第6話 森キャンプの魔王

 ハァ~~~ッ海が懐かしい。

 何が悲しくてこんなムンムンとした湿気と夏の糞みたいな日差しに満たされる森になんて来なければならんのだ!。


 …………俺がビーチで好き勝手し過ぎてビーチを追い出されたからだよ。分かってるよ。


 俺はなんであんな真似を?きっと夏の魔力だな。夏がこのブサメン魔王をおかしくしたのさ。だから俺は全く悪くない。


「オイッゼオン!そろそろキャンプ場を使う新しい客が来るぞ!その前に掃除を済ませろよ」


「なんでキャンプ場のアルバイトなんて……金なら稼ぐ必要もないってのに」


「まあ働かざるもの食うべからずだ。海で散々遊んだからな、少しは働いて社会貢献をしろとカレナからのお達しだ」


「口より手を動かせ!」


「「ハァーーーーイッ」」


 魔王に社会貢献とか、凄い事を言ってくる貧乳だな。本当ならこんな面倒くさい事はしたくない、何より……。


「ちっ!また蚊がいるな」


 プ~~~ンと言う不快な羽音、そうっ人間を不快な気分にさせる為だけに生まれてきた様な存在。


 あの羽虫はこの異世界にまで存在していたのだ、人間は別にいても良いが蚊とかまで異世界に存在するじゃないよ。


 本当に蚊とかムカデとかハチとかアブとか、皆魔王パワーでこの世界からだけでも全滅させてやろうか?今ならまだ虫を何種類か絶滅させても文句言ってくるヤツとかいねぇだろう?。


「あっゼオン、足にヒルがついてるぞ?」


「────────ちっ」


 俺はその日、キャンプ場がある山のヒルを魔王パワーで絶滅させた。後悔はない。

 そもそもキャンプ場作る様な場所にヒルとか存在するのが悪いんだよ。


 あと蚊もヒル諸共山にいる分は魔王パワーで全て補足して全て消し飛ばしてやったよ。


「ん?オイッゼオン。何を1人で勝手にサボってんだよ!」

「違う、ちょっと山の掃除を……」


「それをサボってるって言ってんだ!さっさと働けと全くもーー!」

「…………」


 この貧乳……人の話を全く聞かないな、まあ仕方ない。カレナは仕事だとやたらと張り切って仕切るからな、そう言う正確なんだろう。


 ここは大人な俺が折れてやるか。

 そして掃除をしてキャンプ場に客が来た。


 その客は皆若い男と女だ、コイツらキャンプ場をパコりスポットと間違えて来てないか?もしも俺達が張ったテントでハッスルとかしたら許さんぞ。


「グリフさん、これは夜通し問題が起きないか見張る必要があるかと」


「その通りだなゼオンよ。これは……腕がなる!」


「何を阿呆な事を言ってんだアラフォー共!」




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