第33話 刹那の時

◇◇◇◇◇◇



「………ん?ここは、どこだ?」


 そこは真っ白な何もない空間、まるで異世界に転生する際にいた場所みたいである。

 俺はそこに突っ立っていた、え?まさか俺死んだの!?。


「………ゼオンか」


 後ろを振り向く、そこにはレプゴブキングのカイゼルまでいた。


「お前までここに?」

「ああっここは一体どこだ?」


「………知らん」


 あの股くさ女神はどこか別の世界に行ったはず、ならここにまた来ることはないと思っていたんだが………。


「いやっ恐らくは、そう言う事なんだろう」

「…何か心当たりでもあるのか?」


 俺がそう聞くとカイゼルはふっと笑った。相変わらずブサイクな顔である、ゴブリンだからな。


「ここはきっと刹那の時、訪れる場所なのだろう。理由など知らんがまあいいさ。ついでだゼオンよ、お前1つ言っておく」


「なんだ?」


「俺は多くの間違いを犯した。今更何を言っても無駄だろうが謝罪をする」


 本当に今更な話しだな。大して迷惑をかけられた訳でもない俺に謝られてもなって話だ。

 そうを言うのはミーリア達あのゴブリンキングダムでヒドい目にあった女達に言えよ。


 まあどのみちコイツは死刑だろうとは思うけどな。何故ならそれが道理だからだ。


 謝って死人が蘇る訳でもなし、女達の受けた仕打ちがなかった事になる訳でもない。謝罪1つ、反省1つで何かその事実が変わるのかって話だ。


「俺に謝罪しても何にもならないぞ?無意味な事をするな」


「………………確かにな。だかまあ、それでも─」


 カイゼルは俺の方を見て言った。



「言っておきたかったのだ、最後にな」



 真っ白な空間が消える、カイゼルの姿はなかった。




「ハハハハハハッ!あのブサイクは消し飛んだぞ!次は貴様のば」


「…………黙れ」

 俺はキモ剣の刃の部分をガシッと握る。そして魔王パワーを発動した。


「なっなんだこれはっ!?ボクが…砕ける!?馬鹿な、そんな馬鹿なァアアーーーーーッ!」


 キモ剣に細かいヒビが入る、さっさと消えろよこの雑魚が……。


「こっこうなれば!貴様も道連れだ!」

「無駄だ。お前になにができる?」


「ボクは負の感情を力にする魔剣だ!そして取り込んだ負の感情がどんなものなのかを知る事が出来るんだよ!」

「…………あ?」


「つまりボクは貴様からも負の感情を取り込み、その感情がどんなものなのかを知っているって事だ!貴様が隠し続けた薄汚いドスケべな本音を………この国の女達にテレパシーで暴露してやる!」


 やっやめろぉおおおおおおーーーーっ!。


 キモ剣は砕けちった、俺の本音、ハーレム王国やミーリアハーレム要因化計画を暴露して。














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