……。
私はこの『セイリュウ』という剣を手放した瞬間から私の体に宿る暗黒の力が強くなっていた。そして……暗黒騎士の姿になり暗黒騎士が使う技や暗黒魔法の事まで分かるようになっていた。
この『聖剣 セイクリッドソード・セインブレイソード』が、今手元にあったならば、『聖盾 セイクリッドシールド』の中にあるはずの『聖槍 セイリュウ・セイランス・レプリカ』を探し出して取り出す事ができるのではないかと思っているの。
そのセイカさんの記憶は私が思っていた通りであり、その『セイ』と名乗る少女と一体化することで、彼女の知識を共有できるようで『セイ』という少女の知識を自分のものにできると分かっていた。
彼女は、今セイカさんの肉体を持っているのだから……セイの人格と融合していればいいはずなのに、なぜ私の前に現れたのか分からなかった。
でも、そんな事は些細なことでしかなく……今は目の前の問題を解決するために全力で行動するしかなかったの……。だから、その暗黒の騎士と対峙する事になったのだけど……このセイの身体を借りている暗黒の騎士の力は、セイの『神聖剣 ホーリーソード・オリジン セイフセイバー セイセンセイバー セインセイバー・セインセン』の『セイ』の剣を使ってみても全く太刀打ちできないほどの強さを持っていて……。私も私の中にある力を解放するしかなくなったの。その力とは『光の女神 ライトセイセイト』の『光』の力を解放して暗黒の剣の暗黒の力に打ち勝つことができたの。
『光の女神』の力を使って、暗黒の騎士の動きを止め、暗黒の騎士が持つ『暗黒の力』を打ち消し、暗黒の騎士が動けないうちに、セイに預けていたセイの剣を受け取りセイに渡そうとしたのだが……セイはすでに『暗黒の力』に支配されて暗黒の騎士に取り込まれてしまっていたの。
その時に私はセイを救いたい一心で必死に戦っていたの。セイを救う方法を考えてはいたけど、何も思いつかなかった……。ただひたすら……暗黒の力に抗いながら、セイに呼びかけ続けた……。
でもセイが暗黒の暗黒の神と融合したせいなのか、セイに近づけなくなってしまった。セイを取り戻せないのなら……。セイに私の意思を伝えようとセイに私の想いを送り込んでいたの……。するとセイから返事が戻ってきたのでセイと意識を入れ替えることができたの。
(私は……あなたの中にいますよ。でも、セイカの体はセイが持っているんですよ。セイが私に体を返した時には……私はこの体のセイになり、このセイは暗黒の神の力を手に入れています。そして……この暗黒の神の化身はセイの中にいる暗黒の力を持った暗黒の騎士の力を抑える為に暗黒の騎士を封印するのです。)
とセイは私に伝えてくれました。そして暗黒の力は暗黒の騎士の中に戻ろうとしています。それを阻止しなければ、封印してもいずれ封印は破られてしまう……。それでは意味が無いのでした……。
(それはダメなの……。このセイが暗黒の騎士に取り込まれるわけにはいかないのです!!セイの肉体と精神はこの私が守り抜くのです……。)
(あなたでは暗黒の力は倒せません……。あなたでは無理です……。暗黒の力を完全に倒せるのはセイしかいないので……セイの身体が戻ってくるまであなたの中で私がサポートしますので……。暗黒の使徒との戦い方を教わりなさい……。あなたはまだ、自分の中に秘められている力がどれほどのものかも理解していない状態です……。あなたの力の全てを引き出すのは難しいかもしれませんが……。)
(ありがとうございます。あなたは一体何者ですか?どうしてそこまでしてくれるのですか?)
(そうね……。今のあなたは知らない方がいいでしょう……。それに……もう時間がないわ……。早く……セイカさんが戻ってくる前に暗黒の力を倒してきて……セイの力を全て解放して封印してください……。暗黒の神の復活を阻止して……。そして……『セイ』を助けて欲しいの……。お願いします。)
と言うと暗黒の神の化身から出てきた黒い光がセイに憑依していった。その瞬間に……『暗黒神』が復活してしまったのである。セイが『セイ』ではなく、暗黒の神になってしまったので、暗黒神の呪いを解くために暗黒の魔王と戦う必要があったの。私は、私の身体にセイの精神が入り込み私の体を支配したの……。
私は暗黒の力と戦いながら、私の中に入っていたセイカさんの意識を呼び戻すことにした。
「レイカさん……。私の声が聞こえるかしら……。」と私はレイカさんの身体に入り込んだ暗黒の力を抑え込むようにしながら言ったのである。
「はい……。私は……この暗黒の闇の力を制御している『セイカ』です。この暗黒の神が目覚めると同時に暗黒の力の暴走が止まり……暗黒の神をこの肉体の『セイカ』が乗っ取ったみたい。そして私は暗黒の神と融合させられてしまったの。」
私はレイカの口から発せられる言葉を聞くと、セイを救いたいという願いを込めて、「助けるから……。もう少し待ってて……。暗黒の神を倒してくるから!!」と言って、セイを封印し暗黒の力を完全に封印するために暗黒の世界へと旅立ったのだった。
***
<暗黒の騎士視点>(うふふふ……さすがだね。暗黒神が復活したとはいえ完全に復活する前に、暗黒の神を倒すとは予想以上だよ。それに……。まさか僕の『闇の波動』を受けて自我を保つことができる人間がいるなんてびっくりしちゃった。それに……あの暗黒の力はなんなの!?あれだけ僕が時間をかけて作った暗黒の闇の力があの暗黒の力に吸収されているんだけど、あの暗黒の力は一体……どうなってんだよ……。あの暗黒の力を抑え込んでいるあの女は何なの……本当に謎が深まるばかりなんだけど……。)とセイの事を暗黒の騎士が見下ろしているのだった。
(あぁ……。やっぱり、暗黒の呪いを解くことはできなかったんだ……。僕は、君たち人間の味方をしたかったのに……ごめんなさい。
でも……僕は暗黒神の力を抑え込むことに成功した。暗黒の魔女の呪いは、解けないけど……この暗黒の世界を救えると思うから……。
暗黒の神の力の一部を吸収した僕は……君の中に入って君と共にこの世界を守れるように頑張っていくから……一緒に行こう!
『神聖竜 セインセイリュウ・セイン・セインセイバー・ソード・ブレード・セインセン・セインセインソード・ソード・セイバー・セイバー セイコウ・セイン・セセン・セイバー・セイコウセン・セイコウセンソード・セイセンソード セイセイ・セセン・ソード・セイバー・セイセイセンソード・セイセン・ソード・セイバー・セイバー』……。君は僕の力を受け継いで……。僕はセインセイリュウ・セイリュウ・セイリュウソード・セイコウセン・セイカイ・セイキセン・セイセイ・セイセイセイセイセイ・セーンソード
『光の女神 ライトセイセイト・セイクリッドソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレ・セイセイセン・セイバー・セイバー・セイセイ・セイバー・セイバー・セイバー・セイセン・セイバー・セイセンセイバー・セイセイ・セイバー・セイバー・セイバー』……。君はこの『神聖騎士 セイクリッドナイト』の『神聖騎士剣』を使って暗黒の騎士を倒して、暗黒の力を打ち消して欲しい……。『セイ』は、君が必ず取り戻すはずだから……。)と言い残すとセイカの中にいたセイは姿を消した。
そしてレイはセイの力を引き継ぎ……『暗黒の神 ダークセイリュウ・ブレード セイリュウ・セインブレイソード セイクリッドソード・セイクリッドシールド セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインセインソード・セインブレイソード・セインブレイソード・セインソード・セイセセインソード セイセンセイセイセイセセント・セイセイ・セイバー セインソード セイセイ・ソード・セイセセイセイセイセッセイセンセイセインセインセインセイセェエエン セイセンソード セイサセェン・セィンセェンス・セイサイ セイサセンドォオオン セッスイッセイサイィイン セイサイ』を自分の力とした。『聖光騎士 セイクンセイメイ セイクンセイメ・センメイセイセイ セイサンセイン・セイバー・セイバー・セイバー・セイバー・セイサンセンセイ・セインセインセイバー・セイバー セイサセェント・セイバー・セイバー・セイバー・セイバー・セイバー・セイセンセイバー・セインセイバー セインセイバー・セインセイバー セインセイバー セインセイバー セイバー セイセイセイバー セイバー セイセイセーーーン』
そしてレイは暗黒の神と暗黒の使徒と戦う決意をするのであった。
***
「うぅ……頭が……痛い……。私は何を……。そうだわ……。暗黒の騎士と対峙して……。でもどうして暗黒の騎士が私の前にいるのよ……。あなたを今から倒すから覚悟しときなさい。」
と暗黒の騎士を睨みつけながら私は言ったの。
「あら?もう正気を取り戻したようですね。残念ですがあなたは私に勝てないと思いますが、まぁ良いでしょう。暗黒の神を封印されたくなければ大人しく降伏することを勧めるのですが……暗黒の姫は、あなたを庇っているのであなたが死ねば暗黒の力は私のものになるのですから……あなたは邪魔なのですよね……。では……あなたを殺して暗黒の力を手に入れる事にしましょうか……。」と言うと、私は自分の持っている剣を構えたの。すると……。暗黒の騎士から強烈な暗黒の力を感じることができて……私はその力で意識が飛びそうになっていたの。
私は必死で意識を保っていたのだけれど、この暗黒の騎士と戦ってはならないという予感があったので、なんとか逃げようとするが……暗黒の力に支配されていて逃げる事ができなかった。そして、私に襲い掛かっている時に暗黒の神の暗黒の力の影響で私は意識を失ってしまうことになるのだが、その瞬間私の中にセイカの精神が入り込んできたのである。そして、私はセイカの身体を借りる形で暗黒の神と戦い、何とか暗黒の騎士を倒したが……。私もセイカと同様に暗黒の騎士に取り込まれた状態になってしまった。
***
<暗黒の騎士視点>(あの女の人が僕の暗黒の力を完全に封じ込めるとはね……。まさか、暗黒の力の一部を吸収してもまだ、あんな事ができる人間がいたなんて驚いたよ。暗黒の神の力を一部とは言え取り込んだ状態で戦って、僕の力に耐えた人間がいるんだからね……。僕自身かなりダメージを受けてしまった。あの人の力を全て吸収したわけじゃ無いんだけど、あの人から暗黒の力の一部が消えたのにはびっくりしている。暗黒の力は完全じゃない状態では不完全な状態だったんだけど
異世界コピー勇者の魔王攻略戦記 あずま悠紀 @berute00
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