第8話 紳士の夜を邪魔する者

 俺達が紳士として夜を過ごしていると、俺の魔王パワーで発動した結界に反応があった。


 モンスターだ、キャンプ場のくせに当たり前のようにモンスターが出る、異世界のリゾート地に安全性はあまり保証されていない。


 一応リゾート地だからここを領地としてる貴族は自前の兵士団とか騎士団とかでモンスターを精力的に狩っているらしいが……。


「グリフさん、俺は少し散歩に出て来ます」


「そうか、分かった……」


 そして空を飛んで結界の反応があった場所に飛んだ、俺が結界を張ってる以上、モンスターなんて誰も侵入は出来ないのだが近くにビーチもあるからな、しっかり駆除してやる。


 蚊とか同じようにな。


 空から下を見ると、闇夜に紛れた黒い体毛のサルみたいなモンスターが多数いた。

 赤い目が光っている、敵意と殺気を空にいる俺に放ってきた。


「フンッ見た目人間なら誰でも襲うって感じか?ならキッチリ始末しないとな」


 こっちも仕事だ、客に怪我人なんて出たら気分が悪いんでね。

 魔王パワーを発動、サル共は灰色の炎に焼かれて消え失せた。


 その後は1時間程空を飛んで巡回をする、それ以降は特にモンスターは現れなかった。


 俺はログハウスに戻り再び紳士となって黒モヤテレビの中継映像を静かに見守った。


 そして翌日。


「オイッ!もう朝だぞ!起きろよお前ら!」


「う~~んまだ眠いんだよ~~~」

「カレナ、俺達は昨日も夜遅くまで起きていて…」


「ハッ!どうせスケベな事でもして夜更かししただけだろう!?そんなの寝過ごす理由になるか、さっさと働けこのアラフォー共!」


 好き放題言いやがって、まだ眠いと愚図るグリフさんの首根っこを引っ掴み頭を揺らして起こそうとするカレナ。


 この暴力女の強制お目覚め攻撃を喰らいたくない俺はなんとか起きたのだ。


 渋々起きる、ハーゴンさんは流石はプロなのか夜更かししても普通に起きて働いていた。

 そして俺達がキャンプ場の作業員として働く。


 イカ臭いテントの掃除やイカ臭いスポットの掃除は心当たりのある客を個別に呼んで当人達に掃除させる。


 断れば魔王パンチだ、それがこの新生魔王キャンプ場のルールである。


 ハッスルした後の後始末を自らの手でする連中の顔を拝むのも楽しみだな。


「それじゃあグリフさん、行きますか」


「ああっ我らがしっかり見守っていた事を…………思い知らせてやるぞ!」


 

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