第29話 死闘
「ふざけるな!貴様と我のどこが違う!」
レプゴブキングがボロボロの身体で尚跳躍して俺に迫る。ヤツの言葉は正しいのかも知れない、何故なら女子から見ればブサメンなんて人間もゴブリンも同じで「生理的に無理~~(笑)」とか言ってるかも知れないからだ。
しかしそれでも俺は否定する。俺は貴様よりイケメンだと。
「お前は……俺より遥かにブサイクなんだよ!」
「ほざけ!大差ないわ!顔の掘りが深いか平たいかだけだろう!」
「黙れ!」
レプゴブキングの剣を俺の拳が受け止める、先程よりも明らかに重い!。ヤツの女を求める欲望はこんなにも重いのか!?。
…………しかし、それでも俺は言わなければならない!。
自分の全てを棚上げにして!言わなければならないのだ!。
「言ったはずだ!そもそも相手にも選ぶ権利があるんだ!世界は貴様を中心に回ってる訳じゃないんだよ!」
「弱者に権利などない!ただ奪われ、支配されるだけの定めよ!力を持つ者が全てを選ぶ権利を持つのだ!」
「…………そんな考えだから貴様は俺よりブサメンなんだよ!」
「なっなんだと!?」
俺はレプゴブキングに横殴りのパンチを食らわせて吹っ飛ばす、しかしヤツは身体を捻って綺麗に着地した。
俺はレプゴブキングをビシッと指差して声をあげる。
「力で全てを?アホか貴様は!そんなのモテない事実から目を背けてるだけだろうが!なんでモテないのか、貴様に教えてやる!」
「…………!?」
「そもそもお前は……努力をしたのか?女性に選ばれるような男になろうと!時間を、金をかけて。少しでも努力をしたのか!?」
レプゴブキングが目を見開いた。
「女性とのデートプランを考えた事は!?美容院的な場所に行ってそのむさ苦しい体毛の一つでも除去してこいよ!それと服を着れ!身嗜みを整えろ!歯を磨け!黄ばんでんだよ!シャワーにも入ってないんじゃねぇか!臭いんだよさっきから近くに来るとさ!不潔とか完全にアウトだから!他にもあるぞ!貯金!今の職業!将来の安定性!要は働け!そんなあらゆるするべき事を何一つしないで何がモテないだ!そんなの当たり前なんだよボケコラッ!お前はセックスしたいだけで相手の女性を見ていない!そんなヤツが!そんな、相手の為に時間も金も……気配りすらも出来ないクソ野郎が一国の王女を物するだ!?本当に………バッカじゃねぇのかこのハゲゴブリンが!死ねぇえええーーーーーーー!」
棚上げしても俺の心にもグサグサくる言葉を言ってる。心が「お前はどうなんだよ」ってツッコミを入れてきてツラい。
「うっうう!うぁああああーーーーー!」
しかしそんな理論武装した言葉の暴力は、レプゴブキングに膝をつかせた。
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