第28話 共鳴と決別
何という事だ。俺は……俺はレプゴブ共を誤解していた!。
ヤツらは生まれながら絶望を背負わされし悲しい生命だったのだ。考えて見てほしい、異世界ラノベで人外に転生する話があるが大抵はいずれか速い段階で人間のフォルムになるか、それに近い姿に近づいていく。
それは何故か?ヒロインキャラが人外転生した種族と同じとか冗談じゃないからだ。
書籍化によるイラスト、マンガ化、アニメ化。どれをとっても可愛い女キャラは欠かせない、むしろ主人公より女キャラが重要、女キャラさえいれば良いとすら思えるくらいだ。
そこで主人公がスライムに転生したらヒロインも普通にスライム?ゴブリンに転生したらあの緑色のゴブリンのメスがヒロインキャラになると?。
ふっざけんな!そんなの誰が幸せになれんだ!?そんな将来性に期待出来ない駄作(個人的意見です)には書籍化もマンガ化もアニメ化の未来なんてありはしないんだよーーーー!(個人的意見です)。
つまりゴブリンに生まれた時点で同じゴブリンのメスは初めから対象外、しかし人間も他の種族もゴブリンなんてゴキブリの親戚的な目でしか見ない。
何という事だ。レプゴブに生まれた連中は前世でどれだけの悪行を重ねたと言うんだ?……まあ今世でも強姦とか国盗りとか犯罪を重ねてるんだけどな。
「我らゴブリンはこの国を諦めない!あの未来なき地獄から、ようやく人間の女を思うがままに出来る理想郷を手に入れたのだ。たとえ我以外のゴブリンが滅びようと負けはせんぞ!」
スッゴいいい感じに言ってるが、アイツレプゴブキングなんだぜ?っとツッコミたくなるな。さっきからミーリアも無言でゴミを見るような目でレプゴブキングを見てるし。
「……お前は。ただの悪だ」
「ゼオンとやら。お前には分かる筈だ!そんな顔に生まれたお前にはな!」
「なんだと?」
「お前は自分がブサイクだと知っているな?ならば交尾する相手が当たり前のように自分と同レベルのブサイクだったら…どうするんだ?」
「無論……そのおブスさんには丁重にチェンジを希望する」
本当は失せろ!と怒鳴る可能性すらある、手を挙げないだけありがたいと思えよ的な話である。
(なっなんて最低な会話を……引きます)
おっとミーリアからの視線が痛い、俺はレプゴブキングとの会話を切り上げるたいのだがコイツはまだ元気に喋る。
「そうだろう!?我らゴブリンは生まれた時から交尾出来る相手は集落のメスと決まっていた。お前ら人間と大差ない美的感覚を持っていると言うのに……これを地獄と言わず何というのだ!」
やめろよ、しつこいよ。お前と話してると俺の人間性まで疑われる事になりかねないんだからな。さっきからミーリアの俺の株価が下落してる気配がすんだよ!。
だからここでレプゴブキングの言葉を否定する。
「ふざけんな!その地獄を自分達より弱い女性に強要する貴様にそんな戯れ言を口する価値はない!」
(ゼッゼオンさん!)
「なっなんだと貴様!同じブサイクのくせに、我らの気持ちが分からんのか!」
「そもそも俺がブサメンだからって一緒にするなレプゴブキングが!俺はそう言うレイプ紛いな真似は一切しないと心に誓っているんだ!そもそも貴様は勘違いしている!」
俺はキリッとした顔になった。
「そもそも恋愛とは相手にも選ぶ権利があるんだよ!それを蔑ろにする時点で自分が選ばれる自信がないんだろう!?哀れすぎるなレプゴブキング!俺は……俺は!お前らとはちがーーーう!」
俺は自分のインフィニティな欲望を全て棚上げにして正論で理論武装する事にした。
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