第4話 勝ち組キング現る。
ブサメン魔王がビーチのゴミ掃除を行っていると一際通る声で何者かが叫んだ。
「オイッ!ここは皆が楽しむ為のビーチなんだぞ!何を暴れて迷惑をかけているんだ!」
むっ全く持っての正論に動きを止めてしまったぞ、しかし残念ながら俺はブサメン魔王、魔王なので基本的にこの世界の大半の連中に迷惑をぶっ掛けるのが仕事なんだよねこれが。
声の主を捜す、そしてそいつを一目見て俺は理解した。
─────ヤツは、このビーチの王だと。
誰よりも黒く焼いた肌。
染めてるとしか思えないキマリ具合の金髪ロン毛。
タモリさん以上に真っ黒いグラサン。
そして……その背中に引き連れし10人はいるであろう美女達の姿。
ヤツは、勝ち組キングだ。間違いない。
存在するだけで我々女性と縁の無い負け組、日影組を精神的に追い詰める外道の王。
数限りある美女を1人で何人も占有し、それを全く悪びれない図太と過ぎる神経。
挙げ句に今の『皆のビーチ』発言。
なめとんのか?ケンカ売ってんのか?ぶっ殺すぞお前コラッ!。
そんなドス黒い感情がこのブサメン魔王の心を満たしていくのを感じる。
「私はこのオッピロゲビーチの管理人をしているグリンドームと言う者だ、そこの海パンに半裸でマントしてる怪しいヤツ!貴様は何者だ!」
「名乗る必要などない、俺が何者なのか?決まっているだろうが勝ち組キング!」
「かっ勝ち組キング?まあ確かに仲の良い女性友達は多いが……」
カーーーーーーーッ!女性友達!?友達!?ここはアメリカか!?友達ともハグしてチュッチュッするのがフォーマルなお国だとでも!?。
「何が女友達だ!どうせホテルにでも入ったら速効でパコるつもりのくせに!ビーチで女を1人で大量に持っていってる時点で貴様の方が俺より罪深いんだよ!死んでモテると言う罪を償え!」
「めっめちゃくちゃ言うな!」
そうか?少なくとも俺の言葉に頷いてるビーチの野郎共は結構多い気がするが……。
まあそんな事はどうでもいい!俺はブサメン魔王として勝ち組キングになんて負けない。
貴様を地獄に叩き落とし、引き連れてる美女を奪ってやる!。
ドラクエでも敵キャラを倒すとたまに起き上がって仲間になりたがる変わり者がいるんだ、あんだけ数がいれば1人くらい居るはずだ。
そんな希望を胸に、俺は勝ち組キングに勝負を挑んだ。
「勝ち組キングよ、俺と戦え!貴様を倒し、このビーチの支配者になってやるぞ」
「かっ管理人は土地の持ち主とちゃんと話し合って……」
「問答無用!死ね!魔王ボンバーーーーー!」
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